イーロン・マスクのテスラとスターマンはここにいる――軌道追跡サイトでチェックしよう

先日、イーロン・マスクのSpaceXの最新大型ロケット、Falcon Heavyで宇宙に飛び立ったチェリーレッドのTesla Roadsterとその運転席に座ったダミー、スターマンは火星と地球の軌道を横切りながら太陽を周回する巨大な楕円軌道を描いている。しかし搭載バッテリーが切れて、通信が途絶した今、Teslaとスターマンがどこにいるかの知るにはどうしたらよいだろう?

SpaceXの大ファンで、航空宇宙産業でエンジニアとして働いているBen Pearsonが、Where is Roadster(ロードスターは今どこ?)というサイトを開設している。これはJPL(NASAジェット推進研究所)の Horizonsシステムを利用してTeslaの軌道を表示している。これによればTeslaとスターマンのコンビは火星だけでなく、太陽や他の惑星にも接近することがわかる。

このサイトではスターマンの任意の時間における位置や速度も示してくれるので、火星に近づきつつあるのか遠ざかりつつあるのかなどもわかる。このサイトは公式にSpaceXやTeslaと提携しているわけではないが、イーロン・マスクがツイートで取り上げているのが面白い。

たしかこのあたりに駐めたはず。 ―イーロン・マスク

Falcon Heavyが飛び立った後も、このサイトがあればマスクは自分のTeslaをパーキングした場所を探してうろうろせずにすむわけだ。

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アメリカ、国際宇宙ステーションの民営化を検討――シャトルの引退後NASAによる運営困難に

Washington Postによれば、トランプ政権は2024年に国際宇宙ステーション(ISS)を退役させる代わりに、民営化する方策を検討しているという。

Washington Postが入手した文書によれば、アメリカ政府はISSを単に洋上に落下させるのではなく、民間企業に運営を任せる方法を模索している。これに伴いNASAは「地球低軌道における人類の活動を継続するために、向こう7年の間にパートナーシップを国際的にも商業的にも拡大していく」ことになるという。

WPの記事によれば、トランプ政権は2019会計年度のNASAの予算中に、ISSの商業的運営が成功するよう方策を講じるための予算として1億5000万ドルを要求するという。これは後継運営者がISSの全体または一部を必要に応じて利用できるよう整備するためだという。

アメリカ政府はこれまでに概算で1000億ドルの予算をISSの開発と運営のために投じてきた。ISSはアメリカの他に、欧州宇宙機関(European Space Agency)、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)、ロシア宇宙機関(ロスコスモス)などが主要メンバーとなって運営されている。

宇宙飛行士、 Cady ColemanがISSの窓際から地球を見下ろす(画像:NASA)

しかしNASAのエンジニアがQuoraで説明したように、NASAは「すべてのプログラムを実行するための予算がない」ため、ISSの運営を停止さざるをエなくなっていた。

NASAの衛星組み立てと日常運営部門の責任者、Robert Frostはこう書いている。

…残念ながら〔NASAは〕すべての巨大プログラムを同時に望むように実行するリソースを欠いている。ISSの建設にあたってはスペースシャトル・プログラムが必須の要素だった。しかしISSの〔基本部分の〕組み立てが終わった後、次の有人宇宙計画(Constellation)が実現する前にスペースシャトルが退役を余儀なくされた。

NASAの使命は宇宙というフロンティアの開拓にある。地球低軌道における〔有人衛星の〕経験は十分に得た以上、 NASAはこの分野を民間企業に引き継ぐことが可能だろう。【略】

将来のISSの運用にあたっては政府と民間企業による第三セクター方式が考えられるだろう。NASAが運営を停止した後のISSを大洋の墓場に落下させて葬るよりいいはずだ。

NASAでISSの運用に10年携わったエンジニア、Michael T. Suffrediniが創立したAxiom Spaceは宇宙ステーションの商業的運営を行うビジネスを目的としており、シード資金として300万ドルを調達している。エキセントリックな言動で知られるラスベガスの大富豪、Robert BigelowのBigelow SpaceもISSに新たな居住・実験区域を追加するプロジェクトを進めている。

ISSを商業的に運営することが可能かどうかについては議論があるものの、NASAがシャトルの運営を停止したときからISSの運営をこのまま続けるのは不可能だというのは動かしがたい結論だった。

ISSの運命は長年宇宙関係者の懸念することがらとなっていたが、先週、元宇宙飛行士のMark KellyはNewyork TimesのコラムでISSの運用継続を訴えている。【略】

ISSの民営化にあたっては、商業的に成立させる方策を探ることも重要だが、国際協力の枠組みを再交渉するという大きなハードルも存在する。ことにISSの建設当初に比べてアメリカとロシアの関係が冷え込んでいることが影響するおそれがある。

またアメリカがISSから手を引けば、大いに歓迎する国がすくなくとも一つある。近年、中国政府は宇宙計画に数十億ドルを注ぎ込んでおり、宇宙における役割の拡大に努力している。

Kellyは、New York Timesのコラムで「アメリカが手を引けば、その空白を他国が埋めることになるのは疑いない。それはおそらくロシアと中国だろう。われわれが重大なライバルと見ているこの両国が主導権を握れば…宇宙における活動がアメリカが信じる価値や利害に反する方向に動かされる危険性がある」と警告している。

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SpaceXのFalcon Heavy、歴史的達成――打ち上げ、サイド・ブースターを地上回収とも成功

SpaceXはFalcon Heavyの最初のテスト発射に成功した。この大型ロケットはFalcon 9のブースターを3基用いており、ライバルの2倍以上の大重量のペイロードを衛星軌道に投入する能力がある。今日(米国時間2/6)東部時間午後1:30、フロリダ州ケープカナベラルのケネディー・スペースセンターのLC-39A発射施設からFalcon Heavyは予定どおり打ち上げられた。

今回の打ち上げはSpaceXにとって歴史的な達成となった。同社は2011年から大型ロケットの運用能力を獲得しようと努力してきた。当初の目標は2013年だったが、さまざまな事情がこれを妨げて、延期を重ねてきた。それが今日ついに成功した。SpaceXが当初2年で大型ロケットを打ち上げられると考えていたがイーロン・マスクはその後「あれはうかつな考えだった」と述べた。結局スケジュールには大幅な遅れが生じた。

Falcon Heavyは Merlinエンジンを9基装備するブースターを3基用いる(Falcon 9の3倍だ)。地球低軌道への衛星打ち上げ能力は140,700
lbs(63.8トン)、静止遷移軌道(GTO)へは 58,900 lbs(26.7トン)だ。さらに火星に37,000 lbs(16.8トン)のペイロードを送ることができる。SpaceXはFalcon Heavyを火星有人探査計画のカギと考えているため、こうした数字はそれぞれ重要だ。

SpaceXの今回のテストで、イーロン・マスクのチェリーレッドのTesla Roadsterは地球と火星を周回する軌道を目指す。Teslaの運転席にはSpaceXで開発された宇宙服を着たダミーが着席している。データストレージにはアイザック・アシモフの偉業を記念して宇宙SFの古典3部作が収められている。またSpaceX社員全員の名前を刻んだネームプレートも搭載されている。ミッションが成功すればこうしたペイロードは10億年にもわたって宇宙を旅し続けることになるはずだ。

SpaceXがNASAからリースしているケネディー・スペースセンターのLC-39Aも歴史的な重要性をもつ発射施設だ。SpaceXが利用する以前はNASAのスペースシャトル、さらにそれ以前はアポロ計画で用いられた。

SpaceXではブースター3基をそれぞれ回収する計画で、うち両サイドの2基については順調に地上回収に成功している。中央のブースターは大西洋上のドローン艀上に着陸させる予定だ。われわれはその成否についてSpaceXからの公式発表を待っている。

さらに取材中…

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赤いテスラには「スターマン」が乗っていた――イーロン・マスクのFalcon Heavy、打ち上げ準備完了

イーロン・マスクはケープカナベラルでSpaceXが始めて発射するモンスター、Falcon Heavyの最終点検に忙しい。今回のペイロードはマスクの愛車、チェリーレッドのTesla Roadsterで、ロケット先端のファエリング内に設置されて宇宙に飛び出す。

このTelsaにはドライバーが乗っていることがInstagramに投稿された写真で判明した。SpaceXが開発したクールな宇宙服を着用したダミーの宇宙飛行士だ。マスクはこのドライバーをデビッド・ボウイーの曲にちなんでStarmanと名付けている。

打ち上げは火曜日の東部時間午後1:30に予定されている〔日本時間2/7明け方〕。願わくば、ボウイーの名曲に乗って無事に宇宙に飛び出してもらいたい。

Instagram Photo

今回のペイロードはもちろんFalcon Heavyのテスト用ダミーだが、宇宙に送られる物体としていちばん愉快なものだろう。同時に人類が環境に与える負荷を最小限にするためにイーロン・マスクが挙げてきた業績や地球外に植民するというビジョンを巧みに象徴するものとなっている。

TechCrunchでは記者がケープカナベラルに出向き、現地からこの歴史的打ち上げをレポートする。ご期待いただきたい。

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SpaceX、Falcon Heavyエンジンの地上テストに成功――本番打ち上げは「来週あたり」

SpaceXは巨大な新ロケット、Falcon Heavyの地上エンジン・テストに成功した。 いよいよ本番打ち上げの幕が開く。今日(米国時間1/24)実施された発射台上でのロケット噴射は実際の打ち上げに向けて必須のステップだった。各ブースターに9基ずつ、トータル27基のMerlinエンジンがすべてが正常に働くことが確認された。

テストはSpaceXのケープ・カナベラル発射施設で行われたが、実際の打ち上げもこの場所からとなる。SpaceXではテスト後に「すべて順調だった」と発表した。SpaceXのCEO、イーロン・マスクはこのテストが成功したので最初のフライトは「来週あたり」になるととツイートした。

今朝のFalcon Heavyの静止噴射の結果は良好だった。 蒸気が巨大な積乱雲を作った。打ち上げは来週あたりになる ―イーロン・マスク

これはグッドニュースだ。打ち上げは昨年の暮に予定されていたが延期となった。今年に入ると、予算が議会でブロックされて政府の活動が一時停止した。これでSpaceXが打ち上げに利用しているケープ・カナベラルのNASAの施設も閉鎖され、さらに遅れが出るのではないかと懸念されていた。議会における妥協により連邦政府の活動は(当面)再開され、SpaceXは巨大ロケット打ち上げ準備を再開できることとなった。

Falcon Heavyは現在のFalcon 9の3倍近い大重量のペイロードを搭載できる。1回のミッションで複数のクライアントのために多数の衛星を打ち上げることが可能になれば宇宙利用の経済性が一層高まるものと期待されている。また最終的にはイーロン・マスクのビジョンである有人火星旅行にも利用されるはずだ。

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民間月探査レースLunar XPRIZE、窮地のHAKUTOは挑戦継続の意向。「インドチームと共にあらゆる可能性見直す」

eng-logo-2015いまから1年ほど前、当初参加の33チームから5チームにまで絞られた民間月面探査コンペ「Google Lunar XPRIZE」ですが、2018年3月31日の打ち上げ期限を目前に、インドのTeamIndusがリタイアする可能性が報じられました。理由はインド宇宙研究機関(ISRO)がTeamIndusとのロケット打ち上げ契約を解除したため。

TeamIndusが用意する着陸機には日本から挑戦しているチーム HAKUTOが月面探査ローバー「SORATO」を相乗りさせる計画であり、TeamIndusのリタイアはHAKUTOにとっても一大事。しかしHAKUTOは1月11日に会見を開き、引き続きTeamIndusと打ち上げ実現を目指しつつ、XPRIZE側には期限延長を申し入れるとしました。

伝えられるところによると、ISROによるロケット打ち上げにかかる総費用は最大7000万ドル。しかしTeamIndusが調達できている資金は3500万ドル(約39億円)とのこと。このためISROの商業的窓口となるAntrix Corporationは、TeamIndusとの打ち上げ契約をキャンセルしたとされます。

TeamIndusの資金面での不安は以前からあり、ISROとの契約直後から両者の間には亀裂の兆候があったとも言われています。ISRO会長Kiran Kumar氏は数週間前、現地テレビの取材に対し「TeamIndusには技術面だけでなく、その実現に必要な資金面での課題がある。その穴を埋めるのは簡単ではなく、山のような仕事をこなさなければならないだろう」と先行きを語っていました。

TeamIndusとしてはまだ月への挑戦を諦めたわけではなく、ムンバイで開催されたイベントでは月探査プログラム実現のためクラウドファンディングで追加の資金集めを実施する予定を語ったとされます。また時間的に困難とはいえ、TeamIndusおよびHAKUTOには別の国の打ち上げロケットを使用してミッションを完遂する道もなくはありません。

HAKUTOは「同じレースを戦う仲間として引き続きTeamIndusをサポートし」、「相乗り契約の継続はもちろん、あらゆる方法を再度見直し、様々な選択肢の中で最も成功率の高い方法を検討」するとしています。

なお、Google Lunar XPRIZEは2017年10月にTeamIndusの計画進捗状況を確認し、すでにランダーおよびローバー、管制施設といったミッション遂行に必要な準備が整っていることをメディアに向けて発表済み。TeamIndusもSNSを通じて準備が万端であることを発信していました。

一説には、インド政府がISROのチャンドラヤーン2号を民間より先に月面に送り込みたい意向だとも言われています。この計画は2018年3~4月の打ち上げが予定されており、もしかすると資金とは違う部分でTeamIndusの打ち上げに影響を及ぼした可能性もあるかもしれません。

Google Lunar XPRIZEは民間による月面探査を目標とするコンペで、参加チームは月面探査用のローバー(自走ロボット)を月へ送り込み「500m以上走行する」、「月面での移動を示すHD画質以上の動画や静止画を地上へ送信する」という課題が与えられています。賞金総額は3000万ドルあり、過去に月面に到達した探査機といった「人工物の発見」や、「水または氷の発見」などにも賞金が掛けられています。

Engadget 日本版からの転載。

SpaceXの新しい巨大ロケット、Falcon Heavyが発射台に姿を現す

衛星打ち上げで順調に成功を重ねているSpaceXだが、新しいFalcon Heavyロケットのテストフライトに向けての準備も進んでいる。Falcon Heavyは地球低軌道に大重量のペイロードを運び上げることを目的としたヘビーデューティー・ロケットだ。1段目には従来のFalcon 9のブースターを3基束ねたものが用いられている。テスト発射は向こう数週間以内にフロリダ州ケープカナベラルの施設から行われる。

Falcon Heavyは昨年暮にケープカナベラルに到着していたが、いよいよ発射台に垂直に設置された姿を表した。発射を控えて詳細なチェックが行われているところだという。SpaceXは新ロケットのをドローンで撮影した驚くべきビデオと発射台上の巨大ロケットの姿をクリアにとらえた新しい映像を公開した。

Falcon Heavyの発射時推力は226トン以上。これはボーイング747旅客18機の最大推力に匹敵する。現在運用されるものとしては2位を2倍以上回って世界最大のロケットとなる。

Falcon Heavyのトップには大きなカーゴポッドが装着されFHのロゴがはっきり読み取れる。われわれがよく知っているとおり、ペイロードはイーロン・マスクの愛車、チェイリーレッドのTesla Roadsterだ。 実験が成功すればFalcon Heavyはイーロン・マスクの野心的ビジョン、火星植民を実現するために用いられることになる。

しかし今回はなんといってもFalcon Heavyの最初の打ち上げの試みであり、すべてが計画どおりに進まない可能性は十分にある。マスク自身、超特大の火の玉が中継される可能性を認めている。いかにシミュレーションを繰り返そうと、実際の打ち上げはコンピューターが予言するのとは何かしら違ったコースをたどるものだ。

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ロスコスモス、衛星打ち上げ失敗は初歩的エラーとの説を否定――ロシアの宇宙ビジネスには打撃

先月、ロシアはアムール州に新たに建設されたヴォストチヌイ宇宙基地から多数の衛星を積んだロケットを打ち上げたが軌道投入に失敗した。このほどロシアの宇宙開発組織ロスコスモスが発表したところによると、この失敗はこれに先立ってロシアのドミトリー・ロゴジン副首相が示唆していたのとは異なり、初歩的なプログラミング・エラーによるものではないという。

11月28日の打ち上げはロシアの宇宙事業にとって重要なビジネスで、4500万ドル相当のロシアの気象衛星Meteor-M No. 1およびNo.2に加えて18基の小型衛星を搭載していた(SpaceNewsのリスト)。この打ち上げはヴォストチヌイ基地からは2回目で、前回の打ち上げは1年半以上前のことだった。

Soyuz-2.1Bロケットの発射自体は正常に見えたものの、数時間後にロスコスモスはMeteor-Mが「所定の軌道上にないためコンタクトを取れなくなった」と発表した。その後、ロケットの2段目とペイロードの衛星はすべて太平洋上で失われたことが確認された。

当然ながら、何億ドルもの損失に「いったい何が起きたのか?」という声が起きた。ロスコスモスのアレクサンドル・イワノフは「ソフトウェア・アルゴリズムに誤りがあり、新しいヴォストチヌイ発射基地の位置とが予期せぬ複合を招いた」と説明した。

ところが昨日、国営テレビ、Rossiya 24のインタビューでロゴジン副首相が思いがけないヒューマン・エラー説を述べた。

Reutersによれば、「あのロケットは打ち上げ地点が(カザフスタンの)バイコヌール宇宙基地に設定されていた。打ち上げ地点の設定が誤っていた」と述べた。

これが本当ならロシアの宇宙事業には大恥辱だ。バイコヌールはロシアの主要な宇宙基地だが、何千キロも東のヴォストチヌイで発射されるロケットにバイコヌールの位置が入力されたというのも驚きなら、その間違いが最後まで訂正されなかったとすればそれ以上に大きな問題だ。ロスコスモスが異例に早く反応してロゴジンの主張に反駁したのもそれが理由だろう。

RIA Novostiの記事(原文ロシア語、RTの英訳による)によれば

今回の飛行ミッションはすべてヴォストチヌイ・スペースドロームを基準としており、実証済みの方法により専門家がチェックを行った。今回の事故の原因は、ヴォストチヌイ宇宙基地の特異性による[もので]既存のいかなる数学的モデルによっても予測不可能だった。

要するに「衛星打ち上げは難しい。しかしわれわれは間抜けの集まりではない」というこだろう。ロスコスモスは衛星打ち上げで最近まで成功を繰り返しており、発射位置というような初歩的なミスで失敗するというのは辻褄が合わない。どんな高度な数学モデルも失敗することはあるだろう。

しかしたとえそうであっても、この失敗はロシアの宇宙事業にとって高くついた。失敗の原因を巡る今回のような論争も決して好感を与えない。全体としてロスコスモスに対する信頼感は大きく低下した。SpaceXのような民間宇宙企業が衛星打ち上げを連続して成功させている状況を考えると、、先月の失敗はこれまで多額の収益をもたらしてたきたロシアの宇宙事業に対する深刻な打撃となりかねない。

画像:: Roscosmos

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SpaceX、2017年を18回目の衛星打ち上げ成功で締めくくる――新世代Iridium10基を軌道投入

SpaceXは今年18回目となる衛星打ち上げ成功で2017年を締めくくった。衛星打ち上げ回数として同社の新記録で、昨年の打ち上げ回数を10回も上回った。

今回の打ち上げのペイロードはIridium衛星10基で、Iridium NEXT衛星電話ネットワークの一部を構成する。SpaceXがIridiumを打ち上げるのはこれが4回目のミッションだ。これまで高い実績を上げてきたFalcon 9が今回も打ち上げロケットとして用いられた。2017年1月のIridiumミッションは、実は2016年9月に発射台上でFacon 9が爆発した事故でFacebookのインターネット通信衛星を失うという.悲劇の後の最初の発射だった。

SpaceXはカリフォルニア州ヴァンデンバーグズ空軍基地から打ち上げられた。今回のミッションにはブースターの回収は含まれていなかった。打ち上げが日没前後だったためロサンゼルス周辺では息を呑むようなスペクタクルとなった。大勢の住民がTwitterに動画や静止画をアップした。UFOではないかと驚いた人々もいたようだ。

Iridium NEXTネットワークの目的は世界中あらゆる場所を飛ぶ航空機に常時接続を提供することで、このテクノロジーはまた世界中の船を常にネットワークで結ぶことができるようになる。

SpaceXには次の大きなチャレンジが迫っている。2018年1月に巨大なFalcon Heavyロケットの最初のテスト発射が行われる予定だ。Falcon Heavyは現在ケープカナベラル空軍基地の施設で最終調整が進行中だ。最初のペイロードはイーロン・マスクの愛車のチェリーレッドのTesla Roadsterだという

〔日本版〕Falcon 9の打ち上げとほぼ同時刻に日本のJAXAもH-2Aロケットによる科学衛星2基の打ち上げに成功している。

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SpaceXの巨大ロケット、Falcon Heavy、ケープカナベラルで最終調整中

SpaceXは新しい巨大ロケット、Falcon Heavyを2017年中に打ち上げることできなかった。しかしこのモンスターはフロリダ州ケープカナベラルに到着し、打ち上げを控えて各種のテストが行われている。これには静止状態でのエンジンのフル出力テストや最終組立が含まれる。テスト飛行は来年早々に予定されている。

SpaceXのCEO、イーロン・マスクはケープカナベラルの同社施設でほぼ組み立てを終えたFalcon Heavyの写真を公開した。今後ロケットの先端にフェアリングやペイロードが取り付けられることになる。横に3本並んでいるのはそれぞれが9基のMerlinエンジンを搭載したブースターだ。このブースターは基本的に現在打ち上げに用いられているFalcon 9のブースターと同じものだ。しかも左右に取り付けられたブースターはSpaceXの過去のミッションですでに飛行したブースターだという。

Falcon HeavyはSpaceXの新しいハイキャパシティー打ち上げシステムで、最大63トンのペイロードを低軌道に投入する能力がある。SpaceXは1回のミッションで多数の衛星を打ち上げることができるようになる。あるいはまったく新しい大型のペイロードを扱う能力も得る。

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SpaceXではFalcon Heavyのテスト飛行を来年1月に予定している。ペイロードはマスクの愛車、Teslaロードスターだという。最初はジョークだと思われていたが、そうではなかった。もちろんFalcon Heavyの初打ち上げは花々しい大爆発に終わる可能性もなくはない。マスク自身が過去に「ロケットにはいつも打ち上げ直後に炎上する可能性がある」と警告していたとおりだ。

新しいロケットのテストには大きなリスクが付きものだ。Falcon Heavyのような強大な推力のモンスターとなれば、それがどのように作動するかは、いかに地上でテストやシミュレーションを繰り返しても、実際に発射してみる以外に知るすべがない。

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SpaceX、再利用Falcon 9ブースターで再利用Dragonの打ち上げに成功

SpaceXは今回の打ち上げで「経済的な宇宙飛行のためのロケット再利用」という目標に向けてまた一歩前進した。今回のCRS-13ミッションのペイロードは国際中ステーション(ISS)のための補給物資で、すでに宇宙飛行に用いられたDragon補給船とこれもすでに用いられた一段目ブースターを用いたFalcon 9ロケットによって打ち上げられた。補給船とブースターの双方が同時に再利用されたのはこれが最初だ。

今回のミッションは12月12日に予定されていたがSpaceXのエンジニアがFalconの二段目ロケットを再点検する必要を認めたため延期され、12月15日(日本時間12/16)に実施された)。Falcon 9はケープカナベラル空軍基地の改装されたSpaceX用発射台、SLC-40から打ち上げられた。 目的は2.1トンの補給物資をISSに運ぶことだ。〔Dragon補給船はロボットアームで捕獲されISSに取り付けられた〕。

SpaceXはまたFalcon 9のブースターをケープカナベラルのLZ-1着陸施設に無事に回収した。今回はSpaceXにとって今年17回目のの打ち上げとなり、1段目ブースター回収の成功としてはSpaceXの歴史を通じて20回目となる。回収されたブースターは今年6月にCRS-11ミッションで最初に使われたものだが、点検の結果異常がなければ3回目の打ち上げに用いられる。

面白いのはSpaceXはブースターを再塗装していないことだ。打ち上げの前にブースターに付着しているススは前回の打ち上げのときのものだ。SpaceXによれば「飛行性能の改善に役立つと認められないかぎり、今後も外部の再塗装は行わない」という。SpaceXの節約ぶりが伝わってくる。

着陸回収から再打上までのターンアラウンドを24時間以内にして商用打ち上げのクライアントの要求に迅速かつ経済的に応えられるようにするるのがSpaceXの目標だ。長期的にはイーロン・マスクの夢である火星植民計画を実現させるために必須のステップということになる。

〔日本版〕NASAの発表によればDragon補給船は2018年1月にISSを離れ資料・廃棄等を積載して地球に向かう。なおJAXAの宇宙飛行士・金井宣茂(かない・のりしげ)氏ら3名の宇宙飛行士がバイコヌール宇宙基地から打ち上げられISSに向かって飛行中。

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ジェフ・ベゾスのBlue Origin、乗員カプセルの打ち上げ、回収に成功

今日(米国時間12/13)、ジェフ・ベゾスの宇宙企業、Blue Originがまた新た段階を達成した。乗員を宇宙に運ぶために開発された最新のCrew Capsule 2.0が初の飛行に成功した。Crew Capsule 2.0はNew Shepardロケットの先端に取り付けられ、テキサス州の基地から発射されて、高度98kmまで上昇した後、無事に回収された。

New Shepardロケットには各種の商用、研究用の機器も搭載されていたが、打ち上げ10分後に着陸ステーション逆噴射によって安定を保ちながら静かに着陸した。Blue OriginがNew Shepardロケットを打ち上げ再利用するのはこれで7回目になる。有人の乗員カプセルはNew Shephardから切り離され、パラシュートで着陸した。

今回の飛行ではCrew Capsule 2.0は有人ではなかったが、 テスト用ダミー人形を積んでいた。実際の乗客が体験する衝撃などが記録された。Blue Originでは2019年初めには有人飛行を成功させたいとしている。来年はBlue Originにとって忙しい年となるだろう。つまりわれわれもBlue Originのロケットについて見聞きする機会が増えるはずだ。

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シリーズAで国内過去最高の101.5億円を資金調達したispaceは月のインフラ構築に挑む

民間企業が月面着陸を競うGoogle Lunar XPrizeのファイナリストに選ばれ、日本で唯一残っているチームHAKUTO。世界初の民間月面探査を目指す、そのHAKUTOを運営するスタートアップispaceは12月13日、総額101.5億円という巨額の資金調達をシリーズAラウンドで実施すると発表した。第三者割当増資の引受先は産業革新機構、日本政策投資銀行、東京放送ホールディングス(TBS)など(記事末尾に出資社リストを記載した)。シリーズAとしては日本では過去最高額、また宇宙分野のシリーズAとしても世界過去最高額の資金調達となる。

ispaceは2010年9月設立。2040年を目標に、月の水資源を軸として宇宙インフラを構築し、地球と月をひとつのエコシステムとして持続的な世界を実現することを目指す、宇宙スタートアップだ。これまでに、エンジェル投資家や、独立系VCのインキュベイトファンドが運営する3号ファンドからも資金調達を行っている。

今回の資金調達でispaceは、独自開発の月着陸船による「月周回」と「月面着陸」の2つの月探査ミッションをスタートさせるという。Mission 0と位置付けられたGoogle Lunar XPrizeへの参加に続き、Mission 1として2019年末ごろに月周回軌道への月着陸船投入と軌道上からの月探査を、Mission 2として2020年末ごろに月面へ軟着陸して探査ローバーによる月面探査を行う予定だ。

月探査 Mission 1「月周回」イメージ

月探査 Mission 2「月面着陸」イメージ

ispaceでは2つのミッションを、月のインフラ構築に必要となる物資の月輸送と、資源を含めた月面探査の技術を確立する出発点としている。これら日本初の民間月面探査プロジェクトにより、物資の月輸送と、資源を含めた月面探査の技術を確立するための検証を実施。今後の月面データ提供サービスや輸送サービス構築を進めていくもくろみだ。

2009年、NASAの研究により水の存在が示唆されてから、月面の水資源には世界的に注目が集まっている。水資源は、生命維持に欠かせない要素であるほか、水素と酸素に分解することで燃料化が可能。月面での人間の生活に加え、月をベースとした宇宙開発も視野に入ることから、ispaceでは「月の水資源こそが宇宙へのヒト・モノの輸送の在り方を変え、人類が宇宙で生活する未来を速める重要な鍵」ととらえている。

ispaceのウェブサイトによれば、この後に続くMission 3以降では月の極域の水探査を中心とした、月の情報サービス/月輸送サービスプラットフォームの構築、Mission 10以降では安定的な月面開発を実現する産業プラットフォームの構築を目指しているという。

ispace代表取締役の袴田武史氏は、今回の資金調達について、こうコメントしている。
「今回の資金調達によりランダー開発に着手することで柔軟で定期的な月面輸送システムの構築し、小型宇宙ロボット技術の強みを活かし、月面での探査および開発をより一層促進していきます。日本のみならず、ルクセンブルクと米国の拠点を通して積極的にグローバルでの宇宙資源開発を先導していきます。さらに、今回投資していただいた機関投資家や事業会社の皆様の知識とネットワークを活用して、月面資源を軸にした民間の宇宙ビジネスシステムを構築し、その先にある人類が宇宙で生活できる持続的な人類社会の創造を目指します。」

[ispace シリーズAラウンド出資社一覧]
産業革新機構
日本政策投資銀行
東京放送ホールディングス
コニカミノルタ
清水建設
スズキ
電通
リアルテックファンド
KDDI
日本航空
凸版印刷
スパークス・グループ ※12月末時点の追加投資に参加

新しい宇宙服の‘無事にお家(うち)に帰る’機能は、宇宙飛行士の生命を救うだろう

VCの老舗Draperは最近、研究開発部門を作ったが、そこから産み落とされる最初の卵は、船外作業をした宇宙飛行士が安全に帰船できるための宇宙服だ。すでに特許を申請しているその技術は、本船に帰還する際の宇宙飛行士自身による、ぎごちない‘手作業ナビ’をなくして自動化する。

その機能を宇宙飛行士自身やそばにいるほかのクルー、あるいは地上にいるスタッフがonにすると、宇宙服が内蔵している補助エンジンが作動し、自動的に、指定された安全な場所までガイドする。宇宙ではGPSが使えないから、本船帰還のナビで間違うと、酸素不足など生命の危険にさらされる可能性もある。本製品は、そういうヒューマンエラーを自動的に防ぐ。

そのシステムは帰還過程の100%をコントロールするわけではないが、宇宙服の中にいる飛行士のHUD(ヘッドアップディスプレイ)上に、視覚的な情報や指示を表示する。また進行方向を変えるべき箇所では音声による指示も行われる。さらに、船外活動中で起きた異状に関しては、触覚へのフィードバックも行われる。それらのサインが、最初から決まっているプランからの逸脱を緊急要請する場合もある。

応用範囲は宇宙だけでなく、地上での危険作業やスカイダイビングなどにも利用できる。またブーツやグラブについても研究が進められており、それらの末梢器具からのさらに精密な位置/動き情報を期待できる。

多くの場合、これまでの宇宙服は着用者にとって邪魔物である。しかしこのような研究によって機能が強化され、邪魔物を卒業できるかもしれない。火星の植民地化など、宇宙の適正な商用化が軌道に乗るためには、多機能で安全性の高い宇宙服がどうしても必要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

家にミューオン天文台を作ろう――MITから100ドルの観測デバイス発売

MITの物理学者チームはミューオン探知機を開発し100ドルで販売し始めた。テレビのリモコンみたいに見える装置を使って誰でも宇宙から飛来するミューオンでさまざまな観測をすることができる。高エネルギー粒子が宇宙線となって大気に衝突すると、さらに二次宇宙線が放射される。そのひとつがミューオンだ。CosmicWatchというデバイスでこの宇宙線を観測できる。

デバイスの開発者、Spencer Axaniによれば、ミューオンはいわば「霧雨のように地上に降ってくる」のだという。Axaniと同じMITのJanet Conrad、ポーランドのワルシャワにある国立原子力研究センターに勤務するKatarzyna FrankiewiczPaweł Przewłockiのチームがこのミューオン探知機を開発した。MITのサイトにはDIYで探知機を利用するプランがある。プログラムのソースはGithubからダウンロードできる。デバイスはArduino Nanoとシリコンチップの光増幅器を利用して「シンチレーター中を通過する粒子のシンチレーション発光を検出する」のだそうだ。

Axaniはこのデバイスを大気観測用の気球に取り付けたり、学生チームにデバイスを持たせてボストンの地下鉄で観測させたりした。それによると場所によって観測されるミューオンのカウントは劇的に変化するという。チームはこのデバイスをロケットで高空に打ち上げることも計画している。

「海抜ゼロでは2秒に1回程度のカウントだ。しかし巡航高度の航空機内では50回程度に増える。たいへんな増加だ。カウント数から飛行機の高度を逆算することもできる」とAxaniは語った。

ユーザーは探知機をあちこち動かしてカウント数の変化を調べることでこの壁の中の様子を推定することもできる。

Axaniによれば「この探知機で上の階がどうなっているのか地図を作ってみたい。そのうちやってみるつもりだ」とのこと。

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アメリカ国防省、Virgin Orbitと試験飛行契約――747ベースのLauncherOneがいよいよ空へ

アメリカ国防省はVirgin OrbitのLauncherOneのプロトタイプのテスト飛行を契約した。Virgin Orbitが今日(米国時間11/15)発表したところによれば、国防省は同社の地球低軌道打ち上げ能力を調査するためだという。

LauncheOneのマニフェストには国防省の宇宙テストプログラムが掲載されており、実際の打ち上げは早ければ2019年1月にも実施されるという。

この契約は、国防省の宇宙ミサイルシステムセンター高度システム開発局とDefense Innovation Unit Experimentalを通じて締結された。相手方の Vox Spaceは、われわれがすでに報じたとおり、この種の政府契約を処理するために設立されたVirgin Orbitの子会社だ。

LauncherOneはVirgin Orbitが開発している再利用可能な空中発射プラットフォームで、ボーイング747を改造のベースとしている。この母機に使い捨ての衛星打ち上げロケットを吊り下げ、高空で発射するという仕組みだ。

Virgin Orbitはロングビーチの製造工場でテスト用ロケットの組み立てを完了しており、747改造の発射母機はテスト飛行の準備中だ。

テスト飛行が成功すれば、次には技術デモ衛星の実験打ち上げを行い。Virgin Orbitが低価格で低軌道に衛星を投入する能力、また随時、迅速に打ち上げ要求に答える能力などがテストされるはずだ。【略】

Virgin Orbitもこれでやっと空に飛び立つことができそうだが、われわれが報じたとおり、SpaceXは、Falcon 9による衛星打ち上げを16回成功させ、今回は国防省がノースロップ・グラマンを介して発注した極秘のペイロードを搭載した17回目の打ち上を準備 している。

そうではあっても、物事はどこからか始めなくてはならない。Virgin Orbitの得た契約がそれになるのだろう。

安全保障関係の政府の宇宙契約の窓口となっているVOXの社長、Mandy Vaughnは「LauncherOneは〔747の改造であるため〕多数の機体を短期間で製造可能だ。空中発射システムは商業的に魅力的なサービスを提供してきた。今回の国防省との契約により、われわれはこの能力を実証できることとなった。ここで空中発射による衛星打ち上げのための新しい優れた方法を実証できると期待している。国防省が示しているイノベーションと創造性を高く評価するものだ」と述べた。


〔日本版〕トップ画像はLancherOneに搭載予定のテスト用ロケット。

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SpaceX、謎の衛星Zuma打ち上げへ――11/17 10:00AM(JST) ライブ中継

SpaceXは今日(米国時間11/16)、特殊なペイロードを搭載したFalcon 9を発射する予定だ。打ち上げに適した、いわゆる「ウィンドウ」が開くのは東部時間で今日の午後8時で、およそ2時間開いている。発射はフロリダのNASAのケネディ宇宙センターで行われ、SpaceXはファルコン9ロケットのブースターをケープカナベラルのLZ-1ランディングパッドに回収する予定だ。ただし今回のミッションのいちばん興味ある点は、"Zuma"と名付けられたペイロードそのものだろう。この謎の衛星についてはまったくといっていいほど情報がない。

SpaceXが発表したミッション概要にはペイロードがZumaだという以外、一切言及がない。その存在が発表されたのも法規で必要とされる書類中だけだ。われわれの理解するところでは軍需企業のノースロップ・グラマンがアメリカ政府の代理としてZumaの搭載を仲介したもののようだ。

ノースロップ・グラマンの公式声明によれば、ペイロードは「機密」だそうだ。我々が知っているのはZumaという名称と打ち上げは低軌道に対して行われるということだけだ。これだけ秘密なペイロードであれば、Falcon 9の飛行を追跡するライブビデオ中継はペイロードの分離の段階で打ち切られるだろう。ともあれFalcon 9の発射と着陸のもようはライブ映像を見ることができる。

SpaceXは打ち上げウィンドウが開く15分前からライブ中継を開始するはずだ。YouTubeはこの記事のトップにエンベッドしてある。

〔日本版〕現在YouTubeには「5時間後にライブ配信開始 11月17日10:00」と表示されている。

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地球の比較的近くに人が住めそうな惑星が見つかった、そこまでの距離は11光年

火星のことは忘れましょう。わずか11光年先に、地球ぐらいの大きさで、居住できるかもしれない惑星が見つかったのです。

Ross 128bと呼ばれるその惑星は、推定年齢70億歳の、生命にやさしい赤色矮星のまわりを周回している。

赤色惑星は銀河系でいちばんありふれた星で、知られている星の約70%を占め、その周回軌道上には水のある惑星がありえる、と言われている。つまりそれらの惑星には大気があり、生命をサポートしているかもしれない。

ここ数年、そういう赤色惑星を周回している、居住可能かもしれない惑星の発見が爆発的に増えた。というか、最近の研究によると、赤色惑星の恒星系の可住域には惑星が600億ぐらいあるかもしれない。その中でRoss 128bが話題になるのは、地球から近いからだ。

もっと近い地球サイズの惑星として、4.25光年先のProxima Centauriをご存知の読者もおられるだろう。でも、その恒星系の太陽である赤色惑星は若くて高温なので、惑星は灼熱地獄だろう。人が住める場所ではない。

Ross 128bには、人間が住めるかもしれないと思わせる特徴がいくつかある。まず、自転の揺れが安定している。その‘太陽’は高齢なので、かなり沈静化しているだろう。コンピューターのシミュレーションでは、雲におおわれているので水が表面から蒸散しない。ということは大気もあって、生命をサポートできるだろう。

この惑星を発見した科学者たちが、それを最初に報じたNational Geographic誌で語っているところによると〔日本語訳〕、今後はもっともっとデータが必要である。目下チームは、16光年以下の範囲内に、そのほかのRoss 128b的惑星を探している、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

地球の比較的近くに人が住めそうな惑星が見つかった、そこまでの距離は11光年

火星のことは忘れましょう。わずか11光年先に、地球ぐらいの大きさで、居住できるかもしれない惑星が見つかったのです。

Ross 128bと呼ばれるその惑星は、推定年齢70億歳の、生命にやさしい赤色矮星のまわりを周回している。

赤色惑星は銀河系でいちばんありふれた星で、知られている星の約70%を占め、その周回軌道上には水のある惑星がありえる、と言われている。つまりそれらの惑星には大気があり、生命をサポートしているかもしれない。

ここ数年、そういう赤色惑星を周回している、居住可能かもしれない惑星の発見が爆発的に増えた。というか、最近の研究によると、赤色惑星の恒星系の可住域には惑星が600億ぐらいあるかもしれない。その中でRoss 128bが話題になるのは、地球から近いからだ。

もっと近い地球サイズの惑星として、4.25光年先のProxima Centauriをご存知の読者もおられるだろう。でも、その恒星系の太陽である赤色惑星は若くて高温なので、惑星は灼熱地獄だろう。人が住める場所ではない。

Ross 128bには、人間が住めるかもしれないと思わせる特徴がいくつかある。まず、自転の揺れが安定している。その‘太陽’は高齢なので、かなり沈静化しているだろう。コンピューターのシミュレーションでは、雲におおわれているので水が表面から蒸散しない。ということは大気もあって、生命をサポートできるだろう。

この惑星を発見した科学者たちが、それを最初に報じたNational Geographic誌で語っているところによると〔日本語訳〕、今後はもっともっとデータが必要である。目下チームは、16光年以下の範囲内に、そのほかのRoss 128b的惑星を探している、ということだ。

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SpaceX、Falcon 9で韓国の通信衛星打ち上げに成功――ブースターも洋上回収

さきほどSpaceXは今年に入って16回目のFalcon 9による衛星打ち上げに成功した。顧客は韓国の衛星企業KT SATで、フロリダ州のNASAのケネディー・スペース・センターから発射された。ペイロードのKoreasat-5A衛星は静止軌道上からKT SATのユーザーにブロードバンド接続を提供する。

今回の打ち上げでもFalcon 9の1段目(ブースター)は大西洋上を航行するドローン艀、Of Course I Still Love Youの甲板に無事着陸した。

Space Xのブースター回収はこれで19回目の成功となる。最後の回収失敗以後、回収方法にも各種の改修が加えられたが、成功が連続し始めてすでにかなりの期間が経った。ブースター回収により衛星打ち上げのコストを劇的に低下させるというSpaceXの戦略にとって回収の成功が続くことには大きな意味がある。

〔日本版〕上のビデオは16分ごろから中継録画が始まる。Koreasat-5Aタレス・アレニア・スペースが製造した通信衛星で東アジアからペルシャ湾までの地域に衛星ブロードバンド接続を提供するという。

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