慶應大病院が全国のApple Watchユーザーを対象とする睡眠中・安静時の脈拍に関する臨床研究開始

慶應義塾大学病院が全国のApple Watchユーザー対象とする臨床研究開始、App Storeでアプリ配信

慶應義塾大学病院は2月1日、全国を対象とするApple Watchヘルスケアビッグデータの構築と医学的な網羅的解析を目的に、Apple Watchを利用した臨床研究「Apple Watch Heart Study」の開始を発表した。研究責任者は副病院長陣崎雅弘氏、実務責任者は循環器内科特任講師木村雄弘氏。

同院独自の研究用iPhoneアプリケーション「Heart Study AW」は、App Store(日本)よりダウンロード可能。同臨床研究の対象者は以下の通り。また参加同意後、いつでも自身の意思で同意を撤回し、参加を取りやめられる。

  • 日本語を理解できる20歳以上の日本国民の者
  • iPhone(iOS 14.0以降)、Apple Watch(watchOS 7.0以降)の利用者
  • 上記を利用し、App Store(日本)から研究アプリケーション「Heart Study AW」をダウンロードできる者
  • 同研究の参加に同意できる者
  • Apple Watchを睡眠中7日間装着し質問票に回答できる者

慶應義塾大学病院は、今回の臨床研究について類を見ない試みとしており、今後家庭でのデジタルヘルスケアと適切な医療との連携に貢献することが期待されるという。なお、本臨床研究は慶應義塾大学病院が行うもので、Appleが共同研究などで関与するものではない。

同院は、日常生活で着用し、血中酸素ウェルネスや脈拍数などの生体情報を自動的に計測・記録できるApple Watchが、心電図アプリケーションで心電図も記録できるようになり、家庭で可能な予防医療の幅が広がりつつあると指摘。同種の機器が取得するデジタルヘルスケア情報を医療に橋渡しするには、これら情報を集約したヘルスケアビッグデータベースを構築・解析して実際の医療に応用できる情報を抽出することが必要とされるという。

そこで同臨床研究では、Apple Watchの心電図アプリケーションで測定する心電図や脈拍などの様々なヘルスケアデータと、同院独自の研究用iPhoneアプリケーション「Heart Study AW」(App Store)で収集する睡眠・飲酒・ストレスなどに関する調査データを解析することで、睡眠中・安静時の脈拍と生活習慣との関連について、分析を行う。

また、アプリケーション経由でなされる「脈がとぶ」「脈が速い」などの動悸の申告を元に、心電図やヘルスケアデータの変化を解析するという。

心電図は心臓に異常がある時に記録することが重要なものの、病院での限られた検査時間中に症状や異常が現れない場合、病気を検出することが困難という。同研究により、家庭でApple Watchのような機器を使用し的確に心臓の異常を記録できるタイミングはどのような場合であるのかが明らかになり、病気の早期発見につながることが期待されるとしている。

同院に通院する患者対象の研究と、全国のApple Watchユーザー対象の研究の2種類で構成

同研究は、対象者の異なるふたつの研究から構成。そのうちひとつは、「Apple Watch Heart Study慶應義塾版」を利用したもの。同院に通院する心房細動患者の協力のもと、臨床現場で使用している心電図検査(2週間。Holter心電図、携帯型心電図)と、Apple Watchおよび心電図アプリケーションから得られる脈拍データと心電図との比較を行う。

また、ヘルスケアデータを睡眠・飲酒・ストレスとの関係に関して人工知能で解析し、どのような時に不整脈になりやすいかを推定するアルゴリズムを構築する。

全国のApple Watchユーザーを対象とした「Apple Watch Heart Study」では、睡眠中および可能な範囲での日中安静時のApple Watch装着と、動悸などの症状の記録の協力(7日間)を依頼。

慶應義塾大学病院が全国のApple Watchユーザー対象とする臨床研究開始、App Storeでアプリ配信

Apple Watchで収集するデータを活用し、日本におけるヘルスケアビッグデータの構築と解析を行うとともに、慶應義塾版で開発するアルゴリズムを一般国民のデータに対して適用。生活スタイルや申告された症状のデータに焦点を置いた解析を行うことで、適切な精度となるよう評価・改修を行う。

収集したデータは、学会や論文での発表を予定。取りまとめられた情報を医学雑誌、データベース(UMIN-CTR)上などに公表する場合には、統計的な処理が行われ、個人の情報は一切公表しないとしている。

なお同研究は、慶應義塾大学病院が内閣府より受託している戦略的イノベーション創造プログラム「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」研究開発事業(研究責任者:病院長 北川雄光)として実施。Apple提供の臨床研究用フレームワークを利用したアプリ開発の技術的サポートをAppleから受けている。また、ジョンソン・エンド・ジョンソングループBiosense Webster, Inc.のInvestigator-Initiated Study Programからの資金提供および指定寄附の支援によって実施される。

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医療VR・デジタル治療VRのジョリーグッドが10億円を調達し累計調達額約22億円に

医療VR・デジタル治療VRのジョリーグッドが10億円を調達し累計調達額約22億円に

医療VRやデジタル治療VRを展開するジョリーグッドは1月21日、第三者割当増資(シリーズC)や資本性ローンなど合わせ計10億円の資金調達を行ったと発表した。引受先は、ジャフコ グループ(ジャフコSV6投資事業有限責任組合、ジャフコSV6-S投資事業有限責任組合)、アクシル・キャピタル・パートナーズ有限責任事業組合(アクシル・ライフサイエンス&ヘルスケアファンド1号投資事業有限責任組合)、いわぎん事業創造キャピタル(岩手新事業創造ファンド2号投資事業有限責任組合)。累計調達額は約22億円となった。

調達した資金により、VRサービスをさらに多くの医療従事者やコロナ禍で心が弱っている方々に届けるために、組織体制の拡充と事業スピードの加速を行なっていく。

同社は、手術を術者目線で360度体験できるVR臨床教育プラットフォーム「オペクラウドVR」をはじめ、発達障害向けソーシャルスキルトレーニングVR「emou」(エモウ)、精神疾患向けのデジタル治療VRなど、VRとAIテクノロジーを本当に必要としている医療・障害者・精神疾患治療向けに開発・提供。

ジョリーグッドは、高精度なVRソリューションと、VR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発するメディカルテクノロジーカンパニー。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、障害者支援、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスを様々な研究機関や企業とともに展開している。

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自社開発のウェアラブルセンサーによる体温の研究・解析を目指すHERBIOが1.2億円を調達

自社開発のウェアラブルセンサーによる体温の研究・解析を目指すHERBIOが1.2億円を調達

HERBIO(ハービオ)は1月20日、第三者割当増資による総額1.2億円の資金調達を発表した。引受先は、Beyond Next Ventures、Velocity LLP。また、あわせて2020年12月24日に第二種医療機器製造販売業許可を取得したことを明らかにした。研究支援アプリケーション「Carekara」(ケアカラ)もサービスを開始する。

HERBIOは直腸温(深部体温)と臍部周辺温度の相関性を確認し、開発中のウェアラブルセンサーで取得したデータを元に研究・解析を実施する研究開発型スタートアップ。

今回調達した資金を活用し、下記の領域にて積極的に投資を実施します。あわせて第二種医療機器製造販売業許可を取得したことにより、現在開発中のウェアラブルセンサーの量産化に向け、さらに顧客ニーズに応える機能改善などを進め、事業展開をより加速する。

  • 開発中のウェアラブルセンサーの量産化
  • 研究により注力するため研究者採用をはじめとした人員強化
  • 医療機関や企業と連携した共同研究の実施
  • 独自技術を活用した医療機器プログラムに対するサービス開発

また同医療機器製造販売業許可は、管理医療機器(クラスII)の日本国内での元売り業者として、薬機法の規制の下、医療機器の海外からの輸入、および日本国内での製造販売が可能となり、医療機器の適正な開発・設計・製造・販売といった機能を保有している。

  • 発効日: 令和2年12月24日
  • 製造販売業品目: 自社開発の医療機器
  • 許可番号: 13B2X10454

研究支援アプリケーション「Carekara」(ケアカラ)

製薬会社からのバーチャル治験や、アカデミックの研究現場での利用ニーズの急速な高まりの中、すでに両現場でスタートしていた研究目的でのHERBIO製ウェアラブルセンサーの活用と併せて使用する、研究支援アプリケーション「Carekara」(ケアカラ)のサービスを開始する。

HERBIO独自技術により、被験者や患者から取得が難しいとされていた体調データを、低侵襲かつ自宅で安全に記録できるようになっているという。

自社開発のウェアラブルセンサーによる体温の研究・解析を目指すHERBIOが1.2億円を調達

Carekaraは、現在開発中のウェアラブルセンサーにより取得されたデータや、日々の体調記録を入力し記録できるPHR(PersonalHealthRecord:個人健康記録)アプリ。

Carekaraは、ユーザーがより簡単に個人の健康情報を入力・記録できるシンプルな操作性とUIを実現し、どの世代の方でも導入しやすい仕様を採用。当初のサービス提供先は製薬会社や研究機関、企業など、BtoBでの取引からスタートし、将来的には一般ユーザーが日常生活の中で利用できるサービスを目指している(当初iOSアプリのみ対応予定)。

今後、コロナ禍で注目される遠隔診療の広がりのサポート、バーチャル治験の促進、体内時計の研究の発展、疾患の早期発見の研究など、同社の研究成果を社会課題と結びつけ、今までにない発見と課題の解決手法を確立し、世界中の誰もが安心して医療を受けることができ、医療と健康に隔たりのない状態の実現を目指す。

HERBIOは、2017年の創立以来「体温」を軸にした独自の技術開発と研究・解析に取り組む。「生きるに寄り添うテクノロジー」というミッションを掲げ、研究成果による社会課題の解決を目指し、世界中の子供からシニアまで健やかに生きることができる世界を実現するとしている。

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救急サービスを改善する次世代プラットフォーム開発のCarbyneが26億円調達

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックへの対処に関しては救急サービスが引き続き主力だ。米国時間1月14日、救急サービスの改善を支援するテクノロジーを開発する企業が、事業を拡大し続けるための資金調達ラウンドを発表した。

Carbyne(カーバイン)は救急サービスを対象としたクラウドベースのプラットフォームを開発するイスラエルのスタートアップだ。このプラットフォームは、電話をかけてきた人々に関するより完全な情報を特定し、より迅速に応答するための新しい遠隔医療サービスとなる。同社は2500万ドル(約26億円)を獲得した。

同社の計画は、開発中のテクノロジーおよび同社のサービス提供先となる市場や組織の観点から、サービスを次のレベルに引き上げることだ。このサービスはパンデミックの前からすでに力強い成長を遂げていた。

「Carbyneは昨年創業したわけではありません。私たちはすでにかなり長い間、クラウドサービス、ビデオ、ロケーションを911に売り込んでおり、パンデミック前に2億5000万人にサービスを提供していました」とCEOのAmir Elichai(アミール・エリチャイ)氏はインタビューで述べた。「しかし、緊急サービス向けのクラウドソリューションは、新型コロナで『あると便利』から『なければならない』ものになりました」。

同社は、公衆衛生プロバイダーや、CentralSquare、Global Medical Response(GMR)などのグループと提携しており、米国では市場の約90%をカバーすることが目標だという。

シリーズB1はHanaco VenturesとELSTED Capital Partnersがリードし、元CIA長官のDavid Petraeus(デービッド・ペトレイアス)氏、Founders Fund、FinTLV、その他の既存の投資家も参加した。

これがB1ラウンドであるという事実は、今後数カ月の間に同社に対しさらに多くの資金が提供されることを示している。いずれにせよ、2500万ドル(約26億円)は同社が調達を予定していた金額よりも多かった。

「2020年に1500万ドル(約16億円)を調達する計画でした。新型コロナが始まり、私は従業員の誰にも去ってほしくないと思いましたが、状況がどうなるかわかりませんでした。そのため、代わりに一律に給与を削減しました」とエリチャイ氏はいう。「しかしその後、第2四半期から収益が倍増し始め、第3四半期と第4四半期に160%増加しました。今回、資金を集めるのは簡単でした」。

資金調達は同社の非常に力強い成長、特に昨年の急成長の後に行われた。

Carbyneのサービスは現在約4億人をカバーしており、2020年3月から10日ごとに新しく導入されている。

CTOのAlex Dizengoff(アレックス・ディゼンゴフ)氏およびエンジニアリングリードのYony Yatsun(ヨニー・ヤツン)氏と会社を共同で創業したエリチャイ氏はインタビューで、過去9カ月間にCarbyneが救急医療サービス(EMS)チームに約1億5500万のロケーションポイントを提供したと述べた。新しい製品も増えている。EMSチームがリモートで支援を提供するサービスは、その間130万分相当のビデオを蓄積したと同氏は述べた。

TechCrunchの理解によると、この資金調達によりCarbyneの評価額は「1億ドル(約104億円)以上」になる。エリチャイ氏は具体的な数値を示すことを拒否した。参考までに、同社は直近2018年に資金調達したときに「約」1億ドルと評価された。それは1500万ドル(約16億円)のラウンドで、Founders Fundがイスラエルのスタートアップに投資したのはこれが初めてだった。

2020年の成長とビジネスに対する継続的な需要は、その「以上」が大きいことを示している。確かに前回のラウンド以来、世界全体そしてCarbyne自体もいくつかの重要な変化を遂げた。

2018年や当時私たちが経験したどんなドラマも、現在の危機のいくつかと比較すると、遠い昔の出来事で、ほぼ平穏だったように感じられるだろうか。特に、新型コロナのパンデミックはCarbyneと直接関係がある。

ウイルスに起因する病気である新型コロナ感染症は悪性でしぶとい病気であることがわかっており、最も悲惨で深刻な症状(呼吸不能や臓器不全)を抱える人々を襲うことがよくある。しかも、回復しつつあるかもしれないと彼らが思い始めたときにだ(もちろん、幸いなことにすべての人に当てはまるわけではないが、それでも無視できないほど頻繁に発生する)。

それが救急対応サービスに大きな負担をかけている。それは最初の呼び出しへの対応から、患者との最初の接触、そして最も深刻な患者を病院に運び込みケアするサービスにまで至る。多くの場合、こうしたサービスに従事する人々は、対応可能な能力の限界を超えて働いている。多くの都市の状況は悲惨だというほかない。

Carbyneのテクノロジーは、より多くのデータを提供することで人々の仕事を改善するだけでなく、電話をかけてきた人々にデータを送り返す手段にもなることで、独自性を発揮している。

同社はここ数年でサービスの提供方法に大きな変化を加えた。

たとえば2018年に同社の最後の資金調達ラウンドを取り上げたときは、EMS組織に直接サービスを提供していた。だが基本的にサービスが機能するには、ユーザーがアプリをインストールするか、ユーザーに別のアプリからそのテクノロジーを提供する必要があった。

エリチャイ氏は、Google(グーグル)などの企業が提供する位置情報サービスを統合し、ユーザーがアプリからプラットフォームに接続する必要をなくしたと述べた。

同様に、同社は自治体と協力して業務を効率化するサービスを提供するだけでなく、自治体の対応能力が限界を超えるのを緩和する方法についても、しっかりとリードしている。

その流れの中を受けたプロジェクトがニューオーリンズでの最近の取り組みだ。エリチャイ氏によると、そのプロジェクトで同社はニューオリンズ市が新型コロナの発生に対し真面目に取り組み、管理するのをサポートしたと述べた。詳細は次のとおりだ。

長期的には、米国やその他の国々では、911スタイルの救急対応における多くのレガシーサービスが何年にもわたって必要としてきた刷新をいよいよ行うべきだという強い議論がある。

具体的には、2021年1月月初めに議会で承認された1.5兆ドル(約156兆円)のインフラ法案が、次世代の911サービスの展開のために120億ドル(約1兆2500億円)の資金を割り当てた。

Carbyneは2023年までに約15億人にサービスを提供すると考えている。米国ではこのような動きがあり、新型コロナかどうかにかかわらず、これほどまでに普及していないのはなぜかという点に焦点を当てている。

「市民、緊急通報センター、ファーストレスポンダー、州および地方自治体の間で透明性のある緊急通信を行う機能が緊急対応システムに統合され、確実に命を救い、結果を改善するにつれて、非常に重要であることがわかるでしょう」と元CIA長官のペトレイアス氏は声明で述べた。「Carbyneが提供するものは、最も重要な瞬間のコミュニケーションを劇的に強化します」。

カテゴリー:ネットサービス
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画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

企業の医療保険と優れた外科診療所をつなぐCarrum Healthが約41.6億円の資金を調達

雇用者主が出資する保険プランと卓越した外科診療所をリンクするサービスを6年前に開始したCarrum Health(キャラム・ヘルス)は、事業を推進する追い風を利用して新たな資金調達ラウンドで4000万ドル(約41億6000万円)を調達した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行が米国の医療システムにおける亀裂を露呈する中、雇用主が従業員の保険加入にかかる多額の費用を管理するための方法の1つとして、自分たちで医療の管理を引き受けることが挙げられる。

雇用主の負担が増えるにつれ、必要な医療の一部を低コストで管理するサービスを提供するCarrumのような企業は、投資家にとってますます魅力的なターゲットになっている。

Carrum HealthがTiger Global Management(タイガー・グローバル・マネジメント)、GreatPoint Ventures(グレートポイント・ベンチャーズ)、 Cross CreeK(クロス・クリーク)などの投資家を惹き付けることができたのはそのためだ。

Carrum Healthによれば、この資金はより多くの顧客への営業とマーケティング、より多くのサービスの追加、および既存の技術スタックの改善に使われるという。

Carrumは機械学習を活用して、外科手術の成果と医療に関するデータを収集・分析し、米国全土から優れた外科診療所を特定する。

同社は、自家保険の雇用主に、外科診療所から直接サービスを一括価格で購入する機会を提供している。これによって手術費用の最大50%を節約することが可能になる。

Carrumを利用すれば、自己負担金、控除、共同保険はなくなる。代わりに顧客はCarrum Healthに料金を支払い、30日間の手術保証を受けることができる。これは手術が失敗した場合や合併症による治療に関連する費用を、医療提供者がカバーすることを意味する。

従業員はモバイルアプリを使って、手術前、手術中、手術後のバーチャルケアを受けることができる。

「長年にわたり、業界では患者の利益になるように医療を再設計することについて話し合ってきました。それを本当に実現する唯一の方法は、医療の根底にある経済性に取り組むことですが、これは本当に難しい課題です」と、Carrum Healthの創設者でCEOのSach Jain(サック・ジェイン)氏は声明で述べている。「雇用主は今や、従業員の患者が経済的な悩みを抱えることなく、より良い医療を受けられるようにするための近代的なテクノロジー主導のソリューションを利用できます。2021年に私たちは、さらなるサービスを提供して、その範囲と影響力を拡大していきます。より良い医療の未来を切り開くことができたことをとても光栄に思います」。

Carrum Healthによれば、同社の顧客にはQuest Diagnostics(クエスト・ダイアグノスティクス)やUS Foods(ユーエスフーズ)をはじめ、小売、製造、通信、保険などの非公表の組織も含まれるいう。

同社のプラットフォーム上には、Johns Hopkins HealthCare(ジョンズ・ホプキンス・ヘルスケア)、Mayo Clinic(メイヨー・クリニック)、Tenet Healthcare(テネット・ヘルスケア)などが「優れた外科診療所」として登録されている。

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タグ:Carrum Health資金調達医療

画像クレジット:Portra / Flickr

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アミノ酸トランスポーターLAT1を創薬標的に画期的医薬品開発を目指すジェイファーマが5億円を調達

アミノ酸トランスポーターLAT1を創薬標的に画期的医薬品開発を目指すジェイファーマが5億円を調達

ジェイファーマは1月7日、ラウンドDにおいて、第三者割当増資による総額5億円の資金調達を発表した。引受先はEight Roads Ventures、F-Prime Capital Partners。ラウンドDの累計調達額は総額22億4600万円となった。

今後は、現在治験実施中の低分子化合物「JPH203」の胆道がんでの国内の臨床開発を進める。同時に、Eight Roads VenturesおよびF-Prime Capital Partnersの有する海外、特に米国でのコネクションと専門知識を活用してJPH203のグローバル展開の基盤づくりを進めていく予定。

また、OKY-034の膵臓がんでの臨床開発、さらには、アミノ酸トランスポーターLAT1」(SLC7A5)阻害剤の自己免疫疾患への応用を進めるとともに、日本発の新規薬剤標的を厳格な臨床試験の中から立証し、医療への応用を積極的に推進していく。

JPH203は、ジェイファーマが独自に見出した新規の低分子化合物。細胞が増殖または活性化されエネルギーを緊急に必要とする際に、アミノ酸を取り込むために細胞表面に発現するLAT1を選択的に阻害する。LAT1を創薬標的とし臨床開発を進めている世界初の化合物であり、医薬品の承認を取得すれば、日本発のファースト イン クラス(FIC / First In Class。画期的医薬品)の新薬となるという。

また、固形がん患者対象の第1相試験において良好な忍容性を確認していることから、がんに対する治療効果が示唆するものとしている。現在、標準的化学療法に不応・不耐となった進行性の胆道がん患者を対象に第2相試験を実施中。この第2相試験では、患者の背景因子に基づき層別し試験を実施しており、コンパニオン診断薬の開発も同時に進めている。

OKY-034は、JPH203と同じ創薬標的LAT1に対してアロステリックに結合することでLAT1の働きを阻害する新規の低分子化合物。ジェイファーマは、OKY-034の物質特許を保有する大阪大学および神戸天然物化学より全世界での独占的な専用実施権を得ている。

現在OKY-034は、標準的化学療法に不応・不耐かつ外科的切除不能すい臓がん患者を対象に大阪大学で医師主導の第1/2a相試験が進行しているという。

ジェイファーマは、細胞膜表面のSLCトランスポーターを創薬標的とした創薬ベンチャー企業。2005年に杏林大学を退官した遠藤仁元教授により設立され、これまでに様々なSLCトランスポーターを標的とした新規薬剤の研究開発に取り組んできた。近年は、Lタイプ・アミノ酸トランスポーター(LAT1/SLC7A5)阻害剤の研究開発に特化し、標準的化学療法が不応・不耐となった進行性がんの治療を目的に複数の新規薬剤(JPH203とOKY-034)の臨床開発を進めている。

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スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が正式サービス開始、日本ペット少額短期保険に対応

スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が正式サービス開始、日本ペット少額短期保険に対応

スマートフォンでペット保険金請求を行えるサービス「アニポス」(Android版iOS版)を展開するアニポスが1月5日、2021年1月1日付けの正式サービス開始とともに、日本ペット少額短期保険の保険金請求への対応を発表した。

アニポスは、ペット保険金請求がスマホだけで完結するというサービスおよびアプリ。動物病院からもらった「診療明細原本」の写真を撮ってアップロードすると、加入している保険運営会社から飼い主の口座に保険金が入金される。診療明細原本以外に動物病院でもらう必要のある書類はなく、郵送などの作業は不要。

なお、アニポスアプリで一度に請求できるのは1回の通院分で、同一の診断・症状であっても複数回受診の請求を一度に行うことはできない。

スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が正式サービス開始、日本ペット少額短期保険に対応

また診療明細データ1件ごとに、公益社団法人アニマルドネーションを通じ、動物救済団体に対してアニポスが寄付を行う。寄付は毎月実行されアニポスの公式サイトで公表している。

この寄付の原資は、すべててアニポスが負担しており、ユーザーが負担することはない。アニポスサービス利用規約にある引き受け対象に合致したアップロードに限り寄付を実行する。保険金請求を行わない選択も可能で、その場合は寄付のみ行われる。

また同社は、提携ペット保険運営会社に対して、保険金査定で必要な情報の取得、保険金請求業務のデジタル化などを含む包括的な業務効率化サービスを提供している。

スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が正式サービス開始、日本ペット少額短期保険に対応

2019年3月設立のアニポスは、「すべての人がより良い適切な動物医療を享受し、動物と幸せに暮らせる世界を創る。」をビジョンに掲げ、ペット保険のDXを推進。ペット保険金を簡単に請求できるスマホアプリ「アニポス」と、「アニポス」からシームレスにつながるペット保険事業者の保険金支払い業務効率化サービスを始め、テクノロジーの力で動物医療を支えるサービスを開発提供していくとしている。

ペットの長寿化、ペット医療の高度化・高額化を背景に、日本のペット保険市場は年率20%で成長しているという。ペット保険は、生活者(ペット保険加入者)にとって身近になったものの、手続きの利便性向上を求める声が増しており、同時にペット保険運営業者のデジタル化を含む業務効率化・業界全体のDXが求められているという。

また同社は、提携ペット保険運営会社に対して、保険金査定で必要な情報の取得、保険金請求業務のデジタル化などを含む包括的な業務効率化サービスを提供している。

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心臓疾患の治療方法研究・開発のメトセラが総額13.2億円を調達、心不全向け製品の臨床試験を予定

心臓疾患の治療方法研究・開発のメトセラが総額13.2億円を調達、心不全向け製品の臨床試験を予定

線維芽細胞を用いた心臓疾患の治療方法の研究・開発を手がけるメトセラは1月4日、第三者割当増資による総額約13.2億円の資金調達を完了したと発表した。2020年4月に完了したシリーズB-1ラウンド(総額4.3億円)に加えて、B-2ラウンドでは新たに約8.9億円を調達した。引受先は、リードインベスターの東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)、ベンチャーキャピタルおよび事業会社など。

また、2020年12月25日付けで、UTEC取締役/パートナーの宇佐美篤氏が社外監査役に、UTECプリンシパルの小林宏彰氏が社外取締役に、それぞれ就任した。

調達した資金により、グローバル展開も視野に、製造プロセスの効率化、後続パイプラインの創出、およびアカデミアや企業との戦略的連携を強力に推進する。

メトセラは2016年の創業以来、心不全を対象とした新たな細胞療法の研究開発に取り組んできた。同社リードアセット「MTC001」は、VCAM1陽性心臓線維芽細胞(VCF)を用いた細胞治療で、非臨床試験において損傷した心臓組織の再生を促すなどの、良好な治療効果を確認している。

今回の資金調達を通じ、MTC001の第I相臨床試験の実施体制をさらに強化可能となった。MTC001は、医療機関の負担を軽減したワークフローとシンプルな製造プロセスを実現した細胞治療。患者本人の心臓から低侵襲に採取された組織をもとに製造を行うことで、製造や安全性において他の技術に対して大きなアドバンテージを有しているという。

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埼玉大学発の進化分子工学スタートアップEpsilon Molecular Engineeringが資金調達

埼玉大学発の進化分子工学スタートアップEpsilon Molecular Engineeringが資金調達

進化分子工学を基盤技術とする埼玉大学発バイオテック系スタートアップのEpsilon Molecular Engineering(EME)は12月23日、シリーズAラウンドのセカンドクローズとして資金調達を実施したと発表した。

セカンドクローズの引受先は、リード投資家の三菱UFJキャピタル、地域経済活性化支援機構(REVIC)と群馬銀行がその子会社を通して運営するぐんま医工連携活性化投資事業有限責任組合、花王。また商工組合中央金庫より劣後ローンを実行、埼玉りそな銀行より借入、首都圏リースよりリースを実行した。シリーズAラウンドにおいて、エクイティファイナンス、借入、リースにより合計5.7億円を調達したことになる。

調達した資金により同社は、Heavychain single domain抗体(VHH。シングルドメイン抗体)を中心に新世代中分子バイオ創薬の研究開発をさらに推進する。

EMEは、「未来のバイオ分子を創造する」をミッションに掲げ、埼玉大学発スタートアップとして2016年に設立。設立者および現代表取締役は、埼玉大学大学院 理工学研究科物質科学部門 根本直人教授。

進化分子工学の技術によって、VHHやcyclic peptidesなどの巨大な配列多様性を有するライブラリ「cDNA Display Libraries」を独自に構築し、次世代シークエンス NGS、FACS、AIを活用した独自のハイスループットスクリーニング法によるシステムを構築した。

進化分子工学とは、突然変異と淘汰による生物の進化サイクルを試験管内で再現し、タンパク質など分子の生物機能に改良を加えていく研究。分子に変異を導入・増幅することで多様性を創出し、「望む機能を備えるものだけが生存する」プロセスを繰り返すことで、新たな分子機能を開発する。

現在同社は創薬・医療領域にフォーカスしており、新しいモダリティによる新世代のバイオ医薬品や中分子医薬品の開発候補品の取得、細胞・遺伝子治療でのVHHの活用に取り組んでいる。

また、製薬企業などの提案に基づく共同研究開発を展開し、さらに自社研究開発パイプラインについて共同研究開発パートナーとの早期の提携を目指して研究開発に取り組んでいる。最近の成果として、新型コロナウイルスに対し感染抑制能をもつVHHを取得した旨を北里大学、花王と連名で発表した(「大村智記念研究所片山和彦教授ら研究グループが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して感染抑制能(中和能)を有するVHH抗体の取得に成功」)。

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カテゴリー:バイオテック
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医療従事者版LinkedInを運営するH1が約60億円調達

それはあまりにも単純なアイデアだと思われるかもしれない。ヘルスケア業界に特化したLinkedIn(リンクトイン)のようなサービスを作り上げ、どのような資格を持っている専門家がどこにいるか、すぐに探せるようにするだけでなく、その専門家が行っている研究や専門分野についても知ることができるようにするというのだ。

世界的な感染流行の真っ只中にあり、医療業界の誰もが、世界中に野火のように広がっている新型ウイルスに最も影響を受けている医療の特定の分野の専門家を見つけようとしている今、その単純なアイデアが必要されている。

今年はじめ、米国で新型コロナウイルスの感染蔓延した際に、H1は自らが置かれている状況を認識していた。このスタートアップが、新たな資金調達で5800万ドル(約60億円)を調達した。同社は1月にY Combinatorのプログラムを終了したばかりで、それから現在までの1年未満の間に7000万ドル(約72億円)以上の資金調達を完了している。

同社に対する投資額を倍増させたMenlo Venturesが、成長段階の投資会社IVPと共同で、H1への新たな資金調達を主導している。

彼らの投資の根拠は、H1の爆発的な成長に起因している。同社はわずか12カ月前にY Combinatorからスタートし、現在250人の従業員を擁するまでに成長した。H1は既に米国で事業を展開しているが、2021年にはヨーロッパとアジアへの進出を目指しており、トップ20の製薬会社のうち13社を顧客としている。直近の記録によれば、同社はすでに全世界で900万人以上の医療従事者のプロフィールを持っているという。

H1の資金調達の歴史に詳しいある人物によると、Menlo Venturesは同社の業績に非常に満足しており、数千万ドル(数十億円)の先行融資を申し出たという。

「LinkedInが2000年代初頭に専門的職業従事者を結びつけたのと同じ方法で、私たちはヘルスケアのエコシステムがつながるプラットフォームを作りました。H1のような医療業界と適切な医師を結びつけたグローバルなプラットフォームは、これまでありませんでした」と、H1の共同創業者でありCEOのAriel Katz(アリエル・カッツ)氏は言う。「当社にとって素晴らしいパートナーであるMenloを含む、優れた投資グループと行う今度のラウンドの資金調達は、当社が最大の医療従事者向けプラットフォームとなり、最終的にはより健康的な未来を創造する活動を続けるための助けとなるでしょう」。

Menlo Venturesは確かにそう考えている。

「H1と一緒に仕事を始めたときから、製薬会社や小規模なバイオテクノロジー企業を対象にした初期の 『取っ掛かり』ですでに製品と市場の適合性を示す初期の兆候が見えていました。顧客からのフィードバックは、製品の価値とH1チームのカスタマーサクセスに対するコミットメントの両方において最高のものでした」と、Menlo VenturesのパートナーであるGreg Yap(グレッグ・ヤップ)氏とJP Sanday(JP.サンデイ)氏はブログ記事で書いている。「私たちが紹介したデリジェンスの1つは、数百万ドルの顧客と投資家にまで成長しました。しかし、H1が要求の厳しい大規模な企業顧客をサポートするための成熟の初期段階にあることは明らかでした。現在、シリーズBでは、H1は実行力を高め、上位20社の製薬会社のうち13社を顧客として獲得し、利用継続率、売上継続率、販売効率においてトップティアのベンチャーメトリクスを達成しています」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:資金調達、医療、新型コロナウイルス、

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(翻訳:TechCrunch Japan)

GEの医用画像機器にハードコードされたパスワードにより患者のデータが流出するリスクを研究者が指摘

General Electric(GE、ゼネラル・エレクトリック)が製造した医用画像機器の多くはハードコードされたデフォルトのパスワードでセキュリティが保護されていてパスワードを簡単には変更できないが、そのパスワードを悪用して重要な個人情報である患者の画像にアクセスされる恐れがあることを、セキュリティ関連企業のCyberMDXが発見した。

研究チームによれば、スタッフにマルウェア付きのメールを開かせるなどの手段によって攻撃者が同一のネットワークに入ってしまえば、それだけで脆弱性のある機器を悪用できる恐れがあるという。そこから攻撃者はハードコードされたデフォルトのパスワードを使って、機器に保管されている患者データをすべて取得したり機器が正常に動作しない状態にしたりすることができる。

CyberMDXは、X線装置、CTやMRIの装置、エコーとマンモグラフィ機器などに影響が及ぶ恐れがあるとしている(CyberMDXリリース)。

GEはハードコードのパスワードを使ってリモートで機器のメンテナンスをしている。しかしCyberMDXの研究責任者であるElad Luz(エラッド・ルス)氏は、機器に脆弱性があることを知らない利用者がいたという。ルス氏は、パスワードを変更することはできるがそのためにはGEのエンジニアに現場に来てもらう必要があるため、パスワードが「ハードコードされている」と表現した。

この脆弱性は米国国土安全保障省のCISA(サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁)でも勧告されている。影響を受ける機器の利用者はGEに連絡してパスワードを変更してもらう必要がある。

GE Healthcare広報のHannah Huntly(ハナ・ハントリー)氏は発表の中で次のように述べている。「この潜在的な脆弱性が医療現場で悪用された事例は報告されていません。我々は完全なリスク評価を実施し、患者様の安全に関する懸念はないとの結論に達しました。我々は機器の安全性、品質、セキュリティの維持に最優先で取り組んでいます」。

今回の発見は、ヘルスケア関連のサイバーセキュリティスタートアップでニューヨークに拠点を置くCyberMDXの最新の成果だ。同社は2019年にもGE製装置の脆弱性を報告していた。この問題でGEは最初に装置の使用を中止した後に患者の負傷につながる可能性があったと認めた。

CyberMDXは自社のサイバーインテリジェンスプラットフォームを利用して主に医用機器のセキュリティ保護と医療機関のネットワークセキュリティの強化を手がける一方、セキュリティ関連調査も実施している。同社は新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大から約1カ月後の2020年4月に2000万ドル(約20億9000万円)を調達した(未訳記事)。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:医療General Electric

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(翻訳:Kaori Koyama)

同種由来iPS細胞由来心筋細胞シート実用化を目指す大阪大学発の「クオリプス」が約20億円調達

同種由来iPS細胞由来心筋細胞シート実用化を目指す大阪大学発の「クオリプス」が約20億円調達

クオリプスは12月4日、総額約20億円の第三者割当増資に関する契約を締結したと発表した。引受先は、大幸薬品、京都大学イノベーションキャピタル、テルモ、ダイダン、ステムセル研究所、および朝日インテック。

今回の資金調達により、同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの実用化を一層加速化させ、様々な細胞製品の培養・加工を通じ、画期的な細胞治療薬の創生に貢献する。

大幸薬品は再生医療にかかる衛生管理分野での協業など、ダイダンは商業用細胞培養加工施設を活用した管理技術の一層の高度化など、ステムセル研究所とは再生医療関連でのシナジーなど、朝日インテックは細胞を体内デリバリーするシステムの開発などの期待のもと、資本参加を行っている。

クオリプスは、2017年3月に大阪大学の技術・研究成果をベースに、同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの開発・事業化を目的に設立された大阪大学発スタートアップ。

同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの製造方法に関する研究開発を推進し、さらに効率的な生産技術を確立して、世界に先駆けて再生医療等製品として製造販売承認を取得することを目指している。

同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートとは、ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞(iPS心筋)を主成分とした他家細胞治療薬にあたり、シート状に加工されたものを心臓に移植する。有効な治療法がない重症心不全の患者を対象とし、心機能の改善や心不全状態からの回復等の治療効果が期待される。

同社は、同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの早期実用化を進めるべく、現在大阪大学で実施中の医師主導治験を支援するとともに、当該製品の製造・供給体制を構築するため、本年夏に商業用細胞培養加工施設を大阪府箕面市に稼働させた。

今後、3年後の上市に向けて、研究開発の加速化、商業用細胞製造施設の安定稼働を図り、事業化体制を構築するとともに、海外展開のための準備、第2、第3プロジェクトの探索研究を推進するため、第三者割当増資の実施に至ったという。

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カテゴリー:ヘルステック
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退屈な教科書を「ピクサー」みたいな動画に置き換えて学習効果を上げるSketchyが約31億円調達

医学部の勉強は厳しい。しかし、それがPixar(ピクサー)みたいだったらどうだろう?

視覚的学習プラットフォームのSketchy(スケッチー)は、医学部の学生が試験前に暗記しなければならない難しい教材の情報を、イラスト化したシーンに置き換えている。たとえば新型コロナウイルスの説明に田園地帯の王国を用いたり、サルモネラ菌の解説にサーモンのディナーを使うといった具合だ。目標は、試験中に学生がそのシーンを思い出し、その中を歩き回ってあらゆる情報を回収できるようにすることだ。

Sketchyの戦略は奇妙に見えるかもしれないが、実際にはよく知られたものだ。「メモリーパレス」(記憶の宮殿)という、記憶の初期にモノと概念を結び付ける記憶術がある。現在のところ、Sketchyは3万人以上の有料会員を擁し、今年の収益は700万ドル(約7億3000万円)に迫る勢いだ。

この勢いを維持しつつ、コンテンツの新たな垂直市場に乗り込むために、Sketchyは、創設7年目にして初めてベンチャー投資を受けることにした。2020年11月、同社はThe Chernin Group(TCG)主導による3000万ドル(約31億円)のシリーズA投資を調達したと発表した(Businesswire記事)。そして米国時間12月2日、一部の株式がReach Capital(リーチ・キャピタル)に第二次取引で売却された。現在それは300万ドル(約3億1300万円)の価値に相当する。創設以来、自己資金でやってきた企業にしてみれば、これは大きな共同投資だ。またこの取引により、オンライン教育の方向性が明らかになってきた。

この資金は、Sketchyが医学生のためのコンテンツサービスの枠を乗り越え、法務から看護に至る医療分野もカバーする教育プラットフォームを目指す中でもたらされた。新たな資金を得て、Sketchyは社内にアニメーションスタジオを開設し、さらに多くのアーティストや、今はコンサルタントとして協力している医師を雇い入れる計画だ。

ストーリー

Sketchyの魔法と有効性は、そのほとんどが共同創設者の全員が医療分野出身であることから生まれている。

この会社は2013年に設立された。当時まだ医学生だったSaud Siddiqui (サウド・シディキ)氏とAndrew Berg(アンドリュー・バーグ)氏は、微生物学用のもっと効果的な学習方法を必死に求めていた時期だ。学習に弾みをつけるために、バーグ氏とシディキ氏は、キャラクターが登場する物語を作って概念を記憶しようと考えた。その後、何度か試験でいい成績が取れるようになると、クラスメートのためにも物語を作るようになった。

「サウドも私もアーティストではないので、絵はひどいものでした」とバーグ氏はいう。絶え間なく要望が入るようになると、2人はその稚拙なスケッチをYouTubeで公開した。やがて、シディキ氏とバーグ氏は、クラスメートで絵が上手かったBryan Lemieux(ブライアン・レミュー)氏を引き込み、彼らの物語を描いてもらうことにした。その後、ブライアンは双子の兄弟Aaron(アーロン)を誘い、メンバーが揃った。

時間は流れて現在、シディキ氏とバーブ氏は救急医療での研修を終え、レミュー兄弟は医学から離れる決意をした。それぞれ2つの仕事のバランスを保とうと頑張ってきたが、ついに全員がこの会社にフルタイムで取り組むことになった。それでも医療現場で培った知識は、この仕事に活かされている。

このスタートアップの名称は一度変更されている。設立当初はSketchyMecical(スケッチーメディカル)だったが、ただのSketchyにリブランドされた。絵を主体とすることで全員が同意してこの名前にしたのだが、ネガティブな印象もある(訳注:Sketchyは素描のようなという意味だが、大ざっぱ、中途半端、怪しい人などの意味もある)。将来またリブランドされる可能性がある。

社名の意味はともかく、同社の主張によれば米国の医学生の3分の1がサービスを利用しているという。収益の大半は、おもにステップ1とステップ2の試験勉強をしている医学生を対象にした12カ月間のサブスクリプションだ。

いろいろな意味でB2Cは手堅いビジネスモデルだが(手続きだらけの大学を相手にするよりも、個人に出費を促すほうが簡単だからだ)、同社は有望なB2B事業の拡大も発表している。現在のところ、収益の20%は医科大学との直接契約によるものだ。共同創設者たちは、当面は両方の成長方法を追求するが、いずれは大学との契約を増やし、学生が費用を負担せずに済むようになればうれしいと話している。

新型コロナを越えて

Sketchyに投資しているReach CapitalのJennifer Carolan(ジェニファー・キャロラン)氏は、Sketchyの医学生を対象にしたプロダクトマーケットフィットは「彼らのコンテンツに価値があることの強力なシグナル」だと話している。Picorize(ピコライズ)やMedcomic(メドコミック)といったライバルはいるものの、Sketchyの製品には正当性があり、新たな垂直市場への拡張が可能だと彼女はいう。この投資会社がSketchyに投資を持ちかけた理由の1つには、顧客獲得コストが低いことがあると、キャロラン氏はブログ記事に書いていた。

とはいうものの、リモート学習のおかげで新規ユーザーからの需要急増に潤っている他の多くのエドテック企業とは異なり、Sketchyは新型コロナウイルス特需の恩恵には浴していない。

「私たちは、プロダクトマーケットフィットが見つけられず、コロナ後に需要が爆発した企業とは違います」とバーグ氏。「私たちは、ずっとそこにいて、ずっと成長を続けてきました」。

つまり、今回の資金調達の本当のきっかけは、新型コロナウイルスによる影響ではなく、継続的な成長で得た資金を、より多くのデジタルカリキュラム垂直市場に投入したことだ。

長期的には、Sketchyも、教科書出版社に取って代わろうと目論むTop Hat Jr(トップ・ハット・ジュニア)やNewsela(ニューゼラ)などのスタートアップの軍勢に加わることになる。リモートの世界では、生の動画コンテンツは価値の喪失が早い。新規参入組はそれらに代わる、より効率的でエンゲージメントの高いコンテンツを提供しようと努力している。

「課題として、決して先を急がないことがあります」とシディキ氏。「私たちは、長年保ってきた品質のレベルを堅持しつつ、規模を拡大したいと考えています」。

【Japan編集部】公開当初この記事には、Sketchyは3200万ドルを調達したと書かれていた。しかしそれは誤りで、正しくは3000万ドルとReach Capitalの第二次取引で資金を調達している。

カテゴリー:EdTech
タグ:Sketchy医療オンライン学習資金調達

画像クレジット:Sketchy

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(翻訳:金井哲夫)

麻布大学が獣医学系で国内初のVR活用教育を開始、獣医外科学実習の授業に採用

麻布大学が獣医学系で国内初のVR活用教育を開始、獣医外科学実習の授業に採用

麻布大学は11月30日、獣医学系大学で初の仮想現実(VR)技術を採用した教育を開始したと発表した。同獣医学部獣医学科 小動物外科学研究室 高木哲准教授の開発によるシステムを利用。獣医外科学実習の授業において、360度カメラで撮影したVR動画をゴーグル型VRヘッドセットで視聴することで、高い臨場感をもって外科手術の基礎などを体験できる。

1890年創設の麻布大学は、今年2020年には学園創立130周年を迎え、獣医系大学としては2番目に長い歴史を持つ大学。獣医外科学実習は、外科手術に必要な器具・機材、減菌・消毒法の手技について基本的な技術を習得し、外科手術の基礎を学び、実践する授業という。VRを採用した教育は医学・医療系で利用されている例があるものの、獣医学系においては、国内でまだ例のない先進的な取り組みとしている。

開発したシステムは、VRヘッドセットにiPhoneを装着してVR動画を視聴するというもので、24セットを導入。360度カメラにより撮影した3D動画を同時に24名の学生が視聴可能で、学生はVR技術の特性を活かした没入感のある、高い臨場感の3D動画で手術や処置の手技を学べる。全学生がベストポジションで視聴できるため、実習に効果的な事前学習が行える。

またVRヘッドセットを装着し頭を上下・左右に向きを変えると、連動して動画の視点が変わるので、様々な角度の視点から手術の様子などを確認できる。そのため、手元だけでなく、全体の様子や雰囲気も把握でき、一般的な動画では実現できない教育効果を得られるとしている。

麻布大学が獣医学系で国内初のVR活用教育を開始、獣医外科学実習の授業に採用

同システムは、同時に多数の学生が視聴できるため、同学の獣医学科(定員120名)において、教育の効率と質の向上に役立つという。学生によるアンケ―ト結果も満足度が高く、教育効果の向上が期待できるとしている。さらに、動物を使用した手術(手技)などを何度も繰り返して実施する必要がないため、動物個体の負担を軽減できるとした。

麻布大学は、私立大学として動物学分野の研究に重点を置くトップクラスの実績を基盤に、新たな人材育成に積極的に取り組んでおり、今後は、これまでの経験を活かしてより質の高いVRコンテンツの制作を目指すとしている。なお、VRを活用した獣医学教育の整備の一部は、文部科学省科学研究費(JP18K19256)の助成を受けて実施しているという。

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救急外来特化の患者情報記録・管理システム「NEXT Stage ER」提供のTXP Medicalが2.5億円調達

救急外来特化の患者情報記録・管理システム「NEXT Stage ER」提供のTXP Medicalが2.5億円調達

救急外来に特化した患者情報記録・管理システム「NEXT Stage ER」シリーズを展開するTXP Medicalは11月30日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資として2.5億円の資金調達を2020年7月に完了したと発表した。引受先は東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)。

今回のラウンドで調達した資金は、人材の獲得費用にあて主力事業および新規事業の成長を一層加速する。具体的には、主力事業「NEXT Stage ER」シリーズの提供対象を大病院から中小病院に拡張する予定で、これに伴うSaaSの開発に必要なエンジニアの採用を強化する。

また同社では、「NEXT Stage ER」シリーズの提供を通し構築したデータプラットフォームを活用し、医療データサービスを新規事業として開始。「NEXT Stage ER」シリーズは、救急搬送や病院への電話相談時点から病院到着後の診察・処置、転帰までの構造化・匿名化された年間約100万名分の一連の患者データの取得・蓄積が可能であり、国内最大の救急医療データプラットフォームを構築しているという。

新規事業は、同プラットフォーム上のビックデータを、新たな医療技術開発や製薬産業、保険事業などに利活用可能な医療データサービスであり、同新規事業のさらなる事業拡大を推進すべく、各業界に精通したビジネスディベロップメントを担う人材の獲得に注力する。

TXP Medicalは、引き続き、救急医療現場のデータを統合しプラットフォーム化を進めるとともに、医療データの利活用を通じて、患者体験の向上および急性期医療をはじめ、医療業界全体の発展に貢献すべく事業に取り組んでいく。

2017年8月設立のTXP Medicalは、「医療データで命を救う」というコーポレート・ミッションのもと、分断された医療データを統合しプラットフォーム化することでデータを循環させ、医療現場でより多くの命を救うことを目指し事業を展開するスタートアップ企業。

病院電子カルテ端末上で稼働する救急外来の総合データプラットフォーム「NEXT Stage ER」シリーズの提供を主力事業と位置付け。同シリーズは、救命救急センターや大学病院を中心とした全国32の地域基幹病院で導入内定・稼働している(2020年10月末日時点)。その他、臨床現場の業務を支援する医療AIモジュール、音声入力技術の提供、多数の学術研究および情報発信を行うリサーチチームのノウハウを活用した研究支援サービスの提供、また、自社サービスを介し蓄積・統合された医療データを新たな医療技術開発や製薬産業、保険事業などに活用可能な医療データサービス事業に取り組んでいる。

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カテゴリー:ヘルステック
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病院の請求事務のための医療コーディングをAIで正確化効率化したDiagnoss

カリフォルニア州バークリーのDiagnossは、機械学習にフォーカスしたスタートアップスタジオであるThe Houseに支援され、医療請求事務のためのコーディングアシスタントをローンチした。

そのソフトウェアは、ドキュメンテーションとコーディングに対するリアルタイムのフィードバックを提供する。

Diagnossによると、医療コーディングは病院の成功と失敗を左右する。ヘルスケアのプロバイダーたちは新型コロナウイルス(COVID-19)の急な発生で弱体化し、病院は容量の60%以下で稼働している。そしてその1 / 4は、パンデミックによるケアへの妨害が続くかぎり、今後1年以内の閉鎖の可能性に直面している。

費用圧力のためどんなコーディングエラーでも財務的負担になり、ヘルスケアのプロバイダーを追い詰める。

「診察する1人の患者につき医師は、1回に平均16分間を管理業務に費やす(Annals of Internal Medicine記事)。1日の合計では数時間にもなる。さらに、入力されるコードにはエラーが多く、エラー率は最大で30%といわれている。そのため、請求ができなかったり、遅れたりしている。しかし人工知能と機械学習の現在の大きな進歩で、ついに医師に燃え尽き状態と財務的な重荷をもたらす非効率性の一部を、退治できるようになった」と声明で語るのはDiagnossの創業者でCEOのAbboud Chaballout(アボウド・チャボールアウト)氏だ。

Diagnossがやることは、一種の文法チェックだ。同社の自然言語処理ソフトウェアは、医師が書いたメモを正しく読むことができる。同社のツールは患者の診療に関する評価と管理のコードを提供し、医師のメモに欠けている情報を指摘し、診断と処置を表すコードの予測を提供する。その予測は、医師のメモを解読した後でそのまま適用できることもある。

Diagnossのあるレビューによると、3万9000人分の、匿名化した電子カルテを使って行った調査では、同社のマシンが行うコーディングサービスは人間コーダーよりも50%以上正確だった。

医師たちは、前に発表されたモバイルの電子カルテベンダーDrChronoとのパートナーシップから、Diagnossのサービスをすでに使っている。

カテゴリー:人口知能・AI
タグ:Diagnoss医療

画像クレジット:Aleutie / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

医療労働者向けの人材マーケットプレイスが従来の派遣システムより優れている理由

著者紹介:Jeff Fluhr(ジェフ・フルー)氏はCraft Ventures(クラフト・ベンチャーズ)のジェネラルパートナーで、StubHub(スタッブハブ)の元CEO。マーケットプレイス事業を構築する専門家でもある。

ーーー

ここ数か月、米国各地では医療需要の激しい変動が続いている。一部の都市の病院には新型コロナウイルス感染症の患者が押し寄せているが、別の都市の病院では患者が待機手術や命に関わらない治療を延期したため閑古鳥が鳴いている(そして財政難にも直面している場合が多い)。多くの都市がわずか数か月の間に比較的安全なゾーンから危険なホットスポットに変わり、また元の状態に戻っている。

この「コロナ大変動」は、医療労働者を派遣する体制が非常に非効率であるという、米国の医療体制において長年にわたりくすぶっていた問題点を浮き彫りにした。医療労働者市場には新たなパラダイムが必要だ。

パンデミックによって明らかになった派遣体制の脆弱性

パンデミックが始まったばかりの頃、ニューヨーク州のAndrew Cuomo(アンドリュー・クオモ)知事の支援要請に応えて他州から駆け付けた多くの医療従事者が、到着するなり「派遣契約はキャンセルされた」と言われたという。病院側が需要を過大に見積もっていたのがその原因だった。パンデミック発生のはるか前から、看護師や医師の過不足状況は州によって異なっていた。しかしそれが、パンデミックの勢いが最高潮に達する中で恐ろしいまでに深刻な問題となった。米国では、医療従事者が自宅待機や一時解雇となった都市もあれば、命を救うために医療従事者が限界まで休みなく働き続けることを余儀なくされた都市もある。ニューヨーク、デトロイト、マイアミ、フェニックス、ロサンゼルスなど、毎月新たなホットスポットが発生し、どのホットスポットも、医療労働者が不足したせいで最悪の事態に陥りそうになった。

新型コロナウイルス感染症への対応はマラソンのような長期戦となり、国民全体に深刻なストレス、うつ、心労をもたらしているが、そのような被害に最も苦しんでいるのが医療サービス従事者だ。医療従事者の燃え尽きはコロナ禍以前にも深刻な問題だったが、最近の数か月でその深刻度が、特に地理的なホットスポットで働く人たちの間で悪化している。

医療労働者は米国全土において、多くの場合は個人用保護具(PPE)の深刻な不足により自身の感染リスクが増大する中、大勢の急性疾患者に対応してきた。同僚が体調を崩したり、時には亡くなったりするのを見てきた医療労働者も多い。患者の治療に優先順位をつけるよう命じられた人もいる。医療の最前線で働く人たちのうつ、心労、不眠、精神的苦痛の症例が増加し、なかには自殺に至った医療従事者もいることが、複数研究によって証明されている。

従来型の人材派遣制度の問題点

パンデミック前から、米国の医療体制は長い間、季節的および地理的な理由による医療需要の変動に対応してきた。例えば、風邪が流行する12月には7月に比べて医療需要が高くなる。また、フロリダ州では6月より2月の医療需要が高い。冬場は北東部州からフロリダ州にやってくる避寒者が増えるためだ。

従来は、派遣や臨時雇用の医療従事者(派遣看護師、日雇い看護師、臨時代理医師)が、季節的および地理的な需要の変動に対応するための労働力を供給してきた。そして、派遣会社がそのような医療従事者と連絡を取り、病院、外来外科センター、長期ケア施設、その他の医療施設の求人案件を紹介してきた。派遣雇用の医療従事者が医療業界の労働力にとって重要な存在であることに、多くの人は気づいていない。推定によると、米国の総看護時間のうち30%以上は補充職員によるものだという。

しかし、時代遅れのツールやプロセスを使い続けている派遣会社では、パンデミックに対応できるほどのスピードと規模を実現できない。派遣会社のリクルート担当者は電話やメールで人材を集めようとするが、当の医療従事者たちは、間が悪く望んでもいないそのような電話やメールを迷惑だと感じていることが多い。より重要なこととして、最近の6か月間のように、異なる地理的地域で医療需要が想定外に急増した場合、そのようなツールを使っていては間に合わない。

時代遅れの規制にも問題がある。看護師への免許交付は州ごとに行われるため、免許が取得できていない州では看護師として働くことができず、それが障害となる。約35の州が、免許の相互承認を可能にする看護師免許協定に加盟しているが、パンデミック初期に大きな被害を受けた大都市がある州(カリフォルニア州、ニューヨーク州、ワシントン州)はこの協定に加盟していない。カリフォルニア州では、他州の看護師が免許を取得するのに平均で6週間かかるが、新型コロナウイルス感染症の感染者が同州で急激に増えているときでさえも、免許取得にかかる時間は変わらなかった。

看護師免許協定に加盟していない州の中には、執行命令や緊急宣言によって他州の看護師が働けるようにしたところもあるが、現在、その多くが有効期限を迎えようとしている。また、そのような命令や宣言はそもそも長期的な解決策として意図されたものではない。パンデミックがきっかけで、新しい規制が必要であることが浮き彫りになった。それは、以下に詳述するように、医療従事者が州をまたいで自由に働けるようにするためだ。実際のところ、カリフォルニア州の患者や病気と、テキサス州の患者や病気との間に、別個の規制基準や免許要件が必要なほど大きな違いなどないはずだ。

解決策:医療労働者向けの人材マーケットプレイス

迅速な対応、医療従事者にとっての利便性、効率的なマッチングの面で改善を図りたいなら、昔ながらの人材派遣会社の手法から抜け出す必要がある。喜ばしいのは、ソフトウェア中心型のモデル、すなわち、医療労働者向けの人材マーケットプレイスという方法でこの問題を解決しようと取り組んでいる企業が出てきていることだ。このようなマーケットプレイスを運営している企業には、例えば、Trusted Health(トラステッド・ヘルス)Nomad Health(ノマド・ヘルス)などがある。

筆者が20年前に起業したStubHub(スタッブハブ)と同じように、前述のようなマーケットプレイスはインターネットの力を活用して供給と需要を結びつける。医療労働者向けの人材マーケットプレイスの場合、医療従事者が供給側、病院や他の医療施設が需要側となる。医療従事者は、各病院の求人情報をつぶさに見て回ったり、リクルート担当者からの電話をさばいたりせずとも、自分のスキルや経験に合う求人情報をすべて一度に見ることができ、給与や職務内容に関する情報も得られる。自分の都合の良いときにマーケットプレイスをチェックできるので、大量の電話やメールにわずらわされることがない。

医療従事者は、好きなタイミングで労働力プールに出入りできる。これは、ストレスの軽減や、ワークライフバランスを向上させて燃え尽きを防ぐのに役立つ。例えば、看護師の場合、冬の間はフロリダの避寒者に対応したいと考えてマーケットプレイスを利用することもできるし、夏は休暇を取り、風邪が流行する季節に働くことを選ぶこともできる。マーケットプレイスを使えば、十分に活用されていない医療従事者を需要がある地理的地域や病院に配置でき、彼らに所得を得る機会を与えることが可能だ。病院や他の医療サービス施設にとっても、このようにシンプルなクラウドベースのマーケットプレイスは、増員が最も必要なタイミングで迅速に労働力を手配するための有効な手段となる。

マーケットプレイスにはもっと多くの臨時雇用者が必要

人材派遣会社というパラダイムの場合、ある病院で需要が急増したときに、その病院は人材派遣会社に連絡して派遣雇用の医療従事者を手配してもらわなければならない。複数の病院で構成されるシステムであれば、予期せぬ需要増に直面している病院へ、同じシステム内にある需要の低い病院から医療従事者を動かすことができる。これが全国規模のマーケットプレイスとなれば、理論上はもっと大きなメリットが見込める。なぜなら、より多くの病院の状況が把握できるため、人員に余力のある病院から最も需要が高い病院へと(病院間に連携関係がない場合でも)リソースを動かすことが可能になるからだ。

パンデミック時には、医療需要が高い地域に自らボランティアとして出向いた勇敢な医師や看護師がいた。しかし実際には、病院にも医療制度にも、医師や看護婦を何の提携関係もない病院へ貸し出すインセンティブはない。そのため、マーケットプレイスには、より多くの医療従事者が(派遣看護師や日雇い看護師などのような)臨時雇用者となることが必要だ。臨時雇用の看護師と正規雇用の看護師の割合が3対7ではなく7対3であれば、リソースの大部分がより多数の病院間で共有されるため、需要の変動にもっと容易に対応できるようになる。このマーケットプレイスが我々の社会に与える影響はさらに大きなものとなるだろう。なぜなら、緊急の必要性が最も高い病院により多くのリソースを配置できるようになるためだ。

臨時雇用者の増加を見込める状況は2つある。1つ目は、正規雇用の医療労働者が、より融通が利くことに魅力を感じて臨時雇用労働者になりたいと考え、単一の病院または医療制度との契約を解除する場合だ。2つ目は、他の業界の労働者が、より多くの臨時雇用案件があるという理由で医療業界へ転職する場合である。どんな経緯にしろ、臨時雇用の医療労働者の供給力強化は、マーケットプレイスという解決策に欠かせない部分だ。

副効用:病院の財政状況の強化

パンデミックの間、米国各地で、病院でコロナウイルスに感染することを恐れた患者たちが待機手術や命に関わらない治療を延期した。その結果、病院は利益率の高い待機手術からの収入を失った。病院の固定費は膨大(大部分は給与)であるため、財政難に苦しむ病院には、政府が何百億ドルもの緊急対策費を給付した。

医療労働者向けの人材マーケットプレイスをより広く導入することには、前述したすべてのメリットに加えて、医療従事者の人件費を固定費から変動費へと移行させて病院の財政的負担を軽減できるというメリットもある。病院では正規雇用職員の数が減り、派遣の臨時雇用労働者の数が増えることになる。需要が減少したら、病院は臨時雇用の医療従事者を減らせばよい。需要が増えたら、マーケットプレイスを利用して人員を増強できる。

米国の医療体制と医療従事者のためにマーケットプレイスという対策を整備することは、長年の懸案だった。パンデミックがきっかけで現体制の脆弱性が浮き彫りになったとはいえ、課題はずっと前からそこにあったのである。他の多くの業界で効率性の向上に貢献してきたテクノロジーとマーケットプレイスというパラダイムを活用すれば、医療体制や、医療従事者のクオリティーオブライフだけでなく、病院の財政状態も改善できる。新型コロナウイルス感染症がもたらした苦難にショック療法を施して、すべての人に役立つより効率的なモデルを開拓する力に変えてしまおう。

* クラフト・ベンチャーズはトラステッド・ヘルスに投資している。

関連記事:新型コロナ対応の看護師採用プロセス支援のため、Incredible Healthが医療系キャリアプラットフォームを更新

カテゴリー:HRテック

タグ:医療 コラム

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(翻訳:Dragonfly)

富士フイルムが出資する医療画像スタートアップNanoxがナスダック上場、175億円調達

イスラエル拠点の医療画像スタートアップNanox(ナノックス)が5900万ドル(約62億円)を調達して1カ月もたたないが、その際間もなく上場すると明らかにし、そして実行した。Nanoxは8月21日、IPOで1億6520万ドル(約175億円)を調達したと発表した。ティッカーシンボルNNOXNasdaq Global Market(ナスダック・グローバル・マーケット)にIPO価格18ドル(約1900円)でデビューを果たし、取引開始時は13%上昇し20.34ドル(約2150円)をつけ、そして20.6%アップの21.70ドル(約2300円)で取引を終えた。

1株あたり18ドルという価格は、NanoxF-1フォームの中で設定していた16〜18ドルというレンジで最も高く、バリュエーションは10億ドル(約1060億円)となった。

Nanoxの事業は垂直統合型となっている。大型で高価なレントゲン装置に対抗する最先端の小型スキャナーをデザインし、最初のモデルはNanox.ARCだ。CTスキャナーの平均的な重さ2000kgに対してARCは70kgで、製造コストはCTスキャナーが100〜300万ドル(約1〜3億円)、ARCは1万ドル(約105万円)だと同社は話す。テクノロジー、システムサイズ、価格と三拍子揃っていて、これは幅広い研究、臨床や診断の一環としてスキャニングを従来よりも多く活用できることを意味する。

同社はまた、スキャン、そしてスキャンで得られた画像の処理と評価で課金するクラウドベースのサービスを構築し、Nanox.CLOUDとして販売している。スキャン装置は、Nanoxに投資しているFoxconn(フォクスコン)のようなメーカー大手との提携で製造し、サービスは医師や学者、研究者に販売する。

Nanoxは提出したF-1書類の中で、保有する現金と合わせて上場で調達する資金を、「グローバル展開する予定のNanox.ARC装置の提供に使い、また製造能力、出荷、設置、Nanox System展開にもあてる。そしてNanox.ARCのR&D、Nanox.CLOUDの展開、様々な地域での規制当局からの承認取得、マーケティング費用、一般管理費用、他の一般的な企業目的にも使う」としている。

Nanoxは業界をディスラプトする可能性を秘めている最先端技術に取り組んでいる。すでに多くの大企業が同社の取り組みをサポートしている(Foxconnに加え、富士フイルムやSK Telecomなどが投資している)。

しかし、全てうまくいくかどうかはギャンブルだ。Nanoxはどのマーケットでも規制当局から装置の承認をまだ得ていない。また、2020年上半期は1380万ドル(約14億円)の赤字となった。この数字は昨年同期の170万ドル(約1億8000万円)から増えている。

F-1書類の中で、同社はこれまでの売上高を示さなかったが、創業者でCEOのRan Poliakine(ラン・ポリアキン)氏は7月にTechCrunchに対し、売上高の大半はライセンス契約によるものだと話した。FoxconnやSK Telecom、富士フイルムがNanoxのコンセプトに基づいて装置を製造するが、こうした企業にIPを提供する。

Nanoxは、2020年2月にNanox.ARCスキャナーのプロトタイプに取り組み始め、「全てがうまくいけば、最初のNanox.ARCを2021年上半期に展開する」とF-1書類に書いている。順調にいった場合、2021年下半期に少なくともNanox System(スキャナーとさまざまな画像サービスを組み合わせたもの)1000件のインストールを目指す。長期的には、2024年までに1万5000件のNanox System展開が目標だ。

しかし同社はまた、新型コロナウイルスパンデミックによって規制当局からの承認取得がずれ込んでいることを認識している。ただ、新型コロナは医療テクノロジー会社に多くの関心が寄せられている理由の1つでもある。

画像クレジット: Nanox

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(翻訳:Mizoguchi

レントゲンに代わる低コスト小型スキャナー開発のNanoxが約62億円調達、5G利用で救急車搭載も夢ではない

イスラエルのスタートアップNanox(ナノックス)はスキャン装置のサイズとコストを抑えるハードウェア、そして画像の質と画像から得られる洞察を高めるソフトウェアでもって、医療画像と画像分析の世界を席巻しようという野心を持っている。7月28日、同社はその計画さらに前に進めるための大きなステップを発表した。5900万ドル(約62億円)を新たに調達し、これによりシリーズBを1億1000万ドル(約115億円)でクローズした。新たな資金をもとに、体全体をスキャンするハードウェアの開発を継続し、顧客をさらに開拓する。同社はすでに13カ国で契約を獲得している。

今回の資金はSK Telecom(SKテレコム)やカナダの保険グループIndustrial Alliance、Foxconn(フォクスコン)、Yozma Korea(ヨズマコリア)といった戦略的投資家が拠出した。シリーズBではこれまで2回にわたって5100万ドル(約54億円)調達された。最新のものは6月の2000万ドル(約21億円)で、戦略的投資家SK Telecom(SKテレコム)が出資した。同社はNanoxのハードウェアを韓国で製造するための工場を建設中だ。実は日本にも工場がある。

Nanoxはバリュエーションを明らかにしていないが、6月時点では6億ドル(約630億円)だった。そしてTechCrunchが把握しているところでは、今回が上場前の最後の調達となりそうだ。ただ、上場のタイムラインはまだ設定されていない。もちろん、スタートアップの資金調達の世界ではこうしたタイムラインは決して明らかにされることはない。

Nanoxの創業者でCEOのRan Poliakine(ラン・ポリアキン)氏は7月28日のインタビューの中で、同社の売上の大半はライセンス取引で上げていると述べた。FoxconnやSK、富士フイルムなどのメーカーがNanoxのコンセプトに基づくデバイスを製造するのにIPを提供する。計画では今後7年間でスキャナー1万5000台を製造する。

長期的には、Nanoxはサービスの提供を開始するために、同社のマシンが設置される全マーケットで現地当局の承認を得る。サービスは、ハードウェアから得られた画像に洞察を提供するというものだ。承認取得のための作業は進められているが、新型コロナウイルスの影響で遅延している。実際の承認取得などその後の多くのプロセスもずれ込むことになる。

Nanoxの事業はサービスという点において特に興味深い。というのも、医療サービスが現在、そして将来どのように提供されるかというところで大胆なシフトを強調するものだからだ。

よりパワフルなコミュニケーションネットワークや改良された画像テクノロジー、かなりの人件費、そして施設を最新の状態に保つための高額のメンテナンス費用の影響で、病院などの施設は分析業務をオンサイトラボからリモート施設にアウトソースするようになった。これにより、新たなチャンスに入りこもうとする事業が数多く生まれることになった。

「通信会社は5Gの販売方法をめぐり、機会を模索している」とSK Telecomの会長Ilung Kim(イルウン・キム)氏は6月のインタビューで述べた。「そしていま、5Gデータを使いながら救急車の中で使用できるほどのサイズのスキャナーが期待できる。業界にとってゲームチェンジャーだ」。

Nanoxは当局の承認を待っているが、すでにこのサービスで契約を結んでいて、つまりマーケットの需要があることを示している。直近では、USA Radiology(USAラジオロジー)と契約を結んだ。この契約では、全米とその他15カ国でのスキャン・アズ・ア・サービス事業でNanoxのテックを使う。

もちろんNanoxはそうした契約では2つの面で利益を上げる。サービスのテックをライセンス貸しするだけでなく、製造して販売するハードウェアの接続ライセンス料も徴収している。

以前述べたように、Nanoxシステムは占有のデジタルレントゲン技術をベースとしている。これは画像をとらえて処理するのにレントゲンではなくデジタルスキャンに頼るという、画像分野では比較的新しい技術だ。Nanoxの主力製品であるARCハードウェアは重さ70kg。これに比べ、平均的なCTスキャナーは2000kgもある。そして製造コストはCTスキャナーが100〜300万ドル(約1〜3億円)なのに対し、ARCは約1万ドル(約105万円)だ。

ポリアキン氏によると、小型のマシーン(よって安い)で、画像処理のほとんどをクラウドで行うのに加えて、Nanoxシステムは1秒もかからずに画像を生成できる。既存の方法に比べて放射線被曝という点においてかなり安全だ。そのため、マシーンの所有が簡単で安くなり、そして通常のスキャンで一部の箇所だけでなく体全体をカバーでき、そこからさらに知見を得ることができる。Nanoxはまた、そうした画像からさらに正確な知見を「読む」複雑なアルゴリズムを構築している機関と提携している。

Nanoxの取り組みは、かなり注目せずにはいられないものだ。以前指摘したように、画像はこのところかなりニュースで取り上げられている。というのも、画像では新型コロナウイルスが肺や他の器官にダメージを与えているかが確認でき、画像は新型コロナ患者もしくは新型コロナに罹っているかもしれない人の症状の進行状況を最も正確に把握する手段の1つだからだ。

その一方で、グローバルの新型コロナパンデミックで人々は互いに距離を取ることを余儀なくされ、ヘルスケア分野では遠隔から患者を簡単に診断できるサービスの需要が高まった。このため、医療分野が今後どういう方向に展開されるかという点で、Nanoxと同社のアプローチは脚光を浴びることになった。

事業を次のレベルに進められるよう、Nanoxは必要な当局の承認が得られるはずだ。

「世界を変えることを目指している、と言うのはたやすい」とポリアキン氏は声明で述べた。「そうした言葉の最大の課題は常に実行にある。当社は早期発見でがんや他の病気の撲滅をサポートするという大胆なビジョンを持っている。夢を現実のものにするグローバルの医療画像サービスインフラ展開のために鋭意取り組んでいる」。

画像クレジット: Nanox

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(翻訳:Mizoguchi