iOS 14が正式公開,ダウンロード可能に

Apple(アップル)はiPhone(アイフォーン)の最新バージョンOSであるiOS 14をさきほど公開した。ダウンロードは無料でiPhone 6s以降、両世代のiPhone SE、およびiPod touchの最新モデルで利用できる。iOS 13が動作していルデバイスならiOS 14に対応している。今すぐダウンロードできるかどうかには個人差はあるが、すでにアップデートを受け取っている人たちがいるのでチェックしてみてほしい。

同社はiPad(アイパッド)、Apple Watch(アップルウォッチ)、およびApple TV(アップルティービー)でも主要アップデートを本日公開したのでiPadOS 14、tvOS 14、およびwatchOS 7の新機能にも期待できる。

今回のアップデート公開は多くのデベロッパーを驚かせた(未訳記事)。Appleは昨日(米国時間9月15日)、iOS 14を16日のプライムタイムに公開すると発表した。通常同社は公開の1週間か2週間前にアナウンスを行う。そうすることで、デベロッパーは最後に残っていたバグを修正してアップデートをApp Storeに提出する時間を取れる。

今日iPhoneをアップデートした人は、サードパーティーアプリのあちこちにバグがあっても驚かないでほしい。見えないところに大きな変更があり、これほど急に公開されるとは誰も思っていなかったからだ。

アップデートはすでに配信中で、設定アプリからWi-Fi経由でも、iTunesと有線でつないでもどちらでも可能。ただしまず、バックアップを取ること。iCloudのバックアップが最新かどうかを、iPhoneやiPadの設定アプリのトップにある自分のアカウント情報を開き、デバイス名をタップして確認できる。iOSデバイスをパソコンにつないでiTunesでバックアップすることもできる(両方することも可能)。

iTunesのバックアップを暗号化するのを忘れないように。誰かにコンピューターをハックされたとき、ずっと安全だ。しかも暗号化されたバックアップには、パスワードとヘルスデータも入っているので、オンラインのさまざまなアカウントを再設定する必要がない。

バックアップが終わったら設定アプリを開き、一般 > ソフトウェアアップデートへと進む。「アップデートを要求」が出ているはずだ。ダウンロードが可能になれば、自動的に開始される。

iOS 14でいちばん大きい変更は、ホーム画面のウィジェット、全アプリを一覧できるAppライブラリー、そしてApp Clipの実行だ。App Clipはアプリのごく一部の機能を実行できるもので、一切インストールせずに使える。

ほかにも多くの改善がなされていて、メッセージアプリにはグループ機能や@メンションとリプライ、デバイス上で動作する翻訳アプリ、Appleマップの一部で使える自転車用行き先案内、ノート、リマインダー、天気、ホームなどにもさまざまな改善が加えられている。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple Oneは、iCloud、Music、TV+、Arcadeをバンドル、日本では個人、ファミリーの2プランを用意

最近はすべて毎月の料金がかかるようだ。また、アップルのイベントが開催されるたびに、毎月10ドル以上をアップルに支払う新たな方法がもたらされるようだ。今回は「Fitness+」が追加され、Apple TVで数値にフォーカスした動画ワークアウトができるようになった。 物事をシンプルに保つために、そして購読し続けるために、同社は新しいバンドル製品「Apple One」の提供を開始した。

米国でのApple Oneの料金体系

日本のApple Oneプラン

米国では、Apple Oneに3つの料金プランが用意されている。Individualは、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcade、iCloud 50GBを月額14.95ドルで提供。Familyでは、iCloudの容量が200GBとなって、これら4つのサービスを月額19.95ドルで利用できる。さらにその上には月額30ドルのPremierがあり、iCloudの容量が2TBとなり、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcadeのほか、News+、Fitness+がバンドルされる。なおNews+とFitness+のサービスが提供されていない日本では、Premierを除く2プランが用意され、個人プランは月額1100円、最大5人で共用できるファミリープランは月額1850円だ。

iCloudストレージ容量が各プランで異なるので悩みどころだ。なお、Apple Oneの登場は、同社が各種サービスのバンドルソリューションに取り組んでいるという長年の噂を裏付けるものとなった。ここ数年、アップルの収益の多くがハードウェアからサービスへとシフトしていることを考えると、同社がソフトウェアとサービスのすべてのニーズをワンストップで提供したいと考えていることは明らかだ。

アップルの各種サブスクリプションサービスへの加入を先延ばしにしてきたユーザーにとって、Apple Oneのようなバンドルは魅力的であり、ユーザーがアップルのソフトウェアエコシステムの力から逃れることをさらに難しくするだろう。

アップルハードウェアイベント

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Gillmor Gang:テーブルステークス

Magic Keyboardを搭載した11インチのiPad Proがかなり気に入っている。毎日が土曜日のようなパンデミック禍の世界では、タブレットが王様だ。生活の混沌とした流れの中で確実なものがなくなり、方向性の規準は、どのような形でも価値がある。適切な環境作りは任意とはいえ必須だ。大局的な戦略はナイアガラの滝だが、筆者はゆっくりと、一歩一歩、少しずつ方向を変えた。どういうことか?

まず、タブレットは他のデバイスと一線を画している。ラップトップとスマートフォンの中間に位置しているため、何らかの妥協が必要だろうか。そうではない。ワークフローにステップを追加するたびに、一貫性のある全体として再構成される。次の通知が支配的な世界では、コンテキストスイッチが切り替えを行い、ハンドオフはない。ほんの1分程度でiPadは簡易媒体となる。電話が鳴る。Apple Watchで取り急ぎ応答し、iPadで左上にある電話アイコンをクリックして電話として使う。

説明も議論もするまでもないかもしれないが、このプラットフォームの反復的な改善を積み重ねることで、実質的な生産性をある程度達成できる。企業向けのものでも、メディアハッカー向けのものでもないが、この新しいデジタル世界の中で環境を形作る上での明らかな進歩を実感している。筆者は徐々に、しかし確実にプロセスをiPad Proに移してきた。Gillmor Gangのプロダクション、より正確には、編集、ミキシング、レンダリング、投稿、注釈付け、テスト、すべてが単一のデバイス上で行われるようになった。

初めの段階で、Macでしか動かないという理由から、編集プラットフォームとしてFinal Cut Proは使わないことにした。LumaFusionよりパワフルだが、iPadにソフトウェアを接続するとiOS 13とFilesアプリの新機能が光る。Magic KeyboardにはUSBコネクタが搭載されており、外付けドライブを接続できるが、OS/10と同じように使うには少し手間がかかる。内蔵カメラがあるMacならZoomからすぐにファイルを移動可能だ。

ランドスケープモードのディスプレイの側面にカメラを設置するような形で、Appleがこうした機能上の支障の解決方法を提供するのではないかと考えていたが、Magic KeyboardはiPadをポートレートモードにすることはできず、16:9のZoomも機能しない。とはいえ、これまでのキーボートとは異なり、Magic Keyboardはバックライトキーを採用している。わずかにパワー不足のキーボードではあるが、今ではiPad Proがメインのライティングツールになり、MacBook Airを上回っている。Magic Keyboardは300ドル(3万1800円)と高価だが、Appleの細部へのこだわりがあり、プラットフォームの進化に信頼性を感じている。

Magic Keyboardに搭載されているトラックパッドも同じように、実用面で特異的な要素がある。画面のタッチプラットフォームとMacのテキスト編集精度を載せた天秤は揺れ動く。しかし、この2つの世界の間をナビゲートする方法をすぐに学ぶことができ、将来的には機能的なハイブリッドの要素に基づいて実装が構築されるだろうと直感する。筆者はMac OSとiOSの将来についてマスコミの意見を追ってきたが、今ではパワーシフトが終わったという観測に落ち着いてきている。IntelからAppleの社内チップに移行することによるプライスパフォーマンスが見込まれるからだ。

あるいは、モジュール化されたアプリやサービスのプロセスフローを保持したい気持ちからくるモメンタムが問題を処置している感覚もあるかもしれない。筆者はQuipを使って記事を書いているが、iPad版にはMac版のような文字数カウント機能がない。そこでAppleに標準搭載されているPagesアプリの機能を模索し、解決策を得た。これらの共通サービスはすぐにテーブルステークスになると予想している。

iPadには、技術的な表層の下に方向性を持った進化の力が見える。全体的な視点でとらえると、バックライト付きキーボードは取るに足らないもののように思えるが、Appleはこのプラットフォーム上で何が支障となっているかを十分に認識しており、Work From Anywhere(働く場所を自由に選べるデジタルワークプレイス)の局面で必要となる将来の拡張機能を見据えている。大きなアイデアだけでなく小さなアイデアを着実に採用することで、予期せぬ変動やわずかな障害も封じ込める変革の巨匠へと成長していく。自身のコンピューティング体験を仮想化するためにツールと方策の統合に多くの時間を費やしたが、今のこの時節、こうした些細な積み重ねが重要な意味を持つのだ。

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Gillmor Gang出演者:Frank Radice(フランク・ラディス)、Michael Markman(マイケル・マークマン)、Keith Teare(キース・ティアー)、Denis Pombriant(デニス・ポンブリアント)、Brent Leary(ブレント・レアリ―)、Steve Gillmor(スティーブ・ギルモア)。2020年9月4日(金)にライブ撮影。

制作・監督:Tina Chase Gillmor(ティナ・チェース・ギルモア)@tinagillmor

@fradice、@mickeleh、@denispombriant、@kteare、@brentleary、@stevegillmor、@gillmorgang

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関連記事:Gillmor Gang:プラットフォーム

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Apple Apple Watch iPad

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(翻訳:Dragonfly)

Appleがフィットネスのサブスクリプションサービス「Fitness+」を発表

Apple(アップル)は、フィットネスのサブスクリプションサービス、Fitness+をスタートする。年間わずか80ドルでユーザーはワークアウトやインストラクターの指導、音楽などを、Apple WatchやiPadを通じて利用できる。

Fitness+の価格は月額9.99ドル、年額79.99ドル。AppleはApple Watchの購入者に3ヶ月間無料で同サービスを提供する。家族5人まで、追加料金なしでFitness+を利用できる、と9月15日のイベントで同社が言っていた。サービスはオーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、英国、および米国で今年中にスタートする(日本語版注:日本での提供は未定)。

Fitness+のサービスは、Apple Watchですでに測定可能な心拍数、消費カロリー、走行速度、走行距離などのさまざまな健康データに基づいて作られている。このサービスには、iPhone、iPadまたはApple TVで見ることのできる数多くのワークアウトビデオが入っている。ユーザーがビデオを開始すると、Apple Watchの対応するワークアウトアプリが自動的に動き出す。

画像クレジット:Apple/スクリーンショット


ユーザーのヘルスデータは、ワークアウトビデオを見ている画面にリアルタイムで送られる。数値はワークアウトの進行にあわせて変化していく。たとえば、ビデオでトレーナーがユーザーに、心拍数を測ったり、走る速さを確認するように言うと、その数値が大きく表示されてよく見えるようになる。

画像クレジット:Apple/スクリーンショット


Appleの専属トレーナーが社内のFitness+スタジオから毎週新しいワークアウトを提供すると同社は言っている。ビデオには、ヨガ、自転車、トレッドミルでのウォーキングとランニング、筋力や体幹のトレーニングなどがある。これらのワークアウトをどんな場所でもどんな器具を使ってもできるようにすることが狙いだ。

ワークアウトが終わると、ユーザーのApple Watchのセンサーから取得したデータのサマリーが表示される。Apple Musicの登録ユーザーは、ワークアウトの間に流れた音楽を保存して後で聞くことができる。

画像クレジット:Apple/スクリーンショット


Appleはイベントで、このデータは保護されていると語った。Fitness+を使っている間、カロリーやワークアウトの記録がApple IDと紐付けられて保存されることはない。

Fitness+は、Appleがサブスクリプション製品のエコシステム構築に力を入れている最新の事例だ。ますます競争の激しくなっている分野への参入でもある。Fitbitは自社のハードウェアと結びつけた独自サービスを提供している会社の一つにすぎない。フィットネスアプリも山ほど出ている。たとえば、Aaptivは、トレーナーが指導する室内外のフィットネス、ウェルネスのセッションをユーザーに提供しているスタートアップで、今年4月に 新たな資金調達を完了した。

画像クレジット:Apple/スクリーンショット

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleが5nmプロセスの超高速A14チップ発表、新iPad Air搭載で来月出荷へ

Appleのイベントでは新しいiPhoneは発表されなかったが、新しいスマートフォンを含むAppleの次世代ハードウェアすべてで使われる新しいチップが発表された。このA14 Bionicは最初にiPad Airに搭載されアップル最速のタブレットとなる。

A14はCPU、GPUの軍拡競争における画期的な製品だ。 Appleによれば、同社として初の5ナノメートルプロセスによるチップだという。極めて小さな基板上に118億個のトランジスタを集積した強力なアーキテクチャで前世代の7ナノメートルチップに比べて40%能力が向上しているという。毎秒11兆回の演算能力がある。

新しいiPad Airは、価格が魅力的なために若い層にもヒットしそうだが、このチップの採用によりゲーマーやアナリストなどのパワーユーザーにも適した製品となる。写真編集だけでなくさまざまなデータ分析も高速になる。このチップは16コアのニューラルエンジンを搭載しているためAIの中心的テクノロジーの一つである機械学習の分野で大きな威力を発揮する。

また A14は全体として極めて効率的な製品に仕上がっている。強力なパワーに対して消費電力が少なく、16コアの採用によってさらに多数のプロセスが並列的に処理できる。Appleによれば、新しいiPad Airは一般的なWindowsノートと比べて最大2倍、最速のAndroid タブレットの3倍、最速のChromebookの6倍のスピードで作動するという。残念ながら Apple は具体的な製品名は挙げなかった。

個別製品名は別として、Appleが消費者向けエレクトロニクス製品のライバルと比べて新しいチップのスピードを強調したことには理由がある。

激しい競争をくりひろげているコンシューマー向けエレクトロニクス製品市場においてチップは文字通りデバイスの心臓部だ。次世代チップの能力はそのまま次世代デバイスの競争力となる。先週、Nvidiaが長年AppleにチップデザインをライセンスしてきたARMを4.2兆円で買収する計画を発表している。

これまでARMはいわばCPU メーカーのスイスだった。つまり多数のメーカーと等距離を保ちつつ求めるものに新しいチップデザインを提供してきた。A14はARMデザインをベースとしてAppleが独自に設計したチップで台湾のTSMCが製造する。

さらに取材中。

画像:Apple

【Japan編集部追記】 Appleサイトによれば、新iPad AirはWiFiモデルが6万2800円(税別)からなどと発表されている。

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滑川海彦@Facebook

アップルの新「ファミリーセットアップ」はApple Watchをキッズトラッカーに、Series 4以降のセルラーモデルに対応

アップルは米国時間9月15日、家族の一部のメンバーがiPhoneを持っていない場合でも、家族同士のよりよいコミュニケーション維持できるようにする新機能を発表した。同社はwatchOS 7に「Family Setup」(ファミリーセットアップ)と呼ばれる機能を追加したのだ。子供のApple Watchと自分のiPhoneをペアリングすることで、親と子が連絡を取り合ったり、iPhone側で位置情報通知を確認したり、ペアレンタルコントロールを使ったりするがことが機能になる。

Family Setupでは、子供がメッセージを介して通信できるが、親が利用できる連絡先を設定するできる。また、親は子供がどこにいるかをGPSで把握できる。例えば、子供が自宅から半径500m以内など設定したジフォフェンスエリアに入ったり出たりした場合、家族は位置情報のアラートを受信することができる。もちろん、学校やスポーツの練習場などのへの移動への通知も可能だ。

Family Setupの機能の一部は、Life360のようなモバイル追跡アプリと競合することになる。ちなみにLife360は、家族のお互いの居場所を追跡できる人気ツールで、iOS版とAndroid版が用意されている。一方で、一部の人が主張するように、過剰な監視と監視のヘリコプター育児(過保護育児)時代のためのアプリでもある。

しかしこの市場でのアップルの利点は、プライバシー保護を重要視する企業として地位を確立していること。 つまり親たちは、アップルが家族の位置情報をサーバーに保存したり、第三者に販売したりしないことを信頼できる環境がある程度整っている。

Family Setupは、位置情報の追跡に加えて親がダウンタイムを設定することができる。子供が勉強に集中している間はペアリングしたApple Watch上でのやり取りや通知を制限できる新しい 「SchoolTime」 モードを備えている。ワークアウトの統合も可能で、子供向けにデザインされたアクティビティリング体験を提供する。

一方で子供は、子供たちはMemojiをApple Watchで作ることができ、ステッカーやメッセージと一緒に送ったり、watchOS 7に搭載されたMemoji Watch Faceを使うこともできる。必要に応じて、内蔵のEmergency SOS機能を使って緊急サービスにアクセスすることも可能だ。

Family Setupが提供する機能は、スマートフォンを持たせるにはまだ早い小さな子供を持つ親のために設計されているが、Apple Watchは安くなないにで親にすんなり受け入れられるかどうかは不明だ。Series 3は動作対象外なので新登場のiPhone SEが最も適したモデルかもしれないが、税別2万9800円。子供が友人と近所を走り回るために出て行く際に身につけるデバイスとして高価で、安いAndroidデバイスを与えるような気軽さはない。

もちろん、すでに古いApple Watchを持っている親にとっては、新モデルの購入時に旧モデルに子供に引き継ぐという意味では理にかなっている。また高齢者へのプレゼントにも最適かもしれないとアップルは考えているようだ。

この機能を利用するには、Apple Watch Series 4以降のセルラーモデルが必要で、AT&T、T-Mobile、Verizon(TechCrunchの親会社)、およびその他の国際通信事業者を含む、一部の通信事業者パートナーとともに発売時に利用可能になる予定だ。日本ではau回線で利用できる。Family Setupはまず、米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、スイス、ポーランド、中国本土、日本、台湾、タイで提供される。

アップルハードウェアイベント

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

フィットネス市場はApple Fitness+にあまり怯えていないようだ

通常、アップルが確立された市場にあとから参入することは、既存プレーヤーに破滅をもたらす傾向があるが、アップルの最新のデジタルワークアウトサービスであるApple Fitness+について、投資家は他社の勢いを奪うことをそれほど心配しているようには見えない。

その一部は、アップルの新製品と新サービスに対する期待値が、すでにこれらの銘柄の価格に織り込み済みだったのかしれない。Fitness+は先月のBloombergのレポートで噂されていたが、本日発表されたサービスの詳細はほとんど公表されておらず、PelotonやFitbitの提供するサービスと同じように見えるが、もちろんApple Watchのハードウェアを完全に活用するものになるだろう。なお、サービスの開始は2020年の末に予定されている。

オンラインフィットネスのPelotonはすでに素晴らしい1日を過ごしている。現在株価は5%以上アップ。アップルのFitness+のプレゼンテーション中に一時的なヒットとなり復活した。同社の株価は現在、2020年に191%という驚異的な上昇率を記録している。

一方ウェアラブル端末大手のFitbitの株価は、日中取引では変動は見られなかった。同社は先月Fitbit Premiumサービスをローンチしたが、株価は年初から横ばいだ。

この市場に参入しているフィットネス企業にとっては状況はさほど変わっていない。今年に入ってから株価がほぼ半減したWeight Watchers International(ウェイト・ウォッチャーズ・インターナショナル)は1%未満の下落となり荒れた1年だったが、回復の兆しを見せているPlanet Fitness(プラネット・フィットネス)は記事執筆時には5%近く上昇していた。

なぜ全体的にあまり動きがないのだろうか?現在アップルは、同社のサービス事業における多くのデジタル市場への参入を進めている。 そしてその広がりは業界支配への注力を弱める可能性がある。米国では「Apple One」のサブスクリプションにApple Fitness+がをバンドルしていることから、消費者はまずは別のサブスクリプションを辞めずに、月額9.99ドルのApple Fitness+、もしくは月額29.95ドルApple One Premiewに加入しなければならない。これはコスト的に高いハードルかもれいない。その一方で、一旦加入してしまえば、ライバルのフィットネスサービスに目を向けなくなるだろう。

アップルを過小評価することは決して賢明ではないが、同社はいくつかのデジタルサービスを始動させようとする前例のない立場にある。少なくともしょっぱなからスラムダンクを決めたわけでない。

アップルハードウェアイベント

画像クレジット:champlifezy@gmail.com / Getty Images/ Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

新しいiPad AirはTouch IDを上部電源ボタンに内蔵

Apple(アップル)は米国時間9月15日のバーチャルハードウェア・イベントで、大きくデザイン変更されて細いベゼルと一新された外観になったiPad Air(アイパッドエア)を発表した。そしてほかのアップル製品の前兆ともいえる新しい動きとしてTouch IDが復活した。ただしタブレット上部の電源ボタンの中に。

発売10周年を迎えたiPadにとって、新しい第4世代のAirはここ最近で最も大きい変更だ。「今年はiPadにとって大きな年になる」とCEOのTim Cook(ティム・クック)氏は、iPad製品ラインのProではない新型タブレットを紹介する前に言った。「そして今日、私たちは完全にデザイン変更された新しいiPad Airを紹介できることを大いに楽しみにしている」。

最大の変更点は、電源ボタンに組み込まれた次世代Touch ID(指紋認証)センサーだ。これが「ホーム」ボタンのセンサーより便利かどうかはまだわからないが、指紋ベースのロック解除方法に対する需要の高まりをアップルが認識していることは明白だ。

新しいTouch ID電源ボタンはiPhone 12、少なくとも次のiPad Proに採用されるのだろうか? 可能性は高い。なぜならFace IDの信頼性は高くなっているものの、指先を使った方法を好む人たちもいるからだ。

外観はiPad Airシリーズとしては新しいが、フラットな側面、画面の角の丸み、はっきりしたカメラの突起など基本的にProに似ている。鮮やかな新色もたくさん登場した。

ディスプレイも新しくなり、2360 x 1640ピクセルと前の世代より少し解像度が高くなった。並べてみないと違いはわからないだろうが、アップルは常に自社デバイスには最高品質のスクリーンを搭載することにこだわっていて、新型Airも例外ではない。

コネクターは兄貴分のiPad Pro同様、Lightningを卒業してUSB-Cに変わったので、またまたケーブルを捨てなくてはならなくなるが、新しいケーブルはアップル謹製の専用品ではないので5ドルの汎用品を使うこともできる。

フロントカメラが改善され、バックカメラはiPad Proの1200万画素、4K対応になった。ただし残念ながらLidar(ライダー)は備わっていない。スピーカーも改良され横位置でステレオになる。

新しいiPad Airは10月発売で価格はもっとも安い機種(Wi-Fiのみ、最少ストレージ 64GB)が税別6万2800円から。

第8世代になった無印のiPadもApple A12シリーズのチップのコンピューティングパワーを手にしたが、デザインに大きな変更はない。これまでに5億台のiPadが販売され、伝統的デザインが十分よかったことが証明された。発売は同じく10月で価格は3万4800円から。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 14、iPadOS 14、watchOS 14、tvOS 14は9月16日にリリース

Apple(アップル)は同社の次世代iPhoneのリリースに先駆けて、最新のiOS 14が9月16日にリリースされると述べた。

今年にアップルが開催したWorldwide Developer Conference(WWDC)でiOS 14が初めて披露されたが、そこではホームスクリーンのウィジェットとメッセージのスレッドに返信する機能が含まれていた。また新しいMaps機能も搭載されており、移動手段としてサイクリング機能が追加されたほか、電気自動車のオーナーが途中で充電ステーションを見つけられるように経路を設定できる。

iOS 14では内蔵の翻訳機能、改善され再設計されたSiri、そしてSafariブラウザのセキュリティとプライバシー機能も搭載されている。

しかし、Appleが約束していたプライバシー機能の1つは延期される。アップルはiPhoneユーザーがアプリ内追跡をオプトアウトできるようにすると述べたが、iOS 14がリリースされた時点ですぐに搭載されるわけではないという。これはFacebook(フェイスブック)を含む広告大手が、機能に反対するロビー活動を行った騒動によるものだ。アップルはこれらの変更に対応するため、開発者に来年まで猶予を与えると述べた。

iOS 14はiPhone 6s以降でサポートされ、無料でダウンロードできる。

またiPadOS 14やwatchOS14、tvOS 14も9月16日にリリースされると、アップルは明かした。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Apple Watch Series 6は血中酸素飽和濃度が測定可能

Apple(アップル)の新しい腕時計「Apple Watch Series 6」には、いくつかのエキサイティングな新しい健康機能が搭載されている。赤色光と赤外線の両方を使用する新しいセンサーのおかげで、Apple Watch Series 6は15秒で血中酸素飽和濃度が測定できるようになったと、同社は米国時間9月15日に発表した。また、睡眠中にもバックグラウンド測定にてデータが記録される。

血液中の酸素飽和濃度は、赤血球がどれだけの酸素を運んでいるかを意味する。これらの測定は喘息、心疾患、慢性閉塞性肺疾患などの慢性疾患を持つ人にとって、特に重要だ。アップルは今後医療機関と協力し、この新しい血中酸素飽和度の測定機能を使って、喘息や心臓病、新型コロナウイルスに関する健康調査を実施する予定だ。なお日本国内では、医療での使用や医師との相談または診断を目的としたものではなく、一般的なウェルネスとフィットネスのためだけに使える。

さらにwatch OS 7はVO2 max(最大酸素摂取量)データの測定、手を洗っているかどうか、睡眠の監視もできる。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Apple Watch Series 6は血中酸素飽和濃度機能を搭載、(PRODUCT)REDモデルあり

予想どおり、米国時間9月15日のハードウェアイベントの目玉は最新の「Apple Watch Series 6」だ。Apple(アップル)はスマートウォッチのカテゴリを完全に支配し続けており、ウェアラブルのカテゴリのシェアで約30%を占めている。そしてSeries 6ではこれまでのモデルをベースに、ヘルスケア機能に焦点を当てている。最大の追加機能は、血液の色から15秒以内に血中酸素飽和濃度を測定できる新しい内蔵センサーだ。
Series 6は昼間に画面を暗くし、新しい睡眠機能のためにバッテリー駆動時間を伸ばせるように設計された省エネな常時点灯ディスプレイを備えている。また、登山中に標高を把握するために、常時機能する高度計も搭載されている。新しいLive MemojisやPrideストライプ、新しいウォッチフェイスなども追加されている。

Series 6は新しいApple A13プロセッサをベースとしたS6プロセッサを搭載しており、「これまでで最もカラフルなラインナップ」が用意されている。これには新しいブルーのアルミニウムモデル、グラファイトモデル、そして初となる(PRODUCT)REDが用意される

9月18日から発売が開始され、価格はすべて税別で、ゴールド・シルバー・ブルーアルミニウム、そして(PRODUCT)REDの文字盤とバンドの組み合わせは種類によって、4万2800円、4万78000円などとなっている。グラファイト・シルバー・ゴールドステンレススチールの文字盤とバンドの組み合わせは種類によって、7万2800円、7万8000円、8万2800円、8万3800円などだ。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルのハードウェアイベントのライブ中継はここで観られる(日本時間9月16日午前2時から)

Apple(アップル)は米国時間9月15日のイベントでいくつか新製品を発表する。今回、同社はバーチャルイベントに切り替えたので、誰でもライブストリーミングで観ることができる。イベントは西海岸時刻午前10時(日本時間9月16日午前2時)に始まる。

噂されているところによると、アップルはApple Watchの新バージョンと新しいiPad Airを披露する予定らしい。Apple Watch Series 6には、血中酸素飽和度などの新しい測定機能が加わるかもしれない。睡眠状態トラッキングも大きく取り上げられるはずだ。

iPad Airについては、大きなデザイン変更が予定されているらしい。新機種はiPad Proに似たベゼルの細いデザインになるかもしれない。ただしFace IDが付くかどうかは不明で、同社はパワーボタンにTouch IDセンサーを組み込もうとしている。果たしてアップルがLightningポートをUSB-Cポートに置き換えるかどうかも注目だ。

iPhoneはどうなのか? アップルは新しい世代のスマートフォン開発に励んでいるが、新型iPhoneは間に合わないだろう。アップルは株主に向けて、いつもより若干遅れそうだと伝えている。言及はするかもしれないが、しないかもしれない。

ライブストリーミング中継はこのページで直接見ることができる。今回、アップルはYouTubeでイベントをストリーム配信するからだ。

Apple TVを持っている人は、(Apple TVの)App StoreからApple Eventsアプリをダウンロードするといい。今回のイベントだけでなく、過去の回をもう一度見ることもできる。アプリのアイコンは数日前からイベント用に書き換わっている。

Apple TVを持っていなくて、YouTubeも使いたくない人のために、アップルは公式ウェブサイトの Apple Eventsセクションでもライブストリームを配信する。このビデオはSafari、Microsoft Edge、Google Chrome、Mozilla Firefoxなど主要ブラウザならどれでも見ることができる。

関連記事:日本時間9月16日午前2時開催のアップルのハードウェアイベントに期待すること

カテゴリー:イベント情報

タグ:Apple

画像クレジット:David Paul Morris / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

日本時間9月16日午前2時開催のアップルのハードウェアイベントに期待すること

2020年が普通の年だったら、今ごろはiPhoneのイベントが開催されていただろう。しかし今年はさまざまな点で普通ではない。米国太平洋夏時間9月15日午前10時(日本時間9月16日午前2時)にアップルのハードウェアイベントが開催されることになっているが、そこでiPhone 12を目にすることはおそらくないだろう。

アップルは長らく待ち望まれていた5G端末の発売について、少なくとも部分的にはサプライチェーンの問題のために数カ月も遅れていることをかなり率直に認めている。ということは、同社はそれほど遠くない将来に別のイベントを計画していることになる。

関連記事:5G iPhone発表か?アップルのスペシャルイベントは日本時間9月16日午前2時にバーチャル開催

我々はこれまでのサムスンのイベントで見てきたように、各社は新型コロナウイルスの感染蔓延で各種イベントをバーチャルに移行したことで、より多くのイベントを開催することについて少し大胆になっているようだ。

そういった状況を踏まえると、今回のイベントでの発表が期待できるのは、Apple WatchやiPadなど、iPhone以外でアップルの屋台骨を支える製品のアップデートだろう。ほかには、サブクスリプションのバンドルサービスやAirPodsシリーズのラインアップ追加などの可能性もある。

まずは、その中でも最も有力なものから紹介していこう。

Apple Watch

画像クレジット:Brian Heater

「Time Flies」(タイムフライ)という今回のイベントのスローガンは、我々が次期Apple Watchのいくつかの情報を得ていることを前提としているかもしれない。watchOSの最新バージョンの新機能のいくつかをうまく組み合わせることで、我々が待ち望んでいるものをかなり明確に描き出すことができる。

Apple Watch Series 6は、今回のイベントの目玉になりそうだ。新モデルの最大のニュースの1つは、実はある機能がなくなることだ。Series 6では、すでに公開されているwatchOS 7の機能で明らかになっているように、フォースタッチ(感圧タッチ)がなくなる確率が高い。もちろんこれには理由があり、フォースタッチ機構をなくせば時計をスリム化するのに役立つ可能性がある。もしくはそのぶん、バッテリー容量を増やすことができる。

watchOS 7には睡眠計測機能が追加されているため、ユーザーが就寝時にもApple Watchをバッテリー切れの心配なく装着できるように、アップルはデバイスを長持ちさせる方法を見つける必要がある。ユーザーが眠っている間の省電力機能は既にいくつか搭載されているが、より大きなバッテリーを搭載することで大きな違いを生み出し、アップルが他社との競争力を維持するのに役立つだろう。

また、アップルは健康管理の改善に注力し続けるだろう。それは長らくApple Watchの成功のカギとなっている。今回期待される機能としては、SpO2(動脈血酸素飽和度)トラッキングが挙げられる。いわゆるパスルオキシメーターのように血液中の酸素レベルを追跡するスマートウォッチはすでに存在しているが、自宅で健康状態を記録することがますます重要になってくる現在、Apple Watchがこの機能を搭載してもおかしくはない。

ほかにも廉価版モデルが登場する噂もある。具体的には、199ドル前後で販売されているSeries 3を置き換えるたモデルになるようだ。この製品は、新型コロナウイルスの感染蔓延でユーザーが手ごろな価格でヘルストラッキングを始めている現在の需要にかなり応えるものになるだろう。とはいえ、廉価版となる新モデルはデザイン的にも機能的にもそれほど洗練されてはいないだろう。

iPad

画像クレジット:Apple

イベントでは新しいiPadも登場するようだ。最有力候補はiPad Airで、現行モデルは2019年3月に登場している。噂では、次期モデルのiPad Air 4は、ベゼルが大幅に縮小され、Touch IDが搭載された電源ボタンがデバイスの上部に移動するらしい。そのほかの機能としては、10.8インチディスプレイや、LightningポートからUSB-Cへの切り替えなどが考えられる。

その他

WWDCで発表されたすべてのOS、すなわちiOS、macOS、watchOS、tvOSは今週中にベータ版がリリースされるはずで、これらもイベントで紹介されるかもしれない。とはいえ、iPhoneのイベントが別途開催される可能性もあるので、なんともいえない。

またアップルは「Apple One」を発表するかもしれない。これは、Apple TV+やApple Musicなどの同社の主要なサブスクリプションサービスのいくつかをセットにした製品だ。バンドルサービスには、Apple ArcadeやApple News+のほか、iCloudストレージが追加される可能性もある。

長年噂されている「探す」アプリと相性のいい、忘れ物防止タグの「Tile」のようなデバイストラッカー「AirTags」も発表も考えられる。このハードウェアを使えば、「探す」アプリでiPhoneなどと同様に、AirTagsを装着したカギや財布などを簡単に見つけられるようになる。さらには、AirPods 3やAirPods Pro 2、そして待望のオーバーイヤーヘッドフォンのAirPods Studioが発表される可能性もある。

アップルハードウェアイベント

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アップルがApp Storeのルールを改定、ゲームストリーミングアプリを条件付き許可、アプリ内課金を明確化

アップルは米国時間9月11日、「App Store Guidelines」のアップデート版をリリースした。ゲームストリーミングサービス、App Clips、ウィジェットなどの新しい機能やテクノロジーにどうアプローチするかを明確にするとともに、特定のカテゴリーのアプリからアプリ内購入をいつ、どのように集めるかについてのスタンスをより詳細に示すことを目的とするものだ。

今回の変更は、アップルがアプリ内購入の使用に関する要件をめぐってEpic Gamesと法廷で争っている最中に行われた。同社はまた、App Store事業が米国、EU、オーストラリアなどにおける独占的慣行について規制当局による調査を受けている。

アップデートの一部は、アップルが今秋リリース予定のiOS 14で導入するテクノロジーにアップルのルールをどのように適用するかを説明するためのものでもある。

改訂されたガイドライン(2.5.16)ではiOSの新機能、特にApp Clips、ウィジェット、エクステンション、通知を対象としている。なお、App Clipsとは。機能が限定されたアプリのスリム化バージョンのようなものだ。ガイドラインでは、これらすべてのフォーマットのコンテンツがメインアプリのコンテンツと機能に関連していることを要求している。また、メインバイナリ(メインの実行可能ファイル)に含まれなければならず、広告を含めることはできない。

新しいガイドラインの重要な変更点の1つ(3.1.2a)については、アップルがMicrosoft xCloudやGoogle Stadiaのようなゲームストリーミングアプリにどうアプローチするかを説明している。ルールによると、アップルはこれらのサービスをApp Storeで配布できるようにするが、サービスが提供する個々のゲームタイトルをアップルに個別に提出しての審査を通過し、App Storeに登録させる必要がある。

これとは別に、ゲームストリーミングサービスは、顧客がサービス自体に加入できる「カタログアプリケーション」を提供できるようになる。このカタログアプリは、サブスクリプションで提供されている個々のゲームタイトルにリンクし、複数のパブリッシャーのゲームを含めることができる。これは、アップルがサードパーティーのアプリカタログであるGameClubに対してすでに承認しているモデルに似ている。ストリーミングゲームサービスではないが、GameClubは、それぞれのゲームが個別のリストを持つクラシックゲーム向けのサブスクリプションベースのサービスだ。

アップルが、ゲームを個別にリストアップしたいと考えている理由は、コンテンツのガイドラインや規約を満たしているかどうかを確認したり、レーティングを行うためだと説明している。さらに、このモデルでは、ユーザーも個々のタイトルを評価し、レビューすることができる。

実際にはこの変更により、ユーザーはストリーミングゲームサービスの「カタログアプリ」でアプリ内購入機能をと通じてサービスに加入し、そのうえでサービス内のゲームタイトルをプレイする必要がある。ただし、ユーザーがすでに別のプラットフォームでサービスに加入していた場合は、アップルはユーザーが二度の支払いをすることなくログインできるようにする。

またアップルのルールでは、ゲームサービスが非加入者に不利益を与えてはならないと規定されている。具体的には、ユーザーはゲームストリーミングサービスに含まれる個々のゲームのいずれかを自分のデバイスにダウンロードでき、購読していなくても即座にプレイを開始できるようにしなければならない。もちろんゲームの完全版である必要はなく、ゲーム内のステージやレベルを2つほどを無料でプレイできるお試し版のようなものを提供し、その後に完全なサブスクリプションを購入するためのパスを用意することになる。

ゲームストリーミング以外にもいくつかのルールがアップデートされている。

1つの変更は、KindleやNetflixのようなアプリに適用される。これらのアプリは、限定的な「リーダー」体験を提供することで、App Storeの手数料を回避してきた。具体的には、ユーザーはウェブサイトなどほかの場所でアカウントを作成して決済したあと、iOSアプリにログインして電子書籍を読んだり、購読に含まれる映画を見ることができた。

新しいガイドラインの下では、これらのリーダーアプリはiOS内でのアカウント作成機能も提供しなければならなくなる。これは、製品の無トライアル期間に対応するためだ。もちろん、これらのアプリは「アカウント管理機能」を搭載することもできる。

アップルはまた、開発者が従業員や学生向けに組織やグループに販売する「エンタープライズアプリケーション」に関するルールも明確にしている。これらのアプリはSlackなどを含む可能性があり、アプリ内購入に加えて別の購入方法を使って支払いは可能になる。

さらにアップルは、Heyメールアプリの開発元であるBasecampとの最近の論争に関連すると思われるルールも導入した。デベロッパーは無料のスタンドアロンアプリ(リーダーアプリとは別のカテゴリー)を提供して、VoIP通話、ストレージ、メールなどのサービスを提供できる。これにより、Heyのようなアプリは、アプリ内でアクションを起こさない限り、他の場所でユーザーに課金することができる。

また先日、アップルとWordPressで起きた問題にも対応している。アップルは、同アプリ内の決済ページに誘導するウェブ画面を問題として、WordPressのアップデートを一時的にブロックしていた。同社はこの問題について謝罪したが、アプリのユーザーがWordPressの価格ページにアクセスできないようにすることもWordPressに求めている。

個人対個人の体験を提供するアプリ、例えば家庭教師や遠隔医療は、アプリ内購入以外の支払い方法も利用できるようになる。改訂で明らかになったのは、これらは1対1のサービスでの許可される支払い方法で、1対多のサービスの場合はアプリ内購入を使う必要がある。

もう1つの変更は、個人向けローンアプリに影響を与える。これらのアプリは、ローン条件を明確に開示するよう求められる。これには、年間の最高利率と支払期日が含まれる。費用や手数料を含む最大APRが36%超で請求したり、60日以内に全額の支払いを要求したりすることはできなくなる。アップルによると、これは消費者を保護するためのものだという。

今回のアップデートでは、アップルの承認を得て、音楽とビデオのサブスクリプションをキャリアのデータプランにバンドルし、携帯キャリアのアプリで提供できるようになった。ガイドラインではまた、アプリがルール違反で却下された場合でも、アップルはバグ修正を遅らせることはないという、以前に発表された新しいポリシーを紹介している。

アプリ開発者には、機能を隠す、アプリの機能を明確にしないといった何をしてはいけないのかについて、さらにいくつかの明確は説明が必要とされる。アップルによると、「App Store Connect」の「Notes for Review」セクションでは一般的な説明が拒否されるため、開発者はアプリのアップデートに含まれる内容を実際に記載しなければならないという。各種アプリのアップデート時によく見られる「バグ修正とパフォーマンスの改善」という文言は消えるわけだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

xCloudやStadiaのストリーミングゲームがアップルのApp Storeに並ぶための面倒なルール

Apple(アップル)は米国時間9月11日の朝、App Storeのルールに関する少々興味深いアップデートを発表した。中でも最も話題になりそうなのは、Microsoft(マイクロソフト)のxCloudやGoogle(グーグル)のStadiaといったクラウド上のゲームプラットフォームに関する部分だ。

この直前には、xCloudのApp Storeからの拒否に関して、マイクロソフトからの非常にオフィシャルな苦情を受けた後のことであるが、アップルはApp Storeのルールは、基本的にそのゲームのストリーミングプラットフォームを許可していないことを理由にこれを拒否している。ゲーマーたちからの激しい反発は、今回の発売がXboxプラットフォームの将来に向けてどれだけ期待されているかを考えると、注目に値する。この話題はまた、Epic Gamesがゲームストアでのアプリない課金に対する不満を募らせていたのと同時期のものになる。

アップルの時代遅れなApp Storeのルールに、アップデートが必要であることは明らかだが、彼らの解決策を見ていると、対応が容易な解決策を期待していたプラットフォーム運営者やゲーム開発者にとって、状況はきわめて面倒なものになっているのは明らかだ。

関連記事:Apple goes to war with the gaming industry(未訳記事)

要するにアップルはxCloudやStadiaのようなゲームストリーミングプラットフォームの運営は許可するが、ライブラリ内の各ゲームはそれぞれ別にApp Storeのリストに載っていなければならず、各タイトルはApp Storeから「ダウンロード」されなければならい。これらのゲームはそれぞれApp Store内で発見できるようになり、複数の複数のストリーミングプラットフォーム向けの同じゲームが複数のページに存在することもありうる。xCloudとStadiaにはそれぞれ独自の「カタログ」アプリがあるが、新しいタイトルを獲得したい場合は、ユーザーをAppl Storeに送り込まなければならない。

最終的にこのやり方では、ゲーム開発者にとってプラグアンドプレイが乏しくなり、開発者はアップルのアプリ内課金フレームワークと決裁システムを統合しなければならなくなる。また開発者は、アプリ内購入におけるアップルの取り分と、ストリーミングプラットフォームのために考案した他の取引のバランスを取る必要があることも意味する。それは複雑だが、iOSは非常に大きなプラットフォームであり、開発者にはし従う以外の選択肢はない。xCloudを強力にプッシュしているマイクロソフトにとってはとくにそうだ。

これはクラウドゲームプラットフォームにとっての理想的なソリューションからはほど遠いものだが、結局はこんな解決策に落ち着くしかなかったかもしれない。一応、サブスクリプションを購入するためのエントリーポイントが増えることになるので、これらのプラットフォームの人気拡大には貢献するだろう。アップルもさまざまな苦情に対してこの点を強調していたが、消費者がアップルからサブスクリプションを購入し、結果的にアップルに税を支払うことになるかもしれない。ユーザーはアプリを無料でダウンロードしてその後、サブスクリプションを促されるか、または、彼らが選んだストリーミングプラットフォームにログインするという形になるのだろう。

アップデートされたルールの条文を下に引用する。例によってアップルのルールは、細かいところまで正確さに固執している。

4.92 Streaming Games
Streaming games are permitted so long as they adhere to all guidelines — for example, each game update must be submitted for review, developers must provide appropriate metadata for search, games must use in-app purchase to unlock features or functionality, etc. Of course, there is always the open Internet and web browser apps to reach all users outside of the App Store.
4.9.1
Each streaming game must be submitted to the App Store as an individual app so that it has an App Store product page, appears in charts and search, has user ratings and review, can be managed with ScreenTime and other parental control apps, appears on the userʼs device, etc.
4.9.2
Streaming game services may offer a catalog app on the App Store to help users sign up for the service and find the games on the App Store, provided that the app adheres to all guidelines, including offering users the option to pay for a subscription with in-app purchase and use Sign in with Apple. All the games included in the catalog app must link to an individual App Store product page.

4.92 ストリーミングゲーム
ストリーミングゲームはそれらがすべてのガイドラインを遵守しているかぎり許可される。たとえば各ゲームのアップデートはレビューのために提出されなければならない、開発者は検索のための適切なメタデータを提供しなければならない、ゲームはアプリ内購入を使って新たな機能をアンロックしなければならない。もちろん、App Storeの外の全ユーザーにリーチするために、オープンなインターネットとウェブブラウザーアプリが常にに存在する。

4.9.1
各ストリーミングゲームは個別のアプリとしてApp Storeにページがあり、チャートや検索に表示され、ユーザーの評価やレビューがあり、ScreenTimeやその他のペアレンタルコントロールアプリで管理され、ユーザーのデバイスに表示されるように、個々のアプリとしてApp Storeに提出する必要がある。

4.9.2
ストリーミングゲームサービスは、ユーザーがサービスに申し込んでApp Storeでゲームを探すのに役立つカタログアプリをApp Storeで提供することができる。ただしアプリはユーザーにアプリ内課金によるサブスクリプションの支払いオプションを提供したり、「Appleでサインイン」で支払えるようにするなど、すべてのガイドラインを遵守していることが条件となる。カタログアプリに含まれるすべてのゲームは、個々のApp Storeの製品ページにリンクしていなければならない。

カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:Apple App Store

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルがサブスクリバンドル製品「Apple One」をApple Musicアプリのコードで自らリーク

アップルがサブスクリプションのパッケージを計画しているらしいという報道はどうやら正しかったようだ。同社のAndroid(アンドロイド)デバイス向けMusicアプリの最新リリース(ver. 3.4.0 beta)のコードには、「Apple One」と呼ばれる新サービスへの参照があることがわかった。このコードを見つけたのは9to5Googleで、Apple Oneの一括サブスクリプションにはApple Musicも入るらしいことも報告されている。

これは曖昧なコードの参照に基づく単なる推測ではない。コードの中で同社は、Apple OneおよびApple Musicとの関わりについて非常に明確な表現を使っている。

コードには以下のように書かれている。

<string name=”aristotle_main_more_info”>Your Apple Music subscription will be included in Apple One starting %s. You will not be charged for both subscriptions.</string>

<string name=”aristotle_renewaloption_subtext”>You can manage your Apple One subscription using your iPhone, iPad, Apple TV or Mac.</string>

[<string name=”aristotle_main_more_info”>%sからApple OneにはApple Musicのサブスクリプションが含まれます。両方のサブスクリプション料金を課金されることはありません。</string>

<string name=”aristotle_main_more_info”>Apple OneのサブスクリプションはiPhone、iPad、Apple TV、あるいはMacで管理できます</string>

「aristotle」の文字列は新製品につけられたアップルの内部コードだろう。

もうひとつの重要なコード部分が以外だ。

<string name=”applemusic_with_aristotle_subtext”>Included in Apple One %s</string>

<string name=”aristotle_main_subtext”>Subscription Bundle %s</string>

<string name=”applemusic_with_aristotle_subtext”>Apple One %s に包含されます
[<string name=”aristotle_main_subtext”>サブスクリプション・バンドル %s

この発見は、アップルがこの秋におそらくiPhone 12と同時にApple OneサブスクリプションバンドルをスタートするつもりだというBloombergの8月の記事を事実上裏付けるものだ。新たなバンドル製品の狙いは、ユーザーにさまざまなサービスの組み合わせでディスカウントを提供することで、複数サービスのサブスクリプションを推奨することだ。

Bloombergは、基本パッケージにはApple MusicとApple TV+が入り、上位バージョンにはApple ArcadeやApple News+、もしかしたらiCloudのサブスクリプションも加わるかもしれないと書いていた。

残念ながら今回見つかったコードに、バンドルの価格や何が入っているかは書かれていない。

厳重な取締りよく知られているアップルだが、このところ何度か自身でリークの出典になっているのはちょっと面白い。今回のApple Oneの件以外に、同社は4月にも自社のYouTubeアカウントにアップロードしたサポートビデオを通じて未発表製品である「AirTags」の存在を認めてしまった

実はアップルがコードの中でサービスパッケージのヒントを出したのもこれが初めてではない。以前9to5Macは、iOS 13.5.5の内部ファイルの中に、それまでのiOSバージョンにはなかった「bundle offer」と「bundle subscription」への言及部分を発見した。

しかし今回のリークは、アップルがバンドル製品に「Apple One」という名前を受けたことを裏付けている。

おそらく来週同社が開催するiPadとApple Watchが発表されるであろうイベントで詳細がわかるだろう。あるいは、iPhone 12の発表が予想される10月のイベントまでApple Oneについて聞くことはないかもしれない。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3年前に消えたGoogleマップがApple Watchに復活

Googleマップと Apple Watchの関係は長年、あまり円満ではなかった。グーグルがApple Watch対応のGoogleマップを出したのは2015年の9月で、Apple Watchが発売されてからわずか数カ月後だった。しかし2017年には、同社はApple WatchをサポートするGoogleマップを引っ込めて、いずれ復帰するというメッセージだけを残した(9to5 Google記事)。同社は、引っ込めた理由について多くを語らず、いつ復帰するのかもわらなかった。

しかし、その答えは3年だった。米国時間9月9日、9to5GoogleがApple Watchに戻っているGoogleマップを見つけた(9to5 Google記事)。

GoogleマップがApple Watchに戻ってくるという話が最初にあったのは8月で、CarPlayとの統合がより本格的になるという発表と一緒だった。そのときのグーグルの説明では「数週間後」だった。

そのときの記事では「これで二度目だけが、Googleマップのヘビーユーザーが期待するほど機能豊富ではないだろう」と言われていた。とはいえ、自宅や職場ぐらいならナビゲートしてくれるかもしれない。でも新しい場所なら、まずスマートフォンの地図アプリを立ち上げる必要があるだろう。

GoogleマップがiPhone上にすでにあるユーザーは、アプリをアップデートすればあなたの腕にもそれは戻ってくる。

画像クレジット: Greg Kumparak

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

iCloud、Google Drive、Dropboxがイタリアで不公平な契約条項について調査

イタリアの競争当局はApple(アップル)、Dropbox、Google(グーグル)が運営するクラウドストレージサービスについて、不公正な商行為を疑う多数の苦情を受けて調査を開始した。

調査に関するプレスリリースによると、AGCMは全部で6件の調査を開始したという。対象となるサービスは、グーグルのDrive、アップルのiCloud、そしてDropboxのクラウドストレージサービスだ。

また不公正な商行為の申し立てだけでなく、イタリアの消費者権利指令への違反の申し立ても調査していると当局は述べている。

さらに、これらの契約には煩わしい条項が含まれているとの申し立てもある。

米TechCrunchは3社にコメントを求めている。

プレスリリースによると、3社のクラウドストレージサービスはいずれも、適切な情報の欠如や商用データ収集に対する有効な同意の欠如など、商用目的でのユーザーデータ収集に関連する不正行為に関する苦情について調査を受けている。

またDropboxは契約解除や再考の権利行使の手順など、契約条件を明確に伝えていなかったことでも告発されている。裁判外の紛争解決メカニズムへのアクセスも、規制当局によって検討されている。

不公正性の懸念により調査されているその他の契約条件には、運営会社がサービスを停止・中断する権利を持つ条項、ユーザーのクラウドスペースに保存されているドキュメントを紛失した場合での免責条項、一方的な契約条件の変更の可能性、イタリア語版よりも英語版の契約書のほうが優れていることなどがある。

近年欧州委員会はソーシャルメディア企業に対し、自社の契約条項を明確にするよう全EUに働きかけている。その結果フェイスブックは昨年、より平易な言葉で書かれた契約条項に同意したほか、一方的に契約を修正する権限を修正するなどの追加の調整を行った。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルがOprah’s Book Clubシリーズを公開してポッドキャストの活用を拡大

Apple(アップル)はポッドキャストへの投資を拡大している。米国時間9月8日、Apple BooksとOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)氏は「Oprah’s Book Club」ポッドキャストの公開を発表した(Appleプレスリリース)。オプラ氏が本を紹介するOprah’s Book Clubで取り上げられたベストセラーで、ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリストのIsabel Wilkerson(イザベル・ウィルカーソン)氏が書いた「Caste: The Origins of Our Discontents」に関連するテーマを8本のエピソードで探る。このポッドキャストは、アップルのストリーミングTVサービスであるApple TV+との初のクロスオーバーとなる。

2020年1月、アップルはApple TV+の番組と関連するオリジナルのポッドキャストの制作を計画しているとにBloombergは報じた。ポッドキャストはApple TV+のコンテンツと連携して提供され、Apple TV+オリジナル作品の成長に活用されると見られていた。

ポッドキャストを開発中であるという記事は、ほかにもあった。例えばApple TV+のアンソロジーシリーズ「リトル・アメリカ」のエグゼクティブプロデューサーであるLee Eisenberg(リー・アイゼンバーグ)氏Forbesとのインタビューで、この番組にはオリジナルのポッドキャストもあると述べていた。しかしそのポッドキャストはまだ公開されていない。

アップルはOprah’s Book Club以外のポッドキャストについてはコメントしなかった。

とはいえ、Oprah’s Book Clubが新たな拡張の始まりであることは明らかだ。

画像クレジット:Apple Podcasts、スクリーンショット作成はTechCrunch

アップルは現在、Oprah’s Book ClubシリーズをApple TV+でストリーミング配信している。アップルは、このブッククラブのコンテンツをさまざまなチャネルで宣伝できる。新しいポッドキャストシリーズに加え、オプラ氏が選んだ本はApple Booksで購入できるし、Apple Booksでディスカションガイドも利用できる。Apple Newsで「Caste」からの引用を限定で読んだり聴いたりすることもできる。Apple Music Radio(以前のBeats 1)でも著者インタビューを公開している

新たに公開されたポッドキャストの最初のエピソードでは、著者のウィルカーソン氏が『Caste』を書いたきっかけや、社会には人種差別について語る新しい方法が必要だという同氏の考えがとり上げられている。アップルによれば、今後のエピソードは著書に書かれているカースト制度の具体的な要点を語るものになるという。新しいエピソードは9月8日を皮切りに、今後週に2回、火曜日と木曜日に公開される。

Spotify、Pandora、Amazon(アマゾン)といった競合はポッドキャストに対してかなり力を入れているが、アップルはこれまでポッドキャストにあまり投資してこなかった。Spotifyは数百ものオリジナルプログラムや限定プログラムをユーザーに提供している。SpotifyはGimlet、Parcast、Anchor、The Ringerといったポッドキャストネットワークやスタートアップも買収した。

Pandoraは親会社であるSiriusXMの資産を活用してトークショーをポッドキャストにしたり(未訳記事)、ポッドキャストと音楽の新しいフォーマットであるPandora Storiesを開発したりしている(未訳記事)。アマゾンはAudibleのポッドキャストをプレミアムコレクションとしてまとめ、プライム会員に提供している。

一方のアップルは、Apple Keynotesや四半期ごとの業績発表といった一般的な企業活動をポッドキャストとして公開している。Apple Storeでは以前にポッドキャストをテーマにしたイベントを開催していたが、アップデートされていない。Apple Newsは「Apple News Today」をプロデュースしている。Apple Musicは「The Zane Lowe Interview Series」や「Songs for Life」をプロデュースし、Apple Musicでもストリーミング配信している。

Apple Booksはオプラ氏のポッドキャストの共同制作者であって、Apple TV+の共同制作者ではない。したがって、Apple TV+と連携した初のシリーズとして「正式に」カウントすべきではないかもしれないことは付記しておきたい。

Spotifyの取り組みとは異なり、アップルのポッドキャストはまさにポッドキャストだ。すなわち、Apple Podcastsで無料で聞くことができ、ポッドキャスト形式の条件であるRSSを利用してほかのポッドキャスト聴取アプリに追加することができる。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Apple ポッドキャスト

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(翻訳:Kaori Koyama)

アップルがEpicをApp Storeの契約違反で反訴、Epicは立証責任を果たせるか

Apple(アップル)が、Epic GamesによるApp Storeを回避して数百万ドル(数億円)もの手数料の支払いを避けようとした試みに反訴した。その訴えでは、Epic Gamesが意図的に契約に違反したと主張しており、法廷が損害を認め、同社が二度と同じとを行わないよう求めている。

振り返れば、Epic Gamesは2020年8月半ばにFortniteのゲーム内通貨の新しい購入方法をこっそり導入し、アップルに30%の支払いを行わなかった。さらにPRキャンペーンも展開してアップルを独占を訴え、App Storeのルールを不正と主張した。アップルはEpic Gamesの動きに対してApp Storeにおける同社のアカウントを削除し、Epic Gamesがゲーム内ストアを削除するか調整すれば今回の行為は避けられたはずだ、と主張した。Epic Gamesはアカウント削除を独占による不公平な営業行為だと法廷が認めることを求めたが、Fortniteと無関係なアカウントが復帰しただけに終わった。

Epic Gamesはさらに、アップルが独占企業でその行動は違法と見なされるべきと主張し、アップルはそれは真実でないと示そうとしているが、今回の反訴においてアップルは、Epic Gamesの不正行為を主張している。

「Epic Gamesは自らを現代の企業社会におけるロビンフッドだと考えているが、実際のところ同社は売上数百万ドルの大企業であり、App Storeから得た膨大な価値の代価を一銭も払うまいとしているだだ」とアップルの訴状で述べている。

さらに「Epic GamesとそのCEOは、アップルが2008年以降すべての開発者に提供しているApp Storeに関する規約に異議を唱えているが、そこには拘束力のある契約への違反や、長年のビジネスパートナーに対する欺瞞行為、アップルに正当に属する手数料の着服、そして21世紀の最も革新的なビジネスプラットフォームに対して、Epic Gamesの収益を最大化しなかったことを理由に、法の鉄槌を下すよう裁判所に求めるようなことは、何一つ含まれていない」と続く。

類似の判例に関する知識のほとんどない私が、この訴訟の細部に立ち入っても得るところは少ないだろう。アップルに対して仮差し止め命令が出るとしても、それは何週間も先だし、それまでに得られる新しい情報は少ない。

この議論は、ハードウェアとソフトウェアのエコシステムを完全にコントロールしているアップルのような企業が独占企業に該当するかどうかに帰着する。もしそうであれば、Epic Gamesが反抗したアップルの事業慣行は違法となり、逆らうことは正当なものとなる。そうでなければ、この反訴でEpic Gamesの立場は危うくなる。アップルに数百万ドルの借りがあるからだけではなく、このトリックを二度と使えなくなるからだ。

ここでは、Epic Gamesの立証責任がとても重要だ。現在の独占禁止法では、アップルのApp Storeや、同じ理由で訴えているGoogle(グーグル)のPlay Storeは、独占行為とは見なされていないようであるからだ。しかし立証ができずに裁判がEpicの敗訴に終わっても、アップルには独占企業のイメージが残り、裁判官の疑念含みの評価でさえも好印象を与えないだろう。

Epic Gamesが有名な企業であり、契約違反を認めているため、アップルによる今回の反訴は避けられなかった。しかしそれは、高くついている。同社は損害賠償額の規模を明らかにしていないが、数千万ドル(数十億円)にはなるだろう。アップルの訴状は以下で読むことができる。

Apple Countersuit Against epic by TechCrunch on Scribd

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カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:AppleEpic Games

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa