GoPro用の強力ライトLume Cubeの弟Life Liteは、スマホでライブビデオを撮る人向け

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かつてLume Cubeは、GoProを愛用するエキストリームスポーツの市場をねらった、スマートフォンで制御する80ドルの防水ライトとして、人びとの関心を集めた。今日同社がKickstarterで資金集めを開始したLife Liteは、その後継機で、Luma Cubeよりも33%光量は少ないが、値段とサイズは半分だ。この製品は主に、スマートフォンでビデオ、とくにライブでストリーミングされるビデオを撮る人びとが対象だ。

Lume CubeのファウンダーでCEOのMornee Sherryはこう言った: “前から、売れると思っていた製品なんだ。最初のLume Cubeは、今では45か国以上で売られている”。

The Lume Cube Life Lite can still be used with GoPros, of course, but its slightly thinner form factor means it's better suited to smartphone photographers -- and people who want to be able to throw a small light in their pocket or bag

Lume CubeのLife Liteも、もちろんGoProと併用できる。しかしかなり薄いから、スマートフォンでの撮影に向いている。ポケットやバッグに小さなライトを入れておきたい人たちにも。

同社の最初の製品であるLume Cubeは、世界中のエキストリームスポーツファンが愛用しているが、そのキューブ型のライトは、一部の人たちにとっては大きすぎるし高すぎた。それを知った同社は、その軽量バージョン、Life Liteの開発に取り組んだ。30フィート(10メートル)の耐水性があり、光量は1000ルーメン、Lume Cubeの100フィート1500ルーメンに比べると見劣りするが、小さくて安いからきっとLume Cubeとは別の需要はあるはずだ。

Sherryは言う: “Luma Cubeはとにかく頑丈。試しに、トラックで轢いてみてごらん。GoProは暗いところが苦手だから、Luma Cubeとはぴったりの仲だ。とくにエキストリームスポーツでは、丈夫であることと、すごく明るいことが重要だからね。でも、そこまでの厳しい条件のない需要だってある”。

2014年を境に、写真というものが激変した。スマートフォンが普及して、誰もかれもが写真を撮り、ビデオをストリーミングするようになった。そして小型カメラのレンズの明るさも、昔に比べて大幅に向上した。スマートフォンユーザーには、GoPro愛用者ほどの頑丈なカメラは必要ない。そういう人たち向けの、それほどめちゃめちゃ明るくない、めちゃくちゃ頑丈でもない付属ライトが、Life Liteだ。

Lif LiteのKickstarterキャンペーンは、ここで見つけてください。この記事を書いてる時点では、まだキャンペーンは始まってなかった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Pixelのカメラはスマートフォン中で最高画質―静止画、動画をテストしてみた

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Androidスマートフォンの最新フラグシップモデル、Pixelは Googleの力を最大限に示す製品に仕上がっている。中でも優れているのがカメラだ。ハード、ソフト両面でPixelの撮影能力は非常に高い。だがその能力は写真マニアを満足させるほどのレベルだろうか? 

一言で答えればイェスだ。Googleは非常に高いレベルでの写真とビデオの撮影を可能にした。私がテストしたのはXLだが小型のPixelもカメラのハード、ソフトは同一だ。Pixelでスナップ写真を撮るのは簡単かつ素早くできる。HDR+機能が自動的に起動されるのでほぼあらゆるコンディションで鮮明な写真が得られる。

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ビデオ撮影の手ブレ補正も驚異的だ。ただし最高の結果を得るためには多少の慣れが必要かもしれない(この点ではデジタル一眼やミラーレス用の大掛かりなジンバル・システムも同じことだ。これについては後述)。一般のPixelユーザーはカメラのパフォーマンスに十分以上に満足するだろう。カメラのソフトの設定などで頭を悩ます必要はない。そのまま使えばよい。Pixelの他の要素も優秀だが、これはBrian Heater記者の長文記事に詳しく解説されている。

Pixelのカメラに興味ある読者のために以下で詳しく説明してみる。カメラの性能を説明するには実際の写真やビデオを見るのがベストだ。現実的な条件で撮影した画像を見ていだこう。

静止画撮影

私はストリート写真を撮影するのが大好きだ。スマートフォン・カメラはこの目的には絶好だ。デジタル一眼などと違い、スマートフォンを持っている人間には誰も注目しない。携帯性がよく、常に持って歩ける。ただしスマートフォン・カメラは低光量の条件に弱い。これはデジタル一眼やミラーレスを含め、専用カメラに比べてスマートフォン・カメラのセンサーのサイズが極めて小さいためだ。

しかし下のスライドショーを検討してもらえば、Pixelのカメラは直射日光下でも曇りの日でもストリート写真の撮影にまったく問題ないことが分かるだろう。これらの写真はデフォールト設定で撮影されている(PixelのカメラはデフォールトでHDR+が有効)。色調は「リッチ」、「バランス」に設定されている。この設定で、少なくとも私の目には飽和(サチュレーション)が起きているようには見えなかった。直射日光が当たっている条件でもレンズのグレア、ハレーション、白トビといった深刻な問題は一切起きていない。

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同様にマクロ撮影的なクローズアップでも良好な結果を残した。 上のスライドショーでアサガオの写真を見てもらうとわかるが、ディテールがきれいに出ている。紫色の花びらの中心のシベがしっかり描写されており、フォーカスが来ていることが分かる。

もうひとつPixelのカメラが得意なのは明るい場所での動体撮影だ。こちらも私は設定は調整しておらず、デフォールトのままだ。通行人が自転車で通り過ぎるところや明るい空を背景に飛ぶ鳥の群れの写真は、Pixelをポケットから引っ張り出しざまにスナップしたものだ。手ブレを防ぐためにしっかり構えもしないうちに写したにもかかわらずこれだけに描写されているのは驚きだ。

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こちらは室内のもっと落ち着いた撮影環境だ。頭上の照明は40W相当でやや温かみのある色調だ。私の犬の写真を見ればPixelのカメラの優秀さがわかるだろう。

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静止画をライバルと比較

Pixel、Pixel XLはそれ自身で優れたカメラだが、購入を考えている消費者は他の同クラスのスマートフォンとの比較を見たいだろう。 Pixel XL、Samsung Galaxy S7、Apple iPhone 7 Plusでほぼ同一条件で撮影することに成功したので参考にしていただきたい。

屋外では3モデルのカメラはそれぞれに優れている。どれがベストかは好みの問題で、結論は個人によって違ってくる。iPhone 7 PlusはHDRモードでも標準モードでも光が当たっているエリアの描写では色調がいちばん鮮やかだ(iPhoneが自動的にHDRモードを選択した場合、標準モードと両方の写真を貼ってある)。

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色調、明暗のバランスではGalaxy S7はPixel XLに近い。描写は派手さを抑えておりやや暗めだ。しかしSamsungはPixelよりサチュレーションを起こしやすいようだ。また影の部分が暖色によりがちな設定で、仕上がりが私の好みからすると暖色過ぎる。

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室内、特に非常に低光量な条件だと3モデルの差はもっとはっきりしてくる。犬の写真がその低光量での撮影だが、ホワイト・バランスではGalaxy S7がやや優勢だ。ノイズの有無、ディテールの描写でもGalaxyは良い点数を付けられる。iPhone 7 Plusは色の再現の点では優秀だが、これが最高だと言い切れるほどではない。Pixel XLは光が回った状態での屋外ポートレートでは非常に優秀だったが、屋内の低光量の条件ではさほどでもなかった。

カメラやスマートフォンのサイトでの順位付けは別として、 3モデルの機能はきわめて接近している。どれも重大な欠点はなく、、どれを最良とするかは使用条件とユーザーの好みによることになるだろう。

ビデオ

ビデオはPixelがライバルを大きくリードする分野だ。いちばん大きなセールスポイントはソフトウェアによる手ブレ補正だ。Pixel XLの動画の安定性、スムーズさはAndroidで群を抜いている。周辺画像の劣化や歪みなども見当たらない。私は最近DJI Osmo Mobileというスマートフォン用のジンバル安定化システムをテストしたが、手持ち撮影のPixelはさして遅れをとっていなかった。下のサンブルは私が犬を散歩させているところを手持ちでビデオ撮影したものだ。

もちろんソフトウェアによる安定化にはそれなりのデメリットもある。Googleのカメラ用人工知能はユーザーが狙っている動画の中心を見つけ出し、その点を安定化の基準点とするようだ。しかしユーザーがカメラを大きく振った場合、動画のセンターが突然変化するので、パンニングがぎくしゃくすることがある。ユーザーが画面の中心を意識せず、カメラをランダムにあちこちに向けた場合、この問題が強調される傾向がある。

そういう限界はあるものの、Pixelの動画手ブレ補正で誰でも簡単に安定したビデオが撮影できる。また手ブレ補正の特性に慣れれば比較的簡単に問題を回避できるだろう。パンニングなどでスムーズにカメラの向きを変えるのが難しいというのは、実はジンバル式のカメラ安定化システムでもまったく同様だ。慣れが必要だが、その努力は十分に引き合うと思う。ポートレートでも手ブレ補正は大きな効果がある。

なおiPhone 7 Plusのカメラに組み込まれた光学手ブレ補正システムもスムーズな動画撮影に有効だった。Galaxy S7は3モデルの中では少々安定性に欠ける動画となった。下のサンプルビデオで確認できるだろう。

写真がまずく撮れたのをスマートフォンのせいにできなくなった

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セルフィーもうまく撮れる。

今日の競争の激しいスマートフォン市場では内蔵カメラが優秀でなければ製品として死んだも同然だ。Google Pixelにはそういった不安を抱かせる要素はない。Googleの「最良のスマートフォン・カメラをお届けする」という約束は果たされたと考えていい。

表側カメラもちゃんと役立つ。セルフィーを撮ろうとして失望するということはない。 Googleのカメラ起動方法はよく考えられており、実用的だ。電源ボタンをダブルタップすると、何をしていても即座にカメラ・アプリ起動する。本体をシェイクすることでカメラを操作できるのも便利だ。XLのような大型のスマートフォンの場合、スクリーン上のアプリ起動アイコンに指が届かない場合があるのでこうした片手で操作できる機能は便利だ。

過去にNexusのカメラに失望したことがあるAndroidユーザーにとってPixelはグッドニュースだ。ただしPixelを使い始めると「写真がまずく撮れたのはスマートフォンのカメラだったからだ」という言い訳ができなくなるという大きな問題を覚悟しなければならないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)</P

Qualcommがネットワークカメラの汎用機能性に本腰、多様な機能を満載した参考製品を発表

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今週香港で行われたQualcomm 4G/5G Summitでは、同社の将来像を示す二つの重要な発表が行われた。本社のある好天の日の多い南カルフォルニアから、ずっと遠い場所で例年のカンファレンスを行った同社は、もちろんいくつかの(1)新しいチップを発表したが、それらと並んで、同社が将来の主力製品とすることを目指す、(2)汎用のカメラ機能も発表された。

汎用、というのは、これまで同社はさまざまなスマートフォン用カメラを(同社によると数十億台も)サポートしてきたが、これからは、360度VR、IPセキュリティカメラ、車載カメラ、人体装着カメラ(bodycams)、アクション/スポーツカメラ(GoProに対抗)などなど、ネットワーキング機能を持つあらゆるタイプのカメラに対応する、という意味だ。

また、サポートを計画しているカメラの機能性も、ワイヤレス(4G, Wi-Fi and Bluetooth)、深層学習(ディープラーニング)、ビデオアナリティクス、4Kエンコーディング、各種セキュリティ機能と、きわめて多様だ。同社は、発表に先立つメッセージで、こう述べている: “まるっきり矛盾しているようだが、IoTネットワークでもっともセキュリティの弱いデバイスが、セキュリティカメラなのだ”。

これらの多様な機能性を、Snapdragon 625プロセッサーとLinuxオペレーティングシステムが支える。同社の参考設計/デザインであるSnapdragon 625 IPカメラ(上図)にも、これらの機能が実装されている。同社が、世界中のあらゆるカメラメーカーに採用して欲しいと願っている、この参考製品のハードウェアとソフトウェアの組み合わせは、Thundercomm Technologyとのパートナーシップにより作られた。

この参考製品がOEM各社に提供されるのは、年内を予定している。そして実際の商用製品が登場するのは、“その直後だろう”、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Ricohが360度カメラの中級機を市場に投入

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360度カメラなんて一生要らない、と思う人も多いだろうけど、でもTheta SCは、この分野の新しい最先端を切り拓いたというよりも、普及のための普及機を目指し、Ricohの製品の中では中段に位置する。

中段といっても300ドルだから、最上位機種Theta Sの350ドルに比べてそれほど安くない。しかし、機能性能的に削り落とした部分はあまりない。ルックス的にも、ハイエンド機と比べて見劣りしない。ちょっとばかし、カラフルにはなったけど(上図)。

最大の違いは、micro-HDMIポートがないこと。だからライブのストリーミングができないし、連続録画時間は25分ではなく5分だ。ないもの、ではなく、あるものといえば、f2.0のレンズが2つ、12メガピクセルのセンサーが、スチルと1080pのビデオを撮る。今すでに、Ricohのサイトで買える。

同社はまた、iOSとAndroidのアプリをアップデートしており、それにより撮影撮像過程がさらに合理化された。撮りやすさはすでに、同社のカメラの最大のセールスポイントの一つだけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ソニー、RX100 Vとa6500を発表―小型高級カメラがさらに強力に

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ソニーから新しいカメラは2機種発表された。どちらも既存の機種の改良なので、正確にいえば「新機種」というより「アップグレード」と呼んだ方がいいかもしれない。機能に比例して価格もアップグレードされている。 どちらも1000ドル以上の高級カメラだが、それだけの機能はある。

The RX100 V〔DSC-RX100M5〕は機種名から想像がつくとおり、ポケットサイズのパワーハウス、RX100の第5世代だ。世代を経るごとに価格もアップしているが機能も強化されている。常に専門家の評価の高いカメラの一つだ。

Vモデルで強化された点のひとつはAFのスピードアップだ。ソニーでは合焦時間は世界最速で0.05秒だとしている。カメラの機能の進歩は速いのでこの世界記録もそう長くは保たないだろうが。4Kビデオは全画素読み出しによるオーバーサンプリングで、隣り合う画素を合算するピクセル・ビニンングではない。AFは撮影中も位相差を維持しており、コントラストAFになることはない。(このあたり耳慣れないようなら読み飛ばしていただきたい)。

興味があるのは毎秒24コマのバースト・モードで、これは20メガピクセル、RAW+JPEGフォーマットで最大150コマまで撮影できる。毎秒24コマというのはよく知られているとおり、もっとも一般的な映画のフレームレートだ。つまりこのカメラは24コマのRAWビデオを最大6秒間撮影する能力がある。ポケットサイズのカメラでこれができるというのは驚異的だ。劇場用映画撮影の現場でBカメラとして使えるだろう。

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a6500はa6300のアップグレード版だ。もともと高性能なミラーレス一眼だが、新機能としてはやはりAFシステムの改良がまずトップに来る。ボディー5軸内光学手ブレ補正とタッチスクリーンも追加された。24メガピクセルの撮像素子は従来どおり。画像プロセッサーはアップデートされた。

今回の改良でa6500は多機能であるだけでなく使い勝手もいいカメラになった。残念ながらエルゴノミクスとインターフェイスは従来どおり。ソニーはタッチスクリーンのソフトウェアの改良にももっと真剣に取り組む必要がある。

RX100 Vは今月中に出荷され価格は10000ドル程度。a6500が入手できるのは11月になり、1400ドル前後になる。

Featured Image: Sony

〔日本版〕上記2モデルの国内向けバージョンの情報はまだ発表されていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

かつてSnapchatとして知られていた会社のカメラ組込サングラスに大問題―🎶 暗いところで使えない 🎶

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Snapはビデオカメラ組み込み拡張現実サングラスを発表した。ただし、問題がある。あちこちにぶつかるのが平気でないかぎり、夜は使えない。暗いコンサート会場やパーティーの撮影も無理だ。

Snapは「かつてSnapchatとして知られていた会社」だ。Princeの例に従ったかして今後はSnapと名乗るという(絵文字もPrinceスタイルに変えてはどうだろう ) ともあれ、Snapは私の取材に対して、「現在のバージョンは夜間の装着や使用を前提としていない」と確認した。カメラのレンズ自身がサングラス程度の透過性なので照度が低い環境では先が見通せないのだ。

これはSnapの拡張現実カメラが「おもちゃだ」という考え方を裏付ける。たしかにSnapのCEO、Evan Spiegelは Wall Street Journalのインタビューでガジェットを「おもちゃ」と呼んでいた。しかし「昼間の使用に限る」とは述べていないかった。

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このサングラスは130ドルでこの秋中にリリースされ、装着者の視点で1回につき10秒の円形の動画を撮影できるという。しかし撮影は昼の屋外で催されるバーベキュー・パーティーとか野外コンサートに限るのが安全らしい。

将来のバージョンはクリアレンズないし光によって色が透過度が変わるレンズを装着し、夜間や屋内の撮影も可能になるかもしれない。このデバイスはSnapchatの熱狂的なファンのティーンエージャーの人気を呼ぶかもしれない。またサングラスを使ってくれるセレブを見つければプロモーションにいっそう有利だろう。

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しかしSpecsデバイスは一部で期待されたほど画期的なテクノロジーを含んでいなかった。それでもSnapchatのユーザーが日々の生活の画像やビデオをコントロールし、共有する力を強化するる。エンジニアリングとプロダクトデザインの進化にともなって、将来のSpecsはGoogle Glassが実現に失敗したような役割、つまり、われわれが日常どこへ行くにも装着するようなデバイスになるかもしれない。

あまりにギーク的で嫌われたGoogle Glassや出来が悪かったFlipcamsとは違って、Specsを一般ユーザーに受け入れられるようなデバイスに進化させるためには、Spiegelは20億ドル以上といわれるSnapのベンチャー資金の相当部分を個人的な「おもちゃ」の改良のためにつぎ込む必要がありそうだ。

Snapサングラスカメラに関するTechCrunchの詳しい紹介記事

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

自動印刷カメラアプリのFotr、iPhoneがフィルムカメラになったらどうなる?

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あなたが最後に写真を印刷したのはいつだろうか。新しいiPhone向けアプリFotrは、撮影された写真全てを自動的に印刷することで、写真印刷のリバイバルを目論んでいる。このアプリの根底にあるアイディアは、撮影枚数を減らして各写真のクオリティを向上させるという、アナログ写真の要素を取り戻すことだ。

This is a photo of a phone taking a photo of a phone.

これは電話の写真を撮っている電話の写真。

実際のところ、写真印刷はまだまだ死んでいない。フォトキナでも、プリンター一体型の新しいPolaroidのカメラが展示されていたほか、Leicaは、Sofortと名付けられた高級インスタントカメラを発表した。また、ファッションデザイナーのMichael Korsは、ファッション好きの消費者に向けて、特別仕様のinstax(”チェキ”で知られるFujifilm製のインスタントカメラ)の製造に関わっていた。さらに、私はようやくインスタントカメラ界の新星、Impossible ProjectのI-1に触れることができた。

Fotrは、前述のような写真を即座に印刷できるカメラの動作を真似ており、ユーザーが気に入っているかどうかに関わらず、撮影された全ての写真が印刷されるようになっている。

「最近では、私たちは無数の写真を撮っていますが、ハードドライブの中に保存されたままで、全ての写真をチェックする時間もありません。私たちは、Fotrで写真を形にしたかったんです。Fotrを使えば、アプリが例外なしに全ての写真を印刷するので、ユーザーは、日の目を浴びることのないたくさんの写真のことを忘れてしまっても問題ありません」とFotrファウンダーのOndrej Loudilは説明する。

Having to buy a "film" before you take photos on your iPhone will make you think twice about what and how you shoot, the app's makers believe.

iPhoneで写真を撮る前に”フィルム”を購入するというプロセスが追加されることで、ユーザーが何をどのように撮影するかというのを熟考するようになると、Fotrは考えている。

Fotrアプリを使って撮影された写真は、10日以内に印刷されてユーザーの手元に届けられる。

「多くのプロカメラマンが、写真の技術を磨くためにアナログカメラの購入を勧めています。フィルムは高価なため、写真を撮る前に考えるようになるんです」とOndrejは語る。

写真1枚1枚の印刷費用を支払わなければいけないという制約によって、撮影者のクリエイティビティが解放されるとFotrは主張する。

アプリの中では、通常の6×4サイズのほかに、一回り大きい7×5サイズも選択することができる。さらに、カラー印刷か白黒印刷か、そして”フィルム”は24もしくは36フレームから選ぶことができる。フィルムの価格は17〜35ドルで、これには世界中への写真の配送料も含まれている。

Fotrのサービスが良いアイディアなのかどうかについて、はっきりと言うのは難しい。良い写真だけを印刷するというのにも利点があるし、Fotrよりも安く写真を印刷できるサービスはある。一方で、暗室で写真を現像・印刷するのに何時間も費やしたことのある者として、アプリの背景にある考えには納得がいく。写真についてもっと意識させられることで、ユーザーが撮る写真に素晴らしい変化が起きる可能性があるのだ。Fotrをメインの写真アプリとして使うユーザーがたくさんいるとは思えないが、自分のクリエイティビティを溢れださせるのには、(最大)35ドルを支払う価値があるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

IndyCarの写真に見るiPhone 7に搭載されたデュアルレンズの重要性

IndyCar drivers Will Power and Simon Pagenaud drive along the Embarcadero in San Francisco on Thursday, September 15, 2016. Photo by Brad Mangin

iPhone 7と7 Plusが先週ローンチされ、最も話題になった機能のひとつが(複数の)カメラだ。

特にiPhone 7 Plusには、広角と望遠という2つのカメラが搭載されている。そのため、iPhone 7 Plusは光学2倍ズームに対応しており、ユーザーはデジタルズームにつきものの歪みに苦しむことなく、被写体に近づいて撮影することができるようになったのだ。

光学ズームは、どんなカメラマンにとっても嬉しい機能である一方、2倍ズームによって何が変わるかというのは、実際に撮った写真を見比べるまではなかなか実感しづらいものだ。

以前にも紹介した、iPhoneのみで撮影を行うプロカメラマンのBrad Manginは、先週末にカリフォルニア州ソノマ(Sonoma)で行われたIndyCarを仕事で訪れ、iPhone 7 Plusで撮影を行った。新たに搭載された望遠レンズを試すことができた彼は、特に違いの表れた写真をいくつか共有してくれた。

  1. 編集ソフト:Snapseed

  2. 編集ソフト:Snapseed

例えば、上の2枚の写真で、Bradはトラック上の車を含む風景写真を撮影した。左側の写真は、光学2倍ズームの望遠レンズで撮影され、右側のもう一枚は通常の広角レンズで撮られたものだ。

右側の広角レンズで撮られた写真では、車が小さすぎるばかりか、トラックのサインやレーダーボードはほぼ解読不可能で、Bradの影さえ写り込んでしまっている。デジタルズームを使うこともできたかもしれないが、そうすれば画質が落ちてしまっていただろう。

  1. トロフィー(光学2倍ズーム)

  2. トロフィー(等倍)

別の作例が上の2枚だ。この写真は、カメラマンが動くことのできない場所で撮影されたとBradは説明する。右側の写真も悪くないが、トロフィー(そしてトロフィー型のパン!)のディテールを確認するには広角過ぎる。そして左側の写真に見られる通り、光学2倍ズームを使うことで、Bradは、物理的に被写体に近づくことができない状況でも、求めていた写真を撮影することができた。Bradは最近の撮影でiPhoneしか使っていないため、iPhone 7 Plusの望遠レンズがなければ、この写真を撮るチャンスを逃すしかなかったのだ。

もちろん、サードパーティ製のiPhone用レンズを使っても、このような写真を撮影することができる。実際Bradは、TechCrunchでも紹介した、新しいZEISSのiPhone用レンズを使うことも検討したと語っていた。しかし、専用のiPhoneケースの存在や、使っていないときでもレンズを支える必要があるといった欠点のせいで、外付けレンズを彼が利用することはなかった。結局Bradは、普通のカメラマンが引きずりまわらなければならない、動きに制限の生まれる装備を全て忘れ去るために、iPhoneオンリーのカメラマンになったのだ。

さらにBradは、望遠レンズの強みを利用せずとも素晴らしい写真を、何枚かiPhone 7で撮ることができた。

  1. 編集ソフト:Snapseed

    日の出。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin
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    仲間のドライバーJuan Pablo Montoyaに話しかけるIndyCarドライバーのSimon Pagenaud(左)。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin
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    Simon Pagenaudの車(22番)のアップ。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin
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    朝の練習の後にエンジニアに話しかけるIndyCarドライバーのWill Power。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin
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    朝の練習の後にエンジニアに話しかけるIndyCarドライバーのSimon Pagenaud。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin

記事内の全ての写真は、撮影・編集(SnapseedとInstagramを使用)共にiPhone 7 Plus上で行われた。以前Bradが話していた通り、撮影に携帯電話を使うことで、被写体にカメラを意識させることなく近づくことができる。往々にして、大きなカメラを持った人が近づくと、人は普段通りの動きができなくなるものだ。

もちろんIndyCarには、昔ながらのデジタル一眼レフカメラを装備したカメラマンもいるが、Bradの写真はユニークで、そこからはイベントの舞台裏を垣間見ることができる。彼は、このようなスタイルを、「イベントの縁の端」を撮影した写真と呼んでいる。つまり彼は、スポーツイベントの参加者(もしくはカメラマンまでも)が注意を払うことのない、面白い瞬間を捉えようとしているのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

SanDiskが1TBのSDカードを発表—私のパソコンのメモリよりはるかにでかい

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ビデオの画質がアップすればファイルサイズもさらに大きくなる。幸いなことにフラッシュ・メモリーの容量も拡大を続けてきた。今日(米国時間9/20)、SanDiskが発表した新しいSDXCカードは1TBの容量がある。このカードをカメラに挿しておけば、当分はメモリー容量の心配をする必要がなさそうだ。

1TBカードはまだプロトタイプ段階なので価格や出荷時期は不明だ。現在SanDiskは512GB版のカードを800ドルで販売しているから、1TB版も製品価格は安くはないだろう。しかしこのカードは大半の家庭用パソコンのデフォールトのメモリよりはるかに大容量だ。高価格もやむを得ない。

私の 5K iMacのディスクは256GBしかないので1TBのメモリーカードといわれても実感が湧きにくい。一方でキヤノンEOS 6Dデジタル一眼レフに挿した256GBカードをいっぱいにするには私は3年かかった。これはDisruptカンファンレンス、製品レビュー、その他ありとあらゆる仕事に使いまくっての話だ。普通のアマチュア・フォトグラファーの場合、記憶媒体の管理がどんなにデタラメであっても、1TBのディスクを使い切るには一生あっても足りないだろう。

〔日本版〕SanDiskの512GBカードの日本での実売例

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoProアクションカメラをアップデート―Hero5のBlack、Sessionが登場

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GoProの新製品発表会場は海抜850メートル、カリフォルニアとネバダの州境にまたがるシエラネバダ山脈の麓という最高のロケーションだった。本来はウィンター・リゾートなのでまだ雪はなかったが、GoProの新製品がこの冬のスキー、スケートボードのシーズンを狙っているのははっきりしていた。

今回のプレスイベントの注目の的はもちろん長らく噂になっていたKarmaドローンだった。しかしGoProのビジネの主要な柱であるアクション・カメラ自体も新製品が公開された。GoProはしばらく前からアクションカメラの代名詞になっている。今回Hero5 BlackとSessionが発表されるまで、GoProのフラグシップモデルのカメラは新製品の発表が途絶えていた。

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Hero 5シリーズはは2種類が発売される。Black(399ドル)とSession(299ドル)だ。 Blackのレンズ横には2インチのタッチスクリーンがあり、その分サイズが大きい。しかしカメラそのものは両者はほとんど同一だ。

Hero5は両バージョンとも防水だ。防水性能は標準のケースのままで水深10mクリアしているという。エクストリーム・スポーツのファンには間違いなく歓迎される新機能だろう。GoProではSessionカメラを「GoPro史上もっともタフなカメラ」だと主張している。

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動画撮影は4K、30フレームで、12メガピクセルの静止画が撮影できる。画像はカメラが充電モードになると自動アップロードされる。大きな特長として新モデルには音声コントロールが内蔵されている(7ヶ国語対応)。広角レンズを備え、物理的ボタンは一つだけと単純。Hero5 BlackにはRAW撮影モードがある。

3台のマイクを装備しており、アクティブ・ノイズ・キャンセリングが利用できる。風切音なども大きく低減され「ビデオ同様にオーディオも高品質になった」という。

新モデルは既存の各種マウントと互換性がある。別記事で紹介したドローンのKarmaとHero5にはGPSが組み込まれている。Hero5では歓迎すべきアップデートがいくつも行われているが、全体としてみると2年間のブランクを埋めるにしては地味な改良となった印象だ。

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〔日本版〕GoProの日本語サイトから注文可能。発売は10月23日。フラグシップモデルのHero5 Blackは4万7000円。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoPro、Karmaドローンを発表―3軸スタビ、バックパック、グリップ同梱で799ドルから

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GoProはヒット製品を強く必要としていた。GoProはアクションカメラの代名詞であり、このジャンルを15年前に切り開いたパイオニアだ。しかしアクションカメラ市場はずっと前から大小さまざまなメーカーの新規参入が激しく、もっと安い製品やもっと尖った機能を備えた製品がよりどりになっている。

GoProで以前から注目を集めていた撮影用ドローン、Karmaは、当初はクオドコプター市場の大手、DJIと協力して開発を進めていたが、結局単独のプロジェクトとなった。

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Karmaは今年初めに発表されるはずだったが、今朝(米国時間9/19)のプレス・カンファレンスでついにベールを脱いだ。

このドローンのセールスポイントはまず第一にポータビリティーだ。アームが折りたたみ式で専用ケースにすべてが収まるデザインは明らかに持ち運びを簡単にすることを狙っている。Karmaはバックパック式ケースを含めて出荷されるので自転車やオートバイでの旅行にも好適だ。

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独自のメカニズムでカメラをドローンに接続する部分には3軸スタビライザーが組み込まれている。GoProでは「ハリウッド映画レベルのスタビライザー」と呼んでいる。ジンバルの安定化のレベルはDJIが独自開発した製品に劣らないという。またドローンからスタビライザーを外してKarma Gripと呼ばれる同梱の手持ち撮影用グリップに取り付けることができる。ドローンにはHero4以降の既存のGoProを取り付けることができる。またKarma Gripは既存のGoProマウントと互換性があるのでさまざななプラットフォームに取り付けて安定した動画が撮影できる。。

Karmaドローンはタッチスクリーンを備えたコントローラーで操縦されるのでユーザーは別にスマートフォンを必要としない。ドローン本体の価格は799ドル。カメラはHero 4、Hero 5と互換性がある。今回同時に発表されたSessionカメラ同梱バージョンは999ドル、Hero 5 Blackカメラ同梱バージョンは1099ドルだ。

〔日本版〕 Karmaドローンは日本サイトから注文可能(9万円)。発売は10月23日の予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhoneのデュアルレンズは傑作だけど、デジタルズームを使ってはならない理由

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Appleはさらなる機能を備えたより高品質なカメラをローンチして、引き続き世界中のフォトグラファーたちをとりこにしている。しかしAppleのマーケティングVPであるフィル・シラーが壇上に立って「デジタルズームは良いものだ」と言ったとき、真のフォトグラファーたちは誰も耳を貸さなかった。あなたも耳を貸すべきじゃない。その理由をここで述べたい。

レンズが2つ。素晴らしさも2倍。28mm相当レンズと56mm相当レンズ。よしきた。

レンズが2つ。素晴らしさも2倍。28mm相当レンズと56mm相当レンズ。いいぞApple。

iPhone発表会を見ていた筆者がイスの上でのたうちまわり、コンピューターに向かってののしってしまったのは、フィル・シラーがデジタルズームは何か良いもののように主張していたからだ。デジタルズームは本当にマズい。これまでも良かったことがないし、これからも決して*良くはならない。

デジタルズームの問題点

何が問題かというと、写真というのはカメラが集めることのできる光の量によって制限されるからだ。デジタルズームを使った場合、画像センサーはフルに使われない。代わりに使用する画素数はもっと少なくなる。大抵はそれでも同じだけの画素数は得られるが、そうするにはより少ない画素数を補間し、画像全体を埋め合わせねばならない。これがあまりよろしくないということは、プロの写真家でなくとも分かるだろう。

写真を撮るのに12メガピクセルすべてを使う必要がないとしても、撮った作品をFacebookやInstagram、Snapchatにアップロードする場合のことを考えてみよう。実はデジタルズームには他にも問題があるのだ。手ぶれ補正はフルフレームの画像用に最適化されている。だからデジタルズームすると手ぶれ補正の利点がすみずみまで活かせなくなる。つまり、ズームを使うなら手は石のようにして絶対に動かしてはいけない。

何よりも最悪なのは — カメラにも欠点があり、それを避ける手だてはないということだ。ピクセル単位でのあら探しを始めたなら、そうした欠点は見るにたえないくらいあからさまになるだろう。

「けれども筆者のHajeさん」と、がっかり感とフラストレーションを抱えたあなたは泣きそうになりながら言うかもしれない。「だったらフレーム内の被写体を大きく写すにはどうしたらいいんですか?」

答えは簡単だ。自分の足を使ってズームすればいい。被写体をもっと大写しにしたければ、歩いて近寄ればいい。そうすればあなたの作品はうんと良くなる。

誤解しないでもらいたい、筆者もデュアルカメラにはものすごく興奮している。焦点距離のより長いレンズを追加したのは素晴らしい進歩だ。つまり被写体にもっと迫って切り取ることが可能になる。スマートフォンで写真を撮る人にとって、これは大きな違いになると確信している。

素晴らしいカメラだが、光学ズーム比に留まれ

Schiller, I love you, man, but this is just being silly.

シラー、あなたのことは嫌いじゃないけど、冗談はやめてくれ。

 

今回、1つの光学ズーム機能ではなく、2つの全く異なるカメラ構造を盛り込んだのはスマートな選択だった。しかしこれだけ小型なカメラの内部において、可動性をもつ部品はとてつもなく精密な制作公差を必要とする。こうした可動性部品は衝撃にも敏感で、メカニクスは最後には摩耗するだろう。だからこそデュアルレンズは賢い選択なのだ。実際、AppleのiPhone 7とiPhone 7 Plusは、モバイル端末付属のカメラとしては最も優れたものの1つであることに疑いの余地はない。

だが、カメラを最大限に有効活用したいなら、壇上でペラペラとマーケティング文句をしゃべってる連中の言葉を聞いてはならない。デジタルズームのことは疫病並みに避けてかかり、カメラ本来のもつズーム機能に固執すべきだ。AppleのiPhone 7 Plusの場合なら、1倍または2倍ズームで撮影しよう。どちらかの間でも、それ以上でもいけない。どうしても「ズーム」する必要があれば、あとから画像を切り取ればほぼ同じ効果が得られる。

*この点については、1つだけものすごく細かくてギークな注意がある。極端な2つのものの中間地点をデジタルズームを使ってズームする場合、理論的には高性能な光照射野計算のおかげで、それぞれのパーツの性能を単純に足し合わせたよりも良いズーム比が得られる。その場合には、カメラは広角カメラを切り取ったバージョンを使い、もう一方のカメラからのデータでそれを増強し、合成画像を作成できる。これは理論的には有効な手段となるはずだ。LightのL16が採用しているのも結局この手法だ。しかし現時点ではこれがAppleのiPhone 7 Plusにも当てはまるという確証はない。

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(翻訳:Ayako Teranishi / website

ShareGrid、撮影機材のCtoCレンタルサービスが100万ドルを調達

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現役の写真家や映像クリエイターであっても、恐らく撮影機材が家でほこりかぶってしまっている期間が少しはあるだろう。同時に、他の写真家や映画製作者は機材のニーズを感じている。もしもこの状況に素晴らしいビジネスチャンスを見出したとしても、ShareGridがとっくの昔に手をつけてしまっている。同社はこの度、Archer GrayMHS Capitalから100万ドルを調達し、テスト市場からの飛躍を目指している。

ShareGridは2015年のローンチ以降、ニューヨークとロサンゼルス、2箇所のテスト市場で、写真やビデオ関連の職についている人の生活を楽にしている。これまでの鋭敏なアーリーステージ投資で評判のMHSから大部分の資金を受け取り、メディア制作で有名なArcher Grayからも現金を調達したShareGridは、アメリカ中の新しい市場にサービスを展開していく予定だ。

「制作者として、私たちはShareGridのプラットフォームが解決しようとしている、機材レンタルの非効率性や課題を直接体験してきました」とArcher Gray Venturesのパートナー兼代表のVinay Singh氏は語った。

ShareGridのサイトには、現在金額にして1億ドル以上におよぶ機材が登録されており、1万2000人もの写真・映像クリエイターがメンバー登録している。

同社の主な強みは、他のシェアリングエコノミー系スタートアップの強みと近いものがある。機材の所有者は、眠っている機材の有効活用ができ、そこからお金を稼ぐことが出来る一方、借り手もその他の方法と比べて安い価格で機材を利用することができる。

資金調達以外にも、ShareGridは、貸し手と借り手が直接顔を合わせて機材の受け渡しができるShareGrid Hubと呼ばれる拠点についての発表を行っている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

波乱のGoPro、アクションカメラと自動車、玩具、アプリとの連携プログラムを発表

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GoProは木曜日に新しい開発プログラムを静かに発表した。 これはGoProのアクションカメラを自動車その他のサードパーティー製品にできるだけ多く結びつけようという計画だ。このプログラムはサンフランシスコで開催されたプライベート・イベントで発表された。イベントではすでに実施されている提携の成果が多数発表された。

今年に入って発表されたPeriscopeとの連携などがGoProが目指す新たな戦略を示す典型だ。後付けアクセサリーとしてはSyncBac Proというビデオ同期のためのタイムコード生成ハードウェア(先月発表された最新アイテム)などが開発されている。

GoProではFisher-Priceの子供用おもちゃへのアクションカメラの組み込み、パラセールやスキーなどのプレイヤー向けの位置情報その他の重要データを記録するシステムなどを開発するという。BMWとトヨタとの提携は自動車関連のハード、ソフトにも力を入れるというサインだろう。

下のビデオではGoProが開発中のさまざまなアイテムが紹介されているが、私がいちばんクールだと思ったのは手袋をしたままGoProが操作できるジェスチャー・コントロールシステムだ。オートバイやエクストリーム・スポーツで必要とされるギアを装着した場合に非常に役立ちつはずだ。

このタイミングの計画の発表は、財務状況の悪化が公表され株価がジェットコースター状態になったことと関連があるだろう。GoProではユーザーと販路を拡大し、売上を増加させてGoProの輝き(と売上)を取り戻したいに違いない。アクションカメラは需要が一巡してしまえば後は買い替え需要しか見込めない。しかしGoProを毎年買い換えるユーザーはまずいない。新しいクールなアクセサリーとソフトウェアが新しいユーザーを呼び込み、さらに既存ユーザーには積極的にカメラを使ってもらい―できれば新機能を搭載した次世代モデルを買ってもらいたいということだろう。イベントではサードパーティーの製品のための“Works with GoPro”〔GoProと連携〕という規格とロゴも発表された。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

755メガピクセル可変焦点のLytro Cinemaカメラは映画撮影からグリーンスクリーンを追放する

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Lytroの高機能で巨大な可変焦点カメラは映画やテレビ番組の撮影からグリーンスクリーンを無用のものとするかもしれない。

Lytroのライトフィールド・テクノロジーは実にエレガントなイノベーションであり、将来はわれわれが日常用いるカメラにも採用されるだろう。このテクノロジーは光に含まれる情報を余さず利用することにより、異なる距離にある対象物を分離して三次元のグリッドとして記録することができる。自由にナビゲーションできる3D世界を作るのに理想的だ。しかし当面、映画やテレビのフィルムメーカーに大きな福音をもたらすことになりそうだ。Lytroを用いると、撮影後のポスト・プロダクションが非常に簡単になるだけでなく、これまでは不可能だったさまざまな効果が得られる。

今日(米国時間4/11)、同社はテレビや映画の製作に大きな影響を与えるLytro Cinemaを発表した。 Lytro Cinemaは外界の驚くべき量の情報を記録する。撮像素子は7億5500万ピクセルだ。Lytro Cinemaは40K解像度のRAWデータを最大で毎秒300フレーム撮影できる。なんと毎秒400ギガバイトのデータ量に相当.する。

これによってユーザーはポスト・プロダクションでこれまでには考えられなかった創造性を発揮できる。

Lytroは光の要素をすべて記録しているためシャッタースピードやダイナミック・レンジを後から変更することができる。たとえば撮影後に自由に合焦距離を選択し、異なる距離に置かれた対象を抜き出したり、ピントを合わせ直すことができる。また撮影後にモーション・ブラーのような効果を与えることも簡単だ。Lytroではこの能力によってコンピューターグラフィックスと実写をシームレスに融合させることができるとしているが、これはそのとおりだろう。

現在の映画やテレビ番組の製作にあたってはグリーンスクリーンが大きな役割を果たしている。スタジオのバックドロップを緑のシートに変えることによって魔法のような効果を生んでいる。これに対してLytro
Cinemaはライトフィールド・テクノロジーにより「深度スクリーン」と呼ばれる特殊効果を可能にする。撮影者はグリーンスクリーンなしにグリーンスクリーンと同じ効果が得られる。つまり俳優などの前景に対して、背景をまったく別のビデオ素材に置き換えることが可能になる。

ライトフィールド・テクノロジーは対象までの距離を極めて精密に記録できるため、Lytro Cinemaで撮影されたデータから特定の対象のデータだけを分離し、他を透明化することが可能だ。ビデオ編集者は撮影機材でごたごたしたスタジオで俳優の演技を撮影した後、背景を月の表面の情景に変えるといったことが簡単にできるようになる。

こうした特殊効果を得るのは非常に困難だったが、Lytroすべてをできるかぎり簡単にする努力を払っている。専用のシネマカメラに加えてローカルとクラウドへのデータ保存のシステムや各種の効果を得るためのアプリやプラグインが提供される。

このカメラはプロのビデオ製作者向けテクノロジーであり、Lytroでは売り切りではなく、ユーザーの必要に応じてパッケージをレンタルする方針だ。Lytroによれば、カメラと各種のソフトウェアを含むパッケージのレンタル料金は1週間あたり12万5000ドルからとなる。

読者がLytroというメーカーに聞き覚えがあるとすれば、それは消費者向けのかなり大型で角ばったライトフィールド・カメラによってだろう。

消費者向けプロダクトは同社の知名度を大きくアップさせるために役立ったが、昨年Lytroはビジネスモデルをピボットさせ、プロ向け映画製作分野でのライトフィールド・テクノロジーの応用に力を入れている。

今回のLytro Cinemaは同社の新方針の中でもっともメインストリームに近い製品だ。LytroはすでにVRビデオの製作者向けにナビゲーション可能な360度全天3D映像を得られるImmerge システムを開発中している。しかしCinemaカメラはもっと一般的な通常の映画、ビデオの撮影に利用できる製品だ。映画や番組の製作者はこれによってライトフィールド・テクノロジーのメリットを十分に利用できることになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+