Spotifyがポッドキャスト向けにビジュアル広告をアプリに表示するフォーマットを導入

Spotify(スポティファイ)は米国時間1月6日に、ポッドキャスター向けの新しい広告フォーマット「Call-to-Action Cards(コール・トゥ・アクション・カード)」、略して「CTAカード」を導入する。Spotifyのストリーミング広告挿入技術によって実現されたこの機能は、音声広告の再生が始まると、Spotifyアプリにビジュアル広告が表示されるものだ。このカードは、広告主が独自の画像、テキスト、その他のクリック可能なボタンでカスタマイズでき、リスナーを「今すぐ購入する」や広告主が促したいその他のアクションに誘導することが可能だ。

広告はストリーミング中にユーザーの注意を引くことができるが、Spotifyは、ポッドキャストを聴くことが、散歩やジムでのエクササイズ、家事、運転など他のことをしている間のバックグラウンドであることが多いことを理解している。そのため、Spotifyは新しいCTAカードを、ポッドキャストの番組ページとエピソードページの両方で利用できるようにしている。これにより、ターゲットのリスナーは、Spotifyアプリを閲覧しているときに、後で広告と対話することができる、と同社は説明している。これらのカードは、リスナーが広告を聞いてから最大7日間利用可能で、キャンペーンがその前に終了した場合は、それよりも短い期間となる。

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将来的には、単にランディングページに誘導するだけでなく、この形式が進化していくとSpotifyは考えている。

「私たちは、このカードをフォーマットの近代化に向けた重要なステップだと考えています。このフォーマットには、今後、ショッパブルやビデオなどのインタラクティブな機能が追加され、より高機能なものになるでしょう」と、Spotifyの広告ビジネス&プラットフォーム責任者であるJay Richman(ジェイ・リッチマン)氏は、今週のCESに参加した際の記者説明会で、このフォーマットを紹介した。

このフォーマットを採用する広告主は、ストリーミング広告の挿入によって可能になった確認済みの広告インプレッションに基づくレポートも利用できるようになる。

Spotifyはストリーミング広告挿入技術に多大な投資を行っており、これによりポッドキャストにリアルタイムのターゲティングとレポーティングが実現された。以前、ポッドキャストがよりオープンなRSSフォーマットで配信されていたときは、ダウンロード可能なコンテンツであるだけに、技術的な制限にも阻まれていた。広告は、番組に動的に挿入されるのではなく、埋め込まれていたのだ。また、オーディオプレイヤーは、番組のどの部分がコンテンツで、どの部分が広告なのかを区別することができなかった、つまり、それは1つのファイルだった。ストリーミング・オーディオの挿入とともに、コンテンツそのものを一時停止して、広告が挿入され、広告が完了した後にコンテンツが再開するようになった。

これらはすべてリアルタイムで行われる。しかし、以前とは異なり、リスナーがメッセージを聞いて楽しくない場合、広告をスキップすることを妨げない。

2020年、Spotifyはポッドキャストのホスティングと広告を手がけるMegaphone(メガフォン)を2億3500万ドル(約272億円)で買収し、ストリーミング広告挿入を自社の番組以外にも拡大し、Spotify Audience Network(スポティファイ・オーディエンス・ネットワーク)を通じてパブリッシング・パートナーにも届くようにした。現在このネットワークには、SpotifyのAnchor(アンカー)プラットフォームを利用する独立クリエイターによる番組も含まれている。そして2021年12月、Spotifyはポッドキャストテック企業のWhooshkaa(ウーシャカア)を買収し、オーディオコンテンツをラジオで放送した後にポッドキャストとしてリリースしたいと考えるラジオ放送局にこの技術を提供することになった。

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ストリーミング広告の挿入は、広告が番組に表示されるタイミングをすでに把握しているため、Spotifyはそれに付随するCTAカードもポップアップして、広告主の製品を表示することができる。リスナーにとっては、番組中にホストが宣伝しているのを聞いた商品やサービスを探し出すのに、クリエイターが話していたURLやクーポンコードを思い出そうとする必要がなくなるので、より良い体験になるかもしれない。

しかし、この追加により、Spotifyを使ってポッドキャストをストリーミングすることが、以前よりもさらに広告にサポートされた体験にもなる。プレミアム(有料)購読者であっても、間違いなく邪魔な新しい広告の対象となり、聞き終わった後でもポッドキャストの番組ページとエピソードページの両方に表示されることになる。

Spotifyは、ローンチに先立ち、Ulta Beauty(ウルタ・ビューティ)を含む一部の広告主に対して、新しいCTAカードのテストを行った。Ultaのコンテンツ、ソーシャル、統合マーケティング責任者であるChristine White(クリスティン・ホワイト)氏によると、同社は、あるキャンペーンで約25万人のSpotifyユニークリスナーを獲得し、そのうちの約半数が、オーディオメッセージを聞いた後に、後でアプリを閲覧中にカードを見た人を含んで、少なくとも1つのCTAカードを見たとのことだ。

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Spotifyは、CTAカードを、ポッドキャストコンテンツをよりインタラクティブなものにするためのもう1つのステップと考えている。同社はすでに、音声コマンドやポッドキャストの視聴者投票やQ&Aといった機能を通じて、この分野で実験を行っている。これらの機能はリスナーをリアルタイムで魅了し、ポッドキャストの再生中にアプリに戻ってくる可能性も高くする。最近では、SpotifyのAnchorプラットフォームを通じて、ビデオポッドキャストへのアクセスも拡大している。Podcastクリエイターは、自分のPodcastにビデオを追加して、番組を録音しているところを見せたり、この機能を使って、グラフィック、チャート、スライドを追加したりすることができる。この機能は現在、より多くのクリエイターとリスナーに展開されていると、Anchorの共同設立者でSpotifyのトーク責任者のMike Mignano(マイク・ミグナーノ)氏は同説明会で述べた。

Spotifyは、新しいCTAカードを有効にするためにクリエイターが追加作業をする必要はないと述べており、まずは米国時間1月6日から米国内の一部のSpotify Original & Exclusive Podcastで利用可能になる予定だ。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

Spotifyがラジオ放送をオンデマンドオーディオ化するポッドキャスト技術のWhooshkaa買収

Spotify(スポティファイ)は、ポッドキャストのホスティング、管理、配信、プロモーション、マネタイズ、測定のためのオールインワンプラットフォームであるオーストラリアの会社のWhooshkaa(ウーシャカア)買収し、ポッドキャストへの投資を引き続き継続している。この買収は、Spotifyがポッドキャストテクノロジー市場において、2020年行ったホスティングおよび広告会社のMegaphone(メガフォン)の買収、そして最近ではポッドキャスト発見プラットフォームであるPodz(ポッズ)の買収に続くものだ。

また、現在はSpotify Greenroom(スポティファイ・グリーンルーム)という名のBetty Labs(ベティ・ラボ)のAnchorやライブトークショープラットフォームといったクリエイター向けツールや、Gimlet(ギムレット)、Parcast(パーキャスト)、The Ringer(リンガー)といったポッドキャストスタジオも買収している。

WhooshkaaによってSpotifyは、ラジオ放送局が既存の音声コンテンツをオンデマンドのポッドキャスト番組に簡単に変換できる専門技術という新しいツールを手に入れたことになる。Megaphoneはすでに、ポッドキャスター向けにホスティング、配信、レポート、マネタイズなどの一連のツールを提供しているが、Spotifyが最も関心を持ったのはこの部分だった。Spotifyは、この「ブロードキャスト・トゥ・ポッドキャスト」技術をメガフォンに直接統合するという。

Spotifyは、Wooshkaaのポーティング機能によって、より多くのサードパーティーコンテンツがSpotify Audience Networkに参入でき、広告パートナーへのリーチとインパクトを高めることができると考えている。Spotifyのこの部分のビジネスは、スケールアップしている。同社は2021年に広告収入10億ユーロ(約1280億円)のマイルストーンを通過し、Spotifyは第3四半期に過去最高の広告収入を計上した。

現在、Spotifyの広告主の5人に1人がSpotify Audience Networkを利用しており、加入したMegaphone Podcastのパブリッシャーでは、フィルレートが2桁増になったとSpotifyは述べている。

2016年に立ち上げられたWhooshkaaは、テキスト読み上げ、音声合成、コネクテッドホーム統合、ダイナミック広告挿入技術、エンタープライズグレードのプライベートポッドキャスティングツールなどの分野でもイノベーションを起こしたと、CEOのRob Loewenthal(ロブ・ロウェンサル)氏は同社ブログでの独自の発表で述べている。しかし、Spotifyが月間3億8100万人のリスナーを抱えているため、Whooshkaaはその技術をより多くの人々に提供することができるようになるのだ。

「私たちは、デジタルオーディオの世界的な成長の可能性は、まだほとんど手つかずであると信じています。これらの新しく加えられたツールやそれを支える革新的なチームを通じて、クリエイター、パブリッシャー、広告主がこの機会の価値を実感できるよう支援するという当社のコミットメントを強化します。Whooshkaaとともに、我々はあらゆる種類のオーディオパブリッシャーのポッドキャストビジネスの成長を支援する取り組みを強化し、広告主が視聴者に到達するのを支援する我々の能力を拡大します」。と、Spotifyのコンテンツ&広告ビジネス最高責任者のDawn Ostroff(ドーン・オストロフ)氏は、この取引に関する声明で述べている。

Spotifyは、取引条件の共有を拒否し、Whooshkaaの既存の顧客のための移行計画についてはまだコメントできなかった。この取引の一環として、合計12名がSpotifyに入社する予定だが、彼らは引き続きオーストラリアに拠点を置く予定だ。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Spotify、ポッドキャストにアップルのような5つ星評価システムを導入

ポッドキャストを聴いたことがある人なら、エンドロールでホストが「Apple Podcastにレビューを残してください」というのを聞いたことがあるだろう。これからは「Apple PodcastsとSpotifyにレビューを残してください」という文言に変わるかもしれない。

Spotify(スポティファイ)は米国時間12月16日、ポッドキャストのディスカバリーを向上させようと、Apple(アップル)と同様の5つ星評価システムを導入することを発表した。同社によると、この機能はSpotifyでポッドキャストが配信されているほぼすべての市場で、今後数日のうちに展開される予定だという。

Appleと違い、この機能は現時点では星評価のみをサポートし、番組のレビューを書くことはまだできない、とSpotifyはTechCrunchに説明した。

Spotifyはブログ投稿で、その意図は「リスナーにお気に入りのポッドキャスト番組をサポートする機会を与え、クリエイターとリスナー間の双方向のフィードバックループを可能にすること」だと書いている。しかし、ポッドキャスティングというメディアが出現して以来、5つ星のAppleレビューを求めてきたポッドキャスターたちは、星の評価が実際にどれだけ番組の宣伝に役立つのか慎重だ。

ポッドキャスティングでは、立ち上げから数週間で多くの評価レビューを獲得すれば、Apple Podcastsの注目すべきチャート「New and Noteworthy」にリスト入りする可能性が高まり、番組の成長が加速するというのは、十分に裏付けがある神話だ。それに、プロのポッドキャスターたちは、Apple自身が評価やレビューはチャートに影響を与えないと言っていることを指摘している。

Spotifyの担当者はTechCrunchに「評価はリスナーとなる人が番組の質をすばやくチェックするためのすばらしい方法ですが、現時点では(この機能の初期段階なので)番組の評価はポッドキャストチャートやパーソナライズされたレコメンデーションに織り込まれません」と述べた。

つまり、これはファンがポッドキャストをどう思っているかを示すツールではあるが、今のところ番組がSpotifyのチャートやキュレーションリストに載るためのものではない。

Spotifyが2019年に買収したポッドキャスト作成プラットフォームのAnchor(アンカー)は、ポッドキャスターがリスナーに評価を残すよう促す方法について、ブログ記事で提案している。「この番組は好きですか。Spotifyの番組ページに評価を残して、私たちに教えてください」と、ある例には書かれている。

独立系のポッドキャスティング集団Multitude Productionsのクリエイティブ部門責任者であるEric Silver(エリック・シルバー)氏は「クリエイターとして、これはマーケティングの動きのように感じられます」と述べている。「私はApple Podcastsで評価やレビューをするよう、人々には一切言っていません。なぜなら私が気分良くなること以外に何も起こらないことを知っているからです」。

2021年12月初めにソーシャルメディア上でトレンドとなったSpotify Wrappedと同様のマーケティング戦術だ。自分の音楽やポッドキャストの視聴習慣を友人と共有するのは楽しいが、同時にSpotifyにとっては大きなPRの成功でもある。

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Spotifyの新しい評価システムが配信に影響を与えないとしても、シルバー氏は少なくとも数週間はリスナーがMultitudeの番組をSpotifyで評価するよう促すだろう、と話す。Spotifyは最近、米国のポッドキャストリスナー数でApple Podcastsを上回った。なので、潜在的な視聴者の大部分があなたの番組のページを訪れたときにその評価を見ることになるなら、ファンにあなたの番組を評価するよう求めることは理に適っている。

YouTube、TikTok、その他のクリエイティブなプラットフォームは、潜在的なオーディエンスに、あなたが何人のフォロワーを持っているかをすぐに表示する。しかし、ポッドキャストのダウンロード数や購読者数は、ポッドキャスターが言わない限りわからない。評価やレビューが人気の指標になるとはいえ、この点がポッドキャスティング業界と、ビデオのようなよりアルゴリズムが重視される他のメディアとの違いだ。

「理論的には、アルゴリズムはあなたを助けるはずです。しかし、これはこの時代の技術の話ではないでしょうか」とシルバー氏はいう。「とても複雑です。アルゴリズムがあればもっと発見があるのに……というような話ではなく、YouTubeやTikTokのような問題が発生すると、その逆になってしまいます」。

YouTubeやTikTokといったプラットフォームのクリエイターは、アルゴリズムが好むと思われるコンテンツを作るよう動機付けられていて、おそらく視聴者が好むと思われるものよりも作っている。しかし、メディアであっても、それはアルゴリズムに依存したものではなく、ポッドキャスティングや、Twitchストリーミングのように、固有のバイアスが存在する。2021年初め、Twitchの支払いデータが流出した際、最もギャラの高い女性ストリーマーであるPokimaneは、Twitch全体のギャラの順位で39番目に止まることが明らかになった。ポッドキャスティングも、その多様性という点ではまだまだだ

Spotifyはポッドキャストの評価をアルゴリズムによるレコメンドに使っていないとはいえ、ポッドキャストを見つけやすくするための大きな計画の一部である可能性はある。Spotifyはポッドキャストのディスカバリーを促進しようと、2021年6月にPodzを買収した

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短期的には、Spotifyは評価を通じて番組を良く見せる必要があるため、ポッドキャスターが視聴者にSpotifyを利用するように仕向けるための巧妙な動きといえる。これは本質的に悪いことではないが、SpotifyとAppleがポッドキャスティングのエコシステムでより大きなシェアを獲得しようと競争しているため、クリエイターはより大きな技術競争の渦中に巻き込まれているように感じられるかもしれない。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Tinder、Spotifyと提携して新機能「ミュージックモード」を開始

Tinder(ティンダー)はSpotify(スポティファイ)と提携し、ユーザーがプロフィールをチェックしているときに、相手が選んだ曲を30秒間ループで聞くことができる新機能「Music Mode(ミュージック・モード)」を開始した。Spotifyのアカウントをリンクし「Anthem(アンセム)」と呼ばれる選曲をTinderのプロフィールに追加したユーザーは、ミュージックモードに入ることができる。なお、TinderとSpotifyは、ユーザーがプロフィールに音楽を加えることができるAnthem機能を開始するために2016年に初めて提携していた。今回の最新の統合は、ユーザーが潜在的な相手のお気に入りの曲を発見するための新しい方法だ。

ミュージックモードは、今後数週間のうちに、Spotifyが利用可能なすべての市場で、Tinderユーザーにグローバルに展開される。この新機能は、Tinderのインタラクティブな「Explore」ページに表示される。Tinderは、この新機能が、音楽と人のつながりの自然な結びつきの上に構築されており、ユーザーが音楽の好みを通じてつながることを可能にすると述べている。

「ミュージックモードによって、ユーザーは、パーティーで自分と同じ曲を好きな人がいることを知ったときの感覚を体験することができます」とTinderのプロダクトイノベーション担当副社長であるKyle Miller(カイル・ミラー)氏は、プレスリリースの中で述べている。「歌は深く個人的なものであり、ミュージックモードは、音楽を通じて何か新しいことを引き起こす場所です」。

同社によると、Z世代のTinderユーザーの約40%がすでにAnthemをプロフィールに追加しており、追加するとマッチ数が10%近く増加するとのことだ。

今回の発表は、ユーザーが新しい方法で相手と関わることができるよう、Tinderが新機能を展開していることを受けたものだ。例えば、前述の新しいExploreセクションでは、イベントの紹介や、興味でマッチする相手を発見する新しい方法を提供している。また、ユーザーは、マッチングが成立する前に、相手と簡単な会話をすることができる。また、同社は、「Plus One(プラス・ワン)」機能も新たに追加した。この機能により、ユーザーは、自分が結婚式に参加する相手を探している、または結婚式に参加したいと思っていることを伝えることができる。

Tinderは2021年11月、アプリ内のインタラクティブなイベント「Swipe Night(スワイプナイト)」を復活させた。このイベントでは、マッチングやチャット以外に、ユーザーが打ち解けるための別の方法が用意されており、今回は「whodunit(フゥダニット)」と呼ばれる殺人事件をテーマにしている。Swipe Nightは、Exploreセクションから利用できる。また、このセクションでは、スピードデートのように時間を区切ってリアルタイムでチャットできる「Hot Takes(ホット・テイク)」や、同じ趣味を持つ人と出会える「Passions(パッション)」なども利用できる。

画像クレジット:Tinder

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

「Spotifyまとめ2021」にアーティストのビデオメッセージ、Blendそしてゲームまで登場

Spotify(スポティファイ)の年末恒例「Spotifyまとめ」が、ユーザー、アーティスト、ポッドキャスト制作者に提供開始された。これは、ユーザーがSpotifyでの過去1年を振り返る機会を提供し、音楽とポッドキャスト両方での自身視聴トレンドにハイライトを当てるものだ。一方、アーティストやクリエイターは、ファンがどのように視聴したかを確認することができる。2021年、まとめにはいくつかの変更が加えられた。例えば、自分のまとめと友人のまとめを比較できる「Wrapped Blend(まとめブレンド)」などの新機能に加え、TikTokでの共有のサポート、アプリ内の新しいまとめゲーム、アーティストからファンへのビデオメッセージなどが追加された。

また、Spotifyは2021年、ライブオーディオチャットルームアプリ「Spotify Greenroom」をまとめ体験に導入し、厳選されたアーティストのライブショーを開催する。

通常、Spotifyまとめでは、過去1年間のトップソング、アーティスト、ポッドキャスト、その他のリスニングトレンドを振り返ることができる。しかし今回、Spotifyはまとめのデータの一部を映画のようなスナップショットとして提示する。つまり「2021:映画」として表示され、オープニングクレジット、戦闘シーン、強烈なモンタージュ、ライバルのダンスクルーとの対決など、映画の重要な瞬間やシーンと、ユーザーが知っている楽曲を組み合わせて表示してくれる。

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また、2021年は、Spotifyのトップチャートに影響を与えてきたTikTok(ティックトック)にも敬意を表している。TikTokは、アプリ内のお気に入りのミームを人気曲に合わせることで、副次的に音楽サービスでの再生を促進している。まとめには「Bones Day」や「Good Soup」など、TikTokのトレンドからポップカルチャーの一部へと変容したさまざまなTikTokミームへの参照も見られる。また、Spotifyユーザーは初めて、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Twitter(ツイッター)、Snapchat(スナップチャット)に加えて、TikTokにもまとめカードを共有できるようになった。

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もう1つの新機能である、Wrapped Blendは、Spotifyの既存のプレイリストマッチング機能であるBlendをベースにしたもので、ユーザーは自分のまとめと友人のまとめを比較して、そのテイストがどのようにマッチするかを確認することができる。そして、そのブレンドをストリーミング再生したり、ソーシャルメディアで結果を共有したりすることができる。

また「Audio Aura」と呼ばれる新しいストーリー機能があり、自身の1年をジャンルの境界を取り除いた視点で見ることもできる。視聴行動に基づく上位2つの「ムード」が視覚的に表現される。

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また、人気ゲーム「Two Truths and a Lie」をベースにしたアプリ内ゲームも新たに追加された。ユーザーは、過去1年間の自分の視聴に関するいくつかの文章を友人と共有し、どれが真実かを推測し合うというものだ。このインタラクティブな形式は、友人にも一緒にプレイしてもらうことで、より多くのソーシャルシェアやエンゲージメントを生む可能性がある。

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さらにもう1つの機能は、Cameo(カメオ)のようなセレブ向けソーシャルアプリからヒントを得ており、お気に入りのアーティストやクリエイターからのビデオをユーザーに提供するというものだ。Spotifyは、170人以上のアーティストやクリエイターと協力して、彼らファンへ、この1年視聴してくれたことや、まとめに入れてくれたことを感謝する短いビデオを撮影した。ユーザーは、参加したアーティストやポッドキャストのホストが自分のまとめに登場すれば、そのビデオを見ることができる。

少数のポッドキャスターとアーティストが、最も熱狂的なファンを招待して、Spotifyのライブオーディオアプリ「Greenroom」で、彼ら自身のまとめの結果などについて語ってくれる限定のQ&Aセッションを行う予定だ。参加者には、Ivy Le、JESSIA、Johnny Orlando、bbno$、DPR LIVE、Aurora + Sub Urban、Benito Skinner & Mary Beth Barone、そしてSpotifyのXavier “X” Jerniganが含まれる。1時間の長さになるこれらのGreenroomルームは、パスワードで保護されており、トップファンにのみリンクがメールで送られる。ただし、Spotifyの自社番組である米国東部標準時12月7日午後9時の「Most Necessary Live」と米国東部標準時12月8日午後9時の「LOREM Life」の2つの番組では、まとめをテーマにした一般公開のエピソードを放送する。

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公式アプリ内のSpotifyまとめハブが本日より展開され、年末のプレイリストなどのよくあるラインナップが用意されている。このハブには「Your Top Songs of 2021」や「Your Artists Revealed」といったパーソナライズされたプレイリストが含まれている。また、データに基づいて作成された、世界やユーザーの地域のトップアーティストの楽曲を集めたプレイリストや、2021年のベストニューポッドキャストなども含まれる。

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クリエイターやアーティストは、本日から自分のマイクロサイトにアクセスできるようになり、ファンの動きを振り返ったり、その他の関連データを閲覧したりできるようになる。

最近のSpotifyのShopify(ショッピファイ)との統合により、アーティストのトップファンリストに含まれたファンには、今後数週間にわたり、彼らのマーチャンダイジングを購入できるリンクがメールで送られる。

まとめの発表に加えて、Spotifyは、2021年にサービス全体でトップだった音楽とポッドキャストを明らかにした。91億回以上の再生を記録したプエルトリコ人ラッパーのBad Bunnyは、2021年に最も再生されたグローバルアーティストとなり、続いてTaylor Swift、BTS、Drake、Justin Bieberとなった。

2021年に最も再生された曲では、11億回以上の再生を記録したOlivia Rodrigoの「drivers license」で、続いてLil Nas Xの「MONTERO (Call Me By Your Name)」、The Kid LAROIの「STAY (with Justin Bieber)」、Olivia Rodrigoの「good 4 u」、Dua Lipaの「Levitating (feat. DaBaby)」の順となった。

上位のアルバムは、Olivia Rodrigoの「SOUR」、Dua Lipaの「Future Nostalgia」、Justin Bieberの「Justice」、Ed Sheeranの「=」、Doja Catの「Planet Her」だった。

最も人気のあったポッドキャストは「The Joe Rogan Experience」「Call Her Daddy」「Crime Junkie」「TED Talks Daily」「The Daily」だ。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

SpotifyがTikTokに似た縦方向ビデオフィードのテストを開始

TikTokのショートビデオのフィードはInstagramからSnap、YouTube、さらにNetflixに至るまで、多くの競合に模倣されている。今度はSpotifyも模倣の仲間に加わるようだ。Spotifyはアプリ内でDiscoverという新機能をテストしていることを認めた。Discoverはミュージックビデオを縦方向のフィードで表示する機能で、ユーザーは上下にスクロールして見ていく。お気に入りにしたりスキップしたりすることもできる。この機能が提供されているユーザーに対しては、アプリ画面下部のナビゲーションバーで「ホーム」と「検索」の間にタブが1つ増え、タブが4つになっている。

この新機能を初めて指摘したのはChris Messina(クリス・メッシーナ)氏で、Discover機能の動作を動画でツイートした。同氏はこの機能について、ミュージックビデオを表示するTikTok風フィードの「簡略版」と表現している。

メッシーナ氏はTechCrunchに対し、SpotifyのTestFlight版(iOS用のベータ版)でこの機能を見つけたと語った。ナビゲーションバーに新しいアイコンがあり、タップするとすぐにビデオのフィードが表示されるという。上下にスワイプしてフィードを移動する操作がTikTokによく似ている。さらにハートをタップして曲をお気に入りにしたり、3つの点のアイコンをタップして標準で使われている曲の情報画面を表示したりすることができると同氏は説明した。

同氏は、この機能はSpotifyに以前からあるCanvasのフォーマットを活用しているのだろうと推測している。

2019年に広く導入されたCanvasは、Spotifyアプリで曲とともに表示されるビデオをアーティストが設定できる機能だ。この機能にはユーザーからさまざまな意見がある。音楽を聴くときは静止画のアルバムアートワークだけが表示されている方が好ましくビデオがループしているのは邪魔だという人がいる一方で、ビデオのループが好きだという人もいる。ともあれCanvasはSpotifyが狙っていた効果をあげているようで、同社はユーザーがCanvasを見ているとストリーミングを継続し、曲を共有したり保存したりする傾向が強いと発表している。

メッシーナ氏が共有したビデオやそれ以外に我々が見たビデオから、縦方向のフィードで再生されているのは既存のCanvasビデオであることが確認できた。しかしSpotifyはこれに関してはっきりとは認めなかった。

TechCrunchはSpotifyに対し、この機能を広く公開する予定があるか、iOSとAndroidの両方で利用できるか、どのマーケットで利用できるかなどの詳細を問い合わせた。Spotifyは詳細を明らかにしなかったが、縦方向のビデオフィードのアイデアを試していることは認めた。

同社は「Spotifyはユーザーエクスペリエンスを向上させるために常に多くのテストを実施しています。最終的にユーザーエクスペリエンスの幅を広げることにつながるテストもあれば、重要な研究として実施されるだけのテストもあります。現時点で共有できる情報は、これ以上はありません」と補足した。

つまり、このテストはごく初期のものであり、広く公開されない可能性がある。しかし広く公開されなかったとしても、Spotifyの動きとしては驚くにはあたらない。同社はこれまでもソーシャルメディアで人気のフォーマットに目を向けてユーザーを引きつけようとしてきた。インフルエンサーが自分で作ったプレイリストを投稿できるストーリーズ機能をテストしていたこともある。しかしこの機能はSpotifyの全ユーザーに公開されることはなかった。

TikTokのフォーマットは人気のソーシャルプラットフォームに取り入れられてきた。Instagramのリール、SnapchatのSpotlight、YouTubeショート、Pinterestのアイデアピンなどだ。コンテンツを見つけるのに理想的なフォーマットであることも証明されつつある。例えばNetflixは最近、縦方向の短尺ビデオフィードをアプリに取り入れ、Fast Laughs機能として公開した。これは同社のコンテンツライブラリからクリップを配信するもので、番組をウォッチリストに保存したりストリーミングをすぐに開始したりするツールとなっている。これと同様に動画をベースとしたSpotifyのDiscover機能も、おなじみのフォーマットでユーザーに新しい音楽を紹介し、ユーザーの関心をSpotifyに伝える役割を果たすかもしれない。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Spotify、ネットフリックスの関連サントラ音楽やポッドキャストを集めた「Netflix Hub」を開始

Netflix(ネットフリックス)のお気に入りの番組のサウンドトラックを探している?拡大されたNetflixとSpotify(スポティファイ)のパートナーシップのおかげで、より簡単に探すことができるようになった。Netflixは米国時間11月23日、アプリ上で、人気番組や映画の公式サウンドトラック、プレイリスト、ポッドキャストを見つけることができる「Netflix Hub(ネットフリックスハブ)」を導入した。

Netflix Hubでは「ストレンジャー・シングス 未知の世界」「ペーパー・ハウス」「ナルコス:メキシコ編」「アウターバンクス」「イカゲーム」「チック、チック…ブーン!」「ブリジャートン家」「カウボーイビバップ」「ヴァージンリバー」「マイ・ブロック」などのサウンドトラックやプレイリストを提供している。

また「Okay, Now Listen」「Netflix Is A Daily Joke」「10/10 Would Recommend」「You Can’t Make This Up」などのNetflixに関連したポッドキャストや「The Crown:The Official Podcast」「Behind the Scenes:Shadow and Bone」などの人気番組を掘り下げたものがある。

他にも、Jay-Zが主導したサウンドトラック制作の舞台裏をファンに提供するNetflixの西部劇「ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野」の拡張版アルバムなども、音楽やファンの新しい体験の一部となる。また「ペーパー・ハウス」パート5ボリューム2のコンテンツ・デスティネーションや、BuzzFeedのクイズのような、自分が「ペーパー・ハウス」のキャラクターの誰になるかを当てるゲームができるキャラクターマッチング経験などもある。

画像クレジット:Spotify/Netflix

このHubは、SpotifyとNetflixの既存のパートナーシップの上に成り立っているとSpotifyはTechCrunchに語った。両社はこれまでに多くの公式プレイリストで協力してきた。

Netflixは、Spotifyのアプリでハブを持つためのアクセス権を購入していない。つまり、これは広告商品ではなく、お金のやり取りもない。そのかわり、両社は、重なり合うファン層のために協力することに可能性を感じているのだ。

Spotifyのアプリにテーマ別の「ハブ」を導入する大手企業は、Netflixだけではない。最近では、SpotifyとPeleton(ペロトン)が同様の提携を発表し、Pelotonのインストラクターによるプレイリストを掲載した「Curated by Peloton(キュレイティッド・バイ・ペロトン)」ワークアウトハブを導入した。また、アプリ以外では、2021年初めにSpotifyは、アーティストのGIFを使ってユーザーに音楽を紹介するため、GIPHY(ギフィー)と提携した。

Netflixのコンテンツの一部をSpotify専用にすることは、Netflixにとって意味のあることかもしれない。というのも、音楽やポッドキャストを提供しているもう1つの大企業Apple(Apple MusicおよびApple Podcasts)は、Apple TV+ストリーミングサービスでNetflixの競合相手となっているからだ。Spotifyは、少なくとも現時点では、Netflixの中核市場に進出していないため、パートナーとして適していると言える。

Spotifyは、今後数カ月のうちに、より多くの専用コンテンツをNetflix Hubに展開する予定だという。

Netflix Hubは、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国、アイルランド、インドのフリーおよびプレミアムのすべてのユーザーが利用できる。

画像クレジット:Spotify/Netflix

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

ついにSpotifyが全世界のユーザーにリアルタイム歌詞表示機能を提供

Spotify(スポティファイ)は何年にもわたって、アプリ内歌詞に関するユーザーからの要望を特に米国で無視してきたが、米国時間11月18日、新たにLyrics(歌詞)機能を無料版、プレミアム版を問わず世界の全ユーザーに提供すると発表した。この機能は、歌詞サービスプロバイダーMusixmatchが提供するもので、SpotifyとMusixmatchがすでに結んでいる、インド、中南米、東南アジアのユーザーに歌詞を提供する契約を拡大する。

2019年に最初のテストを行った後、Spotifyは2020年に音楽に同期したリアルタイムの歌詞を世界26市場のユーザー向けに導入した。26市場のうち22市場が何らかのかたちで歌詞のサポートを得たのは初めてだったと、同社は当時述べている。その契約はその後、28市場に拡大した。日本のSpotifyユーザーも、SyncPowerとの単独契約により歌詞にアクセスできるようになっている。

しかし、その他の市場のユーザーは、2016年にGeniusと提携して開始した「Behind the Lyrics」という、歌詞に曲の意味やアーティスト、その他解説などトリビアを散りばめたものを提供する機能にしかアクセスできなかった。一方で、Spotifyのコミュニティフィードバックフォーラムを通じて何千人ものユーザーがここ数年、事実やバックグラウンド情報を挟んだ歌詞ではなく、リアルタイムの歌詞機能を希望するとSpotifyにアピールしていた。

そうしたユーザーの願いが、いま叶う。

SpotifyはTechCrunchに対し「Behind the Lyrics」を終了し、新しいLyrics機能に移行することを認めた。

歌詞は、プラットフォームにもよるが「Now Playing」ビューまたはバーから利用できる。

モバイルでは「Now Playing」画面から上にスワイプすると、曲の再生中にリアルタイムで歌詞がスクロール表示される。デスクトップアプリでは「Now Playing」バーからマイクのアイコンをクリックすることができる。また、Spotify TVアプリでは「Now Playing」画面の右上にある歌詞ボタンから「Lyrics」を有効にする。

同社によると、この機能はPlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Android TV、Amazon Fire TV、Samsung、Roku、LG、Sky、Comcast向けのアプリを通じて、大画面で利用できるようになるとのことだ。

また、新機能では、モバイルの画面下にある付属のボタンからの共有が組み込まれていて、ユーザーは共有したい歌詞と共有先を選択することができる。

なお、無料版とプレミアム版では、歌詞の表示に違いはないとのことだ。

音楽アプリのリアルタイムの歌詞表示には、複雑な歴史がある。歌詞が音楽出版社から提供されない場合、企業はサードパーティのプロバイダーを利用する。しかし、そうしたプロバイダーは必ずしも公平ではない。例えばGoogleは、2019年にGeniusの歌詞集を盗用したとしてGeniusに訴えられた。Geniusは「現行犯」をとらえるために歌詞に秘密のコードを巧妙に埋め込んで追跡していた。それらの歌詞は後にGoogle.comの検索結果に表示された。しかしGoogleは、責任はパートナーであるLyricFindにあるとした。歌詞に関する大型の取引ではパートナーの選択肢が少なく、Genius、LyricFind、Musixmatchのいずれか(またはその組み合わせ)と提携する傾向があるため、Googleは提携を解消しなかった。

そうしたこともあって、2018年にAppleが数千のトップソングの歌詞についてGeniusとの提携を発表し、その2年後にGeniusの独占的なウェブプレイヤーとなったことは大きな話題となった。他のサービスでは、PandoraはLyricFindと連携しているとし、AmazonはLyricFindとMusixmatchの両方と連携しているとウェブサイトに記載されている。

今回の契約拡大により、Spotifyが提供されているすべての市場でLyricsが利用できるようになり、ライバルがSpotifyに対して持っている大きな競争力の1つがなくなる。

Spotifyによると、Lyricsは米国時間11月18日から全世界で提供が始まる。

画像クレジット:Stockcam / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Spotifyのポッドキャストサブスクが米国以外のクリエイターに拡大、ただし日本は含まれず

Spotify(スポティファイ)は2021年8月に米国のクリエイターを対象にポッドキャストのサブスクリプションを公開したが、米国時間11月17日から対象を米国以外のクリエイターにも拡大する。同社によれば、クリエイターが「サブスク利用者限定」コンテンツを作れるこのサービスは、新たに33のマーケットで利用できるようになる。

ポッドキャストのサブスクが米国で正式に公開された際、Spotifyはサービスに関していくつか重要な変更を実施した。それ以前は、クリエイターは有料番組の価格を3通りからしか選べなかった。しかし同社はクリエイターがもっと柔軟な価格設定を望んでいることを把握し、0.49ドルから150ドル(約55円から1万7000円)まで20通りの価格を用意した。

また、同社はクリエイターが自分の番組をサブスクで利用しているリスナーの連絡先情報をダウンロードできるようにした。これを活用してクリエイターはリスナーと直接的な関係をさらに深めることができる。

今回のグローバル展開にあたり、Spotifyは新機能の追加はしていない。同社は今回の拡大について、ポッドキャストのサブスクをより多くの人に利用してもらうためとしている。

ポッドキャストのサブスクプラットフォームはSpotifyだけではない。Appleもサブスクを提供しているが、Appleはクリエイターの売上30%を徴収し、2年目には15%になる。これは他のサブスクアプリと同様だ。一方のSpotifyは、最初の2年間は売上からの徴収をしないことにより、サービスを成長させようとしている。徴収なしの期間が終了すると、Appleよりずっと少なく、たった5%を徴収する計画だ。

Spotifyのサブスクポッドキャストサービスは、同社のポッドキャスト制作プラットフォームであるAnchorを通じて提供される。AnchorではiOSとAndroidの両方ですでに29のマーケットでサブスクを利用でき、残る4つのマーケットでは来週(11月22日の週)から利用できるようになる。

すでに提供開始しているマーケットは、オーストラリア、ニュージーランド、香港、シンガポール、ベルギー、ブルガリア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国。来週にはカナダ、ドイツ、オーストリア、フランスでも開始する。

 

他にポッドキャスト関連のニュースとして、SpotifyはBad Robot Audioとの複数年の独占契約を発表した。Bad Robot Audioは、プロデューサーのJ.J. Abrams(J・J・エイブラムス)氏が2001年に創業した制作会社であるBad Robotの新しいオーディオ部門だ。

Bad Robotは「LOST」「エイリアス」「FRINGE / フリンジ」「パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット」「キャッスルロック」「ウエストワールド」などのテレビ番組や「SUPER8 / スーパーエイト」「スター・ウォーズ / フォースの覚醒」「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」などの映画を制作し「スター・トレック」「ミッション:インポッシブル」「クローバーフィールド」の共同制作もしている。

新しい部門を率いるのはAudibleやSpotifyで著名なエグゼクティブだったChristina Choi(クリスティーナ・チョイ)氏で、同氏はBad Robotのポッドキャスト責任者に就任する。Bad RobotはSpotifyで提供する番組について詳細をまだ明らかにしていないが「ノンフィクションとフィクションのポッドキャスト作品」の両方を含むだろうと述べている。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyが教育番組「EDUCAST 熱中大学」配信、国内オリジナル番組として初の「ビデオポッドキャスト」形式導入

Spotifyが教育番組「EDUCAST 熱中大学」配信、国内オリジナル番組として初の「ビデオポッドキャスト」形式導入

Spotify

Spotifyは11月15日、その道のプロフェッショナルとして第一線で活躍するZ世代のクリエイターやインフルエンサーたちに、技術やノウハウ、独自の人生哲学などを学ぶ、講義形式のオリジナル教育ポッドキャスト番組「EDUCAST 熱中大学」の配信を開始しました。番組は日本テレビとの協業で作成されているとのこと。

EDUCAST 熱中大学は、国内オリジナル番組として初めて、ビデオポッドキャストのフォーマットを採用したのも特徴です。通常、ポッドキャストは音声のみですが、ビデオポッドキャストは映像も配信。動画コンテンツとしても利用できるというもの。とはいえ、音声がメインであることに変わりはなく、映像を見ずに音声のみでも番組として成立しています。

ビデオポッドキャストは、海外では2020年7月からサポートされているものですが、視覚情報を伴うことで、クリエイターをより身近に感じられると好評を得ているとのことです。

なお、EDUCAST 熱中大学は、Spotifyが提供する音声コンテンツ制作ツールAnchorを利用しており、Anchorに実装されているQ&A機能や投票機能を活用し、リスナーから各エピソードで最も印象に残った言葉を募集するとのこと。

各回3エピソードずつ、隔週月曜日の18時ごろに配信を行うとしています。

(Source:PR TimesSpotifyEngadget日本版より転載)

SpotifyがFindawayを買収、オーディオブックに進出

Spotify(スポティファイ)は、音楽以外の分野にも進出するため、数億ドル(数百億円)を投じてポッドキャスト事業を強化してきた。そこで、オーディオの別の形態に狙いを定め、デジタルオーディオブック配信会社であるFindaway(ファインダウェイ)を買収した。

Spotifyは、この買収の金銭的条件について明らかにしていない。買収は、規制当局の審査と承認を経て、2021年第4四半期に完了する予定だ。

2004年創業のFindawayは、世界中のリスナーに、より多くのオーディオブックを届けることに注力してきた。

同社は現在、さまざまなブランドや製品を展開しており、その中心は、コンテンツ制作者と再販業者をつなぐ大規模なオーディオブック配信事業だ。再販業者には、Apple、Google、Scribd、Audible、Nook、Rakuten Kobo、Chirp、Storytel(Spotifyのパートナー)、Overdrive、Audiobooks.comなどがいる。

Findaway傘下のブランドには、著者とプロのナレーターを結ぶFindaway Voices、一流の出版社向けにオーディオをプロデュースするAudioworks、図書館や学校に対しプリロードされたオーディオブック製品を提供するPlayaway、リスナーに多様なオーディオカタログを提供するOrange Sky Audio、開発者がオーディオブックの幅広いカタログを自社のプラットフォームに統合する際に必要なツールや技術を提供するAudioEngineなどがある。

Spotifyは、Findawayの約150人のチームを招き入れる。また、Findawayが行ってきたオーディオ業界への投資を活用していく予定だという。また、Spotifyの3億8100万人の月間アクティブユーザーへのアクセスに、オーディオブックを加えることも計画している。

「この買収をテコに、プラットフォームを拡大し、オーディオブック分野への参入を加速する計画です」とSpotifyのオーディオブック部門の責任者であるNir Zicherman(ニール・ジッカーマン)氏は話す。Spotifyのユーザーがオーディオブックにアクセスする場合、現在は他のプラットフォームを利用する傾向にあるが、今後はSpotifyのアプリの中でオーディオブックの消費を可能にしたいと考えている、とジッカーマン氏は説明する。当面、Spotifyのユーザーは、同社の新しいオープンアクセスプラットフォーム技術(OAP)と既存の認証情報を使って、Findawayや、Storytelなど他のオーディオブックパートナーのオーディオブックにアクセスすることになる。

だがOAPの用途はもっと広く、出版社が自社のビジネスモデルに合わせてコンテンツの販売方法を柔軟に選択できるようにするものだ。この先、消費者がSpotifyでオーディオブックのコンテンツを視聴するためのさまざまな方法が導入される可能性がある。

Spotifyによると、OAPが最初に統合されるのは2022年初めになる予定だ。

「業界として、オーディオブックには大きな可能性と成長が待ち受けていると考えています」とジッカーマン氏はいう。「SpotifyとFindaway、2社のすばらしいチームとすばらしい技術を組み合わせ、別々の会社だった場合よりも早く、そのような未来を実現したいと考えています」。

調査によると、オーディオブック業界は、2020年時点の33億ドル(約3800億円)から2027年には150億ドル(約1兆7000億円)に成長すると予想されている。Findawayに投資する価値があるとSpotifyが考えたのはそのためだ。また、Spotifyは、今回のFindawayの買収をオーディオブック分野での野心の始まりと捉えており、将来的にはさらにチームを拡大することも考えている。

Spotifyの計画では、Findawayは現在と同じように、さまざまなブランドやサービスを、同じスタッフやパートナーとともに、クリーブランド地域の本社から運営していく予定だ。このアプローチは、Spotifyが買収したポッドキャスト制作プラットフォームAnchorが、Spotifyの競合他社を含む他のプラットフォームへの配信を継続した例と似ている。

今回の発表の前に、Spotifyはオーディオブックへの関心を示していた。1月には「フランケンシュタイン」「ジェーン・エア」「説得」などの古典作品に著名人のナレーションをつけて、オーディオブックのフォーマットのテストを始めた。また、Daniel Radcliffe(ダニエル・ラドクリフ)氏、David Beckham(デビッド・ベッカム)氏、Dakota Fanning(ダコタ・ファニング)氏などのスターがナレーションを担当した「ハリー・ポッター」の第1作も提供している。

さらに5月には、オーディオブックのプラットフォームであるStorytelとの提携を発表した。これにより、Spotifyのユーザーは、同じくOAPを利用したSpotifyのアプリを通じて、オーディオブックにアクセスできるようになった(Findawayの買収が、同じような提携の話から生まれたのかどうかについてSpotifyは言及していないが、その可能性は高いと思われる)。

11月11日の買収は、Spotifyがオーディオという新たな投資分野を追いかけるために、ポッドキャストへのコミットメントから離れるというわけではない、ということのようだ。

「ポッドキャストは、今後も当社のビジネスにおいて重要な位置を占めます」とジッカーマン氏はいう。「これは、消費者が求めている、そして多くの場合、すでに聴いていると思われる新しいタイプのコンテンツへの進出です。そして、そのコンテンツをSpotifyでも楽しめるようにしたいと考えています」。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Spotifyがエアロバイク、トレッドバイクのPelotonと提携、Workout Hubでの新しいプレイリストを開始

Spotify(スポティファイ)はPeloton(ペロトン)と提携し、ストリーミングサービスの「Workout Hub」内に「Curated by Peloton」という専用コーナーを新たに開設する。本日からSpotifyのユーザーは、Pelotonのインストラクターによる7つのローテーションプレイリストにアクセスできるようになる。そのプレイリストには「Running by Peloton」「Tunde Oyeneyin’s Playlist(トゥンデ・オイネインズ・プレイリスト)」「Strength by Peloton」などがある。この厳選されたプレイリストは、ワークアウトクラスで使用されている曲をユーザーに紹介するものだ。

また、Spotifyは、Pelotonのインストラクターの音楽の好みが自分と合うかどうかを知るための新しいクイズ「Find Your Instructor(ファインド・ユア・インストラクター)」を開始した。このクイズでは、ユーザーにいくつかの質問をするとともに、ユーザーのリスニング行動を調べて、最も相性の良いインストラクターを見つけることができる。

また、Pelotonは、このパートナーシップを記念して「Today’s Top Hits」「Door Knockers」「Lofi Beats」「Indigo」「Baila Reggaeton」など、Spotifyの人気プレイリストの曲を使った11のクラスを開催する。

なお、SpotifyとPelotonのコラボレーションは、今回が初めてではない。2020年、Pelotonは、Spotifyの「Power Hour(パワー・アワー)」「Rock This(ロック・ディス)」「Viva Latino(ビバ・ラティーノ)」の各プレイリストからの楽曲を使用した数十種類のクラスを導入した。また、Spotifyは、Pelotonユーザーがクラス中に再生されるお気に入りの曲を保存できる「Track Love(トラック・ラブ)」機能を開始した。

今回の提携拡大は、パンデミックの影響で、人々が自宅でのワークアウトやモチベーション維持の方法を模索していたことから、SpotifyとPelotonの両社がこの1年間で好調に推移したことを受けたものだ。

また、Spotifyは、サービスを拡大し、他のデジタル企業との提携を模索している。Spotifyは2021年10月、eコマースプラットフォームのShopify(ショッピファイ)と提携し、サービスに参加しているアーティストのプロフィールをShopifyのストアに接続することで、商品をスポティファイのアプリを通じてファンに直接販売できるようにした。また、Spotifyは2021年初めにオンラインGIFデータベースGIPHY(ジフィー)との提携を発表し、GIFによる新しい音楽の発見を可能にした。

画像クレジット:Spotify

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

アマゾン、誰でもラジオ番組のDJになれるアプリを開発か

Amazon(アマゾン)は、誰もが音楽を含む自分のラジオ番組のDJになれるような、ライブオーディオアプリを開発中と言われている。「Project Mic(プロジェクトマイク)」として知られているこのアプリは、最初は米国市場に焦点を当てると言われているが、発売の時期は明らかになっていない。


The Vergeによると、クリエイターは膨大なAmazon Music(アマゾンミュージック)のライブラリから楽曲を再生できるようになるとのことだ。プログラムには、音楽だけでなく、ポップカルチャー、スポーツ、コメディーなども含まれているようだ。Amazonは、有名人やインフルエンサーを番組のホストに迎えることを検討していると言われている。番組は名前やトピック、音楽などで検索することができ、Amazonはトレンドのトピックや特定のクリエイターを含むライブコンテンツを強調するようだ。

発表会では、アプリに加えて、クリエイターがAmazon Music、Twitch(トゥイッチ)、Audible(オーディブル)、Alexa(アレクサ)対応デバイスで番組を配信できるようになることが発表された。配信番組では、リスナーが車の中からでも番組のクリエーターと対話できるようになると報じられている。

このレポートでは、リスナーにAmazon Musicのサブスクが必要かどうかは言及されていないが、番組が配信されるプラットフォームの幅広さを考えると、その可能性は低そうだ。EngadgetはAmazonに詳細を問い合わせている。

Amazonがこのようなアプリを開発しているという情報は、今回が初めてではない。2021年の夏、Axiosがその存在を報告したが、今回の報告では、Project Micの内容についてより詳細な情報が得られた。

Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、Spotify(スポティファイ)、Discord(ディスコード)は、Clubhouse(クラブハウス)の爆発的な人気を受けて、2020年からライブオーディオの分野に参入してきた。しかし、これらのアプリは、曲ではなく、ライブの会話に焦点を当てている傾向がある。

Spotifyは、チャットとリスナーの好みに合わせた音楽を組み合わせたThe Get Up(ゲットアップ)という朝の番組を提供しており、Amazonが考えているのと同様の機能を提供する競争相手である可能性が最も高いと思われる。他にも、Clubhouseは最近、ミュージシャンによりよいライブストリームでのコンサートのために、高音質のオーディオオプションを提供している

編集部注:執筆者Kris HoltはEngadgetの寄稿ライター。初出はEngadget

画像クレジット:TwilightShow / Getty Images

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(文:Kris Holt、翻訳:Yuta Kaminishi)

Spotifyは「見て」ももらいたい、ビデオポッドキャスト用ツールを同社傘下Anchorのクリエイターに開放

Spotify(スポティファイ)は、買収、独占契約、その他のパートナーシップの間で、ポッドキャスティングにすでに約10億ドル(約1130億円)を投資している。そして、Spotifyは人々に聴くだけでなく、見てももらいたいと考えている。同社は米国時間10月21日、クリエイターがビデオポッドキャストできるようになる新しいツールを開始することを発表した。このツールは、Spotifyのポッドキャスト制作プラットフォームAnchor(アンカー)が提供するもので、一部のクリエイターのみを対象に、2020年にグローバルで開始したビデオポッドキャストを発展させたものだ。

当時、Spotifyは、ビデオポッドキャストのデビューラインナップには、Spotify Originals and Exclusives(オリジナル&独占)に加え、サードパーティ制作のポッドキャストも含まれていると述べていた。しかし、どんなクリエイターでも動画を配信できるわけではなかった。代わりに、YouTube(ユーチューブ)などの他の動画プラットフォームを利用する必要があった。

この状況が変わる時が来た。Anchorによって、現在のオーディオエピソードの作成・公開するのと同じように、クリエイターが自分のアカウントを使って動画をアップロードできるようになる。公開されたポッドキャストは、Spotifyのモバイルアプリ、デスクトップアプリ、ウェブプレイヤー、そしてほとんどのスマートテレビやゲーム機など、さまざまなプラットフォームで聴くことができる。また、クリエイターは、音声ポッドキャストと同様に、定額制を利用してビデオを収益化することができる。

関連記事:Spotifyのポッドキャストサブスクを米国の全クリエイターが利用可能に

クリエイターは価格を設定し、サブスクリプションに何が含まれるかを決めることができるが、Spotifyは、サブスクリプションによって独占的なビデオコンテンツへのアクセスを提供したり、クリエイターのポッドキャストのビデオ部分をアンロックしたりすることができると提案している。ビデオポッドキャストには、クリエイターの既存の広告パートナーも組み込むことができ、近々、より新しい自動化された広告にも対応する予定だ。

Spotifyは正式にAnchorクリエイターへのアクセスを開始したが、機能は徐々に展開されている。つまり、興味のあるクリエイターは、当面はウェイティングリストに登録する必要がある。ちなみに、Appleはすでに、ビデオポッドキャスティングのホスティングを、すべてのホスティングソリューションを使用するすべてのクリエイターに提供している。

一方、Spotifyのビデオラインナップには、The Ringer(リンガー)のHigher Learning with Van Lathan and Rachel Lindsay(ハイヤーラーニング・ウィズ・ヴァン・レイサン・アンド・レイチェル・リンゼイ)やThe Joe Rogan Experience(ジョー・ローガン・エクスペリエンス)などのオリジナル&独占番組のビデオポッドキャストが含まれている。また、Philip DeFranco(フィリップ・デフランコ)、Jasmine Chiswell(ジャスミン・チズウェル)、The WAN ShowJuicy Scoop with Heather McDonald(ジューシー・スクープ・ウィズ・ヘザー・マクドナルド)など、今後Spotifyで公開される他のビデオクリエーターも含まれる。

Spotifyは過去に、動画への進出を試みては失敗してきた。5年前に行ったオリジナルビデオへの最初の取り組みは大失敗に終わり、同社はしばらくの間、ビデオ計画を棚上げにしていた。しかし最近になって、同社はYouTubeをベースにした動画事業を持つスポーツネットワークのThe Ringerを買収し、動画への復帰の可能性を示唆した。その後も、TikTok(ティックトック)のスターからNetflix(ネットフリックス)の女優になったAddison Rae(アディソン・レイ)との契約など、動画への移行が可能な契約を次々と行っている。

今回のポッドキャストクリエイターへの動画配信の拡大は、YouTubeが自社のポッドキャスティング事業へのさらなる投資を検討しているというニュースに直結している。2021年10月、Bloombergは、YouTubeがポッドキャストに特化した初の幹部を採用すると報じた。実際にアップロードを開始するためのアクセスは、まだウェイティングリストによってブロックされているものの、このニュースを受けて、Spotifyが自社のビデオポッドキャスティングへの取り組みを推進することになったのかもしれない。

現在、Spotifyで動画コンテンツを探すには、見たい番組からエピソードページに移動し、再生ボタンを押してエピソードを開始する必要がある。画面下の再生バーをタップすると、動画がフルスクリーンで表示される。あとは、何をしているかに応じて、聞くか見るかを選ぶことができる。

ただし、動画に対応しているすべてのポッドキャストを簡単に確認する方法はまだない。Spotifyは、サービス開始時にビデオとして利用できるポッドキャストの数については明らかにしていないが、年末までに「数千」のポッドキャストへのアクセスを提供する予定であると述べている。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

SpotifyがShopifyと提携、アーティストのプロフィールに商品販売セクションを追加

Spotify(スポティファイ)は米国時間10月20日朝、電子商取引プラットフォームを提供するShopify(ショッピファイ)との新たな提携を発表した。これにより、Spotifyのサービスを利用しているアーティストは、SpotifyのプロフィールとShopifyのストアを結びつけることができ、Spotifyのアプリを通じてファンに直接商品を販売することが可能になる。アーティストは、Spotify for ArtistのアカウントとShopifyのオンラインストアを連携させることで、商品カタログをSpotifyに同期させ、音楽ストリーミングアプリ内のプロフィールに任意の商品を表示することができる。

ファンはそこから商品を閲覧し、購入することができるようになる。この統合により、アーティストの既存のShopifyストアへのアクセスが容易になるだけでなく、まだ商品サイトを開設していないアーティストにとっては新たな収益源となり、すでに他の場所でウェブサイトを開設しているアーティストにとっては、Shopifyのプラットフォームに切り替えるよい理由となるだろう。

Shopifyによると、すでに何千ものアーティストのウェブサイトが運営されており、音楽だけでなく、彼らが「完全に認知される」ブランドを構築するためにビジネスを拡大している。

「今日のアーティストは起業家のようです。彼らは多面的なブランドやビジネスを構築しており、私たちは彼らがファンと出会うことを容易にしています。Spotifyに起業家精神をもたらすことで、アーティストが従来の商品モデルを超えて、収益化のための新しい方法を考えたり、コマースを通じてブランドを試したりすることを可能にしています」と、ShopifyのプロダクトディレクターであるAmir Kabbara(アミール・カバラ)氏は述べている。

画像クレジット:Spotify

また、Shopifyは、アプリのエコシステムが充実していることから、アーティストがオンデマンド印刷や商品発見ツールのような新しいサービスを実現するのにも役立つとしている。Shopifyのインフラは、多くのフォロワーを持つアーティストが新製品を発表したときなどに、大量のトラフィックを管理することもできる。

今回のShopifyとの提携は大きな意味を持つが、Spotifyが他社と提携し、アーティストがアプリを通じて商品を販売できるようにするのは初めてのことではない。Spotifyは、長年にわたり、アーティストのプロフィールを他の商品サービスプロバイダーと統合して提供してきた。現在は、Merchbar(マーチバー)との契約が行われているが、過去にはBandPage(バンドページ)Topspin(トップスピン)との提携もあった。

Merchbarでは、アーティストが自分のプロフィールに掲載する商品を3つ選ぶことができる。今回、Shopifyを利用しているアーティストも同様のことができるようになる。

アーティストは、まずデスクトップでSpotify for Artistの管理画面にログインし「プロフィール」タブを開き「マーチ」をクリックする。そこから、Shopifyのストアから3つのアイテムを選んでプロフィールに掲載する。現在、アーティストは1人のアーティストにつき1つのShopifyストアしか接続することができないようになっている。

Shopifyは、登録を促進するために、Spotifyアーティストが初めて登録した場合、90日間の無料トライアルを提供している。

ただし、Spotifyによると、この機能は現在「ベータ版」だという。世界中のすべてのアーティストがShopifyストアにリンクすることができるが、当面はオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、米国のリスナーにのみ商品が表示される仕様になっている。

画像クレジット:Spotify

ShopifyとSpotifyは、新しいクリエイターエコノミーを実現するという点で共通しているが、両者の重点分野は異なる。Shopifyは、自社のeコマースプラットフォームをあらゆる種類のクリエイタービジネスを補足する存在だと考えているのに対し、Spotifyの関心は、アーティスト(現在はポッドキャストクリエイターも含む)の方だ。Spotifyはこれまで、アーティストのビジネス拡大を支援するために、チケット販売チップスーパーファン限定メールなど、クリエイター向けのツールを数多く展開してきた。

2021年初め、SpotifyのCEOであるDaniel Ek(ダニエル・エク)氏とShopifyのCEOであるTobi Lütke(トバイアス・トビ・ルーク)氏は、Clubhouse(クラブハウス)のセッションに参加し、今日のクリエイターがマネタイズ戦略を多様化するさまざまな方法について語った。

その際、エク氏は、多くのアーティストがShopifyのプラットフォームを利用していることに触れ、Shopifyとの連携の可能性を示唆していた。

「今、成功しているほとんどのクリエイターは、オムニタレント(万能型のタレント)であり、オムニチャネルである」と彼は当時語っている。「つまり、YouTubeで動画をアップしたり、Instagramを利用したりしているのです。おそらく、ブランドをまとめてShopifyにアップしているでしょうが、音楽や商品もShopifyにアップし、音楽はもちろんSpotifyにアップして、ツアーもしているでしょう。このように、彼らはさまざまなことをして、さまざまなプラットフォームでファンとつながっているのです」とエク氏は語った。

画像クレジット:Spotify

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)a

フェイスブックが米国でポッドキャストやライブオーディオなどを集めた「オーディオ」ハブを公開

Facebook(フェイスブック)はオーディオの取り組みに対する投資を拡大しており、米国でモバイルアプリに新たに「オーディオ」を集めたハブの役割を果たす部分を設けた。ポッドキャスト、Live Audio Rooms(ライブオーディオルーム)、短尺のオーディオと、Facebookで配信されている各種のオーディオフォーマットを1カ所で発見できる。さらに同社によれば、Clubhouse(クラブハウス)のライバルであるLive Audio Roomsをグローバルで利用できるようにし、TikTok(ティックトック)のオーディオ版のような短いオーディオクリップのSoundbites(サウンドバイツ)という新しいプロダクトも公開を開始している。

新しいオーディオハブの初期バージョンは、米国の18歳以上のFacebookユーザーに対してiOSとAndroidで公開がすでに開始されていたが、正式には米国時間10月11日に発表された。Facebookのビデオのハブである「Watch」の上部からアクセスできる。オーディオコンテンツは聴くものであって見るものではないから「Watch」からというのはちょっと違和感がある。

Facebookは、新しいハブを設けたことでクリエイターにとっては自分の番組を見つけてもらいやすくなり、ユーザーにとっては好きなクリエイターのコンテンツを見つけ、知らないコンテンツを発見し、コンテンツを保存して後で聴くこともできるようになるとしている。提供開始時点では、オーディオのセクションにはすでにフォローしているクリエイターのコンテンツの他、パーソナライズされた提案、Facebookで人気のオーディオも表示される。

「オーディオ」ハブは、オーディオコンテンツを聞いたり多くのクリエイターをフォローしたりすることで時間が経つにつれて自分好みにパーソナライズされていくと同社は述べている。

この公開に合わせて、Facebookはオーディオプロダクト全般に関するアップデートも提供する。

2021年春に同社はオーディオの新機能として、ClubhouseのライバルであるLive Audio Rooms、短尺のオーディオプロダクトであるSoundbites、ポッドキャストのサポートを発表した。またSpotify(スポティファイ)との連携で音楽サービスをFacebook上でストリーミングする新しいミニプレイヤーも発表した。

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Live Audio Roomsは2021年6月に米国の著名人やFacebookグループに対して正式に公開された。それ以降、人々がつながり会話を交わす手軽な手段として機能しているとFacebookはいう。Lil Huddy(リルハディ)、Noah(ノア)、Miley Cyrus(マイリー・サイラス)、アメフトのクォーターバックであるRussell Wilson(ラッセル・ウィルソン)、歌手のBecky G(ベッキー・G)、コメディアンのSherry Cola(シェリー・コーラ)、Mereba Music(メレバ・ミュージック)などがこれまでにLive Audio Roomsを利用した。

画像クレジット:Facebook

Live Audio Roomsは米国以外の著名人やクリエイターと、米国以外を拠点とするFacebookグループにも順次公開されているという。iOSに加えてAndroidにもこの機能が導入され、デスクトップでもLive Audioを聴けるようになって、これまで以上に多くの人が利用できる。

一方、短尺オーディオのSoundbitesは2021年6月から注目のクリエイターなどを対象にテストが実施されている。テストには、コメディアンでベストセラー作家のJosh Sundquist(ジョシュ・サンドクイスト)、女優で社会活動に取り組むライフスタイルインフルエンサーのLolo Spencer(ロロ・スペンサー)、デジタルクリエイターのMolly Burke(モリー・バーク)などが参加している。最近になってテストに参加するクリエイターを増やし、Facebookによれば数週間以内にこれまでより多くの米国ユーザーにSoundbitesが公開される予定だという。

Facebookは、2021年前半に発表したポッドキャストのサポートにも引き続き取り組んでいると述べた。2021年夏に米国のユーザーはポッドキャストを利用できるようになった。最近ではポッドキャストの短いクリップをニュースフィードで共有できるようになり、Androidでは字幕に対応した(iOSでは未対応)。ポッドキャスト制作者はデスクトップとモバイルでFacebookページに自分のRSSフィードを追加できるようになった。ただし、ポッドキャストを聴取できるのは当面米国に限られる。

Facebookはオーディオエクスペリエンスの拡張を続けていると語る。Facebook上の有害コンテンツを自動で特定するなど、同社のコミュニティ規定に違反するコンテンツを見つけて対応するツールの開発に取り組んでいる。さらに同社は、規定に違反するオーディオコンテンツを検知して調整するテクノロジーとプロセスの両方を、学習を続けながら対応させていくと述べた。

このところ、Facebookには大変な日々が続いている。これまでで最長のシステム障害が発生し、米国上院では内部告発者がエンゲージメントベースのアルゴリズム、誤情報に対応する能力の欠如、人間よりも利益を優先する企業としての決定といったFacebookプラットフォームによって引き起こされる害悪について証言したニューヨーク・タイムズでは、Facebookの従業員はこの内部告発者の証言に対して意見が割れていると報じられている。同社はオーディオやライブオーディオに深く関わっていこうとしているが、これは節度を保つのが難しい分野だ。オーディオを安全な環境にするのに必要なテクノロジーを構築できなければ、Facebookはこれまで以上に誤情報が広がりやすいプラットフォームになる危険性がある。

関連記事:フェイスブックの内部告発者が身元を明かし、同社は「安全よりも利益を選ぶ」と発言

画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyがポッドキャストに投票およびQ&A機能を追加

Spotify(スポティファイ)は2021年2月に、リスナーの投票やQ&Aを利用してポッドキャストをよりインタラクティブにする新機能のベータテストを開始していた。そして現地時間9月30日、Spotifyはこれらの機能を、同社が提供する音声コンテンツ制作・配信ツール「Anchor(アンカー)」を通じて、すべてのクリエイターが利用できるようになると発表した。

これらの新機能を活用すれば、Anchorを使ってポッドキャストを制作・配信しているクリエイターは、エピソードと一緒に質問や投票を投稿できるようになる。現時点では1つのエピソードに、1つの投票と1つのQ&Aのみを追加することができ、複数の投票やQ&Aは付けられない。

そのポッドキャストがSpotifyで公開されると、Spotifyモバイルアプリでは、ポッドキャストのエピソードページの下部に投票やQ&Aが表示される(iOSとAndroidのどちらも対応。ただしブラウザやデスクトップアプリでは表示されない)。リスナーは、アプリ内のプロンプトに従って、Q&A機能にはテキストで、投票機能ではクリエイターが設定した選択肢の中から該当するものを選んで、質問に回答することができる。

画像クレジット:Spotify

リスナーは投票に参加すると、すぐに他のポッドキャスト視聴者の投票結果を見ることができ、自分と同じ回答がどのくらい支持されているかを確認できる。しかし、Q&Aの回答は、ポッドキャスターのみに非公開で届けられる。ポッドキャスト制作者は、リスナーより届いた回答の中から、質問の下に表示させたい特定の投稿を選び、エピソードに固定表示することもできる。ただし、これらの回答には、リスナーのSpotifyユーザー名が表示されるので、この機能はその点を考慮して使用する必要がある。言い換えれば、この機能はポッドキャストで、ラジオのコールイン(聴取者が電話で参加する)のようなことを可能にするものだ。もっとも、リスナーの生の声や録音された音声ではなく、文字によるものという違いはあるが。

これらの機能は、今回の一般展開に先立ち、1年間にわたって数百人のクリエイターによるテストが行われてきた。その間にクリエイターは、Q&Aを利用して今後のゲストの提案を求めたり、番組に対する感想や意見を得たり、さらにはリスナーの反応を見たホストの発言を聞くためにリスナーの再訪を促すといったゲーミフィケーションの要素を番組に加えたりしてきたと、Spotifyは述べている。

画像クレジット:Spotify

この新機能は、日本を含む世界160の市場で、すべてのAnchorクリエイターとSpotifyユーザーが利用可能になっている。公式ウェブサイトによると、現在Spotifyは世界178の市場で展開されているとのことなので、全世界の市場というわけではない。しかし、大部分を占めている。

リスナーとの相互コミュニケーションは、Spotifyが従来のポッドキャスト体験を刷新するために取り組んできた方法の1つに過ぎない。同社は最近、有料のポッドキャスト配信や、音楽とトークを1つのコンテンツの中で一緒に楽しめる「Music + Talk」フォーマットの導入、そして「ライブ」ショーを開催するための「Spotify Greenroom(スポティファイ・グリーンルーム)」と呼ばれるアプリの展開なども開始している。

画像クレジット:Spotify

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

SpotifyのClubhouseクローンがプレイリストと連携した週刊プログラム6本を追加

2021年の夏、Spotify(スポティファイ)は自社製ライブオーディオアプリでClubhouse(クラブハウス)のライバル、Spotify Greenroom(スポティファイ・グリーンルーム)を公開し、当初はユーザー生成ライブコンテンツが中心だが、近いうちにそれを補強するプログラムを追加することを約束した。米国時間9月13日、同社は約束どおり、ポップカルチャーと音楽に焦点を当てた6つの新しい番組を発表した。「プレイリストにインスパイアされた番組」、すなわちSpotify自身が作るプレイリストに基づいた番組もある。

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この中には、2019年に始まった人気のプレイリスト、Lorem(ローレム)に基づくものもある。Loremはポップ、R&B、ガレージロック、ヒップホップなど多岐にわたる音楽のミックスを紹介するプレイリストで若い、Z世代に焦点を当てている。現在、Spotifyで88万4000以上の「いいね!」が付いており、同プラットフォーム上で新しいアーティストがブレイクする場所の1つになっている。今後Loremのリスナーは、「Lorem Life」というSpotify Greenroomと繋がって、さまざまなカルチャーと音楽、環境、サステナビリティ、ファッション、宇宙などの議論の場を利用できるようになる。番組のホストはZ世代のインフルエンサーでTikTokのスターであるDev Lemons(デヴ・レモンズ)氏とMax Motley(マック・モトレー)氏で、アーティストや他のインフルエンサーを呼ぶ予定だ。米国東部標準時9月15日午後9時に放送が始まる。

もう1つ新しい「プレイリストにインスパイアされた」番組が「The Get Up LIVE」だ。この名前に聞き覚えがあるなら、それは「The Get Up」が2020年秋に始まったSpotifyの日刊モーニングショーであるためだ。音楽とトークを交えたラジオスタイルのコンテンツで、ホストはニュースやポップカルチャー、エンターテインメントなどをテーマに話をする。しかし、これまでそのコンテンツがライブプログラムとして提供されることはなく、事前に録音したものをプレイリストとしてリスナーに配信してデイリーのFMラジオ番組の雰囲気を作っていた。当初同プログラムは米国東部標準時9月15日午前11時に公開予定だったが、延期された。

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この公開時期は、通勤する人のための番組を提供するという当初のSpotifyの意図とは矛盾する。しかし、終わりのないパンデミックでリモートワークが拡大する中、通勤ユーザーへの取り込みは新プログラムにとって優先度が低いのかもしれない。それでもSpofityは、デイリーショーは今後も平常通り提供され、The Get up LIVE はそれを補完するものだとTechCrunchに語った。再放送があるのはそれが理由だ。

Greenroomの他の番組には、俳優のGarrett Clayton(ギャレット・クレイトン)氏と作家で教育者のBlake Knight(ブレイク・ナイト)氏のカップルがLGBTQIA+のニュースや問題を話し合う「A Gay in the Life」(毎週月曜日、米国東部標準時午後8時、本日開始)、ポッドキャスト「Watch What Crappens」のBen Mandelker(ベン・マンルカー)氏とRonnie Karam(ロニー・カラム)氏がホストになってリアリティーショーの概略やその他のポップカルチャーの魅力を紹介する「Take a Seat」、ホストの映画マニアでコメディアンのJon Gabrus(ジョン・ガブラス)氏が最新話題作のレビューと解説を行う「Movie Buff」(毎週月曜日、米国東部標準時午後11時から)、そしてSpotifyのプレイリスト「Most necessary」を補完してホストのB.Dot(ビー・ドット、Brian “B.Dot” Miller)氏が新進気鋭のヒップホップを紹介する「The Most Necessary:Live”」毎週火曜日。米国東部標準時午後9時から)がある。

これらの新プログラムに加えて、Deuxmoiの番組「Deux Me After Dark」も本日、米国東部標準時9月13日午後9時から放送され、2021年のMet Galのレッドカーペットの様子やゴシップの概要を、ゲストのWho What Wearの共同ファウンダーであるHilary Kerr(ヒラリー・カー)氏とともに語る。

画像クレジット:Spotify

現在、Greenroomは世界135カ国以上のリスナーに提供されており、スポーツ・サイトとポッドキャスト・ネットワークの「The Ringer」(ザ・リンガー)やPop Smoke(ポップ・スモーク)氏などのアーティストのライブオーディオとともに静かに広まっている。他に追加されたプログラムには、Men In BlazersDeaux Me After DarkTrue Crime Rewind、およびAsk The Tarotがある。番組の多くはライブ放送が終わった後もオンデマンドで公開されている。

Greenroomは2021年スタートで出遅れた。ルーツがスポーツトークライブ番組であることから、Spotifyの音楽ファンとは必ずしもつながりがなかった。加えて、競争相手は同サービスが生まれるきっかけとなったClubhouse(クラブハウス)だけでなく、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)、Reddit(レディット)、Discord(ディスコード)など数多い。その他大勢のライブオーディアアプリにユーザーの関心を引きつけるこめの特化したプログラムを持たないGreenroomは、iOSアプリのダウンロードがわずか14万1000回でGoogle Playはそれ以下だった。しかしSpotifyの同サービスに対する長期ビジョンは、Greenroomを、同社のフラグシップ・ストリーミング・アプリですでに提供されている音楽、アーティスト、プログラム、ポッドキャストとより密接に結びつけることだった。今回の新しい番組はその計画を実行に移した一例だ。

【更新:米国東部標準時2021年9月13日午後2時18分】Spotifyは発表の後、同社広報担当者は「スケジュール変更のため、The Get Up LIVEの公開を延期します。新たな公開日は近く発表されます」とTechCrunchに対して連絡、「The Get Up LIVE」の公開延期される。

画像クレジット:Spotify

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple MusicはShazamの技術でDJミックス内の楽曲に対しきちんと使用料を払おうとしている

Apple Music(アップル・ミュージック)は米国時間9月10日、DJミックスの作成に関わるすべてのクリエイターを個々に適切に特定して支払いを行うプロセスを作成したことを発表した。Apple Musicは、Appleが2018年に4億ドル(約439億5000万円)で買収した音声認識アプリShazam(シャザム)のテクノロジーを使用して、メジャーならびに独立レーベルと協力して、ミックスに登場するDJ、レーベル、アーティストの間でストリーミングロイヤルティを公正に分配する方法を考案しようとしている。これは、DJミックスが関係するすべてのクリエイターに対して長期的な金銭的便益を提供して、他のアーティストが繰り返しクリエイターの作品を利用して制作した場合でも、クリエイターに報酬が支払われるようにすることが狙いだ。AppleはShazamのテクノロジーの初の大がかりな統合として、その価値を認めているようだ。

これまでは、YouTube(ユーチューブ)やTwitch(トゥィッチ)などのライブストリーミングプラットフォームは、他のアーティストの曲の使用を著作権侵害としてフラグ付けする可能性があったため、DJがミックスをオンラインでストリーミングすることは困難だった。アーティストは、ライブセット中にDJが曲を再生されたときにはロイヤリティを受け取る権利があるが、ダンスミュージックの場合には、さまざまな曲を編集して混ぜ合わせて認識できないものにすることができるため、事情はさらに複雑になる。

Apple Musicは、2020年と2021年のトゥモローランドのデジタルフェスティバルのセットを含め、すでに何千ものミックスをホストしている、だがビルボードが6月にそれを指摘していたものの、今回の技術を正式に発表したのはこのタイミングになった。この発表の一環として、Studio !K7のDJ Kicksアーカイブが同サービス上で展開され始め、ファンは15年以上市場に出ていなかったミックスにアクセスできるようになる。

DJのCharlotte de Witte(シャーロット・デ・ウィッテ)氏は「Apple Musicは、ミックスにトラックが含まれているアーティストと、それらのミックスを作成しているアーティストに公正な料金を提供できるような連続ミックスを提供する最初のプラットフォームです。これは、誰もが公平に扱われる正しい方向への一歩です」と、Appleを代表する声明の中で述べている。「オンラインミックスを再び提供できることに、言葉ではいえないほど興奮しています」。

画像クレジット:Apple Music

ダンスミュージックファンにとって、DJミックスをストリーミングできる機能は画期的であり、Apple MusicがSpotify(スポティファイ)と競争するのに役立つだろう(SpotifyはAppleのポッドキャスティングの利用者を上回り、有料サブスクリプションで業界をリードしている)。Apple Musicはロスレスオーディオや空間オーディオを導入し、クラシック音楽チャンネルを買収したにもかかわらず、まだSpotifyには追いつけていない。だがDJミックスの追加によりさらに別のユニークな音楽機能が追加されることになる。

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だがApple MusicがDJロイヤルティの難問へ果敢に切り込んだとしても、パンデミックを乗り越えて生き残ったライブミュージシャンやDJの間で起こっている、より広範な危機に必ずしも対処できるわけではない。

Mixcloud(ミックスクラウド)のようなプラットフォームでは、DJが事前にライセンスされた音楽を使用してセットをストリーミングし、収益化を行うことができるが、Apple MusicのDJミックスにはユーザー生成コンテンツは含まれない。Audible Magic(オーディブル・マジック)と提携しているMIDiA Research(ミディア・リサーチ)は、ユーザー生成コンテンツ(UGC) が、リップシンクのTikTok(ティクトク)であれSoundcloud(サウンドクラウド)DJミックスであれ、音楽を使用するオンラインコンテンツが、今後2年間で60億ドル(約6589億8000万円)を超える価値のある音楽業界の金鉱になる可能性があることを発表した。しかし、Apple自身はまだUGCに投資していない。個人は、Soundcloudの場合のような、個人のミックスをプラットフォームにストリーミングをアップロードすることはまだできない。6月のビルボードレポートによると、Apple Musicは、プラットフォームが結合されたトラックの70%を識別したときのみ、ミックスをホストする。

Apple Musicは、ロイヤルティが正確にはどのように分割されるかについての質問には答えなかったが、これはミュージシャンたちがデジタル環境の中で生計を立てる方法を再考するための小さな一歩に過ぎない。

これらの革新はアーティストに報酬を与える役には立つものの、ストリーミングロイヤルティは、ミュージシャンがお金を稼ぐ方法のごく一部しか占めていない。Appleはミュージシャンに1回のストリームごとに1セント(約1.1円)を支払うが、Spotifyのような競合他社はそれよりもはるかに少ない額しか支払っていない。このことから、UMAW(ミュージシャンと関連労働者組合)は、3月にJustice at Spotify(Spotifyに公正さを)という名前のキャンペーンを開始した。これは、Appleと同じく1回のストリームあたり1セントの支払いを要求するものだ。しかし、特にプラットフォームからのストリーミングに対するわずかな支払いを考えると、ライブイベントはミュージシャンにとって不可欠なもののままだ。もちろん、パンデミックはツアーに対して良い影響を与えていない。さらに追い打ちをかけるような情報だが、2016年にエレクトロニックミュージック協会は、ダンスミュージックプロデューサーたちがライブパフォーマンスと認定されないまま使用された作品から1億2000万ドル(約131億8000万円)のロイヤルティをもらうことができなかったと推定している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文: Amanda Silberling、翻訳:sako)

Spotifyが友達と音楽の好みを合わせてプレイリストが作れる新機能「Blend」を正式公開

米国時間8月31日、Spotify(スポティファイ)は共有プレイリスト機能である「Blend」(ブレンド)を全世界のユーザーに正式公開した。今夏、Spotifyはこの新しい共有プレイリスト体験のベータテストを開始している。この機能は2人のユーザーが互いの好きな曲を1つの共有プレイリストにまとめられるもので、使われているテクノロジーはSpotifyのFamily Mix(ファミリー・ミックス)やDuo Mix(デュオ・ミックス)などの複数人プレイリスト機能と同じものだ。しかしBlendでは、無料ユーザーを含め誰でも自分たちの音楽テイストを融合できる。

新機能はベータ版以降、さらに進化したとSpotifyはいう。

Blend(すなわち2人の共有プレイリスト)を作ったユーザーには、両者のリスニング志向が似ているか異なっているかを表す「taste match score」と呼ばれる数値が与えられる。Blendを初めて作った後、スコアはパーセンテージで表され、どの曲が2人を結びつけたかを示すテキストが添えられる。

Blendにはカバーアートも付加されるのでユーザーは自分のプレイリストを見つけやすくなる。


プレミアムサブスクライバーには追加の特典がある。彼らのバージョンのBlendでは、リスナーはユーザーのどのお気に入り項目がプレイリストの各曲に貢献しているかを見ることができる。

Spotifyによると、Blendのテスト中、Olivia Rodrigo(オリヴィア・ロドリゴ)がBlendプレイリストで最も多くストリーミングされたアーティストのトップになり、Doja Cat(ドージャ・キャット)、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)、The Weekend(ザ・ウィークエンド)、Lil Nas X(リル・ナズX)などが続いた。

この機能は、Spotifyに単に楽しい新機能を加えるだけではない。ユーザー獲得戦略の一環だ。無料ユーザーもBlendの作成や参加が可能なので、この機能はSpotifyが初めての人を誘う方法としても機能する。現在音楽にお金を払っていない人やライバルサービスをサブスクライブしている人も。そして、一度Spotifyアプリを使えば、使い続けてくれるかもしれない、という考えだ。

Blendは2021年6月にOnly Youという新しいアプリ内体験とともに発表された。Only Youはユーザーのお気に入り楽曲と聴取傾向に焦点を当てた機能で、Spotifyで人気の年間振り返り、Spotify Wrappedの年途中バージョンのようなものだ。BlendではOnly Youと同じくソーシャル・シェアリングがサポートされている。ユーザーはBlendの「data stories」を自分のSNSでシェアできる。これはBlendが作られた直後にポップアップするスクリーンと同じもので、Blendプレイリストの中でいつでも表示することができる。

こうして頻繁にリリースする機能でSpotifyが伝えようとしているより大きなメッセージは、同社がパーソナライゼーション技術に関して他を大きく引き離していることを、ユーザーやライバルに示すことだ。Spotifyのプレイリストのアイデアは多くのライバルが真似しているが、同社はすぐ後に新機能をリリースする傾向がある。Only Youや通勤者向けのプレイリストワークアウト向けさらにはアーティスト、ジャンル、年代に基づく新しいミックスのコレクションなどだ。

Blendは、SpotifyモバイルアプリのMade for Youタブから利用できる。初めに「Create Blend」、次に「invite」をタップして、自分のBlendに参加する友だちを選ぶ。友だちが承認すると、Spotifyがカバーアートとトラックリストを作り、あなたのtaste match scoreを表示する。「Share this Story」をタップすれば、data storiesをSNSでシェアできる。

Blendは米国時間8月31日から世界の全ユーザーに公開される。大規模な展開には時間がかかるので、すぐには出てこないかもしれないので、時々確認して欲しい。

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画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook