パフォーマンスを上げケガを防ぐチームスポーツトラッキングプラットフォームのPlayerDataが約2.5億円調達

Hiro Capitalは「デジタルスポーツ」あるいは略して「DSports」分野の投資家として徐々に名を知られるようになってきた。このHiro CapitalがPlayerDataの230万ドル(約2億5000万円)のラウンドを主導した。小規模のラウンドのように聞こえるかもしれないが、参入しようとしている領域は大きく、しかも成長している。このラウンドでは英国スーパー最大手であるTescoのCEOだったTerry Leahy(テリー・レイフィー)卿も出資した。

英国エジンバラに拠点を置くPlayerDataはウェアラブルのテクノロジーとソフトウェアによるトラッキングを活用して、市民スポーツからプロスポーツに至るまでトレーニングに関するフィードバックを提供している。例えばコーチがゲームの重要な瞬間をリプレイしたり、さらにプレイヤーのポジションに基づいてさまざまな結果をモデリングしたりすることもできる。

Hiro CapitalがDSportsや「コネクテッドフィットネス」に投資するのは、Zwift、FitXR、NURVVに続いてこれで4社目だ。「Tomb Raider(トゥームレイダー)」のパブリッシャーであるEidos plcの元会長でさまざまなゲームのパイオニアとして知られるIan Livingstone(イアン・リビングストン)氏が共同創業者でパートナーであることにふさわしく、Hiroは英国や米国、ヨーロッパのゲームスタートアップ8社にも投資している。

PlayerDataによると、同社は英国のサッカーとラグビーで1万以上のチームセッション、プレイの距離では5000万メートル以上を記録している。またネットワーク効果が高く、新たに1つのチームがPlayerDataのプラットフォームを使っているチームに遭遇すると、そこから5チームがユーザーになるという。

PlayerDataの共同創業者でCEOを務めるRoy Hotrabhvanon(ロイ・ハトラブヴァノン)氏は、かつて国際的なアーチェリー選手だった。ファームウェアとクラウドインフラストラクチャのエキスパートであるHayden Ball(ヘイデン・ボール)氏が共同創業者として加わりCTOになった。

PlayerDataのアプリ(画像クレジット:PlayerData)

発表の中でハトラブヴァノン氏は「我々のミッションは、ゲームメイキングを進化させプレイヤーのパフォーマンスを上げケガを防ぐのに役立つように、きめ細かいデータとインサイトをチームスポーツのクラブに提供することです。我々の最終目標はあらゆる分野、あらゆるレベル、あらゆるチームが利用できるウェアラブルのパイオニアとなって最先端のインサイトを実現することです」と述べている。

Hiroの共同創業パートナーであるCherry Freeman(チェリー・フリーマン)氏は「PlayerDataは我々が重視するポイントをすべてクリアしています。300万を超える草の根クラブが存在する巨大なTAM(獲得可能な最大の市場規模)、共有されたプレイヤーのデータの上に築かれた大きな参入障壁、機械学習とアクションに結びつけやすい予測アルゴリズム、顧客のネットワーク効果の高さ、そして熟練でありながら謙虚な創業者チームです」と述べた。

PlayerDataのニュースはデジタルスポーツの幅広い成長ぶりを示す一端だ。この分野のニュースにはPeloton、Tonal、Mirror、そしてHiroの投資先であるZwiftなど注目の名前が並ぶ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により家でのワークアウトと健康全般の両方が重視され、パフォーマンスをデジタルで測定できる魅力はこの分野で重要な要素になっている。

フリーマン氏はTechCrunchに対し「PlayerDateの潜在的な顧客は300万チーム程度と考えています。ランナーの数は明らかに膨大で、その市場のごく一部を獲得するだけで極めて大きなビジネスになります。結局、誰もが運動をしていて、あるいは単に散歩に行くだけかもしれませんが、ターゲットとなる市場は巨大です。PlayerDateは走りに関することから始めましたが、同社のテクノロジーは他の多くのスポーツに応用可能です」と述べた。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:PlayerData資金調達イギリススポーツウェアラブル

画像クレジット:PlayerData

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(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)

ガーミンのスマートウォッチが「血中酸素トラッキング」機能に対応、4月下旬以降ソフトウェア更新で適用

ガーミンのスマートウォッチが「血中酸素トラッキング」機能に対応、4月下旬以降ソフトウェア更新で適用

血中酸素トラッキング機能

Garmin(ガーミン)のウェアラブルデバイスが血中酸素トラッキングに4月下旬以降順次対応します。ソフトウェア更新を適用することで利用できます。

血中酸素トラッキングでは、血液中に取り込まれた酸素レベルを測定する事が可能。Garminによると、血中の酸素レベルは疲労と回復のバロメーターとなり、運動を続けるか休憩を取るかの判断に役立つほか、体力向上のベンチマークにできるという報告もあるといいます。

酸素レベルの測定には普段は心拍センサーとして用いている赤色LEDと赤外線ライトを活用。血中ヘモグロビンのライトの吸収状態をデバイスの裏に備え付けられたセンサーで読み取り、数値をデバイスの画面上で表示します。

血中酸素トラッキングに対応するデバイスは下記の通りです。

  • ForeAthlete 945/745/245 シリーズ
  • VENU/VENU SQ シリーズ
  • vivoactive 4/4S シリーズ
  • Legacy シリーズ
  • vivomove 3/3S シリーズ
  • vivomove Style/Luxe シリーズ
  • vivosmart 4
  • Approach S62
  • MARQ
  • fenix 6 シリーズ
  • Quatix 6X
  • Enduro シリーズ
  • fenix 5X Plus
  • Instinct Dual Power シリーズ
  • Descent Mk2/ Mk2i
  • Lily シリーズ

(Source:GarminEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:ウェアラブル(用語)ガジェット(用語)Garmin(企業)スマートウォッチ(用語)

不妊治療のための装着型基礎体温デバイスの研究開発を手がけるHERBIOがNEDO STSで採択

不妊治療のための装着型基礎体温デバイスの研究開発を手がけるHERBIOがNEDO STSで採択

HERBIO(ハービオ)は4月2日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)が実施した、2020年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援」(NEDO STS。最大7000万円の助成金)にかかる第3回公募において採択されたと発表した。

HERBIOは、直腸温(深部体温)と臍部周辺温度の相関性を確認し、同社開発中のウェアラブルデバイスで取得したデータを基に、体温変動の研究・解析を実施する研究開発型スタートアップ。

妊娠を望んでいる女性・将来的に妊娠を望む女性は、妊活の第一歩として基礎体温の継続的な計測を行う必要がある。ただし毎朝安静状態で計測する必要があり、社会進出が進み、様々なライフスタイルの中で生きる女性にとって難しい状況にある。

HERBIOは、独自技術を活用したウェアラブルデバイスにより、取得した体温の変動データを研究することで、より精度高く妊活に貢献できるサービスの提供を目指している。また、研究により体内時計や現代女性の生活様式に適した行動変容システムをあわせて開発し、早期の社会実装を加速させる。

HERBIOは、研究開発型スタートアップとして、2017年の創立以来「体温」を軸とした事業展開を行い、ウェアラブルデバイスの開発、体温データの変動に関する研究・解析を進めている。従来取得が難しかったデータを同社独自技術を活用することで、現在製薬会社との治験や、教育機関との共同研究がスタートしているという。

同社は、「生きるに寄り添うテクノロジー」というミッションを掲げ、今までにない発見と課題の解決手法を確立し、研究成果による社会課題の解決を目指す。また、世界中の誰もが安心して医療を受けることができ、医療と健康に隔たりがなく健やかに生きることができる状態を実現するとしている。

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東京農工大が目が自然にピントを合わせられる「ホログラフィック・コンタクトレンズディスプレイ」開発

東京農工大が目が自然にピントを合わせられる「ホログラフィック・コンタクトレンズディスプレイ」開発

実物体にホログラムで発生した画像を重ねてAR表示している様子

東京農工大学の高木康博教授の研究グループが「ホログラフィック・コンタクトレンズディスプレイ」を開発しました。ホログラフィー技術を応用し、コンタクトレンズ内に表示した画像に対して、目が自然にピントを合わせられるようになります。

コンタクトレンズディスプレイは、ヘッドマウントディスプレイや専用メガネを装着することなく、目の中にコンタクトレンズを入れるだけで、現実世界にデジタル情報を重ねて表示できる『究極のディスプレイ技術』として期待されています。その一方で、表示した画像に対して目がピントを合わせられない課題があります。

この課題を解決するために、コンタクトレンズ内のLEDにマイクロレンズを取り付けて、網膜に光を集光する方法が提案されていますが、目が外界の物体にピントを合わせると目の焦点距離が変化し、集光がうまくいかなくなる問題がありました。

そこで、同研究グループでは、物体が発する光の波面を再現して立体表示を行う「ホログラフィー」技術を活用。目から離れた位置にある物体からの波面を、コンタクトレンズ内の表示デバイスで再現することで、目は実物に対するのと同様に自然にピントを合わせられるようになります。また、同技術を使うことで、さまざまな画像なども表示できるとのこと。

なお、コンタクトレンズは一般的に0.1mm程度と薄いため、この薄さに内蔵できる構造にする必要があります。研究グループによると、光の波面を制御する「位相型空間光変調器」や、光の偏光を制御する「偏光子」は数マイクロメートルの厚さで実現できるといい、「位相型空間光変調器」にレーザー照明するバックライトの厚さを0.1mm程度とすることで、コンタクトレンズ搭載が可能になりました。

東京農工大が目が自然にピントを合わせられる「ホログラフィック・コンタクトレンズディスプレイ」開発

この「ホログラフィック・コンタクトレンズディスプレイ」はコンタクトレンズディスプレイの光学技術に関する課題を解決するものだといい、同研究グループでは今後、表示デバイスや通信デバイスの研究者、および眼科の医師などと協力して、コンタクトレンズディスプレイの実用化に向けて研究を進める予定です。

(Source:東京農工大学Engadget日本版より転載)

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JVCケンウッドが視野角水平120度・解像度片目2560×1440の透過型ヘッドマウントディスプレイ発売

JVCケンウッドが視野角水平120度・解像度片目2560x1440ドットの透過型ヘッドマウントディスプレイ発売

JVCケンウッドは2月16日、透過型で高画質・広視野角を実現したヘッドマウントディスプレイ「HMD-VS1W」を発表しました。受注生産で3月下旬から発売します。一般コンシューマー向けではなく企業ユースを意識した製品です。

片目2560×1440、両眼で5120×1440という高精細なパネルを利用しているほか、従来のVRヘッドセットのようにレンズを通さず、ミラーを介して直接映像を見ることが出来るため、周辺の色収差や映像に格子状の模様が見えるスクリーンドアも発生しないとのこと。水平視野角も120度と広く、中心からずれても映像がぼけずにクリアな映像を再現できるとしています。また、視線を動かしても疲れにくい、広いアイボックス(映像が綺麗に見える範囲)も実現しています。

JVCケンウッドが視野角水平120度・解像度片目2560x1440ドットの透過型ヘッドマウントディスプレイ発売

外観的な特徴にもなっている本体前面には独自のハーフミラーを採用しており、装着したまま外の様子も確認できます。これにより、遅延のないダイレクトな操作が可能になるとのこと。たとえば、ドライビング/フライトシミュレーターで利用すれば、実際のハンドルや計器類を見ながら操作でき、リアリティーの向上にも繋がります。また、バーチャル映像を見ながらマニュアルを見る、メモを取るなどの行動も行えるため、トレーニング効率の向上も謳っています。

なお、SteamVR Tracking System2.0と互換があり、市販のベースステーション(SteamVR Base Station 2.0)を利用して、トラッキングも行えるとのことです。

(Source:JVCケンウッド(1)(2)Engadget日本版より転載)

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東証マザーズ上場の「QDレーザ」がメディアラウンドテーブル開催、事業内容や今後の戦略を紹介

東証マザーズ上場の「QDレーザ」がメディアラウンドテーブル開催、事業内容や今後の戦略を解説

QDレーザ」(キューディーレーザ)は2月5日、東証マザーズへの新規上場を果たした。調達した資金は、網膜走査型レーザーアイウェア「RETISSA Display II」(後述)事業拡大にともなう、量産のための製造費用にあてられる。

網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA Display II」

網膜走査型レーザーアイウェア「RETISSA Display II」

同社は、2006年に富士通研究所のスピンオフベンチャーとしてスタートし、2009年に光通信用10Gbpsの光通信用量子ドットレーザー(QDL。Quantum Dot LASER)の量産化に世界で唯一成功(このQuantum Dot LASERが社名の由来)。光分野におけるイノベーションに贈られる国際的な賞「PRISM AWARDS Winner」を2017年、2019年と日本企業で初めて2回受賞した。現在では、独自のレーザー技術を用いて、通信・産業・医療・民生用の広い分野で新しい半導体レーザーソリューションを展開している。

同社は、先に触れた上場に合わせメディアラウンドテーブルを実施。QDレーザ代表取締役社長の菅原充氏が、同社「半導体レーザー事業」「レーザー網膜投影事業」の事業内容・今後の戦略などについて説明した。

QDレーザ代表取締役社長の菅原充氏

QDレーザ代表取締役社長の菅原充氏

菅原氏は、同社のビジネスモデル上の強みは、半導体レーザー業界唯一のファブレス体制にあるとした。半導体レーザーの要となるデバイス設計、結晶成長と完成品の評価のみ実施し、それ以外の工程は提携工場に委託している。加工向けやLiDAR向けなど任意のレーザー波長を提供できることから、新製品・新分野・新事業を興せる高い自由度を持つとした。

もう1点の強みは、量子ドットレーザーにあるという。原子レベルの精密結晶成長技術(秘匿技術)を持ち0.1秒刻みの精密制御が可能な上、20年を超える技術の蓄積により、量子ドットレーザーの量産に唯一成功している点を挙げた。100度以上の温度となる過酷な環境において高密度実装状態でも動作可能という。

原子レベルの精密結晶成長技術を支える、分子ビーム結晶成長装置。半導体レーザーおよび量子ドットレーザーに利用する結晶は、すべてこの装置による自社製造。宇宙空間同等の超高真空を実現しているそうだ

原子レベルの精密結晶成長技術を支える、分子ビーム結晶成長装置。半導体レーザーおよび量子ドットレーザーに利用する結晶は、すべてこの装置による自社製造。宇宙空間同等の超高真空を実現しているそうだ

半導体レーザー事業

半導体レーザーとは、レーザー光を発する小型素子のことで、5G基地局や、データセンター、スーパーコンピューター、自動運転LiDARなどに実装されている。半導体レーザーを導入することで、電力消費量削減率90%、処理速度100倍、実装面積100分の1の実現が可能になるという。半導体の最も進化した「半導体の最終形」と呼ばれ、これから社会実装されていく先進技術に対して必須となるとされる。

菅原氏は、同社の半導体レーザー事業のコアテクノロジーとして、材料・設計・制御にわたり、唯一領域を多数保有する最先端の半導体レーザー技術を挙げ、高い競合優位性を有するとした。

量子ドットの量産化を支える「半導体結晶成長技術」

半導体結晶を半導体基板上に1原子層ずつ成長させる技術で、QDレーザ製品の多彩な波長ラインナップを支えているという。世界で唯一量産化に成功した量子ドットや、超高歪量子井戸などの独自技術の基盤にもなっており、多数枚化、全自動化、独自ノウハウ蓄積により大量生産性にも優れるとしている。

世界最高温度の「量子ドット」レーザーの量産化成功

量子ドットレーザーは、レーザー光を発生させる活性層に、半導体のナノサイズの微結晶である「量子ドット」構造を採用した半導体レーザーのこと。従来の量子井戸を用いた半導体レーザーに比べ、省電力性・高温耐性・温度安定性などの優れた特徴を持つという。

QDレーザは、世界最高温度の量子ドットレーザーの量産化に成功。温度安定性に優れ、100度以上の温度でも特性劣化も少なく、専用設計により200度でもレーザー発振可能。また高歩留りで安定製造できる体制も確立・成功させた。CPUとメモリーなどを光通信で接続する際に利用可能な、世界最小のシリコン融合トランシーバーも実現している。

世界初の黄色・オレンジ半導体レーザーを商用化した「精密な波長制御技術」

同社は、レーザー内部に周期的な凹凸を形成するグレーティング(回折格子)形成技術を持つという。精密な任意波長制御を可能としており、後述のバイオセンシング機器(フローサイトメーター)に必要となる黄色・オレンジ半導体レーザーを世界で初めて商用化した。

網膜に直接投影する新技術「ビジリウム(VISIRIUM) テクノロジー」

ビジリウムは、RGB三原色の半導体レーザーと、高速で振動する微細な鏡(MEMSミラー。Micro Electro Mechanical Systemsミラー)とを組み合わせ、微弱な光を精密にコントロールするというレーザー網膜走査技術。これにより、超小型レーザープロジェクターとして、光で網膜に直接映像を投影可能とした。従来の小型ディスプレイ方式に比べて視力やピント調節の影響を受けにくく、違和感の少ないデザインを実現できる。

RGB三原色の半導体レーザーと、高速で振動する微細な鏡(MEMSミラー。Micro Electro Mechanical Systemsミラー)とを組み合わせ、網膜に直接映像を投影

RGB三原色の半導体レーザーと、高速で振動する微細な鏡(MEMSミラー)とを組み合わせ、網膜に直接映像を投影

また同社は、網膜走査型レーザーアイウェア「RETISSA Display」として、世界初の製品化に成功しており、TechCrunch Japanでも紹介している

モジュールの小型化

独自の光学・力学・熱解析技術と、YAG溶接、共晶・低融点半田、UV接着などの実装技術を駆使し、小型で高効率・高信頼性を有する光源モジュールを提供可能。同社は黄色・オレンジレーザーモジュールにより、Prism Awards 2014のファイナリストとなった。

レーザー設計

光通信技術を生かし、世界最速(10ps。10ピコ秒)の精密加工用半導体レーザーの設計が可能。ウェハー設計、半導体レーザー設計、モジュール設計を駆使した高付加価値な半導体レーザーを提供しており、半導体チップの光閉じ込め計算や光学シミュレーターを用い、また培ったノウハウをプラスして最適な設計を行っているという。

「シリコン回路」「センシング」「レーザー加工」の進化

また菅原氏は、これら同社コア技術を利用したレーザーデバイスにより進化する領域として、「シリコン回路」「センシング」「レーザー加工」を挙げた。

シリコン回路の進化という点では、100度以上で動作する量子ドットレーザーについて、デバイス回路内の情報のやり取りに光通信を利用する「シリコン電子・光集積回路」に必須の光源としており、シリコン電子・光集積回路が現実的になるという。用途としては、データセンター、LiDAR、5G基地局、スーパーコンピューターとしている。自動運転車用のLiDARなどへの展開も挙げていた。

すでに、量子ドットレーザーを基板上に搭載したシリコンフォトニクス(Slicon Photonics)用チップの累計販売台数は1万2000個(2018年3月~2020年11月)になっているそうだ。

センシングの進化では、組織培養した細胞の観察・解析の際に利用するフローサイトメーターなどのバイオセンシング機器をはじめ、マシンビジョンや顔認証領域などに関して、様々な波長の同社独自レーザーにより多彩な展開が可能とした。同社は、フローターサイトメーター市場82.7%を占める上位2社の認定サプライヤーのうちの1社となっているという。

レーザー加工では、超短パルス(10ps。10ピコ秒)による非加熱での高精細加工を実現。スマートフォン電子回路基板の加工に実際に利用され始めたという。超短パルスによる光を基板にあてると、金属・ガラスなど素材を問わず加工を行えるそうだ。

超短パルス(10ps。10ピコ秒)による非加熱での高精細加工が可能

超短パルス(10ps。10ピコ秒)による非加熱での高精細加工が可能

同社は、極短パルスレーザー世界市場(466億円)の22.4%を占める世界第2位レーザーメーカーに、認定サプライヤーのうちの1社として供給しているという。

レーザー網膜投影事業

QDレーザは、先に挙げたビジリウム(VISIRIUM) テクノロジーとして、独自のレーザー技術を用いた「レーザー網膜投影事業」を展開。

ビジリウムでは、瞳孔を通し網膜に直接映像を投影するため角膜と水晶体に頼らない視覚体験が可能で、近視・遠視・乱視・屈折異常でも鮮明な画像認識を行えるという。また網膜上で、肉眼で見ている風景と投影する画像両方に焦点を合わせて見ることができるという。これは、他ARグラスにはない特徴としていた。

さらにレーザー網膜投影では、網膜の広範囲部分でピントが合うため、網膜症の患者への適用が期待できるという(個人差あり)。大手航空会社と筑波技術大学において、網膜症の患者への適用可能性検証のための系統的実証実験を(機内や教室内などの環境下で)実施中としていた。

菅原氏は、これらの点を基にヘルスケアおよび医療領域にターゲットを定めたという。

現在、メガネやコンタクトレンズなどの外科的処置によっても「視力が0.05以上、0.3未満」の者は、世界保健機関(WHO)により「ロービジョン」と定義されている。ロービジョン人口は世界で2億5000万人、日本国内では145万人と推定されるそうだ。さらに2030年には、高齢化の影響などにより日本のロービジョン人口は200万人となり、視覚障害による経済損出は11兆円ともいわれているという。

同社は、すでに網膜走査型レーザーアイウェア「RETISSA」シリーズを展開しており、現在は民生福祉機器として「RETISSA Display II」(税抜希望価格24万8000円)、また視力障害向け医療機器(管理医療機器)として「RETISSA メディカル」(税抜80~90万円)を用意。2種類用意した理由としては、RETISSA メディカルは医療業界の認知を得て、社会的な安心感を得るためのもので、RETISSA Display IIは普及を狙ったものとしていた。

視力障害向け医療機器(管理医療機器)として「RETISSA メディカル」

視力障害向け医療機器(管理医療機器)として「RETISSA メディカル」

RETISSA Display IIは、強度近視(屈折力-11D)から中強度の遠視(+6D)の度数の範囲で、メガネを使わなくとも0.8の視力を得られるとしている。またRETISSA メディカルについては、メガネやコンタクトレンズを用いても十分な視力が得られないなど、不正乱視によって視力が障害された患者に対し、視力補正をする目的で使用される。

またRETISSA メディカルは、レーザー網膜投影による視力補正機器として国内医療機器製造販売承認を2020年1月に取得済みだ。EUおよびアメリカにおいても、各種申請への対応を進めているそうだ。

市場規模(屈折異常、角膜混濁)としては、日米欧合わせて最大9000億円規模と見込まれており、別途中国などへの市場展開も想定しているという。

民生福祉機器については、累計販売台数実績510台(2020年11月時点)としており、今回のIPOによる資金調達によりファブレス体制の稼働と原価低減を実現させるとした。

菅原氏は、数千台を製造することで原価を低減させ、最終価格を10万円以下を目指していると明かした。22年度には発売したいという。

メディア露出についてすでに開始しており、新プロジェクト「With My Eyes」を6社とともに発足。ロービジョン者向けのプロダクト開発を行っている。

ロービジョン者の生活を豊かにすることを目的に、「見えづらい」を「見える」に変えるというもので、その第1弾は、レーザー網膜投影技術を⽤いたカメラ型デバイス 「RETISSA SUPER CAPTURE」により、ロービジョン者が⾃らの⽬で写真撮影を行う。

また、メガネブランド「Zoff」(ゾフ)を運営するインターメスティックと業務提携を実施。半導体レーザー技術を援用した眼鏡処方プロセス刷新への取り組み、レーザー網膜投影による眼鏡型弱視支援器具および、次世代の眼鏡であるスマートグラスの共同開発・商用化に取り組んでいる。

富士通エレクトロニクスとは「RETISSA」シリーズの販売代理契約を結んでおり、視覚支援機器市場およびxR関連機器市場で世界展開を企図したものとしていた。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ウェアラブル(用語)QDレーザ量子ドットレーザー日本(国・地域)

自社開発のウェアラブルセンサーによる体温の研究・解析を目指すHERBIOが1.2億円を調達

自社開発のウェアラブルセンサーによる体温の研究・解析を目指すHERBIOが1.2億円を調達

HERBIO(ハービオ)は1月20日、第三者割当増資による総額1.2億円の資金調達を発表した。引受先は、Beyond Next Ventures、Velocity LLP。また、あわせて2020年12月24日に第二種医療機器製造販売業許可を取得したことを明らかにした。研究支援アプリケーション「Carekara」(ケアカラ)もサービスを開始する。

HERBIOは直腸温(深部体温)と臍部周辺温度の相関性を確認し、開発中のウェアラブルセンサーで取得したデータを元に研究・解析を実施する研究開発型スタートアップ。

今回調達した資金を活用し、下記の領域にて積極的に投資を実施します。あわせて第二種医療機器製造販売業許可を取得したことにより、現在開発中のウェアラブルセンサーの量産化に向け、さらに顧客ニーズに応える機能改善などを進め、事業展開をより加速する。

  • 開発中のウェアラブルセンサーの量産化
  • 研究により注力するため研究者採用をはじめとした人員強化
  • 医療機関や企業と連携した共同研究の実施
  • 独自技術を活用した医療機器プログラムに対するサービス開発

また同医療機器製造販売業許可は、管理医療機器(クラスII)の日本国内での元売り業者として、薬機法の規制の下、医療機器の海外からの輸入、および日本国内での製造販売が可能となり、医療機器の適正な開発・設計・製造・販売といった機能を保有している。

  • 発効日: 令和2年12月24日
  • 製造販売業品目: 自社開発の医療機器
  • 許可番号: 13B2X10454

研究支援アプリケーション「Carekara」(ケアカラ)

製薬会社からのバーチャル治験や、アカデミックの研究現場での利用ニーズの急速な高まりの中、すでに両現場でスタートしていた研究目的でのHERBIO製ウェアラブルセンサーの活用と併せて使用する、研究支援アプリケーション「Carekara」(ケアカラ)のサービスを開始する。

HERBIO独自技術により、被験者や患者から取得が難しいとされていた体調データを、低侵襲かつ自宅で安全に記録できるようになっているという。

自社開発のウェアラブルセンサーによる体温の研究・解析を目指すHERBIOが1.2億円を調達

Carekaraは、現在開発中のウェアラブルセンサーにより取得されたデータや、日々の体調記録を入力し記録できるPHR(PersonalHealthRecord:個人健康記録)アプリ。

Carekaraは、ユーザーがより簡単に個人の健康情報を入力・記録できるシンプルな操作性とUIを実現し、どの世代の方でも導入しやすい仕様を採用。当初のサービス提供先は製薬会社や研究機関、企業など、BtoBでの取引からスタートし、将来的には一般ユーザーが日常生活の中で利用できるサービスを目指している(当初iOSアプリのみ対応予定)。

今後、コロナ禍で注目される遠隔診療の広がりのサポート、バーチャル治験の促進、体内時計の研究の発展、疾患の早期発見の研究など、同社の研究成果を社会課題と結びつけ、今までにない発見と課題の解決手法を確立し、世界中の誰もが安心して医療を受けることができ、医療と健康に隔たりのない状態の実現を目指す。

HERBIOは、2017年の創立以来「体温」を軸にした独自の技術開発と研究・解析に取り組む。「生きるに寄り添うテクノロジー」というミッションを掲げ、研究成果による社会課題の解決を目指し、世界中の子供からシニアまで健やかに生きることができる世界を実現するとしている。

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KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売

KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売KDDIは11月10日、中国Nreal(エンリアル)と共同開発したスマートグラス「NrealLight」 (エンリアルライト)」を12月1日から発売開始すると発表した。5Gスマートフォンと接続し利用する。価格は税込6万9799円。販売店舗はau Online Shop、KDDI直営店。

KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売NrealLightは、5Gスマートフォンに接続するだけで、手軽に5GとXR技術を組み合わせた映像体験が可能。対応スマートフォンは、「Xperia 5 II」「Galaxy Note20 Ultra 5G」(今後順次追加予定)。発売に先立ち、2020年11月11日午前10時から「NrealLight」の予約を開始する。KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売

  • 重量:約106g
  • 対応視野角:約52度
  • 搭載カメラ:3基
  • 接続:USB-C接続
  • 機能:SLAM(自己位置推定)対応、6DoF対応、平面検知、画像認識

KDDIとNrealは、2019年5月に戦略的パートナーシップを締結し、日本国内におけるXR技術を活用したスマートグラスの企画開発や受容性の検証など、さまざまな取り組みを行ってきた。

今回発売のNrealLightは、メガネのように折り畳むことが可能で、かけやすいコンパクトなデザインを採用。スマートフォン接続型とすることで、従来のコンピューティングユニットを別に用意するタイプや、一体型のスマートグラスと比較し、持ち運びが容易となる軽量・小型化を実現した。

NrealLightは、従来のAndroidアプリをグラス内で起動し、プライベートなセカンドスクリーンとして利用できるミラーリングモードや、グラス内で空間上に映像を映し出すMR(Mixed Reality)モードも実装。さらにARコンテンツのような、現実空間とデジタル情報を融合するXR技術をより自然に体験可能としている。KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売

これにより、目の前に100インチ規模のプライベートな仮想スクリーンを広げることができる。人気のTV動画配信サービスがセットになったテレビパックのコンテンツやsmash.をはじめとした動画視聴、またさまざまなゲームにおいて、没入感のあるリッチな映像を体験できる。

KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売今後、ARを用いた作業マニュアルの表示といった遠隔作業支援など、ビジネスシーンでも利用可能なデバイスとして法人顧客にも提案していく。

KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売NrealLightは、KDDIコンセプトショップ「GINZA 456 Created by KDDI」にて2020年11月11日から先行展示。他の全国21ヵ所のKDDI直営店および沖縄セルラー直営店では、12月1日から展示を開始する。KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売KDDIが5Gスマホと接続し利用するスマートグラス「NrealLight」を12月1日発売

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牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」が乳用牛・繁殖牛向け分娩検知機能を追加

牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」が乳用牛・繁殖牛向け分娩検知機能を追加

酪農・畜産向けIoTソリューション提供のファームノートは11月4日、AI活用の牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」の新機能として、乳用牛および肉用繁殖牛向けの分娩検知機能を発表した。2021年初頭に提供を開始する。

Farmnote Colorは、同社提唱の「Internet of Animals」を実現する牛向けウェアラブルデバイス。牛への負担が少なく手間が少ない首への装着型センサーデバイスとなっており、リアルタイムに牛の活動情報を収集する。AIを活用し反芻・活動・休憩データから発情や疾病兆候を検知し、酪農・畜産生産者の生産性向上に貢献する。

牛の生態や畜産現場を理解した獣医師社員が製品開発を担当しており、国内頭数シェア約11%、43万頭の保有データを新機能開発や精度向上に活用しているという。牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」が乳用牛・繁殖牛向け分娩検知機能を追加

牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」が乳用牛・繁殖牛向け分娩検知機能を追加新たな分娩検知機能では、分娩の兆候を検知し、生産者のスマートフォンやタブレットにプッシュ通知を行う。牛の繁殖においてセンサー1台で発情から分娩まで管理でき、DXの推進や省力化、さらなる生産性の改善が期待できるという。なお分娩ごとのデバイス着脱は不要で、つなぎ牛舎でも利用可能。

牛の分娩は酪農・畜産生産者にとって、経営の要となる子牛が誕生する重要な出来事という。生産者にとっては分娩予定日の前後から昼夜を問わず対象牛の観察が必要となり、年100頭程度の分娩が発生する牧場規模の場合、ファームノートは年間で約500時間の見回り労務とコストがかかっていると指摘。

1頭当たりの分娩見回りに要する時間を1時間/日、平均5日間と仮定。年間100頭分娩がある場合、1時間✕5日間✕100頭=500時間と試算している。

これは酪農・畜産生産者に肉体的・精神的な負担を強いるもので、Farmnote Colorでも分娩兆候の検知を期待する声があったという。今回の機能開発により、分娩当日に兆候の通知が届くことから約80%の見回り労務削減が期待されるとしている。

この約80%の労務削減については、Farmnote Color導入により分娩見回り労務を分娩当日のみとした場合、年間の分娩見回り労務は1時間✕1日✕100頭=100時間として、先に挙げた500時間に対し試算している。

2013年11月設立のファームノートは、「世界の農業の頭脳を創る」を経営理念に、農業とインターネットを融合させることで産業構造を変え、生産性と競争力の高い農業の実現を目指す企業。クラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」(Android版iOS版)やFarmnote Colorなどを開発・提供している。

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ZoffのR&D機関が網膜に直接投影するメガネ型ディスプレイ提供のQDレーザと業務提携

ZoffのR&D機関が網膜に直接投影するメガネ型ディスプレイ提供のQDレーザと提携

メガネブランド「Zoff」(ゾフ)を運営するインターメスティックの研究・開発機関「Zoff Eye Performance Studio」(ZEPS。ゾフ アイパフォーマンス スタジオ)は10月13日、半導体レーザーおよび応用製品の企画・設計開発・製造・販売を行うQDレーザ(キューディーレーザ)との業務提携を発表した。

この業務提携により、半導体レーザー技術を援用した眼鏡処方プロセス刷新への取り組み、「レーザ網膜投影」による眼鏡型弱視支援器具および、次世代の眼鏡であるスマートグラスの共同開発・商用化を開始する。

ZEPSは、「新しい商品」「新しいサービス」を研究・開発し社会実装することを目的に設立したZoff初の研究・開発機関。「メガネや店舗にIT・AI技術を援用することで人間の可能性を拡張し、顧客体験を洗練すること」をビジョンに掲げている。

一方QDレーザは、主要事業のひとつとして「レーザ網膜投影」をコア技術とするレーザーアイウェア事業を展開。すでに弱視を抱える人々を対象とした網膜投影型エイドの商用化と医療機器認証取得を達成しており、「見える」の拡張を続けている。

今回、両社の描く未来像が一致したことから、今回の業務提携が実現。ニューノーマルに順応した「眼鏡処方のプロセス革命」に挑み、さらに、「レーザ網膜投影」による眼鏡型弱視支援器具と次世代の眼鏡であるスマートグラスの共同開発・商用化を開始する。

QDレーザは、富士通研究所のスピンオフベンチャーとして2006年に設立。半導体レーザに関する種々のコア技術を有し、事業を展開。主要事業の一つであるレーザアイウェア事業では、1)ロービジョン・エイド、2)ビジョン・ヘルスケア、3)オーギュメンテッド・ビジョンの3領域で研究開発・製品の製造販売を展開している。

カテゴリー: ヘルステック
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Fitbitが約3.5万円のApple Watchの対抗馬Fitbit Senseを発表、電気皮膚活動センサー搭載で皮膚温度の計測が可能に

Fitbitは、スマートウォッチ市場への参入が遅れた。同社初のスマートウォッチであるFitbit Ionicが2017年9月に発売されたが、商業的には成功したとは言えなかった。しかしそのあとに登場したFitbit Versaは、Androidに対応した堅牢なデバイスを手ごとな価格で提供することで、ウェアラブル端末の先駆者であるFitbitの失地を埋め合わせるのに役立った。

実際、最近ではアップルとサムスンが、フラッグシップ機に代わる低価格の製品を模索しており、これらの製品が主流になりつつある。消費者がデバイスの価格の上昇にうんざりしていることは言うまでもない。にもかかわらず、Fitbitは新しいスマートウォッチ 「Fitbit Sense」 を投入し、市場のハイエンド市場に一撃を加えようとしている。価格は330ドル(約3万5100円)。

Senseは、人気のVersaラインを置き換えるものではなく、本日Versaシリーズは新モデルのVersa 3が登場している。Senseは、Versaシリーズの上位に位置するプレミアムラインで、同社の最も先進的なスマートウォッチになる。Senseは高級機という新しい挑戦となるが、同社がスマートウォッチを開発できることはこれまでの製品で証明してきた。高機能を求めるスマートウォッチユーザーの中には、Fitbitブランドに資金を投入する人もまだまだ多いはずだ。

Fitbit Sense

Senseの新機能は主に、新たに搭載された心電図(ECG)やEDA(電気皮膚活動)などのセンサーによって構成されている。同社は、ウェアラブルヘルスの次の大きなマイルストーンとして、ストレス検知に集中投資している。確かに2020年は、多くの人にとって記録上最もストレスの多い年であることがすでに証明されているだろう。そして、多くのウェアラブル端末やアプリのデザイナーは、瞑想アプリや呼吸リマインダーの人気が証明しているように、すでにさまざま技術を介してストレスを軽減するために多くの投資が実施されている。

SenseではEDA(電気皮膚活動)センサーを搭載したことで、このクラスのデバイスとしてはかなり新しいコンセプトのスマートウォッチになった。この機能を使うには、着用者は手のひらを時計の文字盤の上に置く。するとシステムは皮膚の汗のレベルの電気的変化をスキャンする。これに加えて、睡眠の質、心拍数、運動レベルを含む10種類のバイオメトリクス入力の組み合わせによってストレスレベルを測定する。

これらの測定の有効性については、現時点ではあまりなんとも言えない。ストレスは確かに物理的な症状が現れるが、定量化するのはかなり難しいだろう。少なくとも、このようなシステムは観察する価値のある時間的変化を検出できるので、ストレスレベルを知るきっかけになるかもしれない。

UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)の准教授であるHelen Weng(ヘレン・ウェン)博士は「瞑想は心のための運動です。体を動かすのと同じように、精神力を鍛えるためにも一貫した練習が必要です。自分に合った瞑想方法を見つけることは、長期的な健康維持のために重要です。Fitbitは、マインドフルネスと測定ツール(新しい Stress Management ScoreやEDA Scanアプリなど)を通じて進捗状況を確かめられます。そして、効果的で持続可能なパーソナライズされた瞑想を実践することができます」とコメントしている。

Fitbit Senseの構造

非常にストレスの多い時間を過ごしている一般的の一人として、Fitbit Senseをチェックしてみたいと考えている。この機能は既存のFitbitのソフトウェアも幅広く利用している。グーグルの傘下になったか影響かどうかは不明だが、同社は明らかにプレミアムコンテンツが同社の将来の大きな部分を担っていると見ているようだ。ほかのデバイスと同様に米国で発売されるSenseには、Fitbit Premiumが1年間無料で付いてくる(日本では6カ月間)。このサブスクリプションサービスには 「Aaptic」「Aura」「Breeth」「10 Percent Happier」 などのサードパーティーによる瞑想コンテンツも含まれている。

このデバイスは、FDA(米食品医薬品局)の承認待ちだがECG(心電図)検出機能も備えており、アップルやサムスンの高級モデルとの連携を強化して、AFib(心房細動)などの検出を可能にする。GPSも搭載されており、SpO2(酸素飽和度)のレベル測定も可能だ。

Fitbit Senseは9月下旬に出荷が開始される。

画像クレジット:Fitbit

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(翻訳:TechCrunch Japan)

FitbitがミドルレンジのVersa 3とエントリーのInspire 2を発表、米国では2.5万円、1万円前後で登場

今回のFitbitのビッグニュースは、アップルやサムスンに直接対抗するためにデザインされた、より高級なスマートウォッチ「Fitbit Sense」のローンチだ。しかし、FitbitはSense単独はなく、同社の2つのラインにも重要なアップデートを発表した。

1つ目はVersaだ。これは人気の低価格スマートウォッチで、同社を最先端から復活させるうえで重要な役割を果たした。Versa 2の発売から約1年後、同社はFitbit Senseというハイエンドモデルの発売と同時に、後継機となるミドルレンジモデルのVersa 3を発表した。Senseとは異なり、Versa 3にはECHやEDA検出などの重要な機能が搭載されていないため価格は抑えられている。とはいえ、GPSを搭載するという点ではSenseの弟分でもある。

Fitbit Versa 3(画像クレジット:Fitbit)

従来同様、Amazon AlexaとGoogleアシスタントを内蔵している。「Active Zone Minutes」と呼ばれる機能も追加され、標準的な歩数よりも詳細なフィットネストラッキングが可能になる。四角形と円の両方の特徴を備えたSquircle(スクイルクル)デザインも少しアップデートされた。エッジが滑らかになり、新しいSenseとの整合性が増している。Senseと同様に、1回の充電で6日間以上のバッテリ持続時間が得られるという。

Fitbit Inspire 2(画像クレジット:Fitbit)

Inspire 2にも「Active Zone Minutes」 が搭載されているほか、Fitbit製品の中で最長となるフル充電で10日間連続使用を可能にする。このフィットネストラッカーは、より合理化されたデザインと、より明るい画面を特徴としている。Fitbitによると、さまざまなトラッキングが可能とのこと。

具体的にはInspire 2は手首に装着するだけで、目標に基づいた20種類以上の運動モード、高度な睡眠ツール、常時心拍数トラッキング、月経トラッキング、食事と水分摂取量の確認、体重の確認などが可能だ。

これらの新製品には、Fitbitプレミアムが1年間無料でついてくる。Versa 3は230ドル(約2万45000円)、Inspire 2は100ドル(約1万600円)。予約受付は米国時間8月25日からで、9月末に全世界で発売される。

【Japan編集部追記】Fitbitプレミアムには、ステップバイステップのプログラムで健康的な習慣を身につけられる「ガイドプログラム」、目標達成をより楽しくする特別なアクティビティチャレンジを利用できる「プレミアムチャレンジ」、睡眠スコアの内訳とFitbit統計の健康レポートを取得できる「アドバンスドインサイト」、Fitbitや人気ブランドの何百ものビデオとオーディオのワークアウトにアクセスできる「ワークアウト」、ガイド付きのオーディオトラックを聞いて心を落ち着かせて眠ることができる「マインドフルネス 」などのサービスが用意されている。なお、日本語版サイトでもVersa 3とInspire 2の情報は掲載されているが、発売日や価格は未定だ。
画像クレジット:Fitbit

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Oura Ringは今の時代を生き抜くための指輪型健康トラッカー、睡眠分析機能はwatchOS 7を凌ぐ

Oura Ringは、新型コロナウイルスのさまざまな研究に貢献しているだけでなく、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐための潜在的なツールとしてNBAとWNBAに採用され、これら2つのリーグの試合を定期的なスケジュールに戻すために役立っているという点でも最近注目を集めている。Ouraはこれまで、Oura Ringを数世代をリリースしている。これは健康状態と運動量を計測するトラッカーで、私はこの1カ月間にわたってOura Ringを使ってきた。

Oura Ringとは何か?

Oura Ringは、似たような目的を持ったほかのウェアラブルとは似ても似つかないヘルストラッカーだと言える。このリングは、一般的な指輪、すなわちスマートな機能を持たない指輪とほとんど区別がつかない。また、いくつかの異なるデザインと複数の仕上げ加工の製品がラインアップされている。リングの内側にはセンサーが付いているが、全体的な厚みはほとんどなく装着すると完全に隠れる。

小型でスリムだがバッテリーを内蔵しており、Bluetooth経由でスマートフォンと通信して指輪内蔵センサーが収集したデータを送信する機能を備える。Oura Ring専用の充電ドックにはUSB-Cを備えたスタンドがあり、非接触で充電できる。

内蔵バッテリーは、睡眠中に装着したままでもフル充電状態で7日間の連続使用が可能だ。バッテリーの持ちは一般的に考えて十分に長い。充電時間も短くて済むので気が付いたときに充電ドックに入れるのを忘れないようすれば、バッテリー切れは防げるだろう。私の場合、デスクでの仕事中は充電ドックにOura Ringを入れていた。またOura Ringの専用アプリは、バッテリー残量が残り少なくなったときに、寝る前に充電を促す通知を送ってくれるので安心だ。

ボディーにはチタンを採用

最新のOura Ringは「Balance」と「Heritage」の2つのデザインを用意しており、どちらもメタリック仕上げだ。さらに、光沢のあるシルバーと光沢のあるブラックの2つのオプションがあり、「Balance」にはダイヤモンドがちりばめられたプレミアムバージョンもある。なお、私が試用したのはマットブラック仕上げのものだ。

本体の金属素材は軽量なチタンで、内部側はセンサーを保護するためにプラスチック素材が使われている。外側はキズがつきにくいコーティングが施されているものの、ほかの金属製ジュエリーと同様にキズがつかないというわけではない。私が試用したマットブラック仕上げのOura Ringは何週間か使用したあとに確かに多少の摩耗などが見られたが想定内の範囲で、驚くほどの弾力性がある。個人的な意見だが、外見上の小さなキズはデザインを損なわず、逆にいい味わいを醸し出してくれる。

Oura Ringはサイズやフィット感が非常に重要で、ユーザーの指にフィットするよう工夫されている。無料のサイズ計測キットを提供しており、まずはどのサイズが最適かをユーザーが判断し、どの指を装着するかを決めればいい。Oura Ringはモニタリングのために指にぴったりとフィットさせる必要がある。

実際のところOura Ringのデザインは魅力的で、1日中、そしてひと晩中着けていられる信じられないほど快適なデバイスだ。Apple Watchやそのほかの手首装着型のウェアラブル端末とは異なり、睡眠中の装着やさまざまなタイプのバンドの不快感に慣れる必要もない。私は装着していたことを忘れてしまったほどだし、一般的な指輪のようなので他人からもOura Ringを付けていることを気付かれることはないだろう。

watchOS 7を超える睡眠監視機能

Oura Ringは何を追跡しているのだろうか?具体的には、睡眠のほか待ち受け状態と活動状態に分けてさまざまな数値を測定している。「Sleep」「Readiness」「Activity」はいずれも、総合的なサマリースコアを100点満点で示し、ユーザーは現在の状態を把握できる。なお実際には内蔵センサーが取得したさまざまスコアを掛け合わせて算出している。

Oura Ringの睡眠トラッキング機能は、アップルが今秋にリリースするwatchOS 7に備わるApple Watchの睡眠トラッキングよりもはるかに詳細だ。眠りについた時間、どのくらいの時間寝ているか、どれくらいが眠りが深いか、レム睡眠かどうかなどをモニタリングしてくれる。取得したデータから、睡眠効率、ベッドで過ごした時間、合計睡眠時間なども算出可能だ。特になにも行動していない、いわゆる待ち受け状態のときは、体温、心拍変動、呼吸数、安静時の心拍数などをトラッキングする。運動しているときは、自動的にカロリー消費量、非アクティブな時間、歩数、全体的なアクティビティの目標にどれだけ近づいているかを測定する。

これら3カテゴリーすべてについて、個々の活動量を分析して時間の経過や1日あたりのスコアの推移、そして全体的なスコアを見ることができる。アプリ内ではフィードのようなダッシュボードが表示され、そのスコアとトレンドに基づいて、1日の行動や睡眠習慣をどうすべきかについての実用的なアドバイスを受けられる。

これは、私が使った中で最も理解しやすい健康トラッカーであると同時に、何が実際に追跡されているのか、そしてそれが何を意味するのかを深く掘り下げてくれるアプリでもある。このアプリは、ユーザー各自の基準値を定め、その基準値からの逸脱を常に監視し、それに基づいてアドバイスを提供してくれるので、具体性と有用性が高い使用感を得られるはずだ

個人の健康状態を長期的に見守ってくれる

Apple Watchをはじめとするほとんどのウェアラブル端末は「邪魔くさい」「使い続けるのが面倒くさい」という人も多い。Oura Ringは指輪形状なので邪魔にならないデザインであり、利便性と実用性を兼ね備えた健康モニタリング機器としはトップクラスの製品だろう。

Oura Ringが実際に新型コロナウイルスへの感染を正確に検出できるのか、あるいは症状の発現を予測できるのかどうかについてはまだ結論は出ていない。しかし、このデバイスは個人の健康状態を常時モニタリングでき、日々の体調を管理するには素晴らしいプロダクトだ。個々の基準値を定め、実際の全体的な状態を基準値と毎日比較することによって、個人の長期的な健康状態を見守ってくれるのだ。

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:TechCrunch Japan)

網膜に直接投影するメガネ型ディスプレイの500円レンタルがスタート

QDレーザ RETISSA Display

QDレーザは7月3日、同社ECサイトRETISSAショップにおいて、網膜走査型レーザーアイウェア「RETISSA Display」のレンタルサービスを開始した。

初代「RETISSA Display」のレンタル料金は、7泊8日500円。税込みおよび貸出送料込みの価格で、返送時のみユーザー側が送料を負担する必要がある。また同社は、税別価格9万9000円で、数量限定のモニター販売キャンペーンも実施。購入申し込みは、RETISSAショップにおいて7月23日午前0時より受け付ける。

QDレーザ RETISSA Display
第2世代にあたる最新機種「RETISSA Display II」は、家電・カメラのレンタルサービスRentio(レンティオ)を介して体験可能。3泊4日のレンタル料金は、税込み9980円。貸し出し時返送時とも送料無料。

QDレーザ RETISSA Display II

初代RETISSA Displayは、VISIRIUM(ビジリウム)テクノロジーにより高解像度・フルカラーの網膜投影を実現したウェアラブルディスプレイ。メガネ型フレーム内蔵の超小型プロジェクターから網膜に直接投影を行うため、視力やピント位置に影響されにくくクリアな映像を得やすいという。近視・遠視・乱視・老眼などがあっても、メガネなどの矯正手段を必要とせず、映像を視認可能。

QDレーザ RETISSA Display

最大解像度は1024×600ドット(WSVGA相当)で、水平視野角は約25度。駆動時間は100分間程度。入力端子としてはMiniHDMI端子を採用している(HDMI-MiniHDMIケーブル同梱)。サイズは、アイウェア部が161×44×195mm。コントロールボックス部が80×31×160mm。

最新モデルのRETISSA Display IIは、小型・軽量化とともに、映像の解像感の向上を実現。文字などの判読がしやすくなった。最大解像度は1280×720ドット相当で、水平視野角は約26度。駆動時間は約200分間。入力端子はHDMI端子。サイズは、アイウェア部が65×20×83.5mm。コントロールボックス部が74×29.3×150mm。

QDレーザは、富士通研究所と東京大学との10年以上にわたる産学連携による共同開発を基に、富士通からのスピンオフベンチャーとして2006年に設立。可視光領域から波長1300nm帯までの量子ドットレーザーをはじめ高性能の半導体レーザーの開発・製造・販売を実施している。さらに、長年培ったレーザー、光学の技術を基に網膜走査型レーザーアイウェアを開発し、視力障害向けの医療機器やヘッドマウントディスプレイの実用化を手がけている。

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ディスプレイが拡大したXiaomiの新製品Mi Smart Band 5は約2900円と変わらず安価

世界で最も売れているウェアラブルのラインナップの1つに新たなガジェットが加わった。

中国のエレクトロニクス大企業であるXiaomi(シャオミ)は米国6月11日に、Mi Smart Band 5を発表した(Xiaomiリリース)。1年前に発表したMi Smart Band 4(未訳記事)よりもスクリーンが大きくなり、新たなワイヤレス充電システムや女性の健康管理モードが加わった。驚くほど安いのは変わらない。

Mi Smart Band 5のディスプレイは1.1インチのAMOLEDで、前モデルより20%大きい。

世界2番目のウェアラブルメーカーであるXiaomiはBand 5のウォッチフェースに「スポンジボブ・スクエアパンツ」「新世紀エヴァンゲリオン」「名探偵コナン」といったテレビアニメのキャラクターといったさまざまなアニメーションを採用した。8色のカラフルなストラップなども用意されている。

Band 5は改良されたプロセッサー(名称は明らかにしていない)を搭載し、初めて月経周期を追跡できるようになった他、ユーザーにリラックスするタイミングを通知するストレス評価のような新機能も加わった。

iPhone、Android端末と連動するBand 5はレム睡眠を追跡できるようになり、深い眠りと浅い眠りのサイクル評価に対応するなど、睡眠をより効果的にモニターする。心拍モニターもこれまでより50%以上正確になっているとのことだ。

最大の改良点の1つは新しい充電システムだ。Mi Smart Bandラインナップのこれまでのモデルでは、トラッカーをストラップから外さなければならず、ユーザーから不満が寄せられていた。今回投入されたマグネットを使った充電ドックは自動的にバンドの底にくっつく。フル充電すると最長14日間使用できる。

Band 4同様、Band 5も自社開発の音声アシスタントXiaoAIを搭載し、ユーザーはディスプレイを右にスワイプして起動できる。

さらにBand 5にはNFC対応のバージョンも加わった。モバイル決済サービスに使え、スマートロックを解錠したり、地下鉄などでパスカードのように使うこともできる。

Band 5は来週中国で発売され、価格は189元(約2900円)だ。NFC対応バージョンは229元(約3500円)となっている。同社は中国外マーケットでも「間もなく」展開するとしている。

Xiaomiは積極的に改良したり、新たなデバイスを導入したりしながら、引き続きウェアラブル業界を引っ張る存在であり続ける。2019年11月に同社はMi Watchという、Apple Watchに酷似した初のスマートウォッチを発売した(未訳記事)。Mi Watchの価格は185ドル(約2万円)だ。

調査会社IDCによると、Xiaomiは2020年1〜3月に1010万台のウェアラブルデバイスを出荷した。この数字はSamsung(サムスン)、Huawei(ファーウェイ)、Fitbit(フィットビット)よりも多い。この部門ではApple(アップル)が首位を維持している。

データ: IDC

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(翻訳:Mizoguchi