Apple Cardが米薬局大手Walgreensと提携し50ドルの新規登録ボーナスを提供

Apple(アップル)の特典付きクレジットカードのApple Cardは、初めての新規登録ボーナスを米国の薬局チェーンであるWalgreens(ウォルグリーンズ)との提携で実施する。6月1日にアップルとWalgreensは、Apple Cardを作成・入手後30日以内にWalgreensで50ドル以上買い物をした人に、Apple CardのキャッシュバックであるDaily Cash 50ドルぶんを付与する新サービスを導入した。

期間限定特典の詳しい内容はは、アップルのウェブサイトに記載されているほか、WalgreensのiOSアプリの「Weekly Ad & Coupons」ページの下にも表示される。特典付き新規登録の締切は2020年6月30日。

Walgreensはすでにアップルと密な関係をもっており、昨秋にはApple Cardを使った買い物に3%のDaily Cashを付加する提携企業に、小売業としてはUberに続いて加わった。現在、Walgreens(傘下の薬局・コンビニエンスストアチェーンのDuane Readeを含む)、Uber(Uber Eats)、T-Mobile、Nike、およびアップルは3% Daily Cashプログラムを展開している。それ以外のApple Cardによる購入でも2%または1%のキャッシュバックがあり、前者はApple Payを使った場合、後者はApple Payが使用できない店舗に適用される。

貯まったDaily Cashは、Apple Payの支払い時に利用できるほか、iMessageで家族や友達に送ったり、Apple Cardの請求残高から差し引いたりすることもできる。

WalgreensとDuane Read(デュエイン・リード)の店舗でApple Payを使った場合に3%のキャッシュバックが受けられるのに加えて、今から7月31日までの期間は、Walgreensドライブスルーで(Apple Payではなくチタン製の)Apple Cardを使って支払った場合にも3%がキャッシュバックされる。

昨今の特典付きクレジットカードのほとんどが、サインアップ時のボーナスを付与している。一部の年会費無料のクレジットカードもそうだ。「しかし、これまでApple Cardはその手のサインアップボーナスを顧客に提供していなかった」と、クレジットカードレビューサイトのCreditCard.comが今回の特典のレビュー記事(CreditCard.com記事)に書いている。例えば、米国でアメリカンエキスプレスが提供しているBlue Cash Everybody Cardや、Capital Oneが提供しているQuicksilver Cash Rewards Credit Cardは、条件に該当すれば150ドルが請求残高から差し引かれる。

「このサインアップボーナスはApple Cardにとっては初めてだが、時代の趨勢であることは間違いない」とNerdWalletのクレジットカード専門家であるSara Rathner(サラ・ラスナー)氏は言う。「消費傾向がわずか3カ月とも劇的に変わる今、クレジットカード業界全体が顧客の勧誘、維持のために変革を起こしている。Walgreensで買い物することに対して50ドルの特典を与えることは、消費者がこの種の特典にどの程度反応するかをApple Cardが試すひとつの手段なのかもしれない。

ただし、Apple Cardにはほかにも消費者にアピールする特典がある。カードに手数料は一切かからず、発行元のGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)はユーザーのデータを第三者に売ったり渡したりしないと約束している。クレジットカードを使う特典も欲しいが、プライバシーも守りたいという消費者にとって、Apple Cardがトップクラスの人気なのはこのためだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

個人会計管理アプリのCopilotがApple Cardの取引明細のインポートに対応

2020年1月にApple(アップル)がApple Cardの取引明細をスプレッドシートにエクスポートする機能を発表したことを受けて、TechCrunchライターのMatthew(マシュー)は個人会計管理アプリのCopilot(コパイロット)に対し、この機能に対応する計画があるかどうかを問い合わせた。そのときの答えの要点は「現在はまだだが、近いうちに」だった。そして今週、Copilotの対応が正式に発表された。

Copilotは、ユーザーがApple CardからのCSVのスプレッドシートを同社のアプリにインポートできるようになったと発表した。インポートした後は、アプリが取引を交通費、サブクスリプションサービス、買い物、外食などの項目に分類する。

支出を手動で管理しているユーザーは情報を1カ所にまとめることができ、アプリはリストから重複する項目を削除する。そこから、Apple Cardの時系列の収支や利用率が作成される。

支出のような面倒なことから不一致を可能な限り取り除くのは、Copilotのようなアプリにとっては重要なポイントだ。アップルとの統合は、請求を1カ所にまとめて便利に管理するための、ばかばかしいほど簡単な方法であると思われる。Copilotの最大のライバルであるMint(ミント)はすでにスプレッドシートのインポートに対応しているし、Clarity Money、YNAB、Lunch Moneyなども同様だ。

残念ながら現時点ではスプレッドシートのインポートを自動化する方法はなく、手動で毎回実行する必要がある。Copilot創業者のAndres Ugarte(アンドレス・ウガルテ)氏は、プロセスの完全な自動化に取り組んでいると述べた。

ウガルテ氏は次のように語っている。「Apple Cardのサポートは、我々のサービス開始以来、ユーザーからの要望が最も多かったものだ。今回の統合では、インポート時にCopilotがシームレスにApple Cardのデータをユーザーの他の取引と統合できるようにするために、大規模なバックエンドの開発が必要だった。我々は手を抜かず、Apple Cardの取引でもCopilotが他の金融機関に対して利用しているのと同じアルゴリズムで分類や分析ができるようにしようと考えた」。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Apple Cardの3月分支払いを無利息で先送りできると利用者へ通達

AppleとGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)は、Apple Cardの所有者に対して、Customer Assistance Program(顧客支援措置)に登録することで2020年3月分の支払いを無利息で先送りにできると通達した。現在、Apple Cardを所有している人たちへは、先週末にこのオプションが電子メールで伝えられている。そこでは、COVID-19により引き起こされた困難な状況に際して、通常の支払いができなくなる利用者もいるからだと説明されている。

「Apple Cardは、あなたが経済的に健全な生活が送れるようにお手伝いすることを確約します」とメールには書かれている。

顧客支援措置に登録するには、Apple Card利用者は電子メールのリンク(こちら)をクリックするか、Apple WalletアプリからAppleのサポート係に直接メッセージまたは電話をする。

「メッセージ」で手続きするのがいちばん簡単だ。リンクをクリックすると自動的に次のメッセージが表示される。「あなたのご苦労をお察しし、お手伝いいたしたく存じます」

そして、ゴールドマン・サックスへ転送されて手続きを進めることになる。

送られてきたリンクをクリックすると、2つめの自動応答メッセージが届く。これは顧客支援措置が提供する内容の説明だが、特に重要なのは、無利息で支払いを遅らせる件だ。その後、登録するか否かをたずねられる。

登録を申請すると、数日内に確認書類が電子メールで送られ、そこで登録が完了する、とAppleから伝えられる。これで終了だ。

登録手続きはわかりやすく、電話を掛けるよりもメッセージを使えばさらに楽に行える。だが、メッセージでこの措置に関する質問をして答えを得るのは、少し難しい。実験として、私たちはAppleのチャットボットに質問してみたが、「Appleのスペシャリストとゴールドマン・サックスにおつなぎします」と返ってきた。それが1時間前だが、今これを書いている時点ではまだサポート係からの応答はない。

提示されている電話番号(1-877-255-5923)での人によるサポートのほうが簡単だったが、あるサポート担当者によると電話の量が「激増」しているとのことだった。電話の自動応答システムで登録に関する説明を聞かされた後、2を押すとサポート担当者と直接話せるようになる。その日の午後は、意外に早くつながり、担当者がすぐに出てくれた。

支払いの先延ばしを申請した時点におけるカード口座の残高で、何らかの制限を受けることはないと私たちは知った。だが、この申請が自分の信用情報や信用スコアに影響するかについては、担当者は答えられなかった。自然災害の場合は、被災した利用者を特定して、支払いが滞っても信用情報に不利な影響がないように貸し手側が配慮する制度がある(Appleは利用者の口座は流動負債として報告されると認めている)。

この措置が4月まで続くかどうかについては、未確定事項のため、担当者は明言できなかった。

支払いの先延ばしを決めたカードはApple Cardだけではない。

Citi(シティ)は、3月早々に利用者のための支援措置を講じた。これには、信用枠の引き上げと支払猶予が含まれる。最近では、PNC Bank(PNCバンク)、Capital One(キャピタル・ワン)、Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)、Chase(チェイス)、Discover(ディスカバー)、U.S. Bank(USバンク)、Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ)、Fifth Third(フィフス・サード)他のカードも、新型コロナウイルスが流行している間、それぞれの支援措置を提供する旨を利用者に伝えている。

American Express(アメリカン・エキスプレス)も、利用者からの要請があれば対応するとTechCrunchに語っている。

「アメリカン・エキスプレスは、COVID-19の影響で経済的な困難に陥っている利用者を救済する準備ができています。カードの裏面に記されているカスタマー・ケア・プロフェッショナルに電話をするか、デジタル・サービス・チャンネル(オンライン・チャットまたはAmexアプリ)を通じていつでも対応します」と広報担当者は話している。支払いの先延ばし、戻り小切手手数料、利子などについて、利用者との個別の相談に応じるとのことだ。

「私たちには、経済的困難に対処する短期から長期にわたる数々の支援措置があります」と彼らは話す。

新型コロナウイルス流行時に家計を守るためのNerdWalletのガイドには、金融業者やクレジットカード発行会社は、その他の問題についても個人ベースで対応してもらえるケースがあると書かれている。

「利用者と1対1で対応する他に、銀行の中には一部の手数料を一律に変更するところもあります。たとえばシティカードは、3月9日から(30日間)数々の手数料を免除します。銀行口座の月間利用料や現金自動支払機での期限前払い戻しの違反金などです」とNerdWalletの広報担当者は言う。「助けが必要なときは、こうした提案を利用してください。あなたの負担が軽くなり、態勢を立て直して、先へ進むための計画を立てる時間が得られます」と彼らは話している。

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(翻訳:金井哲夫)

Apple Cardの取引明細がダウンロード可能に

Apple Cardが登場した時、誰もが気にしていた問題のひとつが、取引明細をダウンロードして経費管理ソフトやスプレッドシートにインポートできるかということだった。当時の答えは、ノーだった。

Appleは、Apple Cardユーザーが月間取引明細をダウンロードして、個人会計アプリやスプレッドシートで利用できるようになると発表した。

先日私が、Mintに代わる会計・予算アプリの お薦めをリクエストしたところ、多くの回答にあったのが市場にあるツールの多くがスプレッドシート指向であるという指摘だった。Mintはインポートが可能で、Clarity Money、YNAB、Lunch Moneyも同様だ。そしてもちろん、Googleスプレッドシートやその他のスプレッドシートアプリに続々登場している個人用ソリューションもそうだ。

最も推薦の多かったアプリで現在、私がテストしているCopilotは、スプレッドシートのインポートに対応していないが、ファウンダーのAndres Ugarte(アンドレス・ウガルテ)氏は、開発予定に入っていると私に話していた。ウガルテ氏はAppleによる今回の発表について「Apple Cardのサポートはユーザーから一番多い要望なので、Copilotにデータをインポートできる方法を提供することをとても楽しみにしている」と語った。

月間取引明細をスプレッドシートにエクスポートする方法は以下の通り。

  • Walletを開く
  • 「Apple Card」をタップ
  • 「Card Balance(カード残高)」をタップ
  • 取引明細の月をタップ
  • 「Export Transactions(取り引きをエクスポート)」をタップ

まだ月間取引明細がない人は、作成されるまでこの機能は見えない。最後のステップでは、標準的な共有画面が表示されて、メールやメッセージなど通常の方法でファイルを送信する。現在のフォーマットはCSVだが、近いうちにOFX(Open Financial Exchange)形式も加わる予定。

というわけで、Apple Cardの月間取引明細をダウンロードして利用できるツール(あるいはスプレッドシート)を使っている人は、やっとその望みが叶う。Plaidやアカウントへのリンクに特化したAPIレベルのアクセスを必要とするツールを使っている人は、もう少し待つ必要がある。

いつそれが可能になるかAppleからの情報はないが、開発チームが今後も新機能を公開していくことを私は知っているので、いずれ提供されるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple CardのiPhone無利息分割購入プログラム12月中なら6%還元

Apple(アップル)は米国時間12月10日に、Apple Cardの保有者が新しいiPhoneを無利息で24カ月分割で購入できるプランを開始した。同社は10月の決算会見でこのプランを発表していたが、すべてのApple Card保有者に向けてスタートした。

さらに同社は、12月中に購入した人に追加特典を用意しており、アップル製品購入に対するキャッシュバックは通常3%だが、2019年12月31日までは6%になる。6%のキャッシュバックは、アップル直営店、オンラインストア、Apple Storeアプリのいずれから購入しても対象になる。

これまでにもアップルは、iPhone アップグレード・プログラムを通じてiPhoneを無利息で分割購入できる仕組みを提供してきた。しかし、このプログラムではローン会社のCitizens Oneの24カ月分割払いを利用する必要があり、返済遅延などの場合には何らかの手数料が生じる可能性があった。

今回の新しいiPhone分割購入プログラムは、アップル自身が提供するため、3%または6%(購入時期による)のキャッシュバックを含め、外部ローン会社が関与しないことによる特典があり、iPhoneのアプリ、Apple Wallet(Apple Pay)で直接支払うこともできる。

同社によると、毎月の支払いはカード保有者の最低返済額に自動的に上乗せされるので、支払いは月に1回だけでいい。キャッシュバックはユーザーのApple Cashの残高に加算され、その後のApple Pay経由の支払いに当てることもできる。

このiPhone分割購入プログラムは、将来さらに大きなサブスクリプション商品へと成長するための土台を築くものだ。いずれアップルは、iPhoneの購入と他のサブスクリプションを組み合わせたバンドル商品を提供するかもしれない。それによりユーザーはiPhoneと一緒に、iCloud、Apple Music、Apple TV+、Apple News+、Apple Arcadeなどのサービスをまとめて購入することができる。

現在、提供しているiPhone分割購入プログラムも、24カ月間ぶんのAppleCareをまとめて購入できるバンドル商品になっている。アップルは、その他のサブスクリプションサービスをバンドル化する試みも小規模ながら進めており、最近では学生向けにApple MusicとApple TV+の両方をApple Musicの料金(月額5ドル)だけで利用できる商品を発表している。

新しい分割購入プログラムは、現行のアップグレードプログラムに置き換わるものではない。現行のプログラムはApple Cardの保有者以外のために今後も継続される。しかしApple Cardの保有者は、次にiPhoneをアップグレードする時に、アップル自身が提供することで実現するさまざまな特典を利用するに違いない。

分割購入プログラムはこの秋に事前発表されていたが、同社CEOのTim Cook(ティム・クック)氏はプログラムを紹介した時にも明確な提供時期を明らかにせず、今年中には始まるとしか言わなかった。しかし、最近になってプログラムの詳細がApple Walletアプリに追加されたことで、サービス開始間近であることが示唆されていた。

分割購入プログラムの詳細はこちら。[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple CardユーザーはiPhoneを無利息分割購入可能に

まだ「Apple Prime」とまではいかないが、これは相当魅力的だ。Apple(アップル)は米国時間10月31日に、Apple CardユーザーがiPhoneを購入する際、24カ月無利息で融資を受けられるサービスを開始した。これは、iPhoneの最新モデルへと頻繁にアップグレードするが、そのために借金することの多い消費者へのアピールを狙ったサービスだ。

「Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス) のApple Cardを持っているiPhoneユーザーは、新たな選択肢を手に入れることになり、伝統的クレジットカードのような利息や手数料はかからない」とアップル。加えて、Apple Cardはアップルからの購入に対して3%のキャッシャバックを行っているので特典はさらに魅力的になる。

このプログラムは、最終的にアップルの大規模サブスクリプション商品、通称「Apple Prime」になると一部の人たちが信じているものの土台作りになる。Apple Primeという仮称は、迅速な無料配達に加えてさまざまな特典を提供しているAmazon Primeになぞらえたものだ。

アップルのハードウェアサブスクリプションとは、最新のアップルハードウェアを使えるだけでなく、AppleCareなどのサービスがついてくるもので、現在あるiPhoneアップグレードプログラムと似ている。ただ後者の場合利息は0%だが手数料がかかる。しかし、真のApple Primeには、iCloud、Apple Music、Apple TV+、Apple News+、Apple Arcadeなどのサブスクリプションサービスがバンドルされることになる。

アップルはすでにサブスクリプションバンドルの実験を始めている。たとえば今週学生向けバンドルとして、Apple MusicとApple TV+の両方を、Apple Musicの学生プラン(月額480円)と同じ料金で提供開始した。またある意味でアップルはすでに、ストリーミングサービスのApple TV+をハードウェアにバンドルしていて、同社製ハードウェアを新規に購入するとApple TV+を1年間無料で利用できる。

このところアップルは、さらに本格的なiPhoneサブスクリプションプログラムに向かって着々と進んでいる。数年前から実施しているiPhoneの下取りプログラムは、新しいiPhoneの購入価格を引き下げるわかりやすい方法だ。

例えば9月のiPhone 11イベントでアップルは、この仕組みを使ってiPhone 11の低価格を強調するスライドを見せた。iPhone 8を下取りに出せば、iPhone 11は最低価格の699ドルではなく、最低399ドル、月当たり17ドルで手に入る。iPhone 11 Proは、iPhone Xの下取りで月額25ドルに、Pro Maxは Xの下取りで月額29ドルになることもアップルは表明した。一連のプロモーションは功を奏しているようで、以前よりも多くのアップルユーザーが下取りを利用している。

「下取りプログラムは非常に好調で、1年前と比べて5倍も利用されている」とアップルでCFOを務めるLuca Maesti(ルカ・マエスティ)氏が決算会見で語った。

長期的な展望は、アップルのの顧客ベースにiPhoneを高価な一時の買い物ではなく、毎月請求される支払いの1つと思わせることだ。保証やメディアやエイターテイメントのオプションをいくつか足してやれば本物のiPhone主導サブスクリプションが出来上がる。それこそがApple Primeだろう。そして、Apple Cardのおかげで、アップルはユーザーに直接アップルから商品を買うインセンティブを与える方法を手に入れた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

4000円の木製Apple Cardケースが登場、あなたは買う?

Apple Cardの取り扱いの注意事項がオンラインで公開されると、みんながからかったり面白がったりした。革とデニムと注意、という部分だ。どちらの素材も財布や衣服に普通に使われている。

あれこれ言われているうちに、起業家たちはこの特殊な状況を狙おうと考え始めたようだ。ピッツバーグを拠点とするKerfCaseは、カードがポップアップする木製のカードケースを発表した。価格は39ドル(約4100円)。私が見たApple Card用ケースの中ではこれが一番いい(この記事を投稿すると、さらに50製品以上のお知らせが届くだろうが)。

創業者のBenjamin Saks(ベンジャミン・サックス)氏は、このプロジェクトはちょっとしたおしゃべりがきっかけだったが最終的にはリアルなプロジェクトになり、うまくいっていると語る。ペニシリンの発見だって、偶然の産物だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Apple Cardは革とデニムが大敵と判明

ルールその1。光に当てるのをできるだけ避けること。特に日光は危険だ。強い光に長い間当てると死んでしまう。その2、水を与えてはいけない。その3のルールが最も重要だ。何があろうと夜中を過ぎたら食べ物を与えてはいけない。これは絶対に守る必要がある。なぜなら夜中すぎに餌を与えると…。

というのは、映画「グレムリン」に登場する架空の生き物「モグワイ」の話だったが、Apple(アップル)が発した警告によれば、チタニウムに特殊コーティングを施した美しいApple Card革とデニムが大敵だという。「このような素材と接触するとカード表面が着色され、色が落ちなくなる」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

期待の新クレカApple Cardが米国でスタート、Appleからの購入は3%キャッシュバック

米国時間8月20日、Apple(アップル)はしばらく前から情報が流れていた新しいクレジットカード、Apple Cardをローンチしたことを発表した。対象は 当面米国在住のiPhoneユーザーとなる。

Apple Cardの申し込みはiPhone上のWalletアプリから行う。Apple Cardはオンラインの申し込みが完了するとすぐにApple Payで支払いに利用できる。チタン製の物理的カードが届くのを待つ必要はない。

支払い処理はGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)とMastercard(マスターカード)が担う。Apple CardはMastercardが利用できる場所ならどこでも、通常のクレジットカードとしても、Apple Payの支払い手段としても利用できる。カード利用でポイントを付与するサービスはユーザーに人気があるが、Apple Cardの場合はポイントではなくストレートなキャッシュバックとなる。これはApple Payを利用するユーザーに特に魅力的だ。Apple Pay以外の支払いでは1%であるのに対し、Apple Payを利用した場合は2%のキャッシュバックが与えられる。

さらにAppleから各種のプロダクトを購入した場合3%のキャッシュバックがつく。Appleで高額のショッピングする予定があれば誰でも加入したくなるだろう。

キャッシュバックはApple Cashのアカウントに振り込まれるが、Apple Cashに登録していない、ないし利用したくないユーザーの場合、Apple Cardのアカウントに月単位で記帳される。

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Apple Cardは利率、手数料についても透明性が高い。年会費、キャッシング・サービス、限度額超過利用、支払い遅延などにかかる費用はべてゼロだ。 分割払利息のAPR(年率)はユーザーの信用状態によって12.99%から23.99%までとなる。ユーザーに請求される手数料、利息はアプリの計算シートに色つきで表示されるのでわかりやすい。

たとえば、レストランで支払いをするとiPhone上のカードはオレンジ色になる。映画その他エンターテインメントの支払いはオレンジとピンクになる。

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Apple Cardの大きな特徴はiPhoneに統合され、その能力をフルに生かせる点だ。

WalletやApple Cashと同期できるのはもちろんだが、 ユーザーはiMessageを通じてサポートを受けることができ、カードを利用した場所をマップ上にピンポイントで表示できる。

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一般公開に先だって一部のユーザーはApple Cardを試用していたが、本日のローンチで3%のキャッシュバックがApple自身のプロダクト以外にも拡大されることが発表された。

Appleでは3%のキャッシュバックをUberとUber Eatsにも適用するとしている。また3%キャッシュバックを受けるマーチャントの範囲は今後さらに拡大されるという。またApple Payは近くUber Cashと同様にUberの支払いにも利用できるようになる。

ただしチタン製の物理的カードを利用した場合のキャッシュバックは1%だ。

Appleではプライバシー保護が強力であることもこのカードのメリットの1つだとしている。 Apple自身はユーザーがどこでショッピングしたかを知らず、Goldman Sachsもデータをマーケティングや広告などの目的でサードパーティと共有し、あるいは販売することはない。

物理的カードの表面にはカード番号などの情報が一切印刷されていない。情報は磁気ストライプに格納され、アプリを通してのみアクセスできる。カード利用の際にサインも必要ない。

Apple Cardは当面iPhone 6(iOS 12.4)以降を所有する米国在住ユーザー向けに発行される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Apple Cardで仮想通貨は買えない

いよいよ登場間近となったApple(アップル)のクレジットカードを使って、仮想通貨を買い漁ろうと狙っていた人は、ちょっとがっかりだろう。Apple Cardは、仮想通貨だけでなく、宝くじ、現物であろうが仮想であろうがカジノのギャンブルチップの類、外貨、トラベラーズチェック、などを購入するのに使うこともできない。

ロイターは、Apple Cardのカード発行会社であるゴールドマンサックスのウェブサイトに掲載された約定の詳細を確認し、「キャッシングや現金に相当するもの」には使えないという制限事項を発見した。

その契約では、Apple Cardが使えない対象を、以下のように定義している。「キャッシングサービスや現金相当物との取引、たとえばトラベラーズチェックや外貨、暗号通貨、郵便為替、個人間の送金、電信送金およびその他の現金相当物との取引、宝くじ、カジノのゲームチップ(物理的なものでもデジタルでも)、レースの掛け金、および同様の賭け事のための取引」。

暗号通貨の価値の変動が激しいことを考えれば、そうした不安定なものに大金を注ぎ込もうとするカード所有者に対して、はっきりと「ノー」を突きつけるアップルとゴールドマンサックスの意図は、十分うなずけるものだ。

Appleは、この3月にクレジットカード業界に参入すると発表した。Apple Payを使って購入した場合には、2%のキャッシュバックが受けられるという。ただし、物理的なカードの場合には、デジタルカードほどの気前の良さは示されず、キャッシュバックは1%になる。一方、Appleから直接商品を購入する場合には、3%のキャッシュバックが受けられる。

入金の遅れに対する延滞料や、懲罰的な金利もない。Apple Cardの金利は、ユーザーの信用度に基づき、13〜24%の範囲となっている。

Apple Payと同様、プライバシーの保護も約束されている。Appleカードの取引記録データは、Apple、ゴールドマンサックス、あるいは他のパートナーのいずれによっても、広告やマーケティング用として販売されることはないと誓約されている。ただし、そうしたデータは、財務報告などのために、規制当局に提供される可能性があるとされている。

Apple Cardは、米国内では来月から利用可能となる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Apple Cardは8月に提供開始、ティム・クック氏が発表

Appleの発売予定日は確実からほど遠くなってきた。例えばAirPower。しかし、Apple Cardは発表通りこの夏には提供されそうだ。

Apple CEO Tim Cook氏は同社の四半期決算会見で、Apple Card(ゴールドマン・サックスとの提携による)を8月に提供開始すると発表した。

「数千人のApple社員がベータテストで毎日Apple Cardをつかっている。8月にはApple Cardの提供を開始する予定だ」とCook氏は言った。

Cook氏の発言は、先週Bloombergが、Appleは8月始めを目標ににカードを提供すると報じていたこととも一致する。

関連記事:

Apple Cardの詳細、米国で今夏から使えるアップル製クレジットカード

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple Cardは8月前半に登場か

Apple Cardの登場が間近に迫っていると、ブルームバーグが伝えている。米国の顧客は8月前半に新しいクレジットカードを申し込めるようになりそうだ。

iOSの最新アップデートのiOS 12.4で、Apple Cardを利用する準備は整ったと言われている。アップルがサーバーの設定を変えればカードを使えるようになる。

ブルームバーグは米国時間6月20日、正式リリースに先立ってアップルリテールのスタッフがApple Cardにサインアップし、テストをしていると報じていた。

おさらいをしておこう。アップルはゴールドマン・サックスと提携して米国の顧客向けにクレジットカードを提供する。ゴールドマン・サックスがバンキングのインフラを管理し、アップルがユーザーエクスペリエンスをコントロールする。ユーザーはiPhoneのWalletアプリから直接サインアップできる。Apple CardはApple Payで利用できるほか、マスターカード加盟店で使えるチタン製のカードも発行される。

最近の取引一覧に加え、購入をカテゴリーごとに見ることもできる。Apple Cardの会費や海外取引手数料は発生しない。物理カードでの支払いで1%、Apple Payでの支払いで2%、アップルからの購入で3%のキャッシュバックが受けられる。

キャッシュバックはApple Cashカードに直接付与される。付与された金額はApple Payを利用して、Apple Cardで支払いをしたり銀行口座に振り込んだりすることができる。

セキュリティに関しては、カードにクレジットカード番号が記載されていない。Apple Payに対応していないWebサイトで買い物をするときは、Walletアプリでバーチャルカード番号が発行される。

Apple Cardは3月に発表された。その時点でアップルは、今年の夏に提供を開始する予定と説明していた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

アップルがiOS 12.4を公開、Apple Cardに対応か

新機能満載のiOS 13はすぐそこまで来ているが、まだ準備は整っていないようだ。Apple(アップル)はiOS 12.4を公開した。安定バージョンの最新アップデートだ。大きな変更はほとんどないが、理論的にApple Cardをサポートした最初のバージョンになる。ただし機能はまだ有効になっていない。

Appleが自社製クレッジットカードのテストを始めてから数週間になる。Bloombergによると、Appleストアの店員はiOS 12.4と招待状があればApple Cardを申し込めるようだ。

ちなみに、Appleは米国ユーザー向けクレジットカードでゴールドマン・サックスと提携している。サインアップするとMaster Cardのクレジットカードをウォレットアプリで使えるようになる。

アプリでは、最近の購入一覧を見られるほか、購入商品をカテゴリー別に見ることもできる。Apple Cardで支払った場合は1%、Apple Payを使った場合は2%、Apple製品の購入なら3%のキャッシュバックがある。

キャッシュバックはApple Cashカードに直接加算される。残高はApple Payを使った各種支払いやApple Cardの支払いに使うか、自分の銀行口座に振り込むことができる。

Apple Cardが最初に発表されたのは今年の3月だった。その時Appleは夏には使えるようになると言っていた。iOS 12.4が公開された今、Apple Cardのリリース日はそう遠くないはずだ。

またiOS 12.4には、iPhoneから別のiPhoneに無線でデータ転送できる移行ツールが入った。新しいiPhoneに切り替える時、iCloudを使っていない人には特に便利だろう。

このアップデートでは、Apple News+のコンテンツを細かく調整できるようになった。たとえば、ダウンロード済みの雑誌を削除したり、ダウンロードされた雑誌のチェックなどができる。

また今日のアップデートでは、Apple Watchのトランシーバー機能が再度有効になる。Appleは同機能に脆弱性が見つかったため、一時的に無効化していた。

Appleのセキュリティー情報ページによると、今回のiOS 12.4には36件のセキュリティー修正が含まれている。

アップデートの前に、iPhoneをiCloudかiTunesにバックアップするのをお忘れなく。そのあと設定アプリで、一般 > ソフトウェアアップデートへ進む。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルがアメリカ・ファースト戦略に回帰する狙い

最重要市場の中国ではなく膝元を足固め

米国時間の3月25日に開催されたアップルのスペシャルイベントでは、世界展開を続けてきた同社が久しぶりに、北米や英語圏のユーザーに向けたサービスを中心に発表した。iPhoneの売り上げを語るうえでは最重要市場であるはずの中国、iPhoneユーザーの比率が他国に比べて突出して高い日本は、少し蚊帳の外といえる内容だった。

既報のとおり、Apple News+、Apple Arcade、Apple Card、Apple TV+の4つのサービスが発表された。一部には類似サービスが存在するため既視感はあったものの、どのサービスもアップルらしいUI/UXを備えており期待大だ。サービス開始時期は、Apple News+が米国とカナダのみで提供中、Apple Arcadeが150か国以上で今秋、Apple Cardが米国のみで5月、Apple TV+(新Apple TVアプリ)が5月となっている。

この発表を受けて日本法人であるアップルジャパンは、Apple ArcadeApple TV+のニュースリリースを配信した。これは、残りのApple News+とApple Cardについては近い将来のサービスの開始が国内では決まっていないということを示している。

ちなみに今回のスペシャルイベントは、翌日3月26日にファーウェイがHUAWEI P30シリーズをパリで発表する予定だったので、日本国内のジャーナリストを二分した。正確には、アドビ システムズが3月24日から米国ラスベガスで開催した「Adobe Summit 2019」に一部のメディアやジャーナリストを招待していたので、三分したかもしれない。

スマホ系を中心に国内外で精力的に取材活動を続ける報道関係者にとって、アドビの招待取材は優先順位が低かったかもしれないが、アップルとファーウェイのどちらの招待取材を受けるかは苦渋の決断だっただろう。

フタを開けてみると、日本に関連する発表が少なかったうえ当日から利用できたのはApple News+だけだったので、現地で時間をかけて取材することは難しかったのではないか。むしろその前に、新iPadシリーズや新AirPodsの招待制ブリーフィングを受けて実機を借り受け、いち早く先行レビューを出せた、ひと握りのメディアのほうがメリットは大きかった。

イベント終了後に各メディアがさまざまな切り口でアップルの発表内容を報じたが、日本ではサービスの提供予定が見えないApple Cardへの注目度がひときわ高かったように感じた。TechCrunchのアクセスを見てもApple Cardの記事はダントツの人気だった。イベントに招待を受けた報道関係者も絶賛していただけに、諸事情があるものの日本では当面ローンチされないことは、つくづく残念でならない。

今回、ハードウェアのApple TVがすでに販売されており、ある程度素地が整っていた中で投入されるソフトウェアのApple TV+や、すでに世界展開しているゲームメーカーと組むことで実現したApple Arcadeについては、早い段階で世界各国でサービスを利用できる。

一方Apple New+やApple Cardは、各国の権利関係や法律の問題もあり、全世界で同時、いや主要国で同時スタートさせるのも至難の業だったことは容易に想像できる。世界同時を実現しようとすればスピード感が失われ、コストも時間もかかる。特に重要市場である中国でのサービス展開は、国の仕組みが異なるうえ米中貿易摩擦もあり、困難を極めるだろう。

今回発表された4サービスに共通するのは、利用者にApple IDを使わせれば、あとはハードウェアがなんだろうと構わなくなる点。ハード面、ソフト面で競合他社と消耗戦を繰り広げる必要はなく、アップルお得意の優れたUI/UXと画期的なサービスで勝負したほうが、5年先、10年先の勝ち筋は見えやすい。

iPhoneの高機能化して売上台数を前年以上に積み上げて市場を拡大する戦略から少し方針転換し、まずは膝元の米国と英語圏のユーザーを狙って継続的に収入が見込めるサブスクリプションサービスを導入し、iPhoneに依存しない収益源として事業を確立させる足固めに入ったのではないか。

アップルが唯一の弱点を克服する第一歩に

少し話を戻すと、スペシャルイベントで印象に残ったのは、利用者のプライバシーを徹底的に守る、サブスクリプションサービスを提供する、まずは北米や英語圏でローンチという内容。

アップルは最近、ネット時代の巨大企業としてGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)の4社でまとめられることが多いが、ほかの3社と大きく違う点が2つある。1つは、利用者のプライバシー情報を厳格なルールで守っている点。もう1つは売上の大半をハードウェアに依存している点だ。アップルは基幹ソフトウェアとハードウェアの両方を開発している現在では稀有な企業だが、これまでソフトウェアはアップルのエコシステムの中で循環するのみで、外部への波及はApple MusicのAndroid版やiTunesのWindows版など限定的だった。

アップルが公開している四半期の決算データを見ると、Apple MusicやApp Storeを含めたサービス系の売上は上がっているものの、いまのところiPhoneありきの売上であることに変わりはない。

iPhoneの登場ですべてが変わったケータイ業界だが、現在ではハードウェア面のiPhoneの優位性は失われている。ここ数年は新型iPhoneが登場しても、技術的には他社の後追い感は否めない。カメラの数ではファーウェイに敵わないし、被写界深度を測るTureDepthカメラもすぐに真似されてしまった。

ソフトウェア面は、iPhoneやiPadなどの特定デバイス向けに開発しているので互換性の問題は少ないうえ、速度もチューニングしやすい。パフォーマンスの低い旧モデルでは一部の機能をあえて使えなくして快適性を保つというカスタマイズもアップルの自由だ。しかし機能面を見ると、Androidに比べてこちらも優位性は保てなくなっている。革新的だったアニ文字やミー文字にしても、あっという間に他社から同様のサービスが出てきてしまった。

今回、サブスクリプションを前面に押し出したアップルの発表は、こういった状況を踏まえたうえだったと思われる。iPhoneやiPadはこれからも売れ続けるが、いつかそれほど売れなくなる日がくる。アップルはそのXデーを見据えて、3つのサブスクリプションサービスをローンチしたのだろう。

少々強引だが、唯一のハードウェアの発表と言われたApple Cardも定期的に金銭の移動があるという意味ではサブスクリプションサービスに近い。しかも、こちらはアップル(もしくはゴールドマンサックス)の与信チェックをクリアすれば、iPhoneユーザーなら誰もが年会費無料のタダで所持できる点で、ほかのサブスクリプションサービスに比べて間口が広い。

ポイント還元率は、物理(チタン)カードで1%、バーチャルカードを使ったオンライン決済で2%、アップル製品のオンライン決済では3%と既存のクレジットカードの中では高い部類に入る還元率だし、即時キャッシュバックが受けられる点もメリットだ。

しかもアップルは、Apple Cardの使用履歴を含めた個人情報などをサードパーティーには一切提供しないことを明言している。プライバシーの漏洩がとても気になるユーザーにとっては最高の環境を提供しようとしている。

アップルのサブスクビジネスは成功するか

Apple TV+は間違いなくNetflixとの勝負になるが、テレビを含むどれだけ多くのスクリーンにインストールさせられるかがキモになる。となると、早々にAndroid対応も視野に入れるべきだろう。低価格のハードウェアのApple TVも欲しいところだが、Fire TVが担ってくれるのでとりあえず問題はない。というより、Fire TVのApple TV+対応により、ハードウェアのApple TVは役目を終えるかもしれない。

潤沢なキャッシュを社内留保するアップルにとってはたいした額ではないかもしれないが、スピルバーグやJ・J・エイブラムスが監督を務め、有名俳優や女優が出演する映像コンテンツの配信を継続していくには、莫大なコストがかかるので得策ではないだろう。

Apple Arcadeは、携帯ゲーム機としてiPhoneが圧倒的なシェアを保持しているので、成功する道筋は見えている。初期参加のゲームメーカーがキラーコンテンツを投入できれば、大きく盛り上がるだろう。この施策が成功すれば、ゲーム専用機としてiPod touchの復活もあるかもしれない。そして、こちらも市場の拡大にはAndroid展開が欠かせない。

Apple News+日本展開の課題

日本ではサービスインが未定のApple News+の今後の展開はどうだろうか。これまで提供されてきたニュース記事のキュレーションアプリだったApple Newsの対象国は、米国、英国、カナダ、オーストラリアの英語圏4カ国しかなかった。このアプリの世界展開を待たずに、アップルは300種類以上の雑誌が9.99ドルの定額読み放題となるApple News+サービスを、米国とカナダのみでスタートさせることに踏み切った。

今後は他国で、特に英語圏以外の国や地域でサービスを実現するには、ニュース記事のキュレーションにその国や地域の文化、言語に精通したスタッフが必要になる。日本に限って言えば、コンテンツの部分ではYahoo! JAPANなど記事を提供している新聞社やウェブメディアは有料記事を含めて条件次第では乗ってくるはず。気になるのは日経電子版として単独でのサービスを提供している日本経済新聞社が、コンテンツを提供するかどうか。

一方、Apple News+の雑誌読み放題部分については導入のハードルは少し低いだろう。日本では、NTTドコモが「dマガジン」として税別400円で200誌以上、楽天ブックスが「楽天マガジン」として税別380円で250誌以上の国内雑誌読み放題サービスを提供している。この中で、dマガジンの後ろで各出版社から雑誌データを集めて納品しているのは、大手出版社のKADOKAWA/ブックウォーカーなので、KADOKAWAを足がかりとして国内出版社と交渉できるだろう。すでに類似サービスにコンテンツを提供している各社が拒否する理由はない。もしくは、米国でApple News+の雑誌読み放題部分のベースになったデジタル雑誌サービスのTextureのように、dマガジンや楽天マガジンの事業そのものを買収するという手も考えられる。

とはいえdマガジンなどは、スマホ契約時の割引のバーターとして加入させる営業手法が封じられたため、最近は加入者がそれほど増えていない。Apple News+の日本ローンチ時は、そのアプリがiPhoneやiPadにプリインストールされると思われるので、わざわざインストールさせるという高い壁は乗り越えられるが、ユーザーに認知させて実際に使ってもらうには相当の宣伝コストがかかるだろう。

UI/UXでは圧倒的なアドバンテージがあものの、1000円前後(9.99ドル)の価格設定では、dマガジンや楽天マガジン、そして無料でニュース記事が読めるYahoo! JAPANや各種キュレーションメディアとの勝負は厳しい。日本では識者が気になるニュースを読めるNews Picksなどの新しいキュレーションメディアの存在感が増していることも考えると、アップルの「中の人」が記事をキュレーションするセンスも問われる。

Apple Cardはラグジュアリー路線を希望

Apple Cardはどうだろうか。まずはUS TechCrunchの編集長であるMatthew Panzarinoの記事を参照してほしい。素晴らしいセキュリティ機能を備えているので個人的にはとにかく入手したいクレジットカードだ。アップル製品のオンライン決済なら3%の即時キャッシュバックなので、アップルをこよなく愛する人ならもちろん申し込むだろう。とはいえ、10億人超の人口を抱える中国ならまだしも、現金でのやり取りが盛んで少子高齢化が進む日本で仮に導入しても、一部のユーザー向けの小さなビジネスなりかねない。iPhoneを使っている一般層にもメリットを享受できるサービスが必要になってくるが、これもなかなか難しいのではないか。

還元率最高3%は確かに魅力だ。しかし、コード決済の消耗合戦が繰り広げられてる現在の日本では、還元面でのオトク度で訴求するといまひとつインパクトに欠ける。バーチャルカードは、LINE PayやKyashなどがすでに実現しているので新規性はさほどない。

クレジットカードの利用頻度が高い米国なら、入出金の管理まで「Wallet」アプリに任せられるのは非常に便利だろう。日本に限ると、金融機関の口座や証券口座、ポイントカード残高までを一元管理できる、Money ForwardやMoneytreeのほうが使い勝手はいい。そのため、アドオンとしてこれらのアプリの機能がWallet上で使えるようになればベストだ。

Apple Cardの最大のアピールポイントは、物理カードがチタン製で、カード番号やセキュリティコードが記載されていない(磁気ストライプにはカード番号が記録されている)、バーチャルカードの番号とセキュリティコードが毎回変わるので盗用されにくい、というセキュリティの高さ。iPhoneがないとすべての機能を使えないが、そのぶんセキュリティレベルは非常に高い。

米国でも5月からのサービスインなのでこれ以上の詳細は不明だが、Apple Cardは米国以外では一般的なクレジットカードやデビッドカートと勝負するのではなく、ワンランク上のラグジュアリカードとしてアピールすべきではないだろうか。年会費が無料で遅延賠償金が上乗せされない(分割払い時などで発生する通常金利は発生する)という類を見ないカードなので、与信情報(クレジットスコア)でふるいにかければ優良顧客のみに絞り込める。

まずは、Apple Cardを所持できるというステータスを確立し、その上にゴールドやプラチナなどの上位ランクカードを作って、アップル直営店やオンラインストアでの還元率を高めつつ、空港ラウンジのフリーパスといった付帯サービスを充実させていくのはどうだろうか。個人的にはApple Cardの海外展開は、私のようなアップル信者だけではなく、ほかのサブスクリプションサービスでは取り込みにくい中国の富裕層を狙ったほうがビジネスとしては有望だと感じる。

Apple Cardの詳細、米国で今夏から使えるアップル製クレジットカード

Apple(アップル)がこのほど開いたイベントの中で会場を最もどよめかせたものの1つがApple Cardだった。ゴールドマン・サックスとマスターカードとの提携のもとに展開される独自のクレジットカードだ。消費者、テックメディア、金融メディア、ウォール街はそれぞれの理由で好奇心をそそられた。

しかしこのクレジットカードがどのように作用するのか、消費者向けの規約、全体的なメリットなど、知りたいことはたくさんある。私は金融専門の記者ではないが、かつて支払い関係の記事は書いていたし、にも増して私は知りたがり屋だ。Apple Cardのメリット(そして警告)はさらに検証するに値する。

ある意味、Appleのクレジットカード業界参入は、テック業界における最大のようやく的なものの1つだった。Appleが、ポイントカードやクーポン、外部のクレジットカード、チケットを利用できるようにするPassbook(Walletアプリの前身)を立ち上げたとき、その先にクレジットカードがあることが極めて明瞭になっていた。

今回、明らかになったAppleの考えは、Appleのクレジットカードサービスについて実質的なバージョン1だ。そう、今回はバージョン1で、Appleはこのコンセプトを新たな機能やメリットでバージョンアップさせていくだろう。

基本

Apple Cardの基本は極めて明快だ。TechCrunchでは基本情報についてはすでに案内したので、ここで詳細は繰り返さない。Apple Cardはバーチャルと物理のカードで、マスターカードを扱うところならどこででも通常の購入、あるいはApple Payでの購入に使える。専用アプリでカード払い内容が自動的にカテゴリー分けされ、どこで使用されたのかを表示する。そして、アプリのデザインは利息や支出、キャッシュバックなどが見やすいものになっている。キャッシュバック率は物理カードの場合は1%で、バーチャルカードの場合はApple Payによる購入で2%、Appleプロダクトの購入だと3%となっている。キャッシュバックは毎日Apple Cash残高に反映されるか、Apple Cashアカウントを持っていない(持ちたくない)場合はクレジットとして毎月カードに反映される。

しかしこうした基本的な情報以上に、このクレジットカードがどんな仕組みになっているのか、知りたいことはたくさんある。ここにいくつかの興味深い情報を紹介する。

物理カードのアクティベートはiPhoneが必要

物理カードのアクティベートはiPhoneに表示されるカードをタップすることでできる。アクティベートは、AirPodのペアリングと似ていて、iPhoneにポップアップでアクティベートのボタンが表示される。現在のベータ版では以下のようになっている。

Apple Cardには遅延ペナルティレートはない

Apple Cardがペナルティレートを適用するといういくつかの報道があったが、これは主にいくつかの規制専門用語によるものだ。ペナルティレートは、期日までに払わないときに金利を増やすことであり、そうした報道は正しくない。Apple Cardには遅延手数料やペナルティレートはない。ユーザーは合意に基づく金利で支払うが、その金利が上がることはない。Appleがクレジットカードに関する支払い遅延の通常報告をすれば、ユーザーのクレジットスコアに影響するだろうが、支払いが遅いからといってAppleやゴールドマン・サックスが金利をあげることはない。

ユーザーに業界で最も低い利率を提供

大方のカード会社(利率はおおよそ13〜24%だ)と同じようにApple Cardも利息を課すが、サインアップしたユーザーにはクレジットスコアに基づき業界で一番低い利率を課す。これは、どうやってクレジットや極めて低い利息オプションを提供するかを考えればさほど驚きではないが、より高い利率を払うのではなく“本当の”スコアが適用されれば、一番低い利率となる。

使用額は銀行口座のACHかApple Cash経由で支払い

請求額を払うのにApple Cashは必要ないが、稼いだキャッシュバックやApple Cashにあるお金を支払いにあてることはできる。

署名の必要がない

物理カードでもアプリでも署名は表示されない。数カ月前にネットワークが変わり、どのクレジットカードでも販売時に署名する必要はなくなった。一部の店ではまだIDの提示を求めるかもしれないが、Apple Cardのシステム内で署名がないというのはその使用を妨げるものではないはずだ。

バーチャルのカード番号を動的に付与できる

おそらく最大のセキュリティ機能は、オンライン上でのApple Payを使用しない購入のためにApple Cardがバーチャルのカード番号を付与できることだろう。カード使用時にカードの情報がアプリに表示されるとAppleは説明したが、どんな情報が表示されるのか具体的ではなかったので下記に示す。

  • 物理カードにはもちろん番号はない。アプリにはカード番号の下4桁だけが表示され、フルで番号を目にすることは決してない。
  • その代わり、アプリ内のカード用にAppleはバーチャルのカード番号とCVVを用意する。バーチャルのものはオンラインやスマホでApple Payを使用しないときの購入に使う。この番号は半永久で、つまり好きな期間使い続けることができることを意味する。
  • しかし、ユーザーはボタンを押してPAN(primary account number=主要口座番号)を新しくつくることができ、これにより新しいクレジットカード番号がいつでも提供される。これは、ユーザーが誰かに自分のクレジットカード番号を教えなければならず、しかし相手を完全に信頼できないといった状況で便利だ。
  • カード番号はマニュアルでのみ再発行でき、自動的には変わらない。今のところ、使用1回のみの番号や、1つの小売のためだけの番号のサポートはない。

カードでの支払いは決済のたびに変わる

ことになるCVVが毎回必要となる。これは今週はじめにZack Whittaker記者が概説したが、さらにセキュリティを強化する素晴らしい機能だ。もしカードがスキムされたりコピーされたりしても、ユーザー以外の誰かがカードをオンライン購入で使うことを困難にする。

私は決済にPrivacyというバーチャルカードサービスを使っている。Bank of AmericaやCitiのようないくつかの銀行やクレジットカード会社も最近バーチャルカード番号を提供している。しかしApple Cardは間違いなく、消費者が簡単な使用インターフェースでバーチャルカード番号にアクセスできるようになり、またより多くの人の目にコンセプトをふれさせる最大の組織になるだろう。

ところで、もしサブスクリプションや継続のサービスにApple Cardを使えば、カードを再発行したときにカード情報を再入力しなければならなくなるのは考えられることだ。しかしかなり多くの小売が、特にカード登録システムを採用しているところはすでにアカウントアップデートサービスを使っている。これらのサービスは、引き続き決済するためにマスターカードから新しい番号を引き出せるので、Apple Card会員側でしなければならないことは何もない。

物理カードの番号はユーザーにはわからない

物理カードは磁気ストリップに固定の番号があるが、ユーザーにはその番号はわからない。アプリにある番号と、磁気ストリップの番号は完全に異なるものになり得るし、それでも全く問題ないことをここに記しておくのは重要なことだろう。ユーザーは物理カードのPANの下4桁を知るのみだ。もしカードをなくしたり盗まれたりしても無料で新しいカードをもらえる。盗難や詐欺の場合にはアプリでそのカードを簡単に凍結できる。

セットアップの方法からするに、Apple Cardでの支払いは、物理カードでの購入をのぞき、毎回生体認証を必要とする。これはApple Payでの支払いに限ってであって、オンラインでのApple Payによる支払いでなければそうではない。個人的には、決済手続きを進めるかどうか、オプションでiPhoneからの確認を必要とするのはクールだと思うが、二度手間のようではある。

バーチャルのPANは自動的にSafariに入る

Apple Cardを入手すると、バーチャルのPANは自動的にSafariに入ってくる。なので、サインアップすると、ユーザーはSafariやiOS、MacでAppleが作るバーチャルカード番号に自動的にアクセスすることになる。あなたが使えるようにカードはそこにある。

物理カードの再発行は無料

一部の人は派手なチタン製のカードの再発行はお金がかなりかかると心配している。手数料はかからない。

当面は1人1口座につきカード1枚

現在のところ、複数の人向け、あるいはシェア向けのカードを出す予定はない。

海外決済時の為替はマスターカードが決定

海外決済手数料はないが、為替はネットワークが決める。レートは固定ではなく、海外通貨でもない。

二段階認証が必須

Apple Cardユーザーはサインアップを設定するのに二段階認証を利用していなければならない。

Androidでは使えない

Apple CardをAndroidで使うというのはあり得ない。まったく馬鹿げているが、そういう質問を受けた。Apple Cardの機能の大半をAndroidで使ったり、そもそもサインアップすることはできない。しかし、もしAndroid端末に切り替えたとしたら、物理カードをそのまま使って支払いをすることはできるかもしれない。ただ、キャッシュバックやセキュリティ上のメリットなしとなれば、だれがそれを実行するだろう?

マーケティング目的でデータを売らない

ゴールドマン・サックスはマーケティング目的でデータを売らない。これはイベントでのスライドで示されていたことだが、いくつか追加の疑問があった。彼らが目にするデータは内部報告のために使われるが、外部のため、あるいは内部でのマーケティング、または広告のためには使用されない。これはサードパーティにもいえることだ。一部の規制当局や運用パートナーはそうしたデータを見たり、データを送ったりする必要があるだろうが、それら全てはマーケティングや広告のためではなく、Apple Card運営に関連するものでなければならない。

キャッシュバック採用の理由

どうしてキャッシュバックなのか?Appleがキャッシュバックのみにすることに関して、私はいくつか疑問を持った。私が話した人の賛同も得られた私の仮説はというと、Appleは最もシンプルで普遍性のある特典構造にしたかった、ということだ。それがキャッシュ(現金)だ。ポイントというのは、その性質上、比較的不明瞭で現金に対するその価値は日々変動する。最初に提供する特典として、Appleはすぐにアクセスでき、銀行に振り込んだり、現金のように使ったりというキャッシュによるものにしたかった。キャッシュバックは比較的競争があり、業界で最も高いキャッシュバック率ではない。

その他Apple Pay関連

以下はApple CardというよりはApple Payのことだが、Payでできるようになることを挙げる。

  • サポートされる媒体やトランジットシステムの数はオペレーターによって異なる。
  • ポートランドでは電車やバスでも使えるようになる。シカゴでも同様の見込み。
  • シカゴではオープンループやVentraカードシステムもサポートする。ポートランドではHOPカードを通じてオープン/クローズドループシステムもサポートする。
  • ニューヨークはいくつかのラインでこの春Apple Payのパイロットを実施し、その後、今年いっぱいかけてラインを追加して展開する。

全体的にApple Cardには、ユーザーが気にするデータの透明性に関してユニークで興味深い部分がある。ユーザーは消費者向けのカードのためにそこら中にあるベストなアプリ(AMEXアプリなど)のライバルとなる、情報豊かで理解しやすいものを手にすることができる。Apple Cardはまた堅牢なセキュリティ機能も備えている。

Apple CardはおそらくAppleにとってかなりのヒットとなるだろう。私はAppleがプログラムのバージョンアップを続けることを願っている。

この記事は交通についての詳細が修正された。

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(翻訳:Mizoguchi)

Apple Cardはクレジットカード詐欺をずっと難しくする

Apple(アップル)は独自のクレジットカード「Apple Card」を発表した。これは、クレジットカード詐欺をより難しくすることだろう。

Apple CardはiPhoneのウォレットアプリに内蔵され、通常のクレジットカードとは異なり、数々のセキュリティとプライバシー関連の機能を内蔵している。たとえば、顧客がどこで買い物をしたか、何を買ったか、いくら支払ったかという情報は企業に提供されないのだ。

さらに、毎回自動生成されるセキュリティコード(CVV)のおかげで、クレジットカード詐欺での悪用がほぼ不可能となっている。これは、クローンやスキミングに悩まされる従来のクレジットカードとの大きな違いだ。

このように毎回変化するセキュリティコードというアイデアは、数年前にMotion Codeが実現した。また、指紋のような生体認証システムをカードに内蔵させるという取り組みも存在する。しかし問題は、クレジットカード詐欺の大部分を占めるオンライン上での取り引きだ。

Apple Cardでは、Touch IDやFace IDといった生体認証機能で守られた、変化するセキュリティコードを持つバーチャルクレジットカードを実現した。さらに実際のチタン製のカードに、カードナンバーは存在しない。もし誰かがApple Cardを悪用しようとすれば、スマートフォンと持ち主の顔や指を盗む必要があるだろう。

また、ヘルスケアや家計、生体認証データと同じく、銀行口座やクレジットカード情報は安全なスマートフォンのセキュリティチップに保存される。

Apple Cardは今夏に米国にて提供予定。その他の地域でのリリース時期については発表されなかった。

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(文/塚本直樹 Twitter