中国のオンデマンド物流企業LalamoveがシリーズE投資533億円を調達

オンデマンド物流企業Lalamove(ララムーブ、啦啦快送)は、シリーズE投資5億1500万ドル(約533億円)を調達し、中国国内のさらに多くの小規模都市にネットワークを拡大すると同社サイトで発表した。このラウンドはSequoia Capital Chinaが主導し、Hillhouse CapitalとShunwei Capitalが参加している。これら3社は、いずれも以前からの投資者だ。

Crunchbaseのデータによれば、これによりLalamoveの調達額は総額で9億7650万ドル(約1010億円)となった。同社が最初に資金調達の発表を行ったのは2019年2月。このときのシリーズD投資3億ドル(約310億円)で、ユニコーン企業の仲間入りを果たしている。

Bloombergが先週伝えたところによると、Lalamoveは評価額80億ドル(約8280億円)で、少なくとも5億ドル(約517億円)の新規投資ラウンドを目指しているという。これは2019年に調達した額の4倍だ。

地元の街でオンデマンド物流事業を行おうと2013年に設立されたLalamoveは、それ以来、貨物サービス、企業向けロジスティックス、引っ越し事業、車両レンタルへとビジネスを拡大してきた。中国本土の352の都市に加え、本拠地の香港、台湾、ベトナム、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイでも事業を展開している。2020年10月に初めて米国へ進出し、現在は月間48万人の実働ドライバーを擁し、月間720万件のアクティブユーザーがある。

今回のシリーズD投資の一部は、インド進出の資金として確保されているが、Lalamoveのアプリはインド政府がサイバーセキュリティー上の懸念があるとして禁止した43のアプリのなかの1つに加えられている。

LalamoveのCEOであるShing Chow(周勝馥、チョウ・シン)氏は、このシリーズE投資を使って中国の4級、5級の都市へ進出すると話している。「中国物流業界のモバイルインターネットへの移行は、まだまだ終わりません」と彼は言い足した。

中国の物流業界で、最近巨額の投資ラウンドの資金調達を果たした企業には、この他にManbang(マンバング)やYTOがある。

Lalamove(中国ではホウララと呼ばれている)の今回のシリーズEラウンドの発表によれば、2020年初め、新型コロナウイルスのパンデミックにより貨物量が93%落ち込んだが強力な回復を見せ、注文量は11月前の段階ですでに前年比82%を記録したということだ。

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タグ:Lalamove物流中国

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(翻訳:金井哲夫)

インドネシアのロジスティクス事業拡大に向けてWaresixがTrukitaを買収

写真左はWaresix共同設立者・最高経営責任者Andree Susanto(アンドリー・スサント)氏、右はTrukita共同設立者・最高経営責任者Ady Bangun(アディ・バングン)氏

インドネシア最大級の物流管理スタートアップであるWaresixは、「ファーストマイル」に注力するTrukitaを買収した。この用語は、サプライチェーンのうち、港から倉庫まで商品が輸送される部分を指す。

Waresixのプラットフォームは、サプライチェーンとロジスティクスチェーンのあらゆる部分をデジタル化するが、現在はミッドマイルロジスティクスサービス、つまり倉庫から流通業者への輸送に注力している。Trukitaは1万台以上のトラックによるネットワークを所有しており、両社の組み合わせにより、「インドネシア最大のロジスティクステクノロジープロバイダーの1つとなりました」と、Waresixの共同設立者で最高経営責任者を務めるAndree Susanto(アンドリー・スサント)氏は述べている。WaresixとTrukitaはどちらも企業を荷主や倉庫に接続することで事業を展開しており、今回の買収により顧客のコストを削減することが可能になる。

Waresixは2020年9月、EV Growth、Jungle Ventures、SoftBank Ventures Asiaなどの投資家から2019年を上回る約1億ドル(約103億円)の資金調達を行った(PR Newswire記事)と発表した。同社は世界で4番目に人口の多いインドネシア全土で、375以上の倉庫と4万台以上のトラックを扱っており、現在は100以上の都市にサービスを提供している。

インドネシアは1万7500以上の島々からなる群島であり、そのうち6000の島々が人が住んでいる。そのため、インドネシアの地理はロジスティクス企業、特に大都市以外で事業を展開している企業にとって、他では見られない問題を生じさせる。商品が最終目的地に到着するまでに、サプライチェーンは複数の船やトラック、そしていくつもの倉庫をまたがって使用しなければならないのだ。物流コストの高さはインドネシア経済に大きな影響を与えており、政府は現在、より多くのインフラを整備したり、データベースを統合したり、輸出入ライセンスを簡素化するための取り組みを行っている(The Jakarta Post記事)。

インドネシアの複雑なロジスティクス事情はWaresix、Kargo、Ritaseのような物流スタートアップを誕生させた。これらの企業は、中間業者を排除し、リアルタイムで出荷を管理し、データ分析を利用して、サプライチェーンにおける非効率性を発見することに力を注いでいる。

Trukitaは2017年に設立された。その投資家にはAstra International、EverHaüs、Plug and Playなどが名を連ねている。

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タグ:WaresixTrukitaインドネシアサプライチェーン物流買収

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(翻訳:TechCrunch Japan)

eコマースロジスティックスのShippitが23.6億円調達、東南アジア事業拡大を目指す

Shippit(オーストラリア、シドニー)のeコマースのロジスティックスのプラットフォーム、ShippitがTiger GlobalがリードするラウンドBで3000万豪ドル(約23億6000万円)を調達することに成功した。ラウンドにはJason Lengaも加わっている。同社はこの資金により東南アジアにおける存在を拡大する計画だ。2014年に創立されたShippitはロジスティックス全般を効率化することを目的とする。同社は発注に対する最適の配送業者の選定、積荷のトラッキング、返品の処理などを自動化するテクノロジーを持つ。

今回のシリーズBによりShipitは2017年以降、4100万豪ドル(約32億2000万円)を調達したことになる。資金は東南アジアを中心とする事業拡大に使用され、ソフトウェア開発者50人を含む100人を新規採用し、社員数を倍増させる計画だ。

Shippitによれば、現在オーストラリアでSephora、Target、Big W、Temple&Websterなど数千の小売業者の配送を月に500万件処理しているという。同社は5月にシンガポール、8月にマレーシアにオフィスを開設した。

共同ファウンダーで共同CEOのWilliam On(ウィリアム・オン)氏はTechCrunchの取材に対してこう語った。

東南アジアは5年以内に世界最大のeコマース市場になると予測されています。我々がターゲットとする市場は東南アジアだけですでにオーストラリアの5倍、米国の2倍の規模です。我々はフィリピンとインドネシアへの事業拡大を検討しています。東南アジア事業については今後3年間、最低でも前年比100%の成長を見込んでいます。

オン氏はまた「オーストラリにおけるShippitの事業も、過去12カ月で取扱量が3倍に増加しました」と述べた。

eコマースが拡大する中、新型コロナウイルス流行によるサプライチェーンとロジスティクスチェーンの不安定性があらわになったことはShippitのようなロジスティックスサービスの重要性を強調することとなった。アジア太平洋地域の電子商取引はパンデミック以前に急成長路線に乗っていた。Forresterによれば、こ同地域のオンライン小売売上高は2019年の1兆5000億ドル(約156兆円)から、2024年には2兆5000億ドル(約260兆円)へと、年平均成長率11.3%で成長すると予測している。

ライバルのスタートアップにはShipStation、EasyShip、Shippoなどがある。Shippitの競争戦略は、オンラインショッピングをできるかぎりシンプルにすることだという。このためオンラインショッピングカートと運送業者割当エンジンの統合などを目指している。これにより注文と同時に最適な運送業者の
決定までが自動的に行われるようになる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

eコマース需要増で事業好調のロジスティックShipMonkが約303億円調達

いくつかの学生向け事業計画コンペティションで獲得した賞金7万ドル(約730万円)をもとにJan Bednar(ジャン・ベンドナー)氏はShipMonk(シップモンク)をはじめ、このほど2億9000万ドル(約303億円)の資金調達をクローズしたばかりの事業を立ち上げた。会社はフロリダの真ん中にある、エアコンもついていない小さな倉庫で始まった。

ベンドナー氏の新しいオフィスはまだ倉庫の中にあるが、いまはエアコンがついている。そして事業を成長させるためにSummit Partnersから調達した2億9000万ドルを手にしている。

フロリダのフォートローダーデールに拠点を置くShipMonkは配送およびロジスティックのサービスを中小のeコマース企業に提供している。現在も続く新型コロナウイルスパンデミックの影響で事業は好調だ。

「当社は中小企業と中流層向けのD2C企業が自社のサプライチェーンを管理するのをサポートしています。プロダクトをサプライヤーから施設へと移し、B2Bを含む販売チャンネルにつなげるのを手伝い、注文管理、輸送管理、リバース・ロジスティックをサポートしています」とベンドナー氏は話した。

ShipMonkの大手の顧客企業は売上高1億5000万ドル〜2億5000万ドル(約157億〜261億円)の間で予約できるが、同社の顧客の大半は実際には平均100万ドル〜1000万ドル(約1億〜10億円)で予約する零細企業だ。

ShipMonkがペンシルベニア、カリフォルニア、フロリダにある倉庫を6万SKUで一杯にするのはこうした零細企業のためだ。サービスを提供する顧客1社あたり約50もの異なるアイテムを管理する。

ShipMonkは新たに調達した資金を自動化サービスのアップグレードとスタッフの増強に使う予定で、海外展開も視野に入れているとベンドナー氏は話した。

最初から収益性が高かったShipMonkは売上高が1億4000万ドル(約146億円)増加するという最高の年を迎えた。

ベンドナー氏は1人で事業を始めたが、すぐさま共同創業者Kevin Sides(ケヴィン・サイズ)氏を引き込んだ。サイズ氏はマーケティングを担当していて、チェコ共和国出身のVash Jares(ヴァッシュ・ジャレス)氏が最高テクノロジー責任者を務めている。

どのようにしてジャレス氏がShipMonkに加わったのかというストーリーは、ベンドナー氏がフォートローダーデールのビーチからテックとロジスティックの事業を成長させることになった奮闘ぶりを示すものだ。

チェコ共和国のトップのテック大学の学生だったジャレス氏をShipMonkに導いたのはフロリダの天気だった。ベンドナー氏は1月中旬、会社で働くインターン(無給、しかし部屋と食事は提供)の募集を大学の求職案内板に出した。応募は山ほどきた。しかしインターン職を射止めたのは14才のときからコンピュータをいじってきたプログラマーのジャレス氏だった。

そこからShipMonkの歴史が始まる。ジャレス氏は1日に20時間もコーディングに費やし、同社の初期サービスのための膨大なバックエンドを構築した。

慎ましさとハードワークによってShipMonkのビジネスは大盛況となった。1万5000平方フィート(約1400平方メートル)だった倉庫スペースは、全米に拡大したロジスティックサービスも含め100万平方フィート(約9万3000平方メートル)近くに拡大した。

新規の投資ラウンドのタイミングは最高だ。全米小売業協会は2020年のオンライン売上高が20%増の2020億ドル(約21兆1000億円)に達すると予想している。

ShipMonkが用意したAdobe Analyticsのデータによると、ブラックフライデーだけでもオンラインでの購入額は90億ドル(約9400億円)に上った。そして消費者の支出は、パンデミックがまだ米国の消費者の健康と安全を脅かし続けているために、引き続きオンラインに向かっている。

ShipMonkのテクノロジーは販売チャンネルからのオーダーをインポートするためにショッピングカートやShopifyのようなマーケットプレイスプラットフォームを統合している。そしてShipMonkは同社の倉庫でオーダーを処理する。同社によると、顧客は運用コストを最大50%節約できるという。

「ShipMonkは自己開始型で耐久性のあるグロースマインドセットの力を真に示していると確信しています。(CEOの)ジャンはマーケットにあった大きなギャップに気づき、ShipMonkのチームとともに需要に応えるために意図的に、そして資本効率のいいやり方で事業を拡大してきました。結果は目覚ましいものです」とSummit PartnersのマネージングパートナーChristopher Dean(クリストファー・ディーン)氏は語った。同氏はShipMonkの役員会に加わる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ShipMonk物流資金調達

画像クレジット:Kmatta / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

運送業者の積荷共有を手配するFlock Freightが119億円調達、ソフトバンクやボルボらが出資

何千、何万台というトラックが毎日貨物を載せて米国の幹線道路を走り、消費財、電子機器、自動車、農作物を配送センターへ、最終的には家庭へと送り届けて経済を支えている。そのトラックの内側はほとんどが半分空っぽだ。カリフォルニア州サンディエゴの設立5年のスタートアップFlock Freight(フロック・フレイト)は、その場所が業界を変えると信じている。

そしていま、それを試して実行するための資金を手に入れた。

米国時間12月2日にFlock Freightは、シリーズCラウンドでSoftBank Vision Fund 2(ソフトバンク・ビジョンファンド2)から1億1350万ドル(約118億6000万円)調達したと発表した。既存出資者のSignalFire、GLP Capital PartnersおよびGoogle Venturesも参加し、戦略パートナーであるVolvo Group Venture Capitalが新たに少額を出資した。SoftBank Investment AdvisersのマネージングパートナーであるErvin Tu(アービン・トゥ)氏がFlock Freightの取締役に就任する。これまでに同社は総額1億8400万ドル(約192億2000万円)の資金を調達し、資金調達後の会社価値は5億ドル(約522億3000万円)になる、と本件に詳しい情報筋がBloomberg(ブルームバーグ)の速報を裏付けた。

ここ数年、テクノロジーでトラック輸送を変えようとするスタートアップが数多く出現している。トラック輸送は米国内の輸送の70%以上を受け持つ米国経済の柱であり、彼らはそれをもっと効率の良いマシンに変えようとしている。ほとんどのスタートアップは、トラック運転手と運送業者を結ぶデジタル運送ネットワークを作ることに焦点を合わせている。

しかしFlock Freightは、貨物そのものに注目した。この会社はさまざまな貨物を1つの共有積載として集約することで貨物輸送の効率を高める。Flock Freightによると、同社のソフトウェアは、多くのトラックが積載量の半分以下しか貨物を載せていない(業界でLTLと呼ばれている)伝統的な「ハブとスポーク」システムを回避する。同じ方向に行く貨物を1台のトラックにまとめることによって、運送関連の二酸化炭素排出量を40%減らせると同社はいう。

新たな資金は従業員を増やすために使われる。現在同社には129名の従業員がいる。

「テクノロジーによるワークフローの自動化によって効率を改善するデジタル貨物マッチング方式と異なり、Flock Freightはテクノロジーを使って、貨物輸送の効率を高める新しい運送モデル(共有積載)を作りました。Flock Freightのアルゴリズムによって、運送業者は長さ44フィート(13.4m)までの荷台のLTL(空きスペース)問題を心配しなくてよくなります。代わりに 「shared truckload」(共有積載)として利用できるのです」とFlock FreightのファウンダーでCEOのOren Zaslansky(オーレン・ザスランスキー)氏が声明で語った。「運送業者はFlock Freightの効率のよい共有積載ソリューションを利用して需要の増加と高まる緊急性に対応できます」。

このうたい文句には、VolvoやSoftBankをはじめとするさまざまなベンチャーキャピタルや企業投資家を引きつけるだけの説得力があった。

「Flock Freightは何十万という運送業者のサプライチェーン効率を改善します。私たちの投資は同社が事業規模を拡大し、より大きな市場シェアを獲得する能力を加速することが目的です」とSoftBank Investment Advisersのマネージング・パートナーであるトゥ氏は語った。

関連記事:トラック輸送の改善に取り組むサンディエゴのFlock Freight

カテゴリー:モビリティ
タグ:Flock Freight物流SoftBank Vision Fund資金調達

画像クレジット:Flock Freight

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

小さなeコマース企業のフルフィルメントを代行し自動化するBigblue

360万ドル(300万ユーロ、約3億7000万円)のシードラウンドを終えたばかりのフランスのスタートアップBigblueは、ヨーロッパにおける、フルフィルメントのエンドツーエンドソリューションを作っている。自分のウェブサイトで、複数のマーケットプレイスに製品を売っている人は、これからは販売が成立した後のあらゆる処理をBigblueが面倒見てくれる。

Bigblueは、車輪を再発明しようとはしない。むしろ同社は既存のロジスティクス企業と協力し、ユーザーはただBigblueとだけ関係を持てば良いようにする。そしてBigblueが複数のロジスティクス企業のフルフィルメントセンターと協力してユーザーの製品を保存し、配送は複数の運送業者から選ぶ。

基本的にBigblueは、ユーザーの顧客体験を改善する。Bigblueを使うようになると、ユーザーは製品を指定のフルフィルメントセンターに送り、自分のオンラインストアにBigblueを統合する。同社はすでにShopifyやWooCommerce、Magento、Wix Store、Prestashop、Fastmag、そしてAmazon(アマゾン)のマーケットプレースと統合している。

クライアントが製品をオーダーすると、それは直接、製品の在庫のあるフルフィルメントセンターで包装され配送されてその顧客に届く。Bigblueの顧客が払う料金は、単一の定額だ。ユーザーはそれを払うだけで後は何もしなくてよい。その品物はDHLで送るか、それともChronopostを使うかなどを、ユーザーはいっさい気にしない。Bigblueが正しい運送業者をユーザーに代わって選んでくれる。

ユーザーは、配送が現在どうなっているかをBigblueのサイトでチェックできる。自分の品物のうち、未発送のものがどれかもわかる。発送の通知は、ユーザーにメールで届く。

小さなeコマース企業が良質なロジスティクスのネットワークを築くのは困難だが、Bigblueを利用すれば、アマゾンの大きなeコマースウェブサイトとも互角に競合できる。自社でロジスティクスのチームを持たなくても、顧客体験を向上できる。

同社のシードラウンドはSamaipataがリードし、Bpifranceが参加した。そのほかPlug and PlayやClément Benoit(クレメント・ブノワ)氏、Thibaud Elziere(ティボー・エルジエール)氏、そしてOlivier Bonnet(オリビエ・ボンネット)氏も同社に投資した。

新たに得た資金で同社は50名を新たに雇用し、プロダクトを改良する。統合先のeコマースプラットホームやERPそしてマーケットプレースも、今後もっと増やしたい。また、Bigblue自身の配送追跡ページとメールを個人化するツールキットも作ろうとしている。そして同社は、返品処理や配送所要時間の改善も目指している。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Bigblueeコマース物流

画像クレジット:Bigblue

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

駐車場を有効活用するREEF Technologyがソフトバンクなどから7億ドルを調達

SoftBank(ソフトバンク)とMubadala Corp.(ムバダラ・コーポレーション)は、米国の商業用不動産ビジネスでの大胆な振る舞いを止めることはないようだ。WeWork(ウィワーク)の破たん後も、この2社は、7億ドル(約731億円)をREEF Technology(リーフ・テクノロジー)に投資する企業連合に参加して、同様のビジネスモデルへの投資を強化している。

リーフの前身は、駐車場向けの設備、ソフトウェア、管理サービスを提供する企業としてマイアミで創業したParkJockey(パークジョッキー)だ。同社は創業以来、基本的なビジネスモデルを忠実に守りながら、ビジョンを拡大してきた。現在も駐車場の管理サービスを提供しているが、それに加えて、クラウドキッチン、ヘルスケアクリニック、ロジスティクス、ラストマイル配送などのインフラ、さらには、使われなくなった駐車場や駐車用建造物に小売用の実店舗や体験型の消費者向けスペースを設置して有効活用する事業を展開している。

ウィワークと同様に、リーフは運営する不動産のほとんどをリースで確保し、改装してからテナントに貸し出している(またはスペース自体を使用している)。一方、ウィワークと異なるのは、特に新型コロナウイルス感染症のパンデミック拡大防止対策をうけて加速したビジネス好機を非常にうまくとらえている点だ。

そう言える理由の1つは、リーフが敷地内で自社のビジネスを運営し、スタートアップ企業と協力して、地元の企業だからこそ成功し収益をあげられる商品やサービスを提供しているという点だ。

リーフの共同創業者兼CEOであるAri Ojalvo(アリ・オヤルヴォ)氏によると、今回調達した資金は、拠点数を現在の約4800か所から全国1万か所へと拡大し、駐車場を「地域のハブ」へと生まれ変わらせるために使用されるという。

ソフトバンクとムバダラは、プライベートエクイティや金融投資の巨人であるOaktree(オークツリー)、UBS Asset Management(UBSアセットマネジメント)、欧州のベンチャーキャピタルであるTarget Global(ターゲット・グローバル)と共に、リーフに対して巨額なエクイティファイナンスを行うための資金を提供している。一方、ブルームバーグが月曜日に報じたように、リーフとオークツリーは3億ドル(約313億円)の不動産投資ビークルであるNeighborhood Property Group(ネイバーフッド・プロパティ・グループ)でも提携している。

総じて、「地域の店舗版ウィワーク」とも言えるリーフは、「proximity-as-a-service(サービスとしての近接空間)」プラットフォームと呼ぶものを構築するために10億ドル(約1040億円)の資金を持っている。

2018年にソフトバンクから部分出資を受け(同社を10億ドル(約1040億円)と評価したと報じられている投資)、パークジャッキーからリーフ・テクノロジーへと変貌を遂げて以来、同社はバーチャルレストランチェーンの増加をサポートするために、活況を呈するクラウドキッチン事業を追加した。

さらに、ラストマイル配送の新興企業であるBond(ボンド)および物流大手のDHL、全国的なプライマリーヘルスケアサービスのクリニック運営およびテクノロジー開発企業であるCarbon Health(カーボンヘルス)、電気自動車の充電およびメンテナンス企業であるGet Charged(ゲットチャージド)、そしてロンドンの事業所では、新しい垂直農業開発企業であるCrate to Plate(クレート・トゥ・プレート)など、多くのサービスプロバイダーをパートナーに加えてきた(ちなみに、オヤルヴォ氏によると、クレート・トゥ・プレートについては、米国の既存の垂直農業企業との提携の可能性を探るべく現在交渉中であるという)。

オヤルヴォ氏によると、同社は来年、オースティンで運営しているスペースに、最初の体験型の屋外エンターテイメント施設を立ち上げる予定とのことだ。

そしてさらにその先には、同社は21世紀のスマートシティを牽引するデータ処理センターや通信ゲートウェイのハブとしての役割を果たす機会を見据えている、とオヤルヴォ氏は語る。

「エッジコンピューティングを行う企業や5Gの準備をしている企業からの関心が寄せられている。データとインフラストラクチャは、地域のハブにとって、まるで電気のように重要なものだ。電気と接続がなければ、望み通りの未来を築くことはできない」と同氏は続ける。

ドジャースタジアムの駐車場にレンタカーが保管されている。2020年5月27日水曜日、米国カリフォルニア州ロサンゼルス上空から撮影。Hertz Global Holdings Inc.(ハーツ・グローバル・ホールティングス)は、経営破たんにあたり、可能な限り多くのレンタカーを売却し、パンデミック後の経済において減少が見込まれる需要に合わせることにしている(画像:Bing Guan/Bloomberg via Getty Images)

同社の収益源の大部分は駐車場事業だが、クラウドキッチン事業の拡大が続けば、その図式も変化していくとオヤルヴォ氏は考えている。「当社のクラウドキッチンサービスであるNeighborhood Kitchens(ネイバーフッド・キッチンズ)は、駐車場以外の収益の重要な部分を占めるようになる」と同氏は語る。

リーフはすでに北米の20以上の都市で100以上のネイバーフッド・キッチンズを運営しているが、対応地域の拡大にともない、その数はさらに増えていくだろう。リーフは、David Chang(デビッド・チャン)のFuku(フク)のような有名シェフのバーチャルキッチンをホストしているほか、同社によると、ニューヨークのチェーン店Jack’s Wife Freda(ジャックズ・ワイフ・フレダ)やマイアミのMichelle Bernstein(ミシェル・バーンスタイン)のキッチンのような、地元で愛されるレストランへのライフラインを提供している。

このようなレストランの中には、リーフが運営する各地のキッチンで採用した従業員を活用しているものもある。これは、ウィワークとリーフのもう1つの違いだ。リーフはスペースを提供するだけでなく、多くの場合、労働力を提供しビジネスの規模拡大も支援している。

すでに1000人以上のキッチンワーカーを雇用しており、彼らはレストランで料理の下ごしらえをしている。また、リーフは5月初めに、ある会社を買収し、オンデマンド配送のバックエンドサービスを統合した。

この戦略は、同社の他のサービス事業にも適用される可能性が高い。

「当社は近接空間のプラットフォームを構築している。この近接性は、駐車場や駐車ガレージに設置された店舗設備によって推進されており、それによって、あらゆる種類の企業がその近接空間をプラットフォームとして使用することが可能になる。基本的にはテナントが活用できるマーケットプレイスを構築している」とオヤルヴォ氏は述べる。

英国、カーディフ、12月22日:2018年12月22日、英国カーディフで夜間配達中のDeliveroo配達員(写真 Matthew Horwood/Getty Images)

事業拡大に向けて資金を調達するリーフは、アムステルダムからアリゾナ州テンピに至るまで、各都市の市長たちが支持している都市開発の新理論「15分シティ(快適な都市生活に必要なアメニティが15分以上離れていない都市)」を活用している。

それは価値のある目標だが、市長たちがアクセスしやすいアメニティの可用性を重視している一方、リーフのリーダーたちは、近隣住民がアクセスしやすく、多目的に利用できる駐車場やガレージはごく一部にすぎないことを認めている。広報担当者によると、同社が計画している1万件の事業案件のうち、近隣住民のアクセスを促進するようなマルチユースのモール環境が整備されるのは数百件にとどまるという。代わりに、そのビジネスは、ほとんどの配達サービスは15分以上離れていないはずだという考えに基づいているようだ。

これは別のプロジェクトだが、多くの支持者がいる。Zuul(ズール)、Kitchen United(キッチン・ユナイテッド)、Travis Kalanick(トラビス・カラニック)氏のCloud Kitchens(クラウド・キッチンズ)のようなクラウドキッチンのプロバイダーは、すべて同じ理念を持っていると言えるだろう。Uberの共同創業者であり、ソフトバンクから数十億ドルの資金を調達したことがある元CEOのカラニック氏は、City Storage Systems(シティ・ストレージ・システムズ)という投資ビークルの下で米国とアジアの不動産を買収してきたが、これも駐車場や廃墟となったモールをフルフィルメントセンターとして利用する事業だ。

大手小売企業もこの新しい収益源に注目しており、米国の小売大手の1つであるKroger(クローガー)は中西部でゴーストキッチンの実験を行っている。

それだけでは不十分な場合でも、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる景気後退とパンデミックを抑えるための政府の対策のおかげで、すでに市場に出回っている利用率の低い資産が数多くある。

あるベンチャー投資家はメールの中で次のように書いている。「国内の大手企業(スターバックス、マクドナルド、ドミノなど)が焦点を当てているように見えるドライブスルーやカーブサイドピックアップに対して、配送業者が今後数年の間どのようにうまく対応していくかによって大きく異なると思う。しかし、配送業者はこれらのスペースを活用する方法には限りがあるが、それに対して、小売業者にはステージングやパッケージの返品に使用できる低コストの小売スペースがたくさんあると言える。既存の駐車場にモジュラーやプレハブのユニットを追加して、拡大のための柔軟性を提供する余地はあるかもしれないが、誰もが急速に成長しているというわけではない。新しい活用方法を探している小売店やオフィスのための商業スペースと、有効活用のために転換された駐車場をどのように比較して考えればいいのか、まだよくわからない」。

リーフ・テクノロジーのラストマイル配送車とDHLブランドの配送車(画像クレジット:REEF Technology)

米国の現代生活を、1年という短いスパンで急速に、これほどまでに変えてしまった新型コロナウイルス感染症の発生が都市環境変革の衝動を生み出したわけではないが、その変革を大きく加速させたことは間違いない。

リーフが認識しているように、都市には未来がかかっている。

2050年までに世界の人口の約3分の2が都市に住むことになり、世界の大都市では、これまで効果的に対処できていなかった経済、市民、環境の変化の圧力により歪が生じている。

モビリティ、ひいてはそれを支える車両を保管し、維持する場所が問題の一部となっている。リーフが指摘するように、現代の米国の平均的な都市の約半分は駐車場に充てられているが、公園が占めているスペースは都市空間の10%にすぎない。リーフの言葉は駐車場の世界を楽園のような空間に変えることを中心に据えているが、その言葉とは裏腹に、コミュニティの交流ではなく、(少なくとも今のところは)商業的なニーズが配達によって満たされるように個人を個々のスペースに隔離することで収益を得ているのが実情である。

それでも、何かを変えなければならないという事実は変わらない。

投資会社Urban.Us(アーバンUs、リーフの投資者ではない)を通じた都市環境の変革への投資家であるStonly Baptiste Blue(ストンリー・バティスト・ブルー)氏はこう語る。「従来のデベロッパーや地域の政策は、新しいテクノロジーや運営モデルの導入に腰が重い。しかし、より良い『都市製品』への需要は高まっており、環境と私たちの生活のために都市をより良いものにしたいというニーズはかつてないほど大きくなっている。未来の都市を建設するという夢は決して消えることはない。今、その夢を支援しているのがベンチャーキャピタルだ」。

関連記事:インドネシアの物流プラットフォームLogislyがトラックによる運送のデジタル化で約6億円を調達

カテゴリー:モビリティ

タグ:資金調達 物流

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(翻訳:Dragonfly)

インドネシアの物流プラットフォームLogislyがトラックによる運送のデジタル化で約6億円を調達

インドネシアのロジスティクス産業はとても細分化されており(GBG Indonesia記事)で、数社の大手と何千もの零細企業が併存している。ユーザーは荷種や送り先などに応じてさまざまな業者に運送を頼むことになり、費用も高く、サプライチェーンの管理も難しい。ジャカルタ発のスタートアップLogislyは、「B2Bのテクノロジーによるロジスティクスプラットフォーム」をうたい、米国時間11月2日にシリーズAで600万ドル(約6億3000万円)を調達したことを発表した。資金はインドネシアにおけるロジスティクスの合理化に投じられる。このラウンドは、Monk’s Hill Venturesがリードした。

これにより2019年に創業されたLogislyの総調達額は700万ドル(約7億3000万円)になる。同社のプラットフォームは、受発注と経営管理およびトラックの追跡をデジタル化する。同社はまず、運送業者を検証してからLogislyのプラットフォームに追加する。その後、荷主であるクライアントをトラック輸送のプロバイダーと結びつける。そのために供給と需要と集積してまとめるアルゴリズムを使用している。これにより品物を送りたい企業はトラックを早く見つけることが可能になり、運送業者はトラックに空きスペースが大量に存在する状況をなくすことができる。

共同創業者でCEOのRoolin Njotosetiadi(ルーリン・ンジョトセチアディ)氏は「インドネシアでは常時40%のトラックが稼働しており、残りは暇だったり空荷で帰路についている。この大きな無駄により、ロジスティクスのコストが上がり、デリバリーに遅れが生じている」と語っている。

ンジョトセチアディ氏によるとLogislyは、「インドネシア最大のトラック輸送ネットワークを作り、低コストで信頼性の高いトラックが常時利用できる状態を作りたい」という。

Logislyは現在、インドネシアで1000社あまりが発送者側のユーザーで、eコマースや消費者製品の高速輸送、化学企業、建設業などの業種が多い。これに対して、同社に登録している運送企業はおよそ300社で、トラックの総台数は4万台だ。Logislyの今回のシリーズAは、製品開発の他にこれら運送企業のネットワークの拡大にも投じられる。

同社のクライアントにはインドネシアの大手運送業者も含まれ、UnileverやHaier、Grab、Maersk、JD.IDなど、世界的な企業の名前も見られる。なおJD.IDは、中国最大のeコマース企業JD.comの子会社となる運送会社だ。

インドネシアのロジスティクス業界を狙うVC支援のスタートアップとして、ほかにeコマースのShipperやロジスティクスプラットホームのWaresix、Kargoなどが挙げられる。

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タグ:Logislyロジスティクスインドネシア資金調達

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

香港とニューヨークに拠点のあるEasyshipがShopify Plusのテクノロジーパートナーに

eコマースの売り手が自分のストアに複数の配送業者を加えことのできるロジスティクスのスタートアップEasyshipが、Shopify Plusのテクノロジーパートナー事業に参加したことを発表した。同社は香港とニューヨークに本社がある。共同創業者のTommaso Tamburnotti(トムマソ・タンブルノッティ)氏によると、EasyshipはShopifyの大企業や大量販売企業のためのeコマースサービスであるShopify Plusで唯一のアジアの配送企業だという。

Easyshipは2015年に、東南アジアのeコマース大手Lazadaにいたタンブルノッティ氏とAugustin Ceyrac(オーガスティン・セイラック)氏そして銀行家のPaul Lugagne Delpon(ポール・ルガーニュ・デルポン)氏が創業した。現在、Easyshipのプラットフォームには、UPSやFedEx、DHLなど250以上の配送オプションがあり、事前に交渉した割引料金、税金や関税などの作業の自動化などが用意されている。Easyshipによると、これまでに10万以上のクライアントにサービスを提供してきた。

OECD(経済協力開発機構)の報告書によると、新型コロナウイルスのパンデミックの間に国際郵便小包の発送量は増加し、特に電気機械や医薬品、機械器具、付属品などが増えた。それと同時に、税関や移動規制、航空交通量の減少は国境を越えた販売者にとって新たな課題を生み出している。

タンブルノッティ氏によると、新型コロナは「物流業界に大打撃」を与え、中国でのメーカーの操業停止を皮切りに、多くのeコマース消費者ブランドに遅延をもたらしたという。

しかし中国の工場が再開してからは生産が急増し、全世界のeコマースの注文は約80%増加したとう。一般的に小包を運ぶ商業旅客便の数が減少したことで、配達までの待ち時間が長くなり、宅配便の料金が増加した。

Easyshipは香港とニューヨークに本社を置くほか、シンガポール、ロンドン、オーストラリアにもオフィスを構えており、タンブルノッティ氏は「真のグローバル企業であることは、世界中の顧客に配送ソリューションを提供することに役立っています」と述べている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

急成長するタイの物流スタートアップFlash Expressが約210億円を調達

タイのeコマース企業と協業している創業2年のロジスティックスタートアップFlash Express(フラッシュ・エクスプレス)は米国時間10月12日、新たな投資ラウンドで2億ドル(約210億円)を調達したと発表した。新型コロナウイルスのパンデミックによる需要で急成長中のマーケットに賭けるようだ。

シリーズDラウンドは、タイのコングロマリットである石油大手PTTの子会社PTT Oil and Retail Business Public Company Limitedがリードした。他に、東南アジアで大きなコングロマリットであるDurbelとKrungsri Finnovateも本ラウンドに参加し、Flash Expressのこれまでの調達総額は4億ドル(約420億円)になった。

ドアツードアのピックアップと配達サービスを展開しているFlash Expressは、この分野における民間企業としては2番目の規模だと主張している。Alibabaからも出資を受けているFlash Expressは小包1つの配達料金60セント(約58円)という低価格でマーケットに参入し、あっという間にかなりのマーケットシェアを獲得した。

同社はこの1年間、積極的に事業を拡大した。2019年の今頃、同社の配達拠点は1100カ所だったが現在では5000カ所を超え、138年の歴史を持つ郵便事業者のThailand Postを上回っている。

Flash Expressは現在、1日あたり小包100万個を配達している。昨年の今頃は5万個だった。同社はまた、完全自動分別システムにより1分間に小包10万個をさばけるようにするテクノロジーにもかなり投資した、としている。

CEOのKomsan Lee(コムサン・リー)氏は、調達した資金は新たなサービスの導入や他の東南アジアマーケットへの進出(具体的な国名は明らかにしなかった)にあてる計画だと述べた。「当社はまた、配達の質を高め、ロジスティックの効率化を図れる新たなテクノロジーの開発も準備している。さらに重要なことには、当社は中小企業の投資コストを下げることでそうした企業をサポートしたいと考えている。これは長期的にデジタル時代のタイ経済全体に貢献するものだと確信している」。

Retail Business Public Company Limitedは、増大する消費者の需要に対応するためにFlash Expressのロジスティックネットワークを活用する計画だ、と企業戦略、イノベーション、持続可能性を担当する上級副社長のRajsuda Rangsiyakull(ラージスダ・ランシヤックル)氏は述べている。

Flash Expressは、同様にAlibabaから出資を受けているBest Express(ベスト・エクスプレス)、2019年8月にIPOを申請したKerry Express(ケリー・エクスプレス)と競合する。

オンラインショッピングやデリバリーはここ数カ月急増したが、タイのロジスティックマーケット全体は今年、史上初めて縮小するとの予測がある。タイ運輸・物流協会の会長Chumpol Saichuer(チュンポール・サイチュアー)氏は先月、タイのロジスティック事業はすでに世界経済後退で大きな打撃を受けていると述べた。

カテゴリー:ニュース
タグ:Flash Expressタイ物流 / ロジスティクス資金調達

画像クレジット:Flash Express

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(翻訳:Mizoguchi

中国物流大手YTOが海外展開強化へアリババから1025億円調達

eコマースは過去10年で中国に物流ブームをもたらし、小さな町の配達業者を複数の国で事業を展開する会社に変えた。業界をリードする1社であるYTOは長年のパートナーかつ顧客であるAlibaba(アリババ)から66億人民元(約1025億円)を調達し、国際展開を積極的に進めようとしている。

設立20年のYTOは今週、3億7900万株を1株あたり17.4人民元(約270円)でAlibabaに売ると発表した。新規株の取得によりAlibabaの持ち分は10.5%から22.5%に増える。YTOの創業者2人の支配持ち分は41%となる。

発表によると、新たな投資によりAlibabaとYTOはグローバル展開を強化する野心的な取り組みの一環として、配達、航空貨物、グローバルネットワークとサプライチェーン、デジタルトランスフォーメーションなどで提携を深める。

Alibabaの広報担当は、顧客サービス能力をさらに高めるためにデジタル化とグローバリゼーションにフォーカスしたYTOとの戦略的提携をさらに強化できることを当社は喜んでいる、と述べた。

中国のエクスプレス配達マーケットで14%のシェアを占めているYTOは、5大物流会社の1社だ。これら5社は中国東部に位置する浙江省桐盧県で創業された。ライバルのSTO、ZT、 Best Express、Yundaと同様、YTOの興隆もAlibaba抜きには語れない。Alibabaは AmazonやJD.comと異なり、自前でインフラは構築せず、サードパーティーの物流サービスに頼っている。

eコマース大手のAlibabaはこれまで桐盧県にルーツを持つ物流大手5社にさまざまな額の出資を行い、グループの物流部門Cainiaoを介して関係を維持してきた。Cainiaoは年500億個の荷物をさばくためにベンダーと配達業者をマッチングしている。

YTOとCainiaoはすでに海外進出で提携していて、合弁会社が2018年に世界で最も貨物取扱量が多い香港国際空港にデジタルロジスティックセンターの建設を開始した。中国国営の航空会社、中国航空集団もまた合弁会社に出資していて、センターは早ければ2023年にもオペレーションを開始する見込みだ。

2019年の時点で、YTOは世界中に18法人と53のサービスステーションを置き、150カ国・地域で配達サービスを展開している。積極的な海外展開は、世界中に鉄道や通信ネットワーク、その他のインフラを構築するという中国の大きな計画、一帯一路により生み出され得るかなりの輸出チャンスを取り込むというさらに大きな目標に合致するものだ。

画像クレジット: Visual China Group / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ロボティクスプラットフォームのRapyuta RoboticsがBizTech ファンドから資金調達

Rapyuta Robotics rapyuta.io マーキュリア

ロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」提供のRapyuta Roboticsは7月20日、マーキュリアインベストメントおよび伊藤忠商事が共同組成したBizTech ファンド(マーキュリア・ビズテック投資事業有限責任組合)からの資金調達を発表した。調達額は非公開。

調達した資金は、複数・異種ロボットの協調連携を実現する、同社独自の群制御AIおよびソフトウェアの開発に投資する予定。同分野は、まだ世界的にも黎明期にあり、rapyuta.ioの技術を発揮できる分野であること、様々な商品を扱う倉庫物流を自動化する上で不可欠な技術となることから、戦略的な注力分野と位置づけているという。

Rapyuta Roboticsは、チューリッヒ工科大学(ETH Zürich)からスピンオフした大学発スタートアップ。2014年7月設立の同社はEU出資の研究プロジェクト「RoboEarth」出身チームにより日本で創業した。

「ロボットを便利で身近に」をビジョンに掲げ、世界でも最先端の制御技術および人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」を開発。

複数および複数種類のロボットの協調制御を得意としており、特に倉庫物流の自動化に注力している。自律移動ロボットや自動フォークリフト、ロボットアームなど、多種多様、かつ複数のロボットを、クラウドから一括管理し、協調制御や、ロボットナビゲーションなどが可能となる。

また、rapyuta.ioにより、システム構成要素を一から作り上げる必要がなくなり、ユーザーが得意とする技術分野の開発に集中できるとしている。

2020年5月には、このプラットフォーム構想の第1歩として、物流倉庫用協働型ピッキングアシスタントロボット(自律走行型のAMR、Autonomous Mobile Robot)の商用化を実現した。

マーキュリアインベストメントは、日本政策投資銀⾏が中心となり設⽴された、東証一部上場のプライベート・エクイティ投資の運⽤企業。BizTech ファンドは、マーキュリアの戦略株主である伊藤忠商事を中心に、不動産・物流業界の事業会社をパートナーに迎え、当業界の変革に挑戦する企業の⽀援を目的としている。

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