フォードとボルボがカリフォルニア州でEV用バッテリーの無償リサイクルプログラムに参加

Tesla(テスラ)の元CTOであるJB Straubel(J・B・ストラウベル)氏が創業したスタートアップRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)は、カリフォルニア州で電気自動車のバッテリーリサイクルプログラムを開始する。Ford(フォード)とVolvo(ボルボ)が設立パートナーとなる。EVの材料調達に圧力が高まっていることが背景にある。

基本的な計画は、Redwood Materialsがカリフォルニアのディーラーや解体業者と協力し、ハイブリッド車や電気自動車の使用済みバッテリーパックを回収するというものだ。ストラウベル氏によると、このプログラムはバッテリーを持ち込む側にとっては無料だ。バッテリーを回収し、適切に梱包して、ネバダ州北部にあるRedwood Materialsのリサイクル施設に輸送する費用は、パートナー企業であるVolvoとFordとともに、Redwood Materialsが負担する。同社は、車種に関係なく、カリフォルニア州内のすべてのリチウムイオン電池とニッケル水素電池を受け入れる予定だ。

「今は混乱していて、人々にとってすばらしい、つまり明白で明確な解決策がないのです」とストラウベル氏はいう。「これは、私たちが変えたいことの本当に重要な部分です。最初はアメリカの誰もが、そしてゆくゆくは世界の誰もが、非常に簡単にバッテリーをリサイクルし、材料がかなり高い割合で回収されるようにしたいのです」。

同社は、スクラップ回収業者やディーラーがバッテリーの回収を組織化するために利用できるポータルを立ち上げた

このパイロットプログラムはまだ初期段階にあり、いくつかの部分は明確に定義されていない。

「強調したいのは、私たちはこのすべてにおいて学習中であり、これはちょっとした西部劇だということです」とストラウベル氏は話す。「少し複雑であることが、これまで実現しなかった理由の一部かもしれないと考えています」。

Redwood Materialsは、循環型サプライチェーンの構築を目指し、2017年に創業した。同社は、携帯電話のバッテリーやノートパソコン、電動工具、パワーバンク、スクーター、電動自転車などの家電製品だけでなく、バッテリーセル製造時に出るスクラップもリサイクルしている。そして、これらの廃棄物を加工し、通常は採掘されるコバルト、ニッケル、リチウムなどの材料を抽出し、それらを再びパナソニックやAmazon(アマゾン)、Ford、テネシー州のAESC Envisionなどの顧客に供給している。

目的は、クローズドループシステムを構築することで、最終的に電池のコストを削減し、採掘の必要性を相殺することにある。

現在市販されている電気自動車には、リチウムイオン電池が搭載されている。電池には2つの電極がある。一方がアノード(負極)で、もう一方がカソード(正極)だ。真ん中に電解液があり、充放電の際に電極間でイオンを移動させる運び屋として働く。アノードは通常、黒鉛でコーティングされた銅箔でできている。

自動車メーカーが電気自動車の生産を拡大し、やがて内燃機関を搭載した自動車やトラックに取って代わるようになると、電池とその材料の需要が急増すると見込まれる。自動車の電動化に取り組む主要自動車メーカーのほぼすべてが、バッテリーセルメーカーやその他のサプライヤーと提携を結び、サプライチェーンの強化に努めている。

2022年初め、既存のパートナーであるパナソニックは、Redwood Materialsとの関係拡大の一環として、Teslaとともに運営するギガファクトリーで製造するバッテリーセルに、2022年末までにリサイクル材をもっと使うと発表した。

Redwood Materialsは、バッテリーセルのアノード側の重要な構成要素であるリサイクル材から製造された銅箔のパナソニックへの供給を始める。Redwood Materialsは2022年前半に銅箔の生産を開始する。銅箔はパナソニックに送られ、年末までにセルの生産に使用される予定だ。

画像クレジット:Screenshot/Redwood Materials

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

パナソニック、テスラ・ギガファクトリーのバッテリーセル生産にRedwoodの再生材を使用へ

Tesla(テスラ)と共同で運営するギガファクトリーで製造されるパナソニックのバッテリーセルは、スタートアップRedwood Materialsとの提携拡大により、2022年末までにリサイクル素材をより多く使用することになる。

米国時間1月4日、パナソニックはCES 2022の会場でRedwood Materialsは、バッテリーセルのアノード側の重要な部材であるリサイクル素材から作った銅箔の供給を開始すると語った。Redwoodは銅箔の生産を2022年の前半に開始し、パナソニックはそれを2022年の終わりごろセルの製造に使用する。

この発表は、より多くのリサイクル素材を使っていくという、パナソニックの方針表明であり、採掘された銅鉱から作る新たな原料への依存を減少させ、さらにRedwoodの事業成長にも寄与する。

現在、市販されている電気自動車には、リチウムイオンバッテリーが搭載されている。バッテリーには2つの電極があり、一方はアノードと呼ばれる負極(マイナス)と、カソードと呼ばれる正極(プラス)だ。両極の間には電解液があり、充放電の際に電極間でイオンを移動させる運び屋として働いている。負極は通常、グラファイトでコーティングされた銅箔でできている。

自動車メーカーが電気自動車の生産を増やし、究極的には内燃機関のクルマやトラックを置き換えていくにともない、バッテリーとその素材に対する需要は急上昇していく。全車種のEV化に本気で取り組んでいる大手自動車メーカーのほとんどすべてが、そのサプライチェーンを確保するために、バッテリーセルメーカーやその他のサプライヤーとのパートナーシップに依存している。

Redwood Materialsは、2017年に当時TeslaのCTOだったJ.B.Straubel(J.B.ストラウベル)氏が創業し、循環型サプライチェーンの構築を目指している。同社は、携帯電話のバッテリーやノートパソコン、電動工具、パワーバンク、スクーター、電動自転車などの家電製品だけでなく、バッテリーセル製造時のスクラップも再利用している。そして、これらの廃棄物を加工して、通常は採掘されるコバルトやニッケル、リチウムなどの材料を抽出し、それらを再びパナソニックなどの顧客に供給する(アマゾンやテネシー州のAESC Envisionとの連携も公表している)。

最終的にはバッテリーのコスト削減と採掘の必要性を相殺するクローズドループシステムを構築することが目的だ。

Redwoodが2022年初めに発表したギガファクトリーの近くに100エーカーの土地を購入したことは、このパナソニックとの提携拡大を示唆するものだった。

Panasonic Energy of North Americaの社長であるAllan Swan氏は「バッテリーの国内循環型サプライチェーンの確立に向けた我々の取り組みは、EVがより持続可能な世界を形成するための機会を最大限に実現するための重要なステップです」と発表している。

Redwoodは2021年9月に、重要なバッテリー材料を米国内で生産する計画を発表している。同社は20億ドル(約2320億円)の工場を建設し、2025年までに年間100ギガワット時(電気自動車100万台分)の正極材と負極材を生産する予定だ。

画像クレジット:Redwood Materials

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フォードがEV普及に向け、バッテリー原料リサイクル企業のRedwood Materialsと提携

Ford Motor(フォード・モーター)は、バッテリー原料リサイクル企業のRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)と提携し、今後大量に投入される電気自動車のためのクローズドループ・システムを構築することにした。この提携では、生産過程で発生する廃棄物や寿命を終えた電気自動車のリサイクルに加え、フォードの電気自動車に使用されるバッテリーの原材料の供給も行うことになる。

2020年発売された「Mustang Mach E(マスタング マックE)」や、間もなく発売されるピックアップトラック「F-150 Lightning(F-150ライトニング)」をはじめ、フォードがそのラインナップに電気自動車を増やしていく中で、今回の提携は結ばれたものだ。電気自動車用のバッテリーやその原料を確保するために、自動車業界は電池メーカーとの提携を進めており、レッドウッド・マテリアルズのような企業に目を向けている。

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フォードだけでも膨大な量のバッテリー供給が必要になる。同社が2030年までに全世界で投入を計画している電気自動車は、合計で少なくとも240ギガワット時以上のバッテリー容量を必要とするという。これはおおよそ工場10カ所分の容量に相当する。フォードは以前、北米だけで140ギガワット時が必要になり、残りは欧州や中国を含む他の地域に割り当てられる分だと述べていた。

フォードの北米地域担当最高執行責任者を務めるLisa Drake(リサ・ドレイク)氏は「寿命を終えた我々の製品においてクローズドループを構築し、その資源をサプライチェーンに再投入することが可能になれば、コスト削減につながります」と、プレス説明会の中で語った。「当然ながら、バッテリーを製造する際に現在使用している多くの原料の輸入依存度を下げることにもつながります。そして、それによって原材料の採掘も減らすことができます。これは今後、私たちがこの分野の規模を拡大していく上で、非常に重要なことです」。

これらすべてが、EVをより安価に、より持続可能なものにすると、ドレイク氏はいう。

レッドウッド・マテリアルズは、バッテリーセルの製造過程で発生する廃棄物や、携帯電話のバッテリー、ノートパソコン、電動工具、モバイルバッテリー、スクーター、電動自転車などの家電製品をリサイクルしている企業だ。Tesla(テスラ)の元CTOであるJB Straubel,(JB・ストラウベル)氏が設立し、率いているこの会社は、ニッケル、コバルト、リチウム、銅などの元素を平均して95%以上回収できるという。

レッドウッドは、これらの廃棄物を処理して、通常は採掘で得られるコバルト、ニッケル、リチウムなどの素材を抽出し、それらを顧客に供給する。現在、その顧客の中には、テスラと共同でネバダ州のGigafactory(ギガファクトリー)を運営しているPanasonic(パナソニック)や、テネシー州にあるEnvision AESC(エンビジョンAESC)のバッテリー工場などが含まれる。レッドウッドはAmazon(アマゾン)とも提携しており、電気自動車などのリチウムイオン電池や事業所から出る電気電子機器廃棄物をリサイクルしている。レッドウッドが初めてパートナーシップを組んだ自動車業界の企業は、2021年3月に提携した電気商用車メーカーのProterra(プロテラ)だった

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「事前に計画を立て、生産能力や適切な地域で適切な時期に生産することを戦略的に考えないと、現在の世界的な半導体不足に少々似た状況に陥るリスクがあります」と、ストラウベル氏はプレス説明会で語った。

米国時間9月22日に発表されたこのパートナーシップでは、レッドウッド・マテリアルズはまず、フォードと協力して、同自動車会社のバッテリー生産ネットワーク内でリサイクルを設定し、回収された原材料をメーカーに戻してバッテリーに使用する。フォードは具体的な内容を明らかにしていないが、それはおそらく、バッテリーセルのサプライヤーであるSKとの協力を意味していると思われる。

フォードとSKは2021年5月、BlueOvalSK(ブルーオーバルSK)という合弁会社を設立し、2020年代中期から年間約60ギガワット時の駆動用バッテリーセルとアレイモジュールを生産することで合意した。

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レッドウッド・マテリアルズとフォードのパートナーシップの最終的な目標は、製造廃棄物のリサイクルとフォードへの原料供給から、寿命を終えた車両のリサイクルオプションの構築まで、バッテリーのライフサイクル全体に関わることだ。この最後の部分が複雑になるのは、これらのEVがフォードの所有ではなくなるからだ。多くのEVは、廃車になるまでに複数の所有者を経ることになる。

今回の提携が発表される数カ月前に、レッドウッド・マテリアルズは7億7500万ドル(約858億円)以上の資金を調達しているが、その中にはフォードからの5000万ドル(約55億円)が含まれていることが後に明らかになった(同社は当初「7億ドル以上の資金を調達した」と発表していた)。

また、9月に入ってから同社は、事業をバッテリーのリサイクルだけでなく、重要なバッテリー材料の生産にも拡大する計画を明らかにし、そのために米国に100万平方フィートの新工場を建設するとしている。同社はリチウムイオン電池の構成材料となる正極活物質と負極用銅箔を生産したいと考えている。

現在、同社が建設地を探しているこの工場は、おそらく正極材の生産に特化することになるだろう。レッドウッドは、この工場の正極材生産能力を、2025年までに電気自動車100万台分に相当する100ギガワット時まで引き上げるつもりであるという。

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画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

テスラ共同創業者が設立したバッテリーリサイクルRedwood Materialsが事業拡大、バッテリーの材料も生産

元Tesla(テスラ)共同創業者のJB Straubel(JB・ストラウベル)氏がバッテリーの循環サプライチェーンを作ることを目的に興した会社Redwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)が事業を拡大する。主にリサイクル会社として知られてきたが、同社は米国で重要なバッテリー材料を生産することでサプライチェーンを単純化する計画だ。

そのために同社は現在、10億ドル(約1100億円)かけて新設する広さ100万平方フィート(9万3000平方メートル)の工場のための場所を探しているとBloombergは報じた。工場はリチウムイオンバッテリーの重要な構成要素である陰極箔と陽極箔の生産に特化する。年間生産量は2025年までに最大100ギガワットアワーとなる見込みで、これは電気自動車100万台に使うのに十分な量だ。

しかしそれですべてではない。2030年までに同社は年間のバッテリー材料生産を500ギガワットアワーに増やす計画で、これは電気自動車500万台を走らせるボリュームだ。

こうした数字は驚くほど野心的なものだ。Redwoodがそれをやってのけることができるなら、大半がアジアにある世界最大の材料企業と互角に張り合えることになる。カソードサプライチェーンを米国に集積し、一定割合でリサイクル材料を使用すれば、バッテリーパック生産にともなう二酸化炭素排出を41%抑制するかもしれない、とBloombergNEFは推計した。

画像クレジット:Redwood Materials

Redwoodはリサイクル事業の拡大を計画しているが、リサイクルだけで生産に関するこの数字は達成できない。同社はリサイクルされたバッテリーと、持続可能な方法で採掘された材料からカソードとアノードを生産する、と声明文で述べた。差し当たり、同社はこの新たな冒険のパートナーに関しては沈黙したままだが、今後、提携と事業拡大についての発表があるだろう。

今回のニュースは、何カ月もの間、積極的に拠点拡大に取り組んできた同社の最新の大胆な動きだ。2021年夏の初めにRedwoodは、ネバダ州カーソン・シティの広さ15万平方フィート(約1万4000平方メートル)のリサイクル施設の規模を3倍に拡大する、と述べた。同社はまた、ネバダ州スパークスに立地するTeslaとPanasonic(パナソニック)のギガファクトリーに近い100エーカー(約40万平方メートル)の土地を購入した。このニュースのすぐ前には、シリーズCラウンドで7億ドル(約770億円)をBill Gates(ビル・ゲイツ)氏のBreakthrough Energy Ventures、AmazonのClimate Pledge Fund、 Baillie Gifford、Goldman Sachs Asset Managementといった主要投資家から調達した。この資金調達によりRedwoodのバリュエーションは37億ドル(約4060億円)になった。

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画像クレジット:Redwood Materials

同社はTesla、Amazon、電動バスメーカーのProterra、電動自転車メーカーのSpecialized Bicycle Componentsとリサイクル取引を結んでいる。Redwoodはリチウムや銅、ニッケル、コバルトなどの重要な材料の95〜98%をリサイクルバッテリーから回収することができる、と話している。

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画像クレジット:Redwood Materials

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

バッテリーリサイクルRedwood Materialsが拡大の一環としてテスラギガファクトリーの近くに拠点設置

Tesla(テスラ)の元CTOであるJB Straubel(JB・ストラウベル)氏が創業した、バッテリーリサイクルのスタートアップのRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)が、Panasonic(パナソニック)がテスラと共同で運営するネバダ州スパークスのギガファクトリーの近くに、100エーカー(約40万平方メートル)の土地を購入した。これは電気自動車の普及を促進し、国内のバッテリーリサイクルとサプライチェーンの取り組みを強化しようとするバイデン政権の方針に沿った拡大計画の一環だ。

米国時間6月15日、同社はネバダ州カーソンシティにある既存の15万平方フィート(約1万4000平方メートル)の施設もまた、約4倍の広さになると発表した。Redwoodは、カーソン市のリサイクル施設にさらに40万平方フィート(約3万7000平方メートル)を追加し、年末までに稼働させる予定だ。

また、成長計画の一環として、Redwoodは数百人の従業員を雇用する。Amazon(アマゾン)の支援を受けている同社では、現在130名の従業員が働いており、今後2年間で500名以上の雇用増を見込んでいる。

Redwoodは、米国サプライチェーンの強化に触れたバイデン政権の発足100日レビューと、リチウムベースのバッテリーの国内サプライチェーンを改善する計画を記した米国エネルギー省の文書の発表を受けて、今回の事業拡大を発表した。

米国エネルギー省のJennifer M. Granholm(ジェニファー・M・グランホルム)長官は米国時間6月15日に声明を発表し「米国は、23兆ドル(約2530兆円)規模の世界的なクリーンエネルギー経済の恩恵を最大限に享受するために、国内のサプライチェーンと製造業界を再建する明確なチャンスを前にしています」と述べている。そして「このような民間企業の投資は、私たちが減速してはいけないということを示すものです。このAmerican Jobs Plan(アメリカン・ジョブズ・プラン)は、自動車用バッテリーや蓄電設備のような技術の革新と需要を呼び起こし、すべての人にクリーンエネルギー関連の雇用を創出することで、米国企業に大きなチャンスをもたらすでしょう」と語る。

2017年に創業したRedwood Materialsは、循環型のサプライチェーンを作ろうとしている。同社はB2B戦略をとっていて、バッテリウーセルを製造する際に出るスクラップや、携帯電話のバッテリー、ノートパソコン、電動工具、 モバイルバッテリー、スクーター、電動バイクなどの家電製品をリサイクルしている。そのためにRedwoodは、家電メーカーやパナソニックなどの電池セルメーカーからスクラップを回収している。そして、これらの廃棄物を処理して、通常は自然から採掘されるコバルト、ニッケル、リチウムなどの素材を抽出し、パナソニックなどの顧客に再供給している。最終的には、バッテリーのコストを削減し、採掘の必要性を相対的に減らすクローズドループシステムの構築を目指しているのだ。

Redwood Materialsは多くの顧客を抱えているが、パナソニック、アマゾン、テネシー州のAESC Envision(AESEエンビジョン)と仕事をしていることだけを公にしている。

同社によるとニッケル、コバルト、リチウム、銅などの元素を電池から約95〜98%回収しているという。現在、年間3ギガワット時相当のスクラップを受け取っているが、これは自動車約4万5000台分に相当するという。

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タグ:Redwood Materialsバッテリー工場リサイクルTesla

画像クレジット:Redwood Materials

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:sako)

リサイクルのRedwood MaterialsがProterraと提携しEV用バッテリーの原材料を持続可能なかたちで供給

この数年間で、電気自動車(EV)用バッテリー市場の廃棄物削減を目的とした企業が数多く現れた。なかでもその代表格がRedwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)だ。2017年にTesla(テスラ)の共同創設者J.B.Straubel(J・B・ストラウベルストラウベル)氏によって北米最大のリチウムイオンバッテリーのリサイクル企業を目指して創設されて以来、急速な拡大を遂げてきた。このほど同社は、商用EVのメーカーProterra(プロテラ)と手を組み、米国内のバッテリーのサプライチェーンを強化することで協力し合うことになった。

Redwoodと他の自動車メーカーとの提携が公表されたのは、これが初めてだ。

契約に従いProterraは、すべてのバッテリーをネバダ州カーソンシティーにあるRedwoodのリサイクル施設に送ることになる。両社は2021年1月にこの提携に合意したが、協議はそのリサイクル工程を詳しく知りたいとProterraがRedwoodに話を持ちかけた2020年夏から続いていた。その中でProterraは、Redwoodのネバダのリサイクル施設に足を運び、Proterraのバッテリーパックの処理が可能かどうかを確かめた。

「実に順調にいきました」とProterraのCTOであるDustin Grace(ダスティン・グレース)氏はTechCrunchに話した。グレース氏は、Teslaのストラウベル氏のもとで9年間働いていた人物だ。「その作業を見て最高に興奮しました。そこから、供給の本契約に向けて作業を開始したのです」。

提携関係を結んでからProterraは、およそ11.8トンのリサイクル用バッテリー素材をネバダに送り込んでいるが、これは将来の供給ペースを示すものではない。全体としてRedwoodは、1日60トン、年間2万トンのバッテリーを受け入れることができる。

Proterraの車両を動かすバッテリーは、車両の寿命が尽きるまで使えるように設計されているのだが、同社では6年後のバッテリーを交換を約束するリースプログラムも提供している。その時点でバッテリーには80〜90パーセントの充電容量が残されており、まだまだ十分に使える状態にある。この容量を活用するためProterraは、ネバダに送る前に、バッテリーに第二の人生を送らせる計画を立てている。例えばProterraの充電設備のための固定型蓄電システムでの利用だ。

「まずは、Proterraの再製造エンジニアリングチームがバッテリーの評価を行います。第二の人生が送れる状態だと認められると、そのための施設で利用されます。評価が低ければ、リサイクルに回されます」とグレース氏は話す。

耐用寿命を迎えたとき初めて、バッテリーはRedwoodに送られ、廃棄物処理によって価値ある原材料に再生される。商用EVの市場は2025年までに、年間の全売上げの50パーセントに達するとの予測もあり、膨大な数のバッテリーの再処理が必要となる。

このニュースは、Redwoodが電動バイクのメーカーSpecialized(スペシャライズド)とバッテリーのリサイクル契約を交わしたことを発表してから、わずか数週間後に届いた。Redwoodはすでに、Nevada Tesla Gigafactory(ネバダ・テスラ・ギガファクトリー)でパナソニックが行っているバッテリー生産による廃棄物の処理に加え、Amazon(アマゾン)ともEV用バッテリーやその他の廃棄物の処理でも合意している。こうした企業間提携を通じて、Redwoodは、原材料をメーカーに戻す循環型のバッテリー・サプライチェーンを構築しようとしている。同社はまた、一般消費者向け製品の電子部品やバッテリーの処理も受け入れており、利用者はRedwoodのウェブサイトにある住所に郵送できることになっている。

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今回の提携は、両社とも大規模で長期的な事業を考えている証拠だ。Redwoodの広報担当者はTechCrunch宛の声明で「EVバッテリーの完全閉ループのリサイクリングのためのソリューション開発」に注力すると話していた。つまり、コバルト、リチウム、銅などの原材料の供給源を、採鉱から、本当の意味での持続可能な、長期的に利用できるリサイクルに移行させるということだ。またストラウベル氏はかつて、Redwoodを世界最大のバッテリー原料メーカーにするという野望を公言していたこもある。

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米国内で調達できる、バッテリーに使用可能なグレードの原材料が増えれば、Proterraは、やがてはバッテリーセル製造の分野に拡大する機会を得るだろう。

「まだ始まったばかりですが、私たちはこの市場の大きくなった未来の姿に目標を定めていきます。それこそが、今このパートナーシップが存在する最大の意義だからです」とグレース氏。「我々の観点では、Proterra向けのセルの国内生産は、今後数年にわたる私たちのロードマップにおいて、実に重要な部分を担います。北米でバッテリーに使えるグレードの原材料を生成するというアイデアは、米国内でバッテリーを生産するというコンセプトの拡大に直接寄与します。そのため、今これを始めることが、近い将来のセルの国内生産計画を間違いなく支えることになると思っています」。

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画像クレジット:PRNewsFoto/Proterra

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:金井哲夫)

リチウムイオン電池のリサイクルに挑戦するRedwood Materialsが古いスマホなどの受け入れ開始

Redwood Materialsは、Tesla(テスラ)の元CTO、JB Straubel(J・B・ストラウベル)氏が創業したリサイクルスタートアップだ。これまで特にメディアに報じられることもなかったが、これからは一般消費者にも門戸を開き、彼らのガラクタだらけの引き出しに眠っているすべての古い電子製品を集めようとしている。

ネバダ州カーソンシティに本社を置くRedwood Materialsは、これまで主にPanasonic(パナソニック)やAmazon(アマゾン)といった企業顧客の、バッテリーセルの生産や消費者電子製品からのスクラップをリサイクルしていた。

同社ウェブサイトには「recycle with us(私たちでリサイクルしましょう)」というタブがあり、「リチウムイオンバッテリーや電子製品のゴミはありますか?私たちは、あなたのスマートフォンやタブレット、電動工具など、リチウムイオンバッテリーを使用するすべてのデバイスをリサイクルします」と書かれている。そのウェブサイトには住所以外の情報はほとんどなく、消費者はそこに自分の電子ゴミを送る。ウェブサイトには、「contact us(お問い合わせ)」ボタンもある。

ストラウベル氏は2020年10月にTechCrunchに対して、そのうちRedwood Materialsのビジネスモデルは、消費者も含めるようになる。すでに、消費者からの問い合わせがとても多い、と語っていた。その時が来たようだ。

同社の広報担当者によると、Redwood Materialsは消費者が送ることができるものに厳しい制限を設けていない。ケーブルでも受け入れているというだ。同社はTechCrunchに対して、消費者事業をもっと形式化して、箱やラベルを定型化し処理を容易にするなど、今後は消費者の考えも取り入れて、事業の拡張方向を探りたいと語っている。

当面、Redwoodはとにかく門戸を大きく開き、成り行きを見守りたいという。

スマートフォンなどの消費者電子製品に使われているリチウムイオンバッテリーは大半がリサイクルされず、所有者の引き出しにしまわれて忘れ去られたり、ゴミとして埋め立て地へ行っている。

Redwood Materialsは、循環的なサプライチェーンを作ることでこれを変えようとしている。同社はオパナソニックのバッテリーセルの生産やスマホ、ラップトップコンピューター、電動工具など消費者電子製品からスクラップを集める。そこから同社は、通常は採鉱されているレアメタルを取り出し、パナソニックなどの顧客に供給している。

ストラウベル氏は最終的に、Redwood Materialsを電気自動車のバッテリーの寿命を延ばすソリューションの一部にしたいと考えている。CEOは、このニーズを満たすために、世界中の戦略的な地域拠点に施設を設置することを望んでいる。現在のところ、カーソンシティにあるレッドウッドの2つの施設でリサイクルおよび処理された製品のほとんどは、パナソニックや他の匿名の家電関連企業のためのものだ。

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タグ:Redwood Materialsリサイクルバッテリー

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa