D2Cブランドはパンデミックをどのように乗り越えているか

新型コロナウイルスによって、多くの人々が人間的な行動をロックダウンされてしまった。

電子商取引は、この2カ月間も、過去7年間そうであったように、同じ比率で成長を続けているように見える。PipeCandy(パイプキャンディー)では、この「1世代に一度」の変化の時期に大きな利益を維持してきた電子商取引分野の数々のセグメントを分析した。

アメリカの電子商取引の市場占有率(小売売上高との割合)、赤い線は10年間、緑の線は8週間の推移(画像クレジット:PipeCandy)

電子商取引の中で話題とM&Aサイクルを独占していたのが、Direct-to-Consumer(消費者直販、D2C)だ。このセグメントは、守旧派のCPG(消費財)企業を混乱させる創造的破壊者としてスタートしたが、今ではCPG企業ですら受け入れているチャンネル戦略企業へと移行している。Casper(キャスパー)などのIPO上場企業は元気がなく、Brandless(ブランドレス)などの革新的ブランドは廃業し、Walmart(ウォルマート)はD2C企業の買収路線を諦めるなど、デジタルネイティブな企業に莫大な投資が集まる時代は終わりを告げた。

では、デジタルネイティブたちは今何をしているのだろう? このセグメントは新型コロナウイルスの影響をどのように受けたのだろうか?

まず、一部の人には受け入れにくいかも知れない比較結果がある。私たちは、米国国勢調査局による実際の小売売上高と、私たちが所有する1000社近くのデジタルネイティブ・ブランドのサンプルのユニークビジター数を比較してみた。方向性だけを見ても、同じ基準で比較ができないまでも、その事情が浮かび上がってくる。

上の行左から、小売売上高の変化(4月19日から20日)、D2Cブランドのオンライン・トラフィックの成長率(4月19日から20日)。左列上から、衣料、家具、健康、食品(画像クレジット:PipeCandy)

家具に関して興味深いのは、ホームオフィス用の収納家具、棚、テーブルが売れている点だ。マットレスも売れている。それ以外のカテゴリーの家具は人気がない。とは言え、これはD2Cに限った観測だ。

その他のD2Cカテゴリーを見てみよう。それぞれのトラフィックの伸びは、時期によって違いがある。

上の行左から、2019年と比較した2020年4月、2019年のピーク月と比較した2020年4月、2019年1月から4月と比較した2020年4月。左列上から、栄養補助食品、子ども、フィットネス、ペット、食品、アパレルとファッション、家具(画像クレジット:PipeCandy)

上の表は、一連のD2Cカテゴリーの2020年4月の成長率中央値と、2019年の異なる時期の平均成長率とを比較したものだ。私たちは2020年4月をアンカー月とし、(1)前年の各ブランドの月平均、(2)トラフィックのピークを記録した月と比較した。

これを行った目的は、これらのブランドが2020年4月に成長したか否かを単に見るだけでなく、2019年のピーク月に同様にピークを迎えているかどうかを見ることにある。私たちの報告書では、その他の比較もいくつか行っている(2019年第1四半期と2020年駄第1四半期の新製品ローンチとPRに結びつくピークの違いなど)。

フィットネス、ペット、食品は、2019年の平均と比較して健全に成長しているが、家具、アパレル、子どもの成長はわずかだ(小売業界を襲った大量虐殺と比較して)。しかし、2019年のピーク月と2020年4月を比較したデータを切り出して見てみると、フィットネスとペットは、その他一部のカテゴリーの輝かしいD2Cの日々ほどには戻っていないものの、カテゴリーとして回復を見せている。いくつかのカテゴリーや企業は、新たな命をつなぐことができた。そのため、2019年のピーク時と比較すれば元気が足りないように見えても、一部のブランドにとってはよい知らせだ。彼らは新型コロナウイルス禍がなければ仲間外れのままだった。

新型コロナウイルスの影響を大きく映し出す方法がある。2019年のブランドのトラフィック数に注目し、2019年12月を観測点として世界が平常のままだったと仮定して2020年の傾向を予測し、現実に2020年1月から4月までに物事がどう変化したかを比較するというものだ。私たちの予測モデルでは、新製品ローンチやPR活動による数値の一時的な変化を考慮し、重視している。予測に比べて現実の数値が良い方向にずれるほど、そのカテゴリーは成績が良いということになる。

ひとつのウイルスが、この軌道に変化をもたらしたと考えざるを得ない。では早速、私たちが発見したものを見てもらおう。

画像クレジット:PipeCandy

子ども、調理器具、キッチン用品、アパレル、高級宝飾品、ファッション、女性の健康、マットレス、家具、スキンケアは予測よりも下方にずれている。だがこれは、これらのカテゴリーが低迷しているという意味ではない。2019年に実現した成長傾向に追いつけなかっただけの話だ。とは言え、悪魔は細部に宿る。たとえば家具のカテゴリーには、棚やオフィス家具を販売するD2Cブランドがある。消費者は、それらの家具に多額の投資を行った。Zoom会議で、話の内容よりも背後の本棚に並ぶ本のタイトルに他の参加者の注意が向けられることを想定してのことだ。

ワインまたは蒸留酒、食品、フィットネス、育児、ペット、栄養補助食品は、予測を上回った。基本的に、現実を忘れさせるもの(アルコール)、現実を楽しくするもの(食品)、現実から目をそらすもの(育児とペット)、現実を生き抜くためのもの(フィットネス)、またはもうひとつの現実への幻想を抱かせるもの(栄養補助食品)なら、なんでも成長している。

新型コロナウイルスがD2Cブランドに与えた影響に関する私たちの調査の要約(無料)と詳細な報告書(有料)は、PipeCandyのウェブサイトでご覧いただきたい。

【編集部注】著者のAshwin Ramasamy(アシュウィン・ラマサミー)は、D2Cブランドと電子商取引企業に関するビジネスおよび消費者受容性の測定基準の発見と分析を行うオンライン商品グラフ化企業PipeCandyの共同創設者。

画像クレジット:Christina Reichl Photography / Getty Images

“新型コロナウイルス
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(翻訳:金井哲夫)

NBAシーズン再開に向けスマートリング「Oura Ring」の装着が検討されている

スポーツ誌のThe Athletic(ジ・アスレティック)が入手した文書には、6月末に開始される2019〜2010年シーズンの続きをどう実施するかに関するNBAの計画が詳しく書かれている(Engadget記事)。リーグが活動を再開するための方法がかなり詳細にわたり「プレイに戻らない権利があることを全プレーヤーが理解することが極めて重要である」といった注目すべき件もある。

スポーツは間違いなく、平常に戻ろうとしている社会で重要な位置を占めている。日々の2020年ホラーショウから立ち直るために大いに必要な娯楽のひとつだ。しかし伝染性の高いパンデミックの中、こういう密な活動には数々の安全対策が必要だ。

週毎に分けられたガイドラインの長いリストの中には、スマートリングのOuraという驚きの項目もある。書類には、このウェアラブルは「新型コロナウイルスの早期検出に役立つ可能性があり、体温、呼吸、心拍などを測定できる」と書かれている。選手は新型コロナウイルスの前兆を見つける安全対策のひとつとして、このリングをつけることができるとNBAは説明している。

関連記事:医療機器メーカーOuraとUCサンフランシスコ校がスマートリングによる新型コロナ検出を共同実験中

研究者は数カ月前からこのリングを新型コロナ検出システムとして使うことに関心を示している。3月にはUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)が、最前線の医療従事者数千名の協力を得て、体温、睡眠状態などの健康データを追跡する研究を実施した。

今回、このリングははるかに大きいパズル(NBAの計画書は全113ページからなる)のほんの一部分にすぎない。通常の検温や検査が必要なのは言うまでもない。特にPCR検査は無症状感染者による感染拡大を防ぐための鍵だ。メジャー・リーグ・ベースボールも同様に長らく延期されたシーズンを開始しようとしているが、オーナーと選手の対立は行き詰まり状態にある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトがスコットランド沖の海底データセンターを新型コロナワクチン開発に活用

新型コロナウイルスの効果的な治療法を発見する努力における課題の1つは、簡単にいえば規模の問題だ。 ウイルスが健康な細胞に感染するメカニズムを解明するためにはタンパク質の構造解明がカギとなる。

新型コロナウイルスの折り畳み構造をモデル化するためには巨大なコンピューティング能力を必要とするため、一般ユーザーのパソコンをグローバルな分散処理ノードとして利用するFolding@homeのような取り組みが非常に効果的だ。Microsoft(マイクロソフト)は、こうした努力に貢献するためにオンデマンドで処理をスケール可能な海底データセンターを利用しようとテストを始めている。このデータセンターは海上コンテナのサイズで事前にセットアップされ海底で高効率かつ長期間作動できる。同社はスコットランド沖の海底データセンターを新型コロナウイルスのタンパク質のモデル化に提供している。

同社は以前からプロジェクトに関わっていた。35mの冷たい海底に沈められたデータセンターは、すでに2年前から研究に貢献している。ただし新型コロナウイルスに研究の焦点を移したのは最近だ。これはもちろんパンデミックの治療、感染拡大の防止のために新型コロナウイルスの解明が緊急に必要とされてる事態に対応したものだ。

この水中データセンターは写真のように円筒形で864台のサーバーを収めており、相当の処理能力を備えている。海中に沈めたのは海水による冷却で作動の効率性を確保しようとするためだ。大容量の処理装置は途方もない発熱量があるため冷却システムが欠かせない。ゲーム用の高性能パソコンに精巧な冷却装置が用いられれるのはこのためだ。ましてデータセンターのレベルになれば冷却が極めて重要になるのはいうまでもない。

データセンターを水中に沈めれば自然冷却が実現でき、プロセッサを安定して高速で動作させることが可能になる。ファンや複雑な液冷配管が不要になるだけでなく、冷却に用いられるエネルギーも節約できる。

Natickと名付けられたこの海底データセンターが期待どおりに機能すれば将来のコンピューティングにとって朗報だ。こうした分散型データセンターを需要に応じて海底に沈めることで高効率なオンデマンド分散コンピューティングが可能になるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アマゾンは倉庫で働く従業員の社会的距離確保にARを利用している

少なくとも外から見るかぎり、Amazon(アマゾン)の新型コロナウイルス(COVID-19)対策はちぐはぐだった。いろいろな報道に登場する同社は、ウイルスの拡散を抑えるためにあらゆる努力をし、特に同社にとって欠かせない労働力である倉庫の従業員たちの罹患防止に努めているはずだ。しかし一方で、各州の司法長官や上院議員、その他の議員たちは同社の労働条件や感染率、そして複数の内部告発者の解雇について詳しい情報を要求している。

最近の同社は、新型コロナウイルス対策として倉庫の中で行われていることを少しずつ開示している。米国時間6月15日朝、同社は倉庫の労働者たちがWHOの指定する6フィート(約182cm)のソーシャルディスタンスを維持するための「Distance Assistant(ディスタンスアシスタント)」というシステムを披露した。

すでに一部のフルフィルメントセンターで導入されているこのARシステムについて、アマゾンの副社長でロボティクスのトップであるBrad Porter(ブラッド・ポーター)氏が説明した。「このスタンドアローンのユニットは、機械学習モデルを利用して人々とその環境を区別する。奥行きセンサーも利用して、メンバー間の正確な距離を測定する。人がカメラの前を通ると、モニターにはメンバーたちがそれぞれ6フィート以内にいるか、いないかが視覚的にオーバーレイで表現される。他の人と6フィート以上離れている人にはグリーンの円が付き、近すぎる人には赤い円が付く」。

画像クレジット:Amazon

このシステムは、50インチのモニターに表示される。センサーの反応は触覚型ウェアラブルのように瞬間的ではない。システムの目的は、円の色によって従業員たちが正しいソーシャルディスタンスを意識し、維持してくれることにある。

ウェアラブルデバイスやカメラによる追跡には、プライバシーのトレードオフがつきものだが、初期テストのフィードバックが好評だったため、今後数週間以内にアマゾンのさまざまな建物に数百台を導入するとのことだ。

「これは、過去数ヵ月間に出てきたさまざまなアイデアのひとつだ。私の同僚たちは熱心なので、これが最後ではないでしょう。社員の健康と幸福がほど重要なものはありません。これからも従業員の安全をできる限り保つためのイノベーションに励みたい」とポーター氏はいう。

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Colorの新型コロナ検査データも陽性者の大半は症状軽微か無症状であることを裏付ける

サンフランシスコ拠点のColor(カラー)は米国6月15日、自社の検査プログラムに関するデータを公表した。それによると新型コロナウイルス(COVID-19)で陽性となった人のほとんどは発熱なども含め症状が軽微か、無症状だった。既存のデータや研究と同じ分析結果だ。カリフォルニア州の検査ステーションで同社はこれまでに3万人超の検査を行った。その結果は全米で地域や州の経済を再開させる動きが続いているにも関わらず、広範な検査がいまだに経済再生プログラムの鍵を握っていることを示している。

Colorによると、検査を受けた人の1.3%が新型コロナ陽性で、そのうち78%が症状が軽微か、あるいはまったく症状がなかった。つまり特に目立つ症状が皆無だった。加えて37.7度以上の熱があったのは12%のみだった。職場や共有施設での体温チェックのような方策で感染拡大を抑制しようという取り組みにとっては悪い知らせだ。

Colorのデータは、WHO(世界保険機関)が最近発表した情報と一致する。WHOは新型コロナ検査の結果が陽性となった人の最大80%が症状が軽微か、まったく症状がないと指摘した。またColorは症状があったと答えた人がどんな症状を経験したのかについての具体的な情報も明らかにし、大半の人が咳が出たと答えた。ただし実際に陽性となった人が報告した症状で最も多かったものは嗅覚の喪失だった。これは、熱などよりもましな症状だ。

Colorはサンフランシスコ市との提携のもとに同市の最前線で働いているエッセンシャルワーカーにも検査を行った。そうした人の検査結果も含めたColorのデータで他に興味深いのは、陽性となった人の大半は若く(68%が18〜40才)、白人やアジア人よりもラテン系と黒人系のコミュニティで陽性率が高かった、という点だ。この2点に関するColorのデータは、他の機関や研究者が発表した結果を裏付けるものであり、性急で不用意な経済再開で誰が最も影響を受けるかという懸念をサポートするものだ。

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

米食品医薬品局が臨床試験で死亡例が続いた抗マラリア薬の緊急使用許可を撤回

米国食品医薬品局(FDA)は、クロロキンとヒドロキシクロロキンに対して出していた緊急使用許可(EUA)を撤回したとThe Washington Postが報じている。いずれも抗マラリア薬で慢性関節リウマチの治療にも用いられている。この薬品はDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が新型コロナウイルス(COVID-19)の治療に効果があると発言していることでよく知られているが、現在進行中の世界的なパンデミックを起こしている感染症に対する効果の可能性を示した初期の医学研究結果は、科学的正当性に乏しく重大な懸念が指摘されている。

その後の研究では相反する結果が出ており、ある研究チームは、多数の死者が出たためにこの薬剤の臨床試験を中止した。2020年3月下旬にFDAは、クロロキンとヒドロキシクロロキンの使用に対してEUAを発行したが、有効性と安全性に関する検証結果が実にさまざまであることから医学界、薬学界による強い批判を呼んだ。その後の臨床試験で死亡例が続いたことを受け、FDAは同薬品の使用に関する警告の声明を発表した。

FDAは、同局の完全かつ厳格な承認プロセスを経ていない治療法や機器の使用を迅速化することがリスクを上回る、と判断した場合にEUAを与える。新型コロナパンデミックによって、FDAは通常よりも多くのEUAを発行しており、中でもその発症原因である新型コロナウイルスによる感染を診断する検査機器に対しては特に多い。

トランプ大統領はクロロキンとヒドロキシクロロキンの効果を無責任に吹聴した挙げ句、感染を免れると誤って信じている予防手段として自分自身でこの薬品を服用し始めた。同薬品の供給は、高まる需要によって強い圧迫を受け、紅斑性狼瘡や慢性関節リウマチなど、承認済みでその効果が臨床的に実証されている疾病のために必要としている人びとが、悲惨な状況に直面する恐れを生んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

製薬会社のModernaが新型コロナワクチンの最終治験を7月開始へ

製薬会社のModerna(モデルナ)は米国6月11日、このままのペースでいくと新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの最終治験を7月までに開始できると語った(Bloomberg記事)。Modernaはワクチン候補のヒト臨床試験を米国で最初に行った企業だ。研究の最終ステージは米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)とのパートナーシップのもとに実施され、3万人が参加する見込みだ。

研究の目的は、Modernaのワクチンが実際に新型コロナウイルスの発症を防ぎ、少なくとも入院が必要になるようなひどい症状を防ぐことができるという最終的な臨床証明を示すことにある。同社の第2段階治験は先月始まった。同社は以前、早ければ今秋にもヘルスケアワーカーに量限定ながらワクチンの提供を実験的に始めるかもしれないと話していた。

多くのワクチン候補の開発ペースはかなり速い。Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)は今秋初め、ワクチンの試験を7月後半に開始すると述べ、一方でAstraZeneca(アストラゼネカ)と同社のR&Dパートナーであるオクスフォード大学は今月に治験最終ステージに入る。

Modernaが手掛けているのはmRNAワクチンで、これは活性化または不活化のウイルスそのものを体内に入れなくても、健康な細胞にコロナウイルス抗体の生産を指示できる技術を活用している。mRNAワクチンは家畜には使われているが比較的新しい技術で、人間への使用はまだ承認されていない。しかしこの技術を取り入れた数多くのワクチンの試みが展開されている。開発のスピードが早く、初期治験参加者を含め人にもたらす健康リスクが理論上少ないなどのメリットがあるからだ。

画像クレジット: David L. Ryan/The Boston Globe / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

25分で結果が出るCue Healthの新型コロナ検査技術に緊急時使用認可が下りる

シリーズCで1億ドル(約107億円)を調達したばかり(未訳記事)の、分子診断のスタートアップであるCue Healthに、さらに良いニュースが届いた。同社の迅速なポイントオブケア用の新型コロナウイルス(COVID-19)検査に、FDAの緊急時使用認可(EUA)が下りた。Cue Healthは2020年3月にBARDAから、迅速診断の開発と展開を拡大するための補助金1300万ドル(約14億円)を受けており、現状のパンデミック下において同社の新型コロナ検査は重要な案件になっている。

Cueの検査は持ち運ぶことが可能であり、RNA検出法を使って、患者の鼻から綿棒で得た検体からウイルスの実際の存在を確認する。同社によると、結果はわずか25分間で得ることができ、管理も比較的容易だ。現在のパンデミックと今後の世界的な健康危機が続く中で、新型コロナ検査の規模を容易に拡大していく上で非常に有用な可能性を秘めているという。

Cue Healthの検査キットには、検体収集ワンドや検査カートリッジが含まれる。カートリッジをスマートフォンのアプリに接続して、検査結果をデバイスに送信する。FDAのEUAの認可条件としては、検査がプロフェッショナルのヘルスケア有資格者の監督の下で行われる限り、その検査はどこでもできるものでなければならない。Cueによると現在同社は、使用認可拡張の申請を検討している。すなわちその検査を、職場や学校、家庭などでもできるようにしたいと考えている。

同社によると、Cue Healthの新型コロナ検査は当初、大手医療機関とのパートナーシップにより展開され、そこからさらにさまざまな医療機関に拡大していく計画だという。同社の最終的な目標は、必要とされるあらゆる環境で柔軟に展開、実施できる分子診断による検査をインフルエンザといった新型コロナ以外のウイルスにも広げることだ。

画像クレジット:Cue Health

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナで9月に延期されていた台北のComputex 2020中止が決定

2020年3月にComputex主催者は開催時期を6月から9月下旬に延期した。当時、世界の多くの国が新型コロナウイルス(COVID-19)を現実のものとしてとらえつつあった一方で、開催地の台北は新型コロナの再発に対処していた。その頃は、9月下旬までには正常に戻っているだろうと思われていた。

しかしその3カ月後の現在、このタイムラインはかなり楽観的すぎたようだ。米国時間6月12日、主催者はComputex 2020の中止を発表した。2021年6月に「リスケジュール」される。これは2020年開催のキャンセルをすてきに言い換えた表現だ。この中止は、最初に新型コロナの影響を受けたバルセロナで開催されるMWCのような他の大規模テックイベントの動きに続くものだ。

プレスリリースには、台湾はほぼ新型コロナを抑え込んだとある。台湾で確認された感染者数は443人、死者は7人で、中国本土に近いことを考えるとなおさら驚くべきことだ。当然のことながら、新型コロナ封じ込めには移動禁止が影響するところが大きい。人気の高い都市で開催される屋内イベントに、世界中から4万3000人を招待することは、非常に感染しやすいウイルスを拡散するのに絶好のシナリオとなるだろう。

Computexは2021年6月1日〜5日に開催される。またいくつかのオンラインプログラミングもある見込みだ。一方で、当初の計画通り開催すると発表したイベントもある。出席者人数に制限があるものの、IFAはベルリンで2020年9月に開催される予定だ(未訳記事)。2021年1月のCESも予定通りラスベガスで開催される。

画像クレジット: CHRIS STOWERS/AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ユナイテッド航空が米国内の空港に無接触型チェックインキオスクを導入

新型コロナウイルス(COVID-19)関連の制約が徐々に緩み、米国では旅行者が増え始めている中で、ユナイテッド航空が全米で219基の無接触型チェックインキオスクを導入すると発表した。この新しいチェックイン方法は、同社がパンデミック時のさまざまな旅行対策として進めているCleanPlus戦略の一環だ。

旅行者が自分のスマートフォンや印刷されたパスをスキャンすると、このデバイスは手荷物タグと搭乗券を自動的にプリントアウトする。最初のシステムはオーランドとボストン、ダラス/フォートワース、およびシカゴに設置され、その後さらに20基のキオスクが加わる。

これにより、ユナイテッド航空がチェックインキオスクを運用している米国のすべての空港にこのシステムが導入される。米国内空港およびそのほかの国際空港への導入は来月になる。

同社のそのほかの新型コロナウイルス対策としては、列に並ぶ乗客の人数の制限や、機内での消毒剤の使用許可、機内食に包装された製品を採用、バー領域から座席を排除、社員の検温の義務化などがある。先月TSA(運輸保安局)は、 メモリアルデーの週末に帰省する旅行者のために同様の安全対策を実施した。

画像クレジット:ユナイテッド航空

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナ需要で空前の成長をみせるInstacartが240億円調達

これまでにない成長をみせているInstacart(インスタカート)は、需要に対応するため新たに資金を調達した。サンフランシスコ拠点の同社は米国6月11日、DST GlobalとGeneral Catalystがリードするラウンドで2億2500万ドル(約240億円)を調達したと発表した。本ラウンドには既存投資家のD1 Capital Partnersも参加し、Instacartのバリュエーションは137億ドル(約1兆4600億円)になった。

Instacartの創業者でCEOのApoorva Mehta(アプオルワ・メフタ)氏の声明によると、調達した資金はショッパーとパートナーに投資し、広告事業と法人事業を打ち切る。そして顧客エクスペリエンスに注力する。また、顧客が時間通りにグローサリーを受け取れるよう、技術・オペレーションのインフラにも投資する。グローサリー注文は対前年比500%増となっている。

今回の調達ラウンドは、武器を所持していなかった黒人のGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏が警察に殺害されたことを受けて人種問題の緊張が高まっている最中に行われた。フロイド氏の死亡から間をおかずして多くのテック企業がこの悲劇について意見を表明した。Instacartは「実行可能な変化をサポートするため」内部チームに100万ドル(約1億円)を投資する、とメフタ氏は先週ツイートした。100万ドルのうち50万ドル(約5000万円)は店舗内のショッパーとチームにあてられる。そして残りはEqual Justice Initiativeのような非営利組織に提供する。

Instacartのショッパーで活動家のVanessa Bain(ヴァネッサ・ベイン)氏の上記ツイートで言及されていた1000万ドル(約10億円)という数字は、ショッパーが引き続き独立請負業者と分類されるよう、無記名投票対策にInstacartが費やした総額だ。

消費者のためにグローサリーを買って届けるというサービスを独立請負業者にかなり頼っているInstacartは、ショッパーを250%近く増やす計画を発表した。同社のサービスは米国とカナダの3万店で利用可能だ。

Y Combinator卒業生のInstacartは、米国の世帯の85%、カナダの世帯70%超が同社のサービスを利用できるとしている。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックでは、同社のサービスは人々にグローサリーを届けるために命をかけて業務を行ったエッセンシャルワーカーによって、重要なものとなった。何百万という家庭がグローサリーストアに行き健康をリスクにさらすことなくグローサリーを入手するのにInstacartのプラットフォームを利用した。その間、同社は需要に対応するため多くのショッパーを雇用している。売上高が増え同社は初の黒字となった、とThe Informationは報道している。しかし急激すぎる成長の中で、多くのショッパーはInstacartとその運営方法に対し納得できずにいる。

ショッパーは何年間も、少なくとも2016年からInstacartに不満を募らせてきた。2016年に独立請負業者はチップ廃止をめぐってInstacartアプリのボイコットを行った。それ以来、独立請負業者と分類されるフルサービスのショッパーは絶えずInstacartに対し声をあげてきた。昨年10月にショッパーは、賃金アップとチップのデフォルト設定を少なくとも10%にするよう求めて抗議活動を行った。新型コロナパンデミック中には、安全を確保するための備品、報酬、疾病手当ポリシー延長を求めて全米でストを行った。これまでにInstacartは一部変更を加えたが、要求の多くはそのままだ。

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(翻訳:Mizoguchi

米アマゾン上でのマスクの価格釣り上げで3Mが悪徳業者を訴訟

Amazon(アマゾン)は、新型コロナウイルス(COVID-19)が全世界的なパンデミックになって以降のサードパーティーによる価格釣り上げを警戒すると約束している。しかしながら同社の取り組みは、同社の巨大なeコマースプラットフォームを利用するベンダーの数があまりにも多いこともありうまくいったとはいえない。今週、カリフォルニアで起こされた訴訟において3M(スリーエム)は、売り手が傷物や偽造品に著しい高価格を付けていたと主張している。

同社によると「被告はその不正なマスクに、3MのN95マスクがつけている定価の20倍以上の価格にしていた、と弊社は申し立てている。アマゾンは、被告がこれらの法外な価格を付けたものの正体を偽り、購入者が3M製でないマスクを受け取ったこと、購入した数よりも少ない数、包装が疑わしい商品、欠陥品や破損品を受け取ったことを知った。アマゾンは同社のプラットフォーム上でそれらのアカウントをブロックした」と主張(3Mリリース)している。

N95は濾過効率がたいへん良いため、現在の危機において最も需要の大きい個人防護具になっている。CDCの推奨によると、外科用マスクよりもこのマスクを推奨(CDCリリース)している。後者は多くの場合、大きな飛沫や液体の遮断に適している。一方、N95マスクは、大小の大気中微粒子の95%以上を遮断できる。そのため多くの団体が、最前線の疾病対応者のためにそのマスクを優先確保することを主張してきた。

関連記事:アマゾンが新型コロナ禍の便乗値上げ禁止の法制化を米議会に求める

アマゾンは、同社がこの訴訟に関わっていることを認め、本誌に対して「アマゾンには偽物を売ったり価格を釣り上げたりするような場所はない。3Mと協力してこれらの悪質な者たちに法的責任を課すことを誇りに思う。アマゾンは長年のポリシーとして偽造品の販売や価格釣り上げに反対してきており、疑わしい製品や言語道断な価格を事前に排除するプロセスもある。弊社のポリシーに違反している悪者を見つけたときには直ちにその製品を排除し、悪者に対してそれにふさわしい処置をとる。それは私たちがかねてから行なってきたことだが、このたび3Mのようなブランドの協力を歓迎する」とのことだ。

同社サイトによると、これまでに排除した製品は50万品目あまりで、価格釣り上げで停止したアカウントは6000件を超えている。一方、3Mのプレスリリースによれば、同社は偽造製品や不正な主張のある3000以上のサイトの削除に関わってきたという。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterが5Gと新型コロナに関するツイートに事実確認ラベルを付与

5Gテクノロジーと新型コロナウイルスを巡る陰謀論がパンデミック初期から流れ始め、今も強まっているようだ。

実際あまりのひどさに、Twitter(ツイッター)は新型コロナウイルス(COVID-19)と5Gに関する一部のツイートにラベルを付け、ウイルスに関して「事実を確認する」ようユーザーに促している。Business Insider(ビジネス・インサイダー)によると、ラベルをクリックすると、主張の誤りを暴く情報源を集めたページに案内され、BBCや(ファクトチェックの)Snopesなどへのリンクが表示される。2020年4月に陰謀論により5G電波塔への放火まで行われてしまった。

Twitterの事実確認ラベルはかなり広い範囲に適用されているようで、ラベルそのものに関するジョークや紹介のツイートにも付けられることがある。

事実確認ラベルの適用対象を5G陰謀論にまで広げたのは、Twitterの高まるプラットフォーム管理の取り組みの一環だ。ラベルはコンテンツの非表示化や完全削除を行う代わりに、ユーザーが自ら結論を下すための追加情報を提供する。穏やかな言い回しであってもラベルによる警告は、少なくとも同プラットフォームの特にだまされやすい(信じやすい)ユーザーが、信用に値しないコンテンツを区別するのには役立つはずだ。

関連記事:新型コロナは5Gが原因との陰謀説がインターネット上を駆け巡る

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米アップルが新型コロナ対策アプリに症状と健康状態を匿名で共有できる機能を追加

Apple(アップル)は自社製の新型コロナウイルス向けのiOS用対策アプリウェブサイトに新機能を追加した。ユーザーの年齢、これまでの健康状態、症状、潜在的な暴露のリスク、居住している州といった情報を匿名で共有できるようになった。同社によれば、こうした情報は個人を特定するいかなるデータとも関連付けられていない。集計情報としてCDC(米疾病管理予防センター)に提供され、同センターが新型コロナウイルス感染症のスクリーニングプロトコルを改善するのに役立てられるという。

またこのアプリは、集計されたデータによって公衆衛生機関とCDCを支援し、新型コロナウイルス感染症に関して、および暴露の内訳と暴露リスクに関して、潜在的なリスク要因についての入手可能なベストな情報を一般に提供できるようにする。

アップルはすでに3月に、コロナウイルスのスクリーニングアプリとウェブサイトを立ち上げていた。検査すべきかどうかのアドバイスをユーザーに提供するためのスクリーニングツールや、手洗いや消毒のベストプラクティスといった予防策に関するヒントも提供してきた。

このアプリとウェブサイトは、アップルとGoogle(グーグル)の共同作業によるCOVID-19 Exposure Notification APIとは別物だ。そのAPIは、公衆衛生機関や、そのパートナーが利用できるデベロッパー向けのツールで、匿名化され、プライバシーに配慮した通知機能を実現するもの。新型コロナウイルス感染症の人と接触した可能性があるか、暴露したかもしれないユーザーに対して警告する。ここで取り上げたアップルのアプリは、情報の提供とスクリーニングのためのツールに過ぎない。とはいえ、今回のアップデートにより、匿名化された集計データの収集を通して、公衆衛生機関とCDCが新型コロナウイルス感染症の広がりを、よりよく理解するためのリソースとしても機能するようになる。

どのように受け取られているかはともかくとして、新型コロナウイルスが登場してから、まだそれほど長くは経っておらず、科学者や研究者も、まだ十分に理解できているとは言えない。感染した集団について、より多くのデータや情報を収集して研究することは、健全なコミュニティとして、新型コロナウイルスに関して多くを学び、その脅威をどのように緩和するのがベストなのか知るための重要な手がかりとなる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

透明な外科手術用マスクに投資家が殺到、スイス拠点のHMCAREが約1.1億円を調達

スイスのÉcole polytechnique fédérale de Lausanne(スイス連邦工科大学ローザンヌ校、EPFL)から生まれたHMCAREが、透明で環境にも優しい透明な外科手術用マスク(EPFLリリース)を開発し、100万スイスフラン(約1億1300万円)の資金を調達した。

創業者は、2015年のエボラ出血熱のアウトブレーク時における医療関係者たちの仕事ぶりや、患者と緊密に働きながらも顔を見せることができない世界中の小児病院の職員に触発された。また、免疫が弱い患者の親や家族たちも、顔の2/3を隠して彼らと人としてのつながり作らなければならないことにも触発されている。

これまでにも透明なマスクは存在していたが、それらは一般的なマスクに透明な窓を付けたもので、その窓はすぐに曇り、通気性がなかった。同社のCEOであるThierry Pelet(ティエリー・ペレ)氏は、医療現場の厳しい要求を満たす透明マスク素材のプロトタイプをEPFLの同僚たちに提案した。それらは空気は通すものの、ウイルスや細菌は通さないというものだった。

チームは、スイスの素材センターであるEmpaと協力して、新しいタイプの繊維を開発した。バイオマス由来の透明繊維を100nm(ナノメートル)間隔でシート状に配置し、それを3層にすることで、柔軟性と通気性がある素材を作った。ほぼ透明に近い、すりガラスのような素材だ。それはHelloMaskと呼ばれている。

この素材は大量生産が可能で、通常の布のようにマスクを作ることができる。コストは高いが、世界は現在マスクを求めており、透明なマスクというアイデアは投資家の目にも止まる。HMCAREはあっさりと100万フラン(約1億1300万円)のシードラウンドを完了し、それまでの研究開発は寄付や補助金でまかなうことができた。

マスクの発売は2021年初頭を予定している。一般消費者向けに販売される可能性もあるが、当初は医療コミュニティ向けとなるだろう。

画像クレジット:EPFL

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebook Messengerにすぐに顧客へ返信できるアカウント切り替え機能追加

Facebook(フェイスブック)はMessengerに新機能を追加し、ビジネスオーナーは友達や家族とのチャットに使っているMessengerアプリを使って顧客からのメッセージに簡単に返信できるようになった。

このアップデートによりビジネス側では顧客とのコミュニケーションを単一のアプリで実行できるようになった。これまでは顧客の問い合わせに回答するためにそのつどメールなど別のアプリにログインする必要があり、この往復はビジネス側担当者の悩みのタネとなっていた。

フェイスブックが実施した調査によると、オーナー、スタッフなどビジネス側担当者の90%以上がすでにMessengerアプリを友達や家族とのチャットに利用しているという。そこでMessengerに顧客とのコミュニケーションに使えるオプションを提供することが理に適っているとフェイスブックは考えた。

MessengerアプリからFacebookページへの問い合わせに回答できるようにすることは2020年5月に予告されていた。米国時間6月9日にこの機能がまずiOS向けにリリースされ、実際に利用できるようになった(Facebookプレスリリース)ことをフェイスブックは発表している。

新機能は外出の制限、自粛によりオンラインショッピングが急拡大したため、ビジネスには顧客からの問い合わせが殺到し、応答に遅れるが生じている状況で登場した。パンデミック以前にHubspotが行った調査、90%の顧客がカスタマーサービスで重要なのは「すぐに返事があること」だと回答している。現在、顧客が企業に対して尋ねたいことは増え、顧客からの質問は以前より急増している。例えば「現在営業しているのか?」「営業時間は変更されたのか?」「これこれの在庫はあるか?」「接触なしの宅配に対応しているか?」などの質問だ。

リリース前ののテストに参加したMatt Volpert(マット・ボルパート)氏は地域のアパレル店のオーナーだが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、顧客からの問い合わせが2.5倍に増えたと語っている。そのためスタッフがメッセージに回答するのが追いつかず、遅れがちになっていたという。

新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウンのためにスタッフの一部をレイオフせざるを得なかった企業、特にスモールビジネスにとって顧客からの問い合わせに迅速に対応することは売上の落ち込みを最小限にするために最重要な課題のひとつだ。

フェイスブックは「ビジネスユーザー向けのMessengerの新しい機能はFacebookページに代わるものではない」と注意し、ページマネージャーアプリにはまったく影響を与えていない述べている。ビジネスユーザーは従来どおり、ページマネージャを使ってフェイスブックへの投稿を管理し、広告を作成し、ページインサイトを表示して統計を見ることができる。またここからメッセージへの回答を行うこともできる。Messengerに追加された新しいインボックスは返信方法のオプションを増やすことによってスモールビジネスのオーナーなどの利便性をアップさせることが主な目的だ。店舗などのオーナーは友人や家族とコミュニケーションするためにMessengerをすでに開いていることが多いが、これが顧客とのコミュニケーションにも使いやすくなったわけだ。

Messengerの新機能を利用するためにビジネスユーザー側で利用方法に変更を加える必要はない。 オーナー、担当者の個人アカウントがFacebookページに連動していれば新機能は自動的に有効になる。店のオーナーなどはメッセージに返信するときに個人またはビジネスのどちらのアカウントで返信するか選択できる。

新機能はパンデミック以降にフェイスブックが行ってきた一連の取り組みのひとつだ。フェイスブックはいち早く新型コロナウイルス対策のコミュニティヘルプ立ち上げ、利用者の安全を守ると同時に地域のビジネスの支援を図った。最近では地域のスモールビジネスに対する助成金提供ギフトカードやバウチャーなど販売ツールといったサービス追加している

Facebook Messengerのビジネス用インボックスは本日からiOSアプリで利用可能だ。数週間以内にAndroid版も公開される予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ディープフェイクテキストが国家の危機を増幅する

編集部注:本稿はJinyan Zang氏、Latanya Sweeney氏、Max Weiss氏による寄稿記事である。Zang氏はハーバード大学のData Privacy Labの研究者、Sweeney氏はハーバード大学で「政府とテクノロジー」を専門にする教授、Weiss氏は今回のディープフェイクテキスト実験を実施したハーバード大学の学生だ。

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米国の連邦政府機関は国内における新型コロナウイルスのパンデミック拡大を阻止しようとさまざまな措置を講じており、その厳しさは増すばかりだ。連邦政府により策定される規則の影響を受ける米国民と企業は、自分たちの意見や経験をどのように政府に伝えることができるのだろうか。移動の制限監視の強化などをはじめとする新たな規則の多くは、施行に際して連邦政府の権限を平時よりも拡大する必要がある。このような場合、米国の法律では、連邦政府が規則案を一般に公開し、国民がオンラインで意見を投稿できるようにすることが義務付けられている。しかし、米国の民主主義にとって不可欠な仕組みである連邦政府のパブリックコメントウェブサイトは、今回のような危機に際して安全に機能するのだろうか。ボットによる攻撃に対して脆弱ではないだろうか。

2019年12月、筆者らは、自動化された攻撃に対するパブリックコメントプロセスの脆弱性に関する実調査についてまとめた新しい研究論文を発表した。この調査では、誰でも利用できる人工知能を使用してディープフェイクテキスト(コンピュータが深層学習により人間の発言を模倣して生成するテキスト)によるコメントを1001件生成し、それを実際にアイダホ州のメディケイド被保険者に就業状況報告を義務付ける連邦規則案に関するパブリックコメントを募集するためにCenters for Medicare & Medicaid Services(メディケア・メディケイド・サービス・センター、CMS)が開設したウェブサイトに投稿するという実験を行った。

ディープフェイクテキストを使用して作成したコメントは連邦パブリックコメント期間中に投稿されたコメント総数1810件の55%以上を占めた。筆者らは、その後の追跡調査で、これらのコメントがボットによるものだと思うか、実際に人が書いたものだと思うかを尋ねるアンケートを実施した。回答者の正答率は50%、当てずっぽうで答えたときの確率と同じだった。

Image Credits: Zang/Weiss/Sweeney

上記はボットによって生成されたディープフェイクテキストの例だ。アンケート回答者全員がこのテキストは人が書いたものと判断した。

筆者らは実験終了後、ディープフェイクコメントを投稿したことをCMSに通知し、それらのコメントを投稿履歴から削除したが、悪意のある攻撃者がそれと同じことをするとは思えない。

連邦ウェブサイトに対する大規模なフェイクコメント攻撃は過去にもあった。例えば、2017年、ネット中立性規制を撤廃する規則案について、連邦通信委員会(FCC)のウェブサイトに対してフェイクコメント攻撃が行われたことがある。

ネット中立性規則に関するパブリックコメント期間中、通信業界団体のBroadband for America(ブロードバンド・フォー・アメリカ)に雇われた複数の企業が、ボットを利用してネット中立性規則の撤廃を支持するコメントを作成したのだ。こうして投稿された数百万件のコメント(中にはすでに亡くなっている有権者や架空の人物になりすましたものもあった)によって、世論がねじ曲げられたのである。

ネット中立性に関するコメントを事後にテキスト解析したみたところ、FCCのネット中立性撤廃案に対する2200万件を超えるコメントのうち実に96~97%がボットを使ったコメント操作だった可能性が高いことがわかった。このコメント操作では比較的単純で目立つ検索・置換方式が使われていたため、FCCのように膨大な数のコメントが投稿された場合でも容易に検出できたはずだ。しかし、調査の結果、簡単な検索・置換方式で作成された不正なコメントであることが判明した後も、FCCはそれらのコメントを正当なパブリックコメントとして受理していた。

このように、比較的単純な方法でも連邦政府の政策決定に影響を与えることができたという前例がある。しかし、ボットによるディープフェイクテキスト投稿がもたらす脅威について筆者らが行った実験から、今後の攻撃はより高度で検出困難になる可能性が明らかになった。

パブリックコメントに関する法律と政策

はっきりさせておこう。自分たちの要求を伝えそれを検討してもらうことができる仕組みは民主主義モデルの根幹である。憲法に明記され、人権擁護団体によって厳密に保護されているとおり、すべての米国民は、投票、自己表現、異議申し立てなどにより、政府に参加する役割を保証されている。

Image Credits: Zang/Weiss/Sweeney

連邦政府機関が全米市民に影響を与える新しい規則を策定する際には、規則案によって最も影響を受ける一般市民、権利擁護団体や企業が連邦機関に対して懸念を表明できるようにパブリックコメント期間を設け、その規則について最終決定を行う前にそれらのコメントを検討することが法律で義務付けられている。このようなパブリックコメントの義務化は、1946年の行政手続法の成立により導入され、2002年には電子政府法により、連邦政府はパブリックコメントを受信するオンラインツールを作成することを求められるようになった。それ以来、投稿されたコメントを実際に調査したことを証明すること、およびパブリックコメントに基づいて下した決定に関連する分析結果や決定の正当性を示すものを開示することを連邦政府に要求する判決がいくつも下されている[Overton Park保護団体対Volpe 401 U. S. 402, 416(1971)Home Box Office対FCC 567 F.2d at 36(1977)Thompson対Clark 741 F. 2d 401, 408(CADC 1984)を参照のこと]。

実は、筆者らがCMSのパブリックコメントサイトでディープフェイクテキスト投稿に対する脆弱性をテストしたのは、2019年6月、米国最高裁が7対1で「CMSは、州内でのメディケイド資格取得規則に就業状況報告義務を追加するという州政府の提案を検討する際に、行政手続法のパブリックコメント検討義務を省略することはできない」という判決を下したからだ。

政治学者の研究によると、パブリックコメントは連邦政府機関による最終決定に大きな影響を及ぼす可能性がある。例えば、ハーバード大学が2018年に行った調査によると、連邦準備制度が定めるドッド-フランク法関連規則についてコメントを投稿した銀行は、コメントしなかった銀行よりも70億ドル(約7600億円)多い超過リターンを獲得していたことが判明した。さらに、同調査においてボルカー規則とデビッドカード交換規則について投稿されたコメントを分析した結果、さまざまな銀行から投稿されたコメントが、初期草案から最終案に至る「不透明なプロセス」に重大な影響を与えたことがわかった。

2017年のネット中立性撤廃規則では、業界団体のブロードバンド・フォー・アメリカが、正式な社名を使って直接コメントするだけでなく、ネット中立性撤廃を支持する数百万件のフェイクコメントを投稿することで、FCCの規則案が米国市民によって広範に支持されているという誤った認識を作り上げた。

ディープフェイクテキストによるパブリックコメントへの投稿を阻止するテクノロジー

筆者らの研究はディープフェイクテキストの脅威がパブリックコメントウェブサイトに混乱をもたらすことを示しているが、これは、長年にわたり米国の民主主義を支えてきたパブリックコメントウェブサイトという仕組みを終わらせるべきだということではない。テクノロジーを活用して、人間が書いたパブリックコメントのみを受け入れ、ボットによるディープフェイクテキストは拒否する革新的なソリューションを実現する方法を見つける必要がある。

パブリックコメントプロセスには、コメントの投稿とコメントの受理という2つの段階があり、どちらの段階でもテクノロジーを活用して問題を解決できる可能性がある。

まず、コメントの投稿という最初の段階にテクノロジーを利用することで、そもそもボットがディープフェイクコメントを投稿するのを阻止できる。そうなると、攻撃者はボットの代わりに大勢の人を使わざるを得なくなり、コストが高くなって攻撃自体が割に合わなくなる。すでに広く浸透しているソリューションの1つにCAPTCHAボックスがある。インターネット上の入力フォームの末尾で、ある単語を視覚的に判読するか音声で判別するように求め、正解した場合にのみ送信をクリックできるようにする仕組みだ。CAPTCHAでは余分な手順の追加によりボットによる送信実行が困難になる。こうしたツールは、障がい者でも使えるように改善する余地はあるものの、正しい方向への一歩といえるだろう。

ただし、海外の安い労働力を使ってCAPTCHAの入力を行わせディープフェイクコメントを投稿するという手段を取られたら、CAPTCHAでは攻撃を阻止できない。これに対抗する1つの方法として、コメントを投稿するたびに毎回厳密な個人情報の入力を求めるという方法が考えられるが、その方法だと、CMSやFDA(食品医薬品局)によって現在行われている匿名コメントの受け付けが不可能になる。匿名コメントは、ヘルスケアなどのデリケートな問題に関する規則案によって多大な影響を被る可能性のある個人がプライバシーを守りつつコメントする方法として有用だ。したがって、ユーザーの認証手順とコメントの投稿手順を切り離して、認証された個人だけがコメントを匿名で投稿できるようにすることが技術的な課題となるだろう。

最後に、第2段階のコメントの受理においては、より高度なテクノロジーによって、ディープフェイクテキストと人間による投稿を識別できる。筆者らの研究では100人を超える調査対象者がディープフェイクテキストの例をフェイクとして判別できなかったが、より高度なスパム検出アルゴリズムが登場すれば、判別率は向上するだろう。今後、機械学習による手法が進歩するにつれ、ディープフェイクテキストの生成アルゴリズム開発と判別アルゴリズム開発がせめぎ合うようになるかもしれない。

当面の課題

将来、テクノロジーの進歩によってさらに包括的なソリューションが可能になるとはいえ、ディープフェイクテキストが米国の民主主義に及ぼす影響は現在進行中の脅威である。そのため、連邦政府のすべてのパブリックコメントウェブサイトで、当面のセキュリティ措置として最新のCAPTCHAを採用することを推奨したい。この方針は、米国上院調査委員会のReport on Abuses of the Federal Notice-and-Comment Rulemaking Process(連邦告知とコメント規則策定プロセスの乱用に関する報告)でも支持されている。

加えて、より優れたテクノロジーソリューションを開発するために、政府、研究者、民間のイノベーターという産学官の連携を確立する必要がある。ハーバード大学が、他の20の教育機関およびニューアメリカ財団、フォード財団、ヒューレット財団と共にPublic Interest Technology University Network(パブリックインタレストテクノロジー大学ネットワーク)に参加したのもそのためだ。このネットワークは、公益に資することを目指す新世代の技術者や政策担当者を支援することに専念している。さまざまなカリキュラム、研究および実験的な学習プログラムを通して、パブリックインタレストテクノロジーという分野を構築するのが目的だ。将来的には、最初から公共の利益を考えてテクノロジーの開発と規制が行われるようになることを目指している。

新型コロナウイルスによって米国社会のさまざまな部分が大きな打撃を受けたが、トランプ政権下の連邦機関が規制緩和規則を提案する動きは弱まっておらず、それらの緩和規則が及ぼす影響は現在のパンデミック収束後も長く続くだろう。例えば、2020年5月18日に環境保護庁(EPA)が、EPAによる規制の支持に使用できる研究調査の制限に関して新しい規則を提案したが、この規制案には2020年4月6日時点で61万件のコメントが寄せられている。また、2020年4月2日には、教育省がオンライン教育と遠隔教育に関する規制を恒久的に緩和する新しい規則を提案した。さらに、2017年に2200万件ものボット生成コメントが投稿されたFCCのネット中立性規則に関するパブリックコメントは、「FCCはネット中立性規則の廃止が公共の安全と低所得者向け携帯電話アクセスプログラムに及ぼす影響を無視した」という連邦裁判所の判決をうけて、2020年2月19日にコメント募集が再開された。

連邦機関のパブリックコメントサイトは、規則の最終案が決定される前に米国の市民と団体が連邦機関に対して懸念を表明する唯一の手段だ。より高度なテクノロジーを活用して不正防止を図ることにより、国家の危機の際に米国の民主主義がディープフェイクテキストによってさらなる脅威にさらされるという事態を防ぐ必要がある。

“新型コロナウイルス

関連記事:Facebookが10億円超を投じてディープフェイクの識別に賞金

Category:パブリック 人工知能・AI

Tag:ディープフェイク ディープラーニング

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(翻訳:Dragonfly)

米国のeコマースは2020年に18%成長も小売全体の売上減をカバーできず

eMarketer(eマーケッター)が米国時間6月8日に発表した見通しによると、米国における2020年のeコマース売上高は、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの影響で18%成長する。しかしオンライン注文の増加があっても米国の小売全体が今年受ける打撃すべてを補えない、と指摘している。自動車や燃料も含めた米国の全小売の売上高は2020年に10.5%減の4兆8940億ドル(約530兆円)になるとアナリストは予測している。2016年以来の低水準だ。

この減少幅は、2009年の景気後退時の8.2%減よりも大きい。

「米国においてここ10年で最も大きな消費支出減だ」とeMarketerのシニア予測アナリストであるCindy Liu(シンディ・リュー)氏はレポートの中で述べた。「3月に人々は外出を控えるようになり、わずか数週間で小売の売上は激減した。第2四半期の売上高は2020年最少を記録し、消費者の行動が通常レベルに戻るのに数年かかるだろう」と予測した。

実際レポートでは、小売の売上は2022年までパンデミック前(2019年レベル)の水準に戻らないと予測している。

長期的には実在店舗が小売全体の足を引っ張る。今年、実在店舗の小売の売上は14%減の4兆1840億ドル(約453兆円)に落ち込む見込みだ。そしてパンデミック前の水準に戻るのに最大5年かかるかもしれない。

一方のeコマースは実在店舗の落ち込みを相殺できるほどに強くはない。落ち込みの深刻さを和らげる程度だ。2020年にeコマースの売上は18%増の7097億8000万ドル(約76兆円)となる見込みで、これは米国の全小売の14.5%を占める。

レポートでは、多くの店舗が再開しているにもかかわらず小売全体の売上が少ないままである理由を掘り下げていない。しかし明らかにこの理由の1つとして、新型コロナが引き金となった景気後退の影響が挙げられるだろう。失業や不安定な雇用は、いずれも消費者の支出抑制につながる。加えて、多くの消費者が実在店舗を避け続けていて、必要なものだけをオンラインで注文している。また消費者の多くがテレワークを続けてる中で、アパレルやアクセサリーの販売は大きな打撃を受けている。

アパレルとアクセサリーの部門は通常、eコマースで2番目に大きい。しかし消費者が必要不可欠ではないものの購入を控え、成長は8.6%にとどまる見込みだ。

一方、食品や飲料、ヘルス、ビューティー、パーソナルケアなどを含む他のeコマースの部門は大きな伸びが予想される。食品や飲料が58.5%増、ヘルス、ビューティー、パーソナルケアは32.4%増となる見込みだ。

「前例のないことがeコマースで起こっている。成長率は世界金融不況のとき以来、最大だ」とeMarketerの主任アナリストAndrew Lipsman(アンドリュー・リップスマン)氏は述べた。「オンライングローサリーショッピングやクリック&コレクトといった特定のeコマース行動は、3、4年かけてみられるところをわずか3、4カ月で飛び越した」と付け加えた。

オンライングローサリーへのシフトは、特にWalmart(ウォルマート)で顕著だ。同社は常々、オンライングローサリーがeコマース全体の売上の成長に寄与しているとしている。eMarketerのレポートではまた、Walmartが初めてeBay(eベイ)を追い抜いて米国のeコマース小売としてはAmazon(アマゾン)に続く2位の座を獲得しそうだ、と指摘している。Walmartのeコマース売上高は2020年に35%超伸びると予想され、これは米国のeコマース市場の5.8%を占める。

Target(ターゲット)、Best Buy(ベストバイ)、Home Depot(ホームデポ)、Costco(コストコ)も売上増が見込まれている。

しかし想像の通り、Amazonの成長は群を抜いている。

「Amazonはeコマース市場におけるシェアを38%に伸ばし、独占を拡大させる」とリップスマン氏は語った。

画像クレジット: Sari Montag / Flickr under a CC BY-SA 2.0 license.

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(翻訳:Mizoguchi

Instacartがショッパーの不満を受けてチップに関するポリシーを変更

Instacart(インスタカート)は米国時間6月5日、増加するショッパー(編集部注:顧客に買い物品を届ける人のこと)を「チップ釣り」から守るために、チップに関するポリシーを変更すると発表した。チップ釣りとは、顧客が多めのチップでショッパーを引きつけ、グローサリーを受け取った後にチップをゼロにするという酷い手法だ。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで人々が買い物に行けなくなってInstacartの需要が急増したのにともない、このチップ釣りが出てきた。

Instacartは、チップ釣りは稀で配達後のチップ削除はオーダー全体の0.5%に満たない、という。また、新型コロナパンデミックが始まってから、ショッパーへのチップの総額は倍増したとしている。しかしポリシーの変更は、同社のショッパーの待遇改善を示している。外出禁止令で人々が家にこもりグローサリーストアーに行かない間、ショッパーたちは重要な存在だった。

Instacartは現在、配達後にチップを削除する顧客にフィードバックを求めている。頻繁にチップを削除する顧客を利用不可にする、ともしている。加えて、チップ額を変更できる期間を3日から24時間に短縮する、と述べた。

チップ額を変更できる期間の短縮は、ショッパーが最終的なチップを待たなければならない時間を短くすることになる。

チップに関する変更に加え、Instacartは2019年に導入したキャッシュアウト機能をアップデートする。すぐにお金を必要としているショッパーのために、配達を完了した24時間後にチップを引き出せるようにする。同社はまた、Visaカードを使用しているショッパー向けに2020年7月末までキャッシュアウトの手数料を免除する。キャッシュアウト機能はカナダでも使えるようになる。

こうした措置の背景には、Instacartのショッパーたちが不満を募らせていることがある。同社は新型コロナパンデミックと外出禁止令による需要増大を受けて、ショッパーの数を250%近く増やす計画を発表した。そうしたアグレッシブな採用が火に油を注ぎ、アプリのバグやチップ釣り、感染を予防するためのキット配布の欠如など根本的な問題をInstacartは解決していない、と一部のショッパーは指摘する。

2020年3月に、ショッパーは待遇改善を求めてストライキを実行した。その中で、デフォルトのチップ割合を10%に戻すよう要求した。今回のポリシー変更にはチップ割合に関するものは含まれていない。デフォルトのチップ割合は5%だ。

新型コロナ禍において、ギグワーカーは必要不可欠な業務の担い手だ。Instacartがショッパーをそうした存在として扱おうとポリシーを変更するまでにかなり時間がかかった。

画像クレジット:Instacart

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(翻訳:Mizoguchi

ロックダウン解除後も米国のコネクテッドTV視聴は新型コロナ前より高水準

米国では、新型コロナウイルス(COVID-19)によるロックダウン中にテレビの視聴やストリーミングサービスの利用が急増したが、それはニューノーマルのようだ。Nielsen(ニールセン)の新たなデータがそれをうかがわせる。広範囲でロックダウンされていた期間、1週間にコネクテッドTV視聴に費やす時間は、メディア全体の利用とともに10億時間超も増加した。しかし政府による規制や外出禁止令が解除された現在でも、コネクテッドTVの利用は新型コロナ前よりも多いことがNielsenの調査で明らかになった。

スマートTVやインターネット接続のデバイス、ゲームコンソールなどを含むコネクテッドTVでは、ユーザーは従来のテレビやケーブルチャンネルよりも以上にさまざまなエンターテインメントにアクセスできる。コネクテッドTVではまた、インターネット経由のコンテンツ、ストリーミングアプリ、ゲーム、その他のビデオサブスクサービスも利用できる。コンテンツが豊富なため、コネクテッドTVの利用は新型コロナパンデミックの間に増えたが、一方で2020年5月初旬における従来のテレビの利用は2019年の水準を超えなかった。

Nielsenのデータによると、2020年3月時点で米国の世帯の76%が少なくともコネクテッドTVを1台所有していた。しかしそれは必ずしも使用量とは関係しない。コネクテッドデバイスを所有する世帯は2020年1月の1カ月で合計で125億時間視聴した。

ほどなくして米国で新型コロナ感染が拡大し、使用量は増えた。デバイスで視聴した時間は前年比81%増で、1週間あたりのコネクテッドTV使用が40億時間近く増えたこととになる。

家族が一緒に視聴するようになり、いわゆる「コビューイング」で、特にリビングルームでのデバイス使用が増えた。コビューイングが視聴に占める割合は2020年3月初めに62.5%だったが、3月末には64.1%になった。

コネクテッドTV以外では、ブロードキャスト、ケーブル、独立TVのコビューイングも2020年3月初めから5月初めにかけて2ポイント(34%から36%へ)増加した。

ただこのデータで最も注意するべき点は、コネクテッドTV使用の増加傾向が政府によるロックダウン解除の影響を受けていないことだ。家から出てより多くの場所に行けるようになったのにも関わらず、人々は家にこもってテレビを観ることを選んでいる。

2020年3月の第1週にコネクテッドTVの視聴に費やされた時間は27億時間だった。その後、外出制限が強まるにつれ視聴時間は増加し、4月6日〜12日の週は40億時間に達した。ただ5月初めまでに多くの州で外出禁止令は解除されたものの、コネクテッドTVの使用時間は1週あたり35億時間までしか減っていない。この数字はロックダウンが始まる前よりも多い。

こうしたデータは、新型コロナのワクチンが出てこない限り、そして新規感染者の数が増えている限り、消費者が外出に慎重になっているということを表しているのかもしれない。しかしパンデミックが米国の消費者行動に長期的に影響を与えていることを指摘する厳しいデータだ。

「米国の49州が経済を少なくとも一部再開しているにも関わらず、コネクテッドTVの利用が多いのは、消費者がコネクテッドTVで利用できるさまざまなオプションやコネクティビティへの関心の高さを示している」とNielsen述べた。「ゆえにニューノーマルでは、コネクテッドTVとコビューイングは新たなメディア消費方式の大きな部分を占める」としている。

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(翻訳:Mizoguchi