グーグルが検索ページに信頼できる新型コロナワクチン情報を表示するパネルを追加

Google(グーグル)は米国時間12月10日、ユーザーのロケーションで認可された新型コロナウイルスワクチンのリストと、それぞれのワクチンについての情報を表示する新たな検索機能を導入すると発表した(Googleリリース)。この機能はまず、BioNTech(ビオンテック)とPfizer(ファイザー)が開発したワクチンの緊急使用を2020年12月初めに承認した英国で展開される。今後、各国当局がワクチンを承認するのに合わせて新機能は展開される、とグーグルは話している。

この機能は新型コロナワクチンをGoogle.comで検索したときに最上部に表示され、検索結果の上にくるボックスに信頼できる情報を表示する。ソースとして健康当局へのリンクがついている。新機能のパネルは2つのタブがある。1つは、ワクチンについての概要で、トップストーリーの上に表示され、政府のウェブサイトのような地元当局や国のリソースへのリンクもある。もう1つのタブは別セクションでのワクチンに関するニュースを集めている。

画像クレジット:Google

グーグルはニュース検索のパネルを、ワクチンの誤情報とワクチン接種への抵抗を解決するのに役立つ1つの手段と位置づけた。

しかし同社傘下のYouTubeはパンデミックの間、新型コロナに関する誤情報と陰謀論の拡散を許してきた。YouTubeは新型コロナを5Gネットワークに関連づける陰謀論を禁止し、その後2020年4月に「医学的に根拠のない」コンテンツを禁止したが、新型コロナワクチンに関する誤情報を10月まで禁止しなかった。いい換えると、新型コロナの誤情報すべてを禁止するポリシーを積極的に取り入れてこず、ワクチンの承認が迫るまで反ワクチンのコンテンツの拡散を解決しようとしなかった。つまり「ワクチンを接種した人は死ぬかもしれない」「ワクチンは不妊を引き起こす」「マイクロチップを埋め込む」といった嘘の主張をするあらゆる動画に対して、10月までYouTubeのポリシーが正式に適用されていなかったことを意味する。

そして禁止措置が取られた後も、YouTubeのモデレーションポリシーは多くの反ワクチン動画を見逃していたことが調査で明らかになった。

動画プラットフォームにとって、これは新しい問題ではない。YouTubeは何年もの間、反ワクチンコンテンツ問題に苦慮し、時には禁止された反ワクチンコンテンツを含む動画が収益を上げるのを許すことすらあった。

画像クレジット:Google

グーグルは12月10日、信頼すべき情報を提供するYouTube上の新型コロナ情報パネルは4000億回以上閲覧されたと述べ、YouTubeの誤情報対応問題を矮小化した。

しかし4000億回という数字は、YouTubeクリエイターがパンデミックに関する動画を往々にして自身の意見とともに公開している規模を示している。

グーグルはこれまでに危険、あるいはミスリードするような新型コロナ健康情報に関連する動画70万件を削除したと話した。しかし、もしプラットフォームが制御されなければ、危険な情報を含む動画がいつ削除されるべきか、誤情報とは何か、クリエイターに対する罰則はどのようなものであるべきか、といった決定を完全にグーグル任せにすることはできない。

YouTubeクリエイターが視聴者のために正確なコンテンツを扱うようにするべく、クリエイターをヘルスの専門家につなげているとグーグルは述べている。また、YouTubeで新型コロナに関する公共広告を展開する100以上の政府機関に広告費助成として2億5000万ドル(約260億円)を寄付したとも明らかにした。グーグルは2020年4月にも新型コロナ関連のファクトチェックの取り組みに650万ドル(約6億8000万円)を寄付し、またCOVID-19 Vaccine Media Hub(新型コロナワクチンメディアハブ)を設置するための基金に150万ドル(約1億6000万円)拠出することにしている。

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(翻訳:Mizoguchi

米最大の診断検査企業LabCorpの新型コロナ検査キットが処方箋なしで店頭購入可能に

米国最大の診断検査企業の1つである米国最大の診断検査企業の1つであるLabCorpの発表によると、同社は新型コロナウイルス検査キットを処方箋なしで店頭販売することを承認された初めての企業になる。

LabCorpは、5月に家庭用検査キットの承認を得たEverlyWellなどの企業にとって強力なライバル企業になるだろう。そのほかの類似企業としては、今週初めにウォルマートとの提携を発表して、新型コロナウイルス検査キットを販売する(MedCity News記事)ことになったMyLab Boxや、独自の家庭用検査器のあるLetsGetCheckedなどがある。

実際、LabCorpは自社の検査キットについてFDAの認可を受けた最初の企業であり、処方箋なしで検査キットを小売店で販売することができる。

「FDAが新型コロナウイルス用として承認した初めての市販の家庭用回収キットにより、人々が健康について学び、自信を持って決断できるようにしています」と、LabCorp Diagnosticsの最高医療責任者兼社長であるBrian Caveney(ブライアン・ケイブニー)博士は声明で述べている。「この認可によって、より多くの人が検査を受け、ウイルスの拡散を減らし、地域社会の健康状態を改善することができます」。

一般消費者が感じている新型コロナウイルスの検査の受けづらさを減少させるものなら、議論の余地なく何でも大歓迎だ。またそれは、消費者のヘルスケアへのアクセスを増大して医療費を削減しようとするより一般的な政策方針にも適っている。

顧客がこの新型コロナウイルス検査キットを購入したら、同社のウェブサイトで登録し、そこにある指示に従う。検査結果は企業のポータルから配布され、陽性となった顧客にはヘルスケアのプロバイダーが提供されて、今後の治療などについて指導がある。

同社によると、このキットは18歳以上の成人を対象としており、医療従事者の訪問の代替品と見なすべきではないという。

LabCorpのPCR検査はFDAによって最終的に正式な承認されたものではなく、緊急使用許可の下で承認されている点に注意して欲しい。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:LabCorp新型コロナウイルスCOVID-19FDA

画像クレジット:LabCorp

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AIが思考と感情を分析しメンタルケア手法「ジャーナリング」を支援する「muute」アプリが公開

AIが思考と感情を分析しメンタルケア手法「ジャーナリング」を支援する「muute」アプリが公開

ミッドナイトブレックファストは12月9日、ユーザーの思考と感情の記録をAIが分析しフィードバックを行う国内初のAIジャーナリングアプリ 「muute」(ミュート。iOS版)の提供開始を発表した。Androidも対応予定。

今後同社は、外部のメンタルヘルスの専門家と協業しガイド・ジャーナリングやフィードバック機能の充実化を行う予定。さらに、muuteのAI技術の核となる感情分析アルゴリズムの継続的な改善を行い、ユーザーごとにより最適化されたフィードバックを提供するプロダクト開発を進めていく。

また、音楽ストリーミングサービスなどの外部サービスと連携機能の実装も予定。今後muuteは、ジャーナリングとAI技術を組み合わせることで統合的な感情のプラットフォームとなることを目指す。

AIが思考と感情を分析しメンタルケア手法「ジャーナリング」を支援する「muute」アプリが公開

「ジャーナリング」とは、欧米で人気のメンタル・セルフケア/マインドフルネスの手法のひとつ。頭に思い浮かんだことをありのままに書くことから「書く瞑想」ともいわれているという。

自分の思考や日々の行いを振り返ることは、心身の健康と自己肯定感の向上に効果があるとされ、昨今の新型コロナ禍での新しい生活様式においても、ストレスを和らげる手法として注目が高まっているそうだ。

ミッドナイトブレックファストのmuuteは、感じたことや思ったことを日記のように自由に書き出し、自分の感情と思考を振り返ることで新しい自分を発見するための「ジャーナリングアプリ」。

ユーザーの入力情報などをmuuteのAIが分析し、日々のちょっとした気づきや発見を得られる「インスピレーション」、友人からの手紙のような分析レポート「インサイト」などの形でフィードバックを行う。

AIが思考と感情を分析しメンタルケア手法「ジャーナリング」を支援する「muute」アプリが公開

これらAIからのフィードバックにより、ジャーナリング本来の効果「気分や感情の改善」「心身の健康状態の向上」などに加え、過去を視覚的かつ楽しく振り返ることができ、ユーザーは今まで気づかなかった自己の感情の揺れ動きや思考パターン、価値観や願望などを発見でき、新しい自分を見つけることにつながるという。

このフィードバックについては、感情アイコン・理由アイコン、ユーザーによる文章・投稿内容および投稿時の位置・時間、天気などの情報をAIが自動分析し、ひとりひとりにパーソナライズして提供。その中でも、要約文章を自動生成してユーザーごとにフィードバックする技術は国内で初めてのものとしている。

なおユーザーによる文章・投稿データは、ヒトではなくAI/機械が分析していて、ユーザーに対してより良いフィードバックを返すためだけに使用している(データ販売や広告などはまったく考えていない)。

また実際に、muuteを使用したユーザーの81%が「新しい自分を発見した」「自分の知らなかった自分に出会えた」と回答。コロナ禍における新しいメンタル・セルフケア手法として、また若者をはじめとしたSNS疲れの解決策として期待されているとした。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:COVID-19(用語)ジャーナリング
新型コロナウイルス(用語)ミッドナイトブレックファストmuute瞑想日本(国・地域)

コロナ禍で急成長の瞑想アプリ「Calm」が日本上陸、日本語オリジナルコンテンツも提供開始

コロナ禍で急成長の瞑想アプリ「Calm」が日本上陸、日本語オリジナルコンテンツも提供開始

睡眠・瞑想・リラクゼーションなど行えるヘルス・ウェルネス領域アプリ「Calm」(カーム。Android版iOS版)は12月9日、日本人ユーザー向け日本語オリジナルコンテンツの提供開始と、日本市場への本格参入を発表した。

Calmは、「To make the world happier and healthier」(世界をより健康に、より幸せにすること)をミッションとして掲げ、睡眠・瞑想・リラクゼーションをお手伝いするというアプリ。今回のプロダクトローンチを受けて、Calmのコンテンツは190ヵ国、7ヵ国語で視聴可能となった。人々のストレス、不安感、不眠症などメンタルヘルスの世界的問題の解決に力を入れるとともに、日本におけるメンタルフィットネス文化確立を目指すとしている。

Calmでは、すべてのコンテンツを楽しめる「Premium Calm」(年間6500円)を用意。無料で利用可能なコンテンツも公開している。

毎回内容・テーマを変えて、毎日追加するCalmオリジナルの10分間瞑想「Daily Calm」、良質な睡眠を手に入れるための大人向けの読み聞かせ「スリープストーリー」を楽しめる。スリープストーリーでは、ローンチとともに10話の日本語版オリジナルコンテンツを視聴でき、毎週新しいストーリーが加わるという。

なお、英語版Calmに切り替えると、ハリー・スタイルズ(歌手)、ケイト・ウィンスレット(女優)、マシュー・マコノヒー(俳優)のスリープストーリーも視聴できる。

コロナ禍で急成長の瞑想アプリ「Calm」が日本上陸、日本語オリジナルコンテンツも提供開始

また、9つのテーマ(睡眠、不安感、ストレス、感謝、幸福感、セルフエスティーム、集中力、その他)に沿って行われる瞑想コンテンツ「ガイド付き瞑想」も公開。ガイド付きで進むため初心者の方でも簡単に実践できる。「Calm Music」(カーム ミュージック)ライブラリーでは、リラクゼーション、睡眠、集中力を促進する音楽として、ディズニー、Sam Smith、Diplo、Kygoなどが手がけた楽曲を楽しめる。

コロナ禍で急成長の瞑想アプリ「Calm」が日本上陸、日本語オリジナルコンテンツも提供開始

メンタルフィットネスをサポートする「ツールキット」では、「進行状況トラッカー」「ムードチェック」「BGMと風景」「呼吸エクササイズ」を利用可能。

コロナ禍で急成長の瞑想アプリ「Calm」が日本上陸、日本語オリジナルコンテンツも提供開始

  • 進行状況トラッカー:プロフィールページで参加したセッションやマインドフルネスの練習に使った合計時間を確認できる。デイリーセッションに参加した長さも表示でき、習慣形成の手助けになる
  • ムードチェック:その時々の感情を表現するボタンを選ぶことで感情のリズムを日常的に把握し、自分のマインドやメンタル面をケアできる機能。タグ付けやメモの追加も可能。チェックしたムードはすべて保存され、カレンダーで確認でき、自分の経験や体験を全体的に振り返ることが可能
  • BGMと風景:リラックスしたいとき、または仕事中や勉強中に楽しめる癒しのサウンドBGMと美しい自然の風景を集約。アプリを閉じてもBGMを流し続けるよう設定可能
  • 呼吸エクササイズ:呼吸の方法や長さをサポートする機能。深呼吸のエクササイズはとてもシンプルな上、短時間で効果を感じられるひとつの方法でストレス軽減、抵抗力を養い、自分のベストな状態を保つのに役立つとしている。エクササイズの長さや呼吸法はその日の気分によって、自由に調整できる

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Calm(製品・サービス)COVID-19(用語)新型コロナウイルス(用語)瞑想メンタルヘルス(用語)日本(国・地域)

アリババとエチオピア航空が中国の新型コロナワクチンを輸送する低温物流設備を準備

中国は新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンを他の国々、特に緊密な関係にある国(Nature Research記事)と共有することを約束している(The New York Times記事)。​同国はワクチンを国際的に展開する準備はできていないが、大量輸送のためのインフラ整備進めている。

​今週、Alibaba(アリババ)はエチオピア航空と提携し、中国から他の国に温度管理がシビアな医薬品を輸送できるコールドチェーン(低温物流)を導入すると発表した。​航空貨物は、中国初となる国境を越えた医療用コールドチェーン施設がある深圳空港から週に2回、ドバイとアディスアベバ経由で各国に向けて出発する。

​「ワクチンの準備が整い次第、それを輸送する能力を私たちは確保しました」とアリババの物流部門であるCainiaoの広報担当者はTechCrunchに語った。

深圳は、中国におけるもう1つの大手物流事業者であるSF Expressの本拠地であり、同社はワクチンの保管と出荷にも取り組んでいる(SF Expressリリース)。

アリババの路線は、物流部門Cainiaoによって運営されており、同社は200以上の国と地域で事業を展開している。新型コロナ​のワクチンは通常、低温で保管する必要があるが、このワクチンを空輸することは国際航空運送協会の認定を受けている(IATAリリース)。たとえば客室には温度管理のモニターが設置され、エチオピア航空の貨物ターミナルには-23°Cから25°Cの間で温度調整可能な設備が備わっている。

​Cainiaoの国際サプライチェーン部門のゼネラルマネージャーであるJames Zhao(ジェームズ・ジャオ)氏は「コールドチェーン航空輸送の開始により、グローバルな物流能力がさらに強化され、新型コロナウイルスワクチンをはじめとする医薬品のグローバルな流通にワンストップソリューションを提供できるようになりました」と述べている。

​中国は新型コロナウイルスの大流行時、個人用保護具(PPE)の主要な輸出国(PBS記事)であり、またCainiaoからSF Expressまで、中国の物流大手はいずれも、医療救援物資の輸送に特化したプログラムを迅速に導入した。

カテゴリー:その他
タグ:Alibaba新型コロナウイルスCOVID-19中国ワクチン

画像クレジット:Cainiao Logistics

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(翻訳:TechCrunch Japan)

世界初、英国がファイザーとBioNTechの新型コロナワクチン緊急使用を承認

英政府は医薬品当局の推奨を受け、BioNTech(ビオンテック)とPfizer(ファイザー)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認した(英国政府リリース)。

英国は広範使用を目的に新型コロナワクチンを承認した初の国となる。承認により、高齢者ケアホームの住人や医療従事者といった最も「ハイリスク」な人たちが年末までにワクチンの接種を受けられるようになる。

BBC(BBC News記事)は、英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が来週からワクチンを提供してもよいと述べた、と報じている。ただし、まず最初に誰が接種を受けるのかははっきりとしていない。

緊急使用の申請は、BioNTechとPfizerが先月MHRAに提出した。また、オーストラリア、カナダ、欧州、日本、米国の当局にも提出したが、まだどこもゴーサインを出していない。

声明文の中で、Pfizerの会長兼CEOのAlbert Bourla(アルバート・ブーラ)氏は英国の緊急使用の承認を「新型コロナとの戦いの中で歴史的な瞬間」と表現した。

「この承認は、科学が勝利すると最初に我々が宣言して以来、取り組んできた目標だ。注意深い評価を行う能力、そして英国民を守ろうとタイムリーに行動を取ったMHRAを称賛します」と同氏は述べた。「今後さらに承認や許可が得られると予想していて、これまでと同様に緊急性をもって高品質なワクチンの世界に向けた安全供給への移行に注力します。多くの人が感染する中で、この壊滅的なパンデミックを終わらせるという集団レースにおいては毎日が大事です」。

英国の承認は、BioNTechとPfizerが世界で行ったフェーズ3治験を含む試験データに基づいている。フェーズ3の治験ではワクチンの効果は95%で、安全上の重大な懸念は見当たらないとされた。

このワクチンはまたそれまでSARS-CoV-2ウイルスにさらされていなかった治験参加者、さらされていた治験参加者のどちらにおいても効果的であることが示された。

効果は年代、性別、人種、民族に関係なく一貫性があり、65才以上の人での効果は94%だった、と両社は明らかにした。

英首相Boris Johnson(ボリス・ジョンソン)氏は12月2日朝、正式承認のニュースをツイートした。そこには、ワクチンが「来週から英国で接種可能になります」と書いている。(2つめのツイートでは、一般的にはワクチン接種が「ついに」通常の経済活動に戻ることを可能にする、と推測している)。

英国はBioNTechとPfizerのワクチンを4000万回分注文している。これは2000万人分ということになる(1人2回の接種が必要)。ただ、注文したワクチンすべてを受け取るには時間がかかる。

「締結した契約を実行するにあたり各国に平等に提供できるよう、ワクチン4000万回分の提供は2020年から2021年にかけて段階的に行われます」と両社はプレスリリースで述べた。

「ワクチンが英国で承認され、我々はワクチン供給を始めるために迅速に動きます。初出荷分は数日内に英国に届くと見込んでいます。納入完了は2021年になります」と付け加えた。

英国の国民保健サービス(NHS)は、NHS最高経営責任者Simon Stevens(サイモン・スティーヴンス)卿がいうところの「英国史上最も大規模なワクチンキャンペーン」に向けて準備を進めている。BBCによると、50ほどの病院がスタンバイし、カンファレンスセンターのような施設に設けるワクチンセンターも準備中だ。

ジャーナリストへのコメント(Twitter投稿)のなかで、保健大臣Matt Hancock (マット・ハンコック)氏は来週80万回のワクチンが利用でき、年が明けてさらに多くのワクチンが投入されると述べた。「製造されるスピードで接種を展開していきます」と付け加えた。

ハンコック氏はワクチン初回分は、ケアする人も含め、ケアホームにいる「最も高齢」の人に優先して接種すると述べた。「そして当然のことながら年齢のレンジを下げていきます。NHSスタッフもまたワクチン接種を優先されるべきリストの上の方にきます。それから健康面で影響を受けやすい人、特にコロナウイルスに対して脆弱である人も優先されます」。

ワクチンは21日の間隔を空けて2回接種する必要がある。12月2日の記者会見で、MHRAと英政府の共同ワクチン・予防接種委員会の担当者は、完全な免疫は2回目の接種の7日後以降に得られる、と明らかにした。ただし、1回目の接種から何日か経って多少の免疫がつくとも述べた。

記者会見の中でMHRAのCEOであるJune Raine(ジューン・レイン)博士は、ワクチンの承認につながったデータについて行われたチェックの基準に「絶対的な自信」を持つことができると話した。米国の食品医薬品局(FDA)のような各国の当局で行われているものと「同等」のチェック基準だと表現した。FDAはまだ緊急使用を承認していない。

英国の対応は9月に始まり、チームの招集や、スタッフが並行して作業を進められるようにキャパシティを確保するなど数カ月かけて準備した、とレイン博士は述べた。

ハンコック氏が主張していた、EUよりも早いワクチン承認にブレグジットが関係していた、ということについては、レイン博士はむしろ2021年1月1日(ブレグジット移行期間が終わる時)まで効力を持つEU法の下で準備できたことの恩恵があったと話した。

MHRAのスピーディな承認はローリングデータと専門性へのアクセスに頼っていた、とレイン博士は述べ、差し迫っている英国のEU脱退が、今後追加される新型コロナワクチンの承認を遅らせるかについては疑問を呈した。

「進捗は完全に、レビューや確固たる評価、独立したアドバイスという点においてデータが利用できるかどうかにかかっていました。これが、EUとの関係を明確にできればと思います」とレイン博士は付け加えた。

共同ワクチン・予防接種委員会(JVCI)の当局は、BioNTechとPfizerのワクチンはマイナス70度で保管される必要があり、これにともなう制約がワクチンプログラムの初段階の実行において「フレキシビリティ」につながるかもしれない、と述べた。

画像クレジット:MHRA/JVCI press conference slide

つまりそれは、たとえば医療現場のスタッフが、働く場所に保冷施設があるために自分たちがワクチン接種を受けるのが簡単であればそうすることを意味する。しかしながら当局はまた、短い期間ながらワクチンが2〜8度の環境で品質を維持できるとも言及した。これはケアホームでの接種にともなう困難を解決するのに役立つとの考えを示した。

英国は、EUにある施設(ベルギーの製造施設)からBioNTechとPfizerのワクチンの供給を受ける。ブレグジット移行期間の終わりが迫るなか、EU脱退が将来のスムーズなワクチン供給における物流面での支障を引き起こすことになるかどうかは不明だ。もし支障があれば、製造と同じスピードで接種を行うというハンコック氏の計画に赤信号が灯る。これは、ブレグジット後の英国とEUの貿易について交渉がまだ続いているからであり、決着がつかない場合、税関検査により輸入遅れが発生する懸念もある。

また、(英国に限定しない)別の疑問として、ワクチンの効果がどれくらい続くのかというものがある。BioNTechとPfizerのワクチンはかなりのスピードで開発され、この疑問に答える長期的なデータはまだない。

他の企業が開発している新型コロナワクチン候補にも同じことが言える。

「英国の緊急使用承認により、英国市民は治験をのぞいて世界で初めて新型コロナワクチンを接種する機会を手にします」とBioNTechの共同創業者でCEOのUgur Sahin(ウグル・サヒン)氏は声明で述べた。「英国でのワクチンプログラムの展開でハイリスクの人たちの入院数を減らせると確信しています」

「我々の目的は、承認を受けた安全で効果のあるワクチンを必要な人に提供することです。世界中の当局に提出したデータは厳密な科学と極めて倫理的な研究・開発プログラムに裏付けられたものです」。

カテゴリー:バイオテック
タグ:BioNTechPfizer新型コロナウイルスCOVID-19ワクチン

画像クレジット:Dogukan Keskinkilic / Anadolu Agency / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

アップルがApp StoreのBest of 2020とダウンロードランキングを発表

米国時間12月1日、Apple(アップル)はお待ちかねの2020年ベストアプリとゲームを発表した。例年と同様に、App Storeのエディターがアプリの品質、クリエイティブデザイン、ユーザビリティ、アップルのテクノロジーの活用などに基づいて受賞者を選出した。Best of 2020には、家で過ごすようになった人々を支えるアプリが多く含まれている。たとえば自宅でワークアウトができる「Wakeout!」はベストiPhoneアプリを受賞し、「Zoom」はベストiPadアプリに選ばれた。

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で外出が制限された子供たちを楽しませて家族の助けとなった「Disney+」は、ベストApple TVアプリになった。Disney+は、米国時間12月1日に発表されたGoogle Playのユーザー選出部門でもベストアプリだった。

画像クレジット:Wakeout!

2020年のトップゲームには、ファンタジーの世界などに逃避したいという私たちみんなに共通の欲求を表す結果となった。2020年のベストiPhoneゲームは「原神」(これはGoogle Play Storeのベストゲームでもある)、ベストiPadゲームは「レジェンド・オブ・ルーンテラ」、ベストMacゲームは「Disco Elysium」、ベストApple TVゲームは「Dandara Trials of Fear」、ベストApple Arcadeゲームは「忍び足のサスクワッチ」が選ばれた。

画像クレジット:Fantastical

一方、生産性向上アプリの「Fantastical」がベストMacアプリに選ばれたのは、在宅勤務という新しい生活様式を反映している。

リラクゼーションと睡眠のためのアプリ「Endel」がベストApple Watchアプリを受賞した。

画像クレジット:Endel

リラクゼーションアプリが2020年のトップアプリに選ばれたのは納得できる。Google(グーグル)も睡眠アプリの「Loóna」を2020年のベストアプリに選出した

2020年は、ストレスを感じる出来事の多い厳しい年だった。新型コロナウイルスの感染拡大だけではない。Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領の弾劾裁判と波乱を起こしている11月の大統領選挙、1987年以降最悪の株価暴落、人種差別に対する抗議行動、オーストラリアと米国西部の森林火災、映画プロデューサーのHarvey Weinstein(ハーベイ・ワインスタイン)の有罪判決、ブレグジット、ベイルートの大爆発、デリーの暴動、香港の抗議行動、東アフリカでのバッタの大量発生、そしてRuth Bader Ginsburg(ルース・ベイダー・ギンズバーグ)やKobe Bryant(コービー・ブライアント)、Chadwick Boseman(チャドウィック・ボーズマン)といった有名人の死。

アップルが発表の中で説明している通り、アプリは文化を反映している。2020年は、セルフケアとメンタルヘルス、リモートワークやリモート学習、家族や友人とのつながり、インタラクティブでソーシャルなゲームなどに人々が注目したことを反映している。

画像クレジット:Pokémon GO

アップルは「2020年のトレンドとなったアプリ」として、セルフケアアプリの「Shine」、リモート学習アプリの「Explain Everything Whiteboard」、家族でメッセージをやり取りするアプリの「Caribu」、寄付アプリの「ShareTheMeal」、そして屋内でも楽しめるゲームにシフトした「Pokémon GO」を選んだ。

AppleフェローのPhil Schiller(フィル・シラー)氏は発表の中で「今年はこれまで以上に、最もクリエイティブかつ、人々がつながる瞬間がアプリケーションの中で生まれました。これは1年を通じて、新鮮で、本当に役立つ体験を提供してくれたデベロッパーのみなさんの素晴らしい偉業のおかげです。私たちは世界中で、数多くのデベロッパーのみなさんが並外れた活動を行うのを目の当たりにしてきました。これらBest of 2020を受賞した15本は、彼らが生み出したイノベーションを最も際立ったかたちで表している例といえるでしょう」と述べている。

画像クレジット:Apple

2020年のベストアプリ受賞者には、初めて製作されたモノとしてのアワードが贈られる。これはApp Storeのロゴをデザインして100パーセント再生アルミニウムで作られており、側面に受賞者の名前が刻印される。

アップルは、2020年に最もダウンロードされたアプリとゲームも発表した。これはエディターが選ぶベストアプリとは異なり、消費者のリアルな需要を示すものだ。

リモートワークに欠かせない「Zoom」や「Gmail」、現実逃避できるゲームがトップランキングに入っているのは当然だろう。パンデミックシミュレーターの「Plague, Inc.」が入っているのは偶然ではない。口コミでヒットしたAOCことAlexandria Ocasio-Cortez(アレクサンドリア・オカシオ=コルテス)下院議員のライブストリーミングでも話題になった「Among Us!」(未訳記事)、MinecraftやRobloxのような子供向けプラットフォームの「metaverse」(未訳記事)、そしてソーシャルアプリの常連たちもランクインしている。ただし今年はFacebook(フェイスブック)傘下のアプリではなくTikTokがソーシャル系のトップとなった。

2020年に最も多くダウンロードされたアプリとゲームは以下の通りだ(訳注:日本のトップAppランキングトップゲームランキングも公開されている)。

トップ無料iPhoneアプリ

1. ZOOM Cloud Meetings
2. TikTok
3. Disney+
4. YouTube
5. Instagram
6. Facebook
7. Snapchat
8. Messenger
9. Gmail
10. Cash App

トップ有料iPhoneアプリ

1. TouchRetouch
2. Procreate Pocket
3. Dark Sky Weather
4. Facetune
5. HotSchedules
6. AutoSleep Track Sleep
7. The Wonder Weeks
8. SkyView
9. Shadowrocket
10. Sky Guide

トップ無料iPhoneゲーム

1. Among Us!
2. Call of Duty: Mobile
3. Roblox
4. Subway Surfers
5. Ink Inc. – Tattoo Drawing
6. Magic Tiles 3: Piano Game
7. Brain Test: Tricky Puzzles
8. Brain Out
9. Coin Master
10. Cube Surfer!

トップ有料iPhoneゲーム

1. Minecraft
2. Plague Inc.
3. Heads Up!
4. Monopoly
5. Bloons TD6
6. Geometry Dash
7. NBA 2K20
8. Grand Theft Auto: San Andreas
9. The Game of Life
10. True Skate

トップ無料iPadアプリ

1. ZOOM Cloud Meetings
2. Disney+
3. YouTube
4. Netflix
5. Google Chrome
6. TikTok
7. Amazon Prime Video
8. Gmail
9. Hulu
10. Google Classroom

トップ有料iPadアプリ

1. Procreate
2. GoodNotes 5
3. Notability
4. Duet Display
5. Teach Your Monster
6. LumaFusion
7. Affinity Designer
8. Toca Hair Salon 3
9. 9: Toca Life: Hospital
10. Toca Kitchen 2

トップ無料iPadゲーム

1. Among Us!
2. Roblox
3. Magic Tiles 3: Piano Game
4. Ink Inc. – Tattoo Drawing
5. Call of Duty: Mobile
6. Subway Surfers
7. Dancing Road: Color Ball Run!
8. Tiles Hop – EDM Rush
9. Mario Kart Tour
10. Save The Girl!

トップ有料iPadゲーム

1. Minecraft
2. Monopoly
3. Bloons TD 6
4. Plague Inc.
5. Geometry Dash
6. The Game of Life
7. Five Nights at Freddy’s
8. Human: Fall Flat
9. Stardew Valley
10. Terraria

トップArcadeゲーム

1. Sneaky Sasquatch
2. Hot Lava
3. Skate City
4. Sonic Racing
5. PAC-MAN Party Royale
6. SpongeBob: Patty Pursuit
7. Oceanhorn 2
8. Crossy Road Castle
9. WHAT THE GOLF?
10. LEGO Brawls

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleApp Store新型コロナウイルスCOVID-19アプリ

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Kaori Koyama)

モデルナの新型コロナワクチンの予防効果94.1%、重症化ケース100%予防、緊急使用許可申請へ

製薬会社Moderna(モデルナ)が新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン治験の初期分析を完了し、94.1%の予防効果が確認されたと結論づけた。治験には3万人が参加し、うち196人で感染が確認された。分析ではまた、(入院が必要になるなど)重症化ケースを100%予防でき、治験中に重大な安全性の懸念はなかったことも確認された。こうした結果を踏まえ、同社は11月30日に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)を申請する。

EUA申請は実際の新型コロナワクチン供給開始に向けた次のステップだ。EUA申請が承認されれば、ヘルスケア監視当局からの正式かつ最終的な承認を待たずして、新型コロナによる死亡者数を減らせるような状況において医療従事者のような高いリスクを抱えている人にワクチンを提供できる。同社は欧州医薬品庁にも条件付きの承認を申請し、認められれば欧州内でも米国同様の緊急使用が可能になる。

ModernaのワクチンはmRNAベースで、新型コロナウイルスが人体に影響を及ぼすのを許すレセプター部位をブロックする働きのあるパワフルな抗体を作るのを促進するよう、遺伝子による指示を体に出す。人体への使用では新しい治療アプローチで、新型コロナに対し自然抗体よりもより強い抵抗を得ることができる可能性もある。免疫反応を引き起こすために実際にウイルスを体内に入れるワクチンにはリスクがつきまとうが、mRNAベースのものにはそうしたリスクはない。

Modernaは11月中旬に暫定結果での同社のワクチンの有効性は94.5%だったと発表した。同じデータを使った最終分析の結果は暫定結果とほぼ同じで、効果的なソリューションが早く利用できるようになることを願っている人にとって期待できるニュースだ。このデータはまだ専門団体のレビューを受けていない。しかし同社はフェーズ3の治験で得られたデータを科学専門誌に提出するところだと話している。

Modernaのワクチンは、前代未聞のグローバルパンデミックを受けて2020年初めに始まった新型コロナワクチンの開発・生産・供給を促進するための米国のOperation Warp Speedプログラムの一環だ。Pfizer(ファイザー)がパートナー企業BioNTech(ビオンテック)と共同で開発したワクチン、オックスフォード大学とAstraZenecaが共同開発したものなどもフェーズ3治験を進め、緊急承認と供給の準備を進めている。Pfizerはすでに緊急使用をFDAに申請した。一方、オックスフォード大学のワクチンでは、驚くほどの効果が得られた治験でワクチン接種量に誤りが見つかったため、新たな治験を完了するまでは米国で緊急使用の申請は行わない見込みだ。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:Moderna新型コロナウイルスCOVID-19ワクチン

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(翻訳:Mizoguchi

趣味のオンラインレッスン「miroom」運営のミコリーが2億円調達、マーケティングやコンテンツ強化

趣味のオンラインレッスン「miroom」運営のミコリーが2億円調達、マーケティングやコンテンツ強化

趣味のオンラインレッスンサービス「miroom」運営のミコリーは11月30日、シリーズAにおいて、第三者割当増資として総額2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、既存株主ANRIに加え、大和企業投資、サムライインキュベート(Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合)、アドウェイズ、三生キャピタル、個人投資家2名。

調達した資金は、「国内外での新規顧客獲得のためのマーケティング強化」、「miroomの成長加速に向けたアプリ・コンテンツ開発」、「開発人材、幹部人材の採用強化」といった用途にあてる。

miroomは、著名な先生による趣味の本格的なレッスンをオンラインで受けることができるサービス。レッスンを開講している先生は200名ほど。レッスン内容は手芸やフィットネス、盆栽など20カテゴリーと多岐に渡り、レッスン数も1500件以上にのぼる。

受講希望者は、月額1980円(税抜)の月謝会員になると好きなレッスンをいつでも受講でき、また先生がレッスンの中で使っているものと同じ材料や道具を購入可能。単にコンテンツを提供するだけでなく、しっかりと作ることができる体験を提供するため日夜サービス開発にミコリーは取り組んでいるという。

趣味や習い事にすでに興味を持っている方だけでなく、コロナ禍による外出自粛や、介護・入院・育児といった外部要因により興味を持っているけれど気軽に趣味や習い事を満喫できない方が多数受講しているそうだ。

また、レッスンを提供する先生も、コロナ禍によりリアルの教室・サロン経営に影響が出ており、先生方が継続して創作活動を行えるよう、同社では独自での緊急支援施策(資金面含む)を実行しているという。

ミコリーは、2015年創業のITスタートアップ企業。「Enjoy a New Thing, Find a New You.」というビジョンの下、人々の余暇の時間が拡大していく中で、その過ごし方の変化と、個人が力を持ち自己実現をしていく時代を捉え、SNS時代のワンストップレッスンサービスを提供している。

レッスンを受けたり、その中で作品を作ったり見せたりする習慣は、世界共通としており、miroomを通じて、人々の余暇の楽しみを最大化できるよう、日々取り組んでいる。

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カテゴリー:EdTech
タグ:COVID-19(用語)資金調達(用語)新型コロナウイルス(用語)miroomミコリー日本(国・地域)

Pinterestが「クラスコミュニティ」を含むオンラインイベント機能をテスト中

Pinterestがオンラインイベントに進出しつつある。同社がテストしていることが判明したのは、ユーザーはPinterestからZoomのクラスに申し込むことができ、クリエイターはPinterestのクラスのボードから教材やノートなどを作ったりグループチャットで参加者と会話をしたりできる新機能だ。同社はオンラインクラスを開発中で実験していることを認めたが、今後の計画に関する詳細は明らかにしなかった。

この機能は米国時間11月24日にリバースエンジニアのJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏が発見した。同氏はアプリのコードからオンラインクラスの詳細を見つけた。

現時点では@pinsmeditation@pinzoom123など「デモ」のプロフィールを見ることができ、このアカウントにはクラスコミュニティもある。ただしコミュニティをタップしても中身は空だ。ウォン氏によれば、コミュニティの機能はまだリリースされていないからだという。

コミュニティの機能が公開されたときには、あるいは公開された場合には、参加する際に用意するものやメモ、写真のリストなど、クラスの教材をクリエイターが整理するためのセクションが含まれるだろう。クリエイターはコミュニティを使ってクラスの概要を説明したり、関連のあるショップやグループチャット機能などにユーザーを誘導したりすることもできるかもしれない。

コミュニティは基本的にはPinterestのボードを拡張したもので、クリエイターはこれを使って参加者からの質問に答えたり、クラスの写真を共有したり、参加者と交流をしたりすることもできる。

クラスに参加したいユーザーは「予約」ボタンをタップして申し込む。するとミーティングの詳細がメールで送られてくる。他に、Zoomのダウンロードや、クラスに参加するためのリンクをコピーするボタンもある。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が広がる中でPinterestプラットフォームがリモート学習のリソースを整理するのに人気のツールになっていることを考えれば、同社がオンラインイベントの分野に進出するのは驚きではない。教員は授業計画を記録したりヒントを得たり教育活動を共有したりするためにPinterestを使うようになってきた。新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた頃、Pinterestはオンラインで情報を整理するツールとして有用であることから、3月の週末に世界中でかつてなかったほど多くの検索と保存が実行された(未訳記事)と、同社はその記録的な利用状況を発表していた。

この成長は2020年を通じて続いている。2020年10月にはPinterestの収益とユーザー数の増加の指標が発表され、収益が好調だったことから同社の株価が急騰した(CNBC記事)。収益は3億8350万ドル(約400億円)の予測に対して4億4300万ドル(約462億円)で、月間アクティブユーザー数は4億3640万人の予測に対して4億4200万人だった。その要因としては新型コロナウイルスの影響以外にも、世界中で多く利用されるようになったことやFacebook(フェイスブック)を避ける広告主からの広告収入の増加、そしてiOS 14のホーム画面をパーソナライズする機能で注目を集めて急成長したことがある。

米国は新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むことができていないため、もうじき年が明けようとしているがクラスやイベントなどの活動の多くはバーチャルのままだ。感染拡大で勢いがついたオンラインイベントの市場は今後何年も成長し続けるかもしれない。

Pinterestの広報担当者は問い合わせに対し「我々はクリエイターがオーディエンスともっと緊密にやりとりできるように複数の方法を実験しています」と述べた。

Pinterestはオンラインイベントに関する計画を詳しくは認めなかったが、この機能を開発中でテストは製品の方向性を示すものだと述べた。

新機能を広く公開する前にテストをするのはPinterestではよくあることだ。2020年6月にTechCrunchは、Pinterestがストーリーピンを開発中であると報じた(未訳記事)。その後、同社は9月にこの機能を公開した。オンラインイベントも同様のスケジュールで進むとしたら、2021年前半のどこかのタイミングでこの機能を広く利用できるようになるかもしれない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Pinterest新型コロナウイルスeラーニング

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Kaori Koyama)

アストラゼネカの新型コロナワクチン治験で誤り、追加の治験実施へ

製薬会社AstraZeneca(アストラゼネカ)の新型コロナウイルスワクチンのフェーズ3臨床試験(治験)で、効果が高かったグループのワクチン投与量に誤りがあったことが明らかになり、同社のCEOはグローバルで追加の治験を行うとBloomberg(ブルームバーグ)に語った。AstraZenecaとパートナーのオックスフォード大学は、ワクチン2回分を投与したグループで62%の効果を、半回分の投与後に追加で1回分を投与したグループで90%の効果が確認されたとする暫定結果を発表していた。しかし後者については実際は、本来2回分を投与するはずのものを誤って1.5回分投与したにすぎなかったことに科学者が後で気づいた。

はっきりさせておくと、これはオックスフォード大学とAstraZenecaのワクチンに対する期待をくじくものではないはずだ。結果はかなり有望であり、追加の治験はアクシデントの半回分投与の結果が実際に意図的に行った時にも裏づけられることを証明するために行われる。追加の治験は米食品医薬品局(FDA)が米国内での使用を承認するのに必要な米国で計画されている治験の前に行われる見込みで、結果的にオックスフォード大のワクチンが米国で承認されるのにさらに時間がかかることになりそうだ。

AstraZenecaのCEOによると、安全性データを含めこれまでに行われた研究には米国以外の国からの参加者があったため、オックスフォード大のワクチンの米国外での展開はおそらく影響を受けない。

Moderna(モデルナ)とPfizer(ファイザー)のワクチン候補もフェーズ3治験でかなり高い効果を示した一方で、AstraZenecaのワクチンには非常に大きな期待が寄せられている。というのも、異なる手法を用いているAstraZenecaのワクチンは冷凍させるのではなく冷蔵庫の温度で管理・輸送でき、ModernaとPfizerが開発中の2つのワクチンに比べるとコストはわずかだからだ。

そのため、AstraZenecaのワクチンはコストや輸送インフラが大きな懸念事項となっている国への配布を含め、世界中のワクチン接種プログラムにとってかなり貴重なリソースとなっている。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:オックスフォード大学新型コロナウイルスCOVID-19ワクチン

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(翻訳:Mizoguchi

Proxyclickの来訪者管理システムが新型コロナ時の従業員入退管理に拡張

Proxyclick(プロクシクリック)は、簡単に来訪者を管理できるiPadを使った入退システムの企業として産声を上げた。だが、新型コロナウイルスのパンデミックが居座るようになると顧客の需要が変化し、それに合わせてPloxyclickも変わってきた。米国時間11月25日、同社は新型コロナ時代に従業員の入退を管理できるようデザインされた新システム、Ploxyclick Flowを発表した。

「新型コロナに襲われたとき、従業員も新規の訪問者と同じだと顧客からいわれました。要するに、これまで来訪者に必ず尋ねていた厳密な質問や、いつ来るのかといった確認を自社の従業員に対しても行わなければならなくなったというのです。そこで私たちは、プラットフォームを拡大してこれに対応しました」と、Proxyclickの共同創設者でCEOのGregory Blondeau(グレゴリー・ブロンドー)氏は説明する。

つまり、一定した出入りのある来訪者の管理ではなく(もちろんそれにも対応できるが)、パンデミックの間、地元の規制に従って短期間だけオフィスを開設したい顧客にターゲットを絞ったということだ。こうした目的にプラットフォームを適合させるために、同社はスマートフォンアプリProovtr(プルーバー)を開発した。これを使えば従業員は、オフィスに入る前に入館手続きができ、健康チェック項目に答えて、他に誰がオフィスに来るかを確認し、建物が密にならないように配慮できる。

従業員がオフィスに到着すると、体温チェックを受ける。次にProovrアプリで発行されたQRコードをProxyclickのシステムなど備え付けの入退システムに見せて建物に入る。モバイルアプリの他にも、同社は近隣のいくつもの建物管理システムやセキュリティーシステムと連携できるシステムを開発しているため、顧客はすでに導入済みの設備と合わせて、このアプリが使えるようになる。

さらに、顧客ごとに独自な入退の決まりに対応できるよう、ワークフローエンジンを強化した。新型コロナ対策ワークフローは、そんな数あるワークフローの中の1つだが、買ってきたままの、1つの決まった形で使いたい人ばかりではないことを理解しているブロンドー氏は、柔軟性のあるシステムを考えた。

「そのため苦労したのは、すべてのシステムを統合しつつ、その後に従業員のスマートフォンでワークフローをグループ化して、各団体が独自のワークフローを定義してスマートフォンに展開できるようにするという技術的な問題でした」とブロンドー氏は話す。

建物に入ると、システムはその人物の来館を登録し、新型コロナウイルスに曝露した場合に接触追跡が行えるよう、その情報がシステム内に2週間保存される。建物を出たときは自分でチェックアウトをしなければならないが、もし忘れても、深夜に自動的にチェックアウトされる。

同社は2010年に設立され、現在185万ドル(約1億9300万円)を調達している。もっとも新しいものは、1月のシリーズB投資15万ドル(約1570万円)だ(未訳記事)。

関連記事:個人の違法解雇につながる?雇用主は従業員に新型コロナテストを実施できるのか

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Proxyclick新型コロナウイルスCOVID-19

画像クレジット:Proxyclick

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(翻訳:金井哲夫)

YouTubeが右翼チャンネルOANを利用一時停止と広告非掲載に、新型コロナ誤情報動画が理由

YouTube(ユーチューブ)は米国時間11月24日、右翼ケーブルチャンネルのOne America News Network(OANまたはOANN)の利用を一時停止(Axios記事)したことを正式に認めた。処分はYouTubeが規定している「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の医学的に誤った情報に関するポリシー」に違反したことが理由。この結果OANは今後1週間新たな動画の投稿が禁止され、既存の動画は期間中収益がなくなる。

Google(グーグル)傘下の動画サービスは以下の声明をTechCrunchに提供した。

このパンデミックが始まって以来、当社は新型コロナウイルスに関連する有害な誤情報がYouTubeで流布されることを防ぐ努力を続けてきました。入念な調査の結果、保証された治療の存在を主張するコンテンツを禁止している当社のCOVID-19の医学的に誤った情報に関するポリシーに違反したことに対し、OANNのビデオを削除するとともに同チャンネルにワンストライクを与えました。また、当社のCOVID-19誤情報ポリシーおよその他のの収益化ポリシーを繰り返し違反したため、同チャンネルをYouTube Partner Program(ユーチューブパートナープログラム)から一時除外し、その結果YouTubeでの収益化が一時停止されます」

同サービスにはスリーストライクポリシーがあり、最初のツーストライクにも独自のポリシーがある。上記の処分に加えて、違反したビデオはチャンネルから削除された。これはOANの最初のストライクだ。サイトには以下のように書かれている。

当社ポリシーに従わないコンテンツを2度目に発見したとき、ワンストライクが与えられます。

これは、以下の行為を1週間行えなくなることを意味します。

・ビデオ、ライブストリーム、またはストーリーのアップロード
・カスタムサムネイルあるいはコミュニティー投稿の作成
・プレイリストの作成、編集あるいはコラボレーターの追加
・「Save(保存)」ボタン使用によるウォッチページへのプレイリストの追加または削除

元の権限は1週間経過後自動的に復活しますが、与えられたストライクはあなたのチャンネルに90日間残ります。

90日期間中のツーストライク目は2週間の利用停止になる。90日期間中のスリーストライク目はチャンネルの終了を意味する。

OANは最近、Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏と彼の政権のお気に入りになった。先の選挙で長年のお気に入りケーブルネットワークだったFox Newsが、ライバルのJor Biden(ジョー・バイデン)氏勝利を伝えてからは特にそうだ。

One America Newsは、選挙結果を誤って報じた「Trump Won(トランプ勝利)」などの動画でも批判を受けている。YouTubeはそのビデオを虚偽情報を理由に削除することはなかったが、動画から広告を削除し、「我々は選挙終了後も警戒を怠りません」と記した警告を付加した。

関連記事:YouTubeが「トランプ勝利」動画の広告を削除するも掲載は継続

カテゴリー:ネットサービス
タグ:YouTube新型コロナウイルスCOVID-19

画像クレジット:Olly Curtis/Future / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナ追跡アプリのデータを豪情報当局が「付随的」に収集していたことが明らかに

オーストラリアの情報機関が、新型コロナウイルス接触追跡アプリCOVIDSafeの立ち上げから6カ月間にわたって「付随的」にデータを収集していたことを政府の監視当局が発見した。

政府のスパイ・盗聴機関を監督する豪政府の情報活動コミュニティ監察官が米国時間11月23日に公開したレポートには、アプリデータが「他のデータを合法的に収集する過程」で入手された、と書かれている。

しかし監視当局は、機関が「COVIDアプリのデータを暗号化前の状態に戻したり、アクセスしたり、使ったりした」という証拠はないと述べた。

付随的な収集は、故意に狙ってはいなかったものの幅広い情報収集の一環として入手したデータを表現するのにスパイがよく使う言葉だ。この手の情報収集はアクシデント的なものではなく、スパイ機関がたとえば膨大な量のデータを運ぶ光ファイバーケーブルに侵入した結果だったりする。豪政府の広報官はこのニュースを最初に報じたメディア(iTnews記事)に対し、付随的な収集は「令状執行」の結果としてもあり得ることだ、と語った。

報道では、付随的な収集がいつ止まったのかについては言及していなかったが、情報機関が「法を遵守するために積極的な行動を取り、データは実行可能になり次第、早急に削除される」と具体的な日付なしで報じた。

政府の情報機関がCOVID-19接触追跡データにアクセスできるかもしれない、というのはあり得る最悪の結果だ。

新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、国々、そして米国などの国の各州はウイルス感染拡大を阻止するために接触追跡アプリの構築を急いだ。しかしこれらのアプリは機能とプライバシーという点においてかなり差がある。

大半のアプリは、ユーザーが接触したかもしれない感染者を追跡するのにBluetoothを使ったプライバシー尊重のアプローチを取った。またアプリの多くは、数百人もの学者が支援したApple(アップル)とGoogle(グーグル)のシステムを実装することを選んだ。しかしイスラエルやパキスタンのように一部の国は、位置情報を追跡するなどプライバシーを侵害するようなテクニックを活用している。この手法は、政府が人々の所在を監視するのに使うことができる。イスラエルの場合、追跡が大きな議論を巻き起こし、裁判所はアプリ閉鎖を命じた。

オーストラリアの監視当局は、どういうデータが情報機関によって収集されたのか具体的に示さなかった。アプリはBluetoothを活用しており、位置情報は使っていない。しかし、感染者と接触した可能性のある人に政府の衛生当局が連絡できるよう、アプリユーザーは名前や年齢、郵便番号、電話番号などの個人情報をアップロードする必要がある。

豪州ではこれまでに新型コロナの感染者2万7800人超、死者900人超が確認されている。

関連記事:AppleとGoogleが共同開発する新型コロナ追跡システムは信頼できるのか?

カテゴリー:セキュリティ
タグ:新型コロナウイルスCOVID-19オーストラリア個人情報プライバシー接触者追跡

画像クレジット:Icon Sportswire / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

オックスフォード大学の新型コロナワクチンも効果を確認、安価で管理が容易なタイプ

製薬会社AstraZeneca(アストラゼネカ)と提携して開発しているオックスフォード大学の新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンは、フェーズ3治験の予備結果で70.4%の効果が確認された。この数字には、2種の投与方法で得られたデータを含んでいる。1つのグループには2回分を投与し、効果は62%だった。もう1つのグループには半分の量を投与してから間を空けて1回分を追加投与し、効果は90%だった。

オックスフォード大学の治験結果は、Pfizer (ファイザー)やModerna(モデルナ)のもののように目を惹く高い効果ではないかもしれない。しかし、いくつかの理由で最も有望な要素を含んでいる。まず、2回に分けて投与する手法の効果が今後の結果や分析でも認められれば、オックスフォード大学のワクチンは使う量を抑えつつ、高い効果を得ることができることを意味する(効果がさほどなければフルに2回分の量を使用する理由はない)。

2つめに、オックスフォード大学のワクチンは通常の冷蔵庫の温度(摂氏1.6〜7.2度)で保存・輸送することができる。この点に関し、PfizerとModernaのワクチン候補はかなりの低温で管理される必要がある。通常の冷蔵庫温度での管理が可能なことは、輸送する際やクリニック・病院などで管理する際に特別な設備が必要ないということになる。

オックスフォード大学のワクチンは、mRNAをベースとしたModernaやPfizerのワクチンとは異なるアプローチを取っている。mRNAベースの手法は、ウイルスを体内に入れることなくウイルスをブロックする作用のあるタンパク質を作るための設計図を提供するのにメッセンジャーRNAを使うというもので、人体への使用に関してはどちらかというと未知の技術だ。一方、オックスフォード大学が開発しているワクチン候補は、アデノウイルスワクチンだ。何十年もの間使われてすでに確立された技術であり、遺伝子を操作して通常の風邪のウイルスを弱体化させたものを注入し、人の自然免疫反応を引き起こす。

最後に、オックスフォード大学のワクチンは安い。これは部分的にはすでに試験・テストされたテクノロジーを使うためだ。確立されたサプライチェーンもあり、輸送・保管がしやすいというのも貢献している。

オックスフォード大学のフェーズ3のワクチン治験には2万4000人が参加し、2020年末までに6万人に増える見込みだ。安全性に関するデータではこれでまでのところリスクは特に見られなかった。暫定分析では131人のコロナ感染が認められたが、ワクチンを接種した人で重症化したり入院が必要になったりしたケースはなかった。

これは、はっきりと効果が認められる新型コロナワクチンのサプライチェーンの幅を広げる、有望なワクチンという素晴らしいニュースだ。可能な限り早く多くの人に接種できるという点において、複数の有効なワクチンを持つというだけでなく、複数の異なるタイプの効果的なワクチンを持つ方がはるかにいい。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:オックスフォード大学新型コロナウイルスCOVID-19ワクチン

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(翻訳:Mizoguchi

ファイザーとBioNTechが新型コロナワクチン候補の緊急使用承認を申請

米国時間11月20日、有力な新型コロナウイルスワクチン候補の1つを製造している2つの企業が、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)に予防治療の緊急使用承認(EUA)を申請した。今週初め、国際共同第3相臨床試験データにおいてワクチンが95%の有効性を示したことを明らかにしたPfizer(ファイザー)とBioNTechは、米国だけでなくオーストラリア、カナダ、ヨーロッパ、日本、英国でも緊急承認申請を行っており、2020年12月末までに「高リスク集団」でのワクチン使用を開始するための道を開く可能性があると述べている。

FDAのEUAプログラムは、現在のパンデミックのような軽減事由が満たされている場合、治療薬会社が早期承認を求めることができる。情報のサポートと安全性データの提供が必要とされるが、一般的に新薬や治療法が実際に広く投与できるようになる前に行われる完全な、正式な、より永続的な承認プロセスと比べて、優先的に審査が行われる。

ファイザーとBioNTechのワクチン候補は本質的に、SARS-CoV-19(新型コロナウイルス感染症の原因となるウイルス)が細胞に付着する能力をブロックする特定のタンパク質を産生する方法の指示を、人体に与えるというmRNAベースのワクチンだ。このワクチンは最近、第3相臨床試験が行われており、これまでに4万3661人が参加している。両社は参加者の中から確認された170例のデータ、8000人の参加者から積極的に募集した安全性情報、受動的に収集した3万8000人の補足データなど、FDAにEUAを申請するための裏付けとなる情報を提出している。

このワクチンやその他の後期開発段階にあるワクチンは、世界的に生産の準備が進められており、EUAは第一線で働く医療従事者を含む高リスク者へのアクセスを許可する可能性があるが、広範なワクチン接種プログラムの開始はおそらく来年以降、2021年後半になると思われるということは、記しておく必要があるだろう。

カテゴリー:バイオテック
タグ:PfizerBioNTech新型コロナウイルスCOVID-19ワクチン

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(翻訳:TechCrunch Japan)

空気循環とUV-C光を組み合わせて新型感染リスク低減に役立つ家庭用装置「Nanowave Air」

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の原因となるウイルスが、エアロゾル(長時間空中を漂う可能性のある小さな粒子)を介して運ばれることは知られている。今では世界中の研究者およびエンジニアが、リスクの高い場所での空気循環を促し、空気中にあるかもしれない活性ウイルスを殺すことに注意を向けている。そのような努力の成果の1つがNanowave Air(ナノウェーブ・エア)だ、このデバイスは、ピッツバーグに拠点を置くDynamics(ダイナミクス)によって開発された(NEXT Pittsburg記事)もので、UV-C光を安全に封じ込めた方法で利用して、換気の悪い場所でのウィルスを不活化する。

Nanowave Airは、一般家庭にある空気清浄機と基本的には同じ原理で動作する。ファンを使って空気を取り込み、それを部屋に戻す前にフィルターを通すのだ。一般的なものとの違いは、この製品のフィルターが実際に紫外線、特にUV-C光で照射されているということだ。UV-C光は、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2ウイルスを殺すために有効であることが証明されている。

UV-C光は、私たちが普通は日光からかなりの量を受けている一般的なUV-A光とは異なる。また、UV-C光への直接暴露は人間にとって有害だ。これまで室内のウイルスを表面殺菌するために使用されてきたが、殺菌中は部屋を利用することができず、一般的に使用されている部屋は当時は占有できず、使用が終わって人がまた入ってきた後は効果は持続しない。

Nanowave Airは、カーネギーメロン大学のスピンアウトであるDynamicsによって開発された。すでに大規模な産業用途のためにUV-C光源に取り組んでいたDynamicsのCEOが、その技術を新型コロナ危機への対処に適用できるのではと考えたのだ。このことがポータブルなNanowave Airの開発につながった。それはおよそ趣味用の望遠鏡サイズで、内部にUV-Cライトを内蔵している。そしてファンを使って空気を高速に吸い込みあらゆる活性ウィルスを不活化することができる。また動作中でも同じ室内に人間が居続けることもできる。

Nanowave Airは現在、3450ドル(約35万8000円)の小売価格で販売されている。これは、プライマリ・ケア施設、歯科医院、その他の共有スペースでの使用が意図されている。これは現在、ソーシャルディスタンスガイドラインや室内暴露に関するガイドラインがある中で、複数の人間が同じ場所を共有せざるを得ないような場所での使用ということだ。同社は、ピッツバーグ大学ワクチン研究センターを含む米国全土の多くの研究室で、その技術をテストしてきたが、現在は新型コロナ陽性の個人が住む一部の家庭で、まだ病気に罹患していない他の家族への暴露の可能性を減らすために利用されていることを公表した。

今週は、新型コロナウイルス用のワクチン開発に関する、2つの大きな肯定的ニュースを目にした。しかしそれが長期的には上手く働いて、供給も迅速に増えて行くとしても、世界的に新型コロナウイルス感染症を食い止める努力の一環として、ワクチンを受けていない人たちの間での感染を避けるために多くの防御手段を講じる必要がある。空中を浮遊するウイルスを管理することは、もちろん重要な対策であり、Nanowave Airのようなソリューションは、そうした努力の促進に役立つ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Dynamics新型コロナウイルスCOVID-19

画像クレジット:Dynamics, Inc.

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(翻訳:sako)

ファイザーの新型コロナワクチンの予防効果は95%と判明、緊急使用許可申請へ

製薬会社Pfizer(ファイザー)は新型コロナウイルス感染症ワクチンのフェーズ3臨床試験データに関する最新の分析を明らかにした。それによると、4万4000人が参加した治験を分析した最終結果でワクチンの効果は95%だった。同社が米国時間11月9日に発表した初期データよりも高い有効性だ。初期データではフェーズ3治験データの暫定分析に基づく予防効果は90%と発表していた。

今回の発表は、Moderna(モデルナ)が開発するワクチンのフェーズ3臨床試験の分析に続くもので、Modernaは94.5%の有効性が認められたと発表していた。Pfizerとパートナー企業BioNTech(ビオンテック)のワクチンはmRNAをベースとした手法だ。Modernaのものと似ていて、2つのワクチン候補の効果はほぼ同程度のようだ。対象が限られ、今後科学者によってレビューが行われることになるが、少なくとも今のところはそうだ。

最終分析のPfizerのデータは、治験参加者4万4000人のうち170人で新型コロナ感染が確認されたことを示している。170人のうち162人はプラセボ(偽薬)が投与されたグループで、残る8人のみが実際にワクチン候補を投与された。同社はまた、重症となった10人のうち9人がプラセボグループで、新型コロナ感染を防げない稀なケースでもワクチンが重症化を防ぐのに役立つと考えられる、とも報告した。

今回の発表はPfizerが米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可(EUA)を認められるのに役立つはずだ。EUAが承認されれば、本来のプロセスで最終的な承認が下りる前に緊急手段としてワクチンを供給できる。今週初めに同社は、治験参加者の2カ月分のフォローアップデータをすでに集めたと明らかにした。フォローアップデータは承認に必要なもので、同社は「数日以内」にEUA申請する意向を示していた。同社は年内にワクチン製造を開始し、2021年末までに最大13億回分のワクチンを製造する計画だ。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:PfizerBioNTech新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:JUSTIN TALLIS/AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ソフトバンク孫正義氏「手元キャッシュ8.3兆円、楽観的だが短期的には突発事態も予測」

日本のテクノロジーコングロマリット、SoftBank(ソフトバンク)の創業者で会長、CEO(最高経営責任者)の孫正義氏は、この1、2年大波乱を経験した。しかし今回のDealBookでのインタビュー(The New York Times記事)で孫氏は「自分が復帰してからグループは黒字になった」という点を強く主張した。

米国時間11月17日、バーチャル開催されたDealBookカンファレンスが配信され、孫正義氏は東京から参加してTikTokの今後を含め、幅広い話題について語った。ソフトバンクはTikTokの親会社、ByteDanceの大口投資家であるため当然見通しは楽観的だ。一方、ソフトバンクが投資失敗で数十億ドル(数千億円)を失ったWeWorkの追放された共同ファウンダーであるAdam Newman(アダム・ニューマン)氏については「いつか彼は大成功するだろうと強く信じています」と述べている。一方、孫氏が大規模な資産売却を実行したことにより、ソフトバンクには「手持ちキャッシュが800億ドル(約8兆3200億円)ある」として臨機に大型投資する能力に不安がないことを強調している。

孫氏の発言をリアルタイムで見なかった読者も多いと思うので、ハイライトを紹介したい。孫氏は「楽観的だが短期的には悲観的事態も予測」しているらしい。

新型コロナウイルスパンデミックの影響

孫氏は去る2020年3月、新型コロナウイルス(COVID-19)に対する見解をツイートした後、日本の医療専門家からパニックを引き起こそうとしたと強く批判されたと語った。

その後ソフトバンクは、日本最大級の民間検査施設の運営をスタートした。日本は人口1億2650万人で、現在1日あたり約1300件の新規感染が確認されている(米国は人口3億2800万人に対して、1日あたり16万6000以上の新規感染)。

パンデミックとの戦いで日本がこれまで成功を収めている点について孫氏は「人々は自発的にマスクを着用しています。みんなマスクの重要性を強く意識している」と述べ市民を称賛した。しかしワクチンの大量生産と接種が実現には、時間がかかる。孫氏は「この2、3カ月であらゆる災害」が発生し得ると警告した。「大手企業が突然破綻してドミノ現象を引き起こす」可能性があるという。つまり2008年にリーマン・ブラザーズが突如倒産し、金融業界全体に激震が走ったのと似たような事態だ。

孫氏は「現在のような状況ではどんなことが起きるかわからない。ワクチン開発が進んでいるというのは良いニュースですが、まだ最悪のシナリオに備える必要があると考えています。いま私たちの手元には800億ドルのキャッシュがあります。この種の危機では万一の場合に備えたキャッシュの用意が非常に重要になると思います」と述べた。

巨額キャッシュの使いみち

インタビューを行ったAndrew Ross Sorkin(アンドルー・ロス・ソーキン)氏は、孫氏はElliott Managementについては特に言及しなかったと述べた。このヘッジファンドはソフトバンクグループの第2の大株主であり、同ファンドが孫氏に大規模な資産売却と株価テコ入れのための自社株買いを行うよう圧力をかけたと報道されている

孫氏は、低迷したソフトバンク株を買い戻したのは自分で決めたことだと述べた。3月に株価が暴落したとき同氏は「時価総額が70%、いや75%も下がった。あ、これは最高のタイミングだと思って買い戻しを決断した」という。つまり以前の4分の1の価格で自社株を購入できたわけだ。「これは絶対に買いだ」と思ったという。

資産売却で得たキャッシュの使いみちについて、孫氏は「パンデミックのために業績が悪化している既存のポートフォリオ企業に資金を供給するためなのか、それとも株価が暴落した他の企業の株を割安に買えると期待したのか」という質問にも答えた。

当然のことながら孫氏は資金の使いみちとしてポートフォリ企業を挙げ、「こうしたトップ企業にすかさず投資することにはとても積極的です」と述べた。こうした追加資金によってユニコーンの株価は大きく改善したという。

WeWorkへの投資失敗の教訓

ソーキン氏はユニコーンでは、WeWorkの件について触れた。WeWorkは、ソフトバンクが少なくとも185億ドル(約1兆9240億円円)を投資したことで有名だが、孫氏は同社の事業不振で数十億ドルの損失を被った(The Japan Times記事)ことを認めた。

ソーキン氏は、WeWork事件からソフトバンクはどういう教訓を得たのかと尋ねた。孫氏はインタビューの後半で「間違った決定をしたと認めることが、失敗から教訓を得る方法です」と述べたものの、WeWorkに関しては必ずしもソフトバンク側の失敗だとは考えていないらしく、共同ファウンダーで1年前に会社を追われた元CEO、アダム・ニューマン氏に問題があったことを示唆した。

「これは、アダム・ニューマン氏が自分の間違いから教訓を汲み取っているところだと思います。ニューマン氏は非常に優秀な人間なので、いくつかの判断ミスをしたことを認めていると思います。彼は頭が良くアグレッシブで、多くの才能を持ち、自分のビジョンを売り込む高い能力がある。リーダーとして素晴らしいタイプだと思います。しかしニューマン氏がいくつかの間違いを犯したことも確かです。間違いを犯さない人間はいません」と孫氏は述べた。

「私(孫)にも間違った意思決定の責任の一部があります。いまでもニューマン氏が好きですし、尊敬しています。ニューマン氏はやがて復活して、素晴らしいことをしれくれるはずだと確信しています。いつか大成功を収めるでしょう。WeWork時代のあれこれから多くの教訓を学んだと思います」と孫氏は付け加えた。

米国政府とTikTokの米国事業

TikTok事業の成否にも孫氏は重大な関係がある。TikTokの親会社であるBytedanceの30億ドル(約3120億円)の資金調達ラウンドをリードしたのは約2年前だった。当時780億ドル(約8兆1100億円)の価値があったが、最近の報道によれば、未公開企業でありながら1800億ドルと(約18兆7200億円)いう途方もない会社評価額で新ラウンド(Reuters記事)を実施中だという(このアグレッシブさは極めてソフトバンク的スタイルの投資だ。ソフトバンクが次のラウンドを以前の評価額の2倍以上でリードできるかどうかは興味あるところ)。

この秋、TikTokの米国事業を売却するようBytedanceに強い圧力がかかりOracle、Walmartが共同で値付けした点についても触れ、「大勢が楽しんでいるサービスが、ありもしないことに対する懸念から政治的に中断されるなら残念なこと」と述べた。

実際、孫氏は親会社Bytedanceのトップと話し合った結果として、「TikTokは米国であれインド、日本、ヨーロッパであれ事業を展開している国々の国家安全保障やユーザーのプライバシーを損なう意図はまったくありません」と保証した。またTikTokに対する疑念が続く地域には、「国内にサーバーを設置するなど国家安全保障の保護について安心できるような解決策はあります。技術的な解決策は常にあるのです」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Googleマップに新型コロナ情報が追加、Googleアシスタントのドライビングモードがついに登場

米国時間11月17日、Google(グーグル)はGoogleマップのアップデートを発表し、新型コロナ関連の機能をいくつか追加した他、テイクアウトやデリバリーオーダーの状態を見られるようになり、待望のGoogleアシスタント・ドライビングモードがついにやってきた。

同社はGoogleマップの新たな統計情報も公開した。例えばGoogleはマップに毎日5000万件の改訂を加えている、ただしこれにはユーザーのレビュー、写真、レーティングなどのユーザー生成コンテンツも含まれている。また同社は、「popular times(訪問数の多い時間帯)」情報を世界2000万カ所で提供している。

画像クレジット:Google Maps

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の発表は2つ。まず、グーグルはiOS版GoogleマップのCOVID-19レイヤーを改訂し、地域の累積検出件数や地方自治体の新型コロナ情報へのリンクなどの新しい情報を加えた。次に、Googleマップは公共交通機関が現在どのくらい混雑しているかをリアルタイムで知らせられるようになり、ユーザーは混み合った電車やバスを避けることができるようになった。これはGoogleマップユーザーからのリアルタイムフィードバックに基づくもので、いまでもマップが店舗やレストランの混雑状況を表示しているのを知っている人なら想像できるだろう。

画像クレジット:Google Maps

ちなみに、パンデミック下でデリバリーサービスは結局のところ爆発的に伸びている(ただし未だに利益を上げるのには苦労している)。モバイル版Googleマップは、テイクアウトやデリバリー注文の配達状態をリアルタイムで表示できるようになった。現在米国、カナダ、ドイツ、オーストラリア、ブラジル、インドで利用できる。この機能を使うためには、AndroidまたはiOSのGoogleマップから注文する必要がある。

Android Auto対応の車を持っていないGoogleマップユーザーにとって、Googleアシスタントの新しいドライビングモードは待ちに待った機能だ。グーグルが初めてこの機能について話した(未訳記事)のは2019年5月のI/Oデベロッパー・カンファレンスだったが、よくあるように、I/Oで発表された機能は市場に出回るまで時間がかかる。当初は2019年夏に公開の予定だった。

画像クレジット:Google Maps

その目的は、ドライバーは電話があったことの通知を受け、テキストメッセージをGoogleアシスタントに読み上げさせ、音楽を制御する、このすべてをGoogleマップの中で行えるようになること。アシスタントを完璧に使いこなすことで、ドライバーの注意散漫を減らすことができる。現時点でこの新しいモードを利用できるのは米国のAndroidユーザーだけで、使える機能もまだ限られている。グーグルは今後機能を増やしていくことを約束しているが、このモードにどの機能が追加されるのかはわかっていない。

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カテゴリー:ネットサービス
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook