スペースXがDragon貨物船を使った最後のISSへの打ち上げをライブ配信

SpaceX(スペースX)は米国時間3月6日の夜、国際宇宙ステーション(ISS)への20回目の補給ミッションを打ち上げる。今回のミッションは、これまでのNASA向けミッションのすべてで使われてきたDragon貨物船を使用する最後のミッションとなる。2020年夏からは、その後継機が登場する。

今夜のミッションでは、これまでどおりISSにさまざまな物資や実験機器、新しいコンポーネントを輸送する。打ち上げは太平洋時間の午後8:50に予定されており、上の動画でその様子を確認できる。

Dragon貨物船とFalcon 9の第1ステージは、どちらも以前のミッションで使用されたもので、Dragon貨物船は今回が3回目の打ち上げで、今回が最後となる。

Dragon貨物船はCrew DragonとCargo Dragon(名称に2がつくこともある)という2機種の後継機を生み出し、当然ながら前者は最大の注目を集めている。しかし、改良されたドラゴン貨物船はより多くの利用を見込んでいる。

新旧のDragon貨物船の正確な違いは完全には明らかになっていないが、アビオニクス、電力システム、搭載ソフトウェアそして全体的な形状に大きな変更があることが判明している。当然のことながら、貨物船には生命維持装置や脱出システムは搭載されておらず、人員の輸送は意図されていない。

新しく改良されたCargo Dragonでは、最初の商用ミッションが2020年8月に予定されており、姉妹機のCrew Dragonもすべてが計画どおりに進めば、その前に打ち上げられるかもしれない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Axiom Spaceが提供する国際宇宙ステーション10日間の旅はコミコミでたったの58億円

Axiom Space(アクシアム・スペース)は、国際宇宙ステーション(ISS)への定員3名の往復旅行を5500万ドル(約58億円)という超低価格で提供し、歴史を変えようとしている。

米国ヒューストンに本社を置き、ベンチャー投資企業の支援を受けるAxiomは、同社で訓練した司令官1人と、民間宇宙飛行士3人をISSまでCrew Dragon(クルー・ドラゴン)で往復輸送する契約をSpaceX(スペースエックス)と交わした。

このミッションは2021年後半に打ち上げが予定されており、3人のクルーはISSに滞在して「少なくとも8日間、大きな由緒正しい宇宙ステーションでしか味わえない微小重力と地球の眺めを堪能できます」と同社は声明の中で述べている。

同社の最高責任者Michael Suffredini(マイケル・サフレディニ)氏にとってこの宇宙旅行は、米航空宇宙局(NASA)でのISSの管理者という以前の仕事の延長線上にある。

「この歴史に残る宇宙飛行は、誰もが日常的に宇宙に行ける時代に向かう分岐点となります」とサフレディニ氏は声明で語っている。「これはAxiom Spaceが、つまり民間企業が初めて運営する数々のISSへの完全な有人飛行ミッションの中の最初のひとつに過ぎません。輸送手段を確保できたことは、目標達成への大きな前進であり、この事業でSpaceXと協力できることを大変にうれしく思います」。

この宇宙旅行は、AxiomがNASAと交わしたSpace Act Agreement(宇宙法協定)のもとで実施されるISSへの数々の「先駆け的ミッション」の中の最初のものとなる。Axiomは、この他にもISSへの民間宇宙飛行ミッションの合意を得るべくNASAと話し合いを続けている。

Axiomでは、NASAのスケジュールの合間を縫って年2回のフライトを人々に提供したいと考えている。その計画を進めながら、同社は自己資金による宇宙ステーションの建造も進める。

同社はすでにその目標のために機関投資家の支援を取り付け、個人投資家やCrunchbaseの情報によるとBalfour Capital(バルフォー・キャピタル)、Starbridge Venture Capital(スターブリッジ・ベンチャー・キャピタル)といった機関投資企業から1600万ドル(約17億円)を調達している。

「2012年からSpaceXは、NASAとの契約に従いISSに物資を送っていました。そして今年の後半には、初めてNASAの宇宙飛行士を運びます」とSpaceXの社長兼最高執行責任者であるGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)氏は声明で述べている。「今、AxiomとそのNASAからの支援のお陰で、国際宇宙ステーションが初めて民間有人ミッションに門戸を開いたことにより、宇宙の商業化はさらに加速され、有人宇宙探査の新時代が幕を開けようとしています」。

Axiomは、宇宙飛行に挑戦したいという人には、あらゆるトレーニング、計画、ハードウェア、生命維持、医療サポート、生活必需品、安全性証明、軌道上のオペレーションを提供すると話している。

また同社は、2024年後半から始まる、ISSへの宇宙ステーションモジュールの造設を担う企業としても、NASAから選定されている。その目的は、宇宙ステーションにプライベートセクションを設け、その利用可能で居住可能な空間を広げることにある。ISSの運用が終了した際にはそのセグメントを切り離し、自由飛行の商用宇宙ステーションとして運用したいとAxiomは考えている。

SpaceXにとってAxiomとの契約は、単にNASAの宇宙飛行士を運送し、大きな収入源を加えてくれる以上にCrew Dragon宇宙船の商業運用の幅を広げてくれるものでもある。

まさにそれが、SpaceXが商用有人宇宙観光業者と交わしたもうひとつの契約だ。先月、SpaceXは、Crew Dragonに4人の乗客を乗せて5日間の宇宙飛行を提供する事業を行うことで、Space Adventures(スペース・アドベンチャーズ)と合意している。

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(翻訳:金井哲夫)

Mars 2020火星探査車の名称は忍耐を意味するPerseveranceに決定

NASAが火星に送り込む次のローバー(探査車)は、これまでのコードネームから、この国の純真な少年の提案した名前に変わった。美徳に関する名前を使う伝統を守り、Mars 2020ローバーの名前はPerseverance(パーシビランス)に決まった。

この名前を提案したのは、バージニア州の中学生であるAlexander Mather(アレクサンダー・マザー)氏だ。彼を含む約2万8000人の子供が昨年行われたエッセイコンテストで名前を提案した。最終9候補は、Endurance(持続)、Tenacity(執拗)、Promise(約束)、Vision(先見)、Clarity(明瞭)、Ingenuity(独創)、Fortitude(不屈)、Courage(勇気)、そして勝者となったPerseverance(忍耐)だ。

この名前は、おそらく最も適切であり、過去の火星探査車が公式ミッション期間よりはるかに長く働いてきた記録を踏まえると、他に選ぶとすればEnduranceだけだろう。先の探査車、Oppotunity(オボチュニティ)は90日間の火星への旅を命じられたが、惑星規模の砂嵐の中でついに電力を失うまで14年以上走り続けたことはよく知られている。

関連記事:オポチュニティ、火星での偉大な探査ミッションを終える

もちろん探査車は苦労もなく走り続けたわけではない。チームは遠く離れたロボットプラットフォーム の方向転換や再プログラムをしながら常に救援体制を整えていた。NASAが注目したのはこの点だったと思われる。

「これまでのどの探査ミッションとも同じく、この探査車は幾多の困難に直面し、驚くべき発見をするだろう。ここに至るまでにも数多くの障害を乗り越えてきた」とNASAの科学ミッション本部のThomas Zurbuchen(トーマス・ザーブチェン)副長官がニュースリリースで言った。「Alex君や彼のクラスメートたちはアルテミス世代であり、火星に向かう宇宙の次の一歩を進む人たちだ。この感動的な仕事には常に忍耐が必要だ」

マザー少年は、教師がまとめてメールで申し込む教室内活動に参加したわけではない。2018年のスペースキャンプに参加し、そこで見たサターンVロケットに心を奪われた。ネーミングコンテストで優勝したことで、この夏には家族と共にケープカナベラルにローバーの打上げを見に行くことになった。

「これは月に人を送り、近く再びやろうとしているNASAの力になるチャンスでした」とマザー氏は言った。「この火星探査車は火星に人間が住むための道筋をつくるものであり、どんな形でも役に立ちたいと思っていました。挑戦しないという選択肢はありません」

関連記事:NASAの火星探査車「Mars 2020」が6輪ホイールで初接地

コンテストに参加した他の子供たちへの謝意をこめて、Perseveranceにはセミファイナリスト8人の名前が彼らの提案155件と共に刻まれたチップが載せられる。文字は人間の毛髪の1000分の1の大きさだが、それでも。

TechCrunchでは打ち上げが近づいたらさらにミッションの記事を書くつもりだが、それまでは責任感が強く常に明るいローバーの一人称Twitterアカウントで最新情報をフォローしよう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXが謎の金属小惑星「プシケ」探索ミッションの打ち上げを126億円で受注

SpaceXは、NASAが2022年に計画しているPsyche(プシケ、サイキ)と呼ばれる鉱物資源豊富な小惑星の探索ミッションの打ち上げ契約を勝ち取った。米国時間3月1日、NASAは打ち上げ作業を含む同ミッション関連業務を1億1700万ドルドルで契約したことを発表した。この規模のミッションとしては異例の低価格だ。

PsycheミッションはFalcon Heavyロケットを使用し、ケープカナベラル空軍基地の発射施設39Aから打ち上げられる。火星と木星の間に位置する小惑星Psycheは、原始惑星のニッケル・鉄のコアからなり、太陽系最初期の構成要素の断片であると見られている。

NASAはこのミッションによって、Psycheの原始惑星物質の分析を通じて地球型惑星創成の歴史を解明するヒントを得られることを期待している。

関連記事:NASA moves to final planning stages for mission to explore 16 Psyche’s full-metal asteroid

NASAのPsycheミッションには、2つの二次ミッションがある。大気流出・プラズマ加速・力学探査機であるThe Escape and Plasma Acceleration and Dynamics Explorers(EscaPADE、エスカペイド)は、火星の大気を研究し、ミッションJanus(ヤヌス)は二重小惑星を研究する。

NASAによると、フロリダ州の同局ケネディ宇宙センターの打ち上げサービスプログラムがSpaceXの打ち上げを管理し、ミッションはアリゾナ州立大学が指揮する。

「この新しいミッションフェーズに移行することで、我々はPsycheの秘密解明に近づく大きな一歩を踏み出すことになる。この謎にみちた巨大金属小惑星はわれわれにとって世界を意味している」とアリゾナ州立大学テンピ校の主任研究員であるLindy Elkins-Tanton(リンディ・エルキンス・タントン)氏が、NASAが本ミッションを承認した発表の声明で語った。

カリフォルニア州パサディナのジェット推進研究所が、システムエンジニアリング、統合、テスト、ミッション運用を含むミッション全体の管理を担当する。宇宙船の推進筐体は強力なソーラー電気装置で、Maxar Space Solutionsが提供している。

この発表は、PsycheミッションのフェーズD、E、および発射前のフェーズであるフェーズFに向かう道を開くものだ。昨年TechCrunchは以下のような記事を書いている。

フェーズDは2021年初期に始まり、2022年初期の打ち上げ計画に向けた宇宙船の最終制作およびテストが行われる。

フェーズEは、Psycheの実験機体が宇宙空間に到達した時点で開始される、とNASAは言った。ここでは同ミッションの深宇宙探索および科学研究のためのデータ収集が行われる。NASAはPsycheが2023年(Elon Musk氏が最初に人間宇宙飛行士が到達すると予言した年の2年前)に火星をかすめ飛んだあと、2026年1月31日にミッションの名を冠した小惑星に到達すると予測している。

Psyche宇宙船に搭載する機器には、小惑星に残された磁界を検出、測定するための磁力計も入っている。多重スペクトル画像装置は、高解像度画像を撮影して小惑星の組成を決定する(どれだけが金属でどれだけがケイ酸塩か)。宇宙船にはガンマ線および中性子線分光計も搭載され、小惑星の元素組成の検出、測定、マッピングを行うほか、深宇宙通信のために作られた新しいレーザー装置もある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロケットを3Dプリントで製造するRelativity Spaceの巨大な新自律型工場

ロケットの製造は、Relativity Space (レラティビティー・スペース)のように一から3Dプリントするにしても、大仕事だ。このロケット打ち上げスタートアップは、ロケットの組み立てには手狭になった最初のオフィスから卒業して、カリフォルニア州ロングビーチの広大なスペースに移転する。同社はそこで、プロトタイピングから最初の打ち上げまでを行う予定だ。

私たちが先日Relativityを訪れたときは、まだ以前の本社ビルだった。大きなものを製造する工場のイメージに違わず、雑然とした感じだった(金属の破片がそこらじゅうに転がっている)。しかし駐車場の他に、それを組み立てられそうな広い場所は見あたらない。それとはつまりロケットだ。

なので、共同創設者でCEOのTim Ellis(ティム・エリス)氏から、ロングビーチのがらんとした倉庫のような巨大な建物への移転準備を始めたところだと聞かされたときも、驚きはしなかった。

Relativity RocketのCEO、Tim Ellis(ティム・エリス)氏。新本社ビルに喜びを隠せない様子。

「大きな一歩です」とエリス氏はTechCrunchに話した。「実際、完全に3Dプリンターで製造する世界初の工場です。新しい工場は、第1段と第2段、そしてフェアリングを同時にプリントできるだけの十分なスペースがあります。天井までの高さは12メートル。今の工場の2倍の高さがあります。2020年の後半に予定しているテストのために、ジョン・C・ステニス宇宙センターへパーツを送る準備を始めました」

高さ約4.5メートルのものまでプリントできるStargate(スターゲート)プリンター3台に加えて、高さ6メートルのものまで作れるプリンターが3台と、高さ9メートルまで可能なもの2台を揃える予定だ。Relativityがすでに製造したものを見ない限りは、一度のプリントで作られる高さ9メートルのロケット部品なんて想像がつきにくい。

ロケット建造に広いスペースが必要になったということだけが移転の理由だけでない。会社自身も成長している。

「2年前から現在までの間に、私たちの会社の広さは20倍以上に拡大しています」とエリス氏は教えてくれた。つまり、ロサンゼルス空港近くの古い社屋では過密状態になってきたということだ。

実際の新工場の今の状態。トップの写真は可動したときの想像図。

ローンチ・ビークルTerran 1(テラン・ワン)とそれに搭載するAeon(イオン)エンジンの組み立て、そして研究開発は新本社で行われる。1万平米ほどの広さがあり、非常にハイテクな製造工場になる。製造機械は一切固定されないため即座にレイアウト変更ができ、さらに高度に自動化される。同社の3Dプリンターは、大まかなプロトタイピングによく使われる単純なものとは異なり、慎重な監視のもとで巨大なロボットアームが、積層される金属の分析をリアルタイムで行うというものだ。

「ロケット製造に留まらない、本当の世界初の自律型工場です」とエリス氏。「最初の打ち上げロケットを製造してこの工場の実用性が証明できたなら、この設備を火星に運んで、現地で必要となるものを幅広く製造するという長期目標に向かう確信が持てます。今はその長期的なビジョンへの道を歩んでいるわけですが、それは、私たちが航空宇宙業界のこの新たなバリューチェーンの先駆者となる道でもあります」

「おもしろいことになりますよ」と彼は話していた。

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(翻訳:金井哲夫)

映画「ドリーム」のモデル、NASAの数学者キャサリン・ジョンソン氏が101歳で死去

Katherine Johnson(キャサリン・ジョンソン)氏。1950~60年代に人類を初めて月に送ろうとしていたNASAにおいて、偏見と戦いながら貢献した数学者が101歳で死去した。ごく最近、彼女と同僚たちの功績を描いた映画 「Hidden Figures(邦題ドリーム)」で有名になったが、ジョンソン氏は最後までひたすら「自分の仕事をしていた」。

ジョンソン氏の物語を知らない人には、Margot Lee Shetterly(マーゴット・リー・シェタリー)氏の本を読むか、映画を見るのが一番だろう。出来事や人物の描写に現実と異なる部分はあるが、三人の主人公を多面的に描いたすばらしい作品だ。NASAも特設の追悼ページを作って数々の歴史的記録や物語を紹介している。

ジョンソン氏と2人の同僚は、半世紀後の現在も白人男性支配が残る業界に乗り込もうとする有色人種の女性として、人種差別と性差別との苦闘を常に強いられていた。ジョンソン氏は、NASAの同僚は親切でプロ意識を持っていたと常に語っていたが、組織的で根深い偏見があらゆる場面で彼女たちを襲った。

映画が公開され称賛を得ると、ジョンソン氏は突如として名声と困惑に見舞われ、有名になることはうれしいが自分は与えられた仕事をしてきただけだと言い続けた。2015年にObama(オバマ)大統領による自由勲章の受章は誰もが待ち望んだ祝福だった。

しかしジョンソン氏は自分だけが大きく取り上げられることを懸念していたのかもしれない。似た環境にいながら必ずしも成功せず人目を引くこともなかった人たちがいたことを、彼女は誰よりもよく知っていただろう。それでも、John Glenn(ジョン・グレン)宇宙飛行士が飛行の前に、機械式コンピューターの計算結果を「the girl(あの子)」、すなわちジョンソン氏が手計算で確認するよう要求したエピソードが示すように、彼女たちの仕事は不可欠であり、かつ表にでなかった。

ジョンソン氏の当時の同僚、Mary Jackson(メアリー・ジャクソン)氏とDorothy Vaughn(ドロシー・ヴォーン)氏をはじめとする女性たちは、人種差別と性差別の時代精神と戦っただけでなく、米国におけるおそらく歴史上最大の業績であるアポロ計画を純粋に手助けするとともに、ほかの産業でも発明や問題提起に力を発揮した。

ジョンソン氏の卓越した才能と人物像はあまりにも長い間知られることがなかった。もし彼女が大衆文化に注目されることがなければ、その功績はごくわずかな歴史家の間にしか知られることはなく、我々にとって大きな損失だった。現代の 「hidden figrures(隠された人物)」は誰で、どこにいるのか? もし目にしたら、我々は見分けることができるのだろうか?

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXが来月にも約279億円調達、企業価値4兆円に

CNBCのMichael Sheetz(マイケル・シーツ)記者のレポートによると、SpaceXは新たに2億5000万ドル(約279億円)の資金調達を模索している。CNBCの情報筋は、新たな調達でSpaceXのバリュエーションは360億ドル(約4兆円)になる、と見込んでいる。直近に発表されたバリュエーションから25億ドル(約2790億円)超の増加となる。

ロケットを打ち上げるSpaceXはElon Musk(イーロン・マスク)氏が創業・経営している。もちろんマスク氏は巨額の資金を調達する術を知っている。2019年にはいくつかのラウンドで13億3000万ドル(約1480億円)を調達した。累計で、同社はこれまでに30億ドル(約3350億円)を調達しているが、これほどの額の資金を調達してきたのは壮大な野心を持っているからだ。

SpaceXはまた、かなりの売上を上げている。例えば、NASAの商業クルー・プログラムの一環として宇宙船Crew Dragonを開発する契約の額は31億ドル(約3460億円)だ。また、同社は顧客にFalcon 9ロケット打ち上げ1回あたり6000万ドル(約67億円)を請求する。昨年だけでSpaceXは13回ロケットを打ち上げた。

しかしSpaceXは栄誉または既存のテクノロジー投資にあぐらをかく企業ではない。同社は「Starship」という次世代の宇宙船の開発に取り組んでいる。StarshipはゆくゆくはFalcon 9とFalcon Heavyに取って代わる可能性がある。しかもFalcon 9とFalcon Heavyのシステムでは一部が再利用可能であるのに対し、Starshipは完全に再利用できる見込みだ。同社の予想が正しければ、運用が始まるとかなりのコストを削減することができてSpaceXの業績に大きく寄与する。しかしそこに到達するには、Starshipを確実に飛ばすために必要なテクノロジーの開発に相当の資金をつぎ込まなければならない。

マスク氏は最近、大きな変更やアップデートを加えたStarship新バージョンを可能な限り早く建造するという、同社の計画の詳細を説明した。Starshipのスケール、そして示された新モデルの建造には巨額の費用が伴うことを考えた時、SpaceXが現在の資本にさらに資金を加えるというのは理にかなっている。

資金調達は来月中旬くらいになりそうだ、とCNBCは報じている。TechCrunchはSpaceXにコメントを求めているが、この記事公開までに返事は得られなかった。

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(翻訳:Mizoguchi

SpaceXは2020年の軌道飛行までに大量のロケットを建造し改良を重ねる

SpaceXの創設者Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、今週、同社のStarship(スターシップ)の進捗に関する更新情報をいくつか発表した。「SN1」の建造風景の動画をはじめ、新しい宇宙船の開発と年内に宇宙に飛ばす計画を進める中での考え方や、同社が取り組んでいる戦略についてツイートした。

マスク氏によれば、SpaceXは、このところ一貫した性能を示すようになり多少安定してきたFalconに比べて、Starshipの改良はずっと早いサイクルで進んでいるという。

デザインを量産型宇宙船に向けて進歩させる能力は、宇宙船の試作機と関わる回数、つまり各バージョンの間で達成された進歩の数によって決まると彼は書いている。

それはSpaceXが過去に行ってきたことであり、従来のロケット打ち上げ業界を引っ繰り返せた大きな要因でもある。すばやく行動し、何度もやり直して、早く失敗を重ねた経験から前進し変化していく。従来の業界は、寿命の長い宇宙船の世代間における改良に焦点を当ており、ほとんどの物事が短期間に固定されている状況で開発を行い、また休みという繰り返しに大きく偏っている。そこが違うところだ。

一方、Starshipは、巨大であるという点だけでも、今回のモデルがSpaceXにとって最大のチャレンジとなっている。現在のところ、StarshipはSpaceXにおける最大のロケットだが、それを短期間に何基も建造するというのは、工学的な観点からだけでも、実際に驚異的な冒険だ。世代間の改良点の多さや、最終的にSuper Heavyロケットブースターを取り付けることを考慮に入れるとなおさらだ。

サイズの大きさに加えて、この宇宙船にはSpaceXが目指している完全に再利用可能であることを目指しているため、次のフライトまでにすばやく開発を進めなければならないという性質もある。1回だけの使い切りロケットを作るのなら実に簡単(もちろん比較的という意味)だが、数十回あるいは数百回と再利用できるロケットの建造は、まったく別の話となる。

2019年、Starshipの完全な実物大試作機を初めて披露したとき、マスク氏は、わずか6カ月以内で軌道に載せると話していた。これもまた次第に、SpaceXの創設者からのきわめて楽観的なスケジュールに思えてきた。現在のSN1は、まだ軌道よりも低い高高度の飛行を目指している段階で、実際に宇宙に到達するのは次回以降のバージョンとされている。科学ニュースサイトArs Technica(アーズ・テクニカ)のEric Berger(エリック・バーガー)氏によれば、宇宙に行くのはSN3、SN4、またはSN5だとマスク氏は示唆しているという。

バーガー氏はまた、SpaceXは、軌道に乗せるStarshipの試作機の打ち上げには、3つあるオプションのうちの1つを考えていると伝えている。それは、同社のRaptorエンジンを6基使うというものだ。また打ち上げ場所は、Starshipが建造されているテキサス州ボカチカ(これが最も有力)、SpaceXがFalconロケットのための発射施設を所有しているフロリダ、第三の選択肢として、洋上の浮体式発射台のいずれかになる。

2020年内に軌道に乗せるつもりならば、SpaceXは試作機の建造、テスト、飛行のサイクルを早める必要がある。そのため同社は、生産をスピードアップするための増員も行っている。2020年の初め、マスク氏は製造シフトを増やして24時間体制を敷くための人材募集の呼びかけを行った。2月初めには、同社のテキサス州の施設にて就職希望者の面接会を開いている。

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(翻訳:金井哲夫)

アディダスが国際宇宙ステーションで靴のソール製造実験へ

来る3月2日には、SpaceXとして20回目となるISS(国際宇宙ステーション)補給ミッションの打ち上げが予定されている。今回は、通常の補給品やちょっとしたお土産品に加えて、パートナーと有償の顧客から依頼された興味深い実験機材も含んでいる。さらに実験室として使われているヨーロッパのコロンバスモジュールを拡張するための資材も積まれる。

画像クレジット:SpaceX

中でも、奇妙に感じられるのは、Adidas(アディダス)の「BOOST in Space」(宇宙で増強)という試みだろう。同社は、数千もの小さな泡球を融合させることで靴のミッドソールを製造している。これは、もちろん通常は地球上で行われるので重力の影響が避けられない。そこで、それを宇宙で行うとどうなるのか実際に試して調査しようというのだ。

「微小重力状態では、ペレットの動きと位置に影響を与える要因を詳しく調べることができます。それが、製造プロセスや、製品の性能、快適性の向上にもつながる可能性があります」と、このプロジェクトは説明している。もちろん、これは素晴らしい見ものにもなるだろう。このトースターサイズのデバイスからもたらされる成果が、きっと優れた靴の開発につながるはずだ。

このような営利目的の業務については、たいていいつもそうなのだが、ちょっと変わったものであっても、そうした実験をISS上でやること自体が、かなりクールなものに感じられる。

微小重力状態は、引く手あまたの条件であり、宇宙空間での実験プロジェクトの多くは、実際それを求めてのものなのだ。たとえば、蛇口のメーカーであるDelta(デルタ)による商用実験は、水滴の形成について何らかのことが学べるのではないかと期待してのもの。それによって、より効率的なシャワーなどを作ることができるのではないかと考えている。

消化器組織は、通常はこのような青色ではないが、これについては微小重力環境の影響ではない

一方、Emulate(エミュレート)は、チップ上の臓器(正確に言えば腸組織)を宇宙に送り出し、「微小重力環境や他の潜在的な宇宙飛行によるストレス要因が、腸の免疫細胞と、感染症への感受性に、どのように影響するか」を解明するのに役立つことを期待している。また宇宙空間上で、幹細胞から心臓組織を生成することもテストする。これは、長期間の宇宙飛行に役立つ可能性がある。

ただし、今回運ばれる最大の貨物は、間違いなくBartolomeo(バルトロメオ)だ。Bartolomeoは、ヨーロッパのコロンバスモジュールに接続する新しい外部プラットフォームとなる。

貨物が取り付けられた左側。右側は見えていない。他の目的のための「腕」が突き出している

商用、その他のパートナーの貨物用に12のスペースが確保されている。理由はさまざまとしても、宇宙ステーションの外部へのアクセスが必要な大学や企業が利用できる。たとえば、地球の撮影、真空露出、放射線試験などが考えられる。仕様については、ここに書かれている。

すべてがうまくいけば、打ち上げは予定通り3月2日となる。その時点が近づいたら、ライブストリームを公開し、記事を更新する予定だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

JAXAの火星衛星の砂持ち帰り計画に青信号、NASAも今年火星ミッションを予定

JAXA(Japan Aerospace Exploration Agency )の火星探査ミッションに青信号が出た。このプロジェクトは火星の衛星に探査機を着陸させサンプルを採取して地球に持ち帰るという大胆なものだ。所管の文科省の承認を受けので、プロジェクトはいよいよ開発段階に進む。

画像提供:JAXA

MMX(Martian Moons eXploration) と名付けられたこの火星探査プロジェクトでは三菱重工が開発中のH 3ロケットにより2024年に探査機を打ち上げる計画だ。H-3ロケットは2022年の後半に最初のテスト打ち上げが予定されている。 断裁機は火星の2個の衛星フォボスとダイモスの双方を観察するこれらの衛星はどちらも地球の月に比べてはるかに小さく、表面の形状も不規則だ。

The MMXでは火星の衛星双方を観測するが、Mars Landerはフォボスに着陸する。探査車を火星の衛星に着陸させる計画はこれが世界で最初だ。 探査車はJAXAがドイツ(DLR)とフランス(CNES)宇宙開発機関と協力して開発する。

この計画が世界的に注目されているのは、フォボスの表面で資料を採取し、地球に持ち帰るという部分だろう。つまり火星往復のミッションであり、地球帰還は2029年が予定されている。

一方、米国ではNASAも火星からサンプルを持ち帰る計画を進めている。TechCrunchが昨年報じたMars 2020プロジェクトでは6輪のローバー探査車を火星本体に着陸せる計画で、打ち上げは今年の後半になる。

 

画像提供:NASA

これらの計画は来たるべき有人火星探査や植民化のために欠かせない重要な段階となる。フォボスは火星に近い低軌道を周回しているうえに重力が極めて小さく離陸が容易だ。このため本格的な火星探査のために優れた基地となると期待されている。NASAのArtemis(アルテミス)計画の最終目的は有人火星探査だが、その準備としてまず地球の月に恒久的施設を設置する考えだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

 

地球に向かう小惑星のコースを逸らす最良の方法をMITのシステムが提案

少なくとも一般に知られているかぎりは、今のところ小惑星が近く地球に衝突する恐れはない。でもそれは前になかったことではなく、また2029年にはニアミスが予想されている。従って準備はしておいた方がいいし、MITの研究者は手遅れになる前に衝突を避ける最良の方法を求めるシステムを開発した。

MITの院生であるSung Wook Paek(ソン・ウクペク)氏が率いるチームは、このたび発表された研究で、接近する小惑星の質量と相対運動量、およびそれがいわゆる「鍵穴」に入るまでの予想時間に基づく「デシジョンマップ」を記述している。鍵穴とは、地球のまわりの重力のハローのことで、そこに入れば小惑星は確実にこの惑星と衝突する。

MITが開発したデシジョンマップは、接近する小惑星をそらすための3つの選択肢を詳説している。1.ロケットや弾丸のような投射物を打ち上げてそのコースを変える。2.最初に偵察兵を送って正確な測定を行い、最良の投射物を開発する。3.二人の偵察兵を送り正確な測定とともに、その後の投射物の効果を最大化するために推力により小惑星の姿勢を変える。

2つの小惑星、Apophis(アポフィス)とBennu(ベンヌ)でのシミュレーションでは、時間が重要な要素だ。この2つは、よく知られていて情報量が多いのでシミュレーションに利用できた。例えば、重力の鍵穴の位置も地球からの正確な距離でわかる。そのシミュレーションによると、5年以上の余裕があれば最良の方法は二人の偵察兵とその後の投射物だ。2年から5年の猶予があれば、偵察兵1人+地球から発射する投射物が有効だろう。1年以下しか時間がなければ、どの方法も成功しない。

地球近傍天体の衝撃を避けるための公式の計画には、それに核兵器を撃ち込む方法が含まれているが、賛成者は多くない。MITが開発したこの方法なら、そこまでやらないで済みそうだ。ただし、発見や測定の方法が非常に高度に進歩していなければならないが。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXとSpace Adventuresが提携し2021年にも宇宙旅行を提供

SpaceX(スペースエックス)は宇宙船Dragonで提供する宇宙旅行で新たなパートナーを得た。Anousheh Ansari(アニューシャ・アンサリ)氏やGuy Laliberté(ギー・ラリベルテ)氏、Mark Shuttleworth(マーク・シャトルワース)氏といったすでに民間人を宇宙に送り出した宇宙旅行会社のSpace Adventures(スペース・アドベンチャーズ)だ。

Space Adventuresは有料の商業宇宙ミッションとして、国際宇宙ステーション(ISS)への8つのミッションで7人の顧客にサービスを提供。顧客を目的地に連れて行くのにロシアのソユーズロケットの有料座席を使用した。これは実際に商業宇宙旅行を提供するのに特異な形態だ。つまり、SpaceXは宇宙船Dragonでの人の輸送やフライト計画ができるようになったらすぐに客を乗せて飛ぶことが予想される。

これは特段驚くことではない。SpaceXはNASAとのコマーシャル・クルー・プログラムを通じて有人飛行に向けたDragonの認証に取り組んできた。このプログラムには宇宙飛行士を輸送する有人飛行に対応したバージョンの宇宙船Crew Dragonのテストや開発が含まれる。ISSへのデモミッションで実際にNASAの宇宙飛行士を初めて乗せるまであと数カ月しかない。

SpaceXとNASAは、同社の有人宇宙旅行サービスにおいて、NASAが複数いる顧客の1つにすぎないということをどう位置付けるかについて協議してきた。というのもプログラムの目的は、NASAが収入を生む商業飛行サービスの多くいるクライアントの1社になることで、宇宙飛行士の輸送のコストを下げることにあるからだ。

SpaceXのCEOで創業者のElon Musk(イーロン・マスク)氏は以前、1回につき最大4人搭乗することが可能なCrew Dragonに宇宙旅行客を乗せて飛ぶことについて議論した。彼はCrew Dragonが実用化されたときに適用できるかもしれないモデルとして、ソユーズ以前の例を持ち出した。マスク氏とSpaceXはすでに、今後完成する宇宙船Starshipに日本の億万長者である前澤友作氏を乗せて2023年に月を周回する旅行を計画している。

Space AdventuresのCrew Dragonを使った民間人を対象にした宇宙旅行は2021年後半か2022年に開始される見込みで(すべて順調にいけばSpaceXがNASAの宇宙飛行士向けのサービスを開始するのと同じ時期か、それより少し後になると思われる)、フロリダのケープ・カナベラルにあるSpaceX打ち上げサイトから宇宙に向かう。Space Adventuresが以前飛ばしたソユーズのミッションのように、実際にはISSには行かない。しかし宇宙旅行の間、これまでに行われた民間人向けのどの宇宙旅行よりも遠くを飛び、すばらしい地球の眺めを目にすることができる。価格についての言及はないが、高額になることが予想される。高度がずいぶん低いVirgin Galactic社の旅行チケットよりもかなり高くなりそうだ。

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(翻訳:Mizoguchi

SpaceXが60基のStarlinkミニ通信衛星打ち上げは成功、ブースター回収は失敗

 

SpaceXはミニ通信衛星60基を軌道に投入した。SpacXのStarlinkは大量の小型衛星で世界をカバーしインターネット接続を提供しようとするシステムだ。60基ずつの打ち上げは今回で5回目の成功となり、これで300基の衛星を軌道に投入したことになる。Starlink衛星は今年だけで3回の打ち上げとなる。SpaceXは世界最大の商用衛星通信運用会社となった。

Starlinkプロジェクトは低軌道にある大量の小型衛星を利用するもので、次々に飛来する衛星がインターネット接続を引き継ぐことにより遠隔地を含めて全世界のユーザーに低コストで高速な接続を提供しようとしている。当面の目標は、2020年中にアメリカとカナダのユーザーをカバーすることだという。その後、衛星群の数の増加とともにサービスを世界各地に拡大する予定だ。

SpaceXがSarlinkで用いた打ち上げ方法は多少変わっている。ロケットの2段目は1回噴射して楕円軌道に入った後、同種の衛星打ち上げミッションよりずっと早く衛星を放出する。衛星はそれぞれのスラスターを噴射して所定の軌道に移る。これは複雑な運動となるがSpaceXによると燃料その他の打ち上げコストを大きく節約できるという。

2月18日の打ち上げはStarlinkシステムを稼働に向けて前進させただけでなく、SapceXにとって今後大きな意味を持つ再利用テクノロジーの改善も目的だった。1段目のFalcon 9ブースターは2019年すでに3回飛行しており、利用回数だけでなく、再利用に要する期間も前回の飛行からわずか62日とSpaceXとして最短だった。

SpaceXは今回もブースターを地上回収しようとしたが(成功していれば50回目の回収となった)、残念ながら失敗した。ブースターは着地のための減速噴射までは予定どおりだったものの、中継ビデオを見ると、ブースターは着地点を大きく外れて海に落下したようだ。SpaceXの前回の回収失敗はFalcon Heavyの中央ブースターが計画どおりに作動しなかったためだった。それ以外のケースでは回収は成功している。「ブースターは海に落下したものの、十分に減速されており破壊されていなかったため再利用の可能性はある」とSpaceXは述べている。

またSpaceXはカーゴベイを覆うフェアリングの回収も試みており、前回は二分割のフェアリングの片方を専用回収船のネットでキャッチすることに成功した。今回、SpaceXは大西洋上に専用船を2隻航行させフェアリングを2個とも回収する試みを行っているのでSpaceXから発表がありしだいその模様をアップデートしたい。

Starlink衛星の打ち上げはこの後も引き続き行われる予定だ。3月にも次の発射が計画されているという。

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滑川海彦@Facebook

Virgin Galacticが商用飛行に向け準備を開始。、宇宙船VSS Unityを宇宙港へ移動

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は商業宇宙飛行に向けて、重要なステップを踏み出した。宇宙旅行を計画する同社は、SpaceShipTwoの2号機「VSS Unity」を米国カリフォルニア州モハベにある同社の製造施設から、ニューメキシコ州のSpaceport Americaに移動させた。同社は、創業者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏が70歳の誕生日を迎える年内に、彼を宇宙へと打ち上げることを目標にしている。

VSS Unityは飛行機「VMS Eve」により係留され上空へと移動し、切り離され宇宙へと上昇する。そしてピーク高度の宇宙空間に到達するとエンジンを停止し、数分間のほぼゼロGとなる微重力状態を乗客へと提供する。

この90分の体験に、最初の旅行者はチケット1枚につき約25万ドル(約2700万円)を支払うことになる。これは高く思えるが、これまでの宇宙旅行の中では最も廉価な方法でもある。しかしチケットの保有者は、数年待ち望んでいた宇宙旅行を楽しむまでまだしばらく待つことになる。今回の再配置には宇宙船とその運搬用の飛行機の最終テストがともない、完了までにはまだ時間がかかる。

今回の準備では、宇宙船と輸送機を互いに接続して周囲の空域を飛行させる「キャプティブ・キャリー」フライトを何度か実施するとともに、VSS Unityによるロケットのフライトテストも行う。最終的に、Virgin Galacticは宇宙船の客室と、25万ドルを支払った旅行者が遭遇するであろう全体的な体験を評価し、最後の決定をする。

実際の運行に先立つ重要なテストの項目を考慮すると、VSS Unityの最初の商用飛行はまだ少し先になるだろう。前述したように、同社は70歳を迎えるブランソン氏のための飛行を優先していると伝えているが、状況次第では今年の終わりまでにほかの商用飛行も実施できるかもしれない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXのCrew Dragonが最初の有人飛行に備えてフロリダへ移動

SpaceXが、宇宙飛行士が乗る商用の有人宇宙船Crew Dragon(クルー・ドラゴン)をフロリダに移した。すべてが計画通りに行けば、2〜3か月後にはここからの打ち上げが行われる。Crew Dragonのカプセルは今、打ち上げ前の最後の試験と点検がフロリダで行われている。それはFalcon 9ロケットの上部に装着され、NASAの宇宙飛行士Bob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)氏を乗せて、フロリダのケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる。

ベンケン氏とハーリー氏はCrew Dragonに乗って国際宇宙ステーション(International Space Station、ISS)へ向かう。それはSpaceXとNASAが「Demo-2」というコードネームで呼ぶデモンストレーションミッションの一環で、ISSまでの有人往復定期便の可能性を検証する試験の重要な一部でもある。SpaceXのCrew DragonとBoeing(ボーイング)の有人宇宙船Starliner CST-100の2つが、 NASAのためにその運用ステータスを達成すべき宇宙船とされている。なおボーイングの機は、目下開発と試験中である。

NASAの宇宙飛行士を乗せた宇宙ステーションへの往復飛行を前にしてCrew Dragonはフロリダへ移った。

ボーイングの宇宙船は最近何らかの問題に遭遇して試験の締め切りを延ばし、宇宙飛行士を乗せた最初の飛行を行うという目標に遅れが生じた。Starlinerは12月に行われた無人のデモンストレーションミッションで、深刻と思われる2つのソフトウェアの問題に遭遇した。今NASAと同社は修正活動を行なっており、それにはボーイングとそのソフトウェア開発および試験工程の安全性の見直しが含まれている。

一方SpaceXは1月に飛行中のアボートテストを行い、有人のデモミッションへ向かう前に必要とされる最後の重要なデモンストレーションを終えた。そのテストはあらゆる点で成功であり、Crew Dragonが予期せざるエラー時には自分を打ち上げ機から分離して離れ、乗客である宇宙飛行士の安全を確保することを示した。

SpaceXは、有人飛行の商用運用の前の、最後の段階で計画されているデモの、準備過程の詳細を共有してきた。たとえば今週初めのツイートでは、同社の宇宙船が超音波試験を行っていることを報告した。現在、Demo-2ミッションは暫定的に5月2日に行われるとされているが、ミッションのニーズや残る準備の進捗によっては早まることも延期されることもありえる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Blue Originの新ロケットエンジン生産施設が2月17日に開所

Blue Origin(ブルー・オリジン)は米国時間2月17日の月曜日に、ロケットエンジン生産施設をアラバマ州ハンツビルに開所すると、14日にツイッターで明らかにした。新施設ではロケットエンジンを現在よりも早く生産できる見込みだ。同社は開発中のBE-4エンジンを自社のNew Glennロケットに採用する予定で、エンジンの生産スピードアップは有用だ。新ロケットVulcanの開発を進めるUnited Launch Alliance(ULA)への供給にも貢献する。

Blue Originは2011年にBE-4の開発を始めた。当初は自社のNew Glennロケット向けにデザインされていた。New GlennロケットはBlue Originの初の軌道打ち上げ機となる。2014年、ULAは次世代VulcanのエンジンとしてもBE-4を採用すると発表。BE-4は、燃料として液化天然ガスと酸素を使い、推力は55万ポンド(約25万キロ)で、重量貨物を打ち上げられるようにデザインされている。

Blue Originは生産するBE-4エンジンのうち最初の2つを2020年にULAへ納入する、と話している。ULAは初の静的点火試験を行うべくBE-4エンジンをVulcanに搭載する。Blue Originはまた、このエンジンを積んだNew Glennロケットの初テストフライトを2021年に行うことを目指している。これはエンジンの性能を証明するために長期にわたって行われるテストのプロセスで、ライフサイクルテストを通じて品質を保証するのが目的だ。ライフサイクルテストは、ハードウェアが実際に使用期間中に受けるであろうストレスや動作条件を模して行われる。

Blue Originのテストプロセスには新部品の追加導入と、NASAマーシャル宇宙飛行センターにあるTest Stand 4670のアップグレードが含まれる。アップグレードによりBlue Originは片側でBE-3エンジンを、別の側でBE-4エンジンをテストできる。

Blue OriginとBE-4にとってはエキサイティングな時期であり、このエンジンがマーケットに出回ってしばらく経つ。自社の打ち上げ機の計画が進捗にかかわらず、今後BE-4は米国の宇宙打ち上げプログラムを前進させる中心的なものとして位置付けられるかもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi

Rocket LabがNASAゲートウェイ計画の試験衛星を月軌道に打ち上げる

ロケット打ち上げスタートアップRocket Lab(ロケット・ラブ)は、NASACAPSTONE(キャプストン)実験のためのCubeSatを、同局の委託で打ち上げる契約を勝ち取った。最終目標は、CAPSTONE CubeSatをシスルナ(地球と月の間の)軌道に載せることにある。この軌道には、NASAが月を周回する宇宙ステーション「ゲートウェイ」が載る計画になっている。2021年の打ち上げが予定されている。

CAPSTONEは、バージニア州ワロップス飛行施設にあるRocket Labの新しい発射台Launch Complex 2(LC2)から打ち上げられる。Rocket Labは、この発射台を2019年12月に正式オープンし、同社のElectronロケットを使った最初のミッションを2020年の後半からスタートさせる。

この打ち上げは、バージニアの飛行施設から打ち上げられる2つめの月ミッションであることを含め、いくつもの意味で重要性が高い。これにはRocket LabのPhoton(フォトン)プラットフォームが使われる。自社で開発製造を行った人工衛星で、幅広いペイロードに対応できる。今回、Photonは、重量わずか25kg程度のCAPSTONE CubeSatを地球軌道から月まで運ぶことになる。目的地に到達すると、CAPSTONEは搭載されている小型エンジンに点火して、目標のシスルナ軌道に自らを載せる。

Rocket LabはPhotonを2019年に発表したが、当時はその目的のひとつに、小型衛星を長距離運搬することを挙げていた。それには月も含まれる。この能力は、2024年までに再び人類を月面に送り込み、月面とその軌道に恒久的な有人拠点を建設し、有人火星ミッションへの足がかりにつなげるというアルテミス計画に着手するNASAに売り込みをかける上で、きわめて重要なものだ。

CAPSTONEは、この計画でNASAが建設と運用を目指す月軌道ゲートウェイのための「先駆者」として大切な役割を果たす。

「CAPSTONEは、ゲートウェイの軌道として計画されている7日間で周回する独特なシスルナ軌道を調査するための、迅速でリスク許容度の高い実証実験です」と、NASAの有人月探査計画ディレクターMarshall Smith(マーシャル・スミス)氏は広報資料の中で述べている。今回のニュースに関しては「私たちはこの先行データにのみ依存するわけではありませんが、同じ月軌道を利用する目前のミッションでの、ナビゲーションの不確実性を低減できると考えています」と説明している。

Rocket Labによる打ち上げは、トータルで995万ドル(約10億9000万円)という固定料金になっているとNASAは話している。NASAでは、契約を交わしているAdvanced SpaceとTyvak Nano-Satellite Systemsにも、2021年に予定されている打ち上げの前までに、CAPSTONE宇宙船の建造を始めてもらいたいと考えている。

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(翻訳:金井哲夫)

衛星コンステレーションによる夜空の光汚染を天文学者たちが懸念

国際天文学連合(International Astronomical Union, IAU)がこのほど、StarLinkなどが製造している何千もの人工衛星からなる衛星コンステレーションの影響の可能性に関する初期的調査報告書を発表した。報告書は、地球からの天体観測に深刻な悪影響が及ぶ恐れがあるため、衛星の削減とルール作りが早急に必要だとしている。

同団体は2019年の夏に懸念を表明し、その後、衛星コンステレーションの影響に関する大規模な調査研究を、各地の天文台や組織の協力を求めて実施した。その一般的な感触は「最善を望み最悪に備える」というものだ。

IAUの推計によると、低地球軌道に数万の衛星があれば、地平線上には常時1500ほどの衛星が存在することになる。ただし、通常の天体観測の対象となる30度以上の上空にあるものは、250から300と少ない。

関連記事: Astronomers fret over ‘debilitating threat’ of thousands of satellites cluttering the sky…天文学者たちが空に散乱する何千もの人工衛星に懸念(未訳)

その圧倒的多数は、まだ空が暗い早朝など、太陽の光が人工衛星の表面から反射する特定の時間帯以外は、肉眼で見えないだろう。しかし、これら膨大な数の人工衛星の可視性と反射性を下げる方策はすでに採られているが、実際の効果は未知数であり、今からでは何をするにも遅すぎる、という状況になることもありえる。

IAUがそれ以上に心配を指摘するのは、ルービン天文台から改名した大型シノプティック・サーベイ望遠鏡(Large Synoptic Survey Telescope、LSST)のような広域的観測に対する影響だ。そのような望遠鏡が行うおよそ30秒の露出のほぼ1/3は、頭上の衛星の影響を受けるだろう。そして高感度の機器が作る像への影響は、肉眼よりも鮮明だろう。

それを避ける方法はあるだろうが、IAUの声明から同団体のフラストレーションが伝わってくる。

理論的には軌道を正確に予測して、その通過時に必要に応じて観測を中断することで、新たな衛星の影響は軽減できるだろう。データ処理によって結果の画像をより鮮明にすることもできる。しかしながら大量の衛星による大量の飛跡は、天体観測のスケジュールと運用を損なう複雑で無視できないオーバヘッドを作り出すだろう。

言い換えると、衛星コンステレーションの事業者たちが何もしなければ、我々に対策をしなければならない。そしてそれには費用と欠陥が伴う、ということだ。

問題はすべて可視光線に関連している。衛星コンステレーションからの電波や、その他の目に見えない放射による観測の妨害は未知数である。

関連記事: SpaceX successfully launches 60 more satellites for its Starlink broadband internet constellation…SpaceXがStarlinkコンステレーション用の衛星をさらに60基打ち上げ(未訳)

結局のところ、IAUの声明は中立を装ってはいるものの、明らかにその本音では怒っている。

「暗い場所で見える美しい夜空を保護したい、という人々の意識はとても強い。それは捨ててはならない世界遺産と見なすべきだ。軌道を周回する人工物の輝度について、国際的に合意された規則や指針がない。今日までそれは、優先度の高い話題として取り上げられることすらなかったが、現在、ますます重要になりつつある。したがってIAUは今後、国連の外宇宙平和利用委員会の会議で常時その所見を述べ、世界の政府代表者たちの注意を、新たな宇宙計画が天文学と科学全般にもたらす脅威に向けていきたい」

ひと握りの企業が夜空を散らかすことを、彼らは天文台にじっと座ったまま黙認したくないのだ。

画像クレジット: IAU

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Made In Spaceは周回軌道上でのソーラーパネル建造にBlue Canyon Technologiesの協力を取り付ける

周回軌道上での装置建造を手掛けるスタートアップであるMade In Spaceは、NASAとの契約によるArchinaut One(アーキノート・ワン)のデモミッションに協力してくれる企業として、米国コロラド州にあるBlue Canyon Technologies(BCT)に白羽の矢を立てた。同ミッションは今のところ2022年に実行されることになっている。Made In Spaceが、軌道上で2つの10m大のソーラーパネルを組み立るというもの。組み立てられたパネルは、その後ESPAクラスの衛星に電源を供給するために、実際に使用される。軌道上での組み立てをしない場合に比べて最大5倍の電力を供給できるとされる。

BCTは、ノースロップ・グラマンと共同で宇宙船プラットフォームを開発する。Made In Spaceは、それを使ってArchinaut Oneの製造プラットフォームを輸送する。同プラットフォームでは、軌道上で構造物を建造できるよう、積層造形とロボットアセンブリを組み合わせて採用している。BCTは、2008年にコロラドで設立された会社で、すでにさまざまなプロジェクトのために宇宙船を開発してきた実績がある。例えば、JPLが初めて実運用に成功したCubeSatプロジェクトであるAsteria(アステリア)宇宙望遠鏡などもその1つだ。

筆者は、Made in Spaceのプロジェクトについて、BCTのシステムエンジニアであるBrian Crum(ブライアン・クラム)氏に話を聞いた。同氏によれば、これまでの同社の仕事を代表するようなものになるという。同社は主に、興味深いデモミッションや画期的な宇宙技術の初めて運用に集中してきた。それは、宇宙での作業方法について途方もない可能性を開くことになったというのだ。

「私たちが専門的に開発している宇宙船の大きさと、価格帯を考えると、そうしたデモンストレーションのミッションは、実際に運用可能なコンセプトにつながるものとして、本当に役立ちます」と、クラム氏は述べた。「私たちは、コンセプトを実証するための優れたソリューションの一部であり、それに真剣に取り組んでいます。私たちは、いろいろなことを試してみたいという人々から、多くの興味深いアイデアを受け取ります。これも、間違いなくその1つです」。

BCTは現在、60機以上の宇宙船を実際に建造中であり、この1年間で規模が2倍に拡大した。さらに同社は、本社機能と生産設備を合わせて8万エーカー(約324平方km)以上にもなる新しい施設を開設する計画を持っていて、今年後半にも運用を開始する予定となっている。このような成長は、もちろんビジネスの伸展によるもの。クラム氏によれば、政府や民間産業を問わず、さまざまな方面で実験と技術デモがブームのようになっている結果だという。

「間違いなく、リスクを追い求めているような人が増えています」と、同氏は言う。「簡単に言えば、宇宙船への需要が高まっているため、私たちは成長しているのです。こうしたプログラムをサポートするため、優れた人材を採用し続けています。それによって、プログラムの数も大幅に増加しています。また、私たちの規模が大きくなるにつれて、宇宙船のサイズも大きくなり、より複雑になっています。つまり、少し難度が増しています。エンジニアリングにもさらに力を入れていく必要があるのです」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

衛星ブロードバンドサービスのAstranisが約99億円を調達

米国のシードアクセラレーターであるY Combinatorが支援するAstranis(アストラニス)がデットとエクイティの組み合わせによるシリーズBで9000万ドル(約99億円)を調達した。本ラウンドはVenrockがリードし、2018年のラウンドをリードした既存投資家のAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)がかなり出資した。新たに調達した資金は初の商業衛星打ち上げに当てられる。この衛星は世界のインターネット非接続のかなりのマーケットにサービスを提供することを目的とする、未来のインターネットサービスの基礎となるものだ。

Astranisは、Andreessenがリードした1350万ドル(約15億円)の資金調達を発表した2018年に突如現れ、静止衛星を使った低コストで信頼できるインターネットを提供する計画を明らかにした。この手法は、かなりの数の衛星を地球低軌道に展開しようと計画している、このところ急激に増えている新規参入企業とは異なるアプローチだ。地球低軌道に展開する衛星は1カ所に留まらず、サービスを継続させるために地上のステーションを介してリレーシステムのように接続をつないでいく。

Astranisの静止衛星モデルは、すでにある宇宙からのインターネット接続提供方法に似ている。この方法では地球からかなり離れた静止軌道に大容量通信衛星を展開する。Astranisの画期的なアプローチでは従来の衛星の20分の1ほどの小型衛星を使う。重さは約770ポンド(約350キロ)で昔の衛星の1万4000ポンド(6350キロ)に比べるとかなり軽量だ。Astranisは超サイドバンドのソフトウェア無線技術により小型衛星の使用を可能にしている。この無線技術では、小型かつ複雑ではないハードウェアでより広域をカバーできる。これはかなりの宇宙空間を節約できるばかりでなく、ものの数カ月で衛星をつくって打ち上げることができる。昔の大型の静止通信宇宙機は準備に数年もかかっていた。

前述したように、本ラウンドはデットとエクイティの組み合わせだ。Y Combinator、そしてVenrock、Andreessenに加えて他の企業も参加する4000万ドル(約44億円)のエクイティファンディングを含む。残る5000万ドル(約55億円)のデットはTriplePoint Capitalが受け持つ。Astranisは今年と来年、インターネットサービスプロバイダー提携の獲得と、政府や他の産業との関係構築に注力する。

Astranisは昨年、初の商業衛星の打ち上げでSpaceXと契約を交わした。早ければ2020年第4四半期の打ち上げを目指す。Astranisはこれまでに1億800万ドル(約119億円)を調達したが、SpaceXのStarlinkやAmazonのKuiperなど、異なる技術で同じ機会を狙う資金豊富な競争相手がいる。

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(翻訳:Mizoguchi