SnapchatがARユーティリティプラットフォームScanを発表

狙え、撃て?いや、狙え、対話せよだ。Snapchatは宿題を手伝うことができるようになった。いまやSnapchatアプリのカメラは「Scan」という名で知られる拡張現実開発プラットフォームの基盤となりつつある。米国時間4月4日、SnapはPhotomathと提携し算数の問題を解く能力を追加した。またGiphyとはオブジェクト検出に関しての提携を結んだ、これにより関連したGIFがスクリーンの上に登場するようになった。Scanはすぐに、すべてのSnapchatユーザーに対してロールアウトされるだろう。このプラットフォームに参加することに興味がある開発者は、Snapに連絡することができる。

Snapchat Scanは周囲のものに応じてGiphyのGIFを登場させる

これまでは、SnapchatのカメラはShazamで曲を識別することができたし、オブジェクトを認識してAmazonでそれらを購入することもできた。しかし現在のSnapchatは、バラバラなツールをいくつか提供するだけではなく、ユーザーの周囲の隠れた情報を掘り起こすという計画を、具体化しようとしている。

「私たちのカメラは、私たちの世界にある自然の光が、インターネットの暗闇を貫通することを可能にします…インターネットを日々の生活に使えば使うほど、私たちはそれを少しでも人間的なものにする方法を必要としているのです」と、同社初のプレスイベント「Snap Partner Summit」で語ったのは、SnapのCEOであるエヴァン・スピーゲル氏である。そこではまた、他のアプリの中でSnapchat Storiesを活用できる広告ネットワークのローンチそしてリアルタイムのマルチプレイヤーゲームプラットフォームのローンチも発表された。

Photomathでスキャンして算数の問題を解く

Blipparのような他アプリも、ARユーティリティプラットフォームを構築しようとしたが、彼らはコミュニティを持たず日常の必要性に欠けていたし、人が何かをスキャンしようと考えたときに、心にすぐ思い浮かぶような日常的な存在でもなかった。しかし、Snap CEOであるエヴァン・スピーゲル氏は、本日次のように述べている「米国では、Snapchatは13〜34歳全員の75%近くの手に届き、13〜24歳に限ればその90%の手に届いています。実際、米国、英国、フランス、カナダ、そしてオーストラリアでは、FacebookやInstagramよりも、13歳から24歳の年齢層ではより多く使われているのです」。

この比較データは、Facebookのアドマネージャの見積もりから得られたもので、必ずしも完全に正確というわけではない。それでもこの統計は、ARを介して世界を探究する見込みのある顧客の中で、Snapchatが巨大な存在であることを示している。Facebookがこの振る舞いを構築しようとしたとしても、それは不可能だ。なぜならFacebookカメラはそのソーシャルネットワークの中心ではないからだ。

ユーザーがSnapchatカメラを長押しすると、周囲の「Scan」が開始される。算数の式に対する答が魔法のように現れるのだ。10ドル札を撮影すれば、肖像として印刷されたハミルトンが生き返り、ミュージカルからのナンバーを歌い出すだろう。もしピザのスライスをスキャンしたなら、ダンスするGiphyのGIFピザが登場する。ユーザーには新しいSnapchat AR Barも表示される。そこにはScan、Lens作成、あるいはSnapchatのコミュニティによって作成された40万個のAR Lensを探索するための専用ボタンが表示される。実際、Snapの1日あたり1億8600万人のユーザーの75%が、Lensを使って毎日プレイしており、これまでの累計プレイは150億回に達している。ScanはScan.meと呼ばれるスタートアップの買収によって開発されたものだ。これまではSnapに友達を追加したりLensをアンロックするための、QR Snapcodeのための機能を提供していた。

Snapの新しいAR Bar

実用性の他にも、Snapchatはユーザーを楽しませ、アプリケーションを使い続けてもらうための、たくさんの新しい創造的なAR機能を加えている。例えば、Landmarkersという機能をローンチしたが、これはOur Storiesにユーザーが投稿した、主要なランドマークに関するクラウドデータを利用して、有名な場所の派手な変形ARアニメーションを楽しむというものだ。現在は、エッフェル塔、バッキンガム宮殿、ロスアンゼルスのチャイニーズシアター、ワシントンDCのキャピトルビルディング、そしてニューヨークのフラットアイアンビルなどが、虹を吐いたり、光を放ったりしている。

Snapchatの新しいLandmarkers機能

SnapのLens Studioツールを使用している開発者およびLensクリエイターたちのために、自分が提供したすべてのLensを披露することができる、新しいクリエイタープロファイルをSnapは用意する。クリエイターたちはみな、手や体そしてペットに対して、難しいコンピューターサイエンス的効果を適用してくれる、新しいARテンプレートへのアクセスが可能になる。クリエイターは、犬の口ひげ、人々の手から飛び出す火の玉、腕をかざすと誰かの上に現れる虹のようなグラフィック資産を追加するだけでいい。

Snapchatの新しいLensクリエイタープロファイル

Snapはまた、そのスキャン結果に基いて、Lensカルーセル内に関連するコミュニティLensを浮上させてくる。とはいえ、1点不足しているところは、独立Lensクリエイターに対する直接的な収益化の手段が与えられていないということだ。一方でSnapは、時折最高のARアーティストと提携してLens開発を有償で依頼している。Snapchatは、長期的にはより良いインセンティブを提供する必要があることを認めている。

昨日の大きな記者会見で、同社の最高幹部らは、もはや成長はSnapchatにとっての成功基準ではないと説明した。Instagram Storiesの立ち上げによって、Snapの成長が四半期あたり17%から、実際のユーザー流出へと転じ、今四半期で落ち着いたことを考えると、それは便利な言い回しだ。スピーゲル氏は、その代わりにユーザーの関与を深め、それによってユーザーから生み出される広告収入を増やすことが、Snapの進むべき道であると述べている。

Snapが、ARフィルターと提供するより良い開発ツールによって、より多くのユーザーたちを遊ばせれば遊ばせるほど、より多くのブランドと開発者が、そのLensをLensカルーセルの中で宣伝し、Lensを試してみたくなる宣伝ビデオに対してお金を払うようになる。

だがそうした組み合わせは、次のARの局面に向かって、SnapchatがFacebookやInstagramに先行するためにもとても重要だ。 Instagram Storiesには1日に5億人のユーザーがいるかもしれないが、そこではARは主に顔に対して適用されており、世界とやり取りをするために使われているわけではない。Snapchatは、ARによる探求を日常的なものにするために、Landmarkersのような楽しいARエンターテイメントを、可能な限り多く必要としている。そのことによってScanプラットフォームの可能性が解放されることになるだろう。それによって、いつかARコマースやその他の収益源から、アフィリエイトを供給することになるかもしれない。

さらに、Snapchatによれば、Lensは単にiOSやAndroidだけではなく、将来のARハードウェアプラットフォームとも互換性があるようにコード化されているという。ARエクスペリエンスの最大のレポジトリを構築するためには、私が2年前の記事「Snapchatの反開発者的な態度は大いなる問題だ」【未訳】で指摘したように、Snapchatは外部からの協力を必要としている。これでやっと、開発者の一群が現実世界を想像上の驚異で満たすための、ツールとプラットフォームが整ったことになる。「私たちが正しいLensを正しい瞬間に見せることができれば、まったく新しい創造性の世界に刺激を与えることができます」と、Snapの共同創業者ボビー・マーフィ氏は締めくくった。

【日本版注】日本時間4月6日19時の段階では、日本向けiOSアプリにはまだ反映されていない)

画像クレジット: Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:sako)

ユーチューバーを育てるインキュベーターをNext 10 Venturesが立ち上げ、クリエイターも投資の対象だ

クリエイター経済にフォーカスしているロサンゼルスの5000万ドルのファンドNext 10 Venturesが、ユーチューバーを支援するインキュベーター事業を立ち上げる。

その名もEduCreator Incubatorは、25から40の新進ビデオクリエイターたちに、その場所などに応じて25000ドルから75000ドルのシード資金を提供し、彼らを12か月の指導教育事業に入学させる。唯一の要件は、作っているビデオが子どもや青少年を対象とする教育ビデオであることだ。

Next 10が最近雇用したマーケティング担当VP Cynthia So Schroederが、このインキュベーター事業を指揮する。彼女曰く: “YouTubeで教育コンテンツを増やせることがすばらしいのは、子どもたち、とくに新興国や途上国の第一世代である彼らは、今ではスマートフォンを持っていて、コンテンツを見ていることだ。彼らはそのコンテンツから、それまで自分たちがアクセスできなかった分野や話題を発見する。たとえば海洋学や物理学の存在を知るだろうし、そのわずかな知見を契機に、未来の宇宙飛行士やエンジニアが育つかもしれない”。

それまでeBayのグローバルコミュニティ開発&エンゲージメントのトップだったSo Schroeder写真)は、YouTubeでトップ・クリエイター・パートナーシップのグローバルディレクターだったBenjamin Grubbs(Next 10のファウンダー)および、Warner Brosでハリーポッターシリーズを担当していたPaul Condoloraらと組むことになる。

インキュベーター事業の参加者は全員が、その収益を共有する。このプールに溜まった資金は、来年度のEduCreator参加者の成長資金になり、また株式発行や追加投資については、事業の終わりに議論する。

EduCreatorは参加者たちに、同好者のネットワークや、コンテンツ開発とフォーマットにフォーカスしたプログラミング、そしてデジタルストーリーテラーのJay Shetty,WeCreateEduのファウンダーJacklyn Duffなどによるメンターシップを提供する。目標は、ユーチューバーたちが持続可能でスケーラブルなオンラインビジネスを構築することだ。

Next 10とは、何なのか? 同社の仮説によると、デジタル世界に精通したモバイルファーストのコンテンツクリエイターは大金を稼ぐだろう…少なくとも10年後には。そこからファンドの名前が由来している。Z世代の人びとの60%近くが、自分の好きな学習方法としてYouTubeを挙げる。そして昨年は、ストリーミングビデオの量が前年比で倍増以上だった。

Grubbsはこう言う: “YouTubeにいる間に総試聴時間は5倍になり、商業化と、そしてまさにグローバル化が進んだ。うちの子は9歳7歳4歳だが、うちでもメディアの消費の仕方は同じだ。次の10年を展望するなら、YouTubeはエンターテインメントの主役になり、また消費者たちは真実と知識と、そして人や世界との結びつきにアクセスするだろう”。

インキュベーターへの応募は、今日(米国時間10/18)から11月17日までだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

YouTubeが一連の募金ツールを発表

本日(米国時間8月30日)YouTubeは、クリエイターとそのファンたちに対して、慈善目的に貢献するためにデザインされた、新しい一連の機能を発表した。これには、新しいチャリティツールと、キャンペーンマッチングツールのベータ版と同時に、YouTubeのSuper Chat serviceのバリエーションである”Super Chat for Good”(善行のためのSUper Chat)が含まれている。

同社の説明によれば、YouTubeクリエイターたちは既に、同社のビデオプラットフォームを使用して、関心のある事柄についての意識を高め、コミュニティを結集させている。こうしたツールの総称であるYouTube Givingの開始によって、クリエイターたちは、ファンたちからの寄付を100万を超える非営利組織に寄付しやすくなるために、より多くの活動が促される。

Fundraisersを使うと、YouTubeクリエイターと認証非営利団体(501(c)(3)非営利団体として登録されているもの)は、YouTube動画の隣に埋め込まれるチャリティキャンペーンを作成できる。

動画の直下には、キャンペーンに貢献できるようにする”Donate”(寄付)ボタンが表示される。YouTubeは、この業務全体と支払いプロセスを処理すると言う。

ベータ版の間この機能は、米国とカナダの小規模なクリエイターたちに展開されている。現在行われているチャリティの1つの例は、動物救助と治療に向けての資金調達を行うHope for Paws Fundraiserによるものだ。

ベータ期間中は、YouTubeがすべての取引手数料を負担し、寄付の100%が非営利団体に届くようにする。

また米国のクリエイターたちに対してベータが公開されたCommunity Fundraisersは、複数のYouTubeたちが共同で同じチャリティを立ち上げられるようにする。ここで設定されている機能は、通常のチャリティに似ていますが、チャリティがすべての参加者の動画に同時に表示されるようにデザインされている。また、コミュニティ全体でどれだけの募金が行われたかも表示する。

これはSt. Jude Children’s Research Hospitalのために、3700万人のゲームのサブスクライバーたちからの寄付を募ろうと、数十のゲームクリエイターたちによる共同チャリティグループによって開始されようとしている。

Campaign Matchingはまだ開始されていないが、ほどなくクリエイターがチャリティを企画できるようにする。そこでは最終的な寄付金額を上げることができるように、他のクリエイター、ブランドそしてビジネスから、マッチング寄付を募ることができる(マッチング寄付とは集まった金額と同額の寄付金を拠出するという誓約のこと。通常上限が設定される)。

マッチング寄付と寄付者が誰かという情報も、この機能の一部として表示される。これは数週間後に登場する予定だとYouTubeは言っている。

もう1つの新しい機能は、YouTubeの既存のSuper Chatシステムを活用する。これによってファンは自分のコメントを強調表示することができる。Super Chat for Goodでは、視聴者のSuper Chat購入の100%が、クリエイターの支援する非営利団体へ寄付される。

YouTubeによれば、コミュニティからのフィードバックを受け取り、今後数カ月間のうちに、その機能をより多くのクリエイターに拡大する予定だという。

オンライン資金調達は、今ではGoFundMe、Kickstarter、Indiegogo、Patreonなどのサイトなどで人気のあるアクティビティだ。Facebookも数年前にこの市場に参入した。2016年中頃にはユーザーがサポートしている非営利団体向けの資金調達を行う機能を展開した、ほどなくこの資金調達ツールセットはライブ配信に拡張され、人びとが行う可能性のある様々な種類の資金調達へと対象が拡大された。

Facebookは、慈善団体向けのものを除いて、これらの募金活動の一部にプラットフォーム使用料を請求している。

YouTubeは、ベータ期間中は料金を請求しないとしているが、ベータ期間が終了したあとの料金プランがどのようなものになるかを話すことは拒否した。

今年は同社は、高まりつつあるFacebook WatchやAmazonのTwitchなどとの競争に対抗するために、クリエイターたちが動画を使ってできることを増やそうとしている。今夏の初めYouTubeは、チャンネルメンバーシップ、商品棚、FameBitを介したマーケティングパートナーシップ、そしてクリエイターにライブストリーミングと事前録画ビデオの中間のサービスを提供する”Premieres”の開始などの、さまざまな機能を導入した

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(翻訳:sako)

Captiv8が、インフルエンサーデータベースを無料で公開

おそらく読者は、Captiv8のようなインフルエンサーマーケティングスタートアップの主なセールスポイントは、マーケティング担当者たちが一緒に仕事をするインフルエンサーとクリエイターを探す手伝いをすることだ、と想像しているだろう。おそらくそれは正しい想像だが、Captiv8はそのクリエイター検索プロダクトを思い切って無償化することにした。

「私たちは本当にエコシステムをオープンなものにしたいと感じたのです、このことでブランドは、無償でインフルエンサーたちを検索し調査することが可能になります」、と私に語ったのは共同創業者のKrishna Subramanianだ。

無料プロダクトを通して、マーケティング担当者たちはプラットフォーム上でインデックスされた100万人以上のインフルエンサーたちを、見て回ることができる。そうしたプロフィールは完全に公開データだけで構成されている場合もあるが、インフルエンサーたちはその内容に注文を付けたり、データを追加したりすることもできる。

そしてマーケティング担当者たちは、パーソナリティ、コンテンツタイプ、作業場所、表現などのフィルタを使って検索を行うことができる。これに加えてCaptiv8は、各インフルエンサーのフォロワーたちの、集団属性(デモグラフィック)とブランドに対する嗜好データも提供する。

これまでは、Captive8のようなサービスを有償で利用しない限り、インフルエンサーを見つけるためには、様々なカテゴリーにおけるトップインフルエンサーたちに関する記事を読むといった、散発的でその場しのぎの手段をとるしかなかった、とSubramanianは語る。

Captiv8 Creator Discovery

これに対して、Captiv8上では、マーケティング担当者たちは、クリエイターを発見するために、おそらく1日あたり2時間ほどを費やすだけで良い。これはこれまで必要だった時間の60%ほどが節約できていることになる。

ではなぜ無料で利用できるのだろうか?Dr Pepper、Snapple、StubHub、そしてHondaなどのブランドが、既にCaptiv8を使用しているが、Subrapananianはその目的は「間口を広げる」ことにあるという、このことによって、世のマーケティング担当者たちがまずインフルエンサーについて調べに行く場所になりたいということだ。

そしてもちろん、同社はこのことでCaptiv8の提供する「エンドツーエンドのSaaSプラットフォーム」の売り込みへと顧客を誘導することができる。このプラットフォームは、追加のオーディエンスデータだけでなく、キャンペーンマネジメント、効果測定、そしてソーシャルモニタリングなどのツールを有償で提供するものだ。

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(翻訳:sako)

Adobe Photoshop CC、ワンクリック選択をサポート――Sensei AIが対象を認識

今日(米国時間1/23)、AdobeはPhotoshop CCをアップデートした。これにはWindowsユーザーのためにダイヤルタイプの入力装置、Microsoft Dialのサポートや高精細度モニターのサポート拡充などいくつもの新機能が含まれているが、中でも注目はSelect Subjectツールだ。これはAdobeの人工知能プラットフォーム、 Senseiを利用してワンクリックで所望の対象を認識し切り抜くというものだ。

イメージ処理を行うときにオブジェクトの選択は基本だが、形状が複雑だと手間のかかる作業になりがちだ。Photoshopの選択ツールは長年進歩を続けてきたが、それでも画像から望むように対象を切り抜くにはかなりの時間がかかるのが普通だった。新しいSelect Subjectツールも常に完璧な切り抜きができるわけではない。しかし優れているところはワンクリックでかなり正確なスタート地点を作ることができ、その後自由に編集が可能な点だ。しかもAdobeの新ツールは各種の既存の切り抜きツールと比べて段違いに優秀だ。

ただし、Sensei AIが画像を解析し範囲を決定するためワンクリック選択自体は機械任せとなる。ユーザーはメニューからSelect->Select Subjectと進むだけでよい。後はPhotoshopがやってくれる。

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【略】

Adobe XD

今日のCreative CloudのアップデートにはAdobe XDも含まれている。XDはモバイル・アプリのデザインとプロトタイピングのためのツールだ。XD ユーザーはZeplin、Avocode、Sympli、ProtoPie、Kite Compositorなどのサードパーティーのツールが使えるようになる。ユーザーはこうしたツールでデザインし、その結果をXDにインポートできる。現在のところこの機能はMac版(以上のツールはMacツール)だが、Adobeでは同様の機能をWindowsでも提供していくものとみられる。

これに加えてDropboxのユーザーはクラウドに保存されたXDの最初のアートボードをいちいちダウンロードすることなくプレビューできるようになった。

〔日本版〕Select Subjectは昨年11月にプレビューが公開されていたツール。日本版については未確認。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

クリエイターのためのLinkedInを目指すThe Dotsが400万ポンドを調達

LinkedInのようなプロフェッショナルなソーシャルネットワークは、長い間ビジネスの柱となって来たが、もしあなたがLinkedInでは息苦しさを感じる、クリエイティブな人材だったらどうだろうか?米国では、Behanceというクリエイターのためのネットワークが650万ドルを調達したが、大西洋の向こうでは同様のアイデアが、The Dotsという形で実を結んだ。

いわゆる「ノーカラー」(襟なし)プロフェッショナル(お望みならTシャツを着たクリエイターと呼んでも構わないが)たちのための組織を対象として、400万ポンドの投資ラウンドが行われた。主導者は「企業ビルダー」のHambro Perksだ。その他の注目すべき投資家としては、広告代理店業界の大物John Hegarty卿や、所有するThe Garage Sohoを通して投資を行ったTom Teichman、そして女性中心の投資家であるAngel Academeが含まれている。

今回の投資は、国際展開に先立ち、The Dotsの「クリエイターのためのLinkedIn」としての地位を強化するために使用される。

Pip Jamiesonによって2014年に開始されたThe Dotsは、採用のためには多大なコストがかかる、世界中でおよそ8000万人いると見積もられている「ノーカラー」のミレニアル世代のプロフェッショナルを集めようとしている。ある調査によれば、そのコストは年間110億ポンドにも及んでいるそうだ。

Dots自身は、現在の会員数を25万人だと述べている。現在の顧客にはGoogle、Burberry、Sony Pictures、Viacom、M&C Saatchi、Warner Music、Tate、Discovery Networks、そしてVICEなどが含まれている。

メンバーたちは実際にコネクトした他のメンバーたちと実際に作業をしているので、 Dotはプロジェクトを遂行する全チームのデータを収集することで、ネットワーキングを促進し、ネットワークを「信頼性の高い」のものにすることができる。

Dotはこうしたデータに基づいて機械学習を行い、クライアントに対してカスタマイズされた個別推薦を行うことを計画している。また長期的には個々人だけではなくチームとしての推薦も可能にしていく予定だ。

「誰もLinkedInには敵わないと思っていますが、それこそが、まさに私が破壊の機が熟していると考えている理由です」とJamiesonは語る。「LinkedInは、伝統的な『ホワイトカラー』労働者のネットワーキングの必要性から生み出されたものです。しかし、現在新たなプロフェッショナルクラスが登場つつあります、彼らはネットワーキングの嗜好が異なり、行動やキャリアの好みを反映した、代替ソリューションを必要としているのです」。

John Hegarty卿は次のように述べている。「伝統的な産業の様相は、自動化のために消えたり、急激に変化したりしようとしています。しかしクリエイティビティのためのアルゴリズムはありません。クリエイターたちこそが、私たちの未来の労働力なのです。だから、もし私たちの経済を繁栄させたいなら、アイデアを実現する人びとやチームを支援する必要があるのです。それがThe Dotsのすべてです。アイデアを生み出す人びと、チーム、ブランドを結びつけ、サポートし、支援するのです」。

(注:冒頭の写真の人物がPip Jamieson)

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(翻訳:sako)

アーティストとファンを繋ぎ安定した収益化を支援するPatreonが、大規模な資金調達を行った模様、評価額は4億5000万ドルか

アートが共有され、無料でストリーミング配信されるこの時代に、Patreonはコンテンツ制作を職業へと転換するという新しい希望を与えてくれる。このサービスは、イラストレーター、コメディアン、ゲームメーカー、そしてミュージシャンたちがPatreonを使用して、ファンたちからの自身の作品に対する特別アクセスと引き換えに、サブスクリプション方式で月々お金を払ってもらうというものだ。取引に際して、Patreonが徴収する手数料は、わずか5%に過ぎない。

5万人のクリエイターが登録されており、100万人のサブスクライバーたちが、コンテンツを早期に独占的に見るために月平均12ドルを支払っている。その結果Patreonは、2017年には1億5000万ドルをクリエイターに支払っている。これが意味することは、規模は倍増しているものの、Patreonは750万ドルしか収益を挙げていないということだ。

しかし投資家たちは、もし十分な数のアーティストがサインオンして、ファンを惹きつけることができれば、Patreonは新しいクリエイターエコノミーの柱として成長することができると考えている。TechCrunchは、3つの情報源から、Patreonが大規模なシリーズC資金調達ラウンドを終了したことを知った。そのうちの2つの情報源によれば、スタートアップの価値を約4億5000万ドルと評価し、Index Venturesが主導役ではないもののラウンドに参加していたと語った。Patreonはこの件に関するコメントを拒否した。

得られた現金は、クリエイターたちのマネタイズを助ける他の大きなプラットフォームたちと、競い合う筋肉を付けるために使われるのだろう。そうした競合相手には、YouTubeやFacebookの新しいオリジナルビデオのためのWatchタブ などが含まれる。YouTubeとFacebookはアーティストたちに訴求する巨大なユーザーベースとチームを持っているが、彼らはクリエイターたちのコンテンツを使って得た広告収入の55%しか作者に対して支払っていない。Pateronが95%を支払うことを、またファンからの直接的な支払いは、広告の視聴によるものよりも何倍も多い収入をもたらすことが、マーケティングを通して認知されれば、Patreonは広く受け容れられるだろう。

クリエイティブ層への資金提供

音楽家でビデオ作家のJack Conteは、作品から十分な収入を得ることに苦労してきた、またKickstarterのような一度切りのクラウドファンディングプラットフォームのプロジェクトでは、アーティストが創作に集中するために必要な資金が得られないこともわかった。そこで彼は「2013年に、クリエイティブ層への資金提供をミッションとするPatreonを共同創業した」と、先の6月に語ってくれた。「 広告だって?それだと十分じゃないんだ。アートを支える財政的な仕組みの中で、消費者からの支払いが、より大きな部分を占めなければならない」。

Patreonは、Thrive Capitalが主導した2016年1月のシリーズBまでに通算4710万ドルを調達していた。シリーズBにも参加したIndexはシリーズAにも参加していた。しかし大量の資金注入はプラットフォーム内のクリエイターたちの信頼度を押し上げることになるだろう。もし彼らがPatreonの資金がすぐに尽きることはないと知っていれば、おそらくプラットフォーム上の長期的なサブスクライバーの獲得に、より熱心に動いてくれるだろう。

より深いポケット(潤沢な資金という意味)は、Patreonがクリエーター用のボーナスツールスイートを開発することを可能にし、その一部に対して更に課金することもできるようになるだろう。「私たちのプロダクトへと注ぎ込むことのできる、新しい収入源を生み出す機会は色々考えることができるね」とConteは私に請け合った。彼は、例えばイベントチケットや商品を販売すること、クリエイターがファンの動きを理解してコミュニケーションすること助けるといったことを口にした。これによって、iTunesやSpotifyに比べると、わずかなものに見える5%の手数料の上に、Patreonの取り分を増やしていくことができるだろう。

イラストレーターのWLOPは、Patreonにおけるサブスクライバーたちにウォーターマークのない4Kサイズのアートを提供している。

その利点として、Patreonはプラットフォーム上でどのような種類のコンテンツが収益化されているかについては、比較的寛大だ。エロティックな絵画、アダルトゲーム、マリファナ関連のニュースやエンターテインメントなどは、みなPatreon上でサブスクライバーたちを魅了している。これらの多くはそもそもFacebookやYouTube上では許可されていないし、PewDiePieのスキャンダルを受けたYouTubeの厳しい広告規制(黙示録apocalypseにかけてadpocalypseと呼ばれている)の対象になるものや、今週発表されたFacebookの新しいルールに抵触するものから、広告収益を得ることもできない。

政治評論家集団のChapo Trap Houseは、Patreonで月に1万8000ドル以上の収益を得ている

しかしこれは両刃の剣だ。Patreonは、右派の政治評論家たちが差別的な発言を通じて資金を調達していることを知っている。それはオルタナ右翼クラウドファンディングサイトHatreonのようなものの誕生につながる。より多くの資金はより多くの注目を集めることになり、Patreonは「汚らわしいものを排除した自由スピーチ」という厳しい綱渡りを強いられることになるだろう。その自らの規則の中で何が正確には許されるのかを決め、そしてその規則を運用していくことはとても難しそうだ。

これまでのところPatreonは、資金提供先の新しいクリエイターを、ユーザーが発見することには、あまり力を注いで来なかった。すなわち、その収益を伸ばしアーティストを支援するための大きなチャンスがあるということだ。しかしそれはまた、課題も生み出すことだろう。Patreonは既に人気のあるクリエイターをどれほど増やすべきだろうか?(おそらくそうした人たちはサイトを占有するかのように目立つかもしれないが、より大きなコンバージョン率を期待することもできる)。また誰にスポットライトを当てるべきかの決定をサイトが行なった場合、もしそうしたクリエイターたちが他人を傷つけた場合には、Patreonを脆弱なものにしてしまう。

しかし、それらはミッションとしてもビジネスとしても、リスクを取るに値するものだ。コンテンツの配信はオンラインで行われている。ビデオ制作者やIndiegogoの発明家であるクリエイターたちは、安定した収入源を求めているのだ。広告プラットフォームは限定的で、しみったれていることが明らかになり、何より十分な現金を手に入れることができない。自動化は古い職業を脅かす。インターネットはニッチなアーティストとニッチな観客をつなぐことができる。また、好きなクリエイターとの間に絆を築く新しい方法によって、消費者は自分が好きなアーティストへのアクセスを増やす意欲がますます高まっていく。

Patreonはこうした流れのまさに中心に存在している。すべてのアーティストが飢えなければならない訳ではない。

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(翻訳:Sako)

Windows 3Dの責任者が語る、これからの3Dが果す役割

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Microsoftの未来は3次元だ。これまでに私たちは、同社がHoloLensならびにMinecraftとの仕事を通じて、少しずつその概念を受け容れて行く様子を見てきた。だが今週の初め、ニューヨークシティーでのイベントで、同社は3Dコンテンツ作成をコア原則として掲げ、Windows 10クリエイターアップデートならびにSurface Studioのようなハードウェアの両方に、全力で取り組むことを発表した。

どのくらいの期間、同社がこの領域に注目してきたのかと問われて、Megan Saundersはしばしの沈黙の後、用心深く「ある時点から」と答えた。彼女はWindows 3D Initiativeのジェネラルマネージャーである。彼女はすぐに、以前はHoloLensチームにいて、3Dコンテンツ作成の入門障壁を低くするための仕掛けのインスピレーションを、彼女自身の子供から得たのだと付け加えた。その子は空間に興味があったのだが、複雑なCADプログラムを操作するために必要なスキルを持っていなかったのだ。

「今日の3Dマーケットを見てみると、ほとんどのツールセットがプロ向けのものなのです」と彼女は説明する。「もし人びとに、もっと直接的に3Dの世界へアクセスして貰えるようにできたら、人びとにはよりリッチで、魅力的で、そしてより包括的なことを行う多くの機会が開かれることでしょう。私たちは、それをより親しみやすくするために、皆のために何ができるかを知りたいのです」。

この答の一部はPaint 3Dの形で現れた ‐ とうの昔に、悪いコンピューターアートの代名詞になってしまっていた、同社の古いグラフィック作成アプリケーションの改訂版である。プログラムの新バージョンは確かに、それを使ったユーザーが、自らを「3Dコンテンツ作成者」と呼べるくらい閾値を下げてくれる。とはいえこれまでのPaintで予想できるように、結果のほとんどはとても簡単なものだ。

しかし、Paint – そしてクリエイターアップデート – は、人びとをMicrosoftの大いなる3D戦略に絡め取るための最初の1歩に過ぎないのだ。「エコシステムの構築を目指しています」とSaundersは説明した。「私たちがロールアウトしていくものには様々なものがありますが、Paintはその最初のステップです。誰でもそれをダウンロードすることができますし、Paintと私たちの3Dコミュニティを統合していますので、既存の3Dオブジェクトをリミックスすることも簡単になりました」。

また、計画リストには携帯電話をモバイル3Dスキャナーにする機能も含まれていて、ステージ上でSaunders自身によってデモが行われた。そのときキャプチャされたのはイベント会場に設置された砂の城だ。「私たちはWindows Phone上でのローンチから始めます。まだまた沢山のことを学ぶ必要があります。経験を可能にすることは、挑戦の一種なのです。私たちは、人々がそれを簡単にするにはどうすればよいかを考えるために、多くの時間を投資してきました。それが成長し離陸していく過程で、私たちは人びとのいる場所に行きたいと思っています。皆が自分自身のデバイスの上で経験を楽しめるようにしたいのです」。

今のところそれは、PowerPointのような同社の大きなソフトウェアに付随する断片的な展開である。将来的には、しかし、Saundersとそのチームは、コンピューター利用法と情報共有の中で、3Dコンテンツがより大きくより統合された役割を果すと予測している。3Dは、写真や動画と並んで、私たちが記憶を保存し共有するための新しいカテゴリの1つになるだろう ‐ この先それらを後世のためにデジタルまたは3Dプリントのどちらで残そうかという選択肢は、消費者3Dプリントが広く普及したこれまでの成果を踏まえると、これまでになく現実味のあるもののように思える。

「思い出に新しいカテゴリが生まれるかも知れませんね」とSaunders。「人びとは、心を揺さぶられる瞬間や友人や家族の、写真やビデオを撮影するために、沢山の時間を費やしています。そして私たちはまた、モノにも同じような思い出を宿らせています、でも私たちにはそちらに関しては同じような保存ツールがまだ無いのですよね」。

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(翻訳:Sako)

「iPhoneで撮影」キャンペーンにあなたの写真を採用させるコツ

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最近Appleのビルボード(大きな野外広告看板)の近くに行った事はあるだろうか。おそらく立派な写真の下に「Shot on iPhone(iPhoneで撮影)」という文字を見たのではないかと思う。あなたは写真家として羨ましさに苛まれたかもしれない。なぜあなたの写真があそこにあって世の中で見られていないのだろう?

Jordan IsonはAppleの最新のキャンペーンに採用された写真家の一人である。この世界最大のアート展示に彼の作品が採用された経緯を知るために彼の話を聞いた。

最初の接触

「沢山の写真を撮影していますが、それらの写真に対するスパムメッセージも同時に沢山受け取っているのです」とIsonは言う。「今回のケースでも、私は同じ代理店の2人の異なる人物からとても謎めいたメールを受け取ったのです。しかし、そのメールには何か引っかかるものを感じたので返信をしたのですが、今ではそうしてよかったと心から思います!」。

Appleが「iPhoneで撮影」キャンペーンに採用した写真

この新進気鋭の写真家がメールに返信したところ、次に代理店が行ったことは信じられないくらい厳しい内容のNDAを提示したことだった。それにサインしたことで、彼はいかなる理由であっても、誰に対しても、何も話せなくなった。実際Isonは代理店の名前を出すことさえ躊躇っていたのだ。

「どれくらい秘密主義が徹底しているのかきっと信じられないですよ」とIsonは笑う。「私たちは2016年のキャンペーンに採用された人たちのためのFacebookグループに参加しているのですが、参加者が代理店とコミュニケーションを行う際に、Facebookグループの中で絶対に名前を使わないんですよ。いつでも『my contact』と『the agency』が使われて、名前が使われることはありません」。

Isonが代理店の名前を明かすことは決してなかったが、ここで話題になっている広告代理店がTBWAであることは公然の秘密だ。TBWAは関連会社であるMedia Arts Labを使って写真家に接触しているのである。

選考過程

最初のiPhone 4を買ったときに、Isonの撮影の旅は始まった。

彼の写真を採用したサンフランシスコのビルボードの前に立つJordan Ison

彼の写真を採用したサンフランシスコのビルボードの前に立つJordan Ison

「iPhoneを買うまでは写真を撮ったことなんてなかったんですよ」とインタビューに持参したRolleiflex(iPhone とはずいぶん違ったタイプのカメラだ)のカメラストラップを弄びながら彼は語った。「でも写真を撮ってInstagramに投稿し始めたら、新しい趣味に目覚めたんですよね」。

当初からIsonは、Instagramに投稿する彼の写真に対して#shotoniphoneというハッシュタグをつけていた。それが最終的には世界中のビルボードに彼の写真を着地させることにつながる習慣の始まりだったのだ。

代理店が「iPhoneで撮影」キャンペーンの採用候補者に送ったメッセージはとても簡潔なものだった。「私どものお客様があなたの写真を、とある用途に使いたがっています」。メールは謎かけのようだった。その何かのプロジェクトはコードネームを知らされただけだったそうだが、Isonはその名前を私に教えることも拒んだ。まるでスパイ映画のようだ。

「プロセスは興味深かったですね。彼らは何の手がかりも与えてくれませんでした。本当の最後になるまで、それが「iPhoneで撮影」キャンペーンだということも言いませんでしたね」と彼は肩をすくめた。

「彼らは実際には、最初は別の写真について私と話をしたがったのです」、IsonはBonneville Salt Flatsの素晴らしい写真をiPhoneで見せながら話した。「それでも、もし他に見ることができる写真があれば見せて欲しいとも言ってきました。そこで彼らに半ダースほどの写真を送ったのですが、それが正解でした、最初の写真ではなくて、他の写真を使うことになったのです」。

Appleの広告代理店が最初に使おうとした写真

「彼らはInstagramの上のハッシュタグを使って画像を見つけたんですが」とIsonは説明した。「しかし、彼らは私のTumblrも見ていたんでしょうね。私はInstagramのアカウントではメールアドレスを公開していないので」。

更なる試練

「私が送ったそれぞれの写真に対して、代理店は中身をぎっしり書き込むアンケートに答えるように要求してきました。彼らは私がその写真を撮ると決めた事情やその裏にある物語を知りたがりました」とIsonは続けました。「写真のコンテキストは、彼らにとって本当に重要であるように見えました。誰が、なぜ、どこで、そして何を、について詳しく知りたがったのです」。

代理店はまた、写真家自身が著作権を所有していることへの誓約書と、写真を商用目的で代理店に使用させる許諾書への署名を求めた。写真家は画像の利用に対して支払いを受けるが、それはおそらく読者が想像するほど多額ではない。

目を引く写真を、世界中のポスターやビルボードで見ることができる。どれほど大規模な美術展だろう!

目を引く写真を、世界中のポスターやビルボードで見ることができる。どれほど大規模な美術展だろう!

「まあストックイメージに対して通常払われる金額よりは、随分良いペイでしたけどね」、正確な金額は教えてくれないながらもIsonはこう話した。

「2000ドル位ですかね?」と私は適当に尋ねてみた。

「それよりは少なかったですけどね」とIson。

「代理店は、まだ写真に対する選択と鑑定が続いていること、その中で私は候補の一つであることを仄めかし続けました。しかし同時にビルボードが仕上がる瞬間まで何も最終決定ではないということも念押ししていましたね」とIsonは謎に満ちた4か月のプロセスを付け足した。

結局ビルボードが世界中で公開される4日前まで、彼は自分の写真が選考を勝ち抜いたことを知ることはなかったが、やがて自分の写真があらゆる場所で使われていることを知ることになる。沢山の雑誌の中や、世界中の小さなビルボードとして。そして最大の栄誉は、サンフランシスコ、ミネアポリス、ミラノ、ベルリン、クアラルンプール、パース、広州に出現した壁画サイズのビルボードだった。

Isonは言う「キャンペーンに採用されることは素晴らしいけれど、少し屈辱的なところもありましたね」。しかしそのことが彼の写真のキャリアに対して与える影響に関しては現実的に捉えている。「このことで、私はより多くの注目を集めるかもしれませんが、そうはならないかもしれません。私にとって大事なことは、このことが写真を撮り続ける気持ちに拍車をかけたということですね。私の写真が、このようなキャンペーンに使われる目的に、十分良いものであることを知ったことは本当にやる気にしてくれます」。

Shot on iPhoneキャンペーンの写真家たちはFacebook上でお互いをフォローしていて、世界中の建物にあるお互いの写真をシェアしあっている。

「iPhoneで撮影」キャンペーンの写真家たちはFacebook上でお互いをフォローしていて、世界中の建物にあるお互いの写真をシェアしあっている。これは、グループのメンバーの一人が広州(中国)のショッピングモールの壁を覆うIsonの写真を見つけたときのものだ。

「iPhoneで撮影」キャンペーンに採用されるには

今年のキャンペーンは「色」と呼ばれた。それぞれの写真はほぼ単色のトーンだ。

今年のキャンペーンは「色」と呼ばれた。それぞれの写真はほぼ単色のトーンだ。

次の機会にはあなたの写真にスポットが当たり、採用され、ビルの側壁一面を覆いたいだろうか。それも世界中の国々で?

選択されるための魔法の弾丸は存在しないが、候補の山の頂上付近にあなたの写真を浮かび上がらせる可能性を増すための5つのヒントを紹介しておこう。

  • Appleが製造している最新のiPhoneで撮影する。 あなたがiPhone 5で素晴らしいショットを撮れるかどうかは関係ない – 彼らはただiPhoneの最新モデルを宣伝したいだけなのだから。
  • Instagramの写真にはマメにタグをつけること、そしてあなたのInstagramのフィードの残りの部分も、同様に高品質であることを保つこと。#shotoniphone#shotoniphone6sでタグ付けするのは良いアイデアだが、写真をテンコ盛りのハッシュタグでスパム化する誘惑には耐えること。
  • 元のファイルを保存しておくこと。 Appleは対象となる写真が、本当にあなたが撮影したものか、そして間違いなくあなたが使ったと主張している電話機(ここではiPhone6s)で撮影されたものかを確認する。
  • 連絡先を見つけやすくしておくこと。 代理店は何千人もの候補の中から選別を進めている。もしあなたに電子メールを送ることが難しいようなら、彼らは手間をかけることはしない。
  • メールから目を離さないこと − 肩をいつ叩かれるか、あらかじめ知ることはできないのだ!
  • 素晴らしい写真を撮ること 。まあおそらくこれが秘訣ナンバー1であることに間違いはない。

さあやってみよう!

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(翻訳:Sako)

BitTorrent Nowの音楽・動画ストリーミングアプリが、iOSとApple TV向けにも公開

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BitTorrentの名前は今でも著作権侵害を思い出させるものかもしれないが、BitTorrent社はピア・ツー・ピア技術がコンテンツの合法的な配布手段として利用できるようにするための努力を続けてきた BitTorrent社によれば、同社の製品には1億7千万人以上の利用者がいるということだ。本日、コンテンツクリエイターたちが、観客である私たちの注意を惹くことができるようにすることを目指して、ストリーミングアプリケーションBitTorrent NowがiOSとApple TV向けに公開された。

このアプリはまず 6 月にAndroid向けに公開され、iOS向けのリリースはすぐに行われるとアナウンスされていたものだ。

SoundCloudのような音楽ストリーミングアプリと同様に、BitTorrent Nowはアーティストたちに作品をBitTorrentのプラットフォームへアップロードさせ、多くの人たちの目に触れる機会を与える。とはいえBitTorrent Nowが他の多くのサービスと一線を画す点は、コンテンツの種類を1種類に限っていないところだ。歌、映像、ミュージックビデオ、その他をインディーズのクリエイターたちから受け入れるのだ。

モバイルでは、コンテンツはBitTorrentのサーバーによって従来のやり方で配布されていたが、同社は、ピア・ツー・ピア技術でのサポート構築に取り組んできた。ただし、デスクトップでも利用可能であるBitTorrent Nowのネットワークは、同社のウェブサイトの説明によれば、「ファンによって支えられている」そうである。つまり、あるコンテンツを最初にダウンロードした人は、それをダウンロードする他の人々のための配布ポイントになるということだ。

とはいえ同社は、モバイルアプリはしばらくは、クライアント/サーバ・システムを使用すると述べている。P2Pコンポーネントが開発中なので、これは「一時的」な措置である。

BitTorrent Nowの上で現在主流の有名アーティストを見かけることはほとんどない。ここは新進気鋭の才能に出会う場所なのだ。とはいえ、何組かの注目株も含まれてはいる。The OnionSuper DeluxeIHEARTCOMIX、Major Lazer、Flume、G-Eazy、A24 Films、Drafthouse Films、David CrossそしてThe FADERなどがその例だ。

アプリを使って、ユーザーは自分の好きなアーティストをフォローし、プレイリストを作成し、BitTorrentコミュニティ全体で流行っているものを知り、推奨作品リストを受け取ることができる。また、「rock」、「house」、「mixtape」、「folk」、「book」、「comedy」などのようなジャンルやタグにより、アプリ内でコンテンツを探索することができる。

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BitTorrent NowはiOS上でのバックグランド再生にも対応している、もしソーシャルネットワークや、SMSや、メールを介してシェアを行いたければiOSの組込シェア機構を用いて行うことが可能だ。

BitTorrent Now の課題は、これだけ世の中に多くのコンテンツ発見の手段(これまでBitTorrent が支援してきた「既存」のアーティストたちのものを含む)がある中で、自分にふさわしい場所を見つけることだ。SoundCloudに加えて、アーティストたちは既にBandcamp、YouTube、Vimeo、あるいは自分自身のウェブサイトやFacebookのようなより巨大なソーシャルネットワーク上でも作品を共有することができるのだ。

そこでBitTorrentは、クリエイターたちに自分の条件を設定させることによって魅力を加えようとしている。BitTorrentの「bundles」を用いれば、アーティストたちはコンテンツを無償で提供することもできれば、サブスクリプションを設定したり、または個別の支払いを求めることもできる。アーティストたちはまた、ユーザーの電子メールアドレスを得て、収益の大部分を手にすることもできる。

しかしファンにしてみれば、こうした様々なオプションは、ある場合には広告付きコンテンツを視聴し、またある時は支払いが必要になるということを意味する。これは、誰もが理想的と思うわけではない、まとまりのない経験へとつながる可能性がある。

BitTorrent Nowアプリは現在iTunesやApple TVから入手可能だ。

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(翻訳:Sako)