コンピュータビジョンのSuperAnnotateがOpenCVと提携、ノーコードのAIスマートカメラ普及を支援

ノーコードのコンピュータビジョンプラットフォームであるSuperAnnotateが、オープンソースのコンピュータビジョンアルゴリズムの大規模なコレクションを構築している非営利団体OpenCVとパートナーシップを組むことになった。この動きは、スタートアップや起業家が独自のAIモデルを構築し、カメラが機械学習を使って物体を検出できるようにすることを意味する。SuperAnnotateはこれまでにPoint Nine Capital、Fathom Capital、Berkeley SkyDeck Fundなどの投資家から300万ドル(約3億1000万円)を調達している。

データサイエンティストやアノテーションチーム向けのAIを利用したコンピュータビジョンプラットフォームである同社は、OpenCV AI Kit(OAK)ユーザーにそのプラットフォームへのアクセスを提供するとともに、AIモデル構築のためのコンピュータビジョン講座を開始するという。また、SuperAnnotateは、機械学習を利用してオブジェクトを検出するAI Kitのカメラをセットアップし、OAKのユーザーは、そのプラットフォーム上にシステムをセットアップするための200ドル(約2万1000円)のクレジットを得ることができる。

OAKは、物体の識別、人数カウント、距離の測定など、コンピュータビジョンと3D知覚のタスクを実行できるマルチカメラデバイスだ。発売以来、約1万1000台のカメラが販売されている。

OAKはこれまで、ドローンやセキュリティアプリケーション、農業用ビジョンセンサー、あるいは新型コロナウィルス関連の検知装置(例えば、人がマスクを着用しているかどうかを識別するなど)の構築に使われてきた。

SuperAnnotateの共同創業者兼CEOであるTigran Petrosyan(ティグラン・ペトロシアン)氏は声明の中で次のように述べている。「コンピュータビジョンとスマートカメラのアプリケーションは勢いを増していますが、それらを実装するための、関連するAIの専門知識を持っている人は多くありません。OAK KitとSuperAnnotateを使えば、コーディングの経験がなくても、スマートカメラシステムを構築することができます」。

SuperAnnotateの競合企業には、Dataloop、Labelbox、Appen、Hiveなどが含まれる。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:コンピュータービジョン OpenCV ノーコード

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nakazato)

技術者がいなくても文書処理をAI化できるノーコードプラットフォームのLang.aiがシードで2.1億円調達

企業のためのノーコードプラットフォームを開発したLang.aiが、200万ドル(約2億1000万円)のシードラウンドを完了した。

企業ユーザーは、同社のSaaSプラットフォームとドラッグ&ドロップのインタフェイスを利用して、AIが抽出したコンセプトに基づき、自由形式のどのようなテキストデータでも、指定したカテゴリーに分類することができる。

Village Globalがこの投資をリードし、新旧の投資家としてAccelepriseやOceans Ventures、Alumni Ventures Group、2.12 Angels、GTMFundそしてLorimer Venturesらが参加した。

2018年、スペイン生まれのJorge Peñalva(ホルヘ・ペナルバ)氏は「どのような企業でもエンタープライズ級の自然言語処理モデルを数分で作ることができる」を目標に、Lang.aiを創業した。Lang.aiでは、非技術系のユーザーでも、顧客サービスや苦情処理などのユースケースにおいて反復的なタスクを自動化できる。ペナルバ氏によると、同社のクラウドでもユーザー企業のクラウドでも、どちらにもインストールできるという。

Lang.aiの売上は、2020年最後の四半期から2021年最初の四半期にかけて倍増し、シード資金は主にその勢いを維持するために導入した。「大企業の顧客からはプロジェクトでの需要があるため、それに対応するためには資金が必要だった」とペナルバ氏は語る。

以前、SéntisisのCEOだったペナルバ氏は、無構造の自由テキスト形式のデータの処理が、多くの企業にとって盲点であることをよく知っていた。「今日では、企業のさまざまなところで発生するテキスト情報を読んだり処理したりすることに、膨大な経費と時間がかかっています。Lang.aiのミッションは、『企業が、自前のアルゴリズムを作り、訓練する際の技術的な障壁がない状態でAIの活用能力を持てるようにする』ことです」とペナルバ氏はいう。

ペナルバ氏によると、Lang.aiのプロダクトは顧客の過去データを「ほんの数分で」読み、AIが抽出したコンセプトを提案して、企業独自のカテゴリーをドラッグ&ドロップのインターフェイスで作る。そのカテゴリーはリアルタイムで適用され、手作業によるタグづけやサポートチケットの配布、保険の請求の処理、次々と入ってくる作業オーダーに応じた現場技術者の派遣といった面倒なタスクを自動化する。つまりLang.aiの目標は、AIを企業が実装するときの技術的な重荷を取り去ることだ。

Lang.aiのユーザーコミュニティは「Citizen NLP Builders(市民的自然言語処理作者)」と呼ばれ、カスタマサービスやマーケター、アナリスト、UXのデザイナーなど、非技術系のビジネスユーザーが主体だ。主な顧客はFreshly、Userzoom、Playvox、SpainのCaixaBank、Yalo Chat、Bancolombiaなどとなる。

Freshlyのインフラストラクチャ担当ディレクターであるBen Segal(ベン・シーガル)氏は、「このプラットフォームは、頭の回転が速い」と形容する。「インストール後の2日間でタグづけをすべて自動化できたが、それは、それまでの2年間使っていたプラットフォームに比べて信頼度が15%も高い。しかもチーム全員がサポートデータを利用できる。マーケティングのチームはワークフローを作っており、顧客の重要な時間を理解する。またデータと分析のチームは、Snowflakeの新しいタグを喜んでおり、しかも使いやすい」。

ペナルバ氏は、Lang.aiの技術者チームが主にスペインにいること。そして、わずか10人であるにも関わらず母国以外でも利用される企業に育てたことを誇りに思っている。「わずかな人数で、しかも2年とちょっとで、エンタープライズ級のプロダクトを開発し、そのビジョンにふさわしい初期の顧客と投資家を見つけることができました。グローバルな企業にするために、スペインから米国に移りましたが、それは始まりにすぎません。Lang.aiは常に、移民のみなさんの力を借りています。それが当初からの我が社の価値です」とペナルバ氏はいう。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Lang.ai資金調達ノーコード

画像クレジット:Lang.ai

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Hiroshi Iwatani)

独Levityが誰でもワークフローオートメーションを作れる「ノーコード」AIツールを公開

ベルリンを拠点とする新しいノーコード企業のLevityは、これまでステルスで運営されてきたがこのほど製品を市場に投入した。同社はGil Dibner(ギル・ディブナー)氏のAngular Venturesが主導するプレシードラウンドで170万ドル(約1億7500万円)を調達している。LevityはAIを利用したワークフローオートメーションをあらゆる人にとって手の届くものにし、何度も繰り返される退屈な手作業をナレッジワーカーがコーディングを学ぶことなく自動化できるようにすることを目指している。

Levityは最初から幅広い分野にサービスを提供する方針で、カスタマーサービス、マーケティング、オペレーション、人事などに適している。自動化できる代表的な繰り返し作業には、書類や画像、テキストの確認と分類がある。このようなタスクは従来のルールベースのオートメーションソフトウェアでは自動化できない。認知機能が必要だからだ。そのため通常は手作業で行われている。このような場面では、もちろん機械学習が役に立つ。

Levityの共同創業者でCEOのGero Keil(ゲロ・ケイル)氏は「自動化できるような退屈な繰り返し作業に長い時間がかかるという問題を解決し、その分の時間で楽しくおもしろい仕事ができるようにしたいと思っています。AIならできると何十年も言われていたことなのにソリューションはほとんどありません。技術者でなくコードを書けない人々のためのものはなおさらです」という。

こうしたことから、Levity全体としてのミッションは技術者でないナレッジワーカーがこれまで自動化できなかったことを自動化できるようにすることだとケイル氏は語る。特に同社がターゲットとしているのは、画像やテキスト、PDFやその他のドキュメントなど、構造化されていないデータに関して判断することにかかわる仕事のプロセスだ。

ケイル氏はこう説明する。「たとえば会社に取引先や顧客からファイルが添付された膨大な数のメールが毎日届くとしたら、通常は誰かが添付ファイルをダウンロードし、それを見て、どうすればいいかを判断しなくてはなりません。Levityを使えば、これまでに蓄積されたすべてのデータからその会社に合わせてAIをトレーニングし、学習させた後はDropboxやGmail、Slackなど既存のツールやワークフローとシームレスに統合できます」。

同氏は広い意味で、「大量生産されたAI」に困っている多くの企業は「独自のAIソリューションを構築してプロセスに組み込むことのできる」エンド・ツー・エンドのプラットフォームがあれば恩恵を受けられるはずだと語る。

ケイル氏は、Levityの最大の競合は手作業で仕事をする人たちだというが、オートメーションの機械学習ツール、ワークフローオートメーション機能、ラベリングツールと競合することも認めている。

「我々は機械学習のバリューチェーンの1つひとつの分野を追求して大企業の開発者やデータサイエンティストを楽にするのではなく、最も重要な部分だけに集中してシンプルで楽しいUXにまとめ、そのほかの部分は省いています。これにより、これまで自動化できなかったプロセスをわかりやすい方法で自動化したい中小企業の非開発者にとって最適な製品になっています。自動化の問題を抱えている人が、自動化の問題を解決する人になります。これはWixやSquarespaceがウェブサイトにもたらしたのと同様のパラダイムシフトです」とケイル氏は語る。

Angular Venturesのゼネラルパートナーで創業者のギル・ディブナー氏は発表の中で「Levityはすべてのナレッジワーカーに影響を与える大きなシフトを起こしています。ナレッジワーカーが簡単にAIエンジンをトレーニングし、AIを利用したオートメーションを構築し、日常のワークフローにオートメーションを統合できるようにすることで、LevityはAIの恩恵を徹底的に民主化します」と述べた。

AngularのほかSystem.One、SumUp創業チームのDiscovery Ventures、Pipedrive創業者のMartin Henk(マーティン・ヘンク)氏、さらに匿名のエンジェル投資家もLevityを支援している。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Levityノーコード資金調達

画像クレジット:Levity

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(文:Steve O’Hear、翻訳:Kaori Koyama)

スプレッドシートからノーコードでアプリを作れるようにするStackerが約1.8億円を調達

開発者でない人がスプレッドシートからソフトウェアを作れるようにするStackerが、シードラウンドで170万ドル(約1億8000万円)を調達したと発表した。

StackerはTechCrunchが2020年にずっと追いかけてきたノーコード、ローコードの成長市場に属する企業だ。しかしノーコードに対する同社のアプローチも新たな資金の調達も、検討に値する。

StackerのCEOであるMichael Skelly(マイケル・スケリー)氏は、Stackerのアイデアを資産運用の会社にいたときに思いついたという。その会社で同氏はSalesforceのプラットフォームを利用して社内アプリを構築していた。やがて支援サービスなしではプロセスが困難になり、チームがエンジニアリングを必要とするときに、それが動作のちょっとした変更であっても開発者が対応してくれるまで長く待たされることに気づいた。

Salesforceのプラットフォームでツールを作っていた経験を振り返って、スケリー氏は企業内の技術者でないエンドユーザーがオリジナルのアプリを作るのに役立つものを開発することにした。何が必要かを一番よく知っているのはエンドユーザーだからだ。

この考え方は、ノーコードの分野に関わったことのある人にはすでにおなじみだろう。技術系でないチームがオリジナルのアプリを作れるようにするのは、当たり前の取り組みといえる。しかしStackerは、スプレッドシートにデータを入力する方法は知っていて、ゼロからアプリを作りたいわけではない人々を対象にしようとしている。

Googleスプレッドシートや人気のAirtableのユーザーは、Stackerを使ってスプレッドシートからアプリを作ることができる。スケリー氏は、スプレッドシートをある種のソフトウェアを作るために使っている人は多いと見ている。同氏の考えでは、スプレッドシートは開発者でない人がオリジナルのソリューションを作るためのとりあえずの解決方法だ。そこでスプレッドシートを本物のアプリにしてエンドユーザーが手を加えられるようにすれば、技術系でないチームが自分たちで解決できる。

Stackerの手法は、ユーザーがゼロからのスタートで何もない画面にボタンを追加することから始めなくてはならないという問題も解決する。このサービスでは、ユーザーが選択したGoogleスプレッドシートまたはAirtableからアプリを作り始めることができるからだ。

ユースケースとしては少ないように思えるかもしれないが、そんなことはない。スケリー氏はTechCrunchのインタビューで、開発者でない人が大規模なプロジェクトを構築できるようにしようとしているのではなく、気の利いた社内アプリを作れるようにすることを目指していると明言した。こうした市場があることは明らかで、Stackerにはすでに500社の顧客がいる。TechCrunchでは2020年8月、同社がY Combinatorのデモデイに参加したときに同社の顧客数が250社とお伝えした。現在では、同社は年間経常収益が100万ドル(約1億400万円)に達したと説明している。この3つの数字から、同社の成長率を推測することができる。

Initialized Capitalが今回のラウンドを主導し、Y Combinator、Pioneer Fund、Makerpadが参加した。資金調達は2020年9月に完了していたが、年末年始を避けるために米国時間1月26日に発表された。シードラウンドはたいていこれぐらいのタイムラグがあるが、Stackerも結果的にそうなった。

分散して働く12人から成るStackerのチームは、これからどうするのだろうか。スケリー氏はTechCrunchに対し、Stackerは単なるポータルやシンプルな用途だけでなく、日常的に使われるアプリの作成にも利用されていると述べた。そこで同社はこうした用途をさらに強化し、SaaSアプリのように多くのデータソースをリンクして、リッチなアプリのユースケースに対応できるように投資をしていく意向だ。

最後になるが、Stackerは誰に向けて販売されているのか。顧客の大半は中小企業だと同社は説明している。大企業の社内には開発リソースがあるのだから、これは当然だ。しかしStackerは誰に向けて販売されるのだろうか。インタビューの最後でTechCrunchは冗談まじりに、早期にAirtableにイグジットしないようにと言った。スケリー氏は、5年後には自分の会社がAirtableを買収するとあちこちで話しているそうだ。これはいい答えだ。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Stacker資金調達ノーコード

画像クレジット: Markus Spiske / Unsplash(画像は調整しています)

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(翻訳:Kaori Koyama)

ノーコードのE2Eテスト自動化プラットフォーム「Autify」がモバイルアプリ対応版を提供

ノーコードのE2Eテスト自動化プラットフォーム「Autify」がモバイルアプリ対応版を4月から提供AIを用いたソフトウェアテスト自動化プラットフォーム「Autify」(オーティファイ)を提供するオーティファイは、検証端末がなくてもネイティブアプリのE2E(End to End)テストが自動で行える「Autify for Mobile」(β版)を4月から提供開始すると発表した。従来のAutify同様、プログラミングの知識がなくても、誰にでも簡単にテストシナリオを作成・実行できる「ノーコード」による自動化が可能。

また同社は、Autify for Mobile(β版)のオンライン事前申し込みを開始した。事前登録を行なっている場合、優先的に案内する。「βテスト申し込み」から行える。

オーティファイは、2019年にTechCrunch Japanが主催した「TechCrunch Tokyo 2019」の「スタートアップバトル」のファイナリスト。2020年4月にはローンチ半年で導入企業累計100社を突破したことを発表しており、現在ではECサイトやBtoB SaaS、エンタメコンテンツの配信プラットフォームなど、ウェブサービスを提供している300社以上の企業が導入済みという。

ノーコードのE2Eテスト自動化プラットフォーム「Autify」がモバイルアプリ対応版を4月から提供

代表取締役の近澤良氏がまず強調したのは、ソフトウェアテスト自動化は、企業におけるIT予算の1/3を占める超巨大マーケットであり、グローバルな市場規模が130兆円にもなるという点だ。

しかし、75%の企業が人手にソフトウェアテストを行っているのが現状だという。近澤氏は、その一方で、市場の変化に対応するというビジネス上の要請から7割以上のアジャイル開発チームが週1回以上のリリースを希望しており、リリースのたびにテスト量が増加していることから人手による検証は限界を迎えていると指摘。企業はリリースサイクルを遅くするか、障害発生のリスクを許容するか選択を迫られているとした。

そのため、ソフトウェアテストの自動化が必要とされているものの、「自動化を行う人手の不足」、「高いメンテナンスコスト」という課題があるという。近澤氏によると、自動化のためのコードを書くエンジニアがそもそも不足している上に、毎週など頻繁なリリースに追随できる自動テストのメンテナンスに関する負荷が高く、諦めてしまう企業が多いそうだ。

そこでAutifyでは、「ノーコード」「AIによるメンテナンス」というソリューションでこれら課題を解決するとした。

検証用のモバイル端末を用意する必要ナシ

Autifyは、開発したソフトウェアが期待通りに動くかどうかの検証作業をウェブブラウザー上で自動で行えるSaaS。プログラムコードを書く必要がなく、誰でも自動化のための設定や実行、運用までを行える。従来、手動で行ってきたE2Eテストの自動化により「大幅な時間短縮とメンテナンスコストの削減が実現できた」と評価されているそうだ。

今回同社が発表したAutify for Mobile(β版)は、Autifyのモバイルネイティブアプリ対応版。検証用のモバイル端末を用意する必要はなく、パソコン(Windows/Mac)のブラウザー上で、複数端末での動作検証が自動で行える。「モバイルネイティブアプリ対応版がほしい」という要望がかねてより寄せられていたことから、開発を進めている。β版の段階では、シミュレーターでの実行をサポートするものの、将来的にはOSバージョンなどを指定した上での実行も可能としたいという。

リモートワークがスタンダードになる中、「検証端末をいくつも用意するのが困難」「メンバー間で端末を郵送し合うなど手間がかかる」「検証端末の管理コストが高い」といった課題も解決するとした。

プログラミングの知識がなくても、ノーコードで自動化できる

従来、テスト自動化のためにはプログラミングの知識や自動化のスキルが必要だったが、Autifyではプログラミングの知識がなくても、誰にでも簡単にテストシナリオを作成・実行可能。QA(Quality Assurance)担当者が、テスト自動化の設定やメンテナンスを行えることで、より高い品質を保てるようになる。また、エンジニアは開発に集中できるため、リリースサイクルの高速化も期待できる。

ノーコードのE2Eテスト自動化プラットフォーム「Autify」がモバイルアプリ対応版を4月から提供

またエンジニア向けに、作成した自動化設定の一部をJavaScriptでカスタム化する機能も用意しているという。

任意のタイミングで定期テストを自動実行

Autifyにアップロードしたアプリ(ビルドファイル)を起動・操作し、記録した内容を保存するだけでテストシナリオが完成。「毎週土曜日の23時に実行」など任意のタイミングを設定すると定期テストが自動実行される。

ノーコードのE2Eテスト自動化プラットフォーム「Autify」がモバイルアプリ対応版を4月から提供

また、保存したテストシナリオを複製、一部を変更するだけで他のウェブサービスのテストにも活用可能。複数サービスを展開している企業からは「他部署の開発チームでも活用できて助かった」などの声もあるという。

アップデートによる差異をAIが検出し自動修復

従来は、アプリのUI変更や新機能の追加があった際は、テストのシナリオを手動で修正するのが一般的だったが、Autifyならその必要はない。

AutifyではAIがソースコードやUIの変化を検出し、シナリオの修正も自動で行う。シナリオを書き直したり、壊れたテストスクリプトを直す作業が発生しないため、メンテナンスの負担を軽減できる。

「テストの辛みを一気に解決したい」

近澤氏によると、エンジニアであれば「テストが辛い」「テストの市場が大きい」という点は肌感覚で分かる一方で、開発に関する知識がない方には限定的な市場しかない、ポテンシャルが限られていると見られがちだという。しかし、実はグローバルで同じ課題を抱えており、ビジネス上のポテンシャルも無限大だと指摘。

ソフトウェア企業やSaaSの数は増え続けており、アジャイル開発かつ週次レベルで改善し続けないと顧客が離れてしまう可能性は十分ある。ウォーターフォールで、1ヵ月後や半年後に新機能をリリースというスタイルではビジネスの継続は難しいと捉えている企業は多く、テスト自動化の需要はますます増えていくと考えているという。

近澤氏は、「Autify、Autify for Mobileでテストの辛みを一気に解決したい」としていた。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:アジャイル開発(用語)オーティファイ(企業)Autify for Mobileテスト自動化ノーコード(用語)日本(国・地域)

ノーコードでAirtableを利用したウェブサイト・アプリの作成を簡単にするSoftrが2.3億円調達

ノーコード、これまでコーディングスキルを必要としていたタスクを実行するためのソフトウェアは、その基本的な前提が約束されていたにもかかわらず、長年にわたって完全に実現されていないが、ますますホットな分野となっている。それと関連しているのが、Airtableのような企業だ。Softrは、リレーショナルデータベースの構築とそれらへの質問を、スプレッドシートを作成するときのように簡単なものにしようとしている。ベルリンのスタートアップSoftrが、ノーコードのコンセプトをさらに推し進めて、コードを書く必要なくAirtable上にウェブサイトを容易に構築できるようにしたい、と考えている。

最近Product Huntでソフトローンチしたこの若い企業は、米国時間1月20日、220万ドル(約2億3000万円)のシード資金調達を公表した。Softrはそれまでは、2人の米国人創業者であるCEOのMariam Hakobyan(マリアム・ハコビアン)氏とCTOのArtur Mkrtchyan(アルトゥール・ムクルチャン)氏の自己資金だけで運営されていた。シードラウンドをリードしたのはAtlantic Labsで、これにTiny.VCのPhilipp Moehring(フィリップ・メーリング)氏と、GitHubやSumUp、Zeitgold、EyeEm、Rowsなどの創業者たちが参加した。

2019年にスタートしたSoftrは、誰もがAirtableに収めたデータをベースにウェブサイトやウェブアプリケーションを作ることができるノーコードプラットフォームを開発した。データベースを扱うときの退屈な単純労働をAirtableに任せることを狙っており、Softrはかなり柔軟性はあるがテンプレートを提供する。

Softrのハコビアン氏の説明によると、マーケティングやeコマース、求職・求人、マーケットプレイスなど一般的なウェブサイトやウェブアプリケーションのためのテンプレートがあり、それらを利用するとユーザー認証や、鍵つきのコンテンツ、決済、賛成投票(upvote)、コメントなどの機能があるアプリケーションを作成できる。

「Softrは学習曲線のないツールなので、技術の知識や経験がなくても利用できます。技術的な部分はすべて抽象化し、ユーザーが技術よりもプロダクトの構築とコンテンツに集中できるようにしています。Softrは、Airtableをデータベースとして使うため、簡単にリレーショナルデータベースの作成と共有することができます。SQLやスクリプティングを勉強しなくて大丈夫です。Airtableは、ここ数年盛り上がっており、個人だけでなくFortune 500社も利用しています」と彼女は説明する。

画像クレジット:Softr

ハコビアン氏によると、Softrのポイントは「組み立て済みのビルディングブロック」(リスト、ユーザーアカウント、支払いなど)のコンセプトとビジネスロジックを使って、ウェブサイト作成者の代わりに面倒な作業のほとんどを処理するところだ。「ブロックとテンプレートを使えば、作業の70%すでに終わっています」と彼女は説明する。

しかもSoftrは、StripeやPayPal、Mailchimp、Zapier、Integromat、Hotjar、Google Analytics、HubSpot、Driftといった人気サービスに接続できる。

Softrは現在、数千社の製造業企業やスタートアップが利用している。顧客がSoftrで作成したアプリケーションの例として、会員制の外国語学習、ベビーシッターを予約できるマーケットプレイスプレース、認証が必要な(最初にユーザー登録を要する)コンテンツコミュニティ、オンラインの学習コースなどがある。

シード資金を獲得したSoftrは、中小企業の非技術部門に顧客基盤を拡大し、従業員名簿、製品在庫、不動産リストなどの社内ツールの構築を支援し、手作業のプロセスを自動化する計画だ。

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タグ:SoftrAirtableノーコード資金調達

画像クレジット:Softr

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

APIをプロダクト化する「ノーコード」企業Blobrがプレシードで1.5億円を調達

パリを拠点とするスタートアップのBlobr(ブルーバー)が、プレシード資金として120万ユーロ(約1億5000万円)を調達した。同社が提供する技術は、企業が自らの既存のAPIを、公開して収益化する作業をノーコードで簡単に行えるようにするというものだ。

このラウンドは、欧州全域でプレシードおよびシード投資を行うSeedcampが主導して、New Wave、Kima、その他のエンジェル投資家たちが参加している。BlobrはまたNew Waveから投資を受ける初めての会社でもある。New WaveはPia d’Iribarne(ピア・ディリバーン)氏とJean de la Rochebrochard(ジャン・ドゥ・ラ・ロシュブシャー)氏が共同で設立した欧州の新しいベンチャーキャピタルだ。同VCは、IliadのXavier Niel(ザビエル・ニール)氏、Benchmark のPeter Fenton(ピーター・フェントン)、元Appleの著名なTony Fadell(トニー・ファデル)氏を含む有名投資家たちから、投資可能資金として5600万ドル(約58億1000万円)を集めたことを発表している

Alexandre Airvault(アレクサンドル・エアボールト)CEOとAlexandre Mai(アレクサンドル・メイ)CTOによって設立されたBlobrは、APIの「ビジネス・プロダクトレイヤー」の標準になることを目指している。基本的なアイデアは、プロダクトやビジネスの担当者たちが、技術的な知識なしに、そして社内のエンジニアリングリソースも増やすことなく、企業の持つアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を管理し、収益化できるようにするというものだ。Blobrは、それを実現することで、データや機能の商用利用がより多くのサードパーティから可能になり、その上にアプリケーションが構築されることで、APIのより多くの革新的利用が増えることになると考えている。

「私たちは、企業はAPIを単なるパイプだと考えるのを止めて、その力を解き放つためにプロダクトとしての構築を始めるべきだと考えています」とエアボールト氏は述べている。「つまりAPIは、単に技術指向であるだけではなくユーザー指向のマインドセットで、価格設定、カスタマイズ、管理が行われるべきだということ意味しています」。

これを実現するためにBlobrは、プロダクトやビジネスのオーナーたちが技術者への依存度を下げながら、「データ共有を収益性の高いモデルにする」ことができるように設計されている。「このアプローチこそが、データ交換を次のレベルに押し上げるものだと信じていいるのです」と彼は説明する。

Blobrのノーコード技術は、すでにかなり多くの機能を提供している。既存の内部APIから、機密情報やGDPR関連のデータをフィルタリングすることができる。また、顧客のセグメンテーションに応じて異なるAPI出力を提供することも可能なので、必要なデータのみを公開することができる。そしてAPIの利用は、利用に基くビジネスモデルと連携させたり、Stripe(ストライプ)の1カ月単位のサブスクリプションプランと連携させたりすることが可能だ。

エアボールト氏によれば、主な競合には、Google(グーグル)、IBM(アイビーエム)、Axway(アクスウェイ)、Microsoft(マイクロソフト)の提供するAPI管理ソリューションがあるという。「そうしたプラットフォームは内部API用に作られていますが、APIをプロダクトとして管理するためには考えられていませんし、最適化もされていません。またそれらは技術者のために作られたものですが、ノーコードソリューションのBlobrは、プロダクトならびにビジネスパーソンが技術者の手を借りなくても良いように、ゼロから作られたものなのです」と彼は付け加えた。

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タグ:BlobrノーコードAPI資金調達

画像クレジット:Blobr

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(翻訳:sako)

「ノーコード」チャットボットビルダーのLandbotがシリーズAで約8.3億円調達

「ノーコード」チャットボットビルダーを提供するバルセロナのLandbotが、スペイン・イスラエル系VCファームのSwanlaabが主導するシリーズAで800万ドル(約8億3000万円)を調達した。イノベーションを対象とするスペインの公的機関であるCDTIからも支援を受けた。以前に投資していたNauta Capital、Encomenda、Bankinterもこのラウンドに参加した。

Landbotは2018年にシードラウンドで220万ドル(約2億3000万円)を調達し、顧客数が900社を超えた。そのときにTechCrunchは同社に話を聞いている。それ以降、有料で利用している顧客が2200社、同社のツールを使っている人数は5万人となった(無料と有料のアカウントの合計)。

シードラウンド以降に経常収益も10倍になり、新たな資金を得てさらに成長が続くと期待されている。

Landbotによれば、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により会話型ランディングページの需要は急増したという。あらゆる業種の企業がインハウスのIT部門に多額の投資をせずに、増加しているデジタルの来訪者とのコミュニケーションを自動化しようとしているためだ。

中小企業から大企業内のチームや製品まで、さまざまな企業がLandbotを利用している。Landbotの顧客にはNestlé、MediaMarkt、CocaCola、Cepsa、PcComponentes、Prudentialなどが名を連ねる。

LandbotのCEOで共同創業者のJiaqi Pan(ヒアキ・パン)氏はTechCrunchに対し「eコマース、金融サービス、マーケティング代理店などの業界から強力な引きがあります。eコマースは新型コロナウイルス感染拡大以降、我々にとって最も成長が大きく、この業界の顧客は2倍になりました」と語る。

今回調達した資金でセールス、マーケティング、エンジニアリングの人材を雇用して、社員数を2倍にする計画だ(現在の社員数は40名)。

Landbotは2017年にチャットボットビルダーの「ノーコード」版をリリースした。本社は以前、バレンシアにあったが、人材確保のためにバルセロナに移転した。

Landbotの登場以降、急成長している「ノーコード / ローコード」の動きは本格的なトレンドになっている。これは生産性を上げ見込み客を増やすデジタルサービスが求められ、インハウスの技術者が構築できる分量を超えてしまっていることによる。

このような背景で、技術系ではないスタッフが技術的な機能をカスタマイズできるサービス構築ツールが台頭している。

新型コロナウイルス感染拡大がこうした傾向に拍車をかけ、Landbotのような抵抗の少ないツールは明らかに恩恵を受けている。

サンフランシスコを拠点とするManyChatなどの会話型チャットボットビルダーの競合企業と同様に、Landbotもウェブのフォームをもっとエンゲージメントの高いチャットインターフェイスに置き換えようとしている顧客からの引き合いがあると述べている。この点は興味深い。

Landbotのチャットボットビルダーはドラッグ&ドロップで操作でき、Landbotのいう「GIFやビジュアル要素が多くエンドユーザーの注目を集めるような、没入できるウェブページエクスペリエンス」をインフォメーションワーカーが作成できるようにするものだ。古くて退屈な動きのないフォームを、スマートフォンユーザーにはWhatsAppなどのメッセージングアプリでおなじみのエクスペリエンスに置き換えられるとなれば、中小企業にとって魅力があることはおわかりいただけるだろう。

パン氏は「ノーコード分野の主な競合についていうと、チャットボットの直接的な競合としてManyChatと重なる部分があります。一方、フォームを置き換えるために我々のプロダクトを利用している顧客が多数いるので、Typeformなどのフォームビルダーとも競合しています」と語る。Typeformもバルセロナを拠点とするスタートアップで、Landbotと同様に「会話型」で「インタラクティブ」にデータを収集するプラットフォームを謳っている。

Landbotは最近、インドを拠点とするチャットベースのマーケティングオートメーションツールのMorph.AIを買収した。Morph.AIはソーシャル、ウェブサイト、広告のトラフィックを見込み客に変換するツールだ。アジア市場でのプレゼンス拡大という狙いもある。

これまでのところLandbotの顧客の90%はスペイン以外で、60%を米国、英国、ドイツが占めている。

シリーズAの発表の中でSwanlaabのゼネラルパートナーであるJuan Revuelta(ホワン・レべルタ)氏は次のようにコメントしている。「Landbotの利点はドラッグ&ドロップのソリューションです。このプロダクトをさまざまな企業の誰もが使えるようにするにはシンプルさが不可欠です。中小企業にはカスタマーサービスの問題を解決したり豪華なマーケティングキャンペーンを実施するために贅沢に使える時間や資金はありません。Landbotはあらゆる企業が抵抗なく顧客と会話し必要なデータをやりとりして、スマートな決定を下し成長できるようにします。Landbotは2020年に素晴らしい成果を上げました。我々は、2021年にはさらに多くの企業に役立ててもらうためにこのチームを支援できることを楽しみにしています」。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Landbot資金調達ノーコードスペインチャットボット

画像クレジット:Landbot

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(翻訳:Kaori Koyama)

個人ECのノーコードによるアプリ化サービス提供のAppify Technologiesが2億円を調達

個人ECのノーコードによるアプリ化サービス提供のAppify Technologiesが2億円を調達

個人ECをノーコードでアプリ化できる「Appify」(アッピファイ)提供のAppify Technologiesは10月12日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として、J-KISS型新株予約権方式により総額約2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はEast Ventures、グリーベンチャーズ、エンジェル投資家。

今回調達した資金をもとに、海外も含めたAppifyのさらなるプラットフォーム連携拡大・開発およびエンジニアを中心とした人材の採用を進めるとしている。

Appify Technologiesは、月額1万円未満のサブスクリプション型でアプリをノーコードで作成できるAppifyを提供しているスタートアップ企業。コロナ禍で需要が拡大するBASEや日本での導入が加速しているShopify、サブスクリプション型モデルで支援を募ることができるCAMPFIRE Communityといったプラットフォームと連携し、様々なネイティブアプリの作成が可能という。

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OktaがIDを使用して販売およびマーケティングタスクを自動生成する新ノーコードワークフローを提供

どうやらノーコードが今年のテック界の合言葉のようだ。これは、ドラッグ&ドロップすることで通常なら開発者がコーディングする必要があるものを作成し、開発者の役割を置き換えられる能力を意味している。ノーコードにより、技術的な背景がほとんどないビジネスユーザーでも開発タスクに参加できるようになる。そんな中、米国時間10月7日、Okta(オクタ)が、IDを使用して顧客中心のワークフローを起動する、新しいノーコードワークフローを発表した。

Oktaの共同創業者でCEOのTodd McKinnon(トッド・マッキノン)氏は「販売およびマーケティングツールを含むワークフローに、IDを簡単に接続できるようにするための一連のコネクタを開発した」と語る。これは、4月のOktane顧客会議で紹介されたIDライフサイクルワークフローに続くものだ。

「このリリースで私たちは、顧客IDワークフローを導入します。これはSalesforce(セールスフォース)やMarketo(マルケト)などの、顧客IDを扱いたいすべての顧客中心アプリケーション用コネクターに焦点を当てたものです。そして時間が経つにつれて、企業が使用したいと思うあらゆる種類のシナリオをカバーする、ますます多くの分野に、これが展開されていくことは、ご想像いただけるでしょう」とマッキノン氏はTechCrunchに語った。

マッキノン氏は、昨年同社がPlatform Services(プラットフォーム・サービス)を導入したことを述べた、このサービスは同社のプラットフォームから様々な部分を取り出し、個別のサービスとして利用できるようにしたものだ。これにより、大企業の顧客は必要に応じてそれを利用することができる。同氏は「今回の発表はそのアイデアを拡張したもの」だ説明するが、例えば、OktaサービスをSalesforceに接続するには、技術者を使って複雑なコードを書く代わりに、ユーザーは単純にSalesforceコネクターをワークフロー内にドラッグすればいい。

マッキノン氏は、アーリーアダプターのMLB(メジャーリーグ)を例に挙げて説明している。ユーザーがMLBアプリをダウンロードし、アカウントを作成(サインアップ)してサインインしたとしよう。もしその時点でMLBのマーケティング担当者が、Okta外のアプリケーションに接続したいと考えた場合、これまではプログラミングの助けを借りてそれを実現する必要があった。

しかし、新しいワークフローツールを使用すると、マーケティング担当者はそのログインが不正か否かをチェックし、ログインした人物の情報をSalesforceに自動的に送信して顧客レコードを作成し、Marketoでウェルカムメールを送信するように指示するワークフローを設定できる。そして一連のこの仕事は、顧客がサインアップすることで自動的に実行できるのだ。

画像クレジット:Okta

この機能は、昨年、OktaがAzuqua(アズカ)を5250万ドル(約55億6000万円)で買収した(未訳記事)ことによって可能になった。COOで共同創業者のFrederic Kerrest(フレデリック・ケレスト)氏は、買収時にブログ投稿に以下のように書いた(Oktaブログ)。

OktaとAzuquaを使用することで、ITチームは事前に用意されたコネクタとロジックを使用して、合理化されたIDプロセスを構成し、運用速度を向上させることができます。また、企業の製品チームは、Oktaのコア認証およびユーザー管理テクノロジーとともに、このテクノロジーを自社のアプリケーションに組み込んで、統合されたカスタマーエクスペリエンスを開発できるようになるでしょう。

そして、それこそがまさに、同社が今回新しく提供を始めたアプローチなのだ。現在のところ、同機能はアーリーアダプタープログラムとして利用できるが、Oktaが諸問題を解決するにつれて、このビジョンの拡大に伴い機能が拡張され、他のエンタープライズワークフローコネクタも追加されるだろう。このことはOkta自身に、純粋なID管理企業の枠組みを超え、組織の他の部分と接続する手段を与えることになるだろう。

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(翻訳:sako)

AirtableのCEOは会社の評価額が急上昇してもエグジットに興味がない

パンデミックの真っ只中だが、ローコードのスタートアップであるAirtableにとっては、実に素晴らしい年となった。つい先日、同社は25億8500万ドル(約2730億8000万円)という驚異的な評価額で1億8500万ドル(約195億4000万円)を調達したことを発表した。また、同時に純粋なノーコードの領域からローコード領域へと入り込むための新しい機能を発表した。これによってユーザーは、同社の製品を製品を新しいやり方で拡張できるようになる。

AirtableのCEOで共同創業者であるHowie Liu(ハウ・リュー)氏は、米国時間9月14日開催のTechCrunch Disruptにゲストとして登壇し、インタビューを受けた。

リュー氏は、同社を2013年に立ち上げて以降、ソフトウェア開発を大衆化するというその当初からのビジョンは、しっかりそのままだと語った。「世界中のより多くの人びとが、単なるソフトウェア利用者に止まることなく、ソフトウェア開発者になるべきだと信じています。そして、私たちがこの会社で取り組んできたほとんどすべての時間が、その最終目標に向けての進路を進むために使われてきました」と彼はいう。

しかし、最近何かが変わったようだ。リュー氏は、当初のビジョンが可能にしていたものよりも、より多くのものを必要とする人たちがいることに気がついたのだ。

「つまり、本日資金調達と同時に発表された私たちの最大の変化はノーコード製品、つまりコードを使う必要はないけれど製品をコードを使って拡張することもできない純粋なノーコードソリューションから、ローコードソリューションへと移行するということなのです。それ以外にも多くの拡張機能が提供されます。例えばオートメーションを使えば、技術的な知識がなくても、Airtableの中にロジックを組み込むことができるのです」と彼はいう。

さらに、同社は20万人の顧客を抱え、ユーザー自身が開発したアプリケーションを共有できるマーケットプレイスを開設した。パンデミックが定常化するにつれて、リュー氏は目に入る取引の種類に変化が見られたと語る。これは、かつて彼の会社の主要な収入源だった中小企業たちが、新型コロナウイルス感染症の結果として、より大きな経済的苦痛を被っていることが一因だ。

しかし、彼は大企業顧客がこの空白を埋めるのを見ることとなった。よって新しい拡張機能が、純粋なノーコードソリューションが提供するよりも多少労力を顧客に要求するとしても、こうした利益性の高い顧客たちがそれらを受け入れてくれると考えることは、決して無謀な考えではないだろう。

「私たちのビジネスのエンタープライズサイドでは、例えば今夏は、2019年夏の期間と比べて、企業取引の成約速度が5倍になりました。また恐ろしく熱心な企業との間に、数十万ドル(数千万円)規模の数十件の取引や、数百万ドル(数億円)規模の複数の取引、そして何千件もの新しい有料契約が締結されています」と彼はいう。

この大成功やビジネスの上昇傾向と高い評価額にも関わらず、リュー氏はIPOについて話したいそぶりはみせなかった。彼の見解では、それはまだまだ先のことである。大きく勢いに乗った創業7年目の会社であるにも関わらず、彼は単にそれについては考えていないという。

また彼は、買収されることにもまったく興味がないし、投資家たちもエグジットに向けたいかなる圧力もかけてきていないという。

「私たちが描く長期的な目標とアプローチにコミットし、足並みを揃えてくれる投資家を見つけることこそが、実際の評価額やラウンドのテクニカルな側面よりも、いつでもはるかに大切なことなのです」と彼はいう。

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画像クレジット:Dani Padgett / StrictlyVC

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(翻訳:sako)

Airtableが195億円を調達、新しいローコードおよび自動化機能も発表

スプレッドシートを中心にしたデータベースとノーコードプラットフォームのAirtable(エアテーブル)は、米国時間9月14日、1億8500万ドル(約195億4000万円)のシリーズDの資金調達を行った。この結果、調達後の評価額は25億8500万ドル(約2730億8000万円)となった。

Thrive Capitalがこのラウンドを主導し、既存の投資家であるBenchmark、Coatue、Caffeinated Capital、CRV、さらに新しい投資家D1 Capitalから追加の資金提供を受けた。これにより、現在20万社がそのサービスを利用していると主張するAirtableは、総額約3億5000万ドル(約369億7000万円)を調達したことになる。現在の顧客に含まれる企業としては、Netflix、HBO、CondéNast Entertainment、TIME、ロサンゼルス市、MITメディアラボ、IBMなどが挙げられる。

さらにAirtableは同時に、最大の機能アップデートもローンチする。これは、現在のノーコード機能を超えて、より多くのローコード機能を、新しい自動化機能(AirtableのためのIFTTTを想像して欲しい)やそのサービスのためのデータ管理ツールとともに、同社の全体的なプラットフォームビジョンの上にもたらす。

Airtableの創業者でCEOのHowie Liu (ハウ・リュー)氏が私に語ったように、2018年にシリーズCラウンド(未訳記事)調達を行って以来、多くの投資家たちが同社にアプローチしてきた。その理由の一部はもちろん、市場がローコード/ノーコード市場の将来的な可能性をはっきりと認識したからだ。

「このスペースは実在し、しかもその規模が極めて大きいという市場の認識が高まっているのだと思います」と彼は私に語った。「私たちは今回の資金を本当に必要としていたわけではありませんが、調達によってプラットフォーム、ビジョンを拡大するための積極的な投資を続けることが可能になりました。それこそ『新型コロナ?どうなるんだろうね?』と心配することなく、積極的に推進できるのです。不確実性はたくさんありますよね?そして、現在でも、来年の見通しについては依然として多くの不確実性があると思っています」。

同社は、カリフォルニアで最初の在宅命令が発令されてから数カ月後に、今回のラウンドを開始した。そしてほとんどの投資家にとって、これは純粋にデジタルなプロセスだった。

リュー氏は、この会社を長期に渡って育てていきたいという気持ちを常に表明していた。特に彼の最後の会社をアーリーステージの段階でSalesforce(セールスフォース)に売却した以降は、ずっとそうだった。それはおそらく、Airtableがより多額の資金を調達し続けていたにも関わらず、彼が創業者として会社に対する自分の持分を高く維持しようとしていることを意味しているのだろう。しかし、法的および構造的な管理よりも、投資家との調整が最も重要であると彼は主張する。

「私の見るところ、より重要なことは投資家たちとの間で、哲学の調整と期待の調整を行うことだと思っています」と彼はいう。「なにしろ私は、会社の将来についての法的権利または構造的な議論が押し寄せてくるような立場にはなりたくないのです。私にとってそれは、物事が行き詰まってどうにもならなくなった段階のようなものに感じられるのです。むしろ私は、テーブルを囲むすべての投資家たちに、法的発言の有無に関わらず、このビジネスで私たちが成し遂げようとすることに対して完全に一致してもらえるような、立場にいたいと思っています」。

新しい資金調達と同様に重要なのは、同社が同時にローンチするさまざまな新機能だ。これらのうち最も重要なのはAirtable Apps(エアテーブル・アプリ)だろう。これまでAirtableユーザーは、事前に準備されたブロックを使用して、地図、ガントチャート、その他の機能をテーブルに追加することができていた。もちろんノーコードサービスだったことは、間違いなくAirtableをユーザーたちが最初に使い始める役には立ったが、どうしても事前に構築された機能だけでは不十分な場合に突き当たってしまい、ユーザーがさらなるカスタムツール(リュー氏はこれをエスケープバルブと呼んでいる)を必要とする場面があった。だがAirtable Appsを使用することで、より洗練されたユーザーはJavaScript(ジャバスクリプト)で追加の機能を開発できるようになる。そして、もしそうすることを選んだ場合には、新しいAirtable Marketplace(エアテーブル・マーケットプレイス)の上で、他のユーザーとそれらの新機能を共有することもできる。

画像クレジット:Airtable

「エスケープバルブが必要な場合と不要な場合がありますが、そうしたエスケープバルブなしでも、これまでAirtableを使用する20万の組織を獲得することができました」と彼はいう。「しかし、Airtable自身で99%の用途で足りるものの、最後の1%で採用、不採用が決まるような場合には、さらに多くのユースケースを切り拓くことができると考えているのです。きっと役立ちます。そして、フルスタックアプリケーションをカスタムビルドアプリケーションとして構築するのではなく、そのエスケープバルブを使って必要なユースケースをAirtable上に1%の労力で作ることができるという点が、大きな違いなのです」。

画像クレジット:Airtable

その他の主要な新機能はAirtable Automations(エアテーブル・オートメーション)だ。これを使うことで、カスタム自動ワークフローを構築してレポートを生成したり、その他の反復的なステップを実行したりすることができる。その多くは、サービスのグラフィカルインターフェイスを介して行うことも、JavaScriptを使用して独自のカスタムフローやインテグレーションを行うこともできる。現時点でにおいてこの機能は無料で利用できるが、頻繁に実行されるようになると、これらの自動化フローのコストが問題になる可能性があることを考慮して、チームは将来的にこの機能に対して課金する方法を検討している。

最後の新機能はAirtable Sync(エアテーブル・シンク)だ。この機能を使うことで、チームは組織全体でより簡単にデータを共有できると同時に、誰が何にアクセスできるかを制御することができる。「目標は、Airtableでソフトウェアを構築した人たちが、そのソフトウェアを相互接続できるようにして、テーブルの異なるインスタンス間で、元となるテーブルの情報を共有できるようにすることです」とリュー氏は説明した。

画像クレジット:Airtable

Google CloudがAPI管理とノーコードを駆使したビジネスアプリプラットフォームを公開

一部の競合とは異なり、Google Cloudは最近、さまざまなサービスを幅広くそろえ、サービスを組み合わせてビジネスによくある問題を解決できると強調するようになっている。Google(グーグル)は個々のサービスを販売するのではなく、ソリューションやビジネスアプリケーションプラットフォームと呼ぶ最新の取り組みに力を入れている。このビジネスアプリケーションプラットフォームは、ApigeeのAPI管理機能と、グーグルが2020年1月に買収したAppSheetのノーコードアプリケーション開発プラットフォームを組み合わせて利用するものだ。

こうした展開の一環として、グーグルは米国時間9月8日、ApigeeとAppSheetの新機能を多数公開した。そのひとつが、オープンソースのEnvoyプロジェクト上で構築された新しいAPI Gatewayのベータ版だ。これはグーグルのクラウドコンピューティングサービス全般、そしてCloud FunctionsやCloud Runといったサーバーレスのサービスで開発者が簡単にAPIのセキュリティを守り管理するためのフルマネージドサービスだ。新しいゲートウェイは当面はアルファ版ではあるが認証や鍵の検証、レート制限など、期待される標準的な機能はすべて用意されている。

ノーコードサービスのAppSheetに関しては、サービスのデータソースとしてApigeeのGA版を利用できるようになったため、サードパーティのアプリケーションからデータを簡単に取り込める。AppSheetはこれまでにMySQL、Salesforce、G Suiteなどの標準的なソースに対応していたが、今回の新機能でこれまでよりもずっと柔軟にサービスを使えるようになる。

扱うデータが増えれば複雑になる。そのためAppSheetは、AppSheet Automationの早期アクセスを公開し、サービス内のプロセスを自動化する新しいツールも利用できるようにした。AppSheet全体がそうだが、自動化についても開発者はコードを書く必要がなくなる。グーグルによれば、AppSheet Automationは「自然言語入力からコンテクストに応じた提案をする」ビジュアルなインターフェイスを提供する。

グーグルは発表の中で「我々はビジネスアプリケーションプラットフォームの新しいカテゴリーに自信を持っている。アプリケーションの作成や拡張、ワークフローの構築と自動化、アプリケーションの接続とモダナイズに必要な機能があり、テック系の開発者にとっても事業部門の開発者にとっても役に立つ」と記している。確かにAppSheetのノーコード環境とApigeeのパワーを組み合わせるのは、スマートな方法だと思われる。

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画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)