ウェブを定期的にクロールしてブロックすべきトラッカーのリストを作るDuckDuckGo

大量の無用な広告を避けたりブロックしてやっと目的の情報に到達することは、今や毎日のお決まりの仕事のようだ。現在のほとんどすべてのウェブサイトを悩ませているこの迷惑行為を軽減するため、DuckDuckGoは主な犯人のリストを作り、それを自社のクローラーでコンスタントに更新している。もちろん無料で。

このTracker Radarと呼ばれる新しいサービスを発表するブログ記事でDuckDuckGoは「広告ブロッカーやトラッカーブロッカーは必要不可欠なソフトウェアだが、仕事の効率が低かったり、一時的な効果しかないものが多い」と説明する。

例えば、ブロッカーソフトが使っている人気のリストのひとつであるEasyListには、ルールが10万件ある。それに基づいて、警戒すべきURLや文字列をブロッカーに教える。それは優れたリソースだが、何年もかけて手作業で編集しているので、今や無用に肥大している。陳腐化したルールが何千もあるし、ユーザーがよく訪れる上位100位ぐらいのサイトではめったに現れない迷惑広告もある。

DuckDuckGoでは、毎回白紙状態からスタートしてウェブクローラーに仕事をさせる。クローラーとは、多くのウェブサイトを次々と訪ねてそのサイトの内容のカタログを作るソフトウェアだ。Tracker Radarは、クローラーが集めた情報を利用して、トラッカーの特徴やサイト管理者の要求に基づくルールのデータベースを作る。

DuckDuckGoのTracker RadarPartが記録したトラッカーのプロファイルの一部

Tracker Radarは毎回およそ5万のサイトの特徴を比較してルールや関連づけを見つけるので、このデータベースは網羅的でかつフレキシブルだ。最近のトラッキングは極めて巧妙で、複数のサイトやサービスを使ってCookieなどを無効にしているユーザーでも見つけ出す。Tracker Radarは多くのサイトの挙動を常時比較し、それらが共通して使っているトラッキングのテクニックを見つける。そうやって得られるデータは、リッチでしかも最新のものだ。

というのは、あくまでもDuckDuckGoのピッチ(セールストーク)だが、同社はプライバシー保護のためのプラグインやアプリも提供している。もちろんそれらには、Tracker Radarのデータが使われている。そして無料なのはデータだけでなく、Tracker Radarがデータを集めてまとめる部分のコードもだ。誰もが自分なりに利用して改良もできる。

そこで、今使ってるのが人気のブロッカーツールのuBlock Originなどである人も、単純にそのデータベースの情報を利用できる。あるいは、DuckDuckGoの軽量のソリューションがよければ、ブラウザーの「プラグイン」→「エクステンション」→「アドオン」のメニューからインストールすればいいりただし対応ブラウザーは、Chrome、FirefoxまたはSafariだ。モバイルでは、DuckDuckGo自身のブラウザーを使える。

画像クレジット: DuckDuckGo

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AndroidのEUにおけるデフォルト検索エンジン指定に批判多数

Googleは反トラストの嫌疑に対して、Androidの「選択画面」での表示をめぐるオークションで勝利した検索エンジンを公開した

EU内で使われるAndroidスマートフォンでは、ユーザーがデバイスをセットアップするときにプロンプトが表示され、4つの検索エンジンの中からどれかを選ぶことになるが、その中には必ずGoogle自身の検索エンジンもある。

2018年の半ばに欧州委員会は、Androidプラットホームの運用をめぐる反トラスト違反でGoogleに50億ドル(約5500億円)の罰金を科した。この嫌疑には、市場で優勢なスマートフォンOSに自社サービスを優先的に載せていることが含まれており、その違反を正すよう命じられたが、やり方はGoogle自身に任されていた。

Googleの回答は、選択画面を作ってその小さなリストからユーザーが検索エンジンを選ぶことだった。初期画面におけるデフォルトの選択は、各地のマーケットシェアで決まるようだった。しかし2019年の夏、Googleは検索エンジンの名前を表示する欄を非公開のオークションにかける、と発表した。

最初となる2020年3月1日から6月30日までのオークションにおける勝者は、プライバシーを保護する検索エンジンDuckDuckGoで、ヨーロッパの31市場すべてで3つの有料表示欄の1つを勝ち取った。また、Info.comもこれらの市場すべてで検索エンジンのオプションとして表示される。Wikipediaによると、Info.comはGoogleを含む既存の複数の検索エンジンやディレクトリ(目録サイト)から検索結果を得るメタ検索エンジンの古参だ。

選択画面に4つ表示できる検索エンジン候補のうち3つは、優先権のあるGoogleとオークションの勝者DuckDuckGとInfo.comになる。そして残る1つは、8つのヨーロッパ市場でフランスのプライバシー保護検索エンジンQwantが表示される。東部の5つの市場ではロシアのYandexが表示される。

ヨーロッパのより小さな市場で表示されるそのほかの検索エンジンは、GMXSeznamGiveroそしてPrivacyWallとなる。

Microsoft(マイクロソフト)のBingという大物検索エンジンは、意外にもイギリス市場だけで選択画面に表示される。

広告収入のすべてを植樹活動に寄付する検索エンジンEcosiaは、今回のリストにないが、一部の選択画面には登場する。ただし同社はGoogleの「載りたけりゃ金を払え」主義に反対して、オークションをボイコットした。

EcosiaのCEOであるChristian Kroll(クリスチャン・クロール)氏は、BBCの取材に対して「このオークションは2018年7月の欧州委員会の規則の精神に反していると私は思う。インターネットのユーザーには検索エンジンを自由に選べる権利があり、オークションというGoogleの答えは、自由で開放的で共同的なインターネットを利用できるはずの我々の権利を侮辱している。Android上で誰がデフォルトの地位を持つのか、それを決める権利がなぜGoogleにあると言えるのか?」と語っている。

Googleのやり方が批判されているのは、検索エンジンだけではない。QwantとDuckDuckGoはともに、2019年にGoogleがオークションという有料制への移行を発表した直後に、懸念を表明していた。

オークションに勝利して、選択画面における全市場を対象とする表示欄を得たにも関わらずDuckDuckGoは、表示されるために金を払うという方式に反対している。

「検索エンジンを選ぶメニューは、正しく設計されていればユーザーの選択肢を有意義に増やす優れた方法だと考えている。我々の独自調査もこれを裏打ちしており、ヨーロッパのAndroidユーザーが自分のスマートフォンの設定をする際、容易にDuckDuckGoをデフォルトの検索エンジンに指定できることを期待している。しかしながら、それでもなお弊社は、わずか4つ(実質3つ)の表示欄をオークションにかける有料制は正しくないと考えている。なぜならば、この方法ではユーザーは自分たちにふさわしいすべての選択肢に触れることができず、またこの競争がGoogleの利益になるからだ」とDuckDuckGoは表明している。

一方、Qwantのスポークスパーソンは次のように語っている。「競争者全員がオープンなやり方でモバイル市場へのアクセスを許されることを、Qwantは繰り返し求めてきた。デフォルトの検索エンジンとしてユーザーに選ばれる機会も、すべて平等に与えられるべきである。検索エンジンが金を払ってGoogleに代わるものとして選ばれる機会を得るこの方式は、公正でないと我々は考えている。これは、Androidのモバイルシステムにおける、Googleの支配的地位の濫用だ。しかしながら、モバイル市場はどんな検索エンジンにとっても重要であり、この入札方式に参加せざるをえず、一部の市場のAndroidユーザーにQwantをデフォルトの検索エンジンとして指定する機会が与えられたことにはついてはほっとしている。すべての国のすべての競合製品に、同様の機会が与えられなければならない。そしてその機会の獲得は、彼らの価値によるべきであり、Googleに金を払って選択画面の表示欄を争う能力によるものであってはならない」

この記事はQwantからの新たなコメントによりアップデートされた。

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Google Chromeの検索エンジンオプションにDuckDuckGoが秘かに加わる

Googleの人気Chromeブラウザーを支えるエンジンのアップデートで、検索大手Googleは秘かにマーケット向けに提供しているデフォルト検索エンジンのリストを更新した。この更新ではユーザーが世界中のマーケットで選べるよう、検索プロダクトの選択肢を広げている。

その中で特筆すべきは、世界60のマーケットでプライバシー重視の検索エンジンを使用できるようにしたことだ。

昨日のChrome73のリリースとともに明らかになった変更は、高まるプライバシー問題や独占禁止の調査などにGoogleが直面している最中に導入されるものだ。

プラットフォームのパワーをコントロールし、テック大企業の影に埋もれた中小のテクノロジー発明家を引っ張り上げるために、いかに競争政策がアップデートされる必要があるか、多くの政府がいま積極的に検討している。

しかしGitHubインスタンスにあるChromeのデフォルト検索エンジンリストへの変更を知らせる案内では、GoogleのソフトウェアエンジニアOrin Jaworski氏が、国ごとの検索エンジンリファレンスのリストが“最近集められたデータ”から“新たな使用戦略に基づいて完全に置き換えられる”とだけ書いている。

各国の検索エンジンの選択肢は、大まかに4つに分けられるようだ。

今回のアップデートで最も恩恵を受けるのがGoogleのライバルでプライバシー最強のDuckDuckGo(DDG)で、いま60マーケット超で選択肢の一つとして提供されている。

これまでDDGは選択肢としてまったく提供されていなかった。

別のプライバシー重視の検索ライバルであるフランスの検索エンジンQwantもまたオプションに加わった。ただし、こちらはフランスでのみとなっている。

DDGは、アルゼンチン、オーストリア、オーストラリア、ベルギー、ブルネイ、ボリビア、ブラジル、ベリーズ、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、クロアチア、ドイツ、デンマーク、ドミニカ共和国、エクアドル、フェロー諸島、フィンランド、ギリシャ、グアテマラ、ホンジュラス、ハンガリー、インドネシア、アイルランド、インド、アイスランド、イタリア、ジャマイカ、クウェート、レバノン、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、モナコ、モルドバ、マセドニア、メキシコ、ニカラグア、オランダ、ノルウェー、ニュージーランド、パナマ、ペルー、フィリピン、ポーランド、プエルトリコ、ポルトガル、パラグアイ、ルーマニア、セルビア、スウェーデン、スロベニア、スロバキア、エルサルバドル、トリニダード・トバゴ、南アフリカ、スイス、英国、ウルグアイ、米国、ベネズエラで選択肢に加わっている。

「消費者にプライベートな検索オプションを提供することの重要性をGoogleが認識したことを嬉しく思う」とDuckDuckGoの創業者Gabe Weinberg氏は、今回の変更についてこうコメントした。

DDGはここ数年着実に成長していて、世界的に高まっているプライバシー重視プロダクトへの関心に応えようと、幅広く展開するために最近、外部からの資金調達も行なった。

興味深いことにChromium GitHubインスタンスの日付は2018年12月で、これはDDGへのDuck.comドメインが何年も棚上げされたのちにようやくGoogleがゴーサインを出した頃だ。

クロミウムでの検索エンジンオプションに変更を加えたこのタイミングについて、我々はGoogleにコメントを求めている。だが、この記事執筆時点で返事はない。

ホームマーケットでオプションに加わったことについてQwantにコメントを求めたところ、共同創業者のEric Leandri氏はGoogleに対し「サンキュー」と述べ、「この措置は明らかにフランスでそれなりにQwantユーザーがいるからだ」とした。

しかし彼は、Qwantとしてはそれでもユーザーに対しMozillaのFirefoxブラウザかプライバシー重視のBraveブラウザを使用するよう勧めている、と付け加えた。

彼はまた、もしGoogleがQwantユーザーのいるドイツとイタリアでもQwantを選択肢に加えていたらもっと良かった、とも語った。

今回のChromeにおける検索エンジンオプション拡大がGoogleの市場独占に関連する行政の干渉をかわすのに十分なものかどうか尋ねたところ、Leandri氏は「ノー」と答えた。その理由として、TechCrunchでも以前取り上げた欧州委員会のAndroid独占禁止ルール後も、AndroidのOEMはGoogle以外の検索エンジンをデフォルトとしてインストールするのにGoogleに代金を支払っていることを挙げた。

「冗談だよ。しかし、繰り返しになるがChrome73はありがたい。心から感謝している。それでもFirefoxとBraveを勧めたい」。

この記事はQwantのコメントがアップデートされた。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

DuckDuckGo、地図検索結果をAppleマップで表示するように

DuckDuckGoは検索で意外な新パートナーを得た。Appleだ。

ユーザーを決して追跡しないと約束しているプライバシー重視の検索エンジンは火曜日、地図ベースの検索結果表示でAppleマップによるデータの使用を開始した。DuckDuckGoはオープンソースサービスOpenStreetMapからのデータ使用でしばらく限定された地図検索結果を提供してきたが、決してライバルの検索エンジン、とりわけGoogleとBingへは機能を拡大しなかった。

そしていま、DuckDuckGoは住所、店、地理的位置、周辺の場所を示すのにAppleマップをデフォルトで使う(我々が試したとき、道順や乗り換えはMac、iPhone、iPadではAppleマップで案内されたが、非Appleデバイスでは道順案内はBingだった)。

Appleのマップデータ使用は、長らくMac、 iPhone、iPadに限定されていたが、Appleがマップをウェブに開放すると6カ月前に発表した。それ以降、DuckDuckGoがAppleマップ最大のユーザーの一つとなる。

「信頼できるオンラインという新たなスタンダード構築のためにAppleと緊密な連携を図れることを嬉しく思う。みなさんにこのアップデートを楽しんでもらえればと願っている」とDuckDuckGoはブログに投稿した。

実際のところ、このパートナーシップは予想できなかった。

AppleはiOSからGoogleマップをのぞき、そして徹底的に見直したマップサービスを展開することを急いだときに非難に直面し、即座にCEOのTim Cookがひどい内容の展開となったことを謝罪する事態となった。6月に開催した最新のWWDCでは、Appleは信頼と安定性ーそして何より重要なプライバシーを提供できるよう作り直しを約束した。

Googleはユーザーのすること、行き先、検索したものを追跡しているが、Appleは長いこと「知りたくない」としていた。Appleのインターネットソフトウェア・サービス責任者のEddy Cueは昨年TechCrunchとのインタビューで、Appleが集めるデータは全て匿名だ、と話した。「我々は特にデータを集めてはいない。たとえ、ポイントAからポイントBまでのものであってもだ」。データを匿名化することで、Appleはあなたがどこから来たのか、どこに行ったのか、さらには誰がそうした移動を行ったのかも把握していない。

DuckDuckGoは、追跡を行わない対Googleライバルとして、プライバシーを重視するという根幹に背くことなく最終的にかなり必要とされている機能を検索エンジンに持ってきた。

「DuckDuckGoではあなたがオンライン上で重視するプライバシーを提供できると我々は確信している」と同社は述べている。「当然のことながら、個人情報のいかなる収集も共有も行わないという厳しいプライバシーポリシーは今回の統合にも適用される」。

「DuckDuckGoで地図を利用したり、住所関連の検索をするとき、あなたは完全に匿名だ」と話す。

DuckDuckGoのサイトに別途明記されているが、ユーザーは“周辺”の検索でより良い結果を得るために位置情報をオンにすることができるが、DuckDuckGoはそうしたデータをいかなる目的ででも保存したり使用したりしないと約束している。「たとえあなたがより正確な情報のシェアを選んだとしても、あなたの検索は完全に匿名のままだ」としている。

「我々は、IPアドレスのような個人を特定できる情報をAppleや他のサードパーティに送ることはしない」。

同社が昨年語ったところによると、DuckDuckGoは毎日3000万件もの検索を処理していて、この数字は前年比で50%超のアップという。

イメージクレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

本人を特定できない安全なネットアクセスを提供するTorに記録的な額の寄付が集まる

【抄訳】
インターネットに安全にアクセスできる方法を提供しているオープンソースの自主事業Torが、これまでの長期にわたる政府補助金への依存から脱却するために、資金源の多様化努力を続けている。

Torは“The Onion Router”(玉ねぎルーター)の頭字語で、剥いても剥いても芯(発信者本人)に辿りつけないことを意味している。そのサービスを提供している団体Tor Foundationは今週(米国時間1/6-12)、2018年に個人からの寄付が46万ドルという記録的な額に達したことを発表した。また最近の財務報告によると、同団体は、2017年には非政府系寄付者の増加により、これまた記録的な、総額413万ドルの資金を調達した。

大きく増加した個人からの寄付は2017年には40万ドルだった。その大きな部分を占めるのがTorの支持者であるMozillaで、昨年後半にはTorのためのマッチングファンドの寄付を今後も続ける、と約束した。また、そのほかの支援者個人からのマッチングファンドへの寄付は、最高額が2万ドルだった。

同団体によると、全体として2018年には115か国から寄付が集まり、アメリカ以外におけるTorの重要性を物語っている。

【中略】〔資金源詳細〕

TorはNSAの内部告発者Edward Snowdenが使ったことでよく知られているが、世界のいろんな国でインターネットの弾圧が厳しくなっているから、Torは自由なインターネットを護り安全に利用するためのますます重要なツールになりつつある。

そのためTorは近年、その‘利用しやすさ’を増す努力を続けている。

昨年9月には初めての同団体のAndroid用公式モバイルブラウザーをローンチし、同じ月に前からあるデスクトップブラウザーTorBrowserの8.0をリリースした。後者はFirefoxの2017年のQuantumリリースをベースとし、またMozillaとの協働を深めてFirefox本体にTorを搭載しようとしている。Torのデスクトップブラウザーへの統合は、Mozillaの前CEO Brendan Eichが作ったブラウザーBraveがすでに実現している

同団体にはそのほかのプロジェクトもいろいろあり、ユーザー総数は、公表データによると200万を超えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleのだんだん怪しくなる国際取り引き

新興市場や中国でのトラブルからは遠く離れた場所で、Appleは、本当にコアな支持者層であるべき人たちの怒りを集めている。それは、数年前からTim Cookが一般向けの講演で表明してきた、プライバシーを尊重する姿勢に必然的に賛同する人たちだ。彼らは、Cookは偽善者だと責めている。

この人たちは、この問題さえなければヨーロッパの忠実なるiPhoneユーザーなのだが、Appleは彼らに十分なプライバシーを提供していない。

こうしたユーザーたちは、iPhoneの中核的要素の選択の幅を求めている。たとえば、iOSのSafariのように、デフォルトに設定できる検索エンジンの種類だ(現在Appleでは、Google、Yahoo、Bing、DuckDuckGoの4つの選択肢を提供しているが、すべてアメリカ製の検索エンジンだ。広告テクノロジーの巨人Googleはデフォルトに設定されている)。

また、Appleが主張するプライバシーを重視したデザイン哲学を覆すようなデフォルト設定にも、非難が集まっている。そのひとつがiOSの位置情報サービスの設定だ。ひと度これを有効にすると、関連するサブメニューの項目も知らぬ間に有効になる。これには、位置ベースのAppleの広告も含まれている。そこに記されている同意の内容は、事前の情報に基づく同意のときとは、まったく違うものになっている……

https://platform.twitter.com/widgets.js

私的にはAppleはリーダーなのだが、検索エンジンでAppleが選択したiOS SafariをiOSユーザーが無効にできない理由を知りたい。
「このデバイスで位置情報サービスを有効にすると、Appleとそのパートナー、ライセンシーがあなたの位置情報および位置検索のクエリーを、位置ベースまたは交通状況ベースの製品およびサービスの提供と改善のための転送、収集、維持管理、処理、使用することに同意したものとみなされます」

すべての人を同時に満足させることはできないと言うが、飽和状態のスマートフォン市場で生まれた新しい「常識」は、アプローチの再構成を迫る新たなプレッシャーになっている。

今後は、収益の増加とユーザーのつなぎとめに努力することが、ステップアップの唯一の手段となるのは明らかだ。そのため、行きつ戻りつのサービス提供が今後の成長には欠かせないこのハイテク最大手企業にとって、こうした問題さえなければ忠実なユーザーたちを満足させ、(決定的なこととして)彼らに自分たちの意見が届いていると感じさせ、自分たちが大切にされているという感覚を持たせることが、ますます重要になる。

(少くとも、Appleから奇跡のようなハードウエア……それはまだ誰も知らないが、スマートフォン級の需要を再燃させる何か……の登場は、中期的な時間の枠内では考えられない。スマートフォンの汎用性と機能性が大変に高いからだ。ゆえに、Appleの最大の成功が、今や最大の障害にもなっている)

スマートフォンの買い替え頻度が低下している今、自然の成り行きとして、サービスによる収益増加というプレッシャーがCookにかかってくる。言い換えればそれは、Apple本社が周囲に言いふらしている中核的な原則に関するプレッシャーでもある。

しかし、その原則なくしては、Appleが人々の注目を集める高級ブランドとしての魅力は消えてしまう。そうなれば間違いなく破滅だ。

コントロールの変化

主流の一般ユーザーが使いやすいようにiOSの一部のコントロールを制限していたことが、Appleの成功を長期的に支えてきたのは事実だ。しかし、iOSが次第に複雑化し、すべてが自分の支配下になければ気が済まない人たちが離れてしまったのも事実だ。

たとえばキーボードなど、これまで固定されていた要素がオープンになり、タイピング方法を自分で決めたいユーザーのために、サードパーティー製キーボードがインストールできるようになった。

こうした変化は、好きな検索エンジンをデフォルトに設定できないという制限を浮き彫りにし、Appleは、ユーザーエクスペリエンスの観点から正当性を訴えることが、次第に困難になってきた。

しかし、ビジネスの観点からすれば、Googleに検索エンジンのデフォルトという特別待遇を与えることで、Appleは巨額の利益を得ている。それは大変な額だと伝えられている。2018年は90億ドル(約9707億円)とも言われているが、確認は取れていない。当然のことながら、どちらの側からも取り引きの条件を公表する気はないようだ。

Appleの問題は、Googleから間接的な利益を得る代償として、Appleが擁護すると断言したユーザーのプライバシーが損なわれるところにある。広告の王者であるGoogleは、Appleに金を払うことでiOSユーザーの検索ワードをデフォルトで吸い上げる。これでは言っていることと違う。

プライバシーは、信頼あるAppleブランドの中核をなすものであるはずだ。

Cook自身も、一般に向けて強い口調で「データ工業団地」を非難してきた。しかし、間接的ではあっても、時として利益のためにユーザーのデータを売り渡しているという不都合な話には触れていない。

2017年、AppleはSiriのウェブ検索を、BingからGoogleに切り替えた。ユーザーのプライバシー保護に関してどんなうまい言葉を使ったとしても、西側のインターネットで最大のデータ商人との取り引き関係に依存していることに変わりはない。

これだけで、偽善者と呼ばれるには十分だ。

もちろんAppleは、トラッキングをしない検索エンジンを使いたい人のために、DuckDuckGo(DDG)も選択できるようにしている。これは2014年のiOS 8からの対応だ。

成長途中の、しかしまだ非常にニッチな製品を、主流の一般消費者向け製品に採り入れることは、Appleが自らの言葉を守り、プライバシーの保護を一番に思っている一例とも言える。

3大データ商人とも言うべきハイテク最大手企業の中にDDGスタートアップが現れたことで、事情に詳しいiOSユーザーは、それ以来Googleに中指を立てることが可能になった。つまりAppleは、プライバシーに敏感なユーザーに製品を買い続けてもらう状態を維持できたのだ(Appleの事業方針を完全に受け入れたわけではないが)。

しかし、そんなAppleの妥協的なポジションも、次第に危うくなっているように見える。

熾烈な値下げ競争を繰り広げ、データ商人のおかげで初期投資費用がずっと低く、それでも機能的にはほぼ同等のAndroidスマートフォンが台頭してきたこの時代に、Appleがブランドの差別化の大きな柱にプライバシー保護を据えようと思わなければ、その地位を守るのは難しい。

さらに、Appleの最上級iPhoneの価格が1000ドルを超えるという問題も見過ごすことはできない。デフォルトで自分のデータを売り渡すことがないとしても、1000ドル以上という価格は非常に高く感じられるが、他社製品との差額によって得られるものには、ピカピカのガラス筐体以上の価値があってしかるべきだ。しかし、実際のiPhoneは、そんな電話機ではない。デフォルトでは違う。

Appleは、プライバシーにもっとも敏感なiPhoneユーザーは、Google色の強いAndroidスマートフォンには手を出さず、選択肢が少なくてもiOS機器を選ばざるを得ない、事実上の専属市場だと思っているのかも知れない。たしかにそうだが、そんなiPhoneユーザーにAppleがより多くの高額なサービスを提供すれば、この飽和状態のスマートフォン市場で買い替えによる収益が上げられるかといえば、その保証はない。

最高の上客をそんなことで怒らせてしまえば、熱心に製品を買ってくれるユーザーは、控えめに言っても、目先のことしか見ない気の短い人たちばかりになってしまう。

しかし、Googleが検索市場を支配してる中で、Googleをデフォルトの検索エンジンから外せば、Appleの事業の存在意味を持つ主要なユーザー層の大半に楯突くことになる。

この理屈からすれば、ほとんどのインターネットユーザーはGoogleの検索エンジンをデフォルトとして使っているため、Googleをデフォルトの位置から動かすことはできなくなる。

実際、Cookは、昨年末、HBOが配信するニュース番組AXIOSのインタビューで、その取り決めの継続について聞かれたとき、はっきりとこう答えている。「彼らの検索エンジンは最高だよ」

彼はまた、近年、プライバシー保護のためのさまざまな機能をAppleのソフトウエアに組み込んでいると主張した。プライベートブラウズやスマートなトラッキング防止機能だが、それらはデータ商人に対抗するものだと彼は話している。

とは言え、それは血に飢えた吸血鬼を家に招き入れてから、家のまわりにニンニクのかけらを2つ3つばら撒くようなものだ。Cook自身も、その取り決めは「完璧」ではないとすでに認めている。

明らかに矛盾がある。しかし、Appleの儲けを考えば、これに限って言えば大した矛盾ではない。

このとこから、Appleの目は四半期のバランスシートと、ますます重要性を持つサービス関連の商品に向けられていることが想像できる。Appleが主張しているような長期的な視野ではなく、この完璧でないが儲かる取り決めを継続する姿勢だ。今週、株主に向けて発表されたCookの挨拶状には、こう書かれていた。「私たちは長期にわたりAppleを運営しており、逆境の折りには必ずそれを好機ととらえ、私たちが持つ柔軟性、適応性、創造性の文化を活かして、そこからよりよい結果を生み出すよう、自らの方針の再検討を行ってきました」

もし、Googleの検索製品が最高のものであり、Appleがデータ工業団地を非難することでプライバシーのモラル基準を高く保ちたいと望むなら、主流派ユーザーのためのサービスを今のままの取り引きで継続しつつ、Googleからの数十億ドルの資金を、人をプロファイリングする広告テクノロジーの巨大企業がもっとも嫌うプライバシー保護法の維持と強化のために奮闘している消費者やデジタル人権団体に寄付するという手がある。

しかし、株主はこの薬を好まないかも知れない。

投資家の口に合うのは、Appleが検索エンジンの選択肢を増やすことで活動の場を広げ、プライバシー保護に力を入れた、Googleに取って代わる検索エンジンを迎え入れるという策だろう。

またこの選択を、無数のユーザーに難しい駆け引きを持ちかけるようにデザインすることもできる。たとえば、デバイスの設定時に、インターネットでの検索をデフォルトでプライベートにするか、それともGoogleを使うかを積極的に尋ねるのだ。

それを実行したとき、想像を超える数のユーザーが検索エンジンのデフォルトにGoogleを選ばなくなることが想像できる。

たとえば、トラッキングを行わない検索エンジンであるDDGは、この数年間、着実に成長し、昨年の秋には一日に3000万件の検索を記録した。前年比で最大50パーセントの伸びだ。

AppleとGoogleの協定は守秘義務契約のもとに交わされていることを考えると(こうした協定では当然のことで、DDGもAppleとの取り決めの内容を詳しく話すことはできないと言っている)、Googleの条件の中に、iOSユーザーが選択できる検索エンジンの数に制限があるかどうかも不明だ。

しかし、少くともGoogleはAppleに金を払うことで、iOSユーザーがデフォルトに指定できるライバルのリストに制限を加えさせている可能性はある(最近になってGoogleは、反競争契約によりAndroid OEM製品での、検索エンジンを含むGoogle製品に代わる製品の利用機能に制限を課したとして、ヨーロッパでお仕置きを受けている。だから、検索エンジンに関してGoogleには前科があるのだ)。

同様に、Googleが中国で検索エンジンを再開するとしたら(本当に行うかどうかはっきり言わないのだが)、GoogleはAppleにデフォルトの座を渡すように要請してくるだろう。

しかし、それを押しのけるだけの強い理由がAppleにはある。中国市場ではGoogleは小魚も同然なのだ(現在Appleは、中国のiOSユーザーのために、現地の大手検索エンジンBaiduをデフォルトにしている)。

したがって、iOSを取り巻く現在の検索エンジンの構図は、Cookが望んでいるものよりも、少しぼやけている。

地元の好み

中国のケースは面白い。その市場でのApple成長の奮闘の様子を見ると、高級ブランドとしてのプライバシー保護の方向性とは、まったく別の方角を向いている。

中国では、なんでもありのスイス・アーミーナイフ的なWeChatプラットフォームのおかげで、物事はとても便利にできている。明らかにこれが消費者の方向性を決めている。そしてそれは今、中国市場でのAppleの事業の逆風にもなっている。

同時に、中国のユーザーはインターネット上でなんかしらのプラバシーがあるという考えは、国家による検閲があり、それが日常化しているその市場では、実質的にあり得ない。

それでもAppleは中国でビジネスを展開していて、さらなる偽善のためのコストとの釣り合いをとっている。

今週、改定された目標では、Appleの事業展開にとって重要な中国と新興市場にスポットを当てただけだった。原則に基づく行動は、どうも無理そうだ。

成長目覚ましい新興市場を重視することで、Appleは、公表している原則に反する方向に強く出ざるを得なくなる。プライバシーとは、どんだけ高価なのだろう?

はっきり言えるのは、飽和状態のスマートフォン市場で成長を遂ようとすれば、誰だって狡猾に立ち回らなければならない。とくにAppleは、未知の駆け引きや落とし穴に遭遇するリスクを負う。

株主に向けた挨拶状から推測れば、中国での交渉にはまったく新しいアプローチが必要になるとCookは考えているようだ。

こうした新しい「常識」により、飽和状態にあり単調なスマートフォン市場で差別化をはかるひとつの方法として、さらなる現地化が重要になる。

「すべての人にフィットするひとつの規格」というAppleの古い哲学は、今や一部のユーザーには時代遅れな考えとなり、多極化する前線においては足手まといで危険ですらある。ソフトウエアの「イノベーション」とプライバシーの原則を守るという主義に徹したいなら別だが。

検索エンジンの選択の幅を恣意的に制限していることが、ひとつのことを示している。なぜ、iOSはユーザーに自由に選ばせてくれないのか?

もしかして、Googleからの巨額の資金がそれを阻んでいるのか?

フランスのiPhoneユーザーの場合は、また複雑だ。フランスでは、使用できるキーボードアプリの数が非常に多い。有名どころのものから、チマチマした表面的に装飾されたものや、ネオンのように光るLEDキーボードスキンに、絵文字やGIFに取り憑かれたようなものまである。しかし、フランスで開発されたプライバシー保護を謳う検索エンジンQwantを、iPhoneのネイティブのブラウザーで使おうとすると、何かを検索するたびにQwantのウェブページに移動しなければならないという不便を強いられる。

Google検索は、おそらく世界(中国を除く)の平均的iOSユーザーにとって最善のものだろう。しかし、個人に特化した、個人を中心とした技術が発達し始めている現在、消費者の要求はこれまでよりも多くなり、個人が好きなものを自由に選ぶことに意義を挟むことは大変に難しくなっている。

ヨーロッパでは、改定された一般データ保護規則(GDPR)も警戒しなければならない。そのために、今日主流の広告テクノロジーのビジネスモデルは、さらに再構築が必要になるだろう。

この件に関してQwantは、トラッキングをさせない検索エンジンのライバルであるDDGでも、アメリカのCLOUD法に基づきAWSクラウドサービスを使ってユーザーの検索ワードを政府が検閲を行ったとき、どう対処できるのかと疑問を呈している(2年前、この件に関してGithubの討論スレッドでは、DDGの創設者がサーバーは世界中にあると話していた。彼は「ヨーロッパにいる人は、ヨーロッパのサーバーに接続されます」と言っている。DDGは個人データを一切収集しないので、CLOUD法に基づいてAWSからデータを抽出しようとしても、限られたものしか出てこないと繰り返し訴えていた)。

QwantがSafari iOSリストへの検索エンジンの掲載を求めたときの反応を聞くと、(間接的ながら)返ってきた反応をQwantは我々に話してくれた。「私たちはAppleにとって、あまりにもヨーロッパ的すぎるとのことです」(Appleは、iOSユーザーの検索エンジンの選択の自由に関してコメントをしていない)。

「もっとアメリカンになるように努力しなければなりません」と、クパチーノのApple本社から立ち上る狼煙の意味を解釈して、Qwantの共同創設者でCEOのEric Leandriは話していた。

「Appleが、ユーザーに同じエクスペリエンスを届けたいと考えていることは理解できます……。しかし、今もし私がAppleの人間だったら、ユーザーのプライバシーを守るという点においては、私には従いたい信念があります。まずは、ヨーロッパを、個人データに関する考え方が異なる人々の市場だと捉えることから始めるのです」と彼は話す。

「Appleはこれまで数多くの努力をしてきました。たとえば、アプリケーション同士でのデータのやり取りを、非常に厳格な反トラッキング指針に従って禁止してきました。またAppleは、クッキーやトラッキングの防止を確実にし、iOSではそれらを非常に困難にするという努力も重ねてきました。そして、最後にAppleに残った問題が、Google検索です」

「なのでAppleには、ひとつですべてを満足させるという方針とは別の考え方として、私たちの提案を見て欲しいのです。なぜなら、もはや私たちは、ひとつですべてを満足させられるとは思っていないからです」

Qwantもまた、この市場に関する小さな逆境を好機として、よりよいAppleが生まれることを期待している。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

創業10年でついに陽の光が当たってきたプライバシー保護型検索エンジンDuckDuckGo

プライバシーを重視する検索エンジンDuckDuckGo(DDG)に、このところ勢いがついてきた。同社の今日(米国時間10/11)の発表によれば、一日の検索数が2000万に達してからわずか1年弱後に、それが3000万に達した。前年同期比で50%の増加だ。〔下図に引用されているツイートによれば、1000万に達するのに7年かかり、それから2年で2000万に達している。ツイートの下に、推移のグラフのリンクがある。〕

一日の検索数1000万に達するのに7年かかり、それから2年で2000万に達した。その成長カーブは、忍耐と信念の歴史でもある。〔2008年9月創業〕

しかしその信念は報われた。ユーザー数は伸び続けており、その成長カーブは、優れた航空機の、きれいな離陸の航跡のようだ。

一日に3000万の検索数は、Googleの30億強に比べると大海の一滴だ(Googleの数字は2015年のもの)。

ファウンダーのGabriel Weinbergはこう言う: “一貫して年率50%ぐらいで伸びていたから、マクロのレベルではそれほど意外でもない。数字がどんどん大きくなっただけだ。でも今年は、さらにはずみがついたようだ。とくに最近2か月の動きを見るとね”。

“世界中で伸びているんだけど、ここ数か月はアメリカがとくに大きい”。

DDGの検索エンジンはGoogleと違ってプライバシーを重視し、広告のターゲティングのためにユーザーを追跡したり、その特徴〔好みなど〕を調べたりしない。

その代わりDDGは、各回の検索で入力される検索キーワードに基づいて広告を表示する。Googleがやってるような、ユーザーをつけ回していろんなデータを集め、それらを高度なアドテックビジネスに注ぎ込むことはしない。

DDGによると、同社のユーザー追跡をしないビジネスモデルでも、2014年以降は黒字だ。アフィリエイトの売上もある。

アクティブユーザー数は公表されていないが、今年初めのサードパーティによる推計では、ユーザーベース2500万、となっている。

今年はメインの検索のほかに、トラッカー・ブロッカー(tracker blocker)というツールも立ち上げて、ユーザーのネット上の行動や活動を企業にスパイされないようにした。

資金面では最近、VCから1000万ドルを調達したが、外部からの投資はこれがやっと二度目だ。

同社によると、その資金は、プライバシー重視のビジネスモデルの一層の拡張に充てられ、また検索結果ではローカル市場をもっと取り上げていきたい。それにより、ローカル企業のマーケティングのグローバル展開を助けることにも、つながるだろう。

ヨーロッパのGeneral Data Protection Regulation(GDPR)のようなプライバシー規制も、きっとDDGの追い風になるだろう。

アメリカでも国レベルのプライバシー規制の法制化が検討されているから、企業による人びとの情報の扱いに一定のルールとコントロールが設けられるだろう。

そしてどんなに厳しいルールができても、元々ユーザーのトラッキングをしないDDGにとっては、それらが有利に働くに違いない。

画像クレジット: Stewart Bremner/Moment

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

プライバシー重視の検索エンジン「DuckDuckGo」、カナダの年金基金VCから1000万ドルを調達

プライバシー重視の検索エンジン、DuckDuckGoは、Googleを始めとする監視エンジンの代替手段を提供している。このほどカナダの年金基金OMERS(カナダ・オンタリオ州公務員年金基金)のVC部門から1000万ドルを新たに資金調達した。

10歳になるこの会社にとって、これがまだ2度目の調達ラウンドだ。 Crunchbaseによると、遠く2011年にVCから300万ドル集めたのが最後だ。

OMERS Venturesはこの投資を発表したブログ記事で、この5年間にプライバシーとセキュリティーに関する不安が「市民の意識の中で浮上してきた」ことを挙げ、各国政府が国民の要求とデータ漏洩問題を受けて「実際に行動を起こし始めている」ことを、欧州連合の新たなプライバシーのフレームワークであるGDPRを例にあげて指摘した。

その信念に基づき、同ファンドはDuckDuckGoへの投資を積極的に推進してきた。同社は2014年以来(非追跡型広告で)利益を出し続けているので、現金注入を必要としていない。しかしOMERSは粘り強く交渉して、ファウンダーのGabriel Weibergに、DDGの成長目標の達成を支援するための資金を受け取るよう説得した。カナダ(ファンドの拠点)を含む海外に特に力を入れる。

プライバシー・セキュリティー製品の提供は、DDGが資金調達したもうひとつの理由だ。

今年の始め、同社は中心サービスであるプライベート検索(追跡しない)から手を広げ、追跡ブロッカーその他のプライバシー・セキュリティーツール製品を加えて、ウェブユーザーのプライバシーを守るためのバンドル商品を作った。

WeinbergはBloombergのインタビューで、OMERSと目指しているのは「彼らが世界的年金ファンドであるようにこれを世界に広める方法を見つけること」と言った。

Weinbergはさらに詳しい計画をTechCrunchに話した。「われわれはすでにグローバルだが(2008年の開業以来ずっと)、これからはより特定された市場に力を入れようとしている。雇用に関しては、われわれの検索エンジンの結果を地元市場に合わせ、DuckDuckGoの販売に使っているチャンネルを拡大し、さらにグローバルにしていく。

このため、国際的スタッフの雇用はDDGの成長推進にとって大きな部分を占める。

「われわれはオールインワン・プライバシー・ソリューション(今年始めに提供開始した商品)の販売とマーケティングを続けるためのスタッフ獲得に力を入れ、特に米国外に焦点を当てる」と彼は話した。

「米国以外でわれわれのトップクラスの市場(検索トラフィックによる)は、ドイツ、英国、フランス、カナダたが、相対的検索シェアで見るとほとんどの国でで大幅な成長と存在感を見せている。」

Weinbergばさらに、OMERSは「プライバシーに関して深い関心と投資テーマを持っており、今重大な転換点を迎えていると考えている」と語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Torは検索エンジンが行うユーザー追跡から逃れるためDuckDuckGoの検索結果をデフォルトで使用

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プライバシー秘匿サービスTorのユーザーには現在、デフォルトではDuckDuckGoの検索結果が提供されている。

“検索エンジンの状況”と題するメモによると、プライバシーを守るためにTorを使っているユーザーは現在、DuckDuckGoの検索結果をデフォルトでは提供されている。同社が検索プロバイダーとしてはプライバシーツールDisconnectを今でも使っていることは確認したが、しかし同社はそれに対し、DDGの結果に切り替えるよう求めている。Disconnectには、Googleの検索結果にアクセスしている、という問題があるからだ。

Torはこう書いている:

このところDisconnectは、これまでTor Browserのユーザーも利用してきたGoogleの検索結果にもはやアクセスしていない。しかしDisconnectはいわばメタ検索エンジンなので、ユーザー自身が検索プロバイダーを選ぶことができるため、Bingの検索結果を利用するユーザーもいるが、検索の質の点でそのことは許容できない。Disconnect自身も状況を修復すべく努力しているが、われわれとしては彼らに、検索結果としてDuckDuckGoを使う方がBingを使うよりも断然良い、と要求した。

今でもTorユーザーがDisconnect経由でBingやYahooの検索を使うことは可能だ。しかしGoogleは現在、オプションに含まれていない。(Torのユーザーが直接Googleを使うことはできるが、その場合は、Google経由で行われているありとあらゆる、検索を介するユーザー追跡を認めることになってしまう)。

DisconnectがTorのデフォルトの検索プロバイダになったのは2015年の5月だ。検索が同社のサーバーを介することになるので、ユーザーのIPアドレスは露呈しない。それは、プライベートなWeb閲覧をミッションとするTorにとって、うってつけの機能だ。

DisconnectのファウンダーはGoogleの出身者たちだが、Googleとあまり仲が良くない。GoogleはDisconnect製の、ユーザー追跡を遮断するもモバイルアプリを、2014年にAndroid Play Storeから削除した。そして昨年の6月に、DisconnectはEUでGoogleを、同社のアプリの締め出しは独禁法違反だ、として訴訟した。

この状況について今、DisconnectとGoogleとTorに問い合わせているので、返事が得られ次第この記事をアップデートしたい。

今月(2016/5月)の初めに、プライベートな検索エンジンDuckDuckGoはTorに25000ドルを寄付した。合衆国政府への依存から解放されたいTorはこのところ、資金源の多様化に努力している。今年の初めには、クラウドファンディングで20万ドルあまりを獲得した。

昨日(米国時間5/30)Torは、その匿名ブラウザーセットのv6.0をリリースした。それは6.0として最初の安定バージョンであり、そのバグフィクスや、プライバシーとセキュリティの強化が、ドキュメンテーションに詳しく書かれている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))