グーグルがタブレットや折りたたみスマホに最適化した「Android 12L」を正式発表、2022年中に対応機種に提供

Google(グーグル)は米国時間3月7日、Android OSの大画面端末向けに最適化したバージョンとなる「Android 12L」を正式発表した。2021年10月にプレビューが公開されていたこのAndroid 12Lでは、タブレット端末でAndroidをより使いやすくする機能が提供される。Googleによれば、このソフトウェアは2022年後半から、Samsung(サムスン)、Lenovo(レノボ)、Microsoft(マイクロソフト)の対応デバイスに提供が開始されるという。

Android 12Lの発想は、画面が600dp以上のタブレットや折りたたみ式デバイスのユーザー向けに、ユーザーインターフェースの最適化、マルチタスクの強化、互換性サポートの改善を行うことによって、より大きな画面のデバイスでアプリを実行したときに、デフォルトでより良い体験が得られるように、Androidを調整することだった。

例えば、Android 12Lでは、拡大されたスペースを活かし、通知シェードにクイック設定パネルと通知を2列に並べて表示できる。ロック画面でも2列のレイアウトで、通知と時計が表示される。設定画面も大きな画面に合わせて最適化されているので、それぞれのセクションに入ったり出たりすることなく、各種の変更を行うことができる。暗証番号の入力やロック画面のパターンも、手が届きやすいように画面の横に配置されるなど、いくつかの重要な操作も変更されている。

画像クレジット:Google

Android 12Lは折りたたみ式デバイスにも対応し、最適化されたホーム画面のグリッドと、折りたたみ時 / 展開時の洗練された移行により、ユーザーはたたんだ状態の外側画面から、開いた状態の大画面へ、シームレスに移動して使えると、Googleは述べている。

さらに12Lでは、新たにアプリを起動したり切り替えることができるタスクバーも、画面下部に追加された。これは画面長押しで、いつでも表示したり隠したりできる。ジェスチャーナビゲーションで最近使ったアプリをめくるようにすばやく切り替えたり、分割画面モードにしたり、上にスワイプしてホームに戻ったりすることもできる。

Android 12Lのユーザーは、直接タスクバーから別のアプリを画面にドラッグ&ドロップするか、概要で新たに加わった「分割」アクションを使うことで、分割画面を開始することが可能になった。つまり、例えばニュースを読みながらYouTube(ユーチューブ)の動画を見たり、Chrome(クローム)ブラウザでウェブ検索したり、Google Maps(グーグル マップ)を使ったりすることができるというわけだ(画面分割モード自体は目新しいものではないが、Android 12Lではよりアクセスしやすくなり、開発者がこのモードをサポートするためにオプトインする必要もなくなった)。

12Lでは、まだ大画面のデバイスに最適化されていないアプリのための互換モードでも、視覚および安定性が改善されている

画像クレジット:Google

このアップデート版Androidは、Googleが近年、Androidタブレットに対して行ってきたいくつかの改良に続くものだ。2020年には、タブレットに子ども向けモードの「Kids Space(キッズスペース)」が追加された。2021年開始した「Entertainment Space(エンターテインメントスペース)」では、映画、テレビ番組、電子書籍、ゲーム、動画など、あらゆるコンテンツがまとめられ、すべてに一カ所から簡単にアクセスできるようになった。

Android 12Lは、タブレット所有者のニーズに対応することを目的とするという点で、Apple(アップル)のiPadOSと似ているが、アップルがiOSとiPadOSで行ったような、Androidを分岐させて別のOSにするという方法を、Googleは実際には取らなかった。

Android 12Lの公式発表と同時に、Googleは自社デバイスの「Pixel(ピクセル)」に新機能セットをもたらすアップデート「Pixel Feature Drop(ピクセル・フィーチャー・ドロップ)」の最新版も発表した。この10回目のFeature Dropでは、Snapchat(スナップチャット)がNight Sight(夜景)モードに対応したり、リアルタイムで話し声を文字起こしするLive Caption(ライブキャプション)が電話中でも使えるようになったり、リアルタイム翻訳機能のLive Translate(ライブトランスレート)で対応言語が拡張されたりなどの機能が追加されている。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ファーウェイが手書きメモも可能な電子書籍リーダー「MatePad Paper」を発表、約6万4000円

最初の電子書籍端末が発売されてから20年近く経つものの、このカテゴリーが活況を呈しているとは決して言えない。楽天Koboのような企業が最善の努力を続け、Barnes & Noble(バーンズ・アンド・ノーブル)のハードウェアなどが残ってはいるものの、この10年以上の間、Amazon(アマゾン)のKindle(キンドル)が市場を支配し続けている。

今週のMWC(モバイル・ワールド・コングレス)では、窮するハードウェアメーカーのHuawei(ファーウェイ)が「MatePad Paper(メイトパッド・ペーパー)」という新製品を発表し、この市場への参入を表明した。10.3インチのEインクディスプレイを採用し、同社の筆記具「M-Pencil(Mペンシル)」で手書きメモを取る機能を備えたこの製品は、最終的にreMarkable(リマークブル)の製品が最も比較対象となる可能性がある。

同社の最新機種「reMarkable 2」をレビューしたDevin Coldewey(デヴィン・コールドウェイ)氏は、この製品が「ニッチを貫いている」と書いた(これはKindleシリーズ以外の電子インク製品のテーマでもある)。Huaweiは「ちょっとだけ、なんにでもなれる」を目指したデバイスで押し通すことを望んでいる。その中核は、Huawei Books(ファーウェイ・ブックス)電子書籍ストアにある約200万のタイトルの他、PDFを含むさまざまなファイル形式を閲覧できる巨大なリーダーだ。

関連記事:あらゆる面で初代を上回りニッチを貫くE Inkタブレット「reMarkable 2」

このデバイスは、Huawei独自のHarmonyOS(ハーモニーOS)を搭載している(これはAndroidを使えなくなった後の同社が、MWCで発表するテーマの1つだ)。しかし、そのことが、MatePad Paperをより電子インクタブレットに似た物にしている。現時点では、Huaweiは依然としてサードパーティ製アプリの利用が制限されているため、そのようなアプリは見当たらない。しかし、メールやノート、イベントなどのウィジェットは用意されている。

10.3インチの大画面は、ウィンドウを2つに分割でき、一方のウィンドウで本を読みながら、もう一方のウィンドウにM-Pencilでメモを書く(遅延は26ミリ秒)ことができる。ソフトウェア面におけるもう1つの特長は、Huaweiのノートパソコン「MateBook(メイトブック)」との間でファイルをすばやく行き来させられることだ。翻訳機能も搭載されている。

音声記録用のマイクとオーディオブック用のスピーカーが内蔵されていることも、このタブレットの命題を後援する特長だ。セキュリティのための指紋認証リーダーを搭載し、3625mAhのバッテリーは90分の充電で6日間の読書が可能な急速充電に対応している。

だが、これらすべての機能が色褪せる欠点は、この製品が499ユーロ(約6万4000円)と、電子書籍リーダーよりもハイエンドタブレットに近い価格で販売されていることだ。現在進行中の地政学的な問題により、この製品がいつか米国で正式に発売されると想像することは難しい。それでも、この製品は今週のMWCで最も興味深い消費者向け発表の1つである……と言えば、製品そのものよりもこの展示会について語ることになるかもしれない。

画像クレジット:Huawei

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

サムスンがハイエンドAndroidタブGalaxy Tab S8発表、11型液晶S8・12.4型有機ELのS8+・14.6型S8 Ultra

サムスンがハイエンドAndroidタブGalaxy Tab S8発表、11型液晶S8・12.4型有機ELのS8+・14.6型S8 Ultra

Galaxy Unpacked 2022イベントで、サムスンが Androidタブレットの新製品 Galaxy Tab S8 シリーズを発表しました。

Galaxy Tab S8シリーズは、同時発表のスマートフォン Galaxy S22シリーズと同じ4nmプロセスの最新世代8コア プロセッサを採用したハイエンド製品。

11インチ液晶ディスプレイのGalaxy Tab S8、12.4インチ有機ELのGalaxy Tab S8+ に加えて、Galaxy Tabで初めて「ウルトラ」を冠する14.6インチ版 Galaxy Tab S8 Ultra を含む大中小3サイズ展開です。

サムスンがハイエンドAndroidタブGalaxy Tab S8発表、11型液晶S8・12.4型有機ELのS8+・14.6型S8 Ultra
Galaxy Tab シリーズ伝統のS-Penスタイラスにも対応しており、前モデルよりさらに30%短縮した応答速度による滑らかな書き心地と、Bluetooth接続でペンがカメラやプレゼン用リモコンになる機能を備えます。

Galaxy Tab Sはスマホの Galaxy S と並ぶシリーズですが、前世代のGalaxy Tab S7 / S7+ が発売されたのは2020年。2021年には廉価版の Galaxy Tab S7 FE (Fan Edition)のみが登場したため、Galaxy Tab S8 / S8+ /S8 Ultraはタブレットのフラッグシップとして2年ぶりの新世代モデルです。

このTab S8シリーズの特徴は、スマホのGalaxy Sシリーズと同じ「無印・プラス・ウルトラ」の3サイズ天界になったこと。Galaxy Tab S8 Ultra は14.6インチ 2960 x 1848 (16:10)で120Hz駆動のSuper AMOLEDパネルを採用。縦横比が違うため対角インチ数でそのまま比較はできませんが、iPad Pro 12.9インチよりもさらに20%ほど広い画面です。

サムスンがハイエンドAndroidタブGalaxy Tab S8発表、11型液晶S8・12.4型有機ELのS8+・14.6型S8 Ultra
大画面ながら、周囲のベゼルは Galaxy Tab Sシリーズ歴代でもっとも細い約6.3mm。厚さは iPad Pro 12.9インチの6.4mmよりもさらに薄い5.5mm。一方で素材に「アーマーアルミニウム」を採用したことで、Tab S7より折れ曲がり耐性が40%向上しています。

サムスンいわく、大画面の「Ultra」タブレットを投入した理由はテレワークやビデオ通話の一般化と、ストリーミング動画サービスなどエンタメアプリの普及で、高性能な大型タブレットへの需要が高まっていること。

このうちテレワークやビデオ通話向け仕様としては、前面カメラに12MPと超広角12MPのデュアル構成を採用しました。120度の超広角カメラとAIによるオートリフレーム機能を備え、被写体が部屋のなかを動き回っても、二人目がフレームに入ってきても賢くズームイン・アウトして追従します。

サムスンがハイエンドAndroidタブGalaxy Tab S8発表、11型液晶S8・12.4型有機ELのS8+・14.6型S8 Ultra
筐体の三か所に別々の方向を向いて設置されたマイクによるノイズキャンセルもビデオ通話のための機能。面白いところでは画面収録と同時にフロントカメラ自撮りを重ねて、教材など「画面を操作しながら顔を見せて話すコンテンツ」をかんたんに収録できる機能も搭載します。

テレワークを含め大画面を活かす機能としては、サムスン自慢のマルチタスク機能も進化。標準で画面を三分割して、3つのアプリを同時に利用できます。

Androidは早い時期から画面分割マルチウィンドウに対応していたものの、OS側の扱いも半端な状態が続きアプリの対応もまちまちでした。しかしGoogleがマルチタスクを強化したタブレット向けOSの Android 12Lをベータ配布し開発者に対応ガイドラインを配布するなど、折りたたみスマホ向けを含めてマルチタスク・マルチウィンドウへの対応は強化されており、いよいよ時代が Galaxy に追いついてきた感があります。

サムスンがハイエンドAndroidタブGalaxy Tab S8発表、11型液晶S8・12.4型有機ELのS8+・14.6型S8 Ultra
マルチタスクといえば、Galaxy Tab SをPCの追加ディスプレイとして使う機能も強化。Windows PCと並べて、手書きが必要なアプリを Galaxy Tab Sに表示する使い方もできます。

デバイス連携としては、標準搭載のペイントソフトの CLIP STUDIO PAINT で、タブレット側を全画面で使いつつスマートフォンにツールパレットを表示して使う機能も備えます。

サムスンがハイエンドAndroidタブGalaxy Tab S8発表、11型液晶S8・12.4型有機ELのS8+・14.6型S8 Ultra
そのほか主な仕様は、RAMが構成により8GB / 12GB / 16GB、ストレージは最大512GB + microSDスロット最大1TB。45W急速充電対応の11200mAhバッテリー。モデルにより5G / LTE および Wi-Fi 6E対応、Bluetooth 5.2など。重量は726g (Wi-Fi) / 728g (セルラー)。

サムスンがハイエンドAndroidタブGalaxy Tab S8発表、11型液晶S8・12.4型有機ELのS8+・14.6型S8 Ultra
Galaxy Tab S8 と Galaxy Tab S8+ については、

  • 最小11インチの無印 Galaxy Tab S8 のみが液晶ディスプレイ、プラスとウルトラは Super AMOLED 有機EL
  • 無印 Galaxy Tab S8 のみサイドボタン指紋センサ、プラスとウルトラはディスプレイ内指紋センサ
  • 無印とプラスはフロントカメラがシングル12MP超広角のみ、ウルトラは広角12MPと超広角12MPデュアル

といった細々とした差があります。ディスプレイパネルは異なるものの、全機種120Hz駆動に対応します。

価格は Galaxy Tab S8 が700ドル、Tab S8+が900ドル、Tab S8 Ultra が1100ドルから。ペンを標準で含む価格です。キーボードカバーは別売り。

Engadget日本版より転載)

12.6型120Hz有機ELの高速Androidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」が日本発売、キーボード込み約13万円

12.6型120Hz有機ELの高速Androidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」が日本発売、キーボード込み約13万円

一時期の「高速・高級タブレットといえばiPad Proのみ」といった市場から一転し、昨年ごろより再び市場が活性化しつつある、Androidの高速タブレット。

中でもレノボ・ジャパンは、昨年の11.5インチ有機EL搭載機『Lenovo Tab P11 Pro』や、HDMI入力でモバイルディスプレイとしても使える13型液晶搭載『Yoga Tab 13』など、意欲的なモデルをラインナップしているメーカーです。

そんなレノボが、海外で高評価を得ている、最高120Hzのリフレッシュレート(可変式ではなく選択式)に対応した12.6インチ有機EL画面+クアルコムSnapdragon 870搭載モデル『Lenovo Tab P12 Pro』の日本版を発表しました。

販路は同社Web直販『レノボオンラインストア』で、発売日は1月28日の予定。気になる価格は、RAM 8GB/ストレージ 256GB/Wi-Fiのみモデルが、キーボードカバーとペンとのセットで13万円(税込)前後。単品構成や5G対応モデルはありません。

なお米国版では699.99ドルからとなっており、一見価格差が大きそうに見えますが、これはRAM 6GB/ストレージ 128GBという下位構成にあたるモデルで、なおかつ本体のみ。現状米国モデルもこの1構成のみなので、直接比較はできません。

参考記事Lenovo Tab P12 Pro 発表。120Hz有機EL採用のハイエンドAndroidタブレット (2021年9月)

12.6型120Hz有機ELの高速Androidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」が日本発売、キーボード込み約13万円
さて、同機の特徴はなんといっても、12.6インチの大画面有機ELディスプレイを搭載しながら本体重量が約565gと、「ある程度だったら手持ちでいける軽さ」である点。

直接的なライバルとなる現行の(ミニLED搭載液晶の)12.9インチiPad Proは682gなので、110g以上軽量。しかも600g台と500g台というのは、12.6インチ画面タブレットとしては体感重量にかなり“効く”差です。

本体サイズも、縦長状態で約184.53×285.61×5.63mm(幅✕高さ✕厚さ)と、とくに薄さが際立つ仕様。昨今のスマホやタブレットは薄型をことさら強調する例が増えていますが、筆者が海外モデルに触れてみたところ、さすがに12.6インチ画面で5mm台となると“実感を伴い”ます。

なお、12.9インチiPad Proは214.9✕280.6✕6.4mm。幅が30mmほど違うのは画面のアスペクト比が大きく異なるためですが(横長状態で本機は16:10、iPad Proは4:3)、このあたりもハンドリングには地味に影響する印象です(両機ともそもそもが大きくはあるのですが)。

そして「大画面で軽い」と聞くと気になるバッテリー駆動時間ですが、公称で最大約17時間。容量は10200mAhと、このあたりはさすがに大画面タブレットの水準といったところでしょう。なお急速充電は、ノートPC並の45Wに対応します。

12.6型120Hz有機ELの高速Androidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」が日本発売、キーボード込み約13万円
そしてもう一つの特徴は、搭載する有機EL画面です。解像度は2560×1600でアスペクト比は16:10、最高輝度も600ニトで、HDR映像ソースはドルビービジョンとHDR10+にも対応。さらにスピーカーも4ユニットを搭載したJBLとのコラボ仕様と、良い意味で最新世代タブレットらしい水準でまとめられています。

さらに、Windows PCと組み合わせることで、本機をワイヤレス接続のディスプレイとしても使用可能な『Lenovo Project Unity』にも対応。タッチやペン入力もPC側で利用可能です。

SoCには、Yoga Tab 13に続き、クアルコムの高速モデル『Snapdragon 870』を搭載。Snapdragonシリーズでも888 Plusと888無印に次ぐ性能と位置づけられたグレードだけに、速度に関してはかなりのヘビーなゲームであってもカバーできる水準。

並のSoCでは負荷が高い、ヘビー級ゲームの120Hz表示環境を支えるだけのパワーを備えた、と呼べるモデルです。

12.6型120Hz有機ELの高速Androidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」が日本発売、キーボード込み約13万円
本機に同梱されるキーボードは、いわゆるSurface Proタイプの背面スタンドカバーとセットで、本体カバーを兼ねる構造(スタンドカバーも、もちろん同梱です)。

本体の底面積の大きさを活かし、キーピッチなどもいわゆるフルサイズに近い仕様に。またタッチパッドも大型となっているため、操作性はかなり良好です。

もう一つ同梱されるペンは、4096段階の筆圧感知や傾き検知機能も備えた、最新世代の『Lenovo Precision Pen 3』仕様。本体画面のリフレッシュレートが120Hzであることも相まって、なめらかなペン入力が可能と謳います。

接続はBluetoothで、充電は本体とのマグネット装着により無接点で行われるタイプです。

カメラ部はタブレットだけあり、スマートフォンよりは仕様は控えめですが、それでもリア側はメイン(広角)1300万画素+超広角500万画素のデュアルカメラタイプ。フロント側も800万画素と、セルフィー用途も見据えた仕様です。

基本的な仕様は

  • アウトカメラ:1300万画素広角(メイン)+500万画素(超広角)
  • インカメラ:800万画素
  • ディスプレイ:12.6インチ有機EL(2560×1600/アスペクト比16:10)、10点タッチ
  • プロセッサ:クアルコムSnapdragon 870(8コア、最高3.2GHz)
  • メモリ(RAM):8GB
  • ストレージ:256GB
  • 外部ストレージ:microSD
  • 拡張端子:USB Type-C✕1
  • OS:Android 11
  • バッテリー駆動時間:最大約17時間
  • バッテリー容量:10200mAh
  • ワイヤレス通信: Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2
  • 本体サイズ:約184.53×285.61×5.63mm
  • 重量:約565g

といったところ。総じていまどきのAndroidタブレットでも最上位に属するだけあり、仕様としては非常に隙のないタイプとして仕上がっています(その分、残念ながら値も張りますが)。

そしてなんといっても、12.6インチという美しい大画面を500g台という手持ちができる重量に収めた点は大きな魅力。実際の画面も、現行世代の有機ELにふさわしい高水準のため、多くのユーザーの期待を裏切らないものと呼べそうです。

(Source:本版製品ページ(レノボ・ジャパン)Engadget日本版より転載)

2月のイベントに向けてサムスンがGalaxy SとNoteの融合を予告

2021年夏、Samsung(サムスン)は10年ぶりに新型Noteデバイスを発売しないことを発表した。ハードウェアの巨人がフォールダブルに焦点を移すことを認めたため、愛されてきたこのファブレットの未来については、大きく、未解決の問題だった。

さらに、Samsungの主要なフラッグシップであるGalaxy Sシリーズは、Noteとの境界線を着実に曖昧にしてきている。「今回、新しいGalaxy Noteを発表する代わりに、我々はNoteデバイスで愛されてきた機能をさらに多くのSamsung Galaxyデバイスに広げていく」と、同社の社長は当時書いていた。

そのため、Sシリーズの画面サイズは年々着実に大きくなり、2021年1月にはS21 UltraでS-Pen機能が追加された。8月には、Galaxy Foldシリーズに独自のスタイラスを追加し、Noteは静かに廃止されるのではないかと考える人もいた。

CESを終え、MWCを目前に控えた今、私たちはUnpacked開催時期の範囲に突入していることに気づいた。毎年、Sシリーズの最新機種が発表される時期だ。Roh(ロー)氏は、2011年当時、その5.3インチディスプレイがいかに小さな混乱を巻き起こしたかを回想し、Noteの生涯を祝うやや曖昧な表現を用いた投稿をまたもや行っている。IFAでの発表の場にいなかった人たちのために触れておくと、当時、大画面のスマホは今よりもずっと大きく、厚いデバイスを意味していたのだ。

この投稿は、同社のフォルダブルのためにより多くのスペースを作るために、2つのフラッグシップが適切な統合を果たしたことを強く示唆している。

「SamsungのGalaxy端末が新しく進化するたびに、私たちはモバイルカテゴリー全体を再定義するような機能を導入してきました。そして、私たちは再び業界のルールを塗り替えようとしています。2022年2月のUnpackedで、私たちがこれまで作った中で最もnoteworthy(注目に値する[編集部が強調])Sシリーズのデバイスを紹介します。私たちのSamsung Galaxyの最高の体験を1つの究極のデバイスに集約した、次世代のGalaxy Sがここにあります」。と同幹部は書いている。

この中の「Noteworthy(注目に値する)」という言葉は、この文脈では多くのことを意味する可能性がある。一番わかりやすいのは、S22 UltraがS22 Noteになることだと思われる。それは、適切なスタイラススロットを意味するのだろうか?ライン全体にSペンが統合されると思っていいのだろうか?私は、この投稿が「注目に値するデバイス」という単数形を使っていることから、その可能性は低いと考えている。これらのデバイスを取り巻くリークの頻度を考えると、早期に回答されるかもしれないし、回答されないかもしれないが、まだイベントまでのリードでいくつかの大きな疑問が残っている。また、夜間や低照度での撮影の改善や、近年同社が重要視しているサステイナブルデザインの採用も予定されている。

Samsungは、新しいスマートフォンと無名のGalaxyタブレットの予約開始を控え、消費者の興奮とブランドロイヤルティがユーザーを乗せるのに十分であるということに再び賭けているのだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

グーグルが大画面デバイス用にUIなどを最適化したAndroid 12Lを発表

米国時間10月27日、GoogleはAndroid 12Lのプレビューを発表した。Androidのニューバージョンのように聞こえるかもしれないが、Googleはこれを「Android 12を大画面向けに機能を限定して最適化したもの」だという。


その目的は、タブレットや折りたたみスマートフォン、Chrome OSを搭載したノートパソコンなど、ディスプレイが600dpi以上のデバイスに、改良されたユーザーインターフェースを提供することだ。

実際に試してみたい開発者には、すでにAndroid 12Lのデベロッパープレビューが提供されており、Android 12LエミュレータとAndroid Studioのサポートもある。

Googleによるとスマートフォンでも12Lを使えるが、誰も混乱する必要はない。というのも、スマートフォンは対象外であるため、その新機能の多くを見ることができない。Pixelデバイスのベータ登録は、プレビューの後半にローンチする。

Googleが今回の発表で「feature drop」と「feature update」という表現を使っていることから呼んでいることから、AppleがiOSとiPadOSを分割したように、これらのデバイス向けにAndroidを完全に分割することはないと考えられる。今回のアップデートでは、マルチタスクツールの追加やユーザーインターフェースの最適化など、大画面端末向けの機能が追加されている。また、Android 12Lでは、デフォルトでアプリの表示が改善されている。

画像クレジット:Google

具体的には、通知やクイック設定、ロック画面、概要、ホーム画面などが、大画面上では洗練されたものになる。システムアプリも、Android 12Lでは最適化される。

おそらく最も興味深いのは、新しいマルチタスキング機能と、そのための、iPadOSにやや似たタスクバーだろう。Androidはすでに、タブレットで分割画面モードをサポートしているが、Googleによると、今度のはもっと発見がしやすい。アイコンをタスクバーから画面上にドラッグ&ドロップするだけで、それが起動する。このことはまた、Android上のすべてのアプリが分割画面モードをサポートできる、という意味だ(前はデベロッパーがオプトインする必要があった)。

画像クレジット:Google

Googleの予定では12Lは2022年の早くにリリースされ「Android 12タブレットと折りたたみスマートフォンの次のブームに間に合うようにする」という。つまり次のMWCは、Androidタブレットとフォルダブルで盛り上がる、ということだ。

Android 12Lだけでなく、Googleは本日、OSとPlayの、やはり大画面向けの新しい機能を発表した。それにはMaterial Designガイダンスの大画面向けアップデートも含まれるが、Jetpack Composeもアップデートされて、これらのマシン用のビルドが容易になり、アプリは画面の異なる方向(縦横)に簡単に適応できるようになった。Android Studioのエミュレータもサイズを変えられるようになり、デベロッパーはアプリをいろいろな画面サイズでテストできる。またレイアウトがおかしいときは、ビジュアルリントツールがUIの警告や提案を出す。

Google Playに関しては、アプリを大画面アプリのクオリティガイドラインに照らしてチェックし、検索結果のランク付けでも、このチェックの結果が反映される。「大画面向けに最適化されていないアプリに関しては、そのようなデバイスをユーザーが使っている場合、アプリのPlay Storeのリスティングページに警告と注記を表示します」とGoogleはいう。

画像クレジット:Google

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

Xiaomi

Xiaomiは10月21日、9月にグローバル発表していた11インチタブレット「Xiaomi Pad 5」の日本発売を発表しました。RAM6GB+ストレージ128GBは4万3780円(税込)で本日発売。6GB+256GBモデルは5万4780円(税込)で11月末に発売予定となっています。

Xiaomi Pad 5は、11インチ WQHD+(2560 x 1600)の解像度を持つAndroidタブレット。DCI-P3の色域をサポートするほか、Dolby Visionにも対応。リフレッシュレートは120Hzで、HDR映像を滑らかに再生可能だとしています。クアッドスピーカーにDolby Atmos対応など、メディアプレイヤーとして活躍しそうな仕様となっています。

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

Xiaomi

クリエイティブ向けとしては、4096レベルの筆圧検知に対応したXiaomi Smart Penに対応。Apple Pencilと同じく、Xiaomi Pad 5の側面にマグネットで装着することで充電が可能。18分でフル充電でき、10秒の充電で20分間利用できるとのこと。ただし、Smart Penは1万1800円の別売りです。

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

Xiaomi

そのほか、主な仕様としては、SoCはSnapdragon 860でRAM6GB、ストレージ128GB/256GB。通信関連はIEEE802.11 a/b/g/n/acで、ax(WiFi6)には非対応です。Bluetoothは5.0。残念ながらSIMの挿さるモデルは用意されていません。

背面カメラは1300マン画素のシングルでフロントカメラは800万画素。バッテリー容量は8720mAhで動画再生は連続16時間以上、ゲームも10時間以上プレイ可能だとしています。

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

Xiaomi

Xiaomi Pad 5については、海外版のレビューも参考にしてください。

シャオミ「Xiaomi Pad 5」海外版の実機に触れた。4万円台からの高コスパタブ(山根博士)

(Source:XiaomiEngadget日本版より転載)

電子ペーパータブレット「reMarkable」が新機能を利用できるようになるサブスクサービスを追加

電子ペーパータブレット「reMarkable」シリーズのメーカーが、最新機種により高度な機能を実現するためのサブスクリプションサービスを追加したことは、かなり意外な動きだった。既存ユーザーには生涯サービスが提供され、新規ユーザーには約1年間の無料サービスが提供されるため、ほとんどのユーザーにとってはほとんど何も変わりはないが、それでもこのスタートアップにとってはかなりの方向転換となる。

関連記事:あらゆる面で初代を上回りニッチを貫くE Inkタブレット「reMarkable 2」

reMarkable Connectサービスには2つのプランが用意されており、月額5ドル(約560円)の基本的なサービスでは、ドキュメントの無制限クラウドストレージにアップグレードされ、月額8ドル(約900円)のプランでは、GoogleドライブとDropboxへの統合、手書き変換、画面共有、メール送信、高速同期などの機能が追加される。サブスクリプションがない状態でも、デバイスは同期するが、50日間未開封で放置されたファイルは同期してくれない(つまり、基本的にアーカイブとしては使えない)。reMarkableを購入する人は、Connectのサブスクリプションを一緒に購入すると最大150ドル(約1万7000円)の割引が受けられるので、1年程度であれば十分元をとることができるだろう。

一方で、これは予想外であり、少し怪しい動きにも見える。つまり、数カ月前に単にreMarkableのツールの一部として発表された機能に課金するというわけだからだ。実際、それらの機能はここ数週間のうちに通常の無料機能として提供されてきた。

その一方で、収益の面では理解ができるし、この方法はこれを実施するための最良の方法であるともいえる。現在のユーザーには無料で提供され、他のユーザーには1年間無料で提供され、さらに、デバイスをごく普通に使用するのであれば、あまり問題にならない無料オプションもあるからだ。

この決定の理由について、同社にコメントを求めたので、返答があり次第、この記事を更新する予定だ。

2020年、reMarkable 2をレビューした際には、そのハードウェア、画面の反応、インターフェースのシンプルさに感銘を受けた。しかし、その時に指摘したように、このタブレットは、その長所にもかかわらず、まだ非常にニッチなデバイスだ。私はクリエイターと何度か話をしたことがあるが、彼らが「集中力を重視し、気が散らない未来の紙」というビジョンに献身的に取り組んでいることを確信している。それは理解できるのだが、デジタル経済は基本的に注意散漫と情報過多の上に成り立っているので、そのパイを切り開くのは困難に違いない。

同社はこれまでに10万台以上を出荷し、資金調達も行ってきたが、ハードウェア専門のスタートアップ企業はほとんどない。ハードウェアの販売が飽和状態に近づく中で、同社が収入を増やす方法を模索するのは、さほど不思議なことではないだろう。

いや、わからない。もしかしたら、より広い範囲での「集中した生産性」製品という戦略なのかもしれない。だとすると、私も絶対に使いたいと思うだろう。このデバイスとサービスに対する私の批判は「できることはできたが、十分ではなかった」というものだ。Chromeの拡張機能で記事の保存ができるようになったが、Pocketのユーザーとしては、それをつなげられればいいのにと思ってしまう。reMarkable上で体験した方が単純に良いと感じる他のコンテンツについても同様だ。ミニマリストの理念は評価するが、恣意的に制限されているようにも感じたのと、スクリーン共有やGoogle Drive/Dropboxの統合がある今、他のサービスを含めることに反対することはもはやできない。

メールやチャット、ソーシャル機能などは一切使用せず、私に集中させて欲しい。しかし、何かに集中したいのであって、reMarkableの欠点に当てはまるものだけに集中したいのではない。誰もが生活の中でもう少し集中できるはずだが、これは集中するための摩擦を減らすのにも役立つ。

それと、フロントライトもいいかもしれない。これは機能面でのリクエストになるが。ほら、私の視野は以前のものと同じではない。だから、聞いて欲しい。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

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(文:Devin Coldewey、Akihito Mizukoshi)

ついにヨーロッパが携帯電話の充電器を共通化するための法律を制定、共通の充電ポートはUSB-Cに

スマートフォンやタブレットなどの家電製品の充電ポートの標準化に向けて、EUの議員がようやく動き出した。今回発表されたこの提案が採用されれば、カメラ、ヘッドフォン、ポータブルスピーカー、携帯型ゲーム機などの機器に共通の充電ポートとして、USB-Cが採用されることになる。

スマートウォッチやフィットネスバンドのような小型の家電製品は、そのサイズや使用形態などの理由から除外されている。

また、この委員会の計画では、地域の議員が携帯電話の充電器の販売を分離して、自動的に同梱されないようにすることが望まれている。

また、急速充電の規格も統一され、機器メーカーは、必要な電力や急速充電に対応しているかどうかなど「充電性能に関する関連情報」をユーザーに提供する義務を負うことになる。

欧州委員会は「これにより、消費者は既存の充電器が新しい機器の要件を満たしているかどうかを確認したり、互換性のある充電器を選択したりすることが容易になります」と指摘し、さらに一連の措置によって、消費者が新しい充電器を購入する回数を減らし、不必要な充電器の購入にかかっている年間2億5000万ユーロ(約323億9000万円)を節約することができると述べている。

欧州委員会はこの提案の発表の中で、欧州委員会が10年以上にわたって推し進めてきた「自主的なアプローチ」、すなわち覚書のような推奨を通じて電子機器業界に共通の基準を実現させようとする試みが、求められている基準を実現できておらず、たとえば携帯電話の充電器にはいまだに3つの異なるタイプが存在していることを述べている。

より広い目的としては、家電製品から発生する廃棄物の一部を削減することで、世界の廃棄物の山に意味のある変化をもたらすことが目指されている。たとえば欧州委員会は、消費者が携帯電話の充電器を平均3個所有しており、そのうち2個を定期的に使用していると指摘している。それゆえ、機器メーカーが毎回新しい充電器を用意する必要はないのだ。

また、同委員会は、廃棄される未使用の充電器は、年間約1万1000トンの電子廃棄物に相当すると推定していることを付け加えた。

もちろん、現在携帯電話市場に出回っている非標準的な充電器の1つは、iPhoneメーカーであるApple(アップル)のものだ。Appleはこれまで、自社の機器に標準的なポートを搭載させようとする圧力に抵抗してきたが、汎EU法によって世界共通の充電器を強制的に導入することができれば、巨大企業はついに独自のLightning(ライトニング)ポートを放棄せざるを得なくなるだろう。

Appleは長年にわたり、デバイスに標準的なポートを採用する代わりに、間違いなく幅広く莫大な利益を生むアクセサリービジネスを展開してきた。例えば、iPhoneの3.5mmヘッドフォンジャックを削除するなど、標準的なポートを削除することさえあったのだ。つまり、Appleのデバイスのユーザーは、より多くの標準的なポートにアクセスしたい場合には、ドングルを購入しなければならず、将来的にさらに多くの廃棄物が発生することになる。

EUの立法案が、Appleのドングルを使った組み込み型の汎用的な回避策を実際に禁止するかどうかは、まだはっきりしない(私たちは欧州委員会に質問してみた)。

欧州委員会のデジタル戦略担当EVPであるMargrethe Vestager(マルグレーテ・ベステアー)氏は、欧州委員会の提案について次のようなコメントを述べている。「欧州の消費者は、互換性のない充電器が引き出しに溜まっていくことにずっと不満を感じていました。産業界には独自の解決策を提案するための時間を十分に与えてきましたが、今は共通の充電器に向けた立法措置をとる時期に来ています。これは、消費者と環境にとって大切な勝利であり、私たちのグリーンとデジタルの目標に沿ったものです」。

欧州連合(EU)のThierry Breton(ティエリー・ブルトン)域内市場担当委員は、呼応する声明の中で次のように付け加えている「私たちの最も重要な電子機器のすべてに電力を供給しているのが充電器です。機器が増えれば増えるほど、互換性のない、あるいは必要のない充電器がどんどん売られていきます。私たちはそれに終止符を打ちます。私たちの提案により、欧州の消費者は1つの充電器ですべての携帯電子機器を使用できるようになるでしょう。これは利便性の向上と廃棄物の削減のための重要なステップとなります」。

なお、この提案が法律として成立するためには、EUの他の機関である欧州議会と欧州理事会がこの提案を支持する必要がある。欧州議会は、欧州委員会が共通の充電基準を実現できていないことに以前から不満を表明しており、2020年はこの問題への厳しい対応を求める投票が圧倒的に多かった。そのため欧州議会議員がこの問題に関する汎EU法の制定に熱心なのだろう。

とはいえ、一朝一夕に激変するわけではない。欧州委員会は、過去の法制化の適用データから、24カ月間の移行期間を提案しているので、たとえ議会と理事会がこの計画に迅速に合意したとしても、機器メーカーが遵守しなければならなくなるには、何年もかかることになる。

欧州委員会の広報は、これまで産業界にこの問題に関して10年以上の圧力をかけてはきたものの、計画されている法改正に適応するための「十分な時間」を与えたいとしている。

欧州委員会が求める共通の充電器ソリューションを欧州で実現するためには、さらなるステップが必要である。外部電源の相互運用性を確保するためのさらなる調整が必要とされているからだ。立法者によると、こちらの問題はエコデザイン規則の見直しによって対処されるという。この規則は、共通充電器ポート要件と同時に発効することを目指して、2021年後半の開始が予定されている。

後者の提案に関するFAQの中で、欧州委員会は、この問題で立法上の難問に取り組むのになぜこれほど時間がかかったのかという自らの疑問に答えているが、当初は業界が関与することを期待して、より「野心的な」自主的アプローチを継続しようとしていたと書いている。しかし、業界が提案した案は「不十分」であり、共通の充電ソリューションを提供することはできなかったと述べている。

世界が気候変動マイクロプラスチック汚染などの環境問題への取り組みを進める上で、立法者たちが「実際の立法の必要性」を学んだことは重要な教訓となるだろう。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:sako)

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

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開催中のLenovo Tech World 2021イベントで、レノボがAndroidタブレットの新フラッグシップ製品 Lenovo Tab P12 Pro を発表しました。

Lenovo Tab P12 Pro はDolby Vision対応の12.6インチ有機ELディスプレイ、Dolby Atmos対応クアッドスピーカーを備えた「パーソナルホームシアター」であると同時に、Lenovo Precision Pen 3ペン対応で手書きやクリエイティブ用途にも、大型トラックパッド搭載の着脱式キーボードでプロダクティビティ用途にも対応する万能性が売りの高性能タブレット。

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

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iPad Pro 12.9インチに近い画面サイズでありつつ5.63mmの薄さ、565gの軽さも特徴。着脱式のキーボードは大きなトラックパッドを備え、キーピッチ19mm・ストローク1.3mmの本格的な仕様ながら、合体した状態でも約1kgと比較的軽量です。

さらにレノボの新たな「ワイヤレス コネクティビティ・フレームワーク」Project Unity に初めて対応。PCのワイヤレス サブディスプレイとして機能しつつ、Androidのネイティブアプリも並べて同時使用できるなど、Windows PCとの連携を強化しています。

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

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Lenovo Tab P12 Pro の主な仕様は、

  • 12.6インチ 2560 x 1600 (16:10) AMOLEDディスプレイ(120Hz対応、最大輝度600nit、色域107% NTSC、Dolby Vision / HDR10+対応)
  • Snapdragon 870プロセッサ、モデルにより最大8GB LPDDR5 RAM・256GBストレージ
  • 5Gモデル・WiFiモデル
  • JBLクアッド SLSスピーカー、Dolby Atmos対応
  • 10200mAhバッテリー、45W急速充電対応、ストリーミング動画再生 最大17時間
  • 本体重量 565g
  • Android 11

同クラスのタブレットである iPad Pro 12.9インチ(2732 x 2048、縦横比4:3)と比較すると、表示面積は10%ほど狭く画素数も下がるものの、重量は120g近く軽量です。

着脱式のキーボードはキーピッチ19mm・キーストローク1.3mm、大きめのトラックパッドと16のファンクションキー搭載。タブレット側面のPOGOピンと磁力で合体します。

参考までに、iPad Proの Magic KeyboardはiPad本体(約680g)より重く、Smart Keyboard Folioは比較的軽いもののトラックパッド非搭載。

Lenovo Tab P12 Proのキーボードは本体と一式揃えても約1kgの軽さでトラックパッドを備え、キーストロークは Magic Keyboard の1mmよりも深い1.3mmとなっています。

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

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Lenovo Tab P12 Pro が初めて搭載する Project Unity は、レノボのWindows / Android連携フレームワークのようなもの。

画面に表示されたPINの入力で簡単にWindows 10 / 11 PCとワイヤレス接続でき、タブレットを画面拡張やミラーリング対応のサブディスプレイとして、またWindowsアプリにタッチやペン入力が可能な「液タブ」的に使えます (有機ELなので「有タブ」?)。

Project Unity の面白いところは、単なる受け身のワイヤレス ディスプレイとしてフル画面を明け渡すのではなく、AndroidアプリとWindowsアプリを共存させて使えるところ。Windowsをマルチディスプレイで使いつつ、Androidにしかないアプリを別窓で並べて利用できます。

レノボによると、Project Unity はワイヤレス コネクティビティ フレームワークとして、今後ももっと多くのデバイスの接続や管理、データストレージといった機能を追加してゆく予定。Windows 10 / 11アプリは Microsoft Storeからダウンロードします。

Lenovo Tab P12 Pro の価格は、WiFi モデルのタブレット単体で 609.99ドルから。5Gモデルは欧州中東アフリカ等の一部地域で899ユーロから。どちらも10月より販売予定です。

(Source:LenovoEngadget日本版より転載)

【レビュー】Booxタブレットは拡大する電子書籍リーダー市場で歓迎される選択肢

電子ペーパーデバイスに関して言えば、Kindleはもちろん人々が最初に思い浮かべるブランドだが、筆者はKoboやreMarkableのゴスペルも広めるよう全力を尽くしてきた。中国の電子書籍端末メーカーBooxは、この分野への比較的新しい参入者であり、そのデバイスは実験的だが、モノクロタブレットというニッチ市場では有用な選択肢だ。実際、筆者のお気に入りの小型デバイスが作られている。

関連記事:あらゆる面で初代を上回りニッチを貫くE Inkタブレット「reMarkable 2」

親会社のOnyxのブランドであるBooxは、ポケットサイズから中型サイズの電子書籍リーダー、A4サイズのタブレットまで、あまりにも幅が広すぎるという人もいるかもしれないが、さまざまなデバイスを提供している。そのブランディングは特に記憶に残るものではなく、わずかにアップデートされたバージョンがかなり定期的に出てくる。筆者が試してみたいと思っていたデバイスが、実際にはこの記事を執筆するまでの間に置き換わっていた。

統合された側面はOSで、Android 10の修正版であり、読み込みと生産性のための専用アプリがいくつか搭載されている。中国の消費者を念頭に置いて作られたこのサービスは、おそらくTechCrunch読者の方でも聞いたことのないものになるだろう。

Booxのいくつかのデバイスを試したが、最もシンプルなのは電子書籍リーダーPoke 3、より大きく複雑なNote 2、そしてスリムなNote Airと巨大なMax Lumiという具合だ。最近筆者は、eインクの最新カラースクリーンKaleido Plusを採用したNova 3 Colorに注目している。

実際には、電源を入れていないと、おそらくこれらのデバイスがすべて同じ会社のものであることはわからないだろう。ハードウェアスタイルはかなり異なるが、もちろん、グレーがかった色味でスクリーンを囲んでいる黒いタブレットには、表現の余地があまりない。

小さいながら大物

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

最もシンプルでなじみのある6インチの電子書籍リーダーから始めよう。このカテゴリーにはKindle PaperwhiteとKobo Clara HDがあり、前者はおそらくAmazonが作っている最高の製品だが、筆者は正直なところ、品質は劣るものの後者の方が好みだ。

この分野でBooxは、(数ある中で)取り立ててキャッチーな名前というほどではないPoke 3を持っているが、フォームファクターでそれを補っている。このような小さなリーダーにとってはかなりプラトン的に理想的だ。とても気に入ったので別のレビューにまとめているが、基本的なことをここで紹介しよう。

6インチ、300ppiのスクリーンはKindleやKoboと同等の品質で、Clara HDと同様にフロントライトの色温度調節が可能だ。デバイスの前面は完全に平らになっており、筆者の好みにぴったり合っている。ベゼルの幅も広すぎず狭すぎず、持ちやすい。ポケットに入れて持ち運べるシームレスなデザインで、粉粒や水こぼれにも強い(耐水性は主張していない)。上部に電源ボタン(ありがとう)、下部にUSB-Cポートが1つある。

ハードウェアに関しては、まったく批判はない。それはもっと薄くなるかもしれないが、その寸法は、人間工学に悪影響を与えることなしにこれより小さくすることはできなかったのだと思う。その厚さを1ミリ削ることも考えられるが、そうしてもほとんど気づかないだろう。

OSはAndroidの高度にカスタマイズされたバージョンで、付属するすべての長所と短所が備わっている。筆者はKoboのインターフェースのシンプルさの恩恵を常に享受してきたが、それを複雑にしようとしているかのようだ。BooxのOSはパワフルだが、入り組み過ぎていて、どのオプションを利用可能にし、ユーザーにとってわかりやすくするかを決めるのが難しい。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

リーダーアプリのNeoReaderは、膨大なファイルフォーマットをサポートしており、ビューの変更、ブックやPDFのハイライトやメモなどを行うための巨大なコントロールセットを備えている。これは、フォントの調整やその他の基本的なことしか必要としない小型のデバイスよりも、大型のデバイスに適している。

すでに自分のコンピューター上に置かれている電子書籍を読むだけなら、デバイスのストレージ上の「Books」フォルダにドラッグするだけで済む。このタブはデバイスの電源を入れると表示され、いつでも簡単にアクセスできる。米国では利用できないが、すべてのタブに対応したビルトインストアがあり、ディレクトリを検索するためのファイルマネージャータブと、アプリと設定のためのタブがある。

アプリは別のカスタム状況だ。これは中国のデバイスであり、最近では何と呼ばれているかはともかく、一般的なGoogle認証のあるアプリストアはない。その代わり、PocketやGoodReader、KoboやKindleアプリなど、最も利用されている多数のリーディングアプリを独自のストアで提供している。しかし、これらは本質的にサイドロードされている。例えば、Kindleアプリは数カ月古い。これは決して大問題というわけではないが、このデバイスをそのまま使うには、Booxとそのプロキシアプリストアにある程度の信頼を置く必要がある。

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もちろん、設定でGoogle Playサービスを有効にすることもでき、そこに公式ストアが追加される。しかしほとんどの人にとって、これはすでに過度の作業だ。私たちは電子書籍リーダーの選択において、一般的にシンプルで極めて簡単に使える、という点で甘やかされていると同時に恵まれていない。Androidに詳しくない人は、このデバイスを使ってKoboやKindle、おそらく後者の中から読むものを選ぶだろう。

それでも思い切った行動を取ることを望む人々にとっては可能性が豊富にある。筆者としては、Poke 3のフォームファクターが非常に気に入っているので、どのOSを使っても構わない。それに、普通は時間の99%が本の中のことに費やされるだろうから、その部分がうまく機能すれば、残りは単にケーキの上にアイシングするようなものである。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

6インチのスケールでは、それはあまりにも多すぎるように思える。ただしBooxの大型デバイスでは、柔軟性はより意味を持ち始める。Note 2(現在は3)、Note Air、Max Lumiのアイデアは、Androidタブレットのほぼすべての機能を、電子ペーパースクリーンの利点とともに提供することだ。そのため、レーシングゲームをするのは簡単ではないが、iPadよりもreMarkableを使っている人にとっては魅力的だろう。

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多くの文書を読む場合、明るいタブレットスクリーンで読むのは、あるいはもっと言えば暗いスクリーンで読むのはいただけない。電子ペーパーのスクリーンの方が作業には適しているが、それに向けた最良のデバイスであるreMarkableは、会社の哲学全体がフォーカスを中心に回っていることから、達成できることが極めて意図的に制限されている。そのため、電子ペーパーのように読みやすいAndroid端末の機能を求める人がいるのは間違いない。いずれにせよ、Booxはそう考えている。

Note 2とMax Lumiは関連しているように見える。印象的な大きさの目立たない黒いタブレットであり、筆者の限られたハードウェアの探求の中では優れた品質だと思われた。Note Airは特筆すべきものではないと言わざるを得ず、実際にそれを見たとき、reMarkable 2のクローンだと思ってしまった。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

その第一印象は、筆者にとってあまり寛容なものではなかった。この2つはいくつかの重要なデザイン要素を共有しているが、実際にはかなり異なっており、Boox自身の他のデバイスを作る能力が疑わしい点を好意的に解釈するように導いてくれた。青とオレンジのモチーフは秀逸というほどではないが、他のデバイスとの違いを際立たせるのに効果的で、すべてのデバイス(特にAir)は薄くてよくデザインされている。

すべてのタブレットにはフロントライトが搭載されており、このような大きなスクリーンで実現できるかどうかについて懐疑的な見方をしていたが、それは不要なことだった。Poke 3と同様、ライトは明るさと色温度の両方を調節できる(少々微妙ではあるが)。

カラー電子ペーパーは依然として十分とはいえない

画像クレジット:Devin Coldewey

Nova 3 Colorは、eインクの最新カラー電子ペーパー技術を採用した7.8インチスクリーンを搭載している。筆者は常にこの技術の可能性に期待してきたが、カラー電子ペーパースクリーンのコントラストの悪さ、リフレッシュ速度の低さ、ゴーストなどの欠点に悩まされてきた。今回の最新版は、修正に向けてある程度の動きを見せているが(ソフトウェアのアップデートもそれを後押ししている)、残念ながら妥協点は多すぎる。

ハードウェアは他のBooxデバイスと似ており、しっかりしていて控えめだ。違いはすべてスクリーンにあり、デバイスがオフのときでもカラーで表示されている。カラー電子ペーパーは、画像を形成する微小な白黒のビーズと、変更可能なカラーフィルターの層を組み合わせることで機能する。これは他のものと同様にフロントライトが付いていて、色をポップにするのに大いに役立つ。

まだゴーストの問題は残っているが、例えばコミックを読んでいるときは、すべてのページをリフレッシュするように設定することで(ほんの数秒しかかからない)問題は解消される。ウェブページのような動的なコンテンツを使ってこれを行うのは容易なことではないが、もちろん電子リーダー上でウェブをナビゲートすることはすでに目新しいものだ。

カラー電子ペーパーは、コントラストとは言わないまでも彩度が不足している(画像クレジット:Devin Coldewey)

さらに気になるのは、カラーレイヤーがもたらすコントラストの低下と解像度の顕著な低下である。カラーコンテンツを表示すると、通常のLCDエイリアシングとは異なるが、依然として視認可能な明確なスクリーンドア効果が現れる。グレースケールのコンテンツでは、モアレなどの干渉パターンが中間調になることがある。

ブックは問題ないように見えるが、普通のモノクロeインクディスプレイほど鮮明ではないスクリーンドア効果が常に存在し、コントラストが低下している。それでもかなり読みやすいが、安価なデバイスの方がうまく機能するなら、これを正当化するのは難しい。

カラースクリーンのテキストは、モノクロスクリーンのテキストよりも鮮明さとコントラストが低い(画像クレジット:Devin Coldewey)

Booxがeインクの最新スクリーンを提供してくれたことには感謝しているし、電子書籍リーダーにもう少しタブレットのDNAを入れたい人には有益かもしれない(現時点では2つのカテゴリーはあまり区別されていない)。しかし、カラーはほとんどの場合、十分に加算されず、過度に減算されてしまう。

それですべてか、それとも薄く引き伸ばしすぎか

OSは筆者の知る限り、これらすべてで同じだが、これらのデバイスでは単に読むだけでなくインタラクティブ性に焦点が移っている。BooxはWacomのようなペンを作っていて、それを使って大きなタブレットの表面に文字を書くことができるが、reMarkableのような応答性や精度には遠く及ばない。

とはいえ、スケッチやライティングの最終的な仕上がりは満足のいくものだった。ただしOSが追いついてその文字にアンチエイリアスを施すまでには少し時間がかかるだろう。特にブラシについてはグラデーションに優れていると感じた。

Booxタブレットが他の同種のタブレット(つまりreMarkable、旧Sony Digital Paper Tabletおよびその他いくつかのニッチなデバイス)の上に持っているものの1つは、PDF処理に関するものだ。Booxデバイスでは、PDFを簡単にナビゲートしてマークアップすることができ、元のファイルは単に落書きやメモが追加されたような状態で保存される。reMarkableで書類をマークアップするのは簡単だが、やや使いにくいアプリのために共有やソートが少々面倒になっている。筆者は、元のファイル(常にどこかにコピーがある)を修正して、デバイスから直接メールするというシンプルなアプローチを好む。Booxデバイスはまさにそのようなシンプルさだ。

リーダーやノートブックの他にも、タブレットユーザーにとって便利なアプリがいくつか含まれている。期待通りの機能を備えたブラウザがある。Chromiumベースで、レンダリングは良好だが、ゴーストはひどい。そしてボイスレコーダー、ミュージックプレイヤー、カレンダーなど、もちろんGoogleアプリストアやビルトインストアからもダウンロードできるものも他にたくさんある。もし望むのであれば、こうしたとても包括的なデバイスを作ることもできる。

この種の電子ペーパータブレットの市場がどれだけ大きいのか、筆者にはよくわからない。しかし、これらのデバイスは何か興味深くてユニークなものを提供していると感じている、とはいえ、iPadが大型のBooxタブレットの半分の価格で手に入り、ほとんど同じことができる、という事実を回避するのは難しいだろうと思うが。

ただし、これらの電子ペーパーデバイスにはそれなりの魅力があり、長い文書を読んだり、校正したりするつもりなら、いくつかの理由からiPadよりもこれらのデバイスの方が優れている。Booxのラインナップにはこれまで以上に多くの選択肢が用意されており、それは間違いなく良いことである。

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画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

ドイツ政府がEUに対しスマホメーカーによる7年間のセキュリティ更新・パーツ供給の義務づけを提案

ドイツ政府がEUに対しスマホメーカーによる7年間のセキュリティ更新・パーツ供給の義務づけを提案

sigoisette via Getty Images

ドイツ政府が欧州委員会に、スマートフォンメーカーにセキュリティアップデートやスペアパーツを7年間提供するよう義務づけることを提案したと報じられています。

ドイツのニュースメディアHeise.de(ハイス・オンライン)によると、ドイツ連邦政府はスマートフォンやタブレットの修理・サービスに関する規制を変更するために、欧州委と交渉を開始したとのことです。欧州委はスペアパーツの供給につきスマートフォンでは5年間、タブレットでは6年間を義務づけることを計画していますが、ドイツはこれらを7年間に延長したいかまえです。

そうした期間の延長に加えて、ドイツ政府はスペアパーツを「妥当な価格」で提供されるのを望んでいるとのことです。これにはメーカーがスペアパーツの価格を公表し、時間の経過とともに値上げしないことも含まれています。

さらにスペアパーツが目的地に到着するまでの期間についても、欧州委の案では最大で5営業日に対して、ドイツはより短い期間の配送を義務づける意向とのこと。それに加えて修理期間が長くかかる場合は、顧客は修理ではなく本体の交換を選べる可能性にも言及されています。

しかしスマートフォンメーカーが望んでいるのは、それとは真逆のことです。Googleやサムスンのほかアップルも加入している業界団体DigitalEuropeはセキュリティアップデートを3年、機能アップデートを2年に限ることを提案。それに加えて、スペアパーツの提供義務もディスプレイやバッテリーに限り、カメラやマイクなどは「故障することはほとんどない」として除外を求めています。

今回の提案はiPhoneも対象としていますが、アップルはたいてい5年間もの機能およびセキュリティアップデートを提供しています。

かたやAndroidデバイスメーカーの多くが提供するセキュリティアップデートは、多くが3年以下に留まっており、もしもドイツ案が通れば影響はより大きいと思われます。サムスンは今年初めにセキュリティアップデートを最低4年間提供する(2019年以降の端末に限り)と発表しましたが、それ以前は2年ないし3年でした。

数年前のデバイスを末永く使い続けられることはユーザーにも有り難く、また電子廃棄物を減らすことにつながり環境保護にも貢献できると思われます。が、スマートフォンメーカーにしてみれば旧製品が修理され続ければ新製品を売る妨げにもなりかねず、また過去モデルの部品を確保する負担ものし掛かってくるはず。今後もスマートフォン業界からロビー活動など、政治的な働きかけが続けられるのかもしれません。

(Source:Heise.de。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

1台でPCとモバイル両方のUXを実現、Androidアプリも動くLinuxベースの「JingOS」を開発する中国Jingling

中国の著名なコンピューター科学者であるKai-Fu Lee(カイフ・リー、李開復)氏のSinovation Venturesが、ソフトウェア開発者のニッチ市場を狙っている。2021年4月にこのベンチャーキャピタルは、Linuxベースのタブレットとノートパソコンを開発する中国のスタートアップ「Jingling」の1000万ドル(約11億円)のエンジェルラウンドをリードした。ラウンドの他の投資家には、プライベートエクイティ企業のTrustbridge Partnersが含まれている。

Jinglingは2020年6月に創業されたばかりの企業だが、早くも、AlibabaのLinuxディストリビューション「Aliyun OS」や中国のオペレーティングシステムソリューションプロバイダーであるThunder Software、そして中国のオープンソースコミュニティなどから80名の社員が集まっている。

同社スタッフの大半は、現在、北京でJingOSと呼ばれるLinuxベースのOSを開発し、残りはJinglingのサプライチェーンがある深圳でハードウェアを開発している。

Sinovation VenturesのパートナーであるPeter Fang(ピーター・ファン)氏は次のように語る。「OSは投資価値の高い分野です。確かにiPad ProとMagic Keyboardの組み合わせは、仕事と娯楽向けの最良のプロダクトベースですが、今のところどのタブレットメーカーも、Androidのためのより優れたユーザー体験を提供できていません。そこで私たちはJingOSを支援することに決めました」。

投資家として彼は「この投資は、今後はARMベースのモバイルとデスクトップデバイスがさらに増えるというSinovationの認識と予想にも基づいています」と述べている。

Jinglingの最初のプロダクトであるJingPad A1タブレットもARMアーキテクチャをベースとし、正式発売前にすでに500台が販売され、クラウドファンディングキャンペーンでも大きな関心を集めている。Jinglingは現在、Tsinghua Unigroupのプロセッサーを使用しているが、Liu(リウ)氏によると将来的にはQualcommとMediaTekのチップセットを使う考えだという。

ソフトウェアのレベルでは、JingOSはGitHub上のオープンソースであり、すでに世界で5万回以上ダウンロードされている。その多くは米国とヨーロッパからだ。

しかし、Linuxのタブレットやノートパソコンを欲しい人が何人いるだろうか?Zhu Rui(シュ・ルイ)氏とともにJinglingを立ち上げたLiu Chengcheng(リウ・チェンチェン)氏によると、デベロッパーコミュニティからの需要は、同社の初期の成長を十分支えられるほどに大きいという。リウ氏はかつて、中国の指導的スタートアップニュースサイト36Krを創設、シュ氏はOSのエキスパートでMotorolaとLenovoに在籍していた。

リウ氏によると「一般的な消費者市場で、最初の足場を築くのは難しい」ため、Jinglingはその第一歩としてLinuxのコミュニティを狙ったのだという。

「Linuxの市場は大手テクノロジー企業にとっては小さすぎるし、小さなスタートアップが取り組むには難しすぎる。中国でモバイ用OSを開発しているのはJinglingの他にはHuawei(ファーウェイ)ですが、HuaweiのHarmonyOSは主にIoTを狙っている」とリウ氏は語る。

新しいOSを立ち上げるのは確かに無謀に近い挑戦だが、過去にも例はある。Linuxのノートパソコンも以前から存在しているが、Jinglingが考えているのは、1つのデバイスでデスクトップとモバイルの両方のUXを実現することだ。Jinglingが開発したJingOSは、WPS OfficeやTerminalのようなLinuxのデスクトップソフトウェアと、Androidアプリの両方と互換性がある。タブレットのJingPad A1には着脱式のキーボードがあるため、すぐにノートパソコンに変身する。それはAppleの、iPad用のMagic Keyboardと同じ仕組みだ。

リウ氏は「プログラマーへのギフトのようなものです。Linuxシステムの中でコードを書けると同時に、出かけるときにはAndroidのモバイルアプリも使えます」という。

今後、Jinglingはユーザーベースを拡大し、約2年間でChromebookの市場を攻略したいとリウ氏はいう。Chromebookは2020年のPC市場で10.8%のシェアを獲得し、Microsoftが支配するマーケットに徐々に食い込んでいる。しかしながらそれは、Chromebookが強いだけでなく、Windows搭載のパソコンの需要が鈍化しているためだとリウ氏は考えている。

Chrome OSの搭載機はノートブックのChromebookとデスクトップ機のChromeboxがあり、価格も仕様、機種、メーカー等により200ドル(約2万2000円)から550ドル(約6万500円)と幅がある。それに対してJingPad A1は、549ドル(約6万400円)からという価格になっている。パンデミックになってからリモートで仕事や勉強をする人が増え、タブレットもPCも売上が伸びているが、長期的に見るとJinglingは価格調整が必要であり、それなくして市場に自分の居場所を見つけることは困難だろう。

関連記事:2020年、Chromebookは絶好調

カテゴリー:ハードウェア
タグ:LinuxAndroid中国タブレットSinovation VenturesJingling資金調達

画像クレジット:Jingling’s Linux tablet JingPad

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)

あらゆる面で初代を上回りニッチを貫くreMarkable 2

数年前に突然現れたreMarkableは、筆者がそれまで長い間探し求めていたものだった。ただ、デバイス自体は実にすばらしかったのだが、問題がいくつかあり、目玉が飛び出るほど高価だった。初代のreMarkableをベースに作られたreMarkable 2の本体はより美しくスリム化されており、いくつかの重要な新機能が追加されているが、意図的なもの、そうでないものを含め多くの制約はそのまま残されており、それがreMarkable 2をあらためて特殊なデバイスにしている。また今回はコストも大幅に抑えられている。

reMarkableは、PDF、スケッチ、走り書きのメモなど、白と黒(およびグレー)のコンテンツを利用、作成するためのタブレットを目指しており、フル装備のタブレットやラップトップに搭載されているような余分な機能や複雑な機能は一切ない。筆者自身も実際に使ってみたが、確かに、目を通して注釈を付けなければならない大量のコンテンツがあるときにreMarkableを使うと集中力が上がった。また、簡単なメモ取りや、D&Dゲームでのメッセージのやりとり、木工プロジェクトのスケッチなど、他の用途でも便利に使えた。

rM2(本記事ではreMarkable 2をこう呼ぶことにする)は、あらゆる面で間違いなく改善されている。薄さ、速さ、バッテリー効率を含め、rM2のあらゆる機能を以前より向上させ、さらに価格も600ドル(約6万3000円)から400ドル(約4万2000円)に下げるなんてことを、どのように実現できたのだろうか。筆者は正直なところ少し面食らっている。普通ならどこか妥協せざるを得ないはずだ。しかし、今回は違う。

具体的には、rM2で大きく改善された点は以下の通りだ。

  • 一段と薄くなった(初代も6.7mmと薄かったが、さらに4.7mmの薄さに改善。ちなみにiPadの薄さは約6mm)
  • 一段と速くなった。デュアルコアARM CPUを搭載(主に節電が目的)
  • RAMが倍増した(512MBから1ギガバイトに増加)
  • 表示応答速度が21msに半減した(LCD並みの速度)
  • バッテリー持続時間が3倍以上に伸びた(スタンバイ状態では、数日どころか数週間、いや数か月持続可能)
  • スタイラスの一方の端が消しゴムとして使えるようになった。これは便利だ。

新しいデバイス(左)と初代。画像クレジット:reMarkable

 

 

まずは新しいデザインを見てみよう。正直なところ、最初はあまり納得できなかった。初代のソフト感がある白いプラスチックケースはより有機的に感じられたのだが、最新モデルでは左右非対称のクロームがガジェット感を出している。

しかし、目的と対象がはっきりしているこの新しいデバイスを、筆者はだんだん好きになってきた。もちろん今のデザインが左利きより右利きの人に向いているというのもある。初代の3つの巨大なボタンは、その機能を考えると少し大きすぎるのではないかと筆者は感じていた。また、rM2にホームボタンが欲しいと、ときどき思っていたが、新しいジェスチャー(上から下へスワイプ)がそれを解決してくれる。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

クロームストリップ上部の電源ボタンは小さすぎるくらい小さいが、少なくとも誤って押してしまうことはないだろう。USB-C充電ポートは電源ボタンの反対側の底部にある。デバイスを持つときに充電ケーブルが邪魔にならない位置にあるため、使用しながら簡単に充電できる(おそらくその必要はないだろうが)。

本体右側に埋め込まれた強力なマグネットがスタイラスペンをしっかりとホールドするが、そのマグネットは外からは見えない。そして、高級な質感のラバー仕上げが施されたこのスタイラスペンが非常にすばらしいことを付け加えておきたい。新しい消しゴム機能はとても使いやすい。スタイラスペンを探しているなら、間違いなくこれをおすすめする。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

背面にはラバー加工された小さな4つの突起がある。これにより、タブレットが無防備にテーブルの上で滑ってしまうことはなく、フォリオケースにもぴったりと収まる。薄く滑らかなデバイスにこのような突起物があると、少なからず邪魔だと感じる。実用的であることはわかっていたのだが、筆者は最初、これを剝がそうとした。

rM2は全体的に非常にスリム化された。初代よりかなり重い(初代の350グラムに対して400グラム。どちらも最軽量のiPadよりも軽い)とは言え、どう考えても軽量である。ベゼルはデバイスを握ったり位置を変えたりしやすい程度の幅はあるが、その幅は広すぎず、デバイスを邪魔することはない。自分だったらベゼルの幅をもう少し狭くできたかもしれないとも思うが、それは筆者自身の個人的なこだわりのせいだ。

誤解しないでいただきたいのだが、筆者は工業デザインには非常にうるさい人間である。ここで挙げた欠点は、例えば、見苦しいiPhone 11と比べれば、はるかにましである。rM2は初代よりも魅力的なデバイスに仕上がっており、デザイン上の優れた選択の数々を見せるにしても、あえて隠すにしても、非常に良い判断をしていると思う。

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ディスプレーは初代と同じで、画素密度とコントラストの面では、現在の電子書籍リーダーのレベルには達していない。KoboとAmazonの電子書籍リーダーは1インチ当たりのピクセル数が300ピクセルであるのに対し、reMarkableはそれを下回る226ピクセルである。これが重要になる場合も、そうでない場合もある。一部のフォントとペンマークには多くのエイリアシングが見られたが、大きなデバイスほど顔から遠ざけて持つ傾向があるため、エイリアシングはほとんど気にならない。

フロントライトはないが、これは意図的な選択だろう。紙の文書を見るときに使用するのと同じ照明下で作業することを想定しているからだ。それでも文書を読んでいるとき、たまに、フロントライトがあったらいいのにと感じたことがあった。

新しく搭載されているバッテリーが非常に長持ちすることは筆者が保証する。デバイスはまだ1週間ほどしか使っていないため、スタンバイ状態で数か月放置したらどうなるか、まだ語ることはできない。しかし初代は頻繁に充電しなければならず、いつもがっかりさせられていたのに比べて、今回のモデルははるかに長時間、充電なしで使えている。

また電源のオンとオフの切り替えも、はるかに速くなった。初代はスリープ状態に入り、少し遅れてからシャットダウンし、起動にしばらく時間がかかった。rM2はスリープ状態から瞬時にオンになり、完全なオフ状態から約20秒で起動する。幸いにも、初代と同じくらいの頻度で電源をオフにする必要も、自動的にオフになることもない。rM2を多くの人にとって実用的なデバイスにするためには、オン/オフやバッテリー寿命の心配を取り除くことが大いに役立つ。

無限に使える便利なリーガルパッドとPDFツール

筆者の字はひどいが、本来はきれいな字を書けるように設計されているrM2。画像クレジット:Devin Coldewey/TechCrunch

 

rM2は、科学論文、法律文書、報告書などのドキュメント全体のリーダーとして、また事実上無限のページを利用できるという大きなメリットを持つスケッチブックやメモ帳として、最も成功している。

読むことに関しては、操作性は初代のデバイスと大差ない。対応しているファイル形式はかなり少なく、PDFが最適である。ページを流し読みしたり、ペンで注釈を付けたり、テキストを強調表示したりできるが、残念ながらテキスト自体をデジタル的に選択/強調表示するのではなく、半透明のレイヤーでテキストをペイントするだけである。

テキスト検索は簡単で、ナビゲーションもわかりやすいが、スワイプではなくタップして次のページに進むオプションが欲しいところだ。変更はreMarkableアプリ内のドキュメントに同期され、変更されたバージョンを簡単にエクスポートできるが、ここでもテキストを直接選択することはできない。

rM2は以前に比べ画面上での書き心地が格段に良く、Eペーパーデバイスの中ですでにベストな選択肢になっている。フルカラーのイラストについては、当然ながらiPad Proの方がrM2より勝っている。しかしrM2の狙いは、他のタブレットが有する機能を満たすことではなく、意図された機能を確実に提供することにある。

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画面の手触りは初代のreMarkableよりも滑らかになっているが、質感の変更は必ずしも悪いことではない。初代では、そのザラザラした質感のせいで、書いているときに画面を引っかいているようし感じるのがいつも気になっていた。rM2ではそのようなことはないが、触知感がやや劣る。レイテンシーが低くなったことについては、気付くか気付かないかが分かれるところだと思う。初代のreMarkableを含め、筆者がテストした他のどのEペーパーよりもレイテンシーは確かに低くなっている。しかし21ミリ秒のレイテンシーであっても重要であり、書き方や描画の仕方に影響を与える。「紙のように」とはいかないが、これはかなりすごいことだ。

インタビューのときに使用している小さなポケットノートパッドを変えようとは決して思わないが、ミーティングやブレーンストームセッションではrM2を使ってみたいと思う。名前を小さくまとめて書いたり、フローチャートを作ったり、後で調べるためにあれこれメモしたり、上司の顔をいたずら書きしたりできるスペースがとても大きくて使いやすいため、あやうく、もっと会議に参加したいと思ってしまうところだった。思わずそう感じるくらい、本当に使いやすい。

使用しているところを動画で見せると参考になる人もいるとは思うが、実際に操作してみると、その見た目や感覚を感じとるのが動画でも難しいというのが実のところだ。見た目よりもずっと反応が良い。

書いたり描画したりするための頼りになる新機能として、スタイラスの反対側に消しゴムが付いた。消しゴムは自動で機能し、使い心地は本物の消しゴムのようで、ペンメニューにアクセスする手間を省ける。消去するよりも「元に戻す」操作をしたいときがあるが、残念ながら「元に戻す」にはまだメニューを開く必要がある。画面全体がマルチタッチ容量性であることを考えると、2本指で左にスワイプするなどして元に戻したり、何もないスペースで消しゴムをダブルタップしたりできない理由が見つからない。

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手書き認識機能は非常に便利だ。rM2で大量のメモを取る機会はまだないが、混在しているメディアページをコンピューターに転送するときに、いかに時間が短縮されているかがよくわかる。誰かが言ったメールアドレスや名前の入力にそれほど多くの時間を取られることはないが、ボタンを押すだけでコピー&ペーストができるようになるともっと便利だと思う。

確かに転記ミスはあったが、正直なところ、筆者が書く「u」、「n」、「r」、「v」は自分でさえ読み間違えることがある。筆者は引きずるように書く癖があるため、できるだけ低い筆圧でペンを走らせることよりも、表面からペンを持ち上げることに意識を集中する必要があった。

電子書籍リーダーとしては可もなく不可もない

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初代のreMarkableは、電子書籍リーダーやその他の純粋なテキストコンテンツの操作と表示の点では、特に興味を引かれるものではなかった。rM2ではこの点が改善され、非常に便利な新しいタイムシフト機能が追加されているが、まだ競合他社に後れを取っている。

実際のところ、reMarkableは本を読むためのものではない。フルページとして表示されるように作成されたコンテンツ向けにフォーマットされており、それがうまく機能している。独自にテキストの整形を行う必要がある場合は、選択肢が少なくなる。

6つのフォント、1つのフォントにつき6つのサイズ、余白と間隔にそれぞれ3つのオプションがあり、カスタマイズの余地は少ない。書籍の表示に最も向いていそうな2つのテキストサイズは「少し大きすぎる」そして「少し小さすぎる」ように見える一方で、他のサイズは滑稽なほど巨大で、大きな活字の本よりもテキストが大きく表示される。

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筆者がタブレットに読み込んだepubブックのいくつかは、いろいろな点でうまくいかなかった。段落の最初のタブが表示されない、テキスト内のリンクが機能しない、行間が均等でない、段落の一部ではなく大きな空白が表示される、などの問題があった。reMarkableチームは電子書籍のレンダラーとテキストオプションを真剣に検討する必要があり、実際にそうしているが、書く機能や描画機能、そしてもちろん新しいハードウェアへの対応にチームのリソースが費やされてしまったようだ。

新しいChrome拡張機能を使用してWebから集めた記事を表示するときには、同じ問題は発生しない。これらの記事は書式に一貫性があり、雑誌のページのように読むことができて快適だ。2列表示のオプションやページのコード変換方法をカスタマイズする他の手段があればいいのだが、今のところないようだ。しかし筆者は、この点に関してreMarkableに合格点をあげたいと思う。これは開発中の新しい機能であり、かなりうまく動作しているからだ。

残念ながら、Pocket、Simplenote、Evernoteや同じような他の一般的なサービスと統合する見込みはない。良くも悪くも、reMarkableは単独で進むことを選んだのだ。実際、企業としてのreMarkableはデバイスを複雑にしすぎたり、他のものと統合しすぎたりすることを警戒している。なぜなら、余計なものを取り除くことを企業理念としているからだ。このアプローチにより統一された操作性が得られる。しかし、reMarkableが自ら競合する他社製品と同等の優れた機能を提供できなければ、痛手を受けることになる。

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筆者が抱えている深刻な不満の1つは、1つのアカウントで一度に1つのデバイスしかアクティブにできないということだ。そしてこれは、reMarkableの既存顧客を間違いなく困らせる問題だと思う。つまりすでに初代reMarkableを購入している場合、reMarkable 2をセットアップするには、原則的に初代を無効にする必要があるということだ。

これは大きな問題であり、reMarkableがチャンスを逃すことにもつながる。まず、古くからの顧客を実質的に裏切ることは少し残酷だ。おそらく解決策は見つかるだろうが、古いデバイスをアカウントから削除しなければならないという純然たる事実に問題がある。なぜなら、デバイスを2台使用できれば、絶対に便利だからだ。1台は職場、1台は自宅で使用して、2台を同期したり、アカウントをパートナーと共有して文書や手書き文字をやりとりしたりすることを想像してほしい。

この件についてreMarkableに問い合わせたところ、現時点では技術上の制約があるが、複数デバイスのサポートは現在計画中のようである。しかし現在rM2の購入を計画している人にとって、初代のデバイスを使えなくなること、少なくとも同じようには使えなくなること(つまり壊れているわけでもなく単にアカウントと同期しないということ)は、重要な検討事項になる。

希望と夢(そしてハック)

すでに述べたように、reMarkable 2の魅力は、どんな機能を備えているかではなく、何ができるかにある。reMarkableはここ数年、エコシステムがサポートする機能を大幅に拡大し、パフォーマンスを向上させ、ユーザーの要求に応えてきた。reMarkableのチームは熱心で率直なコミュニティを持っているため、筆者が感じる不満のほとんどはすでにチームが知るところとなっており、機能の修正や追加が計画されている。

このような有望なハードウェアを活用するための新しい方法をまとめている健全なハッカーコミュニティもある。もちろん慎重にやらなければ、ハードウェアを不能にしてしまう可能性があるため注意が必要だ。reMarkableが、その基本的な考えからRSSリーダーをデバイスに組み込みたくないのであれば、おそらく誰かがRSSリーダーを作るだろう。筆者はこのデバイスを、慎重に調整されたプラットフォームとしてではなく、汎用のグレースケールコンピューターとして試すことを楽しみにしている。

以前のreMarkableは非常に興味深いデバイスだったが、ローンチ時に広く推奨するのはやや難しかった。しかしここ数年でreMarkableは実績を積み上げ、デバイスの機能も向上して、その地位は強固なものになった。今回のアップグレード版はあらゆる面で強化され、価格も3分の1になったため、以前よりもはるかに自信を持って人にすすめられる。ペーパーレスの世界の探求に興味のある人、集中力を高めたい人、これがかっこいいと思う人は、reMarkable 2をぜひお試しいただきたい。

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カテゴリー:ハードウェア

タグ:ガジェット レビュー タブレット

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(翻訳:Dragonfly)