韓国のエレクトロニクスの巨人、Samsung(サムスン)は、ここ数年サステナビリティ(持続可能性)を派手に宣伝し、同社のエコシステムに影響をあたえている。「コーポレートシチズンシップ」などのスローガンや、環境に優しいサプライチェーンや材料、製造の強い推進など、今まで以上にグリーンな世界を強調している。Galaxy for the Planet(地球のためのGalaxy)プロジェクトの一環として、アップサイクルプログラムやプラスチック包装の廃止など数多くの取り組みに続いて同社が繰り出す最新の妙技は、捨てられた漁網の再利用による環境保護だ。
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米国時間2月9日のGalaxy新機種発表を前に、同社は新しい材料が製品ラインナップのどこに居場所を見つけるかを垣間見せた。強調したのは、プラスチックの使い捨てをやめることによる効率向上と、再利用材料(特に、消費財再利用材料)や再生紙などの環境に優しい材料の使用をさらに強化することだった。
実際に意味のある影響を与えることを確かめるべく、同社は毎年64万トン廃棄されている漁網に注目した。少なくともこの一部を収集し、再利用することで少しでも海洋をきれいにする取り組みを、会社は誓約した。その結果、捨てられた漁網に絡みつかれていた海洋生物にとって、水辺の環境は少しでも改善されるだろう。
Samsungは2021年の報告書でこれまでに数多くの善行をなし、一部のパッケージをデザイン変更したことでプラスチック使用を20%削減し、製品に省エネ機構を加え、500万トン近くの「電子廃棄物」を収集し、製造工程廃棄物の95%の再利用を確保していることを主張している。同社は、米国、ヨーロッパ、および中国で100%再生可能エネルギーも実現している。さらに、Carbon Trust Standard(カーボントラスト標準)による、二酸化炭素、水、および非リサイクル材への依存削減などの認証取得も進めている。
海洋プラスチック汚染に対し、環境および「全Galaxyユーザーの生活」に良い影響を与える方法で取り組むことを誓約する、と同社はいう。ということは、Galaxy以外の携帯電話を持っている人の生活は過去とまったく変わらないということか、それは、どうもありがとう。
冗談はさておき、そして岩礁から漁網などのごみを片付けるために数日間潜水服で過ごしたことのある1人として、これはエレクトロニクス巨人による前向きな行動だと私は思う。果たしてこれが、目に見える影響を環境にあたえるかどうかはまだわからない。Samsungは、年間64万トンの漁網のうちどれだけを海洋から取り除こうとしているのかを明らかにしていないが、コミュニケーションと測定が続いていることには希望がもてる。Samsungや他の大手メーカーが互いにグリーン化を競い合い、気候変動に対する理想的な解決策ができるまでに地球を焼け焦げにしないための役割を果たして続けてくれること願うばかりだ。
Samsungの努力に拍手を送る。そして、もしみんなが携帯電話を1年半ではなく3年毎に買い換えるようにすれば、もっと目に見える影響があるはずだ。
画像クレジット:Samsung
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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nob Takahashi / facebook )