2020年のアプリ消費額は過去最多の約12兆円、ダウンロードは1300億回

モバイルデータ分析会社App Annieの年末推計によると、2020年に消費者はApple(アップル)のApp StoreとGoogle Playで前年比10%増の1300億回アプリをダウンロードした。この2つのアプリストアでの消費額は、年末までに前年比25%増の1120億ドル(約11兆7000億円)に達するとApp Annieは予想している。

通常、ダウンロード回数の増加は主に新興マーケットが主導するが、2020年は状況が異なる。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックのために、モバイルの浸透が2、3年分加速した。その結果、消費者は仕事、教育、エンターテインメント、買い物などのためのデジタルソリューションとしてアプリに向かった。これが、モバイルマーケットの成熟にもかかわらず、ダウンロード回数やモバイル使用時間、消費額の増加につながった。

画像クレジット:App Annie

Google Playの2020年のダウンロード回数はiOSを160%上回った。しかしいずれも10%の増加だ。一方、ダウンロード回数におけるゲームのシェアは40%増えた。Google Playでは全ダウンロード回数におけるゲームの割合は45%で、前年より5%増えた。しかしiOSでのゲームの割合は30%を維持した。2つのアプリストアでの消費額に関しては、1ドルあたり0.71ドルがゲーム関係だった。

また新型コロナのために消費者はこれまで以上にデバイスを使用した。Androidの使用時間は2019年比25%増の3兆3000億時間だった(App AnnieはiOSデバイスの使用時間は測定できない)。

画像クレジット:App Annie

デバイス使用時間の増加は消費額の増加につながり、2020年は過去最多の1120億ドル(約11兆6800億円)となった。1ドルあたり65セントがiOSでのものだが、Google Playでの支出額は引き続き増えている。今年は30%近くになるとApp Annieは予想している。

iOSでの消費額が多かったマーケットは米国、日本、英国だ。このリストは2018年と2019年のものと異なる。過去2年は米国、中国、日本だった。Google Playの方のリストは米国、韓国、ドイツだった。過去2年と比較すると、成長という点で韓国とドイツは日本と英国の座を奪った。

App Annieのレポートではまた2020年のトップアプリのリストも紹介され、TikTokがダウンロード回数において第1位、消費額で第2位だった。しかし、月間アクティブユーザー数においてはFacebook(フェイスブック)には敵わなかった。ロックダウンにもかかわらず、デートアプリTinderが消費額で第1位だった。

InstagramやMessenger、WhatsAppといったフェイスブックのほかのアプリはダウンロード回数やアクティブユーザー数のチャートで上位を維持した。新型コロナのおかげでZoomはダウンロード回数のチャートで第4位に入った。Appleがこのほど発表したように、iOSではZoomはダウンロード回数第1位で、TikTokがその後に続いた。Google Meetもランクインし第7位だった。

画像クレジット:App Annie

App Annieが発表したこうした数字がモバイルマーケット全体を表しているわけではないという点は注意すべきだろう。というのもこのレポートは中国のサードパーティのアプリストアをカバーしていないからだ。中国の数字は、年初めに発表されるApp Annieのより広範をカバーしている「State of Mobile」レポートに含まれている。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleApp StoreGoogleGoogle PlayアプリApp Annie

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

アップルのSmall Business Program登録開始、App Storeの手数料を15%に引き下げ

つい数週間前(未訳記事)、Apple(アップル)は「App Store Small Business Program」を開始し、App Storeから年間収益が100万ドル(約1億400万円)以下のデベロッパーに対して30%の手数料を15%に引き下げると発表した。

現在、このプログラムは始まっており、アップルは米国時間12月3日午前に登録手続きを開始している。

アップルはこのプログラムの概要を以下のように説明しており、いくつかの点が際立っている。

  • 新規開発者と既存の開発者の両方が対象で、2020年の収益が全アプリを合計して100万ドル未満であること
  • 収益が年間100万ドルを超えると、レートは標準レートに戻る
  • 12月31日以降にプログラムが開始されると、参加デベロッパーは他のアカウントとの間でアプリを移せなくなる。これはおそらく、開発者による「このアプリは儲かりすぎたため、早く他のアカウントに切り替えてしまおう」といった行為を防ぐためだ。「2020年12月31日以降にアプリを移そうとした場合、または2020年12月31日以降に開始されたアプリの移転を受け入れた場合、プログラムに参加する資格がなくなります」と、アップルは記述している
  • 複数の開発者アカウントを管理している場合、それらを特定するようにアップルは求めている

アップルによれば、12月18日までに登録した場合は2021年1月1日までに割引手数料が有効になるとしている。既存の開発者は、その後も登録することができる。しかし物事はもう少し複雑で、通常割引料金は次の会計月の途中から始まるという。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleApp Store

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

アップルがApp StoreのBest of 2020とダウンロードランキングを発表

米国時間12月1日、Apple(アップル)はお待ちかねの2020年ベストアプリとゲームを発表した。例年と同様に、App Storeのエディターがアプリの品質、クリエイティブデザイン、ユーザビリティ、アップルのテクノロジーの活用などに基づいて受賞者を選出した。Best of 2020には、家で過ごすようになった人々を支えるアプリが多く含まれている。たとえば自宅でワークアウトができる「Wakeout!」はベストiPhoneアプリを受賞し、「Zoom」はベストiPadアプリに選ばれた。

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で外出が制限された子供たちを楽しませて家族の助けとなった「Disney+」は、ベストApple TVアプリになった。Disney+は、米国時間12月1日に発表されたGoogle Playのユーザー選出部門でもベストアプリだった。

画像クレジット:Wakeout!

2020年のトップゲームには、ファンタジーの世界などに逃避したいという私たちみんなに共通の欲求を表す結果となった。2020年のベストiPhoneゲームは「原神」(これはGoogle Play Storeのベストゲームでもある)、ベストiPadゲームは「レジェンド・オブ・ルーンテラ」、ベストMacゲームは「Disco Elysium」、ベストApple TVゲームは「Dandara Trials of Fear」、ベストApple Arcadeゲームは「忍び足のサスクワッチ」が選ばれた。

画像クレジット:Fantastical

一方、生産性向上アプリの「Fantastical」がベストMacアプリに選ばれたのは、在宅勤務という新しい生活様式を反映している。

リラクゼーションと睡眠のためのアプリ「Endel」がベストApple Watchアプリを受賞した。

画像クレジット:Endel

リラクゼーションアプリが2020年のトップアプリに選ばれたのは納得できる。Google(グーグル)も睡眠アプリの「Loóna」を2020年のベストアプリに選出した

2020年は、ストレスを感じる出来事の多い厳しい年だった。新型コロナウイルスの感染拡大だけではない。Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領の弾劾裁判と波乱を起こしている11月の大統領選挙、1987年以降最悪の株価暴落、人種差別に対する抗議行動、オーストラリアと米国西部の森林火災、映画プロデューサーのHarvey Weinstein(ハーベイ・ワインスタイン)の有罪判決、ブレグジット、ベイルートの大爆発、デリーの暴動、香港の抗議行動、東アフリカでのバッタの大量発生、そしてRuth Bader Ginsburg(ルース・ベイダー・ギンズバーグ)やKobe Bryant(コービー・ブライアント)、Chadwick Boseman(チャドウィック・ボーズマン)といった有名人の死。

アップルが発表の中で説明している通り、アプリは文化を反映している。2020年は、セルフケアとメンタルヘルス、リモートワークやリモート学習、家族や友人とのつながり、インタラクティブでソーシャルなゲームなどに人々が注目したことを反映している。

画像クレジット:Pokémon GO

アップルは「2020年のトレンドとなったアプリ」として、セルフケアアプリの「Shine」、リモート学習アプリの「Explain Everything Whiteboard」、家族でメッセージをやり取りするアプリの「Caribu」、寄付アプリの「ShareTheMeal」、そして屋内でも楽しめるゲームにシフトした「Pokémon GO」を選んだ。

AppleフェローのPhil Schiller(フィル・シラー)氏は発表の中で「今年はこれまで以上に、最もクリエイティブかつ、人々がつながる瞬間がアプリケーションの中で生まれました。これは1年を通じて、新鮮で、本当に役立つ体験を提供してくれたデベロッパーのみなさんの素晴らしい偉業のおかげです。私たちは世界中で、数多くのデベロッパーのみなさんが並外れた活動を行うのを目の当たりにしてきました。これらBest of 2020を受賞した15本は、彼らが生み出したイノベーションを最も際立ったかたちで表している例といえるでしょう」と述べている。

画像クレジット:Apple

2020年のベストアプリ受賞者には、初めて製作されたモノとしてのアワードが贈られる。これはApp Storeのロゴをデザインして100パーセント再生アルミニウムで作られており、側面に受賞者の名前が刻印される。

アップルは、2020年に最もダウンロードされたアプリとゲームも発表した。これはエディターが選ぶベストアプリとは異なり、消費者のリアルな需要を示すものだ。

リモートワークに欠かせない「Zoom」や「Gmail」、現実逃避できるゲームがトップランキングに入っているのは当然だろう。パンデミックシミュレーターの「Plague, Inc.」が入っているのは偶然ではない。口コミでヒットしたAOCことAlexandria Ocasio-Cortez(アレクサンドリア・オカシオ=コルテス)下院議員のライブストリーミングでも話題になった「Among Us!」(未訳記事)、MinecraftやRobloxのような子供向けプラットフォームの「metaverse」(未訳記事)、そしてソーシャルアプリの常連たちもランクインしている。ただし今年はFacebook(フェイスブック)傘下のアプリではなくTikTokがソーシャル系のトップとなった。

2020年に最も多くダウンロードされたアプリとゲームは以下の通りだ(訳注:日本のトップAppランキングトップゲームランキングも公開されている)。

トップ無料iPhoneアプリ

1. ZOOM Cloud Meetings
2. TikTok
3. Disney+
4. YouTube
5. Instagram
6. Facebook
7. Snapchat
8. Messenger
9. Gmail
10. Cash App

トップ有料iPhoneアプリ

1. TouchRetouch
2. Procreate Pocket
3. Dark Sky Weather
4. Facetune
5. HotSchedules
6. AutoSleep Track Sleep
7. The Wonder Weeks
8. SkyView
9. Shadowrocket
10. Sky Guide

トップ無料iPhoneゲーム

1. Among Us!
2. Call of Duty: Mobile
3. Roblox
4. Subway Surfers
5. Ink Inc. – Tattoo Drawing
6. Magic Tiles 3: Piano Game
7. Brain Test: Tricky Puzzles
8. Brain Out
9. Coin Master
10. Cube Surfer!

トップ有料iPhoneゲーム

1. Minecraft
2. Plague Inc.
3. Heads Up!
4. Monopoly
5. Bloons TD6
6. Geometry Dash
7. NBA 2K20
8. Grand Theft Auto: San Andreas
9. The Game of Life
10. True Skate

トップ無料iPadアプリ

1. ZOOM Cloud Meetings
2. Disney+
3. YouTube
4. Netflix
5. Google Chrome
6. TikTok
7. Amazon Prime Video
8. Gmail
9. Hulu
10. Google Classroom

トップ有料iPadアプリ

1. Procreate
2. GoodNotes 5
3. Notability
4. Duet Display
5. Teach Your Monster
6. LumaFusion
7. Affinity Designer
8. Toca Hair Salon 3
9. 9: Toca Life: Hospital
10. Toca Kitchen 2

トップ無料iPadゲーム

1. Among Us!
2. Roblox
3. Magic Tiles 3: Piano Game
4. Ink Inc. – Tattoo Drawing
5. Call of Duty: Mobile
6. Subway Surfers
7. Dancing Road: Color Ball Run!
8. Tiles Hop – EDM Rush
9. Mario Kart Tour
10. Save The Girl!

トップ有料iPadゲーム

1. Minecraft
2. Monopoly
3. Bloons TD 6
4. Plague Inc.
5. Geometry Dash
6. The Game of Life
7. Five Nights at Freddy’s
8. Human: Fall Flat
9. Stardew Valley
10. Terraria

トップArcadeゲーム

1. Sneaky Sasquatch
2. Hot Lava
3. Skate City
4. Sonic Racing
5. PAC-MAN Party Royale
6. SpongeBob: Patty Pursuit
7. Oceanhorn 2
8. Crossy Road Castle
9. WHAT THE GOLF?
10. LEGO Brawls

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleApp Store新型コロナウイルスCOVID-19アプリ

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Kaori Koyama)

フォートナイトのEpic Games創設者、Appleとの闘争を公民権運動に例えて語る

米国時間11月18日、Apple(アップル)は中小事業者向けのApp Storeの手数料を削減し、年間販売額100万ドル未満の開発者がアプリ内課金で売り上げた場合の手数料を、通常の30%から15%に引き下げる(未訳記事)と発表した。

Epic Gamesの創設者Tim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は、この動き(現在米国議会や欧州連合、連邦司法省、連邦取引委員会によって行われているアップルへの独占禁止法に関する調査に明らかに反応したもの)について、十分ではないと語っている。

18日朝、スウィーニー氏はWall Street Journalに対して、アップルは単に「多くのアプリ内購入に課せられている30%税と競争を妨げているという批判から逃れようとしているだけ。しかし、消費者はアップル税によって不当に引き上げられた価格をこれからも払い続けることになる」と語った

Epic Gamesは、アップルの手数料を避けるため、大人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」に直接支払いシステムを導入して以来、アップルとの闘争を続けている。同社CEOのスウィーニー氏は18日、The New York Times主催の2日間のイベント「DealBook」における座談会で、さらに掘り下げて語った。

Epic Gamesとアップルの戦いは、Epicが8月に直接決済を導入したことで始まった。これを規約違反とみなしたアップルは、App Storeからフォートナイトを削除。これを受けてEpicは、米国でアップルを相手に民事訴訟を起こし、さらに最近ではオーストラリアでもアップルが消費者法に違反としているという同じ主張を用いて、アップルを相手に法的手続きを開始した(The Guardian記事)。この巨大テック企業との戦いについて質問されたスウィーニー氏は、言葉を濁さなかった。彼は現在進行しているEpicのキャンペーンを、米国における公民権をめぐる戦いに例えて、次のように語った。

「戦うのはすべての人の義務です。誰かの弁護士が決めるようなことではありません。実際に戦うのは私たちの義務なのです。もし我々がアップルが決めたすべての条件を遵守し、みなさんご存じの30%もの手数料を受け入れ、そのコストを顧客に転嫁するとしたら、それはEpic Gamesがアップルと結託してiOSアプリにおける競争を抑制し、消費者が支払う価格を吊り上げたことになります。つまり、アップルの合意に従うことが間違っているのです。それがEpicがこの件に挑んだ理由です。公民権運動が行われていた当時は、実際に法律が制定されていて、その法律が間違っていたことがありました。人々はそれに従わず、また従わないことは間違いではありませんでした。なぜなら、それに従うことは現状維持に加担するということになるからです」。

出席者の中には、この例えに目を丸くした人もいたに違いない。だが、本日アップルが行った発表は、Epic Gamesが変化をもたらしつつあることを示唆している。2020年8月に17億8000万ドル(約1850億円)の資金調達を行った後、173億ドル(約1兆7970億円)の評価を受けたEpicは、それ自体が強力で収益性の高いプラットフォームへと進化しているのだ。

問題は、両社の争いがどこで終結するのかということだ。インタビュアーのAndrew Ross Sorkin(アンドリュー・ロス・ソーキン)氏は、Epicが独自のアプリストアで価格を設定していることを指摘し、スウィーニー氏の頭の中にアップルが請求できる「公正な価格」があるのかと尋ねた。

スウィーニー氏は、Epic自身が2%から3%の取引コストを負担していること、さらに決済サポートのために1%、そして帯域幅コストをカバーするための収益として「おおよそ1%」という数字を挙げ、開発者に提供するサービスと引き換えに、8%のアップル税と呼ばれるものを受け入れても良いのではないかと示唆した。

アップルに公正を期すならば、ソーキン氏はまた、アップルと同様に、スウィーニー氏がフォートナイトをプラットフォームとして語っていることに気づき、それが「いまはオープンではない。他者がそのプラットフォームで実質的に開発を行い、独自のアプリ内課金を作成できるような競争力のある市場ではありません。それは変わりつつあるのでしょうか」と質問した。

「その方向に進んでいます」と語ったスウィーニー氏は、ユーザーが自由にコンテンツを作成できる「Fortnite Creative」というモードがフォートナイトに用意されていることを指し、「何千万人ものクリエイターが自分のコンテンツを友人や全体の人々と共有しており、そこにはちょっとしたビジネスモデルがあります。しかし、それはまだ発展のごく初期段階です」と語った。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Apple / アップルApp StoreEpic Gamesフォートナイト

画像クレジット:Kyle Grillot/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Facebookもクラウドゲームへ参入、Appleと同社の新たな確執が生まれる

まもなくFacebook(フェイスブック)は、クラウドゲームの世界に参入する、最新のハイテクの巨人になるだろう。彼らのアプローチは、Microsoft(マイクロソフト)やGoogle(グーグル)が構築したものとは異なるが、中心的な問題を抱えている。それはApple(アップル)への対応だ。

フェイスブックは、Stadia(スタディア)やxCloud(xクラウド)に対抗するようなコンソールゲームを開発してはいない、その代わりに彼らが集中するのはモバイルゲームだ。すでにローカルのデバイス実行できるモバイルゲームを、クラウドストリーム配信するのはなぜだろう?フェイスブックが目指しているのは、ユーザーがより迅速にゲーム参加できるようにすることで、ゲーム広告を見ていることと実際にそのゲームをプレイすることの間の垣根を下げることだ。ユーザーは何もダウンロードせずにそのままゲームの中に入ることができる、最終的にモバイルアプリストアからそのタイトルをダウンロードすれば、中断したところからゲームを再開することができる。

フェイスブックのサービスは、デスクトップ上のウェブとAndroid(アンドロイド)向けにローンチされiOSは除外される。フェイスブックが、アップルのApp Store利用規約に概説されていると説明するユーザビリティ制限がその理由だ。

新しいプラットフォームを使うと、ユーザーはフェイスブックの広告から、直接モバイルゲームをプレイを開始することができる。(画像クレジット:Facebook)

2020年のアップルは、Spotify(スポティファイ)、Tinder(ティンダー)、Fortnite(フォートナイト)などの主要アプリケーションの開発者たちから、 App Storeからダウンロードしたアプリの収益から徴収する手数料の多さで猛烈な攻撃を受けてきた。一方、クラウドゲームプラットフォームを構築することを目指す企業の苦悩はますます微妙なものとなり、これらのプラットフォームが、基本的にアップルデバイス上で動作することがどのように許されるのかにつながっている。

アップルは当初、かつてAppStoreでは禁止されてきたグーグルやマイクロソフトのクラウドゲームアプリへの道筋の提供に及び腰だった。iPhoneを提供するアップルは、最近これらのアプリケーションが存在できるようにポリシーを更新したが、プラットフォームメーカーたちが希望していたものよりも複雑な内容であり、メーカーのプラットフォーム上でゲームタイトルをクラウドストリーミングできるようにするためには、まずユーザーをApp Storeに送るよう強制した。

大規模なシングルプレイヤー型の大作ゲームをダウンロードしようとするユーザーにとって、そのような短い回り道は不便だが、長年フェイスブックのゲームエグゼクティブを務めるJason Rub(ジェイソン・ルービン)氏は、このアップルの契約条件は、何もダウンロードせずにモバイルゲームのプレイをすぐに始める手段を提供しようとしているフェイスブックのプラットフォーム構想に対しては、役に立たないという。

ルービン氏はTechCrunchに対して「消費者体験を悪化させるハードルの連続です」と語る。

アップルはTechCrunchに対して、アップルのガイドラインに従ってフェイスブックのゲーム活動の取り込みを行うために、フェイスブックとの連携を続けていると語った。各ゲームをApp Storeに提出して審査するか、Safari上でサービスを運営することで、プラットフォームはiOSを使うことができるという。

モバイルウェブ上に新しいプラットフォームを構築するという点では、ルービン氏は、現在禁じられているように、iOSアプリのユーザーをブラウザベースのエクスペリエンスに振り向けることができないならば、フェイスブックはその数十億人のユーザーを、主にブラウザからサービスにアクセスするように奨励することはしないという。Zoom(ズーム)会議中に、ルービン氏はこの機能がiOS上でどのように動作させることが可能かを示した、ユーザーがアプリ内の広告をタップすると、モバイル版Safari(サファリ)内でのゲームエクスペリエンスへとリダイレクトされるやり方だ。

「でも、現在はそれをタップしても、ウェブに行くことはできません。アップルは『いや、いや、いや、いや、いや、そんなことはできない』というのです」とルービン氏は語る。「アップルはそれを、自由でオープンなウェブだというかもしれませんが、実際にそのウェブ上で構築できるものは、彼らがコア機能に含めることに決めたものによって限られてしまうのです」。

フェイスブックのPlay副社長ジェイソン・ルービン氏(画像クレジット:Facebook)

ルービン氏はゲーム開発スタジオであるNaughty Dog(ノーティ・ドッグ)を1994年に共同創業したが、その会社は2001年にソニーに買収された。ルービン氏は、2014年に買収が発表されたOculus(オキュラス)に数カ月後に入社して以来、フェイスブックに在籍し続けている。以前ルービン氏は、バーチャルリアリティヘッドセットのゲームエコシステムの管理を担当していたが、2020年になって彼は、フェイスブックのPlay部門担当副社長として、コアなアプリケーションファミリ全体にわたる、同社のゲームの活動を担当することになった。

ゲーム開発者 / プラットフォームの小競り合いに精通したルービン氏は、フェイスブックがアップルに対して抱いている不満と、2020年の夏にアップルを訴えたEpic Games(エピック・ゲームス)からなどの苦情を、すばやく区別してみせた。

「私たちは、グーグル(Android)に対しては、30%を支払っているという事実はきちんとお伝えしておきたいと思います。アップルの問題は、お金に関するものではないのです」とルービン氏はTechCrunchに語る。「もちろん、グーグルが30%を徴収することは妥当かどうかを議論することはできますけどね。しかし、もしアップルが私たちがここで提供しているものを、消費者のみなさんが手に入れる機会を与えてくれるなら、私たちは今すぐアップルに喜んで30%を支払います」。

フェイスブックの経営陣はアップルの高い手数料収益に対して苦言を呈しており、直近ではApp Storeの課金モデルがパンデミックの中で小企業を苦しめていると批判していたが、フェイスブックもゲームに対して30%の手数料を徴収する。この騒動は結局(VERGE記事)、 中小企業がオンラインイベントを開催する際のチケット販売代金に対しては、2020年の年末までアップルが手数料徴収を行わないという発表につながった。

アップルが、主要ゲームプラットフォームが消費者に対して個別にゲームを提供するための道を歩むことに対して首を縦に振らないことは、消費者がこれらのクラウドプラットフォームへシフトすることによって、App Storeの収益の大きな部分が失われかねない事実を強調している。CNBCの推定によれば、アップルは2019年にApp Storeから約500億ドル(約5兆2000億円)の収益をあげている。そしてゲームは長い間、アップルにとって最も利益率の高い部門だった。

フェイスブックはこれを、ゲーマーのための主要なプラットフォームとの困難な戦いと捉えているが、弱者同士の戦いではない。フェイスブックは2019年に約700億ドル(約7兆3000億円)の広告収入を得た。彼らのモバイルゲームスタジオ向け製品の改善は、その数字を増すための意味あるステップとなるだろうし、アップルのApp Storeのルールを脅かすものになるかもしれない。

当分の間、フェイスブックは今回のローンチをかなり控えめに行っていく。ローンチ時に利用可能になる予定のタイトルは5〜10個しかない、とルービン氏は語る。フェイスブックは無料のこのサービスを今週、米国内のいくつかの州で展開する、対象になるのはカリフォルニア州、テキサス州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、コネチカット州、ロードアイランド州、デラウェア州、ペンシルバニア州、メリーランド州、ワシントンD.C.、バージニア州、ウェストバージニア州などだ。地理的にバラバラな展開が行われる理由は、クラウドゲームの技術的な限界によるものだ。利用しやすいエクスペリエンスを得るには、ユーザーはサービスが展開されるデータセンターの近くにいる必要があるのだ。今後数カ月で米国の他の地域への拡大を目指している、とフェイスブックはいう。

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タグ:FacebookAppleApp Store

画像クレジット:Alexander Koerner/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:sako)

対Apple訴訟でEpic Gamesが優越的地位の乱用による反トラスト法違反を強く主張

世界的な大人気を誇るゲーム「Fortnite(フォートナイト)」と多くのデベロッパーに利用されているゲームエンジンのベンダー、Epic Games(エピックゲームス)はApple(アップル)に対して訴訟を起こしているが、法廷で反トラスト法に違反する反競争的行為があったと強く主張した。

反トラスト法はリベラル、保守を問わず米国でますます注目を集める問題となっている。これはEpicの訴訟にとって有利な環境を作るものだ。

2020年10月に入ってトランプ政権の米司法省はGoogle(グーグル)に対して反トラスト法訴訟を起こした(未訳記事)。一方、米国議会は時価総額1兆ドル(約104兆7000億円)を超える4大テクノロジー企業の独占的な力を制限するためのロードマップを提示している。4大企業とは、Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Alphabet(グーグルの親会社)だ。

Epicの弁護士は訴状で、同社がアップルと結んだ契約に違反したことを認めている。しかしEpicはこの契約をやむを得ず結んだものであり、契約条項においてアップルが課す制約が違法なものであるとして次のように主張した。

「Epic GamesがiOSデバイス上で消費者が直接支払いができるようにする手段を講じた際、EpicはアップルがiOSアプリのデベロッパーに課した契約上の制限のいくつかを破った。しかしEpicがこうした手段をとったのは、この契約が違法であるからだ。Epicが直接支払という手段を選んだのはアップルによる独占が存在することを明らかにし、消費者に歓迎され利益をもたらす競争をiOSに導入するためだった。Epicはこの変更を予告なしに実行したが、それは予告をすればアップルがその独占的支配力を利して競争的手法の実現を妨害したはずだからだ」。

結局この議論は「アップルは自社のスマートフォン上のマーケットプレイスで行われる商取引に対して、アップルを通すことを強制する支配権を持つのか」という点に行き着く。

Epic GamesのファウンダーでCEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は「これはバカげた誤った考え方だ」とツイートしている。

Epicは法廷で「アップルの契約に含まれる制限事項は反競争的であり、開発者、消費者双方の選択自由を否定するものだ」と主張した。

Epicはゲーム内にマーケットプレイスを作りプレイヤーが直接同社に支払いができるようにした理由は「App StoreがiOSエコシステムの不可分の一部ではなく、単にアップルが独占を維持するための道具に過ぎないことを証明するためだった」と主張した。

Epicは訴状に「アップルには契約から生じるものを除いて、Epicの労働の成果を横取りする権利はない。消費者はEpicに対して創造性やイノベーションの対価を直接支払うにあたってFortnite内の課金システムを利用すること選んだ」と書いている。

この訴訟は時価総額世界最大級の企業とゲーム業界の期待の星であり、圧倒的にユーザーに人気のあるゲームを開発運用している会社の間で争われている。Epic Gamesは2020年8月にFortniteアプリ内でゲームプレイヤーがデジタルグッズを購入した場合、アップルのアプリ内課金システムを通さず、ゲーム内から直接支払いができるメカニズムを実装した。

Epicは同じ仕組みをAndroidアプリにも追加した。アップルに加えてAlphabetも直ちにFortniteをアプリストアから削除した。10月に入ってYvonne Gonzales Rogers(イヴォンヌ・ヌゴンザレス・ロジャーズ)判事は9月に出されたEpicの申し立てによる暫定差止命令を維持した。このこの命令はアップルがEpicのゲームエンジンであるUnreal Engineを削除することを報復として禁止したが、アップルがEpicのFortniteをストアから削除した点については差し止めを認めなかった。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:AppleEpic GamesApp Store反トラスト法

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

フォートナイトをApp Storeに戻すように求めるEpicの要求をカリフォルニア州判事が却下

カリフォルニア州の判事は、Epic Games(エピック・ゲームス)とApple(アップル)の間の法廷闘争において、Epic Gamesが要求しているApp StoreへのFortnite(フォートナイト)の復帰について否定した。一方で、Unreal Engineの開発者がアップルのデバイスにアクセスできるようにするために使用されたEpic Gamesの開発者アカウントに対して、アップルが行動を起こすことはできないことも明言した。

裁判所の決定は、8月下旬に行われた法廷審問で、Epic Gamesの弁護士が、アップルがFortniteデベロッパーにApp Storeから会社を追い出し、会社の全アカウントを閉鎖すると伝えた後、一時的な差し止め命令を得ようとしたことで、宣言を再確認した。

今回の判決は、アップルがFortniteの開発者をApp Storeから追い出し、Epic Gamesのすべてのアカウントを終了させることを通知した後、同社の弁護士が一時的な差し止め命令を得ようと求めた、8月下旬の法廷審理での宣言を再確認したものとなる。

裁判官は「一時差止命令による救済は、めったに認められることのない特別な措置である」と指摘し、Epic Gamesの要求の一部を認めつつ、一部を否定したことを詳細に説明した。「Epic Gamesは、このような特別な救済を求める際の負担を負っている」と指摘した。

訴状の内容は以下のとおりだ。

Epic Gamesは、アップルがiOS App Storeを通じて独占的に配布していること、アップルがソフトウェア価格の30%を受け取るアプリ内購入システムについて強い反発を抱いている。しかし、記録が限られておりEpic Gamesはアップルの反論に十分に対処していない。仮差し止め命令の対象となった資産は変更されない。

これは、裁判が始まる前にFortniteがApp Storeに戻らないことを追認するもので、今週裁判所に提出された文書によると両社の裁判は2021年5月3日に始まるという。

Epic Gamesの広報担当者は声明で「Epic Gamesは、訴訟が続く限り、アップルがUnreal Engineと当社のゲーム開発顧客に報復することを引き続き禁じられることに感謝している。我々は、裁判所の保護の下、iOSとMac向けの開発を継続し、アップルの反競争的行為を終わらせるためのあらゆる手段を追求する」と述べた。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Epic Games、アップル、Unreal Engine、Fortnite、App Store

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(翻訳:TechCrunch Japan)

第3四半期のアプリ消費額は過去最多の3兆円、コロナ禍で利用増

新型コロナウイルスパンデミック下でも、モバイルの使用は変わらず多い。新型コロナによりソーシャルディスタンス維持やロックダウンが導入され、消費者は仕事、学校、社会交流のためにオンラインに移行した。これは過去最高のアプリ支出額につながり、使用時間も急増した。App Annieの新たなレポートによると、消費者は第3四半期に世界で330億ものアプリを新たにダウンロードし、アプリで280億ドル(約3兆円)使った。この額は前年同期比20%増だ。消費者はまた、2020年7月から9月にかけて計1800億時間超をアプリで費やし、これは前年同期比25%増だ。

App Annieはこれより前に、新型コロナパンデミックが消費者のモバイル行動に長期的な影響を与えるかもしれないとの分析を示していた(App Annieレポート)。少なくとも新型コロナでモバイルの使用が2、3年先に進んだ。この傾向は第3四半期でもみられ、モバイルの使用は主要アスペクトで増えている。

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第3四半期に330億回のアプリダウンロードがあり、うちGoogle Playのダウンロードは250億回で前年同期比10%増だった。一方、iOSは90億回で前年同期比20%増だった。Google Playでのアプリダウンロードの55%は非ゲームアプリで、iOSではもう少し多い70%だった。

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ダウンロードが多かったマーケットは、Google Playではインドとブラジル、iOSでは米国と中国だった。インドとブラジル、メキシコがGoogle Playのダウンロード回数を押し上げ、iOSではインドと韓国が成長要因となった。

ダウンロード回数の増加は、部分的にはパンデミックと直接結びついている。

例えばメキシコでは学生がリモート学習を余儀なくされ、教育アプリのダウンロード回数は25%増え、ライブラリー&デモのアプリは270%増となった。米国の消費者はロックダウンや事業閉鎖の期間中にアクティビティを求めてアウトドアに目を向け、旅行アプリのダウンロードが50%増え、ナビゲーションアプリは25%、天気アプリは15%増えた。

全体をみると、最もダウンロードが多いゲームを除くとゲーム、ツール、エンターテインメントのカテゴリーで増加がみられた。そしてiOSのゲーム、写真・ビデオ、エンターテインメントが5四半期連続で上位を占めた。

消費者は第3四半期に過去最多の280億ドル(約3兆円)をつぎこみ、これは四半期としてこれまでで最も大きな額でもある。

支出額はiOSで前年同期比20%増の180億ドル(約1兆9000億円)、Google Playでは35%増の100億ドル(約1兆600億円)だった。支出額に占める非ゲームアプリの割合はiOSでは35%、Google Playでは20%で、これは主にサブスクリプションのおかげだ。

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iOSとGoogle Playの両方で消費者の支出額が最も多かったマーケットは米国と日本で、Google Playだけみると韓国の支出額も多かった。

アプリでの消費者支出額の増大はパンデミックとその影響に密接に結びついているとみることができる。例えばゲーム、ソーシャル、エンターテインメントが消費者がGoogle Playで最も金を使ったカテゴリーだった。エンターテインメントの中では、Disney+、Twitch、Globo Play、HBO Maxなど消費者が家にいながらして楽しめるストリーミングアプリが支出額を押し上げた。

iOSではゲーム、エンターテインメント、写真・ビデオでの支出額が最も多かった。米国ではスポーツがテレビに戻り、スポーツアプリでの支出額は前四半期から55%増えた。一方、TikTokはゲーム以外のカテゴリーで消費者支出額が2番目に多かった。しかしゲーム以外のカテゴリーで過去最多の支出額増加に貢献したのは、コミックアプリのpiccoma、YouTube、Tinder、AbemaTVだった。

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Tinderは第3四半期に回復力を見せた。パンデミックにもかかわらず、Tinderは消費者支出額で第1位の座を獲得した。Disney+も第4位へと躍進した。

しかし月間アクティブユーザーの点では、Facebook(フェイスブック)がまだ上位を牛耳っている。第1位から第4位までがフェイスブック、WhatsApp、Messenger、Instagramの順だった。次いでAmazon(アマゾン)、Twitter、Netflix、Spotify、TikTokそしてTelegramがくる。Telegramは第2四半期からランクを2つ上げて今回初めてトップ10入りした。

ゲーム部門はパンデミックの影響で引き続き利用が多い。ロックダウン中の消費者がエンターテインメントを求め、週間ダウンロード回数は約10億回を維持し、これは前年同期よりも15%多い。

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消費者はまた、第3四半期に過去最多の200億ドル(約2兆1000億円)をゲームに費やした。年末までにモバイルゲーミングはデスクトップの2.8倍、コンソールゲームの3.1倍になるとApp Annieは予想している。

第3四半期のゲームのダウンロード回数は140億回に達し、うち110億回がGoogle Playでのもので、これは前年同期比20%増だ。iOSでは26億回のダウンロードがあった。このダウンロード回数を反映して、ダウンロードが最も多かったゲームの45%がGoogle Playのもので、iOSは30%だった。

今回のApp Annieのレポート内容は、2020年10月初めに発表された調査会社Sensor Towerの第3四半期レポートとほぼ同じ傾向を示している。Sensor Towerはアプリの売上高が第3四半期に290億ドル(約3兆600億円)を超え、アプリのダウンロードは365億回だったと推定した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:新型コロナウイルスiOSApp StoreAndroidGoogle Playアプリ

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(本訳:Mizoguchi

iPhoneのホーム画面カスタマイズアプリがiOS 14リリース以降、インストール数激増

iOS 14ホーム画面カスタマイズがトレンドとなり、一連の新しいアプリがApp Storeチャートの上位に押し上げられている。そしてPinterest(ピンタレスト)のようなインスピレーションを得られるサービスのダウンロードも記録的な多さとなっている。アプリストアマーケット調査会社Sensor Tower(センサータワー)の新たなデータによると、ホーム画面カスタマイズの上位20アプリのインストール数は、iOS 14がリリースされた9月16日以降の4日間で全世界で570万回だった。

アップデート:当初の9月17日から20日の推定回数は、その後再度計算された。そしてSensor Towerは9月17日から23日までの最新の数字を盛り込んでレポートをアップデートした。iOS 14リリース後の7日間でトップ20のホーム画面カスタマイズアプリのダウンロードは1370万回に達し、App Storeでの世界の消費者支出は100万ドル(約1億500万円)を超えた。Widgetsmith、Color Widgets、Photo Widgetがトップ3のアプリで、7日間で合計1260万回超インストールされた。

以下、当初の記事となる。

最もダウンロードされたのはWidgetsmith、Color Widgets、Photo Widgetで、この3つで570万回の95%を占めている。これは3社以外のカスタマイズマーケットはかなり小さいことを示している。しかしより多くのアプリがトレンドを取り込んでイノベーティブでユニークな機能を有するようになれば、今後変わり得る。

Sensor Towerのホーム画面カスタマイズマーケットに関する調査は、ホーム画面のウィジェットを作ったり、カレンダーや時計、メモといった既存の主要サービスに絡むものにフォーカスしている。

アプリがホーム画面のカスタマイズツールを提供しているか分別するのにSensor Towerは9月16日以降のApp Storeにランクインした全アプリのアプリメタデータを分析し、機能がホーム画面カスタマイゼーションに関連していると確認されたアプリを手作業でレビューした。

調査は、ユーザーがカスタムアイコンを作成できるアプリや、ウィジェット機能が加えられた既存のアプリよりも、ウィジェットアプリにより力点が置かれていた。メタデータを基にいくつ調査するか決定することができないと考えたからだ。また一部のケースでは、ウィジェット以外の機能を提供しているアプリが、ウィジェットを加えたばかりであるためチャートで上位にきているかどうかを見極めるのは困難だった。

上位20のアプリはランク順に次の通りだ。

Widgetsmith、Color Widgets、Photo Widget、Photobox Widget、MemoWidget、Home Photo Widget、Motivation Widget、Ermine、Date Today、Hey Weather、TimeDeck、Widgeridoo、Glimpse 2、Widget Wizard、Widget Web、Locket、ItemMemo、OMDZ、Clock Widget for Home Screen、Photo Widgets。

画像クレジット:Sensor Tower

9月17日から20日にかけての4日間、20のアプリでの消費者支出は計40万ドル(約4200万円)だった。Sensor Towerの推計によると、この中で最多はWidgetsmithの37万ドル(約3900万円)だった。そしてDate Todayが約2万ドル(約200万円)で続いた。

Sensor Towerの調査のフォーカスは狭いものの、ウィジェットメーカーを超えて多くのアプリがカスタマイズ機能の恩恵を受けていることを示している。

前述したように、デザインのインスピレーションを得るリソースのPinterestはデイリーダウンロード数が過去最多となった。米国App Storeの無料アプリランキングで18位につけているTuneTrackは、公式のSpotify(スポティファイ)ウィジェットがない間に人気を集めているようだ。TuneTrackアプリはお気に入りの音楽をホーム画面に表示する、Apple Music(アップルミュージック)とSpotifyのウィジェットを提供している。

Sensor Towerは9月17日から20日にかけてTuneTrackが55万2000回インストールされたとしている。この数字は前週(9月10〜13日)から1840%の増加だ。Motivationウィジェットのインストールは43万1000回で、798%の増加となった。

一方、デザインツールのProcreate Pocketは米国App Storeの有料アプリランキングで第2位、PicsArtは無料アプリランキングで第31位だ。アイコンの変更を簡単にできるアプリIcon Changer+は無料アプリランキングで第40位で、Shortcutsというアプリがそれに続く。このアプリはApple(アップル)のShortcutsアプリとは別のものだ(同じ名称の使用が許されているというのは驚きだ)。

画像クレジット:Sensor Tower

ホーム画面カスタマイズツールという部門はないため、一部の新しいアプリは生産性カテゴリーに分類され、その一方で他のアプリはユーティリティアプリあるいはまったく異なるものに分類されている。その結果、ホーム画面カスタマイズ機能を提供する全アプリを1カ所で比較するのはかなり難しい。

iOS 14が事実上、完全に新しいアプリのカテゴリーを作ったことを考えると、もしこの傾向が長期的に続くようなら、アップルが将来カスタマイゼーション部門をApp Storeに追加することを検討するというのはあり得る話だ。

しかし差し当たっては、アップルは新たなApp Store編集コンテンツでアプリ発掘方法の問題に対処している。たとえばApp Storeの「Today」ページにある特集は「どうやってウィジェットを設定するか」というテーマで、Widgetsmithに加えてTodoist、Carrot Weather、Timepage、Apollo、Spark Mailなどウィジェットを追加した数多くのアプリを勧めている。

デベロッパーがiOS 14アップデートを展開するにつれ、新しいウィジェットがどんどん追加されつつある。たとえばFantasticalは9月23日に12のホーム画面ウィジェットを立ち上げた。

残念なことに、アップルはデベロッパーコミュニティに立ち上げ前に十分な時間を与えなかった。同社はiOS 14リリースまで24時間を切ってから発表した。しかもデベロッパー向けのXcodeの最終バージョンなしでだ。そのため、ユーザーがホーム画面をカスタマイズし始めた時、使いたいウィジェットが見つからない、ということがあったかもしれない。

関連記事:iOS 14のホーム画面デザイン機能搭載でPinterestが驚異的なダウンロード数を記録

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Apple iOS iOS 14 App Store

画像クレジット:Sensor Tower

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(翻訳:Mizoguchi

アプリメーカーがApp Storeの規約変更に向けて一丸で闘う「Coalition for App Fairness」が発足

多くのトップアプリメーカーが団結して、アップルによるApp Storeの支配、さらにはグーグルによるPlayストアの支配に対抗するための活動画始まった。米国時間9月24日、Epic Games、Deezer、Basecamp、Tile、Spotifyなどを含む13のアプリパブリッシャーが、「Coalition for App Fairness」(公正なアプリのための連合)を立ち上げた。この新しい組織は、各アプリストアのプロバイダーにポリシーを変更させるか、最終的にはアプリストアを規制に追い込むかのいずれかに焦点を当てた、各社がすでに進めている取り組みを組織化したものとなる。

例えばEpic Gamesは現在、App Storeの手数料ガイドラインをめぐってアップルを相手に訴訟を起こしている。またBasecampは、自社開発のHeyメールアプリがアップルのアプリ内購入プラットフォームを使用しないことを理由に、アップルにアプリのアップデートをブロックされたことで、両者が公の場で争うことになった。このグループに含まれる他のアプリメーカーは、以前に公の声明を通じてアップルの慣行に反対する発言をしており、一部のアプリメーカーはまた議会に不満を伝えている。

Coalition for App Fairnessの新しいグループに含まれるのは、Basecamp、Blix、Blockchain.com、Deezer、Epic Games、European Publishers Council、Match Group、News Media Europe、Prepear、Protonmail、SkyDemon、Spotify、Tileの合計13社。

Coalition for App Fairnessのウェブサイトでは、同グループは、アプリストアの30%の手数料構造のような反競争的な慣行や、何十億ものアップルデバイスにソフトウェアを配布できないことなど、同団体が個人の自由を侵害していると見ている主要な問題について詳述している。

グーグルは、アプリをPlayストア以外で配布する、いわゆるサイドロードを許可しているので、この点でについては標的にはなっていない。実際のところ同団体の取り組みは、アップルのビジネスをターゲットにしている。

もちろん、アプリ経済におけるアップルの成功の大部分は、アプリがどのように作られ、デザインされ、レビューされ、配布されるかを厳しく管理していることに起因する。xApp Storeではジャンクやスパムが排除されることが多く、アプリのレビューは自動化された技術ではなく、主に人間が管理している。また、アップルのアプリ開発者は、アプリの外観や使い勝手、許可されているコンテンツの種類、アプリの動作を管理するガイドラインにも従わなければならない。アプリ内購入に関する同社のルールは顧客体験にもつながっており、アプリ内での購入は親指を押すかボタンをタップし、iPhoneを見るだけで簡単に決済できる。

その一方でアップルガイドラインは、顧客獲得、検索広告、支払いの処理などをApp Storeに頼る必要がない企業にとっては、あまり自由度が高くない。そういった企業は、独自のアプリやサービス、独自のインフラストラクチャを構築できるが、iOSの顧客にリーチするためにアップルのプラットフォームを使用するしか方策がないのだ。

Spotifyのグローバルアフェアーズの責任者兼最高法務責任者のHoracio Gutierrez(ホラシオ・グティエレス)氏は「世界中の執行機関、規制当局、立法者がアップルの反競争的な行動を調査する中、The Coalition for App Fairnessは、消費者の選択肢を保護し、すべての人のための公平な競争の場を作るための努力の中で、アプリやゲーム開発者の声となるでしょう」と述べている。

同団体はまた、業界全体で制定されることを望む10項目の「App Store Principles」のリストを発表している。これには、アプリストア以外の場所でアプリを配信することができること、自社のデータを競合に利用されないように保護すること、開発者向けのドキュメントへタイムリーにアクセスできること、正当なビジネス目的のためにアプリを通じてユーザーとコミュニケーションを取る権利、アプリストアの決済システムを利用することを要求しないこと、不公正な料金を支払うことを要求しないことなどが含まれている。

同団体に参加するメンバーの個別の声明も公式ウェブサイトで公開されている。中でもおそらく最も重要なのは、新しいメンバーを募集する仕組みを立ち上げたことだろう。アップルのやり方に同じように抑圧されていると感じているアプリメーカーは、フォームに必要事項を記入して参加を申し込むことができる。同団体は「大小すべての開発者に参加を呼びかけました」と述べている。

アップルはCoalition for App Fairnessの立ち上げについて直接コメントしなかったが、米国時間9月24日にApp Store関連の新しい情報を公開した。その中には、App Storeについてのページのデザイン変更、開発者の利益に焦点を当てたページの追加、アプリ開発者プログラムが提供する利点の概要、アップルビデオパートナープログラムとその適用方法を説明する新しいサイトなどが含まれる。

アップルは一部のプログラムについて、透明性を欠いている傾向がある。公式声明を発表したり、ブログ記事を書いたり、プレスリリースを発表したりする代わりに、ルールが変更されたときの背景について簡単に説明する新しいウェブサイトを立ち上げるなどして対応してきた。App Storeの問題についてコメントを求められても、アップルが公式発表することはめったにない。

しかし、最近行われた反トラスト法の聴聞会でアップルの内部事情が明らかになり、Amazon(アマゾン)との特別な契約をどのようにしたか、どのアプリを委ねるかをどのように決定したか、複雑な決定をどのように処理したかが明らかになった。

この行為に対する反発は何年も前から沸き起こり、規制当局の調査のおかげでいまや頂点に達しつつある。しかし、アップルと戦うすべての企業が、必ずしも彼らを救うために戦っているわけではない。アップルがEpicやSpotifyと密かに特別契約を結んでいたら、App Storeの乱用について聞いたことがなかったかもしれない。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アップルがFacebookのオンラインイベントにおけるApp Store税30%を特例時限免除、ゲーム関連は適用外

先月、Facebook(フェイスブック)は有料オンラインイベントの支援を表明した。イベントを開催する企業の多くが新型コロナウイルスの感染蔓延で苦戦しているため、むこう1年間はFacebookプラットフォームを活用したイベントの手数料を徴収しないという内容だ。同社はこの取り組みに合わせて、アップルがアプリ内購入の際に徴収する30%の手数料を放棄するように要求していたが、アップルが「却下」したことを訴えていた

米国時間9月25日、Facebookはアップル側の方針転換を発表した。オンラインイベントの料金はFacebook Payで処理され、アップルは30%の手数料を徴収しないことになった。この取り決めは12月31日まで続くが、ゲームクリエイター、つまりEpic Gamesなどには適用されない。

このニュースは、Facebookが公式にアップルに姿勢を改めるよう圧力をかけた後に発表された。手数料免除が許可されないことを想定して、同社はイベントの支払いフローに「アップルはこの支払い額の30%を受け取る」と記載されたiOSアプリのアップデートも提出した。Facebookによると、アップルはユーザーにとって 「無関係」 な情報を含むことを理由に、このアップデートを拒否していたそうだ(Reutres記事)。

両社は合意に達したようだが、Facebookが発表した声明には少しトゲがある。

今回の発表は両社が合意に近づいているようにも観るが、Facebookからの声明はまだ少しとげとげしい。Facebookの広報担当者のJoe Osborne(ジョー・オズボーン)氏は、「新型コロナウイルスの感染蔓延は、中小企業やクリエイターにとって困難な時間です。感染蔓延のためにコミュニティが閉鎖されている間は、有料のオンラインイベントから料金を徴収しないのはそれが理由」と説明する。そして「アップルは3カ月間の猶予期間を設けることに同意が、その後は、苦戦する企業であっても30%のApp Store税を支払わなければなりません」と続けた。

同様に、ゲーミングクリエーター向けの例外について議論する中で、Facebookゲーム担当バイスプレジデントのVivek Sharma(ビベック・シャルマ)氏は「残念ながら、ほかの事業の一時的な猶予を得るために、この譲歩をしなければなりませんでした」と述べた。

この変更についてアップルは以下のような声明を出した。

App Storeはすべての開発者に大きなビジネスチャンスを提供しており、175カ国で毎週5億人の訪問者を集めています。すべての開発者がビジネスを成功させ、成長させることができるように、アップルは明確で一貫したガイドラインを維持しており、すべての開発者に等しく適用されます。

より具体的には、「アップルは年末までにFacebookがこれらのイベントのアプリ内支払いを実装すれば、App Storeのルールに準拠させることを許可する」と語った。

これは、大人気バトルロワイヤルゲームであるFortnite(フォートナイト)がApp Storeから削除され、開発元であるEpic Gamesが法的闘争と宣伝キャンペーンを展開していることにも影響する。Epicはまた、最近発表・発足したばかりの、App Storeなどのアプリストアの規制改善を求める非営利団体「Coalition for App Fairness」の一員でもある。Coalition for App Fairnessには、Spotifyや忘れ物防止タグのTileなどの企業が参加している。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

強力なウィジェット作成機能をもたらすLauncher、iOS 14でユーザーの画面カスタマイズ熱高まる

Launcher」は、カスタマイズ可能なウィジェットの新機能をiOS 14に提供し、ウィジェットのアイコンを日付、時間、さらには場所ごとに回転させることができるようになった。また、ウィジェットの背景、異なるサイズのアイコンやラベルのないアイコンもサポートしており、よりすっきりとした外観を実現する。

2014年にデビューしたこのアプリは、アップルの古典的な「今日の表示」(Today View)ウィジェットが提供する機能の限界を押し広げる数少ないアプリとして知られていた。以来、お気に入りの連絡先にメッセージを送ったり、家に電話をかけたり、道順を聞いたり、お気に入りの音楽を再生したりなど、一般的なタスクのためのスタートパッドとして人気だ。

現在ではホーム画面からも同じことができるが、今回iOS 14のテーマに合わせてよりカスタマイズできるようになっているので紹介しておこう。

アップルは2014年の時点では、Launcherをどう考えればいいのかよくわかっていなかったはずだ。Launcherは、ウィジェット設定以外の機能を提供せず、「今日の表示」ウィジェットを提供するだけの存在だったため、数カ月間App Storeから削除された経験(未訳記事)がある。アップルは最終的にLauncherには価値があると判断(未訳記事)し、再び配布を許可した。さらにアップルは後に、ワークフロー自動化の市場があることに気づき、最終的にはLauncherの競争相手であるWorkflowを買収(未訳記事)した。

さてiOS 14でアップルは、ホーム画面をカスタマイズするためのにウィジェットのアイデアを導入した。そしてユーザーは、カスタムアイコンを作成するためにショートカットを活用し始めている。いまでは、ウィジェットとの組み合わせを使用して創造的なホーム画面を作り込んでいるクリエーターいるほどだ。

一方のLauncherは、カスタマイズされたUI/UXを作るのに何時間もかけたくない人のために、よりシンプルな選択肢を提供する。代わりに、お気に入りのアプリやタスクでウィジェットを作成したり、ウィジェットの背景色を変更したり、アイコンのサイズを調整したりすることが一度に可能なのだ。

例えば、アイコンをタップすると、お気に入りの連絡先にすぐに電話かける、メッセージを送る、FaceTimeやメールを送る、場所を案内する、Apple Musicでアーティスト、アルバム、プレイリストの再生を開始、お気に入りのウェブサイトにアクセス、ツイートを作成やショートカットを実行などアプリケーション内のアクションを起動、一般的な電話の設定(Wi-Fi、Bluetooth、低電力モード、DND、機内モードなど)のオンまたはオフに、デバイス上のほかのアプリの起動などできるランチャーウィジェットを作ることができる。

Launcherは、アイコンやウィジェットの背景をカスタマイズしたり、ウィジェット内の小さなアイコンやアイコンラベルを削除したりすることもできるので、iOS 14のホーム画面のカスタマイズトレンドを盛り上げてくれることは間違いないだろう。ウィジェットの背景は、既存の壁紙に合わせてスタイリングできるし、もちろん任意の画像も使える。

また、ウィジェットはスペースを有効活用するために重ねて置くことができる。しかも、含められるアイコンは、曜日、時間帯、場所に応じて変更可能だ。例えば、ジムに通っている時だけ表示されるウィジェットや、オフィスにいる時に表示されるウィジェットを作成できる。ホーム画面のウィジェットも、週末と仕事中では異なるものに変えられる。

アプリの機能の多くは従来の「今日の表示」ウィジェットで提供されていたものだが、ホーム画面のウィジェットの動作は異なる。以前は、時間や場所に基づいて表示または非表示にできるウィジェットの数が固定されていた。一方、新しいウィジェットは異なる時間に表示される異なるアイコンセットに切り替え可能だ。ただし、ホーム画面ウィジェットが自動的に消えるように設定すると、ホーム画面自体が再配置される点には注意したい。

Launcherの開発者であるGreg Gardner(グレッグ・ガードナー)氏によると、iOS 14がウィジェットをサポートするアップデートの前からiOS 14には関心を寄せていたという。

ガードナー氏は「iOS 14ユーザーは、ホーム画面ウィジェットにかなり興奮しているようで、App Storeでウィジェットを検索して、我々のアプリを見つけてくれています。残念ながら、その中にはアプリにホーム画面ウィジェットがなかったことに失望した人もいました」と語る。「ホーム画面ウィジェットが加わったことでダウンロード数が増え続け、新しいユーザーがこれ以上がっかりしないことを願っています」と同氏は付け加えた。

ちなみに、iOS 14のサプライズリリースは誰のメリットにもならなかった。アップルは今年、デベロッパーに24時間以内にiOS 14がユーザーに一般公開されることを知らせ、しかもiOS 14の正式版向けの開発・検証に必要なXcodeなどの開発ツールをダウンロード可能になる前に発表した。これにより、一部のデベロッパーのiOS 14対応アプリが、数年前のようにiOSの公開日には準備ができなかったのだ。

さて、今回の機能拡張に加えてLauncherの新しいアプリを評価する理由はもう1つある。それはアプリのビジネスモデルだ。

このアプリはサブスクリプションによる収益化は行わず、ユーザーには1回限りのプレミアムプラン料金のみを請求する。以前のバージョンのアプリでは2つの異なる価格を提供していたが、新バージョンでは価格設定をシンプルにして1つまとめている。

新たにアプリ内で購入した「Premium」は、新しいホーム画面ウィジェットとカスタマイズオプションをすべてアンロックする。既存ユーザーは350円、新規ユーザーは980円でフルアップグレード可能だ。

「新しいウィジェットを実装するのに必要な作業量は十分だったので、新しいアプリ内購入を正当化できると思いました」とガードナー。さらに「App Storeはこのような場合にアップグレード料金を請求する正式な手段を提供していない」と指摘した。

Launcher 5(Launcher – 複数のウィジェットを持つランチャー)は現在App Storeで配信中だ。

画像クレジット:Cromulent Labs

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アップルはiOS 14のサプライズリリースで開発者の怒りをさらに買ってしまう

アップルと開発者の関係はまた別の問題を引き起こしている。米国時間9月15日にApple WatchとiPadの新モデルを発表したハードウェアイベントで開発者たちを驚かせた。同社の主要なソフトウェアプラットフォームのアップデート版である、iOS 14、iPadOS 14、watchOS 7、tvOS 14を9月16日(日本時間9月17日)にリリースしたのだ。結果的に、開発者に新OSに対して1日も準備する時間を与えないことを発表した。

この予想外に早まったスケジュールのために、多くの開発者はApp Store審査のために各アプリを準備するために慌ただしくなっており、スケジュールを複雑にしてしまった。

ジョシュア・ヴァン:Apple Developer Relations以外の皆さん、おはようございます。

人気ポッドキャストプレーヤーを開発するOvercastなど一部の企業は、iOS 14で予定されている機能の準備ができていないことをユーザーに通知した。

一方で、アップルが開発者コミュニティーが予想外の日程でiOS 14をリリースしたことについて、開発者のSteve Troughton-Smith(スティーブ・トロートン-スミス)氏は「そうでなくてもストレスの多い年に、開発者に不必要なストレスを与えることになります」と述べている。

さらに、アップルの決定はiOS 14のサポートを待つことを選んだ開発者に影響を与える。

開発者は例年、iOSの発売日に合わせて、プレスリリース、ブログ記事、ソーシャルメディアを介してアプリの新機能を宣伝する。アプリのレビューサイトからのニュース報道も、お気に入りのアプリへの注目すべきアップデートのまとめ情報が含まれているかもしれない。さらには、iOSの新機能を興味深い方法で搭載したアプリとしてメディアに取り上げられるかもしれない。

代わりに今年は、デベロッパーコミュニティーはプレスとさまざまな称賛を追いかける必要はなく、iOS 14への対応を予定より早く準備しなければならなくなった。

チャーリー・チャップマン:ほかに不満の声も聞こえるが、私がアップルのイベント後に感じた最もネガティブなことだ。

あまり無理はしていないのだが、iOS 14の「1日目」リリースに向けて、リスト作りなどの報酬を期待していろいろな準備をした。

Overcast:申し訳ありません、iOS 14の機能はまだ準備できていません。

私の顧客のほとんどがiOS 14を使うのはまだ先のことなので、この夏はバグ修正と家庭内感染、学内ロジスティクスを優先しました。私たちは大丈夫、忙しいだけです。

皆さんと同様、私も今年できることをしています。近いうちに。

スティーブ・トロートン-スミス:今からApp Storeにアプリを提出します。英国時間9月16日午後10時です。iOS 14は明日リリースされます。アプリの審査は1時間から数日間かかります。これは、他の点でストレスの多い年の開発者にとって不必要なストレスです。

マシュー・カシネリ:サードパーティーが何百万ドルの収益を上げる可能性があるのだろうか。アップルは、発売日やプレスレビューの数を減らそうとしていたのかもしれない。

消費者もまた、iOS 14のサプライズリリースの影響を受ける可能性がある。いくつかのアプリメーカーは、互換性のためにiOS 14上で正しく動作しない可能性があります。有名なところでは、任天堂が「どうぶつの森 ポケットキャンプ」の機能しないとツイートしたことが挙げられる。同社は、アプリが対応するまではiOS 14へのアップデート待つように案内していた。

バグのためにアプリのレビューを酷評することで非難されることの多い開発者たちは、顧客が今も同じことをするのではないかと心配している。アップルがiOS 14を発表した時点では、アップルの統合開発環境であるXcodeの最終バージョンさえ入手できていなかったにもかかわらず。

しかし、iPhoneユーザーはすぐに最新版にアップデートする傾向が高い。アップルはこの夏のWWDC(開発者会議)に先立ち、2019年9月にデビューしたiOS 13が、それ以来4年以内にリリースされた全iPhoneの91%、互換性のある全iPhoneの81%にインストールされたことを示す、iOSのアップデート率の新しい数字を発表した。

つまり、iOSユーザーの大半が新バージョンに移行する前に、iOS開発者がアプリを最新OSに対応するための時間がほとんどないことを意味する。

マルコ・アーメント:私はiOS 13 SDKを使ってビルドされたアップデートを、iOS 14 GMがリリースされて提出が殺到すると思われる前日の8月14日に申請した。これは賢明だと思った。

しかし、これは裏目に出たと思う。iOS 14のSDKを使ったアプリのほうが審査の優先順位が高く、記録的な速さでレビューされている。列の一番下にはiOS 13のSDKを使ったのアプリが並んでいると思う。

ソーヤー・ブラッツ:iOS 14をリリースするなんて信じられません。開発者としては最悪の出来事です。

ジェシー #AbolishPolice:すべてのiOS開発者:

アップル:iOS 14は明日リリースだ!

ダニエル・シンクレア:アップルがiOS 14を明日にリリースするニュースで、みんなのスケジュールを台無しにした。開発者は準備ができていません。このアップデートはしばらく保留にしておいたほうがいいだろう。

このアップルの最新の失態は、App Storeでの厳しい拒絶が何カ月も続いたことに続くものだ。アプリ内購入ルールで拒絶された最新のメールアプリ「Hey」をめぐってBasecampの間で大騒動が起きた。アップルはアプリ内購入の機会損失に注目していたが、ある時点でWordPressアプリを拒絶したことを公の場で非難された後、異例の謝罪を余儀なくされた。

そしていま、アップルはFortnite(フォートナイト)の開発元であるEpic Games(エピック・ゲームズ)と、Epicのビジネスを委ねる権利を巡って法廷で戦っている。Epicのような大企業は、App Storeでの配信やApple Payのようにアップルが提供するサービスに頼る必要はないと主張しているが、アップルの条件によって強制されている。

開発者は、アップルが裁判所に提出したApp Store事業について説明した書類の中で、同社が同事業を「利益を得る」と記載していたことも注目している。これは一部の開発者を誤解させるような言い回しだ。結局のところ、iPhoneを購入する理由はいくつかあるが、その中でもアプリを利用する頻度は高い。

開発者は、アップルがEpicのApple Developerアカウントを、関連するゲーム開発プラットフォームのUnreal Engine用を含めて奪い取ろうとしたこと見てきた。Unityが「Appleでサインイン」をサポートしたこともEpicの影響だ。アップル側のこうした強硬手段は、開発者のアップル製ツールへの依存度を利用して、一線を越えた開発者を罰する準備ができていることを開発者に明らかにした。

さらに、アップルはApp Store事業が独占禁止法調査の焦点になっているいう事実がある。同社はApp Storeは「平等な競争の場」と主張しているにもかかわらず、同社がどのように特別契約を結んだかを明らかにした。

そしてアップルは最近、App Storeのルールを改訂し、手数料に関する条項をより明確にした。また、ゲームストリーミングサービスをApp Storeで配信可能にする道を模索している。しかしその結果、ルールは非常に複雑になり、多くの除外事項や例外があるため、何が許可されているのか混乱しているデベロッパーもいるだろう。

開発者の怒りの高まりの中で、アップルは開発者コミュニティにiOS 14をイベント翌日にリリースした。他の誰もがそう感じているように、新コロナウイルスの大流行中にだ。新コロナウイルスは人々の日常生活を完全に根底から覆してしまった危機で、多くの開発者は現在、リモートで仕事をしていたり、子供をホームスクールに通わせていたりしている。彼らやその家族が新コロナウイルスの影響を直接受けているかもしれない。

マルコ・アーメント:そうは言いません。これには2つの永遠の問題があります。

アップルのハードウェアのリリース日は、ソフトウェアの品質や対応状況ではなく、ソフトウェアのリリース日を示します。

アップル社員の大部分は、外部の開発者が直面している課題や状況について、ほとんど知らないようです。

アップルは、iOS 14のサプライズ配信の決定の理由について、ユーザーにも開発者にも説明していない。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アップルがApp Storeのルールを改定、ゲームストリーミングアプリを条件付き許可、アプリ内課金を明確化

アップルは米国時間9月11日、「App Store Guidelines」のアップデート版をリリースした。ゲームストリーミングサービス、App Clips、ウィジェットなどの新しい機能やテクノロジーにどうアプローチするかを明確にするとともに、特定のカテゴリーのアプリからアプリ内購入をいつ、どのように集めるかについてのスタンスをより詳細に示すことを目的とするものだ。

今回の変更は、アップルがアプリ内購入の使用に関する要件をめぐってEpic Gamesと法廷で争っている最中に行われた。同社はまた、App Store事業が米国、EU、オーストラリアなどにおける独占的慣行について規制当局による調査を受けている。

アップデートの一部は、アップルが今秋リリース予定のiOS 14で導入するテクノロジーにアップルのルールをどのように適用するかを説明するためのものでもある。

改訂されたガイドライン(2.5.16)ではiOSの新機能、特にApp Clips、ウィジェット、エクステンション、通知を対象としている。なお、App Clipsとは。機能が限定されたアプリのスリム化バージョンのようなものだ。ガイドラインでは、これらすべてのフォーマットのコンテンツがメインアプリのコンテンツと機能に関連していることを要求している。また、メインバイナリ(メインの実行可能ファイル)に含まれなければならず、広告を含めることはできない。

新しいガイドラインの重要な変更点の1つ(3.1.2a)については、アップルがMicrosoft xCloudやGoogle Stadiaのようなゲームストリーミングアプリにどうアプローチするかを説明している。ルールによると、アップルはこれらのサービスをApp Storeで配布できるようにするが、サービスが提供する個々のゲームタイトルをアップルに個別に提出しての審査を通過し、App Storeに登録させる必要がある。

これとは別に、ゲームストリーミングサービスは、顧客がサービス自体に加入できる「カタログアプリケーション」を提供できるようになる。このカタログアプリは、サブスクリプションで提供されている個々のゲームタイトルにリンクし、複数のパブリッシャーのゲームを含めることができる。これは、アップルがサードパーティーのアプリカタログであるGameClubに対してすでに承認しているモデルに似ている。ストリーミングゲームサービスではないが、GameClubは、それぞれのゲームが個別のリストを持つクラシックゲーム向けのサブスクリプションベースのサービスだ。

アップルが、ゲームを個別にリストアップしたいと考えている理由は、コンテンツのガイドラインや規約を満たしているかどうかを確認したり、レーティングを行うためだと説明している。さらに、このモデルでは、ユーザーも個々のタイトルを評価し、レビューすることができる。

実際にはこの変更により、ユーザーはストリーミングゲームサービスの「カタログアプリ」でアプリ内購入機能をと通じてサービスに加入し、そのうえでサービス内のゲームタイトルをプレイする必要がある。ただし、ユーザーがすでに別のプラットフォームでサービスに加入していた場合は、アップルはユーザーが二度の支払いをすることなくログインできるようにする。

またアップルのルールでは、ゲームサービスが非加入者に不利益を与えてはならないと規定されている。具体的には、ユーザーはゲームストリーミングサービスに含まれる個々のゲームのいずれかを自分のデバイスにダウンロードでき、購読していなくても即座にプレイを開始できるようにしなければならない。もちろんゲームの完全版である必要はなく、ゲーム内のステージやレベルを2つほどを無料でプレイできるお試し版のようなものを提供し、その後に完全なサブスクリプションを購入するためのパスを用意することになる。

ゲームストリーミング以外にもいくつかのルールがアップデートされている。

1つの変更は、KindleやNetflixのようなアプリに適用される。これらのアプリは、限定的な「リーダー」体験を提供することで、App Storeの手数料を回避してきた。具体的には、ユーザーはウェブサイトなどほかの場所でアカウントを作成して決済したあと、iOSアプリにログインして電子書籍を読んだり、購読に含まれる映画を見ることができた。

新しいガイドラインの下では、これらのリーダーアプリはiOS内でのアカウント作成機能も提供しなければならなくなる。これは、製品の無トライアル期間に対応するためだ。もちろん、これらのアプリは「アカウント管理機能」を搭載することもできる。

アップルはまた、開発者が従業員や学生向けに組織やグループに販売する「エンタープライズアプリケーション」に関するルールも明確にしている。これらのアプリはSlackなどを含む可能性があり、アプリ内購入に加えて別の購入方法を使って支払いは可能になる。

さらにアップルは、Heyメールアプリの開発元であるBasecampとの最近の論争に関連すると思われるルールも導入した。デベロッパーは無料のスタンドアロンアプリ(リーダーアプリとは別のカテゴリー)を提供して、VoIP通話、ストレージ、メールなどのサービスを提供できる。これにより、Heyのようなアプリは、アプリ内でアクションを起こさない限り、他の場所でユーザーに課金することができる。

また先日、アップルとWordPressで起きた問題にも対応している。アップルは、同アプリ内の決済ページに誘導するウェブ画面を問題として、WordPressのアップデートを一時的にブロックしていた。同社はこの問題について謝罪したが、アプリのユーザーがWordPressの価格ページにアクセスできないようにすることもWordPressに求めている。

個人対個人の体験を提供するアプリ、例えば家庭教師や遠隔医療は、アプリ内購入以外の支払い方法も利用できるようになる。改訂で明らかになったのは、これらは1対1のサービスでの許可される支払い方法で、1対多のサービスの場合はアプリ内購入を使う必要がある。

もう1つの変更は、個人向けローンアプリに影響を与える。これらのアプリは、ローン条件を明確に開示するよう求められる。これには、年間の最高利率と支払期日が含まれる。費用や手数料を含む最大APRが36%超で請求したり、60日以内に全額の支払いを要求したりすることはできなくなる。アップルによると、これは消費者を保護するためのものだという。

今回のアップデートでは、アップルの承認を得て、音楽とビデオのサブスクリプションをキャリアのデータプランにバンドルし、携帯キャリアのアプリで提供できるようになった。ガイドラインではまた、アプリがルール違反で却下された場合でも、アップルはバグ修正を遅らせることはないという、以前に発表された新しいポリシーを紹介している。

アプリ開発者には、機能を隠す、アプリの機能を明確にしないといった何をしてはいけないのかについて、さらにいくつかの明確は説明が必要とされる。アップルによると、「App Store Connect」の「Notes for Review」セクションでは一般的な説明が拒否されるため、開発者はアプリのアップデートに含まれる内容を実際に記載しなければならないという。各種アプリのアップデート時によく見られる「バグ修正とパフォーマンスの改善」という文言は消えるわけだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

xCloudやStadiaのストリーミングゲームがアップルのApp Storeに並ぶための面倒なルール

Apple(アップル)は米国時間9月11日の朝、App Storeのルールに関する少々興味深いアップデートを発表した。中でも最も話題になりそうなのは、Microsoft(マイクロソフト)のxCloudやGoogle(グーグル)のStadiaといったクラウド上のゲームプラットフォームに関する部分だ。

この直前には、xCloudのApp Storeからの拒否に関して、マイクロソフトからの非常にオフィシャルな苦情を受けた後のことであるが、アップルはApp Storeのルールは、基本的にそのゲームのストリーミングプラットフォームを許可していないことを理由にこれを拒否している。ゲーマーたちからの激しい反発は、今回の発売がXboxプラットフォームの将来に向けてどれだけ期待されているかを考えると、注目に値する。この話題はまた、Epic Gamesがゲームストアでのアプリない課金に対する不満を募らせていたのと同時期のものになる。

アップルの時代遅れなApp Storeのルールに、アップデートが必要であることは明らかだが、彼らの解決策を見ていると、対応が容易な解決策を期待していたプラットフォーム運営者やゲーム開発者にとって、状況はきわめて面倒なものになっているのは明らかだ。

関連記事:Apple goes to war with the gaming industry(未訳記事)

要するにアップルはxCloudやStadiaのようなゲームストリーミングプラットフォームの運営は許可するが、ライブラリ内の各ゲームはそれぞれ別にApp Storeのリストに載っていなければならず、各タイトルはApp Storeから「ダウンロード」されなければならい。これらのゲームはそれぞれApp Store内で発見できるようになり、複数の複数のストリーミングプラットフォーム向けの同じゲームが複数のページに存在することもありうる。xCloudとStadiaにはそれぞれ独自の「カタログ」アプリがあるが、新しいタイトルを獲得したい場合は、ユーザーをAppl Storeに送り込まなければならない。

最終的にこのやり方では、ゲーム開発者にとってプラグアンドプレイが乏しくなり、開発者はアップルのアプリ内課金フレームワークと決裁システムを統合しなければならなくなる。また開発者は、アプリ内購入におけるアップルの取り分と、ストリーミングプラットフォームのために考案した他の取引のバランスを取る必要があることも意味する。それは複雑だが、iOSは非常に大きなプラットフォームであり、開発者にはし従う以外の選択肢はない。xCloudを強力にプッシュしているマイクロソフトにとってはとくにそうだ。

これはクラウドゲームプラットフォームにとっての理想的なソリューションからはほど遠いものだが、結局はこんな解決策に落ち着くしかなかったかもしれない。一応、サブスクリプションを購入するためのエントリーポイントが増えることになるので、これらのプラットフォームの人気拡大には貢献するだろう。アップルもさまざまな苦情に対してこの点を強調していたが、消費者がアップルからサブスクリプションを購入し、結果的にアップルに税を支払うことになるかもしれない。ユーザーはアプリを無料でダウンロードしてその後、サブスクリプションを促されるか、または、彼らが選んだストリーミングプラットフォームにログインするという形になるのだろう。

アップデートされたルールの条文を下に引用する。例によってアップルのルールは、細かいところまで正確さに固執している。

4.92 Streaming Games
Streaming games are permitted so long as they adhere to all guidelines — for example, each game update must be submitted for review, developers must provide appropriate metadata for search, games must use in-app purchase to unlock features or functionality, etc. Of course, there is always the open Internet and web browser apps to reach all users outside of the App Store.
4.9.1
Each streaming game must be submitted to the App Store as an individual app so that it has an App Store product page, appears in charts and search, has user ratings and review, can be managed with ScreenTime and other parental control apps, appears on the userʼs device, etc.
4.9.2
Streaming game services may offer a catalog app on the App Store to help users sign up for the service and find the games on the App Store, provided that the app adheres to all guidelines, including offering users the option to pay for a subscription with in-app purchase and use Sign in with Apple. All the games included in the catalog app must link to an individual App Store product page.

4.92 ストリーミングゲーム
ストリーミングゲームはそれらがすべてのガイドラインを遵守しているかぎり許可される。たとえば各ゲームのアップデートはレビューのために提出されなければならない、開発者は検索のための適切なメタデータを提供しなければならない、ゲームはアプリ内購入を使って新たな機能をアンロックしなければならない。もちろん、App Storeの外の全ユーザーにリーチするために、オープンなインターネットとウェブブラウザーアプリが常にに存在する。

4.9.1
各ストリーミングゲームは個別のアプリとしてApp Storeにページがあり、チャートや検索に表示され、ユーザーの評価やレビューがあり、ScreenTimeやその他のペアレンタルコントロールアプリで管理され、ユーザーのデバイスに表示されるように、個々のアプリとしてApp Storeに提出する必要がある。

4.9.2
ストリーミングゲームサービスは、ユーザーがサービスに申し込んでApp Storeでゲームを探すのに役立つカタログアプリをApp Storeで提供することができる。ただしアプリはユーザーにアプリ内課金によるサブスクリプションの支払いオプションを提供したり、「Appleでサインイン」で支払えるようにするなど、すべてのガイドラインを遵守していることが条件となる。カタログアプリに含まれるすべてのゲームは、個々のApp Storeの製品ページにリンクしていなければならない。

カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:Apple App Store

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AppleがApp Store規約で小さな譲歩、レビュー中でも脆弱性のバグ修正が可能に

Apple(アップル)のApp Storeの規約にここ数カ月強い注目が集まっている。規約においてApp Storeビジネスの核心をなす部分を絶対に守り抜こうとしてあらゆる努力を払うはずだが、アップルは規約に小さな変更を加えた。これによってユーザーがデベロッパーとアップルの死闘に巻き込まれることが少しでも防げるかもしれない。

アップルは米国時間8月31日、App Store に「アプリ審査のガイドラインをアップデートした」という短い告知(Appleリリース)を掲載した。これによりデベロッパーはアップデート自体が審査の途中であってもアプリのバグ修正を行うことができるようになった。アップルはアプリ内課金を行うにあたってApp Storeの定める正規の手続きを遵守するようますます強硬に求めているが、今回の変更はデベロッパーとアップルの対立がユーザーに与える影響を最小限に止めようという狙いだろう。

発表された声明は以下の通りとなる。「アプリのガイドライン違反が審査中であっても、法的に問題がある場合を除き、バグ修正は速やかに公開される」。デベロッパーはこのアップデートで新しい機能を付加することはできない。今回のルール変更はあくまでセキュリティとユーザビリティに関するバグの修正に限られる。この変更が行われることは7月に予告されていた(Appleリリース)。

しかしこの変更では App Store の規約には根本的な改変が必要だとする批判者を納得させることはできないだろう。主たる狙いはデベロッパーとの戦いでアップルが悪役だとするイメージを避けることだと考えられる。規約違反を理由にしてデベロッパーと対立している際に、セキュリティ上の脆弱性に関する修正まで拒否すれば、アップルは自分の足を撃つような目に遭うことなる。

関連記事:裁判所がアップルにUnreal Engineのブロックを止める命令、ただしFortniteのApp Store復帰は認めず

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Apple App Store

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Epicはアップルに事前通知して反アップルキャンペーンを敢行、独自iOSアプリマーケットは果たして認められるのか

アップルは、Epic GamesがApp Storeに復帰しようとしたことに対して法的文書を提出した。アップルはEpicの今回の行動全体を「入念に計画された多面的なキャンペーン」であり、iOS上でビジネスを行う特権に対して同社が要求する30%の削減を、おそらく永久に回避することを目的としていると説明している。

Epicは8月14日、App Storeを経由せずに同社の人気ゲームであるFortniteでアプリ内購入を行う方法をこっそりと導入した。「これは明らかにルールに反している」とアップルはすぐにゲームと同社のアカウントをApp Storeから削除した。この対応を予想していたEpicは、アップルの有名な1984年の広告のパロディを公開して訴訟を起こし、アップルが「慎重に編成された多面的なキャンペーン」と指摘したキャンペーンを実行に移し始めた。

実際、アップルの提出書類にあるように、Epic GamesのCEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は事前に電子メールでアップルに同社の計画を知らせていた。

米国時間8月13日午前2時頃、Epicのスウィーニー氏はアップルに同社の契約違反の意図を書いたメールを送りました。「Epicはもはやアップルの支払い処理に関する制限を遵守しない」と。

アップルのPhil Schiller(フィル・シラー)氏が出したコメントによると「Epicがアップルからの特別な免除を与えてほしいという『サイドレター』について何カ月にもわたって交渉・説得を試みた結果とのこと。これは「Epicが特別な取引を求めたことはない」というスウィーニー氏の主張と矛盾している。シラー氏のコメントは以下のとおりだ。

具体的には、2020年6月30日、EpicのCEOであるスウィーニー氏は、アップルのiOSプラットフォームでのアプリ提供方法を根本的に変えるような、Epicだけのための特別取引を実現するために、アップルからの「サイドレター」を要求するメールを私と同僚に送ってきました。

この電子メールの中でスウィーニー氏は、Epicとアップルの間の契約の複数の条項に直接違反する変更案であることを明示的に認めました。スウィーニー氏は、Epicとアップルの間の契約が変更されない限り、Epicが提案した内容を実行できないことを認めました。

Epicが狙っているのは、緊急時に使用するための法的手続きである「一時的な禁止命令」(TRO、Temporary restraining order)を裁判所が認めるよう要求することだった。これは、当事者(アップル)の行為が違法であり、その違法性を示す訴訟が係争中であり、訴訟成功する可能性が高い場合に認められる。そしてそれらの行動は「取り返しのつかない害」を引き起こすので、積極的に撤回されるべきという流れになる。

このEpicの要求が成功した場合、アップルはFortniteのApp Storeへの復活させる必要があるほか、ゲーム内ストアをApp Storeのルール外で運営できるようにすることを余儀なくされるだろう。当然ながら、これはアップルにとって悲惨なことになる。App Storeの規則が意図的に無視されるだけでなく、その規則は違法であるかもしれないという考えを裁判所が認めることになるからだ。従ってアップルとすれば、この特定の法的課題を迅速かつ包括的に解決することが不可欠になる。

アップルの提出書類では、いくつかの理由でEpicのTROの要求に異議を唱えている。まず、状況全体がEpicによってでっち上げられ自発的に始められたものなので、本当の「取り返しのつかない害」は存在しないと主張している。

Epicは、App Storeの恩恵をコストをかけずに享受したいと判断したため、自身の顧客やアップルのユーザーを利用してアップルとの契約を破棄したのです。

しかし、この「緊急事態」はEpicの自作自演です。Epicは、何が起こるかを十分に知っていたうえで、故意に意図的にゲームプレイヤーや開発者に損害を与えてしまったため、今裁判所に救済を求めています。

アップルがEpicが開発しているゲームエンジンであるUnreal Engineのアカウントだけでなく、Fortnite関連のものを禁止したというEpicの訴状についてアップルは、アカウントは税金IDやメールなど共有していることを考慮すると特段珍しいことではなく、同じ「ユーザー」とみなしているとのこと。アップルはまた、禁止措置が行われる前にEpicに十分な警告と是正の機会を与えたとしている。結局のところ、アップルはこのアプリからも多額の利益を得ているのだが。

アップルはまた、Epicの主な訴訟(TRO要求とは独立したもの)が成功する可能性についても疑問を呈している。

Epicの論理では、マイクロソフト、ソニー、任天堂などのゲームマーケットを独占することになります。

Epicの独禁法理論は、同社の組織化されたキャンペーンのように、ユーザーの安全、セキュリティ、プライバシーを守るために不可欠な重要な要件に対価を払ったり、それに従うことなく、App Storeの利益を自分のものにしようとする行動です。

最後にアップルは、今回のTROは公共の利益には何のメリットもないことを指摘する。例えば、アップルのなんらかの行為によって緊急電話が機能しなくなるなど、深刻な安全性の懸念があった場合とは異なるのだ。

Epicが裁判所に不正に緊急救済を求めているこれらの損害は、EpicがApp Storeに対するルール違反を解消すれば、明日にはすべて消滅する可能性があります。

これらはすべて、裁判所の介入や司法資源の支出なしに実現できる。そしてEpicは、第一次訴訟を自由に進めることができます。

アップルは、その提出書類の中でさらに推測することを避けているが、情報筋によるとEpicやその他の誰もがiOS上に独自のアプリストアを設立する可能性を避けることが、アップルにとって最も重要であることが読み取れる。

法律上の前例となると、独自のiOSアプリストア構築の道を切り開くのに大いに役立つと思われるので、アップルが長年に渡って苦労して構築していきた非常に収益性の高いビジネスモデルにとって、かなりの脅威となるわけだ。

とはいえ今回のアップルとEpicとの対立は、完全に管理・支配するアプリ市場からアップルが利益を得る権利に挑戦してきた数年前の訴えの最新版にすぎない。

最近では、マイクロソフトのxCloudアプリが、アップルが個別に審査できないゲームのマーケットプレイスになっているとしてApp Storeへの参入を拒否された。この種の機能は、最近の消費者が非常に求めているタイプのものであることを考えると、このアップルの決定には批判的な意見も多い。ほかの開発者や業界、プラットフォームも同様にさまざまな面でアップルに挑戦しており、アップル側も規則に挑戦するための正式なプロセスを作ることを約束している。アップルのファイリングの全文は以下で読むことができる。

画像クレジット:Epic Games

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Epic GamesがアップルによるUnreal Engineを含む開発ツール全面禁止予告に差し止めの申し立て

App Storeの売上にApple(アップル)が高率の手数料を課することにFortniteの開発元であるEpic Gamesが戦いを挑んだ。アップルはUnreal Engineを含む開発ツールの削除を通告した。しかしEpicは引き下がる姿勢を見せていない。Epicはアップルから来週いっぱいで同社のデベロッパーアカウントを削除し、すべてのデベロッパーツールへのアクセスを禁止することを通知する書面を受け取った。これに対して、米国時間8月17日朝、Epic Gamesはカリフォルニア州北部地区連邦裁判所にアップルに対する差止命令の申立てを行った。

アップルはApp StoreからFortniteを削除し、8月28日を終期としてEpicのすべてのデベロッパーアカウントを削除し 、同時にiOSとMacの開発ツールに対するアクセスも禁ずると通知してきた。我々はこのような報復行為に対し、裁判所に差し止め請求を行っている。詳細はリンク先に。

差し止めの申し立てによれば、Epicはアップルの行為を報復と非難すると同時に、モバイルアプリ市場におけるアップルの独占体制を打ち破ることを使命と考えていることを再確認した。またアップルがEpic Gamesの一切のデベロッパーアクセスを差し止める行為がFortniteと無関係な広汎なビジネスに打撃を与えるものだと指摘した。同社はゲームエンジンを代表する有力なプロダクトであるUnreal Engineを多数のサードパーティのゲーム開発企業にライセンスしている。

申し立てでは「アップルはEpic Gamesに対し8月28日を終期として、同社のプラットフォームでゲームを制作するために必須であるすべての開発ツールへのアクセスを禁止すると通告してきた。これには、Epicが多数のサードパーティーのデベロッパーにライセンスしているUnreal Engineが含まれている。これらのツールは、アップル自身も利用約款に違反するとは一度も主張していない」と述べている。

「アップルは単にFortniteをApp Storeから削除するだけでは満足せず、Fortniteとはまったく無関係なEpic Gamesのビジネス全般に影響する攻撃を仕掛けてきた。最終的には法廷で我々の主張が認められるものと信じているが、差止命令が認められなければEpic Gamesは法廷から最終判断を得るよりはるか前に回復不能なビジネス上の打撃を受けることになる」と主張している。

先週、Epic GamesはFortnite内にアプリストアに手数料を支払うことなく直接支払が可能となる機能を追加することによりアップル、Google(グーグル)双方のアプリストアの規約に違反した。簡単にいえば、Fortniteのプレイヤーはこの機能を利用すればストアに手数料を支払わずに済むため、有利な条件でデジタルグッズの購入ができる。アップルは即座にこれを規約違反としてFortniteをApp Store から削除した。これに対しEpicは反アップルのPRキャンペーンを開始した。テクノロジーの巨人に対する反撃は十分に準備されたものだったようだ。Epic Gamesは反トラスト法による訴訟を起こすと同時にアップルの有名な「1984」CMを下敷きにした「圧制者を倒せ」と主張するビデオを流した。

TechCrunchの取材に対し、アップルはこの展開に関する新たなコメントを避け「アップルはこの問題を解決するためにEpic Gamesと協議しており、FortniteがApp Storeに復帰できるようあらゆる努力を払っている」という従来の主張を繰り返した。

Epic Gamesのアップルの行為に対する差し止め申し立ての全文はこちら

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カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:Apple App Store Epic Games Fortnite

画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookが有料オンラインイベント開催機能をローンチ、iOS上のみ30%の手数料が引かれる

本日から企業はFacebook(フェイスブック)を使って有料オンラインイベントの開催が容易になる。同社は米国とほか19カ国で新たに有料イベント開催機能をローンチした。

記者との電話会議でFacebookアプリの責任者であるFidji Simo(フィジー・シモ)氏は「Facebookのイベント機能は対面イベント用に設計されていたが、新型コロナウイルスのパンデミックと、その結果としての社会的距離(ソーシャルディスタンシング)を保つ命令により、オンラインイベントのサポートに『すぐさまピボットした』」と述べた。

実際に今年6月には、Facebookページでのライブ放送が2019年の同時期に比べて2倍になったとシモ氏は述べている。

同氏はまた、Facebookのブログ記事で新機能の概要を説明(Facebookブログ)した。企業はFacebook Liveを通じて大規模なイベントを主催できるようになるほか、メッセンジャールームで小規模でインタラクティブな集まりを主催する機能もテストしているという。目標は、ビジネスオーナーがイベントの作成、価格の設定、イベントの宣伝、支払いの回収、イベント自体のホストをすべて1カ所で管理できるようにすることだ。

初期のユーザーとのテスト中に開催された有料イベントには、トーク、トリビア、ポッドキャストの録音、ボクシングの試合、料理教室、ミートアンドグリーティング、フィットネスクラスなどがあった。

画像に向かって左がFacebookのイベント機能におけるiOSでの購入の流れ、右がAndroidでの購入の流れ(画像クレジット:Facebook)

「社会的距離の維持の義務化が進む中、多くの企業やクリエイターは、既存の顧客とつながり、新たな顧客にリーチするために、イベントやサービスをオンラインで提供しています。人々はまた、物理的に集まることができない場合には、ライブビデオやインタラクティブな体験をより頼りにしています」とシモ氏。

シモ氏によると「Facebookは少なくとも来年以降、有料オンラインイベントから手数料を徴収しない」という。従ってウェブとAndroidでFacebook Payが利用できる国では、企業はオンラインイベント収益の100%を手に入れられる。一方、iOSではそうはならない。同氏はブログ記事でこの件について、驚くほど率直にこの件についてアップルを批判している。

我々はアップルに、新型コロナウイルスの感染蔓延によって苦労している企業のためにすべてのコストを吸収できるように、App Storeの30%の手数料を減らすか、Facebook Payを提供することを許可するように求めました。残念ながらアップルは我々の要求の両方を却下し、中小企業は苦労して稼いだ収入の70%しか得られません。ユーザーの混乱を避けるため、Facebookが手数料を免除している期間中は、手数料についてサービスの中で明確に記載することにしました。

上図にように購入ボタンの下に「アップルはこの支払いについて30%の手数料を取ります」という小さなテキストメッセージが含まれる。対してAndroidでは「Facebookはこの購入から手数料を取りません」と表示される。Facebookはこのメッセージを含むFacebookアプリのアップデートをアップルに申請したが、承認されるかどうかはわからない。

画像クレジット:Muhammed Selim Korkutata/Anadolu Agency / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Epic Gamesに続きFacebookがアップルApp Storeの30%税に反発

Facebookは、アップルがApp Storeを経由した支払いの際に徴収する30%の手数料について、不満を表明する企業の1社として加わった。

これらの不満は、Facebookが有料オンラインイベントを可能にする新機能(未訳記事)に関するブログ投稿の中で明らかにされた(Facebookブログ)。Facebookによると、苦境にある企業を支援するために、少なくとも向こう1年間はこれらのイベントの手数料を徴収しないという。つまり、これらの企業はウェブとAndroidであれば売上の100%を受け取れる。

しかし同社は、iOSではApp Storeに支払う手数料のために対象外であることを説明。驚くほど直接的な表現でアップルを批判したのだ。

我々はアップルにそのApp Storeの30%の手数料を減らす、あるいはFacebook Payを利用して苦戦している企業のコストをすべて負担できるようにすることを求めた。しかし、残念ながらアップルはどちらの要求も却下し、中小企業は苦労して稼いだ売上の70%しか手に入れることができない。ユーザーが理解しやすいように、Facebookでは手数料を免除している期間中に限り、すべてサービスについて手数料について明記することにした。

上図はiOSとAndroidでのイベント参加料の決済画面だ。Androidでは「Facebookは手数料を取らない」、iOSでは「アップルは30%手数料を徴収する」と書かれている。Facebookは、この変更をアプリのアップデートに含めて本日アップルに申請したことを明らかにしたうえで、このアップデートが承認されない可能性があることを予想している。

今回のFacebookのアクションは、Epic GamesがApp Storeを回避した直接支払い機能を導入したことで、Fortnite(フォートナイト)がApp Storeから削除されてから約24時間後のことだった。Epic Gamesは意図的にアップルに戦いを仕掛けようとしているようだ。すぐにアップルに対する訴訟を発表し、アップルの有名なCM「1984」をアップルを悪者にしたパロディにして、Fortnite内でビデオを流した。ちなみに同社は、グーグルやAndroidとも同様の戦いを繰り広げている。

アップルがApp Storeで徴収する30%の手数料は昔からのルールだが、手数料の問題が表面化したのは今夏にBasecampが同社のサブスクリプションメールアプリ「Hey」をめぐってアップルと公然と対立(未訳記事)したあとだった。

アップルのPhil Schiller(フィル・シラー)氏は当時TechCrunchに「この論争は手数料30%ルールの再考を促しているわけではない」(未訳記事)と語った。同氏は、これらの手数料は、良質なアプリ体験を実現するために必要なものであり「アプリをダウンロードしても動かない」という状況を避けるためのものだという。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)