MessageBirdからカスタマーサービス市場を一変させるInbox.aiが登場

アムステルダムに本社を置くクラウド型のコミュニケーション・プラットフォームを運営するMessageBird(メッセージバード)は米国時間3月10日、またしても新製品を発表した。今度は、3500億ドル(約37兆円)規模のカスタマーサービス市場に狙いを定めている。なお同社は、米国のAccel(アクセル)、欧州のAtomico(アトミコ)の支援を受けている

Inbox.ai(インボックス・エーアイ)と名付けられた新製品は、Slackの社外コミュニケーション版ともいえるプロダクトだ。大半の機能が無料で使え、顧客が選んだほぼすべてのメッセージアプリで企業と連絡が取り合える。対応するアプリは、WhatsApp、SMS、Voice、Messenger、Instagram、WeChat、Apple Business Chat、RCS、Line、Telegramとなっている。顧客が普段から「最初に使う」デジタルメッセージで対応できるというのがウリだ。メッセージの内容については、ローンチの時点ですでに、テキスト、画像、動画、位置情報など数多くのコンテンツに対応している。

そして恐らく最も重要と思われるのが、顧客が使ったメッセージアプリとは関係なく、受信したメッセージと客との会話がひとつのスレッドに表示されるため、チケット管理やカスタマーサポート担当者たちとの連携が簡単にできる点だ。インテリジェントな機能も搭載されている。AIがキーワードを分析し、客のニーズの予測して適切な返答のリストを示すなどだ。サポート担当者は、言葉をドラッグ&ドロップして自動応答用のメッセージを組み立てられるほか、顧客満足度調査やメッセージのルーティングルールを決めたりもできる。

もともと開発者を主なターゲットとしていた企業だけに、Inbox.aiはウェブフックを利用してさまざまなサードパーティー製ツールと統合できる。また、Shopify、Slack、Salesforce、Jiraなど数多くのアプリへの対応も最初から組み込まれている。これには、Inbox.aiで作られたコンテンツを、企業がさまざまな通信、セールス、その他の業務に使用しているソフトウェアと同期させる能力も含まれている。多少時間が掛かったとしても、Inbox.aiが万能のツールとなる企業もあるだろう。

MessageBirdの創設者でCEOのRobert Vis(ロバート・ビス)氏は、私とのビデオ通話でInbox.aiのデモを個人的に見せてくれた。その中で、新たに導入した企業の従業員だけでなく、客の側もいかに早く使い方を習得できるかがわかった。彼は私に、ある会社のサポート電話の番号をWhatsAppで送るよう指示した。すると即座にソフトウェアの画面に私のメッセージが表示されるのが見えた。私は自分の訴えを補う写真を送ることができ、その返答としてリッチメディアが送られてきた。

この新製品の推進力になったのは、ビス氏自身が募らせた一般企業の顧客サポートに対する「現在では、何時間も電話を保留にして待たされたり、電子メールの返事が来るのに24時間もかかるなんてことは、もはや受け入れられない」という不満だ。

彼は、その場でさっと計算してこう指摘した。35歳の時点で彼はすでに電話を保留したまま人生のうちの2週間を過ごしたことになるという。彼はまた、Inbox.aiでは、一貫性のないサポートの問題も解決したいと話していた。別のサポート担当者や他の部門に電話を回されたときに、もう一度同じ説明を繰り返さなければならないといった、よくある問題だ。

「MessageBirdの観点から、私たちはこうしたAPIを開発し、人々はすでにそうしたエクスペリエンスを構築できる手段を得ました。それなのに、こんな世界で暮らしている必要がありますか?」とビス氏は、つい最近携帯電話会社で経験した嫌な思いを振り返り大げさに訴えた。「メッセージを送れば問題が簡単に解決される世界に私は暮らしたい。電子メールで連絡してきて、その上でこちらから電話を掛けなければならないなんて、ごめんです」と続ける。

そうしたわけで、開発者にフックを提供して、インフラを構築するという重労働よりも、MessageBirdは、一般ユーザーに向き合う初めての製品に賭けることにしたのだ。取締役会の中には眉をひそめる者もいたと彼は話していた。

それを実現するために、MessageBirdの担当チームは12カ月でInbox.aiを完成させ、続けて、顧客、サポート担当者、管理者を対象に幅広い調査を実施した。ローンチまでには、このソフトウェアはテストを終えており、すでに欧州のHelloFreshとDeliveroo、アジアのZilingo、中南米のJoin BuggyとTix Telecom in Latin Americaで使われている。

「信頼できる唯一の情報源」を作ろうという試みは数多くあったにも関わらず、なぜ今まで誰もこの問題に取り組まなかったのかを尋ねると、ビス氏は「みんながその話をしていたが、誰もやらなかった」と答えた。その理由は、関連し合う3つの難しい問題を理解しなければならないからだ。

第一は、多種多様なあらゆるコミュニケーションチャンネルからデータを取り込まなければならないことだ。これは、MessageBirdの以前のソフトウェアが解決している。第二は「エクスペリエンス世代」。画像、動画、位置情報、トラッキングコード、割り引きといった充実した内容のエクスペリエンスを、サポート担当者が簡単に提供できるようにすることだ。ほとんどの企業は、これを可能にする開発資源を持ち合わせていないとビス氏は指摘する。そして第三がUIだ。サポート担当者がすべてのチャンネルにわたって境目なく、最初にどのチャンネルから送られてきたかを意識せずに、コミュニケーションをとり、チケット管理を行えるようにしなければならない。

「これは新しいカテゴリーだと思います。これは、物事が収斂する場所だと思います」とMessageBirdのCEOは話す。「たくさんのツールと競合しますが、私たちはそのどれでもありません。私たちは、5年後にすべてのツールがどうなっているかを考えた結果なのです」と語る。

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(翻訳:金井哲夫)

アプリ内チャット提供のSendBirdがアップデート、モデレーションや全文検索など新機能追加

アプリにチャット機能を提供しているSendBirdがウェブ版、モバイル版の双方でメジャーアップデートを発表した。これには新しいAPIやサービスの新機能が多数含まれる。ユーザーがニーズに合わせてカスタム管理ツールを構築するのが簡単になった。またチャットに対するリアクションや配送確認などを追加する機能も改善された。

SendBirdは韓国のソウルで設立されたスタートアップで、現在世界で9000万人のアクティブユーザーにサービスを提供し、月間約15億のメッセージを処理しているという。SendBird CEOであるJohn Kim(ジョン・キム)氏は、インタビューに対して「我々のサービスはオンデマンドアプリに強く、この分野のユーザーにはGojek、iFood、Delivery Heroなどがある。またCarousell、Paytm、Traveoka、SSGなどのマーケットプレイス、Reddit、Dream 11、(US)Yahoo Fantasy Sportsなどのコミュニティサイト上のビジネスにも適している」と述べた。(情報開示:US Yahooの親会社はTechCrunchと同じくVerizon Media Group)。

またキム氏は「最近は、ヘルスケア分野での医療サービスの提供者と対象者間のチャットや福利厚生ビジネスでのチャットで大きく成長している。ユーザーはデジタルファーストのサービスに多く、Accolde、Livongo、Grand Roundsなどが利用している。 ゲーム、デート、ライブストリーミングの分野にも顧客が多い」と述べた。

今日のアップデートでは、特にサービスのモデレート機能の強化に力を入れているという。画像のモデレートでは不適切な画像を削除できる。また特定の単語を指定してそれらを含むメッセージが出ないようカスタマイズできるRegExフィルターも提供される。新しいGDPR(一般データ保護規則)に準拠したAPIやモデレーションAPIが提供されるため、ユーザーは自社でカスタマイズした機能を組み込んでアプリのオプションを拡張できる。

また何らかの理由でサービスが中断されたときにメッセージをローカルにキャッシュするオフライン同期機能、メッセージの機械翻訳を強化するオンデマンド翻訳機能、プッシュ通知を翻訳する機能も追加された。

機械翻訳への注力には理由がある。SendBirdのユーザーベースはグローバルであり、以前からアジア太平洋地域では強みがあった。しかしキム氏によれば(機械翻訳機能の強化は)ユーザーベースがアジア太平洋地域に加えて、アメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカにも急速に拡大していることに対処するものだという。

もっともユーザーにとっての最も大きな変化は、ユーザーがメッセージにリアクションを追加できるようになったことだろう。これによりSendBirdのサービスはスマートフォンを利用する他のメッセージアプリの機能に追いついた。また配送確認と全文検索機能も追加されている。

インタビューで「なぜアプリ内チャット市場が離陸しつつあると考えたのか?」と質問すると、キム氏は次のように答えた。

「結局、電話やファックスもチャット、メッセージのテクノロジーだった。インターネットで最初に人気を得た使い方もチャットルーム、IRC、ICQなどだった。デスクトップ時代にチャットはモデムへのアクセスが必要だったため、利用は固定回線がある場所に制限されていた。しかしモバイル時代になり3G/4GネットワークとWi-Fiへのアクセスが手軽になると、チャットが民主的なメッセージングサービスとしてグローバルに普及した。スマートフォンが(中国やインドなど)人口の多い国に普及し、こうした地域ではデスクトップのテクノロジーを飛び越してモバイルチャットの時代となった」

キム氏は、チャットの分野はネットワーク効果で市場がごく少数(WhatsApp、WeChat、Facebook Messengerなど)のサービスに集中し、すべてがよく似たものになってきたと考えている。つまりユーザーは、メジャープレイヤーのチャットと同様の機能を備えているサービスでなければ日常利用しようとしない。

「モバイルアプリの提供者はこうしたトレンドに追いつき、チャットという新しい標準的機能をアプリに追加する必要がある。しかしほとんどのアプリ提供者にはこれを実現して競争に役立てる能力やノウハウがない。そこでチャットAPIにニーズが強く集まることになる」とキム氏は述べた。

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滑川海彦@Facebook

YouTubeのメッセージ機能終了に多くの子供が激怒

みんなYouTubeのビデオをシェアするのが大好きだ。2017年にYouTubeがアプリ内メッセージング機能を提供したのはそのためだ。YouTubeユーザーは、YouTubeモバイルアプリの専用タブの中で友達にビデオを送ったりチャットしたりできる。その機能を閉鎖すると同社Googleは発表した。9月18日以降、YouTube内で友だちにダイレクトメッセージを送る機能自体が消滅する。

この変更を最初に見つけたのは9to5Googleで、同サイトによるとYouTubeのメッセージ機能は昨年5月にウェブで最初に公開された。

YouTubeは、中止に関する発表の中で、この決定に関する詳しい事情を公表していない。

最近同社は公開対話機能に注力していると言っており、コメント、投稿、ストーリーなどを更新しており、なぜメッセージを重視しなくなったのかについては説明していない。

ありそうな理由は、もちろん機能が活用されていないからだ。多くの人々はMessengerであれ、WhatsApp、WeChat、iMessageなどであれ、それぞれお気に入りのメッセージングアプリに強く依存している。

一方Googleは、メッセージングのアプリや機能を作るのをやめる様子がない。YouTubeのメッセージ機能が公開された時点で、GoogleはAllo(終了)、Duo、Hangouts、Meet、Google Voice、Android Messages/RCSなどにも手を出していて、Gmail中のGChat(Google Talk)のユーザーをHangouts Chatに移行させるのに必死だった。

しかし、Googleの機能廃止の投稿に対する500件近い怒りのコメントを見る限り、YouTube Messagesは多くの若いユーザーに好まれていたようだ。

若い、というのは子供、という意味だ。

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コメントの多くは、YouTubeが友達とメッセージできる「唯一の場所」だと言って不満を訴えている。子供たちは携帯電話を持っていなかったり、他人に電話番号を教えてはいけないと言われたりしているからだ。

「ママと話す」ために使っていたり、ソーシャルメディアを使うことが許されていなかったから、と言っているユーザーもいた。

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どうやら、多くの子供たちはYouTubeのメッセージ機能を、親にブロックされた携帯電話の代わりに使ったり、タブレットやウェブ経由で(おそらく親に内緒で)連絡を取るために使っていたようだ。

それは今のYouTubeにとって都合が良い話ではない。現在同サービスを巡っては、子供向けの不適切なビデオ児童労働搾取、幼児虐待、規制などさまざまな問題が持ち上がっているからだ。

今年2月にYouTubeは、子供たちを幼児虐待の危機にさらしたことで非難の的になった。YouTubeのコメント機能を利用して児童虐待集団が連絡をとっていることが発覚した後、Googleは未成年が登場するビデオのコメント欄を閉鎖するはめになった。

現在FTCも、YouTubeが米国児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反しているという指摘を受けて捜査している。児童擁護団体や消費者団体はYouTubeに対して、13歳未満の子供たちをプラットフォームに誘惑し、親の許可を得ることなくデータを収集したり広告のターゲットにしていると批判している。

YouTubeメッセージを使ってチャンネルを宣伝したり、家族や友達とビデオをシェアする人もいるだろうが、主流ではなかったのは明らかだ。そうでなければ、YouTubeがやめるはずがない。

同機能にはスパム問題もあり(Google+と同様)、見知らぬ他人からの不快なリクエストが来ることがあった。

YouTubeによると、ユーザーは今でも「シェア」機能を使ってビデオを共有することは可能で、そこから他のソーシャルネットワークと繋がることができる。

Googleはフォーラム投稿に書いたこと以上のコメントはしていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、iOS 11.4をリリース――iCoudでメッセージをサポート、AirPlay 2をローンチ

今日(米国時間5/29)の午後、AppleはiOSの最新バージョン、11.4を正式にリリースした。 iPhoneおよびiPadをiOS 11.4に更新できる。新しいOSには多数のアップデートが含まれるが、特に注目されるのはiCoudでメッセージがサポートされたこと、 AirPlay 2のローンチと2台のHomePodスピーカーを連携させステレオ再生することが可能になった点だろう。

iCloudでメッセージを同期する機能については1年前のWWDC 2017カンファレンスで予告されていた。AppleはiPhone、iPad、Apple Watch、MacなどすべてのAppleデバイスですべての会話をつねに最新の状態に保つことを目指すとしている。今回の新機能はすべてのメッセージがiCoundに保存され、アクセスできることを意味する。iCoundを設定すれば新しいAppleデバイスからも過去の会話にアクセスすることが可能jだ。またひとつのデバイスでメッセージを削除すると他のすべてのデバイスでも削除される。

iCloudがメッセージをサポートしたことは、すべてのデバイスからすべての過去のメッセージにアクセスできるようになっただけでなく、空き容量の少ないデバイスを使っているユーザーに特に有用だ。

メッセージを多用し、かつすべての会話をデバイスに保存している場合、ファイルのサイズは巨大になりがちだ。メッセージに写真やビデオを添付して共有している場合、何ギガバイトものスペースを占めることがある。新しくリリースされたMessages in iCloud機能を利用すれば、サイズの大きい添付ファイルも含めて、すべてがiCloudに保管され、ローカルデバイスの記憶スペースを大幅に節約できる。その分、アプリや音楽に加えてビデオ、ポッドキャスト、電子書籍などダウンロードできる。

メッセージはセキュリティーの確保のため、エンド・ツー・エンドでは暗号化されている。暗号化キーは個別デバイスのユニーク情報とデバイスの所有者だけが知っているパスコードから生成される。正当な所有者以外はメッセージにアクセスしたりデータを読んだりできない。

iCloudでのメッセージのサポートは昨年夏にiOS 11のベータ版で一時サポートされたが、iOS 11が一般公開される前に外された。その後iOS 11.3のベータ版に再び現れたもの、このときも一般向けバージョンでは公開されなかった。

メッセージのiCloudサポートは今日のiOS 11.4でとうとう正式な機能として実現した。

またiOS 11.4ではAirPlay 2のローンチとHomePodでのステレオ再生のサポートなどメディアとエンターテイメント機能の強化も目立つ。

AirPlay 2では複数の異なるデバイスに異なる音楽やポッドキャストを配信できるようになった。どの部屋にいてもすべての部屋のAirplay対応スピーカーを鳴らすことができる。つまりどの部屋にいてもiOSデバイス、HomePod、 Apple TVで音楽やSiriの答えを聞くことができる。 たとえば、「ヘイSiri、キッチンでジャズを再生して」 と命じておいて別の部屋では別の音楽を再生するといったことが可能だ。

また個別または一斉に再生を開始したりストップしたり、音量を調整したりできるようになった(「ヘイ、Siri、全部のボリュームをアップして」など)

Bang & Olufsen、Bluesound、Bose、Bowers & Wilkins、Denon、Libratone、Marantz、Marshall、Naim、Pioneer、Sonosなど多数のオーディオ・メーカーがAirPlay 2のサポートを発表している。

またHomePodをペアで使用してステレオ再生させることできるようになった。それぞれのHomePodが右チャンネル、左チャンネルを受け持つことになる。HomePodは最適なステレオ再生を実現するため、部屋における位置を含めて他のデバイスの存在を検知し、自動的にバランス調整を行う。

AppleではSonosやBosemなどハイエンドのオーディオ・システムに対抗するためにスピーカーの音質の改良に力を入れてきた。HomePodのステレオ再生サポートもこの線に沿ったものだろう。アシスタントとしてSiriよりAmazon Alexaを好むユーザーはSonos Oneを利用するためHomePodの販売にネガティブな影響を与えていた。

HomePodは現在アメリカ、イギリス、オーストラリア市場向けに販売されているが、6月18日にはカナダ、フランス、ドイツが加わる。

iOS 11.4にはHomePodのカレンダーのサポートも来た。いつものとおり、セキュリティーのアップデート、バグフィックス、パフォーマンスの改良も含まれている。ただしカレンダーのサポートはカナダ、フランス、ドイツでは今年の後半になるもようだ。

iOSのアップデートは設定アプリから一般を開きソフトウェアアップデートから実行する。HomePodのアップデートは自動で行われるが、iOSを最新の状態にアップデートした上で、Homeホームアプリからアップデートすることも可能だ。

〔日本版〕日本版デバイスでもiOS 11.4は公開ずみ。設定アプリからアップデートできる。HomePodの日本発売に関して日本のAppleサイトには公式情報は見当たらない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

LINE対抗のチャットアプリ「+メッセージ」、3キャリアが5月9日配信

eng-logo-2015NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの3キャリアは4月10日、共同で記者会見を開催。3キャリア共通のメッセージングサービス「+メッセージ」を発表しました。

5月9日にAndroid版を提供予定、iOS版は「準備ができ次第提供」としています。

電話番号だけで画像や動画・スタンプも送受信

「+メッセージ」は、電話番号だけで画像・動画・スタンプ等をやりとりできるサービス。

携帯3キャリア間のユーザーであれば、文字数を気にすることなく、携帯電話番号宛にチャット形式でメッセージや写真、動画を送受信可能。LINEのような専用スタンプやグループチャット、音声メッセージ、位置情報、添付ファイルの送受信(最大100MB)などの機能も備えます。

従来のSMSの場合、やりとりできるのは全角70文字のテキストと絵文字に限られていました。「+メッセージ」はSMSの大幅拡張版という位置づけで、GSMAで世界的に標準化されているRCS(Rich Communication Services)にも準拠しています。利用料金はパケット通信料のみ。

既読機能はON/OFFが可能。連絡先の横に「+」アイコンがないユーザーとは従来のSMSでのやりとりとなる。

LINEに比べた優位性「IDを使うサービスより安全」

LINEへの対抗意図についてNTTドコモの藤間氏は『対抗というよりは、SMSの正当進化』と、表面上は否定しつつも、他社のメッセージアプリと比べた優位性について次のように語ります。

「(+メッセージは)現在のSMSと同様に、IDやパスワードの登録不要で電話番号だけで簡単にやりとりできます。電話番号はIDのように簡単に登録して得られるものではありません。本人確認をし、契約することで初めて交付されます。したがって、なりすましのリスクが低く、安心してメッセージをやりとりできます。連絡先のデータ、これをサーバーに保存することもありません」(藤間氏)

「連絡先をサーバーにアップロードしない」などの安心感を訴求するNTTドコモ スマートライフ推進部 コミュニケーションサービス担当部長の藤間良樹氏

格安SIMへの対応も検討、法人展開も

5月9日のサービス開始時点で「+メッセージ」を利用できるのはドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアのみ。各社夏モデル以降のAndroidスマートフォンに同アプリをプリインストールするほか、Google Play、およびApp Storeにて同アプリを配信します。なお、相手方に「+メッセージ」アプリがインストールされていない場合、従来のSMSでの送受信となります。

なお、格安SIM(MVNO)やサブブランド(UQmobileやワイモバイル)には非対応。格安SIMを排除する意図はなく、業者からの要望を聞きながら、オープンに対応を検討するとしています。

将来的には、「企業からユーザーにお知らせや各種手続きなどを案内する」といった、企業対個人のやりとりにも対応する総合的なコミュニケーションプラットフォームに拡張予定としています。

Engadget 日本版からの転載。

Facebook Messengerでチャットしながらビデオを送れる

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FacebookにまたひとつSnapchatそっくりの機能が登場した。

Messengerはもちろん以前からビデオ通話をサポートしている。ただしFacebookも認めるとおり、ユーザーは何か特別の場合以外、ビデオ通話をあまり使っていない。そこでFacebookはMessengerのビデオにあらたなオプションを付け加えた。Messengerアプリのテキスト・チャットのタブ内からビデオ共有ができる機能だ。

新機能についてFacebookはこう説明している(デフォールトで音声がオフなのはSnapchatのユーザーにはお馴染み)。

あなたが友達にリアルタイムビデオを見せたい場合、使い方は次のとおり。iOS、Androidいずれの場合でもあなたたと友達、双方のMessengerが最新版だと確かめる。双方がMessengerのチャットの画面を開く。画面上部右側のビデオ・アイコンタップすると友達とリアルタイムのビデオの共有が開始される。音声はデフォールトではオフになっている。これは友達にある情景を見せたいだけで、音声は必要ない場合が多いためだ。しかし簡単に音声をオンにできる。ビデオはチャット画面の上部に表示される。ビデオを見ながら通常どおりテキストでチャットを続けることができる。友達はこのストリームを見ることができる。また必要に応じて友達からもビデオを送ってくることができる。

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この夏、Facebookはこれ以外にも多数の機能を追加している。

Snapchatそっくりと評されたInstagramのStory機能,や、 lティーンエージャーのみ対象のビデオ・アプリビジネス向けWhatsAppの準備FacebookのユーザーデータのWhatsAppでの利用などが記憶に新しい。またFacebook Liveのビデオ機能では複数地点のユーザーがビデオを公開する機能長時間連続ビデオ広告の挿入MSQRDの買収による自画撮りフィルターなどが新たにサポートされた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleがiMessageアプリをサードパーティ開発者に開放

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本日のWWDCのキーノートで、Appleは開発者に対して扉を大きく開けた。AppleはSiriをサードパーティ開発者に開放しただけでなく、さらに神聖な「メッセージ」まで開放するという。

iMessage Appsでユーザーは、メッセージアプリの右側からApp Drawer(アプリの引き出し)を開けて、会話しながら他の機能を使うことができる。

ミッキーのGif画像といった面白おかしいスタンプから、例えばSquare Payでメッセージから友達に送金したり、友人と一緒に食事の注文をDoorDashで発注したりといった高度な機能まで使うことができる。

iMessage Appsの追加がiOS 10のメッセージにおける最大の機能追加だ。しかし、それだけではない。

ユーザーはやりとりをしている画面で音楽や動画の再生が可能なリッチリンクを送り合うことができる。

メッセージには絵文字化機能もある。単語を入力していくとそれに関連する最適な絵文字が表示され、1タップで単語を絵文字に変換することができる。

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また、ユーザーはメッセージに吹き出しのアニメーションを加え、メッセージが届く時の印象を優しくしたり、「ポン!」と現れるような効果を加えたりすることもできる。「透明インク」を選択すると、テキストでも写真でもそのメッセージを隠すことができる。受信者が指でスワイプしてコンテンツを開くまで隠されたままだ(Confideに似ている)。

アニメーションはチャットの吹き出しだけでなく、全画面で表示する風船や紙吹雪といった効果もある。

それに加え、ユーザーはメッセージに対してSlack風の返信やDigital Touch (ローンチ当初からApple Watchに搭載しているお絵描き機能と同じ)で返答することができる。

AppleはQuickTypeのアップグレードも発表した。iOS 10のキーボードは、例えば友人がユーザーの連絡先情報を尋ねていることを認識し、その情報を送信するかどうかを先回りしてユーザーに提案する。ユーザーにどこにいるのかを聞いている友人がいた時も、それを認識して位置情報を送信するかをユーザーに提案する。

メッセージアプリのアップグレードにより、iOS 10以降の私たちの会話のあり方は大きく変わることになるかもしれない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website