The Gravity Machine(グラビティ・マシン)という名のその機械は、生物工学者であるManu Prakash(マヌ・プラカシュ)教授の下で、スタンフォード大学の研究者たちが生み出したものだ。教授と一部の学生たちは、マダガスカルへの調査旅行中に、生物が上下に動くのを追跡できる顕微鏡が取り付けられた、少し不格好な1mほどの長さのチューブを作った。しかし、こうした微生物は、太陽や水中の栄養素を追いかけるために、1日数百m移動することがある。
成功は苦難の末に勝ち取ったものだ。ブーレ氏はヒューストンのJ-Labs(ジェイラボ)でほぼ3日間徹夜し、ポリマーの合成とスリーブステントの印刷に取り組んだ。J-LabsはJohnson and Johnson(ジョンソンエンドジョンソン)傘下の医療技術およびイノベーションアクセラレーターの会社だ。J-Labsは末期腎疾患患者が受ける、危険で失敗しがちな手術に代わるものを作ろうとしていた。
持続可能なバイオ製品は、それが植物ベースや遺伝子組み換え、あるいは細胞培養方式であっても、2020年は良い年になった。2020年7月だけでも、動物農業(畜産と酪農)やその副産物に代わる持続可能な製品を開発している企業3社が、合計3億3500万ドル(約355億5000万円)の資金調達ラウンドを完了した。その3社とはこのGeltor、The Not Company(未訳記事)そしてPerfect Dayだ。
Shiok Meatsは、幹細胞の研究者Dr. Sandhya Sriram(CEO。写真右)とDr. Ka Yi Ling(CTO。写真左)が共同設立した、シンガポールおよび東南アジアで初の細胞農業企業。同社は、動物ではなく細胞から食肉を製造することで、クリーンで上質で健康的な魚介類や食肉を提供することをミッションとしており、エビ・カニ・ロブスターなど甲殻類の細胞培養肉に取り組んでいる。
DNA分析サイトで、かつて警察がGolden State Killer(ゴールデンステート・キラー)(未訳記事)を捕まえるのに使用したことで知られるGEDmatch(ジェドマッチ)は、米国時間7月19、一時的にオフラインになった。ユーザーのDNAプロファイルデータを警察がどのように利用しているかを親会社が調査するためだった。
There's been a major privacy breach at GEDmatch . It appears that all kits, regardless of user preferences, have been opted in to law enforcement matching. I've messaged Verogen on Facebook to alert them to the problem. The site now seems to be down completely. #geneticgenealogypic.twitter.com/RZhEXEVa7s
ロサンゼルスに拠点を置くバイオサイエンスのスタートアップであるKernelがGeneral Catalyst、Khosla Ventures、Eldridge、Manta Ray Ventures、Tiny Blue Dotらの投資家たちから5300万ドル(約56億7000万円)を調達した。これはKernelにとって初めての外部資金となるが、それでもシリーズCなのは創業者でCEOのBryan Johnson(ブライアン・ジョンソン)氏がこれまで5400万ドル(約57億7000万円)の資金をKernelに投資してきたためだ。ジョンソン氏は最新のラウンドに外部投資家たちとともに参加した。
Kernelの目標はその技術を広く普及することであり、「サービスとしての神経科学(Neuroscience as a Service、NaaS)」を提供している。それにより有料クライアントがリモートからでも脳のイメージングデバイスにアクセスできるようになる。2020年初めにKernelは、このプラットフォームを一般的な顧客にも提供することを発表している。
ハーバード大学のバイオメディカル・エンジニアリングのDavid A. Edwards(デビッド・A・エドワーズ)教授が開発し、今秋に市販が予定されているデバイスは、呼気中に存在するウイルスをほぼ100%除去できるという。つまり新型コロナウイルスを他人に感染させるリスクとともに、感染させられるリスクをも大幅に減らせることになる。第一線で患者のケアにあたる医療関係者にとって、フェイスシールドのようなPPE(個人用防護具)ともに用いることで大きな助けになるはずだ。