ラスベガス地下の交通網構築を狙うイーロン・マスクのトンネル会社が130億円超を調達

有価証券報告書によると、Elon Musk(イーロン・マスク)氏のトンネル掘削・交通スタートアップThe Boring Companyが1億2000万ドル(約130億円)分の株式売却を通じて初となる社外での資金調達を行った。

株式売却の詳細は、Prime Unicorn Indexが入手した書類をレビューしたBloomberg Newsが最初に報じた。Boring Companyの広報によると売却株式への主要投資家は、8VC、Vy Capital、Craft Ventures、Valor Capital、そしてDFJだった。

マスク氏の長年の友人で、同氏が手がけるSpaceXやTeslaのアドバイザーで支援者でもあるSteve Jurvetson(スティーブ・ジャーベンソン)氏もまた、彼が所有するファンドを通じて投資した。

今回の投資の2カ月前には、The Boring Company(TBC)はラスベガスの地下に「People Mover」を建設して運営するという、4870万ドル(約53億円)の商業契約にこぎ着けた。ラスベガス観光局からの承認を受け、TBCは人々を運搬する地下ループシステムを建設する契約を5月に獲得した。

Campus Wide People Mover(CWPM)との名称がつけられたこのプロジェクトの初期のデザインは、現在拡張中でCES 2021の前に完成が予定されているラスベガス・コンベンション・センターにフォーカスしている。拡張後の新センターは200エーカーの広さとなる。ラスベガス観光局は、新ラスベガス・コンベンション・センターの端から端まで歩くと2マイルになると推定し、これにより交通手段の確保に駆り立てられた。

ラスベガスと契約してから、TBCはマスク氏のペットプロジェクトというステータスからスケールアップするのに雇用を強化している(TBCは何人雇用しているか公にしていないが、諸情報からすると80人超のようだ。ただし、SpaceXとTBCでオーバーラップしているという証拠もある)。

TBCは昨年、1億1300万ドル(123億円)近くを調達している。

イメージクレジット: The Boring Company

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

テスラは潜水車を設計していた──その企画はまだ生きている

Tesla(テスラ)は今年、電動ピックアップに人びとの関心を集めたいようであり、Model Yとクラス8のトレーラートラックの生産を軌道に乗せようとしている。

でもそんなことよりも人びとが気にしているのは、どこかで埃(ほこり)をかぶっているらしい同社の潜水艦車の設計だ。

テスラのCEOイーロン・マスク(Elon Musk)氏は米国時間6月11日、カリフォルニア州マウンテンビューで行われた同社の今年の株主総会で、質問に答えてその電動潜水車に言及した。その株主は、テスラが水中車の製造を検討したことがあるか、と尋ねた。それは、ふつうに路上を走るけれども水中ないし水面下にも行ける車のことだ。

確かに設計は存在していた。それは、007の映画「私を愛したスパイ」に登場したLotus Esprit(ロータス・エスプリ、上図)からヒントを得た潜水車だ。

マスク氏は「最高にクールだと思ったんだ」と言い、映画の車は自分が持っている、と付け加えた。

彼によると、実用バージョンを作ることは技術的には可能だが、「その市場はすごく小さいだろうね、小さいけど熱狂的な市場だろうな」という。

そんな車を作ることはあくまでも余技だ、とマスク氏は言うが、しかしそれと同時に廃案にする気もないのは、今後何らかのイベントで使われる機会があるかもしれない、と思っているからだ。

画像クレジット: Flickr/CC Henry Burrows

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

「ライダーに依存する自動運転車に未来はない」とイーロン・マスクが主張

米国時間4月22日にTesla(テスラ)が初めて行った株主のためのイベント「Autonomy Day」で、イーロン・マスクCEOは記者からの質問にも答えたが、時間がなくてライダー(lidar)に関する質問には十分に答えられなかった。以前から彼はこの技術関して声高に述べることが多かったが、その中でも今回はいちばん明快だった。

彼はこう言う。「ライダーは無駄な努力だ。ライダーに頼っている人たちに明日はない。将来性がないんだよ。高価なセンサーだし、そもそもあんなものは要らない。高価な盲腸がたくさんある人と同じだ。盲腸は1つでも要らない。それを、たくさん身につけているんだ。滑稽だよね」。

彼のこの話の前には「テスラが発表したばかりの自動運転ハードウェアはライダーからのデータも扱えるか」という質問があった。テスラの車は現在、自動運転機能のためにいくつかのデータソースを使っている。それらはレーダー、GPS、地図、超音波センサーなどだ。でもテスラの一部のコンペティターと違って、ライダーはない。以前マスク氏は「ライダーは自動運転車用の松葉杖だ」と言ったことがある。テスラにとってはカメラが未来への鍵であり、マスク氏もカメラならどんな悪天候にも十分対応できる、と構想している。

AIのシニアディレクターであるAndrej Karparthy氏もステージに立って、世界は視覚的認識のために作られていると言った。彼によると、ライダーはプラスチックの袋とゴム製のタイヤを簡単に見分けられず苦労する。自動運転車がレベル4からレベル5の自動化のレベルを達成するためには大規模なニューラルネットワークの訓練と視覚認識能力が必要だと彼は言う。

Karparthy氏はこう述べる。「それをやってないという意味でライダーは実はショートカットだ。基本的ないくつかの問題と、視覚認識という重要な問題を避けている。進歩の錯覚を与えるが、実は松葉杖だ。とても早くからデモを見せられるけどね!」。

自動運転技術にライダーを採用しているUberやWaymo、Cruiseらは、悪天候や低照度の環境では今のカメラよりもライダーの方が見通し性がいいと主張する。しかし、高いし、相当な電力を食う。そこで、テスラはカメラに固執する。

同社は4月22日、同社の自動運転車用コンピューターの今の世代の機種について詳しく紹介した。それはテスラの既存の車種すべてで使用できる。ソフトウェアが完成したら、テスラのすべての車種が既存のセンサーセットで自動運転できるだろう、と同社は言う。そしてそのセンサーセットにはライダーが含まれていない。その代わり、テスラ車が搭載するセンサーは、これまでにすべてのテスラ車が集めたデータで訓練されたニューラルネットワークに依存する。

マスク氏曰く「全員がいつでもネットワークを訓練している。オートパイロットがオンでもオフでも、ネットワークは訓練されている。hardware 2以上の車種を運転しているときは常時、ネットワークを訓練している」。

「データの中には怖いものもある」とその後の記者会見でマスク氏はぼそっと言ったが、でも、ライダーに依存するほど怖くはないと言いたいのだろう。

【関連記事】
Tesla plans to launch a robotaxi network in 2020(テスラのロボタクシー、未訳)
Tesla vaunts creation of ‘the best chip in the world’ for self-driving(自動運転車専用チップ、未訳)
Tesla’s full self-driving computer is now in all new cars and a next-gen chip is already ‘halfway done’(テスラは全車種を自動運転化へ、未訳)
Tesla Autonomy Investor Day is here; here’s how to watch(テスラの株主集会Autonomy Investor Day、未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

イーロン・マスク、トンネル工事の残土で作るブロックを店舗販売へ

イーロン・マスクは過去いくぶんクレイジーで、信じられないような発言をツイートしているが、ブロックについて冗談を言っているわけではなかった。TechCrunchが入手した公的書類によると、マスクはブロックを作って販売するThe Brick Store LLCという会社を設立している。

7月に設立された新会社は、SpaceXの元エンジニアでThe Boring Company(TBC)を経営しているSteve Davisが舵取りすることになっている。

TBCは新たなトンネル掘削と輸送テクノロジーを手がけていて、ブロックはトンネルを掘削して掻き出される土で作られる。イーロン・マスクは、ブロックの値段はわずか10セントになり、手頃価格の住宅プロジェクトにつながるかもしれないとツイートしている。

Brick Storeの最初の実店舗は、Teslaのスマートなデザイナーショールームからは程遠いものになりそうだ。ロサンゼルス郡南部のHawthorneに提出された計画書には、TBCやSpaceX本部から約1マイル離れたところの荒廃した化粧漆喰の建物が示されている。近づきがたい黒い鋼の安全格子が“入り口や窓のアクセントに活用される”と、TBCは建物をリノベするための申請書に書いている。

こうしたデザインにもかかわらず、TBCはこの建物を美的アピールのために選んだのではない。この建物ー以前はキッチンキャビネットの事業に使われていたーは、TBCが初のテストトンネルから掘削機械を抜き出すために掘っているトンネル出口真上に位置する。このトンネルはLoopという、人や車を乗せた独立式電動スケートが最高時速150マイルで走るという地下交通システムのショーケースとなる。

トンネルは元々、SpaceXの隣の駐車場の建物から2マイルほど公道の地下を伸びる計画だった。しかしながら今年4月、TBCは計画ルートの中程にあたるHawthorneの角地を、子会社を使って密かに200万ドルで購入していた。

7月、TBCはその角地にトンネル掘削機械を取り出すためのシャフトをつくる許可をHawthorneに申請した。トンネル掘削機というのは後ろには進めず、取り出しシャフトがなければ掘削の最後にマシーンを捨てることになるからだ。

同じ月、マスクはThe Brick Storeを設立した。州に提出した書類によると、目的は“ブロックの製造・販売”だ。TBCはすでにトンネル残土でできたブロックによる構造物を造り、マスクは15日、これら構造物はトンネル入り口に設ける監視塔に使われるだろうとツイートした。

トンネル掘削残土を価値ある商品に変えるというのは、マスクの環境を重視する傾向にあっているーそしてTBCは、それら残土を処理する費用を節約できる。TBCはさらに、このブロックをトンネルのライニングそのものの一部に活用できるかもしれない、としている。マスクは先日、トンネルは12月10日に正式にオープンすると明らかにした。

この件について、TBCはコメントの要請にはすぐさま応えなかった。

残土でできたブロックは通常、compressed earth blocks(圧縮土ブロック、CEB)と呼ばれ、その歴史は古代にさかのぼる。CEBはまだ今日でも発展途上国で使用されていて、カリフォルニア州とニューメキシコ州では建築基準で認められている。しかしそれでもなお、CEBマーケットはかなり小さいーそれはおそらくCEBの建物は建てたり、配線したり、断熱材でカバーしたりするのが難しいからだろう。

Dwell Earthは、残土と少しのセメントを混ぜたものに圧をかけてCEBを作る機械を販売している。

「イーロンは、エネルギーと才能でもって大きなチャレンジに立ち向かおうとしているようだ。我々がそうであるように、イーロンが[CEBについて]張り切っているかもしれないというのは嬉しい」とDwell Earth創業者のBob de JongはTechCrunchに対しこう語った。

TBCは今年初め、マスクから1億1200万ドルを受け取った。これらの資金は、ドジャースタジアムをLAの地下鉄につなげるループ、シカゴとオヘア空港を結ぶループ、さらにはワシントンD.C.とメリーランドを結ぶという野心的な通勤ループなどを含め、米国中でいくつものトンネルを掘るのに使われることになる。

ただ、これらのプロジェクトは、米国と中国の間で加熱している貿易戦争のために、反対にあうかもしれず、少なくなとも遅延するかもしれない。

TBCの弁護士は7月、トランプ大統領が中国製トンネル機械パーツに課す関税により、プロジェクトが最大2年遅延し、これにより雇用機会が失われる、と米国通商代表宛に書いている。TBCは、まだ正式に発効していないこの関税から免除するよう求めた。

もし、残土をリブランドしてCEBマーケットを構築できる人がいるとしたら、それはイーロン・マスクだ。しかしもしThe Brick Storeが火星ミッションや地球保護のための十分な資金をつくれなくても、少なくともこのブロック事業は“火炎放射器でない”という以上に少しは実用的だ。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

イーロン・マスク、LA地下のトンネルの映像公開――掘削会社は来月お披露目パーティー開催へ

昨夜(米国時間11/3)、Twitterで物議をかもし続けるスーパー連続起業家、イーロン・マスクが、驚くべき映像をTwitterに投稿した。マスクが2年前に設立した交通インフラ企業であるThe Boring Companyがロサンゼルスで掘削している地下トンネル内の全長をタイムラプスで撮影したものだ。マスクは大都市圏における交通渋滞を解消するために現在4つの地下トンネルの掘削を計画している。

マスクはまたThe Boring Comapyがオープニング・イベントを開催することを(いつものように)Twitterで発表した。ロサンゼルスの南の近郊ホーソーンから掘削されているこの高速輸送トンネルは約5週間後の12月10日に一般公開される。この日の夜のお披露目パーティーの後、翌日は希望者に無料で試乗のチャンスがあるという。ただしある程度の度胸が必要だろう。マスクによれば、このシステムは「歩行者、自転車、自家用車を時速250キロで輸送できる」という。

計画ではこの交通システムはスケートと呼ばれる電動カプセルが16人の乗客、あるいは乗用車を高速で輸送する。自動車は地表からエレベーターで地下に降ろされ、カプセルに搭載される。

マスクはツイートでトンネルの全長について具体的な数字は挙げなかったが「びっくりするほど長い」と述べた。

今夜はLAの地下に建設中のBoring Coのトンネルの全長を歩いてみた。 びっくりするほど長い。12/10のオープニング・パーティーに向けて順調に計画は進んでいる。われわわれは一直線に進んでいる。

〔日本版〕ホーソーンにはSpaceXの本社、Teslaデザインスタジオがある。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスク、洞窟救出にエンジニアを派遣――地中専門家チーム、土曜にタイに到着予定

昨夜から明け方にかけてのツイートでイーロン・マスクは洞窟に閉じ込められた少年たちの救出のためにSpaceXとBoring Companyのエンジニアをタイに派遣したことを発表した。

洞窟で行方不明になった少年サッカーチーム12人とコーチの救出について、マスクは空気で膨張させるチューブを水中に設置するなどいくつかの案を出していた。SpaceXと特にBoring Companyには地中レーダーやトンネル掘削の専門家が大勢いる。そこで両社からエンジニアのチームを派遣する用意があるとマスクは述べていた。今回のツイートでは「SpaceX とBoring Coのエンジニアは明日タイに到着し、政府の救出努力の手助けができるかどうか検討する。こうした作業には直接現場を観察しなければ把握できない困難が多数あるものと思う」とツイートした。

Boring Companyの広報担当者はこのツイートを確認して次のように書いている。

われわれはタイ政府と援助の可能性について話し合っている。SpaceX/Boring Companyの社員はタイに飛んで現場で救出の手助けに当たる。どんな装備や専門家が必要か確認できればそれに応じて努力する。われわれはチェンライの現場で救出に当っている人々から直接フィードバックと指導を得て助力の方策を検討する。

タムルアン洞窟の遭難者の救出作業は困難を極めており、ついに死亡者を出した。昨夜、タイ海軍SEAL部隊の元メンバーのダイバーが遭難者のもとに物資を運ぶ途中で死亡したことが発表された。

画像:YE AUNG THU / AFP / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスクのThe Boring Co.の次の商品は、トンネルの岩から作られた大きなレゴブロックになる

イーロン・マスクのThe Boring Companyはその名に負けない位有名となって、実際にトンネルも掘っている。しかしその主たる収入源は、今でもそのブランドロゴをつけた物品販売のようだ。最初は帽子だったが、次に売り出されたのは「火炎放射器」だった。そして今回マスクは、大きな「実物大の」組み合わせ可能なブロックを生産して売り出す予定だ。このブロックは同社のボーリングマシンが地下のトンネルから掘り出した岩を使って作られる。

これらは「超頑丈」なものになるだろう。しかし実際に移動させたり利用することを簡単にするために、内部は空洞で軽くなっている。マスクによれば、それらは「カリフォルニア州の地震負荷にも耐えられることも評価済」ということだ。どうやら彼は、人びとがそれを実際の住居の建築に利用できると考えているように聞こえる。

最初のキットは古代エジプトセットだ – ピラミッド、スフィンクス、ホルス寺院​​など

マスクによれば、最初に売り出されるのは古代エジプトをモチーフにしたもので、必要な部品(および説明書?)が提供されるらしい。ピラミッド、スフィンクス、ホルス寺院​​などの象徴的なエジプトの考古学的驚異を組み立てることができるというわけだ。しかし、これらの実物大のバージョンというのは本当だろうか?私たちの頭は疑問で一杯だが、マスクから回答はほとんど得られていない。

彼が言う答の1つはこれだ:「これらのブロックはthe Boring Companyの火炎放射器に対して耐えることができる」。ええと…だから…いいの…かな?

[ 原文へ ]
(翻訳:sako)

イーロン・マスクの「火炎放射器」完売で売上1000万ドル

Elon Muskがトンネル掘削会社、Boring Companyからロゴ付きで売り出した「火炎放射器」は売り切れた。つまり2万人が500ドルの火炎放射器を予約注文したわけだ。これでBoring Coの金庫に1000万ドルの資金が増える計算となる。

マスクはこのデバイスをトンネル掘削会社のウェブサイトで数日前に売り始め、昨日は1万5000台が売れたと ツイートしていた。同じくマスクのツイートによれば残る5000台も行き先が決まったという。

火炎放射器、完売

Boring Co.の最初のプロダクトは5万個の帽子だったが、火炎放射器は同社として初のメカ製品となる。マスクは自分の商才に多いに満足しているだろう。そのっ証拠に、火炎放射器の購入者にはBoring Co.ブランドの消火器を無料でプレゼントすると気前のいいところをみせている。

このオリジナル消火器はBoring Co.から単独で30ドルで発売されていた。しかし危険性のあるデバイスを売ることに対する一部からの批判に配慮したものか、そんな高い値段で消火器を買う人間が誰もおらず、在庫を処分することにしたのかは不明だ。

もちろん製造原価その他のコストがあるので1000万ドルがまるまるBoring Co.の儲けになるわけではない。 しかし利益率は非常に高いはずだし、その額もとうていバカにできるようなレベルではないだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスクの「火炎放射器」はすでに350万ドル分の予約注文を確保

ロゴ入り帽子の次火炎放射器だった。イーロン・マスクのBoring Companyは地下に高速でトンネルを掘削するベンチャーというより今のところライフスタイル企業として実績を挙げている(奇妙なライフスタイルだが)。ともあれ相当の売上が立っている。

20ドルの帽子は5万個売れ、Boring Co.の売上はなんと100万ドルとなった。昨日(米国時間1/28)注文の受付を開始した火炎放射器は1台500ドルで最大2万台を準備しているという。昨晩予約はすでに7000台となった。つまり350万ドルの売上だ。この記事の執筆時点でもまだ予約可能なので、売り切れてはいないのだろう。

火炎放射器2万台が売り切れる総額100万ドルの売上になる。ロゴ入り帽子の10倍だ。 マスクのもうひとつの事業、Teslaの場合も電気自動車を手に入れるには予約しなければならず、その際にかなりの内金(といっても最終的な販売価格に比べれば割合は小さい)を支払う必要がある。

Boring Companyの場合は地下トンネルを予約販売できない(少なくとも難しい)のでマスクのブランド価値が高いことを利用してライフスタイル製品のマーケットにハイパーループ顔負けの超高速で参入したに違いない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスクの「火炎放射器」は本物――Boring Co. が500ドルで予約受け付け中

イーロン・マスクの設立したトンネル掘削会社、The Boring Companyについて、マスクが「ロゴ入り帽子5万個が売り切れたら火炎放射器を売ればいい」と言っていたのを覚えているだろうか? 「火炎放射器」は本物だった。しかも大枚500ドルを無駄にする気なら注文の予約もできる

先週、メディアに噂が流れた後、マスクは土曜日に火炎放射器の存在を認めた。The Boring Company製火炎放射器は実際に機能する。ご覧のとおり、InstagramにはBoring Co.のスタッフが(十分に安全性について訓練を受けているのだと思うが)2台の製品から盛大に炎を吹き出さている。

Instagram Photo

キャッチフレーズによると「パーティーを盛り上げること間違いなし」だそうで、また「世界でもっとも安全な火炎放射器」だそうだ。ネットから500ドルで注文するような人種はどのみち安全性など気にしていそうにないが。500ドルの価格には税、送料は含まれていない。出荷はこの春からだという。

またサイトは「国外への発送の場合、別途通関手数料が必要になる場合がある」と注意を促している(税関で没収されないことを祈る)。また購入希望者には事前に取扱説明書と使用の条件についての文書が送られてくるので、これに合意する必要があるそうだ。

Instagram Photo

Boring Co.は消火器も販売する。関連商品で売上を伸ばそうということらしい。価格は30ドルだが、「この値段はどこよりも高い」とBoring Co.自身が認めている。しかし会社のロゴのステッカーがついているそうだ。写真がないところを見ると火炎放射器ほど印象的な外観ではないのだろう。

イーロン・マスクのBoring Companyは(社名が示すとおり)トンネル掘削が本来の目的で、そのためにボーリングマシンまで購入している。しかしこの会社が収益、あるいはすくなくとも何らかの実績を上げるまでには(すでにトンネルを掘り始めているとしても)だいぶ時間がかかるはず。そこで会社のロゴ入りのおかしなプロダクトを売って資金を稼ぐことにしたらしい。遺憾ながらこれで世界の火炎放射器の総数はだいぶ増えるに違いない。

Instagram Photo

これも念のために言っておくが、火炎放射器を売るなんてのはとんでもなくバカバカしいアイディアだ。絶対買ってはいけない―面白いことが好きなら別。(イーロン・マスク)

〔日本版〕Boring Co.のサイトには実際に広告が掲載されている。海外発送にも対応しているというが、実際に製造されたとして輸入可能かどうか定かでない。ただし「草焼きバーナー」で検索すると同クラスの能力の製品は国内で多数販売されている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスクのThe Boring Co.にメリーランド州からトンネル掘削許可

イーロン・マスクはこのところ好調だ。Rick & Mortyのファウンダーに賞賛されたし、メリーランド州でもトンネル掘削の許可を得るのに成功した。The Boring Companyは本社付近のカリフォルニア州ホーソーン市ではすでに許可を得ている

メリーランド州で建設予定の新しいトンネルは全長16.5kmで、州政府が所有するボルティモア-ワシントン・パークウェイの地下を利用するルートだ。メリーランド州のトンネルはワシトンとニューヨークを結ぶ一大トンネル・ネットワークの出発点として構想されている。 LA Timesの記事によればこのネットワークはボルティモア、フィラデルフィアの都市中心部にも乗降施設を設けるという。

マスクのBoring Companyは2基目のシールド掘削システムを導入してさらに勢いを増している。新システムはいつでもモグラのように地下を進む用意ができているということだ。メリーランド州は「現段階では資金面での援助は行わない」という条件付きで掘削を認めた。もっともこの条件はマスクにとってさして不利益をもたらすものではないだろう。もともと短いトンネルではあるし、この程度の建設資金はアミューズメント施設として観光客を集めることでまかなえるのではないか。

メリーランド州交通局長のPete RahnはLA Timesのインタビューに答えて、「イーロン・マスクの今回の申請は公共インフラを施設するためにトンネル掘削とほぼ同様のものだった。われわれはこうした掘削計画にひんぱんに許可を与えてきたので、〔その審査は〕そう困難なものではなかった。とはいえ、今後州を横断する本格的なHyperloop
Oneトンネルを実現するとなれば各種の手続きをクリアするためにかなりの作業が必要だろう」と述べた。

一方でマスクが火星植民のための大型宇宙ロケット開発の努力を続けていることもよく知られている。〔独立戦争のとき、教会の塔のカンテラが〕「一つなら敵は陸から、二つなら海から来る」と取り決めた話は有名だが、この流儀でいくとわれわれは「二つなら地下トンネルで、三つなら宇宙船で旅する」ことになるのかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスクのトンネル会社、掘削機第2号の準備完了

Elon Muskの3番目だか4番目の会社(数えられる人いる?)であるThe Boring Comapnyのトンネル掘削能力がほぼ倍増する。同ベンチャーの掘削マシン第2弾は「ほぼ完成した」とMuskは言い、名前の “Line-Storm”はロバート・フロストの詩[彼岸嵐の歌]から借りている。

おそらく、スティーブ・ジョブズがテクノロジーとリベラルアーツの交差点と言うとき本当に意味していたのがこれだろう ―― 工業用掘削機械には重要な芸術作品に因んだ名前を付けるべきである。Muskは詩の一行、”And be my love in the rain.”[雨の中で僕の恋人でいておくれ]も具体的に引用しいて、この機械が全天候対応であることを意味しているとも考えられる。しかしおそらくMuskは、偉大な力を称賛するフロストの表現が好きで、トンネルを掘る冒険心とのかすかな類似性を感じているだけなのだろう。

その一方でMuskは、Boring Co.の帽子を同社公式ウェブサイトで販売している。実物を見たところ上質の製品のようだった。Model 3の先行予約ほどには緊急資金調達の役にたたないだろうが、すでに5000個近く売れたようで、これはほとんどのスタートアップの扱い数より多い。

また、The Boring Companyという名前は究極のおやじギャグでまさしくMuskの得意分野だが、実際にはMuskの元恋人Talulah Rileyが思いついたとMusk本人が言っていた。また、ロゴを作ったのは映画監督のJ.J エイブラムスだという話だ。これはいつの日か最高のトリビア問題になるだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク曰く、ロサンゼルス市長はトンネルネットワーク構想に前向き

Elon Muskは、ロサンゼルス市の地下を走り地上の交通に邪魔されない高速輸送ネットワークの構想について、エリック・ガルセッティ市長と「発展的な議論」ができたと語った。これはMuskが最近設立したThe Boring Companyが実現を試みている構想で、今年バンクーバーのTEDカンファレンスでMuskが発表したコンセプトビデオに描かれている。

ガルセッティー氏はロサンゼルスのABC系列局ABC 7のインタビューでMuskの名前を挙げた。市長はMuskが開発中のものを含めトンネル掘削技術が進歩したことによって、LAの地上交通の主要ハブであるユニオン駅とLA空港を結ぶ高速路線の可能性を示唆した。

[車、自転車、歩行者を運ぶトンネルネットワークについて、@MayorOfLAと発展的な議論ができた。テクノロジーより認可が大変。]

Muskはツイートの中で、市や規制当局が要求する認可は、地下をトンネルでつなぐネットワークを実現する上でおそらくもっとも難しい部分だろうと語った。テクノロジーの実現は認可よりやさしいのでこのごく初期段階にあってさえ規制当局との議論は非常に重要だという。

去る5月にMuskは、The Boring Comanyが掘削するトンネルの初期区間を紹介する短い動画をInstagramに投稿した。路線はLA空港からカルバーシティー、サンタモニカ、ウェストウッド、およびシャーマンオークスの各都市をつなぐ計画だ。最終的にMuskはロサンゼルス全体を覆うトンネルネットワークを作りたいと考えている。The Boring Companyが作成したコンセプトビデオ通りの最終形態になるとすれば、トンネルを利用するのは個人の乗用車を始めとする地上車両で、トンネルネットワーク内のレールを走る電動スレッド(そり)に乗って地下を高速で移動する。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク、TEDでトンネル計画を語る――SpaceX、自動運転等の事業も

少なくとも3社のCEO、イーロン・マスクが先週金曜日にバンクーバーで開催されたTED 2017カンファレンスに登場した。上のビデオにその模様が収められている。マスクは注目の新事業、地下トンネルの掘削計画についてビジョンを語った。

マスクは地下トンネルの3Dネットワークによって現在の地上の交通渋滞が大幅に改善されるとしている。マスクはThe Boring Companyの事業計画についてこれまでになく詳しく語った。それによればこの事業を思いついたきっかけはロサンゼルスで交通渋滞に捕まって非常に腹立たしい思いをしたことだったという。

マスクはまたTeslaの将来計画についても語り、貨物運送のために電気トレーラーを開発していることを明かした。また2年のうちに自動運転の電気自動車を実用化すると述べた。マスクはまた火星植民計画についても語り、なぜ人類が地球外に進出することがマスク、またSpaceXにとって重要なのかを語った。

マスクは短いツイートでさえセンセーションを巻き起こす存在だ。マスクのアイディアの実現性に関してはさまざまな評価があり得る。しかしこれまでも新たな思考のきっかけを多数提供してきたTEDの舞台でマスクが将来を語るのを聞くのは実に刺激的な経験だ。

〔日本版〕対談の聞き手はTEDの代表者(オーナー)、キュレーターのクリス・アンダーソン。ビデオにはデフォールトで英語字幕が表示される。

下はマスクのトンネル計画を説明するビデオ。自動車は路上に設けられたエレベーターで地下トンネルに下り、スケートボード式台車に乗って高速移動できる。このトンネル・ネットワークについてはTechCrunch Japanでも詳しく解説している。マスクが最近購入したシールド掘削マシンについてはこちら

マスクの説明によれば、現在の道路トンネルが高価なのは内燃機関を用いて自走することを前提としているため。自動車を電気モーターを用いた台車に載せることで小型化が図ると同時に掘削テクノロジーを改良することでトンネル設置のコストを10分の1以下にすることが可能になるというのがマスクのビジョン。まずロサンゼルスの地下にトンネルを建設したいとしている。

マスクはゲリーというカタツムリをペットにしているが、ゲリーは現在のトンネル掘削機より14倍早く進むという。マスクはさまざまな改良によってトンネル掘削をカタツムリ以上の速度にするのが目標だという。

その後、電気自動車、太陽光発電について説明、最後にSpaceXの宇宙事業について語った。SpaceXは衛星打ち上げロケットのブースター(1段目)を繰り返し洋上の艀や地上基地に垂直着陸させ回収している。また回収したブースターの再利用にも成功している。下のビデオはNROL-76偵察衛星の打ち上げとブースター回収のもよう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

これがイーロン・マスクのトンネル掘削機だ――会社ロゴもペイントされている

イーロン・マスクのトンネル掘削会社は他の3社―SpaceX、Tesla、Neurolink―ほどミッションが明確になっていない。SpaceXとTeslaはすでに大きな実績を上げているし、新たに設立されたNeurolinkも脳とコンピューターの新たなインターフェイスを開発するという目標ははっきりしている。それにThe Boring Companyという社名は群を抜いてふざけている。

しかしマスクはたいへん目立つ企業ロゴをトンネル掘削用巨大シールドマシンにペイントしていた。SpaceXのエンジニアがInstagramに投稿した写真(Business Insider)にはThe Boring Companyの円筒形のトンネル掘削機がはっきり写っている。これを見ると、交通渋滞を根本的に解消するために地下にトンネルのネットワークを掘ることをマスクは真剣に考えているようだ。またトンネルはマスクがテスト中のHyperloop交通システムを走らせるにも適している。

マスクの計画は、いつもの戦略、つまり既存企業がコストに利益を上乗せする方式に守られて改革を怠っている分野を発見し、そこで画期的イノベーション起こすというものだ。マスクはこの2月、Bloombergに対して、交通渋滞の解消なら「空飛ぶ自動車などよりも地下にトンネルのネットワークを張り巡らす方がはるかに有効で実現性も高い」と述べている。空飛ぶ自動車はUberも開発しているが、実現には技術上の革命と同時に航空運輸に関する規制を根本的に変えていく必要がある。

〔日本版〕boringには「掘削」と「退屈な」の両方の意味がある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+