グーグルの検索結果からFlashを使っているサイトが消える

Flash(フラッシュ)の死が言われるようになってから長い年月が経つ。今でもまだそれは生きている。もう存在しないという説もあるが、最近の1カ月で迷子のようなFlashビデオやウィジェットをまったく見なかった人はいないだろう。その終わりを早めたいGoogle(グーグル)はこのたび、当然のような手段に出た。それは「ないふりをする」ことだ。

Googleは年内に、Flashを使っているコンテンツを検索結果に出すのを止めることを明らかにした。まともなサイト管理者なら誰もがそれを使わなくなってから何年も経つのに、今さらなんでそんなことをするのだろうと思うかもしれない。その答えは「昔のコンテンツがまだたくさん健在だから」だ。おそらくGoogleはウェブのロングテールに、その長い尻尾を巻き上げる機会を与えたいのだ。

Flashが検索に表示されなくなると、Flashを使っているサイトは完全に無視される。Flashを使っている店舗やビデオ、ゲームなどはすべて、Googleのクローラーがスキップする。それでも頑張ってFlashを使ってるサイトは、検索結果で下位に表示されるだろう。

関連記事:Adobe、2020年末でFlashのサポートを終了と発表

とはいえ、Flashを使っているサイトは最近少ないから何も気づかない人が多いかもしれない。それにメジャーなブラウザーはすべてデフォルトでFlashをブロックする。Flash本家のAdobeでさえ、見限った。

本当に良質なゲームがFlashを使っていて、どうしてもそれをプレイしたければ、それらを直接検索すればいい。そんなゲームを集めているようなサイトは、Googleの検索でも目立つように努力しているからだ。例えば「cool old flash games」(クールな昔のFlashゲーム)などで検索すれば上位に出てくるだろう。

これでやっとFlashも終わりか?そんなことはないだろうけど、今や生きてるとは言えない。でもFlashの墓の画像は、まだあと何度か使われるかもしれない。

画像クレジット: Bryce Durbin

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ユーザーのコンピューターに暗号通貨の採掘マルウェアを植え付ける偽のFlashインストーラーが急増

かつて人気者だったWebのプラグインFlashが、まだなかなか死なないとお嘆きのあなた、実はそれは、あちこちに出没するFlashのインストーラーに寄生しているマルウェアも、すぐには死なないことを意味しているのだ。というよりむしろ、彼らの手口はますます陰険になっている。

Palo Alto Networksの最新の調査によると、最近急増しているFlashインストーラーは、暗号通貨を採掘するマルウェアをセキュリティの弱いコンピューターに投下するだけでなく、Flashがすでにあっても、また新たにインストールする。

研究者たちによるとそれは、本物のFlashインストーラーだと思わせるための、騙(だま)しの手段だ。

そのインストーラーを開くと、こっそりとXMRigがインプラントされる。それはオープンソースの暗号通貨採掘プログラムで、コンピューターのプロセッサーとグラフィクスカードを使って採掘を開始する。生成された通貨はすべて、Moneroのウォレットへ吸い上げられ、追跡はほぼ不可能になる。採掘マルウェアがインプラントされたら、次にインストーラーはAdobeのWebサイトから本物のFlashインストーラーをダウンロードして、Flashをインストールする。

研究者たちは今年の3月だけでも、100あまりの偽のFlashアップデーターを見つけた。

Flashという、長年バグの多い、攻撃されやすいプラグインが、今でも頭痛の種になっていることは、皮肉な現象だ。被害者候補のコンピューターにFlashがなくて、マルウェアをプッシュすることができなければ、ハッカーはそのイミテーションを使って、攻撃の足がかりにする。Flashが大きな問題になってからGoogleは、10年近く前に、Flashやその他のプラグインをサンドボックスに囲った。当時もFlashを利用するマルウェアが、蔓延していた。

でもその後、普遍的にサポートされていてFlashより使いやすいHTML5の普及とともに、Flashの利用は急速に衰退した。

Adobeは2020年に、Flashを引退させる予定だ。そのあとは、偽のFlashインストーラーも影を潜めるだろうか?

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Firefoxが目に見えないFlashコンテンツを完全ブロック、Flash自動再生も廃止へ

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8月からMozillaのFirefoxブラウザーは“ユーザー体験にとって重要でない”Flashコンテンツをブロックする、と今日(米国時間7/21)同社が発表した。

Googleは昨年同様の決定を行い、今年はChromeブラウザーからFlashコンテンツをほぼ完全に排除するつもりだから、Mozillaはその動きに追随していることになる。

それまでのWebの標準技術(HTTP, HTML)では動画などのリッチなメディアを作れなかったから、どうしてもFlashに頼らざるを得なかった。でも今は、HTML5などWebの標準技術だけで、Flashと同じことができるから、現代的なブラウザーの上ではFlashは足かせ、あるいは邪魔物になってきた。Flashはセキュリティの欠陥も多く、電池を大食いし、ページのロードを遅くした。

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Mozillaは、当面はFlashのサポートを継続するけど、重要でないFlashコンテンツとはユーザーには見えないコンテンツだ。同社(同団体)は今、Flashのコンテンツと、それらをHTML(HTML5)で表現する場合のやり方を対照したリストを作っている。

2017年には、FirefoxはすべてのFlashコンテンツに対して”click-to-play”(クリックして再生)方式を導入するから、ユーザーが意志的にクリックしないかぎりFlashコンテンツが動き出すことはないし、またブラウザーの設定でFlashプラグインを有効にしていなければ、Flashコンテンツは無視される。

Mozillaの品質担当技術マネージャーBenjamin Smedbergは、今日の発表声明の中でこう述べている: “これらの変更は、ユーザーが愛するWeb体験を犠牲にすることなく、より安全でより高速な閲覧を可能にしようとする、われわれのかねてからの取り組みの、一環である”。

今回なぜか、Flashを使った広告については何も言ってないが、でもGoogleのAdWordsや広告ネットワークDoubleClickなどがすでに、広告からFlashを締め出そうとしているので、そういう広告はますますレアになりつつある。

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AdobeがFlashの棺桶にまた釘を一本打ちこむ…Flash ProfessionalをAdobe Animate CCに改名

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Flashの死は、ぐずぐずと遅くてぶざまだ。Flashを抱えるAdobeは、今度はAdobe Flash ProfessionalをAdobe Animate CCに改名することによって、Flashに何度めかの死の宣告を与えた(次は何だろう?)。

Flash Professionalは、Web上のリッチなアニメーションを作るアプリケーションだ。というかFlash Professionalは、Flashを使った広告を作るためのツールだ。

しかし最近では、ますます多くのFlash Professionalのユーザが、HTML5とWebGLを使ってアニメーションを作るようになった。そのアニメーションはモバイルとデスクトップの両方で使えるし、エンドユーザはFlashプラグインが要らない。パブリッシャーもwin、コンシュマーもwin、すなわちwin-winだ。

Adobeによると、今ではFlash Professionalで作られるコンテンツの1/3はHTML5を使っている。みんながFlashのことを忘れるまでは、まだ時間がかかると思うが、今回アプリケーションの名前からFlashを消したことによって、アニメーションはFlashだけではないよ、とAdobeは宣言したのだ。

名前からFlashが消えただけだから、これまでのFlash Professionalユーザが困ることはない。Flashそのものは健在だ。でも、早めに新しい現代的な方式に乗り換えた方が良いと思うけど。

Adobe Animate CCには、ペンシル(鉛筆)やブラシ(絵筆)の改良や、ベクタ方式のブラシ、回転キャンバス、色の変化とオーディオのシンクの改良など、新しい機能が導入された。Adobe Animate CCからAdobe Stockを利用できるし、クリエィティブクラウドのライブラリも使える。

Flash Professionalは、20年前にリリースされた古いツールだ。新装のAdobe Animate CCは2016にリリースされ、同社は今後の長期サポートを約束している。

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HTML5の規格決定から一周年、それはもう未来技術ではない

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[筆者: Shikhir Singh](Senchaのデベロッパリレーションズ担当シニアマネージャ)

今日(米国時間10/28)は、World Wide Web Consortium(W3C)がHTML5の規格策定事業の完了を宣言してからちょうど一周年になる。それは、インターネットとWebアプリケーションの開発の歴史における、重要な節目だ。これまでの1年間でHTML5の採用は爆発的に伸び、HTML5へ移行してリッチな、そしてクロスプラットホームなWebアプリケーションを提供する企業が日に日に増えた。最近ではAmazonやFacebook、Google、YouTubeなどオーディエンスの多様性の激しい大手サイトでさえも、AdobeのFlashからHTML5へ移行した。その動機は、何だろう?

実は数年前から、デバイスやディスプレイの種類に依存しないシームレスで優れたユーザ体験を志向するデベロッパの多くが、HTML5で開発をするようになっていた。しかし2015年には、多くの企業がモバイルファーストを重視するようになり、そのためエンタプライズ向けのソフトウェアを構築するための信頼性の高い、普遍的な(機種やディスプレイを問わない)開発ベースとしても、HTML5が選ばれるようになった。

HTML5の実力は、かなり前から知られていた。2012年に、発言の影響力が甚大なMark ZuckerbergがHTML5をけなしたが、その3年後にはFacebookのニューズフィードのアップデートの実装をHTML5で行った。HTML5前とHTML5後を比較したデモを、ご覧いただきたい。

HTML5によるWebアプリケーションの開発が進んでいる大きな理由が、三つあると思う:

高度な規格に技術がやっと追いついた

HTML5への移行を促進した要因は、HTML言語本体のイノベーションだけでなく、Webアプリケーションを動かすブラウザの進化も大きい。まず、今のブラウザは数年前に比べても相当速い。MicrosoftのInternet Explorerの支配が徐々に崩れて、Google Chromeのような新しいブラウザが、Webクライアント技術の高速化と効率化を誘導した。Flashが衰退し、HTML5のリッチなマルチメディア能力への関心が高まり、ブラウザの基本機能の枠内でビデオの高速な再生などが可能になった。動画==プラグイン依存は、過去の遺物になった。

「技術革新」と「デベロッパの選好」と「エンタプライズのニーズ」、この三つのものが交差するところに、HTML5の未来がある。

Samsungの8コアプロセッサが象徴しているように、モバイルデバイスの処理能力が高まり、HTML5の採用が促進された。

以上のような技術的進歩によって、HTML5に盛られている高度な表現要請が、ブラウザのレベルで十分に、実装可能になった。今ではエンタプライズにおいてさえ、HTML5が標準技術になりつつある。

企業が求める普遍性

企業は、Webでもモバイルでも高度なアプリケーションを提供して顧客の心を掴まなければならない。しかも、当然ながらそれを、デスクトップ、タブレット、スマートフォンなど多様な機種の上で普遍的に実現しなければならない。顧客の要求は、日に日に高度になるだけでなく、変わるのも早い。そんな変化に企業が対応していくためには、高度な表現能力と高度なクロスプラットホーム性の両方を兼ね備えた技術への投資が、不可欠である。Webアプリケーションでもモバイルアプリでも、最高のパフォーマンスが必要だ。

HTML5には、企業が求める一度書けばどこでもデプロイできる(write once, deploy anywhere)という特質があるので、プラットホームやデバイスの種類がどれだけ増えても、同量の時間で複雑高度なアプリケーションを制作し管理できる。

デベロッパは楽をしたい

デジタル技術がどれだけ進歩しても、開発チームは複雑なアプリケーションをはやく納めるというプレッシャーから逃(のが)れられない。そんな彼らが今、HTML5を使い始めている。デベロッパに対するStrategy Analyticsの最近の調査によると、ネイティブアプリやWebアプリケーションを作るためのすべての技術の中で、今後の採用数の伸びが最高のものは、HTML5の20%だった。そしてビジネスアプリ/アプリケーションの63%が、すでにHTML5で作られている。

デベロッパにとって、HTML5の最大の魅力の一つがオープンなスタンダードであること。だから、モバイルの多様な機種や、ディスプレイの多様なフォームファクタ、それにプラットホームやオペレーティングシステムの違いが目の前にあっても、アプリケーションの要求を比較的簡単に満たすことができる。またリッチなコンテンツを作る場合も、デバイスやオペレーティングシステムの特性に依存することなく、抽象的で普遍的な書き方ができる。

デベロッパという人種はつねに、なるべく複数のプラットホームに通用する言語でコードを書きたいと願っている。しかもそれでいて、どんなスクリーンサイズでもユーザ体験の質が高いこと。またデベロッパとしては、雇用者や開発要件が変わっても同じスキルが使えること。Webアプリケーション開発の高速化はもっぱら、JavaScriptからHTML5への移行のペースにかかっている。

2016年と未来のHTML5…普遍的な開発言語に

私は長年、開発の最前線にいた人間なので、HTML5の登場と、それがモバイルアプリの開発に革命をもたらす可能性に、大いに感動した。「技術革新」と「デベロッパの選好」と「エンタプライズのニーズ」、この三つのものが交差するところに、HTML5の未来がある。

来年は、企業における、Internet Explorerの使用が必須であったレガシーアプリケーションの現代化が加速され、それとともにHTML5の採用が更に一段と増えるだろう。今やそんな企業でも、社員たちは職場でGoogle ChromeやFirefoxを使っている。…どちらも、HTML5のサポートが優れている。さらに今後はWindows 10の採用が増えるから、ブラウザはMicrosoft Edgeが使われるようになり、なお一層、企業世界におけるHTML5の普及が進むだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

9月1日はChromeがFlash広告の再生を停止した日

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インターネット上で50%以上の人が利用するブラウザであるChromeが、本日(9月1日)より正式にFlash広告の動作を停止させることとなった。標準的メディアプレイヤーとしての地位を失ったFlashは、ついに歴史的遺物となる道を歩み始めた。Googleによる発表時の言葉を引いておこう。

6月にChrome上にてFlashによる広告の動作を停止させる旨をアナウンスしていました。これは利用者のパフォーマンスを改善することを狙ったものです。2015年9月1日より、Flash広告は初期状態で再生されなくなります。

Googleは警告を発し、そしてFlash広告をHTML5に自動変換するツールなども提供してきた。今回の変更により、たいていのウェブページでのFlash広告は動作しなくなる。Flashを利用した広告が「静物」化するわけだ。広告制作者が作ったFlashコンテンツは利用者に届かなくなる。

なお、AmazonでもFlash広告を制限する方向に進みつつあり、Flashビデオを再生する広告はほぼなくなっている状況だ。そうは言ってもこれまでの蓄積もあり、Flashコンテンツはあちこちで目にする。しかし(ようやく)Flash広告は作られなくなり、そして消え去っていくこととなりそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

Android Lollipopのイースターエッグは、Andy the Android版Flappy Bird

間もなくAndroid 5.0 Lollipopがやってくる。まずは新しいGoogleのNexusデバイスに搭載されることとなっている。ただ、このLollipopに同梱されるイースター・エッグについては、既にデベロッパー・プレビューにて確認することもできる。起動するには「Settings」メニューからAndroidのバージョンナンバーのところを繰り返しタップする。すると大人気となったFlappy BirdのAndroi Lollipopバージョンをプレイすることができるのだ。

やはり、なかなかおもしろいゲームだと思う。これがAndroid 5に無料で同梱されるわけだ。もちろん現在公開中の開発者バージョンが、そのまま正式版になるわけではない。一般向けの版にも実装されるのかどうかについては、Nexusが出てくるのを待つ必要があるだろう。しかし、これまでのGoogleのやり方をみれば、こうしたイースター・エッグを潜ませておくのはいかにもありそうな話に思える。

いずれにせよ、本家Flappy Bird作者のDong Nguyenのように、なんだか難しい理由からゲームを取り下げて、ベトナムに隠遁するというようなことはなかろうと思う。きっとみんなが遊べるようになるのではないかと、期待している。

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(翻訳:Maeda, H