テスラが長寿命低コストのバッテリーを開発中、EVの価格をガソリン車と同等に

Tesla(テスラ)のCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、将来のバッテリー技術の改善を吹聴し、次の同社のイベントは「バッテリーデー」になる、とまで公言していた。そして5月14日ロイターは、テスラが最新バッテリー技術を発表する計画であることを報じた。開発したテクノロジーは、同社の電気自動車の動力源として「100万マイル」の使用に耐え、低コストで生産できるという。これは同社が同等のガソリン車と同じかそれ以下の価格でEVを販売できることを意味している。

これが本当なら同社にとって大きな転換点だ。ロイターによると、この技術は中国企業のContemporary Amperex Technology(寧徳時代新能源科技股份有限公司)との共同研究開発から生まれたもので、マスク氏が電力ストレージの経済変革を起こすために集めた選りすぐりの学界出身者からなるテスラバッテリー技術研究チームの成果に基づいている。

バッテリー容量と製造コストは、電気自動車の製造コストに関わる長年の阻害要因であり、EVの販売価格が高額になる主要な原因だ。通常自動車メーカーは、テスラも含め生涯の燃料費節約と地域や州、国が提供する税優遇を、EVの生涯コストをガソリン車と同等あるいは低くする緩和要素として示してきた。しかし、同社の新しいバッテリー技術はこの状態を変え、EVの価格をガソリン車よりも低くする可能性を秘めている。そうなればEV普及の大きな原動力になる。

テスラは新バッテリーをまず中国で、Model 3を皮切りに採用する予定だとロイターは書いている。その後、他の市場へも展開し、最終的に新しい製造プロセスでバッテリーを生産する。新プロセスは労働コストを下げ、生産量を上げるためのもので、ネバダ州にある今のギガファクトリーの30倍の広さの、いわゆる「テラファクトリー」で使用される。

「テスラが開発しているバッテリー技術には、低コバルトおよびコバルトフリーの化学物質を使用するものや、新たに開発された材料と内部コーティングによって活性物質へのストレスを減らして、利用可能期間を延ばすものもある」とロイターは伝えている。

同社は提携しているContemporary Amperex Technologyが開発した新システムも導入する。最終的なバッテリーパックに搭載する前にバッテリーセルをまとめる手順を省略することで、パッケージの重量とコストを下げる。ほかにも、バッテリーの部品を最終的に他のエネルギー製品で使うことで実用年数を延ばす新たなリサイクル技術を開発している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

工場再開後も自宅に留まるテスラ社員には失業手当が給付されない可能性

「一時帰休しているTesla(テスラ)社員が操業再開で呼び戻れれた時、新型コロナウイルス(COVID-19)を恐れて自宅に残ることを選択すると、失業手当を受けられないかもしれない」と同社の人事責任者であるValerie Workman(ヴァレリー・ワークマン)氏が5月13日に社員に宛てたメールに書いた。

TechCrunchが入手した社内メールには「失業手当をもらえるかどうかは州の判断次第であり、同社は自宅待機することついて社員を罰することはない」と書かれている。CNBCがこのメールについて最初に報道した。

「呼び戻された後は一時帰休状態ではなくなるため、出社しないことを選んだ場合は地方自治体の判断によっては失業手当の給付に影響があるかもしれない。テスラの判断ではない」とワークマン氏がメールに書いている。そして「会社はみなさんの判断を全面的に尊重し支援していく。会社が不利を強いることはない」と。

TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は従業員宛ての社内メールで「仕事に戻ることに不安を感じるなら、家に留まるべきだ」と語った。しかし、この最新のメールは社員に苦渋の選択を迫っている。仕事に戻って新型コロナの感染リスクに直面するか、自宅に残って失業手当を失うか。メールの一部のスクリーンショットは以下のとおりだ。

Tesla HR email

5月13日に送られたメールでは、同社がカリフォルニア州フリーモント工場で生産再開の準備を進めていることが社員に伝えられた。同工場は、新型コロナウイルスのパンデミックの最中、いつ、どうやって操業を再開するかに関する議論の的になっている。

マスク氏は、アラメダ郡と衛生当局が外出禁止令を5月末まで延長したことに対する批判を繰り返し投げかけてきた。先週末に同氏は、テスラの事業拠点を州外に移し、郡を訴えることもほのめかした。

同氏氏が郡を公然と非難し、5月11日には外出禁止令を無視して工場を再稼働させるとまだツイートしている一方、当局とテスラの交渉は水面下で進められている。5月12日の夜アラメダ郡は、追加の安全対策を実施すれば、来週にもテスラが操業を再開できる可能性があると述べた。

衛生当局の声明によると、テスラからフリーモント工場における独自の新型コロナウイルス対策計画を受け取った後、「テスラ代表者と同社の安全・予防計画に関する建設的な議論を交わし、追加の安全対策についても話した」という。

画像クレジット:David Paul Morris / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラのフリーモント工場再開をカリフォルニア州アラメダ郡が来週にも許可へ

米国時間5月13日、米国カリフォルニア州アラメダ郡は、Tesla(テスラ)が追加の安全対策を実施すれば来週にも操業再開できる可能性があると発表した

アラメダ郡公衆衛生局の発表によると、テスラからフリーモント工場における独自の新型コロナ対策計画を受け取ったあと、「テスラの代表者と同社の安全・予防計画に関する建設的な議論を交わし、追加の安全対策についても話した」と説明されている。

「テスラが予防・管理計画に新たな方策を加え、健康に関する指標が安定ないしは改善すれば、当局はテスラが早ければ来週の操業再開を目指して今週から最小限の運用を進めることに同意する」と付け加えた。

アラメダ郡当局はフリーモント警察署と協力して、同社がソーシャル・ディスタンスを含め安全対策を実施しているかどうかを検証すると語った。

この合意は、アラメダ郡とテスラの工場再開日時を巡る衝突を受けたものだ。5月11日にTeslaのCEO であるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、アラメダ郡が製造業に対する外出禁止令を解除していないにもかかわらず、フリーモント工場で生産を再開したと発言した。同社は先週末にかけて、アラメダ郡に対して外出禁止令の解除を求めて訴訟も起こした。

関連記事:テスラがアラメダ郡の命令に反してカリフォルニア州フリーモント工場を再開

アラメダ郡はベイエリア地区5つの郡とともに、5月4日に一部の規制を緩和。建設、土木など主として屋外で行われる事業の再開を許可している。新型コロナウイルスの主要指標数値によっては、5月18日にそのほかの事業の再開も認められる可能性がある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

元テスラの製品担当役員が設立した家庭用スマート配電盤開発のSpanが約10億円調達

戸建て住宅の向けの家庭用スマート配電盤を開発・販売するSpan(スパン)が、2月中旬に1010万ドル(約10億800万円)の資金調達ラウンドをクローズした。同社は、テスラで製品担当役員を務めていたArch Rao(アーチ・ラオ)氏が設立したスタートアップだ。

同社は、中国で起きていたことをすでに知っており、世の中が厳しくなるという感触を抱いていた。しかし、悪い知らせにも資金調達や事業への悪い影響の可能性にも臆することがなかった。

「私は、この新型コロナウイルス(COVIDー19)騒動は必ずしもネガティブには捉えていません」とラオ氏は言う。実際に同氏は、事態は回復に向かっていると考えている。「自宅待機要請が一部解除となり、そして太陽光パネルと蓄電池の設置は以前から必要だと思われているので、SunRun(サンラン)などの大手施工業者のオンラインでの売り上げが伸びています。このパンデミックによる制約は、私たちの上昇カーブに与えた影響は4分の1程度です」と語る。

新型コロナウイルスによる強制的な休暇は、実際のところSpanには好都合だったラオ氏は言う。同社は、新製品の開発と製品の販売に忙しくなることを想定した準備に取りかかっていた。太陽光発電と充電技術の導入を望む顧客からのプレッシャーは、特にカリフォルニアなどの州では消えていない。

カリフォルニアは、次なる山火事シーズンの到来と停電や輪番停電への準備を整えているが、それがオフグリッドの自家発電と充電への投資を住宅所有者に促していると彼は言う。

しかしラオ氏は、Spanは単なるスマートな配電盤だとは思っていない。送電網と自家発電ネットワークの交差点で、Spanの装置は家庭内の装置と電力の出入りの監視と管理を行うという独特な優位点に立っているからだ。

さらに彼は、そのビジョンにMatt Rogers(マット・ロジャーズ)氏からの投資というかたちで、ほかにはない専門家のお墨付きをもらっている。ロジャーズ氏は、家庭の電力使用の効率化に取り組む企業としては初の10億ドル規模に成長したNest(ネスト)の創設者だ。

自身の投資会社Incite Ventures(インサイト・ベンチャーズ)を通じてロジャーズ氏は、Spanの直近のラウンドに参加している。「私たちは、家庭で電力を大量に消費するものである暖房の温度調節器を根本から作り直そうとNestを創設したのです。私たちは、その厄介な装置を、インタラクティブで省電力なものに置き換えてきました」とロジャーズ氏は声明の中で述べている。「Spanには、家のなかのあらゆる電力浪費を解決できる可能性があります。だからこそ私はSpanの投資に参加し、アーチの相談役となったのです」。

画像クレジット:Span

ラオ氏がSpanに抱いているビジョンには、Nestを世界に送り出した最初のアイデアと同じほどの拡張性がある。「私たちのソフトウェアスタックが、Androidデバイスと非常に似ていることを考えてください」とラオ氏。「私たちには自社開発のアプリがあり、それ(ソフトウェア開発キット)をサードパーティーに提供しています」。

「ユーザーは、そのアプリをダウンロードし、外部の販売業者に管理を委託したい配線や電気機器を選択する。その見返りとしてわずかな経済的利益を得る」とラオ氏は説明する。「私たちが考えているのは、モバイル業界がこの10年間に採用してきたものと類似のモデルをデジタル電力分野に採り入れることです」と同氏。家の配電盤が30年ほども変わらず居座っていたとすれば、これは携帯電話も成し得なかった方法でSpanのプラットフォームに顧客を取り込むチャンスと言える。

Spanがバッテリーの供給元として契約した、LGなどの一部の提携企業は同氏のビジョンを広げてくれる。「LGは家電品メーカーですが、私たちと新しい家電製品との結びつきを示すロードマップでもあります」とラオ氏。「そこから家電製品の世界が推測できるでしょう」。

今回の1010万ドルの投資を主導したのはArcTern Venturesだが、Capricorn Investment GroupIncite Venturesという新規の支援者も加わっている。それ以前の投資企業は、Wireframe VenturesCongruent VenturesUlu VenturesEnergy FoundryHardware Club1/0 CapitalWells Fargo Strategic Capital。その中には、今回の投資に再び参加したものもあるとのことだ。

投資家たちの興味を引いたのは、電力網と家庭との中間というSpanの立ち位置と、家庭での発電と充電と電力消費の監視と管理に家の人間が参加できる仕組みだ。Spanはまず、ハワイとカリフォルニアでのセールスに注力する。それらの州では政府の強いインセンティブがあり、助成金などで需要が加速され可能性があると同社は話している。

今回の投資ラウンドのほかに、バーモント州の電力会社Green Mountain Power(グリーン・マウンテン・パワー)の元最高責任者であるMary Powell(メアリー・パウエル)氏が独立役員としてSpanの取締役会に加わった。パウエル氏とラオ氏は、共にTesla(テスラ)でスタートアップ幹部として働いていたことがある。

「顧客第1の電力供給とはどんなものか、彼女はバーモント州の数千軒もの家庭にTesla Powerwall(テスラ・パワーウォール)を設置して、その実例を示してくれました」とラオ氏。「私たちのパネルを市場に送り出すこの時期に、また彼女と仕事ができて、とてもうれしいです」。

画像クレジット:Span

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

テスラがアラメダ郡の命令に反して工場を再開

5月11日、Tesla(テスラ)CEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、アラメダ郡の外出禁止令を無視して、カリフォルニア州フリーモントの工場で生産を再開したと語った。

マスク氏は同日午後のツイートで、自分は「ラインにいる」と言い、テスラがModel X、Model S、Model 3、およびModel Yを作っている工場の組立ラインを指した。そして、「もし誰かが逮捕されるなら、私だけにしてほしい」と付け加えた。

マスク氏の行動は、数日前のTwitterでの爆弾発言や訴訟に続くもので、すべてはアラメダ郡当局に同社の工場再開を認めさせるための圧力が目的だ。

アラメダ郡、フリーモント市、および本件を管轄するフリーモント警察署はいまもテスラと交渉を続けている、とアラメダ郡保安官事務所広報官のRay Kelly(レイ・ケリー)軍曹がTechCrunchに語った。

テスラとマスク氏はコメント要求に応じなかった。

5月9日にテスラはアラメダ郡に差止請求の訴訟を起こした。同社の操業再開を阻止する命令を無効化すたるためだ。その日の夜、同社は37ページの文書からなる作業再開計画を発行し、従業員の安全を守り、新型コロナによる感染拡大を防ぎながら生産を再開する同社の意向を説明した。

同社は、カリフォルニア州Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事が工場の操業再開を認める指導を行ったことを受け、再開計画の一環として8日に工場労働者の約30%を戻す計画だった。しかし、知事の指導には、地方自治会がより厳格なルールを制定する可能性があることが警告されていた。アラメダ郡は、ベイエリアの各郡と同様に外出禁止令を5月末まで延長している。命令は改訂され一部の制約が緩和された。しかし、製造業に対する命令は解除されていない。

11日、ニューサム知事は恒例の新型コロナウイルス(COVID-19)説明会の席上、テスラとマスク氏への支援を表明し、アラメダ郡と同社の問題は数日以内に解決することを信じていると語った。

「私は長年アーリーアダプターやテクノロジーの強い支持者であり、テスラだけでなく創業者のことも何年も何年も前から知っている」とニューサム氏は語った。「彼らのテクノロジー、彼らのイノベーション精神、そして彼らのリーダーシップには強い尊敬の念を持っている。そしてこの郡レベルの問題にアラメダ郡とテスラとともに取り組むことで、数日のうちに解決できることを大いに期待している」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラは延長された在宅命令を無視して工場を再開させる計画だった

米国時間5月8日の金曜日にアラメダ郡保健担当官のErica Pan(エリカ・パン)博士は、Tesla(テスラ)はカリフォルニア州フリーモントの工場を再開するための許可をまだ与えられていないと、ビデオストリーミングで開催されたタウンホールミーティングで語った。

郡の延長された在宅命令に抗してテスラは、金曜日には工場を再開する計画を立てていた。

テスラはTechCrunchが確認できた5月7日の木曜日に従業員宛に送られた内部メールの中で、アラメダ郡にあるフリーモント工場の「限られた操業」を再開する計画であると記していた。テスラの決定は、アラメダ郡の在宅命令と直接対立するものだ。

パン博士によればアラメダ州の保健当局と郡当局はテスラと協力して、再開のための安全計画を見直しているという。「私たちは彼らに待つようにお願いしている」と彼女は付け加えた。

テスラはコメントのリクエストに応じていない。

従業員には、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏からのメールと、会社の人事部長であるValerie Workman(バレリー・ワークマン)氏からのメールの2通が届いていて、どちらも工場が早ければ金曜日に再開することを示していた。再開の決定は、製造業は操業を再開できると木曜日に語ったカリフォルニア州知事のGavin Newsom(ガビン・ニューサム)氏による新しいガイドラインに基いたものだった。ただしニューサム知事のガイダンスには、地方自治体はより制限的なルールを維持できるという警告も含まれていた。

アラメダ郡は、他のいくつかのベイエリアの郡や市とともに、2020年5月末まで続く改訂版在宅命令を発令した。これらの改訂された命令は、いくつかの制限を緩和している。ただし、製造業への命令は解除されなかった。

以下は、あるテスラの従業員からTechCrunchに送信された電子メールのスクリーンショットだ。

テスラの内部メール(5月7日)

画像クレジット:Kirsten Korosec

2020年5月8日より、フリーモント工場で限定的な作業を再開します。
具体的な開始日と時間の詳細については、上司または人事部からEメールまたは電話で連絡があります。また、ネバダ州とニューヨーク州にある当社のギガファクトリーも、それぞれの州の認可を受けて限定的な操業を開始しました。同様にセールス、サービス、配送、エネルギー事業も州ごとに徐々に再開しています。

パン博士ならびにベイエリア周辺のその他の郡の保健当局は、制限を緩めることによる影響がないことを確信できるまで、テスラのような企業が待ってくれることを希望している。また企業がベストプラクティスに従っていることを確認するために、ビジネスの再開を計画するための適切な時間をとれていることを確認したいと考えている。

「私たちは郡内の各施設に、地域の健康秩序が守られていることを伝え、最初の制限解除を行った後に何が起こるかを確認するために、もう1週間ほど待つことを本当に求めているところです」とパン博士は語った。

アラメダ郡保健局は、テスラに対して「経済とコミュニティのさまざまなセクターの安全な再開を段階的に進めるために、成り立たなければならいすべての条件」を通知したことをTechCrunchに伝えている。

郡の命令に記載されている制限基準を満たしていないビジネスは、再開することができない。

「テスラはこれらの基準を満たしていないため、再開するべきではないことを通知されています」と郡保健局の広報担当者はメールで述べている。「私たちは、テスラの再開計画に関する積極的な取り組みを歓迎しています。再開の基準に適合すれば、彼らは従業員とコミュニティ全体を保護する方法とともに再開することができます」。

新型コロナウイルス 関連アップデート

画像クレジット: Mason Trinca for The Washington Post / Getty Images<

原文へ
(翻訳:sako)

テスラは新型コロナで工場を一時閉鎖、社員給与の削減と一時レイオフを実施

テスラは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行により、少なくとも5月4日まで米国工場での生産を一時停止、社員の給与を10%から30%削減し、工場労働者の一時レイオフを行う。4月7日の夜にTechCrunchに転送された内部の電子メールの情報から明らかになった。

電子メールによれば、第2四半期の終わりまで社員に対する給与カット(副社長は30%、取締役レベルの幹部は20%、残りの社員は10%)が予定されている。給与の削減と一時レイオフは4月13日から始まる。電子メールによると、在宅勤務ができず重要なオンサイトポジションを割り当てられていない従業員は、5月4日まで一時レイオフ対象となる。

テスラの人事部門の責任者であるValerie Workman(バレリー・ワークマン)氏からのメールには「最小限の重要な業務のみは継続します。重大な変化がない限り、米国の施設では5月4日に通常の生産を再開する予定です。それまでは、長期計画を達成することを確実にするための行動をとることが重要です」と述べられている。

「これは会社全体で共有する痛みであり、これらの困難な時期に私たちが進歩することを可能にします」と電子メールは続けている。

一時レイオフされる従業員は、テスラ従業員のままだが無給で、医療保険には加入したままとなる。電子メールでは一時レイオフされる従業員に対し失業手当を申請するように指示している。

またテスラは従業員への電子メールで、株式付与などの成果に基づくアクションも保留にすることを明らかにした。

テスラはカリフォルニア州フリーモントの主要組立工場、Model 3のバッテリーパックと電気モーターを生産するネバダ州のギガファクトリー、ソーラー製品を製造するニューヨーク州バッファローの工場といった多数の工場と施設を、全米で運営している。

また同社は3月19日に、フリーモントとバッファローの工場で生産を停止する計画を発表していた。その当時、同社はいつ生産を再開するかについては明らかにしなかった。フリーモント工場の生産停止は、新型コロナウイルスのパンデミックによりアラメダ郡で屋内避難指示が出されてから1週間後の3月23日から始まった。

テスラの充電インフラストラクチャをサポートするいくつかの基本的運用と、「車両およびエネルギーサービス運用」と呼ばれるサービスは、通常の状況では1万人以上を雇用するフリーモント工場で継続されている。工場ではまだ約2500人の労働者が働いている。

3月の時点でテスラは、現在のパンデミックによる操業停止を乗り切るのに十分な流動性資金を持っていると述べている。最近行った23億ドル(約2500億円)の資金調達前の、第4四半期末の現金ポジションは63億ドル(約6860億円)だった。

「このレベルの流動性資金は、長期にわたり不確実性をうまく乗り切るために十分なものであると考えています」とテスラは述べている。

同社は、2019年第4四半期末に上海工場を拡張するための資金調達の他、全地域の運転資金ラインを含め、約30億ドル(約3270億円)相当のクレジットラインを確保していた。

画像クレジット:Mason Trinca for The Washington Post / Getty Images

原文へ

(翻訳:sako)

テスラ中国工場でのModel 3ロングレンジの生産にゴーサイン

画像クレジット:Costfoto/Barcroft Media via Getty Images/Getty Images

中華人民共和国工業情報化部のWebサイトに米国時間3月6日に掲載された文書によると、Tesla(テスラ)は、同国政府から中国の工場でModel 3のロングレンジ後輪駆動タイプを生産するための承認を受けた。

ロイターが最初に報じた

テスラは、2019年末に上海工場でModel 3のスタンダードレンジプラス後輪駆動タイプの生産を開始した最初の納車も1月初旬に始まっている。今回の承認により、テスラは中国で販売する車種のリストを充実させることができる。最終的に同社は、中国の工場で電気自動車モデルYも製造する予定だとしている。

この動きが注目を集めるのには理由がある。というのも、テスラは米国ではロングレンジ後輪駆動タイプのModel 3の生産を中止し、現在ではそのバリエーションとして、デュアルモーター4輪駆動タイプのみを提供しているからだ。またこの動きは、中国ではModel 3の基本的なタイプを販売する、という同社が打ち出していた当初の計画からはズレている、と点もある。

テスラの中国版Webサイトによると、スタンダードレンジプラスのモデル3は、1回の充電で276マイル(約444km)を走破できる。しかし同社はまだ中国版Webサイトに、ロングレンジタイプの走行距離を掲載していない。

テスラは、2018年7月に中国政府と契約を結び、上海に工場を建造した。これはテスラと同社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏にとって、節目となるできごとだった。同氏は中国を非常に重要な市場であると、ずっと位置づけてきたからだ。また中国が、これをテスラと中国政府とのジョイントベンチャーとはせず、テスラが100%所有する工場として認めたという点でも注目を集めた。通常外国企業が中国に工場を作る際には、伝統的に現地のパートナーと50対50の合弁事業としなければならなかったためだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

テスラがあの『窓ガラス破壊』自虐Tシャツを公式に発売

テスラは、それが商品の宣伝になることなら、恥ずかしい出来事でも取り込んでしまうことに抵抗はないようだ。同社はCybertruck(サイバートラック)の運転手側の窓ガラスが破壊された様子がデザインされたTシャツの販売を始めた。この「窓ガラス破壊」は、2019年末に同社が論争の的となったピックアップトラックを公開したときに起きた出来事だ。

11月のイベントでは、テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が、Cybertruckの頑丈さをテストするために、同社のリードデザイナーであるFranz von Holzhausen(フランツ・フォン・ホルツハウゼン)氏をステージ上に呼んだ。ホルツハウゼン氏がトラックの側面をハンマーで殴ったときには、目に見える傷は残らなかったが、次に彼が鋼球を防爆性があるはずの車窓に投げつけたら、簡単に割れてしまったのだ

運転席側のサイドウィンドウが最初に破壊され、ガラスがクモの巣状に割れた(しかしマスク氏が指摘したように、鉄球は完全にガラスを通過することはできなかった)。一瞬呆然としたような様子だったマスク氏から許可を得たホルツハウゼン氏の第2投は、後部座席の窓も割ってしまった。

テスラの公式ショップで入手できる新しいTシャツの価格は45ドル(約4900円)。前部の窓がクモの巣状に割れた様子を写真から再現したデザインになっている。またTシャツの背中には、Cybertruckの公式ロゴが入っている。これはホイールから上のCybertruckシルエットのように見えるシンプルな三角形だ。

私がチェックしたときには、実際にTシャツを購入できなかったが、これはヒットするだろう(最初の2分間ですでに売り切れたのではなかったなら)。事件は即座にミーム化した。後にテスラは、事前に行われたホルツハウゼン氏によるドアへの打撃が窓のガラスを構造的に弱めていたのだと説明したが、いずれにせよそれはマスク氏もしくはテスラのプレゼンテーションにとって、計画も期待もされていなかったものだ。

窓ガラスの強度に対するステージ上でのマスク氏の主張と同様に、Twitterにおける彼の主張である「このTシャツは防弾で、着れば筋骨隆々になれるぞ!」という発言も、割り引いて受け取っておこう。

原文へ
(翻訳:sako)

公道を走るCybertrucの投稿動画から浮かび上がる疑問

ロサンゼルスを走りまわる「Tesla Cybertruck」(テスラ・サイバートラック)のビデオが投稿された。イーロン・マスク氏が運転しているとも言われるが、実際に彼がこのビデオに映った車のハンドルを握っていたかどうかの確認は取れていない。それでも、このビデオから、いろいろわかることもある。

1つには、まだミラーがないこと。米国の法令では、乗用車には室内と運転席側の側面にミラーが必要とされている。このビデオのCybertruckには運転席側にミラーがない。

Cybertruckを発表したとき、マスク氏は後方の視界を確保するためにビデオカメラを使っていると語っていた。それは、他の自動車メーカーもやろうとしていること。キャデラックは、すでに何年も前からやっているし、実用化されている。

だとしても、運転席側にミラーがないのは大きな問題だ。発表会でお披露目された車にもミラーはなかったが、このビデオに映った車にもない。サイドミラーの代わりにカメラで撮影した映像を使う可能性もあるが、そうした発表はなされていない。Audi(アウディ)など、他の自動車メーカーは、ヨーロッパではカメラを使い始めているが、米国仕様では物理的なミラーが不可欠となっている。

2つ目は、車体のロールが激しいこと。このビデオでは、ドライバーは大きく左折して通りに出ている。その際、Cyber​​truckの車体はかなり大きく右に傾いているように見える。ちょっとやそっとではない。

Cybertruckも、他のすべてのテスラ車と同様、底部にバッテリーを搭載している。そうすることで、大きな重量物を底部に集中させ、重心を低くして、車に安定感を与えることができる。Tesla Model Xの場合、これによって、側面から衝突されても、横転を防ぐ素晴らしい効果が得られている。

Cybertruckは、認可されているより広いトレッド幅なのに、車体のロールは大きい。発表会で公開されたCybertruckのタイヤは、明らかにフェンダーから飛び出していた。米国の法規では、タイヤはフェンダーで覆う必要がある。従ってこれも違反状態だ。テスラは、最終バージョンでは、これを補正してくると考えられる。これまでは、ステージ上での見栄えを良くするためとテスト中の安定性を確保するために、こうなっていると考えられていた。この最新のビデオでは、まだCybertruckのタイヤはフェンダーから突き出している。現状で、どの程度タイヤがはみ出しているかは分からないが、路上のカラーコーンを蹴散らして行ったところを見ると、それなりに飛び出ているようだ。もしCybertruckのトレッド幅が狭められたら、車体のロールはさらに大きくなるのではないだろうか?

そして、ドライバーは赤信号を無視して行ってしまった。Cybertruckは、交通信号などない未来の世界の乗り物なのだから、それも当然だろう。

  1. cybertruck-3

  2. Starship-Cybertruck

  3. Cybertruck

  4. Cybertruck-6

  5. Cybertruck-5

  6. Cybertruck-4-1

  7. Cybertruck-1

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Tesla Cybertruckとフォード F-150の綱引きバトルの再戦はあるのか?

電気自動車の世界で語られている闘いがあった。しかし誰もが待ち望んでいるFord F-150とTesla Cybertruckの綱引きバトルは、おそらく実現しそうにない。簡単にまとめると、TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、Cybertruckお披露目イベントで綱引き対決と称するビデオを流し、同社の未来的電動トラックがF-150を引っ張る場面を見せた。

多くの人々がこれは公平な闘いだったのか疑問を呈し、宇宙物理学者で作家のニール・ドグラース・タイソン氏もその一人だった。しかし、何よりもマスク氏の注意を引いたのは、フォードのベンチャー・インキュベーターであるFord XのSundeep Madra(サンディープ・マドラ)副社長のツイートだった。

たちの悪い@Teslaがたちの悪いことをしている。@Ford F-150は後輪駆動なので「荷物がない」状態だと後車軸にかかる荷重は著しく小さくなり、牽引力は低くTeslaは容易に打ち勝つことができる。このコンテストはエンジンパワーよりも摩擦の物理学の問題だ

マドラ氏はマスク氏宛のツイートで、「公平な」テストを行うために

しかしフォードによると、マドラ氏のツイートは本気で戦うという意味ではなく冗談半分の煽りだったらしい。

「マドラのツイートは、テスラのビデオのばかばかしさを指摘するための冗談にすぎない」とフォード広報がTechCrunchにメールで伝えた。「42年続く米国のベストセラートラックを提供する当社は、他者が何を言おうとも、お客様を満足させることに尽くすだけです。来年の新しいF-150ハイブリッドと数年後の全電動F-150を発売することを楽しみにしています」。

フォードは考えを変えるのではないかと思う。しかし今のところ、綱引きバトルのリマッチの有無はテスラ側にかかっている。

よし、来週やろうじゃないか

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラのフル電動トラック「Cybertruck」がクレイジーなスタイルになった理由

Tesla(テスラ)のCEOを務めるイーロン・マスク氏は11月22日、完全電動モデルを含むピックアップトラックのCybertruck(サイバートラック)を発表。市場に2つとないスタイルだと公言した。そのとおりだ。しかしCybertruckは、その主要部分が似ても似つかないホンダの中型スポーツユーティリティトラック(SUT)であるRIDGELINE(リッジライン)の1世代と共通している。

CybertruckもRIDGELINEも、別々に開発された標準型のピックアップトラックだが、どちらもほとんどの乗用車に採用されているモノコック構造になっている。フレームの上に載っかるのではなく、両車とも実質的に金属の鳥籠のような構造体バードケージを包むようにして作られている。モノコックボディは、ボディの下に大きくて場所を取るフレームを使わずに済むため、テスラには都合がいい。バッテリーを車体の下側に配置し、ボディでそれを保護する構造をテスラは好むからだ。

モノコックのピックアップ形状のため、牽引力を高めるためのデザイン要素を取り入れる必要があった。それがセイルピラーだ。

たいていの場合、車両の牽引力は、エンジンの出力よりもボディのデザインで制約されることのほうが多い。牽引フックを取り付ける場所では、車体のフレームに大きな力がかかる。もっと重い物を引っ張りたいなら、トラック下部のフレームを大きくすることだ。しかし、モノコックボディのCybertruckの場合、牽引力を高めるために、できるだけ大きなセイルピラーを取り付けるしかなかった。それがあの、奇抜な形状につながったのだ。

自動車の車体は捻れ曲ろうとする性質がある。タオルを絞ったときのような感じだ。フレームの上にボディが載っかる構造なら、エンジンは、たくさんの応力を吸収してくれる大きなフレームの上に固定される。モノコック構造の場合は、縦の支柱が頑張ってくれる。フロントウィンドウのAピラーから始まって、SUVのリアウィンドウのDピラーまでが縦の支柱として配置されている。

フレームの上にボディが載っかる構造では、ほとんどのピックアップトラックが採用しているように、トレーラーを引っ張るときの力がフレームにかかる。ほとんどのエネルギーは、トラックの底を支えるその構造体の中に吸収される。トラックのキャブはフレームから独立していて、キャブとフレームが相対的な動きをすることで、フレームにかかる応力がうまく相殺される仕組みだ。

CybertruckやRIDGELINEや、ほとんどのSUVのようなモノコック構造では、ボディも同じ力を受けることになるのだが、ボディを使って捻れを防ぐようにしている。バットレス(控え壁)のようなセールピラーは、エネルギーを吸収し、トラックが捻れるのを防ぐ。

モノコックのSUVには、車両後部の縦の支柱であるDピラーがあるが、ピックアップトラックにはそれがない。Dピラーは、モノコックボディの捻れと、荷重がかかったときの屈曲を防ぐ。だが、Dピラーのないモノコックのピックアップでは、セールピラーがCピラーと車両後部をつないで、同じような効果をもたらしている。

第1世代のRIDGELINEは、控えめなセールピラーが付いていたが、第2世代ではモノコックボディ全体の主要部分を補強することで、セールピラーを廃止することができた。

ホンダは、そのデザインを以下のように説明している。

2017年型リッジラインのリアフレーム構造は、ボディ全体の構造強度を強固にし、衝突安全性と、運搬、牽引能力を高める上できわめて重要なものです。ボディ側面とリアのテールゲートのフレームには、完全なボックス型フレームメンバーを利用したことで、前モデルと比較して捻れ剛性を28パーセント向上させつつも、前モデルのアッパーベッドの前部にあったバットレス型の構造材を廃し、リッジラインの伝統的な3ボックスの側面形状を保つことができました。さらに、U型のリアフレームメンバーを採用することで、リアのテールゲートに高剛性の土台構造がもたらされ、テールゲートが非常に正確に閉まるようになりました。

Chevrolet Avalanche(シボレー・アバランチ)も、Dピラーがない代わりにセールピラーを採用している。アバランチを作るために、シボレーはこれをフルサイズの郊外型SUVとし、リアクオーターを切り捨てた。

テスラが最終バージョンのサイバートラックを発表するかどうかは不透明だが、疑問は数多く残っている。もしこれが最終デザインではないならば、テスラはホンダの方式を取り入れて、大きなバットレスを縮小して、従来型のピックアップのデザインに近づけることもできるだろう。

関連記事
テスラの完全電動トラック「Tesla Cybertruck」の注目ポイント
テスラのCybertruckはSpaceXのスターシップと同じステンレス鋼を使用
テスラの完全電動トラックCybertruckから我々が学んだこと
テスラがCybertruckの窓の頑丈さを実演しようとして失敗

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

テスラがCybertruckの窓の頑丈さを実演しようとして失敗

まあ、そんなことが起こるとはだれも考えていなかっただろう。それは、私がこれまでに見たものの中でも、より超現実的な製品発表の1つとなった、Tesla(テスラ)の3万9900ドル(約430万円)のCybertruckピックアップの発表会での出来事だ。いくつかのスペックを紹介し、スレッジハンマーで車のドアを殴りつけたあと、イーロン・マスク氏はステージ上の人物、テスラのリードデザイナーであるFranz von Holzhausen(フランツ・フォン・ホルツハウゼン)氏に、野球ボール大の硬い金属製の球を運転席側の窓に投げつけて、テスラの「アーマーグラス」の強さを実演するように促した。

しかし、それはうまくいかなかった。

ガラスは完全には砕けなかったが、端から端までヒビが入ったように見えた。「ああ、神よ」とマスク氏は笑った。「ちょっと、ハードすぎたかもしれないね」。

そこで、彼らは後部座席の窓でそれを再び試みたのだが…それも割れてしまった。マスク氏は肩をすくめながら「改善の余地があるね」と言った。

これは冗談だったのかって?「ハハハ!いやいや冗談です、さあこれが本物のグラスでのテストです!」といった類の?そうではない。マスク氏はトラックの前に立って、壊れた窓2つはそのままに、プレゼンテーションを終了した。

ほとんどの標準的な窓が、このようなテストに耐えるとは誰も期待していなかったが、イーロンでさえこの結果に驚いていたようだ。「私たちはレンチも投げつけたし、それ以外のいろいろなものを試したんだけどね」と彼はステージ上で言った。「文字どおり、窓に向かって台所の流し台を投げつけても割れなかったしね。ちょっと奇妙な理由で今は壊れたけど、その理由はわからないね」。

「後で修正しておくから」と彼は笑いながらフォローアップし、車のサスペンションについて話し始めた。ライブストリームが終了してから約30秒後に、テスラのYouTubeチャンネルで、このビデオは非公開になった。

そしてこれによって「ライブデモはうまくいかない」という、否定できない真実が相変わらず生き続けていることがわかったのだ。

テスラサイバートラック

[原文へ]

(翻訳:sako)

テスラがソーラールーフの施工を開始、ソーラーパネルより安価

Tesla(テスラ)は、住宅用のソーラー屋根材の3つ目のバージョンを、米国時間10月25日のブログ記事と記者会見で発表した。テスラのCEO、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、この3代目Solar Roof(ソーラールーフ)の解説から記者発表を開始し、いくつもの質問に答えていた。同社は、数週間後にはソーラールーフの設置を開始し(すでに始まっているものもあるとマスク氏は言っていた)、1週間に1000件の新規設置を目指しているという。

設置後の外観は通常の屋根材と変わらず、それでいて発電ができるようデザインされたテスラのソーラールーフ屋根材は発展途上の技術だと言える。テスラでは、このコンセプトを発表してから3年間、ずっと改良を重ねてきおり、今までに、2つのバージョンを試験施行している。「バージョン1とバージョン2は、模索段階のものでした」とマスク氏は、先週開かれた収支報告会で話していた。加えて彼は「バージョン3で、ついに成功の準備が整いました」と語った。

テスラのソーラールーフのウェブサイトには、およその見積もりを計算できるページがあるが、それによると10KW(キロワット)のパネルで、平均的な2000平方フィート(約186平方m)の屋根の場合、4万2500ドル(約460万円)となっている。米国の8550ドル(約93万円)の税額控除を受けると3万3950ドル(約369万円)になる。家の住所を入力すれば、その地区での施行費用と、その地方の税額控除から価格を割り出してくれる。テスラのホームバッテリー「Powerwall」(パワーウォール)を追加した価格も知ることができる(2000平方フィートの場合は3台が標準で付属)。

「このソーラーグラスの屋根は、比較的新しい屋根をお持ちの方には経済的なメリットはないでしょう。これそのものが、発電する屋根材だからです」とマスク氏は説明する。続けて彼は、このバージョン3の製品により、テスラは「標準的な屋根の建設費用と(その屋根に載せる形の)ソーラーパネルの価格を下回る」プライスポイントを実現できたと述べていた。

「効果的な設置方法は実に簡単に知ることができます。私たちは、その目的でインストラソンを開催する予定です」とマスク氏。インストラソン(施行マラソン)とは、2つのチームが、小さなあるいは凝ったデザインの屋根にいかに早く施行できるかを競わせる企画だ。「施行方法だけに関しても、かなりの研究開発を行った」とマスク氏は後に繰り返し述べていた。

またマスク氏は、最初は専門の職人を雇い訓練するという。この計画は、最終的にはあらゆる外部の施工業者にも広げる予定だ。収支報告会では、マスク氏とテスラの担当者たちが、施行時間を通常の屋根材をふいて、その上にソーラーパネルを設置する場合よりも短くなるように力を注いでいると話していた。そしてマスク氏は、このソーラーグラスの屋根材を、通常の屋根材よりも早く施行できるようにすることが最終目標であると語った。これはバージョン2と比較して雲泥の差があると、マスク氏は言い足している。

「私たちは、今後数週間以内にできるだけ早く施行を開始します」とマスク氏は準備が整っていることを告げると目標は「数カ月以内」に「1週間に1000件」だと語った。

2018年9月付けのCNBCの記事は、発表から彼らが調査を行った日までの間に2年のギャップがあるにも関わらず、テスラはソーラールーフの施行をほとんど行っておらず、同年1月にニューヨーク州バッファローにあるテスラのギガファクトリーでソーラールーフの製造が開始されたが、ほとんど作られていないと伝えていた。だが、6月に開かれたテスラの定期株主総会では、マスク氏は3代目のソーラー屋根材の準備は進んでおり、正確な数は明らかにしなかったものの、その時点で米国の8つの州で施工を進めていると話していた。

マスク氏は、今日までに一部の製造に遅延があったこと、以前までのバージョンは施工が難しかったことを認めた。そして彼は、テスラのモデル3の増産に触れ、「この1年から1年半の間、ソーラー部門からは実に多くの資源を融通していました」と話した。モデル3による障害が大幅に取り除かれたことで、会社としてこちらのチャレンジに本腰が入れられるようになったという。

マスク氏は、この製品の到達可能市場を世界の住宅1億軒のオーダーで見積もっており、実際に世界展開を意図していると強調した。

ローンチ時点では、ソーラールーフの仕様は1種類しかないが、できるだけバリエーションを増やしてゆくとマスク氏は話していた。それには、陶器やその他の素材に似せたものも含まれる。

ソーラー屋根材と施行には、耐風雨性(最大風速約58m毎秒など)と発電性能に25年間の保証が付く。ソーラールーフは、同等サイズの従来式の後付けソーラーパネルよりも多くの電力を発生する。しかし一方、個々のタイルの発電効率は従来式のソーラーセルよりも低い。それでも、カバーできる屋根の面積が広いためにソーラールーフのほうが高性能ということになるのだ。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

テスラのエネルギービジネスは将来自動車を上回るとイーロン・マスク氏は予想

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、同社のエネルギー事業は最終的には自動車部門と同じくらいか、それ以上のものになると予測している。

「もっと大きくなる可能性があります。間違いなく同程度にはなるでしょう」と、米国時間10月23日の決算報告でマスク氏は述べた。同社は、第3四半期に採算性を回復したことを報告してウォール街を驚かせた。

テスラの収益の大部分は、Model S、Model X、Model 3といった電気自動車の販売によって得られるもの。これらの車による第3四半期の収益は、53.5億ドル(約5810億円)だった。同社は、太陽光発電、エネルギー貯蔵、その他の製品やサービスによる収益の内訳を公表していない。それらを含めた第3四半期の総収益は63億ドル(約6842億円)であり、この数字から他の事業と比較した自動車事業の規模をうかがい知ることができる。

テスラのエネルギー貯蔵およびソーラー発電設備事業は、ほぼ2年間に渡って衰退するままとなっていた。同社はModel 3に注力し、リソースも集中させていたからだ。例えば、家庭用のPowerwallやビジネス用のPowerpackといったエネルギー貯蔵製品向けのバッテリーセルの生産ラインを、自動車用に振り向けていた。バッテリーセルの絶対量が不足していたからだ。

「まずModel 3をなんとかしなければテスラ自体が生き残れなかったので、そのような措置を取らざるを得ませんでした」とマスク氏は説明した。「そのために、残念ながら会社の他の部分を犠牲にしたのです」。

現在、同社はエネルギー貯蔵とソーラー発電設備の事業拡大に取り組んでいる。Powerwallのシニアプロダクトマネージャーとして2015年にテスラに入社したKunal Girotra(キュノ・ジロトラ)氏は、エネルギー部門のシニアディレクターに昇進した。

この第3四半期に、Teslaは43MW(メガワット)ぶんのソーラー発電設備を設置した。これは直前の四半期と比較して48%増加している。ただし、前年同期と比べるとソーラー発電の設置は54%の減少となっている。

10月23日に発表された収益によれば、エネルギー貯蔵設備の設置は成長を続け、第3四半期にはこれまでで最高の477MW/h(メガワットアワー)を達成した。

新しい取り組みとしては、2016年から始めている屋根用ソーラータイル製品もある。マスク氏は、3世代目の屋根用ソーラータイルを、米国時間10月24日午後(日本時間10月25日早朝)に発表すると予告した。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

ポルシェのEV「Tycan」とテスラ「Model S」をスペックで比較

ポルシェのTycan(タイカン)はテスラを直接狙ったミサイルだ。ドイツ製の電動セダンは、テスラのModel Sと初の本格的戦いをするのに必要なものをすべて備えている。低い空気抵抗を始め、テスラのセダンに欠けている技術の粋を集めた結果、ポルシェはスピードに劣ることなく、スリムなスタイルを提供している。しかしModel Sは長い航続距離をずっと低い価格で実現している。

スペックだけで車の価値を正しく表すことはできないが、スタート地点としては悪くない。以下の表では、Tycanの2つのモデルと、現在販売中のModel Sの2モデルを比較した。

ここではModel Sの主要な機能である自動運転機能は取り上げていない。本稿執筆時点でポルシェはTycanの自動運転機能について、全ポルシェ車が備えている標準的運転支援システム以上のことは明らかにしていない。

【注意】EPA(米環境保護庁)はTycanの公式航続距離をまだ発表していない。現在ポルシェは、新しいヨーロッパの評価システム(WLTP)による279マイル(449km)という数値のみ発表している。EPAは、テストらのModel Sロングレンジの航続距離を370マイル(595km)としている。


出典:Motor Trend

【関連記事】
Porsche unveils the $150,900 Taycan Turbo electric sedan
Porsche’s all-electric evolution: from sketch to Mission E concept to Porsche Taycan

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラがソーラーのレンタルで再生可能エネルギー事業を強化

Tesla(テスラ)は、不振の再生可能エネルギー事業に活を入れるべく、新たなソーラーパワー・レンタルプログラムを売り込んでいる。

一時はSolarCity社経由の販売で全米最大級の再生可能エネルギー事業者だったTeslaは、3年前のSolarCity買収以来著しくシェアを落としている。第2四半期にTeslaが設置した新規ソーラーシステムは、わずか29MW(メガワット)だったのに対して、消費者向けソーラー事業ナンバー1、2のSunRunVivint Solarは、それぞれ103MWと56MWのソーラーシステムを設置した。

これはCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間8月18日午前に、Twitterで新たなソーラーレンタルプログラムを発表した理由のひとつに違いない。

マスク氏によると、新プログラムはエネルギーコストの高い州に住む人たちにとって「我が家にお札工場があるようなもの」だという。「買うほうがもっといいが、レンタルオプションは経済性がわかりやすい」とマスク氏は強く推した。

SunRunとVivintがいずれも工務店やHome Depot、BJ’s Wholesale、Costco、Sam’s Clubなどの小売業と提携して顧客を獲得しているのに対して、Teslaは訪問販売をやめ、Home Depotとの提携も解消した。今後同社はソーラーシステムの販売をほぼ全面的に直販に依存していくとともに、かつてSolarCityが実に効果的に利用していた頭金不要のリースモデルも取りやめる。

新たなプログラムでTeslaは、小規模システムを65ドルから最大規模システムを195ドルでレンタルする。契約に必要なのは100ドルのみで全額返金可能。Teslaによると、契約はいつでも解約可能だが、システム設置後は取り外し費用として1500ドルかかる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロシアの高速道路で事故ったテスラが爆発

モスクワ近郊の高速道路で衝突したテスラ車が炎に包まれ爆発したと、地元のメディアは伝えている。乗員は比較的軽い怪我で済んだが、車は黒焦げになった。

車のモデルは、報道からは明らかではないが、モデルSかモデル3のようだ。車を運転していたのは41歳のロシア人男性で、子供も同乗していた。運転者は、ドライブアシスト機能を使っていたと伝えられるが、それがオートパイロットなのかどうかは不明だ。左車線のレッカー車に衝突したとき、両手でハンドルを握っていた。

運転者は足を骨折したが、子供たちは打撲を負っただけで避難することができたと、ロイターは伝えている。ただし、車はそれどころではなかった。衝突後しばらくして車から出火し、その後すぐに車体内で2回ほど続けて爆発が起こった。投稿者に直接確認は取れなかったが、対向車線を通過中の人が、その様子を写したと思われるビデオが投稿されている。

消防士もすぐに到着し、火は消し止められた。今回の衝突についての詳しい状況はまだ不明だが、かなり重大な事故なので、調査が行われることは間違いない。テスラにも詳細を確認中であり、返答があれば、記事を更新する予定だ。

衝突した車が発火することは、それほど珍しいことではない。テスラ車も、数は少ないながら、衝突後に火災を起こしたことは何度かあるし、場合によっては自然発火した例もある。バッテリー駆動の車両に特有の危険性は、人々の関心を引きがちだが、それを大げさに報道することは、そうした危険性に対して誤った考えを植え付けることもある。テスラ車も、他の車と同じくらいの頻度で衝突事故を起こすが、火災はまれだ。

オートパイロットが関与していたかどうかについても、明らかにはなっていない。運転者が使用していたドライブアシスト機能は、単なるクルーズコントロールの類であった可能性もあり、運転者はレッカー車に気付かなかったと、記者に明かしたという。よりはっきりした事実が明らかになるまで、憶測は禁物だろう。

画像クレジット:Spencer Platt/Getty Imagesのライセンスによる

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

RFIDチップを自分の腕に埋め込んでキー代わりにするテスラ車オーナー

キーカードやスマホアプリは、もういらない? あるソフトウェアエンジニアが、Tesla Model 3のロックを解除して始動する新しい方法を開拓した。

ゲームシミュレーションとプログラミングの分野に明るいAmie DDは、彼女自身の体を「バイオハッキング」する様子を写したビデオを最近リリースした。彼女は、まずアセトンを使用してTesla Model 3のキーカードを溶かし、そこからRFIDチップを取り外した。それをバイオポリマーで包み、中空針を使って左腕の内部に挿入した。もちろん、この挿入処理自体は、身体改造の専門家に依頼した。

以下のビデオで、そのプロセスを観ることができる。ただし、血を見るのが怖い、という人はやめておいたほうがいいかもしれない。Amie DDは、このプロジェクトとプロセスを説明するページを、Hackaday.ioにも掲載している。

このビデオには、極めて重要なポイントが欠如している。はたして、今回の方法がうまく機能したかどうかだ。TechCrunchは、それに関して新しいビデオがリリースされたら、記事を更新するつもりだ。

Amie DDがバイオハッキングに手を出したのは、今回が初めてではない。最初のアイデアでは、すでに彼女の腕の中に埋めてあったインプラント用のRFIDチップを使って、Model 3を始動しようと考えていた。この方法では、Javaアプレットを書いて、彼女の腕の中のチップにインストールすることになる。しかし、これはTeslaのセキュリティのため、うまくいかなかった。そこで彼女は、チップをもう1つ埋め込むことにしたのだ。

Amie DDは、以下のより長いビデオで、今回の動機と方法を、さらに詳しく説明している。その中で彼女は、以前に左手に埋め込んだRFIDチップについても、少し話している。彼女によれば、それは「アクセスコントロール」に使うためだという。たとえば、自宅のドアのロックを解除するすことができるそうだ。

画像クレジット:スクリーンショット/AmieDD

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

米国トッププチェスプレイヤー対Tesla Model 3の勝負

Tesla(テスラ)の車両は、先月車に配信されたソフトウェアアップデートのおかげで、人間相手にチェスをプレイすることができるようになった。その担当プログラマーたちは、おそらく世界で最高の選手を相手にするためにチェスプログラムをデザインしているつもりではなかっただろう。それなのに、米国ランキング1位(世界では2位)のチェスプレイヤー、Fabiano Caruana(ファビアーノ・カルアナ)氏がTesla Model 3と対戦を行ってみた。結果はディープ・ブルー(Deep Blue)とガルリ・カスパロフ氏の対戦の再現とはならなかった。

カルアナ氏は、追い詰められた様子もなく、試合の途中で解説を行いながら、わずか5分以内の競技時間で車を打ち負かした。車の打つ手には怪しいものもあったが、公平を期すならば、これは深い人工知能を備えたスーパーコンピューターではないし、カルアナ氏は世界最強のプレイヤーの1人なのだ。最後に彼は試合を「面白かった」と評したが、そこからは、彼が自動車のインフォテインメントシステムに期待していたもの以上のものを得たというニュアンスを感じることができる。

この車はおそらく私には勝つだろう、私はランキングにも無縁だしチェスをおそらく15年もやっていないのだから当然だ。

[原文へ]

(翻訳:sako)