テック見本市IFAは9月にベルリンでリアル開催決定、ただしメインイベント「Global Markets」は中止

7月末にCESの主催者は2021年の会場でのイベント開催中止を発表した。このニュースはベルリンで開かれるIFAの主催者に、予定されているイベントについて情報を出すよう作用したようだ。9月開催を前にIFAはかなり積極的に情報発信しようとしてきた。

例えば、8月4日のプレスリリースには「IFA 2020スペシャルエディション:IFAグローバルプレスカンファレンスでノンストップのニュース発表ーグローバルブランドが最新のプロダクト、年末商戦に向けたニュースやサービスを発表する」とある。筆者は件名くらいしかプレスリリースを見ていない。要するに「IFAはあらゆることにもかかわらず開催でき、また開催しなければならない」ということだ。

しかし8月10日朝、主催者はカンファレンスのメインイベントであるGlobal Markets(グローバルマーケット)を今年は開催しないと発表した。2016年に始まったこのイベントは、OEMやODM、小売業者、流通業者が一堂に会するためのものだ。今回のプレスリリースには「IFA 2020スペシャルエディション:業界からかなりの関心があったがIFA Global Marketsは2021年に延期」と書かれ、「Tech is Back」のバナーも付けられている。「出席者、時にアジアマーケットからの参加者にとって移動が問題となっていた」とIFAは記している。

「現在も続く移動規制によってアジアの企業がベルリンでのライブイベントに参加できない」とIFAのエグゼクティブ・ディレクターであるJens Heithecker(イェンス・ハイテッカー)氏はリリースで述べた。「そうした状況下で、多くの企業がIFA Global Markets参加を来年に延期しなければならなかった。消費者・家庭エレクトロニクス産業におけるアジアのサプライヤーはIFAの大部分を占める」。

IFAは今年実際に会場で開催することを選択した、かなり少ないテックショーの1つだ。ただし、出席者数の制限を含め、多くのセーフガードや規制を案内している。8月10日にリリースされたドイツ企業調査(CNBC記事)では、新型コロナウイルス感染者の増加(BBC記事)を受け、社会生活の規制がさらに8カ月半続くと予想していることが示された。

IFA 2020は9月3〜5日に予定されている。

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(翻訳:Mizoguchi

フェイスブックが新型コロナによる在宅勤務措置を2021年7月まで延長

Facebook(フェイスブック)もGoogle(グーグル)と同様に(未訳記事)、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる従業員の在宅勤務を2021年半ばまで認めると明らかにした。

「衛生当局と政府の専門家のガイダンス、そして当社の内部協議の結論に基づき、従業員が任意で引き続き2021年7月まで自宅で働くことができるようにする」とフェイスブックの広報担当はReutersに語った

フェイスブックはまた「ホームオフィス需要」に使える追加の1000ドル(約10万1000円)を従業員に支給するとも述べた。

2020年7月下旬にグーグルは新型コロナ措置のリモートワークを延長した(未訳記事)。2021年6月末まで在宅勤務を続けることができるとしている。

2社とも世界中の多くの都市に大きなオフィスを構えている。パンデミックのために通常よりもかなりフレキシブルな勤務体系を提供せざるを得なくなったにもかかわらず、両社はオフィスを維持し続け、職場の提供をアピールしている。(オフィスをさまざまなことができるプレイグラウンドに変えるのに2社がこれまでいくら費やしたのかを考えた時、これはおそらく驚くことではないだろう。スタッフを長時間留められるよう、オフィスには無料のスナックや食事、昼寝ポッド、ビデオゲームアーケード部屋、健康センターすらも用意されていた)。

例えばフェイスブックは2020年8月初めに、ニューヨークにあるアイコン的なビルにメーンオフィスを確保した(未訳記事)。220万平方フィート(約20万平方メートル)ある既存のオフィスに73万平方メートル(約6万8000平方メートル)を追加するというものだ。グーグルは英国の首都ロンドンのキングクロスエリアでメインオフィスの開発を引き続き進めている。予定しているロンドン「ランドスクレイバー」本部の場所で先月勤務を再開した(The Guardian記事)。

2020年7月下旬にApple(アップル)は少なくとも2021年初めまで従業員がオフィスに戻らないことを明らかにした(San Francisco Chronicle記事)。その際、オフィスへの出社は効果のあるワクチン、あるいは有効な治療が利用できるようになっているかどうか次第だとした。つまりアップルは新型コロナによる在宅勤務が長期にわたることを覚悟しているようだ。

オフィスの将来について疑問が渦巻いているが、人間同士の接触は公衆衛生のリスクだ。逆説的にいえば、資金潤沢なテック大企業は従来の職場をすべて捨てて、オフィスワークをリモートで行える現代テクノロジーに全面移行するつもりはないことを示している。

Twitter(ツイッター)は例外だ。パンデミック第1波の間、同社は完全リモートワークを導入し、5月には望むならずっと在宅勤務を続けることができる、と従業員に伝えた

最近の同社アカウント侵入にリモートワークが影響したかどうかはわからない。ツイッターは、ネットワークアクセスクレデンシャルの入手を目的にスタッフを騙すのに電話スピアフィッシングが使われた、と述べた。

もちろん、多くの従業員がパンデミック期間にリモートで働くことによるリスクについて、セキュリティ懸念を抱いた。リモート環境は会社のファイアウォールの外にあるかもしれず、攻撃に弱い。

フェイスブックの広報は、同社が永久にリモートで働くオプションを従業員に提供するかどうかについて回答しなかった。しかし同社はこれまでのところ、そこに踏み込む準備はできていないようだ。少なくとも、かなりのオフィススペースの新規契約にサインしていることからするとそうなのだろう。

フェイスブックは2020年5月にデンバー、ダラス、アトランタに新たなハブを設けると発表するなど、新型コロナパンデミックを受けてオフィスへのアプローチを修正してきた。

またサンディエゴやポートランド、フィラデルフィア、ピッツバーグなどで、オフィス周辺エリアでの新たな人材探しに注力すると明らかにした。

CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は今後10年内に従業員の半分が完全リモートで働くようになるかもしれない、と述べた(Facebook投稿)。ただしハードウェア開発、データセンター、人事採用、ポリシー、提携などの部門の一部の業務では完全リモートワークはできないと話している。

関連記事:Facebookが社員半数をリモートワークに、シリコンバレー外に複数の拠点開設へ

カテゴリー:ニュース

タグ:Facebook 新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterがトランプ陣営のアカウントを凍結、新型コロナの偽情報シェアを理由に

Twitter(ツイッター)は米国時間8月5日、トランプ大統領の公式選挙キャンペーンのTwitterアカウントに対して行動に出た。新型コロナウイルスに関する誤解を招くトランプ大統領の発言を含む動画を投稿した@TeamTrumpが、そのツイート削除するまでツイートができないよう凍結したのだ。問題の動画は、8月5日の朝のFox Newsのインタビュー(CNN記事)から転載されたもので、その中で大統領は、子供たちは新型コロナウイルスに「ほとんど感染しない」という事実無根の言説を弄している。

「子供を見てくれ。子供はほとんど……、間違いなくと言ってもいいぐらいだが……、この病気にほとんど感染しない」と大統領。「子供は大丈夫だ。子供たちは平気なんだ」

トランプ大統領のメインのアカウントである@realDonaldTrumpは、この規約違反のツイートを投稿した@TeamTrumpにリンクを張っているが、直接シェアをしているわけではない。トランプ大統領自身のアカウントが凍結されたという誤った報道もあったが、現時点では彼のアカウントは、トランプ氏の選挙キャンペーンアカウントと同様の処置の対象にはなっていない。

キャンペーンアカウントも、米太平洋時間の午後6時ごろには再びツイートできるようになっている。

「ご指摘の@TeamTrumpのツイートは、新型コロナウイルス関連偽情報に関するTwitter規約に違反しています」と、Twitterの広報担当者Aly Pavela(アリー・パベラ)氏は、TechCrunchに提示した声明の中で述べている。「このアカウントの所有者は、このツイートを削除するまで、ツイートを再開できません」。

Facebook(フェイスブック)も8月5日の夜に、トランプ大統領のアカウントに対して前例のない独自の行動に出た。特定のグループはウイルスに免疫があるという、人を傷つける虚偽の主張を禁じた同社の規約に違反するすべての投稿を削除したのだ。

大統領の誤った主張は、学校は秋に再開させるべきという自身の信念を裏付けようと発せられたものだ。6月、米教育長官Betsy DeVos(ベッツィ・デボス)氏も、「子供たちは病気のストッパーになる」(Washington Post記事)との同様の非科学的な主張を行っている。

実際には、子供と新型コロナウイルスとの関連性は、まだよくわかっていない。年少の子供は重症化しにくい傾向にあるようにも見えるが、子供たちがどの程度感染し、どれほどウイルスを拡散するかはいまだ不明だ。ジョージア州の子供キャンプの感染率を調査した米疾病管理予防センターの新しい報告(CDCレポート)では、「あらゆる年代の子供は新型コロナウイルスに感染しやすく、初期の報告とは裏腹に、感染拡大に大きな役割を果たす恐れがある」との見解が示されている。

関連記事:「子供は新型コロナに免疫」というトランプ大統領の投稿をFacebookが削除

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(翻訳:金井哲夫)

遺伝子検査のHelixが新型コロナ検査体制拡大に向け米国立衛生研究所から約35億円獲得

米国立衛生研究所(NIH)は、Rapid Acceleration of Diagnostics(RADx、診断迅速化)プログラムの最初の受益者を発表した。サンマテオに本拠を置くHelix(へリックス)が連邦政府から3300万ドル(約35億円)を受け取ることになった。Helixは2015年創業のヘルステックスタートアップで個人の遺伝情報から得られる洞察に注目している。同社はRT-PCR法を用いてSARS-CoV-2(新型コロナのウイルス名)の存在を検出する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査も開発した。

資金は、新型コロナ検査の規模を拡大するHelixの取り組みを支援するために使用される。同社は今秋までに、1日当たり10万回のテストを達成し、その後スループットキャパシティ(単位時間当たりの処理量)をさらに拡大することを狙う。Helixの検査は2020年7月初めにFDAのEmergency Use Approval(EUA、緊急使用承認)を取得して以来、米国全体で利用可能になった。同社の検査は翌日に結果が出る。

Helixは第2のタイプの検査もEUAに申請した。これはNGS(DNAまたはRNA配列解析技術の1つ)検査で、より多くの検査量に対してより高いスループットを提供するとともに、偽陰性をなくしウイルスの存在を正確に検出する感度の良さを持ち合わせる。この検査は、承認されればということだが、RADxプログラムが最終的な目的とする今よりはるかに大規模な検査体制をHelixが実現するための鍵となる。

現在承認申請中の2つ目の検査システムは、1日当たり最大2万5000件を処理できる。この検査システムはサプライチェーンの負担を軽減する方法を使用している。

画像クレジット:Helix

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(翻訳:Mizoguchi

グーグルとアップルの接触通知システム採用アプリの米国展開は「数週間後」か

Googleの副社長であるDave Burke(デイブ・バーク)氏は、Google(グーグル)がApple(アップル)と共同で開発したExposure Notifications System(接触通知システム、ENS)に関する最新情報を提供(Googleブログ投稿)した。公衆衛生当局の接触追跡を支援するこのコネクテッドソリューションは、プライバシーを保護しつつ、新型コロナウイルスへの感染が確認された人へ接触した可能性がある人に警告を発する。バーク氏は「グーグルはこれら一連のアプリが米国で今後数週間で展開されると見込んでいる」と述べた。実際の製品は5月にリリースしたテクノロジーをベースに作られているが、製品化への進展が見られないとの批判もあった(CNBC記事)。同氏のコメントは批判に対する暗黙の返答かもしれない。

バーク氏によると、現在米国内の20の州と地域がENSシステムを利用したアプリを検討中であり、検討中の州・地域合計で米国人口のほぼ半分(45%)をカバーする。また同氏は、Exposure Notification API(ENS API)や関連する文書や情報について最新情報と改善状況を公表した。両社がそれらを公表したのは、州保健機関からの質問に回答し、望むらくはAPIの使用とプライバシーへの影響に関して透明性を確保するためだ。

ENS APIは、国をまたぐ接触通知もサポートしている。バーク氏によると、このテクノロジーに基づいてアプリをすでにリリースした国、具体的にはカナダCOVID Alert)と一部の欧州諸国があることを前提として追加された機能だ。また、多種のデバイスに固有のBluetooth値を使って、近くのデバイスの検出する精度にも優れている。加えて、開発者向けにアプリとデバッグツールの両方の信頼性を向上させたため、公衆衛生当局と開発パートナーは、実際にENSを利用するアプリをより簡単に開発できるはずだ。

バーク氏は「開発者から、ENSが内部でどのように機能しているかより詳細な情報が欲しい」というフィードバックがあったと述べた。そこで、テスト検証サーバーの作成、基礎的な動作を明らかにするコード、実際に(匿名化された上で)収集されるデータの種類について保健当局の参考となるガイドを公開した。透明性を確保したデバッグと適切にアプリが機能することの検証を可能にするためだ。

Googleは接触通知機能を利用するためにAndroidデバイスの位置情報設定をオンにする必要がある理由も説明している。APIを使用して開発されたアプリは位置情報データの収集を明確に禁止しているからだ。基本的にこれは古い要件が残ったままになっており、間もなくリリースされるAndroid 11では不要となる予定だ。ただしそれまでは、位置情報サービスがオフになっているとENSを利用するアプリは実際には位置情報を表示または受信することができない。

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【Japan編集部追記】日本国内で配布されている「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」もExposure Notifications Systemを使って開発されている。

(翻訳:Mizoguchi

新型コロナで人々は建物の人口密度を計測するDensityの技術を求め始めた

新型コロナウイルス(COVID-19)が大流行する前から、いくつもの企業がDensity(デンシティー)の技術を利用してきた。例えばTechCrunchの親会社であるVerizon(ベライゾン)も、Yahoo!(ヤフー)とAol(エイオーエル)の統合後のオフィス空間を効率的に利用するために、以前から導入している。そして今、新型コロナ禍の影響で建物や部屋の人口密度を測定しようと、誰もがDensityの技術を欲しがるようになった。

同社が新しい投資ラウンドで5100万ドル(約54億円)を調達できたのも、ひとつにはそのお陰がある。このラウンドはKleiner Perkins(クレイナー・パーキンス)が主導し、Dick Costolo(ディック・コストロ)氏の01 Advisors(ゼロワン・アドバイザー)や、ロサンゼルスを拠点とする投資会社Upfront Ventures(アップフロント・ベンチャーズ)など、以前からの投資会社が参加している。

この需要の「第1の牽引力は、プライバシーを侵害することなく建物の利用を安全に再開できる点です」と、Densityの最高責任者Andrew Farah(アンドリュ−・ファラー)氏はいう。

同社はデータを愛するテック企業、小売店、コーヒーチェーンのためのサービスを提供する企業としてスタートしたものの、今では共有スペースを持つあらゆる事業所、つまり出荷センター、食料品店、倉庫、食肉加工場そしてTechCrunchの本社のような場所で必要とされる普遍的なテクノロジーの提供者になったとファラー氏は話す。

今回調達した資金は何に使われるのか?ファラー氏によればセールス、マーケティング、さらにはその技術を顧客の建物に導入する目的に使うという。

「私たちが計画している投資の大半はカスタマーサクセス、基幹インフラ、製品とセールスの拡大です」とファラー氏。「お客様が私たちの企業名を初めて知るのは、営業で訪問してデモをお見せしたときです」。

同社のハードウェアとソフトウェアサービスへの注文が殺到していると、彼はいう。注文は2万〜5万ドル(約200万〜520万円)程度の試験導入から、100万ドル(約1億円)単位の1000ユニット初期導入まで幅がある。「すべての顧客は初期導入後、その3倍の規模に拡大しています」と彼は話す。Densityでは、最初のセンサーの設置に1回かぎりの料金として895ドル(約9万4000円)かかる。その他に必要な年間のデータアクセス料金は、センサー1台あたり800ドル(約8万4000円)となっている。

Densityはチャンネルパートナーと直接販売の両方で成り立っており、潜在顧客が急増したことで、投資が大幅に膨らんだのだとファラー氏は話している。

「多くの顧客が、1週間前に遭遇した問題を解決しようと奮闘しています。不動産部門と保安部門からは、これまでにない緊迫度が伝わってきています」とファラー氏。

この背景には、いまだに米国で暴れ回る新型コロナウイルスとの戦いが続く中、公共スペースで安全なソーシャルディスタンスを確保したいと願う会社従業員の要請がある。

新型コロナは現在の最大のセールスポイントになっているが、Upfront VenturesのMark Suster(マーク・サスター)氏などの投資家は、Densityの技術の価値をもっと早い時期から見抜いていた。「私の投資方針は、次世代のI/Oとしてのコンピュータービジョンを信じる気持ちと、投資家のジレンマつまりインターネットでの大成功はすべてデフレ経済に動かされているという信念を掛け合わせたものだ。現在、人をトラッキングする技術は極めて高価であり、ほとんどが小売り環境で使われている」とサスター氏は、2016年にDensityへの初めての投資を発表した際のブログ記事に書いている(Medium投稿)。「コストが普及を大きく妨げている。そこを大胆に変革しなければならない」。

 

Densityのトラッキング能力を示した2016年のアニメーション(GIPHYより)

最近になってDensityのコンピュータービジョン技術に資金提供を行った投資会社Kleiner Perkinsは、この投資に1年間を費やした。

「彼らが投資家と話を始めるという噂を聞きました」と話すKleiner Perkinsのパートナーの1人で同社の新ディレクターであるIlya Fushman(イリヤ・フッシュマン)氏がファラー氏と会うようになったのは、およそ1年前だ。

フッシュマン氏によれば、Kleinerは不動産市場に興味があり、カードや認証装置もいらない建物の入退館管理のスタートアップであるProxy(プロクシー)に最近行った投資の路線に、Densityが重なったのだという。

私たちのように市場規模で見るならば、不動産と同程度の市場はそうありません」とフッシュマン氏。「また、歴史的にテクノロジーが浸透しにくい市場もあります。ビル管理は、空間利用となるとほとんどが紙と鉛筆で行われる世界です」。

入退館管理も空間利用も、新型コロナ禍以来、多くの企業がもっと効率的にコントロールしたいと考えている分野だ。Densityのような企業への支援は、まさに自然の成り行きだったと彼は話していた。

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(翻訳:金井哲夫)

XPRIZEが新型コロナの高速テストのコンテストを賞金約5.3億円で実施

XPRIZEは重要な分野における技術革新を促進するために賞金を提供するという実証済みのモデルを、新型コロナウイルス(COVID-19)テストの課題に転換しようとしている。この非営利団体は、Rapid COVID Testingとして賞金500万ドル(約5億3000万円)のコンテストを創設した。これは科学者、研究者、業界のリーダーによって結成されたOpenCovidScreenと呼ばれる組織と提携し、この課題に関するオープンな科学的コラボレーションを推進する。

このコンペティションでは、テスト能力を大規模に拡張し、安全な再開戦略への道を開くために、既存のものを補完できる低コストで高速な結果試験ソリューションの開発が参加者に求められる。自宅でのテスト、ポイントオブケアで実施されるテスト、分散型ラボテスト、そして最終的には高スループットなラボ・ソリューションなど、多くのカテゴリーの潜在的なソリューションを募集する。

最終的な賞金の審査では革新性、パフォーマンス、検索結果の高速な提供(最大許容ターンアラウンドタイムは12時間))、拡張性、使いやすさ、費用対効果(1回のテストあたり15ドルが上限)に重点が置かれている。XPRIZE団体はまた、サプライチェーンの多様化と持続可能性の確保のために、提案するソリューションでさまざまな技術を試すことを奨励している。

コンペティションに参加するためには、2020年8月31日までにチームが参加する必要がある。コンペは2021年1月末までに大賞受賞者を発表する予定で、5チームにそれぞれ100万ドル(約1億1000万円)を授与する計画だ。

コンペ終了後、参加者は「COVID Apollo Project」が設立した5000万ドル(約53億円)の基金を利用して、実際の生産・流通に向けたソリューションの開発、展開、スケールアップを図ることができる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

エレクトロニクス見本市CESの2021年1月のリアル開催中止、オンライン開催へ

CES 2020は、新型コロナウイルス(COVID-19)が真の世界的パンデミックになる前になんとか開催された。そして7月28日まで、CESの主催団体CTAは次回も開催する予定でいた。しかし、CEOのGary Shapiro(ゲーリー・シャピロ)氏は、ラスベガスで例年開催されるCESの中止をビデオを通じて発表した。CES 2021はこの業界の他のイベントと同様、オンラインでのみ開催される。

中止のニュースはこの業界の人にとって驚きではない。2021年1月というタイムラインは、ソーシャルディスタンスの手段をとるかどうかを決めるにはかなり早いかもしれない。ベルリンのIFAはまだ2020年の開催を計画している一方で、他のメジャーなテックイベントは中止、もしくは今後の状況が読みづらいためにすべてオンライン開催となった。

「新型コロナが猛威をふるう中で、10万人を超える人々が安全に屋内で集うというのは不可能であり、また2021年1月までにワクチンが広く利用できるようになるというのは望めないとの結論に至った」とシャピロ氏はLinkedInへの投稿に書いた。「世界でこれ以上感染者を増やしてはいけない。新型コロナ拡散を避けることで我々の責務を果たす決定をした」。

屋内会場に多くの人を集めるのに加え、国際イベントという性質は現在も続く新型コロナ拡大の主要な原因となる。米国が世界の感染者増加をリードしているという事実はいうに及ばないだろう。にも関わらず、ラスベガスのCarolyn Goodman(キャロリン・グッドマン)市長は4月から積極的に経済再開を押し進めていた。

筆者は毎年参加する多くの人に話を聞いたが、CESのようなイベントへの出席については抵抗が残っているようだ。さらに踏み込んでいうと、新型コロナ拡大の温床になることは組織の評判に傷がつく。イベント中止が正しい判断だ。

もちろんCTAはオンラインでのみのイベント開催の人気ぶりを継続させる体制を整えている。CTAは業界ニュースやプロダクト発表のためのプラットフォームとして機能することに関しては世界とコネクションがあり、注目されている。

「最高のグローバルデジタルイノベーションイベントにすることを約束する」とシャピロ氏は書いている。「5Gや人工知能、自動運転車、モビリティの新たな形、デジタルとテレヘルス、レジリエンス、ロボティクス、ドローン、エンターテイメントの新たな形、8K Ultra HDスクリーン、スマートTVなどの福音を、自宅やオフィスからCESにアクセスできる好奇心旺盛な人、起業家、投資家、事業者、メディアに届ける」。

もちろん、この規模のイベントを成功させるには手際の良さを要する。デジタルイベントへの移行に関して、TechCrunchは学習曲線の険しさを理解している。組織にとっておそらく最も困難なことは、大企業の参加を維持することだろう。大企業の多くはイベントに参加するのではなく、すでに自社イベント開催での発表を想定している。

E3 2020が教訓となる。2020年のイベントは2つのコンソール発表によってより盛代なものになるはずだった。しかしSony(ソニー)とMicrosoft(マイクロソフト)はいずれも、PlayStation 5とXbox Series Xを発表するのに自社イベントを選んだ。Samsung(サムスン)もまた、安全上の懸念を理由にIFAから撤退した後、自社開催の発表会を発表した。

CESデジタルイベントは1月第1週に予定されていて、詳細は間もなく発表される。「CES 2022は、実際のイベントとデジタルイベントの最もいい部分を組み合わせて、ラスベガスで開催する計画だ」とCTAはプレスリリースで述べている。それがそのときまでに選択肢となることを願っている。しかし現状では、どうなるか誰にもわからない。

画像クレジット:David Becker / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

3万人が参加する最大規模の新型コロナワクチン治験をモデルナが米国で開始

新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン候補の最大規模の治験が米国7月27日に始まった。製薬会社Moderna(モデルナ)が3万人の参加が想定されているボランティアの一部にワクチンの接種を開始している。治験は盲検テストで、参加者にはワクチンかプラセボ(偽薬)が接種される。各参加者への接種は2回行い、通常の生活の中でどちらのグループが新型コロナ感染の影響をより受けるか研究する。

治験は全米70カ所以上で行う。最初の治験場所はジョージア州サバンナだ。参加者の構成は、新型コロナの影響が深刻な地域やさほど影響が深刻ではないエリアを含めたさまざまな地域の在住者であるばかりでなく、人口統計的にも幅広いサンプルになるようになっている。

Modernaの治験は米国立衛生研究所(NIH)との提携のもとに行われ、これまでで最も早く進められているワクチン開発となる。同社のワクチン開発が始まってからまだ2カ月しか経っておらず、初の治験は実施済みだ。第1段階のテスト(小規模での治験)の初期データでは、実際に感染からの保護を示す有望な結果が示された。ただ、効果について最終的な結論を下す前に今回のような大規模治験は必須だ。

ワクチンが本当に効果があることを確認するのに加え、大規模治験では接種が安全であることを証明する意図もある。初期の治験結果では一部で副作用がみられた。しかし繰り返しになるが、それなりの規模で試すまでは副作用について最終結論を出すことはできない。

他のワクチン候補の治験も迅速に進んでいる。ここには、オクスフォード大学が開発したものも含まれる。Modernaは以前、すべてが順調に進んだ場合、2020年秋にも医療従事者向けに実験バージョンのワクチンを提供できるかもしれない、と話していた。

画像クレジット:David L. Ryan/The Boston Globe / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

家族経営の小規模配車事業者のデジタル化を助けるSwoopにとって新型コロナ流行はチャンスにもなる

運転手付きの集団輸送という業態は主に企業の外出や特別のイベント、結婚式などでも利用されるが、とても断片化された業界で、何百もの小さな事業者がアナログなシステムで顧客の予約を受けている。しかし新型コロナウイルス(COVID-19)が流行する現在では旅行や観光が減り、企業は社員に在宅勤務を求めているため、これらの事業者は困窮している。

ロサンゼルスの運送業予約サービスであるSwoopは、新しいSaaSプラットホームにより、小規模でローカルな事業者を新型コロナの時代に適応させようとしている。最近資金を調達した同社は、総年商400億ドル(約4兆2450億円)というこの業界を狙い、SaaSプロダクトに磨きをかけようとしている。

このたびSwoopが調達したのは320万ドル(約3億4000万円)のシード資金で、ラウンドはSignia Venture PartnersとSouth Park Commonsがリードし、それは、元UberのCPOであるManik Gupta(マニック・グプタ)氏、Facebook(フェイスブック)でLibraを作ったチームのKevin Weil(
ケビン・ウェイル)氏、元Uberの役員であるKim Fennel(キム・フェンネル)氏、元Andreessen Horowitzと137 VenturesのパートナーであるElizabeth Weil(エリザベス・ウェイル)氏といった面々が参加した。

SwoopのCEOで共同創業者のAmir Ghorbani(アミール・ゴルバニ)氏は、声明で「事業者たちが、ビジネスの多くの部分を紙とペンで行なっていることに心を惹かれた」と述べた。ゴルバニ氏は、小規模事業者たちの制約を身近で目撃している。というのも高校生と大学生のときに彼は、親のリムジン事業を手伝ったからだ。その体験により彼は、解決策を模索するようになった。

「これらの小規模な家族経営を助けることが、大きな商機であることに気づいた。そこはまだデジタル化されていない業界であり、マーケットシェアが1%以上の事業者はどこにもいない」とゴルバニ氏はいう。

ゴルバニ氏は最初に、AirbnbやGoogle(グーグル)、Nikeのような企業が利用する集団輸送の予約プラットフォームを構築することから始めた。この予約システムを通して、自動車を運用する事業者のためのビジネス管理ソフトウェアを構築する機会を得た。

SwoopのSaaSプラットフォームを利用すると事業者は乗車の予約と配車、車両の追跡、顧客とのコミュニケーションなどができる。また、決済やその他の帳簿仕事を集中管理もできる。このツールの利用で帳簿仕事も楽にスムーズに行うことが可能になり、車両の利用率を上げられる。それは現状4.9%だ。また、企業などから予約が入ると、それを見込み客として事業者に渡すこともできる。当面は地元の輸送企業が対象で、Uberが追っている公共交通は狙わない。

新型コロナウイルスで人びとが集団で遠出をしなくなったため、ローカルな交通事業者も困っている。Swoopは、同社プラットフォームの機能多様化でそんな事業者の生き残りを助けたい、という。例えば、ただ家にあるの車両を、人間だけでなく貨物輸送にも利用するのだ。また、企業の集団遠出に使われていた大型バンなら、食品の卸しやパッケージ配送企業が使えるだろう。あるいは、在宅で仕事を行えない工場労働者のためのシャトルサービスをAmazonなどを窓口として運用することもできる。

Swoopによると、新型コロナウイルスは一種のアクセラレーターのように機能して、事業者たちが自分のビジネスを再評価し、新しい売上源の生成とコストの削減に向かわざるをえないようにするという。

画像クレジット:Swoop

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

オクスフォードと武漢の新型コロナワクチン候補の試験結果は良好、人体にも安全

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行拡大を防ぐために世界各国で努力が続けられているが、有望な結果が2つ現れている。1つはオクスフォード大学、他は国家重点研究開発計画の資金援助による武漢における研究だ。公表された情報によれば、初期段階の結果ではあるが双方のワクチン候補ともに新型コロナウイルス感染症を引き起こす原因となるウイルスに対する抗体値を高める結果を示している。これらのワクチン候補は人体に投与しても安全だったという。

オクスフォード大学の研究(The Lancet記事)は世界のワクチン開発の中でも最も重要であり、開発が進んでいるものの1つだ。研究対象の1077人は全員が過去にSARS-CoV-2との感染が確認されていない18歳から55歳までの健康な成人だった。この点は非常に重要だ。被験者は実験者側もどの薬剤が投与されているか知ることができないようにランダム化された二重盲検法とよばれる方法で試験を受けているためだ。プラセボ(偽薬)としては既存の髄膜炎ワクチンが用いられた。その結果、ワクチンの追加接種を受けたグループを含めて参加者の100%がウィルスを抑制する中和抗体反応を示した。

参加者の一部は「痛み、発熱、悪寒、筋肉痛、頭痛、倦怠感などの軽い副作用」を示した。いずれも深刻なものではなく、処方箋なしに薬局で購入できるアセトアミノフェンのような鎮痛剤によって緩和される程度のものだった。参加者の状態ははワクチン投与後28日間モニターされた。

この結果により、オックスフォードの研究者は参加者を拡大したフェーズ3の治験に進む 。これはワクチンの認可とこれにともなう大量生産、医療現場へ流通に進む前の重要なステップだ。従来のワクチン実用化は極めて時間のかかるプロセスだったが、今回のオクスフォード大学の開発は驚くほど迅速だった。

一方、中国における研究(The Lancet記事)では18歳以上の603名を対象とし、508名に絞り込んでワクチンないしプラセボを接種した 。報告によれば参加者は副作用を示さなかった。こちらのプログラムもフェーズ3の治験に進む可能性が高い。

2020年7月初め、米国の製薬企業であるModerna(モデルナ)はフェーズ1治験の結果を発表し、実用化を目指して進むと発表している。しかしこのテストは参加者が18歳から55歳までの45人と小規模であり、また今後の大規模な治験でモニターする必要がある重大な副作用の可能性も示されていた。規模が大きく深刻な副作用が報告されていない点でオックスフォードと中国のワクチン研究は非常に有望なようだ。

もちろんこれらは初期段階の治験であり、多くの推測をするには早すぎる。例えば、新型コロナに感染して回復した患者から採取した血清が抗体値のアップにどれほど役立つのかなどまだ研究は充分に進んでいない(NPR記事)。新型コロナウイルスに対する有効なワクチンの実用化まで、関連する人間の免疫システムの研究が今後も続けられる必要があるだろう。

画像クレジット:Pedro Vilela / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

FedExはロボットアームを使ってメンフィスの施設で荷物の仕分けを行う

宅配大手のFedEx(フェデックス)は、これまでもロボット技術にトライしたことがある。よく知られているのは自律配送ロボットのRoxoだが、2019年にニューヨークでデビューしたときは市長のBill de Blasio(ビル・デブラシオ)氏に冷たくあしらわれた(未訳記事)。しかし最近では、新型コロナウイルス(COVID-19)のために多くの企業がサプライチェーンから人を減らすことを考えるようになり、ますます自動化が急務になっている。

このロジスティクスの大手から今週、TechCrunchにここ数カ月、以前とは違う方法でロボットを使っていると連絡があった。FedExは同社のメンフィスの施設における大量の荷物の仕分けを支援するためにYaskawa AmericaとPlus Oneから4台のロボットアームを導入した。

しかしこの分野に詳しい人はよくご存知と思うが、様々な理由で、その工程において人間の役割は依然として大きい。同社ではこれまで仕分けを担当していたSmall Package Sort Systemチームの数名が、ロボット従業員の働きを監督している。

FedExによると、この技術には新型コロナウイルスの流行前から積極的に取り組んでいたという。「新型コロナがこの技術の採用を加速したわけではないが、ウイルスのためにメンフィスのハブを通過するeコマースのパッケージの量が急激に増加し、そのため新型コロナがこの技術の必要性と、メンフィスで働くチームへの支援の必要性を確認した」という。

そもそもこの業界はしばらくの間、この方向を目指してきた。ロボティクス企業への投資や買収に大金をつぎ込んできたAmazon(アマゾン)は、人間とロボットが一緒になって大量の荷物をさばいていく工程の、ベストモデルといえるだろう。UPSもやはり、さらなる自動化を目指している。2019年に同社は、パッケージの80%を自動化施設で処理するという目標を掲げた(BUSINESS INSIDER記事)。新型コロナウイルスのような現在進行中の大規模な健康危機は、労働者と顧客の両方にリスクをもたらしており、自動化の拡大は多くのこの種の企業にとって、当然やるべきことになっている。

FedExによると、同社はこれまでのところロボティクス企業への投資は行なっていない。

画像クレジット:FedEx

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

室内を紫外線で消毒する3Dマッピング搭載の自律型ロボ「SmartGuardUV」

Fetch(未訳記事)は、Amazon(アマゾン)などと直接競合して成功を収めた倉庫作業用ロボットで確かによく知られている。しかしうまくやっている自律型ロボティクスのプラットフォームはどこもそうだが、Fetchもさまざまな懸念の解決に適応できるようモジュール式のシステムを提供している。

ここ数カ月の新型コロナウイルスのパンデミックの中で、数え切れないほどの企業が、そしてFetchも自社技術のニーズを認識した。同社は6月に消毒スプレーロボットのBreezy One(PR Newswire記事)を発表した。それから1カ月も経たないうちに、今度はSmartGuardUVを発表した。Breezy Oneと同じ考えに基づくものだが、SmartGuardUVはPURO Lightingから厚意で提供を受けたキセノンUV装置を使い、UV-C、UV-B、UV-Aのライトで消毒をする。

Fetchのほかのロボットと同じくSmartGuardUVも自律的に動作するので、病院や店舗、小売業などの広いスペースや、再開にあたって安全対策に関心を寄せているオフィスで利用できる。

FetchのCPOであるStefan Nusser(ステファン・ナッサー)氏はリリースで次のように述べている。「新型コロナウイルス(COVID-19)から従業員と顧客を守るために十分な備えをしている施設は、消毒に細心の注意を払い、いつでも配備できる自動化ソリューションに信頼をおいている。どんな規模の企業も、信頼できる消毒手順の必要性を認識している。SmartGuardUVを使えば、従業員が通常の業務から手を離すことなく、1日中いつでも確実な安全対策をすることができる」。

このシステムでは3Dマッピングに加え、Piedmontの4Siteクラウド分析プラットフォームを利用して作業の際に消毒の指標も提供する。Fetchによると、最大で99.9%のウイルスと細菌を消毒する能力があるという。

画像クレジット:Fetch Robotics

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(翻訳:Kaori Koyama)

アマゾンが従業員向け医療施設を倉庫近くで試験的に運営

Amazon(アマゾン)は米国時間7月14日朝に、Crossover Healthと提携しアマゾンのフルフィルメントセンターの近くに従業員用の健康管理施設を建設すると発表した(Amazonリリース)。計画はまだ試験段階だが、同社は企業クライアントのためのクリニックを構築するCrossover Healthのサービスを採用する。このスタートアップはApple(アップル)やFacebook(フェイスブック)向けにも同様の施設を建設しており、数年前にはアップルによる買収の潜在的なターゲットであると噂されていた(CNBC記事)。

アマゾン初となるNeighborhood Health Centerはテキサス州のダラス・フォートワースに開設され、最大2万人の従業員にサービスを提供する可能性があり、その半数はアマゾンの業務に従事している。同社によると、最初の段階では5つの都市に20カ所のNeighborhood Health Centerを開設する予定であり、これにより合計で11万5000人の従業員をカバーする計画だ。その他の都市はフェニックス、ルイビル、デトロイト、カリフォルニア州のサンバーナーディーノ・モレノバレーとなる。順調にいけば、さらに多くの都市が追加される予定だ。

「米国では、プライマリケアの医師に容易にアクセスできない患者の数が増加しており、代わりとなる緊急または緊急ケアのオプションの利用は患者にとって高価なだけでなく、重要な予防ケアの機会を失うことになる」と、同社の人事担当VPのDarcie Henry(ダーシー・ヘンリー)氏はリリースで述べており、米国におけるヘルスケアの大きな体系的問題に対処する。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが4カ月以上止まる兆候が見られないため、米国内のリソースはさらに逼迫している。そんな中、必要不可欠な労働者に指定されているアマゾンの倉庫従業員は特に危険にさらされている。同社は新型コロナウイルスへの対応の議論のために非常に苦労しており、またその対応について労働者や政治家、メディアから非難を浴びている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

3MとMITが新型コロナを数分で診断できる安価な検査を共同開発

産業界とアカデミズム科学の強力な提携が重要なタスクに注力している。そのタスクとは、低コストでその場で結果がわかる新型コロナウイルス(COVID-19)検査の開発だ。化学産業のリーダーである3M(スリーエム)は、扱いが簡単で、大量販売・使用向けに安くで大量生産できる新型コロナの診断ツールを開発するためにマサチューセッツ工科大学(MIT)と提携した。

検査は研究段階にあり、化学エンジニアリングを専門とするMITのHadley Sikes(ハドリー・サイクス)教授がチームを率いる。サイクス氏のラボはタンパク質テストの成績を高める技術の開発にフォーカスしていて、これはつまり迅速で正確な結果を提供することを意味する。

3Mは大量生産向けのプロダクト製造における経験とともに、正体材料と正体処理工学の専門性で貢献する。最終目標はウイルス抗原を検知するテストを作ることだ。新型コロナでの使用が5月初めにFDA(米食品医薬品局)によって初めて承認されたテストだ。このテストではPCRベースの分子テストよりも早く結果がわかる。しかし偽陰性を示す可能性も分子テストより高い。それでも、現場ですぐに実施して数分で結果が判明するという性能は検査能力を拡大するのにかなり貢献する。特に、症状を有していないものの、もしかすると無症状なだけでウイルスを他人にうつすかもしれないというケースで有用だ。

3MとMITの新たなプロジェクトは、米国立衛生研究所が米国の検査体制を拡大できる開発に資金を提供するRADxテックプログラムの一環だ。最初の資金50万ドル(約5400万円)が3MとMITのプログラムに提供され、開発の成果が出ればさらに資金提供を受けられる可能性がある。

画像クレジット:3M

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(翻訳:Mizoguchi

コロナ禍で落ち込んだPCの売上は第2四半期にやや回復基調、リモートワークが影響か

本年第1四半期のPCの売れ行きは、除菌ウェットティッシュやN95マスク以外のすべてのものに共通する同じ理由で厳しかった。そもそも人々は、新しいデバイスに大金を投じるという気分ではなかった。企業のIT部門や個人がリモートワークという新しい現実に適応したため、新型コロナウイルスの影響はやや落ち着いたが、ウイルス蔓延の影響で中国やアジアのその他の部分でサプライチェーンが回復しないため、理想的な数字には戻らなかった。

しかし調査会社のGartner(ガートナー)の数字によると、Q2は回復の始まりと見ることができる。大きな揺り戻しではないが、前年同期比2.8%増は厳しい第1四半期に比べると注目すべき増加だ。それには理由が2つある。第一は、家庭の環境を仕事や勉強用に整えたこと。第二は、一部の店舗が再開店し、サプライチェーンの不具合の中で店頭在庫をなんとか充実させたことだ。

出典: Gartner

トップは依然としてLenovo(レノボ)で、僅差でHPが2位だ。各社の売上増加率は4.2%から17.1%までの範囲でばらついている。Dell(デル)とApple(アップル)、Acer(エイサー)が5位以上に入る。以上により、米国市場のQ2の売上も3.5%アップした。特に大きく伸びたのがモバイルコンピューターでデスクトップの減少を補っている。

しかしガートナーは、成長は一時的と見ているから、PCメーカーにとってこのニュースは貴重だ。ガートナーのアナリストである北川美佳子氏は 「モバイルPCの需要の改善は2020年に限定される。売上の増加は主に新型コロナウイルスのパンデミックの影響による短期的なビジネス用途によるものだ」と説明している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ハーバード大発スタートアップがコロナを除去する鼻孔スプレーの市販を計画

ハーバード大学のバイオメディカル・エンジニアリングのDavid A. Edwards(デビッド・A・エドワーズ)教授が開発し、今秋に市販が予定されているデバイスは、呼気中に存在するウイルスをほぼ100%除去できるという。つまり新型コロナウイルスを他人に感染させるリスクとともに、感染させられるリスクをも大幅に減らせることになる。第一線で患者のケアにあたる医療関係者にとって、フェイスシールドのようなPPE(個人用防護具)ともに用いることで大きな助けになるはずだ。

FENDと名付けられたこの製品は、エドワーズ教授が創業したスタートアップであるSensory Cloudが製造し、9月に市場に投下される予定だ。 このシステムが噴霧するのは、簡単にいえば「塩水の霧」。薬物を含まない生理食塩水の一種であり、ほぼ海水と同様の天然塩が成分となる。

Sensory Cloudが医学専門誌のQRB Discoveryに発表した査読済み論文によれば、この霧は鼻吸入器を使って深鼻腔に噴霧されると、従来のマスクではフィルターできなかった1nm(ナノメートル)未満の上気道のウィルス性微粒子を除去できることが確認されたという。

ただし同社が実施した試験は 65歳以上の5人と未満の5人の10人のボランティアに対するものだったので、サンプルの母集団がきわめて小さいという点については留意が必要だ。それでもサンプルグループ全体で、空気1Lあたりの微粒子の約99%を除去することに成功している。ブロックされた微粒子の大部分は従来のマスクで防御するには小さすぎるサイズだった。

Sensory Cloudは、FENDが「新型コロナウイルスの危険にさらされているすべての人」に有効な追加的保護を提供できるとしている。つまり新型コロナウイルスに感染してない場合、上気道を塩水のミストで拭うことにウィルス微粒子を除去して感染を防げる。またすでに感染している場合も呼気中にウィルス微粒子が含まれることを防止する。

同社では世界中の第一線の医療従事者を含む、高い感染リスクに直面している人々がまず利用できるようにする。その後一般向けにオンライン・ショップで市販し利用範囲を拡大していく計画だ。また同社はこの夏にさらに臨床試験を予定している。これが初期の小規模なテスト結果を裏付けるものであれば、製品の実用化に向けて大きな前進が得られるだろう。

Sensory Cloudでは吸入器を含むFENDを2セット49ドル(520円)で発売する予定だ。詰め替えの食塩水ボトルは6ドル(640円)を予定している。各ボトルは250回程度の噴霧が可能で、同社のテストによれば1回の噴霧で6時間程度効果が持続するという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナ給与保護プログラムの融資を受けた米テック企業のリストを中小企業庁が公開

米国時間7月6日、米国財務省は給与保護プログラム(PPP)で15万ドル(約1600万円)以上の融資を受けた企業を列挙したリストを公表した。この中にはBolt Mobility、Getaround、Luminar、Stackin、TuSimple、Velodyneといった話題のテック系スタートアップの名前も入っている。

15万ドル以上の融資を受けた中小企業の社名を掲載したこのリストは、同プログラムの透明性を求める圧力の結果生まれた。リストには、会社が受け取った資金で維持する予定の従業員数も載っている。

PPP融資は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックにより、政府や自治体が発令した自宅待機と不要不急ビジネスの閉鎖指示の影響を受けた企業を支えるために提供された。議会を通過しトランプ大統領が署名した2兆ドル(約215兆円)のCARES Act(コロナウイルス救済法)には、中小企業が社員の給与を維持するための直接的インセンティブを与えるPPP融資が盛り込まれた。申請受付を担当した米国中小企業庁は、社員維持の条件を満たしていれば融資を認めた。

今回発表されたデータからわかるように、情報には不正確なものが含まれていた。BirdとIndex Venturesの2社は当局が提供した情報に反論する声明を発表した。

「BirdはPPP融資を申請した企業として誤ってリストに掲載された」とBirdが提供したメールの声明に書かれている。「当社は申請もしていないしPPP融資を受けてもいない。我々は中小企業や地域ビジネスから大切な資金を奪いたくなかったので、会社として申請しないことを決めた」。

6日にBirdのCEOでファウンダーのTravis VanderZanden(トラビス・ヴァンダーザンデン)氏は、Citi(シティ銀行)は同社が正式に申請するかどうかを検討している間に手続きを開始した。Birdは申請しないと決定したことをCitiに伝え、同行は仮申請を取り消したと同社に伝えた。

Index Venturesは、融資を申請も受け取ってもいないことを確認した。Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)もPPPデータに掲載されたが、申請も受取もしていないことをTecnCrunch宛の声明で確認した。

以下のスタートアップと企業のリストには、プログラムの資金を自社のため、あるいは投資先企業のために受け取ったベンチャー企業も掲載されている。本稿は今後融資を受けた企業を確認でき次第追記する予定だ。

融資額15万~35万ドル(約1600万〜約3800万円)

  • Stackin(スタッキン)はミレニアル世代とフィンテックスタートアップを結びつける企業であり、融資を申請した。注目すべきなのは、このフィンテック企業が1260万ドル(約13億5000万円)のシリーズBラウンドを2020年5月に完了していながら、リストに載っていることだ。CEOのScott Grimes(スコット・グライムス)氏はコメント要求にまだ応じていない。
  • OpenResearchは、かつての社名をY Combinator Researchといい、維持する予定の社員数はゼロだった。非営利の同組織は2020年5月に再ブランドを果たし、Y Combinatorから独立して運用し、財政的に関連がなくなることを発表した。社名変更の発表は、同社がPPP融資に申請した後だった。

融資額35万~100万ドル(約3800万〜約1億700万円)

  • Bolt Mobilityは都市内マイクロモビリティーの先進的スタートアップ。18人の社員を維持予定。

融資額100万~200万ドル(約1億700万〜約2億1500万円)

  • SquareFootはニューヨーク拠点の不動産スタートアップで、融資を受けた。The Informationによると、CEOのJonathan Wasserstrum(ジョナサン・ヴァッサーストラム)氏は、新型コロナウイルスによって不動産売買が減速する中、社員の解雇を避けるために100万ドル(約1億700万円)を受け取った。

融資額200万~500万ドル(約2億1500万〜約5億3700万円)

融資額500万~1000万ドル(約5億3700万〜約10億7400万円)

  • Getaroundは、ピアツーピアのカーシェアリングサービスで、448人の社員を維持する予定。TechCrunch宛の声明でGetaroundは融資を受けたことを認め、同プログラムのおかげでロックダウンと新型コロナウイルスによる制限のために「会社が受けた深刻な影響を軽減するために役立った」という。
  • LuminarはLiDARセンサーの企業で341人の社員を維持する予定。
  • Turoはピアツーピアカーシェアリングサービスで、維持する予定の社員数は未公表。
  • Velodyneは、ライダーセンサーの企業で450人の社員を維持する予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

2020年上半期の世界のアプリ売上高は5.4兆円に急増、新型コロナ需要で

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響を受けて、2020年上半期に消費者がモバイルアプリやアプリインストールに費やした額は著しく増加した。Sensor Towerの新たなデータで明らかになった。今年上半期に、消費者はApple(アップル)のApp StoreとGoogle Playで501億ドル(約5兆4000億円)使った。昨年同期に比べ23.4%増だ。参考までに、2019年上半期の成長率は2018年上半期比20%増だった。加えて、初回アプリインストールが2020年上半期は前年同期に比べて26.1%増え、ダウンロードは715億回に達した。

そうしたダウンロードのうちAppleのApp Storeは183億回を占め、前同期比22.8%増だった。一方、Google Playでの新アプリインストールは532億回で前年同期比27.3%増だった。

インストール回数はGoogle Playのほうがかなり多いが、消費者支出においてはApp Storeのほうが引き続きGoogle Playをしのいでいる。

2020年上半期にApp Storeはアプリ内購入、サブスク、プレミアムアプリ、ゲームで328億ドル(約3兆5000億円)を売り上げたとSensor Towerは推定している。2019年上半期の263億ドル(約2兆8000億円)から24.7%のアップだ。Google Playの数字はApp Storeの約半分の173億ドル(約1兆9000億円)で、前年同期比21%増だった。

パンデミックの影響は2020年上半期に売上が大きかった(ゲーム以外の)アプリに集中している。例えば、最も売上高が大きかったのはMatchのオンラインデートアプリTinderだった。ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の維持)の影響でトップ5から外れるだろうと思っていた人もいたかもしれない。

今年上半期の期間中、Tinderの売上高はApp Store、Google Play合計で4億3300万ドル(約465億円)だったと推定されている。ただ、この数字は2019年上半期の5億3200万ドル(約570億円)から約19%減となった。その減少がどれくらいパンデミック中の消費者の行動や消費習慣の変化と関係しているのかははっきりとしない。外出禁止令や隔離で人々は家に閉じこもって他人との距離を保ったものの、ソーシャルネットワーキングアプリ、特にオンラインコミュニケーションにフォーカスしているアプリはロックダウン中も盛況だった。

Tinderは、「Passport」機能を無料にすることでオンラインネットワーキングにおける増大する関心を取り込んできた。この無料化された機能ではユーザーは世界中のシングルの人を探すことができ、現実世界でのデートにフォーカスしているアプリよりも、Tinderはよりソーシャルアプリになっている。しかしPassport機能の無料化は今年上半期のTinderの売上高の減少につながったかもしれない。

2020年上半期中に2番目に売上高の大きかったアプリはYouTubeで、グローバルで推定4億3100万ドル(約460億円)だった。そしてByteDanceのTikTokが4億2100万ドル(約450億円)で続く。Sensor Towerが先に報じたところによると、中国で展開するDouyinを含め、ソーシャルビデオアプリのTikTokは上半期にこれまでで最多のダウンロード数となり、グローバルで20億回を超えた。

Tencent Videoが第4位、Netflixが第5位だった。

一方、パンデミックで在宅を余儀なくされた消費者はかなりの数のアプリとゲームをダウンロードした。今年上半期に消費者は初めてのアプリを715億回ダウンロードした。この数字は前年同期比26.1%増だ。

今年上半期に最もダウンロードされたアプリはTikTokで、6億2600万回だった。しかしTikTokを含む59の中国企業のアプリをインド政府が禁止するという動きを受け、TikTokの地位は下半期には全く違ったものになるかもしれない。

ダウンロード数第2位はWhatsApp、第3位はZoomだった。Zoomのダウンロード数は急速に在宅勤務が進み、消費者がオンラインビデオ会議をするようになったことを反映している。FacebookはWhatsAppに加えてFacebookが第4位、Instagramが第5位、Messengerが第6位だった。

Snapchatのソーシャルアプリは第7位で、第8位はビデオアプリのLikeeだった。LikeeはTikTokと似ているが、さまざまなフェースエフェクトやフィルターを提供している。NetflixとYouTubeもトップ10入りした。

モバイルゲーミングの支出もパンデミックの間急増し、今年上半期は昨年同期比21.2%増の366億ドル(約4兆円)に達した。App Storeでの売上高は前年同期比22.7%増の222億ドル(約2兆4000億円)で、一方Google Playでは19%増の144億ドル(約1兆5500億円)だった。

TencentのPUBG Mobileは、Honor of Kingsが上半期最も売上高の多いものとなった。中国バージョン(Peace and Peacekeeper Elite向けのゲーム)を含め、Tencentのゲームは2つのアプリストアで計13億ドル(約1400億円)を売り上げた。ここには中国のサードパーティのAndroidアプリストアは含まれていない。このうちのおおよそ10億ドル(約1075億円)がHonor of Kingsの売り上げだ。

トップ10の残りは、順番にMonster Strike (6億3200万ドル=約680億円)、Roblox、Coin Master、Candy Crush Saga、AFK Arena、Gardenscapes、Fate/Grand Order、そしてPokémon GOだった。Pokémon GOは政府が命じたロックダウン中にインドアゲーミングに対応した。

得にRobloxは、パンデミックで家の中に閉じこもることになった子供たちがバーチャルの世界で友達と遊んだり交流したりするようになったために、利用が急増した。たとえばSensor Towerは6月に、Robloxがプレイヤーの支出額15億ドル(約1600億円)というマイルストーンを達成した、とレポートした。一方のCoin Masterは10億ドル(約1075億円)に近づいている。

ゲームインストールに関しては、PUBG Mobileがここでもトップに立った。その次にくるのがもう1つのバトルロワイヤル、Garena Free Fireだ。そしてRuby Game StudioのHunter Assassin、Eyewind LimitedのBrain Out、 PlayrixのGardenscapes がトップ5に入った。多くの人がストレスの多い期間にこれらのゲームをリラックスできるものとしてとらえた。

モバイルゲームマーケット全体で2020年上半期のダウンロード数は対前年同期比42.5%増で、初回インストール数は285億回に達した。うちGoogle Playでのダウンロード数は46.2%増の228億回で、App Storeのダウンロード数は29.5%増の57億回だった。

新型コロナの影響はQ2でより顕著に

アプリマーケットへの新型コロナの影響は上半期の数字に表れている。たとえば、Zoomや、Robloxのようなソーシャルゲーミングプラットフォームの成長だ。しかし2020年第2四半期にクローズアップすると、新型コロナの影響はより顕著だ。

Sensor Towerの推定では、アプリとゲームの世界の消費者支出は第2四半期に第1四半期比11%増となり、対前年同期比では28.8%増で、264億ドル(約2兆8000億円)に達した。この数字は、2019年第1四半期から第2四半期にかけての成長率1.4%に比べるとかなりのものだ。今年第2四半期のダウンロード回数は378億回で、前四半期比12%増、対前年同期比で31.7%増だった。2019年第1四半期から第2四半期にかけての増加率2.5%と比較すると急激な成長だ。

画像クレジット: Sensor Tower

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(翻訳:Mizoguchi

カリフォルニア大学バークレー校が唾液によるPCR検査の試行を開始

カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、同校のInnovative Genomics Institute(イノベーティブ・ジェノミクス・インスティチュート/ IGI)が開発したCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)唾液検査の試行を開始した。

米国内で最初にこの疾病が確認されて以来、IGIではCRSPR研究の先駆者であるJennifer Doudna(ジェニファー・ダウドナ)氏の下で、ウイルス検査と治療方法の開発に励んできた。

同校が試行している新たな唾液ベースの検査は、被験者の感染を調べる検査を実施するために、訓練を受け個人防護具を着用した医療従事者を必要としない。

この方法が鼻腔拭い液方式と同じように有効であることが証明されれば、バークレー校の学生、教職員を8月末の秋学期開始前に検査するための能力を高められると同大学は声明で語った。

Jennifer Doudna, wearing mask, outside kiosk

COVID-19唾液検査の試行に協力している大学院生のAlex Ehrenberg氏と話すJennifer Doudna 氏(UC Berkeley photo by Irene Yi)

「本校では、学生の少なくとも一部が秋学期に安全にキャンパスに戻れることを望んでおり、そのための方法のひとつが無症状者の検査を行うことだ。そうすることでみんなの健康を観察し、ウイルスの感染を防ぐことができる」と、仮設検査場と唾液検査を陣頭指揮するJennifer Doudna氏が声明で語った。

検査は最短5~6分で実施できるとDoudna氏は考えている。同研究は学内にはすでに公開されており、同キャンパスに所属する学生と教職員は施設のウェブ・サイトで、Free Asymptomatic Saliva Testing(無料無症状唾液検査)研究に参加できる。

「鼻腔拭い液検査と異なり、唾液検査はずっと容易であり、試験管の中に唾を吐くだけでよい」とDoudna氏は言った。「検査場を出るまでに5~6分しかかからないと考えているので、手間がかからず、簡単に検査を受けることができる」

この検査は、すでに食品医薬品局(FDA)による家庭内検査の緊急使用許可を得ているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いている。

Doudna氏らが先駆けて遺伝子工学に応用したCURSPR-Casプロテインを使用することで、同研究所は安価で実験室分析が不要で数分間で結果のでる家庭で使える検査方法の開発を進めている。

Innovative Genomics Instituteは、2014年にDoudna氏がカリフォルニア大学のバークレー校とサンフランシスコ校と共同でに、CRISPRベースのゲノム編集を推進するために設立した。

大学の声明によると、同研究所は6月初めに新たなロボティックハンドリングシステムを導入し、検査能力を1日当たり1000件に増加させた。

「パンデミックが起きた時、われわれ自らに問いかけた、『COVID-19による健康危機に対しわれわれは科学者として何をすべきか』、とDoudna氏が声明で言った。「そして目標を検査に絞った。現在われわれは、臨床検査室を設置してバークレー校キャンパス内で無症状唾液検査を行おうとしている。成功したらこの戦略を他の場所へも広げていけることを望んでいる」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook