グーグルがAndroidユーザーの位置情報取得に関しアリゾナで訴訟、設定項目を見つけにくくしたと報じられる

グーグルがAndroidユーザーの位置情報取得に関しアリゾナで訴訟、設定項目を見つけにくくしたと報じられる

Alex Tai/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

GoogleがAndroidユーザーの位置情報を違法に追跡ししようとしたとして、アリゾナ州がGoogleに対して起こした訴訟では、ユーザーが位置情報の追跡を完全に無効にするための手順をGoogleが意図的に複雑にしたため、オプトアウトしたつもりでもGoogleが情報を得られるようにしていたことが非難されています。

そして、新たにInsiderが報じたこの訴訟に関する開示文書によると、Googleは位置情報などの設定項目をユーザーにわかりやすく配置したAndroidをテストしたものの、多くのユーザーが位置情報の共有をオフしてしまうことがわかり、Googleはこれを「問題」と考えたとのこと。そして意図的に設定項目を設定メニューの奥深くに配置し、操作に不慣れなユーザーが到達できないようにしたとされます。

また、Googleはユーザーの位置情報収集のために多様な手段を講じており、たとえばWi-Fiや位置情報を使用する第三者のアプリについても、それを使うならば情報をGoogleに共有しなければならないようにし、場合によってはスマートフォンをWi-Fiに接続することさえ求めたとのこと。

さらに、アリゾナ州の弁護士によると、GoogleはLGなどの携帯電話メーカーに対し位置情報の設定がわかりやすすぎるとして、かんたんに目に触れない場所へ埋め込むよう「周到に圧力をかけた」とされます。

Andorid 12ではユーザーのプライバシー設定に改善が加えられ、「プライバシーダッシュボード」の設置や「位置情報サービスの精度」設定をユーザーが行えるようになりました。とはいえ、訴訟の主張が認められるならば、GoogleにはAndroidユーザーの意向に関係なくデータを収集する意図があったと考えられ、Googleには厳しい法廷闘争になるかもしれません。

(Source: InsiderEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:Android(製品・サービス)位置情報(用語)Google / グーグル(企業)訴訟 / 裁判(用語)プライバシー(用語)

Googleマップに間もなく新機能、急ブレーキを避ける経路案内や地域ごとの混雑度表示など

Google(グーグル)は、そのプラットフォームにAIを活用した100以上の改良を年末までに行うという大きな目標の一環として、Google マップに導入が予定されているいくつかのアップデートを明らかにした。米国時間5月18日に開催された開発者会議「Google I/O」で発表された新機能は、経路検索の改善、ライブビューの強化、高精細ストリートマップの拡大、混雑エリアの可視化、よりパーソナライズされたマップ体験などだ。

新たに改善された経路検索では、機械学習とナビゲーション情報を利用して、なるべく急ブレーキを踏まなければならない状況が少なくなりそうな経路を案内するようになる。急に交通の流れが遅くなる可能性のある場所は避けるように考慮されるというわけだ。

現在、Googleはマップで経路案内をする際に、道路の車線数や曲がる箇所の回数など、様々な要素に基づいて複数のルートを算出している。今回のアップデートでは、「急ブレーキを踏む」可能性が最も低いルートがそれらに加わる。Googleによると、他の経路と比べて到着予定時間が同じか、あまり差がない場合、急ブレーキを踏む可能性が最も少ないルートを推奨するようになるという。この変更により、Google マップを利用して走行する経路では、急ブレーキを踏む回数が年間1億回も減ると同社は見込んでいる。

2019年に導入されたGoogleマップの拡張現実機能「ライブビュー」は、間もなくマップのボタンから直接利用できるようになり、即座に近隣の情報を調べたり、近くのショップやレストランの混雑状況や最近のレビュー、写真などの詳細情報を確認できるようになる。また、複雑な交差点には道路標識が表示されるようにアップデートされ、旅先では滞在しているホテル等の場所と自分の位置関係を教えてくれるので、慣れない土地でも帰り道がわかりやすくなる。

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画像クレジット:Google

Googleは2020年に、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンで初めて提供したより詳細な地図を、他の都市にも拡大していく。これらの地図はより精細で、自然の特徴が色分けで示され、歩道や横断歩道、歩行者用の安全地帯などの有無や位置まで表示される。これらの情報は、街を徒歩や自転車、あるいは車椅子などで移動する人にとって特に有用だ。

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2021年末までには、ベルリン、サンパウロ、シアトル、シンガポールなど、さらに50の都市でこの詳細な地図が利用できるようになる予定だ。

画像クレジット:Google

もう1つの新機能は、既にGoogleがマップの店舗情報で提供している、ユーザーから収集された匿名化された位置情報に基づく「混雑状況」の表示を拡張するものだ。新型コロナウイルス流行時には、この機能が、健康と安全のために店舗内での混雑を避ける有効な手段となった。今回のアップデートで、Google マップは街の一部や地域について、相対的な「混雑度」情報が表示されるようになる。これによって、ストリートフェスティバルやファーマーズマーケット、ナイトスポットなどの混雑している場所を避ける(あるいは見つける)のに役立つ。

さらにGoogle マップは、新たな方法で個人に合わせたインターフェイスのカスタマイズを開始する。

まず、ユーザーの現在の時間帯に応じて適切な情報が表示されるようになる。

例えば、平日の午前8時にマップを開くとコーヒーショップが目立つように表示されるが、夜になるとディナースポットが多く表示されるといった具合だ。郊外に出かけている時には、これらの店舗に代わってランドマークや観光地が表示されるようになる。同じ種類の場所をもっと探したいと思ったら、どれか1つをタップすれば、近くにあるそれと同じ種類の場所を見ることができる。

画像クレジット:Google

Googleによると、これらの新機能は今後数カ月のうちにiOSとAndroidでグローバルに展開する予定だというが、各機能の正確な導入時期については言及していない。ただし、より詳細な地図は年末までに提供されるとのことだから、他のアップデートよりも少々遅くなるのかもしれない。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleGoogle I/O 2021地図iOSAndroidアプリGoogleマップ

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スマホが自動車のキーになるAndroid 12の新機能をグーグルが発表

Google(グーグル)は、BMWをはじめとする自動車メーカーと協力して、Androidスマートフォンから車両の施錠 / 解錠やエンジン始動ができるデジタルキーを開発中であることを、米国時間5月18日に行われた開発者向けイベント「Google I/O」で発表した。

このデジタルカーキーは、同社のモバイルOSの最新版であるAndroid 12で採用される数多くの新機能の1つ。Android & Google Playのプロダクト・マネジメント担当バイス・プレジデントであるSameer Samat(サミア・サマット)氏によると、デジタルカーキーは2021年後半に一部のPixel(ピクセル)およびSamsung Galaxy(サムスン・ギャラクシー)のスマートフォンで利用可能になるという。対応する車両は、BMWを含む2022年モデルの新型車と一部の2021年モデルとのことだが、具体的な車名やBMW以外のメーカー名はまだ明らかにされていない(発表で例として提示された画像は、BMWが2021年内に発売する新型電気自動車「i4」だった)。

このデジタルカーキーには、UWB(Ultra Wideband、超広帯域無線)と呼ばれる無線通信技術が使われている。これは、センサーが信号の方向を知ることができる、小さなレーダーのようなものだ。この技術によって携帯電話に内蔵されたアンテナは、UWB送信機を備えた物体の位置を特定し、識別することができる。UWB技術を利用するため、Androidユーザーは携帯電話を取り出さなくても、車両の施錠 / 解錠が可能になる。

画像クレジット:Google

NFC(近距離無線通信)技術を搭載した車種を所有するユーザーは、携帯電話をクルマのドアにかざすことでロックを解除できるようになる。通常はクルマのドアハンドル内に搭載されているNFCリーダーが、ユーザーの携帯電話と通信を行う仕組みだ。Googleによると、ユーザーはクルマの貸し借りをする場合にも、友人や家族とクルマのキーを安全かつ遠隔で共有することが可能になるとのこと。

Googleが今回の発表を行う前に、Apple(アップル)も2020年、iPhoneやApple Watchに同様のデジタルカーキー機能を追加すると発表している。iOS 14で導入されたこの機能は、NFCを介して動作する仕組みで、2021年モデルのBMW 5シリーズで初めて利用可能になった。

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最近では、独自にアプリを開発する自動車メーカーも増えており、それらを使えばユーザーはスマートフォンからリモートロック / アンロックなど、特定の機能を制御することもできるようになっている。GoogleやAppleの側から見た大きなメリットは、モバイルOSにデジタルキー機能を統合することで、ユーザーがアプリをダウンロードする必要がないということだ。

その意図は、面倒な体験を減らすことにある。そしてさらに、これをシームレスにしようという動きもある。Apple、Google、Samsung、そしてBMW、GM、Honda(ホンダ)、Hyundai(ヒュンダイ)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)といった自動車メーカーが加盟するCar Connectivity Consortium(カー・コネクティビティ・コンソーシアム)は、メーカーの枠を超えて容易にスマートフォンを自動車のキーとして使用できるデジタルキーの標準規格を策定するために、数年を費やしてきた。

デジタルカーキーの開発は、スマートフォンが消費者の生活の中心になることを目指すGoogleの活動の一環だ。そしてその目標は、自動車抜きには達成できない。

「最近では、携帯電話を購入する際には、電話機のみならず、テレビ、ノートパソコン、自動車、スマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウェアラブルなど、連携が求められる機器のエコシステム全体を購入することになります」と、Googleのエンジニアリング担当バイス・プレジデントを務めるErik Kay(エリック・ケイ)氏は、今回のイベントにおける発表にともなうブログ記事の中で書いている。「北米では現在、1人あたり平均約8台のコネクテッド・デバイスを所有しており、2022年にはこれが13台に増えると予測されています」。

Googleは、ユーザーがワンタップするだけでデバイスをBluetoothを介してペアリングできる「Fast Pair(ファストペア)」機能を、自動車を含む他の製品にも拡大すると言っている。

ケイ氏によると、現在までに消費者は3600万回を超える「Fast Pair」を利用して、Sony(ソニー)、Microsoft(マイクロソフト)、JBL、Philips(フィリップス)、Google、その他多くの人気ブランドを含むBluetooth機器とAndroidスマートフォンを接続しているという。

このFast Pair機能は、今後数カ月のうちに、Beats(ビーツ)のヘッドホンやBMW、Ford(フォード)の自動車など、さらに多くのデバイスに導入される予定だと、サマット氏はGoogle I/Oで語った。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:GoogleGoogle I/O 2021AndroidBMW自動車電気自動車

画像クレジット:Google/screenshot

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ClubhouseがいよいよAndroidアプリの外部テストを開始

音声ベースのネットワーキングアプリClubhouse(クラブハウス)は、現在すべての主要テックプラットフォームに押され気味だが、ようやくそのサービスをAndroid(アンドロイド)に展開しようとしている。同社は、毎週恒例のタウンホールイベント中に、Android版アプリがベータテストに入ったことを発表した。外部の少数の人間がテストに参加し、公開に先立つ初期フィードバックを会社に提供する予定だ。

Clubhouseはリリースノートの中でこのテストを「フレンドリーなテスター」グループへ展開中の「ほぼベータ版」を含んだものだと説明している。つまり、より広範囲のユーザーが、Android版アプリにサインアップする手段はまだないということだ。

Androidクライアントの欠如は、招待システムと組み合わせられて、当初はClubhouseに排他性のオーラをまとわせた。参加するには誰か招待してくれる人を知っていなければならなかったし、iOSデバイスも必要だった。しかし、Androidユーザーへのアクセス提供が遅れたため、強力な競合相手たちがClubhouseに追いつく時間を与え、同時に取り残されていたユーザーたちに訴求することを許してしまった。実際、最大のライバルの1つであるFacebook(フェイスブック)は、最近そのすべてのプラットフォームとサービスでClubhouseに挑戦状を叩きつけた。

Facebookは、短いオーディオスニペットからFacebookとMessenger(メッセンジャー)全体で動作するClubhouseクローンなどのさまざまな新製品を含んだ、フルオーディオ戦略を発表した。また、Instagram Live(インスタグラム・ライブ)ユーザーが、自分のビデオをオフにしてマイクもミュートする方法も発表した。これはClubhouseに似通った機能だ。Facebookの研究開発部門でさえ、Clubhouseの代替品であるHotline(ホットライン)をテストしている 。HotlineはQ&A用途に焦点を当てていて、ClubhouseとInstagram Liveの一種のマッシュアップ機能を提供している。

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一方Twitter(ツイッター)は、音声ルーム機能であるTwitter Spaces(ツイッター・スペース)を拡張し続けている。他にもReddit(レディット)、LinkedIn(リンクトイン)、Spotify(スポティファイ)、Discord (ディスコード)、Telegram(テレグラム)、その他の企業が、Clubhouse相当品の提供を目指して開発を進めている。

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Clubhouseにとっては、特に初期の過剰な期待がすでにしぼみつつある兆候の見えるいま、成長をプッシュすべきときがやってきたことを意味している。アプリストア情報会社のApptopia(アプトピア)によれば、ClubhouseはこれまでにiOS上で推定1350万回ダウンロードされているが、日次ダウンロード数は減少しており、これは日次アクティブユーザー数の減少を反映している。

画像クレジット:Apptopia

Apptopiaのデータによると、Clubhouseの日次アクティブユーザーは、2021年2月の頂点から68%減少している、とはいえこれは必ずしもClubhouseが終わったことを意味するわけではない。単に毎日の習慣としての頻度が少なくなっているだけだ。それでももし同社が、同社のアクセラレータープログラムを使って狙う、クリエイターコミュニティの構築や、多くの人気ショーの確立に成功できたなら、引き続き週次もしくは月次の単位でユーザーを引き戻すことができるだろう。そしてそうしたセッションは他のソーシャルアプリに比べて長くなる可能性がある(たとえ他のタスクをしながらアプリを開きっぱなしにしているのだとしても、Clubhouseのユーザーはしばしば1時間以上行われているショーに参加している)。

関連記事:Clubhouseがクリエイター向けアクセラレータープログラム開始、スポンサー紹介もしくは月54.6万円の収入を保証

さらにClubhouseは、最近使用量が減少しているかもしれない人の、再エンゲージメントに関する課題に取り組んでいる。また、タウンホールイベント中に、Clubhouseは、ユーザーが招待されたイベントについて気が付けるようにするために、イベントのベルアイコンを導入すると発表した。これは、イベントを宣伝するクリエイターにとっても重要な機能だ。

Clubhouseは、そのAndroidアプリがより多くのテスターやより広い範囲の一般ユーザーの手に渡る時期については、はっきりしたことを語っていない。ただ「今後数週間」でより多くのAndroidユーザーを招待したいと述べただけにとどまっている。Clubhouseは2021年3月に、Androidのリリースには2、3カ月かかると語っていた

関連記事:ClubhouseのAndroid版リリースは2、3カ月先

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ClubhouseAndroid音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

グーグルがAndroid 12の開発者プレビュー最新版を公開、触覚フィードバックなど拡張

Google(グーグル)は米国時間4月21日、同社のモバイルOSの最新版であるAndroid 12の開発者プレビュー第3弾を予定どおり公開した。Googleのロードマップによると、今回の開発者プレビューは、Android 12がベータ版に移行する前の最後のプレビューとなる。通常、開発者ではないユーザーがAndroid 12を試したい場合はベータ版が最初の無線(OTA)アップデートになる。今のところ開発者は、サポートされているPixelデバイスにシステムイメージをフラッシュする必要がある。

Googleは、ベータ版のリリースを間近に控えた今こそ、開発者は自分のアプリの準備が整っているかどうかを確認するために互換性テストを開始する必要があると指摘している。現在のところAndroid 12は、2021年8月までにプラットフォームの安定性を実現する計画だ。その時点で、アプリ向けのすべての機能がロックされ、確定される。

では、今回のプレビューでは何が新しくなったのだろうか?いつものように、数多くの小さな新機能、調整、変更があるが、今回の目玉は、開発者がアプリケーションで新しいハプティック(触覚)フィードバック体験を提供できるようになったことと、新しいアプリ起動アニメーションだ。

新しいアプリ起動エクスペリエンスは、開発者とユーザーの両方にとって、今回の最も顕著な変更点かもしれない。この新しいアニメーションは、アプリの起動から、アプリのアイコンを表示するスプラッシュ画面、そしてアプリ本体へと続く。「新しいエクスペリエンスは、すべてのアプリの起動に標準的なデザイン要素をもたらしますが、各アプリが独自のブランディングを維持できるように、カスタマイズも可能にしました」とGoogleは説明している。開発者は、このスプラッシュスクリーンを自分のブランドでどのようにカスタマイズするかについて、かなりの自由度を持っている。ただし、デフォルトでは最もベーシックな起動エクスペリエンスが有効になっている。

また、リッチなハプティックフィードバックも今回のリリースで加えられた。それを聞くと、今ではほとんど使われなくなったApple(アップル)のForce Touchを思い出さずにはいられないが、これは少し違う。ここでは「ゲームには没入感のある楽しい効果を、プロダクティビティには注意力を向上するハプティック」を提供するものだという。

本リリースのその他の新機能には、着信および進行中の通話をユーザーがより簡単に管理できるようにする新しい通話通知テンプレートが含まれている。Googleによるとこれらの新しい通知は、より視認性が高く、読み取りやすいものになるという。また、機械学習ワークロードのためのNeural Networks API(NNAPI)の改善や、より幅広い超高解像度カメラセンサーをサポートするための新しいAPIも含まれる。

またAndroid 12では、計算負荷の高いタスクを実行するためのRenderScript APIが廃止され、VulkanやOpenGLなどのGPUコンピューティングフレームワークが採用される。

今回のリリースに含まれるすべての変更点の詳細については、こちらから見られる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAndroidハプティクスOSスマートフォンPixel

画像クレジット:juniorbeep / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

Androidの人気野良アプリストア「APKPure」公式クライアントに悪質なアドウェアが含まれていたと発覚

セキュリティ研究者らによると、Google(グーグル)のアプリストア以外から古い / 打ち切られたAndroidアプリをインストールするための非公式マーケットとして広く普及している「APKPure」の公式アプリに、被害者のデバイスに不要な広告を氾濫させる悪意のあるアドウェアが含まれていたという。

Kaspersky Labによると、APKPureアプリの直近のバージョンである3.17.18には、被害者の知らないうちに端末からデータを吸い上げ、端末のロック画面やバックグラウンドにプッシュ型の広告を表示し、バックグラウンドでアドウェア運営者に不正な収益をもたらす悪意のあるコードが含まれていると米国時間4月8日に開発者に通知したとのこと。

しかもこの悪質なコードには他のマルウェアをダウンロードする機能があり、被害者をさらに危険にさらす可能性があると研究者らは述べている。

研究者らによると、APKPureの開発者はおそらく、検証されていないソースから新しいアドウェアSDK(ソフトウェア開発キット)を実装した際に、この悪意のあるコードを導入した可能性が高いとのこと。APKPureは悪質なコードを削除して新しいバージョンである3.17.19をリリースしており、悪意のあるバージョンは現在サイトに掲載されていない

APKPureは、Androidユーザーが古いバージョンを含むAndroidアプリやゲームの膨大なリポジトリにアクセスできるようにするため、2014年に設立された。また、Androidの公式アプリストアであるGoogle Playに掲載されなくなった他地域のアプリバージョンにもアクセスできる場所として知られる。その後、それ自体もGoogle Playの外でインストールする必要があるAndroidアプリをリリースし、ユーザーが古いアプリをAndroid端末に直接ダウンロードできる独自のアプリストアとして機能している。

APKPureは、ネット上で最も人気のあるサイトの1つとされている。

しかしAndroidのマルウェアの多くは、被害者にアプリストア外から悪意のあるアプリをインストールさせるため、品質や安全性に大きなばらつきがあるとして、セキュリティ専門家は長い間、公式アプリストア以外からアプリをインストールしないよう警告してきた。GoogleはGoogle Playに登録されるすべてのAndroidアプリをスキャンしているが、これまでにも一部のアプリはその隙間をすり抜けていた

TechCrunchはAPKPureにコメントを求めたが、返答は得られなかった。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:APKPureアドウェアAndroidアプリマルウェアGoogle

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

欧州のAndroidの「選択画面」はより優れた選択肢を隠し続ける

2018年に欧州委員会によって下された反トラスト法違反の重い制裁を受けて、Google(グーグル)が欧州のAndroid(アンドロイド)で検索エンジンの「選択画面」の枠をオークションにかけ始めてから1年以上が過ぎた。しかし、2年以上前にGoogleに記録的な罰金を科したにもかかわらず、ほとんど何も変わっていない。

Googleの検索エンジン市場でのシェアは依然として低下しておらず、EUでは高い関心を集める代替の検索エンジンがGoogleが考案した「是正処置」によって値付けされている。この是正処置は、GoogleのAndroid OSを搭載したスマートフォン上で、最も多くの費用を支払える検索エンジンを優先し、支配的なGoogle自身の代替手段として掲載するというものだ。

四半期ごとの選択画面の勝者は、ますます変わらなくなってきている。Googleの代替検索エンジンは、またすぐに見栄えのしない「勝者」たちが列挙されるだろう。

2021年第1四半期の結果は、スマートフォンユーザーのほとんどが聞いたことがないであろう広告ターゲティングの検索エンジンオプションの一団で占められていた。ドイツの「GMX(ジーエムエックス)」、カリフォルニアを拠点とする「info.com(インフォ・ドット・コム)」、プエルトリコの「PrivacyWall(プライバシーウォール)」(ウェブサイトに「100%プログラマティック広告」というスローガンを掲げている会社が所有している)に加えて、もう1つは名の知れたアドテック大手の検索エンジンMicrosoft(マイクロソフト)の「Bing(ビング)」だ(*記事執筆時。現在は2021年第2四半期の結果が掲載されている)。

リストの下方では、ロシアの「Google」にあたるYandex(ヤンデックス)が8つの枠を獲得した。また、チェコの検索市場の古参Seznam(セズナム)は2つの枠だ。

大敗となったのは、トラッキング防止機能を備えた検索エンジン「DuckDuckGo(ダックダックゴー」だ。同社は、10年以上にわたってオンラインでのプライバシーを擁護してきたが、獲得枠は1つ(ベルギー)のみとなった。オークション開始時にすべての国でまんべんなく枠を獲得していたのとは対照的に、ほぼ完全に締め出されてしまった。

関連記事:AndroidのEUにおけるデフォルト検索エンジン指定に批判多数

広告収入のすべてを植樹活動に寄付する非営利団体の検索エンジンEcosia(エコシア)は、今回もほとんど出てこない。スロベニアのAndroidユーザーの画面に表示される1枠のみだ。しかし、エコシアは12月にiOS(アイ・オーエス)、iPadOS(アイパッド・オーエス)、macOS(マック・オーエス)のSafari(サファリ)にデフォルトの検索オプションとして追加され、世界中で1500万人以上のユーザーに利用されるようになった。

一方、プライバシー保護に焦点を当てた欧州産の検索オプションであるフランスの「Qwant(クワント)」は、わずか1枠にとどまった。それも、自国の市場ではなく非常に小さな国、ルクセンブルクだ。

もし欧州の規制当局が、自ら指摘した重大な反トラスト法違反を受けてGoogle自身が考案した「是正処置」によって、Android検索市場に健全な競争が自然に取り戻せるとでも思っているのなら、ほぞを噛むことになるだろう。Googleの検索市場でのシェアは、へこむどころか、かすりもしていないというのが純然たる事実だ。

Googleは、iPhoneのデフォルトに同社の検索エンジンを設定するために、Appleに毎年数十億ドル(数千億円)を支払っているが、Statista(スタティスタ)のデータによると、2021年2月の欧州におけるAndroidとiOSを合せたモバイル検索市場でのGoogleのシェアは97.07%であり、欧州委員会が反トラストの裁定を下した2018年7月の96.92%から上昇している。

そう、実際にはGoogleは、この「是正処置」を実施してシェアを伸ばしているのだ。

これはどう見ても、EUの競争法執行の壮大な失敗だ。大きなニュースとなったAndroidに対する反トラスト判決から2年半以上経ってご覧の有様だ。

欧州委員会はまた、Googleがこのオークションを行っている間、欧州がテクノロジーの主権を握ることを目標に掲げ推進してきた。Ursula von der Leyen(ウルズラ・フォン・デア・ライエン)欧州委員会委員長は、この包括的な目標を自身のデジタル政策プログラムに結び付けている。

テクノロジーの主権という施策においても、Androidの選択画面は大きな失敗と言わざるを得ない。2020年、検索エンジン付きブラウザーの事業から完全に撤退したCliqz(クリックス)が、その責任の一端は、欧州独自のデジタルインフラを所有する必要性を理解できなかったEUの政治関係者にあるとしているように、Googleに代わる(ほとんどの)欧州産の検索エンジンの助けになっていない。それどころか、最も関心を集め、Googleの代替となるべき欧州の検索エンジンを積極的に埋没させ、広告から資金を得ているGoogleクローンの一群との競争を強いている。

(もしBrave Searchが軌道に乗れば、欧州産でない新たな代替検索エンジンとなる。欧州発の専門知識やテクノロジーの恩恵を受けたものではあるが……)

これは、オークションの仕組み上、Googleに最も多くの費用を支払った企業だけが、Androidのデフォルトオプションとして設定されるチャンスを得られるからだ。

稀に欧州の企業が大枚をはたいて選択リストに掲載されることがあっても(これは検索クリックごとにコストがかかることを意味するようだ)、ほとんどの場合、他の欧州以外の選択肢やGoogleと一緒に掲載されることになり、晴れて選択されるまでのハードルはさらに高くなっている。

このような方法を取る必要はないはずだ。実際Googleは当初、市場シェアに基づいた選択画面を設けていた。

しかし、Googleはすぐに「載りたければ金を払え」モデルに切り替え、ユーザーのデータを追跡しない(または、純粋に環境保護を目的とし広告収入を植林に充て、利益を追求しないエコシアなど)代替検索エンジンの見つけやすさを一気に低下させてしまった。

このような代替検索エンジンの企業のほとんどは、Googleの選択画面オークションに勝つ余裕がないという(このゲームに参加する企業は、GoogleとのNDA締結が必要なため、発言に制限があることも注目すべきだ)。

Googleのオークションの落札者が、Google自身のビジネスの土台である行動ターゲティングモデルにほぼ偏っているのは、明らかに偶然ではない。あらゆるデータ追跡型のビジネスモデルが集結している。そして、消費者の観点からすると、人為的に限定されたGoogleの劣化バージョンしか含まない貧弱な「選択肢」の中からGoogleを選ばない理由があるだろうか。

エコシアがTechCrunchに語ったところによると、同社は現在、オークションプロセスから完全に撤退することを検討しているという。これは、参加するべきと考える前にオークションをボイコットするという、最初の直感に立ち返ることになる。Googleの「載りたけりゃ金を払え」スタイルの「no choice(選択不可)」(と、エコシアはオークションのことを呼んでいる)ゲームを数カ月間プレイしたことで、このシステムは、真正直な検索エンジンプロバイダーには勝ち目がないという見解を固めた。

過去2回のオークションで、エコシアは毎回1つの枠しか獲得できなかったが、ユーザー数には何の好影響も見られなかったという。完全に撤退するかどうかは、次のオークションプロセスの結果が明らかになった後に決定される。(そのオークションの結果は、3月8日に発表され、エコシアは今回も1枠となっている)。

「結局、このゲームをプレイするのが『面白くない』ことに気づいた」とエコシアの創業者であるChristian Kroll(クリスチャン・クロール)氏は語る。「このゲームは非常に不公平で、『ダビデ対ゴリアテ』というだけでなく、ゴリアテがルールを選び、アイテムを手に入れ、望めば途中でルールを変えることさえできる。だから、参加してもおもしろいことは何もない」。

「参加して9ヵ月になるが、欧州の市場全体のシェアを見ると、何も変わっていない。今回のラウンドの結果はまだわからないが、何も変わらないと思っている。いつものお仲間がまた掲載されるだろう……今掲載されている選択肢のほとんどは、ユーザーにとって興味深いものではないが」。

「興味を引く選択肢をすべて画面から消してしまって『選択』画面と呼ぶのは、何とも皮肉なものだ。だから、状況は変わらず、ゲームをするのがますますつまらなくなり、ある時点で、もうこのゲームは止めるという決断を下すことになるかもしれない」と同氏は付け加えた。

TechCrunchが話を聞いた他の代替検索エンジンは、今のところ参加を継続する予定だが、いずれもAndroidの「選択画面」でGoogleが「載りたけりゃ金を払え」モデルを採用していることに批判的だ。

ダックダックゴーの創設者であるGabriel Weinberg(ガブリエル・ワインバーグ)氏は「我々は入札に参加しているが、それはGoogleの出来レースがどれほど酷いものかを欧州委員会の前にさらけ出すためであり、消費者にとって本当に役立つものへと正すために、欧州委員会がより積極的に使命を果たすことを期待している。当社の厳格なプライバシーポリシーのため、前回と同様に排除されると予想している」と述べている。

同氏は、同社が2020年秋に掲載した「根本的に欠陥のある」オークションモデルを公然と非難するブログ記事を紹介し「記事全体はまだ有効だ」と述べている。このブログ記事で同社は、2014年から利益を上げているにもかかわらず「ユーザーからの搾取で利益の最大化を図るという選択肢はなかったため、今回のオークションでは落札に至らなかった」と書いている。

「実際のところ、プライバシーの保護とクリーンな検索エクスペリエンスという当社のコミットメントは、検索1件あたりの収益が少なくなることを意味する。つまり、利益の最大化を狙う他の企業と比較して、より少ない金額で入札しなければならないということだ」とダックダックゴーは続ける。「このEUの反トラスト法に対する是正処置は、消費者が使いたいと思う代替検索エンジンを排除し、掲載される検索エンジンからは、設定メニューで得た利益の大半を奪うことで、モバイル検索におけるGoogleの優位性をさらに強化することにしかならない」と述べている。

「このオークションの形式は、ユーザーの選択ごとに期待される利益を入札価格として入札するという動機を与える。長期的に見ると、選択されたGoogleの代替検索エンジンは、設定メニューから得た利益のほとんどをGoogleに渡さなければならない。Googleのオークションは、検索エンジンプロバイダーがプライバシーを軽視したり、広告を増やしたり、善意の寄付をしなかったりする動機を与えているが、それはそうすることで、より高い価格で入札する資金が得られるからだ」とも述べている。

フランスのクワントも同様に批判的であり、オークションに対して「極めて不満」と述べ「早急な修正」を求めている。また、2018年の欧州委員会の決定を「文面においても、その精神においても」完全に尊重すべきだとしている。

CEOのJean-Claude Ghinozzi(ジャン・クロード・ギノッジ)氏は「当社は、オークションシステムに極めて不満を持っている。Googleに最も費用を払っている3つの選択肢だけでなく、消費者が自分の使いたい検索エンジンを見つけられるように、選択画面の早急な修正を求めている。2018年の決定を、文面でも精神面でも完全に尊重することを要求する」と語る。

「当社はあらゆる選択肢を検討し、四半期ごとに決定を再評価している。いかなる場合でも、Googleが提供するたった3つの代替選択肢に限られることなく、消費者が好みの検索エンジンを自由に選択できるようにしたいと考えている。消費者の利益は常に最優先されなければならない」と付け加える。

ロシアのヤンデックスは、第2四半期のオークションへ参加することを明言した。しかし、Googleの処置について、Androidユーザーに真の「選択の自由」を提供するには至っていないと批判する。

「当社は、高品質で便利な検索エンジンを世界中に提供することを目指している。検索エンジンの選択の自由は、活発な市場競争につながり、各社のサービス向上へのモチベーションを高めると確信している。現在のEUの解決策は、2020年3月以降に発売される端末のみを対象としており、ユーザーの選択の自由を完全に保証するものではないと考えている」とヤンデックス社の広報担当者はいう。

「そのようなデバイスは、現在のEU市場でユーザーが手にしているデバイスの総数に比べて、非常に少ない。正当で実質的な選択の自由を提供することが不可欠だ。サービスプロバイダー間の競争は、最終的には、より良い製品を受け取るユーザーに利益をもたらす」

検索分野に新たに参入したトラッキング防止機能付きブラウザーのBrave(ブレイブ、前述のとおり、ブレイブはクリックスの資産を買収し、近く公開される自社ブランドであるブレイブサーチを立ち上げようとしている)は、オークションに参加することはまったく考えていないことを明らかにした。

「ブレイブは、このオークションに参加する予定はない。当社はユーザーを第一に考えているが、この入札プロセスは、ユーザーの選択肢を狭め、Google Play(グーグルプレイ)ストアの最適化に最も有効な入札者のみを選択し、ユーザーへ最大の利益を提供することを無視している」と同社の広報担当者は述べている。

そして「皮肉なことに、Googleは、ChromeとAndroidを結びつけた反競争的な行為で有罪となったことを受けた自らの是正処置で利益を得ている」と付け加えた。

Androidの選択画面に参加せずにEUでブレイブサーチのシェアを拡大するための戦略について尋ねられた広報担当者は「ブレイブはすでに欧州市場向けにブラウザーをローカライズしている。マーケティングキャンペーンや推薦プログラムで紹介されているクラス最高のプライバシーを提供することで、今後も成長を続けて行く」と述べている。

Googleが自ら策定した「是正処置」は、2018年に欧州委員会が下した反トラスト法上の裁定、つまり記録的な50億ドル(約5480億円)の制裁金と、さまざまな侵害行為の停止命令に対処したものだ。EUの反トラスト規制当局は、現在も同社の実施状況を監視し続けている。しかしクロール氏は、欧州委員会はGoogleに対し、指摘した不正行為を修正させるのではなく、実質的には時間稼ぎをさせているだけだと主張する。

「現時点での見方だが、欧州委員会は、選択画面のオークションは必ずしも是正処置として要求したものではないため、Googleに変更を強制することはできないと考えており、それが自分たちの責任と捉えていない理由かもしれない」と同氏は言い「しかし、同時に、欧州委員会はGoogleに状況を解決するよう要求し、それに対しGoogleは何もしていない」と付け加える。

「欧州委員会はまた、Googleがマスコミやユーザーから信望を得る隙を与えていると思う。Googleが何か対処しているように見えるため、Googleが好きなように動くことを許している【略】本当の選択画面が良い解決策になるかどうかはわからないが、それを決めるのは私ではない。Googleが代替検索エンジンの損害をうまく修復したかどうか【略】また、これまでに与えた損害をいくらかでも補償したかどうかを決めるのは欧州委員会だが、それが成されているようには見えない。[マーケットシェア]の数字を見れば、基本的にはまだ同じ状況が続いていることがわかる」。

さらに同氏はGoogleの現在の「是正処置」についても「全体的に、人気のある選択肢を画面から排除するように設計されている」と主張し「それがオークションの仕組みだ。もちろん、誰もそこに踏み込もうとしないことに失望している。つまり、基本的にGoogleの競合他社同士で殴り合うという不公平なゲームに参加している。どこかの規制当局が介入して、これではダメだと言ってくれることを期待しているが、そうはならない」と述べる。

「今のところ、当社の唯一の選択肢はそこに留まることだが、もし本当に効果がなく、規制当局が介入する可能性もないと判断すれば、完全に撤退して私たち抜きでGoogleに楽しんでもらうという選択肢もある。[現在のオークションモデル]からは何も得られないだけでなく、当然ながらそこに投資もしている。また、NDAを締結しているために制限もあり、その制限さえもちょっとした苦痛だ。つまり、弊害ばかりがあり、何の利益も得ていない」。

NDAによってオークション参加にともなうコストについて話すことは制限されているが、クロール氏は、収益を犠牲にしてリーチを追求しているため、落札者は損をしていると示唆する。

「前回の入札を見てみると、この入札では当社が利益を得ることは難しく、他社も損をするのではないだろうか。これはまさに、勝者がしばしば損をするという、このオークション、というよりむしろほとんどのオークションの作られ方だ。つまり、落札者が過剰な値段を付けるという『勝者の呪い』そのものだ」。

同氏は「当社は非常に慎重に入札したので、損をするというようなことにはなっていない。前回幸運にもスロベニアの枠を落札した。スロベニアは美しい国だが、やはり当社の収益には影響しないし、この落札は予想もしていなかった。これは、基本的にゲームに参加するためのものだが、財務上のリスクはない」とし「当社が落札できることはまずないだろうと思っていたため、[現在オークションに参加しているものの、ほとんどが落札できないエコシアにとっての]財務リスクはそれほど大きくないが、実際に落札した他社にとっては話は異なるかもしれない」と付け加える。

クロール氏は、このオークションモデルによって、Googleは競合企業を弱体化させながら市場シェアを伸ばし続けることができたと指摘する。

「検索によって損をしてでも、シェアを拡大しようとする企業は割りと多くある。そして結局Googleはそのすべてのシェアを獲得し、同時に競合企業を弱体化させている」と同氏は主張し「競合企業はシェアの拡大に費用をかける必要があるからだ。また、少なくともオークションが始まった当初は気づかなかったことだが、本物の検索会社であれば【略】ブランドを構築し、製品を産み出し、そのためにあらゆる投資を行い、本物のユーザーがいるはずだ。そしてそういった状況であり、真の意味での選択画面があれば、ユーザーはそのブランドを自ずと選ぶ。しかし、このオークションモデルの選択画面では、基本的には、すでに獲得しているであろうユーザーのためにコストをかけることになる」と語る。

「つまり、そういう企業は不利になってしまう。ダックダックゴーや当社のような『真のUSP(独自の強み)』を持っている企業がそうだ。Lilo(リロ)、そしてクワントさえも、基本的に検索でより自国民よりのアプローチを取っていれば、そうなる可能性がある。これらの企業は、さらに不利な立場に置かれることになる。これは不公平なことだと思う」と同氏はいう。

オークションの勝者のほとんどは、Googleのように、検索ユーザーのデータを収集して広告ターゲティングで利益を得るという監視資本主義に関わっている。そのため、EUの競争法執行が、ウェブを支配しているプライバシー上好ましくないビジネスモデルを打ち砕く(そして、より健全な代替検索エンジンが参入するきっかけをつかむ)方策として機能することを当てにしていた人がいたとしたら、ひどく失望していることだろう。

広告のために消費者を追跡しない、あるいはエコシアのように完全に非営利のミッションに基づく、より優れた代替検索エンジンは明らかに迫害されている。

欧州委員会は、抗議を聞いていなかったとは言えない。Googleがオークションモデルを発表すると直ぐに、ライバル企業らはそのモデルの欠陥、不公正、不公平、持続不能性を非難し、(確かに、Googleの「広告収益モデルのための行動ターゲティング」を模倣しているわけではないので)競争上不利になると訴えていた。

それにもかかわらずこれまでのところ、最大手のプラットフォーム企業らに対して、公正な事業を保証するための大規模な新規則を大々的に提案しておきながら、欧州委員会は対応する気がない、あるいは、対応できない様子だ。しかし、なぜ欧州委員会は、Googleのようなテクノロジー大手に対して、既存のEU規則をより効果的に行使しないのかという疑問が生じる。

TechCrunchからGoogleのAndroidの選択画面オークションモデルに対する批判を欧州委員会に提起したところ、欧州委員会は月並みな主旨で回答してきた。そこには「選択画面がユーザーの選択を促進する効果的な方法であることは過去に見てきた」と書かれている。

「選択画面は、EEA(欧州経済領域)加盟国のすべての新しいAndroid端末の起動時に、ユーザーに追加の検索プロバイダーを提示することを意味する。これにより、ユーザーは新たに購入したAndroid端末のセットアップ時に、好みの検索プロバイダーを選択できるようになった」と述べ「この決定が完全かつ効果的に実施されるよう取り組む」と付け加えている。

「そのため、選択画面の仕組みの適用状況を注意深く監視している」という。これは、Googleが2018年のEUの裁定を「遵守」し始めて以来の決まり文句だ。

わずかな進展だが、欧州委員会は「市場からの関連するフィードバック」と称し、選択画面の仕組みについてGoogleと協議したことも明らかにした。

同委員会は「選択画面の表示と仕組み、およびライバル検索プロバイダーを選択する仕組み」を中心に話し合ったと述べている。

しかし、時は刻々と過ぎ、Google検索に代わる真の選択肢は市場からますます排除されている。そして、欧州の消費者はプライバシーを侵害するAndroid上での検索に対して有益な代替手段を提供されないままとなっているが、規制当局は何を待っているのだろうか。

欧州委員会でMargrethe Vestager(マルグレーテ・ベスタガー)氏が競争政策を担当して以来(そして2019年からはEUのデジタル政策の重要な決定者でもある)、肝心なところでテクノロジー大手への姿勢が弱腰になっているように思われる。

テクノロジー大手と対峙することを厭わないという評判を得て、過去5年以上に渡りGoogle(およびその他の企業)に対して、注目を浴びる数々の罰金を科してきたにもかかわらず、最近のGoogleの事例に限って言えば、モバイルデバイスでの検索、スマートフォンのOS、検索広告の仲介などで、同氏が市場のバランスを取り戻すことに成功したとは言えない。

それでもなお、同氏は、2020年末のGoogleによるウェアラブルメーカーFitbit(フィットビット)の買収について、このテクノロジー大手がさらなる支配を固めることに多くの反対の声があったにもかかわらず、甘んじて受け入れている。

関連記事:EUがグーグルのFitbit買収を承認、健康データの広告利用を10年間禁止することで合意

その際、同氏は、その懸念に対処するにはGoogleが確約した譲歩で十分だと言い訳がましく主張した(例えば、少なくとも10年間はフィットビットのデータを広告に使用しないという約束をGoogleから引き出した)。

しかし、Googleが一連のEU反トラスト法の裁定を遵守しているかどうかを監視してきた同氏の実績を考えると、Google以外の誰が、同社に対する欧州委員会の命令執行能力や意思を信じることができるだろうか。そうこうしている間に、Googleのやり方に対する不満は、蓄積される一方だ。

欧州委員会の対応についてクロール氏は「聴いているとは思う」と述べ、そしてこう続けた「しかし、見たいのは行動だ」。

関連記事:「Googleに葬られる前に制裁措置を」135の企業や組織がEUの独占禁止法トップに訴える

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ヨーロッパGoogleAndroid独占禁止法検索Google検索検索エンジン

画像クレジット:Ecosia

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

「システムアップデート」を装ったAndroidの新たなスパイウェアはデバイスを完全に制御する

セキュリティ研究者らによると、重要なシステムアップデートを装った新しい強力なAndroidのマルウェアは、被害者のデバイスを完全に制御し、データを盗むことができるという。

このマルウェアは、AndroidデバイスのアプリストアであるGoogle Play以外の場所からインストールされた「System Update(システムアップデート)」という名のアプリにバンドルされていることが判明した。ユーザーがインストールするとこのアプリはその姿を隠し、被害者の端末から攻撃者のサーバーにデータを密かに流出させる。

悪意のあるアプリを発見したモバイルセキュリティ企業Zimperiumの研究者によると、被害者がこのアプリをインストールすると、マルウェアは端末を遠隔操作するために使用されている攻撃者のFirebaseサーバーと通信する仕組みになっているとのこと。

このスパイウェアはメッセージ、連絡先、デバイスの詳細情報、ブラウザのブックマークや検索履歴を盗み出し、マイクから通話や周囲の音を録音し、携帯電話のカメラを使って写真を撮影することができる。また、被害者の位置情報を追跡したり、文書ファイルを検索したり、デバイスのクリップボードからコピーされたデータを取得したりもするという。

このマルウェアは被害者から姿を隠し、画像全体ではなくサムネイルを攻撃者のサーバーにアップロードすることでネットワークデータの消費量を減らし、捕捉を逃れようとする。また、位置情報や写真などの最新のデータをキャプチャする。

ZimperiumのCEOであるShridhar Mittal(シュリダー・ミッタル)氏は、今回のマルウェアは標的型攻撃の一環である可能性が高いと述べている。

ミッタル氏は「これまで見た中で最も巧妙なマルウェアです」と語った。「このアプリの開発には多くの時間と労力が費やされていると思います。このようなアプリは他にもあると思われますが、できるだけ早く見つけられるように最善を尽くしています」とも。

Android端末で動作するシステムアップデートを装ったマルウェアのスクリーンショット。このマルウェアは、感染したデバイスを完全に制御できる(画像クレジット:Zimperium)

ユーザーを騙して悪意のあるアプリをインストールさせることは、被害者の端末を危険にさらすシンプルかつ効果的な方法だ。Android端末では、アプリストア以外からアプリをインストールしないよう警告されるのもそのためだ。しかし、古いデバイスの多くは最新のアプリが動作しないため、ユーザーは海賊版アプリストアの古いバージョンのアプリに頼らざるを得ない。

ミッタル氏は、Google Playからこの悪質アプリがインストールされることはなかったと確認している。Google(グーグル)の広報担当者は、同マルウェアがAndroidアプリストアに侵入するのを防ぐために同社がどのような措置を講じているかについてはコメントを控えた。Googleはこれまでにも、悪質なアプリフィルターをすり抜けてしまうことがあった。

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被害者のデバイスに広範囲に渡ってアクセスすることができるこの種のマルウェアは、さまざまな形態や名前があるが、主にすることは同じだ。インターネットの黎明期には、ウェブカムを使って被害者を盗撮するリモートアクセス型トロイの木馬(Remote Access Trojans、RAT)が存在した。現在では、子供用の監視アプリが、ユーザーの配偶者を監視するために転用されることが多く、ストーカーウェアや配偶者ウェアとして知られている。

2020年にTechCrunchは、表向きは子ども用の監視アプリであるKidsGuardストーカーウェアが、同様の「システムアップデート」を利用して被害者の端末を感染させたことを報じた。

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研究者たちは、今回のマルウェアを作ったのが誰なのか、誰をターゲットにしているのかはわからないという。

「このところ、モバイル端末を狙ったRATが増えてきています。攻撃者たちは、モバイル機器にも同様に多くの情報があり、従来のエンドポイントよりもはるかに保護されていないことに気づいているのでしょう」とミッタル氏は述べている。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Androidマルウェア

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

ClubhouseのAndroid版リリースは2、3カ月先

ソーシャルオーディオアプリの「Clubhouse」(クラブハウス)は、先月Android(アンドロイド)ソフトウェア開発者を採用したことに続き、期待されているAndroid版のリリース時期を発表した。Clubhouseの共同創業者であるPaul Davison(ポール・デイヴィソン)氏が、米国時間3月21日に行われたタウンホール(Townhall)イベントで、同社はAndroidに参入するために「真剣かつ懸命に」努力しているが、その実現には「2、3ヵ月かかる」と発言したのだ。すなわちその時期は、2021年の晩春から初夏にかけてになると思われる。

Clubhouseは1月下旬のブログで、Android版の開発を「すぐに」開始すると述べていたが、そのバージョンを公開できる時期についてはまだ何も約束していなかった。時期を述べる代わりに、Androidに関する発言のほとんどは、Androidユーザーをサポートすることの重要性や、自社アプリをより多くの顧客に利用してもらえるようにするといった、曖昧な表現になっていた。

一方、Clubhouseの最大のライバルであるTwitter Spaces(ツイッター・スペース)は、Clubhouseの遅れに乗じて、かなりの数のAndroidユーザーも含むかたちで、プラットフォームを横断し多くの人に急速に展開を行っている。例えば2021年3月にはTwitter SpacesはAndroidのユーザーにも開放され(ルームの作成は一部のユーザーに限られている)、Androidユーザーなら誰でもライブオーディオルームに参加して会話をすることができるようになった。その直後にTwitterは、2021年4月にはTwitter Spacesを一般公開する予定であると発表した。Clubhouseが開発を加速し、今後数週間のうちに招待制を解除しない限り、Twitter SpacesがClubhouseを大きく先行することになる。

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3月21日に開催されたClubhouseタウンホールでは、共同創業者のデイヴィソン氏が、Androidユーザーが参加するような大きな市場にスケールアップするための同社のアプローチについて、より多くのユーザーにアクセスを開放するためには、ゆっくりとしたペースが必要であると説明した。そしてClubhouseが成長するときには、その結果アプリ内での発見体験に悪影響が及ぶ可能性があると指摘した。例えば最近のユーザーは、フィードに外国語のグループが多く表示されるようになって、友人たちや一部の優れたコンテンツを見つけるのに苦労しているという。

こうした課題に対処するため、Clubhouseはいくつかの変更を予定している。その中には、アプリのアクティビティフィードの調整、ユーザーがプッシュ通知をより制御できるようにするツール、アプリを最初に開いたときに画面に個人向けおすすめのroomのリストを表示するといったパーソナライズ機能の提供などがある。同社はこのような改善が、たとえClubhouseアプリがより多くのユーザーに向けて拡大できた場合にも、成功するためには必要だと考えている。

一方で、Clubhouseの招待制を止めることについてデイヴィソン氏は「今後数カ月のうちに」と話している。彼は「他の場所では視聴者を獲得されているのに、Clubhouseにはまだ登録なさっていない、すばらしいクリエイターの方ががたくさんいらっしゃる」ことから、アプリを誰にでも開放したいと考えている。

「誰にでも開放することが、とても重要になってきます」とデイヴィソン氏はいう。「Androidは本当に重要なものになるでしょう。ローカライズが非常に重要になるのは明らかです」。そして、Clubhouseをより利用しやすくすることも重要だったと彼はいう。

ClubhouseのAndroid版がないことで、同社はすでにいくつかの複雑な問題を抱えている。

多くのAndroidアプリ開発者が、市場に空いた穴を利用して独自の「Clubhouseガイド」を販売している。このガイドは、同じアプリアイコンを使用してClubhouseを探しているAndroidユーザーを意図的に混乱させることを目的としている(Googleはこのような価値の低い、あるいは侵害的なコンテンツをPlayストアから排除する気はないようだ)。

最近では、サイバー犯罪者もこの活動に参加するようになった。彼らは、ユーザーを騙して自分たちの悪意あるアプリをダウンロードさせるために、Clubhouseの偽バージョンを作成し、Clubhouseのウェブサイトのよくできた複製サイトへ導くことさえある。こうしたのアプリの中には、Facebook、Twitter、Amazonなどを含む450以上のサービスのユーザーのログイン認証情報を盗む、マルウェアBlackRock(ブラックロック)を拡散するものがあることが判明している

デイヴィソン氏はタウンホールでこの問題を取り上げ、AndroidでClubhouseになりすまそうとしているアプリをみかけたら「有害な可能性があるので」使わないようにとユーザーに警告した。

彼は「それが本物のClubhouseではないことは確かです。PCの場合でも同じです。ClubhouseにはPC用のアプリはありません」と述べ、デスクトップ版Clubhouseは同社にとって優先度の高いものではないと付け加えた。

タウンホールではその他にもさまざまな発表があったが、特に注目すべきは、クリエイター向けのツールを充実させる計画だった。これらは、クリエイターが自分の番組の視聴者を増やし、さらには、直接支払い、購読、ブランドスポンサー、さらには 「有料イベント」などの手段で自身のイベントを収益化することに重点を置いている。Clubhouseは、メンバーシップの管理や、リスナーやリテンション(継続率)に関する指標を把握するためのツールも提供する予定だが、具体的なツールの内容や提供時期については詳細にはなっていない。

タウンホールイベントでの発言内容についての詳細なコメントを問い合わせたが、Clubhouseはまだ応じていない。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ClubhouseAndroid音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

Twitterの音声ソーシャルネットワーク機能「Spaces」がClubhouseより先にAndroidで利用可能に

Twitterは米国時間3月2日「Spaces(スペース)」として知られるライブ音声チャットルームをAndroid(アンドロイド)のユーザーに開放すると発表した。Twitter Spacesは2020年12月下旬に、一部のiOSユーザーを対象にプライベートベータによるテストが開始されていた。同社によると、Androidユーザーは当面の間、Space(チャットルーム)に参加して話すことができるだけで、自分でSpaceを作成することはできないという。

関連記事:Twitterが音声によるソーシャルネットワーク機能「Spaces」のベータテストを開始

Twitterでは「間もなく」その機能も追加される予定だと述べているが、それがいつになるのか、正確な時期は不明だ。

Androidのみなさん、私たちのベータ版は成長しています! 今日からどのSpaceにも参加して話すことができるようになります。間もなく自分のSpaceを作ることができるようになりますが、まだ私たちはいくつかの作業に取り組んでいるところです。タイムライン上に表示されるSpacesのライブ配信に注目してください。

同社はベータ版をデビューさせてから数カ月、Twitter Spacesの拡大に向けて取り組んでおり、そのロードマップについては非常に明確に示されている。

2021年2月にTwitter Spacesの開発チームは、ユーザーがフィードバックを提供したり、質問をしたり、Twitterが近い将来そして今後どのような製品を開発していくのかを知るためのSpacesを作成し、ユーザーを招待した。このライブチャット中、Spacesが3月にはAndroidでも使えるようになることをTwitterは認めた。

また、リスナーを表示する方法に修正を加えることも約束していた。

Spacesに実装される機能については、ベータ版で試験的に公開されている。各Spaceにはタイトルと説明文が付けられ、共同主催者やモデレーター(司会者)を設定でき、ゲストのリストを表示できる。スケジュールを設定するオプションも用意されている。Twitterはまた、タイムラインに表示されるプレビューカードをアップデートしたり、アクセシビリティの観点から「キャプション」機能をより正確に再定義したりといった調整も続けてきた。

Android版やスケジューリング機能など、新しく開発されたものについては、その時間枠が数カ月ではなく、数週間という単位で約束されていた。

この速い開発ペースによって、Twitterは現在「ソーシャルオーディオ」市場をリードしているライバルのアプリ「Clubhouse(クラブハウス)」より早くAndroid版の提供を可能にした。Clubhouseは現在も、招待されたiOSユーザーしか参加できない。

このことは、11月に初めて発表されたばかりのこの新製品に、Twitterがリソースを投入していることの現れだ。明らかにTwitterは、ソーシャルオーディオが勝たなければならない市場であると考えている。

同社はまた、現在開発している大規模なクリエイター向けプラットフォームの重要な一部として、Spacesに広範な可能性を見出している。先週の投資家向け説明会では、例えば、SpacesやNewsletters(ニュースレター)などの新製品と、有料サブスクリプションの「Super Follow(スーパーフォロー)」を結びつける構想を語っていた。

Twitterはまた、現在「Shopping Card(ショッピングカード)」という新機能もテストしている。これはユーザーが「Shop(ショップ)」ボタンを押すと直接製品ページにリンクする投稿をツイートできるようにするもので、こちらもまた同様に、新たなクリエーター向けの機能に該当すると思われる。

Twitterが新たなショッピング機能を実験中

店舗サイトの商品ページへのリンクを含むツイートとして、新しいTwitterカードのテストを実施中

新スタイルのTwitter Shopping Cardには、以下の項目が表示されます。

– 製品名
– ショップ名
– 製品価格
– 「ショップ」ボタン

<-旧 | 新->

Androidを使っているTwitterユーザーの中には、Google Play(グーグルプレイ)にあるTwitterベータアプリを利用して、今回の発表前からすでにSpacesに参加する方法を見つけていた人もいた。

だが、今後は別途ベータアプリを使う必要はない。Spacesのライブ配信が開始されると、Twitterのタイムラインの一番上に表示され、Androidユーザーも参加することができる。

関連記事:Twitterが同社初となる有料クリエイターサブスク機能「スーパーフォロー」発表、サービスの構造が劇的に変わる可能性

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterSpacesAndroid音声ショーシャルネットワーク

画像クレジット:Twitter

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルが次期Androidアップデート内容を発表、危険なパスワードの警告機能やSMSの送信予約機能が追加

Google(グーグル)は米国時間2月23日、Android(アンドロイド)に搭載される6つの新機能を発表した。パスワードの検査機能とテキストメッセージの送信日時設定機能が新たに搭載された他、画面読み上げ機能「TalkBack」やGoogle マップ、Google アシスタント、Android Auto(アンドロイドオート)といった既存のアプリにも改良が施された。2021年春に導入されるこれら一連の小規模な最新アップデートは、iOSの「ポイントリリース」と似たもので、より大規模なアップデートの周期以外に、Androidに新機能や改善を加えるものだ。

まずセキュリティ面では、このアップデートはAndroid 9以降が作動しているデバイスに「Password Checkup(パスワード・チェックアップ)」と呼ばれる機能を統合させる。これは、ユーザーが入力したパスワードが、以前流出したことがものと一致すると警告を表示する。

この機能は、Androidユーザーがアプリやサービスに迅速にサインインするための「Autofil(自動入力サービス)」と連携して動作し、ユーザーがパスワードを入力すると、Password Checkupがそれを既知の漏洩したパスワードのリストと照合して信頼性を検査する。このリストと合致した場合はユーザーに警告し、変更を促す。

画像イメージ:Google

このプロンプトから、直接Google パスワードマネージャーのページに移動し、これまで保存されたすべてのパスワードを見直して、同様の問題がないか確認することもできる。

この機能を使用するには、自動入力サービスを有効にする必要がある(設定 > システム > 言語と入力 > 詳細設定 > 自動入力サービスとタップし、「Google」が選択されていることを確認)。

今回のアップデートで導入される「メッセージ」の新機能は、頻繁にSMSを利用する人ならAndroidへの乗り換えを検討するかもしれない。それはSMSが発明されて以来、最も求められていた機能の1つ、テキスト送信の日時予約だ。

画像イメージ:Google

この新しいスケジュール送信機能を使えば、いつでも時間がある時に先にメッセージを作成しておき、後でもっと最適な時間になってから自動的に送信するように設定しておくことができる。これは他のタイムゾーンにいる友人や家族、同僚にメッセージを送る場合など特に便利だ。こちらは仕事中でも、あちらは仕事を終えて、眠っていたり家族との時間を楽しんでいるかもしれない時、相手の都合が良さそうな時間を設定しておけば、迷惑をかけずに済む。また、メッセージを送るつもりだったことを夜遅くなってから思い出すことが多い人にも役立つだろう。

この機能を使用するには、いつものようにテキストを書いてから、送信ボタンを長押しして、メッセージを配信する日時を選択するだけ。ただし、Androidのメッセージアプリを最新バージョンにアップデートする必要がある。

今回のアップデートにおける主な改良の1つは、「TalkBack」という名前で知られるAndroidのスクリーンリーダー(画面読み上げ機能)を、目が見えない人や弱視の人にとって、もっと使いやすくすることだ。これまでもTalkBackでは、自分の声とジェスチャーでデバイスをナビゲートすることができ、読み、書き、メールの送信、ソーシャルメディアの共有、注文などを行うことができた。

画像イメージ:Google

アップデートされたバージョン(TalkBack 9.1)では、新たに10を超えるマルチフィンガージェスチャーを採用。テキストの選択や編集、メディアの操作、ヘルプの取得など、一般的なアクションを実行することができるようになる。Googleによると、これはPixelとSamsung GalaxyのOne UI 3以降を搭載するデバイスで機能するという。

Googleは、TalkBackのマルチプルメニューがまぎらわしいというユーザーからのフィードバックにも応え、ユーザーが求めるシングルメニューに戻している。これはコンテキストメニューに対応し、一般的な機能には統一されたアクセスが提供される。

その他の改良としては、右上にスワイプすること25以上の音声コマンドが使える等の新しいジェスチャーが加わった他、読み上げコントロール機能ではページをスキップしたり、見出しのみを読んだり、一字または一句ずつ聞くことができるようになった。

ユーザーは、TalkBackのメニューや読み上げコントロールにオプションを追加または削除したりして、インターフェイスをカスタマイズすることもできる。さらに、TalkBackの点字キーボードにはアラビア語とスペイン語のサポートが追加された。

今春のアップデートではGoogleマップ、Googleアシスタント、Android Autoにも細かな改善が施されている。

マップにはダークモードが追加され、「設定 > Theme(テーマ)」で「Always in Dark Them(常にダークテーマ)」を選択すればデフォルトでダークモードを有効にすることもできる(訳者注:日本語版の表示がどうなるかは現時点では不明)。

画像イメージ:Google

Googleアシスタントのアップデートでは、携帯電話がロックされているときや、部屋の中で手元から離れた場所にある時でもこの機能を使うことができるようになる。Googleアシスタントの設定で「Lock Screen Personal Results」(訳者注:こちらも日本語版の表示がどうなるかは現時点では不明)をオンにした後、必要なときに「Hey Google」と呼びかければよい。

また、Googleによれば、携帯電話がロックされているときに表示されるカードが、ひと目で読みやすいように変更されるという。

そしてAndroid Autoでは、カスタム壁紙の他、トリビアや「Jeopardy!(ジェパディ!)」のような「Hey Google」コマンドを使って音声で起動するゲームが追加される。

画像イメージ:Google

起動画面には、連絡先にアクセスしたり、Googleアシスタントを使って天気の確認や温度の調整などが行えるショートカットも用意される。ワイドスクリーンを搭載するクルマでは、画面を二分割して、運転席側にマップ、助手席側にメディアコントロールを表示すること等も可能になる。

Android Autoの新機能は、Android 6.0以降を搭載しているスマートフォンとそれに対応した車載システムを搭載する車種で「今後数日以内に」利用可能になると、Googleは記している。

関連記事:グーグルが最初のAndroid 12開発者プレビューを公開

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAndroid

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルが最初のAndroid 12開発者プレビューを公開

Google(グーグル)がAndroid 11の最初の開発者プレビューを発表してからほぼ1年後、同社は米国時間2月18日、Android 12の最初の開発者プレビューを公開した。新型コロナウイルスの影響で、GoogleはAndroid 11のロールアウトを少し遅らせたものの、それによってAndroid 12がスケジュール通りにいかなくなるということはなかったようだ。初期の開発者プレビューということから予想されたとおり、今回の変更点のほとんどはフードの下にあり、それを操ってみたいと思う勇敢な非開発者のためのOTAアップデートはまだ用意されない。

関連記事:GoogleがAndroid 11最初のデベロッパープレビューを公開

画像クレジット:Google

今バージョンにおけるハイライトは、現在明らかになっているものの中では(今後のプレビューサイクルを通じて、Googleがさらにユーザーインターフェイスの変更やUIの刷新を行う傾向にあることは留意すべきだ)AVIF(AV1 Image File Format)のような、より高画質のフォーマットにメディアを変換する機能や、速度と応答性が改善された通知などとなる。開発者向けには、プラットフォーム内の変更を個別に有効 / 無効に切り替えられる機能が用意された。これによって開発者は自分が作ったアプリの互換性を簡単にチェックできる。Googleはまた、Android 11の時に同様に、Platform Stability と呼ばれるマイルストーンをAndroid 12にも設定することを約束している。これはアプリに関わる変更点が最終的に確定したことを開発者に知らせるもので、2020年は7月にAndroid 11のBeta 2がリリースされたとき、Platform Stabilityに到達した。

「バージョンを重ねるごとに、我々はこのOSがよりスマートに、より使いやすく、より優れたパフォーマンスを発揮できるように、プライバシーとセキュリティを核に改良を続けています」と、Googleのエンジニアリング担当VPであるDave Burke(デイヴ・バーク)氏は述べている。「Android  12では、すばらしいユーザー体験を構築する新しいツールを提供することにも取り組んでいます。まず、アプリが最新の動画フォーマットに対応していない場合でも、簡単に動画や画像のリッチコンテンツをコピー / ペーストできるメディアトランスコーディング互換機能。また、プライバシー保護の追加、UIのリフレッシュ、アプリの応答性を維持するためのパフォーマンスの最適化も行っています」。

画像クレジット:Google

明らかに、Android 12には数十の開発者向けアップデートが施されている。そのいくつかを詳しく見てみよう。

たとえばAndroid 12のWebViewに、GoogleはChrome(クローム)で動作するものと同じSameSite Cookieを実装する。同社は2020年、広告主がChromeで閲覧者のサイト間の行動を追跡することを困難にしたこの変更の導入を遅らせた。それは単に、あまりにも多くのサイトで問題が発生したからだ。現在はこの機能がChromeに完全に実装され、Androidチームも明らかにそう感じているため、WebViewに同じ機能を実装することが可能になった。これは他のアプリでもウェブコンテンツを表示するために使用される。

エンコーディング機能に関して、バーク氏は「モバイルデバイスにおけるHEVCハードウェアエンコーダーの普及にともない、カメラアプリは旧来のコーデックよりも画質と圧縮率が大幅に改善されたHEVCフォーマットで録画することが増えています」と指摘する。ほとんどのアプリがHEVCをサポートしているが、そうでないアプリのために、Android 12はHEVCをAVCにトランスコードするためのサービスを提供すると、バーク氏は記している。

画像クレジット:Google

さらにAndroid 12では、画像やGIFに似た画像シーケンスを収めるコンテナとして、AV1 Image File Formatをサポートする。「他の最新の画像フォーマットと同様に、AVIFは動画圧縮コーデックからフレーム内エンコードされたコンテンツを利用します」と、バーク氏は説明する。「これは、JPEG などの古い画像フォーマットと比較して、同じファイルサイズでも画質が劇的に向上します」。

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毎回Androidの新バージョンがリリースされる度に、Googleは通知システムをいじくり回しているが、今回のリフレッシュでは「よりモダンに、より使いやすく、より機能的になる」とチームは約束する。バーク氏によれば、トランジションやアニメーションが最適化され、アプリが独自のコンテンツに合わせて通知をデコレートできる機能も備わるという。Googleはまた、以前に推奨していたような、中間にBroadcastReceiverやサービスを介さず、通知からアプリにユーザーを即座に移動させるシステムを実装するように開発者に求めている。

画像クレジット:Google

Android 12では他にも、最大24チャンネルとなったマルチチャンネルオーディオ(音楽や他のオーディオアプリには間違いなく恩恵を受ける)や、空間オーディオ、 MPEG-Hサポート、音と触覚を結合させた効果(音に合わせて振動の強さや速さが変えられる。ゲームには間違いなく恩恵を受ける)などの機能サポートが向上する。また、ジェスチャーナビゲーションの改善や、その他多くの最適化、OS全体に渡る小変更などが施される。

Googleはまた、Project Mainlineにも引き続き力を入れている。これはAndroid OSのコア機能を、Google Playシステムを介してアップデートできる機能で、ハードウェアメーカーの遅れがちなアップデートを待たずに済む。

Android 12では、MainlineにAndroid Runtimeモジュールが加わることで、Googleがデバイスにコアランタイムとライブラリのアップデートを施すことが可能になる。「これによって我々は、ランタイムのパフォーマンスと正確性を向上させ、メモリをより効率的に管理し、Kotlin(コトリン)の操作を高速化することができます。システムをフルアップデートさせなくとも、これらのすべてが可能になります」と、バーク氏はいう。「また、既存のモジュールの機能も拡張しました。たとえばシームレスなトランスコーディング機能を、アップデート可能なモジュール内で提供しています」。

Android 12の変更について、すべての詳細はこちらで見ることができる。

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Android 12に自分たちのアプリを適応させたいと考えている開発者は、Pixel(ピクセル)のデバイスにシステムイメージをインストールして、今から作業を始めることができる。現在Android 12がサポートしている機種は、Pixel 3 / 3 XL、Pixel 3a/ 3a XL、Pixel 4/ 4 XL、Pixel 4a/ 4a 5G、Pixel 5のみだ。GoogleのAndroid Studioに用意されているAndroidエミュレータでもシステムイメージを使うことができる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAndroidAndroid Studio

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

JR東日本が「モバイルSuica」をAndroid版中心に3月21日リニューアル、PASMO併用可能に

JR東日本が「モバイルSuica」をAndroid版中心に3月21日リニューアル、PASMO併用可能にJR東日本は2月10日、モバイルSuicaのサービスを3月21日にリニューアルすると発表しました。Android版を中心に、スマートフォン向けの新しいアプリになります。

Android版では、iOSでは対応済みの複数枚発行に対応するほか、おサイフケータイアプリとの連携によりモバイルPASMOとの使い分けも可能になります。端末変更の手続きもシンプルになるとのことです。

また、これまで出来なかったiOS(Apple PayのSuica)から、AndroidへのSuicaへの移行が可能になるなど、AndroidとiOSで機能差がなくなり、利便性が大きく向上しそうです。

「スマートフォン仕様の新しいアプリ」とうたっているので、従来のフィーチャーフォン時代のインターフェースは姿を消すことになりそうです。

JR東日本が「モバイルSuica」をAndroid版中心に3月21日リニューアル、PASMO併用可能に

なお、リニューアルに伴い、3月20日(土)午前11時頃~3月21日(日)午前7時頃までの間システムメンテナンスを実施し、一部のモバイルSuicaサービスが停止します。

現金チャージや設定済みのオートチャージ、チャージ済みSuicaの利用は可能ですが、アプリからのチャージや定期券、グリーン券の購入や払い戻しなどが行えなくなります。

リニューアルおよびシステムメンテナンスに関する注意点は、特設サイトで案内されているので詳細はそちらで確認をお願いします。

Engadget日本版より転載)

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タグ:Android(製品・サービス)Google / グーグル(企業)Google Play(製品・サービス)JR東日本(企業)Suica日本(国・地域)

モバイルアプリが成長を続けた2020年、ダウンロード数は記録的な2180億件に、消費者支出は約1兆4900億円

新型コロナウイルスの影響もあり、2020年はモバイル市場が成長を続けた。App Annie(アップアニー)が毎年発表している業界リポート「State of Mobile(モバイル年鑑)」によると、モバイルアプリのダウンロード数は前年比7%増の2180億件となり、2020年に過去最高を記録。消費者支出も20%増加し中国、米国、日本、韓国、英国などの市場が牽引したことで、1430億ドル(約1兆4900億円)という新記録を達成した。

消費者は、Android(アンドロイド)端末だけでも、3兆5000億時間もアプリを使って時間を過ごしたことが、この報告書で明らかになった。

画像クレジット:App Annie

米国では、アプリの利用時間がテレビの視聴時間よりも増えているという変化も起こっている。現在、平均的な米国人は1日に3.7時間のTV放送を観ているが、モバイルデバイスを使って4時間も過ごしている。

アプリ利用時間の増加は米国のみに限った傾向ではなく、インドネシア、ブラジル、インドなどモバイル市場が発展途上の国々や中国、日本、韓国、英国、ドイツ、フランスなどの国々でも見られる。

また、この傾向は特定の人口層に限られるわけでもなく、年齢層を超えて見られるものだ。たとえば米国ではZ世代、ミレニアル世代、X世代 / ベビーブーマー世代は、最も使用しているアプリに費やす時間がそれぞれ前年比で16%、18%、30%増加している。しかし、世代によってそのお気に入りのアプリというのは大きく異なる。

米国のZ世代に人気が高いAndroid向けアプリは、Snapchat(スナップチャット)、Twitch(ツイッチ)、TikTok(ティックトック)、Roblox(ロブロックス)、Spotify(スポティファイ)など。

ミレニアル世代はDiscord(ディスコード)、LinkedIn(リンクトイン)、PayPal(ペイパル)、Pandora(パンドラ)、Amazon Music(アマゾン・ミュージック)を好む。

X世代 / ベビーブーマー世代はRing(リング)、Nextdoor(ネクストドア)、The Weather Channel(ウェザー・チャンネル)、Kindle(キンドル)、ColorNote(カラーノート)などをよく使っているようだ。

画像クレジット:App Annie

この報告書によると、必ずしも新型コロナウイルスが2020年に人々のアプリの使い方を変えたわけではなく、モバイルの普及はここ2〜3年で加速したという。

その結果、投資家はモバイルビジネスへの投資にも意欲的になり、2020年はモバイル企業に730億ドル(約7兆6千億円)の資金を投入し、前年比27%増となった。Crunchbaseのデータによると、2020年に世界で調達された資金総額の26%が、モバイルソリューションを提供している企業に投資されたという。

画像クレジット:Crunchbase

2016年から2020年にかけて、モバイルテクノロジー企業への世界的な資金提供は、過去5年間と比較して2倍以上に増加している。金融サービス、交通機関、商取引、ショッピングがそれを牽引した。

また、モバイルゲームの普及率も2020年には成長を続けた。ダウンロード数ではカジュアルゲームが圧倒的に多い(78%)ものの、ゲームの消費者支出の66%、消費時間の55%をコアゲームが占めている。

新型コロナウイルスによるロックダウンや感染防止のため、多くの人が自宅に籠もる中、ソーシャルな交流を提供するモバイルゲームがブームになった。たとえば「Among Us(アマング・アス)」は、2020年に米国を含むいくつかの市場で急激に人気を博した。

画像クレジット:App Annie

他のアプリのカテゴリーでも、過去1年間に大幅な利用増加が見られた。

2020年に人々が金融アプリに費やした時間は、中国以外の世界で45%増加し、米国のRobinhood(ロビンフッド)のようなアプリが世界中で投資や取引を民主化したため、モバイルでの株式市場へ参加は55%増加した。

TikTok(ティックトック)にとっても大きな年だった。

画像クレジット:App Annie

このアプリは、インドでの利用が禁止されたにもかかわらず、前年比325%の驚異的な成長を記録し、消費時間ではトップ5アプリにランクインした。また、ユーザー1人あたりの月間平均消費時間も、分析された他のほとんどのアプリよりも急速に伸び、米国では65%、英国では80%と、Facebook(フェイスブック)を上回っている。TikTokは2021年に12億人のアクティブユーザーを突破する軌道に乗っていると、App Annieは予測している。

それ以外の動画サービスも、新規参入した市場や自宅で過ごす時間の多さが重なったことで、2020年にブームとなった。人々がモバイルデバイスで動画ストリーミングに費やす時間は40%増加した。ストリーミングアプリの消費時間は、新型コロナウイルスの影響で人々が家の中に閉じこもることを余儀なくされた第2四半期に西側(南北アメリカおよびヨーロッパ)ではピークを記録した(全世界では第3四半期がピーク)。

画像クレジット:App Annie

YouTubeはこの流れの恩恵を受け、中国を除く分析したすべての市場で、消費時間が動画ストリーミングアプリの第1位になった。YouTubeの平均月間消費時間は最大で38時間以上と、2位のアプリの6倍以上になる国もあった。

もちろん、2020年のもう1つの大きな動向は、新型コロナウイルス感染拡大の中でのeコマースの利用増加だ。これにより、中国以外の地域におけるAndroidユーザーを見てみると、ショッピングアプリに費やす時間は30%以上増加し、2020年はモバイルショッピングにとって過去最大の年となった。

画像クレジット:App Annie

しかし、2020年のモバイルコマースは、従来とは違う様相も見られた。

ソーシャルショッピングが大きなトレンドとなり、Pinterest(ピンタレスト)とInstagram(インスタグラム)の全世界におけるダウンロード数はそれぞれ前年比50%、20%の伸びを示した。

画像クレジット:App Annie

ライブショッピングも中国を筆頭に成長した。中国のTaoBao Live(タオバオライブ)、韓国のGrip(グリップ)、米国のNTWRKは、それぞれ100%、245%、85%の成長を遂げた。NTWRKは前年の2倍の規模に成長し、現在ではTikTokなど他の企業もこの分野に参入しており、ある程度の市場が形成されつつある。

画像クレジット:App Annie

新型コロナウイルスの影響は、フードやドリンクの宅配アプリの利用も増加させた。米国、アルゼンチン、英国、インドネシア、ロシアでは、第4四半期にセッション数がそれぞれ前年比60%、65%、70%、80%、105%の成長を記録した。

ビジネスアプリでは、たとえばZoom(ズーム)やGoogle Meet(グーグル・ミート)などが第4四半期に前年比275%の成長を記録したが、これはリモートワークや時にはリモート学習が続いたためである。

App Annieの分析には、ダウンロード数、支出、月間アクティブユーザー数(MAU)で上位となったアプリのリストも含まれている。

画像クレジット:App Annie

年末のグラフではTikTokが上位を占めていたが、MAU数では引き続きFacebookが上回った。MAU数ではFacebookが所有するアプリがチャートの上位を独占しており、Facebookが1位、以下WhatsApp(ワッツアップ)、Messenger(メッセンジャー)、Instagramが続く。

画像クレジット:App Annie

画像クレジット:App Annie

しかし、TikTokはFacebookよりもダウンロード数が多く、消費支出ではTinder(ティンダー)に次ぐ2位となった。

リポートの全文は、今年はダウンロードではなく、オンラインでのインタラクティブ体験でのみ提供されている。このリポートでは特に明記されている場合を除き、主としてiOS App Store(アップストア)とGoogle Play(グーグル・プレイ)の両方から収集したデータを使用している。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:アプリiOSAndroid

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(翻訳:TechCrunch Japan)

今冬AndroidにGoogleマップの簡単ルート検索やEmoji Kitchenなど6つの新機能追加

米国時間12月3日、Google(グーグル)は、この冬、Androidスマートフォンに6つの新機能が追加されれるアップデートがあると発表した。これによってGboard、Google Playブックス、Voice Access、Googleマップ、Android Auto、Nearby Shareといったアプリが改良される。

Androidスマートフォンは現在、毎年行われるOSのメジャーアップデート以外でも、数々の新機能が随時追加されている。今回のリリースはその最新のものだ。これらのアップデートでは、Androidの主な機能が最新版に更新されるわけではないかもしれないが、しかしより頻繁に、着実な改良が提供されている。

今冬のアップデートで、最も楽しいちょっとした機能の1つが、Gboardキーボードアプリに追加される「Emoji Kitchen」だ。ユーザーはお気に入りの絵文字を組み合わせて新しい絵文字を作り、それをシェアすることができる。グーグルによると、この機能が2020年初めに導入されて以来、ユーザーはこれまでに30億回以上も絵文字をリミックスしてきたという。今回のアップデートでその選択肢は広がり、デザインできる組み合わせは従来の数百から、1万4000以上に増えることになる。2つの絵文字をタップすると、それらを組み合わせた絵文字がいくつか提案されるので、その中から1つを選んで使用することができる。あるいは1つの絵文字をダブルタップすると、それをもとに「さらに感情を高めた」絵文字が提案されるという。

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このアップデートされた機能は、Gboardアプリのベータ版で配信されていたが、今後数週間のうちにAndroid 6.0以上の端末で使えるようになる予定だ。

そのほかGoogle Playブックスでは、オーディオブックの利用が広がるアップデートが施される。オーディオ版が提供されていない書籍でも、ナレーションが自動生成されるようになるのだ。グーグルは、Google Playブックスにこれらの自動ナレーション付き書籍を追加するため、米国と英国の出版社と協力したと述べている。この機能はいまのところベータ版だが、2021年初頭にはすべての出版社で展開される予定だという。

音声コマンドを使って携帯電話を操作できるアクセシビリティ機能「Voice Access」も改良される。今回のアップデートで、この機能は機械学習を活用し、スクリーン上の各アプリにインターフェースラベルを追加することが可能になる。ユーザーは追加された「戻る」や「詳細」などのボタンを参照し、音声でそれらを使ってナビゲートできる。

現在はベータ版となっているVoice Accessの新バージョンは、Android 6.0以上を搭載した世界中のすべてのデバイスで利用できるようになる。

Googleマップのアップデートでは、人々が最も利用しているアプリの1つに新機能が追加される。

新しい (おそらくWazeにインスパイアされた) 「Goタブ」を使うと、 ユーザーは頻繁に訪問している場所、たとえば学校や食料品店などを、1タップするだけでナビゲーションの目的地として設定できる。そこまでの道順や渋滞情報、通行止めなどの情報が表示され、実際の住所を入力しなくても正確な到着予定時刻がわかる。お気に入りの場所や、公共交通機関を使用するユーザーは特定のルートを「Go」タブに保存しておけば、簡単にアクセスできる。公共交通機関で乗り換えが必要な場合は、正確な発着時間、地元の鉄道会社やバス運行会社からのアラート、そして随時アップデートされる到着予定時刻を見ることができる。

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この新機能の便利な使い方としては、目的地への公共交通機関を使ったルートとドライブルートの両方をピン留めしておき、それぞれの到着予定時間を比較してより早いオプションを選択するという活用法も考えられるだろう。

この機能は、Android版だけでなくiOS版のGoogleマップにも、数週間以内に搭載される予定だ。

Android Autoは、今後数カ月間でより多くの国で利用可能になる予定だ。グーグルは当初、36カ国になると述べていたが、その後、予定が白紙に戻されたとして発表を訂正。現在は具体的な数字は挙げておらず、どこの国に導入されるということも明らかにしていない。楽しみにしていたユーザーは、今後のニュースに注目しながらしばらく待つ必要がありそうだ。

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そして最後に紹介するアップデートは、携帯電話会社の電波やWi-Fiが使えない環境でも、近くにいるユーザー同士でリンク、ファイル、写真などを共有できる「Nearby Share」についてのもの。主に新興市場を念頭に置いて設計されているこの機能は、新たにユーザーが周囲の人とGoogle Playからアプリを共有できるようになる。

これを行うには、Google Playアプリを開いて「マイアプリ&ゲーム」に追加される「アプリの共有」メニューから、共有したいアプリを選択する。この機能は今後数週間で導入される予定だ。

これらの機能の中には、すでに導入が開始されるものもあるので、「数週間」というフレームより早く利用可能になるかもしれないが、進捗はそれぞれのアップデートによって異なる。

関連記事:GoogleのGboardキーボードのEmoji Kitchenで絵文字のマッシュアップができる

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAndroidGoogle Playアプリスマートフォン

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Googleが中小企業向けモバイル端末管理サービス「Android Enterprise Essentials」発表

米国時間12月1日、Google(グーグル)は企業におけるモバイルの管理とセキュリティをサポートするAndroid Enterprise Essentials披露した(Googleブログ)。その主な対象は、名前に合わず中小企業だ。同社によると、大企業向けのデバイス管理とセキュリティのツールAndroid Enterpriseがあり、その開発経験をベースにして、よりシンプルで料金も安い今回のプロダクトを作り上げたという。

この新しいサービスでユーザーは、社員の画面をロックしたり、企業データを暗号化で保護したりといったモバイルデバイスの基本的な管理を行うことができる。社員が自由にインストールできるアプリは、Google Play Protectサービスを利用してGoogle Play Storeから行うもののみとなる。紛失や盗難に遭ったスマートフォン上の企業データは、すべてリモートで消去できる。

グーグルの説明によると、中小企業は顧客データをモバイルデバイスの上で扱うことが多いが、現在使われているデバイス管理ソリューションは中小企業のオーナーにとって複雑すぎるものが多く、使使用されずに放棄されていることが多いという。

そこでAndroid Enterprise Essentialsは、全員のデバイスをいちいち手作業で立ち上げなくても容易にセットアップができるようにした。セキュリティポリシーはリモートから適用されるため、社員はセットアップなどをしなくてもよい。企業はスマホを個人で購入させず、あらかじめポリシーを設定したAndroidデバイスを社員に渡してもよい。

グーグルによると、主に中小企業を対象としたサービスだが、高度で複雑な管理ソリューションが不要になるため、基本プラスアルファ程度のセキュリティ保護を望む大企業が利用してもよいとのこと。経験を積みサードパーティのベンダーなどの高度なソリューションを利用する前に、とりあえず社員全員のモバイルデバイスの安全を確保したいという段階的な導入でもよい。

ここ数年の間グーグルは、Androidデバイスの職場での利用を促進するためにさまざまな努力を行ってきた。Android for Work(未訳記事)やAndroid Enterprise Recommended(未訳記事)のようなサービス、Play Storeからマルウェアを排除するためのパートナーシップ、リスクの高いユーザーのための高度なデバイス保護エンドポイント保護のソリューションとなどを開発、提供してきた。

グーグルによると、Android Enterprise Essentialsの初期の展開は、米国ではSynnex、英国ではTech Dataが販売するデバイスに限定される。さらにその後はその他の販売業者にも対応し、2021年の初期にはグローバルな展開になる。2020年1月にはオンラインで立ち上げイベントを行うので、興味ある方はぜひ。

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モバイルセキュリティ企業数社と協力してGoogle Playから悪質Androidアプリを駆除
Googleの高度な保護機能プログラムに対マルウェア保護が加わる

カテゴリー:セキュリティ
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleはAndroidメッセージでエンド・ツー・エンドの暗号化をテスト予定

過去1年半の間Google(グーグル)は、Androidユーザーに対して、古くて使いにくく、そして安全性の低いSMSメッセージを置き換えることを目指して、その次世代メッセージングを展開してきた。グーグルによればその展開は終了し、来年にはAndroidにエンド・ツー・エンドの暗号化を導入する計画だという。

グーグルのRich Communications Services(RCS)は、Apple(アップル)のiMessageに対するAndroidから回答である。そこにはタイピングの表示、既読通知、その他の一般的なメッセージングアプリに期待されるものが取り込まれている。

米国時間11月19日のブログ記事(Googleブログ投稿)で、グーグルは1対1の会話から始めて、エンド・ツー・エンドの暗号化を展開する予定だと述べている。エンドツーエンドで暗号化されたグループチャットの可能性は保留中だ。ここからサインアップできるベータテスターに対して、11月の終わりから利用が可能となり、2021年まで続けられる。

エンド・ツー・エンドの暗号化により、送信者と受信者の間を移動するメッセージを途中で読むことは、グーグルでさえ不可能になる。

グーグルは、2016年にAlloを開始することで、エンド・ツー・エンドの暗号化されたメッセージングの世界に踏み込んだ。Alloアプリはデフォルトでセキュリティ機能を有効にしていない(未訳記事)という点が、セキュリティの専門家からの批判を招いた。2年後、グーグルはAlloアプリとプロジェクトを放棄した(未訳記事)。

当時、グーグルは教訓を得ることとなったのだ。一度この機能を利用可能にすると、Androidメッセージアプリではデフォルトでエンドツーエンド暗号化が行われ、会話に参加しているユーザーがRCSを無効にするまで普通のSMSには戻らない。

関連記事:GoogleがAndroid MessagesアプリでのRCSサポートを米国にて追加

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleAndroidメッセージングアプリ

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(翻訳:sako)

Googleが2000万回ダウンロードされた子供向けAndroidアプリ3つを保護違反で削除

公式アプリストアであるGoogle Play Storeには現在、300万近いアプリがある。膨大な数であるためか、中には危険なアプリが紛れ込んでいることもある。

ボストンの非営利監視機関であるInternational Digital Accountability Council(IDAC)の研究者たちが、一見無害に見える3つの若年層向けアプリがデータ収集に関するGoogle(グーグル)のポリシーに違反し、ユーザーのAndroid IDとAndroid Advertising ID(AAID)の数値にアクセスしていた可能性があることを発見した。データ漏洩はUnityやUmeng、AppodealのSDKを利用して制作されているアプリで起こっているようだった。

アプリは、3つ合わせて2000万以上ダウンロードされている。

問題となっている3つのアプリ、Princess SalonNumber ColoringCats & Cosplayは、リンクからわかるように現在はすでにGoogle Play Storeから削除されている。グーグルは、IDACにポリシー違反を指摘されてからアプリを削除したことを認めた。

「我々は、報告で言及されていたアプリが削除されたことを確認している。ポリシーに違反しているアプリを見つけ次第、そのような対応をお粉テイル」とグーグルの広報担当者は述べている。

違反行為は、今回の特定のアプリだけでなく、データ保護ポリシーの遵守をめぐる3社の一般的な態度への危惧へと繋がる。IDACの理事長であるQuentin Palfrey(クエンティン・ポールフリー)氏は「私たちの調査で見つかった行為は、このようなアプリにおけるデータの扱い方への深刻な懸念を喚起した」と述べている。

現在、グーグルとその事業の大きさに対して多くの関心が集まっているやめ、今回のインシデントは余計に目立つものとなっている。今週初めに米国司法省と11の州が同社を告訴(未訳記事)し、検索と検索広告における同社の独占的で反競争的な行為を非難した。

今回のアプリの違反は検索とは無関係だが、同社の事業規模を窺わせるに十分だ。小さな見落としが、数千万のユーザーに影響を及ぼす。また本来、アプリがストアに並ぶ前に違反はチェックされるべきだが、その膨大な数を考えるとそれも難しい。そして看過される違反は、幼いユーザーというリスクの大きい領域に影響を及ぼすことがある。

3社のうち、Creative APPSLibii Techの2社の他のアプリは健在だ。Libiiのアプリには、さまざまなキャラクターが登場する。またアプリの各バージョンはこのようなAPKサイトからいまでもダウンロードできる。iOSバージョンもあるが、IDACによると、初期の分析では同様の懸念はないという。ただし状況の監視は今後も続けるそうだ。

今回の違反行為は複雑だが、ユーザーが知らないうちにアプリを介して追跡されていることの、1つの例にすぎない。

アプリのバックグラウンドでの動きと一見無害なアプリにロードされるデータ処理の例として、IDACはアプリの開発者が利用する3つのSDKを挙げた。それらの問題発生源は、Unityの3Dエンジンとゲームエンジン、Umeng(Alibabaの子会社のアナリティクスプロバイダーでFlurry of China(未訳記事)とも呼ばれるが、アドウェアのプロバイダーという説もある)、そしてAppodeal(アプリの収益化とアナリティクスのプロバイダーの1つ)だ。

ポールフリー氏の説明によると、問題はアプリがSDKを介してアクセスするデータが、位置情報などその他のデータにリンクしていることもあるという点にある。「AAIDの情報がAndroid IDのような恒久的なIDと一緒に送信されたら、グーグルが講じた保護措置がバイパスされることもある」と同氏はいう。

IDACの報告書はすべてのSDKの違反を細かく具体的に挙げていないが、1つの例として、UnityのSDKの一部のバージョンはユーザーのAAIDとAndroid IDを同時に収集するので、プライバシーのコントロールをバイパスして長期的かつ複数のデバイスにわたってユーザーを追跡できるという。

IDACはAAIDについて「ユーザーに関するすべてのデータを1カ所に集めるためのパスポートのようなもの」という。広告主はAAIDを見てユーザーの好みなどを知り、広告のターゲティングを行う。AAIDはユーザーがリセットできるが、SDKがユーザーのAndroid IDへのリンクも提供していれば、それは静的な数値であるためユーザーを同定して追跡するための「ブリッジ」を作り始める。

IDACが見つけた違反によって取り出されたデータの量をポールフリー氏は明かしておらず、その量が判明したのかも不明だが、グーグルによると今後もパートナーシップを持続し、同様の(意図的あるいはその他の)悪者を捕まえる手順を開発していく。

これに関してGoogleの広報担当者は「共同開発の例として、広告の検証プログラムFamiliesがある。2019年に発表され、子どもやファミリー向けの広告には、子供や家族関連ポリシーへのコンプライアンスを自己証明したSDKだけを使うよう求めている。また、子ども対象のアプリには、子ども向けサービスとして承認されていないAPIやSDKが使われないよう要求している」。

2020年の4月にローンチしたIDACはFuture of Privacy Forumからのスピンオフで、これまで不妊解消アプリや新型コロナウイルス追跡アプリのデータプライバシー違反を調査してきた。今週初めには、数百万のユーザーに被害が及ぶTwitterのMoPub SDKの旧バージョンのデータ遺漏に関する所見を公開している

画像クレジット:Libii

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Android Studioが折り畳みスマホ用エミュレータを搭載、機械学習プラットフォームTensorFlow Liteのサポートも強化

Google(グーグル)は米国時間10月12日、Androidアプリの統合開発環境(IDE)であるAndroid Studioのバージョン4.1の安定版をリリースした。いつものことだが、Android Studioはバージョン番号が少し上がっただけではアップデートの効果は十分ではないが、バージョン4.1では新機能や改良された機能が数多く含まれており、Android開発者にとっては開発が少し楽になるはずだ。また、このリリースサイクルで2370件ものバグを修正し、275件の公開問題を解決した。

画像クレジット:Google

本日のリリースのハイライトは、新しいデータベースインスペクタと、開発者がTensorFlow LiteモデルをAndroidに導入可能にすることで、オンデバイスでの機械学習のサポートを強化した点、Android Studioの中でAndroidエミュレータを実行できるようになった点、エミュレータで折り畳み式のスマートフォン用アプリをテストできるようになった点だ。これに加えて同社は、さまざまな変更点についても説明している。

おそらく開発者の生産性を向上させる機能としては、Android StudioでAndroidエミュレータを実行できる点だろう。これは今夏に発表済みで大きな驚きではないが、アプリのテストのために異なるウィンドウやツールの間を行ったり来たりする必要がなくなるので、開発者にとってはうれしいアップデートだ。

テストといえばもう1つある。Androidエミュレータでの折り畳み式デバイスのサポートだ。こちらはまだニッチな市場だが、より多くの開発者がこれらのデバイスを実際にサポートするアプリを提供しやすくすることを目指している。

画像クレジット:Google

さらには、Android StudioのTensorFlow Liteモデルのサポートが改善され、開発者は機械学習モデルをアプリに導入できるようになった。

そのほかのアップデートとしては、グーグルのMaterial Design Componentsに準拠する新規プロジェクトダイアログのテンプレート搭載、Daggerナビゲーションのサポート、システムトレースUIの改善、アプリのパフォーマンスとメモリ使用量の最適化に役立つ新プロファイラなどがある。¥。

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タグ:Google、Android、Android Studio

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(翻訳:TechCrunch Japan)

第3四半期のアプリ消費額は過去最多の3兆円、コロナ禍で利用増

新型コロナウイルスパンデミック下でも、モバイルの使用は変わらず多い。新型コロナによりソーシャルディスタンス維持やロックダウンが導入され、消費者は仕事、学校、社会交流のためにオンラインに移行した。これは過去最高のアプリ支出額につながり、使用時間も急増した。App Annieの新たなレポートによると、消費者は第3四半期に世界で330億ものアプリを新たにダウンロードし、アプリで280億ドル(約3兆円)使った。この額は前年同期比20%増だ。消費者はまた、2020年7月から9月にかけて計1800億時間超をアプリで費やし、これは前年同期比25%増だ。

App Annieはこれより前に、新型コロナパンデミックが消費者のモバイル行動に長期的な影響を与えるかもしれないとの分析を示していた(App Annieレポート)。少なくとも新型コロナでモバイルの使用が2、3年先に進んだ。この傾向は第3四半期でもみられ、モバイルの使用は主要アスペクトで増えている。

画像クレジット:App Annie

画像クレジット:App Annie

第3四半期に330億回のアプリダウンロードがあり、うちGoogle Playのダウンロードは250億回で前年同期比10%増だった。一方、iOSは90億回で前年同期比20%増だった。Google Playでのアプリダウンロードの55%は非ゲームアプリで、iOSではもう少し多い70%だった。

画像クレジット:App Annie

ダウンロードが多かったマーケットは、Google Playではインドとブラジル、iOSでは米国と中国だった。インドとブラジル、メキシコがGoogle Playのダウンロード回数を押し上げ、iOSではインドと韓国が成長要因となった。

ダウンロード回数の増加は、部分的にはパンデミックと直接結びついている。

例えばメキシコでは学生がリモート学習を余儀なくされ、教育アプリのダウンロード回数は25%増え、ライブラリー&デモのアプリは270%増となった。米国の消費者はロックダウンや事業閉鎖の期間中にアクティビティを求めてアウトドアに目を向け、旅行アプリのダウンロードが50%増え、ナビゲーションアプリは25%、天気アプリは15%増えた。

全体をみると、最もダウンロードが多いゲームを除くとゲーム、ツール、エンターテインメントのカテゴリーで増加がみられた。そしてiOSのゲーム、写真・ビデオ、エンターテインメントが5四半期連続で上位を占めた。

消費者は第3四半期に過去最多の280億ドル(約3兆円)をつぎこみ、これは四半期としてこれまでで最も大きな額でもある。

支出額はiOSで前年同期比20%増の180億ドル(約1兆9000億円)、Google Playでは35%増の100億ドル(約1兆600億円)だった。支出額に占める非ゲームアプリの割合はiOSでは35%、Google Playでは20%で、これは主にサブスクリプションのおかげだ。

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iOSとGoogle Playの両方で消費者の支出額が最も多かったマーケットは米国と日本で、Google Playだけみると韓国の支出額も多かった。

アプリでの消費者支出額の増大はパンデミックとその影響に密接に結びついているとみることができる。例えばゲーム、ソーシャル、エンターテインメントが消費者がGoogle Playで最も金を使ったカテゴリーだった。エンターテインメントの中では、Disney+、Twitch、Globo Play、HBO Maxなど消費者が家にいながらして楽しめるストリーミングアプリが支出額を押し上げた。

iOSではゲーム、エンターテインメント、写真・ビデオでの支出額が最も多かった。米国ではスポーツがテレビに戻り、スポーツアプリでの支出額は前四半期から55%増えた。一方、TikTokはゲーム以外のカテゴリーで消費者支出額が2番目に多かった。しかしゲーム以外のカテゴリーで過去最多の支出額増加に貢献したのは、コミックアプリのpiccoma、YouTube、Tinder、AbemaTVだった。

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Tinderは第3四半期に回復力を見せた。パンデミックにもかかわらず、Tinderは消費者支出額で第1位の座を獲得した。Disney+も第4位へと躍進した。

しかし月間アクティブユーザーの点では、Facebook(フェイスブック)がまだ上位を牛耳っている。第1位から第4位までがフェイスブック、WhatsApp、Messenger、Instagramの順だった。次いでAmazon(アマゾン)、Twitter、Netflix、Spotify、TikTokそしてTelegramがくる。Telegramは第2四半期からランクを2つ上げて今回初めてトップ10入りした。

ゲーム部門はパンデミックの影響で引き続き利用が多い。ロックダウン中の消費者がエンターテインメントを求め、週間ダウンロード回数は約10億回を維持し、これは前年同期よりも15%多い。

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消費者はまた、第3四半期に過去最多の200億ドル(約2兆1000億円)をゲームに費やした。年末までにモバイルゲーミングはデスクトップの2.8倍、コンソールゲームの3.1倍になるとApp Annieは予想している。

第3四半期のゲームのダウンロード回数は140億回に達し、うち110億回がGoogle Playでのもので、これは前年同期比20%増だ。iOSでは26億回のダウンロードがあった。このダウンロード回数を反映して、ダウンロードが最も多かったゲームの45%がGoogle Playのもので、iOSは30%だった。

今回のApp Annieのレポート内容は、2020年10月初めに発表された調査会社Sensor Towerの第3四半期レポートとほぼ同じ傾向を示している。Sensor Towerはアプリの売上高が第3四半期に290億ドル(約3兆600億円)を超え、アプリのダウンロードは365億回だったと推定した。

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(本訳:Mizoguchi