宇宙産業スタートアップAstroscaleがJAXAと共同でスペースデブリ処理へ

スペースデブリ(宇宙の粗大ごみ)を掃除する日本のスタートアップであるAstroscale(アストロスケール)が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同で、現在軌道上に存在する残骸の一部を取り除くJAXAの最初のミッションに取り組む。JAXAのミッションはCommercial Removal of Debris Demonstration(CRD2)プロジェクト(デブリの商業的除去のデモンストレーション)と呼ばれ、そのための協力企業としてAstroscaleが選ばれた。両者が共同して2段階から成るこのミッションに取り組み、現在軌道上にある大きな胴体、日本のロケットの使用済み上段ロケットを排除する。

2013年設立のAstroscaleは軌道空間の掃除がもっぱらの専門で、それは軌道上のアクティビティが長期的で持続可能なものであるために欠かせない作業だ。スペースデブリは今や宇宙産業の大きな争点になっていて、しかもSpaceXやAmazon、OneWebなどにより宇宙利用の商業化が一層進むに伴い、この惑星を周回する軌道上の人工衛星の稼働台数は今後ますます、膨大な量になってくる

JAXAのこのミッションは、第1段階を2022年の終わりまでに完了し、この段階でAstroscaleは、第2段階で軌道から排除される上段ロケットを観測してデータを収集するための衛星を製造、打ち上げ、そして運用する。排除作業が安全に行われ、成功するためには、排除対象の動きと、周辺のデブリ環境に関する詳細なデータが必要だ。

Astroscaleの創業者でCEOの岡田光信氏は、プレスリリースで「CRD2のPhase Iは既存のデブリの危険性とその排除の必要性をより明確にするだろう。デブリの排除は今なお新しい市場であり、我々のミッションは常に、未来の世代の福利のために軌道の持続可能性を確保し、そのためにルーチンとしての宇宙のデブリ排除サービスを確立することだった。国際社会は最近ますますスペースデブリのリスクを問題視しており、我々はこれまで以上に、この可能性としての市場を現実化する努力に集中して行かなければならない」とコメントしている。

Astroscaleはすでに、ほかのデブリ排除プロジェクトに関わっており、またその「End-of-Life Services」(終末処理サービス)のデモンストレーションを今年後半に予定している。このような、スペースデブリの商業的排除処理のデモは世界で初めてであり、計画どおりに行けば、この成長途上の商機のニーズとテクノロジーとの相性を実証する重要なステップになるだろう。

今年初めには、2台の役目を終えた軌道上宇宙船がニアミスしてニュースになった。そのとき観測筋は、衝突していたら新しいデブリクラウドが生まれ、少なくとも数百の追跡可能な破片が生じると述べた。Astroscaleなどは、衛星通信事業者間のより詳細な追跡と情報共有を通じて、持続可能な宇宙内操業環境が多様な商業的活動に提供されることを期待している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

NASAは国家の敵からの攻撃をどのように防御しているのか

NASAのジェット推進研究所(JPL)は、10億ドル(約1100億円)規模の宇宙船を設計、建造、そして運用している。そうした事業自体が攻撃対象となる。情報セキュリティの世界でAdvanced Persistent Threats(APT、持続的標的型攻撃)と呼ばれる攻撃を仕掛ける者たちは、境界の外をうろつき、宇宙船の操作に利用される地上中継局に接続している地球上ネットワーク、すなわち「地上データシステム」へのアクセスの機会を常に狙い続けている。

おそらく敵の目的は、秘密のデータ独自技術を盗み出すことだが、10億ドル規模のミッションが妨害されるリスクも存在している。過去数年間、APTが何カ月もシステムに侵入していた例を含む、複数のセキュリティ侵害事案を受けて、JPLはサイバーセキュリティへの多大な投資を開始した。

私はNASAのサイバーセキュリティに関するキー研究者であるArun Viswanathan(アルン・ヴィスワナタン)氏にその仕事についての話を聞いた。その内容は「現代の情報セキュリティを代表する内容」と「JPL特有の懸念事項」といった魅力的なものだった。とはいえ、重要なメッセージは前者のカテゴリの中にしっかりと含まれている。それは、情報セキュリティは、事後対応的ではなく、予防的なものでなければならないということだ。

JPLの各ミッションは、いずれも半分独立したスタートアップ企業に似ているが、技術的な制約はシリコンバレーのスタートアップたちとは非常に異なるものになりがちだ。例えば、ミッションのためのソフトウェアは通常、自社開発で革新的なものだ。なぜなら彼らのソフトウェア要件が、非常に厳しいためだ。たとえば、ソフトウェアの不正によって、宇宙探査機のCPUが100%占有されてしまうことは絶対に許されない。

成功したミッションは非常に長く続く可能性があるので、JPLは、数十年前の古くて誰も保守していないシステムを、多数保持している。彼らはそのセキュリティソリューションを、そうした古いソフトウェアの限界を踏まえて設計しなければならないのだ。ほとんどの企業とは異なり、それは一般に公開されていて、100人単位で施設見学者を受け入れている。さらには、他の宇宙機関などの、システムに特権的なアクセスをすることができる多くのパートナーがいる。

それらは、一方では国家への攻撃者からの格好の標的になっているのだ。そして言うまでもなく、それらは興味深い脅威モデルだ。

ヴィスワナタン氏は、2つの主要プロジェクトに主に焦点を合わせてきた。1つは、JPLの地上データシステム(すべての異種ネットワーク、ホスト、プロセス、アプリケーション、ファイルサーバー、ファイアウォールなど)のモデルと、その上の推論エンジンの作成だ。このモデルの内容は、プログラムを使って照会できる。

なお、興味深い技術的なサイドトピックがある。このプロジェクトで使われるクエリ言語はDatalogる。これは最近の復活を遂げた由緒あるPrologの、チューリング完全ではない派生物だ。

話を元に戻そう。このモデルができる前は、「この地上データシステムのセキュリティリスクは何ですか?」という問に自信を持って答えることができる人はいなかった。何十年もの歴史がある他の組織と同様に、その知識は大部分が、文書と人間の頭脳の中に閉じ込められていた。

このモデルがあることで「JPLのカフェテリアにいる誰かが、ミッションクリティカルなサーバーにアクセスすることは可能か?」といったアドホックな問い合わせが可能になる。そして、推論エンジンは経路を検索し、サービスと構成情報を一覧化する。同様に、研究者は、攻撃者の目標から逆算して、攻撃者がその目標に到達すると考えられる「攻撃ツリー」経路を構築し、それらをモデルにマッピングして、攻撃の緩和策を策定することができる。

彼のもう1つの主要なプロジェクトは、JPLの「サイバー状況認識力」を高めることだ。言い換えるなら、リアルタイムでデータを収集および分析できるようにシステムを装備して、攻撃やその他の異常な動作を検出するということだ。たとえば、CPU使用率の急上昇は、サーバーが侵害によって暗号通貨マイニングに使用されている可能性を示しているのかもしれない。

昔物事がうまく行っていなかった頃は、セキュリティは事後対応型だった。誰かが問題に遭遇しマシンにアクセスできなかった場合に、彼らは問い合わせをしてはくるものの、それはあくまでもその当事者が観察可能な範囲で行われているだけだった。最近では、多くのログインの失敗を重ねてやっと成功するといった形で示される、ブルートフォース攻撃などの単純なものから、通常の利用パラメーター以外による操作コマンドを機械学習ベースで検出するより複雑なものまで、悪意のある異常なパターンを監視することができる。

もちろん、攻撃ではなく単なる異常の場合もある。逆に、この新しい観測可能性は、システムの非効率性、メモリリークなどを、事後的にではなく予防的に特定するためにも役立つ。

もし読者が、Digital Oceanダッシュボードとそのサーバー分析のパノラマを見慣れている場合には、これらはみな非常に基本的なものに見えるだろう。しかし、既存の一様ではないレガシーシムテムを、大規模な観測性向上のためにリエンジニアリングすることは、まったく別の話なのだ。境界線とインターフェイスを見るだけでは十分ではない。特に特権アクセスを持つパートナーの観点から、境界内のすべての動作を観察する必要があるのだ。なぜならそこが侵害された場合には、そのアクセスが悪用される可能性があるからだ 。これはJPLに対する、悪名高い 2018年の攻撃の根本原因だった。

JPLの脅威モデルはとても独特だが、ヴィスワナタン氏の仕事は、私たちのサイバー戦争に対する、勇敢な新しい世界をみせてくれる。宇宙機関であれ、大企業であれ、成長しているスタートアップであれ、現代は情報セキュリティに積極的に取り組む必要がある。攻撃者の気持ちになって考えながら、異常な動作を継続的に監視することが重要だ。何か悪いことが起こったことがわかった後に反応するだけでは不十分なのだ。侵害につぐ侵害のニュースに巻き込まれる前に、読者の組織がこうしたことを簡単に学ぶことができるように祈る。

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(翻訳:sako)

トランプ政権は基礎科学研究の予算を大幅削減、宇宙・AI・量子技術の予算は増額

トランプ政権の2021年新会計年度(2020年10月〜2021年9月)の予算案は、研究開発助成金を前年度予算より1420億ドル(約15兆6000億円)増やすが、それでも下院の代替案における科学技術向け支出全体からは削減となる。基礎科学向け予算は、トランプ政権が掲げる優先事項の影で大きな打撃を受けそうだ。

政府予算の下で削減されるプログラムをScience Magazineが要約した。

  • 国立衛生研究所:7%または29億4200万ドル(約3230億円)減の369億9650万ドル(約4兆1000億円)
  • 国立科学財団:6%または4億2400万ドル(約470億円)減の63億2800万ドル(約6960億円)
  • エネルギー省科学局:17%または11億6400万ドル(約1280億円)減の57億6000万ドル(約6340億円)
  • NASA:11%または7億5800万ドル(約830億円)減の62億6100万ドル(約6890億円)
  • エネルギー省先端研究プロジェクト庁:173%の削減。これは4億2500万ドル(約470億円)分のプロジェクトがなくなるだけでなく、3億1100万ドル(約340億円)を財務省に返還することになる。
  • 農務省農業研究局:12%または1億9000万ドル(約210億円)減の14億3500万ドル(約1580億円)
  • 標準技術研究所:19%または1億5400万ドル(約170億円)減の6億5300万ドル(約720億円)
  • 海洋大気庁:31%または3億ドル(約330億円)減の6億7800万ドル(約750億円)
  • 環境保護庁の科学技術:37%または1億7400万ドル(約190億円)減の3億1800万ドル(約350億円)
  • 国土安全保障省の科学技術予算:15%または6500万ドル(約72億円)減の3億5700万ドル(約410億円)
  • 地質調査所:30%または2億ドル(約220億円)減の4億6000万ドル(約510億円)

ただし、多くのベンチャー投資家やスタートアップが時間を費やす特定の分野では予算が増額されるはずだ。例えば、機械学習や量子コンピューティング技術を開発する分野の研究開発予算などだ。

国立科学財団、エネルギー省科学局、国防高等研究計画局、国防総省の共同AIセンターに対する人工知能関連予算の割り当ては、合計で17億2400万ドル(約1890億円)に達し、また農務省と国立衛生研究所のAI研究には1億5000万ドル(約170億円)が割り当てられる。

量子情報科学は、トランプ政権の予算案の下で棚ぼた的に予算が設定された分野の1つだ。全米科学財団は量子研究のために2億1000万ドル(約230億円)、エネルギー省は2億3700万ドル(約260億円)の増加のほか、全国規模の量子インターネット開発向けに追加で2500万ドル(約28億円)を受け取る。

「量子コンピューティング、ネットワーキング、センシング技術は、信じられないほど可能性にあふれた分野だ」と、エネルギー省科学担当長官であるPaul Dabbar(ポール・ダバー)氏は述べた。この分野で進行中の開発の一例としてダバー氏は、アルゴンヌ国立研究所、フェルミ研究所、シカゴ大学などが取り組んでいる52マイルの量子通信ループを挙げた。

中西部に6つの量子インターネットノードを、またニューヨークに近いロングアイランドにもノードを作成して、北東部に量子ネットワークハブを作成する計画も進行中だ。「これは、東海岸から西海岸へ、南の国境から北の国境へと全米に広がる量子インターネットのバックボーンになる」とダバー氏は述べた。「我々がやらなければ、誰かがやる。中国とEUはこの分野への投資計画を発表した」。

宇宙分野はトランプ政権の予算で支出が増える領域の1つだ。今回のパッケージの重要な部分は、2024年までに宇宙飛行士を再び月面に向かわせようと、航空宇宙局の予算を12%増やすことだ。NASAには有人着陸船などの技術開発向けに30億ドル(約3300億円)の予算を追加し、宇宙が持つ潜在的価値と戦略的重要性の活用を目指す。全体として、NASAは252億ドル(約2兆7700億円)を受け取る一方、新設する宇宙軍には新予算で154億ドル(約1兆6900億円)が配分される。

政府の声明によると、予算では2022年度までに量子情報科学と非国防分野の人工知能の研究開発費を2倍にする予定だ。政権の予算の多くは、米国が技術的優位性を失いつつある分野で、それを取り戻すための支出に集中しているようだ。中国はすでに量子コンピューティングと人工知能の両方の研究に数百億ドル(数兆円)を費やしている。

量子コンピューティングと人工知能の進歩に資金を費やす一方で、トランプ政権は科学研究に依存する他の分野で予算を削減し続けている。それは、科学コミュニティによる発見とそれが生み出す知見が、大統領の政治的願望と矛盾する分野でもある。

例えば環境保護庁がそうだ。同庁の来年度予算は合計で26.5%削減される。保健社会福祉省の予算配分は9%縮小するが、政権は実際には疾病管理予防センターを通じて感染症と闘うのに必要な予算の削減は回避する予定だ。

民主党が下院を支配しているため、実際には提案された予算配分のほとんどは議会の予算プロセスを通過しないものと予想される。政権の予算案の最も厳しい削減部分については共和党が支配する上院も通過しない可能性がある。

画像クレジット:SAUL LOEB/AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

米航空宇宙産業が衛星打ち上げのライドシェア事業を三井物産と山佐に売却

Spaceflight(スペースフライト)とBlackSky(ブラックスカイ)のオーナー企業であるSpaceflight Industries(スペースフライト・インダストリー)は、Spaceflightの事業を日本の大手商社の三井物産とパチスロメーカーで航空機や船舶のリースも手掛ける山佐に売却する。買収成立後のSpaceflightは、2社の持ち株比率50対50のジョイントベンチャーになるが、シアトルを拠点とする独立企業として米国で操業を続け、引き続き小型人工衛星のペイロードのライドシェア事業を展開する。

元親会社のSpaceflight Industriesは、売却益(金額非公開)を、地球観測衛星事業のBlackSkyに再投資する。現在それは軌道上の4つの衛星で稼働しているが、年内にさらに8つを加えることを計画している。

三井物産は日本最大級の商社として、インフラやエネルギー、IT、食品、消費者製品、鉱業、化学など多様なセクターがあり、これからはロケット打ち上げのライドシェアがそのメニューに加わる。三井には航空宇宙部門があり、そこは衛星の開発と打ち上げと運用サービスを提供しているが、本日のプレスリリースによると、Spaceflightは買収完了後に同社の宇宙戦略の「要石」になるようだ。

Spaceflightはそのサービスを2010年から提供し、これまで29回のロケット、計271基の衛星を打ち上げた。2020年だけでも、10回のミッションが予定されている。打ち上げプロバイダーと小型衛星の運用事業者はどちらも近年の成長産業であり、従ってSpaceflightの事業も今後の成長が見込まれる。多くの業界予測によると、2030年に始まる10年間には軌道ベースの事業が急上昇するという。

今回の協定も、宇宙産業の未来を示唆しているようだ。今後ますます若い企業の参入が続き、そのそれぞれが独自の成長および投資の戦略を追求して、ミッションの維持を目指すだろう。たとえばSpaceXは、そのStarlink事業の継続と今後の一般公開を目指すことを確認しており、その意向は今後のより大きな投資を招き、人間を複数の惑星にまたがる生物にするという目標に向けて、そのコアビジネスであるロケットと衛星の打ち上げにも資金が還流されるだろう。

Spaceflightのこれまでの事業が国家のセキュリティに関わる可能性があるので、今回の取引は対米外国投資委員会(Committee on Foreign Investment in the United States、CFIUS)が精査する。精査には数カ月を要するので、すべてがOKなら完了は2020年Q2になるとSpaceflight Industriesは考えている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

高効率で低コストの固体ロケット燃料開発のAdranos、米陸軍主催コンペでも優勝

米国インディアナ州のロケット燃料のスタートアップであるAdranos(アドラノス)が、応募過剰となったラウンドで100万ドル(約1億1000万円)を調達した。このラウンドは、プライベート投資企業Sextant Groupの会長であるArchibald Cox Jr.(アーチボルド・コックス・Jr)氏がリードした。資金はAdranosの製造能力の拡張とチームの増員に当てられる。

Adranosは、ALITEC(アリテック)と呼ばれる新種のロケット推薬を作っている。同社によると、それは従来の固体燃料よりも全体的な性能が良く、またアルミニウムを使う既存製品を燃焼したときに出る危険な塩酸が排出されない。アルミニウムとリチウムの合金を使用するALITECは、Adranosの共同創業者でCTOのBrandon Terry(ブランドン・テリー)氏がパーデュー大学の博士課程にいたとき着想した。

AdranosのALITECによる市場には、防衛産業が含まれる。そこでは同社の固体燃料がミサイルの射程の延伸と、強力なミサイルの小型化によるコスト減に貢献する。同社は、宇宙産業においても大きなペイロードを低費用で打ち上げるために利用できるはずだと考えている。

Adranosは最近、Blue Originで事業開発と政府向け営業を担当していたStefan Coburn(ステファン・コバーン)氏を事業開発および戦略担当副社長として迎えた。同氏を中心に、ALITECの商用化を進める意向だ。Adranosは昨年、プロトタイプロケットによるALITEC推薬のテストに成功し、合衆国陸軍が主催するコンペxTechSearchの第1回で優勝した。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXの最初の有人宇宙飛行は早ければ5月にも実施へ

SpaceXのCrew Dragonは有人宇宙飛行の実現にごく近いところまで来ている。先月にIFAと呼ばれる飛行中に乗員を脱出させるテストに成功し、主要なテストをすべてクリアした。SpaceXと発注者のNASA.はDemo-2と呼ばれる有人飛行のテストに進む予定だ。

我々が得た情報では、SpaceXは今年の5月7日にこの有人宇宙飛行テストを予定しているという。この日時は仮のものだが、ニュースを最初に報じたArs TechnicaのEric Berger(エリック・バーガー)氏によれば、スケジュールは遅くなることも早まることもあり得るという。

これ以前にもSpaceXの宇宙船が実際の飛行に極めて近づいていることをわれわれはつかんでいた。先週のGAO(米国会計検査院)のレポートは商用有人宇宙飛行プログラムの進捗状況について詳しく説明しており、Crew Dragonカプセルの有人飛行テスト、Demo-2ミッションは「当初予定されたいたより3ヶ月早く完了するだろう」と述べていた。

Demo-2はその名のとおりCrew Dragonにとって昨年3月に行われたDemo-1に続く2回目の実証ミッションだ。昨年のミッションでは、Crew DragonカプセルはFalcon 9で打ち上げられ、ISS(国際宇宙ステーション)にドッキングして物資を補給した後、大西洋上に安全に着水した。ただしこのミッションではカプセルは無人で地上から遠隔操縦された。

Demo-2ではNASA の宇宙飛行士、Doug Hurley(ダグ・ハーリー)氏とBob Behnken(ボブ・ベンケン)氏の2人が乗り込むことになっている。2人にとってはこれが3回目の宇宙飛行となる。Demo-2の飛行内容はCrew DragonでISSを往復することで、Demo-1とほぼ同内容だが、今回は有人飛行であることが大きな違いだ。NASAのJim Bridenstine(ジム・ブラデンスタイン)長官は最近、「宇宙滞在の期間を当初計画していた2週間よりも延長するかもしれない」と発表している。これは現在ロシアのソユーズを利用して行なっているISS乗員のローテーションをCrew Dragonで実施しようとするものだ。

宇宙計画では計画の変更は付き物だが、予想外の事態が起きないかぎり上に述べたようなスケジュールでDemo-2は実施されるものと思われる。

画像:SpaceX

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

SpaceXがNASAの有人宇宙飛行専門家を雇用、宇宙船クルードラゴンはDemo-2ミッション準備完了

SpaceXは同社初の有人宇宙飛行の準備中であり、宇宙船クルードラゴンの有人デモンストレーション・ミッションは5月7日に仮設定されている(現時点で日付は流動的)。火曜日(米国時間2/11)同社は、完成した宇宙船クルードラゴンのビデオを披露した。Bob Bhenken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)氏の両宇宙飛行士が搭乗する。また、CNBCは、SpaceXがNASAの有人探査部門の副責任者であるWilliam Gerstenmaier(ウィリアム・ガーステンマイヤー)氏を雇用したことを明らかにした。

Gerstenmaier氏はNASAで14年間この業務についていおり、40年にわたるNASAでの任務中スペースシャトル・プログラムと国際宇宙ステーションを担当していた。人間を宇宙に飛ばすことに関して、世界にこれ以上の人物が存在する可能性は低い。有人宇宙飛行プログラムを間近に控えるSpaceXにとって、鍵となる人事だ。

今年予定しているDemo-2ミッションでは初めて宇宙飛行士が搭乗し、SpaceXにとって国際宇宙ステーションとの乗務員輸送の定期提供者になるための次の一歩となる。現在NASAは宇宙飛行士の国際宇宙ステーションとの往復輸送をロシアのRoscosmos(ロスコスモス)が運行するソユーズに依存している。2011年にスペースシャトルプログラムが終了して以来行われている運用だ。

SpaceXは、今年中にBehnken、Hurley両宇宙飛行士をISSに運ぶ予定の宇宙船クルードラゴンの短編ビデオも公開した。この宇宙カプセルはテスト用の特別なチャンバーで、正式飛行前の検証プロセスの重要な部分を占める電磁妨害テストを受ける。今週Ars Technicaが報じたところによると、Demo-2ミッションの準備はほぼ完了しており、4月から6月のどこか実行される予定で、現在は5月7日が予定日になっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASAの2021年予算要求は有人月面着陸に約3625億円、月面資源開発に約472億円

米国時間2月10日、トランプ政権は2021年度予算要求を発表し、NASAの申請は予想通り12%増加した。これでNASAの総予算額は252億ドル(約2兆7677億円)となり、その半分近い123億ドル(約1兆3510億円)は、月面着陸の復活と最終目標である火星の有人探査に充てられる。

行政予算管理局が米国時間2月10日月曜日に発表した本予算要求の中で、33億ドル(約3625億円)が宇宙飛行士を月の公転軌道から月面に送るために使用される有人月面着陸システムの開発目的に使われる。これは、一連の計画が「維持可能な探求」の安全で信頼性の高いシステムを開発するために、「競争、産業革新、および堅牢な政府見通し」に依存していることを表している。

予算には、Space Launch System(SLS、宇宙打ち上げシステム)および宇宙船オリオンを継続開発するための40億ドル(約4393億円)も追加されている。この組み合わせは宇宙飛行士の地球から月への移動手段になる。予算案は、NASAがこの資金を使って「システムを完成し定期飛行計画を確立」することを具体的に求めている。

他には、1.75億ドル(約192億円)が月面で宇宙飛行士が使用する宇宙服に、2.12億ドル(約233億円)が移動に利用されるローバー(月面探査車)に充てられる。2.54億ドル(約280億円)が割り当てられている商用月面着陸サービス(CLPS)では、NASAが民間パートナーの要求を受けて、2024年の有人月面着陸に先立ち実験器具や貨物を月面に送り込む。

「月面イノベーション計画」には4.3億ドル(約472億円)の資金が用意されており、月面資源を活用した発電、宇宙飛行士の住居、探査ツールなどを利用したテクノロジー開発および実演に使われる。これらの技術はロボット、有人両方の月面探査に使用され、最終的に火星探査でも同様の利用に生かされることが提案書にかかれている。

5.29億ドル(約581億円)の「火星ロボット探査」予算には、火星の土壌を地球に持ち帰る初めてのミッションや、火星表面近くの氷をマッピングし最終的に有人探査に利用するミッションが計画されている。

他に本予算要求は、低地球軌道における米国の存在感を引き続き確立するとともに宇宙飛行士の訓練にも利用される「新宇宙ステーション」の開発支援も含まれている。本予算は超音速機X-59の飛行デモにも資金提供する。NASAが2022年の初飛行を目指して開発している同機は、将来の商用超音速旅客機の青写真となることが期待されている。

予算の削減が提案されている科学ミッションもあり、学校現場のSTEM教育を支援するOffice of STEM Engagementもそのひとつだ。STEM事業が窮地に追い込まれたのこれが初めてではないが、これまでのところ削減措置は免れている。

NASAは今回の予算要求および政権の計画における意味について米国時間2月11日の午後に概略説明を行う。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXはStarlinkをスピンアウトさせてIPOを目指す

SpaceXは、急成長を続ける衛星インターネットサービスのプロジェクト、Starlink(スターリンク)の事業をスピンアウトさせ、IPOによって株式を公開することを目論んでいるようだ。ブルームバーグによると、SpaceXのCOO兼任社長のGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)氏が、JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)の投資家会議で明らかにしたという。

SpaceXは、これまでに多くの衛星を打ち上げて、Starlinkクコンステレーションに追加してきた。最終的な目標は、全世界から接続可能な低コストで高バンド幅のインターネット接続を実現すること。Starlinkは、低地球軌道を回る小さな衛星をネットワーク化することで、これを実現しようとしている。そのためにSpaceXは、現在の申請内容によれば、最終的に2万5000基もの衛星を打ち上げることを目標にしている。

現在、約240のStarlink衛星が周回軌道上にある。また、2月中に予定されている5回目のStarlink打ち上げによって、さらに60の衛星が加わる計画となっている。今後もSpaceXは、2020年の間に頻繁な打ち上げを続け、最終的に年末までには顧客へのサービス提供を開始できるよう目指している。さらに2021年の間にコンステレーションを充実させ、サービスを提供可能な領域を拡張する計画だ。

ショットウェル氏はブルームバーグに「SpaceXは今のところプライベートな企業だが、のStarlinkは今後も成長し、株式を公開するのにふさわしいビジネスなのです」と語った。それも道理というものだろう。のStarlinkの運営がいったん軌道に乗れば、他のネットワーク事業者と同様、会員となった顧客から継続的に収益を得ることが可能な、伝統的な構造のサービス事業となる可能性が高いのだから。今のところSpaceXは、スピンアウトの具体的なスケジュールを定めていないという。これはまだ初期の検討段階の話であり、実際にスターリンクの株式が公開されるのは、数年先になりそうだ。

一方SpaceXは、当面の間は収益性はさほど重視していないように見える。これまでに、打ち上げに対して多額の現金を喜んで支払う顧客のために、Falcon9やFalcon Heavyのような繰り返し使える輸送ロケットを開発し、実証してきた。もちろん、再利用可能にすることで、打ち上げにかかるコストは低減し続けてきたが、同時にSpaceXは、Starshipと呼ばれる完全に再利用可能な、まったく新しい打ち上げシステムも開発してきた。その中には新たなSuper Heavy(スーパー・ヘビー)ブースターも含まれていて、開発プログラムには、かなり多額の継続的な出費が見込まれる。しかもその出費は、今後減るどころか、ますます増えることが予想される。

最終的にStarshipは、Falcon 9とFalcon Heavyの両方に取って代わって、SpaceXとして唯一の打上げ機となるだろう。それによって毎回の打上げコストを大幅に削減し、収益性の高い運用が確保できる。とはいえ、まだStarshipは開発の初期段階にある。またSpaceXのCEO兼創立者のElon Musk(イーロン・マスク)氏は、火星に到達して植民地化するという野心的な計画も持っている。その実現には、それなりの資本支出が必要だが、それは必ずしも株式市場の要望に沿うものではない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

米トランプ大統領はNASAの2021年度予算を約3300億円増額提案へ

米国のドナルド・トランプ大統領は、会計年度の2021年に、NASAの予算として256億ドル(約2兆8000億円)を要求するつもりであると、米国時間2月7日にWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)が報じた。これはNASAの会計年度2020年の予算の226億ドルよりも30億ドル(約3300億円)近い増額となる。この増えた資金の大部分は、新たな有人月面着陸船の開発に充てられると言われる。

これは、この数十年間にNASAの予算について提案された最大の増額となるもの。そして、米国時間2月4日の一般教書演説で表明された、NASAの活動に対するトランプ大統領の新たなコミットメントを反映したものと考えられる。トランプ氏は議会に対して、「アルテミスプログラムに十分な資金を注ぎ込んで、月に到達する次の男性と最初の女性が、アメリカ人の宇宙飛行士になることを確実にする」ことを求めた。

NASAの長官、ジム・ブリデンスティーン(Jim Bridenstine)氏は、2024年までに最初のアメリカ人女性と次のアメリカ人男性を月面に派遣する、という目標を頻繁に繰り返してきた。これは現状のアルテミス(Artemis)計画に沿った目標だ。ブリデンスティーン氏は以前に、2024年までに再び月に到着するのにかかる費用を、200億から300億ドル(約22000億円〜33000億円)の間と見積もっていると表明していた。しかし長官は昨年の暮に、下院歳出小委員会によって、NASAの会見年度2020年の最終段階での16億ドル(約1750億円)の追加予算の要求について糾弾されていた。

WSJはまた、2021年の予算計画の一環として、NASAは月着陸船への入札を募るつもりだと報告している。これは以前の、アルテミス計画用の打ち上げ機に対しての取り組みと同様のもの。NASAは、すでに認定されたベンダーリストにある多くの商業パートナーと協力して、ロボットの無人月着陸船ミッションに取り組んでいる。2021年から、月面に実験装置や物資を届けるためのものだ。

NASAは、アルテミス計画用の有人着陸システムに関して、業界からコメントを募るため、昨年7月に広く告知している。また続く8月にはそれを改定し、20199月には公式な提案の要請を公開した。NASAの宇宙飛行士を乗せる有人着陸船については、2社が選ばれることになっている。NASAによれば、2024年の着陸に向けて1社が着陸機を完成させている間に、もう1社は2025年のミッションの準備をする。そうした賞を競い合う会社としては、ボーイングのような伝統的な会社だけでなく、SpaceXやBlue Originなど、新規参入の会社も含まれているという。

トランプ政権としては米国時間2月10日に予算を提出する予定となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

NASAがアルテミス計画に向けて月面探査車のコンセプトを募集中

NASAは、将来の月面探査車をどのようなものにするかについて業界からの意見を求めている。その対象は、必ずしもこれまで宇宙事業に参入している企業とは限らない。自動車メーカーやIT企業なども含まれる。これは再び人間を、それも史上初の女性、そして米国人の男性を月面に送り込もうというAltemis(アルテミス)計画の一環だ。

画像クレジット:NASA

この問いかけには、2つの正式なRFI(Requests for Information、情報提供要請)が含まれている。1つは自動探査用に設計されたロボローバー(惑星探査車)についてのアイデア。もう1つは人間が乗るのに適したLTV(月面用車両)の開発につながる可能性のあるコンセプトとアイデアだ。後者は、加圧防護スーツを着たままの宇宙飛行士が乗車して、月面を走り回ることを想定したもの。必然的に屋根のないオープンなデザインの車体が求められる。

こうした車両に対するNASAの目標は、宇宙飛行士が着陸地点の付近以外の場所も探検できるようにすること。ちなみに、今後は月の南極近辺に着陸することになる。そこから、アクセス可能な地域を拡大して、実験やデータ収集ができるようにするわけだ。ロボット型の車両の目的も同様のものだが、さらに人間では行くのが難しいような場所にも到達できるのが理想だ。

RFIの説明によれば、NASAは、あらゆるタイプの車両の生産に関連する業界のプレーヤーからの専門知識を求めているという。たとえば、全地形対応車、電動車、あるいはその他の地上の乗り物だ。そこには、自動運転車の会社、革新的なモビリティ技術を持つスタートアップなども含まれる。

NASAは、さらなる情報を求めている企業のために、仮想の産業フォーラムを開催して質問に答える予定を組んでいる。質問の締め切りは、LTVローバーのRFIについては2月26日、ロボローバーのRFIについては、もう少し猶予がある3月6日に設定されている。

NASAでは、2018年にも商用のロボット月着陸船について、同様のRFIを発行した。それは、2019年2月に月面への商用輸送サービスの契約プログラムを発表するのに先立つものだった。それを考えると、今回のRFIも、最終的に将来のNASAの月面探査ミッションで使われる探査車に関する、何らかの商用パートナープログラムにつながる可能性がある。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

クリスティーナ・コック氏が女性宇宙滞在記録を更新して地球に帰還

宇宙飛行士のChristina Koch(クリスティーナ・コック)氏は、ESAのLuca Parmitano(ルカ・パルミターノ)氏、ロシアのAlexander Skvortsov(アレクサンドル・スクボルツォフ)氏とともに、国際宇宙ステーション(ISS)から地上へと帰還した。米国東部標準時2月6日午前0時50分(日本時間2月6日午後2時56分)にISSにドッキングしたソユーズ宇宙船に搭乗し、予定どおりカザフスタンに米国東部標準時午前4時12分ごろ(アルマトイ時間同日午後3時12分、日本時間2月6日午後6時12分)に無事着陸した。

コック氏が米国人宇宙飛行士としてISSに328日連続で滞在し、世界で2番目に長い滞在期間となったことは意義深いものだ。これは340日間宇宙で過ごしたScott Kelley(スコット・ケリー)氏に次いで2番目に長い。また米国人女性のPeggy Whitson(ペギー・ウィットソン)氏の289日間を抜いて、公式には女性として世界最長の宇宙滞在となった。

NASAが指摘しているように、コック氏の宇宙滞在には5248回の地球の周回が含まれており、またISSが軌道上を移動した距離に換算すると、その総距離は1億3900万マイル(約2.2億km)であった。同氏はISS船外でもかなりの時間を過ごし、同僚の宇宙飛行士のJessica Meir(ジェシカ・メイア)氏とともに、女性だけによる史上初の宇宙遊泳となった、3回の女性だけによる宇宙遊泳を含む6回の宇宙遊泳を達成した。

コック氏と帰還した宇宙飛行士は全員、着陸時には健康なようだったが、定められた標準的な健康診断を受けることになる。ただし彼女の科学ミッションはこれで終わりではなく、同氏はNASAのArtemis(アルテミス)計画を含む、月や火星を含む太陽系での宇宙開拓への道を開く、長期宇宙滞在に関するNASAの研究に参加している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Starlinerの二度目のエラーでNASAがボーイングのソフトウェア工程の見直しを要求

NASAのAerospace Safety Advisory Panel(ASAP、航空宇宙安全諮問委員会)は、12月に行われたCST-100 Starliner(スターライナー)の宇宙ステーションとの無人ドッキングテストで発見された二度目の問題を受けて、Boeing(ボーイング)のソフトウェア試験工程の見直しを推奨した。そのときStarlinerは計画どおりに宇宙ステーションと連結できなかったのだが、それは、ミッションのタイマーのエラーでカプセルが、多すぎる燃料を早すぎるタイミングで燃焼したためだった。

米国時間2月6日の会議でASAPのグループは、ミッションの過程でソフトウェアの第二の「異状」が見つかったことを明らかにした。Space Newsの記事によると、その異状はカプセルの飛行中に修正された。その問題が修正されずに見過ごされていたら、エンジンの誤噴射により「宇宙船の壊滅的な失態」に至っただろう、と顧問の一人Paul Hill氏がSpace Newsに語っている。

試験ミッションの間に起きた複数の問題を、今BoeingとNASAが調べている。両者が強調しているのは、その打ち上げはニューメキシコ州ホワイトサンズにおける大気圏突入と着陸に成功し、ISSに接続できなかったにもかかわらず、計画どおりの多くのテストを行えたことだ。

彼らの指摘によると、当時ミッションタイマーのそのエラーは、搭乗者に危険が及ぶものではなかった。しかしこの新たに発見されたエラーは、修正されなければ前のものよりも深刻だったと思われるが、カプセルの地球の大気圏への再突入の2時間前に修正された。

その結果顧問団は、Boeingのシステムエンジニアリングとソフトウェアインテグレーション、および検証試験の見直しを求めることになった。そしてそれが終了するまでは、有人無人を問わずいかなる本番打ち上げも試験飛行も行われない。12月の打ち上げに関して予定されていた次のステップも、すべてが延期になる。

顧問団によると、NASAはすでに「全社的安全性評価」を行うことを決めている。その評価は、昨年、同じく商用の有人事業であるSpaceXに対しても行われている。

そしてそのSpaceXは、顧問団によると、「近く有人飛行を行うことに関しては疑念のない段階に達しているが、正確な時期は未定」だそうだ。なかなか、心強いお言葉だ。なお、米国会計検査院が発表した、商用有人宇宙飛行に関する報告書は、最初の実用有人ミッションのためのCrew Dragonカプセルの納期が、最初のスケジュールよりも早くなった、と明かしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

OneWebが34機のブロードバンド通信衛星の打ち上げをライブ配信

地球規模のブロードバンドインターネット衛星コンステレーションの配備を検討しているさまざまな企業のうちの1つが、宇宙における既存事業に34機の衛星を追加する。OneWeb(ワンウェブ)は米国東部標準時間の2月6日午後4時42分(日本時間の2月7日午前6時42分)、Soyuzロケットで衛星を打ち上げる。この新しい衛星は、昨年2月に軌道に投入された6機の衛星に加わる。

OneWebは、最終的には少なくとも650機の衛星を低軌道で運用したいと考えており、これにより地上の顧客にインターネットサービスを提供する。打ち上げサービスを提供するArianespace(アリアンサービス)は、OneWebのために2021年末までに最大19回のミッションを遂行し、今年中にもパイロットテスト用の接続サービスが開始され、来年には本格的な商用サービスを開始する予定だ。

OneWebは昨年、12億5000万ドル(約1400億円)の資金調達を行い、その総調達額を34億ドル(約3700億円)に引き上げ、大量生産と導入フェーズのコストをカバーする。なお、資金の大部分はソフトバンクから調達している。今回の打ち上げは年内の最初のテストを開始するのに大いに役立つだろうが、一方でSpaceX(スペースX)はすでに独自のStarlinkプロジェクトのために240機の衛星を打ち上げており、さらに60機の衛星を次々と打ち上げることから、衛星ブロードバンドインターネットサービスの競争は激化している。もちろん、SpaceXは独自の打ち上げ能力を所有しており、その展開を有利にしている。

一方、Amazon(アマゾン)は現在「Kuiper」という開発コードで同様のプロジェクトを進めているが、衛星の軌道投入はまだ始まっていない。OneWebは、海運、航空、企業、政府機関の顧客をターゲットにしており、Swarm TechnologiesやKeplerのような他の小さなスタートアップ企業も同様だ。これらの事業者がサービスを始める際には、市場投入のスピードが重要な要素となるが、潜在的な市場は巨大であり、複数の業界にまたがっているため、最終的に複数の勝者が生まれる可能性が高い。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

宇宙開発スタートアップのFireflyがあSatlantisと衛星群打ち上げミッションを契約

宇宙開発スタートアップのFirefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)は、地球観測と衛星運用のリモートセンシングペイロードメーカーであるSatlantis(サトランティス)と、新たな契約を結んだ。FireflyはSatlantisの小型衛星群を打ち上げる予定で、これは低軌道から地球の高解像度、あるいはマルチスペクトル画像を提供する。

Fireflyは同社初の「Alpha」ロケットと、宇宙船の開発とテストを進めている。同社は今年中にAlphaの初打ち上げを実施する予定で、米国時間2月4日にSatlantisとの間で結ばれた契約によれば2022年の打ち上げが予定されている。

Alfaは2段式ロケットで、機体には炭素複合材が使用されている。全長は約95フィート(約29m)で、約2200ポンド(約1トン)を低軌道に打ち上げられる。Rocket Lab(ロケット・ラボ)と同様にFireflyの目標は、相乗りミッションの予約に頼るのではなく、専用の打ち上げを行うための手頃な価格の選択肢を小型衛星の顧客へと提供することだが、実際にはそれ以上のペイロードも提供できる。

Fireflyは2020年初めに垂直状態でのエンジンの燃焼試験を実施したばかりだが、最初のテストに続く1月末の発射台でのテストは、出火により失敗した。同社は出火は燃料漏れによるものだと発表し、Alphaの改良を進めている。FireflyでCEOを務めるTom Markusic(トム・マルクシック)氏はKVUEに対し、この事故は今年半ばまでにロケットの初打ち上げを実施するという目標には影響しないと述べた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXが衛星打ち上げライドシェア開始、料金1億円超で予約受付中

SpaceXが衛星打ち上げをウェブから予約できるツールを発表した。これはFalcon 9の打ち上げに際し、ペイロードに余裕がある場合、ライドシェア方式でミニ衛星を搭載できるというものだ。昨年SpaceXが発表したライドシェア式打ち上げは6000万ドル(約69億円)以上かけてロケット1機を丸々予約する必要がない(余裕がない)小型衛星の打ち上げたいカスタマーの市場を開拓するのが狙いだ。

衛星打ち上げのライドシェアのページによれば、料金は100万ドル(約1億1000万円)から、ペイロード重量は200kgからだ。200kgを超える場合、1kgあたり5000ドル(約55万円)の追加料金となる。

ユーザーはまず希望の軌道種類を静止、低軌道、極軌道などからを選び、衛星打ち上げ準備が整う一番早い日付として最速期日を入力する。本稿執筆時点では今年の6月以降が選択できる。次に打ち上げを希望する衛星の質量(重量)を入力すると推定料金が表示される。以後さらに詳細な情報の入力を求めるページが続く。搭載を計画しているのは15インチ(38cm)ポートか24(61cm)ポートか、今後SpaceXから発表される打ち上げ日程にける希望するロケットと打ち上げ日付などを入力する。

 ユーザーが入力できる要素にはこのほか、SpaceXの標準規格で衛星を搭載するためのポートアダプターの必要の有無と規格、衛星放出システムをユーザーが独自に用意するのか、SpaceXの標準システムを利用するか、衛星が独自の推進システムを装備する場合は打ち上げ直前の燃料注入、200万ドルまでの保険などがある。オンラインでTesla(テスラ)車を注文するのに似ているが、もちろんはるかに高価な買い物となる。

これは単に話題を呼ぶためのマーケティングツールではなく、本当に衛星を宇宙に送るためのページだ。オプションの入力が完了し、ユーザーが米国の国際兵器輸送規則(ITAR)に違反するなどの違法行為の疑いを受けていないことが確認されるクレジットカード番号が入力できる。この時点で5000ドル(約55万円)の予約金が引き落とされる。残金は3回払いとなるが、SpaceXが引受を確認後5日以内に初回かつ最大の支払いをする必要がある。

 SpaceXでは同時に、衛星ライドシェアについてのユーザーガイドを公開し、このプログラムの環境テスト、法的責任、技術的スペックなどの詳細に触れている。 しかしウェブサイトを開き、Tesla Model Yを予約するのとそっくりの手順で衛星を軌道に送り込むことができるというのはやはり驚きだ。

サイトはユーザーにわずかでも規則違反があったり、最低99万5000ドル(約1092万円)の残金支払いができなかったりすれば予約金は没収となると警告しているが、それにしても今のところ世界にこのページ以上に手軽な衛星打ち上げ予約方法はなさそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

NASAは北米の大気質を1時間ごとに計測するセンサー衛星を2022年に打ち上げ

NASAは、米国時間2月3日、Maxar 1300クラスの衛星に載せて、大気質予報の改善に寄与する観測機器を打ち上げる予定であることを発表した。Maxar 1300は、もともとインテルサット(Intelsat)の顧客に商用衛星用の通信機能を提供することを主な目的とする衛星だ。NASAの新しい大気質測定ツールは「TEMPO」と呼ばれる。これは、Tropospheric Emissions: Monitoring of Pollution(対流圏排出:汚染監視)の頭文字を取ったもの。オゾン、二酸化窒素、エアロゾルといったガスについて、北米の大気中の濃度を1時間ごとに測定できる。それによって相対的に大気質を把握し、情報を公開する。気象監視機関や、その他の組織は、そのデータを利用することで、より正確な大気質に関する最新の情報を、天気予報に組み入れて一般に提供できるようになる。

ただし、TEMPOツールの打ち上げは、Intelsat 40eと呼ばれるMaxar衛星が静止軌道に投入されることになっている2022年になる予定だ。NASAが、商用の通信衛星に科学的な観測機器を託すことは珍しくはない。そうすることで大型の静止衛星に同乗でき、カバーしたい領域を余裕でおさえることができる。もちろん、専用の衛星を打ち上げるのに比べて、絶大なコスト削減も可能となる。

NASA用にTEMPO機器を開発したのは、Ball Aerospace(ボールエアロスペース)だ。予定されている打ち上げの前までには、パロアルトにあるMaxarの衛星製造施設に輸送され、Intelsat 40eに組み込まれることになる。同じ衛星には、European Space Agency(欧州宇宙機関)の観測ツールや、韓国のGeostationary Environment Monitoring Spectrometer(静止環境監視分光計)なども積み込まれる予定だ。それらの組み合わせによって、北半球全体の大気質を、より包括的、かつ詳細に観測できるようになる。

NASAはすでにAQI(Air Quality Index、大気質指標)情報の改善に貢献しており、EPAが毎日発表するAQIの精度を最大38%向上させているという。この数字は、衛星からの3時間ごとのデータをAQIの算出に組み入れて、昨年8月に行われたテストの結果によるもの。このような測定の品質と精度を向上させ続けることは、地球上に住む生物であるわれわれにとって非常に大きな意味を持っている。人類が環境に及ぼす影響や航空機による汚染のせいで、大気質は悪化の一途をたどっているのだから。

TechCrunchでは2020年に初の宇宙専用イベント「TechCrunch Sessions:Space」を6月25日にロサンゼルスで開催する予定。チケットも発売中だ

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

3Dプリンタでロケットエンジンを作り廃プラ燃料で噴射に成功したSkyrora

ロケットの打ち上げ事業を展開している英国エディンバラ拠点のSkyroraは、小さな人工衛星用の新しい打ち上げロケットを開発中だ。同社はこのほどその新型ロケットエンジンの地上静止噴射に成功し、実際の打ち上げに向かって大きく前進した。

Skyroraのロケットエンジンは3Dプリンタを使ってる点で新しいだけでなく、その燃料が廃プラスチックから作られている点にも注目だ。その新種の燃料は「Ecosene」と呼ばれ、同社によると競合製品よりもグリーンで、エコロジー的にも健全だそうだ。

Skyroraがテスト中のロケットエンジンは、最終的に全長22mの打ち上げロケットであるSkyrora XLの最後のステージで力を発揮する。Rocket Labの全長17mのElectronに近く、SpaceXのFalcon 9の全長70mにはおよばない。しかし、複数のペイロードを地上から最大500kmまでの複数の軌道へ配達できる。これは小型の衛星ペイロードでよく使われる低地球軌道だ。Skyroraは、廃プラから独自の方法で得られたケロシンであるEcoseneと、通常のロケット燃料であるRP-1ケロシンの両方で噴射して燃料としての性能を比較した。

Skyroraによると、1000kgの廃プラからおよそ600kgのケロシンを作ることができ、温室効果ガスの排出量は競合製品よりも約45%少ないという。Ecoseneには冷凍保存をしなくていいという利点もあり、長期間タンクに入れておける。同社によるとこの性質は、同社が実用打ち上げを予定している彼らの母国であるスコットランドの宇宙船基地の条件に合っているそうだ。

今回の試験噴射だけで新燃料の可用性が決まるわけではないが、その結果は今後のさまざまなテストに向けて励みになる。そしてSkyrora XLロケットの英国からの最初の打ち上げは、2022年を予定している。

【編集部注】TechCrunchは、米国ロサンゼルスで6月25日に開催する「2020 – TechCrunch Sessions: Space」で初めて宇宙テクノロジー専門のイベントを企画している。チケットは、今からでも買える

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

イーロン・マスク氏が自作EDMをSoundCloudに本当にポスト

金曜日はたくさん新譜が出る日だが、この米国時間1月31日の金曜日には、ありえないソースからの曲がポストされている。それはElon Musk(イーロン・マスク)氏だ。SpaceXとTesla(テスラ)のCEOは、今週初めに「Don’t Doubt ur Vibe」という曲を書いた。曲は「Emo G Records」から発売される、と言っていた。しかし例によってそれは冗談かもしれないし、夜のインターネットのお遊びかもしれなかった。

ところが、彼は本気だった。しかもその曲を聴くために待つ必要はない。歌詞は、即興で一瞬で書けたのではないか。以下のフレーズを、無限に繰り返すだけだ。

Don’t doubt your vibe / because it’s true / don’t doubt your vibe / because it’s you

マスク氏によると、歌ってるのは彼自身だと言うが、加工されディストーションがかかっているので、まるで宇宙人の声のようだ。

EDM的にアレンジされた脈動感のあるアンビエントなもので、このジャンルの曲としては悪くない。聴いてご判断していただきたい。

マスク氏はこの曲を実際にレコーディングしているスタジオ内の写真をツイートし、最終テイクが完成するまでの過程は思った以上にたいへんだった、とシェアした。その曲作りのツイートの中で彼はフォロワーたちを教育して、コロナウイルスに関する不吉な予言がどんどん大げさになっていく理由を説明した。

アルバムが出るという話はないけど、テスラの決算報告も株価も絶好調だし、名誉毀損の裁判で勝ち、Starlinkプロジェクトも動き出した。それにSpaceXの商用有人飛行も前進、有人ミッション前の最後の試験飛行も成功という、マスク氏にとっていいことずくめの今日このごろだから、音楽をリリースするのもサマになってる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ロボットが軌道上で部品から宇宙船を組み立てるMaxarとNASAの実験

NASAは宇宙船の軌道上における給油と、特別製のロボットによる新たな部位の組み立てのデモンストレーションをMaxarに1億4200万ドル(約154億円)で発注した。

space infrastructure dexterous robot(宇宙のインフラストラクチャとなる器用なロボット)の(ほぼ)頭字語をとりSPIDERと呼ばれるこのプロジェクトは、NASAのRestore-Lミッションの一環として、軌道上でのタスクの自動化をデモンストレーションする。それは人工衛星の構成変更や修理、新しい部位のスクラッチからの製造などのタスクといったものとなる。

Restore-Lの宇宙船が最初にやることは、衛星と同期して捕捉して接続し、軌道上で給油を行い、衛星を新しい軌道へリリースすることだ。その後、宇宙船はMaxar製のロボットアームを使ってマルチパネルアンテナのリフレクターを組み立てるテストを行う。

最後に、別のハードウェアであるTethers UnlimitedのMakerSatが長さ10〜20メートルのビームを押し出し、それを親衛星が調べ、離したりくっつけたりしてその丈夫さをデモする。

NASAのJim Reuter(ジム・ロイター)氏はプレスリリースで「大きく強力な部位をいくつも打ち上げ、そのあと、それらを宇宙で組み立てて宇宙船を作る技術を実証して、宇宙技術におけるアメリカの世界的な優位性を維持したい。この技術のデモンストレーションは、宇宙内ロボティクスという新しい技術分野を開くだろう」と述べている。

ミッションの明確なタイムラインはないが、着手は2020年代を予定している。それは来週のElectronで飛ばせるような小さな実験ではなく大きくて高価なものであり、大型ロケットのペイロードをすべて占領するほどのプロジェクトだ。

デモンストレーションにすぎないとはいえ、Maxarは今後、いろいろな人工衛星上で宇宙内組み立てが日常的に行われるようになると考えている。同社は以前、地上デモを行なったが、もちろんそれが本物の代わりになるわけではない。

Maxarは半ばロボットアーム専業の企業で、NASAにも過去に6基納めている。現在、火星上空にあるThe one on InsightとThe Mars 2020 Roverだ。しかし、どうもNASAのネーミングには花がないね。

TechCrunchは3月にUC BerkeleyでロボティクスとAIのセッションを行い、そのステージにMaxarの宇宙ロボティクスのトップをお招きしたい。宇宙ロボットに関して、詳しい話が聞けるだろう。

SPIDERは、低地球軌道で衛星に給油を行う@NASAのRestore-LプロジェクトのためにMaxarが作っている宇宙船バスに統合される。SPIDERは、軌道上における宇宙船部位のロボットによる組み立てと構成変えを可能にする。詳しくは: pic.twitter.com/XfPquzmsKiを。

— Maxar Technologies (@Maxar) January 31, 2020

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa