Waymoが顧客にメールで完全自動運転車サービスの到来を告げる

Google(グーグル)の親会社であるAlphabet(アルファベット)傘下で自動運転車を研究・開発しているWaymo(ウェイモ)が、そのライドシェアアプリの顧客に送ったメールで「今度乗車されるときは人間のセーフティードライバーがいないかもしれない」と告げた。そのメールは、コピーがRedditにポストされて広まった。

メールのタイトルは「Completely driverless Waymo cars are on the way」(運転手がまったくいないWaymoカーがもうすぐやってくる)で、米国南西部にあるアリゾナ州フェニックス郊外で同社のライドシェアアプリを使っている顧客に送られた。

初期の体験乗車事業(Early Rider Program)とWaymo Oneサービスはどちらも、自動運転のChrysler Pacifica(クライスラー・パシフィカ)のミニバンを使って、チャンドラーやテンペなどのフェニックス郊外地区をカバーするジオフェンス領域のフェニックス住民にシャトルサービスを提供した。これらの自動運転乗車体験はすべて、人間のセーフティードライバーがハンドルを握った。

今度からのドライバーレス(Driverless)はその名のとおりセーフティードライバーがいないが、最初はWaymoの社員が同乗するようだ。

Waymoはコメントをくれなかったが、本誌が確認したところによると、メールはWaymoの体験乗車事業early rider programのメンバーに送られた。下図は、そのメールのコピーだ。

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Googleの自動運転プロジェクトから生まれたWaymoは、その技術の最初のテストを2009年にGoogle本社のあるカリフォルニア州マウンテンビュー周辺で行った。その後の歩みは、堅実でゆっくりしていた。やがてテスト領域を他の都市にも広げ、独立してWaymoになり、車の設計やセンサー類の改良を積み重ねた。

2016年にWaymoは、アリゾナ州チャンドラーにテストと実事業のためのセンターをオープンし、そことそのほかのフェニックス郊外地区でテストを重ね、一般民間人のための体験乗車事業を開始した。そして、徐々に本格的な商用化へと進んでいった。2017年4月にローンチした体験乗車事業では応募者を厳格に選別し、参加にあたっては秘密保持契約を結んだ。

12月には商用の自動運転車サービスWaymo Oneとそのためのアプリを立ち上げた。体験乗車事業のメンバーはWaymo Oneに移され、ゲストの同乗や、体験をおおやけに話すことが許された。さらに最近ではフェニックスにもうひとつの技術サービスセンターをオープンして容量を倍増し、商用車両を増車した。

人間運転手のいないWaymo車はときどき見かけるが、一般人のためのシャトルサービスには使われていない。このメールの内容が実現すれば、同社の自動運転車事業にとって重要な節目になるだろう。

しかし、まだまだ疑問も多い。完全な自動運転車は最初何台配置されるのか。Waymoはそれらにどんな制限を導入するのか。おそらく最初の数か月は特定のシンプルな環境で運用し、その後もっと複雑な状況へと拡張されるのだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

オハイオ州、bitcoinで納税できる最初の州に

月曜日(米国時間11/26)から、オハイオ州の企業は税金をbitcoinで収められるようになる——同州は暗号通貨を正式に受理する最初の州となる。

このプログラムに参加したい企業は、OhioCrypto.comへ行き、登録して暗号通貨で収めたい税金を支払えばよい。タバコの売上税でも従業員の源泉徴収でもなんでもよい、と取り組みを最初に紹介したThe Wall Street Journalの記事に書かれている。

オハイオ州財務長官Josh Mandelが推進するこのbitcoinプログラムは、ITフレンドリーのイメージを作ろうという同州の大きな野望を世に示す試みの一環だ。

オハイオに州は、テクノロジーハブとも言うべきものがコロンバスにあり、中西部最大級のベンチャーキャピタルファンドDrive Capitalの拠点となっている。

オハイオ州の新規デジタル通貨採用を活用しようする人がいるかどうかは議論のあるところだ。

現在暗号通貨市場は、1637年2月のオランダのチューリップなみの急降下(あるいは崩壊、爆縮、大惨事、大火災)状態にある

Bitcoin続落、4000ドルを切る――暗号通貨ブームは一段落

国の南東、南西および中西部の州でもbitoinによる納税が検討されたが、アリゾナ、ジョージア、イリノイの各州では法案が通らなかった。

オハイオ州は暗号通貨支払いのスタートアップBitPayと協力して支払いを取り扱う。同社はbitcoinをドルに交換する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uberはアリゾナ州の路上の自動運転車のテストを禁じられた

先週、試験走行中の車の一台が道路を横切ろうとする歩行者を死亡させるという事故を起こしたUberは、アリゾナ州の公道上での自動運転車のテストを禁止された。州知事Doug DuceyはUberのCEO Dara Khosrowshahiに送った書簡を公開し、その中で彼は、車載カメラが捉えた事故の様相を、“不穏当かつ怖ろしい”と形容している。

これまで同州における自動運転車の試験にきわめて前向きだった知事は、Uberなどの企業がその事業をアリゾナの路上で行うことを奨励していたが、今回は州の運輸局に対しても、Uberによる自動運転の試験の許可を“保留”にするよう指示した。

Uberはすでに事故以降および捜査の結果待ちの間、同社の自動運転試験車のテストをアリゾナ以外のすべての市場でも中止している。

このライドシェア企業がアリゾナで試験の運用を開始したのは2016年だが、その前にはサンフランシスコの路上で自動運転SUVを走行し、州の路上における無許可試験としてカリフォルニア州陸運局より直ちに中止を命じられた。そのときUberはテスト車全車をアリゾナ州に移すという派手な手に出て、Duceyはそれを強力に支持し、Uberの自動運転パイロット事業が彼の州へ移転したことを歓迎した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

[ビデオ]: Uber自動運転車の死亡事故のときドライバーはよそ見をしていた

アリゾナ州テンピーの警察が、Uberの自動運転車による死亡事故の、直前の状況を撮ったビデオを公開した。そのビデオには、Uberから見た街路と、自動運転車の運転席にいる人間介助者の様子が写っている。

警告: このビデオには視聴者を不快にさせる要素があります。

そのビデオは、被害者が暗い通りを横切ろうとしたとき、Uberの自動運転によるVolvo XC90が時速60キロメートルで彼女にぶつかる様子を写している。そしてそのとき、自動運転車のお世話をすべき人物は、衝突の直前に下を向いている。その介助者が何に気を取られたのかは、よく分からない。また、明らかに自動運転車のセンサーの感知圏内を歩行速度で横切って行く被害者を、Uberのシステムが検出せず反応しなかった理由も、よく分からない。

Uberが本誌TechCrunchにくれた、事故関連の声明はこれだ:

私たちの心は被害者の家族と共にある。私たちは地元の当局によるこの事故の調査に全面的に協力している。

3月19日の事故以来Uberは、ピッツバーグとテンピー、サンフランシスコ、およびトロントの公道からすべての車両を引き上げた。自動運転モードで動いている自動運転車で死亡人身事故が起きたのは、今回が初めてである。国の道路交通安全局によると、同局は事故調査専門チームをテンピーに派遣した。局のスポークスパーソンは本誌TechCrunchにこう述べた: “この調査チーム派遣行為は、自動化技術を含むすべての自動車両と装備の安全性に対するわれわれの細心の監督と権能に基づくものである”。

“道路交通安全局はまた、この事故に関してUber, Volvo, および国と州レベルの監督当局と接触している。われわれは情報を調査し、必要な措置を講ずる”。

事故のあとToyotaは、アメリカにおける自動運転のテストを中断した

この悲しい事故は、自動運転車が解決すべき状況を表している。そのシステムには暗視能力が必須であり、また、Twitterなどによって注意力を逸(そ)らされてはならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Waymoはアリゾナで一般市民を対象にした公開試験を実施中

Waymoはアリゾナ州フェニックスにおいて限定試験の最中だが、もう既に2か月間、その自動運転車の利用を一般市民に提供している。このAlphabetの子会社は、その自動運転ハードウェアとソフトウェアを装備したFiat-Chrysler Pacificaミニバンを、フェニックス地域に居住する少数の一般人のテストグループへ提供して、市内を自動運転で移動して貰っている。

Waymoの試験は拡大中で、フェニックスに居住する人ならだれでも、テスト利用を申請することが可能だ。このたびWaymoは最初のテスト・ファミリーの1つを紹介したビデオをリリースした。彼らは私たちも感じるであろう驚きを素直に表現している。Waymoの自動運転サービスは単なる「近日公開」ではなく、既に実用的なサービスを人びとに本当に提供しているのだ。

Waymoの短いビデオはまた、このプログラムのもう一つの重要な側面を強調している。テクノロジーや自動運転車そのものではなく、人びとと、人びとが技術へ慣れていく点に光が当てられているのだ。この家族は、彼らがサービスを好む理由のいくつかを挙げているが、本当にありがちな理由だ。例えば父親のTedにとっては朝の通勤ラッシュの苦痛を取り除いてくれること、母親のCandanceにとっては車の予定を細かく管理することなしに10代の子供たちを行きたい場所に送り出せることなどがその理由なのだ。

Waymoはまた、今年の初めから実際の路上に投入されている100台に加えて、自動運転車群にさらに500台のPacificaハイブリッド車を追加することを発表した。それはWaymoによる新しい実績の積み重ねとなっていくが、Waymoは既にGoogleの自動運転車プロジェクトから通算でほぼ10年の自動運転の経験を有している。

しかし、ここで大きなニュースは、Waymoが自動運転車のテストで本質的にUberを大きく引き離したということだ。テクノロジーそのものは既に実用上相当な信頼性を有している(私は両者の自動運転車に乗ってみた)、しかしWaymoはそのCEOであるJohn Krafcikがブログで説明したように「毎日、何時でも、何処にでも、サンフランシスコのおよそ2倍の大きさのエリア」に対して、呼び出せるサービスを提供している。

もし興味があるなら、Waymoはここで申請を受け付けている。彼らの車に試乗させて貰った結果、もし私がフェニックスに住んでいたら、私も間違いなく申請するだろうということは請け合える。

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(翻訳:Sako)

Uberの自動運転テスト車、サンフランシスコの路上に戻る

今日(米国時間3/27)Uberは、少数の自動運転車による路上試験をサンフランシスコで再開したことを正式に認めた。Uberは、先週土曜日にアリゾナ州で無人運転中の車が衝突事故に巻き込まれた後、米国での無人運転テストを全面的に中断していた。

「今日午前にサンフランシスコにおける試験運用を再開した」とUberの広報担当者が本誌に伝えた。

広報担当者によると、Uberのアリゾナ州およびピッツバーグ市の自動運転車は今も休止中で、近日中に路上に戻る予定であることも語った。

Uberはアリゾナの事故の後、自動運転車の試験を全面的に中止した。まずアリゾナ州で、続いてサンフランシスコとピッツバーグの2都市でもテスト走行を中止して調査結果を待った。

Uberの自動運転車は無人で運転する能力を持っているが、試験車では人間ドライバーが助手席に座り、必要があれば運転を代われるようにしている。

現在サンフランシスコで試験中の2台は、ほかの場所で試験中のそれぞれ12台の車両とは開発段階が異なっているようだ。これが他の都市に先駆けてサンフランシスコで路上試験を再開した理由だと思われる。

アリゾナでの事故に関するこれまでの報道によると、Uberテクノロジーの責任は回避されているように見える。地元警察は、通常の(=人間が運転する)自動車がその時自動運転モードだったUber車に進路を譲らなかったために事故が起きたと言っている。

しかし同社の自動運転試験計画は、安全性に関して以前批判を受けたことがあり、信号無視と思われる事例もあった。これについてUberは、その時車は自動運転モードではなかったと主張したが、 New York TimesはUber関係筋2人の情報に基づきこれに反する事実を示唆した。

自動運転技術の安全性に関する疑問以外にも、Uberは企業カルチャーについて様々な批判を浴びてきた。元従業員による性差別に対する告発によって経営陣への圧力が続いている(社長のJeff Jonesが騒動の中今月辞任した理由でもある

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uberの自動運転車、アリゾナで衝突事故

Uberにとってはまたも悪いしらせだ。相乗りサービスの巨人は自動運転中のVolvo SUVがアリゾナ州で衝突事故に巻き込まれた。車は横転し付近の人間が運転する少なくとも2台の車が損傷を受けた。

事故直後の様子は、写真動画でTwitterに流れた。マスコミにコンテンツを販売する@FrescoNewsというサービスのユーザーが投稿した。ツイートによると事故はアリゾナ州テンピで発生し、これまでのところ怪我人は報告されていない。

Uberも事故および写真に間違いがないことを確認したとBloombergに伝えた。本誌はUberに問い合わせており情報が入り次第続報する。アップデート:Uberから以下の声明が届いた。「当社は本事象について調査を続けており、車両の後部座席に乗客は乗っていなかったことを確認した。」

現在わかっているのは、アリゾナでUberの自動運転車が事故で横転し、今も捜査が続いているということだけだ。Uberは事故当時車両が自動運転モードだったことを認めている。重大な負傷は報告されていない。

地元紙の報道は、別の車がUberのSUVに進路を譲らなかったために衝突を起こし、その結果自動運転車が横転したことを示唆している。Uberのドライバーは運転を代わって事故を防ぐことができなかったものと思われる。

Uberの第3世代自動運転車集団は、昨年12月にサンフランシスコからアリゾナに場所を移してテストを再開した。Uberがカリフォルニア州での自動運転テストの認可に必要な同州の規制に従うことを拒否したためだ。試験車には人間ドライバーが同乗しているので許可は必要ないと同社は主張した。

当時アリゾナ州のグ・デュシー知事は、「このようなテクノロジーとイノベーション」を歓迎するとツイートした。デュシー氏は今日のUberの事故について公式見解を述べていない。

Uberの車両が横転したことから見て、衝突は高速走行時に起きたと考えられ、かなり重大な事故の可能性を示唆している。これに対してGoogleが長年テストを続けている自動運転車のWaymoで報告されているのは殆どが軽微な事故であり、例えば低速走行時の追突などだ(後続の人間が運転する車による)。

Uberの自動運転車が関与した事故は昨年12月にカリフォルニア州でも起きており、同社の車両が赤信号を無視した。Uberはこれを人的ミスであり自動運転技術の欠陥ではないと主張した(ただしNew York Timesによると、Uberの2つ情報源が反対の証言をしている)。

最近リークした内部文書も、Uberの自動運転技術が着実な改善をしていないことを示唆している。

去る2月、Uberの自動運転プロジェクトの責任者は、Uberがフェニックスおよびピッツバーグでそれぞれ12台の自動運転車を走らせていることを認めた(この人物に対しては、GoogleのWaymoの技術を盗み、昨年 8月Uberに買収された自動運転トラックのスタートアップ、Ottoの設立に利用したいう疑惑がもたれている)。

今月始めにNew York Timesは、Uberが認可されていない地域で運行していることを調べる当局の捜査を回避するために、独自のソフトウェアを利用していることを報じた。その後Uberは、同社が「多目的」に利用していると主張するそのツールの利用方法を見直すと発言した。

Uberは、性差別体質が企業カルチャーを蝕んでいるとの疑いもかけられている。最近では社長のJeff Jonesが辞任 したことや採用担当チームに多様性データを渡していなかったと報道されたことも、ファウンダー・CEOのTravis Kalanickに大きなプレッシャーを与えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook