フェイスブックがClubhouseとInstagram Liveを合わせたようなQ&A製品Hotlineのテストを開始

Facebookの国際的研究開発グループであるNPEチームは、米国時間4月7日、Hotline(ホットライン)の最新テスト版をローンチし、公開ベータテストを開始した。これは、Instagram Live(インスタグラム・ライブ)とClubhouse(クラブハウス)を足して二で割ったようなウェブアプリだ。クリエイターがオーディエンスに話しかけることができ、オーディエンスはテキストか音声でクリエイターに質問できる。しかし、Clubhouseと違い音声のみに限定されることはなく、クリエイターが望めばカメラをオンにできる。

不動産投資家Nick Huber(ニック・フューバー)氏が、4月7日、米国東部標準時間午前10時から初めて公にこれを使ったライブ配信を行った。Facebookは、プロのスキルを広めたいクリエイターを後押してくれる人をHotlineの協力者として求めており、ヒューバー氏はその代表だ。同氏は、そのプロのスキル、副収入源としての工業不動産投資の話をした。

Facebookでは、HotlineはEric Hazzard(エリック・ハザード)氏が率いている。ハザード氏は、自ら開発したアプリtbhがFacebookに買収されると同時に同社に加わった。tbhは、わかりやすさを重視したQ&Aアプリで、エグジット前の9週間でアクティブユーザー数を250万人に伸ばし、質問への回答の投稿は10億件を上回った。Hotlineで、ハザード氏は再びQ&Aスペースで製品開発を行うこととなった。

だが今回の新開発アプリは、新進気鋭のソーシャルネットワークClubhouseの影響を受ている。実際、Hotlineのユーザーインターフェイスは、ClubhouseやTwitterのSpaces(スペース)といった音声のみのソーシャルネットワークを使ったことのある人なら、モバイル機器で開いたときに、どこかで見た感じがするはずだ。モバイルの画面のトップ(デスクトップ版は左側)には、イベントのホストが丸いプロフィールのアイコンやライブ配信映像が表示されるスピーカーセクションがある。画面下部(デスクトップ版は脇)には、イベントのリスナーが現れる。

しかしHotlineには、Clubhouseなどの既存アプリとの相違点がいくつもある。

画像クレジット:Facebook

たとえばリスナーのセクションでは、見ているだけの人(プロフィールアイコンで表示される)と、質問をする人とが分けられている。このセクションの上部には、ユーザーからの質問の一覧が示され、見ている人はそれぞれに支持票、不支持票を投じることができる。クリエイターはそれを見て、次に対応すべき質問を選べる。また、質問者をステージに引っ張り上げて会話することもできる。

現段階では、ユーザーは質問を打ち込んで、自分の番になったら「ステージ」でホストと合流できるようになっている。今のところ、ゲストはプロフィールアイコンで表示され、ステージでは音声のみ。設定にはリスナーが映像を有効にできるオプションがあるが、今回のテストでは機能していない。

質問が入ると、ユーザーは拍手、炎、ハート、笑い、驚き、親指サインの絵文字でリアクションできる。

画像クレジット:Hotline

ホストは、イベントの全管理権を握る。質問の順番待ちリストから不適切なものを削除したり、イベントから人を追放したりが許される。初回のテストにあたっては、Facebookの従業員がモデレーターを務め、Facebookのコミュニティ規定利用規約データに関するポリシーNPEチームの補足条項に違反する人間を排除することになっている。

もう1つ、HotlineとClubhouseの注目すべき違いに、Hotlineではイベントが記録されるという点がある。

現在、Clubhouseでは、ユーザーは会話の記録や録音はされないとた知っているため、気楽なおしゃべりが楽しめている(ホストがルームのタイトルに記録の旨を示していない場合に限る)。こうすることで、参加者は安心して自由な会話ができるというのが、Clubhouseの方針だ。しかしHotlineでは、自動的に録音録画が行われる。イベント修了時、ホストにはMP3とMP4の2つの形式で記録ファイルが送られる。クリエイターは、これをYouTubeやFacebookなど他のネットワークで公開したり、編集で短く詰めてTikTokなどのアプリに使ったりできる。音声はポッドキャストなどに利用することも可能だ。

ローンチ時点では、Hotlineには誰でも無料で参加できる。オーディエンスの人数に制限はないが、実験が進むにつれて変更される可能性もある。

Clubhouseとの類似性はあるものの、Hotlineには、映像、テキストベースの質問、投票方式を導入したことで、また記録がされることで、雰囲気は異なる。気楽な溜まり場というよりは、専門家が進行し、オーディエンスの質問を受けるというプロフェッショナルなイベントの雰囲気だ。

Hotlineは、NPEチームがクリエイターの世界に向けて、音声と映像を使ったさまざまなアイデアの実験としてローンチしたアプリの1つに過ぎない。同チームでは、Cameo(カメオ)に似たSuper(スーパー)のテストを続行する。これはクリエイター向けの完全な映像ウェブアプリだ。音声のみのアプリCatchUp(キャッチアップ)のテストも以前に行っていたが、2020年中止した。Venue(ベニュー)とい名で知られていた別のQ&A製品もあった。これは、ライブイベント用のTwitterによく似たコンパニオンアプリだ。最近では、TikTok風の動画アプリCollab(コラブ)とBARS(バーズ)もローンチしている。前者は音楽、後者はラップのコラボを行うものだ。

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NPEチームのプロジェクトは、時間とともに、必ずしも独自の独立したアプリを作り出すことではなくなってきたが、十分な人気を獲得できたなら、その可能性は残る。だが、これらのテストと実験から学んだことには、Facebookの今後の製品開発に活かされ、Messenger RoomsやFacebook Liveといった既存の製品の新機能の構築に役立てられるという、もっと大きな意味がある。

Facebookは、Hotlineのローンチに関して公式な発表は行っていないが、今回のテストに関する声明を出している。

「Hotlineでは、専門家が自分で事業を構築してきたときと同様に、人々が専門家からプロのスキルなどの知識を学べるよう、インタラクティブなライブのマルチメディアQ&Aをどう役立てたらよいかを見極めたいと思っています」と広報担当者はいう。「New Product Experimentation(NPE、新製品実験)では、CatchUp、Venue、Collab、BARSといったマルチメディア製品をテストしてきましたが、これらのフォーマットが今後も人と人をつなぎ、コミュニティを構築する一助になれることを知り、勇気づけられました」。

Hotlineは、Clubhouseに対抗するFacebookの唯一の策ではない。Messenger Room内で使えるClubhouseのライバルも開発中だと、Facebookは認めている。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:金井哲夫)

ツイッターがClubhouseに4400億円規模の買収を持ちかけていたとの報道

Bloombergの報道によると、Twitter(ツイッター)はClubhouseとの間で、このライブドロップインオーディオネットワーキングプラットフォームの買収に向けた話し合いを行ったという。買収額は40億ドル(約4400億円)程度になるとのこと。TechCrunchは、この話し合いに詳しい関係者からの情報も確認した。

買収交渉は過去数カ月わたって行われていたが、終了した理由はわかっていない。つい数日前、BloombergはClubhouseが40億ドル前後の評価額で新たな資金調達を目指していると報じたが、買収交渉の詳細を報じた記事によると、まずTwitterとの話し合いが決裂し、株式投資と引き換えに追加資金を確保する戦略に変更されたという。

TwitterにはClubhouseとよく似た独自サービスである「Spaces(スペース)」がある。Spacesは、ドロップイン式のオーディオチャットルーム機能で、数カ月にわたってユーザーベースに徐々に展開されてきた。一方、Clubhouseは、同社初となる収益化の取り組みである「Clubhouse Payments」をローンチしたばかりだ。この機能は、ユーザーがプラットフォーム上の他のクリエーターに直接支払いが行えるようを送れるようになるものだ。

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興味深いことに、Clubhouseのマネタイズは自ら収益を得るものではない。クリエイターはユーザーからの支払いを100%受けとることができる。ただし、わずかな手数料としてClubhouseがバーチャルチップを実現するために利用している決済プロバイダーStripeに直接送られる。

TwitterとClubhouseの交渉の詳細については明らかにされていないが、特にSpacesの進捗状況を考えると、40億ドルはTwitterがこのオーディオアプリに支払う額としては非常に高いように思える。Clubhouse初期の牽引力は否定できないが、その持続性についてはまだ多くの疑問が残っている。他のプラットフォームからもクローンが誕生しており、それが機能なのかプロダクトなのかという古くからあるスタートアップの疑問を投げかけている。

何が起きたにせよ、このタイミングで明らかになったことで、Clubhouseが調達しようとしているラウンドの目標評価額について、潜在的な投資家たちとの話に弾みがつきそうだ。いずれにしても、コンシューマー向けソフトウェアの分野が比較的低迷していた数年間を経て、このような活動、話題、注目が集まっていることは非常に喜ばしいことだ。

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画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Clubhouseが同社初となるクリエイター用収益化機能をテスト開始

Clubhouse(クラブハウス)、企業価値10億ドル(約1100億円)と報じられている設立1年のソーシャルオーディオアプリだ。同社はユーザーから好きなクリエイター(スピーカー)にプラットフォーム内で送金できる機能を提供する。新しい収益化機能、Clubhouse Paymentをブログで発表し「クリエイターがClubhouse上で直接支払いを受けられるようになる数多い機能の第1弾」と説明した。

Clubhouseはコメントを拒んだ。共同ファウンダーのPaul Davison(ポール・デイヴィソン)氏は、同社の直近のタウンホールミーティングで、会社は広告ではなく、クリエイターの直接収益化に焦点を絞りたいと述べた。

仕組みはこうだ。ユーザーは、お金を払いたいクリエイターのプロフィールページへ行って送金する。クリエイターが機能を有効にしていれば、「Send Money」ボタンをタップして金額を入力する。これはバーチャル投げ銭箱、というかClubhouseブランドのVenmoのようなものだ(ただし送金の際にメッセージを加えることは現在はできない)。

「支払った金額は100%、クリエイターに届きます。送金する人は少額のカード処理手数料も課金され、当社の支払処理パートナーであるStripeに直接支払われます」と投稿では述べられている。「Clubhouseは何も取りません」。

StripeのCEOであるPatrick Collison(パトリック・コリソン)氏はブログ投稿のすぐ後にツイートで「内部の収益化や広告ではなく『参加者』の収益を第一に考える、というソーシャルプラットフォームは見ていて頼もしい」と語った。

 

Clubhouseが2021年1月にAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)のリードでシリーズBラウンドを実施した時、1億ドル(約110億円)と報じられた資金の一部はクリエイター報酬プログラムに使われると言われていた。そのプログラムは「新興のClubhouseクリエイターを支援する」ために使われる、と当時のブログに書かれていた。「新興」の定義が何かは不明だが、インフルエンサーを発掘する(かつ金銭で報いる)ことは同社がプラットフォーム上で高品質のコンテンツを奨励する方法の1つだ。

シナジー効果は明白だ。Clubhouseクリエイターは、すばらしいショーでチップを手にしたり、大義のために募金を集めたりできるようになり、プラットフォーム自身からも出演を繰り返すホストとして優遇される。

Clubhouse初の収益化の試みが、自身の取り分を要求していないという事実は確かに注目に値する。収益化、あるいはClubhouseにそれがないことは、話題のスタートアップがパンデミック初期に上昇を始めて以来の話題だ。現在はベンチャーキャピタルを切り崩しながら車輪を回し続けているが、最終的に自立したビジネスになるためには稼ぐ必要がある。

クリエイターの収益化とプラットフォームの取り分、という組み合わせはいくつもの大型ビジネスの成長を支えてきた。クリエイターや有名人にパーソナルメッセージを送るスタートアップのCameo(カメオ)は、同社プラットフォーム上で販売されたビデオの約25%を受け取っている。同社は先週1億ドルを調達してユニコーンになった。ファンがお金を払ってクリエイターとやりとりするOnlyFansというプラットフォームは2021に10億ドルの売上を見込んでいる

Clubhouseの送金機能は、4月5日から「少数のテストグループ」でテストされるが、このグループに誰が入るのかはわからない。最終的にこの送金機能は、他のユーザーにも段階的に公開される。

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Clubhouseがクリエイター支援のための投げ銭機能「Payments」をテスト開始

Clubhouseがクリエイター支援のための投げ銭機能「Payments」をテスト開始

音声チャットサービスのClubhouse(クラブハウス)は4月5日、クリエイター向けの初のマネタイズ機能「Payments」(ペイメント)の提供開始について、同社ブログで明らかにした。クリエイターが直接支払いを受けられる機能の第1弾としている。

Paymentsの送金機能については全ユーザーが利用できるようになっているという。一方、受け取り機能は小規模なテストグループを対象に提供開始し、段階的に展開する予定。フィードバックを得て機能の微調整を行った後、近日中に全ユーザーに提供する。

送金を行う側は、VISAまたはMasterCardのクレジットカードが必要。クリエイター側はPayments機能を有効にしていることが条件になる。

送金額は全額クリエイターに届き、送金側にはカード決済手数料がかかる。この手数料は、決済処理パートナーであるStripeに直接支払われ、クラブハウスは何も受け取らないとしている。

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タグ:音声ソーシャルネットワーク / オーディオソーシャルネットワーク(用語)Clubhouse(製品・サービス)

DiscordがClubhouseのような音声イベント用チャンネルの提供を開始

今や誰もがClubhouse(クラブハウス)のクローン作ろうと躍起になっているが、Discord(ディスコード)にとってそれはまったく理に適っている。

2020年、家に閉じこもっていた人々が社会生活を再開するための安全な方法を探していたことで、Discordの人気は爆発的に高まった。同社によると、Discordの新機能であるStage Channels(ステージチャンネル)は、新型コロナウイルス感染拡大時に見られた人々の新たな行動から着想を得たという。これは指定された話し手と聞き手による構造的なボイスチャットを円滑に行うための機能だ。

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ボイスチャットは、すでにDiscordの中心的な機能となってる。数年前からこの機能は、特にゲーマーたちに、ゲーム内のチャット機能を上回るクリアでシームレスなボイスチャットサービスとして支持されてきた。しかし、根本的にはDiscordが多くの点で先んじていたとしても、現在のClubhouseからインスパイアされたボイスイベントの時流を否定することはできない。

画像クレジット:Discord

Discordによると、この新しいタイプのチャンネルは、音声ベースのAMA(Ask Me Anything、質問会)やインタビュー、ブッククラブ、さらにはカラオケのようなものをDiscordで行う際に役立つという。ステージチャンネルは、Discord上ですでに行われている活動を取り込むことができ、サーバーの運営者は、細かいユーザー権限の設定をする必要がなく、形式化された会話を簡単にホストすることができる。各チャンネルには、内容を示すラベルが付けられる。

この新しいチャンネルタイプは、これまで培われたDiscordの雰囲気に適していると言えるだろう。Discordユーザーであれば誰でも企画することができ、モデレーターツールを使って誰がいつマイクを握るかをコントロールできる。参加者はClubhouse(またはZoom)のように、手を挙げて発言する。また、静かに退出することもできる。

画像クレジット:Discord

ステージチャンネルは、Discord上の大きなグループを対象としたコミュニティサーバーに特化したものになる。新しいチャンネルを有効にするには、サーバーのオーナーがチャンネルをコミュニティサーバーに変更しておく必要がある。

そんな新しいステージチャンネルをどうやって発見するかについてだが、DiscordはDiscordなので、Clubhouseのようなアプリを開いた人にユーザーが作成したライブイベントを前面に押し出して提供する機能はない。Discordのコミュニティサーバーは、サーバー発見メニューに掲載されるように申請することもできるものの、このアプリは依然として、プライベートで親密なグループや、すでに参加している大きな関心事ベースのコミュニティに焦点を当てたものになってる。

Discordは、その健全なユーザー基盤と、カジュアルでシームレスなボイスチャットのためのアプリとして、これまで培われた有用性を考えると、ボイスベースのイベントというまったく異なる市場を獲得するのに適した位置にあると言えるだろう。Discordの主力はゲームコミュニティであり、一般的に若い世代が多い。Clubhouse初期の喧騒に押し寄せた起業家、VC、ブランドとは対照的だ。

DiscordはゲームのDNAを持っているが、それだけに留まらない。近年、Discordはゲームのルーツを裏切ることなく、それを超えて成長を続けており、今では大学の勉強会からインフルエンサーのファンハブまで、あらゆる方面にシームレスなチャット体験を拡大している。Discordは2020年、6カ月評価額を倍増させた。それからわずか3カ月後には、Microsoft(マイクロソフト)が100億ドル(約1兆1100億円)規模の買収に向けて同社と交渉中と報じられている。

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タグ:DiscordClubhouse音声ソーシャルネットワークチャットツール

画像クレジット:Discord/TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

LinkedInもClubhouse類似機能を開発中

Clubhouse(クラブハウス)の競争相手は増え続けている。このたびLinkedIn(リンクトイン)も、クリエイターたちがネットワーク上でコミュニティでつながる仕かけとして、そのアプリ内でソーシャルオーディオ体験をテストしていることを認めた。現在、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)が開発しているClubhouseライバル機能とは異なり、LinkedInは、そのオーディオネットワーキング機能が、ユーザーの単なるソーシャルプロフィールではなく、プロフェッショナルなアイデンティティと結びつくという点で、差別化できると考えている。同社はすでにクリエイターコミュニティを支援するプラットフォームを構築しており、現在はストーリーズLinkedInライブビデオニュースレターなどのツールを利用できるようになっている。

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そして米国時間3月30日より、LinkedInはこうした一連の動きを新しい「クリエイター」モードとして正式提供を始めた。このモードを使うことで、クリエイターは自分のプロフィールの更新情報、たとえばストーリーズやLinkedInライブビデオなどをフォローしてもらえるようになる。

このようにクリエイターに焦点を当てたことで、LinkedInは、現在音声ベースのネットワーク機能を現在さまざまなレベルで開発しているFacebook、Twitter、Telegram(テレグラム)、Discord(ディスコード)といった企業たちと比べて、独自のClubhouse機能の拡大という点で競争力を持つことになる。

Twitterが開発中の、ClubhouseライバルであるTwitter Spaces(ツイッター・スペース)は、すでにベータテストが開始されているが、まだクリエイターのための完全なツールは揃っていない。実際Twitterが、たとえば新しい「スーパーフォロー」機能などを通じて、より大規模なクリエイター向けサブスクリプションプラットフォームの計画を発表したのは、2020年2月になってからだ。そして、買収によってニュースレター分野にやっと参入したのも、2021年になってからだ。一方、Facebookはこれまでクリエイター向けの機能を数多く提供してきたが、最近ではニュースレターのようなツールにも力を入れている。

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LinkedInは、メンバーやクリエイターから、そのプラットフォーム上でのより多くのコミュニケーション手段を求める声が寄せられていたことから、音声ベースのネットワーク機能を開発することにしたのだという。

LinkedInの広報担当者であるSuzi Owens(スージー・オウエンス)氏は、オーディオ機能の開発を認めた際に「LinkedInでの50%近くの会話の増加は、ストーリー、ビデオ共有、プラットフォーム上の投稿などにに反映されています」と語った。また「プロフェッショナルアイデンティティと結びついたユニークな音声体験を実現するために、いくつかの初期テストを行っている最中です。イベントやグループなど、LinkedInの他の部分にもオーディオを導入し、メンバーがコミュニティとつながる方法をさらに増やすことができるようにすることを検討しています」と述べている。

クリエイターからの関心の高まりを受けて、同社はルーム内のスピーカーを並べるステージと、その下にリスナーを配置する機能をいち早く開発した。また、リバースエンジニアのAlessandro Paluzzi(アレッサンドロ・ポルッツィ)氏が、LinkedInのAndroidアプリ内で発見したインターフェースのスクリーンショットをみると、ルームへの参加や離脱、コメントへの反応、発言のリクエストなどのツールも用意されている。

ポルッツィ氏は、ユーザーインターフェースに自分のプロフィールアイコンを表示しした画像をツイートしたが、これはLinkedInによるものではない。その代わりにLinkedInは、ルームでの体験に関する概念的なUXを示す独自のモックアップをTechCrunchに示した。このモックアップは、この機能がローンチされたときにどのようなものになるかについての、より具体的な例を示している。

画像クレジット:LinkedIn

LinkedInは、この音声エクスペリエンスが、ユーザーの職業上のアイデンティティと結びついていることで、ユーザーは安心してコンテンツについて話したり、コメントしたり、その他の方法で関わることができる、とTechCrunchに語っている。また、LinkedInライブなどの他の機能のために、すでに提供されているモデレーションツールを活用して、すでにClubhouse悩ませ始めている不適切もしくは有害な議論に対する懸念に対処することができる。

「私たちの優先事項は、参加者が安全だと感じ、生産性を高めることができる、信頼できるコミュニティを構築することです」とオウエンス氏はいう。「私たちのメンバーは、現実世界の人びとと、敬意を持って建設的な会話をするためにLinkedInに集まっています。私たちそのための安全な環境を確保することに注力しています」と彼女はいう。

さらにLinkedInは、音声ネットワーキングは、グループやイベントなどの他の分野の自然な延長線上にあるとしている。こうしたネットワーキング分野は成長を続けているが、特にパンデミックの中ではその傾向が著しい。

2020年には、約2100万人がLinkedInでのイベントに参加し、LinkedIn全体のセッション数は前年比で30%増加した。全世界に広がる7億4000万人のLinkedInメンバーも、2020年は48億回の接続を行い、コミュニティを形成し、会話を交わし、知識を共有している。

パンデミックによって活況となった多くの企業と同様に、LinkedInは、パンデミックによって、オンラインネットワーキング、リモートワーク、バーチャルイベントへの自然な流れが加速されただけだと考えている。そもそもこれらはロックダウン以前から行われていたものだ。例えば、LinkedInは、パンデミック前はリモートワークを行うメンバーは8%だったが、2020年末までにはそれが60%以上になっているという。パンデミックが収束した後も、世界の労働人口の半数以上が、少なくともある程度の期間は自宅で仕事をすると予想されることから、LinkedInはこの変化は定着すると考えている。

そのため、音声エクスペリエンスなどの、新しい形のオンラインネットワーキングが成長する余地があるのだ。

LinkedInは、この音声ネットワーク機能の開始時期を正確には決定していないが、まもなくベータテストを開始すると表明している。

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タグ:LinkedInClubhouse音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

SpotifyもClubhouseに負けじとライブオーディオに参入

SpotifyがライブオーディオのLocker Roomを運営するBetty Labsを買収すると発表したことを受けて、米国時間3月30日朝にSpotifyの株価が若干上がった。Crunchbaseのデータによると、この発表より前にBetty Labsは900万ドル(約9億9000万円)以上を調達していた。

Spotifyは音楽ストリーミング事業が最も有名だが、コアの市場における競争力、そして価格面の支配力を生み出す手段の両方を探しながら新しいオーディオフォーマットに進出してきた。

近年、同社はポッドキャストに多額の資金を投入し、プラットフォーム上で人気番組を独占的に提供してきた。自社のオーディオの世界をできる限り差別化することで、将来的に同社は課金を増やして成長していけるかもしれない。

Spotifyは自社ブログでBetty Labsを買収する目的について「スポーツ、音楽、カルチャーのさまざまなプログラムや、クリエイターがリアルタイムでオーディエンスとつながることのできる多くのインタラクティブ機能」などが今後登場し「これまで以上に幅広いクリエイターとファンに向けてLocker Roomのライブオーディオエクスペリエンスが進化し広がります」と堂々と書いている。

ラジオとClubhouseを融合させたようなものになるのだろうか。TechCrunchはここ数週間でClubhouseや、Clubhouseに似ているTwitterのSpacesについて掲載したが、これと同様に今後わかり次第取り上げていく。

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Clubhouseは現在のオーディオブームを盛り上げて、有力な支援者と多くの初期ファンを獲得した。しかしAppAnnieのデータによると最近の数週間ではオーディエンス数の減少が見られ、おそらくSpotifyなどのオーディオ関連企業が参入してClubhouseを脅かす余地はあるだろう。

関連記事:人気の次世代音声SNS「Clubhouse」がクリエイターへの支払い計画を発表、Andreessen Horowitz主導の新ラウンド準備中

Spotifyにはオーディオの新しいカテゴリーに参入して成功してきた歴史がある。3月の初めにTechCrunchで報じたとおり、eMarketerのデータによると「2021年にSpotifyでポッドキャストを聴く米国のリスナーは1カ月2820万人以上、Appleのポッドキャストリスナーは2800万人となり、SpotifyがAppleを初めて上回ると予測されている」。

費用がかかっていることは確かだが、Spotifyはオーディオのあらゆるカテゴリーでトップに立ちたいようだ。Clubhouseの領域に進出しようとしているSpotifyの動きは、この分野のスタートアップにとって心配の種に違いない。

Spotifyはすべてのプラットフォームに対応し巨大なインストールベースを持っているので、展開していく上での優位性がある。この優位性を活かしてオーディオの世界で新しい分野を獲得しようとする取り組みがどうなるかは2021年中にわかるだろう。それまでは、iOSデバイスを持っていれば引き続きClubhouseで楽しめる。

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タグ:Spotify買収Clubhouse音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Kaori Koyama)

Slackはテキストベース以上のプラットフォームになろうとしている、オーディオとビデオ機能追加を検討

Slack(スラック)はバーチャルの年次会議Frontiersの準備をしていた2020年10月、同プラットフォーム上での異なるコミュニケーション方法について考え始めていた。同社は恐ろしいタスク切り替えを軽減するのに多くのサービスを1カ所に集約できることで知られるようになった一方で、これまで主にテキストベースだった。

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直近では、プラットフォームと相互作用する異なる方法をもたらし得るいくつかの新しい機能の開発を開始した。CEOのStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)氏は米国時間3月25日、元TechCrunchライターで現在はSignalFireの投資家であるJosh Constine(ジョッシュ・コンスティン)氏とのClubhouseでのインタビューでそうした機能の開発について語った。

話は仕事の将来についてで、Slackはこうした新しいコミュニケーションの方法が、ハイブリッドな仕事環境へとシフトする中で従業員がオンラインでさらにうまくつながっていられるようにサポートできるかもしれないと考えている。こうしたシフトはパンデミックによって2020年に加速した。たとえパンデミックが終焉を迎えても多くの企業がハイブリッドスタイルで働き続ける、という一致した見方がある。

手始めにSlackはビデオでコミュニケーションを取る方法を加えることを目指している。しかしZoomやMicrosoft Teamsと競う代わりに、SlackはInstagram Storiesのようなエクスペリエンスを思い描いている。

CEOによる重要な発表の社内共有、あるいは全社メールで発表されるような種の情報を考えて欲しい。インボックスをスキップしてビデオでダイレクトにメッセージを届けることができる。ソーシャルでの消費者のアプローチを真似ておりそれを企業に持ち込もうとしている。

米国時間3月24日のブログ投稿で、同社のプロダクト最高責任者Tamar Yehoshua(タマール・イェホシュア)氏は、ミーティングのエクスペリエンスというより非同期のアプローチになるとの考えを明示した。

「ビデオコミュニケーションをサポートするために、当社はミーティングをSlackでネイティブのように感じる非同期ビデオエクスペリエンスへとシフトさせる方法を試しています。この手法ではミーティングなしでニュアンスや熱意を伝えることができます」と同氏は書いた。

それはそうとして、Slackは音声でチャットする方法を作ることを決めた。バターフィールド氏がClubhouseでのインタビューでコンスティン氏に語ったように、これは本質的にSlackのために作られるClubhouse(あるいはTwitter Spaces)だ。

そう、私は常に「凡人は模倣し、天才は盗む」を信じてきました。ですので、我々は本質的にはSlackの中にClubhouseを作っているだけです。偶然手に入れることができたアイデアのように、あなたがそこにいても、いなくても会話はあり、始まりと終わりがある電話とは対照的にあなたはそうしたいときに入室したり退室したりできます。これは自発性とセレンディピティ、3分間そこにいるだけでいい会話を促進するためにすばらしいモデルですが、それらをスケジュールする唯一のオプションは30分です。ですのでClubhouseをSlackにビルトインすることを模索しています。

繰り返しになるが、同社は消費者のソーシャルなアイデアを模倣していて、同じことを達成するのにZoomミーティングや電子メール、電話といった他のツールを使うかもしれないときにあなたをSlackにとどまらせるための他の方法を探そうと、そのアイデアをビジネス環境に適用している。

バターフィールド氏はまた、他の機能もほのめかした。ボイスメールのようなものを残すことができるようにする非同期オーディオで、これは将来提供されるかもしれない。Slackの広報担当は同社がこの新機能に取り組んでいることを認めたが、詳細を明らかにする準備は整っていなかった。

2020年末のSalesforceによる270億ドル(約2兆9595億円)でのSlack買収を考えずして、これらの機能に目を向けることはできない。すべてひっくるめたときに、あなたにとって最も合理的な方法でコミュニケーションをとれるようにするツールを手にする。

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3月24日にリリースされた、組織外部の人とコミュニケーションを取るための新機能Slack Connect DMをいくつかの論争と結びつけて考えると、人々はスパムやハラスメントをコントロールできるという保証を求めており、新機能は組織の外へとコンセプトを拡大している。

Salesforceのような大企業の一部として、それらツールは組織の内外でさまざまな方法でコミュニケーションを取る方法として販売、サービス、そしてマーケティングで役に立つかもしれない。そしてSlackが2021年後半にSalesforceの一部になるときに、Slackのバリュープロポジション(顧客に提供する価値)を大幅に拡大する。

同社は新しいオーディオとビデオの機能について昨秋から口にするようになったが、それら機能の試験は2021年初めに始まった。この新機能がいつから広く使えるようになるのか、同社はこれまでのところ語っていない。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Slack音声ソーシャルネットワーク

画像 クレジット:Drew Angerer / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

親しみ感ある短い音声メッセージを友達と共有するCappuccino、オーディオSNSが次のフロンティアか

CappuccinoはアンチClubhouseと言えるかもしれないが、同社はここ数年間でアプリの独自のコンセプトを練り上げてきており、CEOはClubhouseに対して競合だとは考えていない。Cappuccino自体が興味深いソーシャルアプリであることは確かだ。忠実なユーザーベースを引きつけており、TikTokの動画がバズってから特に顕著になっている。

同スタートアップは、友達とポッドキャストを録音できるアプリを構築中であることを明らかにした。ここ数年、ポッドキャストの存在が多くの人に認知されつつある。ポッドキャストでは、オーディオ番組をサブスクライブしたり、オンデマンドでエピソードを視聴したりできる。

まず、人々は彼らなりの興味を持ってポッドキャストの視聴を開始する。しかし、友達同士でポッドキャストの話題になったときには、ホストのパーソナリティの魅力からその番組を気に入っているという話になるだろう。

ポッドキャストを聞くことは、他に類を見ないコンテンツ消費体験だ。YouTubeで特定のユーチューバーが公開した動画をすべて見たり、Instagramで誰かをフォローしてその人の個人的な生活をよく知って親しみを覚えたりすることもあるだろう。

しかし、イヤフォンを耳に入れたまま何時間も人の話を聞くのはかなり親密な体験だ。ポッドキャストでは、何人かの友人と部屋に座って彼らの話を聞いているような感じがする。

ただし、お気に入りのポッドキャストのホストは友達ではない可能性が高い。

そこにCappuccinoの特性が活かされるニーズがある。同アプリでは、友達や家族とグループを作ることが可能だ。グループのメンバーは、Beanというショートオーディオメッセージを録音できる。自分が考えていることについて数分間語るものだ。翌朝、グループのメンバーに「朝のカプチーノが入りました」というお知らせが届く。

「再生」をクリックすると、クールなイントロ音楽が流れ始め、友人からの音声メッセージが聞こえてくる。これは単なるボイスメモの連なりではなく、友達からのハッピーなメッセージ、楽しいメッセージ、思いやりのあるメッセージがミックスされたリラックスした雰囲気が感じられるものだ。

Cappuccinoはソーシャルアプリでありながら、親しい友人や家族に焦点を当てている。フォロワーを増やそうとするものではなく、公開投稿を共有するものでもない。すべては個人仕様に設計されており、実生活の友達のグループにフォーカスされている。

いろいろな意味で、Snapchatのグループストーリーを彷彿とさせる。しかしCappuccinoの主たるインスピレーションの源は、Snapchatではなくポッドキャスティングであった。

画像クレジット:Cappuccino

プロトタイプを早期に作成し、頻繁にイテレーションを行う

同社の共同創設者兼CEOのGilles Poupardin(ジル・プパルダン)氏にアプリの起源について話を聞いたところ、Cappuccinoはプパルダン氏の最初のスタートアップではないようだ。同氏はWhydで数年間、スタートアップとしてのあらゆる経験を積んでいる。資金調達ラウンドを行い、事業の方向転換を決め、ベイエリアのY Combinatorに参加した後、自社のCTOと道を分け、同スタートアップの閉鎖を決断した。

Whydは、AmazonのEchoやGoogleのNestが本格的に登場する前に、ボイスコントロール機能を備えたコネクテッドスピーカーの開発に取り組んでいた。しかし大手テクノロジー企業と競合するのは厳しく、ハードウェアの分野で競争することはさらに困難を極める。

その後Whydのチームは、ユーザーが独自の音声アシスタントを作成できるサービスに取り組んだが、それも期待どおりにはいかなかった。

2019年の夏、Olivier Desmoulin(オリヴィエ・デスモラン)氏はプパルダン氏に連絡を取った。当時デスモラン氏は、オンラインのプライバシーを守るためのアプリであるJumboの設計に取り組んでいた。

「当時、私は会社を再び始めたいかどうか迷っていました。私が(Whydで)行った方向転換は15回にも上りました」とプパルダン氏は語った。

しかし、両氏はソーシャルアプリの次のフロンティアとして、ポッドキャストとAirPods、そしてオーディオ全般について議論し始めた。基本的な前提はシンプルだった。ポッドキャストを聞いている人はたくさんいるが、自分でポッドキャストを作っている人はほとんどいない。

あなたの親しい人が自分のポッドキャストは持っていなくても、InstagramやSnapchatには時々投稿する理由は3つある。

ポッドキャストは長い形式のコンテンツである。

ポッドキャストを録音して公開するのは技術的に難しい。

自分を知らない人たちをオーディエンスとして引きつけようとしている。

Cappuccinoでは、短いコンテンツ、録音しやすい、パーソナルなものという3つの点で従来とは逆のスタンスを目指している。音声を録音する人にとっても、音声を聞く人にとっても、より良い体験になるはずだ。

Cappuccinoの最初のバージョンはアプリではなく、サイドプロジェクトとなっている。「WhatsAppでグループを作って10人から15人を招待し、彼らが録音したボイスメモをオリヴィエへ送ってもらいました」とプパルダン氏は説明する。

オリヴィエ・デスモラン氏が毎晩、GarageBandを使ってすべてのボイスメモをミックスしたものを作成する。朝、同氏はWhatsAppのグループ会話に「カプチーノができました」とメッセージを送る。

画像クレジット:Cappuccino

グループメンバーから肯定的なフィードバックを得た後、プパルダン氏とデスモラン氏はさらに前進してアプリの構築を目指すようになったが、ユーザーを引きつけるソーシャルアプリの作成が非常に難しいことを知っていた。誰も使わないようなものを開発することに時間を浪費しないように留意しながら、迅速に開発を進めた。

「私たちは試しにアプリの最初のバージョンを4日で構築しました。バックエンドサービスとしてAirtableを採用しています」とプパルダン氏は続けた。

またしても、ベータ版ユーザーからのフィードバックはかなり良いものだった。両氏はこのアプリを一部の投資家に披露し、最終的にAlexia Bonatsos(アレクシア・ボナツォス)氏(Dream Machine、元TechCrunch編集者)、SV Angel、Kevin Carter(ケビン・カーター)氏(Night Capital)、Niv Shrug Capital、Jean de La Rochebrochard(ジャン・ド・ラ・ロシュブロシャード)氏(Kima Ventures)、Kevin Kuipers(ケビン・クイパース)氏、Willy Braun(ウィリー・ブラウン)氏、Marie Ekeland(マリー・エケランド)氏、Solomon Hykes(ソロモン・ハイクス)氏(Dockerの創設者)、Pierre Valade(ピエール・ヴァラード )氏(SunriseおよびJumbo Privacyの創設者)、Moshe Lifschitz(モシェ・リフシッツ)氏(Basement Fund)、Anthony Marnell(アンソニー・マーネル氏)、Bryan Kim(ブライアン・キム)氏、Uncommon Projectsなどから120万ドル(約1億3000万円)を調達した。

WhydでかつてCTOを務めていたGawen Arab(ガウエン・アラブ)氏は、再びプパルダン氏とチームを組み、時間の循環がフラットであることを証明した。同氏は現在、Cappuccinoの共同創設者兼CTOとなっている。

画像クレジット:Cappuccino

人にあなたについて話してもらうこと

Cappuccinoのチームは、プレス関係や広告に関しては積極的ではないものの、興味深い急上昇を見せながら徐々に成長している。

2020年の夏、Product HuntのスーパーユーザーであるChris Messina(クリス・メッシーナ)氏がCappuccinoについての記事を書いたが、同スタートアップがProduct Huntでの特集を目指していなかったことは少々驚きだった。それでも、共同創設者たちはProduct Huntコミュニティからの質問に熱心に答えた。

翌日、Product Huntのニュースレターに「次に来るビッグオーディオソーシャルネットワークか?」というタイトルでCappuccinoの特集が掲載され、一部の新規ユーザーを呼び込むことになった。

画像クレジット:Cappuccino

しかし、数週間前にBrittany Kay Collier(ブリタニー・ケイ・コリアー)氏がTikTokでCappuccinoについての動画を公開したことで、事態は本格的に進展し始めていた。同氏はInstagramでプパルダン氏に直接メッセージを送り、多くの再生回数を獲得していることを伝えた。最終的にこの動画は380万の再生回数と85万のいいねを集めている。

プパルダン氏はその2日後、チームへの参加をコリアー氏にオファーした。プパルダン氏はコリアー氏がイエスということをひそかに期待していたし、コリアー氏自身もCappuccinoのような会社で働くことを内心夢見ていた。

ここ数週間で、Cappuccinoは22万5千人に上る新規ユーザーを獲得した。13万のグループが生まれ、約100万件のオーディオストーリーが配信されている。

チームはTwitterでCappuccinoに関する公開記事を読むと、アプリがコアユーザーベースを得ているように感じるという。最も忠実なユーザーは20代の若い女性のようだ。彼女たちは長距離の親友と連絡を取り続けたいと思っている。

大学を卒業後に、それぞれ別の地域へ移っていくこともあるだろう。あるいは現在のパンデミックの影響で、自宅で足止めされているかもしれない。

新規ユーザーは、録音ボタンを押してストーリーを語ることに何の支障も感じないようだ。WhatsAppやiMessageのボイスメッセージに慣れているのだろう。

「オーディオメッセージを媒体とすることが魅力的なのは、Instagramで写真を撮ったり、Snapで写真を送ったり、TikTokでビデオを作ったりしたりするときとは違うストーリーを伝えられることです」とプパルダン氏は語っている。

同社が目指す領域はどこだろうか。Clubhouseはすでに800万ダウンロードを突破している。プパルダン氏は、ソーシャルグラフ、オーディオフォーマット、ユーザーベースにおける差異を挙げた。同氏によると、複数のオーディオアプリに十分な参入の余地があるという。

「動画にはYouTube、Twitch、TikTokなどがありますが、これらはすべて異なるフォーマットになっています。オーディオも同じトレンドに追随する可能性があります」とプパルダン氏はいう。また、ソーシャルアプリがスマートフォンのカメラを取り入れたのは、カメラが自社で開発するには厳しいハードウェア機能だったからであるが、オーディオも自然にそのステップを踏むことになりそうだ。

プパルダン氏は今のところ、他のオーディオスタートアップとは競合していないと感じている。同氏は、人々が目を覚ましたとき、Spotify上のランダムな音楽の代わりにCappuccinoを聞くことを期待している。「孤独を感じる人たちに手を差し伸べるようなものとなるでしょう」と同氏は語った。

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タグ:Cappuccinoポッドキャスト音声ソーシャルネットワークコラム

画像クレジット:Cappuccino

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(文:Romain Dillet、翻訳:Dragonfly)

フェイスブックがClubhouseクローンのライブ音声SNS機能を開発中

2021年2月に入ってNew York Timesは「FacebookがClubhouseのライバルを準備している」と報じた。しかしそのプロダクトがどのようなものになるのか、具体的な機能といった詳細は不明だったが、Alessandro Paluzzi(アレッサンドロ・パルッツィ)氏が開発中のFacebookのオーディオSNSのものと思われるスクリーンショットをTwitterで公開した。印象としてはスタンドアロンのアプリというより既存のMessenger Roomsの強化、拡大版のように見える。ライブでの音声ストリーミングと思われる機能も写っていた。

FacebookはTechCrunchに対し、この画像が同社の「音声配信サービス分野での実験的な取り組み」のものであることを確認したが、同時に「現時点では現実のプロダクトにはなっていない」と注意した。

同社では「この画像からプロダクトの機能の詳細を導き出そうとしても不正確になる」と述べた。もちろん、実際のプロダクトが開発中のものと大きく異なるものとなることはよくある。今後の正式リリースまでにどんな変化もあり得る。

しかし、この画像はFacebookがライブオーディオについてどのように考えているかをある程度明らかにする。また同社のソーシャル体験のどの部分に配置されるかを示しており、詳しく検討する価値がある。

リバースエンジニアリングは、コードを詳しく調べてさまざまな開発段階にある未発表のプロダクトを発見する。この写真を公開したパルッツィ氏はモバイルアプリ開発者で、リバースエンジニアリングの専門家だ。FacebookのAndroidアプリのコードを解析していてライブオーディオ機能やそのユーザーインターフェイスが実験されているのを見つけた。これまでパルッツィ氏が発見したコードの中には、廃棄されて日の目を見なかったものもあれば、最終的に配信されたものもある。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

今回共有された画像にはZoomのライバルとなるべく2020年5月にスタートしたFacebook Roomsのライブオーディオ機能も写っている。当時人々はビデオチャット機能を熱烈に求めていた。しかしパンデミックとともにZoomビデオが隅々まで浸透するにつれ、我々は「Zoom疲れ」を起こしてしまった。現在、人々は動画スクリーンを消して音声のみのClubhouseに熱中し始めている。

関連記事:FacebookがZoom対抗のグループビデオチャット「Messenger Rooms」を世界展開へ

現在、FacebookユーザーはMessengerまたはFacebook本体からMessenger Roomsを作成できるが、これは簡単にいえばグループビデオチャットだ。つまり友人、家族がリモートで時間を共有したり、Facebookの動画を共同視聴したりできる。しかしFacebook Roomの参加者は最大50人という制限があり、YouTubeライブのような大規模なストリーミングプロジェクトはできない。

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新しいスクリーンショットではRoomsの機能が拡張されている。Roomsには3つの異なるタイプがあり、現在と同様のプライベートビデオルーム、パブリックビデオルーム、プライベートオーディオルームのいずれかを選択できる。プライベートオーディオルームは友人グループとボイスチャットをするための場所であり、ライブオーディオルームは、大勢のリスナーに向けていわばラジオ放送を公開することができる。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

ライブオーディオルームには専用のリンクが与えられ、参加者はMessenger、Facebookタイムライン、Facebookグループなど、Facebookのあらゆるソーシャルメディアやウェブにリンクを貼って宣伝することができる。

一方、ライブオーディオルーム(パルッツィ氏はザッカーバーグ氏の顔写真をダミーに使ってUIのモックアップを作った)はとてもClubhouseに似ている。発言者はルームの上部に、大きな丸いプロフィール写真で表示される。ルームのリスナーはその下に表示されます。また「スピーカーによってフォローされている」という セクションがオーディエンスセクションの先頭に表示されるが、これもClubhouseと同様だ。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

パルッツィ氏によれば、現在開発中のライブオーディオルームでは、Facebook上の登録者なら誰でも参加できるルームを作ることができるようになるはずだという。ルームにはFacebook本体からアクセスできる。フルスクリーンに展開されない状態ではもルームのタイトル、スピーカーの数、リスナーの総数が表示されルームの人気度を知ることができる。

いうまでもなくパルッツィ氏が目にしたは最終製品ではない。プログラム中に隠された単なるユーザーインターフェイスのダミーに過ぎず、バックエンドは何も実装されていない。Facebookは、前述のように、この画像は単なる実験だと強調している。

しかし、この画像自体は現実にFacebookのエンジニアが開発したものであり同社がどういった方向を目指しているかを示している。Facebookの否定にもかかわらず重要性を無視することはできない。

Facebookの広報担当はパルッツィ氏の画像について「Facebookはこれまで長年にわたって、オーディオとビデオで人々を密接に繋いできた。今後もこうしたテクノロジーを進歩させていく」とコメントしている。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

FacebookのファウンダーでCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が音声SNSに強い期待を寄せていることはよく知られている。実際、ザッカーバーグ氏はすでに何度かClubhouseにに登場しており、最近では、TechCrunchの元ライターで現在はSignalFireの投資家であるJosh Consttin(ジョシュ・コンスティン)氏がホストを務めた先週のClubhouse Roomではソーシャルオーディオに大きな可能性があると強調した。その際、ザッカーバーグ氏は会議を多数主催してきた経験から、オーディオには他のフォーマットにはない利点が多数あることを強調してこう述べた。

(メリットの1つは)念入りな準備の必要がないことです。ポッドキャストやClubhouseなどの音声の場合はスタート前に身だしなみを整える必要がなくて済みます。話ながら自由に歩き回れますし、ディスプレイを見なくても、他のことをしながらでも参加でできます

ザッカーバーグ氏はClubhouseを賞賛して「ライブオーディオというフォーマットは将来のSNSにおいて欠かせないモデルとなるでしょう」と述べた。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

つまり、FacebookはClubhouseを「コピー可能な機能の1つ」と考えているようだ。ザッカーバーグ氏は過去にもSnapchatのStoriesのコンセプトをInstagramに借用したし、最近ではTikTokをInstagram Reelsに再現している。Clubhouseというライバルがいかに手強くてもFacebookは新しいアプリを立ち上げる必要はない。人々はすでにFacebookの上にいるのでオーディオを利用できる場所を立ち上げればよい。そしてClubhouseに登場してClubhouseを賞賛すると同時にエンジニアにデッドコピーを構築させていると示唆してた。ザッカーバーグ氏はこう述べている。

Facebookでは音声に関するユーザーの多様なニーズを考慮し、それら網羅するような方法で音声が活用できるよう、さまざなツールを構築中です。私はリリースをとても楽しみにしています。

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画像クレジット:TechCrunch

画像:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:滑川海彦@Facebook

ローカルに繋がるインドのビデオSNSアプリPublicが44.6億円調達、半年で評価額は2倍強に

世界第2位のインターネット市場で存在感プレゼンスを高めようとしているハイパーローカルなインドのソーシャルビデオアプリ「Public」が、前回3500万ドル(約38億円)を調達してからわずか6カ月で、新たなラウンドで4100万ドル(約44億6000万円)を調達した。Publicは位置情報に基づき、ユーザーとその周辺にいる人々を結びつけるソーシャルネットワークだ。

A91 Partnersが主導したPublic appの新ラウンドで、同社の価値は2億5000万ドル(約272億円)以上と評価された(前回の資金調達時から2倍以上)。人気のニュースアグリゲーターアプリInShortsも運営しているこのインドのスタートアップは、既存投資家の一部も今回のラウンドに参加したと述べているが、その名前は明らかにしていない。Publicの投資家には、Peloton(ペロトン)やSpotify(スポティファイ)への早期投資で知られるLee Fixel(リー・フィックセル)氏のAddition、SIG、Tanglin Venture Partnersなどが数えられる(同社は新しいラウンドの名前を明らかにしていない)。

Public appの創設者兼CEOであるAzhar Iqubal(アジャール・イクバル)氏によれば、同社の新しいSNSはすでに5000万人以上のユーザーを集めており、いずれは国外への展開を目指しているという。2019年4月にスタートしたこのアプリは、すでに政治家などの個人ユーザーや、Amazon(アマゾン)、HDFC銀行、GSK(グラクソ・スミスクライン)などの複数の大手企業に利用されており、彼らはPublicアプリを使ってオーディエンスにリーチしている。

A91 Partners社のゼネラルパートナーであるGautam Mago(ゴータム・マゴ)氏は声明の中でこう述べた。「Publicは規模を拡大しながら、クラス最高のリテンションとエンゲージメントの指標を維持し続けています。同社の創業者たちと緊密に協力して、優れた企業の構築に貢献できることを楽しみにしています」。

インドの主要言語(ヒンディー語、ベンガル語、パンジャブ語、テルグ語、タミル語、カンナダ語、マラヤーラム語、オディア語、アッサム語、グジャラート語、マラーティー語など)に対応しているPublic appは、ショップオーナーなどの地元企業がeコマースを促進したり、地元の人材を募集・雇用することを可能にし、また、政治家や政府当局、メディアが地元の視聴者にリーチすることを可能にする。

「このアプリはすでに5万人以上の政治家、政府当局、市民ジャーナリストに利用され、地元とのつながりを深めるのに役立っています。また多くの地元企業も、地元の顧客にリーチするために、アプリを使い始めています」と同社は述べている。

同アプリはエンターテインメントやニュースのサービスも提供しており、毎月100万本以上の動画がこのプラットフォーム上で作成されている。

同社は今回の資金調達により、技術インフラの拡充、提供コンテンツの拡大、人材の採用などを計画している。

かつては混沌としたスペースと思われていたが、近年、いくつかのインドのスタートアップ企業が独自のソーシャルネットワークを立ち上げている。設立して8カ月のスタートアップKutumbは、約1億7000万ドル(約185億円)の評価額での資金調達ラウンドに向けて、Tiger Globalと交渉中だとTechCrunchは2021年3月初めに報じた。

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タグ:Public appインド音声ソーシャルネットワーク

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

ClubhouseのAndroid版リリースは2、3カ月先

ソーシャルオーディオアプリの「Clubhouse」(クラブハウス)は、先月Android(アンドロイド)ソフトウェア開発者を採用したことに続き、期待されているAndroid版のリリース時期を発表した。Clubhouseの共同創業者であるPaul Davison(ポール・デイヴィソン)氏が、米国時間3月21日に行われたタウンホール(Townhall)イベントで、同社はAndroidに参入するために「真剣かつ懸命に」努力しているが、その実現には「2、3ヵ月かかる」と発言したのだ。すなわちその時期は、2021年の晩春から初夏にかけてになると思われる。

Clubhouseは1月下旬のブログで、Android版の開発を「すぐに」開始すると述べていたが、そのバージョンを公開できる時期についてはまだ何も約束していなかった。時期を述べる代わりに、Androidに関する発言のほとんどは、Androidユーザーをサポートすることの重要性や、自社アプリをより多くの顧客に利用してもらえるようにするといった、曖昧な表現になっていた。

一方、Clubhouseの最大のライバルであるTwitter Spaces(ツイッター・スペース)は、Clubhouseの遅れに乗じて、かなりの数のAndroidユーザーも含むかたちで、プラットフォームを横断し多くの人に急速に展開を行っている。例えば2021年3月にはTwitter SpacesはAndroidのユーザーにも開放され(ルームの作成は一部のユーザーに限られている)、Androidユーザーなら誰でもライブオーディオルームに参加して会話をすることができるようになった。その直後にTwitterは、2021年4月にはTwitter Spacesを一般公開する予定であると発表した。Clubhouseが開発を加速し、今後数週間のうちに招待制を解除しない限り、Twitter SpacesがClubhouseを大きく先行することになる。

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3月21日に開催されたClubhouseタウンホールでは、共同創業者のデイヴィソン氏が、Androidユーザーが参加するような大きな市場にスケールアップするための同社のアプローチについて、より多くのユーザーにアクセスを開放するためには、ゆっくりとしたペースが必要であると説明した。そしてClubhouseが成長するときには、その結果アプリ内での発見体験に悪影響が及ぶ可能性があると指摘した。例えば最近のユーザーは、フィードに外国語のグループが多く表示されるようになって、友人たちや一部の優れたコンテンツを見つけるのに苦労しているという。

こうした課題に対処するため、Clubhouseはいくつかの変更を予定している。その中には、アプリのアクティビティフィードの調整、ユーザーがプッシュ通知をより制御できるようにするツール、アプリを最初に開いたときに画面に個人向けおすすめのroomのリストを表示するといったパーソナライズ機能の提供などがある。同社はこのような改善が、たとえClubhouseアプリがより多くのユーザーに向けて拡大できた場合にも、成功するためには必要だと考えている。

一方で、Clubhouseの招待制を止めることについてデイヴィソン氏は「今後数カ月のうちに」と話している。彼は「他の場所では視聴者を獲得されているのに、Clubhouseにはまだ登録なさっていない、すばらしいクリエイターの方ががたくさんいらっしゃる」ことから、アプリを誰にでも開放したいと考えている。

「誰にでも開放することが、とても重要になってきます」とデイヴィソン氏はいう。「Androidは本当に重要なものになるでしょう。ローカライズが非常に重要になるのは明らかです」。そして、Clubhouseをより利用しやすくすることも重要だったと彼はいう。

ClubhouseのAndroid版がないことで、同社はすでにいくつかの複雑な問題を抱えている。

多くのAndroidアプリ開発者が、市場に空いた穴を利用して独自の「Clubhouseガイド」を販売している。このガイドは、同じアプリアイコンを使用してClubhouseを探しているAndroidユーザーを意図的に混乱させることを目的としている(Googleはこのような価値の低い、あるいは侵害的なコンテンツをPlayストアから排除する気はないようだ)。

最近では、サイバー犯罪者もこの活動に参加するようになった。彼らは、ユーザーを騙して自分たちの悪意あるアプリをダウンロードさせるために、Clubhouseの偽バージョンを作成し、Clubhouseのウェブサイトのよくできた複製サイトへ導くことさえある。こうしたのアプリの中には、Facebook、Twitter、Amazonなどを含む450以上のサービスのユーザーのログイン認証情報を盗む、マルウェアBlackRock(ブラックロック)を拡散するものがあることが判明している

デイヴィソン氏はタウンホールでこの問題を取り上げ、AndroidでClubhouseになりすまそうとしているアプリをみかけたら「有害な可能性があるので」使わないようにとユーザーに警告した。

彼は「それが本物のClubhouseではないことは確かです。PCの場合でも同じです。ClubhouseにはPC用のアプリはありません」と述べ、デスクトップ版Clubhouseは同社にとって優先度の高いものではないと付け加えた。

タウンホールではその他にもさまざまな発表があったが、特に注目すべきは、クリエイター向けのツールを充実させる計画だった。これらは、クリエイターが自分の番組の視聴者を増やし、さらには、直接支払い、購読、ブランドスポンサー、さらには 「有料イベント」などの手段で自身のイベントを収益化することに重点を置いている。Clubhouseは、メンバーシップの管理や、リスナーやリテンション(継続率)に関する指標を把握するためのツールも提供する予定だが、具体的なツールの内容や提供時期については詳細にはなっていない。

タウンホールイベントでの発言内容についての詳細なコメントを問い合わせたが、Clubhouseはまだ応じていない。

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タグ:ClubhouseAndroid音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

仲間とコンテンツや時間を共有するオンラインのたまり場を作り出す音声SNS「パラレル」

部室や行きつけの飲み屋のように、仲間と集まる「いつもの場所」がオンラインにもあったら……。そんな発想から生まれた、オンライン上のたまり場を作り出す音声SNSのパラレル。同サービスはオンラインコンテンツを一緒に楽しむ方法として、Z世代を中心にユーザーが友達を誘うかたちで人気を広げている。

Discordなどもゲームを離れた友達と共に楽しむツールとして活用されているが、パラレルにはパーティ機能と呼ばれるミニゲームも備わっており、共通するコンテンツがなくても、仲間とオンラインで遊べるようになっている。

パラレル上でフレンドになるとルームを作ることができ、仲間のうち今誰がオンラインなのかも確認できる。ミュート人数も含めると最大約50名まで利用可能だが、4、5名でワイワイと楽しむ利用方法が多いという。iOSとAndroidに対応しており、スマートフォンやタブレットで楽しむことができる。

パラレルを運営するReactは2017年7月設立し、2019年8月にサービスをローンチした。2020年春には、シリーズAでANRIW venturesheyのCEOである佐藤裕介氏、メルペイCEOの青柳直樹氏などから4億円を調達している。当時、パラレルは日次アクティブユーザーが前週対比8〜9%で成長しており、その成長性を見込まれた。2020年末には100万ダウンロードを達成。同社は次の調達も見据えて採用も強化しており、さらなるユーザー獲得を目指す。

集まるきっかけを提供

左が代表の青木氏、右が共同代表の歳原氏

代表の青木穣氏は、元々オンラインよりオフラインで交流するタイプだったという。共同代表の歳原大輝氏とは中高一貫の男子校時代からの付き合いで、以前から仲のいいグループで度々集まっていたが、それぞれの結婚や育児を理由に直接会う機会は減ってしまっていた。そんな中、PUBGを一緒に遊ぼうと再びオンラインで集まることがあった。それはとても楽しいもので、その経験がサービスを作るに至るきっかけになったと語る。

「みんな誰かと一緒に何かを楽しみたい。けれど、電話をかけたりメッセージを送るという行為は、電話番号やIDを聞いてお互い登録して、今大丈夫かな、返事はくるかなと気を揉まなければならず、意外とハードルが高い。その戸惑いをなくしたいと考えました」と歳原氏も語る。若い世代のユーザーが多いこともあり、パラレルは例えば高校卒業後に進学先がバラバラで会えなくなった時の交流方法としても広まってほしいという。

現在、たくさんの音声SNSはリリースされているが、Reactは自分たちのサービスをどう位置づけているのだろうか。青木氏は、オンライン交流ツールは大きく3つに分かれると語る。「ClubhouseやSpoonなどのブロードキャスト型。Yay!KoeTomoなどのマッチングサービス型。そして自分たちのような相互コミュニケーション型。私たちが最も重視しているのは交流であり、集まることを実現するたまり場であること。これこそが本質的な意味でのSNSだと考えています」。

人気コンテンツをきっかけにオンラインの世界へ

代表の2人は、多くの人にオンラインコンテンツを共有する楽しさを知って欲しいという。歳原氏は元々オンライン寄りの人間とのことで、新型コロナウイルスが流行する以前からオンラインの世界に魅了される人は増えていると感じていたという。「2020年夏にもAmong usというオンラインゲームが世界的に流行しました。それまでゲームをしたことがなくても、『あつまれ どうぶつの森』や『フォートナイト』『桃鉄』といった人気タイトルをきっかけに、オンラインの世界に足を踏み入れる人は今後も増えると考えています。その時にみんなが違和感なく楽しめる世界を作りたい」。

同社は、housepartyやフォートナイト、Robloxが近いコンセプトだと考えているそうだ。オンライン上に、常時接続によるシームレスなコミュニケーションの場を提供するプレイヤーが増えている。

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好きな時に楽しめる非同期型音声会話ソーシャルネットワークアプリ「Swell」

音声を中心としたソーシャルネットワークといえば「Clubhouse(クラブハウス)」を思い浮かべるかもしれないが、Swell(スウェル)というサンフランシスコのスタートアップ企業が、音声会話に特化した独自のiOS / Androidアプリを発表した。

両者には大きな違いがある。Clubhouseでの会話はすべてリアルタイムで行われる。つまり、ライブで聞かないとすべてを聞き逃してしまうということだ(少なくとも今のところは)。一方、Swellは非同期のコメントに焦点を当てたものになっている。ユーザーは5分間以内の独立したオーディオクリップ(付随する画像やリンクを含む)を投稿し、他のユーザーは自分の好きな時に、それをブラウズしたり、聞いたり、自分のオーディオレスポンスを残したりすることができる。

Swellは、音声のみによるグループチャットやプライベートな会話だけでなく、公開形式の「Swellcast(スウェルキャスト)」もサポートしている。これは、短いポッドキャストのようなもの、または自由投稿型ではなくClubhouse風のコメントスレッドのようなものだと考えればよい。ユーザーは公開した投稿を、Swellcastのウェブサイト上の自分のページで宣伝することもできる。

Swellは、Sudha Varadarajan(スダ・バラダラジャン)氏とArish Ali(アリシュ・アリ)氏の夫妻によって運営されている。2人は過去にeコマース企業のSkava(スカヴァ)を設立し、後にInfosys(インフォシス)に売却した経験を持っている。

SwellのCEOを務めるバラダラジャン氏は、このアプリについて、特別な機材や本格的な制作作業を必要とせず、ユーザーが何でも話すことができる、オーディオコンテンツ制作の「民主化」を目指す試みだと説明している(一例を上げると、あるスウェルキャスターは外に出て、自宅の芝生について話していた)。

それと同時に、このアプリはClubhouseを意識したものではなく、偏向性が高まり本物の会話が少なくなっているソーシャルメディアに対する全般的な解毒剤のようなものとして作られたと、バラダラジャン氏は述べている。

ラジオのトーク番組でもわかるように、音声は暴言や怒りと無縁であることは難しい。しかしバラダラジャン氏は、投稿が残ることによって、リスナーが容易に追いつけるようになるだけでなく、会話の質も向上すると考えているという。「人々は話す前に何をいうか、本当によく考えています」と、同氏は語っている。

また、Swellでは広告を使ったビジネスモデルは一切行わず、プレミアムツールやSwellcastへの課金で収益を上げることを決意したという。

これまでSwellは、ごく一部のユーザーにしか公開されていなかったが、米国時間3月16日にバーチャル開催されるSXSWでのセッション「音声はオンラインにおける我々の存在を変えている。それはなぜか?」に先駆け、より広範囲にサービスの提供を開始した。

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画像クレジット:Swell

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(文:Anthony Ha、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Clubhouseがクリエイター向けアクセラレータープログラム開始、スポンサー紹介もしくは月54.6万円の収入を保証

Twitter Spaces(ツイッター・スペース)をはじめとする新規参入者の激しい追撃を受ける中、人気オーディオスタートアップのClubhouse(クラブハウス)は、自社ネットワークでより高品質なコンテンツを提供するための行動を起こした。同社はアクセラレータープログラムを立ち上げた。米国時間3月14日に行われた毎週恒例のタウンホールイベントで、同社は「Clubhouse Creator First(クラブハウス・クリエイター・ファースト)」と名づけた初のアクセラレーターの詳細を説明した。最初は20人前後のクリエイターを集め、作品制作を手助けする。そのためにClubhouseは、クリエイターが作業を始めるために必要なものはすべて提供する。iPhone、AirpPods、iRigなどの機器から、プロモーション支援、ゲストのブッキング、さらにはベビーシッターまで。何より重要なのは、参加したクリエイターにClubhouseが何らかの収益を約束していることだ。

イベント中ClubhouseのCEOであるPaul Davison(ポール・デイヴィソン)氏は、アクセラレーターで最も大切なのはクリエーターが自分の仕事で収入を得るのを支援することだと語った。そのためにClubhouseは、クリエイターをブランドスポンサーと引き合わせる、とデイヴィソン氏は語った。すでにClubhouseにアプローチして参入機会をうかがってブランドがいるのでそれが可能だと、同社は信じている。

特定のショーをスポンサーするブランドをClubhouseが見つけられなかったときは、会社が基本収入として月額5000ドル(約54万6000円)を、クリエイターがプログラムに参加している3カ月間保証する。

おそらくこの緩和策は、他のプロジェクトからClubhouseのショーに人を動かす有力な要因になるだろう。同時に視聴者を増やし、ブランドとの関係を築いてショーを長期にわたって継続することに繋がるだろう。

さらにClubhouseは、アクセラレーター参加者の番組制作を直接手伝うこともある、と私は理解している。

Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)が支援するこのソーシャルオーディオアプリは、同VCの新ゼネラルパートナーであるSriram Krishnan(シュリラーム・クリシュナン)氏が共同ホストを務めるThe Good Time Show(ザ・グッド・タイム・ショー)という人気テックショーを成功に導いている。番組には、Clubhouseに投資しているか、同社と何らかのつながりをもっているゲストと共同ホストが定期的に登場し、Elon Musk(イーロン・マスク)氏やMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏といったClubhouse最大のセレブ・ゲストの出演にもこのショーで実現した。

関連記事:イーロン・マスク氏がClubhouseに登場、ファンがYouTubeへライブストリーム、途中からRobinhood CEOへのインタビューに

この形式は繰り返すことができるようだ。デイヴィソン氏がタウンホールミーティングで語っていたように、同社はショーのためにクリエイターとゲストをマッチングする役割も請け負う。つまり、番組プロデュースにも協力するということだ。

デイヴィソン氏は、Clubhouseはアクセラレーター参加者に、何がうまくいくのか、いかないのかや「深く掘り下げたコンセプト開発」に関する意見など、方向性を示すフィードバックを行うことも話した。クリエイターのショーが放送準備完了になったら、Clubhouseはクリエイターをクリエイティブサービスとつないで、プロモーション素材のデザインなどClubhouse外へのマーケティングを支援する。ショーの初期オーディエンスを集めるために、クリエイターが潜在リスナーを招待するための支援も行うかもしれない。

もちろんClubhouseは、これまでもこの種の取り組みを陰で行っていただろうが、アクセラレーターを作ることでさまざまなアレンジが正式なものになり、より多くの有望なクリエーターに専用リソースを割り当てることができる。

しかし、これによってClubhouseは、未解決の議論運営問題に関して、不安定な立場に置かれる可能性がある。

概してブランドは、問題になるコンテンツや有害なコンテンツに自ら関わることを嫌がり、問題が起きるとクリエイターとの契約を解除する。過去には、コンテンツ管理の失敗が原因でトップソーシャルメディアで広告主の集団脱出が起こったこともある。例えばYouTubeで数年前に不適切なコメントを巡って主要ブランドが撤退し、その結果YouTubeの広告ネットワークで許されるビデオの見直しが行われた。そして2020年Facebookは、 同社史上最大の企業ボイコットに直面した。ヘイトスピーチと誤情報の拡散を適切に防ぐことに失敗したFacebookをブランドが非難したためだ。

それらと比べると規模は小さいが(App Annieによると全世界で1200万ダウンロード)、Clubhouseもすでに、女性嫌悪、反ユダヤ主義新型コロナウイルスに関する誤情報などが、それらを禁止するルールがあるにも関わらず許容されていることを非難されている。言葉による虐待を許容した例もあり、一部のユーザーは今もClubhouseのルームで中傷や嫌がらせにあっている(TechCrunchはこうした事例をユーザーから直接聴いているが、許可なく名前を公表することはしない)。

直近では、ニセの専門家がClubhouseのルームを占有し無責任な発言を繰り返していることへの懸念が増大している。多くの自称「エキスパート」がアプリ内で気前よくアドバイスを与えるが、ひと度メンタルヘルスなどの領域にたどり着くと、有害な誤情報を撒き散らし、人々に深刻な被害を与える。

会話管理の方法を改善して悪役を排除し、プラットフォームをブランドにとって安全な場所にすることができなければ、一連の問題はいずれClubhouseを大々的に襲うことになりかねない。

米国時間3月15日から、興味を持ったクリエイターはClubhouse Creator Firstに申し込むことができる。締め切りは2021年3月31日だ。

新しいアクセラレータープログラム以外にも、3月14日のタウンホールでいくつかのニュースが発表された。

同社は、Netflix(ネットフリックス)、OWNおよびHarpo Productions出身のMaya Watson(マヤ・ワトソン)氏をグローバルマーケティングの新たな責任者として招いたことを発表した他、いくつかのプロダクトアップデートについても紹介した。

またその中の1つに、ユーザーは電話番号だけで友達を招待できるようになるというものもある。これで、アドレス帳すべてをアップロードする必要がなくなる。さらに、自分のユーザープロフィールやClubページヘのリンクをシェアできるようになり、roomのリストを表示する際、ユーザーの言語設定をきちんと覚えるようになった。

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画像クレジット:Freepik / Kristina Astakhova

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Clubhouse対抗の「Twitter Spaces」が2021年4月一般公開へ、専用ツイートの可能性も

Twitter(ツイッター)は、Clubhouse(クラブハウス)のライバルとなるTwitter Spaces(ツイッタースペース)を2021年4月公開に向けて準備中だ。米国時間3月10日に公開Twitterスペースオーディオルームのコメント欄で同社が発表した。そのスペースのホストであるAlex(アレックス)氏(Twitter名は@akkhosh)は、Twitterは4月中に誰でもTwitter Spacesの自分専用ルームをホストできるようにするつもりだとツイートで語った。

「つまり、もうすぐということ」とTwitter社員は言った。「私たちはそこを目標にしています」。

TechCrunchは直ちにTwitterに連絡を取り、彼の発言の事実確認を行った。1週間前にAndroidのテスター向けに公開したばかりのベータ版(チャットルームへの参加のみ可能)に関するさまざまな会話を踏まえると、アレックス氏の発言はAndroidのベータテスターが4月から自分のスペース(チャットルーム)をホストできるようになる、という意味にもとれる。

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それでも、2020年12月に公開テストを始めたばかりのプロダクトとしてはかなり速いペースといえる。

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しかしTwitterの広報担当者は、アレックス氏の発言は文字どおり受け取って良い、と正式に回答した。

「間違いなくAndroidとiOSの全ユーザー、という意味です。ベータテスターだけではありません」と広報担当者はTechCrunchに伝えた。言い換えると、同社はTwitter Spacesを数週間のうちに一般公開するつもりだ。

現在、Twitterの開発スピードは注目に値する。わずか数カ月の間に、Twitterは独自のオーディオチャットルーム機能の公開テストを開始し、タイトルと説明スケジューリング機能共同ホストとモデレーター参加者リストなどさまざまな要素をすばやくプロダクトに組み込んでいる。次の変更(Androidサポート、共同ホスト、スケジューリング機能など)を発表するときは、何カ月ではなく何週間のうちに公開することを約束していた。

Twitter Spacesセッションではいくつか他のアイデアも話題になった。同社はスペースで音楽を利用することを検討中で、ツイートを統合するもっといい方法についても考えている、と語っている。

前者は、スペースのホストがウェルカムミュージックのようなものをリスナーに聴かせる仕組みを提供するという意味だ。さらに同社はユーザーがスペース内で直接ツイートして、それは公開タイムラインには表示されない、という機能も考えている。実現方法はいくつかある。例えばスペースの中に短期消滅型のチャットルーム(Twitterがかつて提供していたライブビデオアプリのPeriscopeのようなもの)を作れるようにしたり、そのSpace専用のタイムラインを作ることなどが考えられる。後者の開発は複雑になりそうだが。

Twitter Spacesのようなプロダクトを急いで公開することへの懸念はもちろんある。SpacesのライバルであるClubhouseでは、言葉の暴力やこの場を利用して押し売りしたり人や騙そうとする悪人についての通報が相次いでユーザーから寄せられている。

Twitter Spacesがどの程度同様の問題に悩まされるかは、今はまだプロダクトが非公開なのでわからない。しかし、セッションに参加したTwitter Spacesユーザーの1人は、会話を乗っ取ろうとするファングループにスペースがジャックされた話をしていた。この手のハイジャッカーは自身でスペースのセッションを開けるようになれば鎮まるだろうが、組織的にスペースを脱線させようとする行為が出てくることは容易に予想できる。

Twitterは、スペースのテスト開始直後「女性および社会から取り残された経歴の持ち主(「同プラットフォーム上で虐待や危害の著しい影響を受けた」人たちとプロダクトデザイナーは説明している)を最初のテスターにすることで、安全を念頭に開発することに担保すると語った。しかしそれから数週間が過ぎても、Twitter Spacesの反虐待対策やポリシーに関する話題はあまりなく、チームの注意はプロダクトそのものとさまざまな付加機能に向けられている。

アナリストや投資家向けに話をしたときや、インタビューを受けた時でさえ、Twitterの幹部やプロダクト責任者たちは、ツイートすることを恐れている人たちに会話を奨励するために、「なぜ」新しいツール(Stories、Fleets、そして今度のSpaces)を作っているのかを言い繕う傾向が見られた。

事実、多くの人たちが怖がっているのは、Twitterが自社プラットフォームを、ユーザーが嫌がらせや虐待や攻撃を受けない場所にすることにまだ成功していないからだ。

悪用者の責任を追求してユーザーを保護するのに役立つ可能性のある機能の1つは、スペースの会話を録音することだ。以前Twitterは、Spacesの会話を録音する機能を内蔵させるつもりだと語った。録音されていれば、暴言を吐く人は、おそらく減るだろう。それで思慮深い会話が促される可能性はあるが、それでもSpacesを使ってみることを恐れる人たちはいるだろう。

一方、Twitter SpacesやClubhouseの長期的将来性についてはまだ結論が出ていない。パンデミックが収まり世界が再開し、ネットワーキング熱が停滞したとき、この種のプラットフォームの利用は減るのではないかという疑問がある。その意味で、Twitter Spacesには長期的な耐久力があるかもしれない。Twitterのさまざまなプロダクトの結びつきがあり、このプラットフォームをクリエイターが人を集める場にして、いずれは彼らのファン基盤を収益化することを計画しているからだ。

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タグ:TwitterTwitter Spaces音声ソーシャルネットワーク

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterの音声ソーシャルネットワーク機能「Spaces」がClubhouseより先にAndroidで利用可能に

Twitterは米国時間3月2日「Spaces(スペース)」として知られるライブ音声チャットルームをAndroid(アンドロイド)のユーザーに開放すると発表した。Twitter Spacesは2020年12月下旬に、一部のiOSユーザーを対象にプライベートベータによるテストが開始されていた。同社によると、Androidユーザーは当面の間、Space(チャットルーム)に参加して話すことができるだけで、自分でSpaceを作成することはできないという。

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Twitterでは「間もなく」その機能も追加される予定だと述べているが、それがいつになるのか、正確な時期は不明だ。

Androidのみなさん、私たちのベータ版は成長しています! 今日からどのSpaceにも参加して話すことができるようになります。間もなく自分のSpaceを作ることができるようになりますが、まだ私たちはいくつかの作業に取り組んでいるところです。タイムライン上に表示されるSpacesのライブ配信に注目してください。

同社はベータ版をデビューさせてから数カ月、Twitter Spacesの拡大に向けて取り組んでおり、そのロードマップについては非常に明確に示されている。

2021年2月にTwitter Spacesの開発チームは、ユーザーがフィードバックを提供したり、質問をしたり、Twitterが近い将来そして今後どのような製品を開発していくのかを知るためのSpacesを作成し、ユーザーを招待した。このライブチャット中、Spacesが3月にはAndroidでも使えるようになることをTwitterは認めた。

また、リスナーを表示する方法に修正を加えることも約束していた。

Spacesに実装される機能については、ベータ版で試験的に公開されている。各Spaceにはタイトルと説明文が付けられ、共同主催者やモデレーター(司会者)を設定でき、ゲストのリストを表示できる。スケジュールを設定するオプションも用意されている。Twitterはまた、タイムラインに表示されるプレビューカードをアップデートしたり、アクセシビリティの観点から「キャプション」機能をより正確に再定義したりといった調整も続けてきた。

Android版やスケジューリング機能など、新しく開発されたものについては、その時間枠が数カ月ではなく、数週間という単位で約束されていた。

この速い開発ペースによって、Twitterは現在「ソーシャルオーディオ」市場をリードしているライバルのアプリ「Clubhouse(クラブハウス)」より早くAndroid版の提供を可能にした。Clubhouseは現在も、招待されたiOSユーザーしか参加できない。

このことは、11月に初めて発表されたばかりのこの新製品に、Twitterがリソースを投入していることの現れだ。明らかにTwitterは、ソーシャルオーディオが勝たなければならない市場であると考えている。

同社はまた、現在開発している大規模なクリエイター向けプラットフォームの重要な一部として、Spacesに広範な可能性を見出している。先週の投資家向け説明会では、例えば、SpacesやNewsletters(ニュースレター)などの新製品と、有料サブスクリプションの「Super Follow(スーパーフォロー)」を結びつける構想を語っていた。

Twitterはまた、現在「Shopping Card(ショッピングカード)」という新機能もテストしている。これはユーザーが「Shop(ショップ)」ボタンを押すと直接製品ページにリンクする投稿をツイートできるようにするもので、こちらもまた同様に、新たなクリエーター向けの機能に該当すると思われる。

Twitterが新たなショッピング機能を実験中

店舗サイトの商品ページへのリンクを含むツイートとして、新しいTwitterカードのテストを実施中

新スタイルのTwitter Shopping Cardには、以下の項目が表示されます。

– 製品名
– ショップ名
– 製品価格
– 「ショップ」ボタン

<-旧 | 新->

Androidを使っているTwitterユーザーの中には、Google Play(グーグルプレイ)にあるTwitterベータアプリを利用して、今回の発表前からすでにSpacesに参加する方法を見つけていた人もいた。

だが、今後は別途ベータアプリを使う必要はない。Spacesのライブ配信が開始されると、Twitterのタイムラインの一番上に表示され、Androidユーザーも参加することができる。

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タグ:TwitterSpacesAndroid音声ショーシャルネットワーク

画像クレジット:Twitter

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Snapchatの初期メンバーが女性のためのソーシャルストーリーテリングアプリ「Yoni Circle」を開始

Snapchat(スナップチャット)の初期メンバーで「Our Story」機能を設計したChloë Drimal(クロエ・ドリマル)氏が、自身のソーシャルアプリ「Yoni Circle(ヨニ・サークル)」を立ち上げた。会員制のコミュニティとして誕生した同アプリは、ライブビデオの他、いつでも聴くことのできる事前録音のストーリーなどを用いたストーリーテリング通してすべてのWomxn(女性)を結びつけることを目指している。

同社は2020年4月よりベータテストをひっそりと行っていたが、公開に向けてついにその姿を現した。

ドリマル氏がソーシャルストーリーテリングアプリのアイデアを思いついたきっかけは、同氏がSnapchatで「Our Story」製品に取り組んでいた際に感じたストーリーテリングの将来性の高さも一部あるという。

「ストーリーテリングが人々を繋げてくれるのを目の当たりにしました。大晦のイベントやメッカへのハッジ巡礼のようなグローバルな経験を目にし、私たちがいかに人としてつながっているのかを肌で感じることができました。ストーリーテリングのおかげでSnapchatユーザーが世界と結びつきを感じることができ、いかにユーザーが影響されているのかを見てとることができました」と同氏は振り返る。

Snapchatで別のプロジェクトに取り組むため、「Our Story」製品の担当から外された際の同氏の個人的な経験も同アプリ誕生の背景にある。キャリアにおいて困難と孤独を感じていた当時、さまざまな女性に相談を求めた同氏。その多くは自らの経験を共有してくれた年上の女性たちだったのだが、彼女らと話をすると自分は思っていたほど孤独ではないことに気づかされたという。

「彼女たちのストーリーは、私が人生の次のステージへと進むための力を与えてくれました。また24、5歳の私がキャリアの終わりだと悲劇的に感じていたのは間違いで、むしろキャリアの始まりにすぎないと気づかされました。ストーリーテリングが持つ癒しの力だけでなく、他人が心を開いてくれた時のすばらしさに気づくことができました」と同氏はいう。

その後Snapchatにて女性に向けた取り組みを運営した後、ドリマル氏はより構造化されたストーリーテリングサークルに焦点を当てた対面式のコミュニティを開始した。このコミュニティが現在のYoni Circleアプリへと進化を遂げ、ベータ版はSnapchatの元エンジニアのAkiva Bamberger(アキヴァ・バンバーガー)氏によって構築された。バンバーガー氏は現在Yoni Circleのアドバイザーとなっている。

画像クレジット:Yoni Circle

現在、同アプリには2つの主要機能が存在する。参加型の「Storytelling Circles(ストーリーテリング・サークル)」とより受動的な「Yoni Radio(ヨニ・ラジオ)」である。

前者では60分間のガイドつきライブビデオチャットに最大6名のメンバーが参加することができ、互いのストーリーを聴き合うことで繋がりを持つというものだ。セッション中には訓練を受けた「Salonniere(サロニエール)」と呼ばれるガイドがセッションの紹介や呼吸法の指導を行い、その後「感謝にまつわるストーリー」や「驚きについてのストーリー」など、特定のテーマに基づいたストーリーテリングへと誘導する。

Salonniereはボランティアではなく、セッションをリードするためのトレーニングを受けた有給の請負業者である。いずれはメンバーを集めてヨガクラスやブッククラブ、料理教室など、ウェブベースの有料イベントを開催する予定だという。

画像クレジット:Yoni Circle

Storytelling Circlesのセッションには、「ストーリーは持ち帰っても、名前は持ち帰るべからず」という基本ルールがある。つまりメンバーが公に共有することを希望しない限り、セッションで共有されたものは部外秘であるということだ。このルールに違反したメンバーはアプリから追放される。

シンプルに話す、エゴを捨てて互いの個性を尊重するといった姿勢もメンバーに求められる要素だ。事前にトピックが知らされることはないため、自身のスピーチを練習したり「パフォーマンス」したりすることもできない。信頼性と正直な心がセッション参加への第一条件ということだ。

セッション中、各参加者は順に自分の話を共有し、そしてその他のメンバーの話を聞く。「トーキングピース」が回ってきた際にのみ話すことができ、他のメンバーのストーリーにはスナップアイコンをクリックすることにより反応することができる。

グループセラピーのような高揚感を体験することもできるが、これらのセッションは心理的な問題の解決に焦点を当てているわけではない。ドリマル氏によると、メンバーたちはこうしたセッションを「パジャマパーティーとマインドフルネスのクラスをかけ合わせたようなもの」と捉えている。

それでもやはり、メンバーの多くは「参加することがセルフケアになる」とも感じているようだ。

「気持ちが軽くなります。他の人の話を聞いて自分と照らし合わせると、自分の人生の良い時期も悪い時期も、これで普通なんだと感じさせられるからです」とドリマル氏。

画像クレジット:Yoni Circle

メンバーは自分のストーリーを録音し、Yoni Circleのプロフィール上で公開したり非公開に設定したりすることもできる。同社のチームが厳選した公開ストーリーは、アプリのホームでハイライトとして共有され、またこれらの公開ストーリーは「Yoni Radio」でもフィーチャーされる。

同社はこれまで録音されたストーリーを試験的に週毎に放送していたが、今後は「本日のストーリー」としてのトライアルを開始していくという。

Yoni Circleのベータ版アプリは、新型コロナウイルスのパンデミックが米国内で始まったばかりの2020年4月に開始した。人々が友達や家族、社会的な関わりから孤立することを余儀なくされたため、新たな社会的体験への需要が高まった。

しかしYoni Circleは、Clubhouse(クラブハウス)やTwitter Spaces(ツイッタースペース)を筆頭とする最近開発されている新たな対話型のモバイル市場とは一線を画しているように見える。

画像クレジット:Yoni Circle

「市場にすでに存在するものとは別の何かを切り開いたと思っています。心が弱くなっている時にも安心して訪れることができる親密な場所を、私たちは作り出しました。ここで共有するようなことは決してClubhouseでは共有できません。そのため、このコミュニティを拡大していく方法に細心の注意を払っています。もちろん何百万人ものメンバーの獲得を目指していますが、非常に慎重になっているのも確かです」とドリマル氏は語る。

現在Yoni Circleは自身を女性と認識するすべての人々に開かれているが、申請時には自己紹介文とこのアプリでの経験に何を求めているかなどを共有しなければならない。長期的な目標は、同プラットフォームを誰にでも開かれた安全な空間へと進化させることである。

パンデミックによりアプリへの関心が高まったこともあり、現在は80カ国1000都市にメンバーが存在する。しかしポストコロナの市場において、同スタートアップは対面式のイベントを開催してメンバー同士をさらに結びつけていきたいと考えている。

Yoni Circleは現在iOSで無料で利用可能だ。将来的にはCircleのセッションへのアクセスを提供するAudible(オーディブル)のようなクレジットモデルで収益化していく予定だ。

ロサンゼルスとニューヨークを拠点とする7人の同社は、BoxGroup(ボックスグループ)が主導する130万ドル(約1億3700万円)のプレシード資金により支援されている。投資家には、Cassius Family(カシウスファミリー)、Advancit(アドバンシット)の他、Rent the Runway(レントザランウェイ)の共同創業者Jenny Fleiss(ジェニー・フレイス)氏、Mirror(ミラー)の創業者兼CEOのBrynn Putnam(ブリン・パットナム)氏、Beme(ビーム)CTOのMatt Hackett(マット・ハケット)氏、Snap(スナップ)の初期エンジニアDaniel Smith(ダニエル・スミス)氏などのエンジェル投資家が名を連ねている。

同社は今後数週間以内にシードラウンドの調達を計画しているようだ。

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タグ:Yoni Circle音声ソーシャルネットワークSNS

画像クレジット:Yoni Circle

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

セルフケアに焦点を当てた音声ソーシャルネットワークQuiltが3.7億円調達

音声ソーシャル1.0の時代が本格的に到来しつつある。これまでポッドキャストやClubhouse(クラブハウス)がリードしてきたこの分野に、他の音声ソーシャル系スタートアップの参入が相次いでいる。ウェルネスとコミュニティに焦点を当てた音声ソーシャルネットワークであるQuilt(キルト)は、Mayfield Fund(メイフィールド・ファンド)が主導するシードラウンドで350万ドル(約3億7000万円)を調達。同ファンドのRishi Garg(リシ・ガーグ)氏が取締役会に参加している。

Quiltは、Ashley Sumner(アシュリー・サムナー)氏が設立したコミュニティプラットフォームとしてスタートした。当初は、同じ地域に住む他の人を自宅に招くという形式だった。サムナー氏はNeueHouse(ノイエハウス)の創設チームの一員であり、物理的な空間を通してコミュニティを構築することにキャリアを費やしてきた。何千ものQuiltの会話が人々の家で交わされていたが、それも2020年3月に新型コロナウイルス感染が発生する前のこと。結果として、このスタートアップは存亡の危機に陥いることになった。

サムナー氏はただちにQuiltをZoomに移行したが、ビデオチャットでは対面で行われている魔法を完全に獲得することはできないとすぐに気づいた。また、Quiltを特別なものにしていた種類の会話を促進するには、ビデオチャットは適切な媒体ではないことも立証された。

彼女は新しいQuilt 2.0となる音声アプリの開発に取り組み、2021年1月末にApp Storeで公開した。

Quiltでは、誰でも会話のための部屋を作ることができ、話したいテーマを説明するテキストを1行か2行ドロップするだけでいい。このアプリはウェルネスに焦点を当てており、部屋を次の3つの異なるカテゴリーに分けている。1つ目はスピリチュアルや個人開発(瞑想、占星術、ヒューマンデザインなどを中心とした会話)、2つ目はキャリアと目的(「目的とリンクさせることが非常に重要でした。これはネットワーキングイベントではありません」とサムナー氏は述べている)、そして3つ目が、人間関係、セックス、家族についてだ。

画像クレジット:Quilt

このプラットフォームは、コンテンツ制作者と消費者の間で、エンゲージメントレベルのバランスを取ることに特に力を入れている。Quiltによると、ホストの98%が他のホストの会話に参加し、ユーザーの50%以上が会話の中で発言しているという。

20年近く新興メディアと関わってきたガーグ氏は制作者、消費者、そして「傍観者」のエンゲージメント比率が、メディアや製品の選択によって、ソーシャルソーシャルプラットフォームごとにどれだけ違うかということについて語っている。

「YouTubeでは、有名な数字は、1%が制作者、9%が積極的に参加している人、そして90%が見ているだけの人でした」とガーグ氏はいう。「Twitterでは、興味深いことに10%、30%、60%でした。Clubhouseなどでは、平行化がすでに起こっているのが見られます。それは有名人を中心にした構図です。Quiltについて私たちが興奮したのは、誰でも部屋を始めることができるということでした。実際、私たちは消費者から制作者になるまでの道のりに注目しました。Quiltではユーザーがルームを作ったりホストを始めたりするまでが、他のどのソーシャルメディアプラットフォームよりも短いのです」。

それを可能にしているのは、Quiltコミュニティ内の規範によるところが大きいと彼はつけ加え、セレブリティ主導のプラットフォームやトップヘビーなプラットフォームではハードルがあると述べている。消費者はコミュニティによって設定された基準を見て、自分は十分に有名ではない、もしくは貢献できるほど大きなコミュニティを持っていないと感じてしまうとガーグ氏はいう。

「Quiltの魔法の1つは、誰もが人に何かを提供できるだけの何かを持っていると感じることができることです」とガーグ氏は説明する。「有名人だけで構築されたエコシステムよりも、はるかに拡張性が高く、脆弱性が低いと思います」。

Quiltは初期の頃からの存続率も高いようで、登録者の80%が毎週会話に戻ってきているという。同社はまた、会話の約60%は計画的に宣伝された「イベント」ではなく、自然発生的に始まっていると述べている。

サムナー氏によると、Quiltは広告による収益を得るつもりはなく、フリーミアムを採用するという。

今回のラウンドには、既存の投資家であるFreestyle VC(フリースタイルVC)のJenny Lefcourt(ジェニー・レフコート)氏や、Upside Partnership(アップサイド・パートナーシップ)のKent Goldman(ケント・ゴールドマン)氏とChristina Hunt(クリスティーナ・ハント)氏をはじめ、Houseparty(ハウス・パーティ)のCEOであるSima Sistani(シマ・シスターニ)氏、The Mini Fund(ザ・ミニ・ファンド)の創設者で元Discord(ディスコード)のCMOでもあったEros Resmini(エロス・レスミニ)氏、元Knotel(ノーテル)のマーケティング責任者であるAllison Stoloff(アリソン・ストロフ)氏などの新規投資家も参加している。

Quiltのチームは現在8人で構成されており、そのうち50%が女性、25%が黒人以外の有色人種である。20%がLGBTで、10%がノンバイナリーだ。

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(文:Jordan Crook、翻訳:Hirokazu Kusakabe)