高さ2mの65型有機ELディスプレイで等身大のAIキャラによる接客実現、Gateboxが法人向け大型召喚装置

高さ2mの65型有機ELディスプレイで等身大のAIキャラによる接客実現、Gateboxが法人向け大型召喚装置

Gateboxは3月8日、大型キャラクター召喚装置「Gatebox Grande」(ゲートボックス グランデ)を法人向けサービスとして発表した。特設サイト紹介ムービーを公開するとともに、導入を検討する企業・施設からの問い合わせ受付を開始した。

Gatebox Grandeは、Gateboxキャラクター「逢妻ヒカリ」(あづまひかり)や企業のオリジナルキャラクターなどを等身大サイズで召喚し、コミュニケーションを行えるという大型キャラクター召喚装置。キャラクターが本当にそこに「いる」と感じられる独自の映像表現技術とセンサー技術を組み合わせ、人が近づくとキャラクターが自律的に挨拶をしたりインタラクティブなやり取りを行えるという。

高さ2mの65型有機ELディスプレイで等身大のAIキャラによる接客実現、Gateboxが法人向け大型召喚装置

同社によると、かねてより法人から「等身大キャラクターを店舗や施設で表現したい」というニーズがあり、その要望に応えたそうだ。店舗・施設での接客、商品やサービスの紹介に活用することで、来店客に未来のおもてなし体験を提供できるとしている。

高さ約2mの65型有機ELディスプレイを採用し、4K画質の高精細キャラクターを等身大で召喚

Gatebox Grandeは、キャラクターが本当に「いる」と感じられるような実在感にとことんこだわって生み出したデバイス。

特殊な加工を施した、高さ約2mの65型OLED(有機EL)ディスプレイと、専用の大型フロントパネルを採用することで、高精細なキャラクターが本当にいるかのような体験を実現することに成功したという(特許申請中)。

高さ2mの65型有機ELディスプレイで等身大のAIキャラによる接客実現、Gateboxが法人向け大型召喚装置

また、Gatebox Grandeは深度センサーを搭載しており、近づいた人の距離を検知できる。これにより、人が近づくとキャラクターが自動的に挨拶をしたり、商品やサービスを紹介するなどのインタラクティブな接客体験が可能となっているという。ただ映像を流すだけではない、キャラクターの声や表情が加わった、温かみのある接客を来店客に提供できるという。

また奥行きサイズを1m以下(730mm)に抑えることに成功し、一般的な店舗や展示コーナーなどでも設置しやすいとしている。

    • 映像表示:OLED(有機EL)ディスプレイ(特殊表示。特許出願中)
    • 最大表示:1407.5×804mm
    • オーディオ:40W×2(ステレオ)
    • センサー:カメラ、マイク(オプション)
    • 通信:有線LAN
    • 外部入力:USB 3.0×2
    • 対応言語:日本語(他言語は応相談)
    • サイズ:幅1010×高さ2020×奥行き730mm(本体のみ)、幅240×高さ1050×奥行き240mm(スピーカー)
    • 重量:230kg(本体)、8.5kg(スピーカー)
    • 電源:AC 100V / Max 1000W

Gateboxは、「Living with Characters」をビジョンに掲げ、キャラクターと一緒に暮らせる世界の実現を目指して活動を行うスタートアップ企業。現在は、キャラクターとのコミュニケーションを可能にするキャラクター召喚装置「Gatebox」の企画・開発・販売を手がけている。

高さ2mの65型有機ELディスプレイで等身大のAIキャラによる接客実現、Gateboxが法人向け大型召喚装置

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カテゴリー:IoT(用語)
タグ:AI / 人工知能(用語)Gatebox
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医療現場の情報共有を促進する重症患者管理システム「iBSEN」開発のCROSS SYNCが1.5億円調達

医療現場の情報共有を促進する重症患者管理システム「iBSEN」開発のCROSS SYNCが1.5億円調達

横浜市立大学発のスタートアップCROSS SYNCは3月8日、第三者割当増資による総額約1億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、ファインデックス、日本政策投資銀行、豊田通商、コニカミノルタら。

これまでCROSS SYNCは、同社設立前に横浜市立大学において研究開発を行った技術を基に、医療現場における経験や専門知識に依存しない情報共有を加速する重症患者管理システム「iBSEN」(イプセン)を開発してきた。逼迫する集中治療の医療体制を支援するサービスの開発および提供体制の拡充が急務として、調達した資金はiBSENの開発および採用・組織体制の強化にあてる予定。

今後はiBSENの医療現場への実導入を推進し、幅広い現場のニーズや課題に対応できる製品に発展させることや、リアルワールドデータを活用したAIモデルによるユースケースの拡大、他の先端研究機関との連携、海外でのサービス展開へ向けた検証などを実現していく。

これにより、欧米諸国のみでも約90万人にも及ぶ防ぎ得た患者の死亡事例をなくすとともに、医療現場におけるDXによる働き方改革を推進する。

iBSENは、AIを活用した画像解析などにより高度な患者モニタリングや情報共有を行うシステム。医療現場に散在する医療情報を集約・解析・可視化することで、医療従事者が経験や知識に依存せず患者に対して高品質な見守りと評価をいつでも、どこからでも、どんなデバイスからでも提供できるとしている。

医療資源が優先的に投下されるべき状態にある患者をいち早く判断できるようにすることで、防ぎ得た急変や死亡をを減らせるようにできるほか、重症系病床の効率的な稼働、また、医療従事者の労務軽減にも資するという。

CROSS SYNCは、「ICU Anywhere」をビジョンに掲げる「横浜市立大学発」のスタートアップ。2019年10月、横浜市立大学附属病院の集中治療部部長を務める集中治療専門医の髙木医師らが設立した。「防ぎ得た患者様の急変や死亡をなくしたい」という思いを端緒に、「テクノロジー力で、医療現場の専門性をアシストする」をミッションに掲げ、AIをコア技術とする重症患者管理システム「iBSEN」を開発・提供している。

医療現場にあふれる医療情報の利活用を促進し、経験や専門知識に依存しない医療現場での情報共有を可能にすることで、新興感染症の拡大に対応した新たな医療体制の構築や超高齢化に伴う医療の需給バランスの崩壊といった社会課題の解決に鋭意取り組んでいく。

※ CROSS SYNCが、Leapfrog GroupおよびJohns Hopkins Armstrong Institute for Patient Safety and Quality「Lives Lost, Lives Saved: An Updated Comparative Analysis of Avoidable Deaths at Hospitals Graded by The Leaffrog Group」、eurostat「Avoidable deaths in 2016 – For people under 75, two deaths out of three in the EU could have been avoided」より算出

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:医療(用語)AI / 人工知能(用語)資金調達(用語)CROSS SYNC(企業)横浜市立大学(組織)日本(国・地域)

Preferred Networksと鹿島建設が建築現場用ロボ向けAI搭載自律移動システム開発、GNSS計測不可の屋内も対応

Preferred Networksと鹿島建設が建築現場用ロボ向けにAI搭載自律移動システムを開発

鹿島建設Preferred Networks(PFN)は3月4日、建築現場で使用するロボットが現場内を自律移動するためのシステム「iNoh」(アイノー)を共同開発したと発表した。

同システムを搭載することで、GNSS(全球測位衛星システム)や人による事前設定がない状態でも、各種ロボットがリアルタイムに自己位置や周辺環境を認識し、日々刻々と状況が変化する現場内を安全かつ確実に移動できるようになる。また、iNohを初搭載したAI清掃ロボット「raccoon」(ラクーン)を開発し、首都圏の現場に導入を開始した。

今後、raccoonを鹿島の建築現場に順次展開していく。あわせて、iNohを巡回ロボットや資材搬送ロボットなどに搭載し、建築現場へのロボットの普及・展開を促進するという。さらには、自律移動が求められる他産業ロボットへの展開も視野に入れて、iNohのさらなる機能向上に取り組む。

現在鹿島は、生産性向上や働き方改革の実現に向けて、建築現場でのロボット活用を進めているという。一方PFNは、自動運転やロボットの自律移動に必要な深層学習による高度な物体認識・制御等の技術を有しており、その実用化を目指し、建設業界向けには鹿島と共同研究に取り組んできたそうだ。

建築現場は、工事の進捗に応じて作業場所や周辺状況が刻々と変化すると同時に、屋内での作業が多くGNSSによる位置計測が行えない。このため、建築現場内におけるロボットの自律移動の実現には、そのような状況下でも開口部、資機材、高所作業車などの移動物や障害物、立入禁止エリア、さらには作業員を安全かつ確実に回避できる必要があり、実用化には多くの技術的課題があるという。

両社は、これらの課題解決に取り組む共同研究を2018年に開始。その後、現場の画像、3Dデータ、図面情報の収集および深層学習、コストを含めた実用的なセンサー構成の検討、現場での試行実験を積み重ね、iNohの開発に至った。今後、さらにデータを蓄積し、環境認識精度を継続的に向上させる予定としている。

Preferred Networksと鹿島建設が建築現場用ロボ向けにAI搭載自律移動システムを開発

自律移動システム「iNoh」のイメージ図

iNohの主な機能

  • マルチセンサーによる自己位置推定および3次元空間マッピング(SLAM技術):魚眼カメラ、LiDAR(レーザー照射による測距装置)、IMU(慣性計測装置)など複数センサーを統合することで、変化の激しい非GNSS環境においても自己位置の正確な推定が可能。また、得られたデータから3次元空間をマッピング
  • 深層学習による高度な周辺環境認識:深層学習技術を用いて現場の膨大な画像データを学習することにより、障害物や高所作業車などの移動物、立入禁止エリア、作業員などを正確に、かつ安定して認識可能
  • リアルタイムナビゲーション:ロボットが自己位置や周辺環境を認識し、障害物を回避した作業ルートをリアルタイムに自動生成するため、作業範囲を限定するマーカー類の設置など、人による事前設定が不要であり、現場納入後、即座に利用可能

また両社は、iNohを初実装した建築現場用のAI清掃ロボット「raccoon」を共同開発した。raccoonはふたつの清掃モードを搭載しており、本体の操作画面から最短3タッチの指示で、コンクリート床面にあるゴミや粉塵を自律移動しながら清掃する。raccoonを首都圏の複数現場に試験導入したところ、100分の連続稼働で約500㎡のエリアを清掃できるなど、iNohの実用性を確認できたそうだ。

Preferred Networksと鹿島建設が建築現場用ロボ向けにAI搭載自律移動システムを開発

raccoonに搭載された各種センサー

Preferred Networksと鹿島建設が建築現場用ロボ向けにAI搭載自律移動システムを開発

おまかせ清掃モード(raccoonの操作画面)。現場内の地図や作業員の指示がなくても、自ら清掃可能エリアを探索しながら自律清掃する

Preferred Networksと鹿島建設が建築現場用ロボ向けにAI搭載自律移動システムを開発

領域清掃モード(raccoonの操作画面)。清掃可能エリアの地図を自動作成後、連携する施工図面上から清掃領域の指定が可能

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:AI / 人工知能(用語)鹿島建設(企業)Preferred Networks(企業)LiDAR(用語)日本(国・地域)

マイクロソフトがAIをエッジで動かすハードウェアとソフトウェアの新プラットフォーム「Azure Percept」を発表

米国時間3月2日、Microsoft(マイクロソフト)はAzureのAIサービスをエッジで活用するハードウェアとソフトウェアの新しいプラットフォーム、Azure Perceptを発表した。Perceptは、デバイスを管理しAIモデルを作るためのMicrosoftのAzureクラウドツールと、同社のデバイスパートナーが製作するハードウェアを組み合わせるプラットフォームだ。物体の検出、異常の検出、棚の分析、キーワードスポッティングなどをエッジで実行するためのAIをあらゆる業種の企業が簡単に構築し実装できるようにすることを目指し、そのためにAIモデルの構築から互換性のあるハードウェアへのデプロイまでのエンド・ツー・エンドのソリューションを提供する。

スタートに弾みをつけるために、MicrosoftはビジョンのユースケースのためのインテリジェントカメラであるAzure Percept Visionのハードウェア開発キットも同日に発表した。このキットにはエッジでモデルを実行するハードウェア対応のAIモジュールが搭載されているが、クラウドにも接続される。開発キットは広く使われている80/20 Tスロットフレームアーキテクチャに対応しているので、ユーザーは現場での概念実証を実施することもできる。

Percept Visionの他、オーディオのユースケースのためのAzure Percept Audioも発表された。

Azure PerceptデバイスのTrust Platform Module、Azure Percept Vision、Azure Percept Audio(画像クレジット:Microsoft)

Microsoftのエッジ&プラットフォームグループ担当コーポレートバイスプレジデントであるRoanne Sones(ロアンヌ・ソーンズ)氏は「我々はよく使われる2種類のAIワークロードである、ビジョンとボイス、サイトとサウンドから始め、メーカーが我々の取り組みの基本を把握できるように計画を明らかにしました。しかしメーカーは実際に利用されるパターンに対応するあらゆるフォームファクターを考案できます」と述べた。

Perceptの利用者はAzureのコグニティブサービスと機械学習モデルを利用でき、Perceptデバイスは自動でAzureのIoTハブに接続される。

Microsoftによれば、半導体や装置のメーカーと連携して「Azure Perceptプラットフォーム上での動作を認証したインテリジェントなエッジデバイス」のエコシステムを構築しているという。今後数カ月の間にMicrosoftはこのプログラムに関わる他社製デバイスを認証する計画で、利用者が概念実証を実施し簡単に認証済みデバイスにデプロイできるようにすることが理想だ。

MicrosoftのAzureエッジ&プラットフォームグループのプロダクトマネージャーであるChrista St. Pierre(クリスタ・サン・ピエール)氏は「この開発キットのいずれかを使ってプロトタイプを作れば、認証済みデバイスを購入した場合に追加の作業は不要です」と述べた。

さらにサン・ピエール氏は、このプラットフォームのコンポーネントはすべてMicrosoftの「責任あるAI」の原則に従い、広範囲にわたるセキュリティのテストに合格する必要があると言及した。

Microsoft Ignite 2021

カテゴリー:ハードウェア
タグ:MicrosoftMicrosoft Ignite 2021Microsoft AzureエッジAI人工知能

画像クレジット:Microsoft

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)

東京メトロがデプスカメラとAIを用いた列車混雑計測システム活用し混雑情報をリアルタイム提供

東京メトロがデプスカメラとAIを用いた列車混雑計測システム活用し列車混雑状況をリアルタイム提供

東京メトロは3月1日、デプスカメラと人工知能(AI)を用いた列車混雑計測システムを発表しました。これは上野グリーンソリューションズと共創による取り組みです。

同システムを利用することで、リアルタイムでの列車混雑状況を改札口や東京メトロのアプリやホームページで把握できるようになります。

これまで東京メトロでは、車重や改札利用者数から時間帯ごとの混雑状況を推計して混雑状況を提供していました。しかし同社は複数路線で相互直通運転を行っているため、リアルタイムな混雑状況を提供することは難しいのが実情でした。

東京メトロがデプスカメラとAIを用いた列車混雑計測システム活用し列車混雑状況をリアルタイム提供

デプスカメラは奥行きの情報を取得する深度センサーを内蔵したカメラで、1ホームに1台設置します。駅を出発する列車内の混雑状況を撮影し、映像から取得した深度情報をエッジサーバーでテキスト化して、クラウドサーバーに送信。クラウド上では人工知能がデータを分析・解析し、発車から十数秒で列車ごとの混雑状況を算出します。

2020年11月から丸ノ内線新宿駅で実証実験を行っており、技術検証が完了したため列車混雑計測システムを東京メトロ全線の複数駅に展開することになりました。2021年度を目途に全線の列車混雑状況をリアルタイムで乗客に提供することを目指すとしています。

(Source:東京メトロEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:AI / 人工知能(用語)東京メトロ / 東京地下鉄日本(国・地域)

欧州司法裁判所で異議申立てされた「オーウェル的」AIうそ発見器プロジェクト

EU出資の研究プロジェクトが議論の的になっている。そしてこのプロジェクトに関して2021年2月初旬、欧州司法裁判所で法的な異議申し立てが行われた。プロジェクトの目的はというと、顔の表情に基づく「うそ発見」に人工知能を使用して入国審査をスピードアップすることである。

欧州連合(EU)の資金調達プログラムを監督する研究執行機関(REA)に対して行われた透明性に関する訴訟は、2019年3月にドイツ海賊党の欧州議会議員で人権擁護活動家のPatrick Breyer(パトリック・ブレイヤー)氏が起こしたものである。同氏は以前にも文書の開示拒否をめぐって欧州委員会に勝訴している。

同氏はこのプロジェクトの倫理的評価、法的許容性、マーケティング、および成果に関する文書の公開を求めている。さらに、公的資金を投入した研究はEUの基本的権利を遵守しなければならないという原則を規定し、その過程でAIの「まやかし」により公的資金が浪費されることを阻止したいと考えている。

この度の公聴会に続く声明でブレイヤー氏は「EUは危険な監視、統制技術を開発させ続けており、将来的には兵器研究にも資金を提供することになるでしょう。私的な利益のために公的資金が使われている非倫理的な研究に対し、公的な監査と議論を可能にする画期的な判決を期待しています」と述べた。「納税者や科学者、メディア、議会議員には、公的資金に基づく研究に関する情報を取得する権利があることを、今回の透明性に関する訴訟で裁判所にきっぱりと裁定してもらいたいと思っています。『iBorderCtrl(アイボーダーコントロール)のビデオうそ発見器』のような疑似科学的でオーウェル的(権威主義や監視社会を表す表現)な技術についてはなおさらです」。

裁判所はまだこの件について判決日を指定していないが、裁判官からREAに対し「1時間以上にわたって集中的かつ批判的な」質問があったとブレイヤー氏は述べた。また同氏が明らかにしたところによると、関連するAI技術についての文書は、公開はされていないが裁判官によりその内容が検討されている。この文書には「人種的特徴」に関する記述なども含まれ、多くの疑問が投げかけられているということだ。

ブレイヤー氏によると、裁判長は続けて、物議を醸しているiBorderCtrlプロジェクトについて、より多くの情報を公開しREAに隠蔽するものが何もないと証明することは、同機関の益にもなるのではないかと問いただしたという。

AI「うそ発見器」

問題の研究が議論の的となっているのは、正確なうそ発見器という概念はいまだサイエンスフィクションの域を出ず、人がうそをついてることを示す「すべての人に共通の心理学的サイン」の存在は立証されていない、という正当な理由からである。

しかし、このAIを駆使したビデオうそ発見器(ウェブカメラで被験者の顔の表情をスキャンしながら、バーチャル入国審査官からの質問に答えるように求め、欧州理事会(EC)のプロジェクト公式概要で「嘘のバイオマーカー」と表現されているものを検出することで、被験者の表情の真実性をスコア化するというもの(本当にこういう仕様なのである)を構築するための商業研究開発の「実験」は、EUのHorizon 2020(ホライゾン2020)計画の下で450万ユーロ(約5億7000万円)以上の研究資金を獲得している。

iBorderCtrlプロジェクトは2016年9月から2019年8月までの間に実施され、資金調達は多くの加盟国(英国、ポーランド、ギリシャ、ハンガリーなど)において13の民間または営利団体の間で広く行われた。

欧州委員会が2020年公表するとしていた公開調査報告書であるが、透明性の欠如に異議を唱えるブレイヤー氏の質問に対する書面での回答によると、まだ公開されていないようだ。

2019年、米国のインターネットメディアであるThe Intercept(インターセプト)が、iBorderCtrlのシステムを実際にテストした。このビデオうそ発見器は被験した記者に嘘をついているという無実の罪を着せた。彼女が16の質問のうち4つに、虚偽の回答をしたと判断し、総合スコア48という数字を与えたのだ。この結果をチェックした警察官によると、この記者は追加チェックの対象になるとシステムにより判断を下されたという。もちろん、このシステムが実際の入国審査で稼働されたわけではなかったので、再チェックになることはなかったのだが。

The Interceptはこの記者に対するテスト結果のコピーを入手するため、EU法により定められた権利であるデータアクセス要求を提出する必要があったと述べた。The Interceptはレポートで、ダービー大学の犯罪捜査学教授であるRay Bull(レイ・ブル)氏の言葉を引用している。同氏はiBorderCtrlプロジェクトには「信憑性がない」と述べ、人の顔のマイクロジェスチャーをモニタリングすることで嘘を正確に測定できるという十分な証拠はない、という理由を挙げている。

「REAはこのうそ発見器に実質的効果があると都合のよい解釈をし、多くの資金を浪費しています。この技術の根底には、真実を述べている人と、うそをついている人の振る舞いについて、根本的な誤解があります」ブル氏はこのようにも語っている。

十分なデータを入力するだけでAIが人間の特徴を自動予測できるという考えは、とても広く浸透している。とても嘆かわしいことだ。機械学習を応用して顔の形から「人格的特徴」を導き出すことで骨相学を復活させようとする最近の試みからも、そのことは明らかだ。こうして、顔をスキャンするAI「うそ発見器」は、非科学的な「伝統」に従っているのだ。そうした恥ずべき伝統は長い間はびこっている。

21世紀になって、何百万ユーロ(何億円)もの公的資金が粗悪な、古いアイデアの焼き直しにつぎ込まれているのは、率直にいって信じ難いことだ。こうした公的資金の無駄遣いは、EUが資金協力するこのうそ発見器の研究に内在する倫理的・法的な盲点について検討しようとする以前の問題だ。またこの研究は、EU憲章に定められた基本的権利に反している。そして、この研究が開始されるに至るうえで誤った判断が多く下されたことを考えると、とても情けない気持ちになる。

このような怪しげなAIの応用システムに資金を提供することは、データ駆動型テクノロジーが偏見や差別を広げるリスクを抱えていることを示す、過去の優れた研究をすべて無視しているようにも見える。

ただし、このAI応用実験における倫理的側面への配慮について、iBorderCtrlを支援するコンソーシアムが下した評価については、非常に限られた情報しか公開されていないため、確かなことはわからない。この倫理的側面への配慮というのは、ビデオうそ発見器に対する訴状の中核となる部分だ。

ルクセンブルクにある欧州司法裁判所での異議申し立ては、欧州委員会にとって非常に厄介な疑問を提起している。EUは疑似科学的な「研究」に公的資金を投入すべきなのか?本当の科学に資金を提供するべきではないか?そして、EUの珠玉となる主力研究プログラムが、なぜこれほどまでに公的な監視を受けていないのか?といった疑問である。

一方で、このビデオうそ発見器がEUの「倫理的自己評価」プロセスをパスしたという事実から「倫理面の問題がないかチェックする」とされているこのプロセスが、まがい物であることがうかがい知れる。

「研究開発の申請を受け入れるかどうかは、まず加盟国の代表者が判断を下し、最終的にはREAが決定します。したがって公的な監視がなく、議会やNGOは関与していません。そういったプロジェクトのすべてを審査する、独立した倫理団体もありません。研究開発に関連した全体的な仕組みは、非常にお粗末なものなのです」とブレイヤー氏は語る。

「この研究開発の目的は科学に貢献することでも、公共の利益に寄与することでも、EUの政策に貢献することでもなく、産業を支援することであり、つまり販売できる製品を開発することであるというのがREAの基本的な主張です。成り立ちからして、これはまさに経済支援プログラムなのです。そしてこうしたプログラムのあり方の是非、プログラムの妥当性の有無について私たちは議論すべきだと思っています」。

「EUはAIを規制しようとしていますが、実際のところ、非倫理的で違法な技術に資金を提供しているのです」と同氏は付け加えた。

外部からの倫理的監視がない

EUが自らの定める権利に反するような研究に資金を提供することは、偽善である。さらに、批判者たちが主張するように、本当に有用な研究(安全保障目的の研究、もっと広く見れば公共利益に寄与する研究、EUの議員が好んで言及する「欧州的価値観」を促進する研究など)に費やされるべき公的資金の無駄遣いであるといえる。

「この研究は正常に機能しない、非倫理的である、違法であるといった理由からまったく活用されることがない上に、本当に重要で有用な他のプログラムに使われるべき資金を浪費しています。こうした点について私たちは知り、理解する必要があります」とブレイヤー氏は主張する。

「例えば保安対策プログラムに投資して警察官の安全装備を改良できるかもしれません。あるいは犯罪防止対策として国民への情報提供システムを改善できるかもしれません。つまり資金を適切に利用すれば、多くのことに貢献できるのです。怪しげな技術に資金が無駄遣いされるようなことがあってはならないのです。AI「うそ発見器」に類する技術が決して実用化されないよう祈るばかりです」。

EUの主力研究およびイノベーションプログラムの今回の具体化は、Horizon 2020を引き継いでおり、これには2021年から2027年の期間で約955億ユーロ(約12兆円1700万円)の予算が計上されている。またデジタルトランスフォーメーションの推進とAIの開発は、EUが 公表している研究資金投入の優先事項にあたる。そのため「実験的」AIに利用できる資金は莫大にあると考えられる。

しかし、アルゴリズムによるまやかしに資金が浪費されないよう監視するのは誰なのか。研究開発がEUの基本的人権に関する憲章に明らかに反している場合、このアルゴリズムによるまやかしは危険なものになるのだ。

欧州委員会は、これらの問題に関する説明を求める再三の要請を拒否したが、公になっている項目(下記)と、文書へのアクセス(これが訴状の中核なす)に関する背景情報をいくつか発表した。

「研究における倫理」に関する同委員会の公式声明は「EUが資金提供する研究においては倫理が最優先される」という主張から始まる。

「Horizon 2020の下で行われるすべての研究やイノベーション活動は、倫理的原則、および基本権憲章や欧州人権条約を含む関連する国内法、EU法、国際法を遵守しなければならない」とも述べ、さらにこう続く。「すべての計画は特定の倫理評価を受ける。この評価により、その研究プロジェクトが倫理的規則および基準を遵守しているかどうかが検証され、その遵守を契約により義務づけられる」。

この声明は尊厳やプライバシー、平等、無差別の権利といったEUの基本権を「ビデオうそ発見器」が遵守することができるのかという点について、詳しく述べてはいない。

そして注目すべきは、欧州データ保護監督官(EDPS)が、EUの資金提供する科学研究とデータ保護法との間のズレについて懸念を表明したことだ。2020年の予備的意見書にはこう書かれている。「我々は、データ保護当局と倫理審査委員会が活発な議論を行い、共通理解を深めることを提言する。議論すべき内容には次のものが含まれる。真正な研究に該当する活動を判定する基準、科学研究を対象とするEUの行動規範、EUのフレームワークプログラム(EU加盟国および関連国を対象とした研究助成プログラム)とデータ保護基準との緊密な連携、民間企業が保有するデータを研究者が公共の利益という観点に基づいて活用できる状況を定義するための話し合いの開始、といったことである」。

とりわけiBorderCtrlプロジェクトについては、研究において倫理的側面が関係する部分を「研究開始当初に定められた倫理要件を遵守」しながら進めていけるよう監督する倫理アドバイザーを任命した、と欧州委員会はTechCrunchに語った。「アドバイザーについては、コンソーシアムからの自律性と独立性を確保しながらその職務を果たす」と主張しているが、プロジェクトの(自薦の)倫理アドバイザーが誰であるのかについては明らかにしなかった。

「倫理的な部分については、プロジェクトの遂行中、同委員会やREAが常に管理し、成果物を適宜改正している。報告期間の終わりに行われる技術審査会議では、外部の独立した専門家の協力を得て慎重に分析を行っており、2019年3月に十分な倫理チェックが行われた」と記載されている。

この自主規制的な「倫理チェック」についての詳細は明らかにされなかった。

「これまでのところ、基本的に倫理チェックは欧州委員会が、提案や要請に応じて設置した専門家グループにより行われています」とブレイヤー氏は言い、EUの研究プログラムの構成に言及している。「研究プログラムは業界の専門家が大半を占めており、議会議員は1人もおらず、市民社会の代表者は、私が考えるところでは1人しかいません。つまりそもそも最初から構成が間違っているのです。それから研究執行機関(REA)があり、実際の決定はEU加盟国の代表者によって行われます」。

「研究提案を奨励する動き自体は調べてみると非常に一般的なもので、問題はないようです。本当の問題は提出された研究提案の方なのです。そして私が理解している限り、こういった提案は独立した専門家によって審査されていません。つまり、倫理の問題に自己評価で対処しているのです。プロジェクトに高い倫理的リスクがあるかどうかは、基本的に研究の提案者が申告することになっています。提案者が倫理的リスクがあると申告した場合のみ、REAによって選出された専門家が倫理評価を行います」。

「我々には誰の研究提案が採用されたのかも、その研究の内容もわかりません。そうした情報は非公開なのです。後になってプロジェクトに倫理的な問題があることがわかったとしても、資金援助を取り消すことはできません」。

欧州委員会がAIの応用に関してリスクベースの規定を策定中であることから、偽善を暴こうとするブレイヤー氏による告発は大きな注目を集めている。またEUの議員たちは、人工知能技術がEUの価値観や権利に沿って適用されるようにするためには「ガードレール」が必要であることを何年も前から主張してきた。

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例えば欧州委員会のEVP(エグゼクティブバイスプレジデント)であるMargrethe Vestager(マルグレーテ・ベステアー)氏は、人工知能が「倫理的に使用され」「人間の意思決定をサポートし、それらを損なうことがない」ようにするための規定の必要性について語っている

しかしEUの諸機関は、EUで実施されれば明らかに違法となるようなAI研究に公的資金を投入していることも事実である。市民社会の批評家たちは「うそ発見」の有効性を裏づける科学的根拠がないことを考えると、この研究は明らかに非倫理的であると非難している。

iBorderCtrlのウェブサイト内にあるFAQセクションでは、同プロジェクトで開発された技術の一部は実際に導入された場合、既存のEUの法的枠組みの範囲を超えてしまうことを、プロジェクトを推進している商業ベースのコンソーシアムが認めている。そしてこれは「法的根拠を確立する政治的決定が民主的になされない限り、そうした技術は導入できない」ことを意味する、と付け加えている。

言い換えれば、そのようなシステムを実際に欧州の入国審査に使うことは、法律を変えなければ違法になるということだ。それにもかかわらず、ヨーロッパの公的資金がそうした技術の研究に投入された。

欧州データ保護監督官(EDPS)の広報担当者はブレイヤー氏のケースについて具体的にコメントすることを控えたが、それでも科学研究とデータ保護に関するEDPSの予備的見解は重要な意味を持つことを認めた。

また、EU全体における健康データの研究目的の共有を奨励する欧州委員会の最近の動きに対応した、さらなる関連研究についても触れた。これについてEDPSは、データ保護の予防措置は「最初に」定義されるべきであり、また、研究が開始される前に「考え抜かれた」法的根拠が確立されるべきであると助言している。

「EDPSは健康データ共有の枠組み内でデータを倫理的に使用することに留意するよう勧告しており、そのために、既存の倫理委員会および国内法に照らした同委員会の役割を考慮に入れることを促している」と、EUの主任データ監督官は書いている。また「健康データ共有計画の成功には、EUの価値観(基本的権利の尊重など)に根ざし、合法で、責任ある倫理的管理を保証する強力なデータガバナンスメカニズムの確立が鍵となることは確実だ」と加えている。

(長文を嫌う人のための)要約:データの法的・倫理的な使用は、最初から研究努力の大前提である。データが法的・倫理的に使用されているかどうかを、研究開始後にチェックするようなことがあってはならない。

検証不可能な技術

EUの資金が投入された研究プロジェクトに対して独立した倫理的監視がないことに加え、営利目的とされる研究について現状懸念されるのは、外部の人間がその研究の技術を独立して検証する(つまり誤りを立証する)方法がないことだ。

iBorderCtrlの技術の場合、プロジェクトの成果に関する有意なデータは公開されておらず、情報公開法に基づいてデータを要求しても、商業的利益を理由に認められない。

ブレイヤー氏は2019年にこのプロジェクトが終了して以来、その成果に関する情報を取得しようと試みているが、果たされていない。ガーディアン紙は2020年12月に同氏が反撃したことについて詳しく報じている。

プロジェクトの成果に関する情報を公開する、しかも終了後、長い時間を経てからそうするための要件は、EUの研究に関わる法的枠組みの下では非常に限られているとブレイヤー氏は述べている。したがって同氏が望むのは「商業的利益」を盾に公共の利益になる情報開示をすべてにおいて拒否することはできない、という主張に司法裁判所が合意することである。

「REAは基本的に、プロジェクトが実際に実用化できるかどうかを検討する義務はないので、実用化できない研究に資金提供する権利があると主張しています」と同氏はTechCrunchに語った。「それに、情報を公開することで技術の販売に悪影響が及ぶ場合、それは情報公開を拒む十分な理由になると主張していますが、これは商業的に機密性の高い情報を極端に拡大解釈しています」。

「ソフトウェアプログラムのソースコードや、内部計算など、本当に商業上の秘密が含まれている情報を除外することなら私も認めます。しかし、例えばあるプロジェクトに倫理的な問題があるとされている場合は、商業的利益を理由に情報公開要求を拒否できるようなことがあってはなりません。倫理的な問題があるプロジェクトであれば、たとえ公開された情報に商業上の秘密が含まれていなくても、確かに技術の販売に悪影響が及ぶでしょう。しかしREAの主張のような解釈はあまりにも極端です」。

「今回の法的措置が前例となり、倫理的な問題があり、実際に使用されたり導入されたりした場合に違法となる技術に関する情報を明らかにし、公衆の「知る権利」は技術を販売するための商業的利益よりも優先されるということが明言されるよう願っています」とブレイヤー氏は付け加えた。「REAは情報を公開することで技術が売れる可能性が低くなるためにそうしないと言っています。こうした主張について知ったとき、今後、彼らは情報公開要求すべてに対して同じような主張で対抗してくるはずですから、このケースは間違いなく法廷に持ち込む価値があると考えました」。

市民社会団体も、iBorderCtrlプロジェクトに関する詳しい情報を入手しようという試みに失敗している。The Interceptが2019年に報じたところによると、ミラノに拠点を置くHermes Center for Transparency and Digital Human Rights(透明性とデジタル人権のためのエルメスセンター)の研究者が情報公開法を利用してiBorderCtrlのシステムなどに関する内部文書を入手したが、彼らが得た何百ものページは大幅に修正されており、その多くは完全に黒塗りにされていた。

「その他の怪しげな研究プロジェクトについて調べようとして失敗したジャーナリストから、REAが情報を大量に隠しているという話を聞いたことがあります。倫理報告書や法的評価のようなものでさえも隠匿されており、そうした情報自体に商業的な機密は含まれていません」とブレイヤー氏は続ける。「ソースコードもいかなる機密情報も含まれていません。REAはこうした情報に関しては部分的にも公表していません」。

「EU当局(REA)は実際のところ、利益が減る可能性が判明すれば情報はすぐに非公開にするのだから、どのような関心に基づく情報公開要求があっても我々には関係がないと述べているのです。これには開いた口がふさがりません。自分たちの税金が何に使われているのかを知りたいという納税者の関心、および「虚偽検出」の実験をテスト、検証すべきだと求める科学的な関心の観点からも、REAの主張は容認できません。さらに、『虚偽検出』については本当に機能するのかという点を焦点に激しい議論が交わされています。科学者が虚偽検出の技術を検証したり誤りを立証したりするためには、当然ながら、この実験の詳細情報が必要です」。

「また、民主的にいえば、議会議員がこのようなシステムの導入を決定する場合や、研究プログラムの枠組みを決定する場合にさえも、詳細情報を知る必要があります。例えば、誤検出の数はどれくらいだったのか、システムの実際の精度はどの程度か、顔認証技術などは特定の集団にはあまりうまく機能しないことを考慮すると、差別的影響があるのか、といった情報です。私たちが本当に今すぐに知る必要があるのは、こういった情報で十分なのです」。

EUが資金提供している研究に関連する文書へのアクセスについて、欧州委員会は「各ケースは慎重かつ個別に分析される」と付け加えながらも、規則1049 / 2001を参照するよう我々に促した。欧州委員会によると同規則が「一般的な原則と制限を規定している」という。

しかしHorizonプログラムの規則に対する同委員会の解釈は、情報公開法の適用を、少なくともiBorderCtrlプロジェクトのケースでは完全に排除しているように見える。

ブレイヤー氏によると、情報公開は研究結果の概要に限定されている。この概要はプロジェクトの完了から約3、4年後に公開可能となる。

「どこかの科学雑誌でこのプロジェクトについて5、6ページの論文が掲載されますが、もちろんそれを使って技術の検証や誤りの立証をすることはできません」と同氏はいう。「プロジェクト関係者による具体的な取り組みや、プロジェクトへの協力機関は不明です。そのため研究結果の概要は科学的にも民主的にも何の意味も持たず、一般市民にも利益はありません。しかも、公開までに時間がかかりすぎます。ですから、将来私たちがより多くの情報を把握し、できれば公開討論が行われることを私は期待しています」。

EU研究プログラムの法的枠組みは二次法である。そのため、ブレイヤー氏は「商業的利益」の保護に関する包括的条項が、透明性に関するEUの基本的な権利より優位になるようなことがあってはならないと主張している。しかしもちろん、決定は裁判所次第だ。

「透明性、それに情報へのアクセスは、実際EUの基本的権利であり、EU基本権憲章に記載されているため、私にも大いにチャンスがあると考えています。そしてこのホライズンの法規はあくまでも二次法であり、一次法から逸脱できません。二次法は一次法に沿って解釈される必要があります」とブレイヤー氏は語る。「ですから、おそらく裁判所が私の主張を認め、公共の利益の優先を前提としつつ商業上の情報も保護する情報公開法の観点から、うまくバランスの取れた判断を下すと思います。裁判所がちょうどよい妥協点を見つけ、うまくいけば、これまでよりも多くの情報が公開されるようになり、透明性も増すだろうと思います」。

「おそらくREAは文書の一部を黒く塗りつぶし、一部は修正するでしょうが、原則として文書にアクセスできるようになると期待しています。そして、将来的にこの研究に関して要求される情報の大半を、欧州委員会とREAは必ず提供しなければならないことになります。この研究に関連して怪しげなプロジェクトがまだたくさんあるからです」。

ブレイヤー氏によると、資金提供申請を承認する委員会を産業界とEU加盟国の代表者(彼らは当然、EUの資金が常に自分たちの地域に入ってくることを望んでいる)中心に構成するのではなく、議会の代表者、より多くの市民社会の代表者、科学者も含めて構成することで、研究プロジェクトを監視できる優れたシステムをスタートさせることができる、とのことである。

「研究プロジェクトの監視システムには独立した参加者が必要で、そうした参加者が過半数を占めるべきです」と同氏はいう。「それは、研究活動の舵を取り、公共の利益、EUの価値観の遵守、そして研究の有用性といったことを促進する上で意味があることです。私たちは、効果がなかったり、倫理的な問題であったり、違法であったりするために決して利用されない研究について知り、理解する必要があります。そうした研究によって、とても重要かつ有用な他のプログラムに使うべき資金が浪費されているからです」。

ブレイヤー氏はまた、防衛に焦点を置く新しいEU研究プログラムが立ち上げ中であることを指摘している。この研究プロジェクトの構造は、これまでと同じである。つまり資金提供の決定や情報開示に対する適切な公的監視体制が整えられていない。同氏は次のように述べている。「REAは防衛技術の研究プロジェクトにおいても、iBorderCtrlの場合と同様のことを行おうと考えています。そして、この研究プロジェクトでは致死技術さえ扱われるのです」。

ブレイヤー氏によると、これまでのところiBorderCtrlに関して唯一開示されているのはそのシステムの技術仕様の一部と通信レポートの一部のみで、同氏はどちらも「大幅に修正されている」と述べている。

「REAは、例えば、このシステムを導入した国境機関も、このプロジェクトに関与している政治家も明らかにしていません」とブレイヤー氏は語る。「興味深いのは、EUから資金提供を受けたこのプロジェクトの一環としてEUの国境当局や政治家に技術が披露されているということです。なぜこの点が興味深いのかというと、欧州委員会は、iBorderCtrlの目的の研究に限られるため、開発された技術が導入され、問題が起こるようなことはないと主張し続けているからです。しかし実際のところ、REAはすでにプロジェクトを利用して技術の導入と販売を推進しているのです。そしてたとえこの技術がEU国境で使用されることはないとしても、開発に資金を提供するということは、他の政府で使用される可能性があります。つまり、中国やサウジアラビアといった国々に販売されることもあり得るということです」。

「また、虚偽検出技術を販売している会社(マンチェスターに拠点を置くSilent Talker Ltd)は、この技術を保険会社に提供したり、就職面接で利用できるかたちで販売したりしています。銀行もローン申請の際にこの技術を利用することがあるかもしれません。つまりAIシステムは嘘を見抜けると信じられているため、虚偽検出技術が民間企業で広く使われるリスクがあるということです。まったく信頼性に欠ける虚偽検出技術でうそを見抜こうとすることはいわばギャンブルであり、この怪しげな技術のせいで多くの人が不利益を被るリスクがあります」。

「EUがそのような『インチキ』技術に資金提供することを誰も阻止しないというのは言語道断です」とブレイヤー氏は語る。

欧州委員会は「The Intelligent Portable Border Control System(インテリジェント・ポータブル・ボーダー・コントロール・システム、iBorderCtrl)」の研究では「陸路での国境検問の効率性、利便性、安全性を高めるための新しいアイデアを探求した」と述べ、他のセキュリティ研究プロジェクトと同様「セキュリティの課題に対処するために、新しいアイデアや技術をテストすることを目的としている」とした。

「iBorderCtrlのプロジェクトに期待されていたのは、すぐに実用化できる技術や製品を提供することではなかった。すべての研究プロジェクトが、実用化できる技術の開発につながるわけではない。研究プロジェクトが終了した後、さらに研究を進めるか、プロジェクトで研究対象となったソリューションの開発に着手するかどうかは、加盟国の判断に委ねられてる」とも述べている。

また、次世代技術の具体的な応用については「基本的権利や個人データの保護に関するEUの規則を含むEU法と国内法、保護条項を常に遵守しなければならない」とした。

しかしブレイヤー氏はまた、同委員会が「研究開発に過ぎない」「特定の技術についてその用途は定めていない」などと主張して、世間の目をそらせようとしているのはずる賢いと訴えている。「もちろん実際のところ欧州委員会は、開発された技術が有用であること、機能することが判明した場合、その技術に対して賛意を表明するよう議員に圧力をかけます」と同氏は主張する。「また、EU自体で使用されていなくても他の国に販売されることになるでしょう。だからこそ、この研究に対する監視と倫理的評価の欠如は本当にあってはならないことだと思います。特に公共の場での大規模な監視など、監視技術の開発と研究が繰り返し行われているため、とりわけそういえます」。

「欧州委員会はインターネットから大量にデータを収集して処理するプロジェクトを進めています。しかし、この研究はプライバシーの権利という基本的な権利への干渉に関するものであるため、同委員会のセキュリティに関する方針の欠陥が大きな問題となってきます」とブレイヤー氏は続ける。「その方針では、監視社会といった非倫理的な方法を禁止する制限が定められていません。またそうした物理的な制限のみならず、倫理面で問題のあるプロジェクトを端から排除できる制度上の仕組みもありません。そして倫理面で問題のあるプログラムが考案され開始されると、同委員会はプログラムに関する情報を公開することすら拒否するでしょう。そのようなことは本当に言語道断であり、さきほども言ったように、裁判所が適切なバランスを取ってより多くの情報が開示されるようになり、それによって我々は、こういった研究計画の成り立ちについて、公開討論を実施できるようになって欲しいと願っています」。

ブレイヤー氏は、防衛研究開発基金を設立しようとする、欧州委員会の計画について再び言及した。この基金は、虚偽検出技術の場合と同様、産業中心の意思決定構造と「欠陥のある倫理評価メカニズム」の下で運営されていく。自律型兵器に資金を提供できるEUの研究には制限があるものの、大量破壊兵器や核兵器など、他の分野では公的資金の投入を申請できると指摘している。

「ですから、これは非常に大きな問題となるでしょうし、当然、これまでにも増して同じような透明性の問題が出てくるでしょう」と同氏は付け加える。

透明性全般に関して、欧州委員会は「可能な限り成果を公表するよう、プロジェクトに常に促している」とTechCrunchに述べた。特にiBorderCtrlについては、CORDDIS(コミュニティの研究開発情報サービス)ウェブサイトと専用ウェブサイトでプロジェクトに関する詳細な情報が提供されているとのことだ。

iBorderCtrlのウェブサイト内「publications(資料)」ページをじっくり閲覧すると「ethics advisor(倫理アドバイザー)」「ethic’s advisor’s first report(倫理アドバイザーによる第一次報告)」、「ethics of profiling, the risk of stigmatization of individuals and mitigation plan(プロファイリングの倫理、個人の不名誉のリスク、およびそのリスクの軽減計画)」「EU wide legal and ethical review report(EU全体の法・倫理審査報告書)」など、多くの「deliverables(成果物)」が見つかる。これらはすべて「confidential(機密)」としてリストされている。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:EUうそ発見器AI

画像クレジット:mark6mauno / Flickr under a license.

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

現場状況を遠隔地と共有可能な「コネクテッドワーカーソリューション」のフェアリーデバイセズが10.2億円調達

現場状況を遠隔地と共有可能な「コネクテッドワーカーソリューション」のフェアリーデバイセズが10.2億円調達

現場作業の内容・状況をリアルタイムに遠隔地と共有可能できる「コネクテッドワーカーソリューション」を手がけるFairy Devices(フェアリーデバイセズ)は2月24日、シリーズBラウンドにおいて、総額約10億2000万円の資金調達を発表した。引受先および借入先は、商工組合中央金庫、DG Daiwa Ventures、みずほ銀行、りそな銀行、信金キャピタル、ダイキン工業、ユナイテッド、横浜キャピタル。

調達した資金により、コネクテッドワーカーソリューションによる現場DXを加速する。日本および海外におけるソリューション提供体制をより一層強化し、国内産業現場に蓄積されてきた匠の技のデジタル化を加速化することで、「熟練工AI」を早期に実現する方針としている。

コネクテッドワーカーソリューションは、製造・サービス・保守メンテナンス・建設など様々な現場において、「遠隔支援による熟練工不足の解消」「現場ノウハウのデジタル化」「AIによる現場支援」を実現する現場DXのためのソリューション。

首かけ型ウェアラブルデバイス「THINKLET」と、現場データのデジタル化を司るクラウドプラットフォーム「THINKLET PLATFORM」により構成しており、既存の現場作業を邪魔することなく作業内容・状況を遠隔地とリアルタイムに共有可能できる。また作業データを蓄積・学習・解析することで、熟練作業者の技能やノウハウをデジタル化し再活用可能という。

現場状況を遠隔地と共有可能な「コネクテッドワーカーソリューション」のフェアリーデバイセズが10.2億円調達

2007年4月設立のFairy Devicesは、「使う人の心を温かくする一助となる技術開発」を目指し、VUI(Voice User Interface)やVPA(Voice Personal Assistant)関連技術や音声認識/音声翻訳関連技術とクラウド基盤、それらの性能を活かすエッジデバイスの開発を通して、音声技術を中心とした機械学習技術の実業務現場への適用を推進。

さらに、現場の人から生まれる各種のデータ解析や、最先端の応用研究を実装した業務ソリューションを、デバイスからクウドまで一気通貫で提供することによって、様々な業界のDXを支援している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:AI / 人工知能(用語)音声認識 / Voice Recognition(用語)資金調達(用語)Fairy Devices(企業)日本(国・地域)

AIによる頭髪診断・対策支援から専門家への相談まで可能な国内初のAGA・男性型脱毛症アプリHIXが4000万円調達

男性向けパーソナルケアのトップランナーを目指す、国内初のAGA・男性型脱毛症アプリHIXが4000万円調達

国内初のAGA(男性型脱毛症)管理アプリ「HIX」(ヒックス。Android版iOS版)の開発・運営を手がけるエムボックスは2月24日、シードラウンドにおいて、総額約4000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、ジェネシア・ベンチャーズ、守屋実氏。

HIXは、スマホアプリで薄毛診断から対策までワンストップで完結するというサービス。調達した資金は、「HIXのさらなる機能開発」「マーケティングへの投資」「製品開発」の3点などにあてる。

HIXのさらなる機能開発では、まずアプリの新たな機能開発やUX/UIを改善するという。これにより、HIXが薄毛に悩むユーザーにとって、パーソナルケアの面で最も身近で頼りにできるサービスになることを目指す。

また、現在は画像判定後の診断は最終的に毛髪診断士の承認を経て行っており、これをAI診断による完全自動化を行いオペレーション効率を向上させるとしている。

マーケティング体制の強化では、新規顧客獲得を目的に、ウェブやSNS、動画投稿サイトを活用したインハウスマーケティングを行い、潜在顧客へ効率よくリーチできる体制を構築する。

またHIXでは、すでにアプリや公式サイトを通じてPB (プライベートブランド)医薬品である発毛剤や栄養補助サプリメントなどの提供を行っており、今後製品開発とブランディングをさらに強化するとしている。

男性向けパーソナルケアのトップランナーを目指す、国内初のAGA・男性型脱毛症アプリHIXが4000万円調達

PB (プライベートブランド)医薬品として、発毛剤や栄養補助サプリメント、マイクロスコープをすでに展開している。これをさらに拡充する

自宅で頭髪の状況を確認できるAGA管理アプリ「HIX」

HIXは、AI(人工知能)を用いた画像判定技術と、AGA専門医監修の対策支援アルゴリズムを搭載。自宅で薄毛診断ができ、この診断結果に基づいた信頼性の高いヘアケアを行えるというスマートフォンアプリ。

2020年7月にiOS用β版をリリースしており、この公開から約半年で累計ダウンロード数は約1000件、診断画像数は3000件超となったという。

男性向けパーソナルケアのトップランナーを目指す、国内初のAGA・男性型脱毛症アプリHIXが4000万円調達

ユーザーは、HIX(のカメラ機能)で髪と頭皮の画像を撮影・送信し問診に回答すると、薄毛・AGAの進行状態を診断し、各ユーザーに合った対策方法を提案する。この提案では、AGA専門医と連携し、普段の診察で行っている診断・治療方針決定などをアルゴリズムとして構築したという。

さらにHIXでは、アプリからカウンセラーにチャットで相談を行ったり、発毛剤(医薬品)などを購入したりも可能。自宅で手軽にヘアケアを行えるようにしている。

エムボックスによると、HIXユーザーからは、自分で行った対策を記録できることや効果の進捗をすぐ確認できる利便性が評価されているという。

薄毛に悩む方は、クリニックなどを受診しない限り、セルフチェックしか診断手段はなく、予防・治療方法はインターネットで検索し、非常に多くの情報の中から選択しなければならない状況にある。適切な情報や、自分にあった商品を選択するために多くの時間と労力を費やす必要があるという。

また一般的に、市販の育毛剤や発毛剤は毎月6000~7000円程度要すること、パッケージデザインも中高年向けであることから、ミレニアル世代にとっては敷居の高い商品となっているそうだ。

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これら課題の解決として、HIXでは、「手軽さ」「不安の軽減」を提供するとしている。

HIXでは、スマホひとつで無料でいつでも本格的な薄毛診断ができ、自分にあった効果的な予防や対策法を把握可能としている。また、アプリから効果が実証された医薬品などのヘアケア商品をリーズナブルな価格で購入したり、AGAクリニックのオンライン診療の予約も行える。

またHIXでは、クリニックや専門機関へ通院しなくとも、薄毛の進行状態や原因を正しく把握でき、自分にあった予防や対策方法が明確になるとしている。

また、チャットでカウンセラーに薄毛の悩みや不安を相談できたり、対策の効果を確認したりできることから、漠然とした不安を軽減可能という。

男性向けパーソナルケアの先頭を切りたい

創業メンバーである代表取締役CEOの金澤大介氏と取締役COOの小西裕介氏は、クリニックや薬局の運営経験から、薄毛や多汗症、ニキビなどのパーソナルヘルス領域での治療や服薬支援に従事してきた。毛髪や肌の病気は見た目の悩みにつながるため、症状を抱えている人は気持ちの沈みが大きく、QOLが低下してしまいがちという。その中でも、特に悩みが深いのが男性のAGA(男性型脱毛症)としている。

日本国内には薄毛に悩む男性は、約1200万人(日本醫事新報)とされるものの、医療機関を受診する物理的・心理的ハードルが高く、適切な治療を受けている人が少ないという。結果的にインターネットの間違った情報を選択し、効果が期待しにくい商品に手を出してしまうケースが多くあるそうだ。こういった人に手軽に毛髪状態が診断でき、正しい知識と適切な対策(商品)を手に入れられる環境があれば、不安や悩みを軽減できると考え、サービスの立ち上げに至ったという。

金澤氏によると、アンチエイジングや美容、フェムテックはじめ、アメリカでは女性向けパーソナルケアがまず盛り上がりをみせ、男性対象のものが続く形だったという。同氏は、日本でも同じ軌跡をたどると考えており、男性のパーソナルヘルスケア領域、特に薄毛対策において、エムボックスがその先頭を切りたいと明かした。現状ではオープンに語りにくいもの、恥ずかしいものという意識があるため、HIXを通じて男性向けパーソナル領域を変えていきたいとしていた。

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タグ:アプリ / モバイルアプリ(用語)AI / 人工知能(用語)エムボックス(企業)資金調達(用語)ヘルスケア(用語)日本(国・地域)

メンタルヘルスの維持・改善を自動で行うシステムなど手がけるWorld Life Mappingが資金調達

メンタルヘルスの維持・改善を自動で行うシステムなど手がけるWorld Life Mappingが資金調達

World Life Mapping(WLM。ワールドライフマッピング)は2月22日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による資金調達を発表した。調達額は非公開。引受先はCYBERDYNE(サイバーダイン)。業務提携もあわせて実施し、精神状態の維持・改善を自動で行うシステムなどの開発・展開を加速させる。

2019年7月設立のWLMは、AIなどの技術を活用して人の精神状態をより良く保つためのサービスやシステムを開発。調達した資金により、主たる事業である一人ひとりの精神状態の特徴を推定し、メンタルヘルスの維持・改善を自動で行うシステム、人と人とをつなげるシステムの研究開発および製品化を進めていく。これらプロダクトを通じて、職場や学校が働く人や学生にとって心理的安全性の高い状態を保てるようにすることで、メンタルヘルスの安定や向上を図っていくとしている。

メンタルヘルス悪化の原因となりうる考え方などが人格形成期である幼少期の出来事などに起因する場合があることから、子育て領域での研究も行う。

またWLMは、サイバーダインとともに脳科学や心理学、経済学、工学、医学など、異分野を融合複合させた新しい学術的知見を通して、人々のメンタルヘルスを支援するサービスやシステムの開発・展開を目指す。

2019年7月設立のWLMは、「孤独に悩む人をゼロにする」をビジョンに掲げ、人の脳のニューラルネットワークの構成にどのように影響を与えていくかという視点を持ち、脳科学や心理学、経済学、工学、医学といった領域の論文や先人の方々の知見、悩みを乗り越えた人の考え方などを基に、実用性に留意し、メンタルヘルスケアのシステム・サービスを開発していくとしている。

人と人をよりよくつなげるとともに、適切なタイミングで個々人にあった支援策を提供することなどを通じて、心理的安全性を保ち、より多くの人がより多くの時間を笑って暮らせる世界を目指すという。

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タグ:AI / 人工知能(用語)資金調達(用語)メンタルヘルス(用語)World Life Mapping日本(国・地域)

複数の事業体を運営する中堅企業向け財務管理ソフトウェアのAccountsIQが約7.4億円を調達

公認会計士のチームによって設立された財務管理ソフトウェア(FMS)のスタートアップであるAccountsIQは、580万ユーロ(約7億4000万円)の資金調達を行った(会計士が起業家になりたいと思った時には、スタートアップとはどんなものであるかを知っていたに違いない)。

ダブリンを拠点に、複数の事業体を運営する中堅企業を対象とするこの会社を支援しているのは、最近3番目のファンドを発表したばかりのフィンテックに特化したVC、Finch Capital(フィンチ・キャピタル)だ。AccountsIQによると、今回の資金注入は、成長の加速と、製品強化を継続するための営業・マーケティング、カスタマーサクセス、エンジニアリング全般にわたる雇用に充てられるという。

2008年にダブリンで創業したAccountsIQが手がけるクラウドベースのFMSは、複数の事業で「決算の把握、処理、報告」を簡素化することを目的としている。これには子会社、支店、SPV、フランチャイズモデルなどを介して拡大している企業が含まれるが、中でも異なる場所、通貨、管轄区域で取引を行っている企業が主な顧客だ。このアイデアはXero(ゼロ)、QuickBooks(クイックブックス)、Sage(セージ)のようなローエンド製品と、NetSuite(ネットスイート)、Intacct(インタクト)、SAPのようなハイエンドで高価な製品との間に存在する市場のギャップを埋めるものだと、AccountsIQは述べている。

「クラウド以前は、マルチエンティティビジネスの財務管理は困難であり、各事業体がアカウントを作成し、レビューや分析のために一元的に送らなければなりませんでした」と、AccountsIQ共同設立者のTony Connolly(トニー・コノリー)氏は説明する。「当社のクラウドソリューションは、すべての事業体が同時にアクセスし、本社や経理担当者と協力して、それぞれの取引を処理することができます。同時にグループの基準通貨で決算を完全に統合することによって、グループ全体の決算をボタン1つで簡単に中央に報告し、ベンチマーキングできるようになります」。

この「真実の一本化」を可能にするために、AccountsIQは、サブグループ、複数通貨の再評価、企業間取引など、さまざまな複雑な報告に対応できるように設計されている。

このソフトウェアはまた、「人工知能」とオープンAPI戦略を採用し、銀行口座の自動同期、電子決済の生成、電子請求書の自動投稿、フロントエンドシステムとスマートフォンを介した経費の取り込みや簡単な承認ワークフローの統合を実現していると主張する。現在統合されているのは、TransferMate Global Payments(トランスファーメイト・グローバル・ペイメンツ)、TINK(ティンク)、BrightPay(ブライトペイ)、Kefron AP、Chaser(チェイサー)、Concur(コンカー)、Salesforce(セールスフォース)、各種ISAM(アイサム)などだ。

現在までにAccountsIQのソフトウェアは、非営利団体から銀行まで、さまざまな業界の4000社で使用されており、顧客にはPwC(プライス・ウォーターハウス・クーパース)、Linesight Global Construction Group(ラインサイト・グローバル・コンストラクション・グループ)、Asavie Technologies(アサヴィ・テクノロジーズ)、Throgmorton(スログモートン)などの企業がいる。コノリー氏によると、このスタートアップがターゲットとする顧客は、複数の事業体が関与しており、各事業体を個別に会計処理する必要があるが、一元的に管理したい企業だという。国境を越えた電子商取引の加速と、英国のEU離脱のようなマクロな出来事により、その顧客プロファイルは明らかに拡大している。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AccountsIQ資金調達人工知能

画像クレジット:Khali Ackford / AccountsIQ

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(文:Steve O’Hear、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

プレシジョンが一般向け医学情報サイト公開、診療所向けにAI診療支援システムも期間限定で無償提供

プレシジョンが一般向け医学情報サイト公開、診療所向けにAI診療支援システムも期間限定で無償提供

プレシジョンは2月17日、2000名の著名医師による医学情報データベースを活用し、一般向け医学情報サイト「お医者さんオンライン」として無償公開した。また診療所向けのAI診療支援システムについて、2022年3月末まで月額利用料を無償化し提供すると発表した。

医学情報サイト「お医者さんオンライン」

お医者さんオンラインは、気になる病気や検査・治療について調べられる資料集。体調に不安を感じても病院を受診しづらいコロナ禍において、専門医が監修する信頼度の高い情報が参考になればとサイトを開設したという。

プレシジョンが医療機関に提供している医学情報データベース「Current Decision Support」(CDS)の情報と同一の内容で、これまで診察後に説明資料として医師から患者に印刷して渡すなどの形で使用されていたものを活用している。

お医者さんオンラインの情報内容については、国を代表する著名医師7名からなる総合編集委員会を中心に、各診療科22領域23名の権威ある医師を監修者とし大学教授など信頼のおける約500名の医師を選定。約700の疾患についてイラスト付きで症状や原因・治療の流れなどの解説を閲覧できる。

例えば、新型コロナウイルス感染症に関する説明ページの著書は国立国際医療研究センター 国際感染症センター総合感染症科の忽那賢志先生で、監修は国立国際医療研究センター 国際感染症センター長の大曲貴夫先生が担当している。

プレシジョンが一般向け医学情報サイト公開、診療所向けにAI診療支援システムも期間限定で無償提供

医学情報データベース「Current Decision Support」とAI問診票「今日の問診票」

プレシジョンでは、CDSとAI問診票「今日の問診票」アプリを組み合わせ、国内初のAIを用いた本格診療支援システムを開発。東京大学工学院工学系研究科の松尾豊教授がAIアドバイザーを務めている。

また、2020年4月から提供を開始しており、これまで全国35の医療機関が導入を決めているそうだ。

CDSは、総合編集委員計14名、監修41名、2000名の著名医師が作成・更新。3000疾患700病状の所見、全処方薬情報を掲載する「次世代診療マニュアル」にあたり、国内最大級の情報量となっているという。

プレシジョンが一般向け医学情報サイト公開、診療所向けにAI診療支援システムも期間限定で無償提供

今日の問診票は、診療録作成から教科書検索までをサポートする、タブレットやスマートフォン用問診票アプリ。タブレット入力やお薬手帳のOCRで、初診カルテ作成にかかる時間を1/3に削減するという。

患者が診察を受ける前に今日の問診票アプリの約30の質問に答えると、AIが自然文で電子カルテの下書きおよび検索単語の候補を作成。その検索単語により、著名医師が記載する電子教科書の診療マニュアルを検索できる。また診療マニュアルには、著名医師が考える病気の候補と、検査例、処方例が記載されている。

プレシジョンが一般向け医学情報サイト公開、診療所向けにAI診療支援システムも期間限定で無償提供

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:医療(用語)AI / 人工知能(用語)新型コロナウイルス(用語)日本(国・地域)

秘密計算・AI解析技術の研究開発を手がけるEAGLYSが約8億円調達、秘匿データ連携・解析強化

秘密計算・AI解析技術の研究開発を手がけるEAGLYSが約8億円調達、秘匿データ連携・解析強化

秘密計算およびAI解析技術に関する研究開発を手がけるEAGLYS(イーグリス)は2月15日、第三者割当増資による総額約8億円の資金調達を発表した。引受先は、Emellience Partners、椿本チエイン、テックアクセル1号投資事業有限責任組合(テックアクセルベンチャーズ)、セグエグループ。

EAGLYSは、あらゆるデータを安全に活用できる社会の実現に向け、「AIアルゴリズム設計・解析技術」と「秘密計算を中心としたセキュアコンピューティング技術」をコアの強みとして事業を推進。今回調達した資金により、「サービスの社会実装の加速に向けた株主体制構築による販売促進・事業成長」「DataArmor(データアーマー)シリーズの追加機能開発、データ利活用領域での販売力強化」「クラウド上でのデータ連携・分析サービス、リモートAI解析サービスの垂直立上げ」を中心に強化する。

「DataArmor」シリーズ

EAGLYSは、企業のデータ利活用におけるセキュリティ・プライバシーを強化するソリューションとして、秘密計算を中心としたセキュアコンピューティング技術によりデータを秘匿化したまま共有・検索・分析やAI解析が可能なDataArmorシリーズを展開。

2020年1月にデータを秘密計算技術により常時秘匿化したまま共有・検索・分析が行えるプロキシー型ソフトウェア「DataArmor Gate DB」をローンチ。データベースのセキュリティ高度化や企業間のセキュアなデータ利活用・分析環境の構築を推進してきた。

またAIアルゴリズムを秘匿化できる「DataArmor Gate AI」、クラウド上のバーチャルセキュアルーム「DataArmor Room」の開発・提供に取り組み、グループ企業内や企業間におけるセキュアなデータ利活用環境の構築や協業検討を積極的に進めている。

秘密計算・AI解析技術の研究開発を手がけるEAGLYSが約8億円調達、秘匿データ連携・解析強化

AI解析サービス

AI解析サービスでは、精度・頑丈性が高い独自のAIアルゴリズム設計・解析技術やデータ生成技術を強みに、企業のDX構想策定からAI設計・開発までを支援。今後も強みである画像解析、異常検知・故障予測、品質管理などのAI解析技術を中心にDX実現に取り組んでいく。

リモートAI解析ソリューション

リモートAI解析ソリューションは、クラウド上での機密データ・パーソナルデータの保護、リモート環境でのAI解析・データ分析に向けた環境構築サービス。

コロナ禍を受け、高いセキュリティレベルを維持しつつ、リモートおよびオンラインで生産性の高いデータ分析を実施したいというニーズは高まっているという。

EAGLYSが強みを持つ解析環境の仮想化技術と秘密計算技術を組み合わせ、クラウド上にセキュアなバーチャル空間を構築することでリモート環境下でのセキュアなAI解析・データ分析の実現に取り組んでいる。

2016年12月設立のEAGLYSは、統計学や機械学習、計算機科学、応用数学や高機能暗号・秘密計算など、各専門領域や複合領域に専門を持つ多国籍の博士メンバーからなる研究開発スタートアップ。

「あらゆるデータを安全に利活用し、価値に変える」という事業コンセプトで、DXに重要なAIとデータセキュリティの2軸を柱としており、AIアルゴリズム設計・解析技術と秘密計算を中心としたセキュアコンピューティング技術の両軸で企業のDX・データ利活用・事業創出を支援できることを強みとしている。

事業として、AI構築・研究支援をはじめ、セキュアなリモート分析・AI解析環境や企業間データ連携・外販基盤の設計・構築を支援。セキュアコンピューティング技術を活用した自社製品DataArmorシリーズもソフトウェア提供を開始し、日本を代表する大手企業各社と協業を進めているそうだ。

EAGLYSは今回資金調達を通じ、安全にデータを利活用できる社会の実現に向けたサービス機能の強化、セキュアなデータ利活用環境の構築を推進していく。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:暗号化(用語)EAGLYS(企業)AI / 人工知能(用語)資金調達(用語)秘密計算(用語)日本(国・地域)

生徒が泳ぐ姿を4K撮影、水泳上達につなげるスイミングスクール向けスマートレッスンシステム

ソニーネットワークコミュニケーションズとフィットネスクラブ大手のルネサンスは、ルネサンスが運営するジュニアスイミングスクールに向けた「スマートスイミングレッスンシステム」を共同開発しました。

スマートスイミングレッスンシステムとは、生徒の泳ぎを4Kカメラで撮影し、レッスン中に動画で自分の泳ぎを確認することでビジュアルによる気づきや学びにつなげようというもの。

具体的な仕組みとしては、複数台の4Kカメラで生徒の泳ぎを撮影し、それらの映像の中から水面の揺れや光の反射の影響を受けずに人が泳いでいるところをAIが検出、複数のアングルを組み合わせた1本の動画を自動的に作成します。

出来上がった動画にコーチからのコメントやテストの結果を加え、専用ページに配信することで保護者が手持ちのスマートフォンやタブレットなどで閲覧することもできます。

レッスン中にプールサイドのタブレットで自分の泳ぎを確認できる(画像=左) コーチは進級テスト結果記録や配信が可能(画像=右)

レッスン中にプールサイドのタブレットで自分の泳ぎを確認できる(画像=左) コーチは進級テスト結果記録や配信が可能(画像=右)

提供価格は検討中で、6月から全国約80店舗で順次取り入れる予定とのこと。現時点ではルネサンスのジュニアスイミングスクールに向けたシステムですが、要望があれば他社のスイミングスクールにも導入していきたいとしています。

ルネサンス代表取締役社長執行役員の岡本利治氏は2月8日の記者会見で、『本サービスを導入することで、スクールの価値をさらに高めていきたい』と意気込みを語ったうえで、『当社のみならず、スイミングスクール業界の発展にも大きく寄与することを期待している』と述べました。

ルネサンス代表取締役社長執行役員の岡本利治氏

ルネサンス代表取締役社長執行役員の岡本利治氏

システムの導入理由について、ソニーネットワークコミュニケーションズ法人サービス事業部スポーツエンタテインメント部の中村美奈子氏は、『子どものスポーツシーンの1つである“習いごと市場”に着目した。コロナ禍で保護者が子どもの習い事の様子を見守ることが難しくなっている、この状況を少しでも解決できれば、という思いも重なり、習い事として一番選ばれているスイミングに展開することを決めた』と話しました。

ソニーネットワークコミュニケーションズ法人サービス事業部スポーツエンタテインメント部の中村美奈子氏

ソニーネットワークコミュニケーションズ法人サービス事業部スポーツエンタテインメント部の中村美奈子氏

ルネサンス営業企画部スイミング企画チーム課長の勝部久代氏は、『従来の指導に加え、映像で上達を実感できるシステムや「マイカルテ」を活用し、予習、復習を行う機会を実現。さらに進級テスト結果と同時にテスト時の動画を配信することで、子どもと保護者が一緒に楽しみながら成果を実感できる』と自信を見せました。

ルネサンス営業企画部スイミング企画チーム課長の勝部久代氏

ルネサンス営業企画部スイミング企画チーム課長の勝部久代氏

ちなみに、ルネサンスは2017年にもソニーネットワークコミュニケーションズ共同で、スマートテニスレッスンを提供しています。こちらはテニスラケットに装着したセンサーを用いて、打ったボールの速さや打点を解析し、指導に役立てようというものです。

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:EdTech
タグ:AI / 人工知能(用語)カメラ(用語)スポーツ(用語)日本(国・地域)

テキストアドベンチャー「AI Dungeon」のLatitudeが「無限の物語」を生み出すゲーム制作のために3.5億円調達

人工知能によって生成された「無限の物語」を持つゲームを開発しているスタートアップLatitude(ラチチュード)が、シードファンディングで330万ドル(約3億5000万円)の資金を調達したと発表した。

AIが生成したストーリーというと、短編映画「Sunspring」のような愉快で無茶苦茶な実験を思い浮かべるかもしれないが、Latitudeの最初のタイトルである「AI Dungeon」は、幅広いジャンルとキャラクターから選択できる印象的なオープンエンドの(そして首尾一貫した)テキストアドベンチャーゲームだ。

「Zork(ゾーク)」のような古典的なテキストアドベンチャーでは、デザイナーが意図していないことをプレイヤーが入力すると、すぐに「それはできません」というようなメッセージを頻発するが、AI Dungeonはそれらとは異なり、どんなコマンドにも反応することができる。たとえば勇敢な騎士が戦闘に突入している時に「get depressed(気落ちせよ)」と入力すると、彼はすぐに岩の上に座って頭を両手で抱えてしまった。

「AIはどうやって、何が良い話であるかを知るのでしょうか?」と、同社の共同創立者兼CEOであるNick Walton(ニック・ウォルトン)は言った。「それはたくさんの良い物語を読み、それに関わるパターンを知っているからです」。

AI Dungeonは、ウォルトン氏のハッカソンプロジェクトの1つとしてスタートした。最初のバージョンでは何の賞も獲得できなかったが、彼はOpenAIの言語生成モデル(最新バージョンは「GPT-3」)による改良に助けられて開発を続けた。

「AI Dungeon」(画像クレジット: Latitude)

「私が作ったAI Dungeonの最初のバージョンは、文章レベルでは首尾一貫していましたが、段落レベルでは意味をなしませんでした」とウォルトン氏はいう。「GPT-2が使えるようになると、より意味のあるものになりました。そしてGPT-3に達すると、ストーリーレベルでさらに首尾一貫したものになりました。このような首尾一貫性やストーリーが意味を成さないという問題は、AIが向上するにつれて解決されていくと私は思います」。

Latitudeによると、AI Dungeonは月間150万人のアクティブユーザーを集めているという。このスタートアップは今後もさらに多くのAIを使ったゲームを制作し、最終的には他のゲームデザイナーたちも同じようなことができるようになるプラットフォームのリリースを計画している。

ウォルトン氏は、AIがなければ、ビデオゲームは常にクリエイターの想像力によって制約されると指摘する。ランダムに生成された町や惑星が舞台となる「The Elder Scrolls II:Daggerfall」や「No Man’s Sky」のようなゲームでも、「似たようなコンセプトに同じ捻りを効かせたもの」と彼は主張する。

たとえばDaggerfallでは、「どの町に行っても、基本的にはすべて同じ。それがプロシージャルジェネレーション(手続き型生成)の問題点です。特異なものを作り出すことはできません」。これに対して、AIは「完全に特異で、毎回違うものを作る」ことができる。

Latitude CEOのニック・ウォルトン氏(画像クレジット:Latitude)

ビジネスの観点からは、これによりAAAゲームの開発コストを、現在の1億ドル(約105億円)以上から10万ドル(1050万円)以下に引き下げることが可能になると、ウォルトン氏は述べているが、まだLatitudeはグラフィックを使ったゲームをリリースしていないので、そのレベルに到達するには長い道のりがある。ウォルトン氏はまた、これが新たなレベルの没入感とインタラクティブ性につながる可能性があると語る。

「この技術を使えば、何万ものキャラクターがそれぞれの希望や願望、夢を持っている世界を作ることが可能です」と彼は語る。「World of Warcraft」のような、1000万人が同じクエストに参加しているような世界ではなく、ダイナミックで生き生きとした世界を実現できます」。

Latitudeの今回の資金調達は、NFXが主導し、Album VC(アルバムVC)とGriffin Gaming Partners(グリフィン・ゲーミング・パートナーズ)が参加した。

NFXのJames Currier(ジェームス・カーリア)氏は声明の中で、「Latitudeはゲームの作り方に革命を起こし、AIを燃料としてまったく新しいジャンルのエンターテインメントゲームを制作しています」と述べている。「世界がかつて見たことのないようなゲームを生み出すために、最高のAIの知性とエンジニアが集結しています。すでにLatitudeは圧倒的なAIゲームのリーディングカンパニーです」。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Latitude資金調達ゲームOpens AI

画像クレジット:aurielaki / Getty Images

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(文:Anthony Ha、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

「ホリエ・ロイド・タカフミ」などバーチャルヒューマン事業を手がける1SECが累計約2.7億円を調達

「ホリエ・ロイド・タカフミ」などバーチャルヒューマン事業を手がける1SECが累計約2.7億円を調達

AIヒューマン事業「ONE AI」などを展開する1SEC(ワンセック)は2月5日、第三者割当増資よる累計約2億7000万円を創業から現在に至るまでに実施したと発表した。引受先はセレス、gumi venturesファンド、イグニス、East Ventures、國光宏尚氏、内藤裕紀氏、他複数の個人投資家、複数の著名人、同社代表。

同社は、AIヒューマンテクノロジー事業を全世界に向けて展開。国内に加えて、世界27カ国で手がけているという。調達した資金により、AIヒューマンのテクノロジー強化と技術革新にフォーカスし、さらなる成長を目指す。

また同社は設立2期目を終え、通期で黒字化を達成しており、月次売上2億5000万円を突破。さらなるテクノロジーの強化により、新型コロナウイルスなどの障壁に左右されない強固な事業を展開し、世界中のDXを加速させ、人々やビジネスをエンパワーしていくとしている。

ONE AIは物理ベースのリアルタイムグラフィックと、音声認識AI、映像認識AI、特化型対話AIなどの最先端AIを駆使したハイエンドなバーチャルヒューマンテクノロジー。日本初の男性バーチャルヒューマン「LIAM NIKURO」(リアム・ニクロ)を公開。世界初の取り組みとしてNBAワシントンウィザーズとのパートナーシップを締結するなどを行った。

バーチャルヒューマン事業などを手がける1SECが累計約2.7億円を資金調達

また2019年、俳優・起業家の水嶋ヒロ氏の分身として「Lewis Hiro Newman」を発表。デジタルツインとして、「かつて選択しなかったもうひとつの人生」を生き、そのストーリーを展開していく著名人バーチャル化プロジェクトの第1弾としている。

バーチャルヒューマン事業などを手がける1SECが累計約2.7億円を資金調達

第2弾としては、堀江貴文氏が好きなこと、やりたいことに全力を傾けるために、画像生成系AIを用いて作成した「AI×バーチャルヒューマン」として、「ホリエ・ロイド・タカフミ」を発表。音声のディープラーニングも取り入れ、「人」と「AI×バーチャルヒューマン」が共存する時代の象徴としての活動を精力的に行う予定。

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カテゴリー:フードテック
タグ:AI / 人工知能(用語)資金調達(用語)バーチャルヒューマン1SEC日本(国・地域)

慶應大病院が全国のApple Watchユーザーを対象とする睡眠中・安静時の脈拍に関する臨床研究開始

慶應義塾大学病院が全国のApple Watchユーザー対象とする臨床研究開始、App Storeでアプリ配信

慶應義塾大学病院は2月1日、全国を対象とするApple Watchヘルスケアビッグデータの構築と医学的な網羅的解析を目的に、Apple Watchを利用した臨床研究「Apple Watch Heart Study」の開始を発表した。研究責任者は副病院長陣崎雅弘氏、実務責任者は循環器内科特任講師木村雄弘氏。

同院独自の研究用iPhoneアプリケーション「Heart Study AW」は、App Store(日本)よりダウンロード可能。同臨床研究の対象者は以下の通り。また参加同意後、いつでも自身の意思で同意を撤回し、参加を取りやめられる。

  • 日本語を理解できる20歳以上の日本国民の者
  • iPhone(iOS 14.0以降)、Apple Watch(watchOS 7.0以降)の利用者
  • 上記を利用し、App Store(日本)から研究アプリケーション「Heart Study AW」をダウンロードできる者
  • 同研究の参加に同意できる者
  • Apple Watchを睡眠中7日間装着し質問票に回答できる者

慶應義塾大学病院は、今回の臨床研究について類を見ない試みとしており、今後家庭でのデジタルヘルスケアと適切な医療との連携に貢献することが期待されるという。なお、本臨床研究は慶應義塾大学病院が行うもので、Appleが共同研究などで関与するものではない。

同院は、日常生活で着用し、血中酸素ウェルネスや脈拍数などの生体情報を自動的に計測・記録できるApple Watchが、心電図アプリケーションで心電図も記録できるようになり、家庭で可能な予防医療の幅が広がりつつあると指摘。同種の機器が取得するデジタルヘルスケア情報を医療に橋渡しするには、これら情報を集約したヘルスケアビッグデータベースを構築・解析して実際の医療に応用できる情報を抽出することが必要とされるという。

そこで同臨床研究では、Apple Watchの心電図アプリケーションで測定する心電図や脈拍などの様々なヘルスケアデータと、同院独自の研究用iPhoneアプリケーション「Heart Study AW」(App Store)で収集する睡眠・飲酒・ストレスなどに関する調査データを解析することで、睡眠中・安静時の脈拍と生活習慣との関連について、分析を行う。

また、アプリケーション経由でなされる「脈がとぶ」「脈が速い」などの動悸の申告を元に、心電図やヘルスケアデータの変化を解析するという。

心電図は心臓に異常がある時に記録することが重要なものの、病院での限られた検査時間中に症状や異常が現れない場合、病気を検出することが困難という。同研究により、家庭でApple Watchのような機器を使用し的確に心臓の異常を記録できるタイミングはどのような場合であるのかが明らかになり、病気の早期発見につながることが期待されるとしている。

同院に通院する患者対象の研究と、全国のApple Watchユーザー対象の研究の2種類で構成

同研究は、対象者の異なるふたつの研究から構成。そのうちひとつは、「Apple Watch Heart Study慶應義塾版」を利用したもの。同院に通院する心房細動患者の協力のもと、臨床現場で使用している心電図検査(2週間。Holter心電図、携帯型心電図)と、Apple Watchおよび心電図アプリケーションから得られる脈拍データと心電図との比較を行う。

また、ヘルスケアデータを睡眠・飲酒・ストレスとの関係に関して人工知能で解析し、どのような時に不整脈になりやすいかを推定するアルゴリズムを構築する。

全国のApple Watchユーザーを対象とした「Apple Watch Heart Study」では、睡眠中および可能な範囲での日中安静時のApple Watch装着と、動悸などの症状の記録の協力(7日間)を依頼。

慶應義塾大学病院が全国のApple Watchユーザー対象とする臨床研究開始、App Storeでアプリ配信

Apple Watchで収集するデータを活用し、日本におけるヘルスケアビッグデータの構築と解析を行うとともに、慶應義塾版で開発するアルゴリズムを一般国民のデータに対して適用。生活スタイルや申告された症状のデータに焦点を置いた解析を行うことで、適切な精度となるよう評価・改修を行う。

収集したデータは、学会や論文での発表を予定。取りまとめられた情報を医学雑誌、データベース(UMIN-CTR)上などに公表する場合には、統計的な処理が行われ、個人の情報は一切公表しないとしている。

なお同研究は、慶應義塾大学病院が内閣府より受託している戦略的イノベーション創造プログラム「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」研究開発事業(研究責任者:病院長 北川雄光)として実施。Apple提供の臨床研究用フレームワークを利用したアプリ開発の技術的サポートをAppleから受けている。また、ジョンソン・エンド・ジョンソングループBiosense Webster, Inc.のInvestigator-Initiated Study Programからの資金提供および指定寄附の支援によって実施される。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Apple / アップル(企業)Apple Watch(製品・サービス)医療(用語)AI / 人工知能(用語)慶應義塾大学(組織)ビッグデータ(用語)日本(国・地域)

レーザー測距技術LiDAR活用し人の屋内位置測位技術の研究開発に取り組むHULIXが1.3億円調達

レーザー測距技術LiDAR活用し人の屋内位置測位技術の研究開発に取り組むHULIXが1.3億円調達

大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC)を無限責任組合員とするOUVC2号投資事業有限責任組合(OUVC2号ファンド)は1月28日、レーザー測位スキャナ(LiDAR)を活用して屋内における人の位置を測定できるシステム「ひとなび」を手がけるHULIXに対し、1億3000万円の投資を実行したと発表した。

HULIXは、今回の資金調達によりシステムの改良を行うとともに、プロダクトマーケットフィット(PMF。Product Market Fit)の検証を進め、更なる事業開発を加速化させる計画。

同社事業は、特に現在のようにコロナ禍で人の動きを把握する必要性が高くなっている状況において、社会実装する意義が大きいと判断したため、OUVCは同社に対する投資を決定した。OUVCからは取締役を派遣することで、ハンズオンで支援を継続していく。

HULIXは、人の屋内位置測位技術の研究開発に取り組む大阪大学情報科学研究科・山口准教授の研究成果を基にして、2020年7月に設立された大阪大学発のスタートアップ企業。大阪大学の起業支援施策である「起業プロジェクト育成グラント」の採択案件として、阪大・OUVCの全面的なバックアップのもと、人流空間解析プラットフォーム「ひとなび」の事業化に取り組んできた。

また同社は、LiDARを組み込んだオリジナルエッジ機器の開発を進めており、実証フィールドでの取り組みも進めているという。レーザー測位スキャナ(LiDAR)の点群データから、リアルタイムに人やモノを抽出し空間時系列データへと変換するAIエッジ技術を保有し、こちらも研究開発を行っているそうだ。

ひとなびは、LiDARを活用して屋内における人の位置を測定できるシステムで、大規模空間で不特定多数の人の流れを把握できるという特徴を有している。阪大独自のセンシング技術により、空間に「目」と「知能」を与え、高度な空間理解と空間制御を実現しているという。

また同システムを活用すると、大型商業施設内での消費者行動の分析や混雑状況の可視化や予測が可能になることから、三井不動産と連携し、同社運営の大型複合施設「EXPOCITY」(大阪府吹田市)では、歩行者の軌跡からリアルタイムで混雑状況を予測したり、消費者行動を分析する実証実験を開始している。

なおひとなびは、施設の様々な場所に設置されたセンサーからのデータを基に人の流れを把握しているため、個人情報を取得せずにフードコートや施設内の混雑状況の分析できるとしている。

OUVC2号ファンドは、2015年に設立されたOUVC1号ファンドの後継ファンドで、大阪大学のみならず他の国立大学の研究成果も社会実装する目的で2021年1月1日に設立された。同案件はOUVC2号ファンドの第一号案件となる。

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カテゴリー:ソフトウェア
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AIでファッショントレンドを予測し商品開発を行うFinesseが4.7億円調達、Z世代がターゲット

ファッションのトレンドの予測から、当てにならない推測による時間の無駄を省くことを目指すスタートアップFinesseが、シードとプレシードのラウンドで450万ドル(4億7000万円)のベンチャー資金を調達したと発表した。

ファウンダーでCEOのRamin Ahmari(ラミン・アーマリ)氏は「ファッション業界が毎年、途方もない無駄を出しているのは公然の秘密です」と述べた。たとえば著名なアパレルブランドのBurberry(バーバリー)は売れ残った商品を焼却するという同社の慣行に対する批判の高まりに直面している。業界全体ではおよそ1300万トンの繊維製品が廃棄物となっていると推定されている

アーマリ氏は「Finesseの目的は、これを変えることです」と語った。ファッショントレンドがファッションショーというクローズドな世界からソーシャルメディアに移行している。これにより新商品がKylie Jenner(カイリー・ジェンナー)のようなインフルエンサーが実際に着用することで人気になるケースが増えている。

「インターネット上のデータなら我々は自由にアクセスできます。以前、働いていた金融ビジネスに比べればファッション業界ははるかに予測しやすい。自然言語処理やディープラーニングなどのツールをファッションビジネスに適用するテクノロジー・スタートアップがまだ存在していなかっただけです」とアーマリ氏は述べた。

「つまりカイリー・ジェンナーがInstagramに新しいファッションの写真を投稿し、人々がそれに夢中になっているとしましょう。【略】データはカイリーの投稿だけではありません。Instagram、TikTok、Google(グーグル)トレンド全体で何が起きているかを推測できます。我々は新しいファッションがブレークする前に、次のトレンドを予測できるのです」。

画像クレジット:Finesse

Finesseは予測データをベースに新商品を開発する。アーマリ氏はCLO 3Dモデリングソフトウェアなどのツールを利用すれば「サプライチェーンの大幅な高速化」が可能だとする。Finesseはトレンドの推定から25日以内に、ユーザーが実際に商品を購入できるようにすることができると述べた。

Finessは米国時間1月27日に正式スタートしたが、すでに「ドロップマーケティング」を通じて商品販売を行っている。ユーザーはほしいアイテムに投票し、予約する。商品は数量限定だ。アーマリ氏によれば、Finesseは売れ行きが予測しやすい定番商品ではなくユニークなアイテムに重点を置いているが、需要に自信があるため商品を手頃な価格にすることができるという。事実、現在販売されている商品は8ドル(約830円)から116ドル(約1万2100円)の価格帯だ。

また多くのファッション企業と違い、アーマリ氏は、Finesseは巨大で費用のかかるデザイン部門を抱える必要がないと指摘している。ただしプロダクト担当バイスプレジデントのAndrea Knopf(アンドレア・クノップ)氏、プロダクト開発責任者のBrittany Fleck(ブリタニー・フランク)氏などのメンバーについて「彼ら自身が優秀なアーティストです」と述べた。

「本当のAIが実現しない限り(これはもちろん遠い目標です)、AIがクリエイティブになることはできない。ユーザーからのフィードバックがどうしても必要です。【略】私たちが排除したいのは、この業界で給料の安いインターン社員がこなしている重労働です。私たちは非常に効果的なテクノロジーによってInstagramなどを通じて新しいファッショントレンドを見つけています」とアーマリ氏は説明する。

アーマリ氏はまた、持続可能性とLGBTQコミュニティとの関係も重視しており(アーマリ氏自身、自分が男女の性別に区分けされることを拒むノンバイナリーだと認めている)、プロダクトはすべてユニセックスのものとしてデザインされている。Finesseは「白人高齢シスジェンダーの男性」が支配するファッションにうんざりしているZ世代の消費者をターゲットにしている。

このスタートアップの投資家には、Hoxton Ventures、MaC Venture Capital、Mango Capitalなどのベンチャーキャピタルに加えて元Twitterのエンジニアリング責任者であるAlex Roetter(アレックス・レトラー)氏、Collective HealthのCEOであるAli Diab(アリ・ディアブ)氏、Fab Fit Funの共同ファウンダーであるSam Teller(サム・テラー)氏らの個人投資家も含まれている。

MaCのマネージングパートナーMarlon Nichols(マリオン・ニコルズ)氏は声明で「Finesseは、トレンド予測から持続可能なサプライチェーンの構築に至るまで、まさにファッションの未来であると信じています。Finesseによる創造的破壊から他のファッションブランドが学ぶべきことは多いと考えており、次に何をしてくれるのか大いに期待しています」と述べている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Finesseファッションネットショッピング人工知能

画像クレジット:Finesse

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

金融予測スタートアップのSpringbox AIがアプリ公開、これまでに約2.1億円調達

AIを利用した金融予測アプリのSpringbox AIは、金融市場の投資サービスに代わるものとして設計され、金融市場の平均的なトレーダーを対象としたものになっている。このアプリのiOS版Android版が公開された。

アプリを作ったのは、ドイツ銀行、クレディ・スイス、UBS、BNPパリバで働いていた創業者チームだ。これまでにヨーロッパの個人投資家から200万ドル(約2億800万円)の資金を調達している。

アプリの利用にかかるサブスクリプション価格は1カ月49ドル(日本では5400円)で、市場予測のほか、株価・為替・先物市場のライブマーケットスクリーニング、取引関連ニュースなどさまざまなツールが含まれている。

Springbox AIの共同創業者であるKassem Lahham(カセム・ラハム)氏は「ブローカーの多くは簡単に儲かるという夢や神話を投資家に売り込むばかりで、結果としてセルフトレーダーの96%は資金を失って去っていきます。Springbox AIを利用すればトレーダーはデータを重視して成功を支援するアプリにアクセスできます」と述べている。

SpringboxはeToroのようなトレーディングアプリと競合するが、eToroはソーシャルトレーディングが中心でコミュニティ内の有能な投資家をフォローする仕組みになっている。Springboxはもう少し熟練したトレーダーを対象に設計されていると創業者チームは述べている。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Springbox AIAI

画像クレジット:Springbox AI

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(翻訳:Kaori Koyama)

医療VR・デジタル治療VRのジョリーグッドが10億円を調達し累計調達額約22億円に

医療VR・デジタル治療VRのジョリーグッドが10億円を調達し累計調達額約22億円に

医療VRやデジタル治療VRを展開するジョリーグッドは1月21日、第三者割当増資(シリーズC)や資本性ローンなど合わせ計10億円の資金調達を行ったと発表した。引受先は、ジャフコ グループ(ジャフコSV6投資事業有限責任組合、ジャフコSV6-S投資事業有限責任組合)、アクシル・キャピタル・パートナーズ有限責任事業組合(アクシル・ライフサイエンス&ヘルスケアファンド1号投資事業有限責任組合)、いわぎん事業創造キャピタル(岩手新事業創造ファンド2号投資事業有限責任組合)。累計調達額は約22億円となった。

調達した資金により、VRサービスをさらに多くの医療従事者やコロナ禍で心が弱っている方々に届けるために、組織体制の拡充と事業スピードの加速を行なっていく。

同社は、手術を術者目線で360度体験できるVR臨床教育プラットフォーム「オペクラウドVR」をはじめ、発達障害向けソーシャルスキルトレーニングVR「emou」(エモウ)、精神疾患向けのデジタル治療VRなど、VRとAIテクノロジーを本当に必要としている医療・障害者・精神疾患治療向けに開発・提供。

ジョリーグッドは、高精度なVRソリューションと、VR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発するメディカルテクノロジーカンパニー。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、障害者支援、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスを様々な研究機関や企業とともに展開している。

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カテゴリー:VR / AR / MR
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