アップルのiMessageにメンション、ピン留め、インラインでの返信などの新機能が多数追加

Apple(アップル)のiMessageプラットフォームが、iOS 14とmacOS Big Surのリリースで大幅にアップデートする。日本時間6月23日に配信されたWWDCのキーノートで、アップルはiMessageの次バージョンに、SlackやFacebook Messengerといったライバルのメッセージングアプリで人気の機能の多くを搭載すると発表した。インラインでの返信、ピンで固定、メンションなどだ。さらにグループチャットのカスタマイズ、ミー文字の拡張、検索機能の向上なども発表されている。

インラインで返信する新機能を使うと、iMessageのグループチャットに参加しているユーザーがスレッドとして特定のメッセージに返信できる。これはSlackなど人気メッセージングアプリの多くに搭載されているのと同様の機能だ。ユーザーは会話全体の中で返信を表示したり、独自スレッドとして表示したりすることができる。

グループチャット内の誰に対するメッセージかをわかりやすくするために、iMessageにメンションの機能が追加される。ただし、他のアプリやTwitterなどのソーシャルプラットフォームで「@」をつけてメンションするのとは異なり、iMessageでは相手の名前を入力するだけだ。記号を追加する必要はない。

送信相手の推測候補がポップアップし、タップして選択できる。テキストメッセージ中では相手の名前が青色で強調表示され、その相手に対するコメントであることが示される。

そして最高の新機能は、会話の中で自分にメンションされたときだけ通知するようにメッセージアプリを設定できることだ。通知をミュートしたくなるほど頻繁に会話が交わされるチャットでも、重要なメッセージを見落とさずについていけるようになるだろう。

グループチャットのデザインも変更され、直近でアクティブだった人のプロフィールアイコンが最も大きく表示される。

グループチャットのメインイメージを写真や絵文字でカスタマイズすることもできる。会話では、グループメンバーのプロフィールアイコンがメインイメージの周囲に表示される。

会話をピンで固定する新機能を使えば、最も重要なiMessageのチャットを常に画面の最上部に表示できる。こうしておけば、親友や家族のグループチャットなど、頻繁に参加する会話に簡単に戻れる。重要な相手、配偶者、子供など頻繁にメッセージをやりとりする人と素早く会話を続けることもできる。

グループチャットに新しいメッセージが届くと、画面上部に表示される。誰かがあなたへのテキストメッセージを入力中であることも、インジケーターでわかる。

この機能はいつも主にiMessageで会話をしていて、長い未読リストの中で重要なメッセージを見落としてしまうことが多い人にとっては特に便利だ。未読リストをスクロールして会話を追いかけなくても、1カ所を見れば急を要するメッセージを見落とすことがないので、画面を見る時間を減らすこともできる。

さらにアップルは、ミー文字もアップデートする。20種類の新しい髪型と被り物、マスク、年齢の選択肢に加え、ミー文字ステッカーにはハグ、グータッチ、照れの3種類が追加される。

Macのメッセージアプリでもインラインの返信やピンで会話を固定、メンションを利用できる。iMessageのメッセージエフェクト、ミー文字のカスタマイズ、新しい写真ピッカー、人気の画像やGIFを見つけてメッセージに追加する#imagesにも対応する。さらに検索機能が強化され、リンクや写真、一致する項目を見つけやすくなるとアップルは紹介している。

これらの新機能は、今秋のiOS 14とmacOS Big Surのリリース時に搭載される。

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(翻訳:Kaori Koyama)

iOS 14でアプリの広告トラッキングの拒否が可能に、セキュリティとプライバシーをさらに強化

iOSの新バージョンには、セキュリティとプライバシーの新機能も多く含まれる。米国時間6月22日、Apple(アップル)はiOS 14に組み込まれる新機能を多数発表した。iOS 14は2020年後半、新しいiPhoneとiPadがリリースされる際に登場する見込みだ。

アップルは、ユーザーがアプリに対して正確な位置情報を共有するのではなく、「大まかな位置情報を共有」できるようにすると述べた。これによりアプリは正確な現在地を特定するのではなく、大まかな現在地を取得できるようになる。これは、ユーザーがどのタイミングで位置情報を提供するかということに続く新しいオプションだ。2019年にアップルは、ユーザーが位置情報の利用を一度だけ許可するオプションを追加し、このオプションを選択するとアプリがその人の動きをずっと追跡することはできなくなった。

iOS 14が動作するiPhoneでは、ステータスバーに「カメラとマイクの記録インジケーター」も表示されるようになる。これはMacでカメラの動作中にライトがつくのと似た機能だ。この記録インジケーターは、前面または背面のカメラを利用している場合、あるいはマイクが有効になっている場合にiPhoneの画面上部に表示される。

しかしアップルは、最も大きく変わるのはアプリ開発者自身だと述べた。iOS 14では、アプリがユーザーに対して「追跡されたいかどうかを尋ねる」ようになる。これは影響力のある大きな変更だ。ユーザーが追跡を拒否できるようになることで、アプリが収集するデータの量が減り、ユーザーのプライバシーが守られる。

アップルは、アプリがどのような許可を要求するかを自己申告するようアプリの開発者に今後求めていくことも説明した。これにより透明性が向上し、ユーザーはそのアプリを使うためにどのようなデータを渡すのかを知ることができる。収集されたデータがアプリ外でどう追跡されるかも説明されるようになる。

Androidユーザーはすでに何年も前から、アプリが求める権限をGoogle Playストアで確認できる。

アップルはプライバシー重視の姿勢を常に口にしている。今回の動きは、その姿勢の一環として広告業界に対してアップルが繰り出した最新の攻撃だ。

広告主、そしてデータをかき集めるFacebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などのテック大手は、ターゲット広告で巨額の利益を得ている。その両者を巻き込む論争の中で、広告業界はこれまで頻繁にアップルの批判の的となってきた。2015年にアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、シリコンバレーのライバルたちは「あなたについて知り得るすべてを食い尽くして収益化しようとしている」と述べた(未訳記事)。ハードウェアを販売して収益を得ているアップルは「そのようにはしないことを選択する」とクック氏は語っている(The Guardian記事)。

ターゲット広告がさらに広まる中で、アップルは自社のソフトウェアにプライバシー関連の新しい機能を追加することで対抗した。例えばインテリジェントなトラッキング防止技術や、広告とトラッカーを読み込まないようにするコンテンツブロッカーをユーザーがSafariにインストールできるようにする機能などだ。

2019年にアップルは、開発者に対してサードパーティ製トラッカーを使用する子供向けアプリはApp Storeで却下されると伝えた。

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画像クレジット:Apple(ライブストリーミング)

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(翻訳:Kaori Koyama)

アップルのマップアプリでEV向けに充電ステーションも含めたルート検索が可能に

Apple(アップル)は、電気自動車のオーナー向けのルート案内機能をマップアプリに追加した。iOSの最新バージョンで利用可能になるEVルーティング機能は、アップルがマップアプリに加えたいくつかの改良のうちの1つだ

米国時間6月22日月曜日、毎年開催される開発者向けカンファレンスのオンラインイベントである「WWDC 2020」で、この新機能は発表された。

EVルーティング機能は、ルートに沿ってユーザーのEV(電気自動車)と互換性のある充電ステーションを表示することで、航続距離とバッテリー切れの心配を解消することを目指している。アップルでシニアディレクターを務めるStacey Lysik(ステイシー・リシック)氏によると、iOS 14のマップアプリは車両の充電状態を追跡し、標高や経路に沿ってルートに充電ステーションを追加するかどうかを決定する。

アップルはBMWやFord(フォード)などの自動車メーカーと協力して、簡単なルート設定をサポートする。リシック氏によると、近い将来にはさらに多くのメーカーが加わる予定だという。フォードはアップルと協力していることを認めたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

またマップアプリには、渋滞やグリーンゾーンを表示し、必要に応じてこれらのエリアを避ける代替ルートを選択できる機能も追加される。中国のドライバーはiPhoneにナンバープレート番号を安全に保存できるようになり、その番号に基づいて混雑した都市の中心部に入ることができる日を、より簡単に知ることができるようになる。中国の政策では、ドライバーは特定の日にしか混雑区域に入ることができないのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Safariはまもなくウェブページに埋め込まれたすべての広告トラッカーをブロックし暴き始める

Apple(アップル)は侵略的な広告トラッカーへの反撃を開始する。

アップルは米国時間6月22日に、同社のウェブブラウザであるSafariの新しいプライバシー機能を発表した。ユーザーが訪問するウェブページやサイトに埋め込まれた広告トラッカーのすべてを暴くものだ。

Safariの新しいトラッキング防止機能はブラウザ上部のアドレスバーの隣に表示され、ウェブを閲覧する際に侵略してくるトラッカーをブロックする。ユーザーはトラッキング防止機能を開いて、プライバシーレポートからページ上のすべてのトラッカーの詳細を閲覧できる。

例えば、TechCrunch USのページをチェックすると、200以上のトラッカーが存在していた。

FirefoxやBraveのようなライバルのブラウザには、すでにトラッキング防止機能が組み込まれている。

これは、ターゲティング広告とトラッキング業界の状況を一変させる最新の機能だ。ターゲティング広告が何年にもわたって侵略的なものになってきたため、アップルは同社のソフトウェアにインテリジェンストラッキング防止技術などの機能を導入し、Safariユーザーが広告やトラッカーの読み込みを防止するコンテンツブロッカーをインストールできるようにすることで対応してきた。

Safariの新機能は、2020年後半にリリースされる予定のmacOS Big Surの最新バージョンに搭載される予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

世界中の日本酒消費者・ソムリエと酒蔵をつなぐSakeistアプリをKhariisが公開

Khariis Sakeist

Khariis(カリス)は6月23日、世界における日本酒の消費市場拡大およびプロモーションを目的に、海外の消費者・ソムリエと日本の酒蔵がつながるアプリ「Sakeist」(サケイスト)のiOS版Android版を公開した。公開時のバージョンは日本語および英語のみサポートしており、2020年以内にフランス語版をリリース予定。

Sakeistでは、ユーザーが日本酒ラベルをスマホで撮影すると、お酒の画像がSNSのニュース・フィードのように表示される日本酒版SNS機能を用意。レビュー投稿可能なほか、世界中のレビューを閲覧できる(自動翻訳機能搭載)。世界中のSakeistユーザーが、自分が知らなかった日本酒に出合いやすくしている。

また日本酒自体については、ワインテイスティングを軸としたマトリックス「Tasting Matrix」によりどんな味わいなのかひと目でわかるようにしたほか、酒蔵公式の画像により造り手の歴史背景も解説。日本酒を扱うレストランの検索も行え、もし登録がない場合は、Sakeistユーザーが自分で新たに登録できる。

Khariis Sakeist

「日本酒クイズ」では、日本人をはじめ海外の消費者やソムリエが日本酒造りにおける手間のかけ具合がわかるよう、さまざまなクイズを用意。「用語ディクショナリー」では日本酒ラベルに記載されている「山田錦」「あらばしり」「袋しぼり」など、日本酒特有の専門用語を検索し学べるようにしている。
Khariis Sakeist

日本酒輸出市場は、和食が2013年にユネスコ「伝統的無形文化遺産」として登録されたことなどがあり右肩上がりに成長を続けており、2019年の輸出総額は約234億円に上るという。しかし、日本酒ラベルの多くは日本語のみが記載されており、「純米大吟醸」のような種別を表す用語の意味を理解できる消費者は海外では極めて少ない状況にある。そのため、海外における消費者数・消費量の拡大において日本酒業界は課題を抱えている。

Khariis Sakeist

さらに、海外ソムリエと消費者の多くは日常的にワインを愛飲しているため、ワイン目線での用語解説や味わいについての多言語での解説・紹介する情報源が求められているそうだ。世界のワイン業界では、ワイナリー(造り手)のストーリーが重要視されるものの、日本酒の酒蔵ごとのストーリーを英語などで紹介する例が少なく、課題となっていた。

これら状況の解決とともに、日本酒を「世界酒」として定着させることを目指し、消費者・プロフェッショナル(ソムリエ)・酒蔵が繋がる強固なコミュニティの育成も目指し、KhariisはSakeistアプリを2019年から開発したという。

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アップル、デフォルトのメールやブラウザアプリの変更を許可

Apple(アップル)はひっそりと、モバイル版ChromeやGmail、Outlookのユーザーの生活を変える大きな発表をおこなった。同社はアプリのデフォルト設定に対する方針を変更し、ユーザーがメールアプリとブラウザアプリにサード製のアプリをデフォルトとして設定できるようにする予定だ。

アップルはこの変更がiPadOSとiOS 14で提供されると発表したが、これはおそらく、ユーザーがリンクをタップしたときにどのブラウザにリダイレクトされるのかを指定できることを意味する。同社が独自サービスのために何らかの機能を確保しているかどうかは、今後判明するだろう。キーノートではこの新機能は強調されず、数秒間表示された要約画面の下部中央にて示された。

これはアップルにとって大きな変化だが、ステージ上でこの点を強調しなかったのも当然だ。同社はサードパーティー製アプリをデフォルトとして使用するオプションをユーザーに提供することに、これまで消極的だった。ただし例外として、Google マップをアップルのアプリのデフォルトに設定できる設定は早い段階で導入された。

メールとブラウジングはモバイルデバイスの重要な機能で、今回のアップデートまでChromeやGmailのようなアプリをデフォルトに設定する機能がなかったのは驚くべきことだ。アップル自身が反トラスト法の議論の中心にいることの理由として、アプリのデフォルト設定が変更できないことは、同社が他社のサービスよりも自社のサービスを優先する手法として常に槍玉に挙げられてきた分野の一つだ。

この機能が具体的にどのようなものになるのか、どのようなサービスがサポートされるのかの詳細は不明だが、ベータ版が公開されれば多くの情報が得られるだろう。

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(翻訳:塚本直樹)

アップルのARMベースMacは旧アプリをエミュレート、iOSアプリも動かせる

Apple(アップル)はMacの大きな方向転換を発表した。同社は将来、Intel製CPUをARMアーキテクチャーに基づくアップル独自のチップに置き換える。デベロッパーや特殊なエンタープライズアプリを動かしている人なら、今後どうなっていくのか気になることがたくさんあるだろう。

まず、アプリはIntelベースのMacとARMベースのMacの両方で動作するようにコンパイルできる。その両方の実行可能コードを含むアプリは、Universal 2と呼ばれる新しいフォーマットを使って配布される。Macをしばらく使っている人なら、アップルがPowerPC CPUからIntel CPUに切り替えた時にも同じ方式をとったことを覚えているだろう。1つのアプリに2つの実行ファイルが入る。

最適化されないソフトウェアもそのまま動作可能だが、性能はARM対応のネイティブアプリより劣る。アップルは、新しいMacで旧アプリを動かすためのエミュレーションレイヤーであるRosetta 2(ロゼッタ2)を提供する。

ARMベースのMacに古いアプリをインストールすると、システムがアプリを調べてARMプロセッサーに最適化しようと試みる。こうしてユーザーがアプリを開く前からある程度の最適化が行われる。

しかし、ウェブブラウザーや複雑なアプリなど実行時コンパイルする場合はどうなるのか?Rosetta 2は、アプリの実行時にもx86の命令をARMの命令へとリアルタイム変換する。

そして、サーバー上で動くコードを作っているデベロッパーのために、アップルはバーチャル化ツールも準備している。LinuxとDockerをARM Macで動かせる。

おまけとして、Macユーザーはこれまでになく大きなアプリライブラリーを利用できるようになる。「Macユーザーは初めて、iOSとiPadOSのアプリをMacで動かせるようになる」とアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は語った。

詳しくは語られなかったが、iOSアプリのmacOSへの移植を容易にするアップル自身のフレームワークであるCatalystを使うことで、デベロッパーがmacOS向けに最適化していないアプリでもユーザーはダウンロードして実行できる。

移行には時間がかかり、おそらく2年程度は必要だろう。最初のARMベースMacは2020年末に出荷される予定だ。ARM Macへのアプリ移植に興味のあるデベロッパー向けに、クイックスタートプログラムが用意される。ドキュメントとプライベートフォーラムに加えて、アップルはA12Zシステムオンチップ搭載のカスタム版Mac Miniを提供する。こうしてデベロッパーは実際にARMチップが載ったMacで自分のアプリをテストできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

【WWDC20速報】watchOS7は文字盤の共有が可能に、新型コロナ対策機能もあり

アップルは米国時間6月22日、開発向けイベントWWDC20の基調講演で、次期watchOSの新機能を発表した。iOSやiPadOSに比べるとやや小幅なアップデートという印象だ。

文字盤の共有

新watchOSでは、サードパーティーがデザインした文字盤を手軽に自分のApple Watchに着せ替えることが可能になる。サードパーティーは、SwiftUIと呼ばれるユーザーインターフェースデザイン用のプログラミング言語を使って文字盤をデザイン可能だ。

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マップ

「マップ」アプリには、iOS14と同様に自転車向けのルート検索機能が加わっている。勾配などを情報をApple Watchから得られる。そのほか、階段や徒歩でないと進めない道などもガイドしてくれる。

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ワークアウト

「ワークアウト」アプリでは、Apple Watchが内蔵する各種センサーの情報から腕や足の位置や負荷のかかり方などを深く解析して、カロリー消費量などをより正確に計算してくれる。

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Wind Down

iOSとの連携機能としてはWind Downがある。これは、アラームや音楽再生、HomeKit対応家電の操作といった操作をApple Watchに自動的に適用することで、質の高い睡眠を取ることを支援する機能。就寝時間に近くなると文字盤が変化する。

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Handwashing

新型コロナウイルス対策を意識した機能もある。手に付着したウイルスを手洗いで除去するには20回程度のもみ洗いが必要だが、新しいwatchOSはこの回数を自動的に数えてくれる。

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基調講演では詳しく触れられなかったがwatchOS7にはそのほか、翻訳、デバイス上での音声入力などの機能も加わる。

iPadOS 14ではアプリの操作性がmacOSのようになる

Apple(アップル)はiPadOSに加えるタブレット特有の新たなアップデートを発表した。iPadをラップトップの代替として使えるようにするソフトウェアを渇望しているユーザーの声に応えるものだ。

AppleのiPadアップデートは今年はかなり控えめだ。大きな変更は同社が展開するアプリがサイドバーやドロップダウンメニューを考慮してデザインされていることだ。つまらないように聞こえるが、明らかにより複雑でmacOS風のデザインをiPadにもたらし、スクリーンをこれまでよりもフル活用できるようになる。特に写真やファイル、カレンダーのアプリのデザインアップデートに注力した。

デザインの変更は、iPad操作に関してよく耳にする不満の1つを解決する。その不満とは、アプリがまだiPhone仕様になっているためにユーザーがiPadのパワーを存分に活用できないというものだ。新しいMagic Keyboardのトラックパッドのようなマルチタッチ外部入力をサポートするようになり、Appleのデザインニーズはシングルスクリーンに合う生産性を念頭に置いたインターフェースに向かっている。デベロッパーがこうした新テンプレートを使ってiPadデザインにどのように手を加えるかは今後明らかになる。

画面の操作性に関しては、iPadのホームスクリーンで使えるウィジェットが増える。現在ウィジェットは主にiPhoneで展開されていて、今後さらに多くのデベロッパーがサポートするようになることが予想される。

AppleはiPadOS発表のほとんどの時間をApple Pencilの新機能「Scribble」に費やした。ユーザーはApple Pencilでスクリーンのテキストボックスに走り書きができ、手書きの文字をすぐさまプレーンテキストに変換することもできる。つまり、ユーザーはSafari検索バーに直接書き込み、キーボードに触れることなく素早く検索できる。この機能でユーザーはよりフレキシブルに選択した入力モードを活用できる。

iPadOSは今秋リリースされる予定だ。

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カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Apple WWDC iPad

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(翻訳:Mizoguchi)

【WWDC20速報】新iPadOSとApple Pencilで手書き文字認識が可能に、複数言語が混在してもOK

WWDC20で披露された新iPadOSには、Scribble、Shape recognition、Smart Select、Data detectors、Scratch to deleteなどの機能も搭載される。これらの機能はアップル純正のスタイラス(デジタルペン)であるApple Pencilで利用可能だ。なお、iPadOS側に搭載される機能なので、Apple Pencil自体を新しいものに買い替える必要はない。

Scribble

Scribble(落書き)機能は、Apple Pencilで書いた文字をテキストデータに変換してくれる。つまり、iPad上で手書き文字の認識が可能になるわけだ。Apple Pencilを使ってiPadで絵を描いている最中に調べ物をしたいという場合に、Apple Pencilでそのままキーワードを手書きすれば検索できて便利。

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Smart Select

Apple Pencilで書いた文字をオブジェクトとして認識してくれる機能。具体的には、手書き文字の色をあとから変更することなどが可能だ。

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Shape recognition

Apple Pencilで描いた図形や線を認識して清書してくれる機能。丸や四角をキレイな線で自動的に描き直してくれるほか、歪んだ線も綺麗な直線に変えてくれる。

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Data detectors

Apple Pencilで描いた住所や電話番号を認識してくれる機能。該当する手書き文字を選んで、地図を開いたり電話をかけたりすることが可能だ。

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Scratch to delete

Apple Pencilで書いた文字の上から取り消し線を書くと消せる機能。間違えて書いた文字を波線などで消すと画面から消去される。

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【WWDC20速報】新iPadOSはUI/UXをiPadにさらに最適化、検索機能も大幅強化

アップルは米国時間6月22日、開発向けイベントWWDC20の基調講演で、次期iPadOSの新機能を発表した。先に発表されたiOS14の機能を盛り込みつつ、各アプリの操作画面がiPadで使いやすいように洗練された。WWDCでデベロッパー向けのプレビュー版が配布され、正式バージョンは例年同様に9月ごろになるようだ。

UI/UX最適化

昨年9月にiOSから独立したiPadOSだが、新機能の多くはiOS14に準じる。iPadOSならではの注目ポイントは、ユーザーインターフェースの刷新だ。「写真」「メモ」「ファイル」「カレンダー」「ミュージック」などのアプリがiPadの大きな画面を生かしたレイアウトや操作性に改良されている。

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Siri

音声アシスタントのSiriについては、iOS14と同様にホーム画面やアプリの画面に溶け込んだインターフェースになっている。iOS14では画面の下部中央に表示されるSiriのマークが、iPadOSでは右下になるという違いがある。

通話

FaceTimeやSkypeなどの通話機能を備えるアプリを利用する際のインターフェースも刷新された。別アプリを開いている状態で着信があった場合は上部に通知され、そのまま応答することができる。

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検索

新iPadOSにはさまざまな検索機能が加わっている、アプリ画面上からの検索はもちろん、アプリ名を検索して検索窓から起動、人物名を検索して検索窓から発信、ファイルの種類の提示、質問を入力することで結果欄に答えを表示、推測変換などの機能を備える。

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そのほか基調講演では詳しく触れられなかったが、ARKit4やDepth API、ツールバーなどの新機能も搭載される。

【WWDC20速報】iOS 14新機能公開、App Libraryやウィジェット、翻訳機能などが加わる

アップルは米国時間6月22日、開発向けイベントWWDC20の基調講演で、次期iOSであるiOS 14の新機能を発表した。WWDCでデベロッパー向けのプレビュー版が配布され、正式バージョンは例年同様9月ごろになるようだ。

App Library

iOS14ではまず、多くのアプリをインストールした場合に画面の視認性や操作性が低下する問題を解消するために、App Libraryと呼ばれる新機能が加わった。従来も複数のアプリをフォルダーにまとめてホーム画面に配置できたが、App Libraryでは専用画面でジャンル別に一覧できるほか、検索も可能だ。複数のホーム画面から一部を非表示にすることも可能だ。

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Widgets

AndroidではおなじみのWidgets(ウィジェット)がiOSでようやく使えるようになった。具体的には天気予報やスケジュールなどの情報をホーム画面に固定配置できるようになり、わざわざアプリを開かなくても必要な情報をホーム画面上でチェックできる。

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Picture in Picture

macOSなどのでおなじみのPicture in Picture(ピクチャー・イン・ピクチャー)機能がiPhoneに最適化された。再生中の動画を縮小表示してホーム画面や別のアプリ画面の上に重ねて表示できる。ドラッグで表示位置の変更や表示サイズの拡大・縮小が可能だ。画面の端に寄せて一時的に収納することもできる。

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そのほかの機能については追って記載する。

アップル、Mac搭載CPUをARMベース独自製品「A12Z SoC」に移行

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Apple(アップル)は6月23日、開発者向けカンファレンス「WWDC20」の基調講演において、Mac搭載CPUをIntel(インテル)製からARMベースの独自製品「A12Z SoC」に変更すると発表した。

 

A12Z SoC

Universal Binary(ユニバーサルバイナリー)をもとにしたUniversal 2(ユニーバーサル バイナリー 2)技術を利用しており、Intel(インテル)向けバイナリーとApple Silicon向けバイナリーを単一のアプリケーション内に同梱するような形態となっている。またRosettaや仮想化技術を利用し、従来ソフトウェアの動作も可能としている。

このほか、iOSアプリなども次期macOS「macOS Big Sur」(ビッグサー)上で動作可能となった。

詳細は追って掲載する。

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アップルのメッセージアプリでグループ返信とMemojiがアプデ フェイスカバーも登場

米国時間6月22日に開催されたWWDCの基調講演は、いつもよりずっとMemojiが強調されていた。招待状のイラストもMemojiをフィーチャーし、イベント動画のイントロにも登場した。そしてiOS 14のメッセージアプリでも、大きな改良が発表された。

Apple(アップル)によると、メッセージアプリは前年比で40%使用が増加したという。同アプリの最大のアップデートには、特定のメッセージをトップにピン留めして簡単にアクセスできる機能や、グループチャットでメッセージに直接返信できる機能などだ。また、応答している相手にアラートが表示されるようになり、メッセージアプリを使って大規模なグループと連絡を取りあう人にとっては、大きなアップグレードだ。

さらにMemojisに20の新しいヘアスタイルや年齢層が追加され、新たな肌の色やヒゲ、化粧が用意された。また世情を反映したフェイスカバーが追加されており、その中には画像のような外科用マスクも含まれている。それだけでなく昨年のAirPods、メガネ、帽子など、アバター用のアクセサリも追加されている。

 

原文へ

(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルが開発者向けイベントWWDC20で「macOS Big Sur」を発表

macOS Big Sur

Apple(アップル)は6月23日、開発者向けカンファレンス「WWDC20」の基調講演を開催。次期macOS「macOS Big Sur」(ビッグサー)を発表した。

macOS Big Sur

詳細は追って掲載する。

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アップルのWWDC20基調講演はYouTubeやApple TV、各種ウェブブラウザーで視聴できる

Apple(アップル)は同社が主催する開発者向けカンファレンスの初日に基調講演を行う。そこでは山ほどのソフトウェア・アップデートについて語られることが予想される。今年のWWDCはバーチャルイベントだが、例年と同じ数のニュースが、違う形式で提供される。太平洋夏時間6月22日午前10時(日本時間6月23日午前2時)から、ライブストリーミングで見ることができる。

噂によるとOSの新しいバージョンが発表されるらしい。iOS 14とiPadOS 14、macOSの新バージョンにwatchOS、tvOSのアップデートも発表が予想される。

そして今年一番の興味深い噂は、同社がMacのメジャーアップデートを発表する可能性があることだ。これまでのIntel(インテル)プロセッサーを自社製のARMプロセッサーに置き換えるかもしれない。そうなればMacで動いているサードパーティー製ソフトウェアには山ほど影響が出るだろう。しかし、バッテリーがiPad並に持続するMacBookを想像してほしい。iMacの新しいデザインや、Tile風の追跡デバイス(忘れ物防止タグ)などのハードウェアも出てくるかもしれない。

アップルはカンファレンスをYouTubeで中継するので、ライブストリーミングは該当ページで直接見ることができる。

Apple TVを持っている人は、TV用のApp StoreでApple Eventsアプリをダウンロードすれば、本日のイベンとだけでなく過去のイベントを見ることもできる。アプリのアイコンはイベントに合わせて数日前に変更された。

Apple TVを持っていなくて、YouTubeも使いたくない人は、アップルのウェブサイトにあるApple Eventsセクションでライブストリーミングを視聴できる。このストリーミングは、Safari、Microsoft Edge、Google Chrome、Mozilla Firefoxといった主要ブラウザーで見られるようになった。

もちろん、すべてを中断してビデオを見るつもりのない人は、 TechCrunchのライブブログ(英語版)を読むこともできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

犬の飼い主向けアプリ「parnovi」が企業・店舗がプレゼント企画を実施できる「キャンペーン機能」を追加

parnovi(ぱるのび)

ペットアプリ開発を手がけるparnoviは6月22日、犬の飼い主向けiOSアプリ「parnovi」(ぱるのび)上で、企業・店舗がプレゼント企画やモニター募集を実施できる「キャンペーン機能」をリリースした。

parnoviは、ユーザーが普段使っているペット関連商品や店舗の情報を投稿したり、自分と価値観や状況が似た飼い主の情報を閲覧したりできる、ペットサービス探しのコミュニティアプリ(現在はiOS 12.0以降のみ対応)。

今回追加したキャンペーン機能は、ペット向け商品・サービスを提供する企業・店舗が、parnoviユーザーにプレゼント企画やモニター募集を直接告知できるというもの。アプリのキャンペーンタブに掲載されるため認知拡大につながるとともに、商品・グッズをparnoviユーザーである飼い主に直接利用してもらう機会を得られる。

parnovi(ぱるのび)

またリリースを記念して、同機能を9月末まで無償で提供する。「プレスリリースの記事を見た」と記入の上メールで問い合わせると、キャンペーン掲載の審査が行われる。初期の対象はペット向け商品を提供するメーカーを想定。今後地域性のある店舗やサービスなどにもジャンルを拡大予定としている。

ソフトウェアは今後10年間で私たちの世界の形を変える

私がビジネスパートナーとのZoomミーティングを締めくくろうとしていたとき、息子が彼のオンライン化学クラスでクラスメートと冗談を言っているのが聞こえてきた。

私にとってこれは非常に奇妙な時間だと言わざるを得ない。私は家族を愛しているが、通常ならばこれほど多くの時間を一緒に過ごすことはないからだ。だがこれらは通常の時間ではない。

通常の場合なら、政府、企業、学校は、すべてを閉鎖することに決して同意することはない。通常の場合なら、私の主治医はビデオ越しに私に会うことは認めないだろう。

食料品店の外に立って待ち、お互いが6フィート(約1.8m)離れていることを確認するような人も通常ならいない。このような時代の中で、通常なら何年もかかる決定が数時間で行われている。つまり、現実の世界、実店舗という現実がシャットダウンしたのだ。世界は今でも機能しているものの、現在は誰もが自分の家の中で活動している。

この通常ではない時間は、金融危機の深みに落ちた2008年を思い出させる。私はかつて共同創業したアプリケーションサーバー企業のBEA Systemsを、Oracle(オラクル)に86億ドル(約9200億円)の現金で売却した。この激動の出来事は、私のキャリアの中でも最悪かつ最も疲れる時期だったが、一方最高の時期でもあった。その理由は多くの刺激的な起業家に出会うことができたおかげだ。

彼らは最も聡明で、勤勉で、決して「できない」とは答えることのない起業家だった。そしてその時代に、多くのCEOたちがその本当の色を示してくれた。それはSlack、Lyft、Uber、Credit Karma、Twilio、Square、Clouderaなど、多くのものが始まった時代だった。これらの企業はすべて、今や数十億ドル(数千億円)の時価総額を誇っている。そして、私はそうした企業のいくつかに投資したり提携したりする必要があった。

繰り返すが、私は10年後に私たちの世界がどのように見えるのかを知りたいと思わずにはいられない。私たちの生き方。私たちが学ぶ方法。私たちが消費する方法。私たちがお互いに対話するやり方。

これから10年後はどうなるのだろう?

2030年へようこそ。iPhoneが発明され、クラウドコンピューティングが立ち上がってから20年以上、そして広範な5Gネットワークが立ち上がってから10年が経った。私たちの生活、仕事、食事、遊びの方法を変えるために必要なすべてのテクノロジーがついに登場して、それらはこれまでにないスピードで広げられることが可能だ。

世界の人口は85億人に達して、全員が日常的なアプリをすべて実行するスマートフォンを所有している。20年前からみれば約15億人ほど人口が増加したことになる。

堅牢なインターネットアクセスと通信プラットフォームが、新しい世界を生み出した。

いまや世界最大の学校はソフトウェア会社だ。その学習エンジンは人工知能を使用して、物理的なスペースを必要とせずに、いつでもどこでもパーソナライズされた学習教材を提供している。Apple(アップル)がiTunesで音楽業界を根底から覆したことと同様に、すべての学生が超低価格であらゆる情報をダウンロードできるようになっている。授業料は大幅に下がり、もはや学生ローンは存在しない。子供たちは、単に授業を受けるだけではなく、ついに学びに集中できるようになったのだ。優れた教育へのアクセスは平等化されたのだ。

世界最大の銀行はソフトウェア会社であり、すべての金融取引はデジタルである。銀行員とライブで会話したい場合は、チャットまたはビデオ会議を開始する。その上で、組み込みのフィンテックソフトウェアがすべての業界を支えている。

汚れた物理的なお金はもう存在しない。すべてのお金の流れはブロックチェーン台帳に保存され、追跡可能になり、安全に保たれる。その金融インフラストラクチャプラットフォームは、すべての地域および管轄区域の顧客、すべての価値の交換、すべてのタイプのユースケース(プロデューサー、ディストリビューター、コンシューマー)などを、すべて最初の段階から扱うことができる。

世界最大の食料品店は、ソフトウェアとロボットの会社だ。食料品は、必要なときにいつでもどこでも可能な限り迅速に配達される。食料品は人間が関与することなくロボットやドローンを使って配達される。顧客は、どこで、いつ、誰が自身の食料品の栽培と取り扱いに関与しているのかを、追跡することができる。人工知能は、過去の購入履歴とカレンダーに基づいて、必要なものを教えてくれる。

世界最大の病院はソフトウェアとロボットの会社だ。すべての初期診断はビデオ会議を使って行われる。すべてデジタルで保存された患者の医療記録と組み合わせることで、サンフランシスコ在住の医師と医師の人工知能アシスタントは、香港在住の患者に個別の処方箋を提供することができる。すべての外科手術はロボットによって行われる。もちろん医師の監督のもとでだ、私たちは完全に機械任せにできるほど大胆にはなれない。そして医師でさえ家から仕事をするようになる。

従業員全員は在宅勤務になっている。オフィスという場所の主な目的は、企業の労働者たちが効率的に仕事を遂行できるように支援することだったということを忘れないようにしよう。2020年以降、すべての企業、特にそのCEOは、従業員が自宅で仕事をするほうが効率的であることに気付いたのだ。在宅勤務にすることで通勤時間を節約できるだけでなく、すべての企業がオフィススペースのコストを節約し、リソースを従業員の福利厚生へとシフトすることができている。私は過去10年を振り返って「オフィススペースが大切だった時代を今でも覚えている」と自分に言い聞かせている。

世界最大のエンターテイメント企業はソフトウェア企業で、私たちが大好きなコンテンツはすべてデジタルである。すべての大ヒット映画は、直接ビデオとしてリリースされる。Alexa(アレクサ)にポップコーンを家に届けるように頼み、遠くに住む友達と一緒にその映画を見ることもできる。映画の中に気に入ったものが出てきたら、すぐにそれを購入することができる、それが衣服でも物でも、目にしたものを何でもそのまま家に届けることができるのだ。もう列に並ぶ必要はない。移動時間もない。大気汚染などの公害は減っていく。よりよい惑星の出現だ!

ここに挙げたのは2030年までに完全に変革されたほんの一部の業界だが、こうした変容は、ほとんどすべてのものに普遍的に適用されることになる。かつては「ソフトウェアが世界を食べている」と言われていた。

言い伝えによれば、何かを食べる者は、食べたものになってしまうと言う。2030年、ソフトウェアは世界になっている。

セキュリティと保護は、もはや私たちが触れて見ることができるものだけに適用されるものではなくなった。メールアカウント、チャットの履歴、閲覧データ、そしてソーシャルメディアアカウントなどの、私たち一人ひとりにとって価値のあるものはすべて、デジタル形式で保存されている。その例が尽きることはない。住宅用の警報装置ではなく、デジタル用警報装置が必要なのだ。

この危機は近未来を暗く見せるかもしれないが、私は新しい世界と未来の新しい会社について楽観的だ。人類として変化する私たちの能力、そして今回の危機とテクノロジーが私たちの生き方をいかに加速しているかについて、私は興奮を抑えられない。

この嵐はいつか過ぎ去るだろう。しかし、私たちが今行う選択は、私たちの生活を永遠に変えることになる。

私のチームと私は、新しい世界を形作るのに役立つ企業を創業しそれに投資することを誇りに思っている。それらは、これからの世代にとって重要な、新しくてインパクトのあるテクノロジー、人類にとって重要な企業、私たちの孫たちに伝えられるものすべてだ。

私は希望に満ちている。

【編集部注】Alfred Chuang (アルフレッドチャン)氏は、アーリーステージを対象としたベンチャーキャピタル、Race Capitalのジェネラルパートナーだ。

画像クレジット: olm26250 (opens in a new window)/ Getty Images

 

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(翻訳:sako)

業務用ChromebookでMicrosoft Officeを含むWindowsアプリを今秋から利用可能に

macOS上でWindows環境を構築できるホスト型の仮想デスクトップアプリなどを開発するParallels(パラレルズ)は6月17日、Google(グーグル)との協力により、Chrome Enterprise上でMicrosoft Officeを含むWindows アプリケーションの利用が可能になると発表した。動作環境は、エンタープライズ向けのChromebook。

同社が提供しているParallels Remote Application Serverなどの技術を活用して、Windowsアプリの利用が可能になると考えられる。詳細は同社に現在問い合わせ中で、情報が入り次第記事をアップデートする。

量子コンピューターのための新高水準プログラミング言語Silq

量子コンピューティングのためのハードウェアは、あと数年で現実の使用事例が見られる段階にまで開発が進んでいる(Volkswagenリリース)。それにともない、当然のことながら量子コンピューターの力を最大限に活かせるプログラム方法の研究も着実に増えている。その分野の研究のひとつにSilq(シルク)がある。スイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校の量子コンピューティング用高水準プログラミング言語だ。

ここで重視すべきは、「高水準プログラミング言語」であるという点だ。この言語の開発に携わる研究者たちによれば、現在、量子コンピューターのプログラマーたちは、まだ抽象度の低い低水準言語で必要以上に苦労しているという。

「このプロジェクトの歴史は、量子コンピューターの中核的な問題を解決したいというところから始まっています」とETHコンピューター科学准教授であるMartin Vechev(マーティン・ベシェフ)氏は私に話してくれた。「しかし量子コンピューティングの中核的問題を解決するためには、例えば量子プログラムの解析や推論をするには、それらの問題が記述されている言語が必要です。それは既存の言語です。私たちは量子コンピューティングのさまざまな問題を見てきましたが、基本的にはその言語を見て、問題がどのように記述されているかを確認するという作業が主体になります。しかしお察しのとおり、これは理想的とはいえず、最適な方法でありません」。

そこで彼らは、実際に使われている別の言語も調べてみることにした。Microsoft(マイクロソフト)のQ#や、IBMのQiskitなどのSDKだ。

「当初は、新しい言語を開発する必要性などまったく感じていませんでした」とベシェフ氏の博士課程大学院生であるBenjamin Bichsel(ベンジャミン・ビクセル)氏は話す。「そこをそもそものスタート地点として検討するなど、考えてもみませんでした。量子コンピューターで、もっと高度な問題を解決したいと思ったときに、よしそれじゃあ適当に言語をひとつ選んで、それでやろうというのが私たちの考え方でした。しかし気がついたのです。私たちが推論したいと関心を持つような高度なプロパティーには、既存の言語はまったく不適格でした」

今週のPLDI 2020で発表を予定しているSilqの論文
共著した1人は、あまりにも面倒なので既存の言語は一切使わなかったとさえ話している。この論文の執筆には、ビクセル氏とベシェフ氏の他、Timon Gehr(ティモン・ゲール)氏とMaximilian Baader(マクシミリアン・バーダー)氏も参加している。

では、既存の言語のどこが悪いのだろうか?「それを理解するための入口として最適なのが、従来の言語には存在しなかった量子コンピューティングならではの基本的な難題、つまり『非計算』に注目することです」とベシェフ氏は話す。実際、非計算はSilqの中核的なアプローチであり、ネイティブに組み込まれている。非計算には古典対応があるものの、だからといってその概念が直感的にわかるというものではない。

「古典的な言語で『AまたはBまたはC』を計算させようとすると、先に『AまたはB』を計算してから、『(その結果)またはC』が計算されますが、その間に計算された一時変数は忘れ去られてしまいます」とビクセル氏。「これを量子で行うと、予期せぬ副作用が発生します【略】結論として、こうなると予測されたことが、ここでは起こりません。そのためなんとかこれに対処しなければならないのです。これが意味するものは、現在あるすべての量子言語では、本質的に抽象度が大変に低いところでの作業を強いられるということです。そこでは、すべての一時変数を考慮しなければなりません。基本的にこれが、高水準な思考を妨げているのです」。

つまり、整数を可算するなど比較的些細なことをしようと思っても、量子コンピューターでは、処理の過程で発生したあらゆる一時変数を考慮して、明示的に扱わなければならないということだ。

「量子コンピューティングでは、廃棄すべき一時変数などのガーベッジに常に対処しなければならないため、常に対応が強いられます。それが、これらの言語を使う上で大変な手間になるのです」とビクセル氏。現在の量子言語はその回避を試みているが、その方法はやや難解だ。それに対してSilqは、安全な自動非計算が最初から使えるようになっている。

ベシェフ氏はまた、低水準プログラムの記述ではエラーが発生しやすく、アルゴリズムが実際に何をしているのかを理解しづらいと話している。それに対してSilqの型チェッカーには、プログラマーが犯しやすい一般的なミスを低減してくれる機能がある。また研究チームは、古典的な言語の最新の技術(オーナーシップタイプやリニアタイプのシステム)に注目し、量子コンピューシングのコンテキストに実装しているが、これもSilqが初めてだ。

ここまで知れば、Silqで書かれたプログラムは、Q#やQuipperなどと比べてずっと短く、量子プリミティブの数もずっと少なくなる(Silqリリース)ことを研究チームが発見したと聞いても、ビックリはしないだろう。

しばらくの間、Silqはまだ研究プロジェクトの段階であり、既存のいずれの量子ハードウェアプラットフォームでも走らせる予定はない。だが彼らは、独自で量子エミュレーターを作成して前提の検証を行っている。「我々の場合、大変に高水準な言語のため、コンパイルは2段階処理で行うことを考えています。まずは高水準な目的を表現する。するとそれを受けてコンパイラーが使用されるアーキテクチャーを特定し、それに対してどのように最適化するかを判断します」とビクセル氏。

Silqの詳細を深く知りたいという方は、こちらで論文が読める

画像クレジット:ALFRED PASIEKA / SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images
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(翻訳:金井哲夫)