「フルスタック」フルフィルメントプロバイダーのHubooがシリーズAで19億円を調達

あらゆる規模のオンライン小売業者に対して、エンドツーエンドのフルフィルメントサービスを提供する英国のHubooが、シリーズAの資金調達で1400万ポンド(約19億円)を調達した。

ラウンドはStride.VCが主導し、Hearst Venturesが参加した。以前からの投資家(未訳記事)であるEpisode 1、Maersk Growth、Ada Ventures、True Capitalも同様に参加した、この結果現在までにHubooの資本は、1800万ポンド(約24億5000万円)に達している。

Martin Bysh(マーティン・ビッシュ)氏とPaulDodd(ポール・ドッド)氏が、eコマースの実験を何回も繰り返した後に、2017年11月に立ち上げたHubooは、ほとんどのオンラインストアが直面するフルフィルメントの問題点を解決することを目指している。自身が「マイクロウェアハウジング」と呼ぶ手法と、包括的なソフトウェアモデルを使用することで、そのフルスタックサービスは在庫を管理し、顧客の注文を受けて自動的に「選択、梱包、発送」を行うことを約束する。

Hubooダッシュボードを通して、在庫管理、注文追跡、および請求情報が提供される。また、Amazon(アマゾン)、eBay、Shopifyなどのサードパーティの販売チャネルやマーケットプレイスとも統合されている。これにより、Hubooは顧客の注文をリアルタイムで直接受け取り、処理することができる。

基本的なアイデアは、フルフィルメントを「大衆化」することで、オンラインショップたちが、顧客サービスや、どんな製品の開発および販売を行うかを選択するなど、ビジネスの最も付加価値の高い部分に集中できるようになるということだ。

「独立小売業者の大多数は現在オンラインに移行しています」と語るのはHubooのCEOであるマーティン・ビッシュ氏だ。「パンデミックは、今後5年間に起きるマルチチャネルコマースへの大規模な移行のきっかけとなりました」。

さらに彼は、消費者との直接取引(D2C)「革命」が急速に加速していて、「従来の小売チャネルを迂回して、消費者と直接関わる新しい種類のアジャイルな若いD2Cビジネス」が伸びていると語った、また同時に、顧客がより迅速な配達を要求し続けることで、小売業のフルフィルメントはより複雑になっている。

「パンデミックによってサプライチェーンの構成は変化しており、小売業者は製品をどこで調達すれば良いかや、どのように堅牢なサプライチェーンを構築すれば良いかに、もっと注意を払う必要があるのです」とビッシュ氏は付け加えた。

このため、Hubooは新しい資金を使用して、CEOが戦略的優先事項として説明している3つの施策を行う。すなわちソフトウェア開発、英国での拡大、そしてBrexitが固まる中でのヨーロッパでのプレゼンスの確立だ。

これにより、Hubooは2021年にはソフトウェア開発チームを10倍に増やし、フルフィルメントソフトウェアプラットフォームの機能をさらに拡張する予定だ。クライアントの成長をサポートするために、スタートアップは2020年10月に英国3番目の倉庫を開設し、2021年1月には4番目の倉庫を開設する予定だ。

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カテゴリー:ネットサービス

タグ:Huboo ネットショッピング / eコマース 資金調達

画像クレジット:Huboo

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(翻訳:sako)

Shopifyが実店舗とネットショップを統合する独自POSを提供開始、JCB・PayPay決済、BASEからの移行ツールも発表

Eコマースプラットフォームを開発・運営するShopifyは9月30日、実店舗とネットショップの商品を一元管理できるPOS機能を日本国内のユーザー向けに提供開始することを発表した。

Shopifyはグローバルに展開しているEコマースプラットフォームで、2019年では南米やアジアでの成長が顕著だ。グローバルで100万社以上の事業者が利用しており、2020年上期の事業者の総売上は約5兆円とのこと。日本国内でも利用者は延びており、2019年上半期と100%とした場合の2020年上半期の新規ストアの開設成長率は175%となっている。

今回日本国内で利用可能になるのは、Shopify POSと呼ばれる機能だ。商品検索、注文処理、支払い回収、レシート発行などをタブレットなどのモバイル機器で処理できるのが特徴で、もちろん実店舗とネットショップの在庫がリアルタイムに把握できる。

さらにShopify POSを導入した店舗では、POS連携可能なポイントアプリであるEasyPointsの利用も可能になる。ポイントはネットショップだけでなく実店舗でも利用可能なので。消費者とのエンゲージメントを高める施策として使えそうだ。

またShopifyはこれまで、VISAやMasterCard、AMEXなどの国際ブランドのクレジットカード決済に対応していたが、JCBでの決済もサポートする。Shopifyの新規利用者は本日から、既存の利用者は10月中に順次対応の予定だ。さらには、PayPayでのオンライン決済も可能になる。コード決済系では楽天ペイに続く対応だ。

そして、同社は競合サービスからの利用者の移行を促すツールも配布する。具体的にはBASE(ベイス)を利用している事業者が既存のECサイトから商品情報、カテゴリー情報、注文情報を簡単に移行するためのツールを提供する。これはパートナー企業のGet Itが開発したもので、shopify app storeから無料で入手可能だ。

そのほか、物流面ではフルフィルメントサービス「Fulfillment by ZOZO」と連携し、事業者はファションECサイトの「ZOZOTOWN」と自社ECサイトでの受注・在庫・出荷をシームレスに管理することが可能になる。越境ECの機能としては、世界の国や地域向けに複数のサブドメインを取得可能なったことで、各国語、現地通貨、現地ドメインでECサイトを構築できるようになった。iOS、Android向けに画像の背景を簡単に切り抜けるツールなどもリリースしている。

フランス拠点のマーケットプレイスMiraklが320億円調達、大手B2B企業の参加で業界特化市場も構築

フランスを拠点するスタートアップのMirakl(ミラクル)が15億ドル(約1580億円)のバリュエーションで3億ドル(約320億円)を調達した。今や同社はユニコーンとなった。Miraklはユーザーのeコマースウェブサイト上でマーケットプレイスの立ち上げと管理を支援する。同社の顧客の多くは、Miraklを活用したマーケットプレイスをB2Bの取引にも使っている。

今回のラウンドはPermira Advisersがラウンドをリードし、既存の投資家からは83North、Bain Capital Ventures、Elaia Partners、Felix Capitalが参加した。

「このラウンドは43日でクローズした」と、共同創業者で米国のCEOであるAdrien Nussenbaum(エイドリアン・ヌッセンバウム)氏は語った。だがデューデリジェンスのプロセスは激しかった。「Permira Advisersは、クライアント、営業先、パートナー、元従業員らに合計250件電話した」という。

多くのeコマース企業は販売拡大をサードパーティーの販売業者に頼っている。マーケットプレイスでは1つの販売業者が多数の顧客に販売するのではなく、多数の販売業者が多数の顧客に製品を販売できる。Miraklはユーザーのeコマースプラットフォームでマーケットプレイスを管理するソリューションを開発した。

Best Buy Canada(ベストバイカナダ)、Carrefour(カルフール)、Darty(ダーティー)、Office Depot(オフィスデポ)など300社がマーケットプレイス構築にMiraklを利用した。Miraklは最近、B2B企業も次々とクライアントにしている。

業界に特化したマーケットプレイスは部品の調達やバルクセールに使える。この分野のクライアントには、Airbus Helicopters(エアバスヘリコプター)、Toyota Material Handling(トヨタマテリアルハンドリング)、Accor(アコー)のAstore(エーストア)などがある。Miraklのマーケットプレイスの60%は依然として消費者向けだが、同社は最近B2BとB2Cのマーケットプレイスも増やしている。

「当社は単純なマーケットプレイスにとどまらないプラットフォームビジネスモデルを可能にする数多くの機能を開発した」と共同創業者でCEOのPhilippe Corrot(フィリップ・コロット)氏は筆者に語った。「たとえば当社はサービスに投資してきた。これにより当社のクライアントはサービスプラットフォームを開発できるようになった」。

フランスでは、例えばConforama(コンフォラマ)で顧客が家具を買うと、Conforamaはさまざまなサービスで顧客にアップセルすることができる。Miraklは独自のカタログマネージャーも立ち上げ、リストの統合や情報の追加などができるようになった。

同社はこうした機能に必要な膨大な作業に人工知能を使用している。不正検出など、AI対応の機能は他にもある。

Miraklがマーケットプレイスのエキスパートであることを考えると、同社がMirakl Connect(ミラクルコネクト)を使用して一種の「マーケットプレイスのマーケットプレイス」を用意したことは驚くにあたらない。

「Mirakl Connectは、売り手からオペレーター、パートナーに至るまで、マーケットプレイスのエコシステム内の全ての人にとって単一のエントリーポイントになるプラットフォームだ」とコロット氏は述べた。

売り手のメリットは非常に明白だ。会社のプロフィールを作成し、一度に複数の市場で製品を宣伝できる。同社は決済サービスプロバイダー、フルフィルメント会社、フィードアグリゲーター、その他のパートナーとも提携し始めた。同社は、マーケットプレイスでこうしたパートナーらとワンストップショップを形成したいと考えている。

全体として、Miraklを活用したマーケットプレイスは2020年前半に12億ドル(約1260億円)のグロス・マーチャンダイズ・ボリューム(流通総額)を生み出した。経済危機にもかかわらず前年比で111%増加した。

本日の資金調達ラウンドを受け、同社はすべての領域へ進出することを計画している。同じ機能、同じビジネスモデルだが経営資源を拡充する。500人のエンジニアを雇い、販売チームと顧客成功チームを拡大する計画だ。

画像クレジット::Unsplash/David Clarke

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(翻訳:Mizoguchi

インドのeコマース取引サイトCashKaroが、Korea Investment Partners率いるシリーズBのラウンドで10億円を調達

インドを拠点とするスタートアップのCashKaroは米国時間9月15日、シリーズBの資金調達で1000万ドル(約10億5790万円)を獲得し、eコマース向けのサービスの範囲を拡大する予定であると発表した。同社はインドにおける主要なキャッシュバック/クーポンサイトの一つである。このラウンドはKorea Investment Partnersが主導し、以前の投資家Kalaari Capitalも参加している。

TechCruchがCashKaroについて最後に取り上げたのは、同社がシリーズAで380万ドル(約4億円)を調達したのは5年前のことである。今回のラウンドで同社がこれまでに調達した資金の総額は1500万ドル(約15億8550万円)にのぼる。

過去5年間、同社は価格比較サービスや、約18か月前にローンチしたソーシャルコマースのキャッシュバックアプリであるEarnKaroなどの新製品を発表してきた。シリーズBの一部は、約100万人の登録ユーザーを持つEarnKaroの拡張に使われる。EarnKaroにより、ソーシャルコマースの販売者、もしくはソーシャルメディアプラットフォームやWhatsAppのようなメッセージングアプリを使って商品を販売する人々は、AmazonやFlipkartのような主要なeコマースサイトへのアフィリエイトリンクを作成して報酬を得ることができる。また、EarnKaroのローンチによりCashKaroは小都市や農村地区にも進出することができた。こうした地域では、買い物客は、eコマースサイトではなく信頼できるレコメンデーションを発信する人々(すなわち 「マイクロインフルエンサー」)への共感から注文する傾向がより顕著である。

2013年にSwatiとRohan Bhargava(スワティー/ロハン・バールガヴァ)夫妻によって設立されたCashKaroは、現在500万人のユーザーを有し、AmazonやFlipkart、Myntra、Ajioといったインドにおける最大手を含む1,500以上のeコマースサイトと提携している。同社は、CashKaroのリンクを通じて行われた取引の手数料をブランドに請求することで収益化を図っている。この手数料はCashKaroが買い物客に現金を還元する方法でもあり、顧客の銀行口座に入金したり、FlipkartやAmazonのギフト券と交換することができる。両氏によると、現在月間100万件以上の取引を処理しているという。

CashKaroは、オンライン消費者からの注目を得ようと、インドでクーポンやキャッシュバックサービスを提供する他の多くの企業としのぎを削っている。ライバルにはCouponDunia、GrabOn、GoPaisaなどがいる。

「当社はインドで唯一のVC出資によるキャッシュバックサイトです。資本そのものは差別化要因ではありませんが、資本を使ってできることが当社に希少な付加価値をもたらしています」とバールガヴァ氏はTechCrunchに語り、CashKaroのキャッシュバック率は市場で最も高い部類に入ると続けた。

「CashKaroとEarnKaroを経由したパートナーサイトへのGMVが5億ドル(約530億円)近くに達したため、パートナーサイトからより高いコミッション率を得ることができ、その結果、会員のみなさんに最大のメリットを提供することが可能になっています」。

新型コロナウィルス(COVID-19)は消費者の嗜好の急激な変化をもたらし、世界中のeコマースビジネスに影響を与えている。特にインドでは4月から5月にかけて全国的に封じ込めゾーンが設けられ、必需品ではない商品の配送が5月まで認められていなかったゾーンもあり、状況は複雑であった

「私たちは新型コロナウィルスに不意を突かれました。インドのeコマースは需要の急増に対処する準備ができていなかったですし、これほど多く供給サイドの問題や配送の問題が起こることを私たちは予想していませんでした」とバールガヴァ氏は語る。「CashKaroがあらゆるeコマースサイトで利用されていることから、当社もこうした傾向に対峙してきました」。

しかし、6月以降売り上げは回復し始め、人々が家に留まりオンラインでの買い物を続けるなか、売り上げは伸び続けている。

「当社のビジネスは毎月成長しています。事実、パンデミックが広がるに連れ、教育、ゲーム、オンラインビデオストリーミングなどの新しいデジタル分野への事業拡大に拍車がかかりました」とバールガヴァ氏は続ける。電子機器、家庭用品、台所用品、パーソナルケア、美容用品の売り上げもここ数か月で増加している。

同時に、パンデミック禍の経済的影響により、より多くの人々がキャッシュバックやその他の節約につながる取引を求めている。

「オンラインショッピング利用者の間で倹約意識が高まり、CashKaroやEarnKaroのようなサービスにこれまで以上の価値が見出されています」とバールガヴァ氏はいう。「クライアント側では、Amazon、Myntra、Ajioなどのパートナーも、このような困難な状況下で収益性を念頭に置いてスケールアップをはかるには当社のパフォーマンスマーケティングモデルが最適な方法であると考えており、私たちはより緊密な協働を進めています」。

新たに調達した資金は、登録会員数を現在の500万人から今後12か月で倍増させるというCashKaroの目標に向けて使われる。バールガヴァ氏がTechCrunchに語ったところによると、キャッシュバックの提供をクレジットカードや教育などのカテゴリに拡大し、近く開催されるフェスティバルやインドのプレミアリーグのシーズンなどのイベントに焦点を当てた新しいマーケティングキャンペーンを開始するという。

「当社はEarnKaroの成長を積極的に追い求め、この製品の主なターゲット市場である、より多くのインフルエンサー、リセラー、主婦、学生に向けたアピールを行っています」と同氏は付け加えた。最終的に、シリーズBの一部は、経営首脳陣のポジションを含む雇用のために使用される予定だ。

韓国最大のベンチャーキャピタル企業の一つであるKorea Investment Partnersにとって、CashKaroは、インドで急成長するeコマース市場に参入するチャンスとなる。マネージングパートナーであるHudson Kyung-sik Ho(ハドソン・キョンシク・ホー )氏は声明で次のように語った。「私たちはこれが極めてスケーラブルな機会であると確信しています。スワティーとロハンの両氏は真にエキサイティングな成長軌道に乗っていて、CashKaroとEarnKaroのユニット指標は共に類例のない優れたものです。私たちはインドのアフィリエイトストーリーの一端を担えることに大きな興奮を覚えています」。

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カテゴリー:ネットサービス

タグ:インド eコマース

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(翻訳:Dragonfly)

米国のモバイル上でのホリデーショッピングシーズンは過去最大となる見込み

新型コロナウイルスのパンデミックはホリデーショッピングシーズンに既に影響を与え始めている。Amazon(アマゾン)は毎年恒例の販売イベントであるPrime Day(プライムデー)を今年は7月から10月に延期(CNBC記事)した。Walmart(ウォルマート)、Target(ターゲット)、Amazon(アマゾン)などの大手eコマース業者はかつてなく強力に(Business Insider記事)なっている。App Annie(アップアニー)の新しいレポートによると、モバイルショッピングアプリは過去最大のショッピングシーズンを迎えようとしている。モバイルデータ分析会社であるApp Annieは、米国の消費者が第4四半期にAndroidデバイスだけで10億時間以上費やすと予測している。昨年の同時期と比べて50%の増加だ。

この予測はモバイルコマースの躍進を示している。これほどの変化は4〜6年後(Forbes記事)になると予想されていた。パンデミックによりタイムテーブルが前倒しされた。

画像クレジット:App Annie

また同社は、オンラインショッピングのペースは過去数年とは異なるものになると予測する。

通常、ホリデーショッピングはブラックフライデー(2020年は11月27日)とサイバーマンデー(同11月30日)の週に集中するが、今年のショッピングシーズンはより長く引き伸ばされると予想される。ある程度はPrime Dayの遅れが原因かもしれないが、パンデミックによる経済的圧力も打撃となるかもしれない。

第3四半期が近づいているが、米国の失業率は依然として金融危機時よりも高く(Trading Economics記事)新型コロナ以前よりも2倍以上高い。App Annieによると、これが可処分所得の低下と価格感度の増加につながり、消費者は2020年のホリデーシーズンまで、より長期にわたりお買い得情報やプロモーションを探し回ることになるだろう。

プライムデーの遅れはショッピング活動にも影響を与える可能性がある。通常は11月が買い物で賑わう時期だが、今年はブラックフライデーとサイバーマンデーに近い時期に販売イベントが開催されるからだ。

App Annieはまた、Amazonのアプリが米国のショッピングアプリの月間アクティブユーザー数で引き続き1位にランクされており、他の人気ショッピングアプリと同時に利用されることが多いと述べている。

画像クレジット:App Annie

比較情報として、1週間ごとのショッピングアプリのセッションは、2019年の第4四半期のピークの週に25%増加した。英国でも15%増加した。

この増加傾向は続くと考えられる。パンデミックがもたらした変化は既存の消費者行動がベースになっているからだ。消費者はオンラインにシフトしている。App Annieはこの変化が今後も続くと主張する。

画像クレジット:App Annie

App Annieは、モバイルショッピングの伸長と、買い物のためにAndroidで第4四半期に10億時間超が費やされるとの予測に関連して、他のカテゴリーのアプリにもメリットがあると予測している。例えば
PayPal(ペイパル)は過去最高の四半期決算(The Money Fool記事)となり、決済総額は前年比で29%増加した。

特に米国やブラジルのように新型コロナの感染者数が増加している市場では、オンライン食料品サービスも急成長している。消費者がアプリを使用して在庫確認、セルフチェックアウト、宅配、オンライン購入、店舗での受け取りなどを行うため、食料品モバイルショッピングアプリの高い利用率は米国の感謝祭の期間を通じて継続すると予想される。同様に、Uber Eats(ウーバーイーツ)、DoorDash(ドアダッシュ)、Grubhub(グラブハブ)などの料理宅配サービスも引き続き有用で、第4四半期に広く利用されると予想される。

画像クレジット:App Annie

App Annieによると、米国以外では、2020年の「独身の日」が3100億元(約4兆7700億円)以上となり、過去最大のショッピングデーになると予測している。これは昨年の売上高380億ドル(約4兆300億円)を上回り、2020年第3四半期の中国における小売売上高の前年比4.8%の増加に続くと見込まれる。

画像クレジット:Thomas Trutsche / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Amazonが倉庫タイプの配送センター「Whole Foods」をNYブルックリンにオープン

8月31日の週の初めにAmazon(アマゾン)は、ブルックリンの海辺近くに外観はまさに典型的なWhole Foods(ホール・フーズ)スーパーという施設をオープンさせた。ただし、一般向けのものではない。新しい配送センターだ。

「グローサリー配達は引き続きアマゾンで最も急成長している事業の1つだ」と同社はセンター設置についての声明で述べた。新たに数百人を雇用したことにも言及した。「グローサリー配達へのアクセスを増やすことを楽しみにしている」。

こうなることは誰もが予想していた。それでもさまざまな規模の施設を建てたりeコマース配送センターに改造したりするペースにはやや驚かされる。商業不動産サービスのCBREによると、2017年以来、米国内の少なくとも59のプロジェクトで1400万平方フィート(約130万平方メートル)の小売スペースが1550万平方フィート(約143万メートル)の産業スペースに変わった。そしてこの傾向は「継続するのは確かだ」とCBREの産業・ロジスティック研究のアソシエート・ディレクターであるMatthew Walaszek(マシュー・ワラシェク)氏は話す。

これまでもよくあったが、アマゾンは密かに取り組み、たまにメディアで明らかになる。例えば2020年8月にウォール・ストリート・ジャーナルは、拡大するばかりのアマゾンが米国最大のショッピングモール所有者であるSimon Property Group(サイモン・プロパティ・グループ)と、プロダクトをより迅速に配達できるようJCPenney(JCペニー)とSears(シアーズ)の店舗を配送ハブに変えることで協議していると報じた。

アマゾンはスペースを必要としている。一方でSimonは賃料が払えるテナントを求めている。しかし小売店にとって賃料の支払いは現在難しい。新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミック対応で米国では3月、広範にわたってロックダウンされたために多くの小売店が影響を受け、客足はほぼなくなった。

実際、Simonは最近、破産したBrooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)やLucky Brand(ラッキーブランド)を買収するために他のアパレル企業と提携したものの(Simonと同業のBrookfieldはJCPenneyの買収交渉をかなり進めていると報道されている)、こうした動きは1つの核テナントに対応するのに施設を再設計するための時間稼ぎだという指摘もある。

ノースイースト・オハイオの郊外にあるランドールパークモールではすでにそうしたシナリオが実行された(偶然にもクリーブランドで育った筆者はティーンエイジャーのころ、このモールに通っていた)。かつてはPiercing PagodaやSpencer’s Giftsといった派手な店が入居していたこのモールは、1976年のオープン時には世界最大の屋内型ショッピングセンターだった。しかし現在、モバイルロボティック配送システムが設置された広さ85万5000平方フィート(約7万9430平方メートル)の施設になっている。

地元のメディアによると、コンベヤーベルトをまっすぐ伸ばすと長さ10マイル(約16キロメートル)超になる(FOX 8記事)とのことだ。

もちろん、こうした小売施設をかっさらっていくのはいつもアマゾンというわけではない。急速に実在店舗を拡大しているeコマース大企業は多い。常にチャンスをうかがっているデベロッパーは、米国が新型コロナ後に国内生産によりフォーカスすると踏んでいる。

アマゾンのWhole Foodsのように、配送センターの設置に力をさらに入れている大手グローサリーチェーンは他にもある。ときには、そのセンターは客が出入りする店舗の中だったりする。例えば、南サンフランシスコにあるAlbertson(アルバートソンズ)の店舗では、注文品のピックアップや配達の準備を整えるセンターの自動化された置き棚システム周辺で顧客が買い物している。

ある意味、現在展開されている施設使用法のシフトは避けられないものだ。米国には1人あたりの小売スペースは24平方フィート(約2.2平方メートル)という変な決まりがある。比較対象として、カナダの場合は16.8平方フィート(約1.5平方メートル)、オーストラリアは11.2平方フィート(約1平方メートル)だ。「米国には多くの小売店がある。ありすぎだ。だから、不動産が苦慮しているのは驚くことではない」とワラシェク氏は話す。

パンデミックはすでに燃えていた火に油を注いだだけのことだ。Forbes(フォーブズ)は、今年米国で1万4000超の実在小売店舗が店仕舞いすると推測している。一方、Digital Commerceが解析した米商務省のデータによると、2020年上半期に消費者は米国のオンライン小売で3472億6000万ドル(約37兆円)を費やした。前年同期の2668億4000万ドル(約28兆円)から30.1%増だ。

これはひと晩で起こる変化ではない。1つには小売から産業への転化には、混雑や騒音、汚染などを懸念する地域の当局が賛成しているという事実もある。また、小売の賃料は産業のものよりもかなり高い。一部のマーケットでは倍以上する。そのため「小売施設の所有者にとって売上がさほど大きくなりそうでない産業スペースに変えるのは厳しい契約となる」とワラシェク氏は指摘する。

それでも、小売産業の苦境とアマゾンの爆走成長(USA Today記事)が相まって、大小の配送センターがものすごい勢いで増え始めている。

アマゾン初の「永久にオンラインのみ」のWhole Foodsがブルックリンにできたように、そうした店舗は最もありそうにない場所に出現するかもしれない。

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:Mizoguchi

安売り通販王のWishが非公開で上場準備書面提出、ロジスティクス問題にも対処中

Wishはサンフランシスコを本拠とする社員750人のeコマース企業だ。売っているものが恐ろしく安い。あまりに安いのでモルモットの散歩用ハーネス、Appleウォッチのコピー腕時計、ミニ監視カメラなどいらないものでもつい買ってしまう。このWishが証券取引委員会に企業上場の準備書面を非公開で提出したと発表した。

非公開であるためまだ財務関連の数字を正確に把握できていないが、これまでに総額16億ドル(約1700億円)を出資してきた投資家が、2019年夏に直近のラウンドである3億ドル(約319億円)のシリーズHを完了した際に会社評価額を112億ドル(約1兆1892億円)としていることはわかっている。一方、Wish自身は40言語100カ国に7000万人のアクティブユーザーがいると発表している。

最大の疑問はもちろん、創立10年になるこの通販会社が現在の勢いを維持できるのかさらに成長できるのかという点だろう。

この疑問に答えるのは、そう簡単ではない。一方では、Wishが取り扱う商品のほとんどは中国から来ているため、次第に激しさを増す米中対立の影響を受けることになる。しかしWishは変化する世界情勢に合わせてマーケットや仕入先を多様化させる努力を続けている。

例えば2019年のRecodeのインタビュー記事によれば、同社はメキシコ、アルゼンチン、チリなどラテンアメリカ市場へのシフトを強めている。同社は既に南アフリカ、ガーナ、ナイジェリアなどをカバーしているが、今後アフリカでの活動をさらに強化する計画だ。

Wishのビジネスは常に変化し続けてきた。ファウンダーでCEOのPeter Szulscewski(ピーター・セルチェスキー氏)はWishの前身であるContextLogicのファウンダーでもあるが、それ以前はGoogle(グーグル)に6年勤務したコンピューター科学者だ。当初狙ったのはグーグルのAdSense的な次世代広告ネットワークをモバイルアプリをベースとして構築することだった。しかし以前、セルチェスキー氏が私が主催したイベントで語ったところによると、セルチェスキー氏と共同ファウンダーのDanny Zhang(ダニー・ザン)氏は「2人とも事業開発にはまったくセンスがないことがわかった」のだという。そこで2人はピボットしてWishを創立した。

Wishというブランド名は、当初ユーザーに欲しいものを挙げるウィッシュリストを作らせたからだった。会社はその後、ウィッシュリストを元に供給できるマーチャントを探した。こうすればマーチャントにアプローチしたときすでに商品、例えば特定のデザインのテーブルに対して一定の需要があることがわかっていた。商品をプロモートする際に適切な推薦があることは決定的に重要だったが、どのようなマーチャントが目的の商品を供給できるのか事前に予測することはできなかった。ほとんどのマーチャントは中国やインドネシアなど東アジアないし東南アジアに所在し、ひたすら低価格を狙う会社だったからだ。Wishがすぐに気付いたのは、これらの企業は地域外の消費者にアプローチする手段をまったく持っておらずWishに対し15%の手数料をを進んで支払おうとすることだった。

Wishは、中国からは主として軽量の商品を仕入れることによって送料の節約をはかってきた。米国と香港の郵政当局との間で9年前に結ばれたeパケットという取り決めを利用するとスピードは多少遅いが、極めて送料が極めて安くなる。eパケットはその後、40カ国をカバーするようになった。このサービスを利用すると一定の範囲の外形寸法で2kgまでの荷物が安く配送できる(損害賠償は6000円まで)。

これらの手法を利用できたことがWishにとって極めて有利だった。もちろん中国にもWishに対抗して低価格で世界中に通販するAliExpressのようなサービスが現れたし、Amazonやウォルマートとも競争しなければならなかった。

Wishが主として扱うのは必需品というより雑多な商品の「福袋」的な「あまりに安いので買っておく」というアイテムが多かった。 The Informationの以前の記事によれば、顧客はもの珍しさから一度は使うもののしばらくすると離れていくという傾向があった。

しかしそれより大きな問題は2カ月前に米郵政公社の国際郵便サービスに新しい価格体系が導入されたことだろう。これによればeバケット参加国は料金の値上げを承認しなければならず、また米国を受取地とする対象国も40カ国から12カ国に減らされた。この郵送料金の値上げにより、Wishはベンダーに対してより高い手数料を請求するか、郵政公社以外の商業国際配送サービスを利用するかを選ばなければならなくなった。

ただしWishの地位を将来さらに強化するような第三の道もある。米国やヨーロッパ、その他の成長中にある国や隣接する国のロジスティクスにさらに投資することだ。同社はRecodeのインタビューでも、そうした努力を払っていると述べている。また注文者の居住地に近い地域でベンダーを探す努力も払っているという。

eコマースの進展により米国各地でショッピングモールのような小売店舗地域を産業地域に転換するプロジェクトが進んでいる現状を考えると、Wishはこのトレンドを利用するのが賢明だろう。ただしこれによって安定的な成長がもたらされるかどうかは将来の課題だ。

上場準備のために証券取引委員会に提出された書類に目を通すことができれば、はるかに多くの確実な情報を得ることができる。S-1様式は大いに興味深い読みものとなるだろう。

Wishに対する投資家にはGeneral Atlantic、GGV Capital、Founders Fund、Formation 8、Temasek Holdings、DST Globalなどのベンチャーが含まれる。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Wish eコマース 新規上場 / IPO

画像クレジット:Wish

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米アマゾンが初の大型スーパーAmazon FreshをLAにオープン、イリノイ州でも準備中

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックでオンラインショッピングへの移行が加速したが、Amazon(アマゾン)は米国時間8月27日、実在店舗は消費者の買い物行動において引き続き重要な要素であるという考えを強調する大胆な動きに出た。eコマース大企業のアマゾンは同日、ロサンゼルスのウッドランドヒルズ地域に初のAmazon Freshスーパーマーケットを開店させた(Amazonリリース)。同社はAmazon Freshを今後次々に開店する計画だ。今後展開する地域としてはイリノイ州のオークローン、シャンバーグ、ネイパービル、カリフォルニア州のアーバイン、ノースハリウッドが明らかになっている。開店時期を含め、計画についてアマゾンはこれ以上コメントしなかった。

Amazon Fresh Storesの責任者Jeff Helbling(ジェフ・ヘルブリング)氏はブログ投稿で、店舗は差し当たって地域住民へ送る電子メールに基づく招待制で、営業時間は午前7時から午後10時、としている。営業時間やキャパシティなどについてのアップデートはこちらで案内される。

「アマゾンはすでにWhole Foodsや、小型店舗のAmazon Goをすでに展開しているではないか」と思っている人もいるかもしれないが、要はアマゾンは異なる顧客をターゲットに、新しいスーパー体験を一から構築したいのだろう。実際、これは消費者向けパッケージ商品と同じようなものだ。あらるゆ人向けの多様他種のブランドを抱えていて、消費者はそこにお気に入りのものを見つける。

また、米国の実在店舗を支配しているWalmart(ウォルマート)のようなライバルとの戦いを互角にするために、Amazon Freshの展開はアマゾンが描く戦略の重要な一部でもある。Statistaによると、米国のグローサリー販売は断片化されているが、Walmartのマーケットシェアは2017年に26%だった。アマゾンのWhole Foodsのシェアはわずか1.6%。ただ、オンラインを含む他のチャンネルを合わせるとシェアは4%近くだとアマゾンは推定している。それでも小さいことに変わりはない。

Whole Foodsは主にオーガニック食材や健康食品を取り扱っている(高価格であるために「Whole Paycheck」とのニックネームが付いている)。Goは小規模店で、AIやカメラを使った自動精算というアプローチをとり、新しいもの好きの人に軽食などを提供している。一方のAmazon Freshは、広く知られている主流の大手ブランドで、急成長中のAmazonレーベルの商品、豊富な調理済みアイテムなどを揃えている。

だからといってAmazon Freshがテックをたくさん使っていないというわけではない。店舗にはアマゾン Dash Cartという新機能が備わっている。店舗に行く前に、アマゾンのデバイスやAlexaアプリのAlexa Shopping Listsで買い物リストを作成できる。そして素早く買い物を済ませるためにDash Cartsを使う。目当ての商品を探す買い物客にアドバイスするために店舗にはEcho Showデバイスも設置される。

また、プライム会員には無料の配達も行う。Amazon Freshはこれまでオンラインのみでの展開で、実在店舗は幅広いAmazon Fresh展開の拠点となるだろう。

一からスーパーを構築することで、アマゾンはエクスペリエンスにより簡単に多くのテックを統合させることもできる。

実在店舗にとっては、新型コロナが引き続き拡大しているのは厄介だ。どこに住んでいるかによって、買い物するときに守らなけれなならない規則は異なる。マスクの着用が求められるところもあれば、店舗への入店や店舗内での行動が制限されているところもする。また、制限付きでの営業だったり、極端な場合は店舗閉鎖というのもある。

店舗の営業形態については、Whole Foodsのものをベースにしながら独自の基準を設ける(Amazonブログ)、とアマゾンは話している。従業員は毎日体温チェックを受ける。そして従業員、顧客ともにマスクを着用する。必要な人には無料の使い捨てマスクを提供する。そして店舗内の人数は最大50%に制限される。

LA店舗のオープンは、アマゾンの動きをフォローしていた人にとっては大きな驚きではないだろう。同社はしばらくの間、LAを含め大型小売店を設置する場所を時間をかけて選んでいた。しかし何よりも、人材採用によって多くの人がアマゾンの小売店舗設置を予想することになった。

同社はまた、米国外のマーケットでもスーパーの設置を検討していると報道されている。噂では、英国で何年も物色しているとのことだ。やや騒々しい英国マーケットも米国同様にかなり断片化されているが、シェアトップのTesco(テスコ)にアマゾンは目をつけてきた。Tescoは財政難に陥っているためだ。

皮肉にも、そうした小売チェーンの苦境は部分的にはアマゾンのようなサイトでのオンラインショッピングへの移行の結果だ。

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画像クレジット:Amazon Fresh

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(翻訳:Mizoguchi

決済サービス開発のFinixがシリーズBに約32億円を追加調達、他社の決済処理インフラ立ち上げを支援

決済関連サービスを他社に提供するスタートアップであるFinixは、シリーズBの資金調達ラウンドをLightspeed Venture PartnersAmerican Express Venturesが主導する3000万ドル(約32億円)の投資で延長したと発表した。

このフィンテック系スタートアップはこれで9600万ドル(約10億2200万円)以上のベンチャーキャピタルからの資金調達が完了した。CEO兼共同創業者のRichie Serna(リッチー・セルナ)氏によると、そのうち9000万ドル(約9億6000万円)は昨年だけで調達したという。

FinixはTechCrunchのインタビューで、収益、収益成長、新規評価額、現在の収益性、顧客数などの開示を拒否した。セルナ氏はFinixの取引量が2019年第2四半期から2020年第2四半期にかけて4倍以上に増加したことを顧客の成長のための成果だと喜んで発表したが、データの変化については詳細を明らかにしなかった。

Finixは、他のスタートアップ企業が自社で決済処理インフラシステムを立ち上げるのを支援している。処理手数料やトランザクション手数料を徴収するStripeのような企業が提供するサービスを自社の支払いサービス取り込んでいる企業も多い。Finixも同様で、企業がStripeのようなサービスや決済インフラを社内に導入できるように支援している。これにより、サードパーティの決済プロバイダーが取引から切り離していた小口決済を、Finixが請求するコストを差し引いて企業が手に入れられるという考えだ。

Finixのサービスは企業内のインフラとして機能するものだが、Stripeのような企業はプラグアンドプレイシステムにも似ている。Finixの顧客の内訳を知ることは興味深く、その情報があれば現在のビジネスがどれだけ健全であるかを知ることができるだろう。同社は、顧客にソフトウェア料金を請求し、支払い処理数に応じて変動制料金で請求することで収益を上げている。取引量ごとに収益を上げているわけではないが、もちろん取引量の多い顧客からは利益を得ている。

Finixがターゲットしていた顧客は「年間5000万ドル(約53億3000万円)の取引量のある企業」だった。セルナ氏は、現在の焦点が変わったかどうかについてはコメントを控えた。同社は最近、新しい引受モデル「Finix Flex」を立ち上げた。これは、古いシステムを利用している企業が決済プロバイダー間の切り替えコストを削減できるよう支援することを目的としている。

「私たちは基本的に、企業の高度成長や安定成長の観点から、どのような段階にある企業のための決済プロバイダーになりたいと考えています」とセルナ氏は述べている。新たに調達した資金は、2021年半ばまでにFinixのチームを85人に倍増させるために使われる予定だ。

フィンテックの世界は、現在も進行中の新型コロナウイルスの感染蔓延の影響を少なからず受けた(未訳記事)。Squareのように小規模な個人商店の資金調達を支援している新興企業は、人々が自宅にとどまり、一部の企業が閉鎖されたため、セクターごとに取引量が減少した可能性がある。

Finixはその反対側に位置しており、オンライン通販やアプリでの支払いを可能にしている。このようなeコマースの空前のブーム(未訳記事)が、Finixのようなビジネスが成長している理由かもしれない。別のデータポイントとしてセルナ氏は、その総顧客数は毎月成長していると述べている。

セルナ氏は、2019年第2四半期から2020年第2四半期までのFinixの取引量倍率が4.5倍であることに改めて注目し「新型コロナウイルスの感染蔓延は同社のビジネスに『多くの課題』を突きつけていない」と語る。

今のところFinixの延長ラウンド(未訳記事)は、強さと生き残りの物語であるようだ。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アマゾンが複数のアイテムを同時閲覧できる新ARショッピング機能を展開

Amazon(アマゾン)は新たな拡張現実(AR)ショッピングツールであるRoom Decoratorを導入する。このツールは、購入を検討している家具や装飾品を「部屋の中に置いて見る」ことができるというものだ。アマゾンは過去にARツールを実験していたが、Room Decoratorは複数のプロダクトを同時に部屋の中に持ってくることができるという点で異なる。つまり、ユーザーは自身の部屋にどれくらい馴染むか、1つではなく複数の新しいプロダクトを試すことができる。

アマゾンはARショッピングのよりシンプルなバージョンを2017年に立ち上げた。ARKitを使ったこの機能はアマゾンのiOSアプリのAR Viewというものだ。しかしこれまでに展開されている他の多くのARショッピングツールと同様に、AR Viewは消費者が部屋に新しいイスやランプ、花瓶といったアイテムを追加して、それらが現在の装飾とどれくらいマッチするかを見て確かめることを目的としていた。

Room Decoratorでの体験はその先をいくものだ。複数のプロダクトを同時に見られるだけでなく、部屋のARスナップショットを撮って保存しておくことで、家にいないときにもこの機能を使うことができる。

画像クレジット: Amazon

新機能は、アマゾンとサードパーティーの販売業者がアマゾンサイトで販売している何千もの家具で利用できるというものだ。利用するには、対象となる家具の1つを選び「View in Your Room」ボタンをクリックする。このボタンはiOSアプリとデスクトップウェブブラウザ上で、利用可能な家具の下に表示される。

AR体験では、消費者は最初に閲覧した商品に近いプロダクトも提案される。そうしたレコメンデーションをブラウズしながら、他のプロダクトを同じ部屋に追加したり、アレンジしたりといった試行錯誤が可能だ。

画像クレジット: Amazon

ARビューの中のプロダクトは実寸かつ高解像度で表示されるため、そうしたアイテムが実際の暮らしの中でどのように見えるかギャップが少ない、とアマゾンはいう。もし購入するかどうか決められない場合、消費者はiOSで「Save Room」をタップしてAmazonアカウントの新たなセクション(Your Rooms)に部屋のスナップショットを保存できる。またアクセスしやすいよう、保存された部屋へのリンクも電子メールで送られてくる。

購入すると決めた場合は、Room Decoratorのアイテムはそのまま買い物カゴに入れられる。

このAR体験の開発は1年以上前に始まり、ARテクノロジーを統合するのにApple(アップル)のARKitを活用している、とアマゾンはTechCrunchに語った。アマゾンは顧客が自宅にいないときでもプロダクトを自宅の中に配置して見たがっていることに気づき、保存した写真にプロダクトをアレンジして閲覧できる機能も加えている。

Room Decoratorの体験は、同社がすでにウェブで展開している「Showroom」に似ている。Showroomではビジュアルツールを使って部屋をデザインできる。新たなARの機能はビジュアル検索チームが、Showroomを作った家具チームとのコラボで構築したとのことだ。

画像クレジット: Amazon

「アマゾンは、顧客を喜ばせる体験を生み出す新しい方法を常に模索している。家にいながら、あるいは外出先で投入できるような買い物体験を顧客に提供するために、Room Decoratorツールを追加することでAR機能を促進する」と同社の広報担当は新機能について語った。

「アマゾンでは斬新な家具を紹介しているが、顧客は理想の部屋を想像する以上のことができる。購入するかどうか決める際、理想の部屋をビジュアル化できる」と付け加えた。

同社は、2017年にAR Viewを立ち上げる前にAR機能をテストした。また、「買い物できるスティッカー」もかつて試している(未訳記事)。これは複数のプロダクトを1度に閲覧できるというコンセプトの最初の試みで、顧客の部屋にプロダクトのベーシックなスティッカーをはるのにARを使用した。しかし、スティッカーのアイテムは深さがなく、そうしたものが部屋の中でどのように見えるか真に想像できるようにするという点においては十分なものではなかった。

Room Decorator機能は、米国でインストールされているアマゾン iOSアプリの50%ほどで8月25日から利用できるようになった。数週間以内に米国のiOSアプリ利用者全員が利用できるようになる、とのことだ。

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タグ:Amazon ネットショッピング Room Decorator 拡張現実

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナパンデミックで米国におけるeコマースへのシフトが5年分加速

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが世界を変え、消費者は多くのものを頻繁にオンラインで買い物するようになった。IBMのU.S. Retail Index(米国小売インデックス)の新たなデータによると、パンデミックは実在店舗からデジタルショッピングへのシフトをおおよそ5年分加速させた。その結果、デパートはかなりの売上減となっている。2020年第1四半期のデパートや「必要不可欠ではない」小売の売上高は25%減った。そして第2四半期には75%減と減少幅は拡大した。

レポートは、デパートの売上高が通年で60%超減少することが見込まれる、としている。一方でeコマースは2020年に20%近く成長する見込みだ。

パンデミックではまた、どの部門の商品が必要不可欠かを消費者が選別するようにもなった。例えば多くの消費者が家から働いたり授業を受けたりし始め、また政府のロックダウン措置のもとでのソーシャルディスタンシングが導入されたのに伴い、衣類の重要度は下がった。ただ他の部門をみると、食料品が12%、アルコールが16%、日曜大工材料は14%成長した。

画像クレジット: IBM

デパートの小売業者は新たな環境で競争力を維持するために配送のオムニチャネル化に迅速に軸足を移す必要がある、とレポートは指摘している。特に、オンラインで購入して店舗でピックアップするBOPIS(Buy Online and Pickup In Store)のようなサービスを通じて店舗に集客し、また店舗からの配送を拡充して提供する必要がある。

Walmart(ウォルマート)やTarget(ターゲット)などの大手小売はオムニチャネルの配送を展開している。両社ともeコマースへの早期の投資が奏功し、2020年8月に発表した四半期決算では上々の売上高となった。Walmartの場合、パンデミックによって第2四半期決算のeコマース売上高は97%増加した。Targetは同四半期に同日配送サービスが273%増えて過去最多の売上高となった。また両社はオンライングローサリーにも投資し、Walmartはグローサリーピックアップと、パートナー企業を通じた配達サービスを提供している。Targetもグローサリーピックアップをちょうど開始したばかりで、Shiptを通じた配達も展開している。

当然のことながらAmazon(アマゾン)もデジタルへの移行の恩恵を受け(BUSINESS INSIDER記事)ており、直近の四半期の利益は過去最高となり、売上高は40%増だった。

パンデミックによるeコマースの成長は、ベースライン成長にとって高いハードルとなる。米国勢調査局が発表した2020年第2四半期レポートによると、米国のeコマース小売は前年同期比31.8%増の2115億ドル(約22兆3300億円)に達した。eコマースは第2四半期の全小売売上高の16.1%を占め、これは前四半期の11.8%から増えている。

IBMのレポートの目的は、パンデミックによるオンライン支出が一時的にどのくらいシフトしたのか、長期的にどの程度影響するかを調べるというものだ。少なくとも予想の範囲内での答えは、パンデミックが業界を5年ほど前に押し進めた、というものだ。実在店舗からのシフトはパンデミックの前から起こっていたが、パンデミックが起こらなければまだ到達していなかったという水準に到達している。

似たような動向が、ストリーミングコードカッティング(ケーブルテレビの契約を解約してインターネットの動画配信サービスを選ぶこと)、ゲーミング、ソーシャルビデオアプリといった分野でも見られる。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:ネットショッピング 新型コロナウイルス COVID-19 Amazon Walmart Target

画像クレジット:John Lamb / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Targetが新型コロナで好調の食料品ピックアップサービスを全米展開

Target(ターゲット)は8月20日、食料品ピックアップサービスが全米で利用できるようになったと発表した。このサービスは今夏、中西部で始まり、同社はその際、間もなく全米で展開し数カ月内に1500店で提供すると話していた。そして今日、目標を達成したと同社は述べた。1500店は全店舗の85%近くにあたる。

TargetはShipt、そしてオンライン注文のOrder Pickup、Drive Upという即日カーブサイドサービスを通じて食料品配達をすでに提供していたが、要保冷食品の管理の問題で食料品ピックアップは提供できていなかった。しかし店舗の改装と、いくつかの店舗ではピックアップエリアのための拡張でこの問題をクリアした。

食料品ピックアップの計画を前に進めるために、Targetは新型コロナウイルス感染拡大に伴う問題に取り組まなければならなかった。数百の店舗を全面改装するという計画が新型コロナによって遅れた。まだ改装されていない店舗では、温度を調整できる保管倉庫を備えるために注文品ピックアップエリアを建設した。

新しい食料品ピックアップサービスでは、まだ全ての生鮮・冷凍食品を提供できていない。その代わり、すでに注文できる何千もの非生鮮品に加えて、人気のある750品目の生鮮・冷凍食品を利用できるようにした。これらの品目には、乳製品、パン、精肉、冷凍食品が含まれる。同社は、顧客が次に店舗でまとめ買いするまでの間にどのように食料品ピックアップサービスを使うかを勘案しながら取扱商品を決めた、と述べた。ただ、買い物客が店舗に足を運ぶ頻度を少なくしつつも大量のものをストックしている新コロナ時代にその選別が正しいのかは不明だ。

今週発表されたTargetWalmart(ウォルマート)の第2四半期決算では、消費者の買い物量が増えたことが示された。たとえば、Targetは消費者がより多くの品物を買うようになり、バスケットサイズは第2四半期に18.8%増えたと述べた。

こうした傾向がパンデミック後も続けば、小売業者はオンライン注文ピックアップを店舗での買い物と同様の品揃えにすることを検討する必要があるかもしれない。

生鮮・冷凍食品に加えて、Targetの買い物客はピックアップサービスが利用できる家庭用品、アパレルなどの部門の25万超の品目から選んで食料品の注文と一緒にピックアップできる。Targetのアプリ内でそれぞれ別の「カート」を設ける必要はなく、Targetのウェブサイトとアプリを分けなくてもいい。これはWalmart.comとWalmartのアプリでもそうだ。

ただし「Drive Up」の注文はこれまで同様にアプリでのみの利用となる。ウェブからの注文では店舗での受け取りか配達のみを選択できる。

Targetは食料品ピックアップの拡大を前倒して展開している。元々は、ホリデーシーズンまでの1500店舗達成を目標としていた。全店舗で食料品ピックアップを提供するのはいつごろになるかは明らかにしていない。

オンライン食料品注文は、TargetとWalmartの四半期決算の売上高にも貢献した。Targetの場合、同日サービスがオンライン販売の大半を占め、全サービスでは273%増えた。第2四半期にカーブサイドピックアップは734%増え、Shipt食料品配達は350%増加した。

画像クレジット: Target

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(翻訳:Mizoguchi

アマゾンがインドでオンライン薬局サービス「Amazon Pharmacy」を開始

Amazon(アマゾン)はインド南部カルターナカ州の州都ベンガルールでオンライン薬局を立ち上げた。同社は、主要海外マーケットの1つであるインドでさまざまな部門に触手を伸ばしている。

同社は米国時間8月14日、Amazon Pharmacy(アマゾン・ファーマシー)という新たなサービスで市販薬と処方薬の注文受付をベンガルールで開始した、と発表した(インドでは抗生物質や一部の医薬品は処方箋なしに薬局で購入できる)。

Amazon Pharmacyはまた伝統的な生薬、そして血糖値測定器や吸入器、ハンドホールドマッサージ機などのヘルスデバイスも販売する。

「顧客が在宅して安全を確保しながら必要不可欠なものを手に入れることができるようにするという、今の時代に特に合ったものだ」とアマゾンの広報担当は声明文で述べている。

オンライン医薬品販売に関してインド政府は現在明確な規制を整備しておらず、これまでにインドのオペレーションに65億ドル(約6900億円)超を投資しているアマゾンにとって大きな機会だ。同社はインドでWalmart傘下のFlipkartと競合している。

アマゾンにとって、医薬品販売は新しいものではない。近年ヘルス専門家を雇い、2018年にはオンライン薬局スタートアップのPillPackを10億ドル(約1065億円)近くで買収した

1mg、Netmeds(ネットメッズ)、Medlife(メッドライフ)、PharmEasy(ファームイージー)といった多くのスタートアップが現在インドで薬をオンライン販売し、国内ほとんどの地域に配達している。例えば、これまでに1億7000万ドル(約180億円)超を調達した1mgは1000都市に注文品を配達している。

eコマースプレイヤーとしてこれらスタートアップはマーケットシェアを増やすために魅力的な割引を顧客に提供している。この点に関しては、Amazonは全オーダーを最大20%割り引くと話す。

ここ数カ月でアマゾンはインドでいくつかの新分野に進出した。5月にベンガルールの一部でフードデリバリーサービスを立ち上げ、その1カ月後に西ベンガル州でアルコールの販売・配達の許可を取得した。

2020年7月に同社は自動車保険の販売を開始(未訳記事)し、将来は健康やフライト、タクシーをカバーする保険サービスへと拡充させる計画だと述べた。

アマゾンが新たな分野に進出するにつれ、Flipkartも7月下旬にベンガルールで超ローカールデリバリーを試験展開するなど新規分野を開拓している。Flipkart はインドの2都市でアルコールを配達するために大手Diageoが支援するスタートアップと提携した、とロイターは政府文書を引用して報じている。

そしてアマゾンとFlipkartは今、新たな挑戦者に直面している。インドで最も富裕なMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が所有するインド最大の小売チェーンであるReliance Retail(リライアンス・リテイル)が2019年末にeコマースベンチャーのJioMart(ジオマート)のテストを開始した

JioMartはいまや、インド中の200を超える町村で展開されていて、2020年7月は1日あたり40万点もの商品を販売したとのことだ。この数字は、グローサリーデリバリースタートアップBigBasket(ビッグバスケット)とGrofers(グロファーズ)のピーク数字を超えている。

地元のメディアは、アマゾンがReliance Retailへの数十億規模の出資を狙っている(観たく記事)と報じた。アンバニ氏の他のベンチャーである通信大手のJio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)はFacebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)、そのほか11の著名投資家からここ数カ月で200億ドル(約2兆1300億円)を調達した。同氏は7月にJio Platformsの資金調達は終了し、数四半期内にグローバルパートナーや投資家をReliance Retailに受け入れることを楽しみにしている、と述べている。

関連記事:アマゾンが新型コロナ禍中のインドでフードデリバリーを開始

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画像クレジット:NOAH SEELAM / AFP Photo / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

アマゾンのインドにおけるプライム会員数が100万人超え、プライムデーも大成功

Amazon(アマゾン)のインドにおけるプライム会員数が100万人を超えた。同社が8月10日、世界で2番目に大きいインターネットマーケットを有するインドで先週開催したプライムデーについての長い概要の中で明らかにした。

先週開催された48時間のプライムデーイベントまでの2週間で、100万人を超えるインドのプライム会員が零細事業者から買い物した、とブログへの投稿で同社は述べた。グローバルパンデミックが続いている中、アマゾンは7月に2020年の初プライムデー開催マーケットとしてインドを選んだ。

インドで年間13.30ドル(約1420円)するプライム会員の登録者数をアマゾンがおおまかに明らかにするのは今回が初めてだ。プライム会員になるとPrime VideoとPrime Musicのサービスもついてくる。同社は4年前にインドでPrimeを立ち上げた。グローバルでは1億5000万人超のプライム会員を抱える。

インドの9万1000以上の零細事業者(セラー)がプライムデーに参加し(この数字は過去最多だ)、5900の郵便番号エリア(インドの97%超をカバーする)に住む顧客に販売した。4000以上の事業者が1万3350ドル(約142万円)超を売り上げた(2019年のプライムデーでの数字4500事業者を少し下回った)。そして3万1000の事業者が、先週の2日間の売上が同プラットフォームでの最高売上額となったことを報告した。

これまで同様、中国企業のXiaomi(シャオミ)とOnePlus(ワンプラス)がスマホ部門を独占した。スマホ部門はプライムデー期間中に最も売上が大きいトップ3部門の1つだ。また、これらの企業のアクセサリーやラップトップ、テレビも人気だったとアマゾンは明らかにした。こうした反応は、ここ数カ月の間、インド国内でかつてないほど高まっている反中国感情とは対照的だ。

Amazon Indiaの上級副社長でカントリーマネジャーのAmit Agarwal(アミット・アグラワル)氏はテレビでのインタビューで、先週のプライムデーでは多くのローカルセラーがプロダクトを立ち上げ、世界中の顧客にリーチする出発点としてアマゾンを使う傾向が強くみられたと語った。ただし、数字は明らかにしなかった。

「今回のプライムデーは、事業を継続するためにアマゾンに目を向けつつある零細事業者(SMB)パートナーのためのものだった。これまでで最大の零細事業者のためのプライムデーであり、事業者をサポートすることができて光栄だ」と同氏は声明で述べている。

プライムデーはアマゾンが世界で展開する最大のセールイベントの1つだ。インドではこれまでDiwali(ディーワーリー)という地元の人々の支出が多い時期に開催して商品を販売していた。

しかし先週のプライムデーに参加したセラーは9万1000で、この数字はこれまでで最多だ。たとえば2019年のDiwali期間に開催されたセールには6万5000のセラーが参加した、と同社は明らかにしている。

インドでWalmart(ウォルマート)のFlipkart(フリップカート)と競合する(未訳記事)アマゾンは明らかにここ数四半期、セラーの拡大を急いでいる。2020年初め、アマゾンの創業者でCEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は、同社がインドの零細事業者のデジタル化をサポートするのに10億ドル(約1067億円)を投資し、アマゾン上での累積輸出を増やして2025年までに100億ドル(約1兆670億円)とすると述べた。

同社はインド中の街角の店とのタイアップに注力し、より多くの人をオンラインショッピングに誘導しようとしている。100を超える都市の1000店超が先週のプライムデーでデビューを果たしたと同社は述べた。

アマゾンはまた、プライムデー期間中に人々がAlexaを介して行ったリクエストの件数が100万を超えたとも述べた。そしてプライム会員登録の数が2019年のプライムデー期間中の倍になったことなど、様々な分析も明らかにした。しかし具体的な数字がなければこうした分析は意味がない。

画像クレジット:Pradeep Gaur / Mint / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ライブスビデオでインフルエンサーマーケティングを強化するAmazon Live

Amazon(アマゾン)がスタートさせたAmazon Liveはソーシャルメディアのインフルエンサーが商品を紹介することによって手数料の配分を受けることができる新しい方法だ。現在の同社のインフルエンサープログラムでは、アマゾンで販売されているお気に入りの商品をFacebook、Twitter、Instagram、YouTubeなどに投稿してファンに紹介することでコミッションを得ることができる。

アマゾンがインフルエンサープログラムをそっとデビューさせた(未訳記事)のは2017年だった。これはインフルエンサーマーケティングの進展に応じてアマゾンもこの方式を採用したものだ。インフルエンサープログラムはアソシエイトプログラムの強化版で、参加には承認が必要だが承認された場合、アマゾンから独自のURLが提供される。インフルエンサーはこのURLを利用して商品の紹介とデモができる。

アマゾンは従来のインフルエンサープログラムでもビデオに対応していたが、今回はライブストリーミングに力を入れ、インフルエンサーがAmazon Liveを利用できるようにした。このサービスはビデオをショッピングサイトに直接ストリーミングができるもので、テレビショッピングチャンネルのQVCのアマゾン版だ。マーチャントが消費者を引き付ける助けとなるようアマゾンはこのサービスを昨年スタート(未訳記事)させていた。

Amazon Liveではテレビのホームショッピングチャンネルと同様、ビデオで商品を紹介し、デモをすることができる。ビデオの下に左右に動かせるカルーセルが表示され、消費者は気に入った商品があればここから購入ができる。

アマゾンはこれ以前にもライブビデオを実験していた。最初のライブストリーミングはStyle Code Liveという番組(未訳記事)で、専門家が美容とファッションについてのヒントを紹介するものだったが、短期間で止されてしまった。

しかし今回のAmazon Liveのテーマは美容とファッションという狭い範囲に限られておらず、料理、フィットネス、ベビー用品、ホーム機器、自動車、電子ガジェット、おもちゃ、ペット、流行、テレビ番組、ビジネスなど多様なカテゴリをカバーする。またテレビのショッピングチャンネルとは異なり、Amazon Liveにはテーマに応じて多数のチャンネルが存在する。

Amazon Liveでビデオストリーミングを配信する際に、クリエイターやインフルエンサーはAmazon Live CreatorのiPhone用アプリを使ってファンにデモを見せ、チャットできる。Amazon Liveのホームページではファンはライブビデオの横のTwitch的なサイドパネルを通じてホストとチャットできる。

Amazon Liveはすでにアーリーアダプターのインフルエンサーが利用している。例えば、ファッションのMirror & Thread,、メークアップのBeauty by Carla、ガジェットのセールのThe Deal Guy、任天堂Switchを中心としたBrickinNickなどのストリーミングをAmazon Liveで見ることができる。

新しくAmazon Liveでライブストリーミングを始めるインフルエンサーは、Amazon Liveと同時に自分のサイトにもストア専用ページが提供され、ビデオを配信できる。インフルエンサーはファンが増えるにつれて、ライジングスター、インサイダー、Aリストとレベルアップする。

 

こうした階層をアップするにつれてメリットも大きくなる。ストリーミングから購入が行われた場合、「ライジングスター」はアマゾンのオンサイトアソシエイツプログラム,を通じてコミッションが提供される。さらに上のレベルでは、商品を詳しくを紹介するためにビデオを独自の販売ページに配信できる。同社によれば「Aリスト」にランク付けされると、優先サポートおよびAmazon Liveが開催するスペシャルイベントへのアクセスも提供されるという。

Amazon Liveのディレクターを務めるMunira Rahemtulla(ムニラ・ラヘムトゥラ)氏は声明で「アマゾンはカスタマーに対話的で楽しいショッピング体験を提供することに力を入れている。同時にインフルエンサーがアマゾンでビジネスをする手助けもしたい。ライブストリーミングは創造的であり、人々をつなげ、インスピレーションを与える。ビジネスのアイディアは無数に生まれるだろう。Amazon Live Creatorアプリをインフルエンサーに提供できることとなって嬉しい。インフルエンサーがアマゾンのカスタマーのために何ができるか大いに期待している」と述べた。

現在ソーシャルメディアのセレブがブランドから利益を得る方法は極めて多様だ。例えば、YouTubeではBrandConnect,、Facebookでは Brand Collaborationsなどのプログラムがある。 TechCrunchではインフルエンザがストリーミングからどのような報酬を受け取ることになるのか詳細を知りたいと考えてアマゾンに取材を申し込んでいる。まだ同社からは回答がないが、何か明らかになればアップデートしたい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ソフトバンク出資のeコマースサービスBigCommerceが予想どおり上場申請

予想どおり(未訳記事)、BigCommerce(ビッグコマース)が上場申請を行った(7月13日提出のフォームS1参照)。テキサス州オースティンに拠点を置くeコマース企業である同社は、未公開企業として2億ドル(約215億円)以上を調達した。申請書類のIPO調達予定金額に記載の仮数値は1億ドル(約107億円)となっていることから、調達金額が米ドルで9桁の上の方ではなく、下の方になる見込みを示している。

BigCommerceは、株式市場で人気のShopify(ショピファイ)と同様に小売業者にeコマースサービスを提供している。カナダのライバルであるShopifyに夢中な市場の投資家の様子を見れば、BigCommerceのデビューのタイミングにまったく驚きはなく、賢いようにみえる。

もちろん価格が決まればさらにいろいろわかる。とはいえ、タイミングに恵まれたようだ。

数字

BigCommerceはSaaSビジネスだ。つまり、定期料金を受け取ってデジタルサービスを提供する。顧客から収益を得る方法の詳細は、こちらを見て欲しい。我々にとって重要なのは、市場の投資家がSaaSビジネスを、昨今の株式取引においてということだが、非常に人気のある市場セグメントに分類しているということだ。

まず概観から始めよう。2018年と比べた2019年の業績と、2019年第1四半期と比べた2020年第1四半期の業績は以下のとおりだ。

  • 2019年、BigCommerceの売上高は1億1210万ドル(約120億円)に増加した。2018年の9190万ドル(約99億円)から約22%の増加だ。
  • 2020年第1四半期のBigCommerceの売上高は3320万ドル(約36億円)に増加した。2019年第1四半期の2560万ドル(約27億円)から約30%の増加だ。

BigCommerceは2019年にはそれほど急速に成長しなかったが、2020年第1四半期の成長ペースは非常に早い。同社は2020年第2四半期の詳細情報を含むS-1/A(すでに提出した上場申請書類の変更届)を提出すると思われる。直近の詳細な財務実績を開示せずに上場することはできない。

売上成長の加速が直近の期間でも続いているなら(eコマースセグメントが新型コロナウイルスのパンデミックの間も多くの企業にとって魅力的であると証明されたことを念頭に置きつつ)、BigCommerceのIPOのタイミングは一見、賢い選択だ。投資家は成長の加速を好む。

売上の成長から売上の質へシフトする中、BigCommerceの2020年第1四半期の売上総利益率は77.5%となり、SaaSビジネスの業績は堅調だった。2019年第1四半期の売上総利益率は76.8%で、やや悪い数値だった。それでも売上総利益率が改善したことは歓迎される。他の条件が一定なら、将来のキャッシュフローが売上高よりも速いペースで成長することを意味するからだ。

BigCommerceの2018年のGAAPベースの純損失は3890万ドル(約42億円)で、2019年には4260万ドル(約46億円)とわずかに拡大した。金額で見ると大きいが、年間売上高に対する比率では小さい。これは読者の好きに解釈すればいい。しかし、2020年第1四半期のGAAPベースの純損失は400万ドル(約4億3000万円)で、前年の第1四半期の1050万ドル(約11億円)から減少したため、状況は改善している。

BigCommerceの「ビッグコマース」ビジネスは、筆者の予想よりゆっくり成長しているが、全体的な経営状態は筆者の期待を上回った。

読者がS-1をじっくり検討する前に、他にもいくつか指摘しておく。BigCommerceの調整EBITDA(企業の収益性に関する歪んだ、偏った見方を提供する指標)は純利益と同様に改善し、2019年第1四半期のマイナス920万ドル(約9億8000万円)から2020年第1四半期のマイナス570万ドル(約6億1000万円)とマイナス幅が縮小した。

調整EBITDAと類似する指標であるキャッシュフローは、ご想像の通り、純損失の数値より悪い。BigCommerceの営業活動によるキャッシュフローは、2020年第1四半期に1000万ドル(約11億円)の流出となった。2019年第1四半期の営業キャッシュバーン1110万ドル(約12億円)からは改善した。

同社は多くのSaaS企業よりも負債が多いが、これまでのところ問題になるほどで​​はない。 BigCommerceの長期借入金(流動部分を除く)は、2020年第1四半期末の時点で6900万ドル(約74億円)強だった。それ自体は良い数字ではないが、IPOが順調に運べば大幅に減少する可能性があり、その意味では十分に小さい。なお、依然として借入金によって事業に必要な多額の運転資本を賄っている。

IPOドキュメントに記載されている投資家にはRevolution、General Catalyst、GGV Capital、SoftBankなどがいる。

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

YouTubeがサイトへの誘導を強化する新広告フォーマットを発表

YouTubeにユーザーが商品をブラウズでき「購入に結びつきやすくなる」ダイナミックな広告フォーマットが発表された

ビデオ下部に表示される広告に商品の映像を表示させること可能となり、ブランドへのトラフィックを増加させる効果が期待される。このフォーマットの導入はパンデミックの発生で消費者のが実店舗に出向くを控えるようになり、広告主がeコマースによるショッピングへの関心の高まりに対処する方法を探していることに対応したものだろう。

ことにYouTubeはこの関心の変化への対応に役立つプラットフォームだと考えている。なにしろ70%の人々が商品をYouTubeで見て購入を決めたという。

新しいショッピング用広告フォーマットを使うにはまず、ブランド側がGoogle Merchant Centerフィードを動画広告と同期させる必要がある。 これにより広告主はYouTube動画に重ねて表示されるCTA(Call-to-Action、行動を促すフレーズ)広告を使って掲載したいベストセラー商品を表示し、ブランドのウェブサイトの商品リストに直接アクセスするトラフィックを生成できる。

新しいフォーマットのベータテスターにはAmerican Eagleの女性水着、下着向けブランドのAerieが含まれていた。ブランドはYouTube広告によって2020年春キャンペーンにおけるブランドの認知とアパレル自体の販売の促進を図った。「新しいフォーマットによるAerieのYouTubeターゲット広告の費用対効果は前年より25%アップし、従来の広告ミックスの9倍のコンバージョンを達成した」とYouTubeは述べている。

このニュースに関連して、YouTubeはTrueViewアクションキャンペーンを強化するビデオアクションキャンペーンを開始したこととを発表した。このキャンペーンを利用するとCTA広告をYouTubeのホームフィード、動画再生ページ、Googleの動画パートナーのサイトで表示させることができる。YouTubeによれば「次に見る」のお勧めのようなフィードに今後見る広告も含まれるようになると述べている。

この広告の初期テスターには学生が大学の奨学金を探すのを助けるサービスを提供するスタートアップ、Mosが含まれていた。YouTubeによれば「この数カ月間(のテストで)新フォーマットは、従来のYouTube広告と比較して3分の1のコストで有料契約の獲得を30%以上アップさせた」という。

ブランドは、リード生成フォームをビデオ広告キャンペーンと併用することで広告の表示によりさらに多くのリードを獲得することができる。Jeepがが韓国の法人で実施した例ではリード1件あたりのコストが84%削減され、リードが13倍に増加したそうだ。

この数カ月でブランド、特にブランドのeコマースの促進に重点を置いているテクノロジープラットフォームは、もちろんYouTubeだけではない。FacebookとInstagramは5月にShopsをスタートさせている。ジネスプロフィールをオンラインストとして利用できるようにした。消費者はFacebookやInstagramのアプリを離れることなくブランドから直接商品やサービスが購入できる。Snapchatも6月に入って、対話的広告を世界のeコマース事業者向けに強化(未訳記事)している。 ブランドはSnapchatアプリのテンプレートを利用して自動的に表示される広告を簡単に作成しプロダクトのカタログに誘導することができる。

ただしYouTubeの広告は、HuluやNBCUのPeacockなどのストリーミングサービスで使われているビデオのリモコンから注文ができるショッパブルなビデオ広告(Rethink記事)により近いだろう。YouTubeの場合は視聴者は直接注文するのではなく、クリックすると広告主の販売サイトに誘導される。

新型コロナウイルスによる各種の規制が解除されて実店舗が再開された後も、リードを発見しサイトへのトラフィックを得てオンライン売り上げを増加させようとする企業ニーズは継続すると多くのプラットフォームは考えており、YouTubeも例外ではない。

ちなみにYouTubeはこれまでこうした発表はIABのNewFrontsカンファレンスで行ってきたが、今年はオンライン開催に変更されたため、YouTubeはイベントの実施を待たずにニュースを発表した。

画像:Olly Curtis/Future / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

EtsyのiOSアプリに壁掛けアートをARで自室に飾りサイズや雰囲気などを試せる機能追加

欲しい商品を自宅に置いたときにどう見えるかを、客が自分で確認して購入を決められるようにTargetHome DepotWayfairIKEAなどの小売り業者は拡張現実(AR)を採り入れている。米国時間6月16日、EtsyもアプリにAR機能を搭載した。iOS版のEtsyアプリが更新され壁に飾るアート作品を客が拡張現実で確認できるようになる(Etsyリリース)。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック以来、部屋の装飾品を買う客が増えていると同社はいう。Etsyによると、例えばこの3カ月間で2019年の同時期と比べて、壁飾りやアート作品の検索数が94パーセントも跳ね上がったという。同様に絵画で63パーセント、版画やイラストで54パーセント、それぞれ検索数が増えている。

家の装飾品はみなそうだが、近くにある家具との兼ね合いや部屋のカラーコーディネートとの調和などを含めて、壁に掛けるアート作品が自宅で実際にどう見えるかを想像するのは難しい。また、作品のサイズも飾りたい場所に適しているかどうか、そもそもそれを飾れる場所があるかどうかも心配なところだ。

画像クレジット:Sarah Perez

EtsyのAR機能は、そうした心配に応えることを目的としている。EtsyのiOSアプリで、Paintings(絵画)、Photography(写真)、 Prints(版画)のカテゴリーから商品を選び、商品画像の右上に新しく追加された拡張現実アイコンをタップすると、それが部屋の壁に出現する。同社によると「アート&コレクターズアイテム」のカテゴリーでは500万点を超える作品が提供されているというが、そのうち壁掛けアート作品として分類されるものがどれほどあるかは不明だ。

Etsyは、新型コロナウイルス禍が始まるずっと前の2019年初めから、AR機能の開発をしてきた。サイズや画像が標準化されたカタログにAR機能を追加できる一般的な電子商取引サイトとは異なり、EtsyのAR機能の導入は容易ではなかった。Etsyの場合、対象となるのがタイトルやタグや写真を個々の作家が独自に決めた大量の非構造化データだからだ。

この機能を構築するために、Etsyのエンジニアは3D空間に配置するアート作品の取り出しにiOSの画像処理アルゴリズムVisionフレームワークを、次に必要な場合の画像の切り出しにiOSのCore Imageを使用した。さらに、その画像に余白が含まれているかを検出し、トリミングが必要かをデバイス上で識別するための機械学習画像分類処理を実装した。利用者の環境にアート作品を配置するためにSceneKitARKitが使われてる。

アプリを起動してAR対応の商品を読み込み、iPhoneまたはiPadを動かして壁の空いている場所を探し、商品をタップすればそこに配置される。複数のサイズがある商品の場合は、商品をズームしてサイズ変更を試すことも可能だ。この機能は、長方形または正方形の商品でもっとも正常に機能するとEtsyは話している。

スマートフォンでの買い物を好む利用者が増えたことで、Etsyの販売のほとんどはモバイルで行われるようになった。2020年第1四半期の総収入は2億2810万ドル(約245億円)で、前年比35.7パーセント増となった。総利益は1億4560万ドル(約156億円)の24.8パーセント増。第1四半期は2020年3月31日までなので、この数字にはパンデミックの全体的な影響は反映されていない。第1四半期では、総売上の58パーセントがモバイルによるものだったとEtsyはいう。

このAR機能は、まだiOS版Etsyアプリではベータ版となる。Etsyによれば、Android版は現在開発中とのことだ。

画像クレジット:Etsy
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(翻訳:金井哲夫)

ウォルマートが打倒Amazonに向けてオンラインマーケットプレイス拡大でShopifyと提携

Walmart(ウォルマート)は米国6月15日朝、eコマースショッピングプラットフォームShopify(ショピファイ)との新たな提携を発表した(Walmartリリース)。Shopifyは現在、100万超の販売業者に使用されている。今回の提携で、WalmartのMarketplaceがShopifyの中小販売業者に開かれることになり、1200の販売業者をプラットフォームに呼び込むのが2020年の目標だ。提携により1億2000万人もの月間ビジターを抱えるWalmartのマーケットプレイスにShopify参加ブランドを持ってくることで、Walmartは参加ブランドへのアクセスをかなり拡大できる。

この提携はAmazon(アマゾン)への対抗策だ。Amazonではサードパーティーの販売業者が世界3億人超にリーチでき、発送や返品、カスタマーサービスもAmazonのFulfillment(フルフィルメント)がサポートする。

一方、Walmartはより競争力のある自前のマーケットプレイスの構築を着実に進めてきた。例えば2018年秋に、同社はWalmart Marketplaceのアイテムが同社の無料2日以内配達プログラム(未訳記事)と、店舗での返品を利用できるようになると発表した。そして今日では、WalmartはMarketplaceの成長を「戦略的な優先事項」と表現している。

今回の提携は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによりオンラインで買い物する消費者の数が過去最多となっている中でのものだ。Walmartは自社の米国eコマース事業がパンデミックによる利用増で直近の四半期に74%成長した(Fortune記事)としている。新型コロナで、客は食品や掃除用品といった必需品をオンラインで購入するようになった。Walmart本体の売上も堅調だが、同社のMarketplace事業の成長は事業全体よりも急成長した。

「顧客に提供する商品を拡充することができ、また中小の業者にトラフィックが急増しているWalmart.comへのアクセスを提供できることに興奮を覚える」とWalmart Marketplace副社長であるJeff Clementz(ジェフ・クレメンツ)氏は発表で述べている。「Shopifyは、信頼できる新チャネルを通じての事業拡大に関心のあるサードパーティーのさまざまな販売業者を抱えている。Shopifyインテグレーションにより、承認されたShopify販売事業者は販売アイテムをWalmart.comにもリストアップできる。Walmart.comではWalmartの顧客はさまざまな商品にアクセスできる」と付け加えた。

Shopify統合のローンチで、Walmartは買い物客のニーズに対応できるブランドにフォーカスする。特にWalmartの品揃えを補充するような各種商品を扱い、顧客サービスで実績のある米国拠点の中小事業者を求めている、と同社は話す。

Shopifyの販売業者はShopifyのアプリストアからWalmart Marketplaceアプリをインストールするよう案内され、利用可能かどうかをWalmartが決定する。承認されれば、販売業者は数量無制限でプロダクトをWalmart Marketplaceに加えることができ、またShopify内でプロダクトの画像や品揃えに変更を加えることも可能となる。そうした変更はすぐさま自動でWalmartのサイトに反映される、と同社はいう。

この手の統合は、今後あるかもしれないShopify買収に向けた最初のステップになり得る。WalmartがAmazonの牙城をいかに崩すかという点で、この買収シナリオはこれまでもたびたび浮上してきた(未訳記事)。しかし短期的にはShopifyの販売業者ネットワークはWalmart Marketplaceのライバルという位置付けから、Walmart Marketplaceを活発化させるものへと変わる。マーケットプレイス登録料だけでなく、マーケットプレイスのアイテムが呼び込むトラフィックと売上の増加により、Walmartの収支を押し上げるのに貢献する。

画像クレジット:Walmart

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(翻訳:Mizoguchi

米国のeコマースは2020年に18%成長も小売全体の売上減をカバーできず

eMarketer(eマーケッター)が米国時間6月8日に発表した見通しによると、米国における2020年のeコマース売上高は、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの影響で18%成長する。しかしオンライン注文の増加があっても米国の小売全体が今年受ける打撃すべてを補えない、と指摘している。自動車や燃料も含めた米国の全小売の売上高は2020年に10.5%減の4兆8940億ドル(約530兆円)になるとアナリストは予測している。2016年以来の低水準だ。

この減少幅は、2009年の景気後退時の8.2%減よりも大きい。

「米国においてここ10年で最も大きな消費支出減だ」とeMarketerのシニア予測アナリストであるCindy Liu(シンディ・リュー)氏はレポートの中で述べた。「3月に人々は外出を控えるようになり、わずか数週間で小売の売上は激減した。第2四半期の売上高は2020年最少を記録し、消費者の行動が通常レベルに戻るのに数年かかるだろう」と予測した。

実際レポートでは、小売の売上は2022年までパンデミック前(2019年レベル)の水準に戻らないと予測している。

長期的には実在店舗が小売全体の足を引っ張る。今年、実在店舗の小売の売上は14%減の4兆1840億ドル(約453兆円)に落ち込む見込みだ。そしてパンデミック前の水準に戻るのに最大5年かかるかもしれない。

一方のeコマースは実在店舗の落ち込みを相殺できるほどに強くはない。落ち込みの深刻さを和らげる程度だ。2020年にeコマースの売上は18%増の7097億8000万ドル(約76兆円)となる見込みで、これは米国の全小売の14.5%を占める。

レポートでは、多くの店舗が再開しているにもかかわらず小売全体の売上が少ないままである理由を掘り下げていない。しかし明らかにこの理由の1つとして、新型コロナが引き金となった景気後退の影響が挙げられるだろう。失業や不安定な雇用は、いずれも消費者の支出抑制につながる。加えて、多くの消費者が実在店舗を避け続けていて、必要なものだけをオンラインで注文している。また消費者の多くがテレワークを続けてる中で、アパレルやアクセサリーの販売は大きな打撃を受けている。

アパレルとアクセサリーの部門は通常、eコマースで2番目に大きい。しかし消費者が必要不可欠ではないものの購入を控え、成長は8.6%にとどまる見込みだ。

一方、食品や飲料、ヘルス、ビューティー、パーソナルケアなどを含む他のeコマースの部門は大きな伸びが予想される。食品や飲料が58.5%増、ヘルス、ビューティー、パーソナルケアは32.4%増となる見込みだ。

「前例のないことがeコマースで起こっている。成長率は世界金融不況のとき以来、最大だ」とeMarketerの主任アナリストAndrew Lipsman(アンドリュー・リップスマン)氏は述べた。「オンライングローサリーショッピングやクリック&コレクトといった特定のeコマース行動は、3、4年かけてみられるところをわずか3、4カ月で飛び越した」と付け加えた。

オンライングローサリーへのシフトは、特にWalmart(ウォルマート)で顕著だ。同社は常々、オンライングローサリーがeコマース全体の売上の成長に寄与しているとしている。eMarketerのレポートではまた、Walmartが初めてeBay(eベイ)を追い抜いて米国のeコマース小売としてはAmazon(アマゾン)に続く2位の座を獲得しそうだ、と指摘している。Walmartのeコマース売上高は2020年に35%超伸びると予想され、これは米国のeコマース市場の5.8%を占める。

Target(ターゲット)、Best Buy(ベストバイ)、Home Depot(ホームデポ)、Costco(コストコ)も売上増が見込まれている。

しかし想像の通り、Amazonの成長は群を抜いている。

「Amazonはeコマース市場におけるシェアを38%に伸ばし、独占を拡大させる」とリップスマン氏は語った。

画像クレジット: Sari Montag / Flickr under a CC BY-SA 2.0 license.

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(翻訳:Mizoguchi