NearMeの特定少人数を乗せる通勤専用シャトルが九州で実証実験、トヨタ自動車九州と共同で

タクシー相乗りサービスや空港ゴルフ場までの相乗りシャトルサービスなどを展開するNearMeは(ニアミー)は6月30日、トヨタ自動車九州と共同で九州エリアでの通勤専用シャトル「nearMe.Commute」の実証実験を開始した。複数人が相乗りする際、各人をピックアップするために最適なルートを独自開発のAIが提案するのが特徴だ。

今回の実証実験では、福岡県宮若市にあるトヨタ九州の宮田工場と福岡空港を結ぶ。九州自動車道を利用すると45分弱、約35kmの道のりでシャトルを運行する。工場の従業員や県外からの出張者の交通手段としての利用を想定している。新型コロナウイルスの感染拡大を避け、特定の少人数で移動できるのが最大のメリットだ。サービス詳細は以下のとおり。

  • 利用方法:指定URLより2日前までに予約
  • 発着点:宮田工場、福岡空港、九州の指定エリア(福岡市東区、博多区、中央区、糟屋郡新宮町、久山町、古賀市、福津市、宗像市、飯塚市、宮若市)
  • 使用車両:アルファードやハイエースなどの車両(未訳記事)最大9人乗り)
  • 利用料金:無料(従業員や関係者が対象)

もちろんシャトル自体も以下のような感染症対策を実施している。

  1. 乗車中の車内換気
  2. 全乗務員の運行前検温、マスク着用
  3. アルコール消毒液を設置、乗客に利用を促す
  4. 前日までに乗客を決定、感染者が出た場合は早急に対応
  5. 降車後の清掃の際に乗客が触れた箇所をアルコール消毒
  6. 乗客同士が隣接しないように少人数を大型車で運ぶ
  7. 乗客にマスクの着用を促す

NearMeが少人数の通勤シャトルを運行、東京駅周辺と渋谷駅周辺で東京海上や東京建物などが利用

タクシー相乗りアプリ「nearMe.」(ニアミー)を提供するNearMeは5月28日、少人数制の通勤専用シャトルを6月1日から運行することを明らかにした。サービスエリアは、東京駅周辺、渋谷駅周辺の2エリアで、東京海上日動火災保険や東京建物をはじめとする10社が利用する。今後は、利用する企業・団体の要望によって、そのほかのエリアにも拡大していく予定だ。

事前予約制のため、万が一車内でウイルスに感染しても乗員を特的でき感染経路を追えるというメリットもある。シャトルには、ハイエースやアルファードなどのバンやミニバンが使われる。ハイエースの場合は仕様上最大9人の乗車が可能だが、以下のような新型コロナウイルスの感染防止対策を採るため、一度に運べる人数は3〜4名程度になる。

新型コロナウイルスの感染防止対策として以下を徹底するとのこと。

  1. 乗車中の車内換気
  2. 全乗務員の運行前検温、マスク着用
  3. アルコール消毒液を設置、乗客に利用を促す
  4. 前日までに乗客を決定、感染者が出た場合は早急に対応
  5. 降車後の清掃の際に乗客が触れた箇所をアルコール消毒
  6. 乗客同士が隣接しないように少人数を大型車で運ぶ
  7. 乗客にマスクの着用を促す

JR東日本スタートアップが新潟市でMaaSと日本酒の実証実験をスタート

JR東日本スタートアップは1月9日、新潟市と共同でスタートアップ企業と連携した2つの実証実験を開始することを発表した。同社は、JR東日本の子会社でベンチャーへの出資や協業を推進するコーポレートベンチャーキャピタル。

今回、新潟で実証実験を予定しているのは、タクシーやシャトルの相乗りサービスを運営するNearMe(ニアミー)、AIによる日本酒レコメンドサービスを展開するMIRAI SAKE COMPANYの2社。後者は、JR大宮駅の西口広場で期間限定で開設された「STARTUP_STATION」にも出展したスタートアップだ。

関連記事:JR大宮駅西口にパスタロボや瞬間塩水冷凍魚、AI利き酒、スイーツ自販機の実験店舗がオープン

NearMeでは、新潟市内で観光タクシーの相乗りマッチングサービス「新潟トラベルシャトル」を提供。その名のとおり、観光タクシーを事前予約して相乗りすることで料金を抑えられるメリットがある。同社の「nearMe.」アプリで培った相乗りの乗車時や降車時、目的地までの最適なルート検索技術が活用される。実施期間は1月18日から3月末までを予定。送迎場所は、新潟駅南口、新潟市内の各種宿泊施設となる。

MIRAI SAKE COMPANYは、10種類の日本酒をのみ比べてAIによる味覚判定を実施し、個人に最適化された日本酒の銘柄や飲食店、酒販店を提案する観光拠点として「日本酒観光案内バー」(SAKE TOURIST INFORMATION BAR)を開設。独自のアルゴリズムにより12種類の日本酒味覚タイプに分類し、判定結果で提案された日本酒の飲める場所を巡る新潟駅近郊のラリーも提案してくれる。新潟駅周辺地域の飲食店・酒販店の回遊を促し、活性化を狙う。実施期間は2月14日~3月15日で、実施場所はJR新潟駅構内CoCoLo新潟西N+ TABI BAR & CAFE/km-0 niigata lab内。

都内〜成田間の往復空港シャトルの片道約4000円をアマギフ還元、NearMeがキャンペーンを実施

タクシー相乗りアプリ「nearMe.」(ニアミー)を開発・提供するNearMeは12月13日、成田空港〜都内の往復送迎の利用者の先着100名限定で、片道が実質無料になるキャンペーンを開始した。本日から12月25日23時59分までの10日間予約を受け付けるが、指定できる乗車日時は12月16日〜2020年5月14日の約半年間と長い。ただし、乗車日の2日前までに予約が必要だ。

具体的には、往復の予約・配車が完了し、アンケートに答えた場合に限り、総額の半額相当をアマゾンギフト券にてキャッシュバックするというもの。なおNearMe側の都合でシャトルを片道しか使えなかった場合も、特例として総額の半分相当を同様の方法で還元する。

都内の発着場所として利用できるのは、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、豊島区、江戸川区の15カ所。ホテルはもちろん、自宅近辺での乗車も可能だ。成田空港の発着場所は、第1、第2、第3の各ターミナル。費用は1人あたり片道3980円、往復7960円なので、アマゾンギフト券で還元されるのは3980円ぶんとなる。

NearMeは主力事業であるタクシー相乗りサービスのほか、同サービスで培ったマッチングやルート最適化のテクノロジーを活用し、東急や京急のグループ会社と組んだオンデマンド型シャトルサービスを展開している。年末年始の長期休暇で成田空港の利用者が増えることを受け、同社のシャトルサービスの認知向上のため、今回のサービスを展開する。同社によると、現在シャトルサービス利用者の50%以上がインバウンド利用とのこと。

関連記事
タクシー相乗りアプリのNearMeが都内〜千葉・山武地域のゴルフ場シャトルを開始
都内と成田を結ぶNearMeの定額4000円シャトルが品川や目黒、池袋でも利用可能に
羽田空港や観光スポットへオンデマンド型相乗りシャトルカーでゴー、NearMeや京急が実証実験

都内〜成田間の往復空港シャトルの片道約4000円をアマギフ還元、NearMeがキャンペーンを実施

タクシー相乗りアプリ「nearMe.」(ニアミー)を開発・提供するNearMeは12月13日、成田空港〜都内の往復送迎の利用者の先着100名限定で、片道が実質無料になるキャンペーンを開始した。本日から12月25日23時59分までの10日間予約を受け付けるが、指定できる乗車日時は12月16日〜2020年5月14日の約半年間と長い。ただし、乗車日の2日前までに予約が必要だ。

具体的には、往復の予約・配車が完了し、アンケートに答えた場合に限り、総額の半額相当をアマゾンギフト券にてキャッシュバックするというもの。なおNearMe側の都合でシャトルを片道しか使えなかった場合も、特例として総額の半分相当を同様の方法で還元する。

都内の発着場所として利用できるのは、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、豊島区、江戸川区の15カ所。ホテルはもちろん、自宅近辺での乗車も可能だ。成田空港の発着場所は、第1、第2、第3の各ターミナル。費用は1人あたり片道3980円、往復7960円なので、アマゾンギフト券で還元されるのは3980円ぶんとなる。

NearMeは主力事業であるタクシー相乗りサービスのほか、同サービスで培ったマッチングやルート最適化のテクノロジーを活用し、東急や京急のグループ会社と組んだオンデマンド型シャトルサービスを展開している。年末年始の長期休暇で成田空港の利用者が増えることを受け、同社のシャトルサービスの認知向上のため、今回のサービスを展開する。同社によると、現在シャトルサービス利用者の50%以上がインバウンド利用とのこと。

関連記事
タクシー相乗りアプリのNearMeが都内〜千葉・山武地域のゴルフ場シャトルを開始
都内と成田を結ぶNearMeの定額4000円シャトルが品川や目黒、池袋でも利用可能に
羽田空港や観光スポットへオンデマンド型相乗りシャトルカーでゴー、NearMeや京急が実証実験

空港の次はゴルフ場、タクシー相乗りアプリのNearMeが都内〜千葉・山武地域のゴルフ場シャトルを開始

タクシー相乗りアプリや都内と成田空港を結ぶシャトルサービスを提供中のNearMeは11月13日、東急不動産、東急不動産R&Dセンターとの提携を発表。都内8区と東急リゾートサービスが運営する千葉県中央部の山武地域に位置する大網白里市内の「季美の森ゴルフ倶楽部」を結ぶシャトルを運行することを発表した。本日から予約を受け付ける。シャトルの料金は一人あたり片道3980円。運行期間は11月16日〜2020年3月31日、運行時間は7時頃の指定地域からの往路ピックアップが可能で、復路の出発18時までとなる。

都内の対象区域は、渋谷区、新宿区、世田谷区、目黒区、品川区、港区、千代田区、中央区の8区で、2日前までに予約すれば自宅やホテルなど利用者が指定した場所にシャトルが迎えに来てくれる。シャトルは最大4人乗り、クレジットカードでの事前決済なのでシャトルのドライバーとの金銭のやり取りは発生しない。

このゴルフシャトルには、NearMeが開発した複数の出発地と1つの目的地(もしくは1つの出発地と複数の目的地)を最短で結ぶAIによるルート作成機能を活用。同社はPlug and Play JapanのアクセラレータープログラムBatch 2の採択企業で、東急リゾートサービスと東急不動産R&Dセンターをともに、3月に実証実験を決定していた。

季美の森ゴルフ倶楽部は、京葉道路を経由した場合で都内から1時間強の距離にある。シャトル予約時には、出発地で乗車する人数も選べるので、一緒にラウンドする仲間同士でシャトルを予約すれば、往復とも運転手役は不要でゴルフ場で全員がアルコールも楽しめる。

関連記事:相乗りアプリのNearMe、都市部で最大9人をピックアップしてゴルフ場まで運ぶシャトルバスの運用開始

タクシー相乗りアプリのNearMeが3億円調達、相乗りシャトルなどのサービス認知向上を進める

タクシー相乗りアプリ「nearMe.」(ニアミー)を提供する社Near Meは9月11日、プレシリーズAで3億円の資金調達を発表した、調達方法は、ニッセイ・キャピタル、DBJキャピタル、東急不動産ホールディングス(TFHD Open Innovation Program)、SMBCベンチャーキャピタルの計4社を引き受け先とする第三者割当増資。今回調達した資金は、人材の採用、事業会社との連携、nearMe.やスマートシャトルの認知向上などに投下される。

nearMe.は、同じ方向のタクシーを利用する人々をマッチングして相乗りを実現するサービス。道路運送法では、タクシーは1回の運送につき1つの運送契約という決まりがあり、原則として相乗りは禁止されている。しかしnearMe.では、最後までタクシーに乗る利用者がすべてのタクシー料金を支払うので、タクシー会社側からすると1つの運送契約と見なされるため合法となる。

相乗りした乗客は、nearMe.アプリに登録したクレジットカード経由で、最後までタクシーに乗車している利用者にキャッシュレスで料金を支払う仕組みだ。女性同士や顔見知りだけなど、相乗り相手を選ぶこともできる。

距離や人数によって異なるが、一人でタクシーに乗るよりもタクシー料金が20~40%程度安くなる。nearMe.側はマッチングした複数の利用者の合計金額から手数料を取ることでマネタイズする。

8月にはJapanTaxiと提携したことで、nearMe.アプリからJapanTaxiのアプリを呼び出して、その場でタクシーを配車することも可能になった。そのほか同社は、地方のハイヤー会社と組んだ実証実験も進めている。

関連記事:タクシー相乗りアプリのnearMe.でJapanTaxiの配車が可能に

8月下旬からは、nearMe.のテクノロジーを活用して、東京都区内から成田空港までの相乗りシャトルバスサービスも開始。乗車地は、新宿区、渋谷区、世田谷区、港区、台東区、墨田区、千代田区、中央区、文京区に限られるが、料金は成田空港までの距離に関係なく一律3980円となる。

関連記事:都内から成田空港まで一律4000円弱、NearMeの相乗りシャトルバスが運行開始

京急がアクセラレータープログラムのデモデイ開催、社長賞は手荷物預かりサービスのecbo

京浜急行電鉄は8月27日、ベンチャーキャピタルのサムライインキュベートと共同で開催中のスタートアップ支援の取り組み「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM」(京急アクセラレータープログラム)のデモデイ(成果発表会)を東京・品川で開催した。

今回は同プログラム第2期のデモデイとなり、手荷物預かりサービス「ecbo cloak」を運営するecbo、タクシーの相乗りのマッチングサービスを運営するNearMe、傘シェアサービス「アイカサ」を運営するNature Innovation Group、AIチャットボットを活用したホテルのカスタマーサポート支援サービスを提供するtripla、ヘリコプターのライドシェアサービス「CodeShare」などを展開するAirXの5社が採択企業として登壇した。

審査の結果、社長賞にecbo、オーディエンス賞にNearMeが輝いた。

ecbo cloak(ecbo)
ecbo cloakはコインロッカー難民を救済するサービスで、駅構内やカフェなどの特設スペースに荷物を預けられるのが特徴。京急との実証実験では、品川駅に設置されているコインロッカー数の50倍の荷物を預かることに成功。羽田空港にあるTIS(外国人観光案内所)での認知向上にも力を入れており、TICでecboのサービスを知って実際に利用する訪日観光客が増えているそうだ。今後は、羽田のTICから品川TIC、ecbo加盟店へのデリバリーなどを計画。最終的には、京急沿線すべてに配送可能なデリバリーサービスを提供を目指す。

nearMe.(nearMe)
NearMeは、同じ方向にタクシーで移動する人々をマッチングして、1人で利用するよりも実質的に安価なタクシー料金を実現するサービス。京急とは8月21日~8月27日に、品川、高輪、東銀座、秋葉原にある東急EXホテルから、羽田空港や都区内(中央区、港区、千代田区)の任意の場所に行ける相乗りのオンデマンドシャトル運行の実証実験を行った。今後は京急沿線と地域を繋ぐシャトルバスの実証実験も検討している。

アイカサ(Nature Innovation Group)
Nature Innovation Groupでは今回のプログラムの採択により、沿線11カ所にアイカサスポットを設置したほか、品川駅高輪口にある商業施設、ウィング高輪のB1Fにある京急ストア限定のクーポンとアイカサの連携、京急プレミアムポイントとの連携、京急オリジナルデザイン傘の製造などを実現。実証実験を行った7月は、品川エリアでの利用回数が同月の渋谷の133%という好成績を収めたそうだ。利用時間は10時間以下が60%、1時間以下の利用が17%という結果が得られたほか、品川エリアから駅前のSHINAGAWA GOOSまでの3分程度の利用もあったそうだ。渋谷はアイカサのサービス開始当時のサービスエリアで利用者も多く認知度も高いはずだが、京急との実証実験がそれを上回ったかたちだ。

tripla(tripla)
AIチャットボットを活用した多言語対応の宿泊予約サービス。ホテルのウェブサイトに予約機能を実装することで、オペレーションコストの削減を実現する。京急との実証実験では、京急EXの浜松町・大門前、品川・新馬場駅北口にtriplaを導入。導入後は予約件数が月あたり300件増、予約コンバージョンは業界平均が2.2%のところ、大門が3.8%増、新馬場が8.6%増になったとのこと。

SKY RESORT MIURA(AirX)
ヘリコプターのライドシェアサービスを提供。京急の実証実験では、三浦半島のコンテンツの充実や交通課題の解決をテーマとして新木場から三浦半島へのヘリコプター移動を計画。今後は三浦半島と都心部の新たな移動プラットフォームを開発していくという。

京急の取締役社長代表取締役を務める原田一之氏は、今回のデモデイについて「第1期からの成果が継続しており、どこも素晴らしいサービス」と言及したうえで、「ecboは京急沿線で3000件のスポットを開発し、荷物を携行しての移動を本気で少なくしていこうという取り組みを進めている。TISを活用して訪日観光客に積極的にecboを推進している点も評価した」と社長賞の評価ポイントを話した。

「京急を大企業だとは思っていないが、今回のスタートアップ企業の皆さんと一緒に事業開発した際に感じたのはやはりスピード感の違い」と原田氏。「今後も我々にもっと刺激を与えてほしい」と締めくくった。

都内から成田空港まで一律4000円弱、NearMeの相乗りシャトルバスが運行開始

タクシー相乗りアプリ「nearMe.」(ニアミー)を提供するNearMeは8月27日、東京都区内から成田空港までの相乗りシャトルバスサービスを開始した。乗車地は、新宿区、渋谷区、世田谷区、港区、台東区、墨田区、千代田区、中央区、文京区にあるホテルに限られるが、料金は成田空港までの距離に関係なく一律3980円となる。

同社がiOSとAndoridに提供中のnearMe.は、目的地が同じ方向の利用者を専用のスマートフォンアプリでマッチングして相乗りを実現するサービス。nearMe.を使った場合、通常のタクシー料金よりも20〜40%安くなるのが特徴だ。

複数の利用者が降車時にタクシー料金をその都度支払う相乗りは法律では認めらていないが、nearMe.では最終目的地に向かう利用者のみがタクシー料金を払うため、タクシー会社側からは単一の運送契約となるため合法だ。途中下車の利用者はアプリ上で最終目的地に向かう利用者に対してタクシー料金を清算できる。

同社は、利用者同士をマッチングしたあとに、複数人をピックアップしてそれぞれの降車地までの最適ルートを算出する独自の技術を有しており、本日からスタートした成田空港までの相乗りシャトルバスにはこの技術が生かされている。

相乗りシャトルバスサービスは日本語、英語の2カ国語対応で、今後は5カ国対応を進めるとのこと。シャトルバスを頼むには、乗車地のホテルを指定後、成田空港から搭乗する飛行機の便名を入力すればいい。成田空港ではもちろん、第1、第2、第3ターミナルのいずれかの場所で降車できる。シャトルバスの定員は9名。

都内から成田空港までの定額タクシーは、1.6万〜2.3万円。成田空港に近い都区内東部からの乗車が安く、成田空港から遠く北西部からの乗車は高くなる。NearMeの相乗りシャトルは、乗車地が都内9区に限られるが、料金は一律3980円と定額タクシーの4分の1以下の料金で利用できるのが強みだ。

朝夕のラッシュの時間帯に空港へ電車で移動するのは非常に疲れる。荷物が多いとなおさらで、時間に余裕があればリムジンバスやタクシーを利用するのが快適だ。しかし、リムジンバスはかなりの余裕を持たせて運行するため、空港に到着するのが電車に比べてどうしても遅くなる。定時運行のため、搭乗する便によっては空港ロビーで長時間待つ必要も出てくる。前述のようにタクシーは料金が非常に高額になるため、経費精算できないと利用しづらい。相乗りシャトルバスは、電車とリムジンバスの間を埋める効率的な移動手段として注目のサービスだ。

タクシー相乗りアプリのNearMeでJapan Taxiの配車が可能に

タクシー利用者同士をマッチングするサービスを提供中のNearMeが公開している同名のマッチングアプリ「NearMe」で、「Japan Taxi」アプリを呼び出せるようになっている。

道路運送法では、タクシーは1回の運送につき1つの運送契約という決まりがあり、原則として相乗りは禁止されている。しかしNearMeでは、最後までタクシーに乗る利用者がすべてのタクシー料金を支払うため、タクシー会社側からすると1つの運送契約と見なされるため合法。相乗りした乗客は、NearMeアプリに登録したクレジットカード経由で、最後までタクシーに乗車している利用者にキャッシュレスで料金を支払う仕組みだ。女性同士や顔見知りだけなど、相乗り相手を選ぶこともできる。

距離や人数によって異なるが、一人でタクシーに乗るよりもタクシー料金が20〜40%程度安くなる。NearMe側はマッチングした複数の利用者の合計金額から手数料を取ることでマネタイズする。

NearMeが利用できるのは、東京都、神奈川県、埼玉、新潟県長岡市の一部エリアから目的地に向けて発車するタクシー。NearMeが開発したアルゴリズムにより、マッチング時に複数の降車地を経由する最適なルートや各自が支払う料金が計算される。利用エリアについては順次拡大予定とのこと。

これまでは、NearMeでマッチングに成功したあと、最初に乗る人が自分で手を挙げるか配車アプリを使ってタクシーを呼ぶ必要があったが、今回の連携によりNearMeアプリからJapan Taxiアプリを呼び出しての配車が可能になる。特に流しのタクシーがなかなかつかまらない郊外などではアプリによる配車は重宝するはずだ。

  1. 68611375_942061416131038_8067483087803514880_n

  2. 67888258_724895281298004_2731780404926218240_n (1)

  3. 67790927_921946764812167_8616459034414809088_n

  4. 67699289_2369587696643334_7905651894071066624_n

  5. 67836713_2484067984970297_7558466949978521600_n

  6. 67768011_573839056481646_6428673388994101248_n

  7. 67650941_513141016112592_3692414677502918656_n

  8. 67662358_1093492570856786_6480917731959898112_n

  9. 68900112_2071494489618391_5274357248376700928_n

  10. 67760608_2472883889600897_1985124439578116096_n

政府は2019年度中に合法的な相乗りタクシーを解禁する予定で、すでに数回の実証実験を済ませている。もちろんNearMeは、相乗りタクシーの解禁後でも利用できるうえ、マッチング相手を選ぶことも可能だ。

京急アクセラレータープログラム第2期にアイカサやecbo cloak、nearMeなどが選出

京浜急行は4月17日、ベンチャーキャピタルのサムライインキュベートと共同で開催中のスタートアップ支援の取り組みである「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM」の第2期に採択されたスタートアップを発表した。

採択企業には、TechCrunchでも何度も取り上げたことがある傘シェアサービス「アイカサ」を運営するNature Innovation Groupや、TechCrunch Tokyo 2017のスタートアップバトルのファイナリストである手荷物預かりサービス「ecbo cloak」を運営するecbo、TechCrunch Tokyo 2018のスタートアップバトルのファイナリストであるタクシーの相乗りのマッチングサービスを運営するNearMeが選出された。そのほか、ヘリコプターのライドシェアサービス「CodeShare」を展開するAirX、AIチャットボットを活用したホテルのカスタマーサポート支援サービスを提供するtriplaも選ばれ、合計は5社。

アイカサ(Nature Innovation Group)

Nature Innovation Groupでは今回のプログラムの採択により、品川駅周辺のオフィスビル数棟や駅周辺商業施設にアイカサを設置。利用者にとっては突然の雨でも傘を低コスト借りられる場所が増え、アイカサ対応店舗では傘を借りに来る利用者に向けての販促が可能になる。中長期的には、京急グループ保有の商業施設やオフィスビル、マンション、ホテルなどにサービスを導入して、雨の日限定のキャンペーン施策などによる相互送客を実施したいとしている。利用客の移動データの取得・分析も進める。

ecbo cloak(ecbo)

ecbo cloakはコインロッカー難民を救済するサービスで、駅構内やカフェなどの空きスペースに荷物を預けられるのが特徴だ。ecbo cloakサービスを京急沿線店舗に導入し、「手ぶら観光」の訴求や大型荷物による電車内の混雑解消を目指す。

tripla(tripla)

AIチャットボットを活用した多言語対応の宿泊予約サービスを、京急系列のホテルに試験導入予定。ホテルのウェブサイトに予約機能を実装することで、オペレーションコストの削減を実現する。今後はバスやタクシーなどの移動手段とのワンストップサービスも検討していくとのこと。

nearMe(nearMe)

NearMeは、同じ方向にタクシーで移動する人々をマッチングして、1人で利用するよりも実質的に安価なタクシー料金を実現するサービス。京急との取り組みにより、沿線の新たな移動手段を創出。今後は観光などの需要に合わせたオンデマンドシャトルの試験運行などを予定している。なお同社は5月をメドに、東急リゾートサービスが運営する「季美の森ゴルフ倶楽部」でのゴルフ場の相乗り送迎サービスの試験運行も予定している。

CodeShare(AirX)

ヘリコプターのライドシェアを提供しているAirXは、京急とは三島半島におけるエアモビリティーを活用した観光プランの実現を目指す。同社によると、日本国内ではヘリコプターが空を飛ぶ乗り物の4割ほどの台数を占めているが稼働率は10%未満と低いとのこと。そこで稼働していないヘリコプターの管理や整備を所有者から請け負い、これらを複数人でシェアすることで低料金での飛行を実現するという。将来的にはハイヤーと変わらない料金での利用も可能になるそうだ。

京急は、今回の2期、前回の1期で採択された企業への出資についてはまったくの未定とのことだが、協業は順調に進んでいるとのこと。

同社はモビリティを軸としたライフスタイルの提案を目指しており、具体的には第1期採択企業のヤマップとは、「MIURA ALPS PROJECT」(三浦アルプスプロジェクト)として、ヤマップが提供する「YAMAP」アプリ上で、三浦アルプス登山マップを整備。観音崎京急ホテルや葉山マリーナを起点とした三浦の山をめぐるトレッキングイベントも昨年開催した。日本美食とは、アリペイなど15種類のQRコード決済に対応する「日本美食Wallet」を「京急ツーリストインフォメーションセンター羽田空港国際線ターミナル」、ラーメンフードコート「品達羽田」、ショッピングセンター「ウィング高輪」の一部店舗に試験導入している。

相乗りアプリのNearMe、都市部で最大9人をピックアップしてゴルフ場まで運ぶシャトルバスの運用開始

タクシーの相乗りアプリ「nearMe.」を提供するNearMeは3月28日、同社がもつ乗客ピックアップルートの最適化アルゴリズムを応用し、都市部の住民とゴルフ場をつなぐ相乗りシャトル運用の実証実験を、東急リゾートサービスと共同で実施すると発表した。

NearMeは、タクシーで同じ方向に行きたい人同士をつなぐ相乗りアプリを提供するスタートアップ。深夜、終バスの時間が過ぎた頃の郊外の駅では、タクシーに乗るために長い列ができているところをよく目にする。その中には同じ方角に向かう人もいるはずだが、1人に1台というかたちでタクシーが割り当てられるので、待ち時間がどうしても長くなってしまう。そんな中、NearMeは同じ方角に向かう人をアプリでつなげることで、その無駄を解消しようとしている。同社についてはこちらの記事でも詳しく紹介しているので、参考にしてほしい。

同社はこのアプリの提供と同時に、NearMeは、最適なルートで複数人をピックアップすることを目的としたアルゴリズムの開発にも取り組んできた。今回の実証実験は、そのアルゴリズムを活用することで都市部とリゾート地をつなぐシャトルバスの運用を行うことが目的だ。シャトルバスの定員は最大9名。東京都渋谷区や東急沿線沿いに住むゴルフ利用客を効率的にピックアップして、ゴルフ場まで届ける。

NearMeは、2018年11月に開かれたPlug and Play Japanのアクセラレータープログラムに採択され、その公式コーポレートパートナーである東急不動産と実証実験の検討を開始。約3ヶ月間の期間をへて実施に至った。実証実験の開始は2019年5月頃を予定しているという。

NearMeが「100万円あげちゃう!」キャンペーンを実施、タクシー料金が20%お得に

どこかで聞いたことのあるようなタイトルだけれど、タクシー相乗りアプリ「NearMe.」運営のNearMeは12月25日、「100万円あげちゃう」キャンペーンを開始したと発表。忘年会シーズン、終電を逃したら試してみるのもアリでは?

この「バーチャル相乗りキャンペーン」では、たとえ相乗り相手が見つからない場合でも、NearMe.を使いバーチャルな相乗り体験することで予想タクシー料金の20%がお得になる。

利用ステップを説明しよう。まずNearMe.で目的地を入力して相乗り相手を検索(見つからない場合、 バーチャル相乗り相手「ニア美」さんがマッチされる。ニア美さんと実際に相乗りすることはないのであしからず)。タクシーに乗車後、メッセージ画面にて「合流」ボタンを押しバーチャル相乗り開始。目的地に到着後、24時間以内に領収書を撮影し、アップロード。すると翌日、 お得になる金額がメニューの「残高」に計上される。

キャンペーン期間は2018年12月31日23:59まで。なお、支払い金額の総額が100万円に到達した時点でこのキャンペーンは終了する。

利用エリアは出発地が東京都、 神奈川県、 埼玉の一部エリアだが、今後随時拡大予定だ。

  1. sub1

  2. sub3

  3. sub4

  4. sub5

  5. sub2

なお参加条件・注意事項は以下のとおり。

  • リアル相乗りが3回以下の利用者
  • お得になる金額は、 検索時の予想タクシー料金を元に計算
  • お得になる金額は、 最大2000円/1回
  • タクシーの領収書を24時間以内に送付しなかった場合、 支払いは不可
  • 端末情報と領収書の位置情報が矛盾している場合、 不正利用と判断し、 支払い不可となる場合も

NearMeは2017年7月に設立されたスタートアップで、2018年6月25日にnearMe.を東京エリアで先行リリースした。タクシーという日本の既存資産を利用し、ライドシェアとは異なる方法で新しい移動方法の実現を目指しているスタートアップだ。

TechCrunch Tokyo 2018スタートアップバトル、グループB出場企業を発表

11月15日、16日の2日間で開催されるスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2018」。昨日、創業3年未満のスタートアップによるピッチバトル「スタートアップバトル」のグループAに出場する5社を発表したが、それに引き続きグループBの出場企業を発表する。

グループBに出場するのは、ムスカ、GVA TECH、NearMe、エアロネクスト、RESTARの5社だ。

ムスカ

ムスカの強みはずばり、旧ソビエトの時代から約45年の歳月をかけて選別交配を重ねたイエバエだ。通常は飼料と肥料の生成には数ヶ月の期間を要するが、ムスカのイエバエを活用すれば有機廃棄物を1週間で堆肥化することが可能だ。ムスカはこのテクノロジーにより、タンパク質の需要に供給が追いつかなくなる「タンパク質危機」の解決を目指す。こちらの過去記事も参考にしてほしい。

GVA TECH

GVA TECHは、AIによる契約書レビューツールの「AI-CON レビュー」や契約書作成支援サービス「AI-CON ドラフト」などを提供するリーガルテックスタートアップだ。契約書の条文ごとに、それが自分にとって有利なのか不利なのかを5段階のリスク度で自動判定する機能などが特徴だ。本格的な法律業務をテクノロジーで効率化し、ビジネスにおける「法務格差」の解消を目指すという。詳しい機能などは、こちらの過去記事も参考にしてほしい。

NearMe

NearMeは、“タクシーの相乗り”で日本の交通インフラの改善を目指すスタートアップ。タクシーという日本の既存資産を活用し、ライドシェアとは違うやり方で問題解決を目指す。同社はこれまでにニッセイ・キャピタルなどから5000万円を調達している。最終的には、相乗りだけではく、さまざまな分野で「瞬間マッチングプラットフォーム」を展開し地域活性化に貢献することを目指すという。過去記事はこちらだ。

エアロネクスト

エアロネクストは、UAV(無人航空機)やマルチコプターの機体フレームのあるべき姿を追求するドローンスタートアップ。機体の軸をずらさずに飛行させる重心制御技術「4D Gravity」を武器に、来たるドローン社会に求められる機体の開発を行う。2018年秋に開催されたB Dash Campピッチアリーナでは見事優勝を飾った。B Dash CampとTechCrunch Tokyoのスタートアップイベント2冠となるか、注目だ。

RESTAR

不動産事業者や金融機関向けに、投資用不動産の分析・評価ツール「REMETIS」を開発するのがRESTARだ。物件周辺の空室率や家賃状況など、これまでは複数の資料を参照する必要があったアナログな業務をテクノロジーで効率化しようとしている。三菱UFJフィナンシャルグループが主催する「MUFG DIGITALアクセラレータ」の第3期採択企業。

明日11月7日にはグループCの出場企業を発表する予定だ。チケット購入をうっかり忘れていたという人は、下のリンクから購入できるから安心してほしい。当日、スタートアップバトルの会場は緊張、興奮、感動、喜び、悲しみなどが複雑に入り混じった独特な雰囲気で包まれる。その雰囲気をぜひ体で感じてみてはいかがだろうか。

チケット購入はこちらから

Uberとは違う、日本らしいやり方でタクシーを変えるーー楽天子会社の元CEOが手がける相乗りアプリ

写真左よりNearMe代表取締役の高原幸一郎氏、同CTOの細田謙二氏

郊外の地域では、終電後のタクシー乗り場に長蛇の列ができることが多い。なんとか終電で最寄り駅まで辿り着いたのはよいものの、もうすでに最終バスもない。そんな人は自分だけじゃないから、タクシーを求めて長い列ができるのだ。

海外にはUberがあり、自分がどこにいてもUberドライバーを気軽に呼ぶことができる。向かう方角が同じ他のユーザーとライドシェアして、運賃を浮かすこともできる。でも、日本ではいわゆる「白タク」は違法行為であり、海外でUberを経験したTechCrunch Japan読者のみなさんは「日本はまだまだ」と悔しい思いをしたこともあるだろう。

そんななか、白タクとは違うやり方でこの課題を解決しようとするスタートアップがいる。ニッセイ・キャピタルのアクセラレーションプログラム「50M」の“特待生”として5000万円の資金調達を実施し、本日6月25日にタクシー相乗りアプリ「 nearMe.(ニアミー)」を東京エリアで先行リリースしたNearMeだ。

同じ方角に向かうユーザーをマッチング

先ほどUberの名前を挙げたばかりの僕が言うのもなんだけれど、Uberの仕組みを理解している人は、まず頭をまっさらにしてほしい。nearMeはUberとはまったくの別物だからだ。nearMeは自社でタクシードライバーを抱えていないし、指定されたポイントにタクシーを配車することもない。彼らがやるのは、同じ方角に向かうユーザー同士をマッチングすることだけだ。

ユーザーはまず、nearMeのアプリを開いて目的地を入力する。すると、自分の近くにいて、かつ同じ方角に向かう“相乗り候補”と、その人と相乗りする場合のルート、相乗り運賃がアプリに表示される。その条件にユーザーが納得した場合、アプリ内のチャット/音声通話機能でマッチングした相手とコミュニケーションをとり、相乗りするための待ち合わせをするという流れだ。待ち合わせと言っても、そこにタクシーが配車されるわけではなく、ユーザーは自分でタクシーをつかまえる必要がある。

ユーザー間の清算は以下のようになる。まず、タクシーを最後に降りる人(ライドリーダー)は通常通りタクシーの運転手に運賃を支払う。その一方、途中で降りる人(ライドメンバー)はアプリに登録したクレジットカードを通してマッチング時に表示された“相乗り運賃”をライドリーダーに支払う。その後、ライドリーダーの銀行口座に相乗り運賃が入金される仕組みだ。もちろん、相乗りなのでユーザーは1人で乗車したときよりもお得にタクシーを利用できる。

ただ、注意すべきなのは、この時にライドメンバーがライドリーダーに支払う金額は、実費ベースで計算したものではなく、相乗りする前に表示された想定運賃だということ。つまり、タクシーが実際に走ったルートによっては事前に想定した相乗り運賃と実際の運賃のあいだに多少のズレが生じてしまう。

Uberとは違う、日本らしいやり方

今お伝えしたように、ユーザーが自分自身でタクシーをつかまえなければならなかったり、想定金額と実際の運賃とのあいだに多少のズレが生じる可能性があるなど、nearMeにはスマートじゃない部分もたくさんある。でも、それは日本の規制をクリアして、かつスケーラブルにビジネスを拡大するために彼らがあえて採用した戦略でもある。

まず、日本では白タク行為は禁止されているから、Uberのように自社でドライバーを抱え込んでタクシーサービスを提供することはできない。では、既存のタクシー業界と組んで相乗りサービスを展開するのはどうか。そうすれば、ユーザーの位置情報をもとにタクシーを配車することもできるし、支払いシステムも現状よりスマートになるだろう。

しかし、それも将来的なスケーラビリティを考えると微妙な選択肢となってしまう。国土交通省の調べによれば、全国のタクシー車両台数の合計は約23万台(平成28年時点)。その一方、タクシー大手の第一産業交通が抱える車両台数は約8400台であることからも分かるように、日本では1つのタクシー会社が持つ市場シェアは極めて小さい。

このような背景もあり、ある特定のタクシー会社と手を組んでサービスを提供しようとすれば、マッチしても利用できるタクシーが限られるなど、ユーザーの利便性を損ねてしまう。かといって、スタートアップであるNearMeが群雄割拠のタクシー業界を1つに束ねるプラットフォームを構築するのは至難の業だ。だからこそ同社は、タクシー業界との正式なパートナーシップを必要とせず、最初からどんなタクシー会社にも対応する現在のビジネスモデルを選択したのだ。

楽天グループのケンコーコム執行役員、同じくグループ会社の仏Aquafadas CEOなどを歴任したNearMe代表取締役の高原幸一郎氏は、nearMeが既存のタクシーサービスを補完する存在になり得ると主張する。「相乗りという選択肢なければ、タクシーを利用することを諦めていた人がいるはず。タクシーの実車率(全体の走行距離のうち、乗客をのせて走行した距離)は40%代と言われるなか、そのようなユーザーをタクシー会社に送客できるという意味で、nearMeとタクシー会社は協力する関係になれるはずだ」(高原氏)

タクシーという日本の既存資産を利用し、ライドシェアとは異なる方法で新しい移動方法を実現することを目指すNearMeはまず、終電と終バスの時間に開きがあり、タクシー乗り場に列ができやすい地域などに的を絞って局地的にPR活動を展開。その後は随時利用地域を拡大していく構えだ。