イーロン・マスク氏が2021年Starship開発テストを倍増すると発言、深宇宙探査用ブースター初飛行は「数カ月後」

SpaceX(スペースX)は2021年に向けて、Starshipの開発プログラムを大幅に強化する予定だ。同社のCEOであり創設者でもあるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間12月24日、同社がテキサス州ボカチカにある開発施設の2つの発射台を利用してプロトタイプロケットを打ち上げ、Super Heavyの飛行テスト(低高度の「ホップ飛行」から始まる)を「数カ月後」に開始する予定だとツイートした。

スペースXは最近、メキシコ湾にあるテキサス州のテスト施設のPad Bに、Starship(シリーズの9番目)のプロトタイプことSN 9を設置した。SN 9はその前身であるSN 8が高度約4万フィート(約12.19km)までの飛行に成功し、量産バージョンの動力着陸に利用される重要なベリーフロップマニューバを実行した後に、より積極的なテストを実施する予定だ。SN 8は予想以上に強く接地し壊れてしまったが、スペースXによれば飛行中のすべてのテスト目標が達成されたという。

SN 9は今後、地上試験を受けた後に独自の飛行試験を行う予定だ。これによりチームはさらなるテストを行うための貴重なデータを得ることができ、最終的にはプロトタイプを軌道に乗せることを目指している。マスク氏のツイートによると、ボカチカの発射台となるPad AとPad Bの両方で2つのプロトタイプが並んで設置され、スペースXのロケット製造のスピードに合わせて打ち上げペースが加速する可能性があるという。

一方、Super Heavyがまもなくテストを開始するかもしれないというニュースは、2021年のスペースXとStarshipにとって楽しみなものだ。Super Heavyは同社が宇宙船を軌道に乗せて打ち上げ、最終的には火星を含む深宇宙探査への打ち上げに利用するためのブースターだ。Super Heavyは高さが約240フィート(約73.15メートル)で、28基のRaptorエンジンを搭載し、貨物を積んだStarshipを地球の重力から離脱させるのに必要な推進力を提供する。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

SpaceXのプロトタイプロケットが着陸時に大爆発、しかし飛行テストは成功

 

現行のロケット「Falcon」の後継機にSpaceXはまた一歩近づいた。同社の宇宙船「Starship」のプロトタイプ「SN8」が米国時間12月10日、テキサス州南部にあるSpaceXの開発施設で、上空12.5kmまで上昇するという、現在進行中の宇宙船開発プログラムの中で重要なマイルストーンを達成したのだ。

離陸から約2分後、スターシップに搭載されている3基のRaptorエンジンのうちの1基は停止したが、このプロトタイプロケットは上昇を続けた。続いて3分後には、もう1つのエンジンが停止。1基のみが点火し稼働している状態となった。ロケットは上を向いたまま上昇を続けていたものの、どのくらいの高さまで上昇したのか、動画フィードからはわからなかった。そして4分30秒を過ぎた頃、3基目のエンジンが炎上し、スターシップは機体を水平にしながら地上に向けて自由落下を始めた。

ロケットが地上に近づくとエンジンが再点火し、再び垂直に姿勢を戻して落下速度を遅めた。しかし、予想よりも少し勢いよく着陸したため、爆発を起こしロケットは炎に包まれた。それでもテストは成功であり、SpaceXや多くの観察者の予想よりも上手くいった。ストリーム上ではSpaceXの管制室からチームの成功を祝福する声が聞かれた。

爆発と宇宙船の全損で終わった飛行は、成功したように見えないかもしれないが、まったく新しい宇宙船を設計しそのテストを行っていることを考えれば、間違いなく成功だ。SpaceXはこの試験飛行ではおそらくその目的のすべてを達成できないだろうと予想していたし、同社のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは今週初めにTwitterで、目標高度は達成するかもしれないが、他のことはあまり期待していないと述べていた。だが、目標高度は達成されたようであり、機体を水平にして着陸時に再び正しい向きに戻す「ベリーフロップ」と呼ばれる動きを制御することもできた。ただ、着陸の際に少々スピードが速すぎたのだ。

今回のテストで、チームが多くの貴重なデータを収集したことは間違いなく、現在はそこで学んだことを次の試行の改善に役立てようとしている。SpaceXはすでに「SN9」と「SN10」という2機のプロトタイプを完成させており、実際に次のテストに向けて準備ができているのだ。これらのプロトタイプは、この日飛行したSN8と比較してもすでに改良されており、チームは今回の飛行とテスト中に得られたデータに基づいて、迅速に追加の改良を施す予定だ。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

イーロン・マスク氏がカリフォルニアに愛想を尽かしてテキサスへ転居

SpaceX(スペースX)とTesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国12月8日、テキサス州に転居したと述べ、ここ数カ月流れていたカリフォルニア州を去るだろうという憶測を認めた。カリフォルニア州に対してマスク氏はかなり批判的になっていた。同氏はウォールストリートジャーナル紙のCEOカウンシル年次サミットでのインタビューで転居したことに言及した。

マスク氏がテキサス州に引っ越すつもりだと友人に語ったというCNBCの報道を、同氏は肯定した。

転居は、テキサス州で進められているSpaceXとTesla関連の数多くのプロジェクト、マスク氏のロサンゼルスにあるいくつかの家の売却、そしてカリフォルニア州当局の新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック対応への不満と一致する。マスク氏は5月に同州アラメダ郡を相手取って訴訟を起こし、本社や将来のプログラムをテキサス州かネバダ州にすぐさま移すと脅した。訴訟は、フリーモントにあるテスラの工場が新型コロナで発令された外出禁止令の最中に再開できるかどうかをめぐる衛生当局との応酬がエスカレートした結果だ。

インタビューの中でマスク氏は、カリフォルニア州は恵まれたな地位を当然のものだと考え、独りよがりになっていると語った。

マスク氏がテキサス州に引っ越すだろうという憶測はテスラがCybertruckとModel 3、Model Yを生産する工場の設置でオースティン近くを選び、建設を開始した後に流れ始めた。同氏の別企業であるSpaceXはテキサス州ボカチカにロケット打ち上げサイトを計画している。ブルームバーグは12月7日、マスク氏が自身の財団をオースティンに移し、これは同氏がテキサス州に引っ越したか引っ越そうとしているもう1つのサインだと報じた。

テキサス州は近年、オースティンやヒューストン、ダラスの急成長でホットスポットとなっている。パンデミックの間、カリフォルニアを拠点としていたテックワーカーがシリコンバレーやサンフランシスコといった高級エリアから脱出するにつれ、テキサス州の勢いは増した。

同州はまたマスク氏にとって別の大きなメリットがある。州所得税がないことだ。

カリフォルニアはまだSpaceXとテスラの運営においてメジャーハブだ。SpaceXの本社はホーソーンにあり、テスラの本社はシリコンバレーにある。Model 3やModel X、Model S、Model Yを組み立てるテスラのメイン工場はフリーモントに立地する。

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(翻訳:Mizoguchi

テスラが既存自動車メーカーの買収検討中とイーロン・マスク氏

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、Tesla(テスラ)の5540億ドル(約57兆8400億円)という巨大な時価総額を利用して、既存自動車メーカーの買収を検討している。ただしそれは、友好的に行える場合に限る。米国時間12月1日に行われたAxel SpringerのCEOであるMathias Döpfner(マティアス・デップフナー)氏からの広範囲にわたるインタビューの中で語った。

12月1日にこの大手メディアから賞をもらったマスク氏は、さまざまな関心とビジネスについて語ったが、彼が率いる企業であるSpaceXとTeslaも話題に上った。

デップフナー氏は、Teslaの時価総額がBMWやダイムラー、ワーゲンといった既存の大手自動車メーカーを大きく超えていることに言及。既存勢力はかつて、マスク氏に電気自動車をメインストリームにする能力はない、と彼を無視した。そんなレガシーな自動車メーカーの買収は選択肢にあるか問われたマスク氏は、それは可能だが条件があると答えた。

「敵対的な企業買収は絶対に行わない。友好的で『Teslaと合併するのも悪くないね』という感じの話なら、乗ってもいい。敵対的企業買収のような状況にはしたくはない」とマスク氏 氏はいう。

Teslaは現在、羨望の的になっているが、マスク氏は再度、同社の株価高すぎると語った。Teslaは12月21日にS&P 500 Indexに加わる予定で、年間生産台数ではるかに多い競合他社をしのぎ、世界で最も価値のある自動車メーカーとなっている。

投資家がTesla株に投資するのは、同社を自動車メーカーというよりもテクノロジー企業と見ているからだ。ただし現時点では、同社の売上の大半が自動車の販売によるものだが。

マスク氏は、初期のころTeslaはほとんどの自動車メーカーに無視されていたと指摘する。

「2007年にRoadsterを発売したとき、『おやおや、あなたたちは馬鹿者の集まりだ』というだけだった」とマスク氏はいう。そして競合他社は、以前よりもはるかに友好的になったと付け加えた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXは有人火星面着陸を2024〜2026年に実現させるとイーロン・マスク氏

SpaceX(スペースX)の創設者でCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、米国時間12月1日に大手メディア企業Axel Springer(アクセル・シュプリンガー)から賞を贈られたが、そこで彼は腰を据え、宇宙、Tesla(テスラ)、AIなど、幅広い話題にわたるインタビューに応えた。マスク氏はまず、SpaceXの火星への野心について語り、SpaceXの次世代宇宙船Starship(スターシップ)で赤い惑星へ到達するまでの現在のタイムラインを示した。彼らは、今週末までにこの宇宙船の新たな高高度試験飛行が実施できればと考えている。

マスク氏は、火星の有人着陸を6年後あたりに想定しているという。そのタイムラインには「とても自信がある」と彼は話していた。これは、地球と火星の太陽を巡る公転軌道上の位置が、26カ月ごとに最接近するという事実に基づくものだ。無人火星飛行と着陸は、次の最接近時、つまり今から約2年後を目指している。さらに、運が良ければ、今から6年後ではなく4年後の最接近時に有人着陸を果たしたいと彼は語った。

マスク氏自身が最初の軌道飛行を行うのはいつかと尋ねられると、「2年後か3年後になる」と答えた。ただし、第1の目標は「大勢の人が火星へ行き、惑星間で生活が行えるように、そして月面に基地を建設できるように」するための同社のテクノロジーを確立することだと釘を刺し、自身の個人的な目標を抑えて謙虚に答えた。

彼はまた、最後には火星に埋葬されたいという願望(火星に宇宙船が墜落して事故死するという意味ではなく)を繰り返した後、宇宙旅行社会の到来が現実になるとの信念と、ゆくゆくは人類の生存には必須のものになるという考えを示したが、それは避けて通れないリスクということではなく楽しく、エキサイティングで、魅力的なものであって欲しいとも語った。

Starshipは、先に述べたとおり、最初の大規模な高高度試験飛行に向けて動き出している。打ち上げはテキサスにあるSpaceXの開発施設で、早ければ今週末までには実施される予定だ。だが同社は、実際の飛行の前に、試作エンジンの重要な地上燃焼試験を済ませる必要がある。

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(翻訳:金井哲夫)

LINEがOpenAI「GPT」・Google「T5」同様の超巨大汎用言語モデルをNAVERと共同開発、世界初の日本語特化

LINEがOpenAI「GPT」・Google「T5」同様の超巨大汎用言語モデルをNAVERと共同開発、世界初の日本語特化

LINEは11月25日、韓国NAVERと共同で、日本語に特化した超巨大言語モデル開発と、その処理に必要なインフラ構築についての取り組みを発表した。超巨大言語モデル(膨大なデータから生成された汎用言語モデル)は、AIによる、より自然な言語処理・言語表現を可能にするもので、日本語に特化した超巨大言語モデル開発は、世界でも初めての試みとしている。

従来の特化型言語モデルは、Q&A、対話など各ユースケースに対して、自然言語処理エンジンが個別に学習する必要がある。一方、OpenAI開発の「GPT」(Generative Pre-trained Transformer)や、Googleの「T5」(Text-to-Text Transfer Transformer)に代表される汎用言語モデルでは、新聞記事や百科事典、小説、コーディングなど膨大な言語データを学習させた言語モデルを構築し、その上でコンテキスト設定を行うための「Few-Shot Learning」(FSL)を実行するだけで、対話・翻訳・入力補完・文書生成・プログラミングコードなど様々な言語処理が可能。これにより、個々のユースケースを簡単に実現できることが期待される。

FSLとは、ブログの書き出しや、プログラミングコードの一部など少ない情報を新たに与えると、事前に構築した情報を基に、最もそれらしいと判断した文字列を生成すること。事前に学習させた上で、新しい言葉(「おはよう」)を与えると、最もそれらしいと判断した文字列(「おはようございます」など)を返すなどが例として挙げられる。

今回のLINEおよびNAVERによる取り組みでは、日本語に特化した汎用言語モデルを開発するにあたり、1750億以上のパラメーターと、100億ページ以上の日本語データを学習データとして利用予定。これは現在世界に存在する日本語をベースにした言語モデルのパラメーター量と学習量を大きく超えるものとなる。パラメーター量と学習量については、今後も拡大していくという。今回の取り組みにより、日本語におけるAIの水準が格段に向上し、日本語AIの可能性が大きく広がることが予想されるとしている。

また現在、超巨大言語モデルは世界でも英語のみが存在・商用化しており(OpenAIが開発し、Microsoftがライセンスを保有する「GPT-3」)、他言語の開発についても、ごく少数の取り組みが発表されているのみとなっている。

これは、超巨大言語モデルの処理には数百GBものメモリーが必要と考えられているためで、世界でも指折りの性能を持つスーパーコンピューターなど、高度なインフラ環境が必要となる。

今回LINEはNAVERと共同で、同モデルを迅速・安全に処理できる700PFLOPS(ペタフロップス)以上の性能を備えた世界でも有数のスーパーコンピューターを活用し、超巨大言語モデルの土台となるインフラの整備を年内に実現予定。

LINEは、英語において実現している精度に匹敵またはそれ以上の、日本語の超巨大言語モデルを創出。開発された超巨大言語モデルは、新しい対話AIの開発や検索サービスの品質向上など、AIテクノロジーブランド「LINE CLOVA」をはじめとするLINEのサービスへの活用のほか、第三者との共同開発や、APIの外部提供についても検討予定。

GPTは、OpenAIが2019年2月に発表した、文章生成に強い能力を持つ汎用型言語モデルに関する論文。2019年11月に15億のパラメーターをもつ汎用型言語モデル「GPT-2」がリリースされた。2020年5月に1750億のパラメーターを持つ「GPT-3」の構想が発表され、 翌月にベータ版を公開、8月には商用化。「GPT-3」は「GPT-2」と比較して圧倒的なデータ量を持つことにより、長文の文章生成能力が飛躍的に向上し、世界的に注目されている。

GoogleのT5は、GPTと同じくトランスフォーマー(Transformer)と呼ばれる自然言語処理技術を用いるが、文章生成よりも翻訳・質疑応答・分類・要約などの文書変換処理を目的とした構成を採用。入力(タスク)と出力(回答)の両方をテキストのフォーマットに統一して、転移学習を行うことで、すべてのタスクを同じモデルで解く。学習データを変更することで、同じモデルで様々なタスクが解けるとされる。

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SpaceXがStarship宇宙船初の高高度試験飛行を来週に設定

SpaceX(スペースX)は、Starship宇宙船開発プログラムにおける次の重要なフェーズに進む準備ができたようだ。そのフェーズとは15kmの試験飛行で、これまでStarshipのプロトタイプが達成した最大高度をはるかに超えるものとなる。現在までに記録されたホップテストの最高高度は約150mだったからだ。Elon Musk(イーロン・マスク)氏はSpaceXが最初の高高度試験を、来週のある日に行う予定だ(Twitter投稿)と話している。

この暫定的な日付(これらは常に変更になる可能性がある)は、現在のSN8世代のプロトタイプが静的点火試験(基本的に発射台に固定したまま試験用宇宙船のラプターエンジンの点火だけを行うテスト)に成功した後になる。それは実際の飛行への道を開く重要なステップであり、宇宙船が地上を離れる前に、稼働したエンジンの圧力に持ち堪え、耐えられることを証明するものだ。

SpaceXのSN8プロトタイプは、いくつかの点で以前のバージョンとは異なっている。最も明らかなのは、ノーズフィンとともにノーズコーンが実際に装備されているということだ。これまで短いテストホップを行ったSN6を含むプロトタイプは、ノーズコーンの代わりに質量シミュレーターとして知られるもの(つまりノーズコーンと同じ重量のおもり)が先端部分に取り付けられていた。

マスク氏は、SN8の高高度飛行が計画通りに進む可能性は高くないと付け加え、多くのことが正しく機能しなければならないことを考えると「可能性は3分の1くらいだろう」と見積もっている。そのためSpaceXはすでにSN9とSN10の準備をしており、それがStarshipのこれまでの開発プログラムのテーマであると言及した。つまり、テストと反復作業を迅速に行うために、連続した数世代のプロトタイプを並行して早急に製作しているというわけだ。

打ち上げがいつ行われるかについては、地元の規制当局に提出された警戒警報から、おそらく知ることができるだろう。SpaceXのStarshipプログラムが大きく飛躍することを期待しながら、来週は我々のお伝えする新たな情報に注目していただきたい。

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カテゴリー:宇宙
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(翻訳:TechCrunch Japan)

イーロン・マスク氏のTeslaブランドのテキーラ「Teslaquila」が約2万6000円で発売

議論を巻き起こしたTesla(テスラ)が経営破綻したという同社CEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏のエイプリルフールのジョークで登場したTeslaブランドの酒、Teslaquila(テスラキーラ)がお目見えした。

同社はいま、Teslaテキーラ(オリジナルのTeslaquilaブランドとは少し異なる)をウェブサイトのリストに載せている。「持続可能な方法で調達しているプレミアムなハイランドアガベとローランドアガベ100%のスモールバッチ」と説明されているこのテキーラは、充電のシンボルをかたどった手吹きガラス瓶に入っている。価格は250ドル(約2万6000円)だ。

セレブがプロデュースしたテキーラはさほど目新しいものではない。俳優のGeorge Clooney(ジョージ・クルーニー)氏が共同で興したテキーラブランドCasamigos(カサミゴス)はDiageo(ディアジオ)に買収され、買収額は10億ドル(約1036億円)だった。Teslaのテキーラは自動車メーカーが販売する初のアルコールかもしれない。同社によると、中身はNosotros Tequila(ノソトロス・テキーラ)が生産しているという。

Teslaのテキーラは2018年4月、頬に乾いた涙の跡が残る意識消失したマスク氏がTesla Model 3に寄りかかり、そして近くに「Teslaquilla」のボトルが転がっているという自身の写真をツイートしたときに初めて登場した。写真の中でマスク氏は「破産」と書かれた段ボールを持っていた。

Teslaは2019年に、米特許商標庁に「Teslaquilla」の商標登録を出願していた。

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(翻訳:Mizoguchi

「テスラはスタートアップの集合体だ」とイーロン・マスク氏と語る、まもなく保険事業も開始

米国時間10月22日、投資家やジャーナリストとの電話会議の中で、Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自身の21日のツイートを説明するに求められた。その中で、マスク氏は「テスラは、実際にはおよそ十数社の技術系スタートアップと考えるべきで、その多くは伝統的な自動車会社とはほとんど、あるいはまったく関係がありません」と述べている。

マスク氏によれば、テスラには10社以上のスタートアップが存在し、製品ラインや工場をスタートアップとして捉えていると説明しているという。テスラはバッテリーや家庭用ソーラーパネルなどを製造しており、さらに自動車保険も提供しようとしている。

自動車製造以外の分野での成長の可能性について質問されると、マスク氏は保険に言及した。保険事業はテスラの自動車事業の30~40%に成長する可能性があるという。

この戦略は高いペースで常に製品のアップデートを展開しているテスラにとって、うまく機能しているようだ。新機能は予告なしにやってくるし、テスラがさまざまな自動車部品部門を部門の集合体ではなく、会社の集合体として扱うこの戦略は理に適っている。

マスク氏によるスタートアップの中には自律運転、チップ設計、車両サービス、販売、駆動装置の設計、モーター、スーパーチャージャーネットワーク、そしてまもなく保険などが含まれるという。

「テスラについて人々が理解していないのは、(会社は)スタートアップの連鎖であるということです」とマスク氏は語る。「人々は『以前はそんなことをしていなかったのに』といいますが、ええ、現在はそれに取り組んでいますよ。我々は他のスタートアップと比べて少し遅れていますが、実際に失敗したことはないと思います」。

マスク氏はどの事業もスピンアウトする計画はないと結論、複雑さを増す必要はないと指摘した。

関連記事:Teslaの第3四半期決算がウォール街の予測を大幅に超え9163億7000万円の売上を報告

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

イーロン・マスク氏のラスベガスループの旅客輸送能力は想定より大幅に少ない可能性

新型コロナウイルスの感染拡大前まで、米国最大の電子機器見本市CESには17万人を超える参加者が集い、そのため会場周辺の道路は日夜渋滞していた。そうした混雑を少しでも吸収しようと、ラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)は昨年、会場を拡大するのに使う旅客輸送手段を計画した。展示会場と駐車場の間を毎時最大4400人の参加者の移動を可能にする輸送手段を求めていた。

LVCCは、1回の運行で参加者数百人をシャトル輸送できる従来型のライトレールを考えた。しかし、結局イーロン・マスク氏のThe Boring Company(ザ・ボーリング・カンパニー、TBC)による地下システムを選んだ。(未訳記事)。これは主に、マスク氏の提案のほうが数千万ドル(数十億円)安かったからだ。LVCCのLoop(ループ)は、地下に掘った長さ0.8マイル(約1.3km)のトンネル2本の中を4人ないし5人が乗り込んだTesla(テスラ)車両を走行させてイベント出席者を輸送するというものだ。

しかしTechCrunchがレビューした計画ファイルではLoopシステムは、LVCCが望むほどの人数を運ぶことはできないようだ。TBCも認めた。

Loopシステムには3つの駅があるが、その1つでの乗降ゾーンの収容人数は1時間あたり800人だと防火法規は判断している。ほかの駅も同様の上限となれば、システムが1時間に輸送できるのはわずか1200人ということになり、これは当初約束された輸送能力の約4分の1だ。

もしTBCが目標とするパフォーマンスを達成できなければ、同社は建設予算の1300万ドル(約14億円)超をもらうことはできない。そしてシステムの運用が始まれば、罰金が科せられることになる。

TBCもラスベガス観光局(LVCVA)も複数回にわたるコメントの求めには応じなかった。

防火法規は車近くの乗降ゾーンの収容人数を1時間800人に制限している(画像クレジット:TBC/Clark County)

LVCCは常に、Loopについてはギャンブルだと認識していた。マスク氏はロサンゼルス近くにデモンストレーション用の短いトンネルを掘ったが、実際にはラスベガスが客・サービス要件を伴う初の公共システムになる。ラスベガスCarolyn Goodman(キャロリン・グッドマン)市長の2019年5月の分析では、TBCの証明されていないシステムはLVCCの母体LVCVAにとってハイリスクとなると結論づけた。

そのため、LVCVAがThe Boring Companyと契約を結んだとき、マスク氏が約束したものを提供するよう促すのに最善を尽くした。契約は固定価格となる見込みで、TBCはすべての支払いを受けるには特定のマイルストーンを達成しなければならない。トンネル掘削完了で(いつ完了してもおかしくない)、TBCは総額の30%余りを受け取る。次の大きなマイルストーンはシステムの完成で、そうなれば1000万ドル(約11億円)超の支払いを受けることになる。

システムは10月1日完成予定で、本来なら1月のCESショーに間に合うはずだった。しかし、CES 2021はバーチャルで行われることになり、マスク氏にかかる時間的なプレッシャーは減ったが、おそらく同氏はまだ支払いを求めているだろう。

10月12日の週にマスク氏は、システムが1カ月かそこらでオープンし、駅の最終仕上げ作業が残っているとツイートした。

テストと安全レポートの完了というもう1つのマイルストーンを達成すれば、何人の乗客を輸送できるかというのがシステムの最終課題になる。もしLoopが1時間に客2200人の輸送能力を示すことができれば、TBCは440万ドル(約4億6000万円)を受け取る。そして3300人を達成すれば再び同じ額をもらえる。4400人達成のときも同様だ。輸送能力に応じた支払いの総額は固定契約金の30%に相当する。

TBCがもしそうした輸送能力をテスト中に達成したとしても、システム運用後にその能力を維持できないかもしれないとLVCVAは懸念していた。なので、もう1つの要件を加えていた。「全施設を使ったトレードショーイベント向けのシステム輸送能力を提供できなかった場合、損害賠償が適用されることに(TBCは)同意する」。

大規模なイベント開催ごとに、TBCが1時間あたり平均3960人の輸送を13時間提供できなかった場合、同社はLVCVAに賠償金30万ドル(約3150万円)を支払わなければならない。もしTBCがずっと輸送をフルに提供できず賠償金を支払い続けた場合、その額は最大450万ドル(約4億7000万円)になる。

では、TBCそしてLVCVAが望む輸送能力を阻むものは何か。地下交通システム向けの火災予防規則があり、火災が起こった時の混雑を避けるために警音、スプリンクラー、非常用出口、最大収容人数などが定められている。

TBCが提出した建設計画にはLoopの地上駅の1つにかかる消防規則分析が含まれている。

画像クレジット:The Boring Company/Clark County NV

上の計画のスクリーンショットには「Tesla(テスラ)車両に乗降するエリアのピーク時の最大収容人数は7.5分ごとに100人で、これは1時間あたり乗客800人に相当する」と記されている。たとえ他の駅の収容人数がこれよりも多くてもシステムの時間収容人数は1200人に制限される。

「それは正しいと思われます」とニューヨークにある刑事司法を専門とする大学ジョン・ジェイ・カレッジ・オブ・クリミナル・ジャスティスのセキュリティ、火災、非常事態管理の教授Glenn Corbett(グレン・コルベット)氏は話す。「しかしそれがボトルネックなら、安全の観点からの疑問は(1時間800人に)どうやってコントロールするかです。それは純粋にルールを運用する人間の誠実性に頼るのか、それとも人々を締め出すための機械的な仕組みが用意されるのか」。

計画には入場を制限する改札口や障害物は示されていない。

安全制限の件がなくても、Loopは目標収容人数の達成には苦戦するかもしれない。Loop駅の10の区画はそれぞれ1時間たり乗客100人をさばかなければならず、各車両が何人を運ぶかにもよるがおそらく100超の到着と出発に対応することになる。そうすると、人々や荷物の乗降のための時間はわずかで、0.8マイルの輸送やときどき行われる充電については言うまでもない。

  1. Loop4

  2. Loop5

  3. Loop6

  4. Loop7

TBCのLoopウェブサイトにはシステムには自動走行車両が使われると書かれているが、TBCの幹部は昨年、計画委員会に車両が「追加の安全のために」人間のドライバーを乗せるかもしれないと伝えた。TBCはLoop向けに最大16人乗りの大型自動走行シャトルの開発を提案した。しかし最新の提案では従来のセダンが活用されており、マスク氏は今週「我々はかなりこれをシンプルにしました。現時点では基本的にトンネルの中を走行するのはテスラだけ」とツイートした。

TBCが提出した最新の資料にはまた、Loopの元のデザインに変更が施されていることが示されている。

印象的なカーブしたルーフはなくなり、地上駅はいま、テスラ車両の充電に活用する平らな太陽光発電の天蓋を有している。これらのターミナルステーションはそれぞれにSupercharger(急速充電)ステーションが備えられ、地中のトンネルで使われているのと似ているコンクリートセグメントでできている「彫刻の展示」も置かれる。

中央の地下駅には大きなオープンプラットフォームがあり、電気設備や安全設備、IT機器などを備える。各駅にはテスラ車両10台が客を乗降させる区画がある。

最初のLoopを運行する前だが、TBCは近くにもう2つのLoopトンネルを掘ることを計画している。 LVCCをウィン・アンコール・アンド・リゾーツ・ワールド・カジノにつなげるためだ。

アンコールへのトンネルは、安全規則に則って途中に緊急出口を設ける必要があるほどに長いものだ。計画には緊急出口シャフトと小さなハッチが示されているが、火災や故障から逃れる乗客が階段あるいは梯子をのぼることが想定されているのかは不明だ。

画像クレジット:The Boring Company/Clark County NV

TBCは昨年、提案しているボルチモアとワシントンD.C.をつなぐLoopに緊急梯子を盛り込んだ。動きに制限のある乗客のことを考えていないとして、コルベット氏が「狂気の定義」と呼んだシステムだ。このプロジェクトはいま一時停止している。

TBCの公式目標は、LVCC Loopを地元の人々の移動手段から、ストリップ区域、空港、ゆくゆくはロサンゼルスにもつながるようベガス全体の輸送システムに広げることだ。同社が旅客輸送能力、そして小規模のコンベンション・センター・システムからの売上高に苦戦しているのなら、野心で描いた将来は疑わしいかもしれない。

カテゴリー:モビリティ
タグ:イーロン・マスク、The Boring Company、CES

画像クレジット: Maximilian Müller / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

イーロン・マスク氏がTesla Model Sの値下げをツイート、米国で730万円程度に

Tesla Model Sの価格が少し安くなりそうだ。

Tesla(テスラ)のCEOであり、ミームメーカーであるイーロン・マスク氏は、Model Sセダンの価格がまもなく6万9420ドル(約730万円)になるとツイートした。これは気まぐれや共同購入によるものではなく、Lucid(ルーシッド)が数時間前にLucid Airの価格を引き下げたことに反応したものと思われる。

上のツイートにあるようにマスク氏は「The gauntlet has been thrown down」(挑戦状は投げ捨てられた)と書いている。

Lucidは米国時間10月14日、エントリーレベルのセダンが7万7400ドル(約815万円)から7500ドル(約79万円)の米国税額控除を差し引いた価格になることを発表した。ほとんどの購入者がこの控除を受けられるので実質6万9900ドル(約735万円)になる。つまり、そういうことだ。

Model Sセダンの新しいスタート価格は6万9420ドルで、これは今週2回目の値下げとなる。CNETの自動車情報メディアであるRoad Showは米国時間10月13日、テスラが今週初めにModel Sは3000ドル(約31万6000円)値下げしたと報じた。今年の初め、テスラはModel Sを当初の価格から2000ドル(約21万円)値下げしている。

Lucid Airは、Model Sに対抗する強敵になりそうだ。Model Sの航続可能距離をほぼカバーしており、現在価格が設定されているエントリーレベルのモデルでさえ、Model Sの400マイル(約643km)以上に対応している。Lucid AirはModel Sより軽く、速く、正直言って新しい。Model Sは2012年の発売以来、全体的な形状と使用感は変わっていない。

TechCrunchとの最近のインタビューの中で、LucidのCEOであるPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は、Lucid Airの価格は「8万ドルよりも驚くほど安い」と語っていた。今回の価格設定は「驚くべきこと」とは言えないが、Lucid Airは、装備の整った欧州の中型スポーツカー、さらに重要なのはModel Sとと同じ価格帯になることだ。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

HBOがイーロン・マスクとSpaceXの6エピソードの限定シリーズを制作中

HBOが、イーロン・マスク氏とSpaceXの創業期を描いた6エピソードの限定シリーズを制作中であるとVarietyが報じている。この番組は、Tesla(テスラ)のCEOでありSpaceXの創業者のマスク氏について書かれたAshlee Vance(アシュリー・バンス)氏の伝記を基にしたものになる予定だ。Varietyの記事によると、億万長者の起業家自身はこのプロジェクトには直接関与していないという。

この限定シリーズでは、マスク氏が小さなエンジニアチームを採用して最初のSpaceXロケットの建造と打ち上げなどを実現した開発部分に焦点を当てる予定だ。シリーズの製作総指揮は、Channing Tatum(チャニング・テイタム)氏とその制作会社、そしてDoug Jung(ダグ・ユング)氏が担当。脚本は、以前に「スター・トレック BEYOND」やNetflixシリーズ「マインドハンター」などのSF映画を数多く手掛けたユング氏が担当するという。

一風変わった億万長者の起業家が伝記小説の中で描かれるのは初めてのことで、SpaceXとマスク氏の描写は興味深いものになるはずだ。SpaceXは創業当初、ロシアの宇宙企業にアプローチして既製品ロケットを購入する可能性があったが、費用がかかりすぎると判断して自社で作ることに決めるなど、話のネタには事欠かない。興味のある読者は、Kimbal Musk(キンバル・マスク)氏のBlogspotで、SpaceXのプロセスの一部と、その初期の頃のオリジナルのロケットを作る過程が詳しく紹介されているのでチェックしておこう。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

イーロン・マスク氏が「Starship宇宙船開発プログラムのアップデートは3週間後に来る」と発表

SpaceXの創業者でCEOのイーロン・マスク氏によると、SpaceXは約3週間後にStarship(スターシップ)宇宙船で何が起こっているかについての最新情報を提供する予定だという。Starshipは完全に再利用可能な次世代宇宙船で、同社はFalcon 9やFalcon Heavyを含むすべてのロケットに取って代わることを目的に開発を進めている。地球の軌道上、さらには月、そして最終的には火星へのミッションを目指す。

Starshipは、SpaceXがテキサス州にある開発施設で一度に複数のプロトタイプを組み立てたため、ここ数週間で急速な進歩を遂げている。Starship SN6は、その前の同SN5と同様にホップテストを完了し、150m(500フィート弱)まで上昇した後、制御された着陸のために再び降下した。Starship SN8は現在、高高度飛行の準備を進めており、数週間後のアップデートでは「V1.0」のプロトタイプを発表する予定だとマスク氏は表明している。

SpaceXはStarshipに多くのことを依存している。Artemis(アルテミス)プログラムの一部として、将来的にNASAからの有人飛行のための月面着陸ミッションのための潜在的な契約を含む。スペースXは、ブルー・オリジンの業界をリードするチーム、ダイナティクスと並んで、これらの契約に入札するためにNASAから選ばれた3社のうちの1社である。

SpaceXは、Artemis(アルテミス)計画の一環として、将来NASAからの有人飛行のための月面着陸ミッションの契約を含む、多くのものをStarshipに乗せている。同社は、Blue Origin率いる業界横断チーム、そして応用科学および情報技術企業のDynetics(ダイネティクス)とともに、これらの契約に入札するためにNASaによって選ばれた3社のうちの1社だ。

一方でマスク氏は、SpaceXのStarlink(スターリンク)インターネットサービスは、テキサス州でStarshipの開発が進められているブラウンズビル地区では技術的には到達可能だが、米国のはるか南から接続品質が実際に良好になるのは約3カ月後だと述べた。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラが1万エーカーのリチウム粘土鉱床の権利を取得、リチウム採掘事業に自ら参入へ

1年ほど前、Tesla(テスラ)の2019年の年次株主総会でCEOのイーロン・マスク氏は、同社が「電気自動車のバッテリーに使われる鉱物の採掘事業に参入するかもしれない」と発言していた。

米国時間9月23日、年次株式総会後に開催されたイベント「Battry Day」で同氏は、米国ネバダ州にある1万エーカー(4047平方m)のリチウム粘土鉱床の権利を取得することで、同社が正式な第一歩を踏み出していることを明らかにした。

リチウム鉱山は、より安く、より効率的なバッテリーの製造を実現し、最終的には自動車の価格を下げることを可能にするというテスラの広範な計画の一部だ。また、テスラがサプライチェーンを自社に近づけようとしている一例でもある。

マスク氏と、同社のパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏は、最終的に年間10~20TWh(テラワット時)のバッテリー生産量を持つようにするための同社の計画と進捗状況を明らかにした。この計画の中心にあるのは、同社がイベントで発表した新しいタブレスバッテリーセルだ。両氏は開発中の新しい製造システムや、それをサポートするためのインフラの構築計画など、この大きなミッションのほかの部分についても概説した。リチウム鉱山と提案されているカソード施設は、いずれも北米に建設される予定で、テスラの工場と事業のポートフォリオに新たに加わった2つの施設になる。

「北米に独自のカソード(陰極、正電荷が流れ込むほうの電極)工場を建設し、北米に存在するニッケルとリチウムのすべての資源を活用し、カソードのサプライチェーンと生産を現地化することで、カソードで使用されるすべての材料の走行距離を80%削減することができます」とバグリーノ氏は説明する。

同氏によると、提案されているカソード工場の隣にはリチウム転換施設があるとのことで、同社は硫酸塩を含まない新しい製造プロセスに取り組んでおり、リチウムコストを33%削減できると主張している。

カソード工場がどこにあるのか、いつ建設されるのかは明らかになっていない。しかし、サプライチェーンを緊密にすることが目的ならば、テスラが最近採掘権を購入したリチウム粘土の区画の隣にできるかもしれない。

反応性のあるアルカリ金属を採掘するには環境コストがかかる。しかし、マスク氏は「より良いプロセスを見つけた」と主張している。従来のリチウムの採掘には大量の水が必要で、鉱夫は土地に穴を開け、地表にかん水を汲み上げ、そこから水が蒸発するまで放置する。そうして残るのが、マンガンやリチウム塩などの鉱物の混合物だ。そして、これをリチウムを抽出できるようになるまでろ過し続ける必要がある。

しかしマスク氏は「塩化ナトリウムや食卓塩を使って鉱石からリチウムを抽出する新しいプロセスがある」と説明する。「私の知る限りでは、これまで誰もやったことがありませんでした。このプロセスに含まれるすべての元素は再利用可能です。これは非常に持続可能なリチウムの入手方法です」と述べている。そのうえで採掘が行われる土地は「以前とほとんど同じように見えるだろう」と締めくくった。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

未来のテスラ車のバッテリーは車体と一体構造で剛性、効率、安全性、コストを改善

Tesla(テスラ)はバッテリーパックの実装方法を根本的に見直し、単なる燃料源ではなく、車両の構造要素に変えようとしている。米国時間9月22日のTeslaバッテリーイベントで、Elon Musk(イーロン・マスク)氏はこれを民間航空機の燃料タンクと比較して話した。かつては翼の中のタンクに燃料を入れていたが、タンクは内部構造にボルトで止められていた。後に、翼自体を燃料タンクにすることで、燃料の搭載量だけでなく、重量や部品使用に関してもずっと効率がよくなることに気がついた。

「現代の飛行機では、燃料タンクというより翼は燃料タンクそのものが翼の形をしているだけだ」とMマスク氏はいう。「これは間違いなく取るべき道だ。燃料タンクは二重構造になっており、もはや貨物ではない。それは飛行機の構造の基本であり、技術の大躍進だった。我々は車で同じことをやる」。

バッテリーセルを車体の構造要素に変えることで、現在存在しているバッテリーセルの構造支柱を取り除いたと想定した机上計算以上の質量を節約できる、とマスク氏は指摘する。それは、バッテリー自体が支柱のかなりの役割を果たすからだ。その結果、直感に反するかもしれないが、車両全体の安全性も高まると同氏はいう。

Teslaは、構造接着剤として働きさらに難燃剤としても機能する充填剤を作ることでこれを実現しようとしている。結果的に「バッテリーセルを車体の上部板と下部板に接着させ、上下の鉄板の間でせん断伝達が可能になる」とマスク氏はいう。

関連記事:Tesla introduces its tabless battery design on the road to 10 terawatt hours of production

「こうすることで驚くべき剛性が生まれ、実質的に二層の鉄板の間にハニカム構造をサンドイッチすることになる。これは超高速なもののあるべき姿だ」と彼はいう。「実際、飛行機よりもうまくいく、なぜなら燃料は液体なのでこうはいかないからだ」。

最終的に、Tesla車をどんな一般車よりも堅牢にできる構造ができ上がる。堅牢な設計は全体的安全面からも優れており、バッテリーはさらに効率的になるとともに、バッテリーセル自体にかかる応力やひずみによる「任意点集中荷重」を避けることができる。

「さらに、バッテリーセルを車体の中央に近づけることができる、なぜならあらゆる支柱の類がなくなるからだ」とマスク氏は語る。「つまり構造的パッケージの体積効率は非構造的パッケージよりもはるかに高い。しかも、バッテリーセルは中央に近づく」。

これで側面衝突の衝撃がバッテリーセルに到達する可能性が低くなり、バッテリー火災の原因になる衝撃を受けにくくなる。加えて、「極慣性モーメントを改善する」とマスク氏はいう。これは、車両の総合的操縦性や運転、操作の感覚が向上することを意味している。

最後に、構造的バッテリー設計では現在のTesla車のバッテリー設計より部品が370個少なくなり、これはコストおよび潜在的故障箇所を大きく減少させる。新方式は、彼が発表した他のバッテリー革新と合わせて、製造面でも大きな節約になるとマスク氏は語った。

関連記事:イーロン・マスク氏がバッテリーの技術革新でテスラの電気自動車が約260万円になると発言

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク氏がバッテリーの技術革新でテスラの電気自動車が約260万円になると発言

Teslaは米国時間9月24日のBattery Dayイベントで、同社の自動車用バッテリー技術におけるさまざまなイノベーションを披露した。イベントでTeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏とパワートレインとエネルギー技術担当上級副社長であるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏は、同社の新しいアノードおよびカソード技術と材料科学、リチウムの自社採掘、バッテリーをより安価にし持続可能にする製造工程の改良などについて解説。これらを統合することで、2万5000ドル(約260万円)の価格帯で電気自動車を消費者に提供できるようになるはずだと述べている。

「2万5000ドルという価格帯で、非常に魅力的な電気自動車を作ることができると確信している。しかもそれは、完全な自動運転が可能だ。2万5000ドルは、電気自動車の価格としてはとても安価なものであり、多くの人が気軽に電気自動車を買えるようになるだろう」とマスク氏はいう。

マスク氏がTesla車の2万5000ドルの価格帯について口にするのは、これが初めてではない。2018年8月に彼は、3年ほどでその目標価格帯を実現できると述べている。しかし同じく2018年8月にマスク氏とバグリーノ氏は同社が定時した技術を効果的な規模で量産するには2、3年先のことになると認めているため、2年経った現在、ゴールポストはまた遠くなったようだ。これはマスク氏によくある話だ。

Teslaは年間10〜20テラワットという世界的なバッテリー生産能力達成の実現に役立つ新しいタブレスバッテリーセルの設計も詳細に発表した。この設計は既存セルの5倍のエネルギー密度と6倍の出力を提供し、使用する車両の航続距離を16%伸ばすという。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa