企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビサービス「Aill」が1.15億円調達、公務員や有資格者団体に対象拡大

企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビサービス「Aill」が1.15億円調達、公務員や有資格者団体に対象拡大

企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビサービス「Aill」(エール)を手がけるAILLは8月18日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による1億1500万円の資金調達を発表した。今回は、今後のサービス拡大を見越し、朝日メディアグループ1号投資事業有限責任組合(朝日メディアラボベンチャーズ)、名古屋テレビ・ベンチャーズ)といったメディア企業からの出資を受けることで、マーケティング、PR戦略のさらなる実行を目指した。

またAillは、これまで700社超の法人が利用しており、今回公務員と有資格者団体を対象に拡げることとなった。現在、都道府県庁でも加盟準備が進められており、さらに出会いの機会が広がるとしている。企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビサービス「Aill」が1.15億円調達、公務員や有資格者団体に対象拡大

Aillは、ウェルビーイングが浸透する社会を目指し、幸福度の高いワークライフシナジーを実現する一助として、公的・私的承認が満たされる重要性に着目。公的承認は仕事やボランティアなどの社会活動によって得られるものの、未婚率の上昇に裏付けられるように、仕事を頑張ることでプライベートの時間・出会いの機会が少なくなり、パートナーシップや家族との関りによって得られる私的承認が満たされにくいという状況が課題となっているという。

そんな時代に一石を投じるサービスとして、Aillは、勤務先企業を通じて審査を受けた安心・安全なユーザーが集まるコミュニティを形成し、AIが出会いとコミュニケーションに伴走することで、信頼をともに育むライフパートナーの縁結びを提供しているという。

 

デートアプリTinderが任意の本人確認機能を全世界で近々利用可能に

Tinder(ティンダー)は米国時間8月16日「今後数四半期」のうちに、ユーザーはアプリ上で本人確認できるようになると発表した。この機能は2019年に最初に日本で公開された。当地ではユーザーが18歳以上であることを立証しなければならない。法律で定められている日本のような場所以外では、本人確認は「任意項目としてスタートする」とTinderがブログ記事に書いている。

本人確認は、写真検証機能と同じく全ユーザーが無料で利用できる。Tinderの広報担当者によると、同社は性犯罪者登録簿などを利用できる地域ではそのデータとの相互参照にも本人確認を使用する。すでにTinderは、ユーザーがサブスクリプション登録する際のクレジットカード認証にこの本人確認を行っている。利用規約によると、Tinderはユーザーに対して「重罪、性犯罪、あるいは暴力をともなう犯罪で有罪判決を受けたり、不抗告を申し立てたことがなく、いかなる州、連邦あるいは地域の性犯罪者登録簿にも性犯罪者として登録する必要がない」ことを要求している。

現在の写真検証機能では、ユーザープロフィールにTwitter風の青いチェックマークがつけられるが、本人確認では目につく別のバッジを取得できる。こうしてユーザーは、交際相手候補が写真検証か本人確認あるいは両方を通じて身元を確認済みであるかどうかを知ることができる。

「真に公正な本人確認方法を作ることは難題ですが、不可欠な安全プロジェクトであり、当社はコミュニティや専門家が、私たちのアプローチの情報収集に協力してくださることを願っています」と同社は 書いた

Tinderは、安全機能への継続的投資を行ってきたが、本人確認の効果は限定的だ。確認が任意であり、未確認ユーザーとの出会いを心地よく感じるかどうかが個人の責任に任されているからなおさら。しかし、2021年3月、Tinderの親会社であるMatch Group(マッチ・グループ)は、非営利の身元調査団体、Garbo(ガーボ)数億円の資金を投資した。Garboの身元調査は、暴力や虐待の履歴のあるデートアプリユーザーを検出するのに役立つ可能性があるが、どのようにTinderに統合されるのか、利用するには料金がかかるのかなどはまだ不明だ。ちなみにGarboは「公正な身元調査」を行うために、薬物所持および軽微な交通事故を対象から除外しており、これらの罪が弱い立場の人々に対して不均衡に課せられている現状を挙げた。

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Tinderは同社の本人確認にGarboの技術を使用しないと語ったが、秋にはGarboを通じた身元調査に関してさらに情報を提供する予定だとTechCrunchに伝えた。Garboから得られた情報へのアクセスが有料になるかどうかについて、Tinderは言及しなかった。Match GroupはGarboへの投資に際して、(この情報を有償で提供する場合)価格はユーザーの利用状況、すなわち何人のユーザーが使いたいか、何回検索したいかによって決定するつもりだと語った。

Tinderが安全機能に力を入れていることは明るい話題だが、もし有償提供であれば効果は限定的だ。Match Groupは2019年12月にColumbia Journalism Investigation(CII)およびProPublicaの調査が、同社が性犯罪者の排除を有料サービスのMatchで行っているが、Tinder、OkCupid(オーケーキューピッド)、PlentyofFish(プレンティーオブフィッシュ)などの無料サービスでは行っていないことを指摘したことで厳しい批判を浴びた。当時同社広報は次のように語った「当社の無料サービスに登録性犯罪者がいることは間違いありません」。

2020年1月、Raja Krishnamoorthi(ラジャ・クリシュナムルティ)下院議員(民主党・イリノイ州選出)はデートアプリのユーザー安全ポリシーの調査を実施し、Match Group、The Meet Group(ザ・ミート・グループ)、Bumble(バンブル)、およびGrindr(グリンダー)の各社にレターを送った。同氏は「性犯罪者からの保護は有料顧客に限定された贅沢であるべきではありません」。2月、Ann Kuster(アン・クスター)下院議員(民主党・ニューハンプシャー州)とJan Schakowsky(ジャン・シャコウスキー)下院議員(民主党・イリノイ州)は他の9名の議員の署名とともにMatch Group宛にレターを送り、Match Groupがユーザーの報告を性犯罪者登録簿と相互参照していないことへの懸念を表明した。

同時期にMatch Groupは、ユーザーの安全への投資を強化する動きをいくつか実施した。例えば2020年1月にNoonlight(ヌーンライト)を買収し、米国のユーザーが誰といつどこで人と会ったかをシェアできるようにした。危険な状況に陥った場合、ユーザーはわからないように緊急サービスを始動できる。Noonlightはまずユーザーと接触し、必要なら911に通報する(Noonlightの基本バージョンは無料だがApple WatchやGoogle Home、Alexaなどとの接続には月額5ドル(約550円)または10ドル(約1100円)のプランへのアップグレードが必要)。この種の機能は警察の介入に対する懸念から議論を呼ぶことがあるが、安心感を求めるユーザーには役立つかもしれない。しかし、登録前に犯罪者をブロックすることで、そもそもそのような介入の必要性を減らすことができる。

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マッチングアプリ「Tinder」で里親募集中のペットとデート!? ドイツの動物保護団体が15匹のプロフィールを登録
マッチングアプリのTinderが「スワイプ・ナイト」の第2弾を発表、前回は2000万ユーザーが参加

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Tinderデートアプリ本人確認

画像クレジット:Tinder

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マッチングアプリ「Tinder」で里親募集中のペットとデート!? ドイツの動物保護団体が15匹のプロフィールを登録

マッチングアプリ「Tinder」で里親募集中のペットとデート!? ドイツの動物保護団体がペットのプロフィールを登録

GK Hart/Vikki Hart via Getty Images

ドイツのミュンヘン動物福祉協会が、マッチングアプリのTinderにペットのプロフィールを登録する試みを行っています。評判は上々で、既に何人かの人と最初のデートが設定されているとのことです。

同協会曰く、コロナ禍での自宅時間の増加により、ペットを飼う人は増加傾向にありますが、今度はコロナが収束に向かうにつれてペットを捨ててしまう人が増えるのを懸念しているとのこと。こうしたこともあり、新しい飼い主を見つける方法として、Tinderの利用に思い至ったようです。

マッチングに際しての本気度も高く、広告代理店に依頼して、プロカメラマンの手で15匹のペットの写真を撮影しTinderに登録したとのこと。こうした甲斐があってか、同協会のJillian Moss氏によると、反響は非常に大きいとのことです。

一方で、新しい出会いを求めているのに違いはないとはいえ、こうした利用はTinder側的にはどうなのだろうと思うところですが、Tinderのコミュニケーションチームで働くBenjamin Beilke氏は「これらの動物たちが本当に新しいパートナー、数週間だけでなく、長期的に “パーフェクトマッチ “を見つけてくれることを願っています」とロイターの取材に応えており、好意的に捉えているようです。

(Source:ReutersEngadget日本版より転載)

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タグ:犬 / イヌ(用語)新型コロナウイルス(用語)Tinder(企業・サービス)猫 / ネコ(用語)ペット(用語)マッチングアプリ / デートアプリ(用語)

農家のための恋活・婚活アプリ「あぐりマッチ」が農業女子と就農希望男性をつなぐサービスを開始

「農業と自然が好きな人のための恋活・婚活マッチングアプリ」(Android版iOS版)を提供するあぐりマッチは8月5日、好きな伴侶と家業の農業を継ぎたい女性と、就農したい非農家男性とを結ぶ新サービスの開始を発表した。あぐりマッチは、これまで農家の男性に非農家の女性を結ぶサービスを展開してきたが、この新サービスで農業や自然が好きな人たちの出会いの場をさらに活性化するという。

平成27年(2015年)の国勢調査では、日本の農業従事者のうち男性は124万人、女性は84万人となっている。また農水省の「令和元年新規就農者調査」によると、実家を継いで農業をする人が減っているものの、従業員として農業に従事する人や、農業で起業する人が増えており、このことから、農業に関心のある若者が増えていることがわかるとしている。一方、パートナーがなく、女手ひとつでは農業を継げないために離農する女性も少なくないという。

そこで、あぐりマッチは、そんな悩みを抱える農家の女性に、就農したいが単独ではハードルが高いと考えている男性の架け橋となるべく、このサービスを開始した。基本的に、サービスが「ジェンダーレス」になったということだ。新サービスのおもな内容は次の4つ。

  • 会員プロフィールで「農家」または「非農家」が指定できる
  • 「農家」を選ぶと、行っている農業に関する詳しい情報を登録し、相手に公開できる
  • 「一緒に農業をしたい!」のようなメッセージ付きの「いいね」が送れる
  • 普段の生活を見てもらえるタイムライン機能が追加
会員は農家か非農家かを選択でき、それによって使える機能や表示項目を切り替える可能。農家モードはサービス登録時に選択します。編集したい際には、プロフィール編集ページの「農家モード」にて切り替えられる

会員は農家か非農家かを選択でき、それによって使える機能や表示項目を切り替える可能

「農家」を選ぶと、行っている農業に関する詳しい情報を登録し、相手に公開できる

「農家」を選ぶと、行っている農業に関する詳しい情報を登録し、相手に公開できる

普段の生活を見てもらえるタイムライン機能が追加

普段の生活を見てもらえるタイムライン機能が追加

あぐりマッチは2021年7月1日に設立したばかりだが、2021年末には登録者数7000人を目指し、将来的には、「農家だけでなく田舎や自然、地方への観光が好きなすべての方向けにサービスを展開する予定」とのこと。

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アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

Morsa Images via Getty Images

アップルは新型コロナや誤報に関するガイドラインに違反したとして、反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除しました。このアプリは「医療の自主性と言論の自由を支持する、志を同じくする人々」のための場所と自称しており、記事執筆時点ではAndroid版は今なおGoogle Playで公開されています。

Bloomberg報道によると、このUnjectedアプリは5月にサービスを開始したもの。ユーザーはプロフィールの作成や他の人とのマッチング、メッセージのやり取りなどを行うことができたと説明されています。

本アプリは基本的には反ワクチン主義者のための出会い系サービスであり、その公開は偶然にもTinderやBumbleといったマッチングアプリが新型コロナワクチン接種をユーザーに勧める特典を追加した時期と重なっており、そのため「アンチワクチン主義者向けのTinder」と呼ばれていたそうです。

また最近UnjectedはFacebookやTwitterのようなソーシャルフィードを追加したところ、これが(Android版では)Google Playによる審査のきっかけとなり、ユーザーが投稿した誤報を含むコンテンツを十分に取り締まっていないと判明したとのことです。GoogleはUnjected社へのメールで、ワクチンが「実験的なmRNA遺伝子改変剤」や「生物兵器」だという主張、人々を5Gネットワークに接続する「ナノテクノロジーマイクロチップ」などの投稿にフラグを立てた(規約違反と判断した)と伝えられています。

そして7月16日、GoogleはUnjected社に対して、それら投稿を削除するか、あるいはアプリをストアから削除されるかを選ぶ2週間の猶予を与えることに。それを受けてUnjectedの共同創設者シェルビー・トムソン氏は「私たちは検閲の綱渡りをしなければなりませんでした」と語りつつ、最終的にはソーシャルフィードを削除しています。

しかしトムソン氏は、フラグが立てられた投稿とともにソーシャルフィードを復活させる予定であり「レーダーに探知されないようにしたい」と語っており、反ワクチン活動を諦めるつもりはなさそうです。

一方、iOS版のUnjectedアプリは最近までApp Storeで配信されており、この件につきBloombergがアップルにコメントを求めたところ、削除されたとのことです。アップルはUnjectedの開発者に、削除理由を「コンセプトやテーマにおいて、COVID-19感染拡大に言及していることが不適切である」と伝えたそうです。

アップルの広報担当者いわく、最初の審査プロセスではUnjectedを拒否し、新型コロナ関連アプリのポリシーに準拠するよう変更した後にアプリを承認したとのことです。が、それ以降「開発者がユーザーに対して対外的に発言したり、アプリを更新しましたが、その結果、再びコンプライアンスから外れることになりました」と述べられています。

さらにアップル広報は、Unjected社がユーザーに対して、検出を避けるために特定の言葉を使わないように勧めていたとも付け加えました。こうした行いは、App Store Reviewガイドラインにある「システムに対して不正を働こうとした場合は(中略)そのデベロッパのAppはApp Storeから削除されます」の箇所に抵触するというわけです。それらアップルの回答は、米Engadgetも確認しています。

新型コロナのワクチン接種に反対する人々は世界各地でデモを起こすなど、少なからず社会問題となっています。すべての人々がどのように考え、どういった思想を持つことも自由ですが、あくまで正しい知識に基づいて行動し、誤った情報を拡散しないよう心がけたいところです。

(Source:Bloomberg。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

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タグ:Apple / アップル(企業)Google / グーグル(企業)新型コロナウイルス(用語)Tinder(企業・サービス)Bumble(企業・サービス)フェイクニュース / 偽情報(用語)マッチングアプリ / デートアプリ(用語)ワクチン(用語)

デートアプリTinderはネットで新たに知り合いを発見する「ソーシャルディスカバリー」に足を踏み出す

デートアプリTinder(ティンダー)とその親会社Match(マッチ)が、アプリを通じた個人的なつながりの未来を模索している中で、どのようなアイデアを試し、破棄したのかをみていくのは興味深い。そうしたものの1つが「Tinder Mixer」(ティンダー・ミクサー)と呼ばれるもので、Tinderのユーザーがグループビデオチャットに参加したり、近くにいる人と「ゲーム」をしたりする方法が一時的に提供されていたのだ。

この機能は、2020年ニュージーランドで短期間テストされたとの情報を得ているが、今後の実運用はされない。

Tinder Mixer機能は、アプリ研究者のAlessandro Paluzzi(アレッサンドロ・パルツィ)氏が、TinderのAndroidアプリのコードの中に痕跡を発見したことで明らかになった。この発見はまだ公表されていなかったが、私たちはこの製品の起源について調べてみた。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

パルツィ氏によれば、彼がデートアプリの中で見つけたリソースは、まだ開発途中の製品のように見えたものの、結局それはTinderがデート市場で続けている実験の中で、すでにテストされてすぐに終了したものだったという。

Tinderによれば、このTinder Mixerのテストが2021年の製品ロードマップに影響を与えることはなく、上で言及したTinder Mixer体験が実際に登場することはないという。

とはいえ、この機能が特に興味をそそった点は、Tinderが短期かつ実験的とはいえ、Tinderがソーシャルディスカバリー(リアルの知人同士がつながるのではなく、新しく知り合いを「発見する」ソーシャル活動)分野に一歩踏み出したことだった。通常なら、Tinderのユーザーは1対1で、相手のプロフィールをスワイプし、マッチングし、チャットを行い、時にはビデオ通話を行う。しかし、グループでのライブビデオチャットのようなものは、今のTinderは提供していない。

画像クレジット: Alessandro Paluzzi

とはいえ、ビデオを使うライブというのはMatchにとって新しいものではない。

それはMatchがこれまでも実験を行ってきた分野だ。たとえば1対多のビデオ放送機能を提供する「Plenty of Fish」(プレンティオブフィッシュ)や、世界中の人々と1対1のビデオチャットができる「Ablo」(アブロ)などが挙げられる。こうした実験は、同社が考えている「デート隣接」体験なのだ。言い換えれば、このような動画でのやりとりを通じて誰かと出会うことは可能だが、それは必ずしも主目的ではないということだ。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

こうしたビデオ体験は、Match史上最大の買収案件となったソウルのHyperconnect(ハイパーコネクト)の17億3000万ドル(約1893億円)での買収が発表されても継続し「ソーシャルディスカバリー」やライブストリーミング市場を含む将来に向けた道筋をつけさせるものとなった。

関連記事:出会い系大手のMatchがソウル拠点のHyperconnectを同社最大規模の1809億円で買収

Matchは、ソーシャルディスカバリーが大きな可能性を秘めた分野であり、実際、デートの2倍の規模の市場になると見積もっている。

Match GroupのCEOであるShar Dubey(シャー・デュベイ)氏は、先日開催されたJPモルガン主催の「テクノロジー・メディア・コミュニケーション会議」でこの点について触れ、Matchのいくつかの大規模なプラットフォームでは、多くのユーザーが「プラットフォーム上で同じ指向を持つ独身者たちとの共有体験やコミュニティ意識」をより求めていることが観察されていると述べた。

彼女は、テクノロジーの進歩によって、従来のスワイプ、マッチ、チャットで行われてたデートの流れ以上の豊かな体験を通して、他者との交流が可能になったのだと指摘する。そうした体験には少数対少数、多数対多数、1対1などのものが含まれている。

Hyperconnectは、Matchがこうした分野に展開する際に必要となる技術の多くを提供できる。

現在Hyperconnectは、Azar(アザール)とHakuna Live(ハクナライブ)という2つのアプリを提供しており、ユーザー同士がオンラインでつながることができる。2014年に開始された前者は、1対1のライブビデオやボイスチャットに焦点を当てており、一方2019年に開始された後者はオンライン放送の分野をカバーする。これらのアプリが、MatchがPlenty of FishやAbloで行ってきたライブストリーム体験に対応するものであることは、偶然ではない。

このようなライブストリーミングサービスは、若い人たちによく使われていることが多いので、Matchが将来的な特定の製品開発のためのためではなく、単なるデータ集めのために、同じく若い層が多いTinderでもこのようなライブストリーミング体験をテストしたかったのは理解できる。

まもなく完了するHyperconnectの買収と同時に、Matchはまず、手に入るアプリを使ってライブストリーミングおよびソーシャルディスカバリー市場での活動をアジアで拡大することになる。なぜならHyperconnectの利用と収益の75%はアジア市場から得られているからだ。それからMatchは、その国際的な経験と知識を活用して、まだ開拓されていない他の市場での成長を加速させることを計画している。

しかし、買収のもう1つの大きな理由は、MatchがHyperconnectの技術を同社の既存のデートアプリのポートフォリオに導入することで、より豊かな体験を生み出せるだけでなく「西洋的」なオンラインデートのやり方はまだ完全には受け入れられていないものの、ソーシャルディスカバリーは受け入れられている市場でのユーザーに、アピールできる可能性があると考えているからだ。

デュベイ氏はJPモルガンの会議で「ソーシャルディスカバリープラットフォームで人気のあるエクスペリエンスを、私たちのデート・プラットフォームに持ち込むことで、真の相乗効果が得られると考えています。また、ソーシャルディスカバリープラットフォームを強化することで、利用者の方がデートの目的を果たすお手伝いをすることができるようになります」と説明した。

これらのことがTinderにとってどのような意味を持つのかは、まだはっきりしていない。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:デートアプリTinderMatch GroupSNSビデオチャットHyperconnect

画像クレジット:Tinder

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

よりパーソナルな感覚のフランス発ひと味違う新デートアプリ「Feels」

Feels(フィールス)をご紹介しよう。これはデートアプリの仕組みを変えようとしているフランスの新しいスタートアップだ。同社は、写真をスクロールしたり、説明文を読んだりするのは退屈になりがちだと主張する。Feelsは、プロフィール部分を改善して、TikTok(ティックトック)のビデオを見たり、ストーリーを閲覧するような感覚でアプリを操作できるようにしている。

共同創業者でCEOのDaniel Cheaib(ダニエル・チーブ)氏は「この10年、この業界にはほとんどイノベーションがありませんでした」と語る。「デートアプリをアンインストールする人が多い理由は『つまらないから』です。プロフィールがどれも同じように見えて、まるでカタログを眺めているような気分になります」。

ここでチーブ氏がまず念頭に置いているのはTinder(ティンダー)だが、同時にBumble(バンブル)やHappn(ハプン)など、Tinderに似ているけれどTinderとはまったく同じとはいえない他のデートアプリのことも語っている。

Feelsの創業チームは、何がうまくいき、何がうまくいかないかを見つけるために、2年間かけてアプリを繰り返し開発してきた。やっと利用継続指標が想定どおりになったことで、より広く展開することになったのだ。

画像クレジット:Feels

もしデートアプリでユーザーにおもしろいコンテンツを見せようと思ったら、プロフィール部分を見直さなければならない。開発段階で最も苦労したのは、間違いなくこの部分だ。このアプリをインストールしたときに、プロフィールの作成には約15分必要だ。

初期バージョンでは、この初期登録プロセスを終えた新規ユーザーは30%しかいなかった。現行のバージョンでは、新規ユーザーの約75%が登録フローを最後まで終わらせる。

では、Feelsのプロフィール表示は何が違うのだろう?多くの点で、このプロフィールは、ストーリーやTikTokの投稿に似ている。ユーザーは、ビデオの録画、テキストやスタンプの追加、写真の共有、質問への回答などをプロフィールに追加できる。

チーブ氏は「初期登録プロセスが完了すると、他のひとにコンテンツを公開できる一貫したプロフィールができあがります」という。

他のデートアプリと同様に、性自認に関して、女性か男性かに限られることなく、さまざまな選択肢が提供される。ユーザーは、全員のプロフィールを見たいのか、さまざまな条件に基づいて一部の人のプロフィールだけを見たいのかを指定できる。

そうした初期登録プロセスを終わらせたら、他の人たちのプロフィールを見ることができるようになる。繰り返しになるが、Feelsはデートアプリの基本的なインタラクションを変えようとしている。ほとんどのデートアプリでは、左右のスワイプや、親指の上げ下げで選択を行う必要がある。考えてみれば、それは膨大な数の細かい判断を必要とする二者択一の選択だ。

誰かに対して強い思い入れがない場合もあるし、あるいは、単に次のプロフィールに進みたいだけの場合もある。そして、このようにプロフィールを格付けしなければならないことによって、意識的であれ、無意識的であれ、多くのネガティブな感情がもたらされることになる。その結果人を拒絶し続けることになってしまう。

Feelsでは誰かのプロフィールを見ると、画面いっぱいにそのプロフィールが表示される。動画が再生され、そのことでその人が好きなものや、カメラの前にいる人の様子がわかる。コンテンツに反応することもできるし、上にスワイプして先に進むこともできる。ハートボタンやいいね!ボタンはない。

アプリがある程度完成してきたと考えたスタートアップは、110万ユーロ(約1億4000万円)の調達を行った。投資したのはBlaise Matuidi(ブレーズ・マテュディ)氏、Eric Besson(エリック・ベッソン)氏、René Ricol(ルネ・リコル)氏、Ricardo Pereira(リカルド・ペレイラ)氏、Yohan Benalouane(ヨアン・ベナルアン)氏、Nampalys Mendy(ナンパリス・メンディ)氏、Julien Radic(ジュリアン・ラディック)氏、Jean Michel Chami(ジャン・ミシェル・チャミ)氏といった、Atomicoのビジネスエンジェルプログラムに参加している人たちや、その他多くのビジエスエンジェルたちだ。

現在Feelsは、TikTokへの組織的な投稿やテレビ広告をすることによる、新規ユーザーの獲得を計画している。同社は、年内に100万人のユーザーを獲得したいと考えており、当面はフランス国内に重点を置いている。現在のユーザー数は10万人だ。

収益化に関しては、Feelsはより多くの機能を使えるプレミアムサブスクリプションの提供を開始した。その部分については、まだ繰り返し試行している途中だ。

Feelsは、競合が多く競争の激しい業界の中で、まだ始まったばかりだ。他社とは異なり、Feelsはユーザー獲得や有料化に取り組む前に、自社製品に多額の投資を行ってきた。それは野心的な戦略だが、真の意味で他とは違うデートアプリになる可能性を秘めている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Feelsデートアプリフランス資金調達
画像クレジット:Feels

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

ゲイ向けデートアプリManhuntがハックされ数千件のアカウント情報が盗まれていた

600万人の男性会員を誇ると主張するゲイ向けのデートアプリManhunt(マンハント)は、2021年2月にアカウント用データベースがハッカーに侵入され、データが漏洩していたことを認めた。

ワシントン州検事当局に報告された内容によると、ハッカーは「Manhuntユーザーのアカウント証明書を保管していたデータベースに侵入した」とManhuntは語っている。さらに「2021年2月初旬に、1つのユーザーサブセットのユーザー名、メールアドレス、パスワードが盗まれた」という。

報告では、人が見たとしてもわからないようにするパスワードのスクランブル方法について、またスクランブルをかけていたかについては触れられていない。弱いアルゴリズムでスクランブルされたパスワードはプレーンテキストに解読される恐れがあり、悪意あるハッカーにそのアカウントへのアクセスを許してしまう。

データ漏洩の後、Manhuntは2021年3月中旬にアカウントのパスワードを強制リセットし、ユーザーに注意を呼びかけた。Manhuntは、データが盗まれたユーザーが全体の何割程度だったか、どのように漏洩したかについては明かしていないが、ワシントン州の住民7700人以上が関連していると話している。

Manhuntを代表する法律事務所ZwillGen(ズウィルジェン)の弁護士Stacey Brandenburg(ステイシー・ブランデンバーグ)氏は、Manhuntのユーザーの11パーセントが影響を受けたとメールで話してくれた。

しかしManhuntの対処には、まだ疑問が残る。同社は2021年3月「現時点では、すべてのManhuntユーザーは新しいパスワード要件に合致するパスワードに更新することが必要です」とツイートしている。ここでは、ユーザーアカウントが盗まれたことは知らせていない。

Manhuntは2001年、Jack’d(ジャックト)というゲイ向けデートアプリを提供していたOnline-Buddies Inc.(オンラインバディーズ)によってローンチされた。Jack’dは2019年にPerry Street(ペリー・ストリート)に、非公開の価格で買収された。この買収のわずか数カ月前、Jack’dはセキュリティ上の欠陥からユーザーのプライベートな写真や位置情報を公開してしまっている。

デートサイトには、極めて個人的なユーザー情報が保管されているため、悪意あるハッカーの標的にされることが多い。2015年、ユーザーの浮気を煽るデートサイトAshley Madison(アシュレイ・マディソン)がハッキングされ、ユーザーの名前、住所、メールアドレスが晒されてしまった。盗まれたデータがオンライン上で公開され、自殺に追い込まれたユーザーが数人いる。1年後、AdultFriendFinder(アダルトフレンドファインダー)がハッキングされ、4億件を超えるユーザーアカウトが晒された。

2018年には、同性デートアプリGrindr(グラインダー)がデータ分析業者2社にユーザーのHIV感染情報を渡して問題になった

この他、セキュリティの甘さから(セキュリティがまったく存在しないこともあるが)、非常に個人的なデータが流出してしまった事件もある。2019年、中国の同姓愛の男女向け人気デートアプリRela(レラ)は、パスワードも設置しない危険な状態でサーバーを放置していたため、性的指向や住所など500万人以上のユーザーの個人情報に、誰もが自由にアクセスできるようになっていた。数カ月後、ユダヤ人向けのデートアプリJCrush(ジェイクラッシュ)は、およそ20万件のユーザー情報を公開してしまっている

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:Manhuntデータ漏洩ハッキングデートアプリジェンダー

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:金井哲夫)

フェイスブックが動画を使った恋人探しアプリ「Sparked」をテスト中

Facebook(フェイスブック)は、ビデオを使った恋人探しアプリ「Sparked」をテストしていることを、このアプリのウェブサイトがThe Vergeによって発見された後、認めた。Sparkedでは「Tinder(ティンダー)」のような大手のマッチングアプリとは異なり、ユーザーは気に入った相手をスワイプして見つけたり、ダイレクトメッセージを送ったりするわけではない。その代わりに、短いビデオデートを繰り返して、相手とのつながりを作っていく。この製品はFacebookの社内研究開発グループであるNew Product Experimentation(新製品実験)チームによって開発されているが、これまで公式に発表されたことはなかった。

「Sparkedは、New Product Experimentationによる初期の実験です」と、FacebookのNPEチームの広報担当者はTechCrunchに認め「私たちは、ビデオファーストの恋人探しが、人々がオンラインで愛を見つけるために、どのように役立つことができるかを探っています」と説明した。

同社はまた、Facebookの製品で得られる体験を向上させるために、このアプリでビデオデートがどのように機能するかについての洞察を得ることを目的とした「小規模な外部ベータテスト」を行っているという。現在、このアプリはアプリストアなどでは配布されておらず、ウェブのみで公開されている。

The Vergeの報道によると、米国時間4月1日にシカゴで開催されるDate Night(デート・ナイト)イベントで、このアプリ体験をテストする準備がすでに行われているようだ。

画像クレジット:Facebook

アプリに登録する際、Sparkedはユーザーに「思いやりを持って」「節度を守って」「姿を見せるように」と指示する。アプリの説明によると、参加者はまず、さまざまな相手と顔を合わせる4分間のビデオデートを繰り返し、お互いに気に入ったら10分間のビデオデートをすることができるようになるという。さらに、電話番号やメールアドレス、Instagram(インスタグラム)のハンドルネームなどの連絡先を交換することも選択できる。

知っている人も多いと思うが、Facebookはいくつかの国や地域で、すでに「Facebook Dating(フェイスブック・デーティング)」と呼ばれるデートアプリを提供している。

Facebook自体の中に組み込まれているこの機能は、2018年にコロンビアで初めて導入され、翌2019年には米国でも提供が始まった。新型コロナウイルス感染流行初期の頃、FacebookはMessenger(メッセンジャー)のビデオチャット機能を利用した仮想デート体験を展開すると発表したが、同時期に市場では、他の多くのデートアプリも、自宅にこもったユーザーにサービスを提供するため、動画に目を向け始めていた。Sparkedの目的が、Facebook Datingの中に用意されるオプションの1つとして導入されることでないのなら、これらのビデオデートアプリと直接競合する可能性もある。

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潜在的なリーチがあるにもかかわらず、Facebookがデートアプリの市場で成功する保証はないと、一部のアナリストは警告している。人々は、Facebookをパートナーとの出会いの場とは考えておらず、今のところSparkedはプライバシー保護の観点からFacebookのメインアプリとは分離されている。つまり、Facebookのネットワーク効果を十分に活用することができず、ユーザーは友人や家族に自分のデートプランを知られたくないと思っている可能性も高い。

Facebookにとってデートアプリ市場における競争は熾烈だ。新型コロナウイルスの感染流行があっても、Match Group(マッチ・グループ)や、IPOしたばかりのBumble(バンブル)のような、大手デートアプリの勢いは衰えなかった。例えばMatch Groupの報告によると、同グループのTinderからの直接収入は、2020年に前年比18%増の14億ドル(約1526億円)に達したという。同社のTinder以外のブランドからの直接収入は、合わせて16%の増加だった。また、Bumbleは公開企業として最初に迎えた四半期で収益予想を上回り、2020年の第4四半期に1億6560万ドル(約180億5000万円)を計上した。

一方、Facebookはデート機能の取り組みに関して、それほど多くを語ろうとしない。同社はサービスを提供している20カ国で15億件以上のマッチングを行ったとしているが「マッチング」はペアリングの成功を意味するものではなく、そもそも実際には、そのような結果は測定されていないのかもしれない。とはいえ、2020年秋になってからようやく欧州市場に導入されたFacebook Datingは、まだ展開が始まったばかりとも言える。

最終的に、NPEチームのSparkedによる実験は、デートアプリのユーザーが、どのような新しい体験をどのように利用したいと思っているか、Facebookが知るための役に立つだろう。

なお、Sparkedが今後、より広範囲に展開されるかどうか、あるいはいつ展開されるのかということについては、Facebookは言及していない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookSNSデートアプリNew Product Experimentation

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Match Groupが素性調査を行う非営利団体Garboに数億円の資金を投資

Tinder(ティンダー)、Match(マッチ)、OkCupid(オーケーキューピッド)、Hinge(ヒンジ)など、人気出会い系アプリの親会社であるMatch Group(マッチ・グループ)は、素性調査プラットフォームGarbo(ガーボ)に7桁ドル(数億円)の投資を行ったと、米国時間3月15日発表した。Match Groupのユーザーがオンラインで相手を選ぶときに、適切な情報を元に判断できるようにするのが狙いだ。この取り引きにより、MatchはGarboと親密に協力し合い、2021年後半にはTinderに素性調査技術を組み込み、その後、Match Groupが米国で展開している他の出会い系アプリにも導入していく予定だ。

ニューヨークを拠点とするGarboは、2018年、Kathryn Kosmides(キャサリン・コズミズ)氏によって設立された。コズミズ氏はジェンダーに基づく暴力の被害から立ち直った人物であり、暴力事件を起こした経歴が疑われる人物に関する重大な情報を、誰もが簡単に調べられるようにしたいと考えた。

画像クレジット:キャサリン・コズミズ氏(Match Group)

通常、非営利団体によって提供される素性調査サービスは、麻薬犯罪や軽い交通違反など、広範にわたる個人情報を表面化させてはくれるが、必ずしも暴力や虐待に関連するものとは限らない。しかも、料金は立場が弱い側のコミュニティに課せられることが多く、ジェンダーに基づく暴力には対応していないとGarboは指摘する

Garboは逮捕、有罪判決、接近禁止命令、迷惑行為、その他の暴力犯罪などに関連する公共の記録と、暴力や虐待に関する報告のみを収集し、低価格で素性調査サービスを提供している。このサービスは、相手の氏名、またはファーストネームと電話番号を入力するだけで利用できる。出会い系アプリに登録される個人情報は、大抵はこの程度しかないからだ。

するとこのサービスは「公正素性」チェックを行う。つまり、調査結果から麻薬所持容疑や飲酒または麻薬を使用しての運転、危険運転致死罪などを除外した内容が示される。

2020年、Garboはニューヨーク市エリアの500人を対象に、この技術のベータテストを実施した。するとたちまち、口コミだけで予約希望者が6000人にまで膨れ上がった。後にGarboは、この技術が全国規模で展開できる可能性を感じてテストを中止した。一般公開する前に、その準備を整えたかったからだ。

金銭的な支援をほとんど受けていない小さな非営利団体であったGarboは、そのためには大規模なパートナーが必要だと気がついた。その後、コズミズ氏はMatch Groupの安全関連の新責任者Tracey Breeden(トレイシー・ブリーデン)氏と知り合い、両者は、その技術を米国中のもっと多くのオーディエンスへ届けるために協力し合うことで合意した。

「あまりにも長い期間、世界中の女性や社会から阻害された人々は、数々の障壁に阻まれ、資源と安全から遠ざけられてきました」と、Match Groupの安全および社会的擁護責任者のブリーデン氏は、本日のニュースに関する声明の中で述べている。「企業は、そうした障壁を、テクノロジーと行動に根ざした真の協働によって取り除く役割を果たせるものと、私たちは認識しています。Match Groupとの提携により、Garboの思慮深く画期的な消費者向け素性調査は、情報による力と権利を利用者に提供し、テック界全体における安全な人間関係とオンラインコミュニティに通じる公平な道作りの一助となります」と彼女は話す。

Match Groupによる出会い系アプリの機能強化を目的とした外部の安全技術提供者への投資は、これで2回目になる。2020年初め、同社は、Tinderとその他の出会い系アプリに新たな安全機能を組み込む目的で、Noonlight(ヌーンライト)に投資を行っている。これは、ProPublica(プロパブリカ)とColumbia Journalism Investigations(コロンビア・ジャーナリズム・インベスティゲイションズ)が2019年12月に共同執筆した記事で激しく非難されたことを受けての対応だ。この記事では、Match Groupが既知の性犯罪者たちにアプリの使用を認めていたと伝えている。さらにMatch Groupには同社の出会い系アプリ利用者の素性調査に一環した指針がなく、利用者の安全は、利用者自身に責任を押しつけていたとも指摘している。

それに対して、Tinderの最大のライバルであるBumble(バンブル)は、Tinderのような旧来の出会い系アプリよりも女性に優しいことを売り言葉にし、悪質な人間から利用者を守るためにデザインされた機能を数多く展開した。最も新しいものとしては、悪質な人間が「Unmatch」(マッチ解除)を利用して自分の素性を隠す行為を阻止する手段がある。

「安全ではない」アプリという評判は、Tinderのみならず、オンライン出会い系アプリ業界全体に重大なダメージを及ぼすため、Match Groupがその問題に対処するための直接投資を決めたことは納得できる。例えばNoonlightへの投資では、Uber(ウーバー)やLyft(リフト)が採り入れているものと似た、Tinderアプリの中で目立たない形で緊急通報できる機能や不正防止対策などの導入をMatch Groupは約束した。

Match Groupによれば、Garboはこの新しい資金を使って、製品、エンジニアリング、管理を担当する人材を雇用する予定だ。これには、エンジニアリングの責任者や中心的チームとなるエンジニア5人なども含まれる。このチームは、自然言語処理やAIなどのテクノロジーを駆使して、Garboの数々の能力を構築することになっている。

Garboはまた、Match Groupからの時間と資源の多大な貢献に力を得て製品を完成させ、それをTinderを手始めに、Match Groupの各製品に展開していく。一方Match Groupは、Garboの技術を、配車サービスなどの他のプラットフォームでも利用できるようにする同非営利団体の取り組みを後押しする。

ただし、Tinderで展開される場合は素性調査は有料になる。

とはいえMatch Groupでは、利用者の反応、どれだけの人が使いたがるか、どれほどの調査を利用者が求めるかなど、さまざまな要素に基づいて価格を設定すると話している。また、どれだけ深く統合するか、つまり、アプリからGarboへの外部リンクにするのか、アプリ内の一機能のようになるのかなど、そのかたちも未定だ。

Match Groupでは、この機能を展開する時期をTinderは「2021年後半」、他の出会い系アプリはそれ以降と述べるだけで、具体的には示していない。同社では、今後数カ月内に、米国以外の利用者に向けたサービスのための同類の投資を行うことも検討しているようだ。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Match GroupGarbo投資マッチングアプリジェンダー

画像クレジット:Tinder

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(文:Sarah Perez、翻訳:金井哲夫)

ショートビデオも盛り込んだTikTok風マッチングアプリSnackが3.7億円調達

オンラインマッチングアプリの2020年の驚異的成長が、先週の華々しいBumble(バンブル)のIPOを生み出した後、新たなプレイヤーがマッチングアプリのリングに上がった。

Kimberly Kaplan(キンバリー・カプラン)氏が立ち上げたSnack(スナック)は、TikTokの人気とスタイルにマッチングの世界を融合させたアプリだ。Kaplan氏はマッチングアプリのPlenty of Fish(PoF、プレンティー・オブ・フィッシュ)出身で最初期メンバーの1人だった。同氏はプロダクト、マーケティング、営業の責任者として経営チームの一員を務め、PoFは2015年に5億7500万ドル(約603億4000万円)でMatch Groupに売却された。

カプラン氏は、マッチングアプリを使っているユーザーの中でも、特に人気のZ世代がとるある行動に目をつけた。彼らはBumbleやTinder(ティンダー)で相手を見つけると、プレッシャーがかかるマッチングアプリのダイレクトメッセージではなく、すぐにSnap(スナップ)やInstagram(インスタグラム)に場所を移し、お互いの発言を読み、カジュアルにいちゃついている。

同じ頃TikTokの人気が爆発し、平均的消費者の行動が、ウェブ上で短編ビデオを作る方向へとシフトし始めた。

Snackは動画ファーストのマッチングアプリで、ユーザーは動画を作ってフィードに投稿するよう促される。ユーザーは他のユーザーのプロフィールを(Tinderのように)右や左にスワイプするのではなく、フィードを(Instagramのように)スクロールして、気に入ったビデオがあったら開いてコメントすることができる。2人のユーザーがお互いの動画を気に入れば、DMが使えるようになる。

アプリはまだ初期段階なので、位置のフィルタリングはなく、アプリに登録しても見るべきビデオフィードがあるとは限らない。SlackはTikTokのようなビデオ編集機能を開発中で、ユーザーが自分のプロファイルを超クリエイティブにできるようにする、とカプラン氏は語る。

これまでにSnackは350万ドル(約3億7000万円)の資金を調達済みで、Kindred VenturesとCoelius Capitalが投資ラウンドをリードし、Golden Venutures、Garage Capital、Panche VenturesおよびN49Pも参加した。

収益化はまだ先になるが、マッチング分野での経験はSnackで収益を上げるために活きるはずであり、他のマッチングアプリと同じく、プレミアムサブスクリプションや場合によっては広告を導入する計画だとカプラン氏は話した。

Snackには現在10名が働いており、チームの多様性は60%で、40%が視覚弱者だとカプラン氏は語った。

「最大の課題は、巨額の資金をもつビッグプレイヤーに立ち向かうことです」とカプラン氏はいう。「始めることが大変で、その最初の足場を固めることがまた大変です。基本的に私は自分たちのプロダクトを信じ、市場はオープンなコミュニティだと考えています。誰かがやってきてTinderの座を奪い、そこには動画が絡んでくるはずだと私は強く信じています」。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Snackマッチングアプリ資金調達

画像クレジット:Snack

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(文:Jordan Crook、翻訳:Nob Takahashi / facebook

互いの顔がパズルで隠されたところから始まるデートアプリを開発したJigsawが、約4億円の資金を調達

「反表面的」なデーティング(出会い系)アプリのJigsaw(ジグソー)が、270万ポンド(約4億円)のシード資金を調達し、米国での事業拡大に向け一歩先んじた。今回のラウンドは、オンライン・デーティング企業の潜在需要発掘を行うRelationship Corp(リレーションシップ・コープ)という会社が先導し、米国と英国の「主に」テクノロジー部門に投資するエンジェル投資家からの支援を受けている。

社名が示すように、Jigsawは出会いの化学変化を求めて他の独身者の写真をスワイプするという業務処理に、「表面的な要素を抑えた」体験を提供することで、少々謎めいた楽しみを追加する。

彼らの(特許を取得した)反表面的な仕掛けは、最初は策略じみているように見え、赤面してしまうかもしれない。これは文字通り、ユーザーの顔の上にデジタルジグソーパズルを重ね合わせ、対話を重ねるごとに徐々にピースが取り除かれていき、アプリ内であらかじめ設定された量のエンゲージメントを達成すると初めて顔が現れるというものだ。

アプリのFAQによると、写真にデジタルフィルターの類を使用することは禁止されており、「本当の」自撮り写真のみとなっている。そのため、可愛い猫耳などを追加したりすることはできない。

同社はまだいくつかのトリックを袖の下に隠しているが、将来の計画はその時が来るまで公開したくないようだ(そのアプリに例えて言うならば、今のところ同社の製品のロードマップは半分完成したジグソーパズルというところか)。

Jigsawは英国のスタートアップ企業で、最高経営責任者を務めるAlex Durrant(アレックス・デュラント)氏と、最高個人情報責任者のMax Adamski(マックス・アダムスキー)氏が、2016年に共同で創設した。彼らは当時、大学生の友人同士だった。数多くのデーティングアプリがあまりにも表面的であるため、人々が不満を抱いていることを発見した彼らは、2018年に仕事を辞めてプロジェクトに専念。2019年にパズルで顔を覆ったデーティングアプリを発表し、昨年11月には米国に進出した。

Jigsawは現時点で、これら2つの市場で約15万人以上の登録ユーザーを抱えており、米国では5万人が登録している。新しい資金が潤沢にある今、彼らは大西洋を越えて本格的な事業展開に乗り出そうとしている。

デュラント氏によると、チームは今後の6カ月間に米国で50万人のユーザーを獲得することを目標にしているとのこと。米国のデーティングアプリでは、表面的なスワイプが少ない傾向にあるため、Jigsawにとって参入の勝算があると彼らは考えている。

「私たちは頭がおかしいわけではないので、人の顔にパズルを重ねたほうがよく見えると思っているわけではありません。パズルは表面的なデーティング業界に向けて私たちが立てた中指です」と、デュラント氏は言う。「パズルはあなたが仰るように、ユーザーが外見を超えてお互いを見られるように、そして、より有意義で持続的な相互作用を推進するために存在しています」。

現在のところ、Jigsawの顔を覆う仕掛けは、16個のピースで構成されたパズルによるものだ。全ての写真は、まず「こっそり覗かれるように」1つのピースが取り外されるところから始まる。そして誰かがその写真を気に入ると(マッチングが成り立つと)もう1個のピースが取り除かれるので、2つのピースが開いた状態でチャットが始まることになる。

さらにお互いがメッセージを交換するごとにパズルのピースが取り除かれていき、最終的には全てのピースが消えて顔が完全に明らかになる。うまくいけば、その時点で会話が途切れることもないだろう。

「お互いに6つ以上のメッセージ(合計12個)をかわすことが、有意義な会話には最低限必要であると我々は考えています」と、デュラント氏は言う。「そのため、現在のジグソーパズルは、7回のメッセージが交換されると(合計14個のピースが取り除かれると)、その下にある顔が完全に見えるようになっています。この数字はテストによって決められたもので、今のところユーザーにとってのスイートスポットとなっています」。

デーティングアプリのユーザーが、心ないスワイプをせず、より多くのチャットをかわすように、顔のビジュアルを覆うというコンセプトは、Jigsaw独自のものではない。「デーティングアプリ疲れ」を軽減するために「公開を遅らせる」仕掛けを施したアプリはたくさんある。別のアプリであるINYNは、プロフィールが表示される速さを制限している。

また、チャットをするまでユーザーの写真をぼかしてしまうアプリには「Taffy(タフィ)」がある。イスラム教のマッチングアプリ「Veil(ベール)」では、「デジタルベール」機能(不透明フィルター)が用意されており、相互にマッチするまで男女ともすべてのプロフィール写真に適用される。

Willow(ウィロー)」のような他の「反表面的」なデーティングアプリは、Q&A形式のアプローチを試みており、互いの質問に答えていくと、さらに多くの写真が見られるようになっている。このように、全てが明らかになるまで時間が掛かるように作られたアプリは数多い。

しかし、Jigsawはこのような「ゆっくりと明らかにする」形式に、おそらく最も視覚的にわかりやすい(そしてゲーム的な)仕掛けを採用した。それは直ぐに明らかになるものの、しかし「恋は盲目」になりがちな他のデーティングアプリの平均に比べれば、ゆっくりと明らかになることは確かだ。

我々が確認したところによると、そのシード投資はユーザーを買うためでもないようだ。

Relationship Corp. は、デーティングアプリにユーザー獲得/トラフィック生成サービスを提供しており、投資先にもそれらのアプリが含まれる。だが、デュラント氏によれば、Jigsawの場合はストレートなエクイティ投資であるという。つまり、その成長する能力に自信を持っているようだ。

「彼らは非常に地味だが、業界ではよく知られています」と、デュラント氏はシード投資を先導した投資家について語る。「同社のCEOであるSteve Happas(スティーブ・ハパス)氏は、以前ProfessionalMatchを起ち上げた人物で、(投資の一環として)当社の諮問委員会のメンバーでもあります。私たちには彼らと協力してユーザーを獲得する選択肢もありましたが、そうではなく、彼らは私たちの内部チームを顧問としてサポートしてくれています」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ゲーマー同士の出会いを支援する2upがバレンタイン前にローンチ

ゲームとデートを同一視することはあまりないが、そうすべきなのかもしれない。特にパンデミックの影響でゲームの人気が高まる中、2upと呼ばれる新たなスタートアップは画面上でも画面外でもゲーマー同士がつながるのを支援するサービスをローンチしている。

このアプリは若い頃からゲーマーだった兄弟のStephanie(ステファニー)とLincoln Smith(リンカーン・スミス)によって設立された。

画像クレジット:2up

2upは出会い系アプリというわけではない。ユーザーはアプリ上で新しい友達、新しいチームメイト、ロマンチックな関係を探しているのかを指定することができる。また好きなゲーム機やプラットフォーム、好きなゲーム、対戦型かカジュアル型かといった情報を共有することで、興味のある相手を絞り込んでいくことが可能だ。

うれしいことに、2upは昔ながらの8ビットの美学でデザインされている。

このスタートアップは他のマッチングやデートアプリとは異なり、プレミアムサブスクリプションを通じて収益を得ることを計画している。プレミアム版では無制限のスワイプとチャームが提供される。チャームは「Super Like」のようなもので、ユーザーが興味のある相手の注意を引くのに役立つ。

ローンチ時点では、プレミアム 2upの月額利用料は19.99ドル(約2100円)、6カ月間の利用料は月12.49ドル(約1310円)、年間利用料は月8.49ドル(約890円)となる。

2upにはクエストもあり、日常的にアプリを利用したり、毎月のエンゲージメント目標を達成したりすることで報酬を得ることができる。クエストを達成した人はゲーミングヘッドセットやゲーミングチェア、新しいコンソールなどの賞品が当たる抽選会に参加することができる。

「2upはゲーマーを結びつけるネットワークです」と、ステファニー氏は語る。「コンソールにはたくさんの種類があり、それぞれにフォーラムやコミュニティがあります。私たちはすべてのものを統一して、全員を1つの場所に集めたいと考えていました。私たちは、もっと親密な何かが必要だということを知っていました。そして同じコミュニティが画面上でも画面外でも1対1でつながり、人々を結びつける方法を提供したいと考えていました」。

2upは設立当初から自己資金で運営されている。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:2upマッチングアプリ

画像クレジット:2up

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(文:Jordan Crook、翻訳:塚本直樹 / Twitter

マッチングサービスBumbleが1株43ドルでIPO

米国時間2月11日午後、マッチングサービスのBumbleはIPOの価格を1株あたり43ドル(約4500円)とし、1株あたり37ドルから39ドル(約3870円〜4080円)のIPO価格レンジを上回った。

Bumbleは2021年1月中旬に株式公開を申請し、2月2日に最初の株価レンジを提示したが、28ドルから30ドル(約2930円〜3140円)という価格レンジは結局、不足していた。Bumbleは今週初めに株価レンジを37ドルから39ドルに引き上げた

関連記事:マッチングアプリのBumbleが株式公開を申請

引受人オプションの可能性を考慮する前に、Bumbleは公募増資で5千万株を売却して21億5000万ドル(約2249億2000万円)を調達した。同社は明日の朝から取引を開始する予定だ。

Bumbleのデビューは、今週初めにMetroMileのSPAC主導で行われた公募増資を含む、他の多くの2021年におけるオファーの中でのことだ。他にもCoinbaseや、おそらくRobinhoodなど、有名な企業が2021年に上場すると予想されている。

Bumbleの株式公開は長い間、唯一株式上場が可能だと推測されていたMatchの後に行われた。しかしより小規模なBumbleの上場は、少なくともあと1社の上場の余地があることを証明した。

米TechCrunchはBumbleの決算をこちらの記事で詳しく紹介している。

関連記事:米国を中心に人気のマッチングアプリBumbleがIPOに向けて動き出したとの報道

カテゴリー:ネットサービス
タグ:BumbleマッチングアプリIPO

画像クレジット:Bumble

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:塚本直樹 / Twitter

深い人間関係に育つ出会いをサポートするデートアプリS’Moreが2.2億円を調達

もっと深い人間関係の出会いを手助けするデートアプリS’Moreは、米国時間1月26日、シードラウンドで210万ドル(約2億1800万円)を調達したと発表した。

S’More(Something More:「何かもっと」を縮めた名称)は、利用者が肉体的な魅力に惑わされないよう写真にはボカシがかけられており、相手とのやりとりが増えるごとにボカシが薄くなる仕組みになっている。同スタートアップは、ビデオチャットなどの新機能を導入し(これも最初はボカシがかかっている)、2021年1月初めには新デザインのアプリをローンチした。CEOのAdam Cohen-Aslatei(アダム・コーエン=アズラティ)氏は「完全な作り直し」だと述べており、リアルタイムの会話を促したり、有料でプロフィールを宣伝できるなどの新機能が追加された。

またコーエン=アズラティ氏は、S’Moreの「反表面的な関係」にフォーカスしている点が、本気のオーディエンスを惹きつけていると話す。初年だけで16万件のダウンロードがあり、有料ユーザーは「数千」とのこと。2021年1月に新アプリをローンチしてからは、サブスクリプション登録者は50%増加している。

パンデミック以降、デートのかたちが変化したことを受けて、コーエン=アズラティ氏は「元の状態には戻らないと考えています」と指摘する。S’Moreユーザーを対象に行った最近のアンケートでは、2020年に相手と直接会うデートを一度もしなかった人は、回答者の8割を占めた。

「Tinder(ティンダー)で気軽に人と出会いたいのか、それともS’Moreで本気の相手と話がしたいのか」と彼は言う。多くの人が後者を望んだとした場合、次の質問はこうなる。「どうしたら出会いを楽しくできるか?それはマルチメディア、動画、音声、ゲームそうしたあらゆる機能が私たちのロードマップにあります。【略】S’MoreはHinge(ヒンジ)とNextdoor(ネクストドア)を合わせたようなものです」(たしかに、Nextdoorには独身で人間関係を求めているユーザーの「膨大な仲間」がある)。

画像クレジット:S’More

今回の投資に参加した投資者の名簿は大変に長く、以下のとおりだ。Benson Oak Ventures、Mark Pincus(マーク・ピンクス)氏のWorkplay Ventures、Gaingels VC、Loud Capital/Pride Fund、SideCar Angels、AppLovin Chairman Rafael Vivas、Apollo ManagementのJoshua Black(ジョシュア・ブラック)氏、Plus GradeのKen Harris(ケント・ハリス)CEO、ハーバード大学の遺伝学者George Church(ジョージ・クランチ)氏、Meet Groupの元CEOであるJohn Abbott(ジョン・アボット)氏、IMAXの元CEOBrad Weschler(ブラッド・ウェシュラー)氏、Aaron(アーロン)とSharon(シャノン)のStern(スターン)夫妻、Enterprise FundのJusten Stepka(ジャスティン・ステプカ)氏、Boston Harbor Angels、Grit DailyのJordan French(ジョーダン・フレンチ)CEO、Kind.Fundの創設者であるMarty Isaac(マーティー・アイザック)氏、Craig Mullett(クレイグ・マレット)氏、Dating Group。

コーエン=アズラティ氏は、この資金で彼が「創設チーム」と呼ぶ人たちを雇用できたと私に話した。主任アーキテクトのLong Nguyen(ロング・グエン)氏、業務責任者のSneha Ramanchandran(スニーハ・ラマチャンドラン)氏、製品およびデザイン責任者のRegina Guinto(レジーナ・グイント)氏、そして上級開発者のDavid Lichy(デイビッド・リッチー)氏だ。

S’Moreはまた、プロデューサーのElvia Van Es Oliva(エルビア・バン・エス・オリビア)氏と、「90 Day Fiancé」などの番組を制作したJack Tarantino(ジャック・タランティーノ)氏と制作契約を交わしたことも発表している。コーエン=アズラティ氏は、彼らとともに同プラットフォームとテレビネットワーク向けの「反表面的」なデートコンテンツを制作すると話していた。

この契約は、同スタートアップがInstagram(インスタグラム)でライブ配信しているセレブのデート番組「S’More Live」の成功によるものだ。現在までに60のエピソードを配信している。

「私たちは、その番組を通じてブランドを確立し認知度を高めることができれば、次に【略】視聴者全員の力を活用し、大変な低コストでのユーザーの獲得を可能にしてくれたS’More発のコンテンツで、彼らをリターゲティングできるようになります」とコーエン=アズラティ氏はいう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:S’Moreデートアプリ資金調達

画像クレジット:S’More

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(翻訳:金井哲夫)

EUで人気の「スローデート」出会いアプリOnceをDating Groupが約18.7億円で買収

5年前にリリースされた「スローデート」アプリのOnceは、業界最大手のDating Groupに現金と株式1800万ドル(約18億7000万)で買収された。Dating Groupのポートフォリオには、Dating.comなどの様々なアプリが含まれ、合わせて7300万人の登録ユーザーを抱えている。

Onceの共同創業者兼CEOであるClémentine Lalande(クレマンティーヌ・ラランド)氏は、2年間の契約の下で引き続き同社を指揮する。共同創業者であるJean Meyer(ジーン・メイヤー)氏は、2年前に退社した後も同社の株式を保持している。

Onceのプラットフォームには900万人のユーザーがおり、後にPickableと呼ばれるスピンアウトアプリを立ち上げたことでさらに100万人のユーザーを獲得している。

Onceは、マッチングアルゴリズムを使用して、各ユーザーに1日1人だけマッチを提供する出会い系アプリだ。同社は、TinderやBumbleのようなペースの速い出会い系アプリに代わるものとして宣伝している。実際、Bumbleは先週、アンケート対象者の5人に2人がパンデミックロックダウンの結果、誰かと知り合うまでに時間がかかっているという調査結果を明らかにした。そして38%のBumbleユーザーは、ロックダウンにより、より真剣な関係を求めるようになったと認めている。Onceの市場はでき上がっていたわけだ。

Onceアプリ上の各ペアは24時間、お互いに注目して、お互いに「いいね!」すればチャットを続けることができる。AIは可能な限り最高のマッチを見つけるためにアカウントの情報、デートの好みや過去の履歴を検討する。また、ユーザーは、AIに自分の好みをよりよく理解させるために、一人ひとりのプロフィールを評価することもできる。

声明でラランド氏は次のように述べている。「スワイプ時代後、それに代わる出会い系アプリ分野で実績のあるDating Groupに加わり、OnceとDating Groupの大きな相乗効果を活用できることにワクワクしています。このような集中度が高い、競争の激しい市場において、大規模なパートナーを持つことで、リーチを拡大し、地理的拡大を加速させることができます」。

Dating Groupの最高投資責任者であるBill Alena(ビル・アレナ)氏は、次のように述べている。「私たちは、AIと質の高いマッチングを実現するというコンセプトを強く信じています。Onceを当社のポートフォリオに統合することには大きな可能性があると考えています。クレマンティーヌがDating Groupに加わることを喜ばしく思います。彼女と彼女のチームは魅力的な製品を開発しており、今回の買収により、Dating Groupは西ヨーロッパ市場に深く進出することになります」。

Dating Groupは7カ国にオフィスを構え、500人以上の専門家チームを擁し、ポートフォリオ全体で7300万人以上の登録ユーザーを擁している。そのブランドには、Dating.com、DateMyAge、Dil Mil、Cherish、Tubit、AnastasiaDate、ChinaLoveなどがある。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Dating GroupOnceデートアプリ買収

画像クレジット:Once

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(翻訳:Nakazato)