暗号資産企業がこれだけお金を費やすなら、いっそ11番目のF1チームを作ってくれないだろうか?

高額なコストがかかることで有名なレースシリーズであり、独裁的な政府にとってはイメージのロンダリングとしても知られるF1に、テック企業の資金が流入している様子を追うのは、ここ数年、楽しいゲームになっている。

資本と権力を持つテック事業がF1チームやF1ブランドに資金を投入しているのは、そうする余裕があるからであり、F1には世界的なファンベースがあるからだ。F1に資金を投入すれば、それなりにグローバルな露出が得られる。

だから、米国時間2月10日、Aston Martin Aramco Cognizant F1 Team(アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラワンチーム、そう、これが本当の名前だ)が新車を発表するのを見て、新しいF1マシンにCrypto.com(クリプトドットコム)のステッカーが貼ってあるのに気づいても、驚くことではなかった。また、IT・コンサルティング大手のCognizant(コグニザント)がチームの主要スポンサーの1つであることも思い出した。

また、Oracle(オラクル)がRed Bull(レッドブル)のチーム(現在はORACLE Red Bull Racing、オラクル・レッドブル・レーシングと呼ばれている)と5年にわたる契約を結び、年間約1億ドル(約116億円)を支払うと言われていることも驚きではない。Oracleは以前からスポンサーだった。今ではドリンク企業であるRed Bullを除けば、トップスポンサーとなっている。新しいチームカーには、Oracleのロゴがかなり大きく入っている。

他には?そうそう、Ferrari(フェラーリ)のF1チームがPalantir(パランティア)と契約を結んだことが発表された。

まだまだある。Mercedes(メルセデス)のF1チームは、TeamViewer(ティームビューワー)、AMD、CrowdStrike(クラウドストライク)の支援を受けている。McLaren(マクラーレン)のF1チームは、Webex(ウェベックス)、Splunk(スプランク)、Alteryx(アルテリックス)、DataRobot(データロボット)、Smartsheet(スマートシート)など、あらゆる企業が支援している。私の大好きなレーシングサーキットには、すでに多くのハイテクマネーが投入されている、というわけだ。

しかし、新しいアストンマーティンにCrypto.comのブランドが付いていることで、私は考えさせられた。ブロックチェーン分野の別の企業であるTezos(テゾス)は、マクラーレンとレッドブルを支援しており、FTXはメルセデスなどを支援している。つまり、従来のテクノロジー企業からの資金だけでなく、F1スペースにはすでにそれなりの量の暗号系資本が存在しているということだ。

いい考えがある。Binance(バイナンス)がForbes(フォーブス)のSPAC合併に2億ドル(約232億円)を投入するというニュースや、暗号資産取引所のテレビ広告などを考えても、他の多くの企業が失敗してきたことを、大胆なブロックチェーン企業が成功させるときが来ている。新しいF1チームの構築だ。

どうだろう、すばらしいアイデアではないだろうか?テック企業はこれまで、F1チームと協力するだけで満足しており、時には小切手とともに技術を持ち込むこともあった。しかし、暗号資産企業は、今、大きな成功を収めようとしている。ちまちましたことはやめて、本気で資金を投入したらどうだろうか。

Crypto.comは、5年間にわたってF1のスポンサーとして1億ドル(約116億円)以上を費やした。それも悪くない。しかし、もっとクールなのは、Crypto.comのF1チームを持つことだ。あるいは、Coinbase F1チーム。それかBinance F1チーム。FTX F1チームでもいい。さあ、スタジアムの名前を決めることや、配当金を払わないことよりも、もっと大きな夢を見ようじゃないか!

ブロックチェーンは、確固たる信奉者にとっては、経済の多くの部分の未来を担うものだ。その期待が持続するのであれば、いずれは暗号資産に支援されたF1チームが登場するのは間違いない、と考えていいのでは?それなら、先手を打ってチームを始めてはどうだろうか。

トークンへの信念だけじゃなくフィアットで証明し、11番目のチームを設立しよう。もし実現したら、私はマスコットに志願する。バカげたコスチュームだって着てみせる。レッツ・ゴー!

画像クレジット:William WEST / AFP / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Aya Nakazato)

太陽光発電で「飛び続ける無人飛行機」を開発するSkydweller Aeroが分析プラットフォームのPalantirと提携

現在の飛行機やドローンは、その大きさや燃料の種類にかかわらず、いずれも「最終的には着陸しなければならない」という同じ制約を抱えている。

米国とスペインのベンチャー企業であるSkydweller Aero(スカイドゥエラー・エアロ)は、この制約から自由になりたいと考え、最終的には永久に飛行が可能となる太陽光発電による自動操縦型航空機を開発している。

シリーズAラウンドで3200万ドル(約35億2000万円)の資金調達に成功した同社は、Leonardo S.p.A.(レオナルド株式会社)、Marlinspike Capital(マーリンスパイク・キャピタル)、Advection Growth Capital(アドベクション・グロース・キャピタル)の3社から800万ドル(約8億8000万円)の募集枠を超えた追加資金調達を行った。また、同社はPalantir Technologies(パランティア・テクノロジーズ)とのパートナーシップも発表。Palantirの分析プラットフォーム「Foundry(ファウンドリー)」を使用して、通信、政府機関、緊急サービス用に設計されたSkydwellerの航空機に搭載し、大規模な情報処理を行う。

Skydwellerの共同設立者であるJohn Parkes(ジョン・パークス)氏は、TechCrunchのインタビューに答えて次のように述べている。「(Palantirは)データから価値を生み出すことに最も長けています。それは、我々の航空機をどのように飛行させるかという運用上の洞察を得るために、データを同社のシステムに入力する場合と、我々の航空機のセンシングシステムから出力されるデータや、航空機のネットワークを通じて得られるデータを、同社のシステムに入力してそこから得られるものについて解析する場合の両方においてです」。

そしてSkydwellerは、大量のデータを生成することになる。同社は現在、通信、地理空間情報、行政調査という、膨大なデータが関わる3つの市場に注力している。SkydwellerはFoundryのプラットフォームを利用することで、政府を含む同社の顧客が監視している地域を、より詳しく理解できるようにすることを計画している。

また、Foundryのプラットフォームは、飛行ルートやミッションの計画にも役立つ。Skydwellerは、天気や大気の情報を活用し、同社の航空機が太陽の光を効率的に利用して空を飛ぶことができるようにしたいと考えている。

「要するに、私たちが目指していることは、持続的な空中写真あるいは擬似的な衛星を作るということです」と、パークス氏はいう。「私たちは、永続的に飛行できる航空機を作ることに集中しています。我々の目標は、太陽が昇る限り、永遠に飛び続ける飛行機を作ることです」。

そのためには天候や大気のデータは特に重要で、航空機の飛行高度を決定する重要な要素となる。同社の飛行機は高高度を飛べるようになる予定だが、パークス氏によれば「より困難で、より実用的な問題」は、気象計画を利用して、十分なエネルギーを取り込み、低高度に留まり続けることだという。低高度飛行ではインターネットの通信品質や地理空間データが向上し、ペイロードのための電力もより多く確保できると、パークス氏は述べている。

画像クレジット:Skydweller Aero

Skydwellerの技術は、Bertrand Piccard(ベルトラン・ピカール)氏とAndré Borschberg(アンドレ・ボルシュベルグ)が指揮を執ったスイスのソーラー航空機プロジェクト「Solar Impulse(ソーラー・インパルス)」から生まれたものだ。このプロジェクトは14年間運営され、1億9000万ドル(約209億円)をソーラー航空機に投資してきたが、その背後にある財団が2019年に知的財産をSkydwellerに売却した。しかし、Solar Impulseは操縦するように作られていたため、それ以降の作業の多くはプラットフォームを無人で飛行できるようにし、機体に超長期耐久性を持たせることだったと、パークス氏は語る。

この航空機は、2200平方フィート(約204平方メートル)の太陽電池パネルを搭載した翼、600キログラムのバッテリー、水素燃料電池のバックアップ電源システムを備え、電気のみで駆動する。ソーラーパネルは飛行を維持するためだけではなく、地理空間カメラシステムや通信会社のペイロードなど、顧客のシステムにも電力を供給する。

同社は標準的な民間航空部品を使用しているが、そのほとんどは一定の使用時間以上にテストされているわけではなく、それはSkydwellerが計画している航空機の使用時間よりもはるかに短い。さらに、他の新技術を用いた航空機と同様、完全な認証の枠組みも確立されていない。

「時間のパラダイムを打ち破ろうとすれば、未知の領域に踏み込むことになります」と、パークス氏はいう。

2020年に飛行試験を開始したSkydwellerは、それ以来、自律システム技術の搭載とテストに注力してきた。今後は「非常に短期間で」この自律型航空機の離陸、フルフライト、着陸を含むテスト飛行を行い、将来的には長時間の飛行を実現することを目指している。顧客は1年から1年半以内にこの航空機のライセンス取得を開始できるだろうと、パークス氏は推測している。

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画像クレジット:Skydweller Aero

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Palantirの不具合により一部FBI職員が暗号ハッカーの個人データに不正アクセスしていた疑い

PayPal(ペイパル)の創業者であるPeter Thiel(ピーター・ティール)氏が設立したAI企業Palantir(パランティア)は、CIAや米移民・関税執行局(ICE)などを顧客に持っているが、宜しくない理由で再び注目を浴びている。新たな報道によると、FBIが使用している同社の極秘ソフトウェアプログラムに不具合があり、権限を持たないスタッフが1年以上にわたって個人データにアクセスできたとのこと。ニューヨーク・ポスト紙によると、この不具合は、ハッカーとして告発されたVirgil Griffith(ヴァージル・グリフィス)容疑者に対するマンハッタン連邦裁判所の裁判で、検察官が書簡の中で明らかにしたもの。Palantirは声明の中でこの主張を否定し、障害はFBIがソフトウェアを誤って使用したことが原因だと述べている。

グリフィス容疑者は、暗号資産やブロックチェーン技術が米国の制裁を逃れるのに役立つという情報を北朝鮮に提供した疑いで、2019年に逮捕された。問題となっている事件は、当局が2020年3月に連邦政府の捜査令状によって入手した、ハッカーである容疑者のソーシャルメディアデータにまつわるものだ。書簡によると、Twitter(ツイッター)とFacebook(フェイスブック)の情報は、デフォルト設定でPalantirのプログラムにアップロードされており、事実上、権限を持たないFBI職員がアクセスできるようになっていた。

2020年5月から2021年8月までの間に、3人のアナリストと1人の捜査官が4回、この資料にアクセスしていた。書簡によれば、グリフィス容疑者の事件を担当するFBI捜査官は、2021年8月初めに同僚からこの問題を指摘されたという。情報にアクセスしたスタッフは、自分たちの捜査に使った覚えはないと検察官に語ったという。

書簡には「FBIのアナリストが、別の捜査を行う過程で、令状執行報告にアクセスするプラットフォームでの検索により、被告人とその別の捜査対象者との間のコミュニケーションを特定した」と記されている。

Palantirは、この問題から距離を置こうとしている。「当社のソフトウェアに不具合はありませんでした」とニューヨークポスト紙に声明を出し「顧客」が「令状執行報告を保護するために確立された厳格なプロトコル」に従わなかったためだ、と付け加えた。

成長を続けているPalantirにとって、ソフトウェアの欠陥による大きなPR危機は最も避けたいことだ。2020年秋に株式を公開して以来、同社の収益は急増しているが、運営上の損失も増加している。Palantirの顧客は現在、政府機関、IBMなどの重鎮テック企業、さらには鉱業グループのRio Tinto(リオ・ティント)にまで及んでいる。さらに同社は、商業宇宙企業と協力して237個の衛星からなるメタコンステレーションを管理している。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Saqib Shah(サキブ・シャー)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Saqib Shah、翻訳:Aya Nakazato)

Palantirが新型コロナウイルス関連を含む米国食品医薬品局の医療品評価を支援

Palantir(パランティア)による連邦政府の健康問題に向けた取り組みは続いている。このデータ分析会社は、3年間で総額4440万ドル(約46億3000万円)におよぶ米食品医薬品局(FDA)との新たな契約を獲得したばかりだ。このニュースを受けて、同社の株価は約20%上昇し、過去2カ月間で2倍の価値になった。

Bloombergが報じているように、Palantirは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療のために開発されたものを含むFDAの医薬品のレビューを支援し、他にもFDAが規制している手指消毒剤のような健康製品の安全性を評価する。この契約により、Palantirのデータ解析ソフトウェアが、FDAの医薬品評価研究センターとオンコロジー・センター・オブ・エクセレンス(腫瘍学研究拠点)に導入されることになる、とBloombergは報じている。

2020年9月下旬に米国証券取引委員会(SEC)とForm S-1(目論見書)のやり取りを重ねた後、Palantirは伝統的なIPOではなく、直接上場を介して公開された。シリコンバレーの象徴であるPeter Thiel(ピーター・ティール)氏が共同設立者に名を連ねたこの謎の企業は、強制送還を実行する連邦法執行機関であるICEとの継続的な協力関係(未訳記事)で、近年注目を集めている。

FDAは、すでに新型コロナウイルス危機に関する仕事にPalantirを指名している(未訳記事)米国保健福祉省 (HHS) 内に属している。4月にPalantirは、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部が、動向を追跡してパンデミックについての意思決定を行うために使用するソフトウェアの件で、HHSと2つの契約を交わした。Palantirはまた、米国疾病予防管理センター(CDC)と協力して、3月中旬にはウイルスの拡散をモデル化している。

バイデン政権がPalantirとの連邦政府の仕事を拡大し続けるかどうかは不明だが、ワクチンを配布するプロセスは、物議を醸している同社にもう1つの物流の機会を提供することになる。どの人がワクチンの2度の接種を受けたかを追跡することは、Palantirの得意分野であると思われる。

Palantirは米国内の連邦政府との契約に大きく依存しているが、海外の政府にもソフトウェアプラットフォームを販売している。11月には、英国が接触追跡の取り組みを支援する(Yahoo! finance記事)ために同社のソフトウェアを検討していたが、英国ではすでにワクチンが流通しているため、いまもそのような話し合いが続いているかどうかは不明だ。

PalantirのS-1書類によると、同社の顧客数は125社に止まり、収益の半分強は政府との契約によるものであることが明らかになった。米国内での取引が中心となりがちだが、同社のビジネスの60%は国際的なものであり、その多くは国内外で知られていない顧客である。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:PalantirFDA新型コロナウイルスCOVID-19

画像クレジット:Anadolu Agency / Contributor / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

データ分析企業のPalantirとワークマネジメントツール開発のAsanaの株価はNYSE上場初日に急騰

株式市場は終了し審判が下された。投資家はPalantirとAsana(アサナ)を有望だと判断した。

この2社は米国時間9月30日の午前、対抗するかのようにダイレクトリスティングによる上場デビューを果たした。2018年にダイレクトリスティングで上場したSpotifyとは異なり、ブランド認知のないエンタープライズ向けテック企業でも、ダイレクトリスティングがうまくいくことを証明した。これまでのところ証拠は確たるものであり、その仕組みは投資家を遠ざけていない。

Asanaは初の取引日を1株当たり28.80ドルで終えた。参考価格の21ドルより37%高。初取引は27ドルだった。一方Palantir(パランティア)は9.73ドルで引け、参考価格の7.25%より34%高。初取引は10ドルだった。Asanaの引け値に基づく時価総額は43億ドル(約4535億円9、Palantirの完全希薄化後株式数(最近の証券売却を含む)に基づく時価総額は248億ドル(約2兆61567億円)だった。

ちなみにEquityシリーズの共同ホストであるNatasha Mascarenhas(ナターシャマスカレンハス)と私は、これらの数字について「Equity Shot」で議論した。我々の考察と分析に興味のある人は以下の音声を聴いてほしい。

さて、こうした派手な数字によって、多くの勝者が生まれている。

何よりもまず、Founders Fund(ファウンダーズファンド)は2つの会社に共通する唯一の主要投資家であり、多くの資金を手に入れた。同社はAsanaの5.8%、Palantirの約6.6%を所有し、本日の評価に基づくとラフな計算で正味18億ドル(約1900億円)ほどの利益だ。

一方、BenchmarkはAsanaの9.3%を所有しており、そのほかのPalantirの大株主には、損保ジャパン、Disruptive Technology Solutions、UBS、および8社のVCがいる。

2社の創業者も勝者だ。Dustin Moskovitz(ダスティン・モスコヴィッツ)氏はAsana株の36%を、共同創業者のJustin Rosenstein(ジャスティン・ローゼンスタイン)氏は16.1%を保有している。Palantirでは、3人の創業者、Alex Karp(アレックス・カープ)氏、Stephen Cohen(スティブン・コーエン)氏、Peter Thiel(ピーター・ティール)氏が合わせて数十億ドル相当を手中に収めた。

Asana創業者のジャスティン・ローゼンスタイン氏とダスティン・モスコヴィッツ氏(画像クレジット:Asana)

もちろん社員も現金化を喜んでいる。Asanaはロックアップ期間を設けていないため、社員やインサイダーも自由に売買できる。Palantirはダイレクトリスティングにロックアップを組み合わせたため、今日の取引対象は同社株の28%ほどにすぎない。残りは来年にかけて売却が承認される。

市場閉鎖直後に実施したインタビューでモスコヴィッツ氏は「ワクワクする朝でしたが、最終的には私たちのミッション達成に向かう長い旅路の第一歩にすぎません」と語った。

わずか1日の取引日ではあるが、両社にとって明るく、かつ伝統的IPOがダイレクトリスティングやSPACなどの代替手法との厳しい競争に直面していることを証明する1日だった。

画像クレジット:Michael Nagle/Bloomberg via Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

IPO直前のPalantirの参考価格は企業価値1.7兆円超相当

Palantir(パランティア)が(17年を経て)明日、米国時間9月30日のNYSE(ニューヨーク証券取引所)上場の準備をする中、本誌は同社の株価を投資家がどう判断するかに関わるデータを入手した。

NYSEは、ティッカーシンボル「PLTR」で取引されることになる同社の参考価格を1株あたり7.25ドルと発表した。Palantirはダイレクトリスティング(直接上場)を実施するため、参考価格は投資家に対するNYSEの指針に過ぎず、実際の取引価格を表すものではない。

米国時間9月29日の取引終了後にPalantirがSEC(証券取引委員会)に提出した書類によると、同社はクラスA株式11億6000万株、クラスB株式4億8500万株、クラスF株式100万株、合わせて約16億4000万株を、現時点の資本施策表に載せている。完全希薄化ベースでは計22億株、企業価値は160億ドル(約1兆6800億円)になると最新のS-1書類にPalantirに記している。2つの数値の相違は発行済株式の実績、ワラントその他の金融商品による。

同社株の取引は30日午前に開始予定であり、ダイレクトリスティングを実施することから、上場によって第一次資本が増えることはない。

TechCrunchではPalantirの株価を内部取引に基づいて追跡してきた。2019年1月初めに5ドル前後だった価格は、同社が上場に向けて目論見書の準備を始めたことで今月初めに9.17ドルまで跳ね上がった。参考価格の7.25ドルはこの最終取引価格を下回っているだけでなく、先週The Wall Street Journal が報じたPalantirの銀行筋による10ドルという価格ラインも切っている。

もちろん、参考価格はIPO価格と同じくほとんどが作られた値であり、こうした株の真の価値は、明日トレーダーがインサイダーから株を買い取った後の市場で決まる。

本日午後の申請書類でPalantirは、およそ4億7500万株が取引に出され、残りはロックアップされると書いていている。Palantirはロックアップ付きダイレクトリスティングの先駆者なので、今後株式がさらに出回ったとき、この構成が株価にどう影響を与えるかが注目される。

関連記事:In its 5th filing with the SEC, Palantir finally admits it is not a democracy(未訳記事)

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Palantir 新規上場 / IPO

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TechCrunchの報道後、Palantirが上場申請書類から「非民主的」な条項を即刻削除

それはそれは、早かった。

米国時間9月21日午前、私はPalantir(パランティア)がNYSE(ニューヨーク証券取引所)での直接上場に向けてSEC(証券取引委員会)に新たに提出したS-1書類の修正第5版を分析する記事を書いた(未訳記事)。私は同社が「Stockholder Party Excluded Shares(株主除外株式)」と呼ぶ、ファウンダー3人が「総議決権を一方的に調整する」権利を現在も未来も持つことになる特殊なメカニズムを作る条項を追加したことについて、「民主主義ではない」と指摘した。

Palantirは直前の修正からわずか数時間後に第6版の修正を提出し、SEC提出資料からこの特殊メカニズムに関する記載をすべて削除した。

19カ所の「Stockholder Party Excluded Shares」への言及、およびメカニズムに関する考察と説明のあった複数の条項が完全に削除された。さらに、ファウンダーが「総議決権を一方的に調整する」権利を有することに関する記載も同様に削除された。

これらの変更を除き、2つのバージョンのS-1書類は事実上同一である。また、9月21日午前からの状況を観察すると、草稿を含めて10回目の提出となった同社の上場申請書類の最新版には、「voting power(議決権)」という用語が168回登場しており、これは本日午前の数と変わっていない。最新版のグラフを下に貼った。

S-1書類の各版に「voting power(議決権)」という言葉がでてきた回数

それはエンタープライズソフトウェア会社の実にすばやい転換だった。同社が数週間をかけて準備してきた直接上場は、当初9月23日に予定されていたが9月29日に延期された。

果たして一連の変更を求めたのがSECなのか、NYSEなのか、直接上場の出資者候補なのか、会社幹部やインサイダーなのかはわからない。しかし、企業がSEC提出書類をこれほど急に変更することは極めて稀だ(そもそも、こんなに多くの修正が入ったIPOを私は見たことがない。我々は未知の領域にいる)。Palantirは現在もSECに命じられた静粛期間にある。

本誌は来週に予定されているPalantirの上場に向けて、引き続き状況を観察する。

関連記事:In its 5th filing with the SEC, Palantir finally admits it is not a democracy

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Palantir

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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リークしたS-1書類によるとPalantirは政府の暗号化キー要求と戦う構え

億万長者の投資家であるPeter Thiel(ピーター・ティール)氏が創立した秘密データ分析のスタートアップ「Palantir(パランティア)」は、同社の暗号化キーを要求する政府の命令に対抗する姿勢であることが、リークした文書からわかった。

TechCrunchは、Palantirが上場に向けて米国当局に提出したS-1書類のリーク情報を入手した。資料に基づき本誌はこれまでにPalantirの財務状況顧客情報および同社自身が認識しているリスク要因(未訳記事)などについて報じた。

そして警察や米国政府を含む政府関係顧客と密接な関係にありながらも、Palantirは自社のデータに対する法的要求がなされた際にどこで線引きするかを表明した。

リークしたS-1申請書類より。

時折、政府機関は当社顧客に関する情報を入手するために当社の協力を要請したり、アクセスや監視を可能にするために当社プラットフォームを改造するよう要求をすることがある。当社の機密およびプライバシーに対する誓約に基づき、警察その他の政府機関による情報提供、暗号化キーの取得、ないしは暗号化の改変あるいは弱体化の要求に対し、我々は法的に戦う可能性がある。

同S-1書類が言及しているのは米国における特に繊細な問題だ。なぜなら現在トランプ政権は、警察当局の要求に基づき繰り返し暗号の弱体化(未訳記事)を試みているところだからだ。警察は、米国のテック企業やインターネット巨人が使っている暗号化は犯罪捜査を困難にしていると主張している。

しかし、Palantirの共同ファウンダーであるPeter Thiel(ピーター・ティエル)氏と政権との緊密な関係(未訳記事)をよそに、暗号化に関するPalantirの立場は、他のシリコンバレーのテック企業と一致しており、強力な暗号化はユーザーと顧客をハッカーやデータ侵害から守るためであるという。

2020年6月に政府は、もし成立すればテック巨人に対してシステムに暗号のバックドアを作ることを強制できるようになる法案2件を提出し、反暗号化の立場を改めて明確にした。

Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)およびTwitter(ツイッター)といったテック企業は、法案に強く反対(Reform Goverment Surveilanceリリース)し、バックドアは「すべての米国人、企業および政府機関を犯罪者や海外敵対者によるサイバー脅威の危険に曝すものである」と訴えた」(TechCrunchの親会社であるVerizon Mediaも同盟に参加している)。

企業の暗号化キーを要求する命令は稀ではあるが前例がないわけではない。

2013年、政府は暗号化メールプロバイダーのLavabitに対し、同サービスの暗号化キーを提出(未訳記事)するよう命じた。その後、長年の憶測どおり、政府がアクセスしたかったのはNSAの密告者であるEdward Snowden(エドワード・スノーデン)氏の所有するLavabitアカウントだったことが確認された(WIRED記事)。

それ以降では、FBIが2016年に訴訟を起こし、サンバーナーディーノ事件の射撃犯が所有する暗号化されたiPhoneを調べるために、特別なバックドアを作るようアップルに要求した。犯人のSyed Rizwan Farook(サイード・リズワン・ファルック)は妻のTashfeen Malik(タシュフィーン・マリク)とともに14名を殺害、22名を負傷させた。FBIはその後ハッカーを雇い(未訳記事)、アップルの助けなしに犯人のiPhoneに侵入した後、訴訟を取り下げた。

Palantirは、同社がこれまでに法的命令を受けたかどうかについてS-1では言及していない。しかし書類は、法廷で法的命令を受けるかどうかに関わらず、「政治、ビジネスおよび評判に関わる悪影響」のリスクと戦うと述べている。

Palantir広報は、本誌のコメント要求に返信しなかった。

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Palantirの上場申請書の一部がリーク、2019年の損失は約612億円で政府依存率上昇

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ

タグ:Palantir

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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