Apple、世界の教育機関向けに800万台のiPadを販売。iTunes Uのダウンロード数は10億件を突破

ipad-itunes-uAppleが、デジタル教育サービスを提供しているiTunes Uが節目の数値を達成したことをアナウンスしている。ダウンロード数10億件を突破したのだそうだ。また、このアナウンスと同時に、世界中の教育機関に対して800万台のiPadを販売したこともアナウンスしている。iTunes Uは、2012年6月より単独のアプリケーションとなり、講座などの教育コンテンツを広く公開するための場として機能するようになっている。

iTunes Uを独立させた当時は、コンテンツのダウンロード数は7億件ほどだった。以来、ダウンロード数はさらに増加傾向を示しているのがおわかりだろう。iTunes U自体は2007年5月から提供されている。ここ9ヵ月でのダウンロード数は3億件ほどだが、その倍ほどである7億件のダウンロードには5年ほどもかかっているのだ。このところのペースアップは専用アプリケーションのリリースや、教育界でのiPadの普及などの相乗効果によるものなのだろう。

AllThingsDによると、Appleはアメリカ国内の教育機関に対して450万台のiPadを販売したとのことだ。ちなみにこの数字はAppleにも確認済みのものだ。また、一般に公開されている情報をもとにした9to5MacのJordan Kahnの計算によれば、その450万台の大半は最近(昨年)になって販売されたものであるとのことだ。AppleのCEOであるTim Cookも、iPadにとって教育市場がいかに大切なものであるかを何度も繰り返し述べている。そして確かに、Appleはアメリカ国内においても、あるいは海外においても、教育機関向けに多数のiPadを販売している。

またiTunes Uにコンテンツを投稿している学校についての情報もいくつか発表している。コンテンツを公開している教育機関数は大学およびカレッジが1200以上、そして高校以下の段階(K-12)でもやはり1200以上になるのだとのこと。こうした教育機関が登録した公開コンテンツ数は2500を超えており、さらに特定の学生のみ閲覧可能なプライベートコンテンツが数千件登録されているそうだ。StanfordやOpen Univercityなどのように、非常に積極的に取り組んでいる大手教育機関も存在する。この両者のコンテンツだけで、これまでに6000万件のダウンロード回数を数えているのだそうだ。最も人気のあるコースでは、25万人が登録しているものもあるとの話だ。

掲載された最近の記事にもあるように、オンライン教育は急速に広まりつつある。またCourseraのようなスタートアップも、大いに注目を集めつつあるところだ。Appleは最初期の頃からこの分野に進出しており、iPadが大いに普及していることも相まって、今後ますますオンライン教育面でのプレゼンスを高めていきそうな気配だ。

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(翻訳:Maeda, H)

レスポンシブデザイン・フレームワークの「Foundation」に新版が登場。「モバイルファースト」を強化してZeptoを採用

foundation4-square1プロダクトデザインを手がけるZURBFoundationの新しいバージョン(バージョン4)をリリースした。Foundationというのは、Bootstrapなどと同様のレスポンシブデザインのためのフレームワークだ。ZURBによると、新しいバージョンはモバイルファーストの観点から、完全に書き直されたものだとのこと。「デザイナーに新たな考え方を促すものとなるでしょう」としている。ページの開発にあたっては「まずモバイル版での見せ方を定義して、その後にデスクトップ版のデザインを考えていくこととなるのです」ということのようだ。

機能的な変更に加え、ライブラリの変更も行なっている。これまでのjQueryにかえて、よりコンパクトで軽量なZepto.jsを採用しているのだ。ZURB曰く「モバイルにフォーカスする中、より効率的且つ迅速にページを読み込めるようになりました」とのこと。またZeptoはAPIレベルでjQueryと互換性があり、開発者の判断でいつでもライブラリをjQueryに戻すこともできるとしている。

そしてデザイナおよび開発者が目にする形式も変更したのだそうだ。Foundationの以前の版ではBootstrap同様に「レイアウト」に基づいてコードの記述を行なっていた(<div class=”three columns”>といった具合)。しかし今回のFoundation 4からは、よりセマンティックなアプローチに切り替えることとした(<section>, <div class=”main”>等)。レイアウトの定義についてもSCSSのやり方に沿った形となっている。

foundation-buttonsまたFoundation 4には従来以上にmix-inやプレースホルダークラスが用意されている。しかし前回までの版との大きな違いは「モバイルファースト」を徹底したところにある。ZURBのパートナーでデザイン部門を率いるJonathan Smileyによれば、Foundationにおいては、どのデバイスにどのデザインを利用するかについての考え方が、従来とは逆になっているのだとのこと。すなわち、ページの開発も、単純なモバイルデバイス用のものから行なっていくようになっているのだ。

モバイル向けのページから開発を始め、そして、後からレイアウトを複雑化したり、大画面で高機能なデバイスに向けた機能を追加していったりするわけだ。すなわち、さまざまな機能ないしレイアウトをモバイル用に削り取っていくというのとは逆のアプローチをとっている。

いろいろと変更点があるので、バージョン3からのアップグレードは少々面倒なものとなる。ZURBは既存利用者に向けて詳細な移行ガイドを作成していて、それを参考にすればうまく移行することができるようになっている(もちろん既存プロダクトをそのまま運用していくことも可能となっている)。

ZURB

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(翻訳:Maeda, H)

Raspberry Piくん, お誕生日おめでとう–両親のUpton夫妻にインタビュー

Raspberry Piプロジェクトが今日(米国時間3/1)で1歳になる。誕生日は2012年の2月29日だから、誕生日パーティーは2016年までおあずけだそうだ。今回は、Piの両親、Eben Upton(父)とLiz Upton(母)にインタビューできた。また、Piを応援しているAdafruit IndustriesのLimor Fried(愛称Lady Ada)にも話を聞けた。

Piの最新モデルModel Bは今日たまたまその100万個目が売れ、そしてUpton夫妻はすでに、この愛らしいミニコンピュータ*の次のバージョンに取り組んでいる。その人気は、イギリスでも合衆国でも驚異的だ。インタビューの話題は、教育への浸透、Piの将来像、Lady Adaがなぜか持っている超レアなModel Aの不思議、などなど。Model Aは、アメリカにはそれ一台しかないはずなのだ。〔*: ミニコンピュータ、ミニコンと言えば、昔は全然違う物だったが…。〕

“Raspberry Piが稀少品だったころは、たった1枚のスプレッドシートに、世界中のその所在を記入できたね”、とEbenは語る。“今では100万台を超えているから、とてもそんなことはできない”。

Piは、コンピュータとコンピューティングの最良の部分を表現している。裸のハードウェアをいじったことのない人は、最初はびびるかもしれないが、使い始めると無限の楽しさが広がる。全世界の子どもたちに持たせたい、というUptonの夢が実現したら、世界中の次世代の子どもたちが完璧なコンピュータ知識を持って学校を卒業し、未来に挑戦していくだろう。

〔余計な訳注: 関係ないけど、本誌TechCrunchのAlex Williamによる、Google Compute EngineエヴァンジェリストJulia Ferraioliへのインタビュービデオ。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Ustreamが6%の人員削減+2名のVP増で有料サービスProシリーズへの注力を強化

ustream logo

ライブビデオサービスUstreamが今日(米国時間3/1)、チームの6%をカットするという小規模なリストラを発表した。このリストラと並行して二人のVPを新規に雇用し、Pro Broadcastingプロダクトの営業により注力して経営の黒字化を目指す。

リストラ後の同社の社員数は191名となり、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ブダペスト、韓国、日本など世界各地で仕事をしている。ただし会社は今でも成長中であり、今年も15名あまりを新規雇用した。現在、25名を求人しており、内16名が営業だ。

Ustreamによると、同社の収益源は広告からSaaSへとシフト中である。とくにProシリーズのプロダクトは前年比で150%成長し、Sony PlayStation 4の発表会の実況にも使われ、100万人がそれを視聴した。

この路線をさらに強化するために同社は、企業向けビデオサービスOoyalaから二人の役員をスカウトした。James NielsenはOoyalaの元営業部長で、今はUstreamの会員制営業担当VPだ。Dave Gibbonsは元ソリューションマーケティング部長で、今ではUstのプロダクトマーケティング担当VPだ(二つとも前からあった部署ではなくて新設のようだ)。

今回のプレスリリースの中でCEOのBrad Hunstableは、Ustreamを使ってブロードキャストをしているユーザ数が1500万、それらの月間視聴者数は8000万だ、と述べている。“今年は、SaaSプロダクトであるPro Broadcasterのさらなる快足成長に期待する。そのために営業力を増強し、顧客のニーズにより充実した対応を図ることにより、弊社のフリーミアムの巨大なユーザベースの収益化を促進したい”、と彼は言っている。

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Googleが検索の仕組みを楽しいインフォグラフィックで説明, 結果から削除したスパムサイトの実例も

how search works

Googleの、検索に関するホームページと言えるInside Searchが今日(米国時間3/1)アップデートされ、Googleの検索の仕組みや原理を分かりやすく説明する対話的教材のようなコンテンツが載った。今、Web上のページの数が30兆を超えていることは、もしかしてあなたも知らなかったのでは? Googleが行う検索の回数が月に一千億を超えていることも? Googleが検索のために作って使っているインデクスの量が一千億ギガバイトを超えていることも? こんなクイズネタ的な情報が好きな人は、長い巻物のようなインフォグラフィック“How Search Works”を頑張ってスクロールしよう。そこにあるリンクの先には、たとえばスパムの現状やGoogleのスパム対策をビジュアルに説明したページなどがある。

昨年はこれと同じように、Gmailの仕組みをThe Story of Sendで説明した。今回のはそれよりもやや高度な内容で、ユーザがGoogleの検索ボックスに何かをタイプしたあとに、一体何が行われているのかを、一般人向けにかみ砕いて説明している。

説明はGoogleの検索の仕組みだけでなく、その背後のアルゴリズムや、技術の特徴、検索に関するGoogleのポリシーなども図解している。また、検索結果の選択や順位付けについては、43ページものドキュメントで解説している(これの内容はあまりにも専門的すぎるかもしれない)。

でも、たぶんいちばんおもしろいのは、スパムのリアルタイム実例集 〔日本語〕 だ。Googleがスパムと認定したサイトの例が約50例、スクリーンショットと共に紹介されている*が、それはほんの数分前に検索結果から削除したやつだ(そう言う意味で、このスライドショウはライブ〜リアルタイムだ)。スパムはもぐらたたきのように、次から次に出てくる。それをつまみ上げるGoogle検索の動きが、またおもしろい。〔*: それらのリンクはChrome上でもFirefox上でも無効化され、実物のスパムサイトを見ることはできない。〕

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ついでに、みんなが今、何をググっているかリアルタイムで分かったら、おもしろいのにね、…..

私、今、ちょっとやばいこと、言ったかな???

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

日立がWesternに売ったHGSTがハードディスクにナノテクを応用して容量を倍増

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モバイルプロセッサに詳しい人は、Qualcommなどが作る現世代のチップを比較して論じるとき、32nm vs. 28nm(nmはナノメーター)なんて話をよく聞いているだろう。それはプロセッサのサイズを言い表す言葉で*、この数字が小さいほど電力消費が少なく、素子を小型化でき一定スペースに多量の回路を詰め込めるので機能も性能も上がる。〔*: この数字はVLSIの配線の太さ(幅)ないし配線間の間隔の幅のこと。〕

またディスクドライブでは、一つのビットを記録する磁性体単位の大きさ(パターンサイズ)を20nmよりも小さくするのは難しい、と言われている。ディスクドライブも、プロセッサと並んで、ムーアの法則が当てはまる分野だったが、どちらもそろそろ、限界に突き当たろうとしている。ところが今日、Western Digitalが日立製作所から買収したハードディスク企業HGST発表した画期的な技術によれば、10nmのパターンを作ることが可能だという。その工程は“ナノリソグラフィー(nanolithography)”(ナノサイズの平版印刷)と呼ばれ、これによりハードディスクドライブの最大容量を今の倍にすることができる*。〔*: 2×2=4倍ではない。原文のコメント参照。〕

HGSTのこのナノプロセスは、テキサス州オースチンのシリコン加工スタートアップMolecular Imprints, Inc.との共同開発で、これまで広く使われていたフォトリソグラフィー(photolithography)(写真製版平版印刷)技術を使わない。感光剤を用いる写真的な製版では、プロセスのサイズを光の波長より小さくすることはできない。HGSTの研究担当VP Currie Munceによると、HGSTの技術では将来的に10nm以下にすることも可能、という。

HGSTは今の2010年代内に一般市販製品の完成を目指している。そのための低価格化と安定性能を達成できれば、‘ストレージ欲’に限度のない今日の顧客たちが、こぞって採用するだろう。とくにWebは、クラウドサービスの増加と、Facebook、Apple、Amazonなどのビッグ企業のデータセンターの大型化がこれからも続くから、ストレージの費用効率とスペース効率はきわめて重要だ。HGSTのナノリソグラフィープロセスでは、磁性体の同じ面積のストレージ能力が従来の倍になるのだから、ざっと言って、効率も倍になることになる。

このプロセスは、顕微鏡レベルのちょっとした粗(あら)を冗長性によって回避できるディスクストレージに向いているようだ。Munceによれば、HGSTのナノリソグラフィーはモバイル用プロセッサなど、ナノレベルのVLSIの製造には向いていない。

“プロセッサでは、回路パターンに粗(あら)があることは絶対に許されない。ハードディスクドライブでは、つねにエラー修正コードが動いているし、パターンの欠陥を特殊な信号処理で補うこともできる”、と彼は説明する。

しかしそれでも、ハードディスクとメモリの方面では、今から5〜6年先にHGSTの画期的な技術が、クラウドコンピューティングやモバイルデバイスを中心として、テク業界全般に大きな影響を与えていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft自製のSurface RTが日本で3月15日に発売

Microsoftがスマートフォン、タブレット市場に乗り遅れ昨年から挽回を試みている。そして本日、Microsoftはタブレット端末、Surface RTの国内販売日が3月15日と決まったことを発表した。価格は32GBモデルが49,800円、64GBが57,800円だ。

Surfaceはアメリカでは昨年10月に販売され、Microsoftのハードウェア事業参入ということもあり、話題になった。初期ロットは予約しかし、Surfaceの販売台数は非公開のもののアナリスト達はかなり大幅に販売台数を下方修正している。

現在Surfaceが販売されているのは、アメリカ、中国、イギリスなど比較的タブレットが浸透している地域なので、先進国の中ではタブレット保有率が低い日本で巻き返しを図りたいところだろう。

Surface RTのレビューはすでにたくさんあるが、ご存じない方のため簡単に紹介しておこう。

搭載されているOSはWindows RTで、タイル上のインターフェイス(メトロUI)が特徴的なWindows 8をモバイルに最適化したOSだ。スマートフォンのように常時インターネットに接続できる。常時接続ができるとバッテリーの駆動時間が心配だが、Surfaceは最大約8時間使用可能だ。

画面サイズは10.6インチなので、iPadの9.7インチよりやや大きい。

SurfaceとiPadとの最大の違いはPCのように使える点だ。搭載OSであるWIndows RTはタブレットととしてはもちろん、他のタブレットではPCのように使いにくい点もカバーしているという。また、標準でOffice 2013 RTもインストールされている。

PCとしても使いやすいようにSurface RTのタブレットカバーにはキーボードとしての機能もある。他にもUSBポートやmicroSDのスロットなんかも付いている。

さて、MicroSoftがハードウェア事業に参入すると、これまでパートナーとしてWindowsのハードウェアを製造していたメーカーとの関係はどうなるのか気になるだろう。MicroSoftが販売する方が互換性は良いだろうし、何よりインパクトがある。

この点に関しては、今までと変えるつもりも無いし、これからもパートナーとして協力していく、と日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏はいう。Windows 8搭載のデバイスはすでに約250種類も市場にあるため、その中の1つとして考えてもらいたいとのこと。

また、Windows製品の中で競争をするというよりはWindows陣営とその他(Android、iOS)との勝負だと思っているそうなので、Surfaceを含めトータルでWIndowsが盛上がることが重要なのだろう。

発売時期がアメリカよりも半年ほど遅れたの理由に関しては色々な理由が考えられるが、樋口氏によるとWindowsストアの充実という点も考慮したという。

Windowsストアのアプリ数は公開されていないものの、AndroidのGoogle Play、iOSのApp Storeに比べるとまだまだアプリの数が少ない。そのため、パートナーのメーカーがデバイスを販売し、Windowsストアを利用するユーザーの拡大と同時にデベロッパーの数をある程度増やしてからSurfaceを販売したかったようだ。

その他、商用利用が可能なOffice 2013 RTをプリインストールしておくことも重要なポイントだったようだ。

3月15日の発売に向け、Surface RTとWIndows 8のテレビCM、屋外などで過去最大級のマーケティングを行うという。

なお、Surface Proの発売はまだアナウンスされていない。

Googleが新しい圧縮アルゴリズムZopfliをオープンソースで発表

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Googleが今日(米国時間2/28)、オープンソースの新しい圧縮アルゴリズムZopfliローンチした。今の標準圧縮技術であるzlibライブラリに比べて5〜8%圧縮率が高いといわれ、また解凍アルゴリズムは今のWebブラウザが現用しているもので間に合うため、Webサーバがこれを採用すれば、データの伝送速度が上がり、Webをやや速くすることができるだろう。

このアルゴリズムはチューリッヒ在住のGoogle社員Lode Vandevenneが20%プロジェクト*として作ったもので、Deflateアルゴリズムの実装だ。それはZIPやgzipが使っているアルゴリズムで、画像ファイルのPNGにも使われている。出力(圧縮結果)はzlibと互換性があるが、圧縮を行うアルゴリズムがzlibとは異なり、より効率的だ。〔*: 20%プロジェクト, 会社の拘束時間の20%は好きなこと(研究開発)をしてよい、というGoogleの内規。〕

Vandevenneは今日の発表声明で、“この徹底的で容赦のない圧縮アルゴリズムは、エントロピーモデルの反復と最短経路アルゴリズムを駆使し、可能なすべてのデフレート表現のグラフ中にビットコストの低い経路を見つける”、と述べている。

ただし、高い圧縮率の代償は長い圧縮時間だ(解凍時間は同じ)。Vandevenneはこう書いている: “最大でzlibの2〜3倍のCPU時間を要するので、Webの静的コンテンツのように、一度圧縮したらそれを今後何度でも使える、というアプリケーションに向いている”。

画像クレジット: Volvo

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビッグデータ分析の現場実践本がやっと出た–O’ReillyのBad Data Handbook

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ビッグデータはまだまだ難しくてよく分からない、と一般には受け取られているが、それも当然だ。その複雑さをシンプルに抽象化するやり方の例はいくつかあるが、しかしデータサイエンティストたちの話を聞いても、彼らですら、スプレッドシートに毛の生えた程度のものを見るだけのために、いまだにツールの勉強に苦労している、と言う。

フリーのデータサイエンティストMarck Vaismanが、あるインタビューで言っていたが、多くの人にとってビッグデータが難解なのは、技術の複雑さのせいだけではなく、人間の側の取り組み姿勢にもその原因がある。多くの場合、そのデータの使い方を理解している人は、ほんの少ししかいない。しかも、その人たちの説明能力は高くない。また、データ分析に総合的な視野から取り組んでいる企業はほとんどなく、複数の小さな断片的なプロジェクトがそこらに散乱していて、その方式に標準性がなく、互いに重複していたり、企業や部門にもたらす価値が何もなかったりする。

陥穽(落とし穴)は至るところにあり、重要な基本が忘れられている。Vaismanは最近O’ReilyからThe Bad Data Handbookと題する本を出版し、その中でビッグデータ分析の十戒ならぬ五戒を述べている。

この混乱の中で、ベンダたちは自分のプロダクトやサービスの速さや能力を自慢している。でも企業が本当に必要としているのは、目の前のデータ量と、分析結果がフィードされるアプリケーションの速さをマッチさせられるような、調整能力のある分析アプローチだ。データ分析のベストプラクティスを構築したAccentureの役員たちは、上のビデオと同じくStrataの会場で、短いインタビューに応じてくれた。

データは、戦略的な資産として活かす必要がある。Strataのようなカンファレンスにコンサルタントの姿が多いことは、まだかんじんの顧客企業側が、ビッグデータ分析ベンダたちの語る美辞麗句を、よく理解していないことを、物語っているようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Groupon株、CEO離任発表後に時間外取引で12%上昇(ただし後に下落)

Andrew Masonの損はGrouponの得、少なくとも株主たちにとってはそうなのかもしれない。

Grouponの株価は、時間外取引で急激にかつ際立って上昇した。長年のCEO Andrew Masonが同社を追われたことが発表された直後のことだった。最初の報道から数分以内に株価は終値の4.53ドルから最大12%はね上がった。東海岸時刻4:20pm、時間外本日最高値の5.10ドルを記録した。NASDAQによる

もちろん株価は秒単位で変わるので、この手のビッグニュースに対する市場の反応にこだわりすぎても仕方ない(Grouponの時間外レースはその後鎮静化した)。しかし、現実に急な値上がりがあったという事実は、Masonの離任を前向きな一歩と見る投資家が存在することを示している。

とはいえ、Grouponの道のりは長い。同社の株価は2011年11月の上場時には20ドルだった。ここ数ヶ月間じりじりと下がり続け、今週同社が相当精彩を欠いた四半期決算を報告した後、大きく落ち込んだ。

Grouponでは多くの社員がMasonの離任を悲しんでいるに違いないが、彼自身はこの出来事を冷静に受け止めているようだ。Masonは、オンラインに載せた従業員向けの実に率直なメモの中で、自身のCEO辞任は妥当であると言った。

「私は今日クビになった。理由がわからない人は・・・おそらく注意が足りない。問題になったS1資料の記述から、われわれの重大な弱点、2期連続で予測を下回り株価が1/4も下がったことまで、この1年半の出来事が自ずとものがたっている。CEOとして、私に責任がある」

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(翻訳:Nob Takahashi)

Salesforce、4Q売上32%増。年間売上30.5億ドル

Salesforce.comは会計2013年度第4四半期の決算を発表し、売上は前年同期比32%増の8.35億ドル、1株当たり非GAAP利益(EPS)は0.51ドルだった。アナリスト予測は売上が8.25~8.30億ドル、EPSは0.40ドルだった。

2013年度通年では売上30.5億ドル、前年比35%増。

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Salesforce.comの発表によると、同社の次年度第1四半期の売上予測は8.81~8.87億ドルで、前年比27~28%。会計2014年度通年の売上予測は38.2~37.7億ドル、25~27%増、非GAAP EPS予測は1.93~1.97ドル。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Fujitsuのシニア向けスマートフォンはAndroidを賢く使って複雑さを隠している

日本の電子機器メーカーFujitsuは、国内スマートフォン市場からの脱皮に慎重だった。同社はその細身で洗練されたハイエンド機で知られているが、今月ヨーロッパ進出を発表し、そこでは混み合っている高級機市場を避け、カスタム化Androidベースのスマートフォンでシニア層のニッチを狙う。 Stylistic S-01は、年長の人たちが使いやすいようにデザインされている。Fujitsuは、同機をFrance Telecom/Orangeと提携して6月にフランスで発売する予定だが、今回モバイル・ワールド・コングレスでお披露目し、本誌も手に取ることができた。

ちなみに、シニアモバイル分野に参入するのはFujitsuが最初ではない。実績のあるところで、Emporiaはもっぱら簡素化した多機能電話を作っているし、Doroもさまざまな端末を作っている(タブレット用ソフトにも手を出している)Doroは、昨年のMWCで独自のAndroidベースのシニア向けスマートフォンを発表している。

本体は持ちやすいようにラバー地でコーティングされ、〈今日の〉スリムで洗練されたハイエンド機よりも曲線的で手になじみやすく、通常の板状電話よりも落としにくい。前面には4インチのタッチ画面の下に明瞭に表記されたホームボタンが置かれている。ボタンはわずかに出っぱっていて押しやすい。側面には、電源、音量の上下ボタンがあり反対側には専用のカメラボタンがついていて、それぞれラベルがついている(ただしアイコンによる)。これらのキーはわずかに出っぱっているが、うっかり押してしまうほどではない。

Fujitsuは、静電容量タッチスクリーンの感度を意図的に低くすることによって、ターゲットのユーザー層が誤ってキーを押す可能性を減らしている。私がいじっている間、レスポンスが悪いと感じたことはなかったが、画面上のボタンを意識的に強く押さなければならない場面はあったが、これは狙っている機能を再確認させるものだった。

ハードウェア面にはいくつか奇妙な点が見られた。Micro USBポートにはカバーがかかっていて、爪で開いてやる必要がある。このカバーは防塵防水のためと思われるが、充電が簡単ではないことを意味している。

本機は、非常時のためのアラーム機能も備えている。これは、持ち主がトラブルに見舞わらた時に近隣に大きな音の警報を鳴らすと同時に、事前に選んでおいた相手に自動的に電話がかかるしくみだ。アラームボタンは本体背面のカメラレンズの左側にある。この機械式ボタンはやや小さい上に、これまた爪などで引っぱり出す必要がある。もちろん、誤ってアラームが鳴るのは困るが、非常時に鳴らすのは少々難しそうだ。

AndroidであってAndroidでない

ソフトウェアに話を移そう。ここはまさしくこの端末が他のAndroid集団と一線を画している部分だ。簡易化されたカスタムUIは、キーを前面に押し出し、複雑さを奥にしまい込み、持ちやすさがよく考えられている。ヘルプボタンとガイドの他、説明書も電話機に内蔵されている。ホーム画面には大きくはっきりと名前を付けられたアイコンが並べられ、下方へスクロールして使用頻度が少ないと思われる機能になるとアイコンが小さくなる。2つある大きなボタンは、「発信」と「電話帳」(”phonebook”。”contacts”[連絡先]よりもシニアに優しい表現)だ。

メッセージとメールもホーム画面のトップにあり、他に1~3の数字がついたプリセットできるボタンがある。ずっと下までスクロールすると、最新ニュースと天気を表示する情報ウィジェットがある。その下には、様々な機能が格子状に配置されていて、これも明確に名前が付いている。インターネット、カメラ、マップ、ビデオ、ギャラリー、ヘルプフォーラム、マニュアルなどだ。唯一やや地味で目立っているのが「Play Store」と書かれたボタンだ(ありがとうGoogle)。

Androidアプリは、Play Storeまたは「アプリをダウンロード」ボタンを使ってダウンロードできる。他のプレインストールされたアプリは「その他のアプリ」と「Orangeのサービス」の下に隠されているので、簡易化されていると言っても機能そのものが削除されているわけではない。むしろ、利用者が少し堀り下げてみる勇気がでるまで危険を回避している。

デザインにはよく考えられた小さな工夫が数多くある。電話帳アプリは伝統的ファイロファクスに似せてあり、「私の電話番号」というボタンが自分の番号を覚えられない人を助けてくれる。ギャラリーにも「写真を撮る」ボタンがあり、カメラを探してギャラリーに行った人を正しい方向へ導いてくれる。バックボタンにもはっきり”back”と書かれていて、暗号めいたシンボルで混乱させられることがない。そしてブラウザーのトップには “?” ボタンがあり、初めてのモバイルウェブ利用者にブラウズ方法を説明してくれる。

他のアプリもうまく削ぎ落として簡易化されわかりやすく表示されている。例えばカメラアプリにはカメラボタンとフラッシュのオンオフ切換ボタンしかないし、電話アプリにはダイアルオプションと通話履歴のフォルダー型タブが2つあるだけだ。FujitsuのUIデザイナーたちは長い時間をかけ、シニアユーザーがスマートフォンに慣れるための小さな一歩を心地よく踏みだせるよう、見事にAndroidを隠している。

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(翻訳:Nob Takahashi)

AWS(Amazon Web Services)がメッセージングとノーティフィケーション(通知)APIを値下げ

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Amazon Web Servicesがまた値下げをした。今回の値下げ対象は、二つのサービス: Simple Queue Service(SQS)と、Amazon Simple Notification Service(SNS)だ。

SQSは、複数のコンピュータ間を行き来するメッセージを保存するための、スケーラブルなキューを提供する。アプリケーションの各部位が分散しているとき、このようなメッセージングシステムによってお互いが正しく協調〜シンクしながら動くことができる。各部位そのものに、いちいち直接アクセスする必要がない。したがって、SQSを利用するとワークフローの自動化が容易にできる。デベロッパは、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)とAWSのそのほかのインフラ的Webサービスとの正しい連動を確保できる。

SNSは、クラウドからの通知をセットアップし、操作し、送り出す。この通知処理により、アプリケーションからのメッセージをパブリッシュする、サブスクライバーたちやほかのアプリケーションに配布する、などのことができる。それは、Web上のコンピューティングをより容易にするための便宜の一つだ。

値下げの概要は以下のとおり:

  • SQS APIは50%値下げ、100万リクエストあたり50セントとなる。
  • SNS APIは17%値下げ、100万リクエストあたり50セントとなる。
  • SQSとSNSの無料層が拡大され、各月リクエスト100万までとなる。これまでの10万を一挙に10倍。

値下げの発効は明日(米国時間3/1)から。GovCloud(US)を除くAWSの全リージョンに適用される。

値下げは、このところのAWSの基本戦略の一環だ。この前はS3ストレージが値下げされた。AWSのその戦略は、いわゆる薄利多売だ。サーバ(サービス)のスケールが大きくなれば 、提供単価を安くできる。またボリュームディスカウントと提供コンピューティングパワーの拡大により、顧客に最適能力を提供できる。同時にAWS側の余裕も拡大し、ふたたび値下げが可能になる。そんな“善循環”をAmazonはねらっている。

値下げは、競争の激化のたまものでもある。Google Compute Engine(GCE)と、デベロッパたちに好評なWindows Azureも、共に値下げを繰り返している。オープンソースのOpenStackも、今後ますます、そのインフラストラクチャの可利用性を高めるだろう。だから、競争の激化はこれから加速する一方だ。値下げは、サービスの価値を高める重要な要素の一つになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、グラフ検索のサンプルを公開―もっと本質的なユーザー体験の改良に力を入れるべきでは?

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Facebookでユーザーがいちばんひんぱんに訪問するのは写真とニュースフィードの部分だろう。それに比べて、最近鳴り物入りで追加された2つの大型プロダクト、タイムラインとグラフ検索は比較的ニッチな機能にとどまっている。

今日(米国時間2/28)、Facebookは グラフ検索をデモするため、サンプルを公表した。しかしその結果はグラフ検索はユーザーが毎日使うようなものではないという印象を強めただけだった。

Facebookが検索機能を強化する必要があるのは間違いない。しかしこれまでのところ、Facebookでは先進的なテクノロジーを見せびらかすのに熱心な一方でユーザー体験の改善ががおろそかにされているのではないだろうか。

先週私はFacebookを取材したところでは、グラフ検索はすでに何十万人ものユーザーに公開されているという話だった。スタートの時点でのユーザーは10万人前後だったようだ(ベータ版への登録はこちら)。しかしユーザーはこの機能を利用するのにあまり熱心でないらしい。そこで、Facebookのユーザーで現在グラフ検索が利用できるのは1000人に1人くらいなのだが、Facebookはいっそうの利用を促すために検索結果のサンプルを紹介するブログ記事を公開した。

紹介されている検索例には、友達の昔の写真やビデオ、大手メディアからの話題のコンテンツなどが含まれている。その他検索されているのは、付近のホテルやレストラン、友だちが訪問したスキーリゾート、自分が以前に訪問した観光名所、友だちが「いいね!」したアプリやビデオ、有名人のホビー、自分と似たような「いいね!」をしている人々、などの情報だ。

Facebook graph Search Examples

しかしこのリストをよく見ていただきたい。読者が毎日検索しそうな項目が1つでも含まれているだろうか? たまにはノスタルジックな気持ちになって過去のコンテンツを引っ張りだしたり、バカンスの計画を立てようとして情報を集めたり、また単に暇つぶしのために検索したりすることはあるだろう。しかしどう考えても近況アップデートや親しい友だちの写真アルバムほどの利用度合いになるとは思えない。

2011年9月にタイムラインが発表された。すばらしい機能には違いない。しかし読者はどのくらいの頻度でタイムラインを使って自分や友だちの過去の投稿を過去に遡って読んでいるだろうか? 全ユーザーの全投稿履歴を表示できるようにするためにFacebookは膨大な資源を振り向けた。しかしそのメリットは? 私が他のユーザーのプロフィール・ページをを訪問するのはほとんどの場合「基本情報」を確認したり最近の投稿や写真を見るためだ。しかしそれならタイムライン導入以前のバージョンでも問題なく表示されていた。それならカバー写真を設定できるようにするだけでアップデートは十分だったかもしれない。

もちろん別の見方もできる。タイムラインとグラフ検索はユーザーの人生の記録をまとめて世界に示すための基礎となる。そこには大きなビジネスチャンスが潜んでいるのかもしれない。グラフ検索連動広告も考えられる。また人々がなにに「いいね!」し、どんな場所を訪問するのかについて高い精度で情報を与えてくれるだろう。グラフ検索は長期的にはFacebookにとってきわめて重要な資産になるかもしれない。繰り返すがグラフ検索はFacebookの保有する膨大なデータを横断的に結びつけるきわめて強力な手段となり得る。

GS Examples

しかし、そうではあっても、やはりこうした検索が必要になる局面はそう多くない。Facebookはグラフ検索をお披露目するイベントを華々しく実施し、第3の柱だと主張した。しかしむしろ「高度な検索」をリニューアルする形で地味にユーザー体験を改善する道を選んだほうがよかったのではないだろうか。友だちの検索を居住地や名前、趣味などをキーワードにして自由に絞りこめるようにしてもらいたかった。どこかで会ったがファースト・ネームしか覚えていない相手をすぐに探せたら便利だろう。そういう機能こそFacebookのユーザーが現実に必要としている検索だと思う。

一方で、ニュースフィードは…2006年のリリース以来ほとんど変わっていない。写真共有も2010年のリニューアル以後だいたいそのままだ。うまく統合、選択された写真ストリーム(ときおり写真による広告が入る)が提供されれば、平均的ユーザーでさえ毎月何時間かはそれを眺めるだろうと思う。これは膨大な広告収入を得るチャンスだ。今のニュースフィードはまだ文字中心だが、写真ストリームはエンゲージメントを高める上で効果があるだろう。さいわい、Facebookは先月私がレポートしたように、モバイル版のニュースフィードについては根本的にビジュアルなものにアップデートしようと準備を進めている

Facebookはユーザー体験に関して豊富な経験を持っている。写真とニュースフィードがいつでもその中心にあることは十分承知しているだろう。それなのに最近はなぜニッチな部分にオーバーエンジニアリング気味の凝った機能を実装することにばかり熱心なのか? Facebookは10億人のユーザーをないがしろにする方向に脱線してはならないと思う。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

速報:業績悪化で株価暴落のGroupon、ファウンダーでCEOのアンドルー・メイソンが離任

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Grouponのファウンダー、CEOのAndrew Masonがさきほど離任し、 会長のEric Lefkofskyが後任CEOとなった。また副会長のTed LeonisisがCEO室長という新設ポストに就いた。

二人は暫定で共同CEOを務める。現在取締役会は後任CEOを探しているという。

公式プレスリリースでLefkofskyはこう述べている

Groupon取締役会を代表してAndrewのリーダシップ、創造性、Grouponへの愛に深く感謝の意を表したい。ファウンダーとしてAndrewは新しいビジネスモデルを作り上げ、Grouponが史上もっとも急速に成長する企業となることを助けた。

このニュースは今朝の大波乱の直後に公表された。Grouponが発表した第4四半期の決算は驚くほど期待を下回った。発表の直後に時価総額は4分の1も下落した。

しかしGrouponのトラブルは今日に始まったことではない。Masonへのプレッシャーは日々高まっていた。この数ヶ月、Masonの下で株価が2桁のパーセンテージで下落したため、解任の動きが激しくなっていた。

昨年11月にはヘッジファンドからの投資があってGrouponの株価は11%上昇したものの、今朝の決算報告で再び暴落した。.

Masonは2008年にGrouponが創立されて以来、CEOを務めてきた。Grouponは昨年上場し、7億5000万ドルを市場から調達したが、以後苦闘が続いていた。割引クーポン共同購入ビジネス市場そのものも勢いを失っている。

さらに取材中…

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

ビッグデータ市場は分析データベースへと進化中: JethroDataがHadoopの弱点克服で$4.5Mを調達

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Hadoopをベースとする分析データベースJethroDataが今日(米国時間2/27)、Pitango Venture Capitalが率いる投資ラウンドにより450万ドルを調達した、と発表した。

JethroDataはイスラエルの企業で、Hadoopの、ストレージに対するスケーラビリティと、完全にインデクシングされた列指向型分析データベースのクェリ機能を組み合わせた、サービスを提供している。列指向データベースは、大量のデータに対して複雑なクェリを行うデータウェアハウスシステムで重宝された歴史を持つ。

ファウンダのEli Singerはメールによるインタビューで、同社の差別化要因は、Hadoopにデータを保存して、それらを分析のために取り出す、ややもすれば複雑な工程を、単純化して能力を高めた点にある、と述べた。分析データベースとHadoopが別立てである企業が多いが、それだと、データをスキャンして分析するのに時間がかかりすぎる弱点がある。そのような分析は、結果をリアルタイムで見る方式ではなく、バッチで行われることが多い。Jethroは、クェリをHadoopネイティブで行うことにより、パフォーマンスが高いと主張する。

JethroDataには競合他社も多い、とSingerは言う。いちばん直接的な競合他社はHadaptで、ここもやはり、Hadoopに保存したデータをデータベース的に組織化する手法をとっている。

またClouderaImpalaは、Google Dremelによる高速なフルスキャンシステムでMapReduceをリプレースしている。Dremelはビッグデータ分析におけるGoogleの、MapReduceに次ぐ後継技術だ。Apache Drillをサポートすると発表したMapRも、やはりGoogle Dremelがベースだ。先週はHortonworksが、同社の独自技術であるTezを発表した。Citus Dataにも、Google Dremelによる自社独自の分析データベースがある。それは、PostgreSQLのコアの並行処理でクェリを行う点に、独自のイノベーションがある。

Singerによると、HBaseを使っている企業もある。それは、今のところHadoop上で可利用な唯一のデータベースだ。Drawn to ScaleSplice MachineがHBase派だ。Salesforce.comにはオープンソースのPhoenixプロジェクトがあり、HBase上のSQLを提供している。

さらに、JethroDataと競合する分析データベースとデータウェアハウス企業としては、HP Vertica、EMC Greenplum、IBM Netezza、Teradata Aster、InfoBrightなどがある。

JethroDataではこれまで、ある顧客企業がアルファテストをやっていたが、次の四半期からベータに入り、より多くの企業が利用できるようになる。今社員数は8名だが、年内には25名になるという。

分析データベースの市場は、ビッグデータ分析の次の最先端領域だ。JethroDataらは、Hadoopのアキレス腱対策に取り組んでいる。それは、ビッグデータの集積から、必要なデータを取り出し、分析し、結果をリアルタイムで見せることだ。成功の鍵は、今たくさん雨後の筍している競合他社に対する強力な差別化を、今の、市場が若いうちに確立することだ。そして、大差で先頭を走り続けること。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

女性の新進ハードウェアスタートアップ: 世界最美味のアイスクリームを作るSmitten Ice Cream

[筆者: Kevin Rose]

ぼくのニュースサイトFoundationが提供しているビデオシリーズの最新版は、Smitten Ice CreamのファウンダRobyn Sue Fisherへのインタビューだ。

Robyn Sueは、スタンフォード大学のデザインスクールの同窓生/卒業生のネットワークを作り、FBIへの就職をやめて起業家になった。そして、2年がかりで作ったのが、家庭用インスタントアイスクリームメーカーKelvinだ。

Robyn Sueは、Smittenというブランドのイメージを作るに際して、Radio Flyerのワゴンが参考になった、と語る:

“今までどこにもなかったような、クレージーなマシンはできたけど、それがやることは、家庭でアイスクリームを作るという、オールドファッションだ。どんなブランドイメージと企業イメージにすべきかしら? オールドファッションで健康的といえば、Radio Flyerのワゴンできまり、じゃないかしら?

バッテリパックの寿命は3時間だ。それをミルク容器の下に入れる。その上にKelvinを乗せる。全部をゴム紐で縛り、10リットルのデュワー瓶に液体窒素を入れる。それらを全部ワゴンに乗せて、町中を引いて歩く。TwitterとFacebookで、宣伝しまくる…”。

[ラジオフライヤーのワゴンを使ったSmittenのロゴ]

Kevin RoseはGoogle Venturesのゼネラルパートナーだ。KevinのFoundationサイトの最近の過去記事は、ここで見られる…インタビューのお相手はJawboneのファウンダHosain Rahman。

〔訳注: 女性ハードウェアスタートアップとしては、Arduinoが有名。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Groupon、2012年Q4の売上は6.38億ドル。予想を下回り株価は20%ダウン

先ほどGrouponが第4四半期および通年の決算を発表した。四半期売上は6.388億ドル、経常損失は1290万ドル、1株当たり損益(EPS)は0.12ドルの損失で、EPSはアナリスト予測に届かなかった。予測は売上6.3841億ドル、EPSが0.03ドルの利益だった。

この数字は、前年同期と比べて売上が30%増、経常損失は微減(1500万ドルから1290万ドル)だった(このQ4のデータは、報告の約1ヵ月後に再度報告される必要がある。これは高額商品を多く売ったことにより通常より顧客からの返品が多く、Grouponの払い戻しが予定を上回ったためだ。

東海岸時間4:30pm現在、Groupon株は時間外取引で22.44%下落して4.64ドル。

決算報告リリースでは総取扱い高が強調され、前年比24%の15.2億ドルだった。

「今四半期の取扱高新記録は、利用者がGrouponを気に入っている明確な証だ」とCEO Andrew Masonがリリースで語った。「われわれは2013年も成長への投資を続ける。顧客の欲しいものを与える新しいチャンスがあるからだ」

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通年でGrouponの売上は23.3億ドル(35%増)、経常利益は9870万ドル(2011年は2.334億ドルの損失)だった。

この四半期は年末商戦のおかげで同社には明るい光も見えた。特にモバイルコマースは、地元店舗に対して日替り特典以上のものを提供する拡大計画の一環として同社が伸ばしたい分野だ。同社の発表によると、ブラックフライデーのモバイル取引は前年比140%増で、通常の金曜日午前の4倍だった。期間中モバイルでは、Groupon全体の40%以上の取引きが行われ、「Groupon Goods」取引の半分以上だった。決算リリースによると、1月中取引の40%近くがモバイルで完了しており、前年比44%増だった。

海外を見ると、Grouponの総取引高8.02億ドル(6.2%増)、売上2.63%ドル(15.9%減)だった。同社の海外ビジネスは、米国外の47ヵ国にわたり中でも英国が最大の市場だが、未だに同社の古いビジネスモデルである日替りクーポンが中心だ。この理由は、Grouponの成長が買収によるものであり、各国が独自のバックエンドシステムを持っているために、米国システムとの統合が困難であることが大きい。約1年遅れではあるが、一部のモバイルコマースサービスとの統合は計画に入っているようなので、BreadcrumbのPOSソリューションなどが海外で見られる日も遠くないだろう。

この収支発表は明日のGroupon取締役会に先立って行われた。

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(翻訳:Nob Takahashi)

個人がiPhone上で安価に尿検査できるアプリUChek

[筆者: Michael Seo]
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iPhoneをトイレで使いたいですか? Myshkin Ingawaleにはそのためのアプリケーションがあります。

IngawaleはBiosenseの協同ファウンダで、このムンバイの会社は安上がりで機能性の優れた医療関連テクノロジを追究している。昨年のプロダクトは、ポータブルで注射針を使わない貧血テスターToucHbだった。そして今日(米国時間2/27)同社は、ロサンゼルスのTEDで、UChekというかわいい名前の、大衆向け尿検査アプリを披露した。

昔の尿検査は、相当面倒だった。コップに尿を取り、そこへ試薬リボンを放り込む。そしてリボンの色を精査して、尿の異常成分(グルコース、ビリルビン、蛋白質などの量)を調べる。たとえばグルコースの量が多いと、糖尿病の疑いがある。

今でも試薬リボンを使って目視で検査することもあるが、尿検査機械の方が正確な結果を出す。ただし機械のお値段は1万ドルもするし、またいろんなタイプの試薬リボンとの互換性が十分でない。

IgnawaleのUChekは、尿に浸した試薬リボンをスマートフォンが写真に撮って、その色をアプリが分析する。そして、正確で分かりやすい結果を出す。

今このアプリはムンバイの病院でテスト中だが、すでにAppleのApp Storeで承認待ちでもある。

アプリは99ドル、そして試薬リボンと、目視比較用のカラーコードマップが20ドルだ。Android版も予定しているが、Ingawaleによると、リリースまでかなり時間がかかりそう、という。

“おしっこと携帯電話は、今や世界中の誰もが持っている”、IngawaleはTEDの聴衆にこう語りかけた。“だから尿検査も、各人が自分のところでできるべきだ、と考えた”。

そう考えたのは、彼が初めてではない。同じくiPhoneアプリのPiddleは、デンマークのプログラマが、昨年5月にストックホルムで行われたHealth Hack Dayで作り、一等賞を取った。今後は、モバイルの尿検査がブームになるのかもしれない。なんだかおかしな現象かも、しれないけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、購売データ業者を利用した「車を買いそうな人」などのターゲティングを可能に

オンライン、オフラインの購売データ提供会社大手のDatalogix、Epsilon、Acxiom、およびBlueKaiと新たに提携したFacebookは、今後広告主が、既存・潜在顧客のハッシュ化リストや、RPGゲーマー、炭酸飲料好きなどのカテゴリーを使ってターゲティングすることを可能にする。この拡張されたCustom Audiencesプログラムは、本当の購入者にマッチした広告を打つことによって売上の拡大をもたらし広告主を引きつけることができるだろう。

先週AdAgeは、DatalogixEpsilon、およびAcxiomとの提携を初めて報じたが、その後BlueKaiを含めて正式に確認された。これは、Facebookの広告は単なるブランドマーケティングもどきではなく、企業の製品を買う真の顧客にリーチできる、ということを企業に知らしめたい同社の探究の一環だ。

これまで少々苦戦しているのは、複雑な製品、ターゲティングの制約に加えて広告主の体験の少なさゆえに、結果を出せない企業もあったからだ。それらの企業が、Facebookの広告プラットフォームは効果がないと言いふらして他の大広告主を怖がらせることもあった。

helpこれはFacebookが昨年9月にCustom Audiencesプログラムをスタートした理由の一つでもある。広告主のウェブサイトを訪れたユーザーをcookieベースでリアルタイムに再ターゲットするFacebook Exchangeを補完するものだ。データプロバイダーはcookeiを使ってCustom Audiencesに人を追加できるだけでなく、メールによる登録や他の連絡先情報を使用することもできる。

新しいパートナー4社は、すでに多くの世界最大級ブランドのために、メールマーケティングやダイレクトメールその他のオンライン広告でターゲティングを行っている。今後彼らは、同じデータを使ってFacebook広告を正確に狙い打ちできるようになると同社のStudioブログで語っている。企業はデータパートナーに対して、顧客あるいは潜在顧客のメールアドレス等の情報を、プライバシー保護されたハッシュ化リストにしてアップロードするよう依頼できる。これを使ってそのグループの人々をターゲットできるが、リーチしている相手を特定する個人情報を知ることはない。

これらのデータプロバイダーを利用したのことのない企業であっても、今回の提携の恩恵を受けることができる。Facebookは、定義済みカテゴリーとして自動車購売予定者、高級ファッション購売者等を用意しており、どの企業でも利用できる。

Facebook Data Provider Ad Custom Audiences

Facebookが行ったケーススタディーによると、シカゴの自動車ディーラー、Castle Auto Groupが既存顧客のCustom AudiencesをターゲットしたFacebook広告を組み合わせることにより、宣伝費の24倍の見返りがあった。香港のゲームデベロッパー、Klingnetは自社タイトルをプレイしそうな人々のCustom Audiencesを使用してインストール当たりのコストを40%削減した。

データ保護とハッシュ化によって広告主が個人を特定できなくしたのに加えて、Facebookはユーザーがこのプログラムからオプトアウトする手段も用意している。Facebookは、プライバシーページの注意書きで、Custom Audiences広告をクリックして、どの広告主が自分をターゲットしているのかを見て、その広告主の広告を今後受け取らなくしたり、そのデータプロバイダーのターゲティングから外れる方法まで詳しく説明している。

もしこのCustom Audiencesプログラムがうまく行けば、ホンダのディーラーは「シカゴ在住でホンダの好きな人」から「シカゴ在住で自動車販売ウェブサイトを訪れたことがあるか、ディーラーのメールに登録したか、3~10年前の間にホンタ車を購入した人」までターゲットできる。ご想像の通り、後者の方が販売につながる可能性はずっと高い。企業はFacebook広告で利益を上げることができれば、Facebook広告に宣伝費をかけるようになる。

これはみな、オンライン広告がより正確になっていく大きな動きの一環だ。時間と共にオフライン、オンライン双方の購売と行動が、特定の層や個人に結びつけられていく。テレビや印刷媒体によるターゲットの曖昧な掃射的アプローチは消え、やって来るのは商品にお金を払うつもりのある人々にレーザー照準された広告だ。これは、人々が多くの時間を費やすオンライン広告プラットフォームであれば、Twitterやその他のメディアサイトにとっても良い兆候だが、何といってもFacebookである。もし企業が、いつもそこにいる熱心な視聴者を捕えておくことができれば、ひとたび測定やターゲティングの技術が進化した時幸運を得ることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)