リーガルテックのキビタスが8000万円調達、すべての人々への司法アクセス実現に向けα版プロダクトの早期リリース目指す

リーガルテックのキビタスが8000万円調達、すべての人々への司法アクセス実現に向けα版プロダクトの早期リリース目指す

「すべての人々への司法アクセス実現」に向けたアプリ開発を行うキビタスは3月25日、第三者割当増資による総額8000万円の資金調達を実施した。引受先は、リード投資家のXTech Ventures、ANOBAKA、クオンタムリープベンチャーズ(既存投資家)。累計資金調達額は1億5000万円となった(金融機関からの借入含む)。

調達した資金により、俗にいうプロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)の、発信者情報開示命令制度に関する法改正施行に合わせ、2022年中のプロダクト正式ローンチに向けた開発を加速させ、α版プロダクトの早期リリースを目指す。法務省からの解決サポート(ADR)認証も現在最終審査段階にあるという。

キビタスは、「司法サービスをもっと身近に」をミッションに、国内最大手損害保険会社との共同研究・実証実験をはじめ、身近に発生する法律トラブル解決を実現するサービスの研究開発を進めてきた。法律トラブルを経験した人のうち弁護士相談経験のある人は約2割という状況(日本弁護士連合会「法的な課題をかかえる人たちに関する意識調査」)を揶揄し「2割司法」と評される日本では、法律関連のサービスはまだ敷居が高く、高単価というイメージがある。

同社が狙う市場は、海外では「Online Legal Service」や「Alternative Legal Service」と呼ばれる領域で、弁護士事務所ではなく株式会社が主体となり、エンドユーザーへ直接サービスを提供する。米国ではすでに社会実装が進み、2021年6月に上場したLegalZoomや、近年急成長を遂げるDoNotPayなど様々なサービスが拡がりつつあるが、日本国内ではまだ黎明期にある。

SDGs(持続可能な開発目標)における目標16「持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する」に照らし、誰でも安価に法律サービスを受けることができる社会を作りたいという信念から、同社はスマートフォン用アプリでアクセスできる法律関連サービスの開発を進め、最初のプロダクトとして、インターネット上で発生する匿名ユーザーからの誹謗中傷対策(投稿記事削除・発信者情報開示請求)に焦点を絞って開発を進めている。

GVA TECHの法人登記簿取得サービス「GVA 登記簿取得」、法務省提供の登記・供託オンライン申請システムと連携

法人登記簿取得サービスのGVA 登記簿取得、法務省提供の登記・供託オンライン申請システムと連携―交付申請がスピーディーに

リーガルテックサービスの開発・運営を行なうGVA TECHは3月23日、法人の登記簿謄本を取得できるオンラインサービス「GVA 登記簿取得」について、法務省の提供する登記・供託オンライン申請システムと連携したことを発表した。

GVA 登記簿取得は、登記事項証明書(履歴事項全部証明書・現在事項全部証明書・代表者事項証明書)や登記情報のPDFファイルをいつでも交付申請できるサービス。スマートフォンやPCから申請でき、支払いはクレジットカードに対応。登記事項証明書は指定した住所に郵送可能で、登記情報PDFファイルはダウンロードが行える。2021年12月のサービス開始以降、すでに1000通を超える交付申請の実績を持つという。

これまでは、ユーザーがGVA 登記簿取得に申請した情報を、GVA TECHが法務局に依頼する形で作業を行っていたが、今回、法務省が提供する登記・供託オンライン申請システムと連携したことで、ユーザーの申請内容が法務局にも直接申請され、登記事項証明書の交付申請がタイムラグなく行なえるようになった。

GVA TECHは、同社の各種サービス提供を通じ、変更登記申請の書類作成から変更完了後の登記事項証明書の取得までを支援し、今後もユーザーの登記業務のコスト削減に貢献したいという。

AI契約審査プラットフォームLegalForceが案件管理機能を強化、契約書のバージョン管理を効率化しミスや工数を削減

AI契約審査プラットフォームLegalForceが案件管理機能を強化、契約書のバージョン管理を効率化しミスや工数を削減

LegalForceは2月18日、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」において、契約業務における案件依頼の受付に対応する「案件管理」機能をアップデートし、案件詳細画面から最新の契約書を取り込める機能をリリースした。契約書のバージョン管理にかかる工数やミス、契約書のやり取りで発生しがちな行き違いなどによるトラブルを解消できるという。

LegalForceは、AIによる契約の「自動レビュー」機能をはじめ、条文検索、契約書ひな形・書式集などを提供するなど、契約業務の品質向上と効率化を実現可能なサービスとなっている。契約作成に関わるデータを蓄積できるため「ナレッジシェア」としても有効という。2019年4月に正式版を提供開始し、2021年12月現在1500社を超える企業・法律事務所が有償契約で利用している。

LegalForceの案件管理機能とは、各企業専用に発行されたメールアドレスを宛先に入れて契約書の作成・審査を依頼するメールを送ると、その内容が自動的にLegalForceに反映され、案件受付を行えるというもの。依頼された案件を一覧できるため、担当者や進捗状況などを一元管理できる。

また契約業務では、事業部と法務部、事業部と契約相手の間で契約書のやり取りが複数回発生するため、バージョン管理が煩雑となるという。今回のアップデートはこの課題を解決するもので、案件管理機能の案件詳細画面において、メールに添付されている契約書をワンクリックで取り込み、最新版としてバージョン管理を行えるようになった。

LegalForceは、大手法律事務所出身の弁護士2名が2017年に設立。独自のAI技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、企業法務の質の向上、効率化を実現するソフトウェアを開発・提供している。2021年1月には、AI契約管理システム「LegalForceキャビネ」正式版の提供を開始した。

GVA TECHがAI契約審査クラウドGVA assistの条文検索機能リニューアル、結果表示高速化・ファイル名での条文検索に対応

リーガルテックサービスの開発・運営を行うGVA TECHは2月9日、AI契約審査クラウド「GVA assist」(ジーヴァアシスト)において、条文検索機能の高速化やファイル名での条文検索が行えるようリニューアルしたことを発表した。契約審査において法務担当者が煩わしさを覚えていた作業を従来以上にスピーディに行え、審査業務全体の効率化に貢献できるとのこと。

GVA assistは、契約審査に関するノウハウを集約した「プレイブック」を基に契約書審査作業の補助するクラウドサービス。このプレイブックは、GVA TECH所属弁護士が作成・監修した200種類以上の「GVAプレイブック」と、ユーザー独自の契約審査ノウハウをまとめた「自社プレイブック」で構成されている。

これらプレイブックを通じたリスク把握・修正例・譲歩案などの活用をはじめ、条番号ずれ・表記揺れを一括修正する「形式チェック機能」、400種類以上の契約書ひな形をダウンロードできる「ドラフト機能」を利用可能。「○○社と締結した契約書の条文が欲しい」「△△のような参考条文がほしい」といった条文のキーワードを元にフリーワードで参考条文を探せる「条文検索機能」も採用している。契約書のドラフト作成からレビュー業務の効率化をアシストしてくれる。

ただ、従来の条文検索機能では「ファイル名に含まれている契約類型名や社名、案件番号で検索ができない」「検索結果が多く表示されすぎて該当の条文が見つけづらい」といった声が上がっていたという。今回のリニューアルでは、これら課題を解消した。

具体的なリニューアル内容

  • ファイル名に含まれている契約類型名や社名、案件番号も検索の対象に
  • 同じ内容の条文が複数表示されなくなり、欲しい条文が見つけやすくなった
  • 検索対象として、条文のみ検索・貯えた独自のノウハウを含めた検索を選択できる
  • 検索結果の表示速度が高速化(どのようなキーワードでもおよそ1秒以内)

2017年1月設立のGVA TECHは、法律とIT技術を組み合わせた事業を手がけるリーガルテック領域のスタートアップ。企業法務担当者や弁護士の支援のため、GVA assistはじめ「GVA法人登記」や「GVA登記簿取得」といったサービスを展開している。

ブラウザベースの契約書プラットフォームを提供するJuroが約26.4億円を調達

ロンドンを拠点とするリーガルテックのスタートアップ「Juro」が、ブラウザベースの契約書自動化プラットフォームのためにシリーズBで2300万ドル(約26億4000万円)を調達した。2016年の創業以来、同社の調達金額は合計で3150万ドル(約36億1600万円)となった。

シリーズBを主導したのはEight Roadsで、これまでに投資していたUnion Square Ventures、Point Nine Capital、Seedcamp、Wise(旧TransferWise)共同創業者のTaavet Hinrikus(ターベット・ヒンリクス)氏も参加した。

Eight RoadsのパートナーであるAlston Zecha(アルストン・ゼシャ)氏がJuroの経営陣に加わる。

Juroによれば、同社の年間経常収益は対前年比で3倍になった。今回のラウンドでの評価額は発表していないが、同社は5倍以上になったとしている。

顧客の数はついに明らかにした。Deliveroo、Cazoo、Trustpilot、TheRealRealなど約6000社がJuroのプラットフォームを利用し、顧客は85カ国以上にわたっているという。

Juroの共同創業者でCEOのRichard Mabey(リチャード・メイビー)氏は「現在、我々はユニコーンの評価額となっている20社以上のスケールアップ企業と取引をしています。こうした企業は膨大な量の契約を扱うことが多く、その状況を我々はしっかりと支援しています。しかしReach plcのような歴史のあるエンタープライズもJuroを全面的に採用することが増えているので、我々は2022年にエンタープライズの需要にさらに応えていきます」と述べた。

Juroは契約におけるWordやPDFのようなレガシーなツールの使用を破壊しようとしている。単にファイルがあちこち動き回るクラウドベースのワークフローを構築するのではなく、専用のブラウザベースの契約締結プラットフォームを提供している。

メイビー氏はTechCrunchに対し「我々は、契約には静的なファイルが必要だという考え方に挑戦しています。契約書をWordではなく専用に構築したブラウザネイティブのエディタで扱うことにより、これを実現しています」と語った。

同氏はさらに「このエディタは高度にモジュール化され、企業の技術スタックにシームレスに統合されます。2021年は25万件の契約が処理され、場合によっては魔法のようにすばらしいものです(当社のNPSは72です)」と述べた。

「開発者がGitHubを使ったりデザイナーがFigmaを使ったりして共同作業をするのと同様に、Juroでは契約書の作成から署名までブラウザで処理できます。こうした意味で、我々の主なライバルはMicrosoft Wordであると考えています」とメイビー氏はいう。

同社は今回調達した資金で米国とヨーロッパの市場を拡大し、プロダクトに投資し、今後の拡大を支える役員を迎える予定だ。

Juroのオフィスはロンドンとラトビアのリガにあり「リモートハブ」も増えていることから、すべての拠点で増員しているところだという。

メイビー氏は、マーケティング担当VPとエンジニアリング担当VPを優先的に雇用したいと述べた。

同氏は「Juroの中心である強みは契約書の作成であり、ここにさらに力を入れていきます。我々は契約専用に設計されたブラウザネイティブのエディタを備える唯一のプラットフォームです。この部分を進化させ、エディタとの統合も開発していきます(例えばCRMシステムなど)。このようにして、お客様にとっては契約書の作成、承認、検討、署名、管理が1つに統一されたエクスペリエンスとなります」。

JuroのシリーズBに関する発表の中でEight Roadsのゼシャ氏は次のようにコメントした。「Juro以前には、契約を自動化し、クライアントのワークフローとフリクションなく統合できるオールインワンのプラットフォームは存在しませんでした。Juroはヨーロッパで顕著に成長している企業の法務、営業、人事などの部門で使われており、その中にはEight Roadsのポートフォリオに含まれる企業も多くあります。顧客満足度で市場をリードし、スケールアップ企業の従業員満足度も最高レベルです。我々はリチャード、Pavel(訳注:共同創業者のPavel Kovalevich[パベル・コバレビッチ]氏)、Juroのチームと連携できることをうれしく思います」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Kaori Koyama)

GVA TECH、登記事項証明書をオンラインで取得できる「GVA 登記簿取得」をリリース

GVA TECH、登記事項証明書をオンラインで取得できる「GVA 登記簿取得」をリリース

リーガルテックサービスの開発・運営を行うGVA TECHは12月3日、オンラインで登記事項証明書(履歴事項全部証明書・現在事項全部証明書・代表者事項証明書)および登記情報PDFファイルを取得できる「GVA 登記簿取得」をリリースした。

GVA 登記簿取得では、メールアドレスとパスワードで会員登録を行い、登記事項証明書を取得したい企業を検索し、クレジットカード決済をするだけで、24時間365日、自分の好きなタイミングで簡単に登記事項証明書の取得請求が行える。GVA TECH、登記事項証明書をオンラインで取得できる「GVA 登記簿取得」をリリース

企業間で新たに取引をする際やオフィス移転をして入居をする際になど、企業の実態を証明するために登記事項証明書(主に履歴事項全部証明書)の提出を求められることがある。この登記事項証明書を取得する方法としては、「最寄りの法務局に取りに行く」「返信用封筒を送付し法務局から郵送で送ってもらう」「法務省『登記・供託オンライン申請システム』を活用する」の3つの方法が一般的だ。

ただ昨今では、「コロナ禍で密になるのを避けたいため、法務局に行きたくない」「24時間365日、自分の好きなタイミングで登記事項証明書を取得したい」「年に数回あるかの作業のために、専用のソフトウエアをインストールするのが手間」といった声があるという。

実際にGVA TECHで提供しているオンライン商業登記支援サービス「GVA 法人登記」の利用者5000社に「今後GVA 法人登記に期待する機能」のアンケートを取ったところ、49.7%が「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の交付請求機能」を求めていることがわかったそうだ(回答者数は457件)。

中小企業向け契約書レビューAIクラウドLeCHECKを提供するリセが5.5億円調達、プロダクト開発・販売・人材採用を強化

スタートアップや中堅・中小向け契約書レビューAIクラウド「LeCHECK」(リチェック。旧り~が~るチェック)を開発提供するリセは11月24日、第三者割当増資による総額5億5000万円の資金調達を発表した。引受先は大和企業投資、グローバル・ブレイン、マネーフォワード。

調達した資金により、レビュー対象の契約類型数の追加や他社サービスとの連携強化などによる「中小企業向けの機能強化」を図るとともに、中堅・中小企業に対する販促アプローチ、人材採用などを加速させる。また、マネーフォワードとは業務提携を行い、中堅・中小企業に法務部門におけるDXを推進し、より高度な業務効率化、生産性向上の実現を目指す。

LeCHECKは、文書OCR機能、高品質な英文契約書レビュー・解説機能、管理やノウハウ共有までを実現する法務業務サービス。契約書とチェック箇所を左右に並べて確認できるなどのシンプルなレイアウト設計、20名以上の専門弁護士の協力の基提供する高品質なレビューAI機能などを備えるという。電子帳簿保存法にも対応した契約書データの保管管理機能も無料提供している。中小企業向け契約書レビューAIクラウドLeCHECKを提供するリセが5.5億円調達、プロダクト開発・販売・人材採用を強化

デジタル法廷・調停プラットフォームのImmediationが、米国や欧州への事業拡大を目指す

新型コロナウイルスの影響を受け、法曹界では主にビデオ会議と電子メールを組み合わせたリモートワークでの対処を余儀なくされた。メルボルンで設立されたImmediation(イメディエーション)という会社は、デジタル法廷と調停ツールを用いた専用ソリューションを提供しており、オーストラリアの連邦裁判所やニュージーランドの政府機関で採用されている。今回、360万豪ドル(約3億500万円)の資金を調達した同社は、米国や欧州市場に向けて事業の拡大を図っている。投資家には、Thorney Investment Group(ソーニー・インベストメント・グループ)や、同社の創業者で会長のAlex Waislitz(アレックス・ワイスリッツ)氏などが名を連ねている。

2017年に設立され、2019年にサービスを開始したImmediationのユーザーには、オーストラリアの連邦裁判所、ビクトリア州民事行政裁判所(VCAT)、ニュージーランドの法務省、Sport New Zealand(スポーツ・ニュージーランド)Domain Name Commission NZ(ドメインネーム・コミッションNZ)などの機関が含まれている。同スタートアップによると、過去12カ月の間に、収益は前年比6倍、ユーザー数は2000%と、急成長を遂げているという。Immediationは現在、5カ国に約40名の従業員と、100名以上の調停者や仲裁者を擁している。今回の資金調達により、Immediationの調達額は1000万豪ドル(約8億5000万円)に達した。

オーストラリアとニュージーランドに加えて、Immediationは東南アジアの市場にもユーザーを抱えている。今後12カ月間は、米国と欧州の市場での成長に注力する予定だ。

Immediationを調停プラットフォーム(現在は法律事務所、法廷、解決機関のサポートも行っている)として起ち上げる以前に、創業者でマネージングディレクターを務めるLaura Keily(ラウラ・ケイリー)氏は、20年間にわたって企業弁護士や法廷弁護士として働いていた。彼女がオンラインの調停プラットフォームを作ろうと思ったのは「人々が司法に有効にアクセスできず、締め出されているのを目の当たりにしたから」だという。「法制度は複雑で、時間と費用がかかります。古いルールやプロセスに支配される旧態依然としたシステムで、拡張性がなく、非効率的です」と、ケイリー氏はTechCrunchにメールで語っている。

Immediationのクライアントの多くは、同社のプラットフォームを利用する前には、調停センターや裁判所で対面式のミーティングを行うという以外の選択肢はなかった。Immediationがそのプラットフォームを公開したのは、新型コロナウイルスの感染流行が発生する数カ月前、2019年9月のことだった。

「新型コロナウイルスの発生はターニングポイントとなりました」と、ケイリー氏はいう。「各業界が一夜にしてオンラインへの移行を余儀なくされる中、私たちのチームは迅速に方向転換して、法律業界の急を要する懸念に対処し、シームレスなオンライン移行のための青写真を提供したのです」。

2020年の間に、Immediationのユーザー数は2200%も増加した。その中には、数百の法科大学院が参加する初のオンライン開催となったWillem C. Vis International Commercial Arbitration Moot(ウィレム.C 模擬国際商事仲裁大会)の5日間にわたる500人規模の審理も含まれる。

Immediation創業者でマネージングディレクターのラウラ・ケイリー氏

Immediationは、物理的な法廷、調停施設、弁護士事務所のクライアントフロア、紛争解決環境を再現するために、弁護士によって作られたとケイリー氏はいう。そのツールには、審理の記録、文書の共有と管理、契約書の共同作成と締結、手続き中の弁護士とクライアント間の機密通信、当事者ごとに設定される安全な個室などの機能が含まれている。司法書士や調停委員は、個室内の参加者を管理できるため、必要に応じて関係者を移動させたり、退出させたりすることができる。

弁護士とクライアントの間の機密性を維持することは不可欠だ。Immediationは、安全なチャットルームとパーティールームを構築しており「関係者以外は誰もそのメッセージを見ることも、パーティールームに入ることもできないように設計されているので、クライアントと弁護士のチームは、訴訟手続きが本格化しても、自分たちのチーム間で完全に機密なコミュニケーションをとることができます」と、ケイリー氏は語っている。

Immediationは今回、Auctus Investment Group(アクタス・インベストメント・グループ)およびTamara Credit Partners(タマラ・クレジット・パートナーズ)の会長であるChristine Christian(クリスティーン・クリスチャン)氏を新しい会長に、Rachael Neumann(レイチェル・ノイマン)氏とGreg Wildisen(ウィルディーセン)氏を取締役に任命したことも発表した。同社はまた、Afterpay(アフターペイ)の会長であるElena Rubin(エレナ・ルビン)氏と、Rampersand VC(ランパサンド)の設立パートナーであるJim Cassidy(ジム・キャシディ)氏を諮問委員会に加えた。

画像クレジット:ARMMY PICCA / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

AI契約審査プラットフォームLegalForceが企業独自の基準で審査できる「自社基準レビュー」機能をリリース

AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」が企業独自の基準で審査できる「自社基準レビュー」機能をリリース

LegalForceは9月22日、AIを活用し契約書内容を審査する企業向けAI契約審査プラットフォーム「LegalForce」(リーガルフォース)において、利用企業が自社の契約書ひな形に基づいた契約書審査が行える「自社基準レビュー」機能のリリースを発表した。

LegalFoeceは、作成した契約書に不備がないかをAIが審査するサービス。条文検索、審査済みの契約書との比較といった機能の他、企業法務に詳しい弁護士が作成した契約書のひな形や書式集なども利用できる。また契約書作成に関するデータを蓄積できるので、ナレッジ共有も行える。2019年4月に正式版がリリースされて以来、1000社を超える企業や法律事務所が利用している。

もともとLegalForceには、一般的な契約審査基準に基づいたリスクの洗い出しや抜け漏れの指摘などを行う機能が備わっているが、利用者側から自社特有の基準での審査を行いたいとの要望もあった。自社基準を持つ企業では、一般的な審査基準ではカバーしきれない抜け漏れが発生する恐れがあり、担当者によって審査基準がブレるという問題も考えられる。そこでLegalForceは、「自社基準レビュー」機能を追加し、各社の独自な基準での審査を可能にした。これにより、担当者の審査基準の均一化も可能になるという。

LegalForceは、大手法律事務所出身の弁護士2名が2017年に創業したリーガルテック領域のスタートアップ。独自のAI技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、企業法務の質の向上、効率化を実現するソフトウェアの開発・提供するほか、京都大学との共同研究をはじめ学術領域にも貢献している。LegalForce以外にも、2021年1月よりAI契約書管理システム「LegalForceキャビネ」正式版を提供している。

 

オンラインで登記申請書類を作成し法務局に行かずに申請できる「AI-CON登記」が「役員の氏名変更登記申請」に対応

オンラインで登記申請書類を作成し法務局に行かずに申請できる「AI-CON登記」が「役員の氏名変更登記申請」に対応

リーガルテックサービスの開発・運営を行うGVA TECHは9月16日、オンライン商業登記支援サービス「AI-CON登記」において、新たに「役員の氏名変更登記申請」に対応したと発表した。

AI-CON登記は、会社の登記情報をアップロードし、変更内容などの最低限の情報を入力するだけで、登記申請書類や添付書類を自動作成できるサービス。作成された書類に押印し、収入印紙(登録免許税)を貼って法務局に郵送することで登記申請が完了する。決算期や人事異動、株主総会が増えるシーズンに利用される機会が多く、2019年1月のサービス提供開始以来4000社以上の企業が利用しているという。

AI-CON登記では、以前から株式会社の役員変更登記申請に対応しており、今回新たに「役員の氏名変更登記申請」もサポートした。従来AI-CON登記では、取締役・代表取締役・監査役の役員変更のうち、就任・重任・退任・辞任には対応していたが、氏名変更には対応していなかった。今回の追加により、役員としての立場は変えずに氏名変更をできるようになった。

また、2015年2月27日から登記記録上の役員の氏名に、婚姻前の氏も併記できるようになっている。AI-CON登記で氏名変更・就任を行う際は、婚姻前の旧姓を記録することの申し出も一緒に行えるようになった。

AI-CON登記で対応している登記種類

・株式会社の役員の新任
・株式会社の役員の辞任
・株式会社の役員の重任・退任
・株式会社の本店移転登記(管轄内外)
・株式会社の募集株式発行(増資)登記
・代表取締役の住所変更登記
・株式会社の役員の氏名変更
・株式会社の商号変更登記
・株式会社の目的変更登記
・株式会社の株式分割登記
・株式会社のストックオプション発行登記
※役員変更では、取締役・代表取締役・監査役の変更に対応

弁護士・法律事務所向けクラウド案件管理システム「LEALA」開発・運営のレアラが総額1億円のシード調達

弁護士・法律事務所向けクラウド案件管理システム「LEALA」開発・運営のレアラが総額1億円のシード調達

弁護士・法律事務所向けのクラウド案件管理システム「LEALA」を開発・運営するレアラ(LEALA)は8月24日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による総額1億円の資金調達を発表した。引受先は、DNX Venturesおよび米セールスフォース・ドットコムCVC「Salesforce Ventures」(セールスフォース・ベンチャーズ)。

調達したに資金より、LEALAの機能拡充と顧客満足度の向上を目的とした組織基盤の強化を図る。開発および顧客支援体制の強化により、顧客のフィードバックを反映したLEALAの機能拡充や改善を加速するとともに、弁護士・法律事務所の成功を支援する。

LEALAは、Salesforceを開発基盤として、弁護士・法律事務所向けに特化して開発されたクラウド案件管理システム。顧客、案件・契約、タイムチャージ、法律書面・請求書、対応履歴などの情報をすべて一元化し、効率的なコラボレーション実現のための社内SNS機能を搭載。対応漏れを防ぐためのアラートや進捗可視化、スケジュール・ToDo管理からリスト抽出、集計・分析などの戦略立案まで、業務効率化と業務品質向上の両立や組織基盤の形成のための強力な支援ツールとしている。

オンライン完結型紛争解決「Teuchi」のミドルマンが5000万円調達、新日本法規出版と業務提携に向け基本合意

オンライン完結型紛争解決サービス「Teuchi」のミドルマンが5000万円調達、新日本法規出版と業務提携に向け基本合意オンライン完結型紛争解決(ODR。Online Dispute Resolution)サービス「Teuchi」を開発・提供するミドルマンは8月23日、新日本法規出版との業務提携に先んじて8月18日に投資契約を締結し、新日本法規出版を引受先とするJ-KISS型新株予約権による資金調達を実施したと発表した。同資金調達はプレシリーズAラウンドに位置付けられるもので、シードラウンドからの累計調達金額は8000万円となった。

同基本合意は、ODR領域における業務提携に向けた検討を進めるためのもので、両社の知見とネットワークを最大限に活かせるODR関連サービスの開発に共同で取り組む予定。調達した資金により、ユーザーの利便性向上に向けTeuchiの機能強化、新たな対象領域向けサービスのための開発・マーケティング体制を強化を行う。あわせて、エンジン開発ためのR&D部門を立ち上げる。

またミドルマンはADR認証取得を予定という。現在、法務省による最終審査を受けており、今後シリーズA調達に向けた準備を開始する予定。

オンライン完結型紛争解決サービス「Teuchi」のミドルマンが5000万円調達、新日本法規出版と業務提携に向け基本合意

近年のDX推進は司法分野も例外ではなく、「2割司法」という言葉で揶揄されるほどリーガルアクセスが確保されていない現状を改善するため、民事裁判手続きのIT化を政府が推進しているという。ただその完成は早くても2025年とされている。

一方政府は、裁判外紛争解決手続き(ADR。Alternative Dispute Resolution)のオンライン化(ODR)にスタートアップの参入を促すことでリーガルアクセス改善に弾みをつけるため、2019年度以来3年連続で「成長戦略フォローアップ」の重要施策としてODRを位置づけ、現在は法務省に設置された「ODR推進検討会」において、広くODRを社会実装するための政策について議論が交わされている。

このような背景のもと、ミドルマンはユーザー本位の視点から法的紛争解決のあり方をリデザインし、ユーザビリティの高いリーガルサービスを提供するため、国内初となるチャットによるODRシステム「Teuchi」を開発。紛争ジャンルごとに解決プロセスをパターン化(類型化)したうえで、合理化された交渉から調停人とのマッチング、合意書の締結までをオンラインで完結させる仕組みを提供している。

2020年1月からシェアリングエコノミー領域で実証実験を開始しており、2020年9月には「Teuchi for 敷金」、2020年12月には「Teuchi for 離婚」をリリースした。

ミドルマンは、2020年3月にシードラウンドでの資金調達を実施。新型コロナウイルスと社会との調和にはもう少し時間がかかるとみられる状況はODRの社会実装をもう一段加速させるための千載一遇のチャンスであり、ここでアクセルを踏み込んで事業を推進するためにはさらなる資金調達が必要との経営判断に至ったとしている。

AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」が契約書作成や審査受付を一元化できる「案件管理」機能を発表

AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」が契約書作成や審査受付を一元化できる「案件管理」機能を発表

LegalForceは7月7日、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」において、法務部が事業部から依頼される契約書の作成や審査の受付を一元化できる「案件管理」機能を発表した。2021年秋より有料オプションサービスとして提供を開始する。

LegalForceでは、すでにAIで契約書を作成・審査する「LegalForce」、AIで契約書を保管・管理する「LegalForceキャビネ」を提供しており、締結に関しては電子締結サービスと連携を行っている。新機能「案件受付」の追加により、契約業務を一気通貫する形で提供可能となったことから、同社は法務業務のDXをさらに加速させるとしている。

AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」が契約書作成や審査受付を一元化できる「案件管理」機能を発表

現在企業において、事業部門から法務担当者に契約書の審査・作成など「案件」の依頼は、メールをはじめ、グループウェア、電話、口頭、社内ツールなどのコミュニケーションツールを通じて行われている。ただコミュニケーションツール上で案件の受付と進行を管理することが難しいため、多くの法務組織では、案件台帳を作成して業務を管理しているそうだ。

ここでの課題としては、「台帳の作成・維持は煩雑である上に、誤記、記入漏れ、更新の遅れ、対応漏れなどのリスクと隣り合わせ」であること、「メールは宛先に含まれるメンバー以外に共有されず、社内・部門内の知見が蓄積されない」ことがあり、LegalForceにおいて案件依頼を集約し、ワンストップで進行を管理できる「案件管理」の開発に至ったという。

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上記課題の解決策として、案件管理では以下機能を利用できるそうだ。

  • メールの宛先に、指定されたメールアドレスに送るだけで、依頼案件内容がLegalForceに自動で反映
  • 法務部担当者は、LegalForce上で依頼者に直接返信する形でコミュニケーションを行える
  • 法務部担当者は担当以外の案件の進捗も閲覧・検索が可能(検索機能は将来追加予定)
  • 案件に対するコミュニケーションがLegalForce上に集積され、ナレッジの蓄積・共有が可能

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カテゴリー:リーガルテック
タグ:契約書(用語)法務 / リーガル(用語)LegalForce(企業・サービス)日本(国・地域)

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AI契約審査クラウド「AI-CON Pro」が広告取引契約ほか42種類の契約レビューに対応、ダウンロード可能な契約書ひな型も327種類に

リーガルテック企業GVA TECH(ジーバテック)は7月1日、AI契約審査クラウド「AI-CON Pro」(エーアイコン・プロ)において、レビューできる契約書の類型として新たに「広告取引契約」「不動産売買契約」など42種類を追加したと発表した。

AI-CON Proは、企業などが契約書を作成する際のひな型を提供したり、内容のレビュー(審査)を支援してくれるクラウドサービス。たとえばレビューでは、作成した契約書に隠れたリスクや不足した条文がないかを確認する「リスク検知」、過去の契約書や契約審査マニュアルから「条文修正時の参考情報」を参照することで作業を効率化、これまで社内に蓄積されたノウハウをクラウドで共有といったことが行える。

利用者は、普段社内で使っている契約書のひな型や、法務担当者が積み上げてきた基準を設定することで、企業独自のビジネス環境に即した契約書レビューが可能になる。また、明確な契約審査基準を持たない企業には、GVA TECHの所属弁護士があらかじめ用意した契約審査基準でレビューが行える「AI-CONプレイブック」も提供している。

今回追加されたのは、そのAI-CONプレイブックが対応する類型。ユーザーからの要望が多かった「広告取引契約」「広告掲載基本契約」「不動産売買契約」「駐車場賃貸借契約」「金銭消費貸借」など42種類。合計で180種類となった。類型の全種類はこちらで確認できる

AI-CON Proには契約書のドラフト(下書き)機能もあり、そこではひな型を使って契約書の作成が行える。このひな型も合計327種類に増えた。ひな型の一覧はこちらで確認できる

代表取締役の山本俊氏は、法律事務所勤務を経て2012年にGVA法律事務所を設立。スタートアップを支援してきたものの、大企業と中小企業の「法務格差」を実感し、「ビジネスに関わるすべての人が、法律知識が必要とされる場面においても不自由なく事業を行える世の中にしたい」と2017年にGVA TECHを設立。2018年にスタートアップ向けのAI契約書サービス「AI-CON」をリリースした。AI-CON Proは、その「エンタープライズ向け」プロダクトとなる。AI-CONは、2021年4月に秘密保持契約書に特化したサービスに変更され、完全無償化された。

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AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」が知産関連契約書のレビュー対応類型を拡充、累計10類型に

AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」が知産関連契約書のレビュー対応類型を拡充、累計10類型に

AIを活用し企業が交わす契約書内容を審査するAI契約審査プラットフォーム「LegalForce」(リーガルフォース)を提供するLegalForceは6月17日、同プラットフォームの知的財産に関連する契約書のレビュー対応類型を拡充したことを発表した。6月現在で10類型となった。

LegalForceは、AIによる契約書の「自動レビュー」、条文検索などの機能に加え、契約書のひな形や書式集なども提供し、企業の契約書作成を支援するプラットフォーム。2019年4月に正式版をリリースし、この2年間で800社を超える企業や法律事務所が利用している。

「国際競争力の強化、知的財産権侵害案件の増加といった昨今の知的財産権の重要性の高まり」から、知的財産部門のある大手企業などの要望を受け、レビュー対応類型を拡充し、6月現在で10類型となった。また6月中には著作物ライセンス契約、7月以降にはキャラクター商品化許諾契約、商標ライセンス契約が追加される予定。

LegalForceで利用できる知的財産関連契約書のレビューポート対応類型は次のとおり。

  • 共同研究開発契約(対大学・研究機関)
  • 共同研究開発契約(対企業)
  • 共同出願契約
  • 特許ライセンス契約
  • ソフトウェアライセンス契約
  • クラウドサービス利用規約
  • キャラクターライセンス契約
  • ソフトウェア開発委託契約
  • 英文共同研究開発契約(対企業)
  • 英文ソフトウェアライセンス契約

LegalForceは、大手法律事務所出身の弁護士2名が2017年に創業したリーガルテック領域のスタートアップ。独自のAI技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、企業法務の質の向上、効率化を実現するソフトウェアの開発・提供するほか、京都大学との共同研究をはじめ学術領域にも貢献している。LegalForce以外にも、2021年1月よりAI契約書管理システム「LegalForceキャビネ」正式版を提供してる。

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社内規程SaaS「KiteRa」とAI契約書レビュー支援「AI-CON Pro」がタッグ、就業規則AIレビュークラウドを社労士向け販売

社会保険労務士向け社内規程クラウド「KiteRa」(キテラ)を運営するKiteRaと、AI契約書レビュー支援クラウド「AI-CON Pro」を提供す るGVA TECHは5月26日、就業規則AIレビュークラウドサービス「AI-CON Pro for SR」の提供において業務提携を開始したと発表した。

AI-CON Proはユーザーが使用している契約書ひな型や契約審査の担当者に蓄積されている基準をセットアップすることで、ユーザーのビジネス環境に則した契約書レビュー支援を実現するサービスだ。また契約書のひな型がなかったり、普段あまり取り扱わない類型の契約書レビューに向けて、GVA TECHが用意した契約書をベースにプリセットされた契約審査基準で契約書レビューを可能にする機能「AI-CON プレイブック」も提供されている。

またKiteRaは、従来Wordなどを用いて実施してきた就業規則をはじめ社内規程に関する一連の業務をクラウドで行い、社労士の規程業務の効率化を実現する。2021年5月時点で国内350社以上が利用しているという。

今回の業務提携では、労務分野で有数の実績を誇る杜若経営法律事務所が監修した就業規則をAI-CON Proにセットアップして、就業規則を作成・レビューできるようにした。AI-CON Pro for SRはKiteRaが社労士事務所を対象に独占販売する。

現状では社内における就業規則の作成・改定業務においては効率化につながるサービスはまだ少なく、社労士にとって依然として大きな手間がかかっているという。社労士業務のさらなる効率化の実現が期待される。

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カナダのリーガルテックClioが約119億円を調達しユニコーンに

弁護士がクラウドベースのテクノロジーを使ってより効率的に業務を行うのをサポートしているソフトウェア企業Clio(クリオ)が現地時間4月27日、T. Rowe Price Associates Inc.とOMERS Growth Equityが共同でリードしたシリーズEラウンドで1億1000万ドル(約119億円)を調達したと発表した。

本ラウンドでブリティッシュコロンビア州バンクーバーを拠点とするClioの評価額は16億ドル(約1733億円)となり、ユニコーンステータスを獲得した。Clioの前回の資金調達は2019年9月で、そのシリーズDでは2億5000万ドル(約270億円)を調達した。最新のラウンドにより世界で「初の法務管理ユニコーン」となった、とClioは主張する。創業した2008年からの累計調達額は3億8600万ドル(約418億円)となった。

創業者でCEOのJack Newton(ジャック・ニュートン)氏は、2008年の不況のときに独立弁護士や小さな弁護士事務所が事業運営で苦労しているのを見て、Rian Gauvreau (ライアン・ゴーブロー)氏とともにClioを立ち上げた、という。歴史的に法務管理ソフトウェアは小さな弁護士事務所向けではなく企業を相手とする事業向けのサーバーベースのソリューションに限定されていた、とニュートン氏は話した。Clioはそれを変えるために設立された。

Clioの共同創業者ジャック・ニュートン氏とライアン・ゴーブロー氏(画像クレジット:Clio)

「MicrosoftのWindowsが数十年前にいかにPCのためのOSを定義したかということとよく似ていて、Clioは法律事務所やその顧客のためにクラウドベースで顧客中心のデザインのソフトウェアプラットフォームを開発しました」とニュートン氏は話した。

同社のプラットフォームは、クラウドベースの法務管理、顧客の獲得、法務CRMソフトウェアを提供する、弁護士のための「オペレーティングシステム」として機能することを目的としている。同社は世界100カ国に15万超の顧客を抱える。Clioを使っている弁護士の多くは小さな弁護士事務所所属か独立しているが、同社はLocks LawやKing Lawのような大手にもサービスを提供している。

業界特化型SaaSのClioは法律の専門家がより生産的になり、事務所を大きく育て「法律サービスをさらにアクセスしやすいものにする」のをサポートしているとニュートン氏は述べた。同社はまたクライアントが弁護士を、あるいは弁護士がクライアントを簡単に探し出せるようサポートすることも目指している。

画像クレジット:Clio

同社の財務状況についてニュートン氏は口を閉ざし、2019年の資金調達以来「爆発的」に成長してきた、とだけ述べた。この成長は新型コロナウイルスのパンデミックと、パンデミックによるあらゆるもののデジタル化によって加速した。現在の評価額は「相応」で「完全な」審査プロセスを経て成し遂げた、とニュートン氏は付け加えた。

Clioは、多くの場合において従来ペンと紙に頼っていた産業に向けたコアテクノロジーの構築にフォーカスしてきた。同社はまた法律テクノロジーを弁護士が使いやすいよう安価なものにすることも目指してきた。

変化は少しずつではあるが、新型コロナによって弁護士はどのように事務所を運営し、いかに法律サービスを顧客に提供するかについて根本的に再評価することを余儀なくされた、とニュートン氏は述べた。

「多くの事務所が、新型コロナでチームがバラバラになる中で、顧客データを事務所に保存することはもはや選択肢ではないと認識しました」と付け加えた。「過去にテクノロジーの受け入れをためらっていた弁護士や法律専門家は突然この新しい現実をすぐさま受け入れることを強制されました。このテクノロジー面での変更は危機対応である一方で、永続的な変化でもあります」。

2018年にClioは初めて買収した。ロサンゼルス拠点の法律テックスタートアップLexicataだ。ニュートン氏によると、Clioは新たに調達した資金でさらに買収する計画だ。同社はまた、引き続き同社のプラットフォームと戦略的提携にも新たな資金を注入する計画だ(同社は最近150以上のアプリと提携した)。

当然のことながら、Clioはスタッフも採用する。具体的には、プロダクトとエンジニアリングのチームを強化するために現在600人の従業員数を40%(250人)増やす計画だ。

「今後数年で当社は、法律サービスが提供される方法を完全に再定義し、クラウドという方法で法的支援へ誰でもアクセスできるようにします」とニュートン氏はTechCrunchに語った。「今回の資金によって計画を促進し、既存の顧客にさらに多くを提供できます」。

Clioは特にEMEA(欧州、中東、アフリカ)のマーケットで成長しており、現在は英国とアイルランドにフォーカスしている。

OMERS Growth Equityのマネージングディレクター、Mark Shulgan(マーク・シュルガン)氏は、同社がClioを何年もの間追いかけてきた、と声明で述べた。

「Clioは明らかにマーケットをリードする法務テック会社としての地位を確立し、今後数十年にわたって成長するでしょう」と話した。

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画像クレジット:McIek / Shutterstock

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

社会保険労務士向け社内規程SaaSを運営するKiteRaが3億円を調達、機能拡充および人材を獲得

社会保険労務士向け社内規程SaaSを運営するKiteRaが3億円を調達、機能拡充および人材を獲得

社会保険労務士(社労士)向け社内規程SaaS「KiteRa(キテラ)-Pro-」を運営するKiteRaは4月19日、第三者割当増資および融資による総額3億円の資金調達を発表した。引受先は、新規引受先のXTech Ventures、DIMENSION、三井住友海上キャピタル、個人投資家を、また既存投資家のライフタイムベンチャーズ。借入先は日本政策金融公庫。

KiteRaは、これまでライフタイムベンチャーズ、インキュベイトファンド、他個人投資家から総額約4000万円の資金調達を実施しており、第2回目として総額3億円の資金調達を実施した。今回の資金調達により現行サービスの機能拡充および人材の獲得を行う。

社会保険労務士向け社内規程SaaSを運営するKiteRaが3億円を調達、機能拡充および人材を獲得

社労士とは、労働保険や社会保険など各種法令に基づいて、行政機関に提出する提出書類や申請書などを、依頼者に代わって作成する士業。KiteRaは、社労士資格を持つ代表取締役の植松隆史氏が2019年4月に設立し、当初は一般企業の社内規定業務向けSaaSとしてスタートした。「規程をラクに」が社名の由来という。社労士からの需要の多さからKiteRa -Pro-を展開したところ、2021年3月時点で300以上の社労士事務所に導入されることとなった。

KiteRa -Pro-は「社労士の規程業務を圧倒的に効率化」を実現する社労士向けSaaS。就業規則をはじめ社内規程に関する一連の業務をクラウド上で行えるようになっており、従来ワープロソフトなどを用いて実施してきた業務プロセスを変革し効率化を実現するという。

同社によると、社労士は、給与計算や社会保険手続代行、就業規則作成代行といった代行業務から、労務のプロとして企業の「働き方」について助言を行うアドバイザーなど幅広い役割を担う一方、労働集約型産業としての側面もあり、社労士自身の生産性向上をはじめとした「働き方」が課題となっていたという。

また、給与計算や社会保険手続については、数々のクラウドサービスが展開され、生産性が向上しつつあるものの、就業規則作成領域おいてはまだ実現されているとは言い難い状態となっているとした。

そこでKiteRaは、就業規則作成代行領域において業務効率化するためのクラウドサービスを開発・展開することで社労士のDX化を推し進めることで、生産性の向上した社労士が、労務のプロとして社会からのさらなる期待に応えられるよう環境づくりに貢献するとしている。

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法務部門に契約書作成ワークフローのサービスを提供するフランスの「Leeway」

Leeway(リーウェイ)は、契約書に関するエンド・ツー・エンドのSaaSソリューションを構築しているフランスのスタートアップ企業だ。Leewayを利用すれば、すべての契約書を1つのリポジトリに集中させ、複数の交渉ステップを経て、1つのDocuSign(ドキュサイン)イベントで電子署名を行うことができる。

同社は先ごろ、HenQ(ヘンク)やKima Ventures(キマ・ベンチャーズ)といった投資会社や、Algolia(アルゴリア)、Eventbrite(イベントブライト)、Spendesk(スペンデスク)、MeilleursAgents(メイユールエージェンツ)、Livestorm(ライブストーム)、Luko(ルコ)の創業者などのビジネスエンジェルから、420万ドル(約4億6400万円)のシードラウンド資金を調達した。

法務部門で働いている人ならば、おそらく複数のツールを使っていることだろう。契約書を作成するためにMicrosoft Word(マイクロソフト・ワード)を使い、契約書を保存してチームメイトやビジネスパートナーと共有するためにクラウドサービスを使い、さらに電子署名やアーカイブサービスを使用しているのではないだろうか。

Leewayは、このワークフローをすべてのステップで最適化する。まず、すべての契約書はLeewayに保存することができる。これによって後で契約書を探すのが容易になるだけでなく、契約の期限が近づくとリマインダーを受け取ることができるので、契約を更新することができる。

2つ目として、Leewayから直接契約書を編集できる。例えば、マネージャーは契約書を確認し、変更点をLeewayのインターフェイスに書き込むことができる。社員は修正を施して、完了したら契約書の新しいバージョンをそのまま保存すればよい。

その後、同じインターフェイスから契約書を送信することも可能だ。契約書に署名される前に複数の人が承認する必要がある場合、管理者はその承認ワークフローを設定できる。すべてが一元化されているので、現在進行中のすべての契約書の概要を把握することができる。

画像クレジット:Leeway

Leewayは次の段階として、条件付きの条項を製品の中に組み込むことを考えている。通常、大企業では、同じ条項でも、非常に有利な条件、有利な条件、あまり有利でない条件など、いくつかのバージョンを持っている。Leewayの顧客は交渉する際に、例えば、非常に有利な条件から有利な条件に、切り替えることができるようになる。

現在、約30社が契約書の管理にLeewayを利用している。クライアントには、Voodoo(ブードゥー)、Evaneo(エバネオ)、IFOP(フランス世論研究所)、Fitness Park(フィットネスパーク)などがある。同社の共同設立者であるAntoine Fabre(アントワーヌ・ファーブル)CEOは「私たちは、従業員数100人から500人の企業の法務部という、非常に特殊な顧客層を持っています」と、筆者に語った。

それより小規模な企業や大規模な企業がLeewayを使うべきではないという意味ではない。しかし、従業員が100人未満の企業には、必ずしも本格的な法務部門があるとは限らない。営業チームや財務部門が、法務的なチームとして機能することもあるだろう。しかし、Leewayには、まだまだ成長の余地がありそうだ。

画像クレジット:Leeway

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

AI契約書レビュー支援や契約書管理クラウド提供のLegalForceが30億円を調達

AI契約書レビュー支援や契約書管理クラウド提供のLegalForceが30億円を調達

AI契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」、クラウド契約書管理システム「Marshall」 を提供するLegalForceは2月17日、シリーズCラウンドにおける第三者割当増資約27億円と銀行融資約3億円を合わせて、約30億円の資金調達を発表した。増資と融資をあわせたシードラウンド以来の累計調達額は約45億円となった。

引受先は、米WiL, LLC.(WiL)、ジャフコ グループ、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、DIMENSIONなどのそれぞれが運営するファンド。借入先は、日本政策金融公庫より三菱UFJ銀行との協調融資体制によるもの。

LegalForceは、2017年に大手法律事務所出身の弁護士2名が創業。独自のAI技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、企業法務の課題を解決するソフトウェアの開発・提供している。京都大学との共同研究など学術領域にも貢献しているという。

また、2019年4月にLegalForce正式版のサービスを提供開始、2021年1月よりMarshall正式版を提供している。

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