モバイルストリーミングQuibiのサービス開始日のダウンロードは30万回だが

Jeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏によって設立された奇妙な名称のモバイルストリーミングサービスQuibi(クイビィ)は、調査会社Sensor Towerのデータによると、サービス開始日に30万回ダウンロードされた。この数字は、2019年11月12日に米国とカナダで始まったDisney+の初日ダウンロード約400万回の7.5%に過ぎない。しかしQuibiアプリをApp Storeチャートのトップ近くに持ってくるには十分なものだった。4月7日現在、QuibiはAppleのApp Storeで第3位だが、Google Playでは29位にすぎない。

iOSでのチャート上位に入りこんだのは、Quibiがリリース時にApp Storeのあちこちでかなり取り上げられたことが貢献しているかもしれない。このプロモーションにはApp Store上の「アプリ」ページ一番上にあるスクロールできる大きなバナーや、「Apps We Love Right Now」コレクション下での表示などが含まれる。こうしたプロモは、好奇心に溢れたApp Storeビジターによるダウンロードを促したはずだ。

AppleがQuibiのプロモに関心を示したのには、サブスクリプションベースのプロダクトであることが関係している。サブスクはApp Storeの収入源だ。Quibiのストリーミングサービスは90日間無料で、T-Mobileの無制限ワイヤレスサービスの顧客には1年間無料で提供されるが、その後は広告付きサービスを月4.99ドル(約540円で)、もしくは広告なしサービスを月7.99ドル(約870円)で購入しなければならない。

Sensor Towerは、Quibiのデビューが「Game of Thrones」シーズン5封切り5日前の2015年4月7日にスタートしたHBO NOWのサービス開始をかなり上回るものだった、とも指摘した。しかしそれはおそらく適切な比較ではないだろう。それはHBO NOWのサービス開始が数年前だからだけでなく、HBO NOWが当時いくつかあるHBOコンテンツ視聴法の1つにすぎなかったからだ。当時のHBO視聴者の多くはすでにテレビ購読を通じてHBOにアクセスできていた。そして視聴者がモバイルで観たかったら、HBO GOアプリを使ってそうすることができた。

一方のQuibiはモバイルでのみの利用だ。つまり30万回という数字はサービス開始時の顧客ベース総数を表していて、いくつかある選択肢の一部というわけではない。

4月7日のデビューの前に、Quibiは初日のダウンロード数を押し上げるためにApp Storeでプレオーダーを提供した。この取り組みがどれくらい功を奏したのか定かではないが、Sensor Towerは初日ダウンロードの「かなりの数」が前もってのものだったとしている。

アプリでは、Sophie Turner(ソフィー・ターナー)やLiam Hemsworth(リアム・ヘムズワース)、Chance the Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)、Jennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)、Chrissy Teigen(クリスシー・テイゲン)らビッグネームスターが番組に登場している。カッツェンバーグ氏のコネ、そして17億5000万ドル(約1900億円)という巨額の資金のおかげで、QuibiはSteven Spielberg(スティーヴン・スピルバーグ)、Guillermo del Toro(ギレルモ・デル・トロ)、 Lena Waithe(リナ・ウェイス)、Catherine Hardwicke(キャサリン・ハードウィック)といった映画監督によるコンテンツの提供を約束している。

しかし、息抜きの時間は数分しかないような絶えず動き回る忙しい生活向けにデザインされたモバイルストリーミングサービスに対する消費者の需要は、現在のような自宅でテレビ見放題の隔離生活では無縁のものだ。そしてQuibiには現在、AirPlayやChromecastというオプションはなく、自宅での視聴という点では弱い。

公正に判断するには、ダウンロード30万回を分析するのはまだ早い。90日間のトライアルが終わるまでは、どのくらいの人がお金を払ってQuibiを利用するのか未知数だ。またサービス開始時のダウンロード数は大成功を示すものではなく、現在チャートの上位に入っていてもそれがすべてではない。

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(翻訳:Mizoguchi

Apple App Store登録デベロッパーは2000万名、累積売上1000億ドル、毎週のビジター数5億

Microsoftがデベロッパーに大人気のコードリポジトリGitHubを買収したばかりだが、現時点で多くのデベロッパーがお金を稼いでいる場所はAppleだ。今日のWWDCでAppleのCEO Tim Cookは、iOSの登録デベロッパーが2000万名、そしてApp Storeにおける彼らのこれまでの累積売上が約1000億ドル、App Storeの1週間のビジターは5億名、と発表した。

これらの数字は、Appleの一貫した、デベロッパーとアプリのマーケットプレース重視の姿勢を表している。スマートフォンのハードウェアの売上が先進国を中心に鈍化しているだけに、このようなデベロッパー/アプリの重視の姿勢は今後ますます、重要な収益源になるだろう。

Cookによると、Appleが開発したプログラミング言語Swiftも、このような、ハードウェア経済からソフトウェア経済への移行を反映して、ユーザー数が伸びている。

彼曰く、“Swiftはもっとも急速に成長しているプログラミング言語だ。Appleのデベロッパーはこの言語を大々的に使用しており、App Storeの35万以上のアプリがSwiftで書かれている。プログラミングは必須のスキルであり、世界中の学校で教えるべき、と信じている。プログラミングを学ぶことの利益は多く、問題解決の能力や重要な思考力を育てる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleのWeb上のApp Storeがシンプル&クリーンに改装

Appleが、Web上のApp Storeのルックスをアップデートした、と9to5Macが報じている。それはAppleが昨年9月にデザインを一新したiOS 11のApp Storeに、とてもよく似ている。しかしiOS 11と違って、アプリの発見機能はない。

機能的には前と変わらないが、重要なのは、クリーンでシンプルなデザインになったことだ。そう感じるのは、ホワイトスペースが増えたせいかもしれない。また、レビューが前よりも強調されている。

アプリがiPhone X向けに最適化されていると、表示されるスクリーンショットはiPhone Xの画面になり、iPhoneの前の機種ではない。それと、そのアプリがiOSデバイス用のApp Storeでしか入手できないことが、前よりも目立つレイアウトで訴求されている。

では、比べてみよう。

以前のデザイン:

新しいデザイン:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

App Storeはアプリの墓場

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【編集部注:本稿の執筆者、Alex AustinはBranchのファウンダー。

最近のApple App Storeや、Google Playプラットフォームに対して、誰もが同じワクワク感を抱いているわけではない。モバイルアプリのエコシステムを取り巻く絶望の空気は明白であり士気を失わせる。

私が両プラットフォームで初めてアプリを公開した時(運転中の燃費を自動的に監視するアプリ)、最初の一週間は夢中でダウンロード数をチェックし、壮大な夢を描いていた。その夢が実ることは、もちろんなかった。誰にも見つけてもらえないのに、なぜ時間を費して公開するのだろうか。

昨年私は、アプリの発見されにくさ、デベロッパーにとっての害、およびその改善方法に関する記事で、この感情を露わにした。しかし、注目されたのはアプリの成功率がいかに低いかだけで、モバイルエコシステムにおけるアプリ発見性の欠陥には、明確な影響を与えられなかった。

エコシステムの現状を明示すために、私はMighty SignalMixRankの友人らから提供されたApple App Storeのデータを分析して、いくつかのグラフにまとめた。

まず、各年に公開されたアプリの月間平均数を見てみよう。App Store開設後最初の丸一年は2009年で、毎月約3000本の新しいアプリが公開された。早送りして2016年、ここまで毎月5万本の新アプリが公開されており、今なお加速している。

Apps-Released-by-Year-Branch毎月出てくるアプリ数が増え続けているにもかかわらず、新しいアプリが目に触れられるための対策はとられていない。これは、デベロッパーが自分のアプリを見つけてもらうのが難しくなっていくことを意味しており、それがダウンロード数減少に直接結びついている。アプリ毎のレーティング(評価)の数の平均を年毎にプロットすればわかる。歴史的に、レーティング数はダウンロード数を示す優れた指標である。

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2009年には、アプリ1本当たりの平均レーティング数は〈10倍〉だった ― これは、2009年に公開されたアプリは、今より10倍ダウンロードされていたことを意味している。痛っ。

デベロッパーに与える影響は何か? 以前と比べてアプリを作ることは簡単になっていない。同じような努力で得られる報酬はもはや存在しない。これが、放棄アプリの劇的増加を呼んでいる。

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あるアプリが過去6ヵ月間アップデートされていなければ、現在アクティブに作業がなされていない可能性が高いとして、私は放棄アプリに分類する。各放棄アプリについて、公開日から最終アップデートまでの期間から、アプリがどれだけアクティブに手を加えられていたかを調べ、アプリ寿命グラフを作った。

上のグラフでわかるように、2009年にアプリをリリースしたデベロッパーは、放棄するまで2年以上アクティブに作業していた。一方、2014年と2015年にリリースされたアプリは、わずか3ヵ月で放棄されている。デベロッパーはかつてない早さでApp Storeから離脱し、放棄アプリを残していく。

この放棄率を新アプリの公開本数に掛け合わせれば、どれほど早く墓地が埋まっていくかは容易に見てとれる。

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この計算でいくと、App Storeには2015年末時点で150万本の放棄アプリが蓄積されている。2~3ヵ月というデベロッパーの早い離脱と、アプリ公開数の増加があいまって、App Storeは夢と希望の墓場と化している。

Appleがこの問題を認識し、あらゆる手を尽くしてデベロッパーを雑音の上に引き上げようとしていることを私は知っている。App Store検索の改善と、噂されているApp Storeスポンサー付検索結果に望みを託そうではないか。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ビデオを見たりソーシャルな共有で”ごほうび”をくれるアプリはApp Storeから締め出しへ…iOS 8の大改革

Appleは、デベロッパたちがアプリケーションの収益化や成長のために利用しているツールの規制を開始した。規制の対象となるのは、報奨で誘ってビデオの視聴をすすめるツール、ソーシャルに共有するとおまけがもらえるもの、プレイしているゲームの中でほかのアプリを見つけさせるもの、などだ。この規制はアプリ業界全体に影響を及ぼし、アプリの成長や市場拡大のためにこれまで一般的に使われていた方法を“リセットする”効果を持つだろう。

iOS 8で改革されるiOS App Storeに関してAppleは、アプリの発見過程の変更をいくつか発表している。そのための新しい機能ではユーザが、トレンドのキーワードやカテゴリ、カテゴリの小分類(サブカテゴリ)、関連する検索語、などを駆使してアプリを見つける。デベロッパは自分のアプリを、複数まとめて宣伝できる。しかし同社が発表しなかったかんじんの部分は、iOS8でアプリの発見方法を新しくするだけでなく、 Apple自身がそれを完全にコントロールしようとしていることだ。

ビデオの広告、ほかのアプリの宣伝、ソーシャルな共有は拒絶される

アプリのデベロッパたちはすでにAppleのアプリリビューチームから拒絶通知を受け取り始めているが、それらの通知は、AppleのDeveloper Guidelinesに書かれていることを、App Storeがアプリを受け取らない理由として挙げている。

たとえばデベロッパたちのためのQ&AフォーラムStackOverflowには、これまで4回リリースできて、今回は本体コードではなくグラフィクスの一部をすこし変えただけのアプリが拒絶された、という投稿がある。

この拒絶だけでなく、Appleが多くの場合に挙げる理由は、以下のような条項だ:

2.25: ほかの人のアプリを購入や宣伝のために表示し、そのやり方がApp Storeに酷似しているアプリは拒絶される。ただしその必要性が承認されたもの(健康管理や、航空機、障害者補助などのため)と、対象顧客層のために重要な付加価値を提供するものは例外とする。

3.10: 金を払った偽(にせ)のリビューや、そのほかの不適切な方法によって、ユーザのリビューやApp Storeにおけるランクを操作しようとするデベロッパはiOS Developer Programから除名される。

Appleのリビュワーは、次のように説明した: 2.25(2条25節)は“ほかの者のアプリを宣伝すること”、3.10は“ほかのデベロッパのビデオを見ることに無料のゲーム内クレジットを与えること”に関連している。ほかに、報奨によって共有を誘導しているアプリも拒絶される(例: Facebookにポストしたら何かをあげる、など)。

聞くところによると、今ではかなり多くのデベロッパが拒絶通知を受け取っている。彼らの一部は経緯の詳細を公開サイトに投稿しており、たとえばMobileDevHQフォーラム上のこれなんかもそうだ。そのデベロッパは、“これからは、何かをシェアするようユーザにすすめることはできないのか? 本には昔からそんな文があるし、Candy Crushにすらある”、と困惑の気持ちを表明している。

ほかのアプリを宣伝したり、ユーザに釣り餌を与えたりすることだけでなく、それによって
App Storeのランクを操作しようとすることも、拒絶の理由になる。

iOS 8大改革の前には、App StoreのTop Chartsが、アプリ発見に重要な貢献をしていた。そして高ランクに到達したアプリは — 何らかの操作や詐術によるものが多いが — 一日に何万票もかき集めるのだ。

[拒絶通知文の一部…ランキングの操作を指摘している]

前からあるアプリもこの大掃除のターゲットに?

Developer Guidelinesの文は非常に一般的であるため、とりわけ2.25は、どんなアプリ内広告でも引っかかってしまいそうだ。Appleがアプリ内広告を攻撃したのはこれが初めてではなく、こんなに長引いている係争もある。

今日では、専業の広告ネットワークのような企業が宣伝や収益化のためのビデオ広告を提供して、デベロッパの収入やアプリの知名度アップを助けている。したがって新たな拒絶方針が対象とするのはデベロッパだけでなく、AdColony、Applifier(Unity)、Flurry、TapJoy、SupersonicAds、Vungle、AppLovin、Sponsorpayなどなどといった、報奨つきビデオや、クロスプロモーションサービス*などのツールを提供している企業もだ。逆にFacebookやAppleのiAdのような、報奨付きビデオ広告をやってないところは、とても有利になる。またVungleなどが提供している一般ブランドの広告は、今回の拒絶云々の話とは無縁のようである。〔*: cross promotion; 相手のものの広告を載せてやることが、自分の広告を載せてもらうことの代価となる方式。〕

今回のApp Store改革の影響を受ける業界の情報筋は、拒絶の犠牲者になるのは多くのデベロッパたちだけでなく、ずっと前からApp Storeにあるアプリもやられる、と言っている。拒絶通知をもらったデベロッパがAppleに問い合わせると、Appleはこんな状況説明をくれた:

ときには、App StoreにあるアプリがApp Store Review Guidelinesに準拠していないと思われることもある。App Store上のアプリのコンプライアンス厳守に関しては厳格な努力を重ねており、現在App Store上にあってしかも非準拠であるものを、見つけ出そうとしている。それらをすべて見つけるためには時間を要するが、今回貴殿のアプリが拒絶された理由に、ほかのアプリの非準拠は含まれていない。

今後は、いかなる形の報奨つき格付けや広告視聴をも、削除していくことが妥当である。

今すでにApp Storeにある非準拠アプリを見つけて削除していけば、ゲームの大企業の一部はそういうアプリ宣伝や収益化の方法の常習犯だから、App Storeからトップタイトルの多くが急に消えてしまうという事態にもなりかねない。

Candy Crashの大成長も、報奨付き共有が支えている部分が大きい。それはFacebookの統合に大々的に依存し、Facebookのお友だちを招いたら、ご褒美(寿命を延ばす、など)をあげるわ、なんてやっている。

App Storeのリセットで再び公平性と機会均等を

この変化でApp Storeのデベロッパが受ける影響は大きい。App Storeの新しいルールをよく調べて、自分のアプリの検索ランクなどを高めるためにこれからは何をどうすべきか、新たにできる“トレンド”の機能はどう使うべきか(今のベータ状態ではよくわからないが)などを勉強しなければならない。この変化で収入が減るデベロッパもいるだろうから、そっちの影響も大きい。

一方、ふつうの広告ネットワークは有利だ。Appleのリビュワーの一人が、こうすすめている: “自分のゲームの広告は、ふつうの広告ネットワークで十分にできる。ただしそんな標準的な広告チャネルでは、ほかのゲームのためのマーケティングはできないけどね”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))