ニューヨークの130のハイスクールがAmazonの出資でコンピューターサイエンスのクラスを導入

【抄訳】
Amazonが新本社のひとつをニューヨーク市クイーンズ区ロングアイランドシティーに置く、と決めてから、その後同社は、ニューヨークの130あまりのハイスクールにコンピューターサイエンスのクラスを開設するための出資をする、と発表した。具体的には、Amazonはニューヨーク市の5つの区すべてに、コンピューターサイエンスの入門クラスとアドバンスト・プレイスメント(AP)クラスを設けるための出資をするが、とくに新本社のお膝元であるクイーンズ区では30あまりの学校を対象にする。

そのコースはAmazon Future Engineer事業がサポートする。この事業の目標は1年に1000万以上の子どもにコンピューターサイエンスを教え、また、アメリカの低所得地域のハイスクール2000校の恵まれない子どもたち10万名あまりに、コンピューターサイエンスの学習資金を提供することだ。そしてさらに、1年に100名の生徒に4年間1万ドルの奨学金とAmazonにおけるインターンシップを提供する。

Amazonによると、ニューヨーク地区の学校への出資は、入門課程と個人指導と教師のための専門教育を対象とする。生徒たちには計画性のあるデジタルカリキュラムを提供し、また教師も生徒も共に、ライブの–リアルタイムの–オンラインサポートを受けられる。

参加生徒の全員がAWS Educateに無料で入会し、プログラミングの実習などではAWS Cloudのコンピューティングパワーを無料で利用できる。

Amazonがニューヨーク市での教育事業に力を入れるのはもちろん、新本社のある地域で将来の人材を育てたいからだが、Amazonの“HQ2”(第二本社)計画に立候補して落選した地域は、そのことだけでなく将来の科学技術教育でも割りを食うことになる。

また全国的に、科学技術教育で後れを取り、教育資金もままならない地域はたくさんあるが、今回AmazonがFuture Engineer事業の対象地域として選んだニューヨーク市などは、むしろ–Amazonからの施しがなくても–科学技術教育の機会に恵まれている場所である。

【中略】

Amazonによると、Amazonが提供するコースを各高校のカリキュラムに組み込む作業は、カリキュラムプロバイダーEdhesiveが行なう。それらのクラスが組み込まれる学校のリストは、ここにある

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Blackbeltは無限に長いものを作れるベルトコンベア式3Dプリンター

ベルトコンベアーは昔から奇妙な冒険の舞台だった。チャーリー・チャップリンからルーシーまで、あのベルトに流されていく人や物はコメディーの花形だった。今は3Dプリントされた作品がBlackbeltの上を流れていくのを見ることができる。巨大オブジェクトをプリントするためのコンベア式3Dプリンターシステムだ。

BlackbeltのKickstarterキャンペーンはあと3日で始まる予定で、デスクトップ用システムが9500ユーロ、支持台付きの大型システムが1万2500ユーロになる見込みだ。プリントできる大きさは13インチ×13インチ×無限大、つまり車のサイドパネルや長い看板などもプリントできるという意味だ。異なる太さのプラスチックを射出する3種類のノズルを備えている。

詳しい説明はここで読めるが、基本的には3Dプリンティングを横に寝かせて面白いことができるシステムだ。例えば、通常このジェット機をプリントするには機首を支えるために多くの材料が必要になる。Blackbeltの技法を使うことによって、ベルトに触れた状態でプリントをスタートすることさえできれば、せり出したり、へこんだりしている物体もブリントできる。

このプリンターのプリント角度は独特で、プラスチックを先端部分にプリントすることができる。つまり、一般のFDMシステム(熱溶解積層法)のように底面から積み上げていくのではないため、支えのないものもプリントできる。Blackbeltは無限に長い物体をプリントするほかに、小さな物体を次々とプリントしてバスケットに落としていく使い方もできる。理論的には、地球を一周する長い蛇をプリントして、神話のウロボロスのように、自分のしっぽを食べるようにループさせることもできるはずだ。

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MIT、電力を小出しにできるスマート電源を開発

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MITの研究チームは、小型電子機器がエネルギーを「すする」ことのできる電源を開発した。電気を一定の流れではなくパケットにして送り出す。

ほとんどの電源装置は一定の電圧を供給する。これは、センサー等の常時電力を必要としない小型デバイスにとっては一般に効率がよくない。MITのMicrosystems Technologies Laboratoriesは、電力を要求に応じて供給し、それ以外は「休止」状態になる電源を作った。

「一般に電源コンバーターは、実際に電流を供給していない間も電力を消費している」と元MTLに所属していたArun Paidimarriは言う。「このため、例えば静止電力がマイクロアンペアなら、負荷電力がナノアンペアでも、マイクロアンペアの電流を消費することになる。このコンバーターは広い範囲の電流で効率を保つことが可能だ」。

コンバーターは最大3.3 V の入力を0.9 Vに降圧する。「これらのエネルギーのパケットに基づいて動作する。電源コンバーターの中には様々なスイッチと、インダクター、コンデンサーが入っていて、基本的にこれらのスイッチをオン/オフしている」とPaidimarriは言う。

これは、センサーがオンになり、何かの状態をチェックした後オフになれることを意味している。これが何度も繰り返されれば、IoTデバイスは極くわずかな電力(センサーと計算に必要なだけ)しか使わないですむ。

実に賢い解決策だ。要するに、デバイスがセンサー以外何も使っていなければ、少量のエネルギー「パケット」だけを供給する。デバイスが通信を行うときは「1秒間に100万パケットを供給する必要があるかもしれない」。つまりデバイスの低消費電力部分のみを動かし、高エネルギー部品は必要な時だけ活動させることができる。研究チームは最終的に50%の省電力を見込んでおり、実現すればIoTデバイスを限られたエネルギーで動作させることが容易になる。

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Udacityが自動運転車シミュレーターをオープンソース化、Unityで実装されている

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自動運転車には、人間の脳に代わって自動車を運転するソフトウェアが必要だ。そこでオンライン教育のUdacityは、その分野のナノ学位(nanodegree)を設けている。その学科の教材の一つとして自動運転車シミュレーターがあるのだけど、同社はこのほどそのシミュレーターをオープンソースにした。ゲームエンジンUnityの知識や経験のある人なら十分理解できるし、新しいシーンをロードしたり、新しい仮想テストコースを作ったりできる。

自動運転車のソフトウェアに関する教育は、その多くが仮想環境で行われる。教育を実車でやるのは費用的にも、また規制という点でも難しいからだ。しかも、そのための安全な環境を確保するのも難しい。大きな投資をして実際に自動運転車を作るところならともかく、Udacityのような総合教育機関の手には余る、大きすぎる課題だ。

Udacityは自動運転車ナノ学位の教材の一環としてオープンソースの自動運転車を一台作っているが、そのコードは世界中の何百人もの学生たちから提供され、オープンソースのライセンスで利用できる。その詳細は昨年9月に発表されたが、使用車は2016年型Lincoln MKZだ。この車種が選ばれたのは、自動運転ソフトウェアやそのコンポーネントの世界で広く利用され、それらを自動運転ソフトウェアのデベロッパーのために売っている企業もあるからだ。

今回シミュレーターをオープンソースにしたのも、そういったオープン化努力の一環だが、この大きくて複雑な問題に取り組んでいる人びとに、さらに基礎的なツールが提供されることになるだろう。Grand Theft Auto Vのようなシミュレーションツールも、自動運転ソフトウェアの試運転には十分使える仮想環境を提供する、と実証されているが、ツールは多いほど良い。しかもUdacityのファウンダーSebastian Thrunは、以前Googleで自動運転車プロジェクトを指揮していた人物なのだ。

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‘音のPhotoshop’を自称する音響加工技術のiZotopeがさらに$7.5Mを調達

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Inceptionの予告編と、Rolling Stonesのレコードのリマスター盤と、ポッドキャストのSerialの共通点は何か?

どれも、すごいこと。そしてそれらの作者たちが全員、バックグラウンドではiZotopeのプロダクトを使って、そのすごさを演出していることだ。

iZotopeは2001年にMITの学部学生たちが創業し、最初にレコードシミュレーターの無料のプラグインをリリースして、競争の激しい音楽シーンでいきなり頭角を現した。2013年にはついにギアがオーバードライブに入り、1200万ドルのベンチャー資金を獲得した。今日(米国時間6/23)同社は新たに750万ドルの資金調達を発表したが、そのうちの250万ドルはABS Capitalと個人たちからのベンチャー資金、残る500万ドルはComericaからの融資枠だ。

“うちは音のPhotoshopみたいなもんだ”、とiZotopeのCEO Mark Ethierは語る。

そのAdobeと同じくiZotopeも、2003年にテレビの録音技術でエミー賞を取った。同社は、音のマスタリング、ミキシング、そして修復加工のためのソフトウェアとハードウェアを作っている。

本物のオーディオ狂(つまりぼくのお父ちゃん)についてぼくが知ってることといえば、新しいサウンドを体験するためなら何でもする、ということだ。そういう人にとっては、Native Instruments Komplete 10ライブラリにある12000のサウンドでも足りない。そんな人たちにiZotopeは、少なくともつかの間の逃避先を与える。

iZotopeのメインの仕事は、オーディオのトラックを修復加工するためのソフトウェアの制作だ。あなたは今、Mr.Robotの最終回を作っていて、すべてが完璧にできた。パチパチ音をたてて燃えている火のそばに、 White Roseが座っている。その表情も、ハープも、時計の音も、Emperor Neroのストーリーにふさわしく完全だ。

ところがそのとき、画面の外で、給仕を演じているエキストラが、オードブルがのっているトレイを床に落とした。以前なら、こんな場合は撮り直しになり、最初の完璧な雰囲気は失われる。しかしiZotopeのアルゴリズムは一種の音響スペクトログラムを作り、音を画像で表す。その画像を見ながらオーディオ技師たちは、要らない音を削除できる。

同社は2013年以降、倍の大きさになり、今の社員は100名を超えている。今後は製品の多様化とともに、より広い顧客ベースに奉仕していきたい、と考えている。

iZotopeの顧客は有名大企業が多いが、ホビイストや、自宅にスタジオがあってホームビデオを作っている人たちにも売っている。

“Star Warsの音響効果を作ったのと同じツールを、ミュージシャンたちが使ってドラムの音を加工している”、とEthierは付け加える。

競合製品は単純性とタップ一発で使えるモバイルのソリューションを売りにしているが、iZotopeはユーザー体験をだいじにしつつも、カスタマイズやコントロール、そして最先端の音響処理を重視している。

“今では、深層学習と機械学習で新しい技術を研究しているチームも、うちにいる”、とEthierは言っている。

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工学部の卒業生は男性より女性が多かったアメリカの初めての大学Dartmouth、そのユニークな学風

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Dartmouth(ダートマス大学)はこのほど、工学部の卒業生が男性より女性の方が多い、という初めてのアメリカの研究大学になった。

American Society for Engineering Education(AASE)(全米工学教育協会)によると、近年では工学部に進学する女性が年々増えている。そしてDartmouthのエンジニアリングスクールでは2015年にクラスの37%が女性だったが、今年は54%と急増した。これは、全国平均を34%上回っている。

Dartmouthの学風が学生たちを技術や応用科学に誘うのだが、しかし工学部学部長のJoseph Helbleによると、この劇的な増加の原因は、工学部の低学年で学生たちに(工学に偏重しない)多様な学科を提供しているからだけでなく、学内で“さまざまな多様なロールモデルの人びとを育てている”ことにある。人材が多様なため、女性の学生は工学部でも優秀なメンターに出会うことができ、工学方面のキャリアに積極的に進む気持ちになれるのだ、という。

Helbleはこう語る: “当学を志望する学生は年々増えている。とくに女性が増えている。それは学生たちに、工学を利用して現実世界の問題を解決するよう、仕向けているからだ。彼女らは、自分たちの創造力や工学の技能で世界が実際に変わることを、短期間で理解し習得する”。

Dartmouthの工学部の女性の学生には、多くのユニークなプロジェクトが課せられる。たとえば、医療機器の改良、スマートフォンの技術、フットボールの試合で脳震盪になる機会を減らす新しい方法、など。

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エンジニアの作る製品は醜い

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なぜエンジニアは醜い製品を作るのか?エンジニアリングやソフトウェア開発プロセスのどんな特質が、実際にユーザーが使うのが不可能なユーザーインターフェースを生むのか。

ユーザーの不満を呼ぶ最悪の事態

短い回答:エンジニアリングの仕事でいちばん面白いのは、ソリューション分野の可能性(コンピューターにさせられるクールなこと全部)に熱中することだ。エンジニアはパワーや柔軟性を制限する選択(デザイン)を好まない。エンジニアは不必要な複雑性を排除することより潜在的機能を追加することを尊重する。エンジニアはデザインの問題をエンジニアリングで乗り切ろうとする。

新しい製品を考えるとき、このソフトウェアは何をすべきかを理解することから始める。言い換えると、問題に対するソリューションから始め、問題そのものが正しく構成されていることを前提とするが、往々にしてそうではない。

そこに内在するのがテクノロジーには何ができるかという理解だ。これはエンジニアが夢中になる部分であり、新奇な技術的ソリューションに関しては特にそうだ。このテクノロジーに何をさせられるだろうか? 実際それができるのか?特に、そのテクノロジーが中途半端に理解されていたり、現在開発中であったりすると、エンジニアは終りなき可能性の探究に魅了される。

最終製品が十分解明されたテクノロジーを使うかどうかに関わらず、アプリを作る際には必ず様々な課題が持ち上がり、それを探究する様々な道は近道であることもあり袋小路かもしれない。ソフトウェアを作ることは、実は非常に難しい。

エンジニアリングのフラクタル性

エンジニアにとって、これは楽しい部分だ。エンジニアは誰でも更地の開発が大好きだ。それは、トレードオフや制約や乱雑な既存コードを気にすることなく地形を探査できるからだ。そのプロセスは一種の冒険であり、可能性と潜在力のテクノロジー空間を探索できる。これは実に素晴らしいことであり、エンジニアリングを面白くする大きな部分を占めている。

人々のために選択することは彼らを侮辱しているのではなく、彼らの生活からゴミを取り除いているのだ。

小さなアイデアをいくつも作ることから始め、新たな方法でそれを集めて次々と強力なコンセプトを開発していく。このためにエンジニアは、様々な機能のツマミやボタンやしかけを作り、それが〈できる〉ことを容易に探究できるようにする ― 〈すべき〉ことではなく。たった今あるクールな機能だけでなく、できる能力のすべてを仲間うちに見せることで、社会的な報いを受けられる。

可能性のエクスタシーは、エレガントな製品を作ることと直接相反する。製品とは基本的に、取捨選択して何かを明瞭に見せることであり、それは非常に複雑なことだからだ。これは木を見て森を見ずどころではない。両者の理想と大志が直接相反している。

「ちゃんと動く」何かと、部品の詰まった箱を渡されることの違いは極端であり、自らの道具を与えられたエンジニアは、常に部品の側に間違える。概してエンジニアはソフトウェアを柔軟性の尺度で見て、消費者にあらゆる可能なパワーを与えようとする。そのパワーはユーザーに多くのプレッシャーを与える。人々のために選択することは彼らを侮辱しているのではなく、彼らの生活からゴミを取り除いているのだ。

使い勝手のよい製品を作るために大切なのは、アイデアを集め、それを試し、いじり回して何がうまくいくかを見つけることだ。これはエンジニアを興奮させる部分だ。しかし第2の部分は、様々な意味で、もっと難しい。放置して、選択をして、(ユーザー視点で)必要のない興味のない機能を削ることだ。エンジニアから出てくる機能の多くは絞り込まれておらず、だから乱雑でややこしくて明確な目的がない。

避けられない問題、それは製品で重要なのはテクノロジーではないということだ。製品とは現実の人々が人生をより良く、より面白く生活していくのを助けるためにある。テクノロジーは人々をそこへ連れて行くために必要だが、製品を作るためには十分ではない。テクノロジーは単なる配管であり、物事を可能にする枠組みにすぎない ― 人々が気にかけるようなものではない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook