Waymoが路上での自動運転実績400万マイル(約644万キロ)を達成

Waymoは実走行距離という意味でのリードを保ち続けている。それは成功した自動運動技術を開発する際に最も重要な指標だ。10年ほど前にGoogleの自動運転車プロジェクトとして始まった、Alphabet傘下のWaymoは、今や路上での自動運転の実績が400万マイル(約644万キロ)に達した

その400万マイルは、初期のオリジナル自動運転車から、現在のChrysler Pacificaミニバンによる無人運転車までを含む、Waymoの全自動運転実績を積み上げたものだ。現在はアリゾナの公道で実際のテスト運転で行われている。日々の試運転には人間も同乗しているが、ハンドルの前に安全のためのドライバーは座っていない。

Waymoは、もし米国人の平均的な運転で考えた場合には、1人の人間がこの走行距離を達成するには、およそ300年掛かるだろうと指摘した。さらに、Waymoの試験運転距離の蓄積ペースは加速している。今年5月から11月の間だけで100万マイル(約161万キロ)が積み上げられた。比較のために挙げるなら、同社が最初の100万マイルを達成するのには6年かかっていた。

この数字にはWaymoがシミュレーションで仮想的に「運転」した25億マイルと、キャッスル試験場での内部的なテスト走行は含まれていない。Waymoがこうした数字を口にすることは、すぐに無くなりそうもない。実世界での走行距離は、総合的な人工知能ドライバーを構築するための鍵となる要素である。そうしたドライバーを得ることで、Waymoが最初の無人プロダクトとして狙う、商用の無人配車サービスが可能になる。

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(翻訳:Sako)

WaymoのクライスラーPacificaで、本当の意味の無人運転を体験した

今日(米国時間10月30日)が私にとって初めての体験の日となった:初めて運転席に誰も乗っていない完全自動運転車に乗って道を走ったのだ。走ったのは公道ではなかったが、そこは交差点があり、他の車両や歩行者、そして自転車などが行き交う場所だった。乗った車はかなり長い距離人間の介入なしに走行することができた――そして私は何の懸念も感じることはなかった。

これまで私は、Waymo自身による前世代のLexusテスト車両をはじめとして、多くの自動運転車のデモを体験して来た。そのためWaymoのクライスラーPacificaミニバンに乗せられることには不安を感じてはいなかった。しかしそれでもこの経験は、私にとっては驚きだった。車が様々な操作を自分できちんと処理できて、周囲で何が起こっていようとも安全な走行が続くということが明らかになって、それが如何に自由なものかが分かったのだ。

CastleにあるWaymoのテストコースには、信号機のある複数の交差点、ラウンドアバウト交差点、路肩に駐車された車、行き交う自転車などが用意されている(なおCastleの中にはそれ以外の設備もある)。例えこれらが事前に準備されていたものだとしても、毎回正確に同じことを再現することは難しい。なので、この場所ではWaymoが現実の世界よりも環境をコントロールする力を持っているにせよ、それでもドライブ体験は印象的なものだった。

特に、ある出来事が私の印象に残った。1匹のリス(のようにみえる小さなげっ歯類だった。私は北カリフォルニアの動物相の専門家ではないので)が急に車の前に飛び出して来て、また路上から走り去って行ったのだ――しかし車はそれを避ける必要がある場合に備えて、はっきりと減速したのだ。信じられないほどリアルな動物ロボットであったというならともかく、この出来事はWaymoが事前に仕込んでおけたものではない。

実際にどのように動作しているかはともかく、ともあれ乗客が車に乗ってシートベルトを締めて、走行を開始するためのボタンを押せば、フロントシートの背に取り付けられたディスプレイの上には、車のセンサーが何を見ているかがビジュアライズされる。しかし乗客が重要だと思うものに対して焦点を当てるように、選択的に単純化され再構成されており、システムが路上にある重要な変化を見逃さない能力を持っていることに関して乗客に安心感を与えてくれる。

これは現在フェニックスのチャンドラー周辺で、Waymoが運用しているものと本質的には同じものだ。それはプレミアムアップグレードされた量産型のパシフィカバンだが、車内には例えば沢山の充電用USBポートがあり、上で述べたディスプレイはシートの背に2台備えられており、そして後部座席のエアコンは乗客第一のタスクに相応しい仕事をしている。

私はまたPacificaが、私が親しみを感じるようなやり方をすることで、乗客としてより心地よくなるように運転していることにも気が付いた。交差点には慎重に侵入し、例え優先側であっても、道を渡る歩行者が居たならゆっくりと進んだ。それ以外の沢山のこともこなし、コンピューターシステムがやっているとは想像できないレベルでのドライブ感覚を得ることができた。

Waymoの自動運転車は私の最後の体験になるわけではないし、もちろん最初の体験でもない。しかし多くの人が一般人向けの公道上でのレベル4の自動運転車の運転に対して抱いているイメージに、初めて近付いているように思えた。WaymoのCEOであるJohn Krafcikに対して、公共サービス開始のタイムラインを直接質問してみたところ、特定の年を答えることはしなかったものの、多くの人たちが考えているよりは早く実現するだろうと答えた。

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(翻訳:Sako)

Waymoが緊急車両に対処するテストを実施――現実の消防車、パトカーに混じって自動運転車が走行

Alphabetの自動運転事業部、Waymoではアリゾナのチャンドラー市消防警察部の協力を得てPacificaミニバンによる 自動運転車の緊急車両に対する反応テストを行った。ここでは消防車、パトカー、白バイなどが緊急走行する中をWaymoの自動運転車が走った。

Waymoのコメントによれば、「われれのシステムを搭載した車両は緊急車両が走行する環境でテストを行った。もちろんこれまでに通常の道路環境におけるテストは繰り返してきたが、現実の緊急車両といっしょに走るのは今回が初めてだった。テストの目的はWamo車の後ろに緊急車両が迫ってきたとき、それがどのように見えるか、聞こえるかといったデータをできるかぎり収集することだった」という。

収集されたデータは、Waymo車が実用化された際、救急車などの緊急車両に遭遇したとき適切に反応するためのライブラリの構築に用いられる。 これは自動運転車がプロトタイプから現実に販売される自動車に移行するためにくぐり抜ける必要がある必須の関門だ。

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クライスラーPacificaに装着されたのはWaymoが社内で開発したハードウェアで、Googleによればオーディオ・センサーは緊急車両のサイレンを当初のものより2倍の距離で認識できるように改良されているという。レーダーやLiDARなどの視覚センサーの認識能力も同様に大きく強化された。これがWaymoが路上での現実の緊急車両に対する反応を実験することにした理由だろう。以前のモデルに比べて最新のWaymo車は緊急車両の認識および対応を大きく改善するキットが組み込まれた。

現在Waymoはアリゾナ州のフェニックス市と隣接するチャンドラー市でオンデマンドによる自動運転車の乗客運輸サービスの実験を行っている。しかし緊急車両対応に関するデータは幅広くあらゆる状況で利用できるはずだ。今回収集されたデータなどをベースに、自動運転車はそれまで一度も緊急車両に遭遇したことがなくとも直ちに緊急車両だと見分け、適切な反応ができるようになるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Waymoの自動運転車、砂漠に出かける――実用化には過酷なテストが必須

カリフォルニアの基本的に穏やかな気候で自動運転車をテストするのはビデオ・ゲームを「初心者レベル」でプレイするようなものだ。現在の自動車は型式認証を受けるためにははるかに過酷な環境で正常に機能することを実証しなければならない。実用化を目指すなら自動運転車も同じことに挑戦する必要がある。

Alphabetグループの自動運転プロジェウト、Waymoはすでに 真冬の環境でテストを済ませているが、今回はクライスラーのミニバン、Pacifica をとてつもない熱さになる砂漠に連れ出してロードテストに挑んだ。

センサーのテストのために砂漠のロードテストを実施。ものすごく暑い。目的地はラスベガスとデスバレー。

デスバレーは世界でもいちばん暑い地域の一つだ。独立記念日の休暇前後になると道路はタイヤを溶かすほどになる。こうした高温は精密な電子機器に思わぬエラーを引き起こすことがある。消費者向けプロダクトにおける製造責任の問題を考えると、こうした環境でのテストは必須だ。

Waymoは自動運転システムをあらゆる条件で繰り返しテスト中だ。新しいデバイスが組み込まれるたびにそれがあらゆる条件で正しく作動することを確認するのは実用化における重要なステップとなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleのプロジェクトからAlphabet傘下のWaymoになった自動運転車企業が自動運転トラックを研究中

Googleの自動運転車プロジェクトとして始まり、今やAlphabet傘下の自律運転技術企業であるWaymoが、自動運転トラックへの進出を検討している。同社がBuzzFeedに語ったところによると、現在は同社の技術をトラックに統合する方法について研究中である。そのための現段階のテストでは、1台のトラックにデータ収集だけを担当する人間を乗せて走行している。

Waymoがこれまで、自動運転トラックへの具体的な関心を表明したことはなかったが、しかし元社員の一人Anthony Levandowskiが退社後、Ottoという自動運転の運送用トラック企業を創業した。Levandowskiの会社はUberに買収され、それにより元Googleの社員がUberで自動運転車の開発を担当することになったが、彼がGoogleの社員数名と企業秘密を盗んだと非難するWaymoの訴訟に関連してUberが行おうとした内部調査に、一貫して非協力的であったため、今週初めに解雇された。

自動運転トラックは、自動運転産業における、簡単にもぎ取れる高さにある果実と見なされている。ハイウェイの長い距離を走行することが多いので、ナビゲーションが比較的単純だからだ。都市部で人間運転者に交代するハイブリッドタイプが、商用化しやすいモデルとして多くの企業で研究開発されている。たとえばEmbarkは最近このタイプをデビューし、自動運転トラックのネバダ州の道路でのテスト走行を認められた。

Waymoは最近アリゾナ州フェニックスで、オンデマンド自動運転ライドシェアサービスの公道試験を開始した。テストに使用するのは、ミニバンのハイブリッド車Chrysler Pacificaの、現バージョンの自動運転車だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Uber、Ottoの共同ファウンダー、レバンドウスキーを解雇―Waymo訴訟の社内調査への協力拒否が原因

UberはAnthony Levandowskiを解雇した。LevandowskiはUberの自動運転車事業の責任者であり、自動運転車の子会社Ottoの共同ファウンダーだった。New York TimesがLevandowskiの解雇を最初に報じた。続いて火曜日にUberの社内向けメールが公式にこれを確認した。

LevandowskiはGoogleの親会社Alphabetの自動運転車子会社WaymoがUberを訴えた紛争で中心となる人物だ。Waymoは元従業員のLevandowskiがOttoの立ち上げを加速するためにLiDARテクノロジーを始めとするWaymoの企業秘密を持ち出したと主張している。

法廷でLevandowskiは憲法修正5条〔何人も刑事事件において(責任を問われる可能性がある)己に不利な供述を強制されない〕を理由として証言及びGoogleから不当に得たとされる資料の提出を拒否した。Uberはこれに対してLevandowskiはUberが要求する雇用上のコンプライアンスに違反することになると警告していた。

Uberは広報担当者を通じてLevandowskiとの雇用関係は解消されたことを確認した。Uberは何ヶ月に前からこの問題に関する社内調査にLevandowskiの協力を求めており、その期限を明確に設定していたという。UberはまたLevandowskiが4月に自動運転車事業の責任者を外されたさいに後任となったEric Meyhoferが引き続きその職を続けることを明らかにした。Levendowskiの部下、権限はMeyhoferが引き継ぐことになる。

画像: John Sommers II/Transport Tropics/modified by Bryce Durbin/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Uber騒動を横目に、LyftとWaymoが自動運転車で協力

LyftとWaymoは、自動運転車の技術を共同開発している。これに関する新しいニュースが日曜日のNew York Timesに掲載された。このニュースの内容は双方から確認済だ。元Googleの自動運転車ユニットは、配車サービス会社と協力して、乗用車サービスを介し一般市民に自動運転を提供しようとしている。

Waymoはアリゾナ州で自動運転テクノロジーのパブリックパイロットを開始したばかりだ。この実験では市内で働く人全員に開放されたアプリケーションによって、オンデマンドで家族をピックアップすることが可能だ。利用される車両は社内開発の自動運転テクノロジーが搭載されたクライスラーパシフィカのミニバンである。当初Waymoのサービスは限られているものの、Lyftのようなパートナーを巻き込むことによって、デマンドモデルや効率的なルーティングなどを必要とするビジネス的側面の開発に役立つ。

これは興味深いパートナーシップだ。なぜなら、これはWaymoの既​​存の自動車メーカーとの提携(Chryslerや協議中のHondaとの提携を含む)に対する、更なる別のパズルピースとなるからだ。Waymoは、自動運転サイドの技術パートナーとしての地位を確立している。彼らは必須のサービスプロバイダーではあるものの、必ずしもビジネス全体を支配することに関心のあるプレイヤーではない。Lyftは、Waymoの既​​存の自動車メーカーパートナーに、最終的な利益をもたらすパズルのもう一つのピースを提供し、さらに多くのメーカーを引き付けることを助ける。

Uberも似たような提携関係を結びつつあり、その第1号がMercedes-Benzの親会社であるDaimlerとのものだ。しかしLyftは、自動運転車を社内で製造することに対しては関心を表明していない。その代わりに、既に発表されているGMとのパートナシップを締結している。この提携は、GMが買収した自動運転技術会社Cruiseを使った自動運転車の展開につながる可能性が高い。

これは、Waymoが、多くの人が考えていたよりも、その技術が商用化に近づいている可能性があることを示す最新の動きだ。このAlphabet所有の会社(Waymo)は間違いなく、自動運転の世界では、最も経験が深く、10年近い開発を続けており、実際の運転経験も豊富な企業だ。

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(翻訳:Sako)

Appleがテスト中の自動運転車、さっそく目撃情報が現る

以前も報じたように、Appleは自動運転車のテストにLexus RX450h SUVを使っている。その様子を示す写真を、Bloombergが公開した。写真は偶然の目撃者により撮影されたもので、車はシリコンバレーのApple施設から出てきたのだとのこと。

使われている車は、Google内のプロジェクトからAlphabet傘下の企業となった、自動運転車開発を手がけるWaymoのものと非常によく似た構成となっているようだ。ちなみにWaymoの本社も、AppleのクパチーノHQと非常に近いところにある。SUVに搭載されているパーツをみると、複数のカメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)、およびレーダーなどで、いずれも市販品を利用しているようだ。たとえばLiDARはVelodyneの最高級モデルを利用しているようだ。

今回撮影された写真や、DMV文書から判断すると、Appleの自動運転車への取り組みは、Waymo(既に10年以上もこの技術に取り組んでいる)、あるいはUberなどと比べても、非常に初期の段階にあるようにみえる。カスタムパーツを使用していないようにみえる点から判断すると、少なくとも現在のところ、Appleの自動運転車についての興味はソフトウェア面にあると考えて良いのかもしれない。

情報的にはすでに既知のことではある。自動運転車の研究をしていることも、また、どのような車を使うのかもわかっていた。しかしそれを実際に見てみるのは、神話の世界を生きる白鯨を目撃するような興味を感じさせてくれる。

Featured Image: Bloomberg

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(翻訳:Maeda, H

Waymoはアリゾナで一般市民を対象にした公開試験を実施中

Waymoはアリゾナ州フェニックスにおいて限定試験の最中だが、もう既に2か月間、その自動運転車の利用を一般市民に提供している。このAlphabetの子会社は、その自動運転ハードウェアとソフトウェアを装備したFiat-Chrysler Pacificaミニバンを、フェニックス地域に居住する少数の一般人のテストグループへ提供して、市内を自動運転で移動して貰っている。

Waymoの試験は拡大中で、フェニックスに居住する人ならだれでも、テスト利用を申請することが可能だ。このたびWaymoは最初のテスト・ファミリーの1つを紹介したビデオをリリースした。彼らは私たちも感じるであろう驚きを素直に表現している。Waymoの自動運転サービスは単なる「近日公開」ではなく、既に実用的なサービスを人びとに本当に提供しているのだ。

Waymoの短いビデオはまた、このプログラムのもう一つの重要な側面を強調している。テクノロジーや自動運転車そのものではなく、人びとと、人びとが技術へ慣れていく点に光が当てられているのだ。この家族は、彼らがサービスを好む理由のいくつかを挙げているが、本当にありがちな理由だ。例えば父親のTedにとっては朝の通勤ラッシュの苦痛を取り除いてくれること、母親のCandanceにとっては車の予定を細かく管理することなしに10代の子供たちを行きたい場所に送り出せることなどがその理由なのだ。

Waymoはまた、今年の初めから実際の路上に投入されている100台に加えて、自動運転車群にさらに500台のPacificaハイブリッド車を追加することを発表した。それはWaymoによる新しい実績の積み重ねとなっていくが、Waymoは既にGoogleの自動運転車プロジェクトから通算でほぼ10年の自動運転の経験を有している。

しかし、ここで大きなニュースは、Waymoが自動運転車のテストで本質的にUberを大きく引き離したということだ。テクノロジーそのものは既に実用上相当な信頼性を有している(私は両者の自動運転車に乗ってみた)、しかしWaymoはそのCEOであるJohn Krafcikがブログで説明したように「毎日、何時でも、何処にでも、サンフランシスコのおよそ2倍の大きさのエリア」に対して、呼び出せるサービスを提供している。

もし興味があるなら、Waymoはここで申請を受け付けている。彼らの車に試乗させて貰った結果、もし私がフェニックスに住んでいたら、私も間違いなく申請するだろうということは請け合える。

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(翻訳:Sako)

Waymoが企業秘密の窃盗でUberとOttoを訴訟、元社員が14000件のファイルを無断ダウンロード

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Googleの自動運転車プロジェクトがAlphabet傘下の独立企業になったWaymo社が今日(米国時間2/23)、自動運転トラックのOttoとその親会社Uberを訴訟した。Waymoによると、Uberは同社の企業秘密を“悪用し”、同社が保有する特許を侵害した。具体的には、Waymoが見つけた証拠によると、OttoとUberは、同社が今年初めに発表した同社独自開発によるライダー(LiDAR)センサーに関連した、自動運転技術のいくつかの要素を、使っていた。

訴状でWaymoは、同社は、いくつかのユニークなレーザーシステムの組み合わせにより、完全な自動運転車の操縦のための重要な情報を得ているが、それをOttoのファウンダーAnthony Levandowskiが奪った、と言っている。彼は以前、Waymoに勤務するマネージャーだった。Levandowskiは14000あまりの、機密性の高い、企業に私権のあるファイルを、社を去る前にダウンロードした。その中には、企業秘密とされているLiDARの回路基板の設計図もあった。そしてWaymoの驚くべき指摘によると、同社がこれら一連の事件を発見したきっかけは、あるサプライヤーからのメールに、そのサプライヤーがUberとOttoに宛てたメールのコピーが、うかつにもあったことだ。そこには、そのライドシェア企業〔==Uber〕から送られてきた回路基板の設計図もあり、しかもその図面はまさしくUber自身のものとされていた。

Waymoによると、この窃盗行為が行われたのは2015年の12月だ。その直後にLevandowskiはWaymoを去り、自分の会社を始めた。それが、2016年1月にOttoになった。訴状によるとLevandowskiは、Waymoを去る前に自分のベンチャー企業を設立していた。

訴状はLevandowski以外の元Waymo社員も訴えており、彼らも後にOttoとなる企業に参加し、その前には、サプライヤーリストや技術的ドキュメントなどの企業秘密をWaymoからダウンロードした、としている。

Waymoが訴状で引用しているBusiness Insider誌上のBiz Carsonの記事によると、Ottoが独自のLiDAR技術を内部開発できたことが、Uberによる買収の中心的動機であり、したがってLevandowskiとOttoはこの窃盗行為から直接、5億ドルあまりを獲得したことになり、またUber自身も、それまで行き詰っていた自動運転車の取り組みを蘇らせて、その計画的な悪事に基づいてWaymoと再び競合できるようになった、と訴状は言っている。

当然ながらこれは、Uberにとって大きな打撃だ。今は元社員が被ったいわゆるセクハラ事件が明るみに出て、内部的にも対外的にももめている時期だけに、大きな火に多量の油を注ぐ形になった。

今、Uberにはコメントを求めている。得られ次第、この記事をアップデートしよう。

〔参考記事: ライダーとは何か

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Waymoの自動運転技術は2016年に大きく進歩、人間の介入機会が極少に

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Waymo(元Google自動運転車部門)の自動運転ソフトウェアは、2016年に、2015年よりもはるかに長い距離を走行したにもかかわらず、解除される機会がずっと少なかった。カリフォルニア州自動車局の発表によると、Waymoの最新の解除報告では、解除(テスト車の自動運転をoffにする機会)の多くは、事故や軽い接触などではなく、ソフトウェアのなにかを調整したりバグを潰したりするための一時的なポーズ(小休止)だった。

これは、Waymoの技術による自動運転車の商用化に向けての、大きなニュースだ。技術陣のリーダーDmitri Dolgovがこの進歩を祝うブログ記事で、1000マイルあたりの平均解除件数で前年(2015)比4倍の進歩だ、と説明している(下図)。すなわち2015年には0.8件だったが、2016年にはそれが0.2件に減少している。しかもその多くが、事故ではない。

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Dolgovの説明によると、この走行距離は都市と郊外の両方を含み、とくに一般商用化に向けてWaymoが力を入れている最も複雑な運転状況、ドアツードア・サービスのテストが多く含まれている。またDolgovによると、この数少ない、間隔の長い解除は、システムに貴重な学習機会を提供し、最終的にはソフトウェア自身が、自分をしばらく運転から解除すべき状況を判断できるようになる。もうひとつは、保守的な運転状況で解除するとそれをエラーにする、という調整も行っている。これらのことを勘案すると、2016年の低い解除率はすばらしいと言える。

WaymoのCEO John Krafcikは、自動運転車用のセンサーを今後は自社で作る、と発表したときに、解除率の4倍の向上に言及している。具体的な数字で言うと、解除件数は2016年が124件、2015年が341件、2016年のテスト走行の総走行距離は63万5863マイルだった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Waymoが自動運転車技術の協力に関してホンダと正式な交渉を開始

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元Googleの自動運転車プロジェクトだったWaymoは、商用契約を締結する準備ができていることを示すことに時間をかけたりはしない — アルファベットが所有するこの自動運転技術会社は、Waymoの自動運転ソフトウェアとセンサーをホンダ車に搭載するための正式な交渉を開始した。

ホンダは、水曜日(日本時間)のプレスリリースを通じて、両社の潜在的な協力関係のきっかけとなる交渉に関する発表を行った。ホンダは、Waymoの現在の試験車両群に参加することを狙った車両を開発するために、Waymoエンジニアと協力して作業するエンジニアを参加させる予定である。

ホンダはこれを、2020年ごろに高速道路で顧客に自動運転を提供する予定の、自社による「現在進行中の」試みと並行する位置付けで進める。ホンダはWaymoとのタイアップが、ホンダが既にシリコンバレー研究所で行われている研究と栃木で行われているエンジニアリングの努力と合わせて「ホンダの研究開発陣に、完全自動運転車を市場に提供するための、完全に異なるアプローチを探求する機会を提供するだろう」と述べている。

Waymoはまた、ホンダの競合相手であるFCA(フィアット・クライスラー)から100台のテスト用クライスラー・パシフィカ・ミニバンを入手し、それらをその試験車両群に配備する予定を発表したばかりである。ホンダとのこの新たな潜在的なパートナーシップが、もしこの正式な交渉段階を超えて進展すれば、それはこの先自動車メーカーに自動運転の技術を提供する重要な立場になる可能性があることを示している。

今月初めにWaymoが正式に発表を行ったが、同社はOEMへに対する自動運転技術の潜在的なパートナーおよびサプライヤーとしての地位をアピールするために相当な時間をかけてきた。BlackBerry、Delphi、Mobileye、そしておそらくはこの先Nvidiaなどとの競争もあるが、2009年にGoogle Xで開始されたこのプロジェクトは、真のレベル4とレベル5の自律性(人間の介入を必要としない自転車、ペダルやステアリングホイールなどさえも不要なもの)を当初から狙っていたために、テクノロジーパートナーとしての魅力という点で明らかに高い評価を得ることができている。

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(翻訳:Sako)

Googleの自動運転車ユニット、Waymoとして独立―クライスラーと提携して事業展開も

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Googleは自動運転車事業を独立の企業としてスピンアウトさせる。今日(米国時間12/13)、GoogleからWaymoという新会社の名称が発表された。この会社名は「移動のための新しいやり方(a new WAY forward in MObility)」を開発するという使命を表したものだという。

「われわれはAlphabet傘下の独立企業となった」とWaymoのCEO、Jon Krafcikは今日開催されたプレスイベントで述べた。Krafcikによれば、Waymoは「公道の日常の状況下でハンドルもペダルもない完全な自動運転車を走らせた世界最初の会社」だという。これは昨年のオースティンの市街地で行われた実験を指している。

この走行ではWaymoの上級エンジニアのNathaniel Fairfieldの友人で、視力を失っていることが法的にも認定されているSteve Mahanが単独で自動運転車をオースティンの公道で走らせた。 Mahanはそれ以前にも Googleの自動運転車のテスト走行を行ったことがあるが、いつも警察のエスコートを受けていた。しかしこのときはいっさい警察の保護を受けなかった。自動運転車はこの走行で4ウェイストップ(4方向一時停止)の交差点に正しく対処し、歩行者を避け、狭い道路を通過するなどの成果を挙げた。

Googleは自動運転車ユニットのCEOに元現代北アメリカの幹部、Krafcikを任命し、元Airbnb、元TripAdvisorのShaun Stewartも採用した。こうした動きは自動運転テクノロジーを技術的実験から収益事業の柱の一つに格上げするため、自動車会社を新規に立ち上げるなどの現実のビジネス経験がある人材を必要としたものと受け止められている。

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Krafcikは今日のイベントで、「われわれは公道ですでに200万マイル(360万キロ)以上の走行実験を行った。これから次の100万マイルに向けて走行中だ。しかし重要なのは現実の走行距離だけではない。われわれはコンピューター・シミュレーションで10億マイル以上走っている。[…]またマウンテン・ビュー、オースティン、フェニックスなどでゲストを乗せた走行を1万回も行っている」と述べた。

Waymo(これまではGoogle X所属だった)は膨大な実験を繰り返してきたが、テクノロジーのトップ、Dmitri Dolgovによれば、適切な地図の製作、 挙動のスムーズさの改善、雪や大雨などの過酷な気象条件下での走行などまだ克服すべき課題がいくつも残っているという。

Waymoの企業としての方向性についてKrafcikはいくつもの可能性を挙げた。

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「 [このテクノロジーは] 共有経済にも、交通機関にも大きな影響を与える。自動車メーカーだけでなく、トラック運輸などの公共輸送産業を変革するだろう。ロジスティクスにおける『最後の1マイル問題』を解決し、ゆくゆくは個人にも利用されるかもしれない。自動運転車はこうしたカテゴリーすべてにとってすばらしい意味を持つ」とKrafcikは述べた。

Krafcikによれば新会社の努力の中心はテクノロジーの開発であり、必ずしも自動車自体の製造ではないという。これはGoogleの自動運転車戦略に関する従来の報道とも一致する。

「われわれは自動運転テクノロジーの会社であり、自動車メーカーを目指してはいないということはこれまでも繰り返し明確にしてきたつもりだ。ときにはこの点について多少の混乱〔した報道〕が見られたが、われわれのビジネスは良い車を作ることではない。われわれのビジネスは良いドライバー〔システム〕を作ることだ」とKrafcikは付け加えた。

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Krafcikによれば、Waymoのビジネスは現在新しい「ビルド」の段階にあり、次世代のセンサー関連技術はクライスラー・パシフィカの最新モデルに搭載されるという。【略】

Bloombergの火曜日の記事によれば、Alphabetに新しく誕生する自動運転車ユニットトは独立企業となり、自動車の共有利用事業でクライスラーと提携する。半自動運転によって乗客を輸送するサービスの展開には、手頃なサイズのミニバンであるパシフィカが利用される予定であり、2017年末には実用化が計画されているという。

Googleはパシフィカをベースにした自動運転車のプロトタイプを100台製造することを発表していた。しかし今回の計画はそれより幅広いもので、自動運転車に必要とされるテクノロジーも一層高度なものとなるだろう。クライスラーの親会社であるフィアットはラスベガスで開催される今年のCESでパシフィカ・ベースの電気自動車を発表する計画だ〔現在のパシフィカはハイブリッド〕。この電気自動車がGoogleのWaymoとの提携のカギを握るハードウェアかもしれない。オンデマンドの自動運転車サービスを展開するならば、通常動力よりもEVの方がはるかに実用的だろう。

Alphabetグループ内の独立の事業会社となったことで、Waymoはテクノロジーの進展や収益性について、これまでよりさらに直接的に外部の風にさらされることになる。他の企業との戦略的提携や販売、ライセンスなどのビジネスモデルについて今後の動きを詳しく観察していく必要があるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+