2019年に注目すべきスマートフォンのトップトレンド

今年は、スマートフォンにとって良い年ではなかった。なにしろ、とどまるところを知らないと見られていた成長に、初めて陰りが見られたのだ。

まず2月には、Gartnerの調査がこのカテゴリを扱うようになってから初めて、前年比での減少を記録するという、幸先の悪いスタートとなった。強大なAppleでさえ、そのトレンドから逃れられなかった。そして先週には、影響力の強いアナリストMing-Chi Kuoが2019年の売上予想を引き下げたため、株価も打撃を受けた。

人々は、以前ほど頻繁には買い替えたがらなくなっただけだ。これは、フラグシップモデルのできが、どのメーカーのものを見ても、かなり良くなっていることと無関係ではない。多くのメーカーがしのぎを削って戦い続けてきた結果、自分で自分の首を締めることになったとも言える。継続的に買い換えなければならないような差し迫った理由は、もはやなくなってしまった。

もちろん、だからと言って、メーカーは戦いを止めるわけにはいかない。来年には、カメラのような、いわば通常のアップグレードに加えて、スマートフォンの「形状」に対する根本的な発想の転換、さらには5Gへの最初の試みも、いくらかは期待できそうだ。

もし運が良ければ、さらにいくつかの驚きもあるかもしれないが、以下に挙げるトレンドは、2019年の既定路線と考えていいだろう。

5G

中国広州−12月6日:2018年12月6日に、中国は広東省広州のPoly Worldトレードセンター展示ホールで開催されたChina Mobile Global Partner Conference 2018のQualcommのブースで、5G携帯電話を注視する参加者。3日間のカンファレンスは、5Gネットワークをテーマにして、木曜日に始まった。(写真は、Getty Images上のVCG/VCGによるもの)

これについては、しばらく放って置く方がいいかもしれない。ちょっと変な話ではあるが、多くの出版物が、2019年は「5Gの年」であると言いたがっている。しかしそれらはみんなフライングだ。とはいえ、来年には5G携帯電話の最初の波を見ることになるのは確かだ。

OnePlusとLGは、5G携帯電話を約束した。Samsungは、やはりSamsungらしく、その後その2社に追従することを発表した。さらにVerizonも5GのMiFiを確約し、HTCとSprintも、何だこれは、というものを発表した。

他社は、特に目立つのはAppleだが、それらの列に加わっていない。この会社は、2020年までに5G携帯電話を発売することはないと見られている。それでは、進化から取り残されてしまうと思われるかもしれないが、実は5Gというのは、マーケティング上の戦略としてこの世に登場したのだ。5Gが完全に機能するようになれば、スマートフォンや、それに続くものに対して、革新的な素晴らしい技術となる潜在能力を持っている。そして、いくつかのキャリアは、来年初めにも米国内で5Gのサービスを開始すると発表しているものの(AT&Tでさえ、フライングしている)、実際にユーザーが使う携帯電話は、より多くの時間、4Gで接続されることになりそうだ。

つまり、5Gのカバーエリアが広がるまでは、ほとんど利用しない機能ために、高額の利用料金を支払うことになる。もちろん、だからといって、ハードウェアメーカー、コンポーネントの製造会社、それと手を組むキャリアが、そうしたデバイスをできるだけ早く市場に投入するのを止めようとするはずはない。余計な出費をする前に、自分のキャリアのカバーエリアの地図を確認した方がいいだろう。

折りたたみ式


これまでに、2機種が発表された。しかし実際には1つ半といったところだろう。スマートフォンメーカーは、次の目玉を見つけ出そうと躍起になっているので、さらに何機種かを見ることになるのは間違いない。何年も待たされたあげく、これまでに登場した折りたたみ式の携帯電話は、がっかりさせられるようなものだった。

Royoleは魅力的だが、その実用化にはまだ足りないものがある。Samsungのプロトタイプは、当分の間、やはりプロトタイプに過ぎない。同社は、それを最近の開発者会議の中心に据えていたが、具体的な製品化を明らかにすることはできなかった。なぜなら、まだ完成した製品を発表するための準備ができていないからだ。

長年期待を集めてきた技術が、ようやく消費者向けとしての準備を整えた今、いくつかの会社が、さまざまな形状の製品を模索していることに期待してもいいだろう。状況から考えて、GoogleがSamsungと協力して、その形状に合わせたAndroidのバージョンを開発したことは間違いない。ちょうどAndroid Pieがディスプレイ上部のノッチに対応したのと同様だ。

もちろん、5Gと同じように、こうした折りたたみ式の製品にも特別高い価格が付けられるだろう。しかし初期の目新しさがなくなったとき、そうした製品が人生に不可欠であると消費者に納得させることは、かなり難しい課題となる。

ピンホール


ベゼルは忌み嫌われている。良かれ悪しかれ、ノッチはフラグシップのスマートフォンの主流となっている。実際に誰もが(Samsungを除いて)、エッジ・トゥ・エッジを実現するために、その切り欠きを採用している。Googleでさえ、それをAndroidに取り込んだ(世の中にノッチを普及させておきながら、Pixel 3 XLは一段と高いところから見下ろしているようだが)。

Oppoのポップアップカメラのような、巧妙な代替策も登場しているし、さらにいくつかが続くだろう。Huawei Nova 4のように、ディスプレイにピンホールを開けたデザインは、大多数のカメラメーカーにとって、より合理的な選択肢のように見える。

埋め込み指紋認証


全面ディスプレイへの競争の側面には、指紋認証をどうするかという問題もある。いくつかの会社は、それを背面に移動した。また別の会社、たとえばAppleは、顔認証を採用することで、指紋認証は廃止した。もちろん、そうした技術は、顔の完全な3Dデータを登録できない限り、かなり簡単にごまかすことができる。そのため、指紋認識がすぐに廃れてしまうことはない。

OnePlusの6Tは、ディスプレイ内蔵の指紋認証を市場に投入した最初の製品となった。それは非常にうまく機能している。その技術の仕組みは以下の通りだ(数ヶ月前の私自身の記事から引用)。

画面がロックされると、どこを押すべきかを示す指紋アイコンがポップアップ表示される。指が正しい位置に置かれると、AMOLEDディスプレイが強く発光し、指の表面からの反射光によってスキャンする。メーカーは、0.3秒ほどでスキャンが完了するとしているが、私自身のテストでは1秒近くかかった。親指を適切な位置まで動かす時間を含めれば、もっとかかることもあった。

2月ごろに発売される予定のSamsungのS10も、その技術を採用すると言われている。そして、他の多くのメーカーがそれに追従したとしても、まったく驚くには値しない。

カメラ、カメラ、カメラ(そして、カメラ)


背面カメラの合理的な最大数はいくつだろうか? 2つ? 3つ? 数ヶ月前にリークされたNokiaのモデルが搭載する5台のカメラというのはどうだろう? 電話機が脇役になって、カメラが主役になるのはいつなのだろうか? このまま多くのメーカーが写真で差別化しようとし続ければ、やがて存続の危機に対処しなければならないような事態にもなりかねない。

最近のスマートフォンのカメラは、どこを見渡しても非常に優れているので、シンプルな解決策は、単純に数を増やす、ということになる。LGの最新モデルは、数を増やすことがどれだけ効果的であるかを示す、好例となっている。そのV40 ThinQは、前面カメラを2つ、背面カメラを3つ備えている。背面の3つは、標準、超広角、そして2倍の光学ズームレンズとなっている。スマートフォンは薄いので、1種類のカメラでは十分な光学ズーム性能を実現し難いが、3種類用意して、それぞれ異なるなるタイプの画像を撮影しようというわけだ。

それとは反対に、既存の部品を使いながら、よりよい写真が撮れるようなソフトウェアの開発に、それなりの投資をしている会社もある。AppleとGoogleは、ちょっとしたAIと機械学習の採用でも、写真撮影をどれほど向上させられるかを、いずれも最新のモデルで実証した。そうした技術は、特に非常に暗い場所での撮影と、ズーム機能に大きな効果を発揮する。

画像クレジット:Otto Steininger/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

YouTube TVがピクチャー・イン・ピクチャーに対応

GoogleのYouTube TVに、最新のアップデートでピクチャー・イン・ピクチャー機能が追加された。AndroidのNougatまたはOreoが動作している機種で利用できる。

Googleは今年の2月にYouTube TVを発表し、4月に米国主要5都市でサービスを開始したYouTube TVは、ケーブルTVを倒すことを目標にABC、Fox、CBS、CW、NBC、Disney、ESPNほか40以上の人気チャンネルを月額わずか35ドルで提供している。チャンネルは最大6アカウントで利用可能で、デバイス3台まで同時にストリーミングできる。

公開以来、Googleはサービス地域を拡大し、現在米国世帯の50%をカバーしている。専用アプリはスマートTV、ゲーム機、およびストリーミングデバイス向けに用意されている。

ピクチャー・イン・ピクチャーがAndroid 8.0の主要な特徴の一つであることを考えると、PIPがYouTube TVに入るのは自然な流れだ。

使い方は簡単だ。番組放映中にホームボタンを押すとプレーヤーウィンドウが小さくなって、別のことができるようになる。PIPを使っている間も、巻き戻し、早送り、一時停止、全画面に戻る、などの制御が可能だ。

PIPに興味のない人は設定メニューで無効にできる。

[via Android Police]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Android OreoとiOS 11を比較する

Googleは先ほど次世代Androidを正式に発表した。愛称はAndroid Oreoで、新しい機能をいくつも備えている。一部は処理速度の向上やバッテリー駆動時間の延長などシステムレベルのアップデートだが、ユーザーの使い勝手を直接改善するものも多い。

OreoのUIの新機能の中にはiPhone、iPadのユーザーにはすでにお馴染みのものがある。AppleはこれまでAndroidを巧みにコピーしたと批判されることが多かったが、Oreoに関してはGoogleはiOSから便利な機能をいただくことにしたようだ。もちろんAndroidがiOSに先んじた機能もある。

通知

Oreoの新しい通知システムはiOSをコピーしたものだ。Oreoではアプリのアイコンの右上隅に小さいドットが表示され、通知が来ていることを示す。これは初代iPhoneでiOSが登場して以来の仕組だ。Androidでもサードパーティーのアプリはずっと前からアイコン上にドットで通知を示す方法を採用してきた。

Googleはユーザーが通知を扱う仕組もコピーしたようだ。通知のバッジが表示されているアイコンを長押しするとポップアップメニューにいくつかのタスクが表示される。これは iOS 3D Touchと同様の機能だ。

ユーザーにとっては GoogleがiOSの通知機能をコピーしてくれたのはありがたい。アプリの通知バッジはiOSのバージョンアップをくくぐり抜けて現在まで生き延びてきた―それだけ便利だったからだ。

新しい絵文字

Android OreoもiOS 11も共に新しい絵文字を採用した。人類の未来は絵文字の方向に開けているらしい。Googleは絵文字のデザインをすっかりやり直した。 Goneわけのわからないデザインは去り、伝統的な円形の絵文字が復活した。

Appleは絵文字の顔の種類を大きく増やしたがGoogleの新しい絵文字もこれにならった。しかしAppleのCEO、ティム・クックが披露したプレビューではiOSの新しい絵文字は細部がよりいっそう鮮明にデザインされている。

ティム・クックのツイートに添付された画像の新しい絵文字はディテールが驚異的だ。ただしAppleが新しい絵文字をiOSに投入する時期は「今年中」としかわかっていない。おそらくはiOS
11と High Sierra の一般公開の時期となるのだろう。

コピー&ペーストの改善

Androidは発表の当初からコピー&ペーストをサポートしており、その後もこの点ではiOSに先がけてきた。コピー&ペーストはきわめて重要な機能だが、スマートフォンの画面が狭いため、ユーザーにとっては操作が難しい場合があった。Android Oreoではこれを改善しようとしている。

Smart Text Selection〔スマート・テキスト選択〕と呼ばれる機能で、ユーザーが画面をクリックするとシステムは機械学習によってそれがアドレスやマップへのリンクなのかどうか判断する。マップへのリンクと判断されればその地点のマップが表示され、一連の数字が電話番号だと認識されれば電話アプリが起動する。

これに似た機能はiOSにもあるが、Googleの方がカバー範囲が広い。 対象の認識能力ではGoogleのAIの方が強力だという印象だ。

P-in-P

AppleはiOS 9のiPadでピクチャー・イン・ピクチャー機能をサポートした。AndroidもOreoでこれに追いついた。特にAndroid OreoではタブレットでなくスマートフォンでもP-in-Pがサポートされるので、この点ではiPhoneを追い越した。

Android OreoのP-in-Pは期待どおりに作動する。ユーザーはビデオを縮小表示して画面の適当な場所に置き、他の作業を続けることができる。ビデオ・ウィンドウは他のタスクの上に表示され、ユーザーは窓をドラグして適切な位置にもっていく。

現在のところAppleのP-in-P機能はiPadに限られているが、今後はスマートフォンにも拡大されることが期待される。

オートフィル

AndroidはOreoでついにオートフィルをサポートした。これによりユーザー名、パスワード、住所などを記入するボックスが表示された場合、Oreoが自動的に正しい値を入力してくれる。以前からパスワード・マネージャー・アプリがパスワードについて似た機能を提供しているが開発も使い方もかなり面倒だった。アプリは今後Autofill APIを利用して簡単かつシームレスにオートフィル機能を利用することができる。

iOSにも似た機能があるが、Amazonなどの一部のアプリに限られており、ウェブのSafariブラウザにおけるような普及はみせていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Android Oreoのベータを互換機にインストールするのは超簡単、冒険派はシステムイメージからのインストールも

もしもあなたがAndroid Oreoに“飢えていて”(でもそれはビスケットじゃないけどね、もちろん)、しかも、とっても少ない互換機のどれかをお持ちなら、今すぐにでもそれを動かせる。互換機はNexus 5X, Nexus 6P, Pixel, Pixel XL, Pixel C1, Nexus Playerのどれかだ。勇気もすこし要るけど、でも昔ほどのリスクはない。

やることといえば、GoogleのAndroid Beta Programへ行って、手持ちの互換機で使ってるのと同じGoogleアカウントでサインインし、そのデバイスの横の“Enroll Device”ボタンを押し、Androidのベータテストの規約に合意し、あなたのそのデバイスの上でアップデートをチェックする。それだけだ。

ぼくの場合は、Android 8.0/Oreoへのシステムアップデートがすぐにダウンロード可になり、かなり素早くインストールされた。これが、キャリアによる公式リリースの前にアップデートする方法としてはいちばん簡単だ。登録解除も同じくAndroid Beta Programで行い、今の安定バージョンのAndroidへ戻れる。

冒険をしたい人は、システムイメージをダウンロードしてマニュアルでインストールしてもよい。ぼくは弱気な人間なので、ふつうにOTAコースを選んだ。Googleはこのプロセスを今ではかなり磨き上げていて、やばそうな場面は全然ない。マニュアルでインストールするのは面倒、と思われる方にはこっちがお勧めだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))