ITUの2013年レポート―モバイル・ユーザーは地球の全人口なみの68億人、インターネット接続は27億人

今日(米国時間10/7)、ITとコミュニケーションに関する国連機関、国際電気通信連合(ITU)2013年の年次報告書を発表した。その予測によれば、年末までにモバイル網への接続者は68億と地球上の全人口に匹敵する数となる。またモバイルまたは固定回線でインターネットに接続するユーザーの総数は27億人となるという。

1人で複数のモバイル・デバイスを所有しているユーザーもいるとはいえ、世帯あたり96.2%という驚くべき普及率となる。モバイル・キャリヤは固定回線のキャリヤが長年かかってできなかった普及率をまたたく間に達成してしまった。そ一方で、固定回線の電話の契約数は減少しており、世帯当たり16.5%になった。

ITUはモバイル・ユーザーのスマートフォン率については数字を出していないが、ブロードバンド接続は29.5%までゆるやかに増加しており、インターネット接続がある世帯は41.3%に達した。ITUの統計によれば、ほとんどの世帯がなんらかのモバイル接続を利用している。ブロードバンド固定回線の普及率は9.8%に対してモバイル・ブロードバンドは29.5%だ。つまり最近のインターネットに接続するようになったユーザー層を狙うのであればモバイルを主たるターゲットしなければならないということだ。

これは同時にインターネット接続が現在急速に普及している地域とも関連する。ITUによれば途上国におけるインターネット利用率は2008年に12%だったのが2013年末んは28%になるものとみられ、年率18%ポイントの爆発的な伸びとなっている。

ITUは3年連続で韓国を「テクノロジー的にもっとも進歩した国」に選んだ。その11種類の基準にはモバイル、ブロードバンドの普及率、利用しているサービスの種類などが含まれる。北欧諸国、スウェーデン、アイスランド、デンマーク、フィンランド、ノルウェイがその順序で2位から6位までを独占した。イギリスは3位上がって8位になったが、。アメリカは1位下がって17位となった〔日本は12位〕。

あらゆる新しいテクノロジーを利用したサービスを生んでいる国が17位というのは納得がいかないかもしれないが、それはこの順位を決めるあたってはさまざまな要素が考慮されているためだ。たとえば、最近のPewの調査によれば、アメリカの成人の30%が家庭でブロードバンドに接続していない。

今回初めて調査された項目には世界の「デジタル・ネーティブ」人口の割合がある。これは“15歳から24歳で5年以上オンライン・サービスの利用の経験があるものを指している。〔デジタル・ネーティブ人口の割合が多い国は1位がアイスランド、2位がニュージーランド、3位が韓国となっている。日本は少子化を反映して47位だった。アメリカは6位。ただし同年令層におけるデジタル・ネーティブ率では日本は99.5%で99.6%の韓国に次いで2位だった。〕

〔日本版:報告書はこのページから無料PDF版がダウンロードできる〕

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IDC、ファブレットやウェアラブルの影響を考慮にいれて、2013年タブレットの出荷台数を2億2700万台に下方修正

一般消費者および企業の意識が急速にタブレットに向かう状況を迎え、PC業界というのはかなりの勢いで縮小しつつあるように見える。iPadのような軽量デバイス、ないしAmazonのKindle Fireのような安価なデバイスが、より大きく、そして高価なコンピュータデバイスからシェアを奪いつつあるようだ。しかし、そのような状況の中、IDCはタブレットの年内出荷台数予測を減らすこととなった。

IDCによると、今回の分析の背景には「競争の激化」があるとのこと。タブレットと競合するのは、大きな画面を備えたスマートフォン(最近はファブレットという呼び方が定着してきた)や、スマートウォッチのようなウェアラブルコンピューターであるとしている。そうした先進デバイスへの期待と、さらにはQ2の間に大きな話題となるタブレットが登場しなかったこともあって、2013年におけるタブレットの出荷台数予測を2億2930万台から2億2740万台へと、200万台減らすこととなった。

下方修正といっても、ほんの少しの減少に過ぎないというのは正しい。「予測」の話なので、大した意味はないという意見にも一理ある。もっといえば、下方修正した数値であっても、2012年比で57.7%増ということになっている。しかし、IDCが予測を下方修正することになった原因については、なるほど興味深い事実があるようだ。たとえば、いくら安価になったとはいえ、依然として一般消費者にとっては、タブレットが高価なものなのだ。また、PCから無駄を省いたというのがタブレットのウリ文句のひとつであるが、それでも一般消費者からするとオーバースペックである面もあるということだ。利用者の拡大を狙うに連れ、価格面の問題が一層強調されるに至っているのが現状であるようだ。

ちなみに、企業利用面で言えば、タブレットというデバイスは現状ではマイナーな存在だ。しかし徐々に存在感を増している。IDCによれば、とくに教育や小売産業によるタブレット購入は、2012年の販売台数のうちの10%程度だ。2017年までには、少なくとも20%まで増加するだろうという見通しもある。

そうした見込みはあっても、先進諸国では既に急激な成長というのが望めない段階に達しているともIDCは見ている。「アメリカなどの成熟市場はアジア太平洋地域に対してシェアを失っていくことが予測される」とのこと。新興国にて2017年までには4億700万台のタブレットが出荷されることになる中、タブレット先進国においては製品の飽和状態に達するだろうとのこと。

短期的に見れば、ファブレットなどとの競合により、タブレットのさらなる低価格化が実現されるだろうとIDCは予測する。「低品質で使い勝手も良くないながら、低価格で勝負を挑もうとするタブレットメーカーに対抗するために、メジャーなメーカーもパーツの低価格化によるコスト削減を行ってくるはずだ」とタブレット関連でリサーチディレクターを務めるTom Mainelliは言っている。

地域的にみれば、これまでタブレット市場の牽引役であった北アメリカ、西ヨーロッパ、そして日本での売り上げはシェア面で減っていくことになると見ているようだ。これまでを引っ張ってきた主要国の売り上げ割合は、現在でこそ60.8%となっているが、2017年にはこれが49%までに下落するだろうと見通している。そして残りの51%は現在の発展途上国が担っていくことになるだろうとのこと(Google、Facebookなどもそうした新興市場をターゲットにしたプランを種々実行に移している)。

「先進国での飽和状態をうけて、タブレット市場の年次成長率というのは取り敢えず落ち着きを見せる状況になる」と、IDCのWorldwide Quarterly Tablet Tracker部門リサーチアナリストを務めるJitesh Ubraniは述べている。「そして消費地域の構造が変わることになり、販売シェアは世界平均を上回る成長を期待される中国などが担っていくことになるだろう」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H)


ワシントン大学の研究チームが世界初の人間での「脳波直接通信」に成功

ワシントン大学の研究者、Rajesh RaoとAndrea Stoccoは非侵襲的遠隔脳波インタフェースを開発し、RaoがStoccoの指を「思考」によって動かしてキーボードのキーを打たせることに成功した。

「これまでインターネットはコンピュータを結びつけるネットワークだったが、これからは人間の脳と脳とを直接結ぶつけることが可能になる。われわれは脳から知識を直接取得して他の脳に伝えようと努力している」 とStoccoはプレスリリースに書いている。

Raoは「脳から脳へ」のコミュニケーションを10年にわたって研究しており、ハツカネズミでは脳に装置を埋め込む手法ですでに成功している。今回の実験では、発信側被験者にモニタに映る画像を見せ、脳波測定器で脳の活動を捉えて、それをコンピューターで解析した上で、TMS(経頭蓋磁気刺激装置) を利用して受信側被験者の脳内に微弱な誘導電流を発生させた。受信側被験者はこの脳内電流に応じて発信側被検査者の動作を真似ることができたという。

現在のところ、研究チームは単純なビデオゲームの動作を送信することに成功している。発信側のユーザーがゲームをプレイするとセンサーが脳波を読み取り、手の動きを解析する。信号は受信側ユーザーの脳を刺激する。受信側ユーザーはその刺激に応じて発信側ユーザーの動作をなぞることができた。

ただしこれはSFによく出てくるようなマインド・コントロールではない。受信者は自由意思で指を動かすのであって、意思に反する強制は一切ない。またお互いに「思考内容」を読み取ることもできない。インターネットを通じて指を動かしたくなるある種のショックが脳内に伝えられると考えてよいだろう。

研究チームは今後さらに複雑な動きが送信できるようにし、また被験者の範囲も広げていく計画だという。

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全世界のIPアドレスは7億あまり, インターネットのユーザ数は10億超で前年より10%増–AkamaiのQ1レポートより

CDN大手Akamaiが今日(米国時間7/23)発表した2013Q1のState of the Internet report(インターネットの現状報告)によると、全世界のIPアドレスの数は7億3400万近くである。そしてAkamaiの推計によると、複数のデバイスによる共有を考慮するとインターネットのユーザ数は10億を超える。それは前年同期比でおよそ10%の増となり、IPv4のアドレスはそろそろ尽きようとしているにもかかわらず、増加は衰えない。7億3400万のうちおよそ7億が、IPv4のアドレスである。

40ページから成る報告書の原文を、下に埋め込んだ。以下に、いくつかの
重要な数字を拾ってみよう。

インターネットはどこが高速か? Akamaiの報告書では、上位は依然としてアジアだ。トップは韓国で14.2mbps、二位は日本で11.7mbps、三位は香港の10.9mbpsだ。合衆国がトップテンリストの下の方にいることも、前からと変わらない(9位で8.6mbps)。しかしなぜか韓国は、前年同期比で10%落ち込んでいる。対して9位の合衆国は27%の増、世界全体では17%増の3.1mbpsとなった。〔以上すべて、Akamaiが測定したサンプルの平均値。〕

モバイルはどうか? 途上国のインターネット接続はモバイルが支配的だが、上の表には中国、ブラジル、インドなどが登場しない。しかし、モバイルネットワークの速度では、BRIC各国が上位に来る。ロシアのモバイル事業者が最速で8.6mbpsだから、合衆国の固定ブロードバンド回線(上表)と変わらない速さだ。

なお、ピーク速度の最速は、香港の43.7mbpsだ。

大きなセキュリティ脅威は何か? まず、攻撃の起源としては中国が最大で不正トラフィックの34%が中国からだ。しかし中国は2012Q4に比べると7%ダウンし、インドネシアが0.7%から21%へと、異様に増えている(下表)。

この報告書は攻撃の内容については触れていない(目下問い合わせ中)が、攻撃が集中しているポートは挙げている。中でも最大の攻撃対象はポート445(Microsoft-DS)で、これはTCPによるファイル共有に使われている。二位三位の被害ポートは、HTTPとHTTPS(SSL)だが、こちらはインターネットでもっとも多く使われている経路だから、上位になるのも当然か。

脆弱性という点ではエンタプライズが最大のターゲットで(下図)、これにはおそらく、金銭的な動機もある。全攻撃の35%がエンタプライズで、サンプル総数としては67社、前年同期比14%アップだ。次位のeコマースは32%、メディアが22%を占める。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


合衆国の音楽の売上は全般的にダウン, しかしストリーミングは24%伸びて半年で510億曲

Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスからアーチストはどうやって収入を得るのか、今の状況を改善するために彼らには何ができるのか、という疑問が依然として渦巻いている中で今日(米国時間7/19)Nielsenが発表した数字は、音楽の売上が下降する中でストリーミングが伸びていることを実証している。2013年の前半では、音楽ストリーミングは24%伸びて提供総数が510億ストリームだったが、アルバムや曲は同期間に前年比4.6%減少し、2億1000万ユニットとなった。しかも、ストリーミングでHarlem Shakeが大差でトップであることは、ビデオの役割が大きいことを物語っている。Baauerのこのトラックはヴァイラルな無料ビデオの広がりを生み、だれもかれも、彼らのお母さんたちもが、自分のバージョンをYouTubeに投稿し、ミームを肥大させた。

6月30日までの6か月で、Harlem Shakeは4億3800万回ストリーミングされ、次位のThrift Shop(Macklemore and Ryan Lewis)の1億8700万を大きく引き離した。総数510億の中で上位がせいぜい億のオーダーだから、これらの数字は音楽ストリーミングがきわめてロングテールであることも示している。

音楽と消費者のマインドシェアがストリーミングへと傾く中で、デジタル音楽も健闘し、それとは対照的にCDの売上は落ち込んでいる。CDの売上は14.2%ダウンして7820万ユニットだったが、デジタル(MP3ダウンロードなど)の売上は6.3%伸びて6080万ユニットとなった。これらの半期レポートを制作提供しているNielsen SoundScanとNielsen BDSによれば、今ではアルバムの全売上の43%がデジタルアルバムである…前年同期では38%だった。ただし2012年の後半に関しては、デジタルのシェアが56%と大きかった。

ストリーミングの影響をいちばん大きく受けているのは、シングルのデジタルダウンロードだろう。Appleのようなダウンロード主体だった企業がこのところストリーミングに傾斜しているのも、そのためだ。シングルのダウンロードは2.3%減少して6億8200万だった(同期間にストリーミングは510億だったことをお忘れなく)。

“2013年前半は売上全体がやや減少したが、その中でデジタルアルバムの売上が伸びたことは同分野の堅調ぶりを物語っている”、Nielsen EntertainmentのSVP David Bakulaがこう書いている。しかし物理メディアの中にも、伸びているものが一つある…それはレコードだ。現時点ではニッチな珍品扱いだが、レコードではアルバムが290万売れて、前年同期比33.5%の増となった。

Nielsenの数字を細かく見ると、デジタルを買う人とCDを買う人とでは、人気曲や人気アルバムにやや違いがある。しかし一方、レーベル(レコード会社)別に見ると、全体的な傾向はどこもほぼ同じだ。どのカテゴリーでもトップであるUniversal Musicに関してNielsenは詳しく分析しているが、同社のマーケットシェアはデジタルでも物理メディアでも35%以上で、Sonyと苦戦していた1年前に比べて業界における立場がより強くなったようだ。

しかし、ストリーミングの人気者が売上でも上位、とはいかない。ヴァイラルなビデオの氾濫でHarlem Shakeはストリーミングの人気トップになったが、シングルの売上ではトップテンに入っていない。売上トップはストリーミングで二位のThrift Shopだ。この曲はラジオの放送でも五位に入っている(ラジオが売上に貢献したとは思えないが)。さらにこれは、デジタルアルバムで三位、物理アルバムで七位だ。

Justin Timberlakeは、アルバムの全カテゴリ(デジタルと物理)でトップだったが、Jay-Zと共演したSuit & Tieはデジタルシングルで七位、ストリーミングではトップテン入りしなかった。今年前半、MySpaceの上では出ずっぱりだったにもかかわらず。

レポートの全文を、下に埋め込んだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


2013年の世界の企業・公共機関のIT支出は2兆690億ドル―アプリとアメリカが変化の牽引役(Forrester予測)

Forrester Researchはさきほど世界のIT関連支出に関する年次報告を発表した。Forresterのアナリストの予測によれば、世界の2013年のハードウェア、ソフトウェア、IT関連サービスに対する企業、公共機関(一般消費者は含まず)の支出総額は2兆690億ドルに上るという。

国別ではアメリカが2位以下を大きく引き離してトップだ。支出のカテゴリー別にみると、トレンドを反映して、アプリがトップとなるという。

数週間前に発表されたGartnerの予測と比較するとForresterのレポートはやや慎重だ。Gartnerのレポートも一般消費者の支出は含まず、 総額を3兆7000億ドルと推計している。

Gartnerのレポートでも注意されていたが、Forresterも為替の変動、特にアメリカ・ドルが強くなったことが統計に大きな影響を与えていると述べている。各国通貨ベースの成長率は4.6%となるが、ドル・ベースで計算すると2.3%に低下する。アナリストのAndrew Bartelsはアメリカと日本で景気が上向いているものの、ヨーロッパで景気後退が続いていること、中国の成長が鈍化したことが全体の成長率を低下させると書いている。

レポートは長大であり、われわれ自身、現在詳しく読み込んでいる最中だが、とりあえず大見出しを報告しておこう。

ソフトウェアが世界を食っている: Forresterによれば、全体としてみると、5420億ドルでソフトウェアが最大の支出分野だ。Bartelsによれば、ソフトウェアでもっとも大きな技術革新が起こっていることの反映だという。オンプレミスで利用される伝統的プロダクトへの支出が減少している一方、しばらく前から目についているトレンドだがSaaSなどのクラウド・ベースのサービス、ビッグデーア分析、モバイル・アプリが急成長している。 ソフトウェアへの支出の成長は2013年に3.3%、2014年には6.2%に達するものと予測されている。

ハードウェアではタブレットとAppleが引き続き牽引役: 上の円グラフを見れば明らかなように、コンピュータのハードウェアでは依然としてパソコンが最大のカテゴリーだ。2013年の総額は1342億ドルと予測されている。しかしPC市場は縮小傾向にある。Bartelsによれば伝統的なパソコンはWindows8のリリースがあったにもかかわらず3%の伸びにとどまった。成長が著しいのはタブレット、なかでもiPadだ。Forresterの予測では、企業と公的機関のタブレットへの支出は2013年に36%アップして2100億ドルになるという。なかでもAppleのシェアが高く、そのうちの1400億ドルを占める。SamsungのGalaxy、MicrosoftのSurfaceも順調に成績を伸ばしているがAppleのiPadの優位を大きく揺るがすところまでいっていない。

伝統的パソコンではWindowsマシンよりAppleとLinuxの成長が著しいが、全体としてみると低調な数字となっている。2014年の支出総額は1350億ドルという予測で、これは2013年に比べてわずか10億ドルの増加にすぎない。Windowsマシンは70億ドルの減少、AppleのMacとタブレットが60億ドルの増加と予測されている。ストレージ機器は横ばい、サーバーは1%の減少、その他周辺機器は3%の減少が予測されている。今年初めにForresterは向こう2年間で390億ドルのハードウェアを販売するだろうとpredictedしている。

アメリカのシェアが圧倒的: ドルが強くなったことと、実際に世界最大のIT財購入国であることの両面からアメリカの優位は説明できる。Forresterによれば、2014年のアメリカにおけるIT支出は8750億ドルとヨーロッパとアジアの支出の合計を上回るレベルに成長するという。

アメリカはマーケットが巨大であるうえに、成長率も5.9%と東欧、中東、アフリカの 6.9%なみに高い。2014年にもっとも成長率が高くなるのはラテン・アメリカで10.7%に達する。ヨーロッパは2012年のIT不況から何とか脱して今年は4870億ドルに回復する。逆にアジアは景気後退の波を受けて4920億ドルにとどまると予想されている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


研究者が作る奇妙に魅力的な3Dプリント金属


BGMに軽快なストリングスを使う3Dプリンティング・プロジェクトはまずないが、このビデオにはふさわしい。これは新しい注射器ベースの金属プリンティングシステムで、ノースカロライナ州の研究者らが作った。使用するのはガリウムとインジウムの合金で、空気中で酸化して液滴が固着する。このプロセスで3Dピストルを作ることはできない ― 非常に遅くサイズは極小 ― が、自己修復ワイヤーや伸縮可能な回路を作ることはできる。

「私たちは、ガリウムとインジウムの液体合金が、室温で空気中の酸素と反応して「皮」を作り、液体金属がその形状を維持できるようになることを発見した」とDr. Michael Dickeyは語る。

また彼らは、液体金属を鋳型に注入し、その後鋳型を溶かすことによって金属だけを残すシステムも開発した。射出された金属は「盛られる」のではなく、液滴同士が「固着」するため、小さな金属の「塊」ではなく3D作品を作ることができる。

このプロセスを通常のプラスチック3Dプリンティングと併用すれば、作品内部に通じるリードを作ることもできる。材料は非毒性だが ― 大量に食べてもいいかもしれない ― 相当高価なので、今すぐステンレス製のネズミができることは期待しない方がいい。

via New Scientist

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(翻訳:Nob Takahashi)


モバイルのデータ利用は2017年に300%増–主にビデオストリーミングが引っ張る

【抄訳】

スマートフォンとタブレットがPCに換わってデフォルトのコンピューティングデバイスになった消費者が増えている。また、それに伴い、データトラフィックは固定回線からワイヤレスネットワークへ移りつつある。Strategy Analyticsのアナリストたちは、この動きにオンライン時間の増加というもっと一般的な傾向が結びつくと、ワイヤレスのトラフィックはさらに一層増加し、2007年には現在の300%増(4倍)の21エクサバイトとなる(2012年は5エクサバイト)。この急上昇をもたらすのはストリーミングビデオなどのサービスで、おもしろいことにアプリではない。

これまでは、スマートフォンの利用増によりトラフィックは各年倍増してきた、とStrategy Analyticsのアプリとメディア担当取締役David MacQueenは言う。しかし今後は、市場の飽和に伴い、デバイスの新規増に伴うトラフィック増は約36%/年へと鈍化する。

MacQueenによると、以上の数値はグローバルに全種類のハンドセットを対象とするデータサービスを含めているが、タブレットのトラフィックは含まれていない。またハンドセットといっても、その多くはスマートフォンであり、ベーシックな携帯は主役ではない。SMSなどのローエンドなサービスは、下の図では比較的小さな”other”(その他)のカテゴリの一員だ。

今日、一貫して騒がれているのはアプリであり、まさに2012年には、先進市場である合衆国でアプリの利用がモバイルのWebサイトの利用を上回った。‘利用’というのは、データ消費量のことだが、それは別の話題だ。

下のグラフでお分かりのように、トラフィックの増をいちばん多く引っ張るのが、ビデオストリーミングのようなデータ集約的なサービスだ。それは、全体で300%増のうちの42%を占める。また、アプリかWebアプリケーションかという対比では落ちるWebも、コンテンツの閲覧という意味での人気は高く、2017年のトラフィック300%増のうちの30%をWebブラウジングが占める。下のグラフではアプリはゲームと一緒になっているが、“ネイティブな体験”が多いためか、インターネットのトラフィックはあまり占めていない。

【後略】

Photo: Flickr

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Androidの進撃止まらず―EU主要国と中国で70%以上、アメリカで52%を獲得(Kantar調べ)

今日(米国時間7/1)、Kantar Worldpanelは世界のスマートフォン市場に関するレポートを発表した。その分析によれば、過去3ヶ月、Androidベースのスマートフォンはヨーロッパの主要市場(イギリス、ドイツ、フランス、イタリー、スペイン)で70%以上のシェアを占めたという。また世界市場でも同様のシェア拡大が続いている。この成功の最大の原動力はやはりSamsungであるようだ。ヨーロッパでのスマートフォン販売の半数をSamsungが占めている。

ヨーロッパ主要5カ国の市場における70.4%という占有率は昨年に比べて10%ポイントも伸びている(2012年3月から5月までの四半期におけるシェアは61.3%)。ヨーロッパだけでなく、今や世界最大のスマートフォン市場となった中国でも傾向は同様で、70%以上がAndroidベースとなっている。

ただしKantarのレポートでは、Androidの内訳が不明だ。Google Playや課金サービス、広告配信などGoogleのエコシステムをサポートするデバイスの割合などの詳細が判明すればアップデートするつもりだ。

今回のKantarのレポートで興味ある点は、ヨーロッパでは必ずしもSamsungが一人勝ちしているとはいえないことだろう。たとえばイギリスでは(スマーフォンの浸透率は65%)Sonyの新しいXperia Zが健闘している。KantarのPaul MooreによればXperiaの購入者の38%はSamsungからの乗り換え組で、多くはGalaxy S2のオーナーだったという。

もちろん一つの国の市場で成功したからといってSonyが復活したというのは早すぎるだろう。KantarによればイギリスでSamsungAppleの79%に次いで2位の59%という高いブランド忠実度を持っているという。

アメリカでもAndroidはスマートフォン市場の52%(3月には49.3%)を占めて首位だが、Appleも最近のT-Mobileとの提携が功を奏して3.5%ポイント、シェアを伸ばし、41.9%とした。

下位のOSに関しては、BlackBerryが4%ポイント近くシェアを落とし、この四半期のシェアはわずか0.7%に低迷した。BB10による巻き返しはならなかったようだ。一時はスマートフォンのリーダーだったBlackBerryだが、もはやNokiaが販売中止を決定したSymbian程度にしか売れていない。一方、Windows Phoneは0.9%ポイント増加して4.6%にたどり着いた。

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2013Q1では全世界のスマートフォン売上の75%がAndroidでSamsungのリードが続く

【抄訳】

Gartnerがさきほど(米国時間5/13)、2013Q1のモバイルハンドセットの売上データを発表したが、その核心部分はAndroidの続伸とSamsungのトップ独走だ。GoogleのモバイルプラットホームAndroidは、今ではハンドセットの全売上台数の75%近く(1億5600万台)を占め、1年前に比べて20%伸びている[Table 3]。スマートフォンの売上は前年同期比で6300万台増えて2億1000万台となり[Table 2]、ハンドセットの全売上4億2500万台[Table 1]の半数に近い。ただしモバイルハンドセット全体の売上は前年同期比でわずか0.7%の増だから[Table 1]、スマートフォンなどのハイエンド機が今のモバイル業界の成長を支えていると言える。

Samsung自身は売上台数を公表しないが、Gartnerの推計では同社が全スマートフォンの売上の約31%を占め、次位のAppleの18%を大きく引き離している。前年同期では両社のシェアはほぼ拮抗し、差は5%しかなかった[Table 2]。Samsungはこのところ新製品の看板機が好評だから、今後さらに差が拡大するものと思われる。ただしAppleにはiPhoneの新機種という未知数要因があることを忘れてはならない。それが噂どおりの低価格機なら、途上国市場にも食い込み、Androidと十分に競合できるかもしれない。

“新製品のGalaxy S4は、S3と比較して、革命的というよりやや進化した製品にすぎないが、それでも人気製品として売れると予想される”、GartnerのアナリストAnshul Guptaはそう書いている。

上位2社と3位とのあいだの差はあまり縮まらず、Sumsungのリードが続いている。“OSは明らかに二者寡占で、Androidの優位は今後も変わらない”、とAnshulは書いている。

しかし細かく見ると、AppleとSamsungのスマートフォンのシェアは計49.0%で、前年同期の50.1%から微減し、そのぶんスマートフォン市場の多様化が進んでいるとも言える。[Table 2]に見られるようにスマートフォンは3位以下の変動が激しく、LGとHuawaiは1年で順位が逆転している(LGは新製品の4Gハンドセットと低価格スマートフォンが寄与か)。ただし5位のZTEも含めて3位以下の3社はいずれも、スマートフォンにおけるシェアが1年前に比べて伸びていることが印象的だ[Table 2]。

【後略】

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世界のスマートフォン市場の2013年第1四半期―Androidが64%、Windows Phoneが堅実な伸び(Kantar調べ)

今日(米国時間4/29)、Kantar Worldpanel Comtech(WPPグループの市場調査会社)が発表したレポートによれば、GoogleのAndroid OSは世界のスマートフォン市場で首位に立ち、引き続き勢力を拡大している。

これは毎年実施されている主要市場における四半期ベースの調査で、Kantarのオーストラリア、中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、イギリス、アメリカの各現地法人が調査にあたった(記事末に表あり)。3月31日以前の12週間においてこれらの地域で販売されたスマートフォンのうち、Android onは64.2%を占めていた。

主要市場のうちAndroidがトップでなかったのは日本だけだった。ここではAppleのiOSがわずかにAndroidをしのいでいる(それぞれ49.2%、45.8%)。 他の市場では飽和に近づいている場合(アメリカ、イギリス、ドイツ)でも、成長中(中国)でも、経済危機のさなか(スペイン)でもAndroid携帯が首位を占めた。スペインでは全スマートフォン販売数のなんと93.5%を占めて新記録となった。

Kantarのレポートは、年間アメリカで24万人、ヨーロッパで100万人などの大規模な聞き取り調査に基づいている。その分析によると、Samsung Galaxy S4とHTC Oneという有力なAndroid製品2機種の発売で、Androidの優位は向こう数ヶ月でさらに広がりそうだという。

Kantarの調査によると、アメリカでAndroidの他に市場占有率を増加させているプラットフォームはWindows Phoneだけだ。この傾向は先月から現れていた。Windows Phoneは対前年同期比(以下同様)で1.9ポイント上昇し、5.6%に達した。その大部分はNokiaの製品だ。

アメリカ以外でもAndroidの優位とWindows Phoneの増加という傾向が広く見られた。ヨーロッパの5ヶ国ではWindows Phone が6.5%を占め、2.5ポイントアップしている一方、 Androidは68.8%で10ポイントのアップだった。同様にオーストラリアでもAndroidは63%弱を占め、8.8ポイントアップした。ここでもWindows Phoneは0.8ポイント、アップして4%強となった。〔日本は前年のデータがないため変化は不明〕

ではWindows Phoneが増加している理由は何だろう? Kantorのアナリスト、Mary-Ann Parlatoによれば、WPのメーカー(主としてNokia)が従来フィーチャーフォンを使っていた層に対して最初のスマートフォンとして強力にプロモーションをかけたことが大きいという。

なるほど、新規の販売するではスマートフォンがフィーチャーフォンを追い越す状況になっているものの、現在利用されている携帯電話全体で考えると、まだまだフィーチャーフォンの数のほうが多い。Kantarの分析によれば、Nokiaのカラフルで機能がシンプルで安価なWPは初めてスマートフォンを使うユーザー(アメリカではWPの52%を占める)に魅力的なものとなっているのだという。

これに対してAndroid とiOSのユーザーは大半が過去にスマートフォンを使っている(それぞれ 51%、55%)。 Windows Phoneがフィーチャーフォンのユーザーに特に好まれるという傾向が事実なら、WPは今後さらに有利になるかもしれない。イギリスではスマートフォンの普及率が63%という高率で、同時にWPの市場占有率も7%と好調だ(絶対的にはさほど高いレベルではないが)。〔今回Windows Phoneの市場占有率がもっとも高かったのはイタリアの10.9%、最低は日本の0.3%〕

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現実店舗の「ショールーム」化のリスクは家電以外のあらゆる量販店に及ぶ―Pacedが詳細レポートを発表

Mobile price check

Madrona Ventrue Groupが支援する位置情報分析を専門とするスタートアップ、Placedがいわゆる「ショールーム化」のトレンドが現実店舗に与える影響を詳細に分析したレポートを発表した。このレポートはショールーム化がeコマース企業、特にAmazonに与えるメリットも分析している。ちなみに、MadronaはAmazonに最初期に投資したことで知られている。

Placedの調査はショールーム化について過去最大かつもっとも詳細なものだ。ショールーム化というのは消費者が興味ある商品を手に取ってチェックするためだけに現実店舗に立ち寄り、購入はオンラインですませてしまうという傾向を指す用語だ。昨年、comScoreのU.S. Internetレポートは回答者の35%がショールーム化に相当する行動を取っていると認めた。またショールーム化の傾向は若い層ほど高く、 25-34歳では55%にも上っていた。

今日(米国時間2/27)発表されたPlacedの調査は、今年1月に全米の1万5000人の調査員から得た10億件のデータをベースにしている。comScoreのmobileLensのモニタ・パネルの方が規模は大きいがPlacedのコア・ビジネスは位置情報分析であり、その面で優位に立っている。Placedのモニタ・パネルからの情報や分析ツールはモバイル・アプリのデベロッパーがユーザーの現実世界での振る舞いを理解し、適切なターゲティングを行う上で大いに役立つだろう。

分析結果によれば、ショールーム化によってもっとも影響を受ける可能性がある企業のトップはWalmartとTargetだという。Amazonの顧客のうち、25.2%がWalmartを利用しており、10.7%がTargetを利用している。この順位を下に辿ると、Walgreensm、CVS、BestBuy、Home Depot、Lowe’s、Sam’s Club、Dollar Tree、Costco、GameStop、RiteAid、Kohl’s、PetSmart、RadioShackなどとなる。もちろんAmazonと顧客が重なってだけではショールーム化が進んでいるかどうかは分からない。この点について下で詳しく紹介する。

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女性Walmartがお好みのようだ。利用者の割合が男性より37%多い。Targetはさらに女性に強く 60.5も多い。Best BuyとGameStopは男性優位だ。

male-female chart 1

しかし購入状況をみると、Amazonで過去3ヶ月に100ドル以上購入している顧客は、スーパーマーケットよりもCostco(平均より52%多い)やBJs Wholesale Club(47%多い)、Toys R Us(43%多い)のような大型量販店をよく利用する傾向が見られた。

big spenders

しかしこの調査でもっとも重要な発見は実物店舗への影響の数字だ。Best BuyとTargetはショールーム化の影響を受けるトップで、BestBuyの顧客はショールーム行動を取る率が平均より20%も高く、Targetでは15%高かった。これらのチェーン店が数ヶ月前から「対Amazon価格保証」キャンペーンを開始しているのはおそらく偶然ではないだろう。

しかし影響を受けているのはBest Buyだけではない―Bed, Bath & Beyond、PetSmart、Toy R Us、Searsその他多くの現実店舗がショールーム化によるリスクにさらされている

Walmartも影響を受けているが、ショールーム行動を取る顧客はBest Buyより10%も低いので比較的安全といえる。Targetよりも15%低い。ショールーム行動を取る顧客の割合が高いハイリスク・グループにはPetSmart (位)、Toys R Us(3位)、Best Buy(4位)、Sears(5位)。しかしながら、危険率で1位となったのは、やや意外にもBed, Bath & Beyond〔寝装品、浴室用品〕で、顧客のショールーム行動の割合は平均より27%も高かった。

amazon showroomers

男女比は伝統的なく分のとおりで、男性はBest Buy、The Home Depot〔DIY〕、Lowe’s〔DIY〕の利用が多く、女性はKohl’s〔女性向けアパレル〕、PetSmart〔ペット用品〕、Bed,Bath & Beyond、Marshalls〔アパレル〕、Old Navy〔アパレル〕の利用が多かった。

male vs female chart 2

PlacedはまたAmazon Price Checkアプリを利用しているユーザーの行動を調査している。このアプリは簡単にいえばショールーム行動を容易にするのが目的だ。このアプリのユーザーがもっとも好む現実店舗はT.J.Maxx〔ブランド・ファッション〕だった(注意:これはアプリがこの店舗でもっとも頻繁に使われたことを意味するわけではない。このアプリを利用するユーザーの中でT.J.Maxxがもっとも頻繁に訪問されているということだ)。Costco、OfficeDepot、AT&T Wireless、Toys R Usもこのアプリのユーザーに好まれている。

amazon price check shoppers

レポートにはさらに詳しいデータや分析が掲載されている。全体として大いに興味深い調査だが、欲をいえば、バーコード・スキャン・アプリがどこでどれほど使われているか、また価格チェックアプリの使用がeコマースでの成約率にどれほどの影響を与えるかについても調査、分析が欲しかったところだ。こうした調査は困難だろうが今後の挑戦に期待したい。

一方で、Ipsos MediaCTとIABによる最近の調査は、ショールーム行動は現実店舗での売上増をもたらしているとしている。価格チェックアプリのユーザーは42%がオンラインで購入するが、現実店舗で」購入するユーザーも 30%存在するというのだ。現実店舗の経営者は消費者がこうしたオンラインでの価格チェックを行うことを前提とsちた上で競争力のある価格と対面販売ならではの優れたサービスを提供していくことがもっとも賢明な道だろう。

写真、図版:トップはFourthsource; 他はPlaced

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

2013年のスマートフォン総台数は14億, 3位Windows Phoneは4500万, 4位BlackBerry 2000万

ponies

ABI Researchが、世界のスマートフォンとタブレットの市場動向に関する2013年の予測を発表した。まず、ユーザが日常使用している総台数はスマートフォンが14億台、タブレットが2億6800万台、前者ではAndroidがリード、後者はAppleの支配が続く。MicrosoftとBlackBerryはささやかなシェアで市場に残るが、デベロッパにそっぽを向かれるほどの小ささではない。ABIの報告書は、“2頭の馬と2頭のポニーのレースだ”、と言っている。

ABIの数字がIDCStrategy AnalyticsGartnerなどのそれと違うのは、製品の出荷数ではなくて、ユーザの手元数に着目しているところだ。そこで、ABIによると、MicrosoftのWindows PhoneとBlackBerry 10は、小さくてもまだゲームを続けられるだけの力はある。

2013年の終わりには、世界中でWindows Phoneデバイスは4500万台、BlackBerry 10は2000万台がユーザの手中にある。そのマーケットシェアはそれぞれ、3.2%と1.4%だ。Androidは7億9800万(57%)、iOSは2億9400万(21%)だから、2頭のポニーはとても小さいが、でもデベロッパが手を出す気になるだけの数は維持している。消費者がスマートフォンに求めるものはアプリだから、この点は重要だ。

“MicrosoftとBlackBerryは、シェアが小さすぎてデベロッパが関心を向けず、それに伴って新しいアプリが登場せず、将来の売れ行きがさらにダウンすることを恐れていたが、弊社の見解としては、これだけのインストールベースがあれば両者は十分、ゲームに残れる”、ABIのアナリストAapo Markkanenがこう書いている。

Windows PhoneのハンドセットのトップメーカーであるNokiaとBlackBerry(旧社名RIMから社名を変更)二者は、これを読んで複雑な心境だろう。それは、行けるかもしれないという希望の兆候であると同時に、今のAndroidの勢いを見るかぎり、マーケットシェアが二桁になるのは近未来ではなさそうだ。相当長期間デベロッパの関心をつなぎ止めるためには、さらなる投資と労苦が必要だろう。

Markkanenは本誌TechCrunchの取材に対して、“現在の販売予測から見て、BBやWPのインストールベースでのシェアが向こう5年以内に二桁になることはない。伸びるとしても急激には伸びない。むしろ、二人の弱者が生き残りを賭けて食い合いをすることもありえる。市場は、よく言われる2頭の馬のレースではなく、3頭でも4頭でもない。2頭の馬と2頭のポニーのレースかもしれない”、と語った。

2013年のタブレットに関しては、IDCが今朝(米国時間1/31)、昨年の最終四半期に売れたタブレットの過半数がiOS製品だ、と報告した。ABIのユーザの手元数の数字でも、iPadは1億6600万台強の62%に対し、Androidタブレットはわずかに7500万台だ。Windowsタブレットは、今年の終わりで現用数が550万台、という予測である。

スマートフォンとタブレットは全体として今年も大きく売れ行き〜現用台数を伸ばすので、その大きな成長カーブには、MicrosoftやBlackBerryにとっての機会もある。ABIが予測する成長率は、スマートフォン44%、タブレット125%だ(対2012年比)。

画像: Flickr

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))