カスタマイズOS搭載のFacebook携帯、HTC Firstはダウンロード版Homeアプリにない機能を提供

今日(米国時間4/5)のFacebookの発表は“Home”と呼ばれるホームスクリーン・アプリに重点が置かれていた。これは標準的なAndroidの多くの機種で作動する〔HTCの数機種とSamsungのGalaxyIII/IVが当面サポートされる〕。

一方、HTCは私の取材に対して、「われわれはFacebookと協力してAndroid OSのカスタマイズに取り組んできた。HTCのFirstスマートフォンにはダウンロード版のHomeにはない機能がいくつもある。たとえばFirstではメールとカレンダーの通知をホームスクリーンに表示できる機能がある」と述べた。HTCの提携担当マネージャー、Michael Goodwinは私にこう説明した。

そう、われわれはOSにいくつか手を加えねばならなかった。システム通知をホームスクリーンに表示するために新たなフックをいくつか開発した。Android OSのカスタマイズのおかげでAndroidの通知トレイに現れるさまざまな通知がすべてFacebook Homeに表示される。

また発表イベントでFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグとプロダクト・ディレクターのAdam MosseriはHTCのFirstスマートフォンはHomeの体験を最良とするために最適化されていると述べた。

「Facebookはカスタマイズ版のAndroidを搭載したHTCスマートフォンも発表する。これにはダウンロード版にはない機能が含まれている」という先週の私のスクープはやはり正しかった。HTC Firstは現在、99.99ドルでAT&Tが予約受付け中だ、。出荷開始は4月10日でユーザーの手元には4月12日まで届くという。

HTCの社長、Jason MackenzieはHTCがFirst向けにAndroid OSの改造をするという努力を払った理由をこう説明している。

ユーザー体験の一貫性を高めたかったからだ。ユーザーにとってもっとも簡単でもっとも使いやすい方法を提供したかった。Chat Headsや通知機能でホームスクリーンでFacebook関連のメッセージを扱えるのに、他のメッセージやメールは別のアプリを起動しなければならないというのでは一貫性に欠ける。HTC Firstはスマートフォンの中心にアプリではなくユーザーの友だちを据えるというFacebookとザッカーバーグのビジョンをもっともよく実現するものとなっている。

Google PlayからダウンロードできるHomeはFacebookのコンテンツのみをホームスクリーンに表示するが、OSをカスタマイズしたHTCFirstはGoogleカレンダー、Microsoft Outlookのメール、利用可能なWi-Fiネットワーク、その他の通知をホームスクリーンに送り込む。またHTCFirstは上にスワイプしてアプリのショートカットが表示でき、右スワイプでGoogleの検索バーが表示される。これらもダウンロード版にはない機能だ。

つまり、やや逆説的だが、HTCのFacebook携帯はダウンロード版にくらべてFacebookコンテンツ以外も広く表示し、いわばより中立的なユーザー体験を提供するものとなっている。

下はHTCのMichael Goodwinのインタビュー

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ザッカーバーグが発表したAndroidランチャーFacebook Homeの4つのメリット

今日(米国時間4/5)のFacebook のイベントで“発表されたHome on Androidはまさにその名のとおり、AndroidスマートフォンにFacebookの新しいホームを提供する。本質的には高度にカスタマイズされたAndroidランチャーで、Facebookのさまざまな機能をAndroidのユーザー体験のすみずみにまで行き渡らせている。ほとんどの場合、ユーザーはFacebookの専用アプリを起動する必要がない。通常のAndroidとはまったく異なったユーザー体験となる。ここではそのうちもっとも重要と思われる4点を紹介しよう。

1. カバー・フィードは人が主役

Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグはイベントで、「Facebook Homeプロジェクトは、デバイスをアプリの回りに作るのではなく、人間の回りに作ることにしたらどうかというアイディアから始まった」と述べた。Homeはまず友達とのつながりをベースとしたカバー・フィード・スクリーンから始まる。

フィードスクリーンには1回に1つのテーマを表示する。テキスト投稿やコメントに加えて画像がフルスクリーンで表示され、友だちが今何をしているのかリアルタイムで知ることができる。

ニュースフィードをそのまま流すのではなく、1回に1人の友だちに絞って表示するというのはエレガントなアイディアだ。通常のソーシャルフィードに混じる騒々しい雑音が押さえられることになるだろう。「人を中心にデザインした」と主張することは簡単だが、文字通り人をテーマにしたインタフェースを作り上げたことには感心せざるをえない。

2. Chat headsはiMessageの強化版

Chat headsというのは妙な名前だが、実用性は十分だ。ユーザーはさまざまなアプリを使いながら連続してチャットすることができる。チャット自体はデバイス組み込みの標準アプリでもFacebookアプリのチャット機能を使ってもよい。会話はユーザーが現在開いている画面の上にオーバーレイで表示される。チャットを始めるために他のアプリを閉じる必要がない。

これはモバイル・メッセージ・システムとして非常にスマートなやり方だし、考えてみればどうして今まで誰もこういうチャット機能を実装しなかったのか不思議なほどだ。本番でもChatheadsという名前になるのかどうかわからないが(良い名前とは思えない)、非常に役に立つサービスであり、WhatsApp、LINEといったメッセージ・サービスに対する有力なライバルとなるだろう。

3. アップデートは毎月

Facebookは大胆にもFacebook Homeを毎月アップデートすると宣言した。ユーザーはいつ新機能が追加されるのかあらかじめ日時を知ることができる。ユーザーにとってはさほど重要性のない話だが、こうした約束ができるのはFacebookならではだ。とくに多機種のAndroidでの作動の確認にはかなり手間がかかり、厳しい作業になるかもしれない。問題点の修正や新機能の追加についてユーザーにはまったく情報が流れてこないのが普通だから、毎月必ずアップデートがあるという約束はやはり心強い。

4. 通知

標準のAndroidには強力な通知システムがなかった。Facebook Homeはこの点でも大きな改良だ。カバー・フィードにポップアップで重要な通知が表示される。HomeはFacebookからの通知だけでなく、他のアプリからの通知も処理する。ユーザーはコンテンツのアップデートをリアルタイムで知ることができる。

Facebook HomeはAndroidをフォークした別バージョンではない。あくまでもアプリのランチャーだが、それとして現在最高のできばえといえる。Facebookのヘビーユーザーには非常に魅力的だ。GoogleのAndroidOSの改良にはデバイス・メーカー、デベロッパーがこぞって手を染めてきたが、Facebook Homeは周到に考え抜かれたアプローチを取っている。過去につまらないランチャーをインストールして嫌気がさしたことがあるユーザーにも使ってみる気を起こさせると思う。

〔関連記事:Facebook Home、4月12日よりPlay Storeにて提供開始予定(米国情報)

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitter、新たに「App Cards」を導入。今後の展開とその狙いは?!

昨日アナウンスがあったが、Twitterがモバイル版アプリケーションのアップデートをリリースした。話題を集めているのはTwitter App Cardsと呼ばれる機能だ。AppleのiTunes App Storeでのバージョン5.5についての説明によれば、「お気に入りのアプリケーションを直接発見、インストール、起動できるようになりました」とのこと(Android版もリリースされている)。

(ところでiTunes英語版のページでは「Twitter for iPhone now helps you discover, install and launch your favorite apps from Tweets」と、Tweetsが大文字になっている。何か大人の事情があるのかもしれないがよくわからない)。

Twitterカードを使うと、ツイート(でもぼくは小文字でtweetとする方が好きだ)の中に写真や動画、記事のスニペットなどを埋め込むことができていた。そして今回のアップデートによって、このTwitterカードの機能が拡張されたのだ。詳細については昨日の記事(英文)に記載しておいた。

拡張部分について簡単に触れておこう。誰かがアプリケーション経由のツイート(Foursquare等)を行ったとしよう。すると投稿の末尾にアプリケーションへのリンクが張られ、リンクを辿ってアプリケーションストアからダウンロード/インストールできるようになったのだ。さっそくDelectable、Etsy、Flickr、Foursquare、Gumroad、Jawbone、Path、RovioのAngry Birds、SoundCloud、Storenvy、Wine Library、それにTwitterのVineなどがこの機能に対応している。

今回のアップデートはすなわち、Twitterがアプリケーション・エコシステム(とくにMコマース)の中で重要な役割を担うことを意図するものだと言えるだろう。この点についてはこちらの記事(英文)の方に詳細がある。

今回のアップデートでは他の面での改善もある。

  • 起動時間の短縮および全体的なパフォーマンス向上
  • ツイート詳細表示画面で「…さんがリツイート」がリンクになった
  • reply-to-self問題のフィックス
  • リツイートのアンドゥができない場合がある問題をフィックス

オリジナル記事執筆時にはAndroid版がリリースされていなかった。Android版には独自のアップデートも行われている。ブログ記事から引いておこう。

Android版Twitterの新バージョンをリリースしました。Androidネイティブなデザインを実現しています。タイムライン表示部分は縦横ともに広がって画面を広く使うようになりました。ナビゲーションバーはフラット表示となり、またツイートを長押しすることでメニューが表示されるようにもなっています。さらにタブ間の移動にもスワイプ動作が利用できるようになりました。さらにハッシュタグ入力時や検索時に候補(サジェッション)が表示されるようにもなりました。これまで以上に多くの人と会話を楽しめるようになったのではないかと思います。

尚、AndroidだけではなくiPhoneおよびmobile.twitter.comもアップデートしています。これらすべてのモバイル版およびTwitter.comにても、フォトギャラリーやアプリケーション、製品リストなど、さまざまなものが拡張表示できるようになっています。

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(翻訳:Maeda, H)


アメリカのモバイル・アプリ経済は活力旺盛、モバイル・ブラウザはFacebookアプリに押されて苦戦(Flurry調べ)

モバイル・アプリのアナリティクスを提供するFlurryは毎月10億台以上のスマート・モバイル・デバイスの利用状況を調査している。最近Flurryはアメリカの消費者がモバイル・アプリとモバイル・ブラウザをどのように使い分けているかレポートした。それによると、iOSとAndroidのアプリは元気一杯のようだ。消費者のスマートフォン、タブレットの利用時間は1日あたり平均2時間38分だが、その80%の時間はアプリを利用している。モバイル・ブラウザの利用は5分の1(20%、31分)しかない。

アプリのカテゴリーでみると、やはりゲームが大きな割合(32%)を占めている。次に大きいのがFacebookで毎日の利用時間の18%を占めている。さらに他のソーシャルメディアのアプリの6%を加えると、ソーシャル関係の利用時間はほぼ全体の4分の1となる。

しかしFlurryの調査によれば、Facebookアプリの利用時間を長くしているのはソーシャルな活動だけではないという。Flurry CEO、Simon Khalafは「ユーザーはおそらくFacebookアプリ内で他のウェブコンテンツを相当時間見ているに違いない。いわばザッカーバーグは壁に囲まれた庭を作ることに成功している。Facebookは消費者がもっとも長時間利用するウェブ・ブラウザになっているのは間違いない。消費者が全体として毎日39分近くの時間をFacebookアプリ内で過ごすというのはFacebookにとって非常に有利な状況だ」」と述べた。

Facebookは消費者がもっとも長時間利用するウェブ・ブラウザになっている

KhalafはFlurryのブログ記事にこう書いている。

モバイル・アプリが登場してから5年になるが、このエコシステムは大いに繁栄している。成長が鈍化するきざしに目を光らせているが、今のところその兆候はまったく見られない。これはスマートフォンに続いてタブレットも急速に普及したいるためだだ。タブレットとスマートフォンはデスクトップ、ノート両方のパソコンを侵食している。Facebokを始めとするアプリが消費者のモバイル滞在時間の大部分を奪っている。

ブラウザではiOSのSafari(12%)の利用時間がトップだ。Flurryのデータを見ると、iPhoneとiPadのユーザーはAndroidのユーザーよりブラウザを利用する率が少し高い。あるいはAndroidのユーザーがiOSユーザーよりも熱心なFacebookユーザーなのかもしれない。Safariの優位はiPadの普及のせいかもしれない。タブレットの大きな画面ではブラウザの利用が快適になる。しかしAndroidのタブレットは(少なくともまだ)iPadのシェアに及ばない。

これ以外の分野については、エンタテインメント・アプリとユーティリティー・アプリがそれぞれ 8%ずつを占めているという。生産性アプリ、ニュース・アプリはそれぞれわずか2%しか占めていない。またiOSとAndroid以外のモバイル・プラットフォームの支持者が言うような「消費者はアプリに飽きている」という証拠はまったく見出されなかった。ここ3年間の世界のモバイル・アプリの1日あたり平均リリース数は次のとおりだ。2010年誌第4四半期は7.2、2011年第4四半期は7.5、2012年第4四半期は7.9。

「このようにアプリのリリース数が着実に増加していることはまだまだアプリ史上が飽和していないことを示すものだろう。消費者はますます多くのアプリを利用するようになっている」とKhalafは書いている。 ただしアプリの大部分は書籍、テレビ番組、ゲームのように寿命が短い。いずれにせよ「2010に比べて2012年の方がアプリの利用が減っている」という主張には根拠がないようだ。

2010年誌第4四半期から2012年第4四半期にかけて、ユーザーが新アプリを利用する率がほとんど2倍になっていることも発見された(下のグラフ)。これは220万台のデバイスについて2年以上にわたって行われた調査の結果だ。消費者がますます多くの新しいアプリをインストールしているという傾向はデベロッパーにとって朗報だ。

「消費者がこれほど多数の新しいアプリを利用しているということはアプリ市場はまだ成長期にあり、今後イノベーション、ブレークスルーをもたらす新しいアプリの登場が期待できることを意味する」とKhalafは結論している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook携帯のハードは平凡なHTC機―カスタム・ホーム・アプリは一般のAndroid機種でも利用可能

Facebookの「Androidの新しいホーム」のハードウェアは結局、コードネームをMystというHTCの平凡な機種であるようだ。しかしアプリは標準的なAndroidスマートフォンならどれでも作動するという。

Android Policeによれば、この情報はリークされたFacebookフォンのソフトウェアを分析した結果判明したものという。 この分析は「今週木曜日にFacebookが大がかりなプレスイベントを予定している」というわれわれのスクープと合致する。

多少のカスタマイズをしたAndroid OSをHTCの携帯向けに提供することで、FacebookはiOSや標準のAndroid機種ではできないようなカスタマイズの自由を得るわけだ。これにはユーザー別に高度にカスタマイズされたホームスクリーンが含まれる。このホームスクリーンにFacebookのニュースフィードや通知が表示される他、OSの各所でFacebookの機能との密接な連携が図られている。

しかしFacebookの利用に特化したスマートフォンの市場はさほど大きくないことが予想されるので、FacebookはHTC版のカスタム・ホームスクリーンに似たユーザー体験を提供するホームスクリーン・ランチャーを一般のAndroid機にインストール可能な単独のアプリとして発表するものと思われる。ともかくもAndroidは世界でもっとも数多く利用されているスマートフォンOSだ。FacebookとしてはせっかくのホームスクリーンをHTCの特定機種だけに閉じ込めておくわけにはいかないだろう。

Android PoliceのRon Amadeoによるソフトウェアの分析によって、以下の詳細が明らかになった。

Facebookスマートフォンのハード

これはデベロッパー・ビルドの内容の分析に基づくもので、ターゲットのデバイスは単なるテスト目的であり、木曜日には何かもっとハイエンドの機種が登場する可能性はある。しかしAPK(アプリケーション・パッケージ・ファイル)の内容によれば、このソフトウェアは以下のハードウェアで作動するようデザインされている。

  • メーカー: HTC
  • モデル: MYSTUL (Myst_UL)
  • キャリヤ: AT&T
  • プラットホーム:MSM8960 (デュアルコア)
  • RAM: 1GB
  • ディスプレイ: 4.3 inch、720p
  • Androidバージョン:4.1.2
  • Senseバージョン:4.5
  • リアカメラ = 5M
  • フロントカメラ = 1.6M
  • SDカード・スロット:なし
  • Bluetooth 4.0
  • Wi-Fi a/b/g/n

このスペックはFacebookフォンはHTCSense 4.5かそれにごく近いモデルとなるだろうというUnwired Viewの情報とも一致する。ただしキャリヤはAT&T以外にも対応することになるだろう。

“Facebook Home”アプリ

先週われわれが報じたように、 “Facebook Home”というロゴが表示される。このFaceboookアプリの機能には以下のようなものがある。

  • あるウィンドウを常に他の窓の上に表示させる
  • ロックスクリーンを無効にする
  • デバイスを起動すると同時にこのアプリも起動する
  • 他のアプリの作動状態をモニタする
  • デバイスのWi-Fi接続を管理する
  • システム設定を変更する

XMLレイアウトと画像ファイルから判断するとFacebook Homeはホームスクリーンにニュースフィード、時計、他のアプリを起動するショートカット、Google検索などを表示するようだ。

APKから発見されたもっとも興味ふかい機能のひとつは“Chat Heads”だ。これはFacebookのチャット窓をフロート状態で他の窓の上に表示させることができる機能で、他のアプリを利用している場合でもそのまま表示され続ける。一部の音楽サービスのサイトがいったん起動すると他のアプリを使っていてもずっと表示が続くプレイヤー・アプリを提供しているが、そのチャット版と思えばよい。ただしChat HeadsはFacebookがカスタマイズしたAndroid OSでなければ作動しない。

一般Android向け“Home”アプリ

Android Policeの発見でもっとも重要なのはこの点だ。Facebook Homeソフトウェアにはカスタマイズされていない一般のAndroid OSの設定を読み込む機能があると判明した。またHTCランチャーだけでなくSamsungのフロントエンド、TouchWizランチャーにも対応している。このことはHomeアプリがHTC以外のメーカーの標準的Android OS搭載機でも作動することを示唆している。Facebookは一般Android向けHomeアプリをGoogle Playを通じて広く提供することになるだろう。

Homeアプリのプレミア・アージョンはHTCの専用OS搭載機で作動するが、いくつかの機能を外したバージョンは一般Android機で作動するということになるというのは合理的でもあり、先週の私の記事の推測とも合致する。イベントが予想されている4月4日はもう目前だ。カスタムOSによるプレミア版が成功すれば、FacebookはHTC以外にもOEMパートナーを増やすかもしれない。

つまりFacebookの戦略こうなるのだろう。1. HTC機で最高のユーザー体験をデモンストレーションする。 2. 現在のアプリより深いレベルでOSの機能を利用した一般Android向けHomeアプリを」提供する。 3. 他のメーカーをカスタムOSの専用機製造に勧誘する。

なかなか巧妙な戦略に聞こえるが、これが成功するかどうかはFacebook Homeが既存のアプリと比べてユーザーにどれだけの新たな価値を与えられるかにかかっている。さほどのメリットが見出されなければユーザーはHTCのFacebook携帯を買わないだろうし、他のメーカーも誘いには乗ってこないだろう。Facebookは何年もかけて無駄な骨折りをしたということになる。

しかし成功すれば、Facebook Homeのユーザーは常時リアルタイムでFacebookの友だちと交流しつづけるという新たなソーシャル感覚を手に入れることになる。もしかするとAppleもホームスクリーンのカスタマイズをデベロッパーに認めるようになるかもしれない。一方、Facebookは自らハードウェアの製造に乗り出さないでもモバイルでのユーザー体験に対するコントロールを強めることが可能になるだろう。

Facebookのスマートフォン計画については次の記事も参照

Facebook To Reveal “Home On Android” Sources Say Is A Modified OS On HTC At 4/4 Event

Facebook’s “Home” On Android Could Give You A Sixth Sense For Your Social Life

Facebook’s Android Homescreen Could Expose Apple’s Inflexibility

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


6秒動画のVine、ウェブへの埋め込みをサポート。FacebookやTwitterへの共有機能も拡充

Vineファンの方は既にご存知だろうが、Twitter社の運営するVineが、小さな、しかしかなり重要なアップデートを行った。作成したビデオをウェブに埋め込むことができるようになったのだ。埋め込みにあたっては二つのスタイルから好きな方を選ぶことができる(SimpleというものとPostcardというスタイルが選べる)。埋め込みリンクの生成はモバイルデバイス上から直接行うこともできるし、Vine.coのページで行うこともできる。

モバイルデバイス上で埋め込み機能を可能にするにはiTunes App Storeから最新版をダウンロードする必要がある。ご存知だろうが、Android版Vineはまだ存在しない。iOSデバイス上で埋め込み用リンクを取得するには、右下にある「more」ボタン(「…」のような表示のボタン)をクリックする。そして「Share Post」を選択して、そこに表示される「Embed」を選べばOKだ。コードが表示されるので、これをコピーするかメールで送って利用することができる。

埋め込み時に「Simple」を選ぶとVineのビデオのみが埋め込まれることになる。「Postcard」を選択すると、ビデオの上に撮影者名と日付が表示されるようになる。あわせてビデオに付した説明が下部に表示される。サイズは320px、480px、あるいは600pxから選ぶようになっている。

また、今回のアップデートによりFacebookおよびTwitterでシェアする機能も拡張された。自分の投稿した動画はもちろん、人の投稿した動画でも「Share」画面からTwitterやFacebookで共有することができる。但し、何度も重ねて共有することはできないようになっている。

「Vineを始めたとき、利用者の方々からの投稿を、人びと、風景、着想、ないし何かしらのモノを移すための『窓』であると位置づけていました」とVineのGMであるDom Hofmannは語る。「今回のアップデートにより、さまざまな場所からこの『窓』を覗きこむことができるようになったのです」とのこと。

何度か記事にも示しているが、Vineは大手ブランドからの引き合いも多くなっているようだ。新しい機能を紹介するブログ記事の中で、Vineを利用しているMLBCBS、およびUSA Todayなどにも言及している。少し前には映画ウルヴァリンが従来型の予告編映画を公開する前に、Vine上で「トゥイーザー」を流すという出来事もあった。最近の記事によれば、他にもGE、Urban Outfitters、Lucky Mag、Neiman Marcus、Walgreenなど、多くの企業がVineを使い始めているようだ。

最新版のVineはこちらからダウンロードすることができる。

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(翻訳:Maeda, H)


Delicious、「ソーシャル」強化を狙ってTwitterおよびFacebookログイン機能を実装

最近、とんとDeliciousについての話題を耳にしなくなっていた。ソーシャルブックマークのためのサービスで、2005年にYahooにより買収され、そして2011年にAVOSに売却されていた。当時、AVOSはDeliciousを再度ベータ版に戻して、新たな視点からのサービス提供を試み始めていた。しかし多くの利用者を集めるには至らず、また面白そうな機能が追加されるようなこともなかった。

そのような中、しばらくの間の無更新状態から復帰して、Deliciousのブログに新しい記事が登場した。すなわちDeliciousに新しい機能を追加したというものだ。TwitterやFacebookというソーシャルネットワークに移り、ソーシャルブックマークという概念を忘れ去ってしまったような人を意識した機能追加となっている。

ソーシャル界の巨頭を意識したアップデートとはすなわち、TwitterないしFacebookアカウントによるログインを可能にしたというものだ。これにより、Facebookで共有したリンクおよびTwitter上でシェアおよびお気に入りに登録したものが自動的にDeliciousに登録されるようにもなっている。Deliciousは、こうした形でのリンク共有サービスの提供を考えて、2011年11月にTrunk.lyを買収してもいた。そしてTwitterについては昨年3月、そしてFacebookについても昨年6月から、リンク情報の共有自体は提供を開始していた。

TwitterやFacebookの情報を利用してサインインできるということに新しさは全くない。しかしDeliciousに「ソーシャル」機能を持たせることになったとは言えよう。さらに「ソーシャル」を意識したものとして「Friend Finder」機能も搭載されるようになった。名前の通り、TwitterやFacebook上の知り合いをDelicious上で発見するためのツールだ。

また、パフォーマンス面等での改善も行なっている。ブックマークレットやサイト自体の読み込み速度も若干向上したようだ。さらに、以前から要望のあった「first saver」情報も提供されるようになった。これはDeliciousで最初に情報を共有した人を記録しておくものだ。

今回のアップデートがDeliciousを救うことになるのかどうかはわからない。ソーシャルネットワーク上にリンクを保存するということ自体が、もの珍しかった時代はとうの昔に過ぎ去ってしまった。しかしDiggも、まだまだ活躍の場を探って話題にのぼっている。懐かしのdel.icio.usにも新しい活躍の場があるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


Amazon、ユーザー1600万人のソーシャル読書サービスのGoodreadsを買収―Kindleとの統合で圧倒的優位を狙う

今日(米国時間3/28)、Amazonは有力なソーシャル読書サービス、Goodreadsを買収したと発表した。金額などの詳細は不明。買収手続きは第2四半期に完了する。

Goodreadsは2007年1月のスタート以来、True Ventures他から275万ドルの資金を調達している。 去年8月にわれわれが取材した際には、ユーザーは1000万人以上、 投稿された本は3億6000万冊以上で、毎月2200万冊が新たに投稿されているということだった。現在GoodReadsではユーザーは1600万人だと発表している。

この種のソーシャル・サービスを傘下に持つことは、Amazonにきわめて大きな比較優位性を与えることになる。たとえばオンライン電子書籍販売でのライバル、Appleはソーシャルな要素をまったくといってよいほど持っていない。もっぱら本についての情報を共有し、活発に議論をするソーシャル・サービスがAmazonの一部となるというのはまったく理にかなったことだ。

Amazonは当面Goodreadsのユーザーに対して特別割引などの優待キャンペーンができる。しかしそれ以上に、Amazon自身のソーシャル読書ネットワークとして本体への緊密な統合を図ることができるだろう。

下は昨年8月時点での毎月の登録書籍刷数の推移を表すグラフだ。Kindleと連携することでこの数はさらに飛躍しそうだ。

AmazonのKindleコンテンツ担当副社長Russ GrandinettiはAmazonのeブック事業にとってこの買収がきわめて重要であるとして次のように述べている。

AmazonとGoodreadsは読書体験の再構築に向けて情熱を共有している。Goodreadsは読者が新しい本を発見し、それについての意見を交換する新しい枠組みを作った。一方、AmazonはKindleで世界中、いついかなる場所でも本が読めるように読書体験を拡張した。さらにAmazonとGoodreadsは何千人も著者に新たな読者を紹介し、著作によって生活ができる道を開いてきた。われわれ両社が力を合わせることにより、読者と著者の双方に新たな喜びを与える方法がいろいろ発見できるものと期待している。

一方、Goodread’sの共同ファウンダー、CEOのOtis ChandlerはAmazonの買収によって開かられた新たな展望について次のように述べた。

本とその中に表現された物語や思想は、われわれの社会を織りなす重要な糸のひとつだ。人々は読んだ本について語り、その体験を共有するのが好きだ。私はAmazonとKindleと提携する機会を与えられたことにこの上なく興奮している。われわれは今やGoodreadsのソーシャル読書体験を今までにないスピードで世界中の何百万という読者に広めていくことができるようになった。

Goodreadsは公式ブログの記事でもう少し詳しくAmazonへの参加の意義や、Kindleとの統合が最優先課題であることなどを説明している。Chandlerによれば、

Amazonへの参加には以下の3つのメリットがある。

1. Amazonのユーザーと資源をもってすればGoodreadsの活発な読書家のコミュニティーをさらに多くの新たなユーザーに対して紹介し、また既存のユーザーの体験を改善することができる。

2. Goodreadsのユーザーは以前からeリーダー上でGoodreadsを作動させるよう要望してきた。今やGoodreadsは世界最大のeリーダー・プラットフォーム、Kindle上での展開を視野に入れることができるようになった。

3. AmazonはGoodreadsの独立性を尊重し、われわれがこのブランドと独特の文化を維持したまま活動を続けてよいと約束してくれた。

ソーシャル機能に加えてGoodreadsは長年の間に高度な本の推薦テクノロジーを確立している。これもAmazonにとっては喉から手が出るほど欲しかった資産だろう。

一方で、ライバルのAppleが手がけたデジタル・コンテンツ販売に関連するソーシャル機能といえば音楽ソーシャルネットワークを目指したPingくらいのものだ。しかしPingは人気を得ることができず、昨年10月に閉鎖された。Amazonがデジタル・コンテンツの各分野でGoodreadsに相当するような有力ソーシャル・サービスの買収に成功するならその分野での優位性は動かぬものとなり、当然売上にも反映されるだろう。とにかくGoodreadsが保有している膨大なユーザー・データの価値を考えただけでもこの買収は見事なスラムダンクだ。

また最近Amazonは著者自身による出版ビジネスにも参入して予想以上に売上を伸ばしているが、これもGoodreadsとの相乗効果が期待できる分野だ。

Goodreadsは興味ある数字を発表している。

過去90日間にGoodreadsのメンバーは毎秒4冊以上を『読みたい本』として登録している。

こうした数字がAmazonによる買収の決め手となかったのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Digg曰く、開発中のGoogle Reader代替ツールはRSSリーダー「以上」を目指す

DiggがGoogle Readerの代替プロダクトを開発中であることは既にご存知だろう。この度Diggは寄せられるコメントに応える形で、自社ブログに開発の目的などを掲載していた。その記事によると、まず4つの柱があるのだとのこと。柱とはすなわち、シンプルであること、軽快に動作すること、デバイス間で同期がとれること、そしてもちろんGoogle Readerからのインポートが簡単に行えることだ。但し、Diggとしてはこの要望を実装するReaderクローンの制作で満足するつもりはないようだ。将来的には、ソーシャルメディアやReddit、Hacker Newsなどさまざまな場所から、利用者にとって重要な情報を抜き出して提示するようにもしたいのだとのこと。

Google Readerがサービスを停止するという情報が流れて、RSSフィード関連のサービスを手がけているスタートアップには数多くの新規利用者が流入することとなった。たとえばFeedlyは先週、モバイル系で最も人気のあるRSSリーダーの地位に立った。但しNewsBlur、TheOldReader、Reeder、NetNewsWireなども新しい利用者を集めており、勝負はまだまだこれからといった様相ではある。

そのような中、現在はBetaworksの出資を受けて再編したサービスを提供しているDiggが、RSSリーダーの世界に参入するという話が出て注目を集めている。Diggのメンバーたちは自らのことを「病的な情報中毒」と定義していて、これまではGoogle Readerを使ってきていたそうなのだ。しかし多くの人がDiggの参入に期待しているのはそれだけではない。新しくなったDiggがクリーンで、非常に簡単なインタフェースで動作しているという事実によるものでもあるのだ。多くの人が、新しいReaderにもそうしたシンプルさを求めているようだ。便利さを実現して、「雑誌風」などといった飾り付けについては必要ないと思っている人が多いのだ。

Diggがそうした利用者の声に耳を傾けているらしいのは非常に良いことだと言えよう(Reader開発をアナウンスした投稿には800件以上のコメントが寄せられているのだそうだ)。しかし、より大事なのはやはり将来的にどのようなプロダクトを生み出すのかということだ。

冒頭でもリンクしたブログ記事にてDiggは、将来的なプランについて次のように記している。

GoogleはReaderにて非常に素晴らしい世界を展開してきたと言って良いでしょう。ただ、今回の我々のアナウンスに対して寄せられたコメントを見ると、まだまだ進化の余地もあるようです。私たちはさまざまなユーザーニーズに応えられるような、クリーンでフレキシブルなプロダクトを作りたいと考えています。

多くの人にとって、Twitter、Facebook、Tumblr、Reddit、LinkedIn、ないしHacker Newsなどの情報ソースが非常に重要なものとなってきています。しかしそれらの中の情報をきちんと便利に組織化するということがまだまだできていない現状があると思うのです。我々のプロダクトでは、その辺りにも力を入れたいと考えています。もちろん最初の段階から全てを盛り込むのは無理としたものです。しかし、一層の進化を目指して開発に取り組んでいきたいと考えているのです。

Diggは、利用者には長い目で見て欲しいという考えを持っているようだ。Googleのサービス停止に間に合わせて最初のプロダクトをリリースしなければならないことを考えれば、それも当然のことと言えよう。しかし最初のプロダクトにて、上に掲げた4つの柱は実現する予定でいる。そこにさまざまな機能を付け加えていく予定にしているようだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Vine活用シーンが急拡大?! ― 映画「ウルヴァリン」が予告編ならぬ「トゥイーザー」を展開中

Vineがさらに注目を集めることとなりそうだ。マーベル・コミックのスーパーヒーローであるウルヴァリン(Wolverine)映画の「tweaser」(トゥイーザー広告)がVineを使って流されたのだ。流したのは監督のJames Mangoldだ。映画の予告編は最近、映画のために作成したサイトやAppleの予告編ページ、あるいはYouTubeで最初に公開するのが一般的となっていた。Vineでティーザーを流すことで、また新しい広告展開手段を獲得したということになるわけだ。Vineの有効性をハリウッドが認めた瞬間である、ということもできよう。

剣、侍、銃、女、ウルヴァリンの特徴的武器である爪、空中を飛ぶウルヴァリンの様子などが6秒間の動画に詰め込まれている。セリフは一切無く、プロットの説明も全くない。タイトルについてもロゴが表示されるだけだ。しかしこれがまた素晴らしいのだ。ウルヴァリン、X-Men、マーベル・コミックには既にコアなファンが存在するのだ。そうしたファンの反応を得るのには、この6秒間の動画で十分なわけだ。これをTwitterの運営する動画サービスに投稿するというのは非常に良いアイデアであったと思う。

ウルヴァリンの「トゥイーザー」はこういう具合だ。

IMDb上でのFilmonicのLiam Goodwinのによれば、もちろん20秒の長さの一般的な予告編も公開される。他にもさまざまな予告編が用意されているそうだ。しかしそうしたものに先立ってVine版を公開したというのも面白い仕掛けだ。映画の公開は7月24日を予定している。日本での冒険や、ヤクザとも関係を持つマリコ・ヤシダとのロマンスなどが描かれる。

ちなみに、Vine上に公開した動画を「トゥイーザー」(tweaser)と呼んだのはMangoldだ(既にお分かりだとは思うが、Twitterで行うティーザー広告という意味だ)。ビデオ関連コンテンツを宣伝するには、なるほど良い方法だと思う。

時間が6秒と限定されているのも良い。またリツイートで拡散していくのもうってつけだ。同じことになるかもしれないが、他のプラットフォームを必要とせず、Twitter内で拡散させられるのも良い。トゥイーザーを投稿すれば、Twitterを利用する広い層に一気に広がっていく可能性もあるわけだ。さらに非常に短い時間であることから、コンテンツのファンではない人も最後まで見てくれる可能性が高い。また、同じ理由からこのトゥイーザーにはいろいろな内容を詰め込む必要もない。ティーザーのつもりがネタバレになってしまうような危険性もないのだ。Vineは、まさに見た人の興味を掻き立てるという役割を過不足なく担うツールだと言えるのではなかろうか。

既にVineを使っているブランドも増え始めている。きっと他の映画も、この「トゥイーザー」に参入してくるのではなかろうか。他にもテレビショーやスポーツ・イベント、あるいはゲームなどもVineプラットフォームをうまく活用できそうだ。つい注意力を奪われてしまうような、新たな広告プラットフォームが広まりつつあるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


撮った写真を未来の自分に送るThrowback(最低でも1ヵ月しないとどんな写真かわからない!)

写真共有アプリケーションは既に膨大な量が公開されている。この度その一員としてデビューしたのはThrowbackというアプリケーションだ。これは写真と「ノスタルジー」をミックスするために作られたものだ。

Throwbackで撮った写真は、将来の自分ないし友だちに送られるようになっている。撮影した写真は、なんと最速で1ヵ月後まで自分で見ることすらできないのだ。サービスから写真が送られてくる際はメールの添付ファイルとして送られてくるので、カメラロールなど、好きな場所に写真を保存することができる。

こうしたサービスを思いついたのはファウンダーのCalli Higginsだ。写真とノスタルジーの出会う場所に存在するサービスを意識したのだとのこと。

「心に訴えかける写真とそうでないものの差を考えてみたのです。たとえば、久しぶりに目にするものはノスタルジーの感情を呼び起こします」とHigginsは言う。「現在はすべてにおいて露出過多となっていて、ノスタルジーを感じることなどなくなってしまっています。ThrowBackはそうした現状を変えるアプリケーションなのです」ということなのだそうだ。

使い方は非常に簡単だ。メールアドレスを投稿して、写真を撮影するか、あるいはこれまでに撮った写真を指定する。写真の指定が終われば、次には送られてくる日付を指定する。これは特定の時間幅(6ヵ月から5年)の間で指定したり、あるいは「Surprise」でランダムに送らせることもできる。特定の日付の指定もできるが、最短でも1ヵ月後でなければ指定できないようになっている。

また、写真を自分だけに送るのか、あるいは他の人にも同時に送るのかを指定することができる。

但し、本アプリケーションでは既存のソーシャルネットワークとの連携は行えない。これを不備と感じる人もいるだろうが、実は狙いがあってのことと見ることもできる。すなわち現在はあまりに膨大な数の写真がネットワーク上に出回っている。このせいでせっかくの面白い写真も注目されることなく流されてしまう傾向にある。そうした状況から抜け出すためのアプリケーションであってみれば、ソーシャルとの連携はしないという選択肢もありだろう。

但し、今後の機能追加は考えているようだ。たとえば数ヶ月後になってから思い出写真のツイートを流すだとか、Facebookへの投稿は行えるようにするなどという機能追加はあるかもしれない。しかしまだ詳細は教えてもらえなかった。

Facebookの登場が、あらゆるジャンルのソーシャルネットワークの登場を促した(仕事向けにはLinkedIn、親しい間で利用するにはPath、短いメッセージを即時に流すならTwitterといった具合)ように、Instagramの流行がさまざまな種類の写真・動画共有サービスを生み出しているとも言えるだろう。

たとえばすぐに消えてしまうメッセージを送るSnapchatでは、自分撮り写真を流すという動きが加速して、これはFacebookのPokeを生み出すことにも繋がった。

TwitterもVineの提供を開始した。そしてVineはViddy、SocialCam、あるいはCinemagraph、あるいはHTCのZoeやSamsungのシネマモードのように、携帯メーカー版の動画・写真共有アプリケーションなどをも生み出すきっかけとなった。

また位置情報とリアルタイム共有を目指すAlbumatic、PhotoSocial、そしてサービスを停止してしまったColorというものもあった。

こうしてみると、凡百のInstagramクローンから抜けだして話題を集めるには、何かしらユニークな機能を持っていることがまず大切であることがわかる。そうした点で見るとThrowbackはまず可能性を持っていると言えるかもしれない。

ThrowbackのiPhone用アプリケーションはこちらから入手できる。

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(翻訳:Maeda, H)


Google、Google+プラットフォームに関わる人材を募集してチーム拡充中

GoogleはGoogle+およびGoogle+関連の開発を行うエンジニアの、さらなる拡充を行なっていくつもりのようだ。Google+の開発者アカウントからの投稿によれば、「Googleをよりコラボレーティブな環境とし、利用者との関係性を深めるための」優秀なエンジニアを若干名募集しているのだそうだ。

実は少し前、Google+関連の採用を凍結している(今後はGoogle+に特化した求人は行わない)というような噂も聞こえてきていた。しかしこのが事実であるという裏付けはできなかった。凍結していたにしても解除となったのか、あるいは凍結という事実自体がなかったのかもしれない(あるいはGoogle+チームに欠員が出て、補充の必要性が出たというだけのことかもしれない)。ともかくGoogleがGoogle+プラットフォームに、より多くの資源を投入しようとしていることは間違いない。尚、募集要項はあくまでも一般的なものであり、そこから何か特別なプロダクトや方向性については読み取ることができない。

募集人員の業務内容を考えてみるに、たとえばGoogleが直近にリリースしたものと言えばGoogle+のサインインだ。Google内のサインインエクスペリエンスをサードパーティーにも開放して、そこでGoogle+との連動を狙うことになる。情報の共有行為もそうだし、またウェブやアプリケーションにサインインした際に自動的にAndroidアプリケーションを配布するOver-the-airインストールなども利用できるようになっている。こちらの機能拡張のための人員を募集しているのかもしれない。あるいは、Google+のAPIが依然として限定的なものである中、Googleが最も注力しているようであるのはHangoutであると言えるかもしれない。そちらに役立つ人材を募集しているということも考えられる。

Googleからの募集アナウンスを転載しておこう。

The Google+ platform team is hiring!

Come help us connect Google users to the rest of their world.

The challenges are substantial, but the opportunity to make Google more collaborative and relevant to users wherever they are is enormous. The work is challenging, fast paced and always changing. Strong analytical skills, unwavering commitment to quality, collaborative work ethic, and cutting edge coding skills are all required. If you’re interested, you can learn more about the positions we’re looking to fill here:

Software Engineer – Mountain View: http://goo.gl/HOvCo
Front End Software Engineer – Mountain View: http://goo.gl/nuw9O
Software Engineer, Mobile Applications (Android / iOS) – Mountain View:http://goo.gl/lYu6O

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(翻訳:Maeda, H)


明日はTwitterの満7歳の誕生日―次の7年に必要なのはオープンなコミュニケーションのプラットフォームという初志を貫くこと

今日(米国時間3/21)、Twitterは満7歳の誕生日を迎えたのを祝って、その歴史を要領よくまとめたビデオを発表した。紹介されているエピソードの多くはわれわれもよく覚えているものだ。この点についてはまた後で触れる。また今やTwitterの影響力が世界中で絶大であることも周知の事実だ。

しかし重要な質問はこうだ。「Twitterは将来どうなるのか?」

来る7年も影響力を維持するためには、Twitterはオープンなコミュニケーションのプラットフォームとなるという当初の使命を貫徹する必要がある。そのため、Twitterはあまりに多くの機能付け加えて、われわれの本音をリアルタイムでストリームするというサービスの核心をぼやけさせるようなことをしてはならないと思う。とはいえ、Twitterが収益を上げねばならないのは当然だ。従業員をただ働きさせるわけにはいかないし、サーバの運用にも大金がかかる。

Twitter上に流れた大事件のニュースについて繰り返すのは止めておくが、Twitterがメインストリーム・メディアの世界で独自の重要な位置を占めるようになったことだけは確認しておきたい。ESPNのニュース記事を読んでいれば、「スター選手がTwitterでこう言った」という引用に出会わない日はない。メディアにおけるTwitterの位置については、このことを見るだけで学者や評論家の千万言の分析にまさる。Twitterはもっとも重要でもっとも信頼性が高いリアルタイム情報源となっているのだ。さらにその重要性は日に日に高まっている。

何千万ものツイートの中には不用意な内容のために職を失ったり炎上して悪名を高めてしまうといった事件も起きる。それでもツイートには他のソーシャル・サービスにはない独特の親近感がある。何百万もの人々とあなたのとの間にはただツイート・ボタンがあるだけなのだ。

こういったツイートを読むと、TwitterはXeni(BoingBoingの共同ファウンダー、著名ブロガー)の苦闘や些事、その個人史のすべてを刻々と伝えることに役だっていることを感じずにはいられない。XeniのTwitterのフォロワーは彼女の感情や思考に直接に接触している感じになる。これはMyspace、Friendster、いやFacebookでさえ提供できない独特の力だ。それは生であり純粋であり今だ。そしてTwitterはそういう存在でありつづける必要がある。

Twitterが独自の音楽アプリを立ち上げる準備をしている噂がしばらく前から流れている。そのためTwitterがつまらないメディア企業に変貌してしまうのではないかという議論が蒸し返されている。

もちろんそんな懸念にはあまり根拠がない。この音楽アプリは(Twitterは噂についてノーコメントだが)、ツイートから出来る限り有用な情報を抽出してそのユーザーの好みを推測して音楽を推薦するスタンドアロンのアプリにすぎないと思われる。Twittertが最近買収した「6秒ビデオ」のVineについても同様のアプローチをしている。Twitterはビデオ分野にも進出したかったので既存のサービスを買収し、スタンドアロンのまま提供している。なるほどVineのビデオがTwitterのストリームに表示されるのは事実だが、ビデオを本当に楽しみたいのならVineアプリを使ったほうがよい。さまざまな分野のサービスをTwitter本体に取り込まず、独自アプリとして維持することによてTwitterのプラットフォームを保護しているわけだ。このやり方は成功しているし、今後とも続けるべきだろう。

Twitterはビジネスとしても早急に収益化に成功し、来年にも上場を果たしたいらしい。企業として当然の望みだからそれは止められないが、 われわれとしては「今何している?」という情報を140文字でストレートに共有できるプラットフォームではなくなるようなことはしないでもらいたい。その核心的機能が曇らされるようなことになれば心配だ。

TechCrunchのファウンダー、Michael Arringtonが2006年に最初にTwitter(当時はTwttrと表記されていた)を紹介)した文章にはこうある。

Odeoは今日(米国時間7/15)Twttrという新しいサービスを発表した。 これは一種のグループ送信SMSアプリケーションだ。それぞれのユーザーは自分自身の友だちネットワークを管理できる。ネットワークの誰かが “40404″にメッセージを送ると、友達全員がそれを読むことができる。

7年経ってもこの説明は核心を突いている。その定義に当てはまるサービスのままでいて欲しい。

こちらはTwitterの7歳の誕生日を祝うビデオだ。

[写真:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


欧米消費者はソーシャルメディア広告に依然として強い不信感(Forrester調べ)

Forrester Researchは、欧米のオンライン消費者5万8000人を対象にブランドへの信頼度やマーケティング手法別の有効性などを調査したデジタル・マーケティング・リポートを発表した。

なかでも興味あるのは1枚のグラフ(下に掲載)で、欧米の消費者が各種の広告、マーケティング手段をどの程度信頼しているかを調査したものだ。

消費者からの信頼度で最底辺に位置するのは、伝統的なプッシュ・マーケティング(バナー広告やテキスト・メッセージ)であるのは当然だろう。しかし同時に、この調査はソーシャルメディアを利用した広告、マーケティングに対してもあまり大きな希望を抱かせない結果となっている。ソーシャルメディア広告の信頼度はモバイル・アプリ広告のわずか上で、やはり最底辺に近い。テキスト・メッセージ広告が最下位、バナー広告がそのわずかに上だ。

オンライン・マーケティングにおいてソーシャルメディアに対する信頼度が相対的に低いことは、自社ウェブサイトに投資する方がFacebookなどのソーシャルメディア広告に投資するより効果が高いとアメリカの企業が考えているという最近のGartnerに調査結果とも一致する

Forresterの調査はマーケティングの効果が手法によって非常に大きなばらつきがあることを示した。 SMS、バナー、モバイル・アプリ、ソーシャルメディアはいずれも消費者の信頼度が低い層に属する。もっとも信頼度が高いのは友だちや家族の推薦で、バナー広告の7倍の信頼度がある。

もうひとつ興味があるのは、どの項目でもヨーロッパの消費者の方が(評判に違わず)アメリカの消費者より懐疑的だということが実証された点だろう。またアメリカでは専門家によるオンライン・レビューが依然として高い信頼度(55%)を得ているのに対し、ヨーロッパでははるかに低い(33%)評価にとどまっている。

また検索エンジンによる非広告検索とAmazonレビューのような消費者によるレビューもソーシャルメディア・マーケティングに比べて3倍も信頼度が高い。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookページでコメントへの返信が可能に。スレッドの優先表示も

Facebookは、Facebookページおよび有名人のプロフィールに、ファンや読者との対話を促進するための新機能として「返信」を提供する。これまでFacebookページでは記事にコメントを付けることはできたが、コメントに返信することはページ管理者にもできなかった。Facebookは昨年11月以来この新機能をテストしてきたが、情報筋によると7月の一般公開に先立ち、3月25日にオプトイン方式で公開するらしい。

送られてきた新機能のスクリーンショットはこれだ。

同時に提供予定の新機能には、これもベータテスト中のアクティブスレッドの優先表示がある。これは、アルゴリズムを使って最もアクティブなスレッドをコメントのトップに表示するものだ。

返信とアルゴリズムによる並べ替えは、どこでも利用できわけではない。Facebookページの記事と、フォロワー1万人以上のプロフィールだけで、個人アカウントでは利用できない。また、当面モバイルでは使えないが、将来的にグラフAPIおよびモバイルにも返信が採用される予定だ。

返信機能は、既にFacebookのコメントプラグインには導入済みで、サードパーティーのサイトで利用できる(TechCrucnchでも以前は使ってた)。しかし、Facebookサイトで提供されるのは初めてだ。

返信機能を導入する最大の理由は、Facebookページの管理者が、個々のコメントに直接対応ができ、他のユーザーにもどの会話がいちばんアクティブかがわかるようにことだ。これはコメントによる会話の質を向上させるだけでなく、ページの書き込み全体のエンゲージメントを高める効果がある。Facebookにとって、宣伝費の使い方を決める重要なデータであるユーザー滞留時間を定量化する手段として、エンゲージメントは今も重要な指標だ。

Facebookは、ページ管理者に対して新しい返信機能を3月25日からオプトインで提供し、7月10から一般公開する。

Facebookが配布しているFAQには、会話スレッドのしくみが簡単に書かれており、これを見ると単に返信のいちばん多いコメントを上にするのではなく、ユーザーのソーシャル関係や好みに応じて順位付けされるようだ。

「各ユーザーのつながり方によって表示が変わることもある」とFacebookは書いている。例えば、ある読者がたまたま特定のスレッド中の人知っていれば、その読者にはそのスレッドがトップに表示される。これは読者がそのスレッドに参加したいだろうとFacebookが予想するからだ。

これとは別に、いいね!や返信の多い記事にも重みが付けられる。逆に、スパムのフラグが付けられたスレッドやコメントの順位は下がる。Facebookは、スパム常習者のコメントを「ランクダウン」させることもあると言っている。

しかし、これからはモバイルが中心だと高らかに宣言している会社としては、返信に関して少々一貫性を欠くことになりそうだ。

返信は当初モバイルでは機能しないので、iOSとAndroidの専用アプリでは、返信も通常のコメントとして表示される。グラフAPI経由で表示されるスレッドについても同様だ。これは、サードパーティーのページ管理アプリも返信を書けないため、不利を強いられることを意味している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google Keep―Google+と連携してソーシャル化すればPinterestとEvernoteの有力ライバルになる可能性

今日(米国時間3/20)、Googleはとうとうノート・アプリのKeepを正式公開した。うっかり早まって一時公開してまた削除するなど先週どたばたを演じた後だったが、このアプリはメモやリスト、写真その他さまざまな情報を即座に安全なクラウドに保管できるサービスだ。

ちょっと試してみて気づいたのだが、Keepは簡単にPinterest風のレイアウトで利用することができる〔入力窓右側からギャラリー表示を選択する〕。KeepとPinterestの差はPinterestがソーシャルだという点だ。Pinterestはもちろん唯一のソーシャル・ブックマークではないが、この種のものとして消費者にもっとも好まれているサービスの1つだ。するとこの点はGoogle Keepにも当てはまるかもしれない。

Googleはその気になれば一瞬でKeepをソーシャル化できる。Google+に接続するだけでよいからだ。ウェブでユーザーが関心を抱いたページ、特にGoogle検索で発見ししたページをKeepでブックマークし、即座に友だちと共有できるとなればPinterestそっくりだ。

Keepについてのネット上の議論は主としてEvernoteのライバルになるかという点を巡って戦わされているが、 私はもっと大きな枠組みでKeepの影響を考えるべきと思う。

以下のスクリーンショットのようにKeepのデザインはPinterestに似ている。

こちらがPinterestだ。

たしかに今のところKeepの機能は写真、メモ、リストを保存することに限られているが、ユーザーはなんであれウェブに保存したコンテンツを友だちと共有したがる。たとえ、家族はごく親しい友だちといった狭い範囲にしてもだ。現在Keepにはこの機能は欠けている。しかしDrive やYouTubeなどGoogleの他のサービスと同様、いずれKeepにもソーシャル化が及んでくると予想しても見当外れではないだろう。

Google+のソーシャル機能は個人のメモやブックマークの共有にも容易に適用できる。ラリー・ペイジがCEOに就任して以後、Googleが発表する新製品は必ずさらに大規模な枠組みの一部だったことを考えれば、Keepが今後ずっと現在のようなバニラ状態でいるとは考えにくい。さらにGoogle Readerが広く一般ユーザーのものになることに失敗した点も考える必要があるだろう。Readerの機能を将来Keepが引き継ぐことになる可能性もある。

もちろんKeepはスタートしたばかりであり、Googleはすでにブログで発表した以上の情報を明かそうとはしない。しかしこのサービスはいろいろな理由から綿密な検討に値する。Googleの場合、見えているのは常に氷山の一角なのだ。

[写真:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Readerのサービス停止に反対する利用者の声、署名サイトに集約中

昨日、GoogleがGoogle Readerの終了をアナウンスした。Google ReaderとはRSSフィードを読み込むためのGoogleのプロダクトで、7月1日にサービスを停止するとのことだ。しかしDaniel Lewisの発案により、Googleに対してGoogle Readerの除名を求める嘆願活動が始まった。本稿執筆時点で3万以上の署名を集めている(訳注:訳出中の現在、5万5千を超えています)。

Google Readerの終了に関する記事にも100以上のコメントが付いている。同じく終了に言及しているこちらの記事にも200以上のコメントが付いている。

つまるところ、RSSというものに対しては、まだまだ多くの人が必要性を感じているということなのではなかろうか。

確かに、Google Readerを使ってフィードを呼んでいる人というのは、さほど多いわけではないのかもしれない。しかし、Google ReaderがFacebookやTwitterで記事を共有する機能を残しておいてくれたら、事態は異なっていたと思うのだ。

ご記憶だろうか。2011年の10月に、GoogleはGoogle Readerの変更を行った。UIを大きく変更し、そして同時に(Google+以外の)すべてのソーシャル機能を削りとってしまったのだった。

Lewis氏が言うように、FacebookやTwitterで情報の共有が行えるようにしていたことで、Google Readerは単なるフィード処理ツールとは違う役割を担っていたのだ。ソーシャルネットワークを担う、プラットフォームのひとつとして機能していたのだった。

しかし「Do No Evil」という道を探りつつ、GoogleはGoogle+以外のソーシャルネットワークと関わらないようにするという方針を選択した。これにより利用者が減るというのは完全に予測できた事態のはずだ。Google+の利用者は、TwitterやFacebookに比べればまだまだ少ないものなのだ。それなのに「利用者が少なくなっている」などと言い募り、サービスを停止するのはおかしな話なのではなかろうか。

先にも記したように、RSSというものを必要としない人も多いのかもしれない。しかし署名サイトを見てみて欲しい。また、Google Reader停止について触れた記事に付いているコメント数を見てみて欲しい。インターネット人口全体から見れば、Google Readerの停止に対して声を挙げている人の数は少ないのかもしれない。しかし声をあげている人のほとんどが、「心から」の声を発しているのだ。

Google Readerの停止を見直して欲しいという声は、相当に大きく響き渡っているはずだ。

[via InfoWorld]

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(翻訳:Maeda, H)


ソーシャルネットワークの「利用者層別」調査:Pinterest、Twitterを捕える。情報格差は縮小

実に面白い統計データを見つけた。Pew Researchは、2012年12月時点でアメリカ人のどの層が、様々なソーシャルネットワークにはまっているかを調べた興味深いデータを公開した。そこにはビジネス的にもカルチャー的にも大きな意味が潜んでいる。

Pinterestは実質的にTwitterを捕えた。米国の成人インターネット利用者中、利用率はそれぞれ15%と16%だった。Pinterestは2009年の開業以来爆発的成長を続けており、特に白人、女性、富裕層にユーザーが多い。Pinterestの方が女性では5倍(25% vs 5%)、大学卒の白人ではほぼ2倍利用率が高い。Pinterestは、流行に敏感な都会人が最先端のウェディングドレスやアパートの装飾を探す必携ツールとなっている。しかし、Twitterの方がずっと注目度は高い。大統領選挙運動や中東の活動家は、国の政権再編のためにスタイルカタログを活用しない。

ソーシャルメディア利用における少数民族とのギャップはなくなった。調査対象のグループ(白人、ラテンアメリカ人、アフリカ系アメリカ人)は、全成人の68%程度をカバーしている。アフリカ系アメリカ人(26%)は白人(14%)の約2倍、Twitterを使っている。このアフリカ系アメリカ人による不均衡なTwitter利用は、カルチャー評論家や学者たちを魅了した。ある調査は、アフリカ系アメリカ人の有名人報道への登場は、Twitterの利用に強く影響を与えているとしている。The Onionの元編集長、Baratunde Thurstoは、「黒人コミュニティーには、口頭での悪口の言い合いに長い伝統があり、Twitterはそのコールアンドレスポンス文化と極めて相性が良い。短かくて経済的なので自分の貢献の質をすぐに検証できる」と語った。

皮肉なことに、ソーシャルメディアを使わないことがエリート的かもしれない。大学卒は、中退・短大卒等よりもソーシャルネットワークを使う割合がわずかに少ない(65% vs 69%)。この相違は統計的に有意ではないが、少なくとも1つの調査結果が、高学歴ユーザーの間では、道徳的、政治的、あるいは文化的理由でFacebookをやめるトレンドがあることを検証している。「Facebook拒絶者の多くは、主流との違いを楽しみ、それを差別化、優越感、エリートソーシャル層の証の一つと考えている」とニューヨーク大学のLaura Portwood-Stacer教授は言っている。

流行人は主流すぎると感じ、プライバシーポリシーに問題があると感じる人たちもいる。要するに、ソーシャルメディアを使わないことは、受けた教育の〈多さ〉の結果であり利用環境の不足のためではない。

各ソーシャルネットワークの総計。 オンライン成人の67%がFacebookを使っていると答え、15%がPinterest、13%がInstagram、6%がTumbler、16%がTwitterを使っていると答えた(2012年8月には、20%がLinkedInを使っていると答えた)。本調査結果を要約した表を下に貼った。

statgraph

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(翻訳:Nob Takahashi)

LINEの2012年Q4の売上はおよそ41億円

主要な決算発表が終わっていて、すでに過去の話となってしまったが、昨週に韓国で発表されたLINEを運営するNHN Japanの親会社であるNHN Corprationの決算発表では、LINEの2012年10月から12月の売上が日本円でおよそ41億円だったとNHNのCFOのIn joon Hwang氏が語ったことを複数のメディアが報じている。曰くLINE自体は前期比200パーセントの成長でゲームとスタンプの売上が大半を占めているということだ。この売上の多くは日本からのもので、日本でのLINEの収益化が好調なことを示している。LINEは今年1月に入って1億ユーザーを突破している。

ただ、以前にNHN Japan代表取締役社長の森川亮氏が昨年のIVSで語った際には、マネタイズについては「現在は実験的にいろいろと開始していて、ドライブをかければもっと収益があがると思う」といった趣旨の発言をしているので、この売上は収益化を急いだ数字ではないのだろう。そう考えると、現ユーザー数のポテンシャルから考えてもまだまだ成長の余地はある。

韓国のKakaoはLINEに先んじてプラットフォーム化していたが、昨年7月にゲーム事業を開始してから昨年8月から10月の3カ月で585億ウォン(同約50億円)を売り上げたことを考えるとなおさらだろう。

なお、NHN Japanでも事業の分社化(ゲーム事業をHangame株式会社に、NHN JapanはLINE株式会社に)が進められているのはすでに発表されているが、韓国のNHN本社ではモバイル専門の子会社Camp MobileとLINE Plusの2社を立ち上げることを同時期に発表している(LINE Plusの株式の60パーセントの持分はNHN Japan)。LINEの急成長によって日本と韓国とでの同社の事業再編が行われているということなのだろう。

なお、あまり報じられることが少ないのでNHN corporationの決算も合わせて書いておくと、2012年の売上は約2,050億円で営業利益は約602億円。Q4の売上は約560億円で営業利益は約171億円。日本でのセールスは詳細な数字は記されてないが、売上はQ4で104億円でそのうち31パーセントがウェブサービスとなっている。売上は前四半期と比較して30.9パーセントの伸びを示している。ウェブサービス部分の成長度合いが高いのはゲームなどの複数のアプリがリリースされたLINEの事業が牽引しているからだと見られる。参考までに決算発表資料のデータを載せておこう。

ニュースリーダーのPulse、「ハイライト」導入でソーシャル機能も徐々に追加中

デビュー以来、Pulseはブログやソーシャルネットワークのフィードをまとめて読みやすい形で利用者に提供して、2000万以上の利用者を獲得してきた。FlipboardやZiteが複雑なアルゴリズムを利用してパーソナライズ機能を充実させる中、Pulseはそうした動きとは一線を画し、あくまでトラディショナルな「フィードの提供」に拘ってきた。しかしついに、ソーシャル要素の導入を考え始めたようだ。友達がPulse上ないしFacebookでシェアした情報を主に掲載するPulse Highlightsを実装したのだ。

この新機能はまずAndroidアプリケーションで使えるようになった。iOS版については承認プロセスが進行中で、間もなく公開されるものと思われる。

Pulseで配信される記事を読んでいるときに、Facebookの友達が同じ記事をシェアしていればそれがわかるようになっている(もちろん自分でもシェアできる。記事の共有はFacebook、Twitter、ないしは従来通りにPulse限定で行うことができる)。友人たちが共有した記事は、「Highlight」にまとめて表示されるようにもなる。

Pulseの共同ファウンダーであるAkshay Lothariも言うように、今回のPulseでは「親しい人」が共有したものを表示するというところにある。従来は、自分で指定した信頼に足るニュースソースからの記事を閲覧するのにPulseを利用していた。しかし今回のリニューアルにより、Facebookストリームの中でもうっかり見失っていた面白そうな記事やニュースソースを発見できるようにもなったわけだ。

「これまでも、利用者の方が興味のある記事を提供して来ました」とKothariは言う。「しかし今回のリニューアルにより『発見』的な機能をもたせることができるようになりました」とのこと。PulseのHightlights機能により、Facebookのストリームから無駄を省いたエクスペリエンスを実感できるだろうとのことだ。また、Facebookでの共有情報をそのまま持ってくることで、Pulseを使っていない人からの情報も共有できる点がウリでもある(もちろん、今回のリニューアルをきっかけにバイラル効果が広がることは期待しているだろう)。

実のところPulseでは、ソーシャルおよびアルゴリズムによるレコメンドを、この1年ほど試してきている。単純にソーシャルネットワーク上で人気だからとレコメンドするのでは芸がないと判断しているようだ(Facebookで500のいいねを獲得していても、ある人にとっては全く意味がないということもあり得る)。またZiteと同様に、完全にプログラミングによるレコメンドも試してみた。しかしベータテスターたちは、なぜ自分にそのような記事がレコメンドされるのかよくわからず、あまり気に入ってもらえなかったようだ。結局Highlightsでは、発見は結局、人を介してもたらされるものとして定義したようだ。親しい友だちや家族がシェアしているものは、きっと興味深いものだろうという判断だ。

今後、Pulseは今回の機能に細かな調整を施して、全体をそのままシェアするのではなく、まとめ機能なども実装して行きたい考えだ。また、こうした共有オプションを活用することで、コンテンツに応じた広告配信などを行なえるようにして、広告主に対する魅力も高めていく考えだ。

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(翻訳:Maeda, H)