Uberドライバーは「従業員ではない」と米労働関係委員会が裁定

UberやLyftのギグエコノミー・ドライバーが、個人事業主なのか、福祉給付の対象となる従業員なのかという議論が続いている。最近、全国労働関係委員会(NLRB)は、2015~2016年期間のUberドライバーは個人事業主であると裁定した。Bloomberg Lawが最初に報じた

「ドライバーは自分の車、作業スケジュール、および作業場所に関する事実上完全な自由を有し、Uberの競合他社で働く自由があり、大きな起業機会も与えられている」と文書に書かれている。「任意の日の任意の空き時間に、UberXドライバーは自らの経済目標に最適な行動を選ぶことができる。アプリ経由で乗車リクエストに答えることも、競合するライドシェアリングサービスに従事することも、まったく異なる事業に挑戦することもできる。Uberが乗客の要求に答えるために利用しているサージプライシングなどの経済的インセンティブは、Uberの「無干渉」なアプローチを反映しているだけでなく、ドライバーの起業機会をいっそう促進するものである」。

これは、ギグエコノミー労働者は個人事業種であるので最低賃金や残業手当の対象ではないとする労働省の裁定とも一致している。

ただしこれは、UberやLyftを相手取った雇用区分に関する州レベルの訴訟が起こらないという意味ではない。これはNLRBが、Uberドライバーは労働組合結成に関して国による保護の対象ではないという立場を維持することを意味している。ドライバーは不当な労働慣行を国レベルで訴訟することも難しくなるだろう。

この裁定が発表されたのは、UberがNYSEで冴えないデビューを果たしてからわず数日後のことだった。IPOに先立ち、ドライバーは同社のサンフランシスコ本社の外に集まり、賃上げ、福祉、ポリシーの透明化、意見を述べる機会などを要求した。さらにドライバーらは同様の要求を掲げて世界中でストライキを実行した

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UberのIPO不調と米中貿易戦争でソフトバンクグループの株価も下落

Uberの最大の株主ソフトバンクグループは、このライドシェア企業の株式市場へのデビューに大きく期待していた。ところがこの日本のコングロマリットの株価は、IPOが期待外れに終わったUberと肩を並べるように下落した。ソフトバンクグループの株価は、UberがIPO価格をその下限に設定した先週末から落ち始めた。金曜日朝の取引開始時にソフトバンクグループの株価は1万1700円(約106.69ドル)から14.4%下げて1万20円(約91.37ドル)になった。

2018年の初めにUberの投資家になったソフトバンクグループは、その市場デビューによって30億ドルの利益得るはずだった。IPOの申請書類によると、ソフトバンクグループはUberの最大の株主で、IPO前の株式の16.3%をそのソフトバンク・ビジョン・ファンドにより保有していた。

2日目になっても株価の下落が続くので、UberのCEOを務めるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は社員に宛てたメモで、「どんな企業でも移行期には浮き沈みを経験する。ご存知のように当社の株式はIPO前に期待したほどには売買されなかった。今日も市場は厳しい1日となり、当社の株も同じ困難を経験するだろう」と述べている。

中国と米国の貿易戦争が継続的に激化し、先週米国が中国の品目の関税を上げたあと、今度は中国が米国からの輸入品の関税を上げようとしていることから、米国時間5月13日には主な市場指数のすべてが下落した

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画像クレジット: Tomohiro Ohsumi

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Uberが空港での待ち時間短縮のためにPIN方式を導入

Uberは新たなPIN(暗証番号)方式をオレゴン州のポートランド国際空港で導入する。6桁のワンタイムPINを利用者に渡すことで乗車までの時間を短縮し混雑を緩和する狙いだ。

PIN(Personal Identification Number)機能は、米国時間5月13日にポートランド空港でスタートする。同空港ではピーク時に400回近くUberが利用されている。なお、ライバルのLyftも同様の仕組みをポートランド空港で同日から始める。Lyftの方式は4桁のコードを使用する。

Uberは2016年にPIN照合ソリューションを開発し、大規模、高密度なイベント会場で利用してきた。限られた場所に数千人が集まる可能性のある状況だ。これまでに世界60カ所以上のイベントで使用されており、ケンタッキーダービーやオーストラリアのF-1イベントなどでも採用したとUberは言っている。

Uberは、交通量が多くライドシェアリングへの需要が高まる空港でこの機能を使うことを考えた。同社のシアトル拠点の空港チームが準備を進め、まずインドのバンガロール空港でテストを行った。ポートランドは米国で初めてパイロットテストに参加する空港になる。

PIN方式の仕組み

乗客はUberXを予約したら、専用のピックアップゾーンに向かう。アプリにはPIN機能の仕組みを簡単に説明する画面が表示される。その後、乗客に6桁の暗証番号が発行され、最初にやってきたドライバーにそれを見せる。

一方空港で客待ちの機会を与えられたドライバーは、ピックアップゾーンに行って客待ちの行列に並ぶ(ドライバーはすぐに向かえない時は4分間のスヌーズタイムを選ぶことができる)。

乗客が受け取ったPINを見せるとドライバーはアプリに数字を打ち込む。これだけで通常の賃走が開始されるが、Uberは標準の確認手続きを行ってから乗車を確定することを乗客に推奨している。

Lyftのコードシステムも実質的に同じだ。Lyftの乗客は、アプリの指示に従ってドライバーが待機している指定場所の行列に並ぶ。乗車をリクエストした乗客には4桁のコードが渡される。行列の先頭に来たらコードをドライバーに見せる。ドライバーがコードを打ち込み両者がマッチングされる。その時点でドライバーは行き先を含め必要な乗客情報を見ることができるとLyftは言っている。

次の行動は?

Uberはポートランドでのテストが成功すれば他の空港にもPIN方式を拡大するに違いない。

「我々はこの分野にかなり大きく投資してきた」とUberのプロダクトマネージャーであるSondra Batbold氏は、Uberが空港チームを結成したことについてを本誌に説明した。「世界中の空港でこれまでにない成長が見られれていることを考えると、空港と緊密に作業していくことはUberにとって重要な戦略的提携だ」。

言い換えれば、Uberは空港に大きなチャンスを見出しているということだ。ただし、これはUberがあらゆる空港でPIN方式を導入するという意味ではないとBatbold氏は言った。場所によっては、待機場所や車両台数の制約のために既存のピックアップ方式の方が効率がいいこともあるのだろう。

【原注】Lyftが同日に同じポートランド空港でコード方式を開始したことを追記した。

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Uber株はどん底の上場2日目、時価総額は6.8兆円に下落

配車サービス大手Uber (NYSE:UBER)にとってまったく芳しくない状況だ。米国時間5月13日、UberはIPO価格を18.8%下回る37.25ドルで2日目の取引を終え、時価総額は622億ドル(約6.8兆円)となった。

以前ベンチャーキャピタリストのプライベートマーケットで評価額720億ドルだったUberは先週、1株あたり45ドルで株式公開し、これによる時価総額は824億(約9兆円)ドルだった。そして初日は41.57ドルで取引を終えた。

CNBCが入手したメモの中で、CEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は従業員に対し、「どの移行期にもあるように、山あり谷ありだ。明らかにUber株は我々が望んだようには取引されなかった。今日も株式市場はタフな相場で、我々の株にも同じことが言える」と語っている。

そこからさらに話を進め、コスロシャヒ氏は従業員に長期的視点に立つよう促した。彼はまた、FacebookとAmazonがIPO後に成し遂げたカムバックにも触れた。

Lyftも同様に3月のIPO以来、株価の低迷に苦しんでいる。Lyft株は本日48.15ドルでひけ、時価総額は138億ドル(約1.5兆円)となった。

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Uberの株式公開は米・中国間の貿易戦争が打撃に

期待が先行していたUberの上場は、主として現在進行中の米国・中国間で繰り広げられている貿易戦争のために冴えないものとなった。

米政府は昨夜、2000億ドルぶんの中国製品に課す関税を10%から25%に引き上げるというドナルド・トランプ大統領の脅しを実行に移した。

その結果、株式市場はさらに反応し、投資家の冷淡な態度がUberのIPOを直撃した。同社の株価は公開価格の45ドルより低い42.54ドルで取引を開始した。

初値でのUberの時価総額は755億ドルでウォールストリートが昨年後半に予想した1200億ドルを下回ったが、それでも史上最大の株式公開の一つだ。Business Insiderが引用したDealogicの分析によると、Uberよりも大きい上場はFacebookの810億ドルと、なんとも巨額のAlibabaの1690億ドルだけだ。

当初少なくとも900億ドルの調達が予想されていたUberの歴史に刻まれる株式公開は、米国、そして中国という新興経済大国との間で展開されているこれまでにない貿易摩擦とは無関係だった。

関税の引き上げはビジネス機器を直撃するはずのものだった。しかし、洋服から家具、冷蔵庫、洗濯・乾燥機に至るまで400億ドルぶんのコンシューマー向け製品の価格に影響を与えそうだ。

トランプ大統領は、中国が貿易交渉の中で合意していた、とある譲歩を反故にした後に関税を上げた。主に米国は、中国が国有企業への補助を減らし、中国で操業している米国企業に対する規制を緩和するという文言を盛り込んだ文書を求めていた。

Uberの落胆するようなデビューは貿易戦争だけのせいではない。米国での目下のライバルLyftの株価は公開初日に79ドル近くまで上昇した後、急落した。直近では55ドルほどで取引されている。

昨日Lyftは公開企業として初めて決算を報告したが、7億7600万ドルの売上高に対し損失は11億4000万ドルだった。


Lyftが消費者向けの交通サービスに特化している一方で、Uberは消費者と事業所向けのロジスティックのオールインワン・ハブになろうとする試みの一環として貨物輸送や食事配達にも手を広げてきた。

事業の拡大はコストを伴う。Uberは2018年に113億ドルの売上高を計上したが、30億ドルの損失となった。実際、Uberは火の車だ。2018年末までの赤字額は80億ドル近くに達した、とMarketWatchは指摘している。

貿易戦争はトランプ交通ディストラプトのようだ。

イメージクレジット: Thomas Peter-Pool / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

フォルクスワーゲンの新EVは予約受付開始24時間で1万台受注

Volkswagen(VW、フォルクスワーゲン)は、電気自動車の新たなブランドIDの初モデル、スペシャルエディションを記念した特別イベントを開催し、欧州での事前予約の受付を開始した。受付開始から24時間で1万件以上の申し込みがあり、電気自動車に対する大きな需要があることを物語っている。

VWは5月8日、初モデルの名称、価格、スペックを明らかにした。このモデルを含めた電気自動車の開発に同社は数十億ドルをつぎ込んでいる。ID.3として知られる初モデルはハッチバックで、3つのバッテリーオプションが提供される。航続距離はWLTPでは330〜550km(205〜341マイル)。WLTP(Worldwide Harmonised Light Vehicle Test Procedure)は燃費と排ガスを測定する欧州の基準だ。

3万台限定のスペシャルエディション「ID.3」に関心のある客の数は「予想をかなり超えるもの」とVWは述べ、かなりの客が事前予約しようとシステムにアクセスしていて、これをさばくのに苦戦していることも明らかにした。

「アクセス集中により、いくつかのマーケットでは長い待ち時間と登録過程の中断につながっている」と発表文で説明している。「にもかかわらず、受付開始からの24時間で欧州全体で1万件以上の申し込みがあった」。

ID.3の生産は2019年末に開始し、初の納車は2020年半ばとなる見込みとのこと

VWが明らかにした申し込みの件数からうかがえるID.3への関心の高さは、規模はいくぶん小さいが2016年にTeslaがModel 3セダンの予約受付を開始したときのことを思い出させる。予約受付開始から1週間後にTeslaは顧客32万5000人がModel 3の予約金1000ドルを払った、と自慢した。Model 3の発売は2017年7月を予定していた。

VWの顧客はスペシャルエディションの予約金として1000ユーロ(1122ドル)を払う。ID.3スペシャルエディションでは、VWの充電アプリWeChargeに接続しているすべての公共充電ポイントや、欧州で展開されている急速充電ネットワークIONITYでの充電が最大2000kWhまで初年は無料になる。

インセンティブ前の価格が4万ユーロ(約4万4898ドル、約494万円)となるスペシャルエディションのWLTP基準での予想航続距離は420km(260マイル)だ。VWによると、ID.3のベースモデルは小さめのバッテリーを搭載し、ドイツでの価格は3万ユーロ以下からとなる見込み。

VWはここ数年、電気自動車コンセプトのIDシリーズを発表してきた。そしていま、ようやくそれらのいくつかの生産準備を始め、まずはID.3となる。VWはID.3を年10万台販売することを目指している。

ID.3ハッチバックは同社の新しいモジュールMEBで生産される初のモデルとなる。2016年に導入されたMEBは電気自動車を生産するためのフレキシブルなモジュールシステムで、VWは効率よく低コストで生産できる、としている。

他のモデルもすぐに続く見込みだ。VWは全部で20の電気自動車モデルの展開を計画している。最終目標は2025年までに電気自動車の年間販売台数を100万台にすることだ。

イメージクレジット: Volkswagen

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(翻訳:Mizoguchi)

UberがIPO価格を約5000円に設定、調達目標は8900億円

Uberは新規株式公開を1株当たり45ドル(約5000円)で行うとNew York Timesが報じた。調達目標額は81億ドル(約8900億円)になる。

価格はUberの計画していた価格幅の下限で、時価総額は824億ドル(約9兆円)になる。Uberは米国時間5月9日午後にプレスリリースで価格を正式発表した。

価格発表の前日、全世界でドライバーのストライキが行われ、サンフランシスコではドライバーが本社前に集まって抗議した

Uberは先月IPO申請し、2018年の売上112.7億ドル、純利益9.97億ドル、および調整後EBITDA損失18.5億ドルを報告した。ただし、Uberはすでに会計を公表していたためこれらの数字は知られていた。

Uberの会計報告を見たのはこれが初めてではない。過去数年間、Uberはこれらの数字を積極的に公表してきた。非上場企業として最後の決算は2月に行われ、Uberは2018年Q4の売上30億ドル、および営業損失の悪化を報告した。

ライドシェア事業に限ると、Uberの売上は2016年の35億ドルから2018年は92億ドルに増え、ブッキング総額(総取扱高)は415億ドルだった。

ライバルのLyftは3月にS-1書類を提出し、2018年の10億ドル近い損失および売上21億ドルを報告した。ブッキング総額は81億ドル、述べ乗客数3070万人、ドライバー数190万人だった。その1週間後、LyftはIPO価格を62~68ドルに設定し、21億ドルの調達を見込んだ。Nasdaqでデビューして以来、Lyftの株価は初日に10%近く高騰した後、苦戦を続けている。現在LyftはIPO価格の約20%安で取引されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WaymoとLyftが自動運転タクシーで提携

WaymoはLyftと提携し、アリゾナ州フェニックスにて自動運転車両を配車サービスに導入し、商業ロボットタクシーサービスを推し進めることになる。

WaymoでCEOを務めるJohn Krafcik氏によれば、同社は数カ月のうちにLyftのプラットフォームに10台の自動運転車両を導入する。Waymoの車両が導入されれば、地域のLyftユーザーはアプリから直接Waymoを選択することができる。

Krafcik氏は米国時間5月7日に投稿されたブログ記事にて、「この提携の第一歩は、LyftユーザーにWaymo車両を紹介し、多くの人に初めての自動運転車両を体験してもらうことだ」と綴っている。

両社の提携の詳細は明かされていないが、これはLyftと自動車サプライヤーかつ自動運転ソフトウェアを開発している米Aptivとの提携と似ているようだ。両社の提携のもと、ラスベガスにてLyftのプラットフォームにAptivの自動運転車両が導入されている。2019年4月時点で、同地域ではLyftのアプリから4万回以上の有料での自動走行サービスが実施された。

Waymoはここ数カ月、フェニックスにおける自動走行車両の配車サービスを強化している。4月には配車サービスが開始され、同時に「Waymo One」アプリをGoogle Payストアで提供することでより広く利用できるようになった。

Alphabet傘下の企業としてスピンアウトしたWaymoは、昨年12月にフェニックスにてWaymo Oneをローンチした。自動走行車両によるWaymo Oneとそのアプリは、以前はフェニックス地域の初期プログラム参加者のみが利用でき、テスト済みの一般市民による自動走行ミニバンでのサービスが予定されていた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

UberドライバーがIPOを前にUber本部前で抗議

一致団結したドライバーは、決して屈しない!

今日午後、何百人ものUberドライバーたちがマーケットストリートでのデモ活動に繰り出す前に、サンフランシスコにあるUber本部の外で声高に叫んだ。UberのIPOを前にドライバーらは賃金と待遇の改善、透明性のある条件、発言権を求め抗議する、とUberのドライバーでGig Workers RisingのメンバーであるMostafa Maklad氏はTechCrunchに対し事前に語っていた。

「Uberは年々、レートとドライバーへの支払金をカットしている」とMaklad氏は語った。「私がドライバーを始めた時と同じ額を稼ごうと思ったら週に70〜80時間運転しなければならない。それでも以前稼いでいた額には及ばない。彼らは、稼ぐためには長時間運転するようドライバーにかなりの圧力をかけている。もし長時間運転しなければ稼ぐことはできず、しかもそれだけの見返りがない」。

ドライバーや活動家に加え、サンフランシスコ委員のGordon Mar氏もまたドライバーの権利を主張した。

「我々は不平等をなくすことができる」とMar氏は話した。「すべての人々がここサンフランシスコで繁栄を享受できる未来に向かって進むことができる」。

IPOの一環で、Uberは一部のドライバーにボーナスを支給したが、その額は役員たちがもらうものに比べると見劣りする額だった。Uberは最大4万ドルを支給し、Lyftの支給は最大1万ドルだった。

「我々は全員ハッピーではない。それはボーナスに対してだけではなく、彼らのドライバーの扱いに対してもだ」とMaklad氏は話した。

一部のドライバーは従業員になることを希望し、別のドライバーは独立した請負労働者でもよしとしているが、いずれも4つの要望で結束している。

「我々が請負労働者または従業員として分類されるかどうかではなく、我々は労働者であり、人間であり、尊厳を持って扱われるべきだ」とMaklad氏は語った。「彼らは我々の労働で何百万ドルも儲けている」。

サンフランシスコでの抗議は世界規模で行われたストライキの一部だ。先週ニューヨークタクシー労働組合は米国拠点のドライバーに、ロンドンのドライバーたちとの団結と、午前7〜9時にUberとLyftからログオフするよう呼びかけた。

UberはIPOの価格を1株あたり44〜50ドルとし、時価総額を840億ドルとすることを模索している。LyftIPO価格を6268ドルとして21億ドルの調達を目指した。Nasdaqでデビューし、Lyftの株価は初日10%近く上昇したが、その後は低迷している。直近では60ドル前後で取引されている。

今週初め、UberはTechCrunchに対し、以下のようなコメントを出している。

ドライバーは我々のサービスの中心にある。彼らなしに成功はありえない。何千人もの人が毎日、乗車中そして乗車していないときのUberでの体験をより良くするために取り組んでいる。これまでに導入した、一貫した収入、手厚い保険、そしてドライバーやその家族向けの4年制大学の学位取得のための全学費提供以外にも、我々は今後もドライバーの待遇改善に取り組む。

上記のコメント以外にUberは見解を示していないが、サービスに対する信頼は影響を受けていない、としている。

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(翻訳:Mizoguchi)

レンタル電動スクーターのBirdが消費者への直販を開始

電動スクーターをレンタルだけでなく所有したい、という需要の可能性を認識したBirdは、販売用に新しいモデルのスクーターを発表した。Bird Oneと呼ばれる新モデルは、一般販売とシェア利用の両方に使われる。Birdは、Segway-NinebotのスクーターであるNinebot ESの利用をやめ、月極の個人レンタルに自社のM365モデルを使用することも発表した。

「Bird Oneは、Bird Zeroの利点と学習に基づいて作られ、シェア環境で一年以上の利用に耐える見込みだ」とBirdでCEOを務めるTravis Vander Zanden氏が声明で語った。「そして当社の次世代Eスクーターへの期待と需要に答え、Bird Oneを数量限定で一般販売も行うことにした。これからはシェア、レンタル、購入、どの形態でも、Birdはあらゆる人たちの選択肢を提供していく」

Bird Oneは、2倍長持ちするバッテリーを備え、広い範囲をカバーし、4倍以上シェア利用することができる。これは電動スクーターのシェアで優れたユニット経済性を実現することが難しい現状を踏まえると極めて重要だ。

Bird Oneの価格は1299ドルで、3色のカラーバリエーションがある。すでに予約受け付け中で、夏には受け取ることができる。Birdの発表は、Boostedの電動スクーターの発売が予想されている5月15日に先立って行われた。

過去数カ月間、Birdは電動スクーター市場のシェア拡大に積極的な取り組みを見せている。先月末Birdは、サンフランシスコとバルセロナで月極個人レンタルを開始した。同プログラムは、月額24.99ドルでスクーターをレンタルできるもので、乗車回数に上限はない。

サンフランシスコとバルセロナでのスクーターシェア事業は強く規制されているため、Birdsの戦術は規制の影響を受けない賢い方法だと言える。問題は、自分でスクーターを持ちたいと思う人が何人いるかだ。

伝統的なシェア方式モデルにせよ、月間レンタルにせよ、消費者への直接販売にせよ、人々の使いたい頻度にかかわらず、Birdが電動スクーターの第一人者になろうとしていることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Lyftの上場後初のQ1決算は1254億円の損失

上場企業となって初の決算で、Lyft(Nasdaq:LYFT)は収益化に向けた進歩を示せなかった。

3月のIPOで20億ドルを調達したLyftの第1四半期決算の売上高は7億7600万ドル(約854億円)で、11億4000万ドル(約1254億円)の損失を計上した。この損失には株式による報酬と給与税の8億9400万ドルが含まれる。売上高は市場予測7億4000万ドルを上回った一方で、損失額はIPO関連の費用のために膨らんだ。

「公開企業として1年目という大事な年の第1四半期は力強いものになった」とLyftの共同創業者でCEOのLogan Green氏は声明文で述べた。「業績は我々のネットワークとマルチモダルのプラットフォームに対する需要の増加に支えられていて、アクティブな乗客数は対前年同期比で46%増え、売上高は95%増えた。交通分野は経済における最大部門の1つであり、個人による車所有からサービスとしての輸送へのシフトはまだ初期段階にある」。

Lyftは、修正後の純損失は2018年の第1四半期が2億2840万ドルだったが、今期は2億1150万ドルだったと述べた。また同社は今年の第2四半期の売上高は8億ドル超、修正後のEBITDA損失は2億7000万〜2億8000万ドルと予想している。通年では総売上高はおおよそ33億ドル、修正後のEBITDA損失は12億ドルを見込んでいる。

Lyftは、PinterestやZoom、そして間もなく加わるUber(前々から言われていたニューヨーク証券取引所でのデビューを今週後半に果たす)などを含む、2019年に株式公開するベンチャー支援のユニコーン群の1社だった。鮮烈なIPOデビューだったにもかかわらず、Lyftの株価はNasdaq上場以来低迷している。上場初日は、IPO価格の74ドルを上回る87ドルをつけた。しかし、IPO後の数週間は60ドル前後で取引され、火曜日は2%下落し59.41ドルで取引を終えた。

Lyftはこれまでに黒字化を達成しておらず、創業者のJohn Zimmer氏とGreen氏はマルチモダルなサービスの拡大、そしてゆくゆくは北米外でのサービス提供など、今後数年間に社の成長のために投資する方針を明らかにしている。

「今後はコミュニティへのサービス提供と、株主への還元で大きな機会がある」とLyftの共同創業者は同社のIPO趣意書に書いている。「我々はコミュニティと株主に貢献する責任を真剣に受け止めている。それを行動と結果で示すことを楽しみにしている。もし我々が世界一の運河や鉄道、高速インフラを構築していると説明すれば、時間がかかることを理解するだろう。同じように、今後の展開は引き続き長期的な考え方、フォーカス、実行を要する」。

Lyftの赤字続きのこれまでを考えた時、アナリストは売上高、アクティブな乗客数、乗客1人あたりの売上に目を光らせることになる。決算報告によると、Lyftの乗客1人あたりの売上は前年同期比34%増の37.86ドルで、アクティブな乗客数は50%近く増え2050万だった。

今回の決算報告の発表はUberのNYSE(ニューヨーク証券取引所)デビューの3日前というタイミングとなった。Uberは1株あたり44ドル〜50ドルと設定していて、もし最も高い価格となった場合、時価総額は900億ドルほどとなる。1億8000万の普通株を売り出し、UberはLyftがIPOで調達した額の4倍にあたる79億ドル〜90億ドルを調達する計画だ。

Lyftの株価の動向をみると、投資家がUberの株式公開に積極的になるのを躊躇するのはありえることだ。ウォールストリートジャーナルは、Lyftの株価の暴落を引用しながら、Uberの幹部が落とし穴を避けようとIPOを前に目標を下げたとしている。

「LyftとUberは米国で熾烈な戦いを展開しているため、Lyftの初の決算はUberの展望についてのヒントとなる」とGoodwater Capitalの最高業務責任者Eric Kim氏はTechCrunchに対し語った。「同時に、LyftとUberはそれぞれ差別化を図ってきた。例えば、Uberは4カ月にわたる会費払い戻しで顧客あたりの利益の数字を上げてきた」。

株式公開後初の決算発表に加え、LyftはAlphabet傘下企業で自動運転車両を展開するWaymoとのパートナーシップも発表した。この新たな提携の一環としてWaymoはフェニックスエリアで今後数カ月にわたってLyftのサービスとして自動運転車10台を走らせる。

LyftがAlphabetに支援されることになるこの提携は、Uberにとって小さな平手打ちのようなものとなる。

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(翻訳:Mizoguchi)

UberのIPOを控えUberとLyftのドライバーがストライキを計画

Uberは5月10日金曜日までに上場することが予定されているが、この配車サービスのドライバーたちは水曜日(米国時間5月8日)にストライキを計画している。ニューヨークタクシー労働組合(NYTWA)は米国拠点のドライバーたちに、ロンドンのドライバーたちとの団結と、5月8日午前7〜9時にUberとLyftからログオフするよう呼びかけている。

「IPOの申請では、Uberは賃金を抑制してインセンティブを廃止する計画で、ドライバーの労働条件は悪化するだけだ」とNYTWAメンバーのSonam Lama氏は発表文で述べた。「我々は賃金が最低水準のままであってほしくない。Uberには投資家ではなく我々ドライバーに向き合ってほしい。ギグエコノミーは人権を無視して労働者から搾取しているだけだ。これをやめさせなければならない。Uberはギグエコノミーの中で最悪だ」。

サンフランシスコでは、ドライバーは12時間のアプリボイコットに続き、Uberの本部で抗議活動を行う。TechCrunchへのコメントの中でUberの広報はドライバーが同社のサービスの基本だ、と述べている。

「ドライバーは我々のサービスの中心にある。彼らなしに成功はありえない。何千人もの人が毎日、乗車中そして乗車していないときのUberでの体験をより良くするために取り組んでいる」とUberの広報は述べた。「これまでに導入した、一貫した収入、手厚い保険、そしてドライバーやその家族向けの4年制大学の学位取得のための全学費提供以外にも、我々は今後もドライバーの待遇改善に取り組む」。先月Lyftが上場した時、Gig Workers Risingを組織するShona Clarkson氏はTechCrunchに対し「悲しい日だ」と話した。

「Lyftが巨額を儲けている一方で、ドライバーが住む場所に不安を抱えていたり、家賃や医療費を払えるかどうか覚束なかったりするのを見るのはしのびない」とClarkson氏は語った。

これに反応するかのように、Lyftのドライバーはサンフランシスコとサンディエゴでストライキを行なった。一部のドライバーは従業員になることを希望し、また別のドライバーは独立した請負労働者でもよしとする一方で、いずれのドライバーも賃金のアップや、賃金・チップ・運賃の内訳・マイレージレート・福利厚生・発言権などをめぐって透明性のある制度を求めることで団結している、とClarkson氏は話した。

「Lyftのドライバーの時間給は過去2年で増えた。彼らはLyftのプラットフォームで100億ドル超を稼いできた」とLyftの広報はTechCrunchに対し述べた。75%以上のドライバーが、副業として運転している時間は週に10時間以下だ。平均してLyftのドライバーは1時間あたり20ドル超を稼いでいる。臨時収入を得られることは多くの人にとって意味があり、我々はドライバーコミュニティに提供する労働環境がよいものになるよう絶えず改善を続けている」。

IPOの一環として、UberとLyftは一部のドライバーにボーナスを支給した。しかしエグゼクティブたちが手にするものに比べると見劣りする。たとえば、Lyftは一部のドライバーに一度限りのボーナス1万ドルを支給した。同様に、Uberは最大4万ドルのボーナスを一部のドライバーに支給した。

「IPO前にLyftからボーナスをもらった、私が知っているドライバーはひどく侮辱され怒っていた。2社ともドライバーを大切に扱っていると大々的なPRをしているにすぎない」とClarkson氏は語った。

UberのIPO価格目標は1株あたり44〜50ドルで、時価総額840億ドルを想定している。Lyftは21億ドルの調達を目指してIPO価格を62〜68ドルとした。Nasdaqでのデビュー以来、Lyftの株価は初日に10%近く上昇したが、その後は低迷し、直近では1株あたり60ドル前後で取引されている。

イメージクレジット: Spencer Platt

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(翻訳:Mizoguchi)

テスラのオートパイロットはトランプの関税で窮地に

ホワイトハウスは、Tesla(テスラ)のAutopilot(オートパイロット)テクノロジーの脳を、報復輸入関税の対象外とすることを却下した。この決定はTeslaの自動運転という野望を遅らせたり、中断させたりすることになるかもしれない。

先週開かれた「オートノミー・デイ」の特別イベントで、TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、全新車両での完全自動運転を可能にする新しいカスタムチップを含む、高度なAutopilot 3.0ハードウェアを発表した。このハードウェアはいま、新しいTesla Model 3、S、Xの車両に標準装備されている。FSDと呼ばれるソフトウェアにアップグレードするのに客は追加で6000ドル払う。

自動運転のハードウェアは、Teslaが車両の脳と表現するモジュールのAutopilot ECU(Engine Control Unit)内に搭載されている。このモジュールは中国・上海でQuanta Computer(クアンタ・コンピュータ)という企業によって組み立てられている。

Teslaの計画は、関税25%の免除はしないというホワイトハウスの先月の未公表の決定により影響を受ける可能性がある。トランプ大統領は昨年、対中国の貿易赤字を減らそうと、エレクトロニクスを含む中国からの幅広い輸入品にこうした関税を課した。

Teslaは、この関税により中国での自動運転コンピューター製造中止を余儀なくされることになるかもしれず、ひいては自動運転の導入の遅れや車両の安全低下につながるかもしれないと示唆していた。

「関税により、我々は新たなサプライヤーを探すか、コスト増を客に負担してもらうか、内部の運営コストを減らすかを模索せざるを得なくなり、これは関税の意図するところとはまったく逆の影響を及ぼすことになる」と、11月16日付の通商代表部(USTR)への関税対象外を求める請願書に書いている。

しかし3月15日、USTRの法務部長はTeslaに対し、「プロダクト戦略の重要性、または『中国製造2025』への関連、他の中国産業プログラムを懸念しているため」同社の要望を却下することを伝えた。USTRはまた、同じ理由でAutopilot2.5ハードウェアについてのさかのぼっての関税除外の請願も却下した。

メードインチャイナ

「中国製造2025」は、単なる製造からAIや電気自動車、ロボティクスなど付加価値の高いものの生産へ移行するための中国の戦略プランだ。ホワイトハウスはこうした計画は米国内のテクノロジーや自動車メーカーにとって直接脅威となるとみている。

しかしながら、米国の企業は中国の製造ノウハウの恩恵を長い間多く受けてきた。Teslaの上海におけるAutopilot製造パートナーのQuantaはAppleやAmazon、Verizonの仕事も請け負ってきた。

「Teslaは、設計書を要するAutopilot ECU 3.0を希望通りのボリュームで、そしてTeslaの継続的な成長のために必要なタイムラインで製造するノウハウを持ったメーカーを見つけることはできなかった」と同社は書いている。

Quantaの使用は、中国国内のEVの80%が2025年までに中国企業によって生産されるようになるという目標を達成するのを手伝うことにはならない、とTeslaは主張している。「逆に、もし関税除外が認められればTeslaはEV製造でテクノロジー上そして競争上のアドバンテージを維持することができる」とも書いている。

Teslaはまた、新しいコンピューターのプリントされたサーキットボードの75%以上は実際には中国外からのものだ、とも指摘した。たとえば、Autopilot 3.0に不可欠なTeslaの最先端ニュートラルネットワークチップはテキサス州オースティンでサムスンが製造したものだ。

関税効果

しかしホワイトハウスはそうした主張を認めなかった。そしてUSTRの却下はTeslaにとってかなり打撃となる。Teslaはすでに投資家に対し、最も低価格のModel 3バリエーションを含む同社製造の車の粗利益目標達成を保証できない、と伝えている。

「関税は、非常に難しい業界における我々の継続的な成長や持続可能性にマイナスに働く」とTeslaは書いている。

先週、Teslaは2019年第1四半期決算で、納車台数が予想を下回ったために7億200万ドルの赤字を計上した。そして、借り入れと株式により27億ドルを調達する考えを発表した。当局に提出した書類によると、Teslaはもともとは転換社債と株式で23億ドルを調達すると言っていて、そのわずか1日後にトータル額を上方修正した。

Teslaはゴールドマン・サックスとシティグループが引受先となって310万株を1株あたり243ドルで販売していて、書類によると、転換社債の発行を16億ドル拡大した。マスク氏はまた自身の出資額を2倍にし、2500万ドル相当の最大10万2880株を購入する意向だ。

価格の上昇やコストの抑制には限界があることから、Teslaの他の選択肢は製造拠点を米国にもってくる、ということになるかもしれない。しかしTeslaによると、それは困難を伴う。

「新しいAutopilotコンピューターの生産を開始するというTeslaの決定は、開発から生産まで6カ月しか要しなかった」と請願に書いている。「このようにタイムラインは密であり、それなりの経験を持たないサプライヤーを試す余地はない。他のサプライヤーを選ぶということは、クリーンルームの設定や生産ラインの確認、スタッフのトレーニングなどで18カ月もこのプログラムを遅らせることになる」。

安全上の懸念

さらに深刻なことに、Teslaはそうしたサプライヤーの変更は安全面にもかかわってくるとしている。「新たなサプライヤーに生産を任せることは、車両や最終プロダクトの安全性に影響を与えるかもしれない質の問題につながるリスクを増大させる。我々はサプライヤーの変更で顧客の命を危険にさらすことはできない」。

Teslaが進めている人工知能や機械学習、コンピュータービジョンの研究を関税がダメにしてしまうこともTeslaは恐れている。

「Teslaの業界をリードする立場は、こうした先進的なものや部品をそれなりの規模で展開する能力が条件となり、現在の関税下ではリードすることができない」と請願書で述べている。マスク氏は昨日、オートノミーによりTeslaはゆくゆくは現在の評価額の10倍超の5兆ドル企業になるだろうと投資家に対し述べた。

USTRに対しては強い口調であるにもかかわらず、Teslaは決算への影響にフォーカスした投資家向けの書類で、関税について以下のように述べている。中国で入手している我々のプロダクトで使われている特定の部品への最近引き上げられた輸入関税はコストの増大につながり、営業成績にマイナスの影響を及ぼすかもしれない」。

この件についてTeslaはコメントを拒否している。

Greg Linden(グレッグ・リンデン)氏は、エレクトロニクス向けのグローバルサプライチェーンを専門とするカリフォルニア大学バークレー校のエコノミストだ。「スピードとボリュームからすれば、中国しかない」とTechCrunchとの最近のインタビューで語った。「米国企業は約25年前に基盤組み立てのために中国に向かった。部品サプライヤーがそれに続き、今や中国は他の国が取って代わることができないほどにエレクトロニクスを大量に生産する地位にある」と述べている。

同氏は、iPhoneが米国で組み立てられると1台あたりのコストは40ドル増えるかもしれないと算出し、Autopilot 3.0ハードウェアの米国での生産は同程度のコスト増となると見込む。

免除申請へのためらい

Teslaはそのほかにも、まだ対応が示されていないいくつかの米政府への関税免除の請願を抱えている。メディアコントロールユニット、接続ボード、高度なドライバーアシスタンスシステムを含むModel 3の車コンピューター免除の請願は12月末に提出された。直近ではTeslaは先週、ネバダ州スパークスにある同社のギガファクトリーでのリチウムイオンバッテリーの製造に必要な日本から輸入する特殊アルミ板についても関税の免除を求めている。

しかし、貿易に関するニュースがマスク氏にとってすべて悪いものというわけではない。ボーイング社は中国で製造されたトンネル掘削機に関する関税の免除を求めた。同社は、中国からのトンネル掘削機パーツを調達できなければ、同社が提案しているボルチモアとワシントンD.C.を結ぶ地下Loop交通システム構築に最大2年の遅れが生じると主張した。

3月19日、USTRはトンネル掘削機の輸入について遡求しての関税免除を認めた。

皮肉にも、ボルチモアとワシントンD.C.間のLoopで使用される見込みの自動運転電気車両はTesla車両がベースになっていて、このTesla車両は少なくとも当面は中国で製造される新しいAutopilotシステムに頼ることが見込まれている。

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(翻訳:Mizoguchi)

テスラが資金調達目標を440億円超に増額、イーロン・マスクが16.6億円購入へ

Tesla(テスラ)は近く株式の売却によって4億ドル(約444億円)を追加調達する予定であり、共同ファウンダーでCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が1500万ドル(約16.6億円)相当の株式を購入することを約束している。証券取引委員会(SEC)提出資料による。 証券取引委員会(SEC)提出資料による

電気自動車、エネルギー・ストレージ、ソーラーパネル製造を手がける同社は、310万株を1株当り243ドルで売却すると発表した。引受会社は、ゴールドマン・サックスおよびシティグループ(Citigroup)。同社は、1億ドルの転換社債を追加発行することも発表した。

当初Teslaは、株式とワラント23億ドル分を販売する予定だったが、最新データによると合計金額は27億ドルに引き上げられ、Elon Musk自身が購入する金額も増えた。同社の発表によると、マスク氏はこの株式売却にあたり購入額を1000万ドルから2500万ドルに引き上げた。

株式売却拡大のニュースは、Teslaが不振の第1四半期決算のわずか1週間後に資本市場でさらに資金調達すると発表したその翌日のことだった。

Zachary KirkhornはこれをTesla史上「最も困難な四半期の一つ」とまで評した。

Teslaは今年の第1四半期に7.02億ドルの損失を計上したが、直面する課題と資金不足にも関わらず、投資家の株式購入の意欲に陰りは見られしない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラ死亡事故の原因はオートパイロットとする訴訟を起こされる

オートパイロット作動中のTesla Model Xで高速道路の中央分離帯に衝突して死亡したApple(アップル)のエンジニアであるWalter Huang氏の遺族がTesla(テスラ)を相手取って訴訟を起こした。カリフォルニア州運輸局も訴状に名前を挙げられている。

カリフォルニア州最高裁判所サンタクララ郡支局に提出された不法死亡訴訟は、テスラドライバー支援システムであるオートパイロットの誤動作が、2018年3月23日にHuang氏が死亡した事故の原因だったと主張している。当時38歳だったHuang氏は、国道101号線カリフォルニア州マウンテンビュー付近を2017年型Tesla Model Xで走行中、中央分離帯に衝突して死亡した。

本訴訟は、テスラの運転支援システムであるオートパイロットが車線境界線を誤認識してコンクリート構造物を検出せず、ブレーキの作動を怠り代わりに加速して分離帯に衝突したと主張している。

テスラ広報担当者はコメントを拒んだ。

「Huang夫人が夫を亡くし、2名の子供が父親を亡くしたのは、テスラがオートパイロットソフトウェアを実世界のドライバーでベータテストしたためである」とMinami Tamaki法律事務所のパートナーB. Mark Fong氏が訴状で語った。

その他のテスラに対する訴訟要件には、製品責任、製品設計の欠陥、警告不履行、保証違反、故意および不注意による虚偽の表示、および虚偽の広告がある。カリフォルニア州運輸局も訴訟で指名されており、訴状によるとこれはHuang氏の車両が衝突したコンクリート製分離帯に衝突衝撃緩衝具が設置されていなかったためだ。カリフォルニア交通局は以前現地で起きた事故の後、緩衝具の交換を怠っていた、と原告は主張している。

本訴訟の目的は「半自動運転車を支える技術は路上走行に利用される前に安全が確認され、そのリスクが公衆に対して隠蔽あるいは虚偽表示されないことを確保することにある」と、Walkup、Melodia、Kelly & SchoenbergerのパートナーのDoris Cheng氏が言った。同氏は遺族の代理人でもある。

事故後テスラはブログ記事を2件投稿し、その結果国家運輸安全委員会(NTSB)との論争に発展した。同委員会は事故現場に捜査員を派遣していた。

テスラの3月30日付のブログ記事は、事故当時オートパイロットが作動していたことを認めている。テスラによると、ドライバーはハンドルを握ることを促す警告を、視覚的に数回、音声で1回受け取っており、衝突前の6秒間ハンドル上でドライバーの手は検出されなかった。

こうしたコメントはNTSBの反感を買い、「捜査情報がテスラから公開されたことは遺憾である」旨が示された。NTSBは、委員会による事故調査の当事者が事前の了解なく事故の詳細を公表することを禁じている。

テスラCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自身の失意とNTSBに対する批判をTwitterを通じて直ちに発信した。事故の3週間後、テスラは事故の責任をHuang氏に帰し、同社の道徳的あるいは法的責任を否定する声明を発表した。

「遺族によると、Huang氏はオートパイロットが完璧ではないことを十分認識しており、具体的には、まさにその場所でオートパイロットが信頼できないことを家族に伝えていたにも関わらず、その場所でオートパイロットを作動させた。事故当日は晴天で前方視界は数百フィート(100〜200m)あったため、この事故が起きた唯一の方法は、Huang氏が路上に注意を払っていなかった場合であり、これは車両から注意を促す警告が複数回発せされていたにも関わらず起きたことである。

NTSBとテスラの関係は、この声明の発表後さらに崩壊した。テスラはNTSBとの協力合意を破棄したと発表した。その後1日とおかず、NTSBは同委員会がテスラを事故捜査の当事者から除外したと発表した。

NTSBの中間報告書は、事故の原因について何ら結論を下していない。しかし、車両が衝突直前の3秒間に62mphから70.8mph(100〜114kmh)へと加速し、国道101号線の走行車線と85号線への出口ランプを分離する舗装された三角地帯に向かって左に移動したことは確認している。

同報告書は、衝突の18分55秒前、テスラ車がハンドルに手を置くことを促す視覚的警告を2回、音声警告を1回与えたことも認めている。警告は衝突の15分以上前に発信された。

Huang氏の両手がハンドルに触れたことが検出されたのは、衝突前の1分間のうち34秒だけだった。衝突前のブレーキあるいは衝突回避ステアリングは検出されなかった、と報告書は書いている。

訴訟名はSz Hua Huang et al v. Tesla Inc., The State of California、訴訟番号 19CV346663。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleがAndroid Automotive OSをSpotifyなどメディアデベロッパーに一般公開

Googleは、自動車のインフォテインメントシステムのために音楽などのエンターテインメントアプリを開発するデベロッパーに、同社のAndroid Automotiveオペレーティングシステムを一般公開する。その手始めの車種は、VolvoのEV子会社PolestarのPolestar 2だ。

Googleの水曜日(米国時間5/1)の発表によると、5月7日に始まる同社のデベロッパーカンファレンスGoogle I/O 2019以降、メディアアプリのデベロッパーはAndroid Automotive OSとPolestar 2向けのエンターテインメント体験を制作できる。

GoogleはSpotifyやそのほかのエンターテインメントサイトなど、メディアアプリのデベロッパーたちと作業を開始しているが、同社はそんな関係をナビゲーションなどそのほかのカテゴリーのアプリにも広げていく計画だ。Android Automotiveのプロダクト担当Haris Ramicが、本誌のインタビューでそう語った。

Android Automotive OSとAndroid Autoは同じものではない。後者はAndroidオペレーティングシステムの上で動く、ナビなどのインタフェイスアプリだ。Android Automotive OSもLinuxの上で動くオープンソースのモバイルオペレーティングシステムAndroidをモデルにしているが、スマートフォンやタブレットの上で動くのではなく、Googleの改造により車の中で使用する。

Polestarは2月に、同社の初めての全電動車、5ドアのファストバックPolestar 2を、ジュネーブのモーターショーに先駆けて発表した。この車のインフォテインメントシステムはAndroid Automotive OSを使っているから、GoogleアシスタントやGoogleマップ、Google Play StoreなどGoogleのサービスを車上で使える。

Ramicによると、ジュネーブで見せたシステムは改良されていてGoogle Mapsがアップデートされているほか、メディアセンターではSpotify、NPR、YouTube Musicなどのサードパーティーアプリケーションが車上でよりシームレスに機能する。これらのアプリケーションは、2020年に中国の成都工場で量産が始まったときにはすでに含まれている。最初の対象市場は、中国と米国とカナダのほか、ベルギー、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、英国などヨーロッパの一部の国も含まれる。

Polestarの親会社Volvo(ボルボ)は2017年に車のインフォテインメントシステムにおけるAndroid OSの使用を発表し、その1年後に音声制御のGoogleアシスタントやGoogle Play Store、GoogleマップなどGoogleのサービスを次世代のSensusインフォテインメントシステムlvoに組み込む、と言った。

Fiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は米国時間4月30日に、HarmanとGoogleの技術を利用してそのコネクティッドカーサービスを構築すると発表した。GoogleのAndroid Automotive OSが、FCAのUconnectインフォテインメントシステムの次のバージョンで使われる。またサムスン傘下HarmaのIgniteクラウドプラットホームが、車外のサービスを扱う。

Renault-Nissan-Mitsubishi Alliance(ルノー・日産・三菱アライアンス)もAndroid Automotive OSを採用する計画を公表しており、Ramicによると、ほかにもGoogleがまだ公表できない自動車メーカーに同様の計画がある。

Ramicは、「関心はきわめて高い」と言う。Googleの技術を利用する価値を検討したい、と同社を来訪する企業は日増しに増えているそうだ。

従来、自動車メーカーは車からGoogleを排除する守勢を維持してきたが、それが変わってきた。その排除的守勢ではスマートフォンと車載インフォテインメントシステムの能力的格差が広がるばかりなので、自動車メーカーも最近はGoogleに積極対応するようになっている。

画像クレジット: Google/Polestar

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

電気自動車smartの米国とカナダでの販売が中止へ

TechCrunchが入手した情報によれば、ダイムラーは小型の電気自動車であるsmart fortwoの、米国とカナダでの販売を中止する。同社のブランドを中国に持ち込もうとしているドイツの自動車メーカーは、北米での地位を築くことに苦労してきた車の電源プラグを正式に引き抜くことにしたのだ。

Smartは2019年モデル以降は米国とカナダで販売されることはない。この決定を知る2つの情報源からの情報提供を受けたあと、TechCrunchが確認したところ、ダイムラーAGはその事実を認めた。

「慎重に検討した結果、バッテリー駆動のsmart EQ fortwoモデルの米国とカナダ市場での販売は2019年のモデル年度(model year)で終了となります」とDaimler AGの広報担当者は、電子メールの中で回答した。「多くの要因がこの決定には関わっていますが、米国とカナダでのマイクロカー市場の縮小をはじめ、少量モデルのための高い認定コストなどが主に影響しています」。

同社がTechCrunchに語ったところによれば、MBUSA(米国メルセデス・ベンツ)とメルセデス・ベンツ・カナダは、これからもfortwoモデルのオーナーに対するサービスと部品交換を、ガソリン車もしくは電気自動車を問わず、認定メルセデス・ベンツディーラーを通して継続するということだ。

モデル年度は1年の半ばで切り替わる、このため次の6月が生産の最終月になるものと思われるが、車両の販売は年末まで継続される予定だ。

ダイムラーはsmartを完全に殺してしまうわけではない。ダイムラーは先の3月に、浙江吉利控股集団(Zhejiang Geely Holding Group)とジョイントベンチャーを合弁で立ち上げていて、smartを中国を拠点とするEVブランドとして移行させる予定だ。この合意の下で、この先この風変わりな車は、中国の新しい工場で組み立てられることになるだろう。世界に対する販売は2022年に始まるだろうと、発表時にダイムラーは語っている。

同社の広報担当者によれば、メルセデス・ベンツブランドの米国とカナダにおけるEV戦略は、2020年の新しいEQCの登場によって進められることになるだろうということである。

このドイツの自動車メーカーは、ここしばらくsmartが米国市場を去る可能性を示唆し続けていた。ダイムラーは、洗練されて贅沢なメルセデス・ベンツの車両からは離れて、この都会の住民向けブランドに多額の投資を行ってきた。だが複数のモデル投入とガソリンから電気への切り替えにもかかわらず、smartはダイムラーの北米における年間販売目標に達することができないままだった。2017年モデル年度以降は、同社は米国とカナダにおけるガソリン版smartの販売を中止している。

また他の最近の動きも、米国でのsmartの猶予時間が限られていたことへのヒントを提供していた。

smart担当のCEOであるアネット・ウィンクラー(Annette Winkler)氏は昨年の秋に去り、ブランドの将来の再構築に焦点を当てた人事担当エグゼクティブカトリン・アット(Katrin Adt)氏がその役割を引き継いでいた。月曜日にダイムラーは、そのアット氏が来る2019年7月に新しいユニットであるMercedes-Benz Cars Own Retail Europe(メルセデス・ベンツの欧州小売組織)のマネジメントを引き継ぐことを発表した。

アット氏のレポート先は、取締役会メンバーで、メルセデス・ベンツ車の販売に責任を持つブリッタ・シーガー(Britta Seeger)氏になる。

ダイムラーとスウォッチのメーカーであるSMHとのパートナーシップから生まれたこの車両は、まずガソリンエンジン車の製造から始められた。1998年にヨーロッパで発売され、その6年後にカナダで発売された。米国への上陸は2008年まで行われなかった。

smartはダイムラーのカーシェアリングブランドCar2goで提供されていた唯一の車両だった。しかしCar3goは最近Share Nowとしてリブランドされ、そのラインナップはメルセデス・ベンツCLAとGLAモデルを含むものに拡大されている。おそらくCar2goに残されるsmartもある程度はある筈だ。なおCar2goはMBUSAから独立した組織である。

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(翻訳:sako)

自動運転車が渋滞税の導入を加速する

自動運転車は、近い将来、町の通りのどこでも見られるものになるだろう。しかし、そうなる前に考えておかなければならない。自動運転車によって町中を素早く移動できるようになるのか、逆に渋滞がひどくなるのか?

自動運転だろうが、人が運転しようが、車は車だ。バス、路面電車、あるいは電車といった乗り物よりも、かなり多くのスペースを占有する。だから、そのコストが適切なものかどうか、はっきりさせておく必要がある。ライドシェアの普及のせいもあって、すでに多くの都市で交通量は増加の一途をたどっている。もしUberが自動運転車を本格的に導入すれば、より安く車を呼ぶことができるようになり、競争はさらに激しくなって、潜在的な道路の負荷は重くなる。

カリフォルニア大学サンタクルーズ校のAdam Millard-Ball教授がJournal of Transportation Policyに発表した研究では、自動運転車によって交通量が劇的に増えるという説得力のある主張が展開されている。Millard-Ball教授によれば、多くの人がハンドルから手を離して、ただ座っていればよくなることで、道路を走るの車の数は飛躍的に増加すると予測できるという。

さらに、使われていないときでも、自動運転車は必ずどこかに行く必要がある。これには3つの選択肢がある。家に帰るか、どこかに駐車するか、ぐるぐる回っているか、のどれかだ。ほとんどの場合、自動運転車は、料金を払って駐車するよりは、いつまでも通りを周回する方を選ぶだろう。

ライドシェアの普及が、渋滞税導入の検討を必然的なものにする。近い将来、多くの自動運転車が目的もなく町中を周回するようになる可能性を考えればなおさらだ。

画像提供:Getty Images

既存の渋滞税の徴収方法には、いろいろな考え方がある。最も一般的な方法は、都市の中心部、または町の中の特定の領域を指定して、その領域に入った車に対して定額、または変動性の料金を課すというもの。このシステムでは、ゲートに付いたカメラシステムによってナンバープレートを読み取り、車の通過を監視する。車両に取り付けた発信機を利用するタイプのものもある。いずれにせよ、渋滞税システムは、どれも道路の使用に対して料金を課すことになる。

特に、都市部全域での交通量を把握する変動性の価格設定は、自動運転車に対して、これまでとは異なった意思決定を促す可能性もある。乗客を拾うために、空車で通りを走り続けるのではなく、町の中心部せよ、郊外にせよ、駐車する方を選ぶようになるかもしれない。そうなれば、交通量を減らして渋滞を緩和する効果が生まれる。

変動性の価格設定では、交通量が増えるにつれて価格を高くする。それによって人間が運転する車も、将来の自動運転車も、できるだけ道路から追い出して、車の通行をよりスムーズにしようというわけだ。米国では、高速道路で変動性の料金徴収方法が採用されているのをよく目にするだろう。しかし、シンガポールやストックホルムで導入されている渋滞税システムでは、混雑する領域全体に対して変動性の料金を適用している。

画像提供:Getty Images

渋滞税を導入すれば、車両の使用量増加を抑える直接的な効果が期待できる。また自動運転車についても、それらが及ぼす影響に相応の金額を確実に徴収することができる。ニューヨーク市は2021年から、渋滞税を徴収する領域を導入することになっている。60番街から南のマンハッタンに入るすべての運転手が対象だ。最終的なシステムはまだ決定されていないが、専門家によれば、年間10億ドル(約1115億円)の徴収が見込まれ、公共交通機関の拡充に役立てられるという。

大西洋を挟んだロンドンでは、2003年以降、中心部の8平方マイル(約20平方キロメートル)の領域で、現在約15ドル(約1670円)の渋滞税を徴収する方針が採用されている。2002年と2014年の比較では、この中心部に入る自家用車は39%減少した。しかし、Uberや、他の企業によって導入されたライドシェアのせいで、車の数は急激に増え始め、混雑も再び増加傾向となっている。

ワシントンDCやロスアンジェルス地域の渋滞税としては、都市部の渋滞地域ではなく、高速道路を通行するドライバーに対して、渋滞しないレーンを通るための料金を徴収する制度が導入されている。一般のドライバーは、当然ながら無料だ。コストはスムーズな通行に見合ったものでなければならないからだ。ワシントンDC地域では、遠く離れた郊外からの通行料は、最大で40ドル(約4400円)ほどにもなる。しかし、それはスムーズな通行を確保するために必要なコストなのだ。

一方シンガポールでは、このロジックを市の中心部まで拡張し、独自の渋滞税のモデルとともに採用している。中心の商業地区内と、その周辺に50以上のチェックポイントを設け、そこを通過する際に、無料〜3ドル(約330円)の料金を課金するのだ。料金は時間帯や道路の混雑具合によって変動する。ストックホルムでも、シンガポールのシステムと同様のロジックを採用し、1日の上限を1台につき約11.3ドル(約1260円)として、料金を徴収している。

うまく設計された反応のよい公共政策は、市民の正しい選択を促すものだ。渋滞税は、市場原理に則った規制であり、道路上の車を常に適切な数に保つことを可能にする。実際には、ガソリン車と電気自動車の比率にもよるが、渋滞の緩和に加えて、こうしたシステムには大気の質と公衆衛生を改善するのに役立つという一面もある。もちろん、渋滞税から得られた財源が、交通網そのものの改善に役立つのも確かだ。

都市の指導者に、そこに住む人々はどのような都市を建設しようとしているのかと尋ねたとしよう。望ましい答えは、人々のための都市であって、車のための都市ではない。自動運転車が、誰にとってもより良い都市を築くのに役立つものになることを、確かなものにしようではないか。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

マスク氏のツイートを弁護士が監督することでSECと和解

Tesla(テスラ)Elon Musk(イーロン・マスク)氏、そして米国証券取引委員会(SEC)は金曜日、マスク氏のツイート問題で合意に達したと発表した。その合意とは、制限はありながらも、先の裁判所の命令への違反で侮辱罪に問われるという心配なしに、CEOMusk氏にTwitterの使用を認めるというものだ。

Musk氏は特定の事柄や経営状態などについてをのぞき、好きなようにツイートできる。しかし、マンハッタン連邦裁判所に提出された合意文書によると、そうした特定の事柄などについてツイートする場合は、弁護士から事前承認を得なければならない。

合意には今後、この件の裁判長である米連邦地裁の裁判官Alison Nathan氏の承認が必要となる。Nathan氏は、それぞれに主張を展開していたSECMusk氏に歩み寄りと解決策の模索を促すため、2週間という時間を与えていた。

Musk氏はツイートに以下のような内容が含まれる場合、弁護士の事前承認を得なければならない。

Teslaの経営状態やガイダンス、可能性のある合併や買収、ジョイントベンチャーについての情報

・生産・販売・納車台数(実績、予想、計画)

・既存のビジネスライン(目下、車両や交通機関、持続可能エネルギープロジェクト)に関係のない新規または候補のビジネスライン

・公式なTeslaのガイダンスで事前に発表されていない計画、予想、見積もりの数字

Teslaの株に関する動き(Musk氏の株の取得や売却を含む)

・非公表の法的または規制上の調査結果や決定

・管理の変更や役員(最高経営責任者、会長、最高財務責任者、最高会計責任者、最高執行責任者、または同様の責任を伴う職についている人)の変更といったフォーム8-Kの提出が必要なもの

2者の戦いは、1420ドルでTeslaの株を買い上げて同社を非公開とするための「資金は確保した」というMusk氏の20188月の悪名高いツイートに端を発している。SECMusk氏を詐欺容疑で提訴した。

Musk氏とTeslaは非を認めることなく昨年SECと和解した。Teslaは罰金2000万ドルを払うことに合意し、Musk氏はTesla会長職を少なくとも3年間離れることに同意しなければならなかった。またTeslaが役員会に独立取締役2人を追加することも合意に盛り込まれた。加えてTeslaは、Twitterによるものも含め、Musk氏のTeslaに関する公に向けた発言を監視する方策を実行に移すよう求められた。

両者の戦いは、Musk氏の219日のツイートで再び勃発した。そのツイートは、Teslaは今年”50万台を製造するだろう、というもので、数時間後に自ら修正し、Teslaは今年末までに年率50万台で製造するということを意味していた、とはっきりと説明した。

SECは、Musk氏のツイートが合意に反したと主張した。一方のMusk氏は、ツイートが取るに足らないもので合意を守っていると述べた。

SECは、Musk氏の「資金は確保した」ツイートをめぐって昨年10月に合意に達した和解内容に反しているとして、Musk氏に法廷侮辱罪を適用するよう裁判所に求めた。SECは、Musk氏が投資家や当局にとって材料となり得る情報を発信する前にTeslaの役員会から承認を得るべきだったと指摘し、219日のツイートは合意に反したと主張した。

Musk氏は断固として合意に反していないと主張している。

イメージクレジット: Robyn Beck / AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Uber、IPOの評価額目標は最大10兆円との報道

Uberは、来るべきIPOの売り出し価格を44~50ドルとし、80~100億ドルの調達を目指している。この場合の企業評価額は800~900億ドルになる。Bloombergが報じた

これまでの報道では、Uberの評価額を1200億ドル前後としていた。それでも上記の金額は、最後の調達ラウンド後の評価額760億ドルより高い。

この評価額の落ち込みは、Lyftの公開市場での実績に影響されたためである可能性が高い。NASDAQデビュー後、Lyftの株価は初日に10%近く高騰した後、苦戦を続けている。

Uberはまだ、IPOの条件を正式決定していないが、早ければ明日には発表すると報じられている。Uberが予想されている価格範囲の下限を選んだとしても、LyftのIPO評価額23.4億ドルの3倍以上になる。UberのIPOは、2014年のAlibaba以来米国最大になる

2018年、Uberは売上112.7億ドル、純利益9.97億ドル、調整後EBITDA損失18.5億ドルを計上した。Uberは2週間前にIPO申請し、5月にニューヨーク証券取引所に上場する予定。

UberIPOでトラヴィス・カラニック氏はビリオネアに、1兆円価値の株を保有

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook