グーグルがスマホのカメラで心拍と呼吸数を認識する新機能発表、Pixelから提供スタート

GoogleのフィットネスアプリGoogle Fitに、スマホカメラを使った呼吸数・心拍数計測機能が加わります。

呼吸数の計測は、スタンドなどに立てたスマホのカメラで胸から上をとらえることで、服ごしの体の動きを画像認識で推測する仕組み。

Google Fitは従来から、スマホを持って歩いた際の位置情報や動きを使い、ウォーキング等の移動距離と歩数を推定して、運動量や消費カロリーの目安として記録する機能を備えています。

また Wear OSスマートウォッチやスポーツ・エクササイズ用ウェアラブルデバイスとの連携で心拍数などを記録することもできました。今回の新機能では、スマホのカメラだけで呼吸数や心拍を計測できるようになります。

心拍数のほうはスマホの背面カメラレンズに指先を載せて、血行による僅かな色の変化を捉える仕組み。こちらは古くから実用されている原理です。

(指先でなく顔などを撮影して心拍数を推定する技術は以前からあり、マイクロソフトも Kinect V2センサで商用化していましたが、今回のGoogle Fit 新機能では精度のためか周囲環境の影響を考慮したのか、呼吸と同時には取得できないようです)。

Google Fitのスマホカメラ呼吸数・心拍数計測機能は、来月からまずは Pixel スマートフォン向けに提供します。将来的には他のAndroid端末にも拡大する計画。

グーグルがスマホのカメラで心拍と呼吸数を認識する新機能発表、Pixelから提供スタート

心拍数の計測はスマートウォッチやフィットネストラッカーの多くが備えていますが、呼吸数はバンドを胸や腹部に装着したり、心拍と同じセンサで周期的な変動から推測したり、医学的に正確な計測にはチューブを口に加えたり、あるいは医療用のバイタルセンサやベビーモニターとして設置する専用機器であったりとさまざまな方法はあるものの、手軽な計測機器は普及していません。

スマホカメラだけで認識できるのは手軽で、機械学習や画像処理の勝利ともいえる一方、比較的狭い画角にちゃんと上半身を収め続ける必要があることや、画像処理で胸を動きを推定する原理から、運動をしながら測る用途には不向きです。

カメラの画角に依存しない心拍数・呼吸数モニタリング技術としては、ウルトラワイドバンドを含む電波で動きを捉える技術も研究から応用へと進んでいますが、いまのところ心拍・呼吸モニタ兼用WiFiルータは売っていません(広範囲の人感センサを兼ねるWiFiルータはLinksysが出しています)。

Googleも電波を使った人体の動き認識を研究しており、Pixel 4に搭載したSoliレーダーを今度は据え置きのNest Hubスマートディスプレイに搭載して、ジェスチャ認識や睡眠トラッキングに応用するうわさもあります。

Googleの新Nest Hubスマートディスプレイは Soliレーダー搭載、睡眠トラッキングに活用?

フィットネス用途はもちろん、睡眠時無呼吸やベビーモニター、健康管理でも呼吸数や動きの認識は重要であることを考えると、テレビやスマートスピーカー、ルーターが人間の動きやバイタルを常時監視するセンサを兼ねる未来は意外と早く来そうです。医療や介護的にはすばらしい技術であると同時に、以前なら大往生とみなされていた就寝中の急変による死が可視化されて「救急が間に合わなかった結果」になるかもしれませんが。

Google は新型コロナウイルス感染症への対応や、AI技術・モバイル技術が健康・医療に与える影響について研究者・技術者・臨床家が語るオンラインイベントThe Check Upも開催しています。

WiFi電波で脈拍・呼吸を計る「バイタルラジオ」、MITが開発。精度99% (2015年)

顔の動画像から脈拍を計測する技術、富士通研究所が開発 (2013年)

Xbox Oneの新Kinectは大幅進化、表情や心拍も認識。6人同時に全身キャプチャ(2013年)

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Google / グーグル(企業)Google Fit(製品・サービス)Google Pixel(製品・サービス)Google Nest(製品・サービス)

Google Pixelはメンタルヘルスの観点から「美化フィルター」に狙いを定める

Google(グーグル)は、特にメンタルヘルスの専門家が自信を歪めると考えている顔写真フィルターやその他の美化(ビューティファイイング)技術に狙いを定めている。特に若いユーザーに紹介するときに。

同社によると、今後はPixelスマートフォンのAndroidカメラアプリで使用される写真フィルタの設計原則を適用する際、専門家のガイダンスに頼る予定だという。

Pixel 4 aでは、Googleはすでに顔のレタッチをデフォルトでオフにしており、近い将来にはインタフェースがアップデートされ、同社によると「価値判断の影響を受けない」顔のレタッチ効果を表す、アイコンやラベルが追加されるという。

つまり「ビューティーフィルター」のような言葉を使用しないことを意味する。これらの変更はまた、アップデートを通じてほかのPixelスマートフォンのAndroidカメラアプリに適用される。

この変更は、おそらくエンドユーザーには気づかれないかもしれないが、時間をかけて変化を生み出すかもしれない。

同社によると、Android上の写真の70%以上が前面カメラで撮影されており、Googleフォトは240億枚以上の写真が「自撮り」と表示されているそうだ。

しかし、我々がスマートフォンで見せられている画像は、より多くの人の外見に不満にさせている。米国の顔面形成外科学会(American Academy of Facial Plastic and Reconstructive Surgery)の昨年の調査によると、会員の72%が患者が自分の自撮りを改善するためにフィルターを求めたと答え、前年比15%の増加となったという。

また、親の80%がフィルターの影響を心配していると答え、10代の若者の3分の2が写真の中の自分の容姿についていじめられたことがあると答えている。

同社は、フィルターが人々の幸福に与える影響をよりよく理解するために、子供と精神衛生の専門家の助けを求めたと説明している。

写真フィルターが適用されていることを認識していなかった場合、結果として得られる写真は精神的な幸福に悪影響を与える可能性がある。人々は静かに美しさの基準を設定し、時間の経過とともに自分自身と比較するようになるからだ。

また、「美容」「美化」「強化」「タッチアップ」などの用語を使ったフィルターは、修正が必要な人の外見に問題があることを示す。同社によると、これは見た目の悪さを示唆しているという。「痩身」 という言葉にも同じことが言え、これは体を改善する必要があることを意味する。同社はまた、使われているアイコンでさえも問題を引き起こす可能性があることを発見した。

例えば、顔のレタッチオプションに 「ナチュラル」 というラベルを付ける代わりに 「微妙」 というラベルが付く。アイコンの代わりに顔のアイコンが表示され、どのボタンを押せば機能が有効になるかが編集ペンで示される。調整レベルも新しいガイドラインに従い、数字や記号、または 「低」 や 「高」 などの単純な用語を使用し、美しさを示すものにしない。

グーグルは、カメラアプリでもフィルタが有効になったときに、リアルタイムのキャプチャとその後のフィルタとの違いを明らかにすべきだと述べている。例えば、画面上部のインジケーターはフィルターがオンになったときにユーザーに知らせることができるので、ユーザーは自分の画像が編集されていることを知ることができる。

Pixel 4a以降のPixelスマートフォンでは、顔のレタッチ効果を使用する際に、各設定がどのように適用されているか、画像に具体的にどのような変更を加えるかについて、より多くの情報が表示されるようになった。例えば「微妙な」効果を選択すると、肌の質感、目の下のトーン、目の明るさを調整することが説明される。適用される効果について透明性を持たせるのは、顔のレタッチフィルターが私たちの写真に加えている微妙な調整を理解しやすくするのに役立つ。

米国時間10月1に発表されたPixel 4a 5GやPixel 5を含む新しいPixelデバイスでは、フェイスレタッチがシャットオフされている。そして、ラベルや説明文の変更は、Pixel 2以降のデバイスをサポートする次期アップデートで適用されるとグーグルは公表している。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Google、Google Pixel、フィルター

画像クレジット:Google

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Google Pixel 5、Pixel 4a(5G)の国内予約がスタート、価格は7万4800円と6万500円

グーグルは、グローバルの発表後も日本国内では準備中となっていたGoogle Pixel 5、Pixel 4a(5G)の価格を明らかにし、GoogleストアでのSIMフリー版の予約も開始した。

Pixel 5の価格は7万4800円で、ジャストブラックとソータセージの本体色を用意する。純正専用ケースは5280円。10月1日20時40分時点の配送予定日は10月19日〜10月26日となっている。

Pixel 4a(5G)の価格は6万500円で、ジャストブラックの本体色を用意する。純正専用ケースは5280円。10月1日20時40分時点の配送予定日は10月29日~11月5日となっている。

また、ソフトバンクがPixel 5、Pixel 4a(5G)の取り扱いを発表。auと沖縄セルラーはPixel 5のみを取り扱う。両モデルとも10月15日から販売を開始し、現在予約受付中だ。

グーグルが5GスマホPixel 5およびPixel 4a(5G)発表、価格は7万4800円と6万500円

グーグルが5GスマホPixel 5およびPixel 4a(5G)発表、価格は7万4800円と6万500円

Google(グーグル)は10月1日、5G対応の新型スマートフォン「Google Pixel 5」「Pixel 4a(5G)」を発表した。それぞれOSとしてはAndroid 11を搭載。日本での予約開始は10月1日からで、10月15日から購入可能。Google Pixel 5の価格は税込7万4800円、Google Pixel 4a (5G)は税込6万500円。Google Pixel 5のカラーバリエーションはJust BlackとSorta Sageの2色、Google Pixel 4a (5G) はJust Black の1色のみ。

グーグルが5GスマホPixel 5およびPixel 4a(5G)発表、価格は7万4800円と6万500円

Qiワイヤレス充電およびリバース ワイヤレス充電、IPX8防水、5G対応の6型スマホ「Google Pixel 5」

Google Pixel 5は、最大解像度1080×2340(FHD+)ピクセル・432ppiの6型OLEDディスプレーを搭載。スムーズ ディスプレイ(最大90hz)により滑らかな表示が可能。アルミニウム筐体、Corning Gorilla Glass 6カバーガラスを採用。防水性能としてIPX8に準拠。

グーグルが5GスマホPixel 5およびPixel 4a(5G)発表、価格は7万4800円と6万500円

サイズは幅70.4×高さ144.7×奥行8.0mm。重量は151g。メインメモリーは8GB(LPDDR4x)、ストレージは128GB。

バッテリー容量は3800mAh。Qi認証ワイヤレス充電、バッテリーシェア(リバース ワイヤレス充電)をサポート。バッテリーシェアにより、Google Pixel Budsをワイヤレスで充電できる。急速充電対応で、長時間フル充電可能。スーパーバッテリーセーバーをオンにすると、最長48時間使用できるという。

CPUには、ミドルレンジ向けのQualcomm Snapdragon 765G(2.4GHz+2.2GHz+1.8 GHz)、グラフィックス機能としてはAdreno 620(CPU内蔵)を採用。Google Pixel専用に開発された「Titan M」セキュリティモジュールも搭載している。

背面カメラは12.2MPカメラ(デュアルピクセル)、16MPカメラ(超広角レンズ)を搭載。12.2MPカメラはオートフォーカスおよび手ぶれ補正機能搭載。絞り値f1.7、視野角77度。16MPカメラは絞り値f2.2で視野107度。前面カメラは8MPで、固定フォーカス。絞り値f2.0、視野角83度。

また背面カメラは1080p(30/60/120/240FPS)、4K(30/60FPS)の動画撮影が可能。前面カメラは1080p(30FPS)の動画を撮影できる。インターフェイスはUSB 3.1 Gen1 Type-C。Bluetooth 5.0 + LE対応。

Wi-Fi機能は11a/b/g/n/ac(2.4/5GHz。2×2 MIMO)。SIMはナノSIMおよびeSIM。USB-PD 2.0対応USB-C 18Wアダプターが付属。

グーグルが5GスマホPixel 5およびPixel 4a(5G)発表、価格は7万4800円と6万500円

6.2型に大型化、性能アップの「Pixel 4a(5G)」

Google Pixel 4a(5G)は、Google Pixel 4aとまったく同じスペックというわけではなく、より高性能なCPU、またよりサイズの大きなOLED(有機EL)ディスプレーを採用するなど機能が強化されている。

グーグルが5GスマホPixel 5およびPixel 4a(5G)発表、価格は7万4800円と6万500円

Google Pixel 4a(5G)は、最大解像度1080×2340(FHD+)ピクセル・413ppiの6.2型OLEDディスプレーを搭載。カバーガラスにCorning Gorilla Glass 3、また筐体にはソフトタッチ ポリカーボネート製ユニボディを採用している。サイズは幅74×高さ153.9×奥行8.2mm。重量は168g。メインメモリーは6GB(LPDDR4x)、ストレージは128GB。

バッテリー容量は3800mAh。急速充電対応で、長時間フル充電可能。スーパーバッテリーセーバーをオンにすると最長48時間使用できるとしている。

CPUには、ミドルレンジ向けのQualcomm Snapdragon 765G(2.4GHz+2.2GHz+1.8 GHz)、グラフィックス機能としてはAdreno 620(CPU内蔵)を採用。Google Pixel専用に開発された「Titan M」セキュリティモジュールも搭載している。

背面カメラは12.2MPカメラ(デュアルピクセル)、16MPカメラ(超広角レンズ)を搭載。12.2MPカメラはオートフォーカスおよび手ぶれ補正機能搭載。絞り値f1.7、視野角77度。16MPカメラは絞り値f2.2で視野107度。前面カメラは8MPで、固定フォーカス。絞り値f2.0、視野角83度。

また背面カメラは1080p(30/60/120/240FPS)、4K(30/60FPS)の動画撮影が可能。前面カメラは1080p(30FPS)の動画を撮影できる。

インターフェイスはUSB 3.1 Gen1 Type-C。Bluetooth 5.0 + LE対応。Wi-Fi機能は11a/b/g/n/ac(2.4/5GHz。2×2 MIMO)。SIMはナノSIMおよびeSIM。USB-PD 2.0対応USB-C 18Wアダプターが付属。

グーグルが5GスマホPixel 5およびPixel 4a(5G)発表、価格は7万4800円と6万500円

画像クレジット:Google

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今年のGoogle(グーグル)の定例のハードウェアイベントは事前に録画された30分のプロモーションビデオというシンプルなものだった。それでも同社は短い時間に要領よく新しいハードウェアの紹介を詰め込んでいた。

ここではビデオを見なかった読者のためにGoogle Pixel5をはじめとして今回何が発表されたかを簡単にまとめてみた(詳しくはリンク先記事を参照)。

Google Pixel

 

グーグルのスマートフォンのフラグシップであるPixel 5の筐体は100%リサイクルのアルミニウム製だ。また「ワイヤレス逆充電」、つまりPixel 5のバッテリーを使ってほかのデバイスを充電することができる。ディスプレイは6インチで米国価格約7.4万円だ。日本など9カ国で10月15日から出荷される(日本サイトでは価格などは準備中)。

Pixel 5に加えて5GをサポートするPixel 4aも発表された。米国価格は5.3万円で、これまでの想定よりもPixel 5に近いスペックだ。このバージョンは日本で9月15日に販売が開始される。米国その他の地域では11月中に入手できるようになるはずだ。

Pixel 5、5G版Pixel 4aとも裏側に超広角レンズが追加されるなどカメラが強化されている。ている。ハードウェアの改良の他にGoogleアシスタントに新機能が導入された。新機能では相手が通話を保留にした場合、アシスタントがユーザーに代わってモニタを続け、保留が解除されて人間が出るとそれをユーザーに通知する。

Google TV、Chromecast

 

今回のアップデートでGoogle TVはビデオストリーミングやライブビデオなどビデオ関連の機能を統合するインターフェースのブランド名となった。これには既存のストリーミングサービスのほとんどの他、YouTube TVを介してライブTVも含まれる。同社は音声検索の強化にも多大のリソースを割いたようだ。

このインターフェースは新しいChromecastのGoogle TVにも含まれる。Chromecastにはリモコン機能も加えられ価格は約5000円だ。

Google Nest Audio

 

Nest AudioはGoogle Homeの後継モデルにあたる。約1.1万円の価格帯からはグーグルのミッドレンジのスマートスピーカーだ。出力がアップし、低音が強化され、音がさらにクリアになっているという。設置面積もGoogle Home MiniやGoogle Home Maxに近い。10月5日から出荷予定。

画像クレジット:Google

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Googleアシスタントに電話の保留待ち時間を有効活用できる新機能「Hold for Me」が加わる

Googleは、スマートフォンの最も基本的な機能の1つについて、その可能性を広げてきた。最近では見過ごされがちだが、スマートフォンの特徴の1つは電話機能だ。数年前には、着信を調べるCall Screenレストラン予約のためのDuplex、そして9月には「誰がなぜ電話をかけてきたか」を教えてくれるVerified Callsという機能(未訳記事)をローンチした。そして米国時間9月30日に「Hold for Me」(私のために待って)という機能を追加した(日本語は現在のところ非対応)。

9月30日、グーグルが新しいPixelスマートフォンを発表した同社のハードウェアイベントで、Pixelの最新のトリックが披露された。Hold for Meと呼ばれる機能は、利用者が電話を保留にしている間、回線接続を維持して相手が電話に出たときに警告してくれるという機能だ。接続先の電話が混み合っているときは延々と保留音を聞かされるハメになるが、Hold for Me機能を利用すれば保留から切り替わって電話口に人が出るまでの時間を有効活用できるわけだ。

グーグルは、同機能が既存のスパム電話を判別する技術であるCall Screen(コールスクリーン)と、Googleアシスタントが人間を相手に電話で自然に会話させる技術であるDuplex(デュプレックス)を組み合わせて実現したことを明らかにした。ちなみに後者はAIベースの技術で、電話での会話分析に焦点を当てている。

Hold for Meの短いデモをみたところ、同社はPixelデバイスの所有者が回線を保留にした後で機能を有効にする方法を示していた。通話をミュートするボタン、スピーカーフォンをオンにするボタン、およびそのほかの通話中の電話の各種コントロールボタンの上に表示される新しいボタンをタップすることで機能がオンになる。

有効化されると、Googleアシスタントが通話内容を聞いているので、画面には「電話以外のほかのことを続けられます」というメッセージと「回線を切らないでください」というアラートが表示される。

もちろんこの画面には、いつでもタップして通話に戻れるボタンも用意されている、その下には「music playing」と書かれたオンスクリーンメッセージが表示され、Googleアシスタントがまだ接続先の保留中の音楽を聞いているかどうかを示している。この画面から電話を切る赤いボタンを押して通話を終了することもできる。

電話口に人が出てくると、Pixelデバイスは通話に戻る時間になったことを利用者に知らせてくれる。

人々が失業給付のような新型コロナウイルス関連の政府援助のために何時間も電話を保留して待っている時にHold for Meオプションは非常に有用な新機能だろう。失業による財政危機の真っ只中にある人々には文字どおりの救世主かもしれない。

グーグルによると、このHold for Me機能はまずはPixel 5で利用可能になるという。そして、近日中に予定されているPixel端末向けのアップデート「Pixel feature drop」のロールアウトのタイミングで、旧世代のPixelスマートフォンに順次搭載される。

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画像クレジット:Google

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Pixel 5とPixel 4a 5gは背面の超広角レンズ、夜景ポートレートなど改善されたカメラ機能を多数搭載

Google(グーグル)は米国時間9月30日、事前にリークされた内容とほぼ変わらなかったが、最新のスマートフォンとしてPixel 4a 5GとPixel 5を発表した。両モデルは、価格差が200ドル(約2万1000円)にもかかわらず、同様に進化したカメラを内蔵している。これは特にグーグルの優れたモバイルカメラ技術を期待しているユーザーにとって素晴らしいニュースだ。ここでは、ハードウェアとソフトウェアの両方の面で、新しく改良されたPixelのカメラ機能の概要を紹介する。

超広角レンズ

新しいPixelの最大の新しい物理的な変更は、背面のカメラアレイに新たに超広角レンズを追加したことだ。これは、大人数のグループショットや風景写真に最適で、かなり大きなパースペクティブ(遠近感)の写真を撮影できる。グーグルファンがPixel端末に求めていた機能の1つで、アップルがiPhone 11 Proに追加していた機能だ。

追加されたカバー率の例は以下のとおりです。最初のショットはおそらく実際にPixelで撮影されたものではないと思われるので厳密ではないが。

  1. Screen-Shot-2020-09-30-at-2.38.43-PM

  2. Pixel-5-ultrawide-capture

ブラケット付きHDR+

Google PixelのHDR+は、ユーザーにも非常に人気がある機能だ。写真の露出を調整するために撮影後に画像を合成する手間を省いて、写真の照明を明るくすることができるという点が支持を得ている。同社はこのHDR+機能を、機械学習による独自技術と、昔ながらのブラケティング技術を組み合わせて改良強化した。

夜景撮影時のポートレートモード

ポートレートモードはスマートフォンに導入されて以来人気があり、人工的な背景ボケでより正確な奥行き効果を得ることができるように改良されてきた。グーグルは、この世代のデバイスでその夜景撮影機能にポートレートモードを追加した。つまり下のショットでは、Googleのソフトウェア技術を駆使することで暗いシーンの照明を明るくして奥行き効果を得ている。

ポートレートライト

もう1つのポートレートモードの機能は、ポートレートライトと呼ばれるものだ。カスタマイズ可能な照明効果を適用することで、イメージの深い影や色あせた部分を目立たなくすることができる。これはiOSの縦向きモードのスタジオ照明の効果と似ているが、かなりカスタマイズしやすく、PixelデバイスのGoogle AI技術のおかげで強力な機能になるかもしれない。

シネマティックパンを含むビデオ用の新しい手ぶれ補正機能

最後に、新しいPixelでビデオを撮影する際に、複数の新手ぶれ補正モードを利用できる。ロック、アクティブ、シネマティックパンの3種類だ。これらはYouTubeのチュートリアルを使って作られたもので、グーグルは「イベントの中でハリウッドの撮影技師を研究した」と説明している。Cinematic Pan(シネマティックパン)は、シルキーで滑らかなスローダウン効果(実際の速度の半分)が得られるので、YouTuberにとって最も楽しい機能になる可能性がある。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

グーグルが廉価版5GスマホPixel 4a 5Gを発表、日本では10月15日発売、米国価格約5.3万円

予想どおり、グーグルは米国時間9月30日、毎年恒例のハードウェアイベントで5G版のPixel 4aを正式に発表した。

前日までのリークを考えると驚きはなく、同社は499ドル(約5万3000円、日本国内での価格は未定)の価格も発表していた。しかし、気になる発売日は決まった。まずは10月15日に日本で、11月中にオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、台湾、英国、米国で発売される。控えめに言っても、これは少し奇妙な発売スケジュールだ。

Pixel 4aはPixel 5と同様に、現在Googleストアで予約注文が可能だ(日本は準備中)。

この5万円強のスマートフォンは、5G非対応のPixel 4aと新しく発表されたPixel 5を少し混ぜたようなものだ。Pixel 5と4万2900円のPixel 4aの6.2インチ版よりも、大きなエッジツーエッジOLEDディスプレイを採用しているが、SoCは、Pixel 5と同じミッドレンジのSnapdragon 765Gで、6GBメモリー、128GBのストレージ(ほかのストレージオプションなしで)を搭載。2つのカメラを内蔵し、そのうちの1つは超広角レンズだ。そして、ヘッドフォンジャックも搭載する。本体色はホワイトとブラックを用意する。

5Gチップと大画面は、通常のものよりも多くの電力を必要としていることを考えると、グーグルがバッテリーを容量を増やしたのは驚きではなかった。ノーマルのPixel 4aの3140mAhから3885mAhに増量しつつ、新搭載のバッテリーセーバーモードで48時間のバッテリー寿命を実現した。

なお、Pixel 4a 5Gは、Pixel 5とは異なり防水機能は備えていない。

全体的にPixel 4a 5Gの立ち位置は微妙だ。オリジナルのPixel 4aよりもPixel 5に近いスペックとデュアルカメラを備えている一方で、急速充電機能は非搭載で、コーニングのGorilla Glass 3をカバーガラスに使っていないなど、オリジナルのPixel 4aに劣る部分もある。

本日の発表声明で同社のPixelラインのプロダクトマーケティングマネージャーを務めるMaya Lewis(マヤ・ルイス)氏は「5Gの普及を機に、このテクノロジーを手ごろな価格で提供したいと考えました」と述べている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Google Pixel 5は5G搭載でワイヤレス逆充電に対応し、約7.4万円で10月15日発売

これが紛れもない本命だ。米国時間9月30日朝に始まった「Launch Night In」という紛らわしいタイトルの居イベントの目玉プロダクトはGoogle Pixel 5。グーグルの最新のモバイルラッグシップで、廉価版のPixel 4aの発表の数カ月後に登場したこの新しいスマートフォンは、100%リサイクルのアルミニウムボディを採用しており、ほかの製品と一線を画している。さらに、8GBのメモリーを搭載し、ワイヤレス逆充電機能が加わっている。

ワイヤレス逆充電はおそらくここで最も興味深いハードウェアの追加だろう。狂気のリーク合戦にも登場しなかった機能だ。逆ワイヤレス充電はサムスンのフラッグシップ機などAndroid端末には搭載されているもので、ユーザーはスマートフォンに内蔵されたバッテリーを使って、Pixel Budsのような無線充電に対応したイヤフォンやその他デバイスを充電できる。

Google Pixel 5のスペックは製品ページに公開されており、米国ではデバイスの事前注文も可能だ(日本では準備中)。グーグルのモバイル端末ではいつものことだが、リーク情報は基本的にすべて真実だった。1080 x 2340ドットの6インチのOLEDディスプレイ上には、自撮り用カメラのパンチホールが開いている。

本体サイズは幅70.4×高さ144.7×厚さ8.0mmで、重さは151gだ。バッテリ容量は4000mAh〜4080mAh。SocはクアルコムのSnapdrago 765G(2.4GHz+2.2GHz+1.8 GHz、64 ビット8コア、GPUのAdreno 620内蔵)を採用する。

背面カメラは、1220万画素のデュアルピクセルカメラと1660万画素の超広角レンズカメラを搭載。光学式および電子式手ぶれ補正機能を搭載する。前面カメラは800万画素の固定フォーカスだ。これらのカメラの進歩はソフトウェアによってもたらされる。新しい画像機能としては、ポートレートモードの夜景、被写体を照らすポートレート照明、Googleフォトの改善された編集ツールなどがある。

充電機能としては、USB-PD 2.0対応と18W急速充電に対応するUSB-C 18 Wアダプターが付属するほか、Qi認証ワイヤレス充電、リバースワイヤレス充電が可能だ。SIMスロットは1基でnanoSIM対応、そのほかeSIMも同時に使える。OSはもちろん最新のAndroid 11で、最低3年間のOS アップデートとセキュリティアップデートが保証されている。

Googleは最近、低迷する端末の販売促進を目的とした部門再編を実施しており、今回の製品がそのトレンドを維持する最後の端末になる確率が高い。

Google Pixel 5は、ジャストブラックとソルタセージ(かすかな緑)のカラバリが用意されており、10月15日に米国や日本を始めとする9カ国で入手可能になる。

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画像クレジット:Google

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Google Pixel 5のお披露目イベントは日本時間10月1日午前3時開始、このページで視聴可能

Google(グーグル)は新型スマートフォン「Google Pixel 5」のお披露目イベントを開催する。今回はバーチャルイベントで、ライブで視聴可能だ。イベントは日本時間10月1日午前3時(米国太平洋初時感9月30日午前11時)にスタートする。

噂では1台だけではなく、複数のデバイスが登場するという。Pixel 5に加えて、いくつかのアップデートされたコネクテッドスピーカー、新しいChromecastも登場するかもしれない。Google HomeとGoogle Home Maxはしばらくアップデートされていないので、こちらのアップデートにも期待だ。

グーグルはすでに5G端末のリリースに高い関心を示している。つまり、Pixel 5の5G版が登場すると予想されるが、同社は最新のチップセットを採用しない可能性がある。

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

カメラの性能が素晴らしい4万円台のGoogle Pixel 4a、5G対応Pixelを待つ必要なし

Google(グーグル)は低価格帯スマートフォン「Google Pixel 4a」を8月4日に発表、8月20日より販売を開始した。筆者は発表直後にGoogleより製品を借用し、これまで約1カ月使い続けてきた。9月30日に5Gサービスに対応した「Google Pixel 4a(5G)」と「Google Pixel 5」が発表される予定だが、1カ月という節目でPixel 4aの総括的に評価してみる。

Google Pixel 4aのGoogleストア価格は4万2900円

本体以外に、18WのUSB-C電源アダプター、長さ1mのUSB-C-USB-Cケーブル(USB 2.0)、クイックスイッチアダプター、クイックスタートガイド、SIMツールが付属

適材適所なパーツを選んだ絶妙なエントリーモデル

Pixel 4aは、OSにAndroid 10(Android 11にアップデート可能)、SoCにQualcomm Snapdragon 730Gを採用。メモリは6GB、ストレージは128GBを搭載している。ベンチマークを実施してみると現時点のフラッグシップ端末の2分1以下だが、これまで1カ月使ってきてパフォーマンスに不満を感じることは一切なかった。手に収まるコンパクトなPixel 4aで3Dゲームをする気はないので、筆者にとっては必要十分な処理性能だった。

総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」のスコアが277550、CPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreが1639、3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1が2481。AnTuTu Benchmarkのランキングトップのスコアが615289なので、Pixel 4aはその45%の処理性能だ

一方、スマートフォンのユーザー体験を大きく左右するディスプレイには、エントリーにもかかわらず5.8インチ FHD+(1080×2340ドット)のOLEDが採用されている。撮影した写真、YouTube、Netflixなどの動画を鑑賞してみたが、画質に不満はまったくない。リフレッシュレートは60Hzと、Pixel 4の90Hzより劣るが、これもよほどハイレベルなゲーマーでもなければ気にならない領域だ。

OLEDによる階調豊かな画像は立体的にすら感じられる

 

パンチホールディスプレイを採用したPixel 4aは、ディスプレイ上部に前面カメラ、顔認証カメラ、顔認証ドットプロジェクター、顔認証投光イルミネーター、Motion Senseレーダーチップを内蔵するPixel 4よりも全画面感が強い

HDRに対応。YouTubeやNetflixのHDRコンテンツを臨場感豊かな映像で視聴可能だ

最も驚かされたのがカメラ画質。Pixel 4aとPixel 4で撮影した写真を見比べても、違いがまったくわからないのだ。また、望遠カメラは搭載されていないが7倍の超解像ズームが可能で、ディテールも比較的保たれている。

さらなる高倍率ズームが必要なら、超解像ズームの上限が8倍のPixel 4ではなく、50倍ズームなどが可能な他社製スマホを買うべき。しかし、7倍で用が足りるのならPixel 4aで画質に不満を感じることはないはずだ。

背面カメラのスペックは、画素数が1220万画素、F値がf/1.7、視野が77度、画素サイズが1.4μm。手ぶれ補正は光学式と電子式が組み合わされている

標準倍率で撮影(解像度:4032×3024ドット、シャッタースピード: 1/3906、F値:f/1.7、ISO感度:67)

望遠カメラは搭載されていないが、7倍の超解像ズームでも一定の解像度が保たれる(解像度4032×3024ドット、シャッタースピード:1/2611、F値:f/1.7、ISO感度:61)

直射日光下で強い色が入っても、ホワイトバランスはほとんど狂わない(解像度:4032×3024ドット、シャッタースピード:1/5882、F値:f/1.7、ISO感度:68)

複数枚撮影した画像を合成することで、ノイズが少なく明るい画像を生成する「夜景モード」は、Pixel 4と遜色ない品質だ(解像度:4032×3024ドット、シャッタースピード:1/15、F値:f/1.7、ISO感度:227)

一方、Pixel 4から削られた機能としては、ワイヤレス(Qi)充電機能、防水機能、望遠カメラ、顔認証カメラ、Motion Senseによるジェスチャー機能ということになる。生体認証は顔認証より指紋認証のほうが使い勝手がいいと考えているし、Motion Senseは登場当初は物珍しく使ってみたが、いまはまったく利用していない。不便に感じたのはワイヤレス(Qi)充電機能と防水機能に対応していないことぐらい。この2点についてはPixel 5aなどの次期モデルではぜひ搭載してほしいところだ。

指紋認証センサーは背面に設置されている。ディスプレイ内蔵型指紋認証センサーと比べて困るのは、机の上に置いたままロック解除できないことぐらい

Pixel 4a(5G)やPixel 5とは価格を含めて別物

5G回線に対応するPixel 4a(5G)とPixel 5の詳細スペックは現時点ではわからないが、価格だけは6、万0500円からとGoogleストアでアナウンスされている。Pixel 4aとは少なくとも1万7600円の価格差があるわけだ。

現在の5Gサービスにそれだけの金額を支払う価値はないし、Pixel 5はPixel 4を参考にするなら9万円前後の価格が設定されるはず。もちろん急がないなら9月30日の発表会を待ってもいい。しかし、いますぐPixel 4aを購入しても当面の後悔はないはずだ。

いまは4G対応のPixel 4aを買っておいて、5G網が行動範囲で利用できるようになってから、改めて機種変更を検討すればいいだろう

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タグ:Google Google Pixel スマートフォン レビュー

新Google Pixel、Chromecastの発表は米国時間9月30日

新ハードウェアのシーズンがやってきた。明日、米国時間9月15日(日本時間9月16日午前2時)はApple(アップル)のビッグイベントがある。Samsung(サムスン)は3回目となるGalaxy Unpackedを米国時間9月23日(日本時間9月24日午前0時)に予定している。このハードウェア発表シーズンにGoogle(グーグル)も加わる。2020年初めのI/Oを皮切りにグーグルはイベントをバーチャル化して開催することを決めているが、2020年9月末に予定されているハードウェアイベントも同様だと確認した。

米国時間9月30日にグーグルはPixel、Chromecastに加えてスマートスピーカーのアップデートも発表する予定だ。同社は2020年夏に手頃な価格の普及機としてPixel 4aを発表しているが、グーグルは5GをサポートするPixel 5と4aの5G対応モデルを2020年中に発表することを認めた、予定されているイベントにこのモデルが登場するのは間違いないだろう。売れ行きがぱっとしないスマートフォン事業に対して裏で改革を行ってきたが、今回のPixel 5がその結果であるかどうかは不明だ。

2020年8月のグーグルのイベントで予定されているもう1つの大きな柱は、テレビにコンテンツをストリーミングするデバイスであるChromecastとスマートスピーカーのアップデートだ。Google Home/ Nest Homeグループのデバイスはもうそろそろアップデートされてもいい頃だ。特にオリジナルのGoogle HomeとHome Maxのスピーカーはそうだ。最近のグーグルのHome Maxに対する態度はやや微妙なものだ。それでも私は依然としてファンなので、バージョンアップに期待している。Nest Hubもリフレッシュされていい時期だろう。

TechCrunchでもバーチャル取材を行い、最新ニュースをお届けする予定だ。

関連記事:Google Pixel 4a 5GとPixel 5はグーグル初の5G対応スマホとして今秋に、日本では6万500円から

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画像:Veanna Cao

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Google Pixel 4aはカメラは依然最高でバッテリー問題を改善、いよいよ8月14日に予約開始

Google(グーグル)のような巨大企業の製品であるにも関わらず、これまでPixelシリーズはいささか負け犬の印象があった。

Googleはスマートフォン製造で当初他のメーカーとパートナーを組んでいたし、独自のNexusシリーズもぱっとしなかった。グーグルがスマートフォンに本腰を入れ始めて気がついたのは、他のメーカーがすでに地位を築いている市場に参入してシェアを奪うのは非常に難しいということだった。特にそのライバルの多くがグーグル自身が開発したOSを使っている場合にはなおさらだ。

Pixelの特徴といえば、むしろ派手な特徴が無いことだ。Samsung(サムスン)やApple(アップル)などライバルの有力デバイスと比べると強い対照をなしている。スマホが自動車であれば、Pixelはよくできたセダンといったところだ。性能は優秀で値段も妥当、PTAの集まりに乗り付けても後で陰口をされることはない。そのためグーグルは、Pixelシリーズのアイデンティティを求めて苦労することになった。

関連記事:Google Pixel開発チームから二人の主要エンジニアが離脱、チーム内の争いが原因か

また売上もぱっとしなかった。グーグルの決算に対する影響も「ゼロではない」という程度に留まった。しかしグーグルは、Pixelにもっと大きな期待をかけていたはずだ。最近、グーグルのPixel事業部には地殻変動的な人事異動があり、責任者のMario Queiroz(マリオ・ケイロス)氏とカメラの魔術師であるMarc Levoy(マーク・レボイ)氏が去った。グーグルはスマートフォン事業を一新しようとしているようだ。今回のPixel4と4aがこれまでのシリーズの最後の製品にする可能性がある。

もちろんフラッグシップモデルへのアプローチを再考することには、大きな意味があるだろう。しかしグーグルのこれまでのスマートフォンの中で手頃な価格の入門機である『a』は最もニーズにマッチした製品だった。実際、売上高がそれを証明している。Pixel 3aはまったく期待はずれの売れ行きだったPixel 3の後継だ。このPixel 3aは堅実かつ手頃な価格のオプションを提供したことにより、最近のスマートフォンのトレンドにぴったりと適合した。これまでのPixelが失敗してきた部分だ。1000ドル以上もするフラッグシップにユーザーは飽き飽きしていたのだ。

Pixel 3aは他のPixelに比べて派手さもパワーもなく、ユーザーが求めていた純粋なAndroid体験を提供するためにカスタムメイドされていた。2019年にリリースされたPixel 4のスタートは散々だった。デバイス自体はよくできていたが、1つ重大な欠陥があった。それはバッテリーの持ちが悪いことだ。そのためセールスは伸び悩んだが、しかし報道によれば、グーグルはその後価格を思い切って引き下げることによりこれを埋め合わせたという。

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Pixel 4aのリリースにはこうした背景がある。特に重要なのは4の最大の問題、つまりバッテリー駆動時間を重点的に改良したことだ。バッテリーの持ちなど話題は、新製品紹介の文頭で触れるものことはまずない。それはクールでもおもしろいものでもなく、新しくもセクシーでもない。新しいスマートフォンを買って最初の数週間はいわばハネムーンのようなもの、ユーザーが欠陥に気づくのは後になってからだ。しかしPixel 4のバッテリー駆動時間に関する問題はあまりに大きく、ユーザーは気がつかないないことがなかった。

断っておくが、Pixel 4aはバッテリーの持ちが驚異的に良いスマートフォンというわけではない。しかし4に比べれば明らかに改良されており、これだけでもお勧めすに足りる。3140mAhというのはバッテリーサイズは特筆すべきものではないが、2800mAhのPixel 4と比べるとはっきり強化されている。またPixel 3aの3080mAhと比べても少しサイズアップしている。Pixel 4aを日常のスマホとして使って気が付いたが、バッテリーライフは27時間以上あるので充電器から外したまま1日以上使うことができる。ただしこの時間は、ディスプレイを常時オンにしていると短くなる。

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プロセッサーは2019年に発表されたSnapdragon 730G(オーバークロックされた730)だ。グーグルでは新しいSnapdragon 765の採用も検討しただろうが、価格面の考慮から730Gに落ち着いたものと思われる。ほとんどの作業でもの足りなさを感じることはないが、負担が大きい作業では差が生じている。例えば写真を撮った後、処理にやや長い時間がかかることに気づく。

カメラは以前からPixelシリーズの売りだった。今回の低価格モデルでもそれは変わらない。Pixel 4aのリアカメラは、3aと同じく12.2メガピクセルが1つだが、Pixel 4式と同じ正方形のカメラ部分に配置されている。多少奇妙だが、ミドルクラスの価格のカメラで素晴らしい写真を撮れるのがグーグルの誇りらしい。

グーグルによればPixelで写真を撮影した際に、AIを利用した高度な画像処理をスマホ内のソフトで行うことで素晴らしい写真が撮れるという。それは写真を見れば明らかだ。ズームに強く、暗い場所での撮影もこなせるなど、Pixel 3aも、この価格帯のモデルとしては文句なしに素晴らしい写真を撮ることができる。

とはいえハードウェアが重要であることには変わりはない。これは当分の間、変わらないだろう。例えばグーグルの場合だが、Pixel 3に搭載されたSuper Res Zoom機能により印象的な写真が撮れるが、光学ズームレンズではなくAIによるAIを使った電子ズームで同じ効果を出そうとするとディテールが失われてしまう。

ポートレートモードについても同じことがいえる。ポートレートの分野でもグーグルはスマートフォンカメラのベストの1つで、ポートレート撮影の際、グーグルのシステムは画像の被写界体深度を推測し、デジタル一眼カメラのような背景ボケを合成する。これは大抵の場合成功しているが、条件によってはコンピューター処理能力の限界にぶつかる。最近iPhone 11とPixel 3aを比較する機会が多いが、様々な違いの中でも特に私が気づいたのは、近距離でポートレートを撮影する際のグーグルカメラの優秀さだ。しかしながら、いずれもうるさい背景で複雑な被写体を撮影しようとすると、どこに焦点を合わせるか迷うという問題が起こる。例えば下の写真のように、スプリングの手前にある人形を撮影するとフォーカスは大混乱する。

左はiPhone11、右はPixel 4a

一方でPixelの夜景モードは4aでも依然として素晴らしい。

私はPixelシリーズをずっと使っている同僚にその理由を尋ねたことがある。後で考えれば本当にもっともなもので、彼の答えはソフトウェアサポートの優秀さだった。純粋なAndroidとともに、グーグルはPixelにスマートフォン分野でベストかつ非常に興味深い機能を追加し続けるだろう。

つまりグーグルの大ヒットアプリ、レコーダーなどがその例だ。これは非常に優秀なアプリで録音と同時にライブで文字起こしをしてくれる。私はこの機能強化の価値についてはやや懐疑的な見方をしていた。しかしジャーナリストとして多数のインタビューするため、録音文字起こし機能は日々の仕事に必須の機能になっている。たくさんの講義を履修する学生にとってもおそらく同様だろう。しかし一般ユーザーにとってリアルタイムの音声文字変換機能がどれほど役に立つのか、私にはよくわからない。それでもGoogleドキュメントの統合やGoogleアシスタントのサポートといった新機能など、今後もグーグルのアプリが楽しみだ。

関連記事:Google Pixel 4a 5GとPixel 5はグーグル初の5G対応スマホとして今秋に、日本では6万500円から

その他、今回目立ったアップデートには音声とビデオの通話でリアルタイムに音声文字変換ができるようなったことが挙げられる。この新機能は簡単にいえばレコーダーの音声文字変換機能を通話に適用したものだ。また、プライバシー保護の観点から音声文字変換機能を利用していることは通話の相手に通知される。グーグルによれば、この機能は1対1の通話でだけ有効だ。私の理解では、多人数の会話を適切に聞き分けて文字起こしをするためにはアルゴリズムに大きな変更が必要になるはずだ。

日本では4万2900円〜というPixel 4aの価格は、4万9500円~という3aより6600円も安く、8万9980円〜のPixel 4に比べると半額以下だ。またサムスンやアップルの低価格機と比べてもずっと安い。ただしこうした非常に魅力的な価格を別にすれば、Pixel 4aは人を驚かせるような要素は乏しい。しかし必要な仕事はすべてこなす。今のスマートフォンに求められるのはこの要素だ。おっと、それからPixel 4aにはイヤホンジャックがある。

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Goolge Pixel 4aのリリースを控えPixel 4はわずか9カ月で製造終了

Pixel 4aの発表のわずか数日後にGoogle(グーグル)は、Pixel 4とPixel 4 XLの販売をひっそり終了していたことがわかった。この情報は最初にThe Vergeが報じたものだが、同社のスマートフォンのフラグシップモデルの販売期間としては異例に短いものとなった。これまでの2モデルでは18カ月あった販売期間がPixel 4の場合はおよそ半分の9カ月に縮められてしまった。

同社はすでにPixel 5が近々発表されると予告している。来週にも発売されるPixel 4aに関するリリースで、Pixelシリーズは5Gをサポートすることを発表したが、ここでPixel 5にも言及されている。

TechCrunchの取材に対して同社は「Googleストアでは在庫がなくなったためPixel 4、4XLの販売を終了した。このモデルを購入したい場合、グーグルのパートナー企業から在庫がある限り購入できる。Pixel 4は他のPixeと同様、Googleストアに登場して以降、最低3年間ソフトウェアとセキュリティのアップデートを受けることができる」と回答した。

Pixel 4はカメラの能力を中心として全体的として優れたデバイスだと評価されている。しかしこの製品はバッテリーの持ちの悪さという重大な問題を抱えていた。同社はこの問題に取り組み、近く発売されるPixel 4aでは対処されている。Pixel 4aは低価格デバイスでありながら非常に優れたカメラを装備しており、ある意味Pixel 4の存在価値を低下させていた。しかし大型ディスプレイのPixel 4 XLを欠くのは同社にとってシリーズに穴が開くことになる。

スマートフォン事業においてはグーグルはある種のアイデンティティの危機に直面しているようだ。最近のトップ人事は同社がスマートフォンで新しい方向を模索していることを示しているらしい。同社のスマートフォンはこれまでも長く浮き沈みを繰り返してきた。スマートフォンはすでに飽和している市場であり、同社がここでシェアを得るためにはAndroid製品として独自性を確立しなければならないという困難が伴う。

Pixel 5が同社の新しいスマートフォン戦略に基づく最初の製品になるかどうかはまだわかっていない。

【Japan編集部追記】8月7日現在、日本のGoogleストアではPixel4、4XLの在庫はある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook