RFIDチップを自分の腕に埋め込んでキー代わりにするテスラ車オーナー

キーカードやスマホアプリは、もういらない? あるソフトウェアエンジニアが、Tesla Model 3のロックを解除して始動する新しい方法を開拓した。

ゲームシミュレーションとプログラミングの分野に明るいAmie DDは、彼女自身の体を「バイオハッキング」する様子を写したビデオを最近リリースした。彼女は、まずアセトンを使用してTesla Model 3のキーカードを溶かし、そこからRFIDチップを取り外した。それをバイオポリマーで包み、中空針を使って左腕の内部に挿入した。もちろん、この挿入処理自体は、身体改造の専門家に依頼した。

以下のビデオで、そのプロセスを観ることができる。ただし、血を見るのが怖い、という人はやめておいたほうがいいかもしれない。Amie DDは、このプロジェクトとプロセスを説明するページを、Hackaday.ioにも掲載している。

このビデオには、極めて重要なポイントが欠如している。はたして、今回の方法がうまく機能したかどうかだ。TechCrunchは、それに関して新しいビデオがリリースされたら、記事を更新するつもりだ。

Amie DDがバイオハッキングに手を出したのは、今回が初めてではない。最初のアイデアでは、すでに彼女の腕の中に埋めてあったインプラント用のRFIDチップを使って、Model 3を始動しようと考えていた。この方法では、Javaアプレットを書いて、彼女の腕の中のチップにインストールすることになる。しかし、これはTeslaのセキュリティのため、うまくいかなかった。そこで彼女は、チップをもう1つ埋め込むことにしたのだ。

Amie DDは、以下のより長いビデオで、今回の動機と方法を、さらに詳しく説明している。その中で彼女は、以前に左手に埋め込んだRFIDチップについても、少し話している。彼女によれば、それは「アクセスコントロール」に使うためだという。たとえば、自宅のドアのロックを解除するすことができるそうだ。

画像クレジット:スクリーンショット/AmieDD

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Tesla M3の頭脳となる中国製部品への25%関税適用除外申請は却下

Tesla(テスラ)をはじめ、Uber他各社は中国製部品にかかる関税の適用除外を求めていたが、米政府はこれを認めないと決定した。これにより両者は規定どおりの25%関税の支払いを求められることになる。

TechCrunchは先月、対中国関税についてこの記事で報じ、同時にトランプ政権が関税の適用除外を認めなかった場合のTeslaへの悪影響についても検討している。USTR(米通商代表部)の今回の決定を最初に報じたのはReuters(ロイター)だった。

昨年、ホワイトハウスは対中貿易赤字の是正措置として電子部品を含む広汎な品目について25%の輸入関税を課すことを決定した。多くの米企業がこの措置の適用除外を申請したが、その中にTeslaとUberが含まれていた。

Teslaは 昨年12月末にModel 3のコンピュータについて適用除外を申請した。これには電気自動車の心臓部となるADAS(先進ドライバーアシスタンスシステム)、メディアコントローラー、インターネット接続ユニットなどが含まれている。Uberは中国製電動アシスタンス自転車に対する適用除外を申請していた。

5月29日付け書簡でUSTRはTeslaのオートパイロット用コンピューターについて適用除外を認めないことを伝え、中国製コンピューターとディスプレイは「戦略的に重要」ないし「中国製造2025ないし同種のプログラムに関連ある製品」だと述べた。

中国製造2025は中国の製造業の高付加価値化を目指す国家計画であり、特にAI、電気自動車、ロボティクス分野に力を入れている。ホワイトハウスは中国製造2025は米国が覇権を握っているテクノロジー分野において国内産業に対する直接の脅威だと述べていた。

Teslaは今回の決定についてコメントを避けた。

今年に入ってTeslaはFSD(完全自動運転)を実現するための新しいカスタムチップを発表、今後製造されるすべてのTesla車に搭載することを明らかにした。現在のTesla車にはまだ完全自動運転機能はない。

ただしFSDソフトウェアは既存のModel 3、 S、X車のハードウェアにインストール可能であり、顧客は6000ドルを支払ってFSDパッケージを購入することができる。FSDによる完全自動運転は既存のオートパイロットユニットを通じて自動車を制御する。同社によれば、このECU(エンジン制御ユニット)は「Tesla車の頭脳」だという。このユニットはクアンタ・コンピュータの上海工場で製造されている。

Teslaは「自動車の頭脳」に対する高関税は米経済に有害な結果をもたらすと主張していた。

適用除外の却下にはTeslaの部品供給者による申請も含まれる。例えばSAS Automotive USAはModel 3のセンターディスプレイを製造している。これは車両のメディアセンターの中心となる部分であり、17インチのタッチスクリーンパネルが含まれる。ここにはカーナビ、インターネット接続先サイト、オーディオ、エアコン、燃費などが表示され、車両のコントロールはすべてこのユニットで行われる。このスクリーンはまさにModel 3操作のハブだった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Tesla Model 3の組立ラインの自動化は間違っていなかった

2017年にTesla(テスラ)が、Model 3の驚くほど野心的な毎週5000台の生産目標と「生産地獄」の始まりを発表したときは、アナリストたちは慎重だった。しかしイーロン・マスク氏は、ハイパーオートメーション、すなわちロボット組立ラインが、製造スピードを上げコストを引き下げる秘密兵器だと言いながら、それを上手くやり遂げられると豪語した。そこから1年半経って、今やテスラは2018年第4四半期の時点で9万1000台を出荷している。しかし、その生産台数の増加は、無数の問題の解決や、マスクの当初の「高度に自動化された組立ライン構想」から離れることなしには達成できなかった。

何が起きたのだろう?

自動化への取り組みがうまくいかなかった理由を尋ねられたマスク氏の答えは、終始一つの大きな課題を巡っていた。それはロボットビジョンである、つまり組立ラインのロボットが行動を決めるための対象として何を「見る」のかをコントロールするソフトウェアのことだ。残念なことに、当時の組立ラインのロボットは、ナットやボルトのような物が予期しない方向を向いていることや向き、車のフレームの間での複雑な操作に対処することができなかった。そのような問題が発生するたびに、組立ラインが停止していたのだ。結局、多くの組み立て工程の中で、ロボットを人間に置き換えたことで、はるかに簡単に問題を解決できたのだ。

現在コンピュータビジョン(ロボットビジョンのより包括的な名称)は至るところに存在していて、さまざまな業界を横断するAIテクノロジと画期的なアプリケーションの、次のフロンティアを象徴している。この分野で、現在研究者や企業によって行われている進歩はとても印象的なものであり、イーロン・マスク氏の自動車組立ラインの自動化ビジョンの実現に必要だった要素も現れはじめている。その核となるのは、コンピューターやロボットが、現実の世界で発生する(ナットやボルトの間違いのような)予期せぬ厄介な出来事の大部分を、確実に処理することができるようになるという技術だ。

コンピュータビジョンの転機の瞬間

コンピュータビジョンが転機を迎えたのは、2012年に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を適用したときだった。それ以降、その勢いは本当に増している。2012年以前は、コンピュータビジョンのソリューションは主に手作りのものだった。基本的にアルゴリズムは、手作業で定義されたルールセットを持ち、画像の特徴を比較的効率的に数学を用いて記述することが可能だった。これらは人間によって選択され、そしてコンピュータビジョン研究者によって組み合わされて、自転車や、店頭、または顔のようなオブジェクトを画像の中で特定することに用いられた。

機械学習の台頭と人工ニューラルネットの進歩が、これらの全てを変えてしまった。画像の特徴を自動的に読み解き学習できる、大量のトレーニングデータを使用したアルゴリズムの開発が可能になったのだ。その実際の効果は2つに分けられる。

(1)ソリューションがはるかに堅牢になったこと(たとえば、顔の向きが多少違っていたり、影があっても、変わらず顔として識別できるなど)。

(2)優れたソリューションの作成は、大量の高品質のトレーニングデータに依存するようになったことだ(モデルはトレーニングデータに基づいて特徴を学習するため、トレーニングデータが正確かつ量が十分で、アルゴリズムが後で見る可能性のある、多様な状況を表していることが重要だ)。

現在研究されていることは、GANと教師なし学習、そして合成データ

GAN(Generative Adversarial Networks、敵対的生成ネットワーク)、教師なし学習、および合成グランドトゥルースなどの新しいアプローチにより、高品質のコンピュータビジョンモデルの開発に必要なトレーニングデータの量と、収集に必要な時間と労力を、大幅に削減できる可能性が出てきた。これらのアプローチで、ネットワークは実際に自分自身の学習をブートストラップし、より高い忠実度ではるかに速く、例外的ケースと異常値を識別することができるようになる。その後、人間がそうした例外的ケースを評価して解決策を再考し、高品質のモデルによりすばやく到達することができるようになる。

これらの新しいアプローチは、適用性、堅牢性、および信頼性の観点から、コンピュータビジョンの範囲を急速に拡大している。それらは、マスク氏の生産課題を解決できるだけでなく、無数の重要なアプリケーションでその境界を劇的に広げることになるだろう。そのいくつかの例を以下に挙げてみる。

  • 製造オートメーション:ロボットは、中心から20度ずれた車の座席や左に1インチずれた位置にあるネジのように、ランダムな向きのオブジェクトを扱うことが、ますます得意になって行くだろう。さらに、ロボットは、柔らかくて、折り曲げ可能な透明な物体を確実に識別することができるようになるだろう(例えば、先週Amazonで注文したビニール袋に入った靴下について考えてみよう)。現在バークシャー・グレイのような新しいロボットメーカーたちが、こうした技術の最先端を走っている。
  • 顔面検出:以前は、側面からの顔や、部分的に影が落ちていたり、隠されていたりする顔、そして赤ん坊の顔といった例外的なケースに対しては、顔面検出は堅牢に動作しなかった。現在、研究者たちは、コンピュータビジョンが、顔写真から90%の正確さでまれな遺伝性疾患を識別するのに役立つことを発見している。ある種のアプリケーションは消費者の手に渡るようになっていいる。これは、さまざまな照明条件や、画像キャプチャのコントロールが十分に行えない状況に対して、アルゴリズムがますます堅牢になったために可能になったのだ。
  • 医療用画像処理:進歩により、MRIの評価、皮膚癌の検出、 その他多数の重要なユースケースでの自動化が可能になった。
  • 運転手の支援と自動化:霧のかかっている状況では自律運転システムは機能していなかった。なぜならこれまでは濃い霧と岩を区別することができなかったからだ。現在では、教師なしの学習と(Nvidiaなどが主導する)合成データ作成機能が、数十億マイルに及ぶ路上記録映像でもカバーすることのできない例外的ケースでシステムを訓練するために、利用され始めている。
  • 農業:ジョン・ディアが買収した ブルー・リバー・テクノロジーのような企業は、現在雑草と作物を確実に区別して、選択的に除草剤を自動散布することができる。このことで、商業農業で使用される有害化学物質の量を劇的に減らすことができる。
  • 不動産情報:地理空間画像にコンピュータビジョンを適用することで、企業は洪水、山火事、ハリケーンによる風が、特定の施設に危険を及ぼす可能性がある時期を自動的に特定できる。これにより家の所有者たちは災害が訪れる前により早く行動することができる。

こうした進歩をながめていると、1つのことがすぐに明らかになる:イーロン・マスク氏は間違っていなかったのだ。単に彼のビジョン(ロボットやそれ以外のもの)が、現実から1〜2年先行していただけのことだったのだ。AI、コンピュータビジョン、そしてロボットは皆、正確性、信頼性そして効率性の転換点に近づいている。テスラにとって、「生産地獄」への次の段階(おそらくModel Y)を迎えるフレモント工場と上海工場では、大幅に異なる組立ラインを目にすることになるだろう。それらは、より上手く、ロボットとコンピュータービジョンが組み合わされたものになるのだ。

画像クレジット: Guus Schoonewille/AFP / Getty Images

この著者によるほかの記事:シリコンバレーの企業たちが人工知能の可能性を損なっている

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(翻訳:sako)

Tesla、Model 3の生産を24時間体制へ

TeslaはModel 3セダンの生産能力を引き上げようとしていることがJalopnikが入手したメールでわかった。今週当社はModel 3の製造ラインを中断したが、このメールによるとラインは間もなく再開されるほか、第三の作業シフトが追加されて深夜にも製造が可能になる。Teslaは6月までに週6000台のペースでModel 3を製造することを目標にしている。

Elon Muskが書いたと言われているそのメールには、Model 3の生産や支出計画、製造公差から、Tesla社が利益をあげていないこと、ミーティングが会社を滅ぼすことなど幅広い話題について詳細に書かれている。

このメールによると、Model 3の生産ラインが「包括的なアップグレード」のために停止していたのは3~5日間だった。Teslaは来月中でにModel 3の生産台数を3000台から4000台に引き上げる予定だ。同社は走行距離6000マイルを可能にする新しいアップグレードを6月末までに計画している。先週Teslaは、3週連続でModel 3を2000台以上生産した。

2カ月で生産台数を3倍にするのはかなりの難題だ。

この目標達成のために、Teslaはフリーモント工場の総合組立て、車体、および塗装ラインに新たなシフトを導入する。また同社はフリーモント工場およびGigafactoryで、生産日程を守るために計400名の従業員を雇用する。

この生産増加のニュースは、Tesla工場の安全性と労働環境に関する一連の批判を受けて公表された。Teslaは必死に報道と戦っているが、従業員らがMuskの高い生産目標と戦うかぎり問題は続くに違いない

Muskは出費も管理しようとしているようで、100万ドル以上の支出はすべてMusk本人の承認が必要なった。おそらくMuskは、ファンたちが資金を募って買ったソファーは受け取ることになるだろう。

Jalopnikはメール全文を公開し、ミーティングについて最後に書かれている部分は読む価値がある。ごく一部を以下に引用する。「多すぎる会議は大会社を破滅させる原因であり、ほぼ間違いなく時間とともに悪くなる。大人数の会議は、出席者全員に価値を与える確信があるときだけに限り、その場合も非常に短かくすべきだ」

Teslaは本誌のコメント要求に返信していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tesla、2017年Q4のModel 3生産台数は2425台。2018年Q1中に「週2500台」が目標

Teslaは2017年の最終四半期に、Q3よりもずっと多くのModel 3車を生産した。同四半期にTeslaは、2425台のModel 3を作り、Model SとModel Xを含めた総数で2万3565台を生産した。Q3にはわずか260台だったのと比べると著しい増加だが、それでも予測されたペースよりも(下方修正された目標と比べても)遅い。

Q4の生産台数のデータは、Teslaが決算報告に先立って公表する慣例となっている四半期リリースで報告された。ほかにも、同四半期でModel S 1万5200台、Model X 1万3120台、およびModel 3 1550台を納車したことを明らかにした。TeslaにとってこれはModel SおよびModel Xの四半期当たり納車数の史上最高数であり、以前の記録(2017年Q3)を9%上回った。

Teslaによると、これまで生産ペースのボトルネックになっていた問題の対策が進み、四半期末には週当たり1000台を出荷できるまでに改善された。2018年Q1中には、週当たり2500台の生産が可能になるはずだとTeslaは言っており、Q2末には目標である週5000台に到達できるかもしれない。

当初Teslaは、目標生産数1500台程度を、生産開始後最初の四半期に達成できるだろうと考えていたので、少なくともその数字はQ4に上回ったことになる。Tesla CEOのElon Muskは、以前の声明でModel 3の生産待ち行列状態を「生産地獄」と表現した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tesla Model 3のユニークなUIに興味がある?ならばこのモックアップをチェック

TeslaのModel 3は、多くの点でユニークだが、初期のレビュー写真の中でもひときわ目立っていたのがそのダッシュボードだ。ハンドルの横に15インチのタッチスクリーンが置かれている。私たちはダッシュボードとその様々なスクリーンの写真を既に見ているが、とあるTeslaファンが、その表示インターフェイスのインタラクティブシミュレーションを作成したElectrek経由)。これは私が試乗で体験したものと比べてもかなり正確なものだ。

モックアップは実際にあなたのクリックやタップに反応するが、完全なものではない、現段階で公開されているのは、インターフェイスの見かけを再現したものにとどまる。とはいえ、私が実際に見たものは皆そこに再現されているようだ、例えばタッチベースで空気循環制御を行なう驚くべきインターフェイスなど。これは実際にダッシュボードに統合された目に見えない通気口からのヒーターやエアコンの空気の流れを制御する際に便利なものだ。

ナビゲーションマップ、音楽プレーヤー、スピードメーター、そして車両のバーチャル表現、また交通状況に関連した表示も本物のように見える。基本的に、もしModel 3のコックピット操作の雰囲気を、実際の車で体験できるようになる前に知りたいと思うなら(ショールームに登場するのにも暫く時間がかかると聞いているので)これはとりあえず良い試みだ。

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(翻訳:Sako)

Tesla Model 3は、プロトタイプと生産モデルでこう変わった

ついに登場したTesla Model 3の生産モデルは、プロトタイプと比べてどこが変わったか気になるだろうか?初期プロトタイプが披露されたのは2016年5月。Teslaのホーソーン・デザインスタジオで公開されて以来、あのプレアルファ・デザインが少々変わった。

PartCatalog.comのデザインチームが、両社の違いをビジュアル化した動画をつくったので、この一年でModel 3のデザインがどう変わったかをご覧あれ。上に貼ったGIF動画で、明るい色のModel 3がブレ・アルファ・プロトタイプで、黒い車がElon Musk所有のModel 3生産モデル第1号だ。

最終デザインがプロトタイプと非常に近いことは間違いないが、ライトの外観には違いが見られる。またPartCatalogの人たちによると、車体が少し長くなったか、あるいは後部ドアが以前よりわずかに大きくなっている。

形状デザインのわずかな変更は、この種の車の開発サイクルではよくあることで、生産に向けた最終年であっても珍しくない。ともあれ、この一年でデザインがどう進化したかは興味深い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tesla Model 3、来月出荷へ――生産は順調だがオプションはほとんど選べない

Teslaによれば、Model 3の最初の量産ロットは予定通り来月出荷されるという。オンライン発注のためのコンフィグレーターも同時に公開される。しかし少なくとも当初は、Model3のコンフィグレーターにはほとんど選択肢がない模様だ。TeslaのCEO、イーロン・マスクが火曜日の株主総会で述べたところによれば、「選べるのは色とホイールのサイズ」だけだ。

将来は選択肢が増やされる予定だが、マスクによれば選択肢の限定はModel Xを教訓にしたのだという。Model Xではあまりに選択肢が多かったため、製造過程が著しく複雑化してしまったという。Model3の車種構成が当初限定されたものになっているのは生産台数をアップするための意図的なものだ。生産過程に問題がないことが明らかになれば、ユーザーの選択肢は徐々に増やされる。

Teslaには大量の注文残が存在していることをマスクは認めた。これが構成要素を限定して生産効率を優先する大きな理由だ。マスクによれば「仮に今日Mode 3を予約しても納車されるのは来年の末になる」という。しかしマスクは「生産ラインは拡張を続けているので予約をためらう必要はない」と付け加えた。

〔日本版〕Model 3のホイールサイズは18インチと19インチになるという。オプションリストにグラスルーフがあるが当初は選択できないようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Tesla、10億ドル以上の資金調達へ―Model 3量産のため株式、優先転換社債発行を計画

Teslaは総額11億5000万ドル程度の新株と優先転換社債の発行を計画している。昨日(米国時間3/15)、Teslaは発行の目的を「リスク軽減のため」と述べたが、これは同社がビジネスを急拡大しModel 3の生産を急いていることが背景にある。

Teslaが財務状況を改善するため大型の資金調達を行うことは多くのアナリストが予想していた。またCEO、イーロン・マスクの最近の発言からウォールストリート関係者もTeslaは近く、さらなる成長のために資本の充実を図るはずだと考えていた。

Model 3は今年中に量産体制に入る予定だ。先月、少量生産が開始されていたが、フレモントの工場で量産体制を整えるために、この臨時生産ラインは一時停止している。資金調達計画については、2億5000万ドルを普通株で7億5000万ドルを2022年を株式転換期日とする社債でまかなうとしている。Reutersによれば、イーロン・マスク自身が2500万ドルのTesla株を購入するという

前回のTeslaの資金調達は2016年5月に行われ、新株発行よってキャッシュで14億ドル分の増資に成功している。この資金も生産能力を拡大するために用いられた。

マスクは2月に、決算報告の電話会見で「Teslaは独力でModel 3の量産体制を準備することができる」としたが、同時にこれは資金繰りが「限界に近づく」と認めた。つまりTeslaにとって外部資金を導入することが財務状況のリスク軽減のために合理的だということになる。Teslaの資金繰りが綱渡りとなるのは既存の株主にとっても好ましくないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

次のTeslaは、3万5000ドルから。ただし実際に支払う金額はさらに少ない

FILE - In this April 1, 2015, file photo shows the Tesla Motors new showroom in Salt Lake City. State lawmakers said Wednesday, May 20, 2015 they hope to work out a compromise law this year that would allow Tesla Motors to start selling its electric cars at its $3 million showroom in Salt Lake City. Two weeks before the showroom's planned opening in March, the Utah attorney general's office ruled that it couldn't sell cars under state laws barring a manufacturer from owning more than 45 percent of any dealership. (AP Photo/Rick Bowmer, File)

TeslaはまだModel 3のベールを剥いでいないが、最低価格が3万5000ドルであることは認めた。Model 3はかなり以前からこの価格になると噂されてきたが、今日(米国時間2/9)Bloombergは、Tesla広報担当者の言葉を引用している

この価格は、米国で売られている平均的乗用車よりもやや高く設定されている。2016年後半に発売が予定されているChevy Boltの最低価格3万7500ドルと比べると2500ドル安い。

しかしTeslaは、購入者が正規の価格を支払うことは想定していない。米国政府は7500ドルの税額控除を適用する予定で、一部の州は2500~6000ドルの奨励金を設けている。最低限の割引が適用された場合、Chevy BoltとTesla Model 3の小売価格は、米国市場で重要なプライスポイントである3万ドルを切る。

TeslaとGMはいずれも、こうした政府の奨励金が来たるべき電気自動車の拡販につながることを期待している。GMは、製品ページのBoltの価格にも、最低政府奨励金を記載している。これらの奨励金がなければ、いわゆる「お手頃価格のEV」も、実はあまりお手頃ではない。
Model 3の価格にはまだ大きな問題がのしかかっている。オプションだ。Teslaは、Model Sが5万5000ドル(もちろん奨励金分安くなる)で手に入ると宣伝しているが、これは走行距離の最も短い最低価格車種だ。

大きなバッテリーと四輪駆動が加わると、Model Sの価格は奨励金込みで8万1200ドルへと一気に跳ね上る。3万5000ドルのModel 3にどんなオプションが付くかは未だわかっていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook