アップルとカーネギーメロン大学が聞いて学ぶシステムを公開、よりスマートな家電開発目指す

Apple(アップル)とカーネギーメロン大学のHuman-Computer Interaction Institute(ヒューマン・コンピューター・インタラクション研究所)の研究者で作るチームが、周囲の音を聞いて学ぶ埋め込み型AIのためのシステムを披露した。トレーニング用のデータを事前に準備したり、学習プロセスを監督する大きな負担をユーザーにかけたりする必要がない。全体的なゴールは、スマート家電がもっと簡単に文脈や状況の把握をできるようにして、応用の幅を広げることだ。

彼らがListen Learner(聞いて学ぶ者)と名付けたこのシステムは、マイク付きのスピーカーなどのスマート家電の音響行動認識能力を用いて、その周囲で発生している出来事を、自己教師あり学習と、1回だけユーザーが介在して行われるラベリングから解釈する。このラベリングは、たとえばスピーカーがクラスタリングに値するだけの時間聞いている音について、「今の音はなんですか?」と質問するといった形で行われる。

一般的な事前トレーニングを行ったモデルもループに加えることで、システムは初めて聞く音に対して、その音響クラスターが意味する内容を推測できるようにもなる。そのためユーザーが答えるべき内容を絞り込むことが可能だ。たとえば、システムの「今のは蛇口ですか?」という質問に、近くにいる人が「はい」または「いいえ」と答えるだけで済む。

認識を高めるための質問は、研究者たちが「境界線上のケース」と呼ぶ音をシステムに理解させる役にも立つ。それまでクラスタリングされそうになったものの、まだ個別のイベントとして意味づけされていない音などだ。たとえば、ドアが閉まる音に対して、食器棚の扉が閉まる音はそれにあたる。今後は、システムに二者択一の推測方法を教えて、推測を行ってからユーザーに聞いて確認をとるようにもできるだろう。

彼らは、キッチンを舞台にそのコンセプトを説明する下のデモ動画を制作した。

研究論文の中で彼らは、スマート家電は家庭やオフィスに広く普及し始めているが「文脈を把握する能力」に欠ける傾向があると指摘している。「周囲で起きていることに対する理解が最低限」しかなく、従って「本当に有用なコンピューター体験を実現させる可能性」が限定されるという。

音響行動認識自体は新しいものではないが、研究者たちは、それが既存の展開方式、つまり、ユーザーの手間に頼った膨大なトレーニングで精度を高める方法、または事前のトレーニングによって一般的な分類を与えておき「箱から出してすぐに使える」ようにする(しかしユーザー固有の環境に関するデータがないために制度は落ちることになる)方法を改善できるかどうかを確かめたいと考えている。

そのためListen Learnerは、現在、データ構築のためにユーザーに大きな負担をかけずに実用性(精度)を高めるまでの発展途上にある。この自己学習型システムは、時間をかけて音響行動分類器を自動生成してゆく。研究チームは、スマートスピーカーと同じように動作する概念実証用のプロトタイプを製作し、人間によるインプットを求めさせた。

「アルゴリズムは、既知のサンプルをインタラクティブにクラスタリングすることで、ひとつのアンサンブルモデルを学び、その後、結果として作られたクラスターを割り当てることにより分類器をトレーニングする」と彼らは論文で解説している。「これにより、アンサンブルモデルが活性化したときに、ユーザーの1回限りの介入でそれを部分的にラベリングができるようになる」。

音響イベントは、マイクの入力レベルが過去1分間の平均よりも標準偏差が1.5高いときにトリガーされる適応閾値を使ってセグメント化される。

「我々は、閾値化スキームをさらに潤滑にするためにヒステリシス技法(デバウンス処理)を採用している」と論文は続く。さらにこう記している。「多くの環境では、持続的で特徴的な背景音(HVACなど)があるが、我々は演算効率を高める目的でそれらを(無音時と同様)無視した。入力サンプルは、環境音との類似性がきわめて高い場合には破棄されるが、セグメント化されたウィンドウに含まれる無音は削除されないことに注意していただきたい」

彼らが使用しているCNN(畳み込みニューラルネットワーク)音源モデルは、最初にYouTube-8Mデータセットでトレーニングを行っている。論文によると、それを業務用サウンドエフェクトのライブラリーで強化したという。

「深層ニューラルネットワークの埋め込みを使用するという選択は、入力データの学習済み低次元表現と見ることもできるが、それは流形仮説(高次元データが低次元多様体におおよそ沿っていること)と一致する。この低次元学習表現上でクラスタリングと分類を実行することで、我々のシステムは、新しい音源クラスの発見と認識がより簡単に行えるようになる」と彼らは書いている。

研究チームは、教師なしクラスタリング方式を使っていた。ウォード法として知られる凝縮型階層的クラスタリング(HAC)アルゴリズムを使い、低次元学習表現からクラス境界の位置を推論するためだ。

このシステムは、候補のクラスターが重複している場合があるため、「クラスのもっとも優れた表現を見つけ出すためのデータ分類のあらゆる可能性」を評価する。

「我々のスラスタリング・アルゴリズムは、全クラスター内分散を最小限にすることで、データをクラスターに分離している。また、クラスターの分類可能性に基づきクラスターの評価を試みる。クラスタリングの段階を終えると、教師なしの1クラス・サポートベクターマシン(SVM)アルゴリズムを使い、新規に関知した音源の境界線の判断を学習させる。各候補クラスターごとに、1クラスSVMはクラスターのデータポイントに基づきトレーニングされ、そのF値はデータプール内のすべてのサンプルと共に処理される」という。

「従来のクラスタリング・アルゴリズムは、クラスターの割り当てを提供することで入力データを説明しようとするものだが、これ単独では未知のサンプルの区別は行えない。従って、このシステムの推論能力が円滑に利用できるよう、ひとつ前の段階で生成された1クラスSVMを使ってアンサンブルモデルを構築する。我々は、閾値θを超えるF値を持つ最初の分類器を選択しアンサンブルに加えることで、アンサンブルモデルを構築するインタラクティブな手順を導入した。分類器が追加されると、それをデータプール上で実行し、認識されたサンプルをマークする。そしてクラスター分類ループを、1)プール内のすべてのサンプルがマークされる、または2)ループからはそれ以上の分類器が生成されなくなるまで繰り返す」。

プライバシー保護は?

マイクがオンになり環境データを処理する頻度に関連して、論文では、こうした音声を聞き取るシステムで懸念されるプライバシーの問題にも触れている。機器の中ですべてをローカルに処理できるとは限らないからだと彼らは言う。

「音響を利用した行動認識のアプローチは、分類精度の向上や学習能力の漸進的向上といった恩恵をもたらす一方、音声データ、とりわけ会話の内容をキャプチャーし転送することにはプライバシーの問題が浮上する」と彼らは書いている。「理想的な実装の形は、すべてのデータが、それを捉えた機器から外に出さないようにすることだ(ただしローカルでトレーニングを行うとなれば膨大な演算能力が必要となる)。または、ローカルに保存されているモデルクラスにユーザーが特定できない匿名ラベリングを行った上でクラウドで処理する代替方法もある」。

論文の全文はこちら

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(翻訳:金井哲夫)

あなたのスマート家電を見張る研究目的のツールが登場

プリンストン大学の研究チームが、スマート家電が何をしているかをあなたが(そして研究者チームが)調べることのできるWebアプリを開発した。

「IoT Inspector」というオープンソースのツールは、ここからダウンロードできる(現在はmacOS版のみで、Windows版とLinux版が計画されている)。

研究者たちはブログで、この取り組みの目的はインターネットに接続する装置のネットワークトラフィックを分析するシンプルなツールを消費者に提供することであると述べている。スマートスピーカーやWi-Fi対応のロボット掃除機といったデバイスのデータが第三者と共有されているかどうか(あるいは実際にこうしたガジェットからどの程度データが盗み出されているか)を確かめられるようにするというのが基本的な考えだ。

IoT Inspectorを研究室でテストした研究者は、Chromecastデバイスはアクティブに使われていないときでもしょっちゅうGoogleのサーバーに接続していることがわかったと述べている。

Geeni社のスマート電球もクラウドと頻繁に通信し、IoTデバイスを制御するプラットフォームで中国を拠点をする企業が運営しているURL(tuyaus.com)経由でトラフィックを送受信していることがわかったと言う。

このようにデバイスを調べる方法は、ほかにもある。たとえばWireSharkのようなパケット分析ソフトを使ってIoTのトラフィックをキャプチャするワイヤレスホットスポットをセットアップする方法などだ。しかし専門知識が必要で、消費者にとっては難しい。

研究者は、今回開発したWebアプリは専用のハードウェアや複雑なセットアップを必要としないので、自分でデバイスのパケットを傍受するよりも簡単に調べられるとしている。

ちょっとした問題がひとつある。このWebアプリはSafariでは動作しない。FirefoxかGoogle Chrome(またはChromiumベースのブラウザ)が必要だ。

注意が必要なのは、プリンストン大学のチームはIoTの研究に役立てるためにデータを収集しようとしていることだ。このツールを使う人は、スマート家電の研究に貢献することになる。

研究チームのプロジェクト名は「消費者向けIoTデバイスがもつプライバシー、セキュリティ、パフォーマンスのリスクを特定する」である。主任研究員は、同大学コンピュータサイエンス学部のNick Feamster教授とポスドク研究者のDanny Yuxing Huang氏である。

プリンストン大学のチームは、IoTデバイスのプライバシーとセキュリティのリスクおよびネットワークパフォーマンスのリスクを研究するのが目的であるとしている。しかし、通常の研究倫理承認プロセスを経た後でプリンストン大学以外の研究者にもデータ全体を共有する可能性があるとも述べている。したがってIoT Inspectorを使う人は、少なくとも1つの研究プロジェクトに参加することになる(ただし、デバイスごと、あるいはアカウントごとに、収集されたデータを削除することもできる)。

研究チームは以下のように述べている。「IoT Inspectorに関しては、私たちがオープンソースをつくる最初の研究コミュニティだ。このオープンソースは、各デバイスにIDを付け、実際のIoTネットワークトラフィックのデータセットを匿名化したものである。データ分析やデータ収集の改善、またIoTのセキュリティやプライバシー、ネットワークパフォーマンスといった関連分野の知見を深めるために私たちと協力する研究者を募っている」

研究チームは広範囲にわたるFAQを作成している。ツールの使用を考えている人は、ネットワークのトラフィックを見張ることを明示的に意図したこのソフトウェアに関わる前に必ず読むべきだ(トラフィックのデータを横取りするためにARPスプーフィングを使用しているため、ネットワークが遅くなるおそれがあり、またソフトウェアにバグがあるかもしれない)。

トラフィック分析ツールによって集められたデータセットは匿名化される。また研究チームはパブリックIPや位置情報は収集しないと明言している。しかしそれでもプライバシーのリスクはある。例えばあなたの本名がスマート家電の名前に使われているかもしれない。繰り返すが、参加するならFAQを熟読してほしい。

ネットワーク上のIoTデバイスに対して、ツールは複数のデータポイントを収集し、プリンストン大学にあるサーバーに送る。収集されるデータには、DNSリクエストとレスポンス、送信先IPアドレスとポート、ハッシュ化されたMACアドレス、トラフィックの統計情報、TLSクライアントのハンドシェイク、デバイスの製造業者が含まれる。

このツールはスマート家電の研究を目的としているため、デフォルトではコンピュータやタブレット、スマートフォンを追跡しないように設計されている。利用者は、セットアップ中にデバイスの電源を落としたりデバイスのMACアドレスを指定したりして、個々のスマートデバイスを手動で追跡対象から取り除くこともできる。

IoT Inspectorが動作しているネットワーク上にあるスマートデバイスを、最大50台を追跡することができる。51台以上のデバイスを持っている人は、研究チームに連絡してこの制限を引き上げてもらうことができる。

プロジェクトチームは、アプリをMacにインストールする手順のビデオを作成して公開している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Amazonは過去を見て未来を作る

この20年間で、スマート家電は夢から日常へと進化した。家電量販店Best Buyの中を歩けば、わずか数分でセットアップできる製品が並んでいる。素晴らしいことだ。おまけに簡単に使えるのも嬉しい。大手からも小さなメーカーからも、照明やドアの鍵やスクリーンが発売されている。しかし、そこに問題がある。規格が統一されていないことだ。そんな中で、自社で販売する製品を統合して消費者や量販店に提供するというAmazonの方法は、解決策になり得る。

もちろん、どのスマート家電も役に立つのだが、いっしょにしたときにうまく協調してくれない。スマートホームは、スイッチを入れれば電灯が点くといった具合に簡単なものでなければいけない。AmazonはメッシュWi-FiのスタートアップEeroを買収したことが、それを物語っている。2つ3つより多くのスマート家電からなるスマートホームを形成するのは、至難の業だ。うまく使えなくなる要因がいくつもあり、スマートホームがトランプタワーのように頼りなく感じられてくる。

平均的な消費者にとってベストなものは、Amazonにとってもベストだ。スマートホームをできる限り簡単で便利なものにするには、それを提供する企業は、どの入口からでも同じ感覚で使えるように環境を整えることが大切だ。これはAppleがスマートフォンで実施している方法であり、Appleは、長年、もっとも簡単でもっとも安全なスマートフォンの使用環境を提供してきた。

理屈からすると、Amazonは、Amazon EchoにEeroルーターを同梱させるとか、Echo製品にメッシュネットワークを組み込むことを考えるだろう。いずれにせよAmazonは、Fire TVとEcho製品がAmazonのコンテンツ配信サービスを安定的に利用できるようにするだろう。それが、Amazonがスマートホームで儲ける形だからだ。

Devinが素晴らしい記事を書いて説明しているが、メッシュネットワークは、すべての部屋に入り込もうとしたAmazon自身が生み出した問題の解決策となる。本格的なスマートホームにWi-Fiは不可欠だが、Wi-Fi以外のネットワークもあれこれ存在する。スマートホームとは複雑なものだ。その始まりは20年以上前まで遡る。

無線ネットワークがまだ一般に普及していなかったころ、マニアや金持ちが立てた家では、エレクトロニクスを利用するために他の方法に頼らざるを得なかった。今でも、そのころのプロトコルの新しいバージョンを使っている製品は現役だ。Z-WaveやZigBeeといった通信方式を使えば、ホームセキュリティー・システムに無線監視カメラを接続したり、通常ならネットワークとは無関係なコーヒーメーカーや電灯などを操作できるようになった。

後に登場した無線通信規格は、Z-WaveやZigBeeと競合することになった。2000年代の初めにInsteonが現れ、無線電波と電灯線網を利用した冗長なネットワークを提供した。2014年には、Samsungの協力を得たNest、Qualcomm、ARM、その他の企業がThreadネットワーク規格を導入し、現代的な冗長性と高度な安全性をもたらした。それだけではない。Bluetooth 5、Wi-Fi HaLow、そして見渡せる範囲で使える赤外線信号を使った製品もある。

こうした競合する通信方式によってグループが分かれるため、それらに属する製品を同時に使ってスマートホームを形成し、ひとつのデバイスですべてを操作することは困難になる。スマートホーム製品の初期段階である現在は、さまざまな製品の統一的なコントロールを可能にするために自社製品の使用を促すという形をAmazonとGoogleが作り上げている。

Appleはそれを実行し、なんとか成功した。HomeKitフレームワークでは、iOS機器を家の中央コントロールポイントとして使うようになっている。電灯を点けたければ、iOSに表示されるボタンをクリックするか、今ならHomePodに話しかけるだけでいい。宣伝のとおりに機能してくれるが、対応する製品はAppleの認証を受けなければならず、そのため使える製品の数はAmazon Echo対応のものよりも少ない。

一方、GoogleとAmazonは両手を大きく広げてスマートホームに入ってきた。あらゆる製品に対応する姿勢を見せた。

それが功を奏した。この2年間でスマート家電メーカーは、自社製品がGoogle AssistantやAmazon Alexaに対応することで大きく前進できた。先月開催されたCESでは、便器がAlexaに対応したと発表されてジョークのネタにもなったぐらいだ。

スマートトイレには恐れ入るが、これらネットワークに接続される製品のすべてが、それぞれにセットアップを必要とする。すべての電灯、暖房の温度調節器、トイレも、初めてのユーザーがスマートフォンのアプリを操作して快適に使うことを要求している。ネットワークの設定がどうなっているのか、トラブルが起きたときに何をググればいいのかをユーザーが心得ているものと想定されている。なぜなら、トラブルはかならず起きるからだ。

AmazonのAlexaアプリは助けてくれない。ひとつのアプリは、音声通話、スキルの設定、遠隔操作、Alexaへのアクセスなど、さまざまな機能がに支えられている。ひとつのアカウントにいくつものEchoを登録してしまうと、もう仕事が多すぎて手に負えなくなってしまう。

何かを変えなければ。

スマートホームが新しいデモグラフィックに売り込みをかけようとするなら、難しいものは取り除かなければならず、集中コントロールが最重要となる。ITに詳しくない人でも、音声コントロールハブをいくつか買ってきて、照明をつないで、暖房の温度調節器をつないで、それらすべてをひとつのアプリで操作するよう設定できなければならない。個々の製品のネットワーク方式が異なっていてもだ。

Amazonはすでに、異なるスマートホーム用無線プロトコルに対応するという大きな一歩を踏み出している。2017年、AmazonはEcho Plusを発表した。このバージョンのEchoスピーカーは、ZifBee(ZigBee用Philips Hue LEDライトシリーズ)に対応している。さらに2018年、AmazonはEcho Plusをアップグレードし、温度センサーを搭載して、インターネットがダウンしてもオフラインでスマートホーム・ネットワークを使ってスマート家電をコントロールできるようにした。

Amazonは、スマートホーム関連企業のポートフォリオを膨らませている。自社製のEcho製品に加えて、ビデオモニター付きドアベルのメーカーRing、無線ビデオカメラ・システムのメーカーBlink、そして最近では屋外用照明のメーカーMr.Beamsを買収している。これにEeroが加わり、AmazonによるWi-Fi環境を買い手に提案できるようになった。残るは、これらのデバイスの使用環境の統一だ。

どの企業でも、スマートホームで競争に勝ちたいと思えば、消費者の絶対的な信頼を得る必要がある。Amazonは、今のところ、ユーザーのプライバシーに関する問題を起こした回数がもっとも少なく、内容も比較的軽いもので済んでいる。Amazonが音声データを行政当局に渡していたことを、複数の記事が伝えた。またAmazonが所有するビデオモニター付きドアベルのメーカーの製品が近所を監視して個人の特定や差別につながるのではないかと問題を提起した記事もあった。

Amazonは、そうした中傷記事で評判を落とすことはないだろうが、製品の不良により高収益をもたらすサービスが提供できなくなることには耐えられまい。

スマートホームの世界を占領しようと戦いを続けているのはAmazonだけではない。Google、Samsung、そしてAppleは、この成長を続ける市場を真剣に見据えている。彼らは、Amazonがパイをすべて食べてしまう事態を許さないだろう。家電大手も、消費者に人気の製品を持つスマートホーム製品のメーカーの引き抜きを続けてゆくだろう。Arlo、ecobee、Belkin、Wyze Labs、sevenhugs、Brilliantのような企業を買収しようと目を光らせているのだ。これらの企業は、彼らが目指す分野で最高の製品を作っている。大手家電メーカーがこれまでに買収した企業の隙間を埋めることで、完全に統一された使用環境を消費者に提供しようと目論んでいる。

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(翻訳者:金井哲夫)

スマート家電が見聞きした情報を政府に開示するかどうかメーカーに聞いてみた

10年前には、ほぼすべての家電製品がインターネットにつながることなど想像もつかなかった。今では、スマートではない家電製品のほうが大変に貴重になっている。だが、スマート家電は、普段、私たちが考えてもいない新しいデータを大量に吸い上げているのだ。

暖房の温度調節器は部屋の温度を知っている。スマートカメラとセンサーは、家の中で誰かが歩き回われば、それに気づく。スマートアシスタントは、我々が何を求めているかを知っている。スマート・インターホンは、誰が来て誰が出て行ったかを知っている。クラウドのお陰で、そうしたデータはどこからともなくやって来る。スマートフォンを使えば、ペットの様子を見たり、ロボット掃除機が仕事をしているかを確かめることが可能だ。

スマート家電のメーカーは、そうしたデータを蓄積したり利用したりできる。そこで、犯罪解決のためにそれを利用できないかと、警察や政府機関は考え始めている。

スマート家電が、我々を監視するために使われているかどうか、などという質問にはメーカーが答えるはずがない。

何年もの間、技術系企業は透明性に関するレポートを発表してきた。彼らは、ユーザーのデータを提出するよう政府から要求されたり依頼された回数を、半定期的に公開している。最初は2010年のGoogleだった。その他の企業も、ユーザーをスパイするよう政府から協力を求められているとのエドワード・スノーデンの暴露騒動に押されて追従するようになった。盗聴国民の通話記録を提供して政府に加担してきた電話会社ですら、信頼を取り戻そうとその件数を公表するようになっている。

スマート家電が普及し始めると、警察も、これまで持ち合わせていなかったデータの新しい入手方法に期待するようになった。警察は、殺人事件の解決のために、Amazonから提供されたEchoのデータを検証した。Fitbitのデータは、養女を殺した容疑で90歳の男性を起訴する手助けとなった。最近では、Nestが監視映像の提出を強要され、これがギャングのメンバーに窃盗事件の有罪答弁をさせることにつながっている。

しかし、大手スマート家電メーカーの中で、データ提供の要請の件数を公表したのはGoogleの傘下であるNestただ一社だ。

あまり知られていないNestの透明性レポートだが、先週、Forbesは、多くのことは示されていないと指摘した。2015年半ばから、500件分のユーザー情報を約300回提出したという内容に留まっている。またNestによれば、テロやスパイなど国家の安全保障に関連する秘密の依頼は、今日まで受けていないという。Nestの透明性レポートは、地方や政府からの合法的なデータの要求案件を開示したApple、Google、Microsoftの詳細な報告書と比較すると、かなり曖昧だ。

Forbesは「スマートホームは監視ホームだ」と書いているが、その規模はどれほどなのだろう。

我々は、市場でよく知られているスマート家電メーカー数社に、透明性レポートを発表するか、またはスマート家電のデータを提出するよう要求された数を公表するかを聞いてみた。

その返事は、ほとんどが泣きたくなるような内容だった。

最大手4社の返事

Amazonは、Echoのデータの提出要請の数を公表するかという質問には答えなかった。去年、データ提供のニュースに関連して広報担当者に質問した際も、Echoのデータに関する報告は行うが、そうした数字は公表しないと話していた。

Facebookは、透明性レポートには「Portalに関連するすべての要求」が含まれると話している。Portalは、Facebookが先日発売を開始したカメラとマイクを搭載したディスプレイ装置だ。新製品ではあるが、広報担当者は、このハードウエアに関するデータ提出要請の件数を公表するかについては答えなかった。

Googleは、Nestの透明性レポートについては話したが、Google自身のハードウエア、とくにGoogle Home製品に関連するレポートの開示については答えていない。

Appleは、HomePodなどのスマートホームに関する数字の公表は必要ないという立場だ。なぜなら、報告するような事例がないからだそうだ。Appleによれば、HomePodへのユーザーからの命令にはランダム・アイデンティファイアが割り当てられるため、個人の特定は不可能だという。

最大手以外の重要なスマート家電メーカーの場合

スマートロックのメーカーAugustは、「透明性レポートは作成していないが、外国諜報活動偵察法に基づく国家安全保障に関する書簡も、ユーザーのコンテンツまたは非コンテンツの情報の提出を求められたこともありません」と言っている。しかし、召喚状、令状、裁判所の命令の件数については答えていない。「Augustは、あらゆる法律に準拠しており、裁判所からの命令や令状があったときは、応じる前に、かならずその内容を吟味しています」と広報担当者は話していた。

ルンバのメーカーiRobotは、「政府から顧客データの提出を求められたことはありません」と話しているが、透明性レポートを将来公表する予定はあるかとの質問には答えなかった。

Netgearのスマートホーム部門であったArloと、Signify(旧Philips Lighting)は、透明性レポートは作成していないとのこと。Arloは将来についてはコメントせず、Signifyは作成の予定はないと話している。

スマートなドアホンやセキュリティー製品のメーカーRingは、なぜ透明性レポートを作成しないのかという我々の質問には答えなかったが、「市民に適正な利益をもたらす合法的で法的義務が伴う要請がなければ、ユーザー情報は提供しません」と話している。さらにRingは、「当然のことながら、利用範囲が広すぎたり不適切な要求は受け入れません」とのことだ。さらに尋ねると、将来的には透明性レポートを公表する計画はあると答えたが、いつとは言わなかった。

どちらもスマートホームのセキュリティー製品を製造販売しているHoneywellCanaryの広報担当者は、こちらが指定した期限までには返事をくれなかった。

スマートセンサー、トラッカー、インターネットに接続できるテレビなどの家電製品を製造販売しているSamsungは、コメントの依頼に応じなかった。

スマートスイッチとスマートセンサーのメーカーEcobeeだけは、「2018年末に」最初の透明性レポートを公表する計画があると話してくれた。「2018年以前、Ecobeeは政府機関から、いかなるデータの提供の依頼または要請も受けたことがありません」と広報担当者は強調していた。

ともかく、家の中の家電製品が、自分たちのためではなく、政府を助けるためにあると考えるとゾッとする。

スマート家電はますます便利になるが、それが収集するデータがどれだけ広範囲に及ぶものか、さらに使っていないときもデータを集めているということを理解している人は少ない。スマートテレビにスパイ用のカメラが付いていなかったとしても、我々がいつどんな番組を見ているかは把握している。それを使って警察は、性犯罪者を有罪にできる可能性がある。殺人容疑者が家庭用警報装置のリモコンキーのボタンを押したというデータだけで、殺人罪が確定してしまうかも知れない。

2年前、元米国国家情報長官James Clapperはこう話していた。政府は、スマート家電を諜報機関が調査を行うための新しい拠り所として視野に入れていると。インターネットに接続された家電製品の普及が進めば、それは普通のことになってしまう。情報通信アドバイザリー企業Gartnerは、2020年までに200億台以上の製品がインターネットに接続されると予測している。

インターネットに接続された居間のカメラや温度調節器を通して、政府が我々の行動をスパイする可能性は低いだろうが、不可能だと考えるのはお人好し過ぎる。

スマート家電のメーカーは、それをユーザーに知らせようとはしていない。少なくとも、大半のメーカーは。

‘Five Eyes’ governments call on tech giants to build encryption backdoors — or else


アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのいわゆる「ファイブアイ」国家同盟は、大手技術系企業に対して、ユーザーの暗号化されたデータの解読を可能にする「バックドア」を作るよう秘密裏に要請していた(本文は英語)

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(翻訳:金井哲夫)

Fordは今年の後半から、車にAlexaの搭載を計画

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多くの自動車メーカーが自社の車用にAlexaのスキルを搭載しているが、傾向としては車のオーナーがEchoデバイスを介して家の中から車を始動できるといったものである。FordとAmazonは、これとは逆方向にAlexaを統合しようとしている。FordのSYNC 3インフォテイメントシステムに組み込まれたAlexaを使い、車から家の制御を音声で行うのだ。

フォードのプレスリリースによると、Alexaの統合は「これまでの車両の中で最も包括的なもの」ということだ。 Alexa経由で利用できるスキルは、ドライバーにオーディオブックや音楽を再生させたり、家ではできないようなこと、例えば特定の目的地を指定してその経由地を車載のナビゲーションシステムに転送したりすることなどだ。

FordとAmazonは、消費者のためのインターフェースモードとしての声に高い価値を置いている。何より車内では音声ベースのインタラクションの方が、気晴らしにもなり運転に集中しやすくなる可能性が高いのだ。

Fordによれば、この車載のAlexaはこの夏頃からユーザーの手元に届くようになる。簡単に買い物リストにアイテムを追加したり、天気を調べたりするといった、ユーザーが慣れ親しんだAlexaの便利な機能を提供する。Amazonは、Alexa側の経験をコントロールし、車載用途としてさらに最適なサービスバージョンを構築するための注意を払いながら、統合に向けてのプログラミングを行っている。

Fordは、昨年のCESでプルーフオブコンセプトとして、Alexaの統合を実際にデモしていたが、今年後半に予定されている実展開に先立ち、現在Fordの従業員たちによるベータテストを進めている。私はAlexaの大ファンだ。そして私はずっと車の中で使えれば完璧なのにと思って来た。私が直接見たところでは、Fordの技術デモはうまく働き、通常の車載音声ナビシステムよりも、遥かに容易に利用可能な経路を尋ねて得ることができるようだ。

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Alexaが、家庭でのパフォーマンスを発揮することができるのか、それ以上に改善できるのかは、Echoベースのバージョンと比べて、ローンチに際しどのような種類の機能セットが用意されるのかによって大きく異なる。もしその機能のほとんどがそのまま使えるのなら、とても素晴らしいことだ – 車を車庫に入れながら、これから始まる楽しいNetflix(ストリーミングビデオ)のどんちゃんさわぎのためのホームシアターの準備を、Harmony(Alexaと一緒に動作する家電ハブ)を通して行うことができるようになりたいものだ。

またAlexaは家庭のEchoデバイスを通してFordの車両を制御するようにもなる。最初はFord Focus Electric、Fusion Energy、C-MAX Energiからだが、こちらの方はもっと早く提供される予定だ、今月の後半には、車のエンジンの起動と停止、ドアの施錠などを声を使って家の中から快適に行うことができるようになる。

Fordは私に、両社のパートナーシップ並びに、音声ベースのインタラクションの拡張と車内の仮想アシスタントの観点から見て、これは「ほんの入口に過ぎません」と語ってくれた。

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(翻訳:sako)

Apple版スマートホームを見学してみた


ディズニーのSmart Houseを1999年に観て以来、自分で掃除をする家や、朝食、昼食、夕食を作ってくれる家をずっと夢に見て来た。まだそこには辿り着いていないものの、AppleのHomeKitとHomeアプリは、その夢に私(たち?)を少しだけ近づけてくれる。

Appleは、スマートホームを採用する世帯の拡大に努力しているAmazonやGoogleに対して、競争を挑んでいる。AmazonやGoogleとは異なり、Appleは独自のデバイスを製造していない – ハブとして機能するApple TVを除いて。その代わりに、Appleは主にサードパーティーの製造業者がHomeKitシステム互換デバイスを供給してくれることを期待している、そしてそれらのデバイスをHomeアプリを介してiOSと深く統合し、一体化させるのだ。

先週、私はカリフォルニア州アラメダの住宅建設会社Lennarによって建てられた究極のApple HomeKit仕様の家を見学する機会に恵まれた。その家の中では100以上のHomeKitデバイスが接続されていた。例えばLutron Serenaのスマートシェード、Honeywell Lyric RoundのWi-Fiサーモスタット、そしてSchlage Senseのドアロックなどだ。

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AppleのHomeアプリは、家庭内の全てのスマートなインターネット接続機器を、1つのアプリから簡単にコントロールすることを目指している。いくつかのHomeKitデバイスをグループにまとめ、新しいシーンを作成し編集することができる。そうすることで、1つのコマンドで複数のデバイスを動作させることができるようになる – 画面タップまたはSiriのいずれかを介して。

上に示したように、自分好みの「シーン」にすることができたり、あるいは最も頻繁に利用するモードにすることができたりする。シーンとは、夕食時にどのような照明の設定にしたいのか、といったものから、家に帰ってきたときにどのプロダクトのスイッチを入れたいのかといったものまでが含まれている。例えば、「ただいま」シーンでは、ドアが解錠され、ライトが灯り、サーモスタットが動作する。

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Apple TVはHomeKitのハブとして働き、家への遠隔アクセスを行わせ、例えば車庫のドアを閉めたり、ドアカメラに映るものを見せたりする。完全なプライバシーとセキュリティを確保するために、AppleはすべてのHomeKit認定デバイスに、高度な暗号とセットアップのためのデバイスへの物理的なアクセスを要求する。

とはいえHomeを使った私の体験は極めて簡単なものだった – 私が到着する前に、Appleは既ににデバイスやシーンのすべてを設定していたのだ。万一私が全てを自分で行うとしたら、100個以上のデバイスを設定することはない、だって私の家は2階建てじゃないので。自分で借りているわけじゃない3ベッドルームのアパートに住んでいるので、正確に言えばその空間に対してやってみたいことは何もできないのだけれど。とはいえ、少しくらいのことならやることができる。

Appleは私に、私がスマートホームスターターキットと呼ぶようになったものを紹介してくれた。それがsmart plugだ、これを使えばHomeアプリからランプ、ヒーター、ファンその他のデバイスをコントロールすることができる。より正確に言えば、このiHome smart plugは、他にNest、Amazon Alexa、そしてSmart Thingsとも互換性がある。Apple版スマートホームに住むことが、どのような感じになるのかを垣間見るには、このページの一番上のビデオをちらりと観て欲しい。

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(翻訳:Sako)

無線を使ってあなたの感情を検知するMITのデバイス

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写真による手がかりは、MicrosoftのエモーションAPIのようなシステムが高い精度で人間の感情を検出するのに役立っているが、MITのコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAL)の新しい研究プロジェクトは、無線信号だけを使用して、より精度の高い感情の解釈を行うことができる。CSAILの研究者は、EQ-Radioという名前のデバイスを作成した。このデバイスは興奮、悲しみ、怒り、喜びをいった感情をこれまでのところ87%の精度で検出することができている。

呼吸パターンと心臓のリズムを含む微妙な手がかりを被験者から検出しているとしても、身体に装着したセンサーが全く不要であるという点で、この研究は重要なものである。ユーザーが何かを着用することを要求せず、カメラベースの顔面認識ソフトウェアが陥る精度の落とし穴を回避していることで、開発者たちはこのテクノロジーが、製品に感情インテリジェンスを組み込む方法を探している企業にとって理想的なものになると考えている。

EQ-Radioの開発を主導しているMIT教授Dina Katabiは、エンターテイメントや消費者向け広告、そしてヘルスケア業種全体でこの技術が様々に応用できることを予想している。例えば、広告や番組に対する視聴者のより正確な反応を見るためにスマートTVで利用したり、スマートハブに組み込んで接続された家の中のステレオや照明を制御し、あなたの感情をなだめたり盛り上げたりといった動作を行わせることもできる。

ヘルスケアへの応用は、ほぼ無限のように思える;研究チームはまた、抑うつや不安といった強い感情的成分を伴う状態をモニターしたり診断する助けになることも考えている。しかし、また容易に想像できるように、他の人の感情状態を見抜くことが難しい状況に適用することによって、日々の暮らしの中でどのように振る舞えばよいかに対する良い手がかりを与えてもくれる。

人の個々の感情の状態を推測しようするする前に、システムは個人の感情に対する訓練を行う、そして5つのセッションの中で、被験者が音楽やビデオによって感情を引き起こされた場所を認識アルゴリズムの設定の手がかりとして与えている。

Katabi教授のスピンオフ企業であるEmeraldでは、高齢者の転倒を検知し予測するデバイスを提供しているが、将来はこの感情検知ソフトウェアを利用することになると、教授は語った。しかし、家電の世界での可能性の方が遥かに大きいものになるだろう ‐ あなたがどう感じているかが分かり、コンテンツや、コミュニケーション、あるいはアプリをそれに沿って提案してくれるスマートフォンのことを想像してみて欲しい。スマートデバイスは既に現実だが、未来には共感マシンが待ち構えているかもしれない。

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(翻訳:Sako)

Windows 10、ついに冷蔵庫のドアになって登場

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何千、いや、何百万という「Windows 10にアップグレードせずに粘っている」皆さま、長らくお待たせしました!アップグレードするかどうかはWindows 10搭載の冷蔵庫を見てから決める、とのことでしたので、本日はIFAショーの会場から、かなりイケてるニュースをお届けします。こちらはまだはっきりとした発売日も決まっていないただの試作品ではありますが、ひとまずご覧あれ。LG製の高級感ただよう冷蔵庫のドアに、フル機能のWindows 10タブレットがあしらわれています。

しかもこのタブレット、巨大です。サイズは27インチ、Intel Atomプロセッサー搭載(タブレット上部に内蔵)、デモの際には性能もかなり良さそうな感触でした。驚くほどほどレスポンシブで反応が良く、「スマート」と銘打って似た感じのディスプレイを搭載した他の家電よりもはるかに優れものです。

この冷蔵庫の最も「クール」なところは(←冷蔵庫だけあって、なかなかよく冷えたダジャレでしょう?)大きなタッチスクリーン画面が半透明になって、庫内の様子を見通せる点にあります。つまり、スクリーンの表面には向こう側に透けて見えている食品の賞味期限などをバーチャルにタグしておけるという訳です。腐りやすい食べ物の管理などに便利ですね。もちろんデモ機の庫内には4つくらいしか物は入っていませんでしたが、前述のとおりスクリーンは27インチあるとはいえ、実世界では庫内もスクリーンもすぐにぎゅう詰めになることでしょう。

もちろんその他にも、レシピの検索・表示やYouTube動画の再生など、スマートな冷蔵庫ドアにできそうな標準機能にも、Samsung のTizen式にすべて対応しています。(ちなみにこの日のデモではニュース映像が流れていて、プーチン大統領の額が大写しになっていたのが印象的でした。)

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(翻訳: Ayako Teranishi / website