Uberのアムステルダム拠点社員11名の解雇許可申請を当局が却下

Uber(ウーバー)はオランダ、アムステルダムのEMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)本社従業員11名を解雇する許可申請を、オランダ労働者保険機構(UWV)に却下されたことを正式に認めた。

対象となっている社員らは、2020年にUberが大規模レイオフの一環として提案した早期退職手当を受け入れなかった。

Uberは今年、2020年5月全従業員の約15%におよぶ大規模な世界的レイオフを発表し、アムステルダムに勤務する約200名も対象となった。同社は新型コロナパンデミックによる需要の変化を人員削減の理由だとしている。

先週、オランダの新聞NRCは、Uberは人員解雇の許可申請を却下され、UWVが解雇の根拠がないと判断したためだったと報じた。

記事によると、対象となったUber社員は会社の退職勧告を受け入れるよう圧力をかけられていたという。Zoomによるビデオ通話で退職通知を受けた翌日に社内システムから切り離され、退職手当受け入れを促す通知が毎日送られいぇ、Uberから「あなたたちの職はすでに存在しない」といわれた。

オランダ法では、雇用者は計画的解雇のためにUWVの承認を得る必要がある。しかし今回のケースではUWVが決定を下す前に大部分の対象者が退職を受け入れていた。地元紙の報道によると、対象者の多くは出稼ぎ労働者で、オランダ法による労働者権利を知らなかった可能性があるという。

Uberに質問したところ、同社の広報担当者から以下の声明が送られてきた。

今年当社は、パンデミックの劇的な影響を受け、最終的な復旧の見通しがたたないため、全世界の人員削減という困難な決断を下しました。アムステルダムの当社EMEA本社における人員削減はその一環です。

さらにUberは、退職手当の提案を受け入れなかった11名に対する同社の解雇申請を拒否したUWVの決定に同意していないことを本誌に伝え、決定内容を見直してから進め方を決めると付け加えた。

同社は、対象の約200名に提示した退職手当には、2.5カ月分の給与と年末までの健康保険、再就職の斡旋 およびUberが手当したビザ保有者への追加支援が含まれていた、と語った。

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ウォルマートがP2P商品配達のJoyRunの一部資産を買収

JoyRun(ジョイラン)についてTechCrunchが最後に書いたのは、同社が1000万ドル(約10億円)を調達したときだった。ベイエリア拠点のスタートアップである同社の今回のニュースは少し変わっている。Walmart(ウォルマート)がサプライチェーンを強化しようとJoyRunの資産の一部を買収したのにともない、JoyRunはWalmartの一部になった。巨大小売のWalmartは米国時間11月20日、JoyRunのピア・ツー・ピアの食品・飲料配達サービスを自社のラストマイル配達に組み込むために、JoyRunの人材、テクノロジープラットフォーム、IPなどを含む「選んだ資産」を買収したと発表した。

Walmartの上級副社長Srini Venkatesan(スリニ・ヴェンカテサン)氏は、540のサードパーティ小売パートナー、そして5年ほど前の立ち上げ以来商品を配達してきた3万人強のネットワークがアプリにある、と述べた。JoyRunのサービスはSeamlessやUber Eatsのような標準的な配達アプリに少しひねりを加えたものだ。

2017年に採り上げたように、「JoyRunのアプリでは、ユーザーの好きなレストランにすでに向かっている近所の人を探し、自分の注文を上乗せすることができる」。Walmartがこのテクノロジーをいかに既存のチェーンに取り込むかは興味深いところだ。しかし聞いた感じだと、Walmartはグローサリーなどの商品の配達をノンプロに頼ることになるようだ。

このシステムはAmazon Flexと同じように機能する。配達のためのUber・Lyftギグエコノミースタイルというアプローチだ。

「この買収により、チーム、そして未来の顧客に配達するためにより多くの手法を開拓する現在の取り組みを強化できます」とヴェンカテサン氏は付け加えた。「例えば(JoyRunの)Runnersは当社のSPARKプログラムやサードパーティの配達プロバイダーを補完できるかもしれません。我々の最終目標は可能な限り早く、そして効率的に配達することです」。

Walmartは「数週間内に」ディールがクローズすると見込んでおり、JoyRunをサプライチェーンテクノロジーチームに迎え入れる。ディールの条件は開示されなかった。

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食品ロス削減のためのフードシェアリング「TABETE」運営のコークッキングが資金調達を実施

食品ロス削減のためのフードシェアリング「TABETE」運営のコークッキングが資金調達を実施

食品ロス削減のためのフードシェアリングサービス「TABETE」(タべテ。Android版iOS版)運営のコークッキングは11月20日、プレシリーズAラウンドのサードクローズとして、資金調達を実施したと発表した。引受先は、DDHoldings Venture Capital、中国電力、kemuri ventures、中川成久氏など。

今回の資金調達により、TABETEサービス開発の強化や展開エリアの拡大、「TABETEレスキューデリ」、「TABETEレスキュー掲示板」の規模拡大を通じ提供価値を最大化していく。

TABETEは、飲食店や小売店で廃棄の危機にある食事と、テイクアウト購入をしたい消費者とを直接マッチングさせる仕組み。まだおいしく食べられるのに「捨てざるを得ない危機」にある飲食店の食事を、ユーザーが「1品」から「美味しく」「お得」に購入することによって「レスキュー」できるプラットフォームとなっている。

20〜40代の働く女性を中心とした約32万人のユーザー・飲食店や惣菜店を中心とした約1400店舗に登録しており、累計で6万3000食以上の食品ロス削減に成功した。

TABETE レスキューデリは、商業施設内の店舗が当日の営業を終了した時点で余っている商品などを買い取って従業員向けに再販売する仕組み。営業時間内にロスを減らせるTABETEとの相乗効果で、多くの中食店が集う施設内でさらなる食品ロス削減を目指す。

TABTE レスキュー掲示板は、食品ロスになりそうな食べ物を全国からレスキューできる直送サービス。2020年秋から始動しており、生鮮食品などの食品ロス削減においても着実に成果を上げているという。

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コロナ感染者数が急増する中でAirbnbが業績を回復している理由をデータから読み解く

DoorDash(ドアダッシュ)が金曜日に株式上場を申請し、今年中にIPOを行うユニコーンがまた1社増えた。同社に関する主な数字については、筆者がこの記事にまとめた。さらに、TechCrunchのDanny Crichton(ダニー・クライトン)がこのIPOから利益を得る関係者について書き、筆者は別の記事で、新型コロナウイルス感染症が同社のビジネスに与える影響について考察した

この話を持ち出したのは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、まもなくIPOが予定されているもう1つのユニコーンがあるからだ。それはAirbnb(エアビーアンドビー)である。

エアビーアンドビーが8月に株式上場を申請したとき、それは確固たる計画のように見えた。同社は新型コロナウイルス感染症を原因とする不況から回復基調にあると広く報じられていたし公開市場は成長株とハイテク株に沸いていた。さらに米国における新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が夏の最高値から減少していた。同社は第3四半期を無事に乗り切り、最新の数字でS-1上場申請を行い、世界的なパンデミックや旅行業界の不況も同社の勢いを止められなかったことを投資家に示してからは、もうかり過ぎて笑いが止まらなかった。これは本当にすごいことだ。

しかし現在、米国でも世界全体でも新規感染者が過去最高を記録しており、TechCrunchが同社のS-1申請書を入手する直前に消費者支出が悪化した。同社の11月の業績は8月や9月ほど楽観視できない。それでも上場するなら(うわさでは来週)それに備えよう。第3四半期までの数字を見るだけでよい。

Cardify(カーディファイ)のスタッフが筆者に送ってくれたのも実質的に第3四半期の数字だったので、筆者はそれを詳しく調べてみた。リアルタイムの消費者支出データを追跡するカーディファイのデータによると、エアビーアンドビーがパンデミックによる最初の宿泊不況から回復したスピードが、宿泊業界全体よりも速かったことがわかる。

実に驚異的な回復だ。しかし残念なことに、残念なことに、6月下旬から7月にかけての最初の需要ブームは、時間の経過とともに先細りした。

少し拡大してみよう。ここでは、2020年7月から第4四半期の最初の月である10月末までのエアビーアンドビーへの支払額を、前年同期と比較している。

減少しているとはいえ、同社にとっては励みになるデータである。筆者はエアビーアンドビーへの(ご存知のとおり第三者からの)支払額がこれほど好調だとは予想していなかった。

上記グラフに基づいてエアビーアンドビーの収益を試算してみると、1か月家を借りるというトレンドはいくぶん弱まっているようだ。カーディファイがTechCrunchに語ったことによると、平均的な予約数は今年3月から4月にかけて70%増加したが、「現在、増加ペースは正常化し、YTDベースでおよそ30%増」とのことだ。

グラフが示すように10月は消費支出が減少しているが、2019年の線を見る限り、少なくとも一部は季節的なもののように見えるため、すべてが新型コロナウイルス感染者数の増加が原因だとは考えたくない。しかし、SimilarWeb(シミラーウェブ)のデータもThe Exchange(ザ・エクスチェンジ)のデータも同様の垂下線を示している。このデータセットは、エアビーアンドビーを含む多数の旅行サービスにおける、世界中の宿泊予約数に関するものである。同社の米国市場におけるデータによると、9月までに予約状況は回復し、3月の予約数の低下をある程度カバーしたものの、10月の落ち込みにより回復が妨げられた。欧州の予約数の回復は7月にピークに達し、その後減少を続けている。アジアの予約数は増加しているが、以前の水準からは大幅に減少している。

状況は複雑だが、カーディファイによると、エアビーアンドビーは宿泊業界全体に比べて好調だ。そのため、業界全体の数字を見ると、必要以上に悲観的になってしまうかもしれない。実際の数字はまもなく発表されるが、筆者は待ちきれなかったため、手元にあるデータから読み解いたものをここで紹介した。S-1の公表が待ち遠しい。

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(翻訳:Dragonfly)

配車サービスを提供している都市では性的暴行の発生率が低いとの調査結果

著者紹介:

Min-Seok Pang(パン・ミンソク)博士は、テンプル大学フォックスビジネススクールで経営情報システムの准教授、ミルトン・F・シュタウファーの主任研究員を務めている。

Jiyong Park(パク・ジヨン)博士は、ノースカロライナ大学グリーンズボロ校ブライアンスクールオブビジネスアンドエコノミクスの情報システム助教授である。

ーーー

2010年のUberのローンチ以来、配車サービスは多くの都市で最も主要な交通手段の1つに成長している。配車サービスのおかげで、旅行者は手を振ってタクシーを拾う労力から解放された。幸運にも都市で車を所有することができていたとしても、飲酒運転をする必要がなく、宝くじを当てるほどの確率ともいえる駐車場を探す必要もない選択肢が用意されている。

しかし、急成長を遂げたUberやLyftのような企業は、数々の批判やスキャンダルにもさらされている。このような危機の要因の1つは、ドライバーによる性的暴行やその他の犯罪事件が数多く発生していることにある。しかし、私たちの研究は驚くべき発見を示している。配車サービスは実際、性的暴行の発生を減少させるというものだ。

The Deterrent Effect of Ride-Sharing on Sexual Assault and Investigation of Situational Contingencies(性的暴行に対する配車サービスの抑止効果と状況的偶発事象の研究)」という論文の中で、私たちは2015年のニューヨーク市のUberの取引記録と犯罪報告に関する分析を行った。調査では、Uberの利用数の増加に応じて性的暴行事件が報告される可能性は低くなることが示されている。Uberの利用が1%増加すると性的暴行の認知件数が年間48件も減少するという結果がニューヨーク市で得られた。

私たちの詳細な分析によると、より興味深い知見が明らかになっている。具体的には、次のような交通手段の供給が需要をほとんど満たさない地域や状況において、配車サービスは性的暴行事件の大幅な減少に寄与することがわかった。

  • タクシーを拾える機会が少ない地域
  • マンハッタン以外のニューヨーク市行政区(ブルックリン、クイーンズ、スタテン島、ブロンクス)
  • 非白人居住者の割合が高い地域
  • 夜の時間帯
  • 平日の夜より金曜日や土曜日の夜の方がアルコールを提供する場所が多い地域
  • より多くの犯罪が発生している地域

それでは、配車サービスが性的暴行事件の報告件数の減少につながる要素は何であろうか。端的に言えば、犯罪被害者になりそうな人々をできるだけ早く安全な場所である自宅に移動させることである。

路上でタクシーを待ったり、地下鉄の駅まで8ブロック歩いたり、地下鉄に一人で乗車するというような、夜遅い時間帯には望ましくない状況から逃れる選択肢を配車サービスは提供する。私たちのデータによると、Uberの待ち時間はタクシーよりもかなり短く、都市郊外ではUberの方がより広く利用されている。2015年にはニューヨーク市の外側の区で乗車の約23%をUberが提供しており、これはマンハッタン(12%)のほぼ倍にあたる。マンハッタンから最も遠い地域であるベンソンハースト、クイーンズビレッジ、カンブリアハイツなどでは91%まで増加した。

Uberのモバイルプラットフォームを通じた需要(乗客)と供給(ドライバー)のリアルタイムマッチングがこうした状況を後押ししている。プラットフォームは乗客と運転手の位置を正確に把握しており、乗客と最寄りの運転手を瞬時に照合し、乗客の正確な位置を指示することができる。また、動的な価格設定により、ドライバーは市場の需要に即座に対応することができ、需要と供給の密接なマッチングに役立つ。

このプラットフォームのリアルタイムマッチングと動的価格設定は、配車サービスの犯罪抑止効果がマンハッタン郊外の方で強くなっている理由も説明している。前述の通り、乗客が路上でタクシーを見つけるのは難しい。同様に、タクシードライバーが通りで乗客を見つけるのも困難である。タクシードライバーは通常、空港、駅、ホテルなど人気のある送迎スポットの周囲を車で回ったり、その場所で待ったりするが、郊外でこれをするのは経済的とは言えない。乗客を見つけることが難しいため、ほとんどが人口密集地でサービスを提供する傾向がある。配車サービスはこうした交通輸送のギャップを埋め、犯罪被害者になりそうな人々が自宅まで簡単に移動できる環境を生み出している。

私たちは2005年から2017年の間にアメリカの他の都市でもこの影響について観察し、Uberがそれらの都市でサービスを開始したときに性的暴行事件の報告数が最大6%減少したことを確認した。

では、私たちの調査結果は政策立案者にとってどのような意味を持つだろうか。この研究で示されているのは、公共の安全と交通は相互に関連しており、市民のための信頼できる便利な交通インフラは犯罪を抑止するメカニズムになり得ることである。

例えば、恵まれない人々が住む多くの地域では犯罪が絶えず、公共交通機関も十分に行き届いていない。すでに述べたように、郊外や経済的に恵まれない地域において配車サービスの犯罪防止の役割が大きくなっている。これらの地域の交通インフラを整備することで、防犯をはじめとする多面的な価値を市民にもたらすことができると考えられる。

一部の地方自治体は、交通輸送ギャップの対策としてオンデマンド輸送サービスを開始している。このサービスでは、あらかじめ決められたスケジュールで路線を走るバスの代わりに、乗客はどこでも乗車をリクエストでき、バスがそれに応じて乗客を輸送する。学内の学生のための安全運転プログラムを運営する大学も多くなっている。この種の柔軟な交通システムは、自治体にとってより費用対効果が高いかたちで犯罪抑止の役割を果たすことができる。

顧客や従業員に信頼できる交通手段を提供することを目的とする企業は、ITを活用した交通プラットフォームの恩恵を受けており、新技術系スタートアップがその役割を担っている。例えば、医療機関と主要な配車業者の提携により患者に信頼性の高い移動手段を提供するUber HealthやLyft Healthなどがあり、患者と医療機関とのつながりに貢献している。

配車サービスのドライバーが危険な人物であることもあり得る。彼らが犯罪を犯すことはないと言っているわけではない。しかし一方では、UberやLyftで働く善良な人々によって、罪のない人々から危険な人物を遠ざける機運がもたらされることだろう。

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(翻訳:Dragonfly)

Airbnbが上場申請、第3四半期の回復は驚異的

10億ドル超スタートアップ、いわゆるユニコーン企業の代表、Airbnbは11月16日にアメリカ証券取引委員会にS-1書式を提出し、株式上場を申請した。これで同社は公開企業にまた一歩近づいた。

公開された財務諸表は同社の打撃からの回復を示しているが、企業規模は縮小している。これはパンデミックが旅行業界のユニコーンにいかに深刻な打撃を与えたかを物語っている。Airbnbの企業価値を見極めるには、急速な成長カーブが中断された打撃と、そこから回復しては再び利益を上げていることの間でバランスを取る必要がある。

ここまでの経緯

宿泊施設共有のスタートアップにとって2020年は多難な時期となった。COVID-19によるパンデミックはAirbnbは第1四半期、第2四半期の業績に大きな打撃を与えたが、その後地域内旅行の増大によって回復した。

Airbnbの上場申請は、ユニコーン仲間のDoorDash、C3.aiの申請のほんの数日後に行われ、高価値スタートアップのちょっとした上場ラッシュとなっている。

Airbnbが証券取引委員会S-1書式を提出するのは先週の予定だったが大統領選挙による影響を理由に延期されていた(実のところTechCrunchのスタッフはこの説明に完全に納得していたわけではない)。

われわれは以前からAirbnbの財務状況についてはなんども記事にまとめてきた。しかし今回のS-1申請書は文字通り宝の山だった。以下、重要な数値を吟味し、財務と株主について掘り下げてみる。

判明した財務状況

まず知りたいのはパンデミックがAirbnbのビジネスにどのように影響したかだ。今年に入ってからの全期間と四半期ごとの傾向からどういうトレンドが読み取れるだろうか?

AirbnbのS-1申請書の最初のグラフはこのサービスを通じて行われた予約を示す月単位グラフだ。つまりこれがAirbnbがわれわれに積極的に公表したい数字らしい。以下トレンドを見てみよう。

当然だがAirbnbは3月に大打撃を受けた。 しかし、5月までにビジネスは成長軌道に戻りそれを維持した。

しかし6月以降は予約数の増加はごくわずかだ。数か月たった現在、予約数は減少している。さらに悪いことに、キャンセルを除外した後の正味予約数は対前年比で減少している(当初の記事で表を読み間違えている部分があったのでアップデートした)。

では伝統的な財務諸表ではどういう結果になったのか?  Airbnbが報告した損益計算書は次のとおりだ。

 

残念ながらAirbnbは今年驚異的な成長をとげていない。われわの読み方が正しければ同社の規模は2018年とほぼ同一だ。

2020年の最初の3四半期と前年同期を比較すると、収入に対するコストの減少(収入が減ればそれに対するコストも減る)を別にすれば、費用の大幅な減少がもっとも注目される。Airbnbはセールスおよびマーケティング支出を2019年の最初の3四半期の11.8億ドルから、2020年の同時期にはわずか5億4550万ドルに減らしている。

 

2020年3月31日を終期とする四半期までAirbnbの成長は続いたがこの第1四半期は対前年比で実質的に横ばいだった。COVID-19の打撃がなければもっと大きく成長していたに違いない。その後、2020年6月30日を終期とする四半期では、Airbnbの売上は前年同期の12億ドルからわずか3億3480万ドルへというショッキングな売上減少が起きた。ここで実際の被害が計上された。

しかし第3四半期には大きな回復が見られる。なるほど今年の第3四半期は昨年同期より会社規模が縮小している。売上は2019年は16.5億ドルだったが、今年は3億4000万ドルにすぎなかった。しかし直前の四半期からみると売上をほぼ4倍に伸ばした。同社が今年の第4四半期にさ第3四半期なみの売上を確保できれば2018年の売上より数億ドル増える計算だ。

重要なことに、Airbnbは、長く続いた赤字四半期の後、今年の第3四半期に黒字に転換することに成功した(2019年も第三第3四半期は黒字だった)。しかし第3四半期にGAAP純利益2億1930万ドルを計上したものの、それ以前の巨大な赤字にくらべるとさほど印象的ではない。同社が2020年にブレークイーブンに達することはない。

ではAirbnbの財政状況は2020年末にはどうなっているのか? 四半期ごとの結果を確認すると以下のとおりだ。

Airbnbは調整後の利益指標も発表した。EBITDAの調整は次のとおりに行われている。

EBITDAは、純利益または純損失に以下の費目を加えたものとして計算しています
(i)法人税引当金
(ii)受取利息、支払利息、およびその他の収入(費用)
(iii)減価償却
(iv)株式に基づく報酬費用
(v)宿泊税の徴収および納付について、ホストと連帯して責任を負う可能性のある宿泊税準備引当金
(vi)リストラ費用

Costanoa Venturesの投資家、Amy Cheetham(エイミー・チーサム)氏は、リストラ費用を撤廃するという決定は眉をひそめ、「リストラ費用を含めるは少し行き過ぎでないでしょうか」と述べた。この点についてはわれわれも同感だ。 運用コストの削減など良い方向への努力は反映できる一方、その結果を得るために必要なリストラなどのコストを除外しているのはいささか都合が良すぎるとわれわれも感じた。よく「ケーキを持っていることと食べてしまうことは両立しない」というが、「ケーキを食べてしまった上にカロリーを勘定に入れない」ようなものだ。

TechCrunchは知り得た情報はなんであれ読者と共有するのが信条だ。そこでAirbnbが発表した強く調整されたEBITDAは次のとおりだ。

 

同社の財務はあれこれのコストを削減してもまだ健全な水準にならない。キャッシュバーンはさらに悪い。その赤字は、Airbnbが今年初めに巨額の資金を調達する必要があった理由を説明するものだ。

今回のS-1申請書を断定的に評価するのは困難だ。ここには投資家の期待に応えるグッドニュースも含まれている。しかし2020年第3四半期の収入が対前年比で減少していることと、直前の2020年第2四半期と比較すれば急速な回復を遂げたことの間の比較が企業価値の推定にあたって重要な点となるだろう。 全体としてみればAirbnbはどん底から立ち直るという離れ技をなしとげた。

しかし株式上場に向かって進み始めた以上、この回復を「グッドジョブ!」と賞賛しているだけではすまない。Airbnbは企業価値の最大化、取引の活発化を図らねばならない。投資家が進んで株式を買う気になるのはどれくらいの価格だろうか? 株式公開に当たっての株の値付範囲に強い注目が集まっている。

画像:OSHIFUMI KITAMURA / Contributor / Getty Images

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滑川海彦@Facebook

フードデリバリーのDoorDashがIPO申請書類を公開、驚異的な成長が明らかに

2020年初めの申請を経て、DoorDash(ドアダッシュ)は米国時間11月13日にS-1を公開し、様々な数値がガラス張りになった。年末までに予定されている公開デビューに近づいた。

同社は最近の米国における市場の混乱と選挙の混沌にもかかわらず、年末までにIPOが予想されるスタートアップの1つだ。

DoorDashは多額の投資を受けている。Crunchbaseによると、食品配達の巨人である同社はこれまで約25億ドル(約2620億円)の資本にアクセスした。直近では6月に4億ドル(約420億円)のラウンドを実施し、ポストマネーで160億ドル(約1兆6800億円)という高額で評価された。IPO価格を設定して取引が開始される際の期待が高まったことになる。

以下は同社の数字の簡単な要約だ。TechCrunchのクルーは11月13日午前中にはIPO書類を読み込む。株主の状況、法的リスク、その他の詳細については追って報告する見込みだ。

数字

DoorDashは信じられないほど急速に成長し、売上高は2018年の2億9100万ドル(約300億円)から2019年には8億8500万ドル(約930億円)に拡大した。直近では、2019年の最初の9カ月の5億8700万ドル(約610億円)から2020年の同期間は19億2000万ドル(約2010億円)に拡大した。

つまり2020年は目下226%の成長ということだ。これが高い価格で多くの資本を引き付けた理由を説明している。

DoorDashの収益の質は高いのか。2019年の最初の3四半期の粗利益は39.9%だったが、2020年の同期間は53.1%に上昇し、消費者向け商品配送を営む同社にとって大幅な改善となった。

DoorDashの急成長と粗利益率改善の結果、収益性が大幅に向上した。営業損失は2019年の最初の9カ月の4億7900万ドル(約500億円)から、2020年の同期間はわずか1億3100万ドル(約140億円)に減少した。純損失はわずかに改善し、同期間でそれぞれ5億3300万ドル(約560億円)と1億4900万ドル(約160億円)だった。トップラインの成長や収益の質の向上と比べれば重要ではない。

DoorDashは、第4四半期に向かうにあたり、約16億ドル(約1680億円)の現金及び現金同等物を保有している。つまり、IPOを行わなくても資金をまかなうに十分な現金を持つ。同社が外に打って出るのは、機が熟したと考えるからだ。

DoorDashのすさまじい成長を牽引したのは注文数と総注文数の大幅な増加だ。一方、粗利益率はコアビジネスの収益性の著しい改善によって上昇したようだ。以下のデータを見て欲しい。

DoorDashのS-1のスクリーンショット

貢献利益の2019年から2020年にかけての変化と、黒字へと跳躍した調整EBITDAをみると、Uber(ウーバー)がUber Eats(ウーバーイーツ)ビジネスで同じことを達成するのに苦労しているのが不思議に思える。とにかく、調整後で黒字への転換は、最終的にGAAPベースで利益を出すことへのウォール街の懸念を和らげるのに十分なはずだ。

このまま行けば1年程度でそれが達成できる。

また、DoorDashの事業はキャッシュを生み出す領域へと転じた。2019年の最初の3四半期の営業キャッシュフローはマイナス3億800万ドル(約330億円)だったが、2020年の同期間はプラス3億1500万ドル(約330億円)へと増加した。

全体を一見して筆者は強い印象を受けた。筆者の予想よりも会社は大きく、成長は速く、キャッシュの流出も少ない。キャッシュ生成能力、黒字になった調整EBTIDA、粗利益の改善を考慮すれば、DoorDashの価値はかなりのものだろう。ソフトウェア会社のような経常的な収益がなく、ワクチンが将来の成長を遅らせる可能性があるなら、DoorDashが価格を設定する時にSaaS会社のマルチプル(企業価値評価の指標)を獲得することはない。しかしおそらく、160億ドル(約1兆6800億円)のバリュエーションを守ることは、数字を入手する前に予想していたほど難しくはないだろう。

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マネ―フォワードベンチャーパートナーズのHIRAC FUNDが美容師向けシェアサロンのサロウィンに出資

マネ―フォワードベンチャーパートナーズのHIRAC FUNDが美容師向けシェアサロンのサロウィンに出資
マネーフォワードのグループ会社マネ―フォワードベンチャーパートナーズは11月13日、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」(HIRAC FUND1号投資事業有限責任組合)において、サロウィン(SALOWIN)への出資を発表した。

2019年7月設立のSALOWINは、美容師ひとりひとりが活躍・稼げる社会を目指し、売上80%を還元する美容師向けシェアサロンを提供。2019年9月の1号店オープンから、3店舗(原宿店・表参道店・池袋店)を展開しており、今後も渋谷、銀座など都心部を中心にさらに店舗の拡大を予定している。

HIRAC FUNDは、SALOWINの美容業界の商習慣を変革する強いビジョンとビジネスモデルに共感し、今回の出資を決定。今後は、資金面に加え、財務戦略、採用・組織づくり、営業、広報などさまざまな領域においてSALOWINを支援していく。

HIRAC FUNDは、テクノロジーによる社会課題解決を目指すシード・アーリーステージのスタートアップに特化したアントレプレナーファンド。ファンド総額は最大30.4億円(予定)で、国内外のシード・アーリーステージのIT/テクノロジー企業全般を投資対象としている。

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オンデマンド配達のGlovoが超即配のB2Bロジスティックを準備中

スペインのオンデマンド配達アプリGlovo(グロボ)は、B2Bロジスティックによりさまざまな商品を30分以内に配達できるよう準備を進めている。この計画は、今後12カ月でかなり数を増やす予定の市中心部に立地する倉庫のネットワークに頼っている。

同社はB2Bサービスの開発を加速すべく、Q-Commerceという新部門の立ち上げを発表したばかりだ。Qは「quick」を意味している。このB2Bサービスでは、サードパーティのプロダクトをGlovoの倉庫に保管し、他の事業所のために配達するオンデマンドプラットフォームに配達人を抱える。これについて同社は、あらゆる規模の事業者が自社オンラインストアを支えるための「ターンキー(一括受注契約)」ロジスティックソリューションと称している。

同社はすでにUnilever(ユニリーバ)やNestle(ネスレ)、L’Oreal(ロレアル)といった小売ブランドやWalmart(ウォルマート)、Carrefour(カルフール)、Kaufland(カウフラント)などのスーパーマーケットと協業し、そうした企業の商品を「ダークストア」と呼ばれるネットワークで保管・販売している。そうしたダークストアは現在、バルセロナ、マドリッド、リスボン、ミラノにあり、特定のグローサリー商品や他のアイテムを「Glovo Market」ブランドでユーザーに迅速配達している(現在は無料の24時間配達と最低利用額なしというニンジンをぶらさげている)。しかしGlovo Marketをさらに多くの都市で展開し、他社のオンラインストアを支えるためのB2Bサービスを立ち上げることで守備範囲を広げようとしている。2021年末までにダークストア100店以上を展開する計画だ。

Q-Commerceのグローバルディレクターを務めるDaniel Alonso(ダニエル・アロンソ)氏は声明文の中で、「世界中で店舗が閉鎖しロックダウンが行われるなか、消費者はこれまで以上に玄関先まで商品を届けて欲しいと思っています。新たな需要が生まれていて、配達に24時間、48時間も待つのはもはや考えられません。消費者は分単位で考えています。GlovoはQ-Commerceで提供する全プロダクトを30分以内に届けることを約束します。当社はこの洗練されたサービスを引き続き拡大していて、今後12カ月でスペイン国内の他のエリアや欧州、東欧、アフリカでQ-Commerceを立ち上げるこを楽しみにしています」。

Glovoはレストランやスーパーの食事や食品だけでなく、おもちゃ屋や音楽用品店、本屋、花屋、美容院、薬局などで売られているものなど、さまざまな種のプロダクトの配達をQ-Commerceで支えたい、と話す。

ただし、ここに明らかに含まれていないものもある。例えば衣料品店だ。そうした店はすでに独自のオンラインショッピングインフラを持っている。加えて、衣類のショッピングはアイテムのサイズが合わなかったり自分に似合わなかったりしたときに返却があるためにより複雑だ。しかしGlovoは多くの商品を網羅しているようだ。

アロンソ氏は、Glovoは現在、22のダークストアを運営していると話した。「人気のアイテムは青果、飲料、花、パーソナルケア、家庭用品、ペットフード、またUnileverやNestle、P&Gのような企業の日用雑貨です」と同氏はTechCrunchに語った。

「Glovo Supermarketでは現在、2000ものアイテムを管理していますが、ダークストアにも頼っています。Glovo Supermarketよりも品を揃えているところもあればそうでないところもあり、その数はカバーする人口や立地にもよります」。

Glovo Marketサービスは5万人以上のアクティブユーザーを抱え、1分あたり2件のオーダーを配達しているとGlovoは話す。またこれまでに世界中で「複数カテゴリー」オーダー1200万件超を配達し、スペインではグローサリー配達の数は2020年倍増して100万件を超えるとする。2019年の成長率は前年比300%超だった、とも付け加えた。

ライバルのDeliveroo(デリバルー)やUber Eats(ウーバーイーツ)も常に自らを「何でも配達する」アプリと称している。というのも、(自転車で運べるものなら)何でも配達人が玄関先まで運ぶことをリクエストできるオプションをユーザーに提供しているからだ。ただ、そうした配達事業者の大半は食品の配達で街を駆け回っている。

食事の配達は、2020年初めの時点で売上高の4分の3を占めていた。しかしGlovoはあらゆるものを本当に迅速に配達するという都市部の利便性を競うゲームでAmazon(アマゾン)を負かすという野望を抱いている。こうした計画に投資家も集まっている。2019年、同社はシリーズDで1億6900万ドル(約178億円)を、その後すぐにシリーズEで1億6600万ドル(約175億円)を調達した。

同社はまたパンデミックの今年、LatAm事業を切り離した(欧州のライバル企業であるDelivery Heroに2億7200万ドル、約286億円で売却)ことで財務を強化した。LatAm売却は、Glovoが南欧と東欧のマーケットに照準を絞っていることを意味する(わずかながらサハラ砂漠以南の地域、ケニアとコートジボワールでも事業を展開している)。

おそらく同社は倉庫を、「いますぐ荷物を配達」の利便性がQ-Commerceと市中心部の倉庫のネットワークの組み合わせを推進するのにうってつけのものとしてとらえている。ただ2019年、同社は今後数年内の黒字化達成に向けて取り組みたいと述べており、南米での競争激化によって同社がそうしたマーケットから撤退することになったようだ。

Glovoは現時点で900万人超の月間アクティブユーザーを抱え、そしてグローバルでは5万5000人の「関連パートナー」、つまり同プラットフォームのために実際に配達を行うギグワーカーがいると話す。

「glovers」(配達人の名称)を「自営業者」と分類していることをめぐり、同社はスペインで訴訟を抱えている。スペインの最高裁判所は最近、配達人はGlovoと労使関係にあるとの考えを示し、Glovoがスペインで頼っている何千という配達人を再分類することを強制する動きは、同社の収益化に向けた取り組みを大幅に変えることになるかもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi

LINEが企業とユーザーのスキマ時間をつなぐ求人サービス「LINEスキマニ」を2021年2月24日開始

LINEが企業とユーザーのスキマ時間をつなぐ求人サービス「LINEスキマニ」を2021年2月24日開始LINEは11月12日、ギグワーク市場(単発雇用サービス)向けに、企業とユーザーの「スキマ」時間をマッチングする求人サービス「LINEスキマニ」を2021年2月24日から提供開始すると発表した。

一定数の企業との運用を2021年2月24日よりソフトローンチとして開始し、ユーザーと企業の「評価データによるマッチング」などの機能を実装し、2022年春の本格提供開始を目指す。求人掲載希望の企業向け問い合わせ先は「LINEスキマニ お問い合わせ」。

LINEは、柔軟性のある働き方が拡大してきている現状と企業のニーズをマッチングし、「新しい働き方」を実現するためのソリューションとして、LINEスキマニを開始する。雇用形態にとらわれず、「時間」に対しての対価の支払いに加え、「ユーザーのスキルを活かした価値」に対しても評価がなされる、「PAY FOR TIME+VALUE」の実現に向け、隙間時間の有効活用をサポートする。LINEが企業とユーザーのスキマ時間をつなぐ求人サービス「LINEスキマニ」を2021年2月24日開始

LINEスキマニは、「採用力」、「評価データによるマッチング」(2022年春頃の実装予定)、「工数削減」の3点を大きな特徴としている。

  • 採用力:月間利用者数8600万人(2020年9月末時点)が利用するLINE上で人材を探せるプラットフォーマーとしての強みを活かし、全国どこでも募集が出せる・働き先が見つかるサービスを目指す。求職者は「LINEスキマニ」の公式アカウントを友だち登録するだけで、別のアプリをダウンロードすることなく、LINEアプリ上で求人を探すことが可能
  • 評価データによるマッチング:単発雇用の大きな課題は、即戦力判断の難しさにある。LINEスキマニでは「職務経歴」「勤務評価」「勤務状況」を蓄積することで、これまで解決できなかった「質の担保」を実現。高い能力を持ったユーザーにはより良い条件の求人をマッチできるサービスを目指す(2022年春頃の実装予定)
  • 工数削減:求人募集から、マッチング・採用・勤怠管理・給与の支払いまでを代行し、ワンストップサービスを実現。求人への応募から、勤務を開始できる最短時間は4時間を予定しており、「ちょっと空いている時間に働きたい」と思ったユーザーと、突発的に忙しくなった企業の機会損失を防ぐ

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飲食店の空席を有効活用、コロナ禍を乗り越えるための新たなワークスペースサービスとは?

飲食店の空席を有効活用、コロナ禍を乗り越えるための新たなワークスペースサービスとは?コロナ禍に臨時休業したまま事業を撤退し、閉店を余儀なくされる飲食店が増えている。帝国データバンクの調査(2020年10月公開)によると、2020年度上半期における飲食店事業者の倒産は392件発生。このままのペースで倒産が発生すると、2020年度の年間倒産件数は過去最多を更新する可能性があるという。

10月1日から飲食業界を支援する「GoToイート」キャンペーンが始まったものの、店側は予約サイトに登録する際に手数料を負担する必要があるため、参加を見送る飲食店も。飲食業界が苦境に立たされる中、助け舟となる新たなワークスペースビジネスが誕生している。

1分6円から飲食店・カラオケボックスをワークスペース化する「サブスペ」

1分6円から飲食店・カラオケボックスをワークスペース化する「サブスペ」動画で組織実行力を高めるマネジメント支援サービス「ClipLine」(クリップライン)を提供するClipLineは2020年9月14日、ワークスペースを貸し出す「サブスぺ」を開始した。サービス開始時の対象地域は1都3県で、240拠点以上から選べる(拡大予定)。

1分6円から飲食店・カラオケボックスをワークスペース化する「サブスペ」同サービスは、飲食店やカラオケボックスといった「スペースを提供する店舗」(ホスト)が、空席をワークスペースとして提供するというもの。「リモートワークを推進する企業」(サポーター)が法人契約を行うと、「サポーター企業所属の従業員」(ゲスト)がホストの空席をワークスペースとして利用できるようになる。またゲスト5名から申し込み可能。

  • ホスト:空席を提供する店舗。貸し出す場所・席数・日時・時間を自由に設定可能。初期費用、月額費用不要。飲食代金は店舗の売上
  • サポーター:リモートワークを推進する企業。(従業員の)家が狭い、ビデオ会議がしにくいなど在宅勤務の課題を解決。税抜210円/最低利用時間35分+1分間あたり税抜6円の従量課金プランで、上限は税抜5000円
  • ゲスト:サポーター企業の従業員。個室・オープンスペースなどニーズに合わせて利用できる。利用料金は会社に請求。経費精算は不要

利用方法は、まずゲストがサブスぺのサービスサイトで店舗を検索し選択する。選んだ店舗の空いている座席の詳細を確認し、チェックイン。来店後にその席をワークスペースとして使うことができる。ホスト側は初期費用や月額費用がかからないため、空席を収益化することが可能。1分6円から飲食店・カラオケボックスをワークスペース化する「サブスペ」

すべてのユーザー(サポーター)が税抜210円/最低利用時間35分+1分間あたり税抜6円の従量課金制でスタートし、月額5000円を超えた場合は自動的に税抜5000円の定額制プランに移行される。最低5名のゲストから登録でき、利用開始までは課金されない仕組みになっている。

  • 対象地域:1都3県(サービス開始時)。240拠点以上から選択可能(拡大予定)
  • 従量課金制:税抜210円/35分、35分以降税抜1分6円。最低利用時間は35分(35分以内に退店しても210円が課金)。初回利用の翌月からゲスト1名あたり税抜100円/月の基本料金が発生
  • 定額制:ゲスト1名あたり税抜5000円/月。利用回数、利用時間とも無制限。基本料金はなし

三井物産グループ「Moon Creative Lab」提供、飲食店を活用したテレワークプレイス提供サービス「Suup」

飲食店の空席を有効活用、コロナ禍を乗り越えるための新たなワークスペースサービスとは?三井物産グループのMoon Creative Labは10月13日、飲食店をワークプレイスとして提供するSuupiOSアプリをローンチした。

同サービスでは、アプリ上に表示された飲食店の充電席をテレワークプレイスとして検索・予約し、時間単位で利用できる。利用料は一律90分税抜600円。以降30分ごとに税抜200円がワーカーに課金される仕組みだ。7月にβ版の提供を開始してから約4ヵ月で、都内を中心に100店舗以上が導入している。三井物産グループ「Moon Creative Lab」提供、飲食店を活用したテレワークプレイス提供サービス「Suup」

提携する飲食店にはすべて直接足を運び、席の間隔や椅子の座り心地、雑音などを確認し、「働く場所に適しているか」を重要視して選んだそうだ。ユーザーからは「自宅ではどうしても集中できないので、気分転換を兼ねてカフェやレストランで働けるのはありがたい」「外出先でウェブ会議ができる場所はなかなかないので、可能なお店を一目で探せて便利」という声が寄せられている。

11月からは法人向けプラン「Suup for Business」も開始。年内までに400店舗の導入を目指し提携店舗を拡大しており、主要ターミナルや駅周辺のみならず、住宅エリアでも利用できるテレワークプレイスの提供を目指す。

  • 対象地域:都内中心に100店舗以上(年内400店舗の導入目指し拡大)
  • 最初の90分:税抜600円(ドリンク1杯付き)
  • 以後30分ごと:税抜200円

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目視点検・草むしりなど不動産の軽作業と地域住民のスキマ時間をつなぐ「COSOJI」のRsmileが資金調達

目視点検・草むしりなど不動産の軽作業と地域住民のスキマ時間をつなぐ「COSOJI」が資金調達「COSOJI」(こそーじ)を2020年12月提供予定のRsmileは11月9日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として資金調達を実施したと発表した。引受先はジモティーおよびF Ventures。

今回の資金調達により、開発体制の強化、人員拡大および認知向上のためのマーケティング活動などを積極的に実施する。

なお現在COSOJIでは、「お仕事依頼フォーム(依頼者向け)」「お仕事応募登録フォーム(働き手向け」を設けており、サービスリリース前に先行して案内する予定という。目視点検・草むしりなど不動産の軽作業と地域住民のスキマ時間をつなぐ「COSOJI」が資金調達

2020年5月設立のRsmileは、「不動産業務の再定義により、新たな取引を」をミッションに不動産業界の課題を解決するべく活動。

COSOJIは「不動産業界の軽作業」と「地域住民のスキマ時間」をつなげるワークシェアサービスとなっている。アパート、マンション、戸建などの所有者をはじめ、不動産管理会社や清掃会社など不動産に関わる法人・個人であれば誰でも不動産に関する軽作業(共用部清掃、目視点検、草むしりなど)を地域住民へスマホひとつで依頼できる。

不動産業界の軽作業において、共用部清掃や巡回など10分〜30分程度の短時間業務であっても現地に向かうための移動経費(電車代、ガゾリン代など)が発生しており、その結果、実務内容に対して高額な価格となっているという。

この非効率な「不動産業界の軽作業」を解決すべく、COSOJIは「地域住民のスキマ時間」に着目。働き手にとってもスキマ時間に近所で好きな時だけ働きたいというニーズはあるものの、それらを提供する機会がないのが実情とした。

  • 地域の不動産業務が集まるプラットフォーム:不動産オーナーや管理会社などの依頼者は、不動産に関する軽作業を必要な作業量のみ地域住民へ発注できるため、移動コストの削減などにより従来と比較して価格を低減できる。働き手は、ライフスタイルに合わせてスキマ時間に好きな時だけ働ける
  • スマホですべて完結:依頼者は、スマホから建物の情報を入力するだけで仕事を依頼可能。働き手は、スマホの案内に従うだけで仕事を完了できる。報告方法も仕事の前後を撮影して写真報告するだけでよく、誰にも会わずにできる仕事も多くあるため、コロナ禍においても心配なく働ける
  • 不動産の「今」がわかる報告:依頼者には写真付き報告をリアルタイムで提供。写真報告がなく1ヵ月遅れの紙報告(または報告すらされない)が常識化している現状と比較して、高品質&タイムリーな報告により不動産の「今」を把握できる。データはクラウド上で管理するため、いつでも確認可能

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Uberが「ギグワーカーは個人事業主」というカリフォルニアの住民立法を世界展開へ

先にカリフォルニア州で、ギグワーカーを個人事業主と分類し続けることを可能にする住民立法案の投票が行われ、その日のうちに承認される見通しとなった。これを受けてUber(ウーバー)は同様の動きを引き続き展開する。ビジネスモデルを守る住民立法というUberの野心は舞台を世界へと移す。

UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は米国時間11月5日のアナリストとの決算会見で、同社が「Prop 22のような法律を声高に追求する」と述べた。同氏はその後、「これを実現するために米国中、そして世界中の行政と協業する」ことが社にとって優先すべきことだと付け加えた。

「声高に追求する」の内容はやや不透明だ。Prop 22はUberやLyft(リフト)、そしてDoorDash(ドアダッシュ)やPostmates(ポストメイツ)のようなオンデマンドデリバリー企業が支持した。住民立法案を通し、ギグワーカーを従業員として分類するよう企業に強制するカリフォルニア州議会を通過した州法に置き換える動きはかなり費用のかかるものだった。Yes on 22(Prop 22に賛成)キャンペーンに注入された資金は2億500万ドル(約210億円)で、1999年以来、カリフォルニア州で行われた住民投票で最も費用をかけたものとなった。

以下、コスロシャヒ氏の考えだ。

最後に、 Proposition 22について。カリフォルニア州でかなりの差をつけて賛成多数となったことを喜んでいます。

この重要な問いについての答えがいま、米国で最も人口が多い州で得られました。カリフォルニアの投票者はドライバーの多くが求めていることに耳を傾けています。ドライバーは新たな福利厚生、保護、そしてこれまで同様のフレキシビリティを求めています。これを前に進めることで、カリフォルニアのドライバーや配達員は最低収入、ヘルスケア加入、事故保障、セーフティ保障の増強が保証されます。これは正しいアプローチだと我々は強く確信しています。物事を改善するために、雇用システムを除外するのではなくギグワーカーの福利厚生を手厚くすべきです。

だからこそ今後、Prop 22のような新しい法律をより一層声高に求めていきます。Prop 22は、ドライバーがかなり重視しているフレキシビリティを維持しつつ、すべてのギグワーカーが求めている保護を追加し、バランスが取れているものだと確信しています。我々が提案した新たな実用的アプローチはドライバーの82%、投票者の76%に支持されました。これを実現するために米国中、そして世界中の行政と協業するのが当社の優先事項となります。

さしあたって、コスロシャヒ氏は同社がProp 22を遵守することに注力すると述べた。Prop 22では企業に、最低賃金の少なくとも120%の収入、業務中の1マイルあたり30セント(約31円)の経費支払い、医療保険、業務中の事故に対する労災保険、差別やセクハラからの保護、自動車事故および賠償責任保険などの保証を求めている。収入の保障と経費の支払いにはドライバーの業務時間が反映され、ライドや配達の合間の時間は考慮されない。

「当社はドライバーに関係するProp 22の実行にかなり集中して取り組みます」とコスロシャヒ氏は述べた。そして、これは運賃の引き上げにつながるかもしれないが、過去の経験からしてライド利用には大きな影響は及ぼさないとの考えを示した。

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画像クレジット:Photo by JOSH EDELSON/AFP via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

法人向けイベントスペース・会議室シェアのエイチが資金調達

法人向けイベントスペース・会議室シェアのエイチが資金調達

エイチは11月4日、ピアズ、エンジェル投資家複数名、みずほ銀行、政策金融公庫から資金調達を実施したと発表した。累計資金調達総額は約2億円となる。

調達した資金により、コンシェルジュをコアとした新規事業展開、プロダクト開発、クライアントへの提供価値の拡大を目指す。

エイチは、会議・説明会・イベント・セミナー・研修からパーティー・スタジオ・キッチンスペースまでの様々な用途や目的に対応するレンタルスペースや会議室を東京、大阪、名古屋、福岡など全国の各地域・駅に用意。

全国約1万2000のイベントスペースや会議室とのネットワークを活用し、法人の人事・総務を主な顧客としてAIチャットボットと有人コンシェルジュにて会場手配を行い、手間削減・コスト削減を行うスペースコンシェルジュ事業「eichiii」を展開している。

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世界最大のホテル企業マリオットとGrabが東南アジア6カ国で提携、ホテル内飲食店のフードをデリバリー

新型コロナウイルスパンデミックで、あらゆる業界の中でも特にホスピタリティ産業は大きな打撃を受けている。そして世界中のホテルは売上を確保する方法を模索している。そうした中、Marriott International(マリオット・インターナショナル)とGrab(グラブ)は米国時間10月28日、ホテル大手Marriottのシンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、タイにおけるダイニング事業での提携を発表した。

客室予約の代わりに、Marriott Internationalは東南アジア6カ国で展開するホテル内の約600ものレストランやバーのフードデリバリーでGrabと協業する。この提携は2020年11月にGrabFoodのオンデマンドデリバリープラットフォームに反映される。両社による共同発表では、今回の提携はMarriottにとって「東南アジアにおける初のスーパーアプリプラットフォームの大規模統合」であり、Grabにとって「これまでで最も包括的なホスピタリティ産業との合意」としている。

Marriott Internationalは世界最大のホテル企業だ。第2四半期中は新型コロナで旅行やイベントが減り、同社は2億3400万ドル(約245億円)の赤字となった。2019年同期は2億3200万ドル(約243億円)の黒字だった。中国の事業は徐々に回復しているものの、CEOのArne Sorenson(アーネ・ソレンソン)氏は「これまでで最悪の四半期決算」と話した。

MarriottとGrabの提携は、2社がそれぞれのロイヤルティープログラムをリンクさせることを意味する。つまり、GrabRewardsのポイントはMarriott Bonvoyに変えることができ、その逆もまた然りだ。GrabPayを受け付けているMarriott InternationalのレストランとバーはまたGrabのMerchant Discoveryプラットフォームにもアクセスできる。このプラットフォームではレストランやバーはお得な情報を地域のユーザーに流すことができ、GrabAdsという販促プラットフォームも利用できる。

Grabが提携している他のホスピタリティ企業としては、Booking.com(ブッキングドットコム)とKlook(クルック)がある。Klookは「ステイケーション」や、パンデミックで旅行にいけないものの日常から離れることを模索している人のためのサービスの提供に事業内容を移した旅行企業の1社だ。

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タグ:Marriott InternationalGrab東南アジア

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

日本美容創生がダイアナから資金調達、美容室シェアで女性活躍の場・地域コミュニティ構築目指す

日本美容創生がダイアナから資金調達、美容室シェアで女性活躍の場・地域コミュニティ構築目指す

日本美容創生(JBIRC)は、第三者割当増資を実施したと発表した。引受先はダイアナ

JBIRCは、美容室のプラットフォーム化という新産業の創生、全国20万軒の美容室をシェア対象物に女性の技術者(資格保有者)と一般女性とのマッチングサービス「Beauty Venue」および「Beauty Venue Pro」アプリを用意。取得した資格・スキルで活躍したい女性と美容室にある設備を貸し出したい店舗オーナーを「つなげる」サービスとなっているという。

 

必要な設備が整ったスポットで資格・スキルを持つ女性が活躍するため、ユーザーに最高の体験を届けることが可能。

Beauty Venueとの連動により、取得資格・スキル保有者が地域の女性ユーザーにPR可能となるため、友人以外の顧客を獲得しやすいほか、スペシャリスト同士のパーソナルチームを形成し、ひとりの女性を複数人でサポートする機能も搭載している。

 

JBIRCは、美容室のプラットフォーム化を基点に、「女性の活躍の場を作ることで地域のコミュニティ作り」「過疎化地域の医療ネットワーク作り」を行い、美容室が地域のコミュニケーションステーションの役割となり、地域社会が抱える問題の解決、健康な町作りの実現を目指す。

また、地域社会において美容室が地域のコミュニケーションステーションの役割を持つことで、美容室の持続可能な経済活動も実現するとしている。

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JBIRCによると、美容師は、国家資格の取得が必要なものの、結婚・出産などライフスタイルの変化で仕事を離れても復職しやすく、サロン経営以外にもフリーランスで働くという選択肢も可能なことから、従来より女性が一生活躍できる職業として選択されているという。

厚生労働省の発表によると、2019年度末、美容室は3562店増の25万1140店(前年度比1.4%)となり過去最高を更新、初めて25万軒を超えた。

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一方で、2019年の「理容業・美容業」倒産件数が119件(前年比8.1%増)に達し、過去30年間で最多となった。また、美容室の「休廃業・解散」に関しては、2018年(1-12月)の休廃業・解散は242件を数え、過去20年間で最多となったそうだ(東京商工リサーチ調べ)。

コロナ禍の影響が続く中、消費者の外出自粛、来店客数・客単価の減少、来店サイクルの長期化も見込まれ、このままでは店舗の閉店や廃業を選択せざるを得ない店舗経営者も増えると見ているという。

2020年4月設立のJBIRCは、コロナとの共生時代の中「既存の美容室事業には存在しない新しい事業モデルの創出」を急務と捉え、Beauty Venue Proを中心に美容室が地域のコミュニケーションステーションの役割を持つことで、「女性の活躍の場」である美容室の持続可能な経済活動を実現するとしている。

ダイアナは、1986年創業以来、一貫して女性の美と健康をサポートし続け、女性の輝けるキャリア開発に貢献、女性美のトータルソリューションカンパニー。全国約750店舗でその取り組みを展開し、2019年12月末時点で92万人以上(ダイアナ調べ)にコンサルティングを実施している。今回、美と健康領域で新たなビジネスを展開する事業や会社を支援するダイアナCVC活動の一環として参画し、美容産業に関わる人が幸せになれるビジネスモデル構築に積極的に取り組むとしている。

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タグ: ダイアナ日本美容創生美容資金調達日本

電気の生産者や空気の「顔の見える化」で社会をアップデートする「みんな電力」が15億円を調達

電気の生産者や空気の「顔の見える化」で社会をアップデートする「みんな電力」が15億円を調達

電気の生産者や空気の「顔の見える化」で社会をアップデートする、みんな電力は10月26日、プレシリーズCラウンドにおいて、新株予約権付転換社債発行などで総額15億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、ディップのCVCであるDIP Labor Force Solution 投資事業有限責任組合、丸井グループ、日本政策金融公庫など。今回の資金調達により、現在まで累計調達額は約30億円となる。

調達した資金により、みんな電力は、気候変動など地球規模での問題解決に向けて、脱炭素社会の実現に貢献していく。

具体的には、再生可能エネルギー由来の電気の生産者と購入者をつなぎ、CO2削減アクションのひとつでもある「顔のみえる電力」の普及に努めるとともに、脱炭素化社会の実現を目指す様々な企業と積極的に連携することで、再エネ電気の利用を促進。

また、みんな電力独自のブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティシステム「ENECTION2020」の書き込み機能の高速化、低コスト化をより一層進めることで、空気、リチウムイオンバッテリー、土、住居など電力以外の領域へ拡大を図り、「顔の見えるライフスタイル」の実現を目指す。

みんな電力は、大手印刷会社で新規事業を担当していた大石英司氏が、再生可能エネルギー事業会社として2011年に設立。2016年に発電者と生活者をつなぐ電力小売りサービス「顔の見える電力」を始めるなど、「納得感を持って選択する」という体験の提供にこだわり、2020年には清潔な空気環境の選択につながる空気環境改善事業「みんなエアー」を開始。今後もソーシャル・アップデート・カンパニーとして、独自のブロックチェーン技術を基盤とした「顔の見えるライフスタイル」の実現を目指す。

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タグ: みんな電力
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カリフォルニアの控訴裁がUberとLyftのドライバーを従業員とする下級裁の判決を支持

米国時間10月22日の控訴裁判所は、UberとLyftが彼らのドライバーを従業員に分類しなければならないと判決を下した。しかし、この判決は裁判所が送達を出した後、30日間延期されることになっている。つまりProposition 22の住民投票結果によっては、LyftやUberによるドライバーの分類の決定要因にならないこともある。

この訴訟全体を通じてUberとLyftは、ドライバーを従業員に分類すれば修復不能な被害が会社に生じると主張してきた。本日の判決では、裁判官はどちらの企業も「法律違反を禁止されていることによって重大なまたは回復不能な被害を被ることはない」と述べた。そして両社に生ずる財務的負担は「回復不能な被害のレベルと呼べるほどの大きさではない」とも述べた。

さらに裁判官によれば、仮差止命令はUberとLyftがドライバーに柔軟性と独立を与えることを妨げる要因ではないという。最後に裁判官は「今回の訴訟の契機となったAB5ギグワーカー法が決まったのは2年前の2018年であり、UberとLyftにはドライバーを独立した契約業者から従業員に移行させるに十分な時間があった」と述べている。

Lyftの広報担当者であるJulie Wood(ジュリー・ウッド)氏は本誌宛の声明で「この裁定によって、ドライバーの味方となりProp.22に賛成票を投じることが、ますます緊急になってきた」と述べている。

Prop 22は、ライドシェアのドライバーやデリバリーのワーカーを独立の契約労働者のままとどめるという、カリフォルニア州の住民投票で決まる条例案だ。これが成立すると、その企業のドライバーとデリバリーワーカーは、彼らをW-2級の従業員とする新しい州法の対象外となる。そうなると、アプリを使う旅客輸送やデリバリーのワーカーには、運転した時間に基づく最低賃金とヘルスケアの助成が給付される。

一方Lyftによると、同社はすべての法的選択肢を検討しており、その中にはカリフォルニアの最高裁への控訴も含まれるという。Uberもやはり控訴を検討している。

Uberの広報担当者は次のように述べている。「本日の判決が意味しているのは、Proposition 22が投票で否決されたら、ライドシェアのドライバーは独立の契約業者として働き続けることができなくなり、何十万ものカリフォルニアの住民が仕事を失い、州の大部分からライドシェアが姿を消す事態になるということだ。否決された場合の控訴も検討しているが、状況はむしろドライバーにとって分が悪い。彼らの72%がProp 22を支持している。カリフォルニアの経済はいまでも数百万人の失業者が存在し、今週だけでも新たに15万8000名が失業者支援を求めている」。

本日の判決の前には、カリフォルニア上位裁判所のEthan Schulman(イーサン・シュルマン)判事が2020年8月に、UberとLyftがドライバーを従業員へと分類変えするよう強制するために、仮差し止めを認めた。UberとLyftはその判決を控訴したが、しかしいまでは控訴裁判所が下級裁判所の判決を維持している。

この訴訟(未訳記事)は2020年5月に、カリフォルニアの司法長官Xavier Becerra(ザビエル・ベセラ)氏と、ロサンゼルスとサンディエゴとサンフランシスコ各市の弁護士たちが提起した。彼らは、労働者を独立契約労働者と誤分類することによって、UberとLyftが不公平で違法な競争上の優位性を得ていると主張した。そして6月に原告は、UberとLyftにドライバーの分類変えを強いるための仮差し止めを申請した。8月にシュルマン判事がそれを認めた

「本日の法的勝利は2社が対象だが、この戦いの範囲はもっと広い。これには、この国の労働の未来がかかっている。今後すべての世代が、真の福利厚生がある良質な雇用を確保できるかできないかがかかっている。もしUberとLyftがProp. 22の成立に成功し、人びとの意志を否定したら、他の数え切れないほど多くの企業もビジネスモデルを変えてワーカーを誤分類し、富める少数者が彼らの労働者の犠牲の上でさらに裕福になるだろう」とGig Workers Risingは声明で述べている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Uberのドライバーがアプリ内広告で労働者を独立請負業者とするProp 22を強制されたとして同社を提訴

Uberは、住民投票によって決まるカリフォルニア州条例案「Proposition 22」をめぐって集団訴訟に直面している。原告らは、同社がドライバーに強制するという違法行為により、労働者をワーカーを独立請負業者とする法案を支持させようとしている、と申し立てている。この訴訟は、Uberの2人のドライバー、Benjamin Valdez(ベンジャミン・バルデス)氏とHector Castellanos(エクトル・カステリャノス)氏およびカリフォルニアの非営利団体であるWorksafeとChinese Progressive Associationが提起した。

原告側弁護士のDavid Lowe(デビッド・ロウ)氏は、声明で「はっきりさせておきたい。Uberはドライバーが彼らの仕事で必ず使わなければならないアプリの上で、Prop 22の宣伝の止むことなき集中砲火を浴びせ、ドライバーを威嚇している。その目的はドライバーにUberの政治闘争を無理やり支持させ、職場の保護を彼らから奪うことだ」と述べている。

The New York TimesのKate Conger(ケイト・コンガー)記者(Twitter投稿)が用意した訴状の中で原告は、Uberが同社のドライバースケジューリングアプリで、ドライバーとデリバリーワーカーにProp 22を支持させようとした、と述べている。

「Uberの教唆には、Uberの政治的選好を支持しなかったら報復されるとドライバーに思わせる目的と効果がある。そしてその恐れにより多くのドライバーが、労働者でありながらカリフォルニアの法律が法律上の『従業員』に保証している権利を剥奪されることを支持するという、偽りの声明に誘導されるかもしれないという狙いもある」と訴状には書かれている。

この団体はUber、Lyft、InstacartおよびDoorDashに対する法的要求を、カリフォルニア州労働局に提出するつもりだ。

一方、Uberの広報担当者であるMatt Kallman(マット・カルマン)氏はTechCrunch宛ての声明で「これは愚かしい訴訟であり、訴えの実体がなく、メディアの注意を惹くことだけが目的で、事実への考慮がない。事実から目を背けるべきではない。圧倒的多数のドライバーが何カ月も前からProp 22を支持しているのは、それが彼らの生活を改善し、職業選択の自由を奪わないからだ」。

Prop 22は、カリフォルニアで最も多く資金を集めたキャンペーンだ。Prop 22にイエスの側は今日までに約1億8500万ドル(約194億8000蔓延円)を投じている。その最大の貢献者はUberとLyftとDoorDash だ。一方、ノーの側は1216万6063ドル(約12億7000万円)を寄付している。

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介護士のシェアリングサービス「イチロウ」運営のLINKが6500万円を調達

介護士のシェアリングサービス「イチロウ」運営のLINKが6500万円を調達

介護士のシェアリングサービス「イチロウ」運営のLINKは10月22日、第三者割当増資として、6500万円の資金調達を9月1日に実施したと発表した。引受先は、ブラッククローキャピタル、三井住友海上キャピタル、マネックスベンチャーズの3社。

同社は愛知県名古屋市を中心にサービスを展開してきたが、今回の資金調達に伴い関東エリアでの本格的な展開や、プロダクトのさらなる磨き込みを行うという。カスタマーサクセスを中心としたオペレーション体制、象エリア内のケアマネジャーへの周知や取り込みなどマーケティング体制、「精度の高いマッチング」や「業務を最大限に効率化する」ためのシステム開発の強化を挙げている。

イチロウは、最期まで自宅で生活を送りたい要介護者と、そんな要介護者の家族のために、自宅や病院など様々な場面に介護士を派遣するサービス。

LINKによると、現在の公的介護保険サービスは、厳しい制度上のルールにより、自宅で最期を迎えたい要介護者の思いに応えられていないという。イチロウは、これまでの公的介護保険サービスの課題であったサービスの柔軟性の低さを改善し、要介護者が自宅で最期まで生活を送るサポートを行う。現代のテクノロジーを介護に活用することで、これまで軽視されてきたサービスの品質の向上にも取り組んでいるとした。

一方で、介護サービスを提供する介護士の賃金はとても低く、深刻な介護士不足を招いている。イチロウでは、介護士の低賃金を改善すべく、介護を必要とする人と介護士のマッチングからマネジメントまでの管理を独自のシステムで簡素化。業界平均の1.6倍の時給を支払うことを可能にしている。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、高齢者の集まる通所介護(デイサービス)や老人ホーム(特別養護老人ホーム・有料老人ホーム)ではなく、在宅介護が見直されつつある時代に、公的介護保険サービスと共に、新しい介護サービスの形を作っていくとしている。

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