SpaceXが高速ブロードバンドインターネット衛星群Starlinkの60機打ち上げに成功

SpaceXは、Starlinkインターネット衛星群の最新打ち上げに成功した。これらの衛星はSpaceXのブロードバンド・インターネット・サービスのバックボーンを形成するもので、これまで品質の高い一貫したサービスが利用できなかった顧客や地域に、低遅延で高速な接続を提供することを目的としている。

打ち上げは米国南西部フロリダ州のケネディ宇宙センターで、東部標準時8月3日午前8時46分(日本時間同日午後9時46分)に同社の打ち上げ施設から実施された。打ち上げに使用されたFalcon 9ロケットには、数カ月前の6月に一度だけ飛行した第1段ブースターが含まれていた。SpaceXはまた、ドローン着陸船「Of Course I Still Love You」の海上への制御された着陸で、Falcon 9ブースターを再び回収することに成功した。

同社はまた、打ち上げ中に衛星を保護するために使用されたフェアリングを回収することも計画している。このフェアリングには2つの部分が含まれており、1回の打ち上げあたりのコストは合計で約600万ドル(約6億3700万円)となる。

最近SpaceXは、Starlinkのミッションにおいて他社とペイロードを共有して飛ばしており、利用可能な貨物スペースのわずかな量をPlanetなどの顧客に提供していた。しかし本日の打ち上げは、SpaceXの衛星のみを搭載した以前のStarlinkミッションの形に戻った。今回Starlinkとしては12回目となり、今年だけで10回目の打ち上げとなった。

SpaceXはまた、同社のStarlinkサービスが現在プライベートベータテスト中で、パブリックベータテストが今年後半に予定されていることを明らかにした。同社は来年には有料サービスの提供をより広く開始したいと表明している。

画像クレジット:SpaceX

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アップルが新型コロナ接触追跡の新ツールをiOS 13.7でリリース

Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は新型コロナウイルスの接触追跡の取り組みを支援するため、計画していた接触通知技術の普及に引き続き力を入れている。両社は、公衆衛生当局が独自のアプリを開発・維持しなくても、デジタルの接触通知をより容易に導入できる新しいツールを発表した。アップルは9月1日のiOS 13.7システムアップデートから利用できるようにするが、グーグルはAndroid 6.0で自動生成されるアプリケーションから今月後半に導入する予定だ。グーグルのほうはシステムサービスとOSのアップデートを管理する方法が非常に異なるため、対応策が必要となっている。

テクノロジーの仕組みの変更により、ユーザーは管轄の公衆衛生当局(Public Health Authority、PHA)が作成した専用アプリを実際にダウンロード、インストールする必要がなくなる。代わりに地域の公衆衛生当局から、接触通知システムとその機能に関する通知が届く。ユーザーはそこでオプトインを選択できる。iOSではプロビジョニングプロファイル(App Store以外からiOS端末にアプリを配信するためのバイナリファイル)をインストールすることになるが、Androidでは地域のPHA用に自動生成されたアプリが作成され、Google Playストアからインストールされる。アップルとグーグルは、Exposure Notification Express(接触通知エクスプレス)が既存の専用PHAアプリを置き換えるものではなく、共存するものであることを明確にした。

Exposure Notifications Expressを利用するPHAはアップルとグーグルに対し、連絡先情報、ケアに関するガイダンス、注意事項、次のステップに関する推奨事項を伝える。PHAは、その名前、ロゴ、接触通知が発信される基準のほか、テクノロジーに詳しくない人でも簡単にシステムが利用できるよう接触が起きた場合の通知内容を提示する。

地域の保健当局は、ユーザーが受け取るテキストメッセージを自らカスタマイズする必要があるが、アップルとグーグル双方の技術に基づくデジタル接触通知システムを使って接触追跡のために独自のアプリケーションを開発・配布する必要はない。保健当局は接触リスクの計算方法決定にも責任も持つ。専用アプリなら備えていた機能だ。これは大きい。なぜなら、アップルとグーグルによると、世界で20カ国がすでにAPIに基づくアプリを導入し、そして米国の25の州がシステムの利用を「検討」しており、これまでに6つの州がアプリをリリースしたからだ。こうした現状から、今回のシステムは開発者や医療当局が採用する際の技術的参入障壁は低くなっており、普及を早めるのに役立つはずだ。

アップルとグーグルは、まずワシントンDC、メリーランド州、ネバダ州、バージニア州がExposure Notification Expressを導入し、他の州もそれに続くと予想していると述べた。両社はまた、U.S. Association of Public Health Laboratories(米国公衆衛生試験所協会)と全米の主要サーバーに関して協業しており、ユーザーが地元の医療当局の管轄外に移動する場合であっても州境を越えて効果的に接触追跡ができるよう取り組んでいると述べた。

接触追跡が有効に機能するためには60%以上の採用が必要だという誤った情報が広まっている。これは、今年初めに発表されたオックスフォードの研究が誤解されたことによる。研究に携わった研究者たちはその後、実際にはデジタル接触追跡をサポートするアプリによるあらゆるレベルの接触追跡が、新型コロナ拡散軽減とそれがもたらす死亡数の減少にプラスの効果がある(MIT Technotogy Preview記事)と明らかにした。

このシステムには、アップルとグーグルがこれまで提供してきたものと同じようにプライバシー保護が含まれている。つまり、個人の位置情報が収集されたり、接触通知と紐付けられることはない。代わりに、技術者はランダムに生成されたキーを使用して、あるデバイスがソフトウェアを利用する他のデバイスのBluetoothの検出範囲に入った時間と場所を追跡する。システムはランダムな識別子のログを保持し、確認・報告された診断結果(完全に匿名化されている)と照合して接触リスクの有無を判断する。その判断は、各地域を管轄する公衆衛生当局時間と距離に関してが定める接触の定義に基づき行われる。

【Japan編集部追記】iOS 13.7であっても日本で新型コロナウイルス感染者と濃厚したかどうかを確認するには「新型コロナウイルス接触確認アプリ」のインストールが必要だ。

画像クレジット:Apple / Google

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(翻訳:Mizoguchi

デルの新型32インチ4Kディスプレイ「U3219Q」はホームオフィスのアップグレードに最適だ

Dell(デル)は、そのディスプレイの質の高さで長い間高い評価を得てきたが、それは最近のモデルでも変わりがなかった。変わったのはむしろ、人々がリモートワークに移行し、より恒久的なホームオフィスの構成オプションに落ち着くにつれて作業用ラップトップを補完する外付けモニタを求める人が増えているということ。デルの32インチで4K解像度のUltraSharp U3219Q(Dellデジタルハイエンドシリーズ U3219Q 31.5インチ 4K HDR USB-C モニター)は、予算が中~高価格帯であれば、品質、画面の広さ、接続の柔軟性を最高のかたちで兼ね備えている。

最大解像度は3840×2160ドットの31.5インチIPSディスプレイを搭載

U3219Qは対角31.5インチのIPSディスプレイを採用し、マット仕上げで眩しさを回避するのに優れている。最大解像度は3840×2160ドット、アスペクト比は16:9で、最大60Hzのリフレッシュレートで動作する。非常に大きなディスプレイだが、画面を囲む非常に薄いベゼルと比較的浅い奥行きのため、スペックに比べると実際ははるかに小さく感じる、ディスプレイの重さは約5.8kg、32インチ画面スペースを提供する機器とすれば軽いほうだろう。

スタンドには、上下に約15cmの範囲にわたって調整できるスタンドが付属する。傾斜角は最大21度だ、そのほか、いずれかの方向に30度を旋回させることもできる。横向きから縦向きに回転させられるのは、コーディングやドキュメントレビューの際に便利かもしれない。一体型のスタンドなので、デスクをスッキリさせられる点も良ポイントだ。なおスタンドは取り外し可能で、モニターの腕および壁に付けるための標準的なVESA 200×200マウントが用意されている。

ディスプレイ接続については、DisplayPort 1.4とHDMI 2.0を各1基搭載しており、どちらも著作権保護されたコンテンツを再生するためのHDCP 2.2をサポートしている。もちろんUSB-Cポートもあり、DisplayPort 1.4接続のほか、電源供給とUSB 2.0データ接続が可能で、DPケーブルと両端がUSB-Cのケーブルが付属する。さらにこのモニターには、USB 3.0ケーブルとコンピュータに接続してハブとして機能するためのポートも備えており、アクセサリ用のUSB 3.0ポートを2つ内蔵するほか、ディスプレイの側面にもUSB 3.0ポートを2つ備える。そのうちの2つには充電用の電源供給もある。内蔵スピーカーは非搭載だが、ヘッドフォンや外部スピーカーを接続するための3.5mmオーディオ出力ポートが備わっている。

デルは、その精度と品質をパネルをアピールポイントにしている、Display HDR コンテンツ再生のサポートをうたっており、出荷時の色補正により、sRGBの色精度は99%、DCI-P 3は95%、Recは99%を達成している。ディスプレイは400nitの明るさと10億7000万色の色深度により、良好なコントラストを備える。つまり、要求の厳しいビデオや写真の編集作業にも十二分に対応できるスペックだ。

MacBookやMac miniとも相性よし

U3219Qは、ビデオと画質の面でスペックどおりの性能を発揮する。箱から出した状態では、MacBookとMac miniの両方に接続しても、優れたカラーレンダリング、コントラスト、明るさ、黒つぶれの調整なしに、素晴らしい映像を映し出してくれた。これは明るさに余裕のある画面で、自然光の多い明るい部屋で作業している場合や、写真やビデオの編集時に特定の作業のために明るさを上げる必要がある場合に便利だろう。

画質は間違いなくマルチメディアのプロの任意の種類であれば大きな利点であるが、それはこの画面にアピールする必要があります。人の限界ではありません。大きなサイズと比較的小さなフットプリントは、その4K解像度と一緒に、あなたが選択するものの解像度に応じて十分な画面の不動産を提供するためにそれを調整することができることを意味します。それは容易に小さいが、まだ4Kのスクリーンで同じ決断を動かしているような何でも読むために緊張する必要がないようにテキストを適度に大きさの維持している間、さまざまな構成の1つの隣に配列される複数のブラウザの窓および適用を扱うことができる、すべてである。

マルチメディアのプロであれば、画質は譲れないポイントだが、U3219Qはそれ以外のアピールポイントがある。4K解像度で32インチの大きなサイズのわりに比較的小さな設置面積なのだ。複数のブラウザウィンドウやアプリケーションをさまざまな構成で並べて表示できる。テキストサイズを適切に保てるため、目への負担も軽減できる。

そしてリフレッシュレートが60Hzということは、画面表示がスムーズで60fpsの動画を編集するには十分な速度を備えているわけだ。現在のゲーマーが求める高速基準にはとうていおよばないが、それ以外の用途ではリフレッシュレートが大きな問題になることはないだろう。

デルは、シングルケーブルのUSB-C接続を追加したことで、最新のMacノートPCとの相性が良くなり、ソファからデスクへの移動も楽に行えるようになった。また、HDMI、USB-CとDisplayPortの合計3つの入力に対応しているので、複数のデバイスを一度に接続することができ、昼休みにデスクトップゲーム機を繋いで休憩するといった用途にも便利だ。

このディスプレイでは映像の表示品質も素晴らしく、編集はもろちろんNetflixを見たりするのにも楽しめる。32インチなら、ホームオフィスやゲストルームでテレビを持ちたいけれど、セカンドデバイスには投資したくないという人にも十分使える。その場合はスピーカーをどうするかという問題になるが、同社はスクリーンのスタンドに取り付けることができる69ドルのモニターサウンドバーをオプションで用意している。

価格10万円程度、ほかにも悩ましい選択肢はある

オフィス環境のアップグレードタイミングは、職場の場所や在宅勤務、そして各社のオフィス再開の方針による。U3219Qの通常価格は13万4800円だが、デル直販だと9万9800円で販売されている。いずれにしろ高額な出資にはなるが、毎日使うデバイスでもあり、費用対効果を考えればお勧めできる製品だ。筆者は現在、2台のDell P2715Qモニタを仕事に使っているが、これらの初期世代の4Kモニタは、購入して使用を開始してから5年経った今も好調だ。つまり、U3219Qも長く使えるはずだ。

デルは、同様の機能を多数搭載しながら、31.5インチの4K HDRワイド曲面フレームレスモニター「S3221QS」(デル直販価格4万6980円)や27インチ4 Kモニタ「S2721Q」(デル直販価格3万5980円)も発表している。高品質ディスプレイに対する同社の評判は、いずれにしても高く、現在から将来に至るまで、どのようなホームオフィスにも役立つだろう。

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Rocket Labが米国バージニア州の打ち上げ施設の5年間ライセンスをFAAから取得

ロケット打ち上げサービスのRocket Lab(ロケット・ラボ)は米国航空局(FAA)から重要なライセンスを取得(Twitter投稿)し、バージニア州ワロップス島にある米国拠点の施設から打ち上げが可能になった。同社はニュージーランドのLC-1発射台の時と同様に、バージニアのLC-2発射台の打ち上げ業者ライセンスを取得したことで、個々の打ち上げに際してFAAにミッション個別のライセンスを申請することなく複数の打ち上げを行えるようになる。

Rocket Labは2019年末にこのバージニア拠点のLC-2の正式な開所式を行ったが、いつ同社のElectron(エレクトロン)ロケットをそこで打ち上げるのかはわかっていない。おそらく新型コロナウイルス(COVID-19)および関連する障害によって発射台のデビュー計画が変わったのだろう。同社はLC-2に続き、ニュージーランドのLC-3発射台の最終調整を行っており、打ち上げ能力の強化をはかっている。3カ所の打ち上げ施設が完成し運用が始まれば、年間最大130回の打ち上げが可能になると同社はいう。

Rocket Labが米国拠点の施設を作ったそもそもの理由は、政府顧客に迅速なサービスを提供し、短期間に高頻度の打ち上げを可能にするためであり、FAAの複数発射ライセンスを得たことは同社の運用モデルにとって大きな恩恵となる。そのためにもワロップス施設の1日も早い実用化が望まれている。

関連記事:Rocket LabはCapella Spaceの衛星打ち上げに成功し通常の打ち上げ稼働状態に復帰

カテゴリー:宇宙

タグ:Rocket Lab 米国航空局(FAA)

画像クレジット:Rocket Lab

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXがフロリダからの初の極軌道ミッションの打ち上げに成功、同日2基打ち上げは次回に持ち越し

SpaceXは米国時8月30日、米国フロリダ州にあるケープカナベラルの東海岸打上げ施設から、画期的ともいえる初の極軌道への衛星打ち上げを実施した。今回のFalcon 9は、アルゼンチンの宇宙機関に代わって飛行したLバンド全偏光測定合成開口レーダーを搭載するSAOCOM-1B衛星と、クライアントであるTyvackとPlanetiQのための2つの小型衛星を含む3つのペイロードを運ぶミッションだ。

打ち上げはフロリダから米国東部標準時午後7時18分(日本時間8月31日午前9時18分)。今回の打ち上げには、SpaceXが以前に国際宇宙ステーションへ向けてNASAの代わりに2回の商用補給ミッションで飛行した第1段ブースターと、SpaceXが最近のインターネット衛星Starlink打ち上げに利用されたものだ。同社また、ケープカナベラルの着陸地点の制御された着陸でブースターの回収にも成功した。

今回の打ち上げは、SpaceXが米国時8月30日に実行する予定だった2つの打ち上げのうちの1つだ。発射台は異なるが同じ発射施設から打ち上げを計画していて、成功していれば歴史快挙だったが、その日の早い段階での悪天候のために予定されていた最初のミッションであるStarlink衛星の打ち上げはキャンセルされ、再調整されることになった。

SpaceXは最終的には1日に複数回のペースで打ち上げを進めたいと考えており、これはその野望を実現できるかどうかの大きな試金石となっただろう。しかし、同社がこれまでStarlinkの打ち上げにどれだけ積極的であったかを考えると、将来的にもダブルローンチの機会に遭遇する可能性が高いと思われる。

関連記事:SpaceXが2022年にMasten製の月面着陸機「XL-1」を初打ち上げへ、月の南極点へペイロード運ぶ

カテゴリー:宇宙

タグ:SpaceX

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Rocket LabはCapella Spaceの衛星打ち上げに成功し通常の打ち上げ稼働状態に復帰

Rocket Lab(ロケット・ラボ)は、ペイロードを失うという前回のミッション失敗を経て、正常な打ち上げ稼働状態に復帰した。わずか1カ月の間に、Rocket Labは前ミッションに使用されたElectron(エレクトロン)ロケットの欠陥を洗い出して問題点を修正。米国時間8月31日には、クライアントであるCapella Space(カペラ・スペース)のSequoia(セコイア)衛星を載せた打ち上げを、ニュージーランドの発射施設で成功させた。

Rocket Labの今回の「I Can’t Believe It’s Not Optical(光学画像じゃないなんて信じられない)」ミッションは、同社Electronロケットの14回目の打ち上げとして、日本時間8月31日12時5分に同社専用の発射台から打ち上げられた。Sequoia衛星は、スタートアップのCapella Spaceが開発した合成開口レーダー(SAR)衛星のコンステレーションで、一般の顧客が利用可能となる。展開が完了すると、このコンステレーションは1時間ごとに地球の高精細画像の提供を開始する。光学センサーではなくレーダーを使用することで、雲に覆われていたり、暗くなっている部分でも正確な画像が得られる。

関連記事:Rocket Lab clear to launch again after first mission failure attributed to electrical fault(未訳記事)

今回の打ち上げは、すべて計画通りに進んだように見える。ElectronはCapella Spaceの衛星を無事に打ち上げ、目標の軌道に放出できた。Capellaはこれまで、この衛星をSpaceX(スペースエックス)のFalcon 9(ファルコン・ナイン)ロケットの相乗りミッションで打ち上げるつもりでいたのだが、フライトの遅延を受けて、Rocket Labの独自ミッションとして打ち上げる方向に切り替えたのだ。

7月4日のRocket Labの事故の原因は、比較的小さな問題だった。電気的な故障が発生したため、安全対策としてロケットが停止したに過ぎない。調査の結果、システムの中の1つの部品が、本来行われるべき厳格なストレステストを経ていなかったことが判明した。Rocekt Labは、できるだけ短い時間で打ち上げ業務を通常の稼動状態に戻せるよう、将来そして現在ストックされているすべてのElectronロケットに速やかに修正を加えた。

Rocket Labでは、Electronのブースターを複数のミッションで再利用可能にする回収システムの開発にも取り組んでいるが、今回の打ち上げでは、このシステムに関連するテストは盛り込まれなかった。同社では、年内に予定されている残りの打ち上げのいずれかで、ブースター回収の実験を行いたいと考えている。

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カテゴリー:宇宙

タグ:Rocket Lab ロケット

画像クレジット:Rocket Lab

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(翻訳:金井哲夫)

Amazonのプライムエア配達ドローンが米当局からテスト飛行認可を取得

Amazon(アマゾン)はドローンを使った商業配達の試験を行うのに必要な米連邦航空局(FAA)の認可を取得した。Bloomberg(ブルームバーグ)が報じている。UPSや他のいくつかの企業が取得しているものと同じだ。認可を取得したからといってアマゾンがすぐさま消費者にドローンを使って配達サービスを提供できるわけではないが、その最終ゴールに向けて前進することになる。

同社は配達テストを開始すると述べたが、いつ、どこで行うのか詳細は明らかにしなかった。試験飛行のFAA認可は、商業航空サービスを展開する企業に適用している安全基準や規則を焼き直したものだ。ただし、ドローンの場合、航空機に乗り込む乗務員や機材を誘導するスタッフは必要ないため、これらに関係する必須事項は除外されている。

ドローン配達に関するガイドラインは、重要なシステムの開発と安全テスト、デザインに取り組む方法を企業に提供するためのFAAと商業パートナーによるパッチワークソリューションだ。しかしFAAは、ドローン航空オペレーションを管理するために、より目的に適う規則を2020年後半に定める方向で取り組んでいる。これはクラウド上のフライトの認証に関連したものだ。しかしいずれのドローンフライトも、まだ人間による常時監視を必要とする。

究極的には、実行可能で実用的なドローン配達のシステムには直接の視認を要しない完全自動のオペレーションが必要となる。アマゾンはMK27ドローンを準備している。最大積載量は5ポンド(約2.3kg)だ。しかし、そうしたドローンを頻繁に飛ばせるようにする規制や航空交通管制インフラが更新されるまでには、まだ何年もかかることが予想される。

関連記事:宅配大手UPSとドイツのWingcopterが共同で配達用多目的ドローンを開発

カテゴリー:ドローン

タグ:Amazon FAA / 米連邦航空局

画像クレジット:JORDAN STEAD / Amazon

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(翻訳:Mizoguchi

ホームシアターに劇場のような体験をもたらすPhilipsのHue Play HDMI Sync Box

Signify(シグニファイ)はスマート照明製品のHueシリーズを着実に拡大し続け、家の内外向けにあらゆる製品を生み出してきた。色、強度、明るさの調整など照明をリモートでコントロールするこういった製品の機能は申し分ないが、最近発表された製品の一つに、接続されたこれらすべての照明を自宅におけるダイナミックでインタラクティブなエンターテイメント体験に変えることに重点をおいた製品がある。Philips Hue Play HDMI Sync BoxはゲームコンソールやApple TVなどのビデオソースとテレビの間で使用する比較的シンプルなデバイスで、さまざまなHue製品を活用して同期されたライトショーを楽しませてくれる製品だ。

製品の概要

Hue Play HDMI Sync Boxは根本的には、4つのHDMI入力と1つのHDMI出力を持ったHDMI スイッチャーである。入力デバイス(AppleTV、Roku、Xbox、PS4など)からの信号がボックスに送られ、テレビに届く。切り替えは最後にアクティブだったデバイスに応じて自動的に行われる。アプリと音声コントロールを用いてこれを手動で変更することも可能だ。

Sync Boxはディスプレイとオーディオにおけるさまざまな最新の品質基準に対応している。4K 60Hz解像度、HDR10+、Dolby Vision規格、DolbyAtmosサラウンドサウンドをサポートしている。また、著作権保護のためにHDCP 2.2に準拠したHDMI 2.0bもサポートしている。

Hue Sync Boxがただ単に高価なHDMIハブというだけでなく、その非常に優れた機能を確実に発揮するには、HueのカラーライトのみならずHue Bridge(第 2 世代の丸みを帯びた正方形のバージョン)が必要だ。テレビスタンドの上やテレビの背面に簡単に取り付けることができるHue Playライトバーや、Hue SigneのマルチカラフロアランプやテーブルランプなどのHue製品をお持ちの場合は、コンパニオンアプリのSyncを使用して、ボックスを通して再生される動画の画面上で起きていることを照明に反映させることができる。

Image Credits: Philips

デザインと性能

なぜこのデバイスが欲しいのか。それは見た目がすごくクールだからである。Hue Syncは監視ツールと組み合わせた場合、Macや PCで再生されるビデオで使用できるソフトウェア機能としてすでに登場していた。ただしこれには、公式のNetflixアプリやブラウザーの Netflixを操作できないなど多くの制限があった。Sync Boxは潜在的な障害を排除し、これでメディアセンター PCを実行しなくても通常のストリーミングやゲームソースを使用できるようになる。

ボックス自体は比較的大きいが、これは複数のHDMIポートに対応するためにこのサイズになったのだろう。Apple TVの約 2 倍の表面積ではあるものの非常に短いため、どんな既存のホームシアター設定にも容易に溶け込むことができると思う。

Hue Play HDMI Sync Boxのセットアップは非常に簡単で、アプリをインストールし、指示された際に Hue Bridgeの同期ボタンを押すだけで完了だ。前述の通り、最大4つのソースをプラグインでき、入力デバイスを使用するとボックスが自動的にソースを切り替える。また、アプリを使用して入力を手動で変更(および名前を変更)することも可能だ。このアプリを使用して光の強度、明るさ、応答性を微調整し、好みやアクティビティに応じて弱めたり強めたりすることもできる。たとえば「ゲーム」設定では、テンポの速いインタラクティブなコンテンツに適したよりダイナミックな効果を実現するため、最大の強度と応答性に設定されるという具合だ。

Image Credits: Philips Hue

特に公式のHueアプリで、専用の「エンターテインメントエリア」にHueライトの位置を時間をかけて正確に設定すると、シーンの色と明るさを模倣する照明の能力が非常に高く発揮されると著者は感じた。最も控えめな設定で使用すると、効果はわずかでも、実際には視聴体験を確実に強化してより高い没入感をもたらしてくれる。最大限の設定で使用すればかなり強調されるが、長期間使用すると良い意味でバックグラウンドに馴染んでいく。

特にファームウェアのアップデート以降、Hue Play Sync Boxは著者のホームシアターで素晴らしい実力を発揮し、テレビ視聴体験をより豊かなものにしてくれている。暗い部屋の方がより効果的なのは明らかだが、鮮やかな色と真の深い黒を生成する高品質のOLEDスクリーンだと特に効果を発揮するようだ。

総合評価

Hue Play HDMI Sync Boxは229.99ドル(約2万4000円)と少し高価ではあるものの、映画、ストリーミング、ゲームなど、家庭でのテレビ視聴体験全体を確実に豊かにしてくれる。4つのHDMI入力があるため必要であればそれを使用してテレビにポートを追加することもできる。最近のアップデートのおかげで、それによってビデオ品質が犠牲になることもないだろう。

関連記事:Vivaldiブラウザーがv.1.5にアップデート、IoTとの統合を目指してまずスマート電球の色とWebを同期

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Philips Philips Hue ホームシアター

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(翻訳:Dragonfly)

宇宙好きにはたまらない!英国高級時計クリストファーウォード「C1 Moonglow」のムーンフェイズ自動巻き腕時計

月の満ち欠けを表示する、いわゆるムーンフェイズ・ウォッチは、アナログ時計業界の長年にわたる驚異であり、時計が巻かれたままであれば長い期間にわたって正確に月の満ち欠けを追跡できる複雑機構を備えている。Christopher Ward(クリストファー・ウォード)のC1 Moonglow(C1 ムーングロー)は、ムーンフェイズを現代的にアレンジした新鮮なモデルだ。ムーンフェイズを前面に押し出しており、日常生活でも、役員室でも、フォーマルなイベントでも、手首に着けていても違和感のないデザイン。また、そのユニークなデザインは、スターを見るのが好きな人や、急成長しているプライベート・ローンチ業界にも喜ばれることだろう。価格は1995ドル(約21万円)だ。

基本

C1 Moonglowは、機械式時計ムーブメントメーカーとして信頼性の高いスイスのSelita(セリタ)製のSW220自動巻きムーブメントに併せて、自社製ムーンフェイズに改良を加えて搭載。英国を拠点とするChristopher Wardは、この複雑な機構を備える既製品とは異なり、C1 Moonglowでは単に1日に1回反転させるのではなく、ムーンフェイズ機能を継続的に作動させることを可能にした。同社によると、これにより月のグラフィックの詳細が時計の表面上を滑らかに移動し、最大128年の間、正確なフェイズ・トラッキングを提供することが可能になったのこと。

そのほかC1 Moonglowでは、文字盤の外側のリングにあるサブダイヤルの赤のハイライトで日付をマークすることでカレンダーとの組み合わせも可能だ。腕時計のサイズは40.5mmで、文字盤は主にブラック、ケースは光沢のあるステンレス製。厚さは12.35mm、幅は48.55mm。自動巻きムーブメントは、Christopher Ward製の特注ローターを備え、ダイヤモンド状炭素(DLC)コーティングでブラックに仕上げられている。モーメントは26石の宝石が散りばめられており、完全巻き上げ時のパワーリザーブは38時間。付属のストラップは黒のイタリアンシェルコードバンレザーで、展開可能な留め具付きだ。

デザインと特徴

C1 Moonglowのユニークなデザインのカギを握るのは、信じられないほど詳細に描かれた2つの3Dテクスチャーの月のイメージが特徴の、カスタムムーンフェイズ・ダイヤルだろう。これらは、文字盤上で互いに対向して配置され、時計の文字盤の下半分に広がる不透明の開口部の上方できちんと位相表示になる。照明の状態にもよるが、完全に不透明のこともあれば、半透明に見えることもある。最高品質のSuper-LumiNova Lime(放射性物質を含まない蓄光性夜光顔料)を月のグラフィックに適用しており、素晴らしいディテールで夜にも輝く。

ムーンフェイズ表示の文字盤には星が散りばめられており、高級感と洗練された雰囲気を保ちながらも、どこか遊び心を感じることができる。時計の針や時針、日付の指輪、星にも光が当たる。これらのすべての層を積み重ねつつ、文字盤の表面の質感、日付の文字盤との間に施された白い縁取りリングなどがこの時計に素晴らしい深みを与えている。それでいて40.5mmの大きさと12mmをわずかに超える高さで、分厚くも大きくもない腕時計である。

C1 Moonglowのケースバックも印象的で、自社製のカスタマイズされたムーブメントとコーティングされたローターを見ることができる。ケースサイドから見た場合、サファイアガラスの窓が時計の背面のほぼ全面を占めているように見え、C1 Moonglow高さを最小限に抑えることに成功している。

ムーンフェイズの設定は非常に簡単で、リューズを2番目の位置まで引き出して反時計回りに回すことで完了する。時計回りに回すと日付を設定できるが、両方を独立して調整が可能だ。また、時間も独立して調整できる。フェーズを正確にするのは少し難しいかもしれないが、Christopher Wardが付属のマニュアルで簡単な手順を説明している。あるいは、Watchvilleのようなサードパーティーアプリを使うこともできる。このアプリは、アナログを設定するためのムーンフェイズを備えており、非常に正確な仮想ウォッチフェイスを作れるのだ。

ボトムライン

Christopher Wardは、マイクロブランドの時計メーカーの中でも最も一貫性があり、高い評価を得ている時計メーカーの1社。C1 Moonglowは、その中でも特にユニークで魅力的なモデルで、カスタムメイドの自社製ムーブメントとムーンフェイズの複雑機構を搭載した時計としては、非常に高い価値を提供している。そして何よりも、目を見張るようなビジュアルデザインが魅力的で、望遠鏡や天文台からスカイウォッチャーの気をそらしてしまう人もいるかもしれない。
画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:TechCrunch Japan)

イーロン・マスク氏創業のNeuralinkが開発した脳手術ロボットの詳細

Elon Musk(イーロン・マスク)氏によるNeuralinkのプレゼンテーションは、あくまでも科学が主役だが、人間の脳をコンピューターが推理するという彼のこの企業では、同社が披露した外科手術ロボットが単独で脚光を浴びた。ポリカボネート製で丸みを帯びたSF的なデザインの脳手術ロボットは、ビデオゲームの「Portal」に登場しきそうだが、実際にはバンクーバーの工業デザイン会社であるWoke Studioの作品だ。詳しくいうと、Neuralinkのエンジニアや科学者が基礎となる技術を開発しているが、Woke Studioがロボットの外見とユーザー体験をデザインした。プレゼンテーションで披露された耳の後ろにつける通信端末も、Wokeが作ったものだ。

Neuralinkのロボットは清潔さに配慮した純白で(Woke Studioによると無菌性を確保するためにも純白)、弧を描くラインや滑らかな表面をが特徴で、その外見は高度な技術力を示していると同時に、人の気持ちをほっとさせるような、親しみやすい要素もある。

「マシンが動いているとき患者は起きていないと思われるが、しかしそれでも、イーロン・マスク氏のポートフォリオにある象徴的なマシンでありながら、親しみやすいロボットのデザインにすることは重要だった。また衛生やメンテナンスの面での医学的要件も極めて多く、オペレーターに安全でシームレスな使用感を与えることも必要だった」とプレスリリースでは語られている。

Woke Studioによると、Neuralinkの外科手術ロボットは主要なパーツは3つある。ヘッドとボディとベースだ。ロボットのヘッドはヘルメットに似た部分で、それが実際に患者の頭を保持する。中には手術針のガイドや、患者の脳をマップするためのカメラやセンサーが内蔵されている。内側のミント色も含めて、この部品の設計意図はロボットに「擬人化された性格」を与えて、手術過程の侵襲的な性質から気持ちをそらすことだ。ヘルメットの内側には使い捨ての袋があり、滅菌処理用に使われる。

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Neuralinkのロボットのボディは後部の盛り上がった組み立て部分で、そこにロボットの動作に必要なパーツがすべて収められている。第3の部品であるベースは、全体を傾かないようにするのが仕事だが、この脳ロボット本体のコンピューターの脳もそこにあるようだ。

Neuralinkはイーロン・マスク氏が設立した企業で、彼が人間の生命にとって潜在的で実存的な脅威と見ているものを軽減することを目的としている。その脅威とは、人工知能が人間より優位に立つことだ。近い将来の目標は、脳組織の損傷によって引き起こされる病状への対処を支援することだが、マスク氏は最終的に、Neuralinkが人間が高度なAIに追いつけるように遅延のない、直接指向入力を提供することによって、人間を支援できるようになることを望んでいる。

関連記事:イーロン・マスク氏が脳インターフェイスNeuralinkの技術をライブ披露、脳モニタリング装置を移植した豚を使って

カテゴリー:人工知能・AI

タグ:Neuralink イーロン・マスク / Elon Musk

画像クレジット: Woke Studio

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

イーロン・マスク氏が脳インターフェイスNeuralinkの技術をライブ披露、脳モニタリング装置を移植した豚を使って

Tesla(テスラ)やSpaceXの創業者としても知られるElon Musk(イーロン・マスク)氏が設立したNeuralink(ニューラルリンク)は、人間の脳とコンピューティングデバイス間のインターフェイスの新しい種類を開発するため、過去数年間開発を研究を進めてきた。米国時間8月28日、同社は技術のデモを提供した。マスクは氏全体のプレゼンテーションの目的はリクルートであることを表明してデモをキックオフした。資金調達やほかの類いのプロモーションではない。

「我々はお金を集めたり、ほかの何かをしようとしているわけではありませんが、主な目的は、Neuralinkで働くために来て、私たちが製品を結実させるのを助けるために偉大な人々を説得することです。それを手ごろな価格で信頼性の高いものにして、我々が開発して居るデバイスを待ち望んでいる人は誰でもその1つを持つことができるようしたい」とマスク氏。

マスク氏はNeuralinkの技術を一般的に利用できるようにしたいと考えている理由として「記憶喪失、不安、脳の損傷、うつ病、その他の病気の長いリストを含む、時間の経過とともに誰もが何らかの神経学的な問題を抱えることになるからだ」と説明した。もちろん、このようなさまざまな問題の1つの解決策として迅速かつ容易に「解決」できるという明確な証拠はないので、これを同社の合理的な最終目標として見るのは少し難しい。

この目標は野心的なものであり、倫理的、医学的な議論の対象になることは間違いないが、今回マスク氏が実際に示した技術はそうでもなかった。同氏は最初に、Neuralinkが昨年の発表以来のデザインを変更を施したことを明らかにした。物理的なデバイスのプロファイルを小さくして頭蓋骨に取り付けても完全に髪の毛の下に隠すことが可能になったのだ。彼はその大きさを示すために物理的なデバイスを手に持っていた。

続いてマスク氏は、随伴していた飼育員と一緒に近くの檻の中にいた3頭の豚に注目。3頭の豚は、1頭目は未処理で、Gertrude(ガートルード)と名付けられた2頭目には「Link」と呼ばれるNeuralinkデバイスがインストールされていた。3匹目は以前にNeuralinkデバイスがインストールされていたが、その後それが取り除かれた個体だ。

マスク氏は最初、Gertrudeに出てきてもらい、(コメディークラブにいるかのようにバーの高さのテーブルに座っていた)社会的に距離を置いた少人数の観客のためにパフォーマンスをするように説得したが苦労していた。そこでマスク氏は、Gertrudeを紹介する前にLinkを取り除いた3頭目の豚が非常に健康で普通に見えることを示した。

そしてGertrudeに戻ると、LinkがGertrudeが食べ物を探して歩き回っているときに鼻で何かに接触したことを検出したことを、マスク氏は音で再生して視覚的な動きを表示するディスプレイを見せた。

「初期のデバイスでは、約1024チャンネルの各チャンネルで読み取り、書き込みが可能で、バッテリーの持続時間は1日中。ひと晩で充電でき、かなり長い連続使用時間を実現しているので、スマートフォンに近い感覚で利用できる」とマスク氏。「これは重要なことだ。なぜならLinkはスマートフォンに接続し、その専用アプリケーションはそのスマートフォンにインストールされており、Linkは基本的にBluetooth Low Energy(低電力無線通信)であなたの頭の中のデバイスと通信するからです」と続けた。

マスク氏は、同社が7月に米国食品医薬品局(FDA)からこのBreakthrough Devices Programという自主的なプログラムへの参加を認められたこと「必要な承認とさらなる安全性試験を待って、まもなく最初のヒトへの移植に向けて準備を進めている」ことに言及し、プレゼンテーションの準備部分を締めくくった。

今回のデモで披露されたのは、豚の脳内の信号からデータを受信する読み取りデバイスに過ぎなかったが、今後は読み取りと書き込みの両方の機能を提供し、前述のような神経学的な問題に対応できるようにすることを目標としている。またマスク氏は、Linkを無事に取り除いた豚を見せたのは、よりよいバージョンが利用可能になれば、時間をかけてハードウェアをアップデートしていく計画であることを強調した。イベント最後の質疑応答で同氏は、Neuralinkはハードウェア自体のコストを最小限に抑え、現在のウェアラブルデバイスのように価格を1000ドル(約1万6000円)程度にしたいと語った。

マスク氏はプレゼンテーションの中で、NeuralinkデバイスのLinkを「小さなワイヤーで頭の中のFitbit」と呼んでいた。同氏がLinkを使って実現したいと考えているのは、Tesla(テスラ)車を呼び出す機能や、ビデオゲームのコントロールインターフェース(Starcraftの完全なコントロールを含む)が含まれる。また同氏は「将来Linkのユーザーは『記憶を保存し再生する』ことができるようになると期待している。『これはますますブラック・ミラー(Netflixなど放映中のサスペンス・ミステリー)のエピソードのように聞こえるかもしれない』」と述べた。私が思うに彼らはかなり予測が得意だと思う。同氏は「ロボットの体にメモリをダウンロードできる可能性がある」とまで言った。

最初の臨床試験では、頸髄損傷による麻痺や四肢麻痺の人を対象する計画だ。この技術の有効性と安全性をテストするために、対象となる人々の「少数」を登録する。

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画像クレジット:Neuralink

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ボーイングとNASAは無人軌道飛行の再挑戦を2020年9月に設定

Boeing(ボーイング)とNASAは、Commercial Crew(商業乗員輸送開発)計画におけるボーイングのCST-100宇宙船の定期有人飛行用としての認可取得に向けた予定を更新した。CST-100とボーイングの商業乗員輸送開発にかける強い想いは、2019年に初めての無人軌道飛行テスト中の思わぬ障害に遭遇した。ソフトウェアのエラーのために飛行予定が狂い(未訳記事)、ミッションを早々に断念。国際宇宙ステーション(ISS)まで送るという目標を達成できなかったのだ。

米国時間8月28日のNASAのブログ記事には、NASAとパートナーであるボーイングは、無人飛行テストの再挑戦を2020年12月よりも前に実施することを目指していると書かれていた。これには、完全に再利用可能なStarliner(スターライナー)CST-100が使用され、人は乗らないものの、軌道上のISSとのランデブーとドッキング、帰還、着陸の操縦、カプセルの回収といった打ち上げの際の乗員の作業を、ライブかつ完全自動のシミュレーションで行うことにしている。

2019年12月に行われた最初の軌道飛行テスト(OFT)では、同宇宙船は、計画どおりUnited Launch Alliance(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス、ULA)のAtlas V(アトラス・ファイブ)ロケットに載せられフロリダ州ケープカナベラルから打ち上げられた。ところが、ロケットから切り離された直後、宇宙船に搭載されたミッションタイマーに問題が発生した。それによりスラスターが誤作動し、燃料が浪費される事態に陥った。通信障害も発生したため、NASAはこの事故に対処できず、計画どおりにISSまで飛行するために必要な燃料を残せなかった。だが、カプセルは無事に地球に帰還し、飛行中の貴重なデータを提供してくれた。

NASAとボーイングは、その後、ボーイングのソフトウェア開発計画を包括的に見直し、さらにNASA自身も官民パートナーシップに付随する実務も再検討し、いくつもの是正処置を講じた。その審査が2020年7月に完了し、現在、NASAとボーイングは、2回目のテスト飛行に向けて活動を再開している。

ボーイングにとって、この出直しにかけるものは大きい。商業乗員輸送開発におけるNASAのもう1つのパートナーであるSpaceX(スペースエックス)には、認証プログラムに関して少なくとも1年は先を越されている。SpaceXは先日、Dragon(ドラゴン)宇宙船を使った初の有人試験ミッションを成功させ、早ければ10月には最初の有人運用ミッションを実施する予定だ。

OFT-2がボーイングの思惑どおりに進めば、Starlinerの最初の有人試験飛行は、早ければ2021年6月の打ち上げが可能となる。最初の運用ミッションは、現在は2021年12月に設定されている。もちろん、これらすべての予定は確定でない。

関連記事:Crew Dragonテスト成功でSpaceXはNASA初の有人民間宇宙飛行事業者へ

カテゴリー:宇宙

タグ:Boeing NASA

画像クレジット:Boeing

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(翻訳:金井哲夫)

アマゾンが手首装着型アクティビティトラッカー「Halo Band」とメンバーシッププログラムを発表

Amazon(アマゾン)が、Halo(ハロ)という名のまったく新しいメンバーシッププログラムを開始した。米国時間8月27日より、特別リクエストを通して早期アクセスが開始されたこのHaloサービスには、6カ月で64.99ドル(約6950円)のメンバーシップの中に、サービスそのものと新しい手首装着型アクティビティトラッカー「Amazon Halo Band」(アマゾン・ハロ・バンド)が含まれている。アマゾンは、それが一般公開されるときには、標準的な価格は99.99(約1万700円)ドルになる予定だとしている。

Haloサービスは、スマートフォンのカメラとAmazon Haloアプリだけで、体脂肪率を含む包括的な健康指標を、標準的なヘルストラッキングガジェットやアプリよりも多く提供しようとするものだ。同社は、コンピュータービジョンと機械学習における独自の先進技術を利用して、こうしたことを可能にしたと述べている。アマゾンは、アップロードされた写真を、ディープニューラルネットワークベースを使って処理することで、利用者の身体を背景から分離し、体脂肪の「ホットスポット」と呼ばれる体脂肪率を測定しやすい場所を分析して、体の3Dモデルを生成する。そこで利用者は、スライダーを使用して体脂肪率を上下に調整することで、体脂肪の増加または減少が体型にどのような影響を与えるかを確認することができる。

アマゾンによると、そのテクノロジーは医師が臨床現場で利用できるほど正確な基準を満たすことができると主張していて、その精度はスマート体重計を含むその他の家庭内手段に比べて、現在最大2倍程度正確だという。

一方、Amazon Halo Bandは小型で優美な手首装着型のデバイスで、活動量、皮膚の温度、睡眠状態(REM、浅い睡眠や深い睡眠など)などを含むその他の健康指標をキャプチャできる。デバイスは加速度計、心拍数モニター、2つのマイクを備え、耐水性がある。内蔵バッテリーは90分の充電で最長1週間持続し、スタイルを切り替えるためのさまざまなバンドアクセサリーと互換性がある。

アマゾンが活動量、睡眠、体脂肪率に加えて測定するもう1つのユニークな指標は「Tone」(トーン、声調)と呼ばれるものだ。これが、Halo Bandにマイクが搭載されている理由だ。それは利用者の声をモニタリングし、機械学習を適用して「エネルギーや積極性」などの要因を決定する。Amazonはこれによって、たとえば、「難しい仕事の電話が、家族とのコミュニケーションにおける積極性の低下につながるかどうか」といったユニークな洞察を提供できるようになると述べている。

言うまでもなく歴然とした懸念は、Amazon Haloがその洞察を引き出すために、個人データに対してこれまでにないアクセスを求めていることだ。アマゾンが集めようとしているのは、利用者の睡眠の時間帯、長さ、質についての情報や、心拍数や体温などのバイオメトリクスデータ、どこで運動するかに関する情報だ。そして、あなたの肉体構造についての非常に正確で詳細な情報までもが含まれている。言うまでもなく、利用者の声調がどのようなものであり、それが利用者のどんな心的状態を表現しているかの情報も対象だ。

同社はHaloについてのリリースの中で、HaloとBandの両者が「プライバシーを念頭に置いて」開発され、利用者のボディスキャンデータは処理が済んだ後に、保存されているサーバーから自動的に削除されると述べている。その後、それらのデータは利用者の電話内にのみローカルに保存される。同社は、利用者がそれらを共有することを選択しない限り「利用者以外誰にも見られない」という。さらに、すべての健康データは「転送中もクラウド内でも暗号化されていて」、顧客はいつでもデータを削除できるとしている。同社によれば、音声や発話のデータそのものは、電話自体でローカルに分析され、処理後すぐに削除されるため、顧客自身も含めて誰もそれらを聞くことはないという。

そうであったとしても、これはアマゾンに多くの信用と情報を提供することになる。生データは保護されているかもしれないが、収集された洞察は、たとえ匿名化されていたとしても、プロダクト提案を調整する力の点でアマゾンにより多くの価値を提供することは明らかであり、急成長しているヘルスケアビジネスなどに、さらなるチャンスを提供するだろう。とはいえ、これまでもAmazon Alexa音声アシスタントとエコシステムが、顧客の行動を思いとどまらせたようには見えないで、どれだけ多くの人が健康へのアドバイスと引き換えに、さらに多くの情報をアマゾンと共有することになるのかを見るのは興味深い。

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:sako)

在宅ギタリストに最適な多用途スマートアンプ「Positive Grid Spark」の魅力

エレキギター用のアンプは、時間をかけて最新のモバイルテクノロジーを駆使した巧妙な仕掛けを取り入れてきた。だが新しいPositive Grid Spark(ポジティブグリッドスパーク)は、その中でも最も優れたインテリジェンスと汎用性を1つのパッケージにまとめたものかもしれない。Sparkは、スタンドアロンのBluetoothスピーカーとしての機能に加えて、コンパニオンアプリから、音声コマンド、調整可能なモデリング、そしてホームレコーディングまで、初心者にもプロにも同じ機能を提供する。価格は299ドル(約3万1700円)だ。

基本情報

Positive Grid Sparkは、見かけ上は平均的なポータブル練習用アンプのように見える。長さは1フィート(約30cm)を少し超え、幅と高さは約0.5フィート(約15cm)で、重さは12ポンド(約450g)弱だ。持ち運びに使える、取り外し可能なレザーキャリングストラップが付属しており、4分1インチ(6.35mm)のギター入力、8分1インチ(3.5mm)の補助入力、オーディオギアを接続するための8分の1インチ(3.5mm)のヘッドフォンジャックを備えている。またコンピューターに接続するためのUSBオーディオインターフェイスとして利用できるUSBポートも備わっている。

Sparkには、多数のプリセットされたアンプタイプから選択を行うためのダイヤルや、ゲイン、ベース、ミッド、トレブル、マスター、モジュレーション、ディレイ、リバーブをリアルタイムに調整するための個別のダイヤルなどの、たくさんのコントロールノブが備わっている。出力ボリュームと音楽ボリュームの物理的な調整ダイヤルに加えて、プリセットを呼び出すための4つのユーザー設定可能なボタンと、オンボードチューナーやその他の機能にアクセスするためのタップ・チューナーボタンがある。

アンプには30種類のアンプモデルや、サウンドをカスタマイズすることができるノイズゲート、コンプレッサー、ディストーション、モジュレーション、ディレイ、リバーブなどの40種類のエフェクトが組み込まれている。Sparkは、ストリーミングオーディオ用のBluetooth接続も備える。ステレオサウンド用に2つの4インチ(100.5mm)スピーカーが内蔵されており、その定格は40W(ワット)だ。

機能とデザイン

Sparkの外装デザインは、普通にある多くの標準的な練習用アンプと大きく異なってはいない。しかし、それは高品質を感じさせ、グリル部分は見栄えのいいレトロな仕上がりで、使用していないときにサイドテーブルに置かれていても気にならない質感だ。合成皮革の使用は耐久性と倫理性の両方を高める役に立っている。また各調整ノブの素晴らしい真鍮の色合いが、外観の完成度を高めている。電源用の金属製スイッチと赤いLEDは、ジャムの準備ができているかどうかがひと目でわかる。またタッチボタンにも同様の明るいバックライトが採用されている。

使用していないときに取り外すことができるSparkのハンドルは、快適に機能する。アンプはまた、ゴム製の脚を備えていて、床から浮いた状態を保ち、動作中の安定性を提供する。

基本的なパフォーマンスと機能という点だけでも、Sparkは優れたアンプだ。たとえPositive Gridアプリをダウンロードせず、単純にギター、ウクレレ、その他のエレクトリックアコースティックを接続しただけでも、好きなサウンドをセットアップするために物理コントロールを使って街に出ることもできる。

だがアプリのダウンロードは必須だ。アプリをダウンロードすることで、Sparkの価値を真に拡張して、同じ価格帯、およびより高価なほぼすべてのアンプよりも優れたものにしてくれる、多くの機能を完全に活用できるようになる。

このアプリにはたくさんの機能が備わっているが、例えばPositive Gridの「スマートジャム」機能は、演奏中に演奏者のスタイルを効果的に学習し、ベーストラックとドラムトラックを自動生成して一緒に演奏することができる。これは非常にクールな機能で、単にジャムセッションをしたかったり、面白い曲を考えたいときに、一般的なバッキングや伴奏曲を探す手間を省いてくれる。

自分の曲を考えるのではなく、お気に入りの既存曲をマスターしたい場合のための、自動コード演奏機能もある。この機能はSpotify、Apple Music、YouTubeと統合されている。つまり、どの音楽サービスに加入していても同様に、再生すれば曲のギターコードがデバイス上に自動的に表示される。曲の一部でつまずいたり、練習を始めたばかりのときには、曲の速度を落としたり、特定のセクションをループしたりすることもできる。

またSparkアプリは、1万種類を超えるギターとベースのアンププリセットを提供していて、アンプハードウェアの多様性をさらに拡張してくれる。さらに、音声を使って制御できるため、たとえば仮想バンドを提供するように要求するだけで、必要に応じて機能が呼び出される。

まとめ

Positive Grid Sparkは、アンプ分野におけるユニークな製品であり、コンパニオンアプリを介して多くの拡張スマート機能を提供できる、だがもし携帯電話に煩わされることなく、単に持ち出して楽しみたい場合でも、秀逸で高度にカスタマイズ可能な製品だ。299ドル(約3万1700円)という価格で、さまざまな先進的なソフトウェア機能と、優れたBluetoothスピーカーとしての多様性が手に入ることを考慮するならば、この製品をお勧めしない理由を見つけることは難しい。

画像クレジット:Positive Grid

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(翻訳:sako)

キヤノンのWi-F搭載カメラ多数がGoogleフォトと連動、写真が自動的にバックアップされる

キヤノンとGoogleはソフトウェアでの提携を発表した。多数のキャノンのカメラで撮影された写真が自動的にGoogleフォト にバックアップされる。サポートされるカメラのリストはこちらだが、同社が近年リリースしたレンズ交換式カメラはほぼ全て含まれる。Wi-Fi 機能を内蔵するカメラの大部分がサポートされると考えてよいだろう。

自動バックアップ機能はキヤノンのAndroidとiOSのモバイルアプリを通じて動作する。アプリは最新版に更新されていることが必要だ。アプリに手持ちのカメラを登録し、撮影した写真がオリジナル画質のままGoogle フォトにアップロードされるよう設定する。カメラがWi-Fiでスマートフォンと接続したときに転送が実行される。つまり撮影した後、手動でカメラをスマートフォンやデスクトップに接続して物理的メモリーカードからGoogle フォトへの転送するという手間が必要がなくなる。

ただし利用にあたって注意すべき点がある。この機能が使えるのは有料でGoogleドライブを利用しているGoogle Oneのメンバーだけだ。この経済的負担を和らげるために(もちろんGoogle Oneは写真をバックアップできるクラウドストレージとしてもっともコストパフォーマンスが良いサービスのひとつだが)、キヤノンは1ヶ月無料で100GBのストレージをGoogle Oneに提供するとしている。

私の経験からいうとスマホ以外のいわゆる「本物のカメラ」で撮影した写真の大半はカメラのメモリや各種バックアップデバイスの中、さらにはそこらに放り出したままの無数のSDカードの中に眠ったままになってしまう。自動バックアップ機能は撮影した写真を見直す機会を増やしてくれるのは間違いない。気に入った写真を発見すればプリントアウトしたりソーシャルメディアにアップロードするなどして大切な人と思い出を共有することになるかもしれない。他のカメラメーカーもキヤノンの例にならってくれるといいと思う。.

画像:Google

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滑川海彦@Facebook

スマートさを内部に秘めたロック「Level Touch」が登場、豊富な外装仕上げでさまざまなドアと調和

ハードウェアスタートアップのLevel(レベル)は今年初めに初のプロダクトをリリースし、それに続く新たなスマートロックを発売した。オリジナルのLevel Lockはインビジブルのデザインでスマートロック界の常識を大きく覆した。あらゆる標準的なドアや既存のデッドボルト外部ハードウェアに合う。しかし新しいLevel Touchは独自のサムターンや外側のキープレートなどが付いてくるフルパッケージ商品で、新しいスマート機能が加わるなど内部もアップグレードされている。

新Level Touchは米国8月25日に発売され、同社のウェブサイトで入手できる。価格は329ドル(約3万5000円)だ。外装仕上げははサテンクローム、サテンニッケル、ポリッシュドブラス、マットブラックなどが用意されている。スマートフォンで施錠・解錠ができ、一定の範囲内での自動解錠やタッチ操作での施錠・解錠も可能だ。プログラムできるNFCベースの鍵ではオンデマンドでアクセスを許可したり無効にしたりもできる。

画像クレジット: Level Home

元Apple(アップル)従業員が手掛けたハードウェアデザインは、新プロダクトによくその特徴が表れている。外部デザインは市場に出回ってるものの中で最も滑らかで、スマートロックのようには見えない。Levelのブランド名すら入っていない。ただしデッドボルトの端にロゴがスマートに刻まれている。見栄えは素晴らしく、さまざまな仕上げオプションのおかげでどの装飾にもマッチするはずだ。

大きなキーパッドやスマート部品を収容したかさばるターナーなど、大方のスマートロックがスリーブ部分にスマート部分を持ってきているのに比べれば、かなりの改善が見られる。Levelのアプローチはというと、スマート部分をドアの中に持ってくるというLevel Lockで使ったものをベースにしている。そして、新たに静電容量に対応する表面を加えてタッチでロックを操作できる便利な機能を追加した。たとえばタッチして施錠でき、出掛ける際に本当に簡単にロックできる。また、ポケットにスマホが入っているときにタッチして解錠できるようにもセットできる。

画像クレジット: Level Home

一式には、(1つ以上の)Level Touchへアクセスできるプログラム可能なNFC搭載キーカード2枚も含まれる。カードのプログラミングは簡単で、Levelアプリに従ってスマホをタップすればいい。また必要に応じてカードへのアクセスを不可とする操作もリモートでいつでもできる。ロックにビルトインされたNFCはプログラム可能なあらゆるNFCデバイスに対応する。なのでAmazonなどで購入できる高価でないタグなど、簡単に入手できる物を使って自前で鍵を作ることもできる。

Levelによると、バッテリーにはカメラリチウム電池として標準のCR2を使用し、1年以上作動する。インストールはドライバー1本あればOKだ。また、Siri音声操作を可能にするHomeKitや、他のスマートホームオートメーション機能にも対応する。

説明にある通りに本当に機能するか、TechCrunchでは実際にLevel Touchを試すことにしているが、Levelはいかに日々の暮らしにスマートホームデバイスを統合するかを熟慮しているスタートアップだ。

画像クレジット: Level Home

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

SpaceXが2022年にMasten製の月面着陸機「XL-1」を初打ち上げへ、月の南極点へペイロード運ぶ

SpaceXは、NASAの商業月面ペイロードサービス(CLPS)プログラムの下で、NASAの打ち上げ契約を獲得した企業の1つであるMasten Space Systems(マステン・スペース・システムズ)の打ち上げパートナーとしての契約に漕ぎ着けた。Mastenの最初の月面ミッションは、すべてが計画通りに進めば2022年に実施される予定で、同社の月面着陸機であるXL-1を月の南極点まで運び、科学実験機器を含むNASAのペイロードや民間の乗客からの貨物を搭載する予定だ。

NASAのCLPSプログラムとは、民間企業や民間ベンチャー企業の顧客とプロバイダーを共有することで、最終的なコストを削減しつつ、民間宇宙企業とのパートナーシップを拡大するための取り組み。2024年までに米国人初の女性と次の米国人男性を月面に立たせることを最終目標としているNASAのアルテミス計画のための重要な役割も担っている。

Mastenの月面着陸機に搭載される科学実験機器が、月の南極に関する重要なデータを収集することで、NASAが月の南極を研究するのに役立つだろう。NASAのアルテミスIIIミッションは、月面の同じ部分に着陸することを目指している。今回のCLPSの着陸船によって得られたデータや月面に設置される機材は、将来の宇宙船の着陸の手助けとなるはずだ。

現在決定しているCLPSの下で予定されている月面着陸機ミッションは4つある。2021年6月のAstroboticのPeregrine着陸機打ち上げ、2021年10月のIntuitive Machinesの直後に続くIntuitive Machines、そして2022年12月に設定されたMastenの打ち上げ、さらには2023年にAstroboticのより大きなGriffin着陸機のVIPER打ち上げだ。Intuitive MachinesとMastenの打ち上げはSpaceXが請け負っている。一方、ロッキード・マーティンとボーイング社の合弁事業であるULA(United Launch Alliance、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)のVulcanロケットは、AstroboticのPeregrineロケットを月に運ぶことが決まっている。

画像クレジット:Masten Space Systems

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アルバム自動同期機能付きNetgearの新型15.6インチMeural WiFiフォトフレーム

ガジェット分野でのスマートフレームは、すでに斜陽の存在であるかに思われるかもしれないが、Netgear(ネットギア)の大判ネット接続式Canvas(キャンバス)シリーズの流れを汲むMeural(ミューラル)シリーズは、この分野に新しい生命を吹き込んだ。Meural WiFi Photo Frame(フォトフレーム)は15.6インチのネット接続式小型フレームだが、Canvasのものと同じ防眩TrueArt(トゥルーアート)ディスプレイ技術を採用し、紙の写真に近い美しい画像を映し出す。

Meural WiFi Photo Frameは、Meuralのスマートフォンアプリと連携してフレームに画像を送ったり、ギャラリーを作ったりできる。この新型フレームの発売にともない、Netgearは数多くの機能の更新を行った。その中には、Meuralフレームとのアルバムの同期機能がある。お気に入りのアルバムを、フレームとスマートフォンとの両方で、常に最新の状態に保つことができるのだ。

また、1日の特定の時間に写真を入れ替えるアルバムのスケジューリングやプレイリストの設定もできる。家族や友人にアルバムの提供を求めることも可能で、例えば祖父母の家にあるフレームに表示される孫の写真を、常に最新のものに置き換えることなどが可能になる。これらの写真のスマート更新機能は、21インチと27インチのMural Canvas IIでも利用できる。すでにこれらの機器を持っている人には、うれしいニュースだ。

画像クレジット:Meural

さらにMeural WiFi Photo Frameは、iPhoneで撮影したiOSのLive Photosと、15秒までの短い動画にも対応する。これまでMeuralのフレームは、静止画かGIFアニメのみの対応だった。

この新しいフォトフレームには、環境光センサーが搭載されている他、写真の細かい情報を見たり、スライドショーの写真を切り替えるためのジェスチャー機能もある。スタンド内蔵なので、壁から外すことができ、縦にも横にも置ける。向きを変えたときは写真の表示方向も自動的に切り替わる。さらに縦にしたときは縦位置、横にしたときは横位置の写真が、自動的に選ばれて表示される。

WiFi Photo Frameは、Netgearのデジタルアートパッケージのサブスクリプションとも連携している。また、サブスクリプションプランに契約しなくても、本体に100点の無料アートワークが含まれている。共有や同期など、個人の写真に関連する機能はすべて無料で利用できるため、サブスクリプションは不要だ。

このフォトフレームはNetgearのオンラインストアか提携小売店で購入できる。価格は299.95ドル(約3万2000円)だ。

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Netgear

画像クレジット:Meural

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(翻訳:金井哲夫)

Kymetaがビル・ゲイツ氏らから約90億円の資金調達、衛星携帯アンテナ技術の開発を加速

グローバルコミュニケーションのスタートアップのKymetaは、Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏が率いる新たな資金調達ラウンドで8520万ドル(約90億円)を調達した。Redmond(レッドモンド)に拠点を置く同社は、衛星や携帯電話の接続信号強度を大幅に向上させるスマートかつ電力を供給する新しいタイプのフラットパネルアンテナを開発した。

Kymetaの新たな資金調達は新製品開発の支援と、その技術の商業化を加速させることを目的としている。2015年のデビュー以来、同社はその技術を製品化し、特に防衛やモビリティ、公安などの業界で数多くの顧客を獲得した。

Kymetaの技術は電子的に制御されており可動部品を必要としないため、特に航空機や船舶といった機体や船体の外側に衛星アンテナを取り付けるのに適さない、あるいは不可能な輸送手段において、従来の衛星受信アンテナよりも大きな利点がある。

Kymetaの技術はまた、近い将来にオンライン化される新世代の地球低軌道通信衛星コンステレーションとの連携においても、大きな潜在的利点を持っている。フラットパネルアンテナの動的な性質のため、Kymetaはこれらの衛星との接続を維持する際に位置を追跡および調整できる。これは従来の衛星インターネットネットワークのバックボーンを形成する大型の固定位置静止通信衛星との接続を維持する場合に比べて、より柔軟性が必要となるからだ。

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Kymeta Bill Gates 資金調達

画像クレジット:Kymeta

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ついに登場した自由な位置に置けるワイヤレス充電器、NomadのBase Station Proをレビュー

アクセサリーメーカーのNomad(ノマド)は、優れた品質の素材と職人技を使い、iOSおよびAndroidデバイス向けに、優れたアクセサリーを提供してきた長い歴史を持っている。このたび同社が、ワイヤレス充電技術のスタートアップAira(アイラ)と提携し、自由位置でのワイヤレス充電を可能にするFreePowerテクノロジーを用いたプレミアプロダクトをデビューさせた。Nomadのこの新しいBase Station Proは229ドル(約2万4400円)は、AiraのFreePowerテクノロジーを搭載した初めての製品である。私はこの1週間で、それがどのように機能するかを確認する機会を得た。

基本情報

NomadのBase Station Proは、最大3台のデバイスを同時に充電できるワイヤレス充電パッドだ。最新のiPhoneモデルや、ほとんどの最新のAndroidスマートフォン、AirPods Proやその他のヘッドフォンなどの多数のアクセサリを含む、すべてのQi対応デバイスで動作する。多くの点で、Apple(アップル)が一度発表したものの、その後キャンセルしたAirPowerマルチデバイス充電器に非常に似ているが、Apple Watchは独自のワイヤレス充電技術を採用しているので、今回の製品では充電することができない。

画像クレジット:Darrell Etherington

Nomad Base Station Proは、長さ9インチ(約23cm)弱、幅は約5.5インチ(約14cm)で、厚さは0.5インチ(約1.3cm)未満だ。印象的なのか内部に18個のコイルがあるため、高い柔軟性を提供している点だ。前述のように、最大3つのデバイスの同時充電をサポートすることが可能で、現在いくつのデバイスが充電中なのかは、側面の3灯のLEDインジケーターで確認することができる。Nomadは本製品にUSB-C-USB-Cケーブルを1本と、それに接続するための30WのUSB-C PD電源アダプターを同梱している。

世の中には多くのマルチデバイスワイヤレス充電器があるが(Nomadもいくつか提供している)、AiraのFreePowerテクノロジーがもたらす真のメリットは、実際に複数のデバイスをパッド上にどのような向きに置いても、自動的に充電できることだ。ほとんどのQi充電器は、充電器内部の1つまたは複数のコイルに対する特定の範囲内に、デバイスを置く必要がある。そして少しでも置き場所がずれると、デバイスが充電されなかったり充電プロセスの効率が大幅に低下してしまう。

デザインとパフォーマンス

Nomad Base Station Proは他のほとんどのワイヤレス充電器よりも大きいが、その表面はすべて使用可能な領域だ。また、Nomad製品の特徴でもあるダークメタルとレザーによる仕上げは、魅力的で実用的だ。単一ケーブルデザインの採用によって、この製品は、雑然とケーブルや複数のUSBアダプターなどを使うよりも、はるかにすっきりとした物理的に魅力的な充電ソリューションになっている。

内部では、AiraのテクノロジーがNomad Base Station Proの心臓部である。充電器内には18個のオーバーラップしたコイルが内蔵されていて、回路基板上には、自由位置での充電を可能にするスマートさを実現するためのコントローラーたちが置かれている。基本的にAiraのテクノロジーは、パッド上に置かれたデバイスが受け入れることができる充電の種類を自動的に検出し、必要な電気をその方向に誘導し、デバイスの内蔵充電コイルとBase Station Pro内にあるコイルアレイの間の磁場を、理想的な電力供給のために最適化する。

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テストしてみたところ、製品は宣伝どおりに機能しパッド上のどの方向やどの場所に置いても、私のiPhone XS Pro Maxを検出した(もちろん、電話側のコイルがパッド上に位置していた場合の話だ)。2台目のiPhoneや、AirPods Pro、Qi対応の充電ケースを使うまた別のイヤホンを追加しても同様に機能した。iPhoneをパッドの表面に沿って移動させることもできて、磁気フィールドはデバイスを見失うことなく充電が続く。

これは魔法のように感じられるが、皮肉なことにこれは、従来のワイヤレス充電器を実際に使う前に私がワイヤレス充電について抱いていたイメージと同じものなのだ。現在の標準的なQiベースの充電は、多少便利ではあるが基本的には固定ドックのようなものだ。ところがAiraのFreePowerテクノロジーは、無造作に置いたデバイスを確実に充電することができる。

まとめ

この技術には注意すべき点がいくつかある。第1に、本製品は公式にはQi認定されていない。だがその理由は、同社の説明によれば、単純に自由位置充電に対する標準が存在しないからだ。彼らは、互換性や熱管理といったQi標準に準拠していることを確認するために、広範なテストを実施しており、またAiraはQi標準を所有し管理しているWireless Power Consortium(WPC)と協力して、自由位置充電をカバーする標準を作成している最中だ。

いずれにせよ私のテストでは問題なく動作し、パッド上のどこにでも配置できる便利さとともに、Qi対応デバイスを確実に充電している。それは大したことではないように思えるかもしれないが、エクスペリエンスは大幅に向上する。これに3台同時充電が加わることで、NomadのBase Station Proはやや高価ではあるが並ぶもののないユニークな存在となる。

一方Airaは、コンシューマー市場および商用市場の多数のパートナーに同社のテクノロジーを提供することなども含んで、FreePowerに対する大きな計画を描いている。例えば、どこでも充電可能なコーヒーショップのカウンターや、充電可能なダッシュボードを備えた車などが、どれほどうまく実現できるかは容易に想像できる。同社は大きな計画を立てているが、今回の製品が何らかの前触れであるとするなら、やがてそれは消費者の日常に大きな利点がもたらされることにつながるだろう。

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(翻訳:sako)