あらゆる年齢の子供たちにお金に関する知識を与えるGoalsetterが4億円のシード資金獲得

Goalsetterは両親が子供たちに金融リテラシーを教えるのを助けるプラットフォームだ。同社は米国時間1月25日、Astiaがリードするシードラウンドで390万ドル(約4億円)を調達したと発表した。

投資企業にはPNC Bank、Mastercard US Bank、Northwestern Mutual Future Ventures、Elevate Capital、Portfolia’s First Step and Rising America Fund、Pipeline Angelsが含まれる。また元メジャーリーグ投手のCC Sabathia(CC・サバシア)、その妻であるAmber Sabathia(アンバー・サバシア)氏らが個人投資家として参加している。

Goalsetterは2019年に創業され、アクセラレーターのEntrepreneurs Roundtableに加わった。ファウンダーは2001年のバブル崩壊で100万ドル(約1億円)以上を失ったTanya Court(ターニャ・コート)氏だ。このプラットフォームは、あらゆる年齢の子供たちに金融リテラシーを教え、経済の仕組み、用語、健全な資産管理の原則を学ぶのを助けるようとしている。

子供向け番組を専門とするNickelodeon(ニコロデオン)やスポーツ番組のESPNに長期間勤務した経験から、コート氏は子供たちの学習の仕組みや集中力を維持する方法をよく理解している。コート氏は、子供たちが資産を守り、増やす方法を知らないままでいることが絶対ないようにしようと誓った。

このアプリでは、両親はアプリを通してお小遣いを子供たちに渡すことができる。またアプリ内で問題を出し、子供たちが正解するたびに所定の報奨金を支払うこともできる。家族や友人がギフトカードの代わりに「ゴールカード」をプレゼントするできる。これは子供たちが将来のために貯金する習慣を作るために役立つ。

同社は最近、子供向けデビットカードを導入した。このカードは親が使用方法を管理できる。またアプリ内で出された金融リテラシークイズに正解するまで利用をロックすることもできる。

コート氏によれば、ユーザー家族はアプリ内で月平均120ドル(約1万2500円)を貯金しており、2020年1年間で1万ドル(約100万円)以上貯金した家族も2つあったという。

同社はBlack History Month(黒人歴史月間)である来週、大規模なキャンペーンを開始する。これは金融教育を通じてアフリカ系などの子供たちに見られる富のギャップを埋めることが目的だ。コート氏はこう述べた。

子供たちに渡すお小遣いを、デビットカードにするのは非常に良いことです。これはお金の使い方の第一歩を学ぶのに役立つでしょう。しかし資産の形成、運用方法を学ぶことはまったく別のことです。たとえば普通預金口座に貯金するのと投資勘定口座、CD(譲渡性預金証書)、ミューチュアルファンド(投資信託)などに資金を入れることの違い、またそれぞれの口座の特徴を学ぶのは非常に重要です。Goalsetterは子供たちに金利とは何か、複利とは何かなど資産運用の基礎となる概念を教えています。子供たちにお金の使い方を教えるだけでは不十分なのです。私たちが重視しているのは金融教育です。

Goalsetterは2019年に210万ドル(約2億2000万円)を調達しており、今回のシードラウンドで合計600万ドル(約6億2000万円)を調達したことになる。このラウンドは目標額を上回る投資を受けており、コート氏は投資家を選択するできる機会を得た。コート氏はこう述べている。

私たちの投資家全員が4月のデモ行進の前に、社会正義、多様性、インクルージョンのイニシアチブへのコミットメントを明らかにしていました。これは本当に重要なことでした。投資の申し込みが予定の枠を上回ったため私たちは投資家を選ぶことができました。招待した投資家は全員が2019年、2018年、2017年にこのようなイニシアチブに投資している人々でした。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Goalsetter資金調達

画像クレジット:Goalsetter

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

高校・大学eスポーツのPlayVSがGameSetaを買収してカナダ進出を加速、一般リーグも計画

高校や大学にeスポーツの組織的なリーグを提供するPlayVSは米国時間1月21日、初の買収を発表した。これまでに1億ドル(約104億円)以上を調達している同社は、バンクーバーに拠点を置くスタートアップで、同じように高校のeスポーツチームにインフラを提供することを目指しているGameSetaを買収した。買収の条件は明らかにされていない。

今回の買収により、PlayVSは成長期を加速させ、カナダ市場への進出を後押しすることになる。GameSetaは、ブリティッシュコロンビア州の学校スポーツの運営組織であるBC School Sportsと提携しており、これはPlayVSに移管されることになる。

PlayVSは、米国で全米州立高校協会(NFHS、全米大学体育協会の高校版)と同様の(そして独占的な)パートナーシップを結んでいる。また、同社は大学市場にも進出しており、PlayVSとEpic Gamesのパートナーシップの一環として大学向け商品を立ち上げている。大学向けリーグを開始して以来、プレイヤーの総数は460%増加しているという。また、高校や大学向けに90万ドル(約9300万円)の奨学金制度も新たに立ち上げた。

2018年の初めにDelane Parnell(ディレ―ン・パーネル)氏によって設立されたPlayVSは、学校のスポーツ団体やパブリッシャーとのパートナーシップを介し、急速に成長してきた。PlayVSが提供するタイトルには「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」「Rocket League(ロケットリーグ)」「SMITE」「Overwatch(オーバーウォッチ)」「Fortnite(フォートナイト)」「FIFA 21」「Madden NFL 21」などが含まれている。PlayVSは、全米50州で1万9000校以上の高校にサービスを提供してきた。また、23万人以上の登録ユーザー数を誇っている。

PlayVSは、学校がeスポーツチームを作り、他の学校と競うためのポータルとして機能している。バスケットボールや野球のような伝統的なスポーツはリーグスケジュール、プレーオフ、審判などを組織するシステム(および統治組織)が確立されている。PlayVSは、eスポーツのための組織システムであり、その統治機関として位置づけられている。

PlayVS はこれらのリーグを実施するだけでなく、大学やeスポーツ組織がゲームを見たり、個々のプレイヤーのメトリクスを追跡することを実現して、切望されていたスカウティングツールを提供している。

今回の買収の一環として、GameSetaのTawanda Masawi(タワンダ・マサウィ)氏とRana Taj(ラナ・タージ)がPlayVSチームに加わり、カナダの事業をリードする。

地理的な拡大と並行して、PlayVS は高校や大学以外にも、消費者向けのDTC商品の発売を計画しているという。

「当社はこれから、直接パブリッシャーと提携して消費者向けの商品をいくつか発売し、PlayVSのエコシステムをオープンにして、高校など学校との関係を問わず、人々が大会を開催したり参加したりできるようにしたいと考えています」とパーネル氏は述べている。「私たちはこれにとても興奮しています。市場では一般的に、エンターテインメントやコンテンツとしてのゲームへの欲求が非常に高くなっています。明らかに、プレイヤーのみなさんはeスポーツをコンテンツの一形態として、またスポーツに参加するための方法としてとらえ本当にワクワクしていますので、PlayVSが人々にとってより広く競い合える場になるようにしたいと思っています」。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:PlayVS買収

原文へ

(翻訳:Nakazato)

がん患者と介護者、がんサバイバーのためのプラットフォームAlulaが2.3億円調達

米国国立がん研究所によれば、米国だけで毎年約180万人ががんと診断されているという。患者の友人、家族、愛する人やこの病気の影響を受けた人たちの中にはは心を乱す者もあるだろう。

Liya Shuster-Bier(リヤ・シュスター=ビエル)氏はこの苦しみを心から理解している。母親が早期乳がんと診断された後、彼女自身も希少な非ホジキンリンパ腫と診断され、立場が介護者から患者、サバイバーへと移り変わっていったのだ。その経験は彼女を、がんと闘う人々のためのプラットフォームであるAlula(アリュラ)の立ち上げに向かわせた。プラットフォームは米国時間1月11日正式にローンチを果たした。

ローンチと並行して、Alulaは220万ドル(約2億3000万円)のシード資金調達を行ったことを発表した。ラウンドに参加したのはBBG Ventures、Metrodora Ventures、Thrive Capital、Village Global、Homebrew、Shrug Capital、Basement Ventures、Company Ventures、K5 Global、K50 Ventures、そして何人かのエンジェルたちだ。

がんやがん治療の影響を受けた人の数が非常に多いにもかかわらず、何が期待されているのかを理解するために役立つリソースはあまり多くない。

「多くの人たちが、おすすめの製品や、治療のためにお金を集める方法、自分が治療を受けていることを人や上司に伝える方法を知ろうとインターネットの上に散在した情報を探しています」と、シュスター=ビエル氏はいう。「1つの場所に集まっているわけではなく、きちんと真っ当に整理されているわけでもありません。誰を信用していいのかの判断が難しい状態です」。

Alulaは、シュスター=ビエル氏の言葉を借りるなら、ユーザーが治療中に経験するであろうすべてのことに備えて、きちんと真っ当なアプローチをとる、複数のテーマを扱うプラットフォームだ。そこに含まれるのは、治療プロセスに対処するために必要な製品、支援を調整するためのコミュニケーションツール、患者の生活を勇気づけ、サポートするためのコンテンツだ。

シュスター=ビエル氏によれば、たとえば彼女の腫瘍専門医や主治医は、治療の結果起こること(髪の毛が抜けるなど)に対する説明はしてくれたが、カツラを買うための良い場所を教えることはできなかったのだという。そこでAlulaは、患者によって推奨され、医療専門家の諮問委員会によるガイドラインに沿った製品を売るためのマーケットプレイスを構築した。そこには、個々の患者が受けている治療の種類によって分類された、個人別の記録や「がんサバイバルキット」も含まれている。

また、Alulaはユーザーにコミュニケーションツールも提供している。多くの人は、がん診断のニュースを友人や家族と共有するために電子メールを利用している。それは普通の人にとって、それまでに書いたことがないような難しい電子メールとなると同社はいう。そこでAlulaは、そのプロセスをカスタマイズ可能なテンプレートを使ってガイドするのだ。また、Alulaは、治療への移動手段をコーディネートしたり、治療時に患者に付き合う人を調整するための、共有可能な治療カレンダーも提供している。

画像クレジット:Alula

忘れてはならない真実は、がんの旅に決して終わりはないということだ。常に出てくる新しいことに対して、準備して理解しなければならない。

「私は後遺症が持続し、新しいものが出てくることに驚かされ続けています」とシュスター=ビエル氏は説明する。「現在は32歳という若さで、薬による更年期障害に悩まされています。つい最近、胸と背中の放射線線維症だと診断されたばかりです。放射線の影響で筋肉が硬くなっているのですが、必要な化学療法薬の1つが心毒性であるため、心臓病専門医を受診しています」。

これに対応するために同社では、患者や介護者が困難なプロセスをこなすことを助けるための、コンテンツライブラリを構築している。この種の情報は通常、治療中の他のがん患者との会話からしか得られないものだが、Alulaはそのコンテンツを一元化し、ユーザーのために整理しようとしている。

現在、そのビジネスモデルは市場からのアフィリエイト収入に焦点を当てているが、シュスター=ビエル氏は、Alulaが小売できる商品の卸売購入を始めようとしていると説明する。

米国時間1月11日、シュスター=ビエル氏はAlulaのローンチだけでなく、がん3周年と2年近くの小康状態を祝っている。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Alulaがん資金調達

画像クレジット:Alula

原文へ

(翻訳:sako)

韓国の不動産物件情報をデジタル化・集約表示するDongnaeが約4.2億円調達

パンデミックによりほとんどの時間を1カ所で過ごすことを余儀なくされているにもかかわらず、不動産テックは好調だ。それも米国でだけではない。

Dongnae(トンネ)は韓国の不動産賃貸・売買マーケットのデジタル化に挑んでいる。同社は410万ドル(約4億2000万円)のシードラウンドのクローズを発表した。本ラウンドはFlybridgeとMetaPropがリードし、Goodwater CapitalやMaple VC、そして韓国と米国のさまざまな戦略的エンジェル投資家が参加した。今回のラウンドによりDongnaehの累計調達額は480万ドル(約5億円)になる。

Dongnaeは韓国生まれ、ニュージャージー育ちのMatthew Shampine(マシュー・シャンパイン)氏によって設立された。WeWork Labsを運営しながら、シャンパイン氏はアジア、特にコワーキング大企業の部門を設立するために韓国に駐在した。何回も転居し、同氏はかなり細分化された韓国の不動産マーケットに巨大な穴を見つけた。

Dongnaeは米国のRedfin(レッドフィン)にかなり似ている。買い手と借り手に新しい家探しのための集約された場所を提供している。現在、Dongnaeは韓国初の真のMLS(不動産情報システム)を構築するために同国の何千ものブローカーと提携していて、買い手側または借り手側にのみ物件を表示する。

いくつか重要な事情がある。韓国の不動産マーケットは米国のものと大きく異なる。まず、ほとんどの建物の1階には小売スペースがあり、建物にはそれぞれブローカーが付いている。つまり、限られた数の不動産だけを扱う何千人ものブローカーが韓国には存在することを意味する。実際、韓国よりもかなり人口の多い米国と同じだけのブローカーが韓国にはいる、とシャンパイン氏は話す。

2つめに、ブローカー業界全体が細分化されているために、取り扱い可能な全物件をまとめている真のMLS(マルティプルリスティングサービス)が韓国には存在しないことだ。借り手や買い手は何十人ものブローカーにあたらなければならず、通常オンラインで写真を閲覧するのではなく、実際に物件を見に行かなければならない。このシステムではブローカーが往々にして買い手・借り手サイドと売り手サイド両方の代理人を務めることになり、つまり買い手側にとって一番良い状態で交渉することにはならない。

Dongnaeは扱われている全物件を1カ所に集約するのにブローカーと提携していて、物件をブラウズできるインターフェースを買い手や借り手に提供している。実際、DongnaeではTinderのようなエクスペリエンスとなる。理想とする物件、最終的にぴったりとくる物件を探すために左右にスワイプできる。

Airbnbと違ってDongnaeは煩雑な作業をこなしている。4Kの写真を撮り、各写真にデジタルウォーターマークを入れ、それをブローカーに渡したりしながら各物件のデジタル一覧を構築し、Dongnaeに掲載している。

「必ずしもフランチャイズではなく、かなり提携に近いものです」とシャンパイン氏は話した。

Dongnaeは、他のブローカー同様に買い手側から手数料を徴収することで収益を上げている。韓国では手数料は約8%だ。Dongnaeのチームは25人で、男女の割合はほぼ半々とかなり多様性がある。

カテゴリー:その他
タグ:Dongnae韓国不動産テック資金調達

画像クレジット:Dongnae

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

寄付やボランティアなど現在の社会に対して行うべき活動を教えてくれるプラットフォームactionable

前回の米大統領選挙が行われ、世界がまるで異次元になったかのように思われた2016年、Jordan Hewson(ジョーダン・ヒューソン)氏はSpeakable(スピーカブル)というプラットフォームを立ち上げた。そこでは、ニュース記事の読者が、気になった課題や問題点に対してニュースを読んでいるその場で行動が起こすことができる。同社はパブリッシャーやNGOと提携して、パブリッシャーのサイトに「アクションボタン」を設けた。

そして現在、気になる課題に対して人々はずっと積極的になった。そこでヒューソン氏は、actionable(アクショナブル)という新製品を立ち上げることにした。数十種類の課題にわたり行動が割り当てられた、行動のライブラリーだ。最も気になる問題に対して自分に何ができるかを、ハッキリと提示してくれる。

このプラットフォームでは寄付も行動の1つだが、他の行動も紹介している。例えばボランティア、地元議員との接触、嘆願書への署名などだ。

「私たちは2016年の選挙の前に設立されました」とヒューソン氏。「Speakableは、簡単に行動が起こせなければ人は行動しない、という仮説に基づいています。しかし、政治的にも社会的にも、本当にたくさんの変化がありました。今この現状を打開するために自分に何ができるかを、人々は本気になって探しています。そこで私たちは、やるべきことが積極的に探せて、コミュニティ体験を深めることができるプラットフォームをユーザーに提供したいと心底思ったのです」。

同プラットフォームが扱う問題点は教育、平等の権利、環境、健康、移民、政治、貧困、人種間の平等など数多い。1つの問題をクリックすると、それに対して取ることができる行動が寄付、ボランティア、嘆願書の署名といったタイプごとに示される。またここは、各団体の活動内容を掘り下げて、資源がどのように使われているかが明確にわかるようにもしている。

Speakableがオープンした当時、急いで規模を拡大する目的でサービスを無料提供していた。現在は、このプラットフォームを通じて行われた寄付に対して、3%の手数料を徴収している。しかしヒューソン氏は、それを同社の主要な収入源とは考えていない。

むしろSpeakableでは、提携ブランドがアクションボタンのスポンサーとなり、それぞれの目標に沿った取り組みに役立てている。キャンペーンやスポンサーと、特定の問題に取り組む地元議員につながる能力とのマッチングというかたちをとり、提携ブランドに代わってキャンペーンや運動の拡大を図ることで、Speakableともどもパブリッシャーにも新たな収入源をもたらすとヒューソン氏は説明している。

同社は現在、米国で活動するおよそ90社のパブリッシャーと提携し、APIを介して、すべての非営利団体の登録を目指している。

おもしろいことにactionableは、プラットフォーム内での非営利団体のランク付けやキュレーションはあまり行っていない。非営利団体に対して中立的な立場を保つためだとヒューソン氏はいう。

Speakableは設立以来250万ドル(約2億6000万円)の資金を調達した。これまでに1000万件の活動を支援しているが、その大半は2020年に始まったものであり、今年は520万件の活動が実施された。実際、つい先週もSpeakableは、朝の情報番組「Today」でフードバンクの非営利団体Feeding America(フィーディング・アメリカ)への寄付を、たった1日で130万ドル(約1億3500万円)以上集めた。

同社のスタッフはおよそ15名。女性創設者のこの企業で働く60%が女性。20%は有色人種、10%はLGBTQ+となっている。

関連記事:ニュース(など)を読んだ人がそれに対してアクションを起こせるSpeakableのAction Button、すでにハフポなどが利用

カテゴリー:ネットサービス
タグ:actionableチャリティープラットフォーム

画像クレジット:Actionable

原文へ

(翻訳:金井哲夫)

Momboxはママ・ファーストの厳選された出産後ケア製品キット

ベンチャー投資企業General CatalystのPeter Boyce(ピーター・ボイス)氏は、企業創設者を見極めるときに最も重視する点は、その人が解決しようとしている問題に個人的なつながりを持っているかどうかだと話していた。Kate Westervelt(ケイト・ウェスターベルト)氏は、そんな企業創設者の1人だ。

ウェスターベルト氏は、子どもではなく母親に強く特化して厳選した出産後ケア用製品のキットを提供するMombox(マムボックス)の創設者。同社は先日、WayfundとTBD Angels、さらにFacebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Uber、Drizlyといった団体に属する裕福な個人投資家が主導するエンジェルラウンドで50万ドル(約5200万円)をクローズした。

ウェスターベルト氏は、最初の子どもを出産した直後、特に新生児を抱っこした状態で、産後の体の回復のために欲しい製品を探し回るのが困難であることを実感し、Momboxのアイデアを思いついた。

画像クレジット:Mombox

標準的なMomboxには、オーガニックの夜用パッド、ペリボトル、会陰アイスパック、マタニティーショーツ、その他の心と体を癒すケア製品が入っている。Momboxには他にも、帝王切開ボックスやDeluxe Momboxがある。

現在のところ、Momboxは単品販売のキットだが(ウェスターベルト氏によれば、ほとんどが出産祝いとして売れているという)、同社はキットのサブスクリプション、コンテンツ、プラットフォームなどを含む製品を構築して、産後1年間に求められるサービスの提供者とママとをつなぐ計画を立てている。ウェスターベルト氏は、これを24 / 7ポケットコンシェルジュと呼んでいる。新生児の母親が、授乳コンサルタント、骨盤底療法士、夫婦療法士、その他、出産1年以内に必要とされる人たちとつながりを作り、いつでも相談ができるようにするものだ。

「産後の回復期間は6〜8週間とする神話が、男性が支配する医療と母体健康管理コミュニティによって作り上げられました」とウェスターベルト氏。「実際は、母親の体は思春期とよく似たマトレセンス(Psychology Today記事)と呼ばれる母親への移行期を経て、肉体とホルモンとアイデンティティが変化します。これには少なくとも12カ月かかります」。

さらに彼女は、出産後に医師の診療が1回あるだけで、後は母親が自力で乗り越えなければならないと話す。Momboxは、母になった最初の12カ月間を母親に寄り添うことを目指している。ゆくゆくは母乳か人工栄養か、自宅で育児ができるか、仕事場に行かなくてはならないかなど、個々の母親の状況に合わせてMomboxのエクスペリエンスをパーソナライズしたい考えだ。

「最大の課題は、どんなときも子どもが第一と語られてしまうことです」とウェスターベルト氏はいう。「母親には、自らの健康を犠牲にしてでも新生児のために苦難を耐え抜く覚悟があります。課題は、母親に自分が中心なのだと理解させることです。自分が大丈夫なら、赤ちゃんも大丈夫なのです」。

ウェスターベルト氏は、家具と日用品のオンライショップであるWayfairが発行するLifestyle誌の編集者、ビーガン食品ブランドPurple Carrotのコンテンツ戦略ディレクターを経てMomboxを立ち上げ、現在まで自己資金でやってきた(従業員も自分1人)。現在までにMomboxがマーケティングに使った資金は0ドル。収益は、創業以来、口コミだけで前年比100%の成長を果たしている。

ウェスターベルト氏は、今回調達した資金を使って、人材を雇い入れて、収益倍増と、同氏が思い描く完全なサービスが提供できるプラットフォームの構築を目指した新しいマーケティング戦略を試す予定だ。

カテゴリー:フェムテック
タグ:Mombox資金調達

画像クレジット:mombox

原文へ

(翻訳:金井哲夫)

プライマリ・ケアと救急医療の差を埋める動物病院Bond Vetが約17億円調達

ニューヨークのテクノロジー指向の動物病院Bond Vetが、シリーズAで1700万ドル(約17億8000万円)の資金を調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのは、Talisman Capital Partnersだ。

同社の診療所はニューヨーク市内に複数あり、動物の救急医療とプライマリ・ケアの間にあるギャップを埋めようとしている。そのために同社は、CityMDをお手本にしている。最近の新しい動物病院と違ってBondは、会員でなくても予約できる。飼い主は直接来院してもいいし、ウェブサイトやモバイルアプリから予約してもよい。

同社は、緊急医療とプライマリ・ケアの両方を提供する。また、定期的な予防注射や健康診断もする。

Bondは診療所の設計も独特で、床の摩擦係数を高くして子犬が滑らないようにしている。また診察台は、処置や検査の間に飼い主が毛むくじゃらのお友だちを、状況によっては近づいて見られるようにしている。

同社はバックエンドにテクノロジーを導入して、獣医や看護師が効率的に仕事ができるようにしている。たとえば従来のように看護師がメモやノートを書かなくてもよい。雑用をなるべくなくして、患者に集中できる時間を増やしている。

Bondにはリモート診療のサービスもあり、飼い主は予約する前や後にテキストメッセージで状態を伝えることもできる。場合によっては予約が不要になり、リモートのままで問題が解決することもある。

共同創業者でCEOのMo Punjani(モ・パンジャニ)氏の説明では、Bond Vetが実現した高い効率性により、顧客の費用負担も小さくなっている。プライマリ・ケアは他の動物病院とほぼ同等だが、救急医療は従来の救急動物病院と比べて非常に安価だ。

American Pet Products Associationの予測によると、ペットへの支出は来年1000億ドル(約10兆4570億円)を超える。ミレニアル世代は、これまでの世代と比べて動物のために高品質な製品やサービスを望むからだ。ペット関連のスタートアップはその波に乗ろうとしている。Bond Vetもその1つだ。

Bond Vetの社員は現在、診療所と本社を合わせて約100名、その80%が女性だ。

2019年の6月に創業したBondは、これまで1万5000頭ほどのペットを診てきた。今回の資金はテクノロジー部分のさらなる充実と、郊外方面への診療所の増設に使われる予定だ。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Bond Vet資金調達

画像クレジット:Bond Vet

原文へ

(翻訳:iwatan.k.a. hiwa

GitHubやSlackで使えるリモートワーク効率化ツールのFridayが2.2億円調達

リモートワークを効率的なものにしようとしているアプリFriday(フライデー)は、Bessemer Venture Partnersがリードした210万ドル(約2億2000万円)のシードラウンドのクローズを発表した。本ラウンドにはActive Capital、Underscore、El Cap Holdings、TLC Collective、New York Venture Partnersも参加した。

Luke Thomas(ルーク・トーマス)氏が興したFridayはGitHub、Trello、Asana、Slackなどチームが使用するアプリで使えるツールだ。チームのメンバーが必要な情報を必要な時に表面に出し、他のメンバーが取り組んでいることのトップにその情報をキープする。

FridayはDaily Planner機能を提供していて、ユーザーはその日の予定を組み、他の人とその情報を共有できる。また、ユーザーがルーティーンワークのアップデートをカスタマイズしたり自動化したりできるWork Routines機能もある。例えばSlackやGoogle Hangouts経由の毎週のアップデートや日々のミーティングはFridayアプリで行うことが可能で、わざわざ設定する時間、アップデートのメモ、Slackからの情報コピーといった手間をなくす。

Fridayではまた、ユーザーの日々あるいは週の目標が会社の達成すべき目標に沿うよう、組織やチームで共有する目標を設定できる。

加えて、Fridayユーザーはミーティングに費やした時間やチームの士気、生産性をプラットフォームの分析ダッシュボードで追跡できる。

Fridayは永年無料モデルとなっている。つまり個人ユーザーそして組織すらも好きなだけこのアプリを無料で利用できる。ゴールや分析といった機能、そして過去3週間の履歴確認など、より高度な機能は1人あたり月額6ドル(約630円)で利用可能だ。

Fridayにとって最大のハードルは、人々がFridayはAsanaやTrelloと競合していると勝手に思い込むことだった、とトーマス氏は話す。実際はまったく逆で、Fridayはあらゆる情報を1カ所に集約するそうしたプロダクトのトップレイヤーだ。

「最大の問題は、当社が玉石混交の分野にいることです」とトーマス氏は話した。「Zoom(ズーム)や他のビデオ会議ツールの表面にくるレイヤーにすぎないのにリモートワークツールだと称するツールがたくさんあります。良い意味で、そして前向きな意味でこの分野にはかなりの関心が寄せられていますが、それは混戦状態をくぐり抜けるために当社が一層努力しなければならないことを意味します」。

Fridayチームはまだ小さい。フルタイムで働くスタッフが4人だ。シードラウンドで得た資金を元にチームの規模を2倍にしたい、とトーマス氏は話す。同氏はチームのダイバーシティについての詳細を明らかにすることは却下した。

2020年初めにベータを立ち上げて以降、FridayはTwitter、LinkedIn、Quizlet、Red Hat、EAといった組織の従業員に使用されている、と話している。

今回のシードラウンドでFridayの累計調達額は250万ドル(約2億6000万円)になった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Friday資金調達

画像クレジット:Friday

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

業務用電話システムをアプリへと統合するOpenPhoneが14.6億円を調達

コミュニケーションツールは急速に進化していて、私たちは、個人生活のためのあらゆるソーシャルメディアを手にしている。Slack(スラック)は同僚とのチャットに使えるし、Discord(ディスコード)はゲームその他のコミュニケーション用だ。もし誰かと(ほぼ)目を合わせたければ、Zoom(ズーム)やFaceTime(フェイスタイム)がある。

しかし業務用電話機は、ほとんど過去の状態に留まったままだ。OpenPhone(オープンフォン)がそれを変えようとしている。

米国時間11月17日、1400万ドル(約14億6000万円)のシリーズAラウンドを発表した同社は、私たちが日々使用しているものと同じ、最新のコミュニケーション機能を業務用電話機にもたらそうとしている。今回のラウンドは、Craft VenturesのDavid Sacks(デビッド・サックス)氏が主導し、Slow Ventures、Kindred Ventures、Y Combinator、Garage Capital、 Chapter One Venturesが参加した。

OpenPhoneを使用することで、従業員たちは自分自身のスマートフォンやコンピューターから、電話をかけたり、SMSを送ったり、ビジネスコンタクトの相手に関する共有情報を追加することができるようになる。さらに、このアプリを使うことで、組織はプラットフォームを横断する共同作業を行うことができる。例えば会社または部門は、単一の共有電話番号と個別の個人電話番号を持つことができる。また、組織全体で連絡先に関する情報を共有および同期することも可能だ。

資金調達の発表と同時に、OpenPhoneはHubSpot(ハブスポット)やZapier(ザピアー)との新しい統合を含むプラットフォームのいくつかの新機能もリリースしている。またアプリには国際通話、チームメイト間のグループメッセージング、検索機能、OpenPhoneの使用状況に関する分析機能も提供されている。

同社は、消費者の77%がビジネスコミュニケーションにSMSを使用し、中小企業の80%以上が仕事の通話に個人用の携帯電話を使用していると主張している。にもかかわらず、レガシーなソリューションは、メッセージング機能を持たない非常に複雑な電話機であることが多い。

とはいえ、OpenPhoneと争うように、業務用電話システムを21世紀らしいものにしようと考えている競合相手は複数存在している。例えばRingCentral(リングセントラル)とDialPad(ダイアルパッド)の2社は、業務用電話システムをクラウド化し、それぞれ4400万ドル(約45億9000万円)と2億2000万ドル(約229億2000万円)を調達した。SequoiaやA16Zなどが含まれる2社への投資家のリストは、とても印象的なものだ。

基本プランではOpenPhoneのコストは、ユーザー1人あたり月額10ドル(約1042円)だが、より複雑なユースケースではより高価なオプションが提供される。スタートアップは、ボトムアップアプローチのために組織内の個人に直接販売することも行う。

「これまでのところ最大の課題は、ノイズを減らすことです」と、共同創業者で最高経営責任者(CEO)のMahyar Raissi(マヒヤール・ライシ)氏は語った。「当社の戦略は、スタートアップ企業向けにOpenPhoneを構築することです。なぜなら彼らはやがて成長し、サービスを提供することが難しくなっていく可能性がある小さな企業だからです。もし私たちがそうした企業に対してシステムを構築することができるなら、それはほとんどのユースケースで適用できる可能性のある種類のソリューションだということを意味します」。

OpenPhoneのチームは11人の従業員で構成されている。女性メンバーは25%を超えたところで、同じ比率の非白人従業員がいる。従業員11人のうち共同創業者たちを含む4人は、第一世代の移民だ。

同社は、2020年3月のパンデミックの始まり以来、売上高は3倍になり、ローンチ以降、750万件以上の通話と1730万件以上のメッセージを扱っている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:OpenPhone資金調達

画像クレジット:OpenPhone

原文へ

(翻訳:sako)

悪夢のようなグループのスケジュール調整を解決するUndockが1.7億円を調達

過去10年、多くのスタートアップがミーティングや電話のスケジュール調整の仕方を刷新しようと試みてきた(そして多くが失敗に終わった)。しかし我々はカレンダーに関するルネッサンスの真っ只中にいるようだ。Google(グーグル)やOutlook(アウトルック)など現在使用されているものは賢くなる一方で、Calendly(カレンドリー)のような新規参入組は急成長している。

Entrepreneurs Roundtable Acceleratorが支援するスタートアップ(未訳記事)であるUndock(アンドック)はこの業界に参入しようとしている。

Undockはこのほど160万ドル(約1億7000万円)のシードラウンドをクローズした。このラウンドにはLightship Capital、Bessemer Venture Partners、Lerer Hippeau、Alumni Ventures Group、Active Capital、Backstage CapitalのArlan Hamilton(アラン・ハミルトン)氏、PayPal / LinkedInのSarah Imbach(サラ・インバッハ)氏、その他何人かのエンジェル投資家が参加した。

現在のUndockは、グループの全員がUndockを使っているかどうかに関わらず、電子メール内でグループの互いの都合をシームレスにチェックできるChromeエクステンションだ。創業者でCEOのNash Ahmed(ナッシュ・アーメッド)氏はこれを可能にするテクノロジーについて詳細を明かすつもりはない。しかし見たところ、Undockをまだ利用していないユーザーは、グループ内の全員にとって都合のいい時間を自動で見つけるのに、一時的に自分のカレンダーを個々のミーティングリクエストにリンクすることができる。または、グループのメンバーが提案した時間を確認して、メンバーにとって都合のいい時間にマークをつけられる。

これはUndockにとってほんの始まりに過ぎない。同社は2021年第1四半期に機能フル装備のカレンダーを立ち上げる計画だ。搭載される機能にはカレンダーイベント内でのコラボ編集や、ビデオ会議埋め込みといったものがある。

アーメッド氏によると、他のサービスと差異化を図っている最も重要なポイントは、互いの都合にフォーカスし、電子メールクライアント内でそれを実行できることにある。

画像クレジット:Undock

スケジュール調整はUndockではいつでも無料で利用できるが、機能のフル利用(正式にリリースされたとき)では、ユーザー1人あたり月10ドル(約1050円)〜とさまざまな料金が設定される見込みだ。UndockはSlack(スラック)のモデルを拝借し、情報保持に対して課金するサービスとなる。

「最も困難な点は、間違いなく顧客教育です」とアーメッド氏は話し、一部のユーザーはプロダクトのシンプルさに混乱したと説明した。「オートコンプリートのようなものだと伝えました。初期のユーザーは電子メールを確認し、次に何をするのか、あるいはUndockやChromeエクステンションに戻らなけれなならないのかと尋ねるでしょう。そして当社は『いいえ、ただタイプし続けて』といわなければならないでしょう」。

黒人女性が創業したUndockのチーム数は18人だ。うち28%が女性、22%が黒人、11%がLGBTQで、経営陣のダイバーシティーはさらに豊かだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Undock資金調達

画像クレジット:Undock

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

プレゼンソフトmmhmmのMac版が一般公開、学生・教員はプレミアムツールが1年無料

Evernote創業者のPhil Libin(フィル・リービン)氏が開発しているプレゼンテーションソフトウェアのmmhmmが、米国時間11月12日にベータ版ではなくなった。mmhmmアプリの正式版をMacで利用できるようになっている

mmhmmは背景を変える、ビデオを再生する、画像を追加する、フィルターを使うなど、クールなエフェクトでビデオ通話を楽しめるソフトウェアだ。登場以来ずっと招待制だったが、誰でも利用できるようになった。

無料アプリのリリースと同時に、プレミアムツールも登場した。

プレミアムツールには、カスタマイズ可能なルーム、プレゼンター用コントロール、レーザーポインタなどのアドオンが含まれている。プレミアムツールは7日間無料で試用でき、試用終了後はこれらのツールを1日1時間利用できる。プレミアムツールの価格は年額99ドル(約1万400円)、または月額9.99ドル(約1050円)だが、無料でもビデオチャット、録画、コラボレーション、デフォルトの背景とシンプルなプレゼンターモードでの基本的なプレゼンテーションを利用できる。

重要なポイントとして、mmhmmはプレミアムツールを学生と教員には1年間無料で提供することにした。

正式版リリースにともない、新機能もいくつか追加されている。ビッグハンドモード(ビデオ通話参加者が目を引くビジュアルで反応できる)、mmhmmのバーチャルグリーンスクリーン表示の改善、クリエイティブサービスなどだ。

ビッグハンドモードはApple(アップル)の新しいM1チップ搭載Macでのみ動作する。

クリエイティブサービスは、mmhmmにとっての新しい収益チャネルだ。大規模イベントなどの開催者に対して高品質なオーダーメイドのサービスを提供する。

現時点でmmhmmはmacOSでのみ利用できるが、同社はWindows向けのベータ版を開発中だ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:mmhmm

画像クレジット:mmhmm

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

スタートアップ育成アクセラレーター「ERA」を2020年秋に卒業する11社

混乱は小さなスタートアップを好み、パンデミックは混乱そのものだ。そのため、アクセラレーターやインキュベーターが、2020年の問題に取り組もうと意気込む新しいスタートアップをせっせと世に送り出すのは自然の流れだ。

そんなアクセラレーターにEntrepreneurs Roundtable Accelerator(ERA、アントロプレヌアーズ・ラウンドテーブル・アクセラレーター)がある。米国時間10月29日のSummer 2020デモデーにて、同プログラムから11の新しいスタートアップが卒業する。発足以来、ERAは215社以上のスタートアップを立ち上げてきた。それらは合計で5億ドル(約523億円)以上の資金を調達している。

ではさっそく、企業の紹介をしよう。

Aires Medical(アイレス・メディカル)は、慢性閉塞性肺疾患患者のためのハンドヘルド人工呼吸器を開発したハードウェア企業だ。この病気を持つ人たちは、外出時には必ずあの大きくてやっかいな医療機械を連れて行く必要がある。同社は現在、米食品医薬品局のFDA 510(k)認可を申請しているが、認可が下り次第、医療機器販売業者向けに販売を開始する。

Alaffia(アラフィア)は健康保険の請求審査を自動化する。同社の機械学習ダッシュボードは、いちはやく不適切な支払いを検出し、臨床調査をやり直し、報告書を作成する。こうして、ほとんど人の手によって非効率に行われてきた作業をスピードアップし明確化する。同社は、健康保険会社の過払い金を回収した中から収益を得る。

Caire(ケア)は、40代以上の女性のためのスキンケア製品に特化した直販ブランドだ。女性の閉経(およびそれにともなう天然ホルモンの減少)によって肌に起きる変化に専門に対処する成分を独自に開発した。Caireはサブスクリプションモデルを採用している。スターターキットのDefiance Science Duoは、月80ドル(約8400円)。

ChalkTalk(チョークトーク)は、パーソナル化したカリキュラムと授業計画で急速に変化するエデュテックのエコシステムに対処する。同社のプラットフォームは、それらの情報を元にパーソナル化した教材、グループ活動、練習問題を作り出す。対象は幼稚園から高校卒業までの数学と英語。その使命は、授業計画や宿題の準備に追われることなく、生徒たちと意義深い関係が築ける時間を教師に与えることなどだ。

Cquence(シークエンス)は、動画制作の市場に食い込もうとするSaaSプラットフォームだ。動画編集や、無数のメタデータポイントのインデックスマーキングとタグ付けの初期段階から機械学習を用いて映像の評価と分類を行うことで、編集者に最初から整頓されたライブラリーを提供できる。これにより、編集者は特定の人物、オブジェクト、または話を探せるようになる。Cquenceは、プラットフォームを利用する人数と利用した映像の分数で料金を徴収する。

Flourish Savings(フローリッシュ・セービングズ)は銀行、信用組合、金融業者などと協力して、ゲーム形式で、エンドユーザーの適切な経済感覚を養う。同社はパートナーにその技術をライセンスし、アクティブユーザー数に応じた料金を徴収する。

Masonry(メイソンリー)は、集合住宅の管理業務を自動化する。同社のソフトウェアは、集合住宅の維持管理に関連する幅広い業務を最適化し、完全なデータ分析と洞察を行うダッシュボードを管理者に提供する。料金は、ユニットごと、または月ごとの徴収となる。

Mosaic(モザイク)は、すべての個人と組織にとって最も貴重な資源の最適化を目指す。それは時間。同社はAIを用いて、誰が何にいつ取りかかっているかに基づき、人々の仕事の計画をアップデートし、組織の時間管理の生産性と利益性を評価する。Mosaicは、利用人数ごとに年間料金を徴収する。

OLIMP(オリンプ)は、配送を拒否されたときに、トラックの運転手が短期入庫可能な倉庫を探して予約できるようにすることで、車両の時間と経費を節約する。また同社はオンラインでの支払いを可能にし、長距離輸送の後の手続きをできる限り簡素化する。

StartSure(スタートシュアー)は、主にスタートアップのための保険証券を作成し、成長を続ける保険テックの分野で奮闘している。他社との違いは、5つの質問による非常に簡単な査定で、企業の必要最低限の債務と財産をカバーする方式だ。その後は、企業ごとの個別の特殊な条件に、AIの助言を元に対応する。StartSureの証券は月25ドル(約2600円)から。

Virtuleap(バーチュリープ)は、製薬会社に向けて、認知症治療薬の効果の検証を助けるVRを使った診断ツールを提供する。同スタートアップには、神経科学者と共同開発したVRゲームのライブラリーがあり、認知機能の幅広い検査が行える。これを使うことで、製薬会社は薬の測定が可能な効果を知ることができる。

関連記事:NYのスタートアップ育成アクセラレーター「ERA」から13社が卒業

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:アクセラレータープログラム

画像クレジット:Steve Long / Shoot By Daylight

原文へ

(翻訳:金井哲夫)

クリエイターファーストのフィットネスプラットフォーム「Playbook」が約9.8億円調達

フィットネスコンテンツのPatreon(コンテンツ制作者向けクラウドファンディング)を目指すPlaybookが、シリーズAでE.ventures、Michael Ovitz、Abstract、Algae Ventures、Porsche Ventures 、FJ Labsから930万ドル(約9億8000万円)を調達した。

新型コロナウイルスの感染拡大により、パーソナルトレーナーやフィットネス業界は大打撃を受けた。ジムが閉鎖され、トレーナーが新規顧客を獲得する手段は閉ざされた、あるいは減ってしまった。Playbookは、コンテンツを通じてトレーナーの収入源を作ろうとしている。

Playbookのクリエイターには、ビデオを制作し視聴者を増やすツールが提供される。ほかの多くのフィットネススタートアップとは異なり、エンドユーザーではなくクリエイターのビジネスに着目している。収益化に適したツールとプラットフォームがあればトレーナーは視聴者を引きつけることができると考えているのだ。

Playbookは、クリエイターが固有のリンクでプラットフォームに視聴者を誘導すると、そのユーザーからの売上の80%をクリエイターに支払う。どのクリエイターからプラットフォームに来たかわからないユーザーの場合、トレーナーは再生された秒数に応じて支払いを受ける。

エンドユーザーの利用料金はシンプルだ。見放題のサブスクリプションで月額15ドル(約1600円)、年額99ドル(約1万500円)だ。

Playbookは、2020年6月にシードラウンドで300万ドル(約3億1600万円)を調達した(未訳記事)。同社のプラットフォームには魅力的なトレーナーがそろっている。Kevin Hart(ケビン・ハート)のトレーナーであるBoss Everline(ボス・エバーライン)、Gal Gadot(ガル・ガドット)とAlicia Vikander(アリシア・ヴィキャンデル)のトレーナーであるMagnus Lygdback(マグナス・リッドバック)、Ryan Reynolds(ライアン・レイノルズ)とBlake Lively(ブレイク・ライブリー)のトレーナーであるDon Saladino(ドン・サラディノ)などだ。

Playbookの共同創業者でCEOのJeff Krahel(ジェフ・クリエル)氏は、クリエイターに提供するテクノロジーのサービスを増やすことに取り組んでおり、そうすればほかのことはついてくるだろうと述べた。

クリエル氏は「このことが、Michael Ovitz(マイケル・オービッツ)氏を戦略的投資家として迎えた理由のひとつです。我々はテック主導の芸能事務所であり、クリエイター向けツールを備える優れたテックプラットフォームです。当社はほとんどアクセラレーターのように、クリエイターを支援して影響を最大化することを目指しています」と語った。

同社はクリエル氏のほか、Michael Wojcieszek(マイケル・ボイチェシェック)氏とKasper Ødegaard(カスパー・エデゴール)氏が共同で創業した。

今回の資金調達で、Playbookの調達金額の合計は1230万ドル(約13億円)になった。

カテゴリー:ヘルプテック
タグ:Playbook、資金調達、フィットネス

画像クレジット:Playbook

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

シードラウンドで約2.3億円を調達のCaliberがフィットネスコーチングプラットフォームを公開

新型コロナウイルスの感染拡大は、フィットネス分野に大きな打撃を与えた。米国時間10月13日、1対1のパーソナルトレーニングを手がけるスタートアップのCaliberは、Trinity Venturesが主導する220万ドル(約2億3000万円)のシードラウンドを経て、新たにデジタルコーチングプラットフォームを公開した。

Caliberは2018年にコンテンツモデルをリリースし、メールのニュースレターとフィットネスを指導するコンテンツのライブラリを提供していた。

「共同創業者たちは個人コーチングのアイデアをテストし始めたところでひらめきました。何よりも、人々は自分のフィットネスのルーティンに関して専門家による指導と真の意味でパーソナライズされたプランを必要としていることに気づいたのです」と共同創業者でCEOのJared Cluff(ジャレッド・クラフ)氏は語る。

これが現在知られているCaliberの始まりだ。

ユーザーがこのプラットフォームに参加すると、Caliberのコーチとマッチングされる。コーチは100人の応募から5人しか採用されず、まさに最高のトレーナーを厳選していると同社は言う。

こうして採用されたコーチは、最初はビデオか電話でのコンサルティングでユーザーと相談しながら、ユーザーの目標を考慮してその人に合うフィットネスプランを作成する。筋トレ、有酸素運動、食事を組み合わせたプランが完成すると、コーチはそのプランをアプリに入れる。

ユーザーはアプリで提示されたインストラクターからの指示に従い、進捗を記録する。興味深いのは、トレーナーとのライブビデオを予約するのではなく、アプリでコーチと非同期の対話をすることだ。

ユーザーはアップルのヘルスケアアプリをCaliberと統合して食事や有酸素運動を追跡管理し、コーチに進捗を全面的に報告することもできる。

コーチはフィードバックや励ましを与え、最終的には説明責任のレイヤーとなる。

  1. app_plan

  2. app_muscles_involved

  3. app_dashboard

  4. app_calendar

このように人間によるコーチングを時間のかかる非同期の方法で組み合わせることにより、Caliberは一般的なワークアウト生成アプリよりは高価だが実際に対面で指導するパーソナルトレーナーの平均価格よりはずっと安価な費用を設定している。

Caliberのユーザーの大半は月に200〜400ドル(約2100〜4200円)を支払っている。Caliberで働いている1099人のコーチは、ユーザーからの売上の60%を受け取る。

同社によれば、公開前にCaliberの会員数は直近の半年間で3倍になり、会員あたりのワークアウト数は150%になったという。年間経常収益は100万ドル(約1億500万円)を上回っているとクラフ氏は語る。

このプラットフォームの41人のトレーナーのうち、37%が女性で、およそ4分の1が白人ではない。本部メンバー7人のうち1人が女性で、創業者チームの3分の2がLGBTQだ。

クラフ氏は次のように語る。「最大の課題は、私が直近で所属していたBlue Apronが直面していた課題と似ているとも言えます。Blue Apronはミールキットに関するカテゴリーを作ろうとしていました。我々はブランドリーダーのいないきわめてバラバラの業界で、フィットネストレーニングに関するカテゴリーを構築しようとしています」。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Caliber、資金調達

画像クレジット:Caliber

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

Quinceが「メーカーから消費者」の新しい小売業モデルのベータ版をローンチ

小売業は今、急速に変わりつつある。D2Cがショッピングを変えた一方で、Quinceは小売業をさらに劇的に変えようとしている。

知られているかぎりではQuinceは、2019年に850万ドル(約9億円)のシード資金を調達しただけだが、男女のアパレルやアクセサリー、ジュエリー、家庭用品といったおよそ700品目の在庫を自前で持つことでサプライチェーンの概念を変えようとしている。

「Last Brand(最後のブランド)」を自称するQuinceは、1年のベータテストを経て「M2C」と呼ばれる新しいモデルをローンチしている。M2Cは「manufacturer to consumer(メーカーから消費者へ)」の略だ。

このモデルでは、必需品のデザインを持って工場に直接出向き、過剰なパターンやブランド品ではなく、需要に応じて毎週ダイナミックに調整する。発注量は、需要次第で各週に変わる。Quinceは、消費者からの注文が入ってくるようになるとメーカーと協力して、個々のSKUの生産量を過不足が生じないよう調節。その後、、工場が直接顧客へ発送する。これまでのように、小売業の流通センターやストアに一旦送って、それをさらに最終目的地へ送る、ということをしない。

品物があまり売れず在庫が残っても、それは発注した小売業の責任であるため、工場がこのモデルに従う必要はないかもしれない。しかしQuinceの共同創業者でCEOのSid Gupta(シド・グプタ)氏によると、この新しいモデルが登場した今が小売業にとって転換期だという。1つのSKUの発注量が10万になるような大きなブランドは、現在パンデミックで苦戦しており、SKUのポートフォリオを縮小している。

工場に残された道は、2つしかない。D2Cブランドに変わるか、それともAmazon(アマゾン)のようなマーケットプレイスで直販するかだ。

「D2Cの需要は非常に細分化されており、ほとんどのD2C企業が小規模だ。効率的な利益を得るのは難しい。しかしアマゾンのようなマーケットプレイスで販売しようとすると、同じような品目で何百何千もの売り手と競合することになる。また、実際に高品質な製品を作っている工場は、従業員に公正な賃金を払い、環境にも配慮しなければならないため、コストが3%か5%高くなるかもしれない」とグプタ氏はいう。

彼によると、アマゾンのユーザーにはそんな工場の努力は伝わらない。効果的な広告を出すことも、工場には難しい。

しかしQuinceのような環境なら、メーカー自身が新しいやり方に取り組むことができる。

一方、Quinceは工場と直接接触することによって、高級品のコストを大幅に下げることができる。たとえばカシミアのセーターなら他店のように150ドル(約1万5800円)以上でなく、50ドル(約5300円)で販売することができる。このようなQuinceの協力工場は現在、全世界に30ほどある。

グプタ氏によると、同社は持続可能性に真剣に取り組んでおり、たとえば素材は有機産品のみ、工程は環境に優しいかなど使用する素材や製造工程、労働者の給与などに基準を設けている。また、ヒットした品目については、工場やその従業員への利益還元も検討している。

2019年秋のシード資金でQuinceは、ベータテストを開始することができ、チームを16名に増員できた。その中には、共同創業者のBecky Mortimer(ベッキー・モーティマー)氏とSourabh Mahajan(スーラーブ・マハジャン)氏がいる。また、従業員の35%は女性、65%はマイノリティだ。

同社の投資家はFounders Fundと8VC、およびBasis Set Venturesだ。

関連記事:新型コロナパンデミックで米国におけるeコマースへのシフトが5年分加速

カテゴリー:ネットサービス
タグ:QuinceD2C小売ネットショッピング

画像クレジット:Quince

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

天災などの緊急事態の備えをゲーム化した「Harbor」がローンチ、瞑想ヘルスケア大手の元幹部が開発

シードファンディングで500万ドル(約5億3000万円)の資金を調達したばかりの緊急時対策企業であるHARBOR(ハーバー)は米国時間10月8日、あるアプリを公開した。公開されたのはiOS版のみで、Android版は近日公開予定となっている。

このアプリは、家の火事のような一般的な緊急事態や、地震や火災などのより広範な災害を含む、あらゆる危機のために家や家族で備えておくべきプロセスをゲーム化する。

瞑想を専門とするオンラインヘルスケア企業であるHeadspaceの元幹部だったDan Kessler(ダン・ケスラー)氏が率いる同社は、自然災害や人道的危機の際に、退役軍人を動員して地域社会に奉仕するTeam RUBICONとも提携している。

ユーザーが最初にHarborに参加するときは郵便番号を入力すればいい。すると、アプリが場所に基づいて最も可能性の高い緊急事態を自動的に判断する。ユーザーは手動で緊急事態の種類を追加することも可能だ。ケスラー氏によると、このアプリは個々の住所に関するデータを重ねることで、このプロセスをさらに細かく表示・指定できるようになるという。

緊急事態を選択すると、水を貯めたり、煙感知器をチェックしたり、ゴーバッグ(すぐに持ち出せるバッグ)をストックしておくなど、さまざまな備えに基づいて毎週のタスクが与えられる。

新アプリ「Harbor Protect」のスクリーンショット

HARBORでは、ユーザーに一度にすべてをこなすように求めるのではなく、そのプロセスを数分で済むように、また毎週行うように、簡単なアクティビティに分割している。

同社は「私たちは、防災への備えを習慣化することだと考えています。歯を磨いたり、運動したり、瞑想したりするようなものです。これらは一度やったら終わりではありません。私たちは、毎週通っていくうちに習慣が形成されていくようにサポートしていきます」と説明する。

ユーザーがアプリを進めていくと、CPR(心肺蘇生法)の学習などタスクが少し時間のかかるものになることもある。各アクティビティには、関連する学習も含まれている。例えば、飲料用の水の浄化方法に関するクイズが出題され、その答えに驚くかもしれない。

またこのアプリには、同社がクラス最高のブランドとして承認しているサードパーティブランドのオンラインショップにもアクセスできる。今のところ、これらの製品売上に対するわずかな手数料が同社の唯一の収益源だが、ケスラー氏はアプリに新機能を導入し、フリーミアム化する計画があるとしている。

Harborのいくつかの追加機能には、オフラインでの使用や、社会保障カードや出生証明書などの重要書類の暗号化された保存が含まれる。これらの機能が無料のままになるかどうか、またはアプリのプレミアムサブスクリプション版に振り回されるかどうかは未定だ。ケスラー氏によると「同社はすべてをテスト中だ」という。

カテゴリー:ゲーム

タグ:Harbor

画像クレジット:Harbor

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

Envoyが従業員が安全にオフィスに戻って働けるようにするためのプロダクト「Protect」をリリース

業界を問わず、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって我々の働き方はすっかり変わった。在宅勤務が新しい標準になっている。しかし多くの人がオフィスに戻りたいと望み、スタートアップはできるだけ安全なオフィスへの移行を支援したいと考えている、

そうしたスタートアップの1つが、2013年にオフィス向けの来客受付プラットフォームをリリースしたEnvoyだ。Envoyは米国時間10月6日、Envoy Protectという新しいプロダクトスイートをリリースした。これは従業員が安全にオフィスに戻れるように支援するプロダクトだ。

このプラットフォームはここ数カ月間ベータ版として公開されていたため、すでに5000社以上が登録している。10月第2週の時点で、Envoyを利用して100万人が安全に職場に戻った。

Envoy Protectは従業員が安心してオフィスを利用することに特化して作られていて、健康アンケートや室内の人数管理ツール、健康で承認を受けている人のみがオフィスに入れるようにする入室制限プロバイダとの統合、QRコードによる非接触のサインイン、接触追跡、検温との統合などの機能がある。管理者は各地の健康と安全に関する要件に基づいて地域によって入室登録をカスタマイズしたり、登録手順をカスタマイズしたり、オフィスの人の流れを分析したりすることもできる。

画像クレジット:Envoy

またEnvoyは「Desks」も発表した。これはオフィスにいる従業員のソーシャルディスタンスを適切に確保し、従業員を迎えるにあたって清潔で安全な職場にするためのプロダクトだ。Desksはクローズドベータとして今後公開され、Envoyはテストを継続する。

Envoy ProtectはEnvoy Visitorsのサービスに含まれ、企業は追加費用なしでEnvoy Protectを利用できる。

ワークスペースの未来に向けての動きは山ほどある。2020年8月にはEdenがオフィスの安全な再開を支援する同様の製品を発表した(未訳記事)。

EnvoyはAndreessen Horowitz、Menlo Ventures、Initialized Capitalなどの投資家から6000万ドル(約63億4000万円)近くの資金を調達しており、この分野では有利な立場にある。

創業者でCEOのLarry Gadea(ラリー・ガデア)氏は、前四半期は新型コロナウイルス感染拡大による変化があったにもかかわらず、売上の面ではこれまでで最高の四半期だったと述べている。

同社の従業員数は約150人で、そのうち40%が女性、20%がマイノリティーだ。

ガデア氏は、Envoyにとっての現在の最大の課題の1つはProtectという製品名を広めることだと語る。Envoy Visitorsは来客がオフィスに入れるようにするプロダクトで、口コミで広がりやすい性格がある。Envoyを使っているオフィスを訪れた人は、自分のオフィスにも同じシステムを入れたいと考える。

「職場では多くのことが起きていて、私たちのプロダクトで多くのことを支援できると伝えるのが最大の課題です。人々は家のことばかり考えていますが、職場に戻るとなったら、その職場はきちんと考え一緒に働くのに適した場所だと思い出さなくてはなりません。我々の課題は、人々がそれを安全に実現できるようにすること、よく考えずに慌てて実行しないようにすることです」とガデア氏は語る。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Envoy新型コロナウイルス

画像クレジット:Envoy

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

スマートロック会社のLatchが、プラットフォーム化を狙いLatchOSをローンチ

物理的なスペースを操作するための技術が、現在成長の真っ只中だ。その中の1社であるLatch(ラッチ)が、米国時間9月22日にLatchOS(ラッチOS)のローンチとともに、同社の次のフェーズを発表した。

Latchは、集合住宅ドアへのアクセスのための、垂直統合型ハードウェア/ソフトウェアソリューションを開発することをミッションとして2014年に設立された。単にドアのロックを置き換えるタイプの他のスマートホームロックとは異なり、Latchは集合住宅の建物に存在するさまざまなロックを調査し、それぞれに対して機能するソリューションを開発した。

これを使うことで建物の管理者や集合住宅の賃貸人/所有者は、メンテナンススタッフや配達人などの、ドアに対するアクセス権を持つ人間が誰かを管理することができる。

LatchOSをローンチすることで同社は建物のさらに奥深くまで踏み込み、ユーザーはドアだけでなく、建物内の他のデバイスと同社のアプリを統合できるようになった。こうした統合には、Sonos(ソノス)スピーカー、Honeywell(ハネウェル)やecobee(エコビー)のサーモスタット、Jaso(ジャソ)ならびにLeviton(レヴィトン)ライトスイッチなどが含まれ、すべてをLatchアプリから制御することができる。

だが、これはまだ始まりに過ぎない。LatchOSはプラットフォームのバックボーンになるように構成されており、建物やユーザーのニーズに基づいてより多くの統合を実装または構成することができる。

これまで同社はあまり目立ってこなかったものの、すでに1億5000万ドル(約157億5000万円)を超える資金を調達し、同社によれば2019年の売り上げは1億ドル(約105億円)を超え、米国の建物の10棟に1棟はLatch製品を採用しているという。

Latchは建物の所有者にハードウェアを販売し、月額のソフトウェア料金を請求することで収益を上げており、賃貸人やアパートの所有者が無料でサービスを利用できるようにしている。LatchOSのリリースにより、同社はエンドユーザーから収益を得るためのインテグレーションを行うことも可能になった。この場合エンドユーザーは、プラットフォームを介して新しい機能にアップグレードしたりサービスを購入したりすることができる。

Apple(アップル)の元従業員であるLuke Schoenfelder(ルーク・シェーンフェルダー)氏と、Thomas Meyerhoffer(トーマス・マイヤーホファー)氏 、そしてフルスタックハードウェアエンジニアのBrian Jones(ブライアン・ジョーンズ)氏が率いる同社は、230人を超える従業員を擁しているが、そのスタッフの多様性についての情報共有は拒否している。

「世間はずっと、私たちをロックの企業と見なしていて、ロックの企業がなぜこれほど他のことをしているのかと不思議に思っています」とシェーンフェルダー氏は語った。「実のところ、ロックの企業になりたいと思ったことは一度もないのです。残りのシステムを機能させるためには、まずロックを開発する必要があっただけなのです。それが、私たちが独自のハードウェアを開発した理由です。私たちは常に、すべての人にとって建物をより良くするためのシステムの構築に、焦点を当ててきました」。

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Latch

原文へ

(翻訳:sako)

サイバー戦をめぐる世界危機を扱ったHBOのドキュメンタリー「The Perfect Weapon」のビデオクリップを入手

Disrupt 2020で、HBOが近く放送するドキュメンタリー「The Perfect Weapon」のこれまで非公開だったビデオクリップを見る機会があった。

John Maggio(ジョン・マッジッオ)氏が製作総指揮を務めたこのドキュメンタリーは、ニューヨークタイムズ誌のワシントン担当記者であるDavid Sanger(デービッド・サンガー)氏が書いた著書「The Perfect Weapon」が原作だ(日本語版:世界の覇権が一気に変わる サイバー完全兵器)。

TechCrunchでは、著者のサンガー氏に取材して、米国が直面しているサイバーセキュリティの脅威や適切な対応の定義、そしてさらに一般的に私たちがそれを心配すべきか否かについて話を聞いた。以下がインタビューの全編で、さらに下にあるのが近く放送されるドキュメンタリーの未公開クリップだ。

この会話は、TechCrunch記者のZack Whittaker(ザック・ウィテカー)がNSAのサイバーセキュリティ責任者Anne Neuberger(アン・ノイバーガー)にインタビュー(未訳記事)した際の素晴らしい導入になった。

 

カテゴリー:セキュリティ

タグ:Disrupt 2020 HBO

画像クレジット:HBO/Shot from “The Perfect Weapon”/Pictured: David Sanger

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

FableticsのAdam Goldenberg氏とKevin Hart氏がDisrupt 2020でD2Cについて語る

小売業界は、新型コロナウイルスのパンデミックにより大きく揺らいでいる。全国の店舗が閉鎖され、同時にオンライン販売が急増した。D2Cブランドは、その多くがオンラインと実店舗の両方のチャネルを展開しており、数週間から数カ月の間に前例のない変化を経験した。

こうした状況を紐解くため、Fableticsの共同CEOであるAdam Goldenberg(アダム・ゴールデンバーグ)氏と、Fableticsの今年のメンズラインで同社とパートナーを組んだ俳優のKevin Hart(ケヴィン・ハート)氏を、日本時間9月15日から9月19日まで開催されるDisrupt 2020にお招きする。

Fableticsは2013年に設立され、D2Cのアクティブウェアにおいて真に技術優先のアプローチをとってきた。特に店舗販売に関しては徹底したものだ。同社は店舗内のヒートマップを利用して、来店者の動向や商品への関心を把握するとともに、試着室にiPadを設置し、来店者が試着中に閲覧したり店員を呼ぶことができるようにした。

同社の共同創設者にはKate Hudson(ケイト・ハドソン)氏が名を連ねており、同氏によりFableticsの製品が定期的にソーシャルメディアに投稿されるため、競合他社に対するマーケティング上の優位性を持っている。

特にコロナウイルスの影響で、ドレス類をクローゼットの奥にしまって家でくつろぐ人が増えていることから、アスレジャー(スポーツウェアを普段着に取り入れたスタイル)が熱い注目を集めている。

ゴールデンバーグ氏は、高校生の時にGamer’s Allianceを設立し、人生の早い段階で起業家としてスタートした。会社は最終的にIntermix Mediaに売却され、同氏は19歳でチーフオペレーティングオフィサーに任命される。その後、Alena Mediaを創設し、それが最終的にTechStyleの雛型となった。2010年に設立されたTechStyleは、JustFab、Shoedazzle、FabKids、Savage X Fenty、Fableticsなど、世界で人気を博すデジタルファーストのファッションブランドを手がけている。

「Jumanji(ジュマンジ)」「The Upside(人生の動かし方)」を始め何十ものスタンドアップスペシャルでおなじみのケヴィン・ハート氏は、ブランドの大規模なカテゴリー拡大を象徴するメンズウェアライン、Fabletics Menの立ち上げをリードした。同氏によると、男性向けアクティブウェアの多くは顧客が求めていない技術に過剰な投資をしているが、Fabletics Menは異なるアプローチを取っているという。

Fableticsとの仕事と並行して、ハート氏は技術投資にも注力しており、Hungry(顧客と独立したシェフをつなぐケータリングのマーケットプレイスを提供)とRun The World(バーチャルイベントのスタートアップ)に小切手を書いている。

ゴールデンバーグ氏とハート氏に、パンデミック禍におけるD2Cの世界の激変についてや、同社が競争についてどう考えているか、そしてFableticsが次に何をしようとしているかについて話を聞く。また、ハート氏が最も興味を持っているテクノロジーのトレンドと投資のテーマについても話題を振る予定だ。

Disrupt 2020は、充実したスピーカーのラインナップ、ネットワークとコネクションの豊富なオポチュニティを用意して、日本時間9月15日から19日まで開催される。今すぐDisrupt Digital ProパスまたはDigital Startup Alley Exhibitor Packageを購入し、このパネルディスカッションのライブを最前列でチェックしてほしい。他の登壇者情報など、イベント詳細は以下の特設ページで確認できる。なお、同ページを経由してチケットを購入すると5%割引が適用される。ぜひ活用いただきたい。

それでは会場で。

Disrupt 2020特設ページへ

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)